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味のパラディーソ(楽園)を探す旅
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Y・Tパラディーソ (男性・神奈川県) 認証済
この口コミは、Y・Tパラディーソさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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1回
夜の点数:4.0
2015/05 訪問
『こんな低い評価のイタリアンじゃなぃ』って思う。
JR逗子駅前商店街から路地を入ってすぐの場所に、その店はあります。車で訪ねても、店前に有料パーキングがあり(残念ながら提携してないようです)、買い物ついででも寄れる便利なエリア。店前にはテラス席も用意されており、初夏の季節は屋外で食事というのもありでしょう。~~~~湘南パラダイス物語 後半Ⅲ~~~~お園の逗子のアパートから遠くないこの場所に、湘南ボーイの楽ちゃんを招いたのは5月も下旬になろうという平日夜でした。「相談ごと」という、お園の誘いにやや不安のよぎる面持ちで電車を降りた楽ちゃんは、改札の外で笑顔で手を振る彼女を見て、取り敢えずホッと安堵の表情に…。 お園 「前に2度、ランチしたイタリアンあんだよ。」 楽ちゃん 「逗子はイタ飯屋が多いもんな。」 お園 「トラットリア言う。」 楽ちゃん 「お高くとまってない食堂ってことね。」手を繋ぎ、弾むように歩みを進める二人。今年の5月は、昼間が真夏みたいに蒸すのが早かったけど、夜は涼しく外でのディナーにはまだ時期尚早と思われました。 スタッフ 「中で、空いてるお好きな席にどうぞ。」 楽ちゃん 「おっ、お洒落な薪窯がある・・・ってことはピッツァいいねぇ。」 お園 「メーンはお魚がいいか、お肉がいいか、どっち?」 楽ちゃん 「この『相模豚の肩ロースをハーブでロースト』したやつ。」 スタッフ 「はい。」 お園 「おすすめのピッツァは何ですか?」 スタッフ 「今日は、豚バラと新玉葱・トマトのピッツァですね。」 楽ちゃん 「それ、いいじゃん。あとさ、黒板に書いてある『熊本産塩トマトと小さな モツァレラのカプレーゼ 極上オイルと鎌倉のバジル』ってのを前菜に。」 スタッフ 「はい、ドリンクは如何いたしましょう?」 お園 「楽ちゃんはビールだよね。ウチはデザートの時に紅茶を。」今日の二人は、お肉系イタリアンです。 楽ちゃん 「相談ごとって?」 お園 「帰ってこい言う、父が。じさま弱って来たこんだぁ、本気みたい。」 楽ちゃん 「ずっとか?」 お園 「あっちゃ農場の跡継ぎばいねからぁ、婿取れて思ーとるっしょ。」 楽ちゃん 「俺、就職したばっかだよ。」 お園 「分かっとるて、伊達に来いた言わん。」 * 小さなココットの器にチキンカチャトラの冷製(サービスです。) 非常に美味しい。煮汁がゼリー状に優しく固まっている。鶏肉の味が逃てい ない上にスープのコクが豊か 楽ちゃん 「うまっ!」 お園 「冷やすのって初めて食べたぁ。」 * 熊本産塩トマトとモッツァレラのカプレーゼ これは、定番。完熟で真っ赤なトマトは、バジル緑とモッツァレラ白の組み 合わせで美しい。熊本トマトの味の甘さと濃さが見事。 お園 「楽ちゃん、トマト好きだな。」 楽ちゃん 「うん、この赤は凄い。・・・で?」 お園 「今すぐじゃなくぅ、何時か。」 楽ちゃん 「妹はどうしてんだっけ。」 お園 「まンだ高校生だすぃ地味だべ・・・婿なんて遠い先。ばっちコ、自衛隊行くて。」 楽ちゃん 「ってお父さんが考えてるんだ。俺が農場やるように見えたのかな。」 * 豚バラ&新玉葱、トマトのピッツァ 生地は分厚くないがモッチリの食感。トマトソースがたっぷりのせられ玉葱と 豚肉が絶妙に絡む。 楽ちゃん 「これは、久々に美味しいピッツァだな。トマトソースうま過ぎだよ。」 お園 「この生地の薄さと食感が好きだな。玉葱も甘い。」 楽ちゃん 「でもさ、お互い長男・長女ってネックだよな。」 お園 「楽ちゃんは都会が似合う。港区とか千代田区でバリバリやってるイメージ。」 楽ちゃん 「おいおい。」 お園 「ウチ、田舎モン臭抜けん女っしょ。」 楽ちゃん 「そこがイイんんじゃね?」 * 相模豚の肩ロース ハーブロースト 分厚い肉の表面を焼き、オーブンでじっくり中まで温めてミディアムなピンク の断面を見せる盛り付け。ポテトの重ね焼きをガルニにマスタードソースとバ ルサミコのシロップが飾られている。緑の葉野菜が肉を鮮やかに見せている。 楽ちゃん 「都会的洗練なんざクソ喰らえだ。(パラ子みないなのは友だちで許すけど、 とても彼女にはできないタイプ。)俺は、お園でなきゃやだ。」 お園 「ありがと。・・・この豚っ子やっこい!」 楽ちゃん 「ホント、どうやって焼けばこんな仕上がりになるのか聞いてみたいよ。」 お園 「この茶色いのは?」 楽ちゃん 「ペロッ・・・、はぁ~バルサミコだな。トロ味ついてる。」 お園 「バルサ・・・?」 楽ちゃん 「うん、ワイン原料のイタリア酢だよ。マスタードの辛味とバルサの甘酸っぱ さが一体になるように提供してるんだね。」 お園 「よけい美味しくなるんじゃね。さすが考えてる。」いつものように、食事の会話を盛り上げようとすればするほど気もそぞろ、自分たちの将来が見えなくなりつつあることを痛切に感じていました。 お園 「楽ちゃん、デザートは?」 楽ちゃん 「アイスクリームでいいや。レモン味。」 お園 「ネ、イチゴのタルトにしてみっせ。」 楽ちゃん 「え~、腹いっぱいだぜ、もう。」 お園 「半分ウチが食べる、ネ、ネ。」 楽ちゃん 「まぁ、まいいけど。」 さて、食事も終末に近づき、予告なく店内が暗転しました。 楽ちゃん 「おや、小さな花火付?」 お園 「ほぅだ、就職のお祝いまだだっしょ。来週は楽ちゃん誕生日だし。」 楽ちゃん 「うひゃ、恥ずかし嬉しだよぅ。お園サプライズ仕組んだな。」 お園 「あは、楽ちゃんおめでとございます、だよ。」周囲の見知らぬお客たちからも、ささやかな拍手が沸き起こりました。 * とちおとめイチゴのタルト 有名店のいちごテンコ盛りのタルトに負けない。イチゴ片が角皿にあふれ出た ビジュアルでシュガーパウダーも少々散らしてあり、ミントの葉が効果的。 * ヨーグルトと有機レモンのジェラート レモン果汁のおかげで、原材料の乳製品らしさを感じさせない清涼感がある。 * コーヒー&紅茶 コーヒーはマシンで淹れてある。深めの煎り。プラ容器のフレッシュは残念。珍しく、楽ちゃんの顔が上気して赤く染まっているのがわかるほどになりました。微笑みながらイチゴタルトとヨーグルトアイスを分け合う二人は、傍目にも幸せなカップルに見えたことでしょう。 お園 「今日は、ウチがご馳走だよ。」 楽ちゃん 「そんなぁ、悪いよ。」 お園 「次回は楽ちゃんネ。」会計が終わって、駅に向かったものの、二人は目を合わせたまま離れることができません。示し合わせたように駅をやり過ごし、踏切を渡り、小さなトンネルを抜けてしばらく歩くと、お園の部屋が見えてきます。 お園 「酔い覚まししてって。」楽ちゃんは無言で頷き、お園の後に従ってアパートの階段を登りました。お園のフレグランスが宵闇に、うっすら香るのを感じながら・・・。 ~~~~ つづく ~~~~
2015/05/21 更新
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個室
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食べ放題
子供可
ペット可
クーポン
テイクアウト
家族・子供と
デート
女子会
合コン
大人数の宴会
接待
一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
JR逗子駅前商店街から路地を入ってすぐの場所に、その店はあります。
車で訪ねても、店前に有料パーキングがあり(残念ながら提携してないようです)、買い物
ついででも寄れる便利なエリア。
店前にはテラス席も用意されており、初夏の季節は屋外で食事というのもありでしょう。
~~~~湘南パラダイス物語 後半Ⅲ~~~~
お園の逗子のアパートから遠くないこの場所に、湘南ボーイの楽ちゃんを招いたのは5月も
下旬になろうという平日夜でした。
「相談ごと」という、お園の誘いにやや不安のよぎる面持ちで電車を降りた楽ちゃんは、改
札の外で笑顔で手を振る彼女を見て、取り敢えずホッと安堵の表情に…。
お園 「前に2度、ランチしたイタリアンあんだよ。」
楽ちゃん 「逗子はイタ飯屋が多いもんな。」
お園 「トラットリア言う。」
楽ちゃん 「お高くとまってない食堂ってことね。」
手を繋ぎ、弾むように歩みを進める二人。
今年の5月は、昼間が真夏みたいに蒸すのが早かったけど、夜は涼しく外でのディナーには
まだ時期尚早と思われました。
スタッフ 「中で、空いてるお好きな席にどうぞ。」
楽ちゃん 「おっ、お洒落な薪窯がある・・・ってことはピッツァいいねぇ。」
お園 「メーンはお魚がいいか、お肉がいいか、どっち?」
楽ちゃん 「この『相模豚の肩ロースをハーブでロースト』したやつ。」
スタッフ 「はい。」
お園 「おすすめのピッツァは何ですか?」
スタッフ 「今日は、豚バラと新玉葱・トマトのピッツァですね。」
楽ちゃん 「それ、いいじゃん。あとさ、黒板に書いてある『熊本産塩トマトと小さな
モツァレラのカプレーゼ 極上オイルと鎌倉のバジル』ってのを前菜に。」
スタッフ 「はい、ドリンクは如何いたしましょう?」
お園 「楽ちゃんはビールだよね。ウチはデザートの時に紅茶を。」
今日の二人は、お肉系イタリアンです。
楽ちゃん 「相談ごとって?」
お園 「帰ってこい言う、父が。じさま弱って来たこんだぁ、本気みたい。」
楽ちゃん 「ずっとか?」
お園 「あっちゃ農場の跡継ぎばいねからぁ、婿取れて思ーとるっしょ。」
楽ちゃん 「俺、就職したばっかだよ。」
お園 「分かっとるて、伊達に来いた言わん。」
* 小さなココットの器にチキンカチャトラの冷製(サービスです。)
非常に美味しい。煮汁がゼリー状に優しく固まっている。鶏肉の味が逃てい
ない上にスープのコクが豊か
楽ちゃん 「うまっ!」
お園 「冷やすのって初めて食べたぁ。」
* 熊本産塩トマトとモッツァレラのカプレーゼ
これは、定番。完熟で真っ赤なトマトは、バジル緑とモッツァレラ白の組み
合わせで美しい。熊本トマトの味の甘さと濃さが見事。
お園 「楽ちゃん、トマト好きだな。」
楽ちゃん 「うん、この赤は凄い。・・・で?」
お園 「今すぐじゃなくぅ、何時か。」
楽ちゃん 「妹はどうしてんだっけ。」
お園 「まンだ高校生だすぃ地味だべ・・・婿なんて遠い先。ばっちコ、自衛隊行くて。」
楽ちゃん 「ってお父さんが考えてるんだ。俺が農場やるように見えたのかな。」
* 豚バラ&新玉葱、トマトのピッツァ
生地は分厚くないがモッチリの食感。トマトソースがたっぷりのせられ玉葱と
豚肉が絶妙に絡む。
楽ちゃん 「これは、久々に美味しいピッツァだな。トマトソースうま過ぎだよ。」
お園 「この生地の薄さと食感が好きだな。玉葱も甘い。」
楽ちゃん 「でもさ、お互い長男・長女ってネックだよな。」
お園 「楽ちゃんは都会が似合う。港区とか千代田区でバリバリやってるイメージ。」
楽ちゃん 「おいおい。」
お園 「ウチ、田舎モン臭抜けん女っしょ。」
楽ちゃん 「そこがイイんんじゃね?」
* 相模豚の肩ロース ハーブロースト
分厚い肉の表面を焼き、オーブンでじっくり中まで温めてミディアムなピンク
の断面を見せる盛り付け。ポテトの重ね焼きをガルニにマスタードソースとバ
ルサミコのシロップが飾られている。緑の葉野菜が肉を鮮やかに見せている。
楽ちゃん 「都会的洗練なんざクソ喰らえだ。(パラ子みないなのは友だちで許すけど、
とても彼女にはできないタイプ。)俺は、お園でなきゃやだ。」
お園 「ありがと。・・・この豚っ子やっこい!」
楽ちゃん 「ホント、どうやって焼けばこんな仕上がりになるのか聞いてみたいよ。」
お園 「この茶色いのは?」
楽ちゃん 「ペロッ・・・、はぁ~バルサミコだな。トロ味ついてる。」
お園 「バルサ・・・?」
楽ちゃん 「うん、ワイン原料のイタリア酢だよ。マスタードの辛味とバルサの甘酸っぱ
さが一体になるように提供してるんだね。」
お園 「よけい美味しくなるんじゃね。さすが考えてる。」
いつものように、食事の会話を盛り上げようとすればするほど気もそぞろ、自分たちの将来が
見えなくなりつつあることを痛切に感じていました。
お園 「楽ちゃん、デザートは?」
楽ちゃん 「アイスクリームでいいや。レモン味。」
お園 「ネ、イチゴのタルトにしてみっせ。」
楽ちゃん 「え~、腹いっぱいだぜ、もう。」
お園 「半分ウチが食べる、ネ、ネ。」
楽ちゃん 「まぁ、まいいけど。」
さて、食事も終末に近づき、予告なく店内が暗転しました。
楽ちゃん 「おや、小さな花火付?」
お園 「ほぅだ、就職のお祝いまだだっしょ。来週は楽ちゃん誕生日だし。」
楽ちゃん 「うひゃ、恥ずかし嬉しだよぅ。お園サプライズ仕組んだな。」
お園 「あは、楽ちゃんおめでとございます、だよ。」
周囲の見知らぬお客たちからも、ささやかな拍手が沸き起こりました。
* とちおとめイチゴのタルト
有名店のいちごテンコ盛りのタルトに負けない。イチゴ片が角皿にあふれ出た
ビジュアルでシュガーパウダーも少々散らしてあり、ミントの葉が効果的。
* ヨーグルトと有機レモンのジェラート
レモン果汁のおかげで、原材料の乳製品らしさを感じさせない清涼感がある。
* コーヒー&紅茶
コーヒーはマシンで淹れてある。深めの煎り。プラ容器のフレッシュは残念。
珍しく、楽ちゃんの顔が上気して赤く染まっているのがわかるほどになりました。
微笑みながらイチゴタルトとヨーグルトアイスを分け合う二人は、傍目にも幸せなカップル
に見えたことでしょう。
お園 「今日は、ウチがご馳走だよ。」
楽ちゃん 「そんなぁ、悪いよ。」
お園 「次回は楽ちゃんネ。」
会計が終わって、駅に向かったものの、二人は目を合わせたまま離れることができません。
示し合わせたように駅をやり過ごし、踏切を渡り、小さなトンネルを抜けてしばらく歩くと、
お園の部屋が見えてきます。
お園 「酔い覚まししてって。」
楽ちゃんは無言で頷き、お園の後に従ってアパートの階段を登りました。
お園のフレグランスが宵闇に、うっすら香るのを感じながら・・・。
~~~~ つづく ~~~~