3回
2018/10 訪問
限りなく透明に近い薄黄色のスープ!野菜の甘味と何とも言えない塩加減!
<2018.10> タンメン チャーシュー入
タンメン砂漠の関西に生まれ育った私が、最初にほれ込んだタンメンがここ「はつね」でございます。二度目の上京で初めて知った麺料理。野菜がこんなに生き生きと食せられるラーメンがあったのかと衝撃を受けたものです。いい加減、この店で他のメニューも食って見たいのだが、どうしてもここでは、タンメンになってしまう〜。なので少し違うこともしてみたくて、今回はチャーシュー入とさせてもらいましょう。
<限りなく透明に近い薄黄色のスープ!野菜の甘味と何とも言えない塩加減!>
まずスープをレンゲですくってみるが、本当は少し霞んでいるんだけど、野菜の色が移ったかのような淡い黄色か薄黄緑がさしたよう。透明感が高いために、スマホの写真撮影でピントがなかなか合いません。浮いたキャベツにフォーカスして何とか収めましたが、店構えの大衆さとは実に裏腹な美しさです。実にあっさりとした風合い。その優しい味わいから、動物系のエキスは豚と鶏の両方なのだろうが、なんとなく豚寄りな優しい落ち着きを感じます。そして塩気はとてもマイルドで、野菜の汁が結びついたような円やかさ。塩気を追いかけて味わいつくすと、塩味が旨味と区別がつかなくなる・・・・と言う感じです。中でもキャベツの出汁は分かりやすい。甘いし馴染み深い味だし。甘味の成分としては、後半に麺から吐き出される風味があると思われます。食べ勧めていくとゆっくりと甘味を増す味風景を楽しむのも一興。
<密度低めでおとなしめなストレート麺!汁を吸い込むところががいいね!>
風味を楽しむ麺もいいけど、汁を吸い込んだ一体感を楽しむ麺も素晴らしいもんです。吸い込んだエキスは健康的とすら感じるために、食っている罪悪感がとても低い。なので遠慮なくズビビビビビボボボボボーーっと勢いよく啜りあげたら、隣のラーメン女子に気味悪がられた・・・(反省)。時々モヤシが紛れ込んだりするのもいい歯ごたえ。クチリとザクリの同時進行か和音のような歯ごたえで、空腹が急速に満たされてゆく喜びも味わいの一部か・・・。
<野菜の甘味を噛みしめる・・・もやしとキャベツは天才だ>
チャーシューを少し剥がして箸に寄せてみましょう。タンメンの命「野菜」をまずは味わいましょう。炒めのようで軽く煮られたような野菜は、エキスを急速にベーススープに吐き出しますが、そうなり切る前の旨みを楽しもう。あの淡白極まりないモヤシがこんなにも温まった甘味があったとは!。改めて感慨深し。殆どスープの味染みなんですがね。それに対してキャベツは実に主張します。甘味がキャベツなのか、キャベツが甘味そのものなのか。今や日本を代表する野菜というプレゼンスすら覚えます。
<懐かしさ感じるロース肉チャーシュー!ほんのり醤油っぽさ+αがあって旨い>
原点回帰の町中華チャーシューここにあり!。ラーメン界の風景でこの5年一番変わったのはチャーシュー。低温調理万歳な感じが続きますが、煮豚タイプのチャーシューの旨さは原点回帰の目鱗落ちな旨さです。脂肪分がとても少ないロース肉。それ故に肉自体の本当の旨さをマスキングなくダイレクトに楽しめる。どこから噛みしめても容易く切れる。スポンジのように噛むとエキスを吐き出すが、その肉味の中に出汁とタレと薬味の・・・・・混然一体となった旨味が染みわたります。
総じまして「時代を越えて受け継がれるべきタンメンの一級品!」と言う感覚でしょうか。こんなに大衆的な一杯を、どこをどう切っても美しさを感じるところが凄いの一言。最近はジャンキーなタンメンもよく現れますが、基本の型が美点なタンメンです。これはまた食いたい。いつまでも食いたい。オレはいったいいつになったら、この店でタンメン以外を食えるのだろうか・・・・今のところ不明。そんな惚れぬいた一心で、とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
秋風と
雨の残り香
冷たくて
心身温む
はつねタンメン
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
2018/10/28 更新
2016/08 訪問
通常利用外口コミ
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西荻クリスタル
<2016.08> タンメン
【野菜の甘みだけでない鶏の円やか出汁感覚!引っかかりのまるでない塩加減】
今回は、厨房におばちゃんも立っていた。いつも店主一人では店を回すの大変だろうなと思っていたんです。その淡々とこなす作業合間の所作に、半日立ちっぱなしの仕事の大変さを垣間見ます。
いつもながら、配膳の瞬間の煌びやかさはさすがです。ちょっと今回は写真がどれもピンボケしてしまいましたが・・・・。野菜が艶やかであり、さらにスープがこれでもか!というほどに、透明感がありつつ、実は動物系の旨味も加わっている感じがいたします。透明すぎて・・・・写真のピントが合わない(汗)。が当然ながら、最初の一口目は、野菜炒めから来る「炒め油の香ばしさ」が軽やかに響きます。それと同時にテッパン級とも言える固い安定さの「野菜自身から来る優しい滋味」がじわじわと感じる。ああ、いつもと変わらないハイレベルだなーーーと感じる一瞬。
しかし、今回の実食では、「鶏系のコク」を改めて深く感じてしまいました。この一杯にはトッピングには野菜しか使っていないので、余計にスープに溶け込む動物系が気を引く構図なのかも。丸鶏!とは言いませんが、しっかりと丁寧な鶏ガラの煮出しを感じますし、甘みすら感じる揺らめきの油を感じます。単に香味油を引いただけだったりして・・・。
【スッキリストレート細麺に淡くモッツリとした風味感覚!後半は滑らかに】
いつものストレート細麺。特別な高級感は感じないけど、これが一番馴染みあるし、またバランスがマッチしていると思えます。多加水と言い切れないスカスカッとした風合いが、冒頭の一瞬で感じます。前歯の当たりもモッツリとしたような感覚。野菜と入り混じって複雑な歯ごたえが快感です。その後ゆっくりと汁を吸いだして、徐々に仕草も滑らかになってゆくという時間差を楽しめます。
奥歯で麺をプレスし、野菜を噛み締めながら、野菜の甘み&麺の風合い&汁のコクを噛み締めながら、短時間の咀嚼。唾液の腺が一瞬痛くなるほど、旨味によって刺激されるかのよう。自然な甘みがこれほど美味いとは!と感じる瞬間。ある程度野菜をやっつけてから、麺をメインに啜ってゆくと、これまた滑らかなスベリでどことなく上品。スープのナチュラルな甘さを含んだ感じがして、いくらでもお代わりできそうな気分になってしまいます。
【肉無し野菜100%!普通の野菜が妙にプレミアムに感じる炒め加減!】
改めて・・・野菜が美味いねと感じます。全く肉を排除してこの美味さ。野菜の持ち味をピュアに感じます。特別な野菜を使っているとは思えませんが、美味さが綺麗だし、妙にプレミアム感を感じてしまうのはなぜでしょうな。これは、次回は「チャーシュー入り」で食ってみて、その違いを明らかに感じたいと思う次第です。まだここでは、タンメンしか食ってない。
総じまして、「いつまでも王道なタンメン!西荻のフラッグシップ拉麺店!」と言う感覚でして、久しぶりに食ってもその美味さは、衰え無しと感じ入りました。最近、別の店への訪問機会が増えましたが、たまにはここで、タンメン以外も食ってみたいと思えてきた。・・・・また来るか!? そりゃ当然でしょ!! 東京の西エリアで骨を埋めると思うから、これから細々とでも長い付き合いになると思うから。風化を感じないレトロ感とヘルシー感覚あふれる野菜には、今後もお世話になると思います。今後ともよろしく・・・・なんて感じつつ、清算を済ませて店を出ました。ということで・・・なので詠います!
夏盛り
旧い冷房
フルパワー
汗かき食いたし
はつねのタンメン
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
<2014.06> タンメン
【スープ:「滝川クリステル」ならぬ、「西荻クリスタル」といった感じの清純イメージ塩スープ!!】
<きらきらクリスタルで穏やかな塩気が相変わらずテッパンの美味さ!>
それにしても、「相変わらず」とはこのことだと思いますね〜。このきらきらなスープ、そして透明感溢れるスープ感は、そうなかなかに見当たらないなぁ・・・。まさにこれを求めて行列が止まることがないのですが、なかには「もやしそば」なるものも結構オーダーが入っているようです。通っている方々は、すでにこのタンメンだけでは飽き足らぬようですな:笑。しかし、私は、ここではやはり、タンメン一直線という感じで、あまり浮気をしたいとも思わない・・・・。それほど、タンメンの完成度が高いと感じているわけです。
特に高級なブランド塩など使っているような、お店の風貌ではありませず、極めて基本的な塩スープ。この塩のしっかりとした味わいの中に、淡麗な趣もありつつ、どこか円やかな塩味。何気に鶏のコクが塩気と結びついているようなエッジングですかな。大衆系な風貌に反して、塩自体が出汁のようにすら覚えますよ。
<非常にあっさりで澄んだ鶏ガラと、野菜の穏やかな甘味に胃が休まる>
病院帰りということもあってか、気分的にヘルシーなものを求めていたのか、あっさりとした味わいが体調に凄くマッチする。そして、あっさり系な鶏コクの丸い味わいに、出汁の豊かさを感じます。それだけではないね・・・やはり、タンメンは野菜だ。キャベツの明るい甘みと、もやしの何気ない淡い甘みがスープに染み出しており、あっさりさに磨きをかけるとはこのことかと。トッピングがもはや出汁の素であります。
嗚呼・・・胃が休まる。そしてナチュラルな腹持ちの良さを感じる。これだから、はつねのタンメンは、やめられない。私にとって、何か特別な日に食いたいものの、トップ3に数えても良いですな。
【麺:まさに定番なしなやかさの中に、しっくりと感じ入る密度感!】
<しなやかな細麺、密度も多少感じつつ・・・飯麺自体の風味と塩味も印象的>
久しぶりに食ったのもあってか、麺がこれまた味わい深く感じた次第。ううむ・・・適度にスープを吸ったからか?しかし、スープを吸い込んで、たゆみが弱くなったような気もしないのだがね〜。しなやかさはあるが、どこかしらしっかりとした物腰ある細麺。やや捩れているところも、見栄えと食べ応えをかんじさせて良いし・・・。色合いも健康的な白めの小麦色。カタメのグルテンの風合いがふわっと鼻孔をくすぐる。この風合いも味わいから来るところも大きく、それ自身に塩気を含んでいるかのような、わりとハッキリとした味のアピールだね。食べ慣れた一品のつもりでいたけど、インターバルが空くとやはり記憶が薄れるのか。何度食っても発見があるということか。今回は特に麺も美味しくいただけて、喜び度はMAXですわ。ああ・・・とても良い平日の正午前。
<ややウェービーなフォルムが具とともに優しくタッチするスベリ>
単なる細麺でなく、微妙な程度の縮れの中に、少しばかりあるランダムな太さの違いが、これまた素朴に目に映るし、舌触りも何かしら親しみを覚える。特に麺とモヤシを絡ませて歯応えを感じるときは、絡まったイメージが歯を伝ってイメージできてしまう。またトッピングの絡まりが少ないときに、パワフルにバキューウするときは、内頬を駆け抜けるタッチ感がとてもやわらかく仄か。大衆系の中の上品というものを感じます。
【具:非常にサイズの均一感を感じるほどに美しい!】
いつも感じるところだが、具材のサイズがどことなく均一性があり、見栄えで落ち着く感じがするし、食べ進めていても煩わしく思うところが全くない。シンプルな一品だからこそ、細かい手作業とか心遣いが浮き彫りになるという感じだ。しかも色合いが良い。よく見ると、人参なのは、細かい糸切りになっているのだが、これもサイズ感が揃っていてみていて嫌い。これ食ってりゃ、間違いないでしょう!といういう定番でキレイなタンメンであります。
総じまして、「心底安寧を感じさせる色彩溢れる一杯!」・・・という感じのタンメンですな。大衆的な食べ物がこうも美しく感じるというのは、なかなか他には思いつかないのだけど、それは褒め過ぎか!? ともあれ食べ物で安らぎを与えるというのはそうざらには無いよね〜。いつまでも食べたいと思える一杯。何か特別な日でなければ食えないようだけど、心が疲れたら・・・・また食いに来たい。なので詠います!
昼前の
穏やかムードの
裏路地に
行列発生
優しさ求めて
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
<2013.10> タンメン
【スープ:野菜汁の煌めきというか・・・・甘みと塩気の揺らめきがナイス!】
<スープの煌めきと透明度が群を抜きます・・・野菜の甘みがふんだんに溢れる>
相当のインターバル置いた既食だとは言え・・・・、この煌めき度合いは本当に半端ないのであります。多少濁っていても長閑ささ感じてしまうこの「タンメン」という一杯に、これほどまでに「キレイ」さが必要なのでしょうか・・・と思わず自問してしまう。狭くて年季が入っている暗がりの店内に、ピンスポットのような日がさすではありませんか。配膳の瞬間、やはり来て良かったと思う。細かい脂の輪が、さささーーーっと広がり、まるでそれらはスタートレックのワープ航法時に見られる恒星達のよう。この透明度と煌めきは、最後の最後まで持続するから凄いことだ。麺の風合いなどあって多少濁るのが常であるのですがね・・・。
ともかく、野菜の汁が実に豊かで優しい。キャベツがこれほどまでに甘かったのかと改めて思います。自然な甘さとはこういうことなりと思えます。それほど塩加減が抑え気味でありまして、素材の旨さがイキイキします。キャベツの他に、もやしですら、その水っぽさの中にちゃんとした甘みを放出しております。野菜を鍋で適度に炒めてから、鍋の中にスープを投入するご店主の動作をぼーっと見つめる。単純そうで勘所を押さえた無駄の無い動きで、思いのほかあっという間に配膳されます。実に熱々のスープであり、温度感覚も実にいい。食べ進めて時間がたつうちにも、野菜は引き続き旨味を放出しているようにも感じられて、食べ終わるころには、そのスープの中に野菜エキスの凝縮感すら感じます。
<塩気の引っかかりがまるでなし!鶏ガラの存在も意識せず、すごく軽やか>
とにかく野菜の旨味だけあったら、塩は必要最小限で良いのでしょうね。塩味を意識させない味の構成であります。よく使う表現ですが、塩気にひっかかりを一切感じず、するする〜っと染み入るように舌と胃袋にゆきわたるようなスープ感覚です。塩だけでなく、動物感も必要最低限かと思えるほどのライト感覚。腹一杯でも別腹のように食うことが出来るようです。
でも鶏ガラのコクもベースにあるのでしょうね・・・。動物感が一切前に出てこずとも、さっぱりと頂くことに集中したこのタンメンというカテゴリーの奥深さを改めて知った思いです。
【麺:意外にしっかりとした柔麺だったことを再発見】
<しっかりした柔麺、前半はやや弾力ある歯応え、後半は緩やか>
実は、かなり足が遠のいておりましたので、麺に関する記憶が薄れておりました。改めて食うと実に柔麺が気持ちよいですな。全体的にこれまた白色がかってタンメン全体的にも美しさに映えます。太さは標準タイプでやや捩れているような風貌。ご店主が麺釜に投入する際は、若干手もみするような仕草を与えます。大きめの麺釜にゆったり泳がせて、平ザルで一気に湯切りするスタイル。タイマーなんぞなくとも、指先で千切った感覚で茹で加減を確かめられます。
前半の食感は、柔麺と言えどもクッチリとしたやや反発ある歯応えを感じまして、加水がやや高いとは言え、モチモチにはなりすぎず、しっかりとした反発を感じさせます。前歯で切る感覚もプッツリとした断裂の印象。奥歯で束になったところをクチクチとすり潰すと、程よい潰し込みを感じそこから風合いを感じ取ることもあります。
後半は、やや汁を吸い込んで・・・よくあるクチュリとした柔らかい弾力に変わります。この方が一般的なタンメンのイメージに近いのでありまして(個人的な話)、スベリ度合いもましてスルスル〜っとのど越しよく頂けるのであります。
<野菜たちと絡む時に麺の風合いが感じられる>
さて麺の風合いですが、麺単独で食うよりも、キャベツとかモヤシと絡めて食った方がより風合いがハッキリしていいです。染み込んだスープ味だけでなく、粉の風合いを少しばかり味わったような気分にさせます。和蕎麦と違ってラーメンは具との一体感も味わってこそ、麺の個性が浮き彫りになるのでしょうか。スープとのからみもよく、麺の地肌に貼り付いた油の輪っかも一つ一つの旨味が貼り付くような錯覚を覚え、一層旨く感じます。
【具:特別なものを使っていないのに特別な素材感】
次から次に客が並んで・・・途切れない行列。8割方がタンメンを注文するので、冷蔵庫から野菜ストックを取り出すのも頻繁です。座った位置から冷蔵庫のスキマが覗き見れますが、はたして特別な野菜を使っているようには思えないのです。しかしながら、仕上がりはキラキラと甘さもゆらめくあっさり塩味な野菜。炒めてから少し煮るだけなのですが、調理後の仕上がり具合にどこか特別なものを感じてしまう。特別でない具材がイキイキします。キャベツ、もやし・・・・・。茎の部分がどれも小さくスライスされていて、それを歯がキャッチしてシャクリと気落ちよい歯応えを感じる。うーーーん、飽きないね〜タンメンの野菜って!
総じまして、「何か特別な日には再訪問!」と思える一杯ですな・・・・。私にとって今回は特別な一杯です。
気が緩み過ぎたのかどうか、最近仕事が変わって惚けている自分がいることも確か。このいい年をしてちょっと焦ったりしている自分は、つい最近まで真逆の環境にあってしんどかったはず。関西から東京に来ての数年感で、一番空を青く感じた一日だったかも・・・。印象深い一日には、いい一杯を食したい。そんな期待にぴったりあって何より。なので詠います!
穏やかな
秋の晴天
陽が射して
気も緩むなり
のどかな麺顔
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!
<2011.08> タンメン
【タンメンを教えてください!】
タンメンを手っ取り早く理解するには、本場の名店で食するのが一番と考え、ちょっと早めの新幹線に乗り継ぎ突撃訪問です。時間的余裕がないため、開店前のシャッター覚悟だったのですが、開店10分前ですでに行列6名!残念ながらその狭い店舗ゆえ、一巡目ならずと非常に焦ってしまいます・・・。そういう気配を察してか、ご店主に「すみませんね」と声をかけていただきました。昼間のみ営業の崇高系頑固タンメンの作り手は、てっきり頑固オヤジな風貌かと思いきや・・・・とても大人しげで真面目そうな方なのね・・。いきなり親近感わきますやん。もう注文するもんきまってますから、「タンメンね!」と先に伝えておこうとする・・・・アタクシもいきなりイラチな関西人丸出し状態です。
20分余りまって入店。アタクシの出張バックが迷惑なほど邪魔です(泣)。また奥の席から空いたもんですから、「すみませーん」と後ろを通って着席。客の協力体制にも感謝です。さて店内は・・・・・通常国会のラジオ放送が静かに流れております。せわしい娯楽系AMラジオ番組より、なんか落ち着きますわ・・・。首相の質疑応答を聞きながらタンメン啜るなんて、なんか思い出に残りそうやね。壁にはリトルリーグの告知なんか貼ってあったりで、まったくノスタルジックで良心を感じる店です。
【西荻窪ぴかぴかタンメン!】
そのクリスタルのような光り輝き方は、尋常ではありません。また、レンゲですくったスープも、「お湯」にしか見えません。大阪名物「揚子江ラーメン」も真っ青なその透明感は、すごいです。無数の油の輪がいちいちキラキラとひかりますんで、もうすでに食べ手を一気に引き込む魔力を出しまくっております。心なしかキャベツが多目で更に少しニラが入っているのか緑がち麺顔がいかにも健康そうです。
【淡いと旨いの間・・・・・まるで海峡か桶狭間ですな・・・】
これ以上薄いと淡く感じる、しかし少しでも濃いと普通と感じる・・その間を、「桶狭間」と言ったものか、「海峡」と名付けるべきか。その絶妙加減のベルトラインが伝わりますね。しかも、ベルトラインのど真ん中にシャープに決まっています・・・。飲むとじんわりと優しいだけではなく、「ツボ」にハマって落ちてゆくような愉快さがあります。「あああぁぁぁぁ~・・・・やられた・・・・・」と心の中で叫びますが、顔がにやけてるだろうなと・・・。
味の輪郭が塩と油と野菜の旨汁しかないように感じるそのシンプルさ。シンプル・イズ・ベストを体現したそのスープは、40越えたオヤジの心を鷲づかみですよ。もっとくれ、もっとくれとゴクゴク飲んで行けば、自分の舌が軽く火傷してたことに気付くなんてね。これを塩味と単純に言ってはいけないような、淡麗庶民派塩スープですなーーー。
【タンメンには、やわらかい目が似合うと実感しました】
麺ですが、他のラーメン類より、色白な風合いがとても印象的です。太さ標準的で、ややウネリが素朴と感じる麺ですが、これまでたった3軒ですが短期間に食べた感想として、多少柔らかめの加減の方が、似合っているものだなと感じています。スープが淡麗なゆえ、極力カンスイ系な後味が残るのを嫌ったからなのか・・・その色白さ。素朴な全体感へのマッチング重視なのか・・・。食感は、取り立てて斬新さを感じないものの、すべり過ぎないその口当たりと、クチュリとした噛みごたえから、野菜類のザクザク感とはコントラスト的に特に印象にのこると思いますよ・・。ハードスペックな麺ばかりじゃ、つかれるし、野菜も取れるし、心も体も癒される一杯ですなーーー。
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総じまして、ご店主の誠実さがそのまま表れたような、まじめな一杯でございます。シンプルな一杯だけに胡麻化しが一切できないというところも実に感じます。これは、どれを食っても旨いはず。制覇欲に駆られますが、己のアザトさを感じてしますな、この店では。こちらは、ロケ-ションというより、営業時間に都合で、個人的にはハードルが高い店。なので、今回無理やり突撃でしたが、大満足な結末です。ご店主をいつまでも応援したいと感じました。ということで、合掌!今日も本当にごちそうさまでした。
はつね タンメン
はつね タンメン 麺アップ
暖簾アップ
タンメン
タンメン 野菜アップ
タンメン スープアップ
タンメン 麺アップ
タンメン
タンメン 麺顔アップ
タンメン 具アップ
タンメン スープアップ
タンメン 麺アップ
2016/08/11 更新
とまそんのブログ: https://www.ramentabete.com/entry/2021/10/07/000000
とまそんのYouTube: https://youtu.be/Ff2TNBMsd9Q
<2021.09> タンメン 大盛
マジで「タンメン(湯麺)」を知ったのは、上京して4〜5年経ってからです。関西では、特に生まれの京都では、昭和の時代は存在しなかったのでは?とすら感じてます。自分なんか、たとえ知ってても当時はワンタンメンの略語とすら思ってたことでしょう。そんな関西オリジンな私が、どっぷり一時期にタンメンにハマった備忘録は以下の通りです。
【厳選】東京都内で「タンメン」食うならココ!そんな10選!
https://www.ramentabete.com/entry/2018/02/18/192052
タンメンの沼にハマったキッカケは、ズバリ「はつね」でしょう!。関西でラーメン食い続けてかなりイキってた当時の私を、おいおい、お前なぁ〜・・・と優しく受け止めつつも、こういうラーメン文化のあるのだよと、指し示してくれたのは、はつねのタンメンでございます。実に3年ぶりに今回訪問しましたが、御店主が妙にバイキングの小峠みたいにカッコ良く感じます。更に接客も柔らかくて素敵!。カウンター6席のみと言う非常に限られた世界観なので、流石に今回はいつもよりすごく丁寧に・・・「撮ってよろしいでしょうか?」と確認し、了解済でございます。
<全体> 素朴さに潜む美しさ!明るく眩しい大衆湯麺此処にあり!
「はつね」のタンメンが魔力的なのは、まず「美しさ」でしょう!。写真や動画では伝わらないのがその迫力。雑多な野菜が浮かぶ塩出汁麺ではないのです。タンメンは、通常炒めの際の油や諸々の調味料等で、少し暗く濁るスープになりがち?。ところが・・・透明感バリバリでスープから透けて底の麺がうかがえるほど。それだけでなく、表層に浮かぶ油の煌びやかさが美しさに拍車をかけましょう!。画像が淡白なのは、iPhone動画スクショだからであしからず。(・・・う?画質で媚びるとAppleから怒られそう??)
<スープ> 澄みきる透明感!淡い豚塩旨味に優しい野菜の旨味が浸透!やがて麺の風味も溶ける旨さ!
ほぼ客の9割は「タンメン」です。近年では「チャーシュー」付きが人気ですが、今回はピュアに野菜と出汁のコラボを楽します。さてこのスープ・・・草食系な方なら確実にド・ストライク!。何が良いって、その野菜の甘味がしっかり出ており、多少濃ゆめな野菜スープとも言えましょう。香味オイルが植物系だと邪推してますが、ベースの塩気がグイグイと野菜の甘味を引き出す様子!。そして、ほんわりとした豚は豚骨と言うより、これは「豚肉」のエキスなのでは?。淡い豚塩旨味に優しい野菜の旨味が浸透であります。へへへ・・・このあと後半お楽しみあれ。麺がスープに良い仕事をかまします。スープが霞みがかって更に昇華!。
<麺> 少し縮れた細麺!微かに加水低めで仄かなクッシリ感!出汁を吸い込み野菜を絡める旨さ!
茹で釜に泳がせつつ、経験による感と直手で確認しつつタイミングを見計らい、平ざるで湯切り!。派手なアクションなく丁寧です。その麺ですが、見栄えで想像するよりもクッシリとした風合いはあります。優しい出汁を十分に吸い取ったモチモチ感と思えば、実は少し芯を残すのか?と思うほど風合いがいい。そして、この風合いを生み出す部分が、ゆっくりと汁を吸い込むと同時に麺の風合いを吐き出すようです。フツーなら濁るところだが、透明な出汁は軽く霞む様相。その軽く濁った出汁を、逆に麺が持ち上げて美味しく食わせるのです。・・・うう、旨さの核融合ですかな?しみじみ旨し!麺の風合いと、野菜の優しさが、同時に味わえコラボする旨さ!。
<野菜> スープを逆にバクバク吸い込むようなしっかりした旨味!噛み締めて旨し!
野菜を派手に炒めつけないのが印象的。炒めの音がしてたな・・・と思った矢先に、中華鍋には野菜と出汁がたっぷりです。決して野菜を出汁で煮てるわけじゃないだろうが・・・味を染み込ませてるような感覚。だから、透明なスッキリ出汁に思えて、野菜の甘味がしっかりすぎるほどに溶けています。その出汁に塗れて逆に野菜が旨い!。特にキャベツは薄い部分は透明になって甘味を出し切ってる。もやしは、シャキシャキしつつも、それもそろそろ限界と思わせるほどに、熱く熱った優しい甘味を炸裂しつつある状態。嗚呼、そのままでも堪能できるが、あえて麺と絡ませましょう!旨し!。
<味変化> 少しだけお酢と辣油!出汁は円やか!野菜は甘味変化で尚旨し!
タンメンに「酢」は邪道か?。「辣油」は邪道どころか無限地獄に陥りましょうか?。ビクビクしつつも、少ぉ〜〜〜しだけ味変化をトライ。結果として悪くないと思ってます。まず、お酢は酸味より出汁を円やかに軽やかにする風合いが楽しく感じます。後半にオススメ。そして辣油・・・透明な出汁を汚しそうで躊躇われたが、逆に辣油が斑点に浮かんでポップかと!?。これは野菜自身に甘味を逆に感じさせるようで面白い展開です。
総じまして「The タンメン!美しさと大衆感の両立!湯麺好きなら絶対食っとけ!」と言う感動の嵐!。通な方なら、タンメンってのはそんなに上等過ぎるもんじゃねぇと叱られそうですが、それでも「これだけは!」と具申したい!。また一方で、もう少し歳とったら夫婦でフラッと食いに来たいようなお店とその麺。西荻窪って雰囲気あるグルメ店が多いんだけど、ここも確実にその一角です。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
和やかで
目にも眩い
麺顔哉
美味と美観の
はつねの湯麺
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!