『魚の話し その1』sama7030さんの日記

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sama7030 (20代後半・女性・海外) 認証済

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 さてと、最近特に魚や肉等の素材について一言言いたくなる事が多くなったね。こりゃ歳だ、あはは。

 今回は魚に関して考えてみようと思います。

 ま、ここで書くのはアタシの考え方とこの道30数年のの寿司職人、天然物にこだわり毎朝築地に通う方から教わった事なのですが、間違った事書いてましたらご遠慮なくご指摘くださいまし。

 最初は養殖と天然の白身の魚。

 上方では赤身より白身、それも鯛を珍重すると聞きました。アタシんちは貧乏だった所為もあり東京では高かった白身、それも鯛なんざ大人になってからようやく普通に喰えるようになりました。
 それがね、いけなかった。アタシの養殖への偏見を増長するのに丁度いい時代と年齢だったんですねぇ。

 それは何故かと言うとまずアタシの子供の頃(1960年代後半から70年代)の東京の町の魚屋では鯛や鮃なんか珍しかった。鯖、鰯、鯵、鰊等の青魚が中心で刺身と言えば鮪の赤身が幅をきかせていた。なにせどこの魚屋でも大きな桶に生きた泥鰌を入れて売っていた時代ですからね。
 白身はね、煮付け用の鰈があったかな。でも鰈を刺身でなんか喰わなかったねぇ。

 そして時は80年代半ばから後半。金も回りだし外食等も増えた頃、丁度東京では養殖の鯛が多く出回るようになった。いくつかの文献に依ると1970年代後半に真鯛養殖が普及し出し、ペレットと呼ばれる餌の開発や種苗育成の成果等で80年代には生産量が増え全国に流通し出したようだ。
 その頃の養殖魚と言えばハマチと鯛が二大巨頭。そして、東京のスーパーでも養殖の鯛が普通に売られるようになっていった。
 当時は養殖でも当然表記義務はなくスーパーでも「鯛」とだけ表記され販売されていたし、切り身、刺身にしてしまえば見た目では判断出来ないので天然と余り違わず高値で販売されていた。その高級魚が不味いのだ。が、しかし当初は誰も不味いとは言わなかった。高級な鯛が不味いはずが無いという所から始まっているからだろう。そして養殖業者も漁協も養殖は天然と何ら変わらないと言うキャンペーンを張って行く。
 そしていつの間にか消費者の間でも「こんなもんだ」と定着してしまった。

 しかし、アタシにとっては当時の養殖鯛は美味くなかった。同時にハマチなんかは「喰えない!」と思ったほどだ。私見だが生産量を増やす技術は上がったが品質向上の機運はまだなく、技術開発もまだ途上だったのだと思う。
 端的に言えば臭かったのだ。新鮮なはずなのに生臭い。特に火を通すと凄まじい臭いがした。養殖時の餌の所為だと言われたもんだ。それに刺身は身が締まってない。何しろ養殖の上に野締め(アタシは自然死して血抜きもしてない状態を野締めと呼んでます)で流通していたのだから仕方が無い。

 そんな中、天然の鯛や鰤を食する機会も得た。するとものすごく美味いのだ。臭いも気にならない。どうした事だろう、何度も食べ比べて当時のアタシは結論を下した。

 養殖は不味い、と。

 しかし、時代は変わり養殖技術は大変進歩した。

 あ、ここまできて本題を書く前に文字オーバーになってしまった。てぇことで、その話しは次回。


 養殖とは話しが違うがアタシが居たスーパーで特売の日は「いずみ鯛」という魚を「真鯛」だといって堂々と売っていた時代でもある。「いずみ鯛」の正式名はナイル・ティラピアという魚で、鯛と同じスズキ目だが全く違う種で淡水魚だ。当時ティラピアはブラジル産が多かったと思う。
 
 


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