2回
2013/03 訪問
ハイグレードな魚介感!煮干しマジック!追い鰹マジック!!
<2015.08> 冷し煮干そば+プレモル
【淡麗にして、煮干の淡い苦味と程よい塩気! 茗荷と大葉の薬味が絶妙!】
スープを最初に目にしたとき、穏やかでかつとても明るいブラウンが妙に印象的。濁りを感じさせるのに透き通っている感覚に、質感の高さが伺えます。思わずレンゲで口へと流し込む動作もいつもよりは、ゆっくり気味。すると、冷製とは思えぬほどに、しっかりとした煮干の風合いを醸し出します。冷えた煮干感・・・・個人的にはあまり前向きに考えにくいテーマなのですが、エグミが出ることなく、しなやかな感じで「ニボニボ〜」とした苦味が後を引きます。しかしその後はさらりとしたフィーリング。この時点では、多少ニボ感が引っかかるかな・・・・などと評していた私です。
食い続けるほどに、茗荷と大葉、すだちのかけらのエキスがじわじわと滲み出すと、格段に崇高な冷やし煮干出汁に変化する次第! いや〜薬味が本当にフェニックスのごとき鮮やかな働きを放ちますよ! 打ち消すとか覆いかぶさるというレベルでなく、昇華と申し述べたい。 清涼系の風味と苦味が、煮干のニボ感と凄すぎるほどにマッチします。淡麗が極まって崇高な味わい。ニボ感は、まず茗荷の清涼感を得て華やぎます。その後に大葉がスパイス感を与えて「華やか」から「食欲増進」へと幅を広げる味わい変化。去り際に、すだちの柑橘系の後味で綺麗に締めくくるといった、一連の流れでしょうか。これはすごい。
【冷えて締まったテイガクの麺が崇高!クツクツ感と伸びやかさが絶品】
言わずと知れた、京都のカリスマ麺。関西オリジンの私としては、多少のひいき目はご容赦いただきたい。風貌のストレートさがたわんで枯山水のごときな美しさ。色合いはとてもナチュラルで食むと小麦の風味がどことなく穏やかで濃厚に感じるよな・・・・。そして、歯ごたえは、芯がなくとも全体的にクツクツとした明確なリズムがあって、奥歯でのプレスでクチリと鮮やかに潰れこむ様はさすが。
しかも今回は、冷やしということでまたニュアンスが違って感じます。引き締まった感覚が強く、それでいて冷たさで固まるどころか、縦伸びするかのごとくのハリのしなやかさがたまりませぬ。麺は冷やした方が、粉感が香る。うどんではよく感じるフィーリングですが、ふとこれを食っているうちに、それと似たことを思い出してしまいました。温麺もいいけれど、麺は冷やした方が素性が際立つのかもしれませんね。冬場でも試してみたい。ひやあつなどでもかなり楽しめる麺だと思いました。
【チャーシューと呼ぶよりもはやオードブル!味わいの熟成度と、整然とした完成度!】
普通に並べ立ててると思いきや・・・・、ちゃんと一度ロールさせてから、横並びで整列させているのですね! しかも低温で手間をかけたのが非常に伺えますし、ロースハムのごとくしっとりとした粘り具合と、熟成した塩気がたまりません。スープに浸して食うより、これはそのまま何もつけずにダイレクトにいただいた方がいいかも。そう考えると、すでにラーメンチャーシューと域ではなく、豚肉のオードブルといった存在感かもです。
プレモル・・・・すでに飲みきってしまったけど、これはいい酒と合わせて食うべしかもな、崇高な肉片であります・・・。
総じまして、「涼味とニボ味の崇高系コラボ!冷たさで麺も後引く傑作」と申し上げたい次第。個人的には、大変ハマりました!ただ、そいういう風流さと崇高さを感じる余裕があるのなら、本当にもう少しゆっくりと味わって食うべきなのかもしれませんね〜。せっかちな性格は、死ななきゃ治らないです。いや・・・・でも思い当たることがありまして、J系インスパイアほぼ毎日食い続けて、ガツガツと食う習性がついてしまったのかもしれません。夏が過ぎ、秋が訪れるころまでには、習性を修正しないといけませんね・・・・。なので詠います!
汗だくで
昇り下りの
坂超えて
冷たさ汗引く
モルツとニボシ
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
<2013.03> 特性追い鰹中華そば+味玉
【スープ:ハイグレードな魚介感!煮干し+追い鰹マジック!!】
<まさに追い鰹!煮干し感クリアリーにアクセラレート!!>
店先に流れる煮干しの香りで、通りすがりの人たちも思わず振り返る。調理場のスキマから覗きみるに、大量の煮干しをシノワで濾すところなど、煮干し醤油の崇高系なオーラが垂れ流し状態の店内です。これは久しぶりに待ち侘びる・・・という気分にさせます。長細いコの字状のカウンターが対面式風になっておりまして、カメラの出し入れも少し恥ずかしくもあり・・・・躊躇していると配膳が完了。大凡10分少々という待ち時間がいつも以上に長く感じてしまう期待度の高さです。
さて麺顔。意外にも明るく濃い煮干しでやや濁りすら感じる・・・ランチョンマットのせいか和!という感じもあまりしないのだが、まずレンゲですくってひと飲み。・・・・!おおお!ぶわーっと明るく魚介が攻めて来ますがな!単なるニボニボというやつでなく、明るい魚介感!これがその「追い鰹」の仕業とすぐに分かります。いや〜・・・追い鰹で煮干しが明るく引き出されたという感じがありありでっせ!しかも、苦みがクリアーでいい感じで抑えられているというバランスの良さにただ唸るばかりです。
<塩気も映える!醤油酸味も余韻を感じる>
しかも濃い味なのだ。塩っぽくなく鰹等の魚介成分の旨味が濃く、それが塩気を誘うという感じか・・・。確かに塩気が多いと感じるが、一切塩っぱいという感じはなく、映えたという感じかな? それに醤油のあの独特の発酵からくる酸味も微妙に感じられているではないか。確かに醤油ラーメンたるキャラクターを失ってはおらぬと分かりやすい感覚です。煮干しそばと中華そば。その微妙なラインがぎりぎりで鬩ぎあっている?その境目はまさにシームレスで、追い鰹が覆い尽くすかのよう・・・。
<意外と豚煮出しもしっかりしてて・・・>
魚介系と単に片付けたくない気持ち。意外にも豚コクがしっかりと出ていて、食後は動物感らしいお腹の落ち着きも感じる。ゆったりとしているようで、キラキラしている油の泡がまた実に食欲をそそる。チャーシューから滲み出る肉エキスも貢献か?鶏がらのアッサリ感もありなむが、はたまた、ひさしぶりにスープを残すのを勿体ないとすら思えた崇高なる微濃厚な液体です。
【麺:微妙な平打ちの表情がとてもナイス!スープとのマッチングの良さも光る!】
<やや平打ち型でストレート!ナイスなコントロール>
さらに私を喜ばせるのはその麺!標準太さで、小麦の色合いが少し濃いような錯覚を覚える。そして何を隠そう・・・微妙な平打ち型になっているのが嬉しい!その表面の薄〜い一枚部分が、少しだけ透明になっているような感じで、中心は芯を感じない茹で上げ。麺の密度もそこそこあるため、クシリ!と前歯の当たりで感じる。茹で上げのコントロールもよくできています。こちらは大盛り設定はないようで、替え玉制。こういうところ、麺の配膳時の仕上がりに気を配っているのが良くわかりますな。
<スープの絡みを感じるほどに味わいもあり>
また、スープを適度に吸い込むのだわ・・・。それがまるでスープをからめとっているかの様にも感じ取れる。麺が旨いと素直に言えますな。ぬるつきも少ないようなで、中加水麺どくとくのさらっとしたツルツル感を感じます。そう、「そば」という感覚が少しある。和そばとは全く違うのだけど、キレイな水で〆あげたときの蕎麦のごときの、凛とした雰囲気がそこにあるかのよう。
【具:チャーシューのテクニックもあるが、他もまたなかなかな仕上がり具合!】
<耳たぶのごときのパフパフ感なのだ>
チャーシューがまた立派です。かるくレアっぽい仕上がり加減でして、肩ロースあたりか、肉の脂と繊維質の混じり合った加減がまたよろしい。パフパフとした柔らかさで肉厚感もあり。味わいとしては、つけダレの個性より肉そのものの味わいといった感覚でまるで薄塩味。特製でしたが、都合4枚はあったかな?これはお得感ある特製でした。
<メンマの柔らかさとコリコリ感のバランスよし>
メンマもまた何気にやるのであります。見た目以上に太く、程よい醤油の染まり具合で、柔らかい感覚ありつつも、コリコリ感がまた品質の良さを醸し出します。確かに丁寧に作ってある感じがする。ビールのあてというより、ちゃんとした紹興酒でいただきたいという気もいたしまするな。
<味玉の黄身のトロミが三段階? ナイスコントロール>
味玉がまた・・・・茹で加減がナイスコントロールなのであります。白身部分は醤油にあまりそまらないタレがさらりと染み渡った感覚。そして黄身は、固ゆでからトロミまで・・・・徐々に変化してゆくグラデーションがまた美しい。この中でも特にジェル状になったトロミ加減は、大好きなのでありまして、味玉に腕前の良さを感じます。
総じまして、さすがわ今都内で噂になってる人気店という感じ。単に流行っているとか、テレビで紹介されたとか、そういうのでもなくしっかりとした品質感と実力感ある一杯。久しぶりに食った満足感に興奮をプラスしたような充実感を味わいました。ああ、最近いろいろともやもやしとったもんな・・・・。食って気が楽になったのは久しぶりかと。なので詠います!
春霞
先行き不安で
靄のよう
会心一杯
憂さ晴らしナウ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
特製追い鰹中華そば 味玉
特製追い鰹中華そば 麺アップ
特製追い鰹中華そば チャーシュー
特製追い鰹中華そば スープアップ
特製追い鰹中華そば
2015冷し煮干そば
2015冷し煮干そば
2015冷し煮干そば
2015冷し煮干そば
2015冷し煮干そば
2015冷し煮干そば
2015/08/23 更新
<2018.07> [夏季限定]地鶏と昆布の冷やしそば+ライス+エビスビール小瓶
ビールはエビスの小瓶でした。銘柄は文句なし。ただ今回は中瓶でも大ジョッキでもカモン!ってな状態でしたから、ちょっと寂しいかも。小瓶2本頼もうかなとも一瞬思ったのだけど、アテもなく、麵が運ばれる前に空ビール瓶を並べるのも、少しおかしなオッさんと思われそうで、自重しました。
ただ最高に喉が乾いたときのビールほど、甘く感じるものはないね。苦味の中に麦芽の甘みを感じると言うか・・・こじつけですが、異様に美味く感じる。この瞬間は日本一美味くビールを飲み干していたかもしれない。ものの1分で空けてしまったけれど、しばらく美味過ぎて動けなかった・・・。
<フコイダンの滑りも感じる昆布エキス感!そして地鶏の深きコク!スダチの酸味も柔らかに、崇高レベルでハイバランス!>
座席から厨房が少し見えていたんですが、これ・・・めちゃめちゃ手をかけて作ってました。だいたい麺は粗熱を取るだけでなく、氷水でキンキンに冷やしますので、それだけでも手がかかる。さらに出汁の中で麺線が揃う様に、またほぐれて食べやすくなる様にと、すごく気を使ってました。やるね・・・。そんな感じでほかより時間遅れで配膳されたのが、こんな麺顔です。
なぬーー!昆布の冷やしとは思ってたけど、「昆布水」だったとは!!写真では伝わらないけど、麺を覆う汁がとても艶かしく光る。そしてとろろ昆布がゆったりと浸ってゆき、麺のスキマに落ち込み絡んでゆく・・・。丼全体が軽く汗をかいた様に湿っているのは、露点以下の冷えた温度である証拠。これは実に夏向き!。
まずスダチを絞る前に、出汁を味わいましょう。一口レンゲで啜るとふわっと昆布の風味がフコイダンの緩みとともに鼻腔をくすぐります。しかしこれは明らかに鶏ガラスープがベース。一旦昆布の風味が駆け抜けたあとは、膨よかな地鶏のエキス感がそよぎます。バリバリの鶏コク!と言うよりは、かなり穏やかな風合い。しかし地力があると言うか、冷えても旨味は分厚い上に、フコイダンに含まれる昆布の風合いに、とてもよく調和します。これほど、明らかに「鶏」と「昆布」の旨味が直接対立してバランス拮抗するのは、あまり過去に記憶がないかも・・・。しかも、冷やしの中で広がっているから、今回とても勉強になりました。
ここまで感じとったところで、カボススライスに箸を引っ掛け、捻り上げる様に果汁を絞り出します。実はこれ飾りだけだと思ってたんだけど、凛とした酸味が全体に広がって、レベルアップさせるアイテムです。この風合いは、最後で出汁茶漬けの最中までも、しっかりと残っていました。清涼感ある薬味としてはナイスです。この酸味に呼応するのが、アーリーレッドの微塵切り。これは歯ごたえもアクセントとなるのだけど、果汁とシャリシャリ感からにじむ玉ねぎエキスとも反応し、風味豊かに広がります。意外に、とろろ昆布は全体から埋没してしまいますが、こんなにハイレベルな中だと・・・致し方なしか。
<京都のカリスマ製麺所「麺屋棣鄂」特注品!ストレート多加水麺は実にたおやかで、風味ある柔らかさ!昆布水も絡む心地よさ!>
ここは、「麺屋棣鄂」を使っているのをすっかりと忘れていました。京都生まれとしては嬉しいブランド。個人的には風流な全粒入りの風味豊かな中加水麺がイメージなんだけど、モチモチと明るさを感じるほどの多加水ストレート麺。冷えて引き締まっているものの、余裕を感じる伸びやかさもあって、フコイダンのトロトロな海の中で、ナチュラルに泳ぎます。
前歯を立てるとヌチリと反発しながらスパッと千切れる。ゴムの様な縦伸びも少なくて、非常にグルテンの引き締まり方がナチュラルです。奥歯へと運んでプレスすると、フコイダンの緩みもあって横ずれが激しいがヌチヌチと潰して、だしの旨味と麺風味の一体感を楽しみます。
もう啜り上げることが、いちいち楽しくてならない。ゆるいフコイダンのとろみがものすごく絡むから、最高のスープ持ち上げです。じゅるるるるるるるるるるるるるーーーーーー!っと滑らかさ極まるので、実はものすごく食い切るスーピーどが早かった。噛んでからも喉奥へ落とすのが早くなってしまい、ほぼざる蕎麦の様に飲み込んでいたかもしれません。
<鶏胸肉のサッパリチャーシュー!いくらでも食える!旨味の質実な淡白さがうまし!>
すっかりと都内ではよく見かける様になった、胸肉の低温調理。しかしこれは確実にうまいし、酒にもラーメンにもご飯にもあいます。薄い塩味と淡白な肉質の風味が、昆布水に濡れて、噛むと味が移った様な明るい美味さになり、こんなことならビールをもう一本追加しようかとも思えてくる。薄い塩味と言うより、淡い鶏肉の味と言う感じで、低い塩分濃度。昆布水から得る味と同じぐらいです。あまりにも美味かったので、最後のライス投入のために一枚とって置くこととしました。
<ライスを投入!昆布水出汁茶漬けで食らう食感が最高!>
この限定メニューは結構注文率が高い様ですが、ご飯割をしているのは私だけでした。まずドボンとライスを麺丼の方へ投入。白飯なのに、餡掛けスープチャーハンの様な面持ちになります。これをレンゲの底で平らかに崩しながら混ぜてゆく。さすれば「昆布水出汁茶漬け」が出来上がり。
ズズズ・・・っとレンゲで食らう。フコイダンの粘りが効いていて、今までで昆布感覚が最高!。今回は醤油のカエシ感がないから、昆布の旨味がダイレクトに炭水化物の甘みと合体します。ジュルジュルと音を立てて啜り食うのはお行儀が悪いものの、昆布水のとろみでそれほど音も立てず。最高の〆ライスとして完食いたしました。
総じまして、「地鶏エキスとフコイダン!想像を越えて行く夏の冷えたコンチェルトなる一杯!」と言う感じでしょうか。これは凄かった・・・。この夏いっぱいはある様ですので、冷やしに興味がないラーメンファンにも、これはオススメしたいかな。お店はこんな茶漬け風は推奨してないけど、冷えたトロトロ茶漬けもオツなものです。こちらもぜひ。ともあれ、これだけ涼味を飲み食いしたら、あれほど汗だくだったのにすっかりと引いていた。体はすっかりクールダウンだが、美味かった興奮はホットで収まらず。近くのベローチェで休んで落ち着けてから帰りました・・・。そんな感動を忘れないうちに、とっとと最後に詠って、いつもの通りに締めたいと思います!。
灼熱の
早稲田通りを
とぼとぼと
ヤケに沁み入る
冷たいラーメン
(and/or 冷たいエビス)
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!