sama7030さんが投稿したカレーコーナー三原(東京/銀座)の口コミ詳細

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sama7030 (20代後半・女性・海外) 認証済

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移転カレーコーナー三原東銀座、銀座、銀座一丁目/カレー、居酒屋、食堂

1

  • 夜の点数:3.5

    • ¥2,000~¥2,999 / 1人
      • 料理・味 3.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.2
      • |酒・ドリンク 3.0
1回目

2013/08 訪問

  • 夜の点数:3.5

    • [ 料理・味3.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.2
    • | 酒・ドリンク3.0
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

既に亡いはずの店で呑む

 さあ、一丁目の立ち呑みからの電話で席があると確認したんで、三原橋までザギンを横断する。敢えて裏道を斜めに進まず、中央通りを伊東屋、三越の前を通って晴海通りに抜けてく。いかにも銀座だ。

 四丁目の交差点から僅か2ブロックで三原橋。昔からここはロータリーのようになってる。どうも掘割りを埋め立てた時に橋の上下に緑道のような側道を造った名残だと聞いた事がある。あ、これは何十年も前に聞いた話しなので正確な話しは調べてみておくれ。

 さ、その側道の方へ回って映画館の券売所の方から入るか。橋の下に潜る階段は半分シャッターが閉まり「故障中」の貼り紙と工事現場にある様な簡易規制柵が置いてある。立ち退かないので意地悪されてるのだと目当ての店の主人が後に呟いた。看板に火は入ってるが、一店の名だけが残り、ぼんやりと道を照らしてる。
 券売所も映画館のドアも目隠しがしてあり、かつての隆盛は見えない。橋の下の飲食店が並んでいた通路も閑散とし、どの引き戸にも貼り紙があるのみ。
 通路の晴海通り側階段の淵に、一軒だけ灯りが点いている。これが目当ての三原カレーコーナー。引き戸を開けて入って行くと中は盛況だ。手前の大テーブルは6、7人の勤め人が宴会中、どうも常連のようだ。
 連れはその奥の壁沿いに張り付いた4人席にもう座っていた。みな、恐竜のように生き残ったこの店で呑める事にはしゃいでいる。何しろ、この店は今年の3月には閉店するはずだったのだ。それがまだ、ここにある。

 さあ、なにを呑もうかと言った所で主人が「生ビール!」と言ったので、何となく全員が生ビールを取った、あはは。乾杯をして肴はこの店に詳しい連れに任せる。カツカレーのアタマ、ウィンナーエッグ、ニラ玉、ハムサラダ。既にどの順番で頼んだかさえ記憶が怪しい。
 カツカレーのアタマはそのまま、カツカレーのご飯抜き。東京では蕎麦屋の抜きから派生した台抜き、すなわちアタマという肴が存在する。真っ当な店では殆どの飯物で応じてくれる。カツ丼、親子等々。普通は飯抜きでも元の値段と同じでその代わり何かが付いて来る事が多い。今回の場合は付け合わせのキャベツとスパサラが通常より大盛りで供されたようだ。

 ひとつ、またひとつと肴が届く。ハムサラダはハムでなく、ソフトサラミが載り、ハムエッグと頼んだら、「ウチはウィンナーエッグだ」という。それにかけるのは醤油でもソースでもなくケチャップ。更に形は平たい目玉焼き風でなくかなり立体的で、黄身は流れて幾何学模様に固まっていた。ニラ玉はかき玉風のを想像してたらオムレツの形で出てきた。ニラが辛い。
 ここは、想像を全て裏切って、物事が進行する。隣の宴会がウチらのハムサラダを見て「あれなに?ウチらにもあれ作ってくれる?」と追加した。

 酒は既にハイサワーに移り、話題も風のように流れて行く。酒の話し、喰いもんの話しは当たり前、どこぞの立ち食いそばのかき揚げは口に刺さるから気をつけた方が良いだのなんだの。いつの間にか寝台列車での長旅の話しをしていた。
 誰かが塩辛を頼んだようだ。これは想像通り、塩辛だった。烏賊下足の唐揚も来た。おっと、これも想像通りかりっと揚がった美味い唐揚げだ。全ての料理が想像の外ではないらしい。

 店内は騒々しく盛り上がっているが引き戸の外は殆ど音がしない。

 隣の宴会がお開きになった。それでもアタシらの話題は尽きない。余りにも早く、多くの話題をこなすのでなにを話したか覚えていない。酔ったせいではないのを先に言っておく。

 暫くすると主人が出てきてこう言った

「おたくらさ、一体なんの集まり?喰いもんの話しや寝台列車の旅行とか、話題豊富だけど仕事の話ししないし、歳もカッコもまちまちだしさ」

 あはは、ただの遊び好きの馬鹿な大人ですよ。

 そこで、主人といろんな話しをした。この店の話しが多かった。色々な人がこの店を好きで通ったようだ。誰でも知ってる名前がぽんぽん出る。流石、芝居と映画の街、銀座だ。
 この地下通路にもいろんな話しが埋まっている。いつの間にか主人と一緒に酒を酌み交わしていた。

 ここで最後の一軒になったがまだ頑張りたいと主人は言う。アタシらも応援すると言った。手伝っていた主人の息子が時間が来たので帰るという。このままでは息子が仕事をするここが無くなる。

 アタシらも腰を上げようか。誰とも無く表に出て皆で写真を撮ろうと言う事になった。

 アタシらは店と主人とともに写真に収まり、この店のひとつの記憶となった。



  • シャッターが半分常に閉まっている

  • 階段下、静かだ

  • 長い通路も閑散として銀座のゴールデンタイムとは思えない。

  • 階段の向こうには華やかな晴海通りと、東銀座の街

  • カツカレーのアタマ (カツカレーは700円)

  • カツカレーの一切れ

  • ハイサワー 400円 

  • ウィンナーエッグ 480円

  • イカゲソ唐揚げ 320円

  • ニラ玉 320円

  • ハムサラダ 420円

  • お通し セロリに蟹肉がのってます

  • 店内 ひどく古い遮断器と99年から居る黒メバル

  • 店内

2013/09/17 更新

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