Y・Tパラディーソさんが投稿したロアラブッシュ(東京/表参道)の口コミ詳細

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味のパラディーソ(楽園)を探す旅

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閉店ロアラブッシュ表参道/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.3

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2017/03 訪問

  • 昼の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

トキメキや感動は薄いが、雰囲気とサービスは極上

~~~~~ 湘南パラダイス物語 フィナーレ ~~~~~

それは、春が足音だけを微かに響かせているだけで、風がまだ冬の名残りを漂わせて人の足元を震わ
せるために悪戯するように吹き抜ける週末の午前のことでした。

湘南ボーイの楽ちゃんと南東北の果樹園育ちのお園が、山手のツンデレ若妻パラ子&葉山の純朴青年
大輔夫婦をカバン持ちにして、ささやかな披露の宴を催すために都内に繰り出したのでした。

伊達市のお園の家族、近親者、一方藤沢市の楽ちゃんの家族と親族、高校・学生時代の友人達、職場
の直属の上司と仲間達、合わせても40人にも満たない小規模なランチパーティでした。

碑文谷のサンタマリア聖堂で式を挙げた後、ワゴン車に分乗して都心部に向かう道すがら、ウェディ
ング姿のお園が寒さに身を縮めていることに気づいた楽ちゃんが自分のコートを羽織らせます。

車は大通りから鋭角的に左折して急な坂を上り、小さなお城のようなお屋敷の玄関前に進入しました。
すべての客人たちを降ろして後、運転手は指定駐車場に移動させました。

店の玄関を入ると、円形のエントランスに完全なアールデコの内装の壁と天井です。
シャンデリアから壁に飾られた工芸品に至るまで、なんと統一感のある装いではありませんか!
一体誰のお屋敷だったのだろうかと感心します。

この洋館は、1918年に資産家千葉直五郎が息子・常五郎のために作らせたとされています。
鍋島家の令嬢との結婚に際し『婚礼祝い』! のために建てた邸宅・・・、その豪華さゆえ「男爵の邸宅」
と噂され、当時から変わらない外観がヨーロッパのお城を彷彿とさせます。

直五郎は、江戸時代から続く明治時代の三大タバコ商の一つ、千葉商店の出。
明治の実業家として、鉄工所などの経営で成功し資産家となったのでした。
この洋館で新婚生活を送っていた息子の千葉常五郎は、明治44年生まれ、米国アーマスト大学を卒業、
日本には昭和8年に帰国。
戦後には、ゴルフボールの製造をはじめ、成功した実業家として知られているということです。
(以上、<Wikipedia>調べ。)
<なお、あるサイトの、屋敷を設計した黒川仁三が(あの)黒川紀章の父親であるという解説は誤り。>

客人が揃った頃には、薄晴れの陽射しの反射がメーンダイニングを明るく照らし始めています。

 *食前の小さなお楽しみ
    =豚足の煮凝りやピクルス オニオンのタルトなどなど・・・。

 *若鶏と牛蒡のテリーヌ なめらかなフォアグラのムースを添えて
    =マデラ酒を煮詰めたソースの色が鮮やかかつ深い

 *本日入荷の白身魚のポワレ セルフィーユ香るバターのソース
    =魚は平鱸。魚の表皮をカリッとした感触になるよう焼き上げ、中の身はフンワリ仕上げて
     ある。

 *やわらかくブレゼした仔羊肩肉 蕪のソテーとパルメザン風味のパスタと共に
    =オーストラリア産の仔羊肉、芽キャベツと蕪のソテーも手抜きなく綺麗に盛り付けられた。

 *お好みのデザートをお選びください
    =10種以上のケーキやタルトから

 *食後のお飲み物と小菓子(バターケーキ、サブレ、マカロン、ゼリー)

シェフ中嶋寿幸氏の監修の下、この日提供された料理は、ランチ向けという訳でもないだろうがどこ
かに「軽さ」を求めた結果の素材と味付けであるように思えました。
どの皿も、味わってみれば外れはありません。
意外性は薄く、素材から想像できる通りの味なれど、間違いのない信頼感に満ちた美しい料理です。


ホテルウェディングにありがちなプログラムされた次第ではなく、二人の人となりを簡単に紹介して
後は、食事と歓談に時が流れるに任せたユルユルのパーティです。

唯一の企画は、テーブルごとに若い二人に贈るメッセージや暴露話が披露されて、笑いを誘った場面
があったのでした。

この店のサーブは、昼時でもほぼフォーマルなもので、料理への期待感を高める演出に優れています。
ソムリエのフランクな対応のお蔭で、料理やワインのコーディネートが(例え我儘な要求であっても)
そつなく叶えられました。

パラ子の友人デュオがヴァイオリンとピアノでクライスラー編曲の「我が母の教え給いし歌」を奏で
る頃、用意された花束は両家の親たちに手渡されていました。

目を赤く腫らし、クシャクシャの表情の父親の顔を見たお園は、この時初めてもらい泣きの涙を見せ
撮影前にその腕を握りしめたのでした。

お開きの合い間にも、パラ子と大輔は、夜の渋谷での二次会のための連絡にあくせく動いています。
コンダクター然のいで立ちの楽ちゃんも、漸く白い蝶タイを解き、燕尾服のテールのしわを気にしつ
つ椅子に腰かけました。
淡いグリーンのドレス姿に変わっていたお園は、一層可憐でした。

 大 輔 「お疲れぇ、先輩。」
 楽ちゃん「やっぱ、緊張してたぜ。ちょっとだけど。」
 パラ子 「二人ともかっこ良かったぁ。笑顔サイコウ!」
 お 園 「んとに、ありがと。」 


*というようなストーリーも浮かぶ、素敵なレストランなのでありました。

 ~~~~~ FIN ~~~~~


2017/05/17 更新

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