Y・Tパラディーソさんが投稿した渦雷(神奈川/辻堂)の口コミ詳細

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味のパラディーソ(楽園)を探す旅

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閉店渦雷辻堂/ラーメン

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 3.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2017/01 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

人を幸せにするラーメンがあった

ラーメンという食べ物は、それをつくる店主なり職人が修業を積み、研究を重ねて客の食いっぷりや
残し方などの反応を見ながら改良を重ねて今の状態があるのでしょう。

しかし、客として、先ず期待するのはこちらの空腹を満たすこと。
そして、それが「旨いに越したことはない」という程度の望みぐらいのものです。

ラーメン屋で込み入ったことを語ることもないし、愛を育みに行くような目的もない訳で、家族が
揃えば、それなりに満足感はあるでしょうが、それ以上の期待はありません。

また店のサービスのあり方やスタッフの所作、インテリア・調度品などに特別な期待もありませんし、
仮に少々の難があっても大きなマイナス評価はいたしません。

ところが、です。

丼の中の物を口に入れ味わっているうちに、この上ない喜びと幸福感を味わわせてくれるラーメンに
ついに巡り合ってしまいました。

この前後に、人生上の素晴らしい出来事があったとか、家族にめでたいことがあったというのではなく、
純粋に食事する行為の中で芽生えた気持ちの変化だと申し上げております。

ここが、「麺やBar 渦」の姉妹店というか2号店であるということぐらいは承知していたのですが、
だからこそ行ってみようとも思ったのですが、食べた物の事実は期待値を越えていました。

「麺やBar 渦」は以前に何度も通って、それなりの評価もしてきたし、(最近行ってないけど)機会が
あれば、また行こうぐらいのことを考えていました。

だから、こちら「渦雷」さんも、その延長線上のものを提供してくれるだろうぐらいの予想ではあった
わけです。

店の通りを挟んだ隣に小さなコインパーキングがあって、折よく1台分の空きがありました。
家族(長男とワイフ)3人は、初めてここを訪問したのです。

 * ワイフ・・・・塩・蛤煮干し中華 全部のせ
 * 長男・・・・・・醤油・蛤煮干し中華 全部のせ(麺大盛り)
 * パラ・・・・・・塩・蛤煮干し中華 全部のせ(麺大盛り)

を、それぞれ食券購入し注文致しました。

フロアは、14~15人も入れば満席となる小さな店舗です。
壁に、何やら薀蓄が英訳で書かれています。

店スタッフは、新年最初に常連が入店するごとに、「スープが新しくなりました。」と声をかけて
メニューを選ぶよう案内しています。

待つこと10分、有田焼のモダーンなデザイン器にラーメンは盛られて登場しました。

 ◯ スープ・・・素晴らしい! 塩分、出汁の味わい(コクの深み)何も文句はない。
         パラの好みであるというより、自分の好みの範囲を越えたうま味に感動さえする。
         ここに行き着くまで、いかなる試行錯誤があっただろうと思う。
         浮きみの焦がし葱との兼ね合いがニクイね。

 ◯ 麺・・・・・ここの麺の小麦粉の配合については、まったく予想がたたない。
         使用する小麦の種の掲示はあるものの、配合比や練り込みの程度、茹で時間など
         何度も試して、スープとの相性を研究したであろうことは分かる。
         あの、北海道産『ハルユタカ』やうどん専用粉、パン用の粉なども使っている。
         「バリカタ」、「粉落とし」など家系お馴染みの硬い麺を愛好する方々には許せ
         ない茹加減かも知れないが、この店のスープとの相関関係では適切だと感じた。

 ◯ 具材・・・・味玉子は、半熟の具合が絶妙である。箸で割ると粘りある液状の黄身がスープに
         流れ出るか出ないかのギリギリのところであって、これを口に含むとしっかり味が
         染みていることがわかる。実に美味しい。
         チャーシュー(もも肉?のスライス)は弾力と柔らかさが心地よい。豚肉の風味も
         きつ過ぎず良い塩梅である。
         メンマの食感とほぐれ具合は不思議だ(いい意味で)。
         葱は、スープの中に融合する葱の香の度合いを図るよう細かく短冊に刻んである。

トッピングやパーツにしても、全体のバランスにしても、よくぞここまで練り上げたものだと感心して
しまいます。
本店の名に恥じないどころか、この「渦雷」独自の良さを表に出そうと言う意気込みすら感じました。

パラのこの店への支持は、店主がイケメンで女性に好まれるとか豚骨系へのアンチテーゼとかいう次元
ではなく、ラーメンを作品化して勝負しようという飲食店経営の矜持(あるいは意地)に対する敬意から
発していると言えます。

必ず! また来ます。

2017/04/02 更新

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