3回
2019/12 訪問
ジャンルを超えた独創的なセンスが光る @広尾
西麻布の交差点から南に下って二つ目の角。こんな分かりやすい所にこんなお店があったのか。
白い壁にさりげなく Cot のサインが。そこから小さな螺旋階段で地下に降りるとそこは別世界、というやや謎めいたアプローチ。
そうだ、今思えばここからストーリーが始まっていたのかもしれない。
前菜からデザートまで、めくるめく料理の展開には嬉しくも初めての体験が。お店に入るところから出るところまで、シェフの描いた物語とそれを成す術を堪能させていただいた。
◆カレーパン
真白な皿に小さな小さな球体の揚げパンがポツリ。ひとかじりして平がるカレーの風味に驚くも、なんだかそのユーモアが嬉しくなる。これからの展開が楽しくなる、とても粋なアミューズブーシュ。
◆冬トリュフのブリック焼き
出ました。贅沢な冬の珍味。そのトリュフがたっぷりとトッピングされ、その香りが周囲に広がっていく。それを柔らく焼かれたブリックで包んで食すのだが、これがなんとも夢見心地になる味わいだ。トリュフのコリッとした素朴な食感と弾力性を伴ったフワッとしたブリックの生地の食感の対比が奥の深い贅沢な感覚。そして、鼻から抜けてくる芳醇な香りは外から直接嗅ぐそれとはまた異なった美味さだった。食べ進めると感じるボリュームの充実感がまた嬉しい。
◆牡蠣のムース 海水のジュレと生海苔を乗せて
ややストイックに感じるなんとも斬新な外観。透明なガラスの上に、底の深いガラスの器。その中に三陸の牡蠣とムース、その上に有明の生海苔、そして海水のジュレがとピングされている。キラキラとしたガラスにモノトーンの積層がデザインセンスを感じさせる。そして、その味も初体験。生海苔の旨味と海水のジュレが醸し出す磯の感覚とクリーミーなムースが溶け合ったときに生まれる上品なコク、宝物のように大切に置かれた牡蠣の美味さ。
◆冬トリュフのムース
物語は濃厚な方面にどんどん進んでくる感じ。アワビの芳醇な出汁とトリュフの香りが織りなす至高の味わいに思わずため息が出る。これまでの官能的な料理の展開に味覚の満足度と理解度がピークに達する。あわわ。
◆紅茶のシャーベット
絶妙なタイミングで出されたこのグラニテは爽やかな紅茶の香りとほろ苦さ。濃厚な料理の後の緊張感を一気に解いてくれる。
◆北海道の鹿のロース キノコのソース
ここで現れた鮮やかな赤身の綺麗さがとても印象的だった。臭みのない鹿のロースは素直な歯応えと弾力。肉の旨味には上品な深さと広がりがある。
◆柿とクレームブリュレ
コンビネーションを選択できる。軽快な甘さの柿は歯ごたえを少し残した絶妙な熟れ具合。クレームブリュレはカラメルの苦甘さが丁度良かった。果物の自然の旨味と上質なカスタードとのマッチングに満足。
感服。
2020/01/23 更新
グルメなお客さんとの会食で。
コンクリート打ち放しで、ダクトや配管が露出した天井にキラキラしたシャンデリアが下がる。
モダンでありながらエレガントな空間演出にはデザインの感度と洗練さがある。
複雑な形をしている地下のスペースが故に落ち着いたコーナーが所々に。
安心感のある雰囲気で美味な料理とワインを楽しむにつれ、自然とビジネスの会話が弾む。
来店時には期待感を誘う螺旋階段を下り、帰りはエレベーターで上がり路上でシェフが見送ってくれる。
これもまた粋だな。
[アミューズ]
・小さな椎茸のグラタン
ころっとした形が可愛らしい椎茸の上にグラタンが乗せられる。玉ねぎの甘みとクリーミーさが食欲をそそる。椎茸の熱の通り具合絶妙でその歯応えを楽しんだ。
[オードブル]
◆トリュフを乗せた洋風煎餅
運ばれてくる時から香りが漂ってくる。
なんと美しく贅沢な盛り付けだろう。スライスされたトリュフが小さな円形ピザの上に花びらのように綺麗に並べられている。
[パン]
・さつまいも型
バターとパテで頂く。これは忘れ得ぬ美味さ。
[オードブル]
・蟹味噌ととびこのらミルフィーユ【超絶】
オレンジ色が鮮やかな長方形をしたミルフィーユ。
蟹味噌の芳醇さととびこの粒の舌触り、食感の複雑さからくる楽しさ。
これは味わいに係る色々な感覚を刺激する上等な料理。
付け合わせの野菜は蕪と紫大根の美しいストライプに。
[ポワソン]
・白子のポアレ【絶品】
[グラニテ]
・ライチのシャーベット
クールダウンと共に期待感が盛り上がる。
[メイン]
・スコットランド産雷鳥のグリル ブドウのソース
美しい赤身だ。
引き締まった食感は硬さを感じるものではなく、食べ心地を味わうもの。
が故に肉自体の深い旨みが感じられ、とても充実した気持ちになる。
[デセール]
・黒糖のクレームブリュレ
カラメルの層はリッチな厚さ。これが良い。
そのビターな甘さに追いかける黒糖のコクがマッチしていた。