2回
2023/02 訪問
カウンターじゃないから威力がないのか、それとも・・・・!
2023/03/01 更新
2018/06 訪問
ざ・名店!
この日は、愚妻が友人と久兵衛へランチに行くとゆうので、余りにも羨ましくて図々しくも付いて行ってしまいました。
愚妻は初めてではないのですが私は初訪問で、噂に聞いていた名店にこの歳になって漸くのデビューです。
11時30分の開店ですが、完全に入れ込み気味で15分前にはもう店に着いてしまい、5階の魯山人の器を提示しているロビーに通され呼ばれるのを待ちます。
順番にお呼びが掛かり、仲居さんの誘導で別館の地下1階に案内されます。
如何にも高級そうな白木の幅広のカウンター席で、勿論冷蔵ケースなどはなく、職人の手元まで丸見えです。
先ずは瓶ビール(中瓶)2本もらい乾杯でスタートです。
おまかせでお願いしましたが、昼は10,000円のところが8,000円で提供されるようです。
お通しはワカメと大根の細切りの酢の物で、これはお替り自由です。
ダレていないワカメの確りした食感と大根の千切りが、上品な薄い酸味でちょっとした箸休めにもなりますね。
先に塩辛かもずく酢、冷たい茶碗蒸し等の中から1品選べるので茶碗蒸しをお願いしました。
小さめの茶碗蒸しはよく冷えていて冷たさが心地よいです。
蓋を取ると薄らと餡が掛かっていて、出汁の具合が良く凄く上品な茶碗蒸しで、むきエビや百合根等具材も良質の物を使っていますね。
そして随時握り寿司が1貫づつ出されますが、先ずは中トロからです。
中トロはサシのキメが細かく、鮪の良い香りがします。
身は確りしているのですが、噛むと口の中の温度で脂が溶けてくるのが解ります。
酒も入ったので順番はハッキリしませんが、出されたものは大体以下の内容です。
イサキは皮付きで、皮の部分だけ湯引きしていて皮と身の間の脂が活性化している感じで旨味が豊かです。
カンパチは脂のノリが良く、良質の甘みと旨味を感じます。
もう辛抱溜らんとばかり、八海山を冷やで頂きましたが、やはりこの寿司には良い日本酒を合わせたいですねぇ。
こちらの日本酒は確り1合(180cc)入ってるので飲み応えがありますね、えっ、昼ですけど何かっ!
アオリイカも新鮮で噛む際に歯に吸い付いてくるようで、特有の甘みが良いですねぇ。
煮蛤は、かなりレアな感じで熱を通してあるので、蛤の磯の風味が鮮烈です。
噛めば噛むほど旨味が増していくようで、これは美味いですねぇ。
雲丹の軍艦ですが、この軍監巻とゆう手法自体がこの店の発祥ですからねぇ、やはり雲丹の軍監は食って行かないとねぇ。
雲丹もミョウバンの味も香りもしないのに身が確りしていて食感を感じる程です。
大トロは、逆に脂がしつこくなく、スッキリとした食べやすい物です。
車海老は生かボイルかを選べるようで、愚妻はボイルで、私は生でお願いしました。
車海老はちょっとレアぐらいに熱を入れる方が甘みが際立って美味いし、ちょっと海老味噌の風味も感じられるのでボイルの方が美味いと思いますね。
ただ、生だと頭を別に炙って出してくれるので、車海老の頭の炙りが大好きな愚妻に食わせてやりたくて私は生にしました。
この生車海老のむき身の寿司は、口の中でまだ身がビクビク動くのが解る活きの良さで、コリコリの歯応えと甘みが溜りませんねぇ。
鰹はおろし生姜にニンニクを少し入れてくれて、それにも負けない鰹の味が濃いですね。
穴子は一貫を半分に切って、塩とツメで出してくれました。
うーん、塩の方が穴子本来の味を案じられますが、ツメの甘さもやはり穴子には合いますねぇ、どちらも美味いです。
穴子はややもするとちょっとカビ臭いような独特の臭いがしますが、この穴子はそんな嫌な臭いは一切感じませんでした。
細巻きは干瓢、大根と梅紫蘇、沢庵、かっぱ、ネギトロを1つづつ出してくれましたが、丁寧で手が込んでますね。
最後の玉子焼きは握りにしてもらいましたが、この玉子焼きはキメが細かくシットリとしていて、芝海老のすり身が入っているので、旨味がありますねぇ。
途中で大根の薄切りで梅肉と紫蘇と胡麻を挟んだものを箸休めで出してくれました。
蜆の味噌汁も蜆が泥臭くなく美味かったです。
デザートは水羊羹か小玉スイカを選べますが、スイカを頂き終了です。
その間、八海山を愚妻と2人で5本ほど飲んでしまいましたが、これは仕方がありませんねぇ、この寿司で寧ろ飲まないで済ます方が罪です。
ただ、酒の種類が少なく、あまり酒に拘りを感じないのは飽くまでも寿司を食べることを主眼にしているためでしょうか。
折角なら美味い寿司に美味い酒を合わせたいと思うのは田舎者の無粋さでしょうかね。
でも私は無粋で構わないので、ちょっと美味い酒と合わせてみたいですね。
いやぁ、久兵衛とゆうと余りにも有名で、一般受けに走り過ぎた大箱の寿司屋で否定的な評価をされる方もいらっしゃるようですが、今回頂いてみて特に感じたのは素材の質の良さです。
やはり久兵衛とゆう看板は、築地の仲卸業者をして最高の素材を納めるべく用意もするでしょうから、半端なものは使いません。
この素材の良さこそが名店たる所以だと思いました。
それに細部まで拘った確かな仕事といい、見た目の美しさといい、この価格を考えれば非常に良くバランスがとれた内容で完成度が高く、このような大箱の寿司屋としては間違いなく素晴らしいレベルと言えるのではないでしょうか。
また夜にゆっくりお邪魔したいのですが、そこまでの甲斐性の無さが恨めしいです。
さあ会社に戻って仕事しよう!
2019/02/24 更新
この日は仕事で3年越しのちょっと大きなプロジェクトが漸く決まり、関係者である いつもの後輩の商社マン君と、外資原料メーカーの担当君、それに私の3人で皆 夫人同伴で集まり、計6名で昼から簡単な祝いの宴を催すことになりました。
後輩の商社マン君が3週間ほど前に予約をしてくれましたが、もうその段階でカウンター席は空いていなくて、開店の11時30分に訪れると直ぐにエレベーターで3階の座敷に案内されます。
エレベーターを降りて右手の大部屋で靴を脱いで上がりますが、大きな卓袱台をゆったりと使っていて高級感が有りますねぇ。
今回予約でお願いしていたのはランチ にぎり(九兵衛)14,300円です。
席に着くと直ぐに蜆のスープが出されますが、これがまた物凄い濃厚な蜆の出汁でオルニチンたっぷりって感じです。
蜆は汽水域から淡水に生息する2枚貝で、泥の中に潜っているので結構泥臭さが強く、本来これだけ濃厚に煮詰めると結構臭さが気になるんですが、確り泥抜きの下処理をしているのが分かりますねぇ、全く泥臭さは感じません。
最初にこうゆう温かいモノを胃に入れることで、一気に胃が動き出す感じが良いですね。
ただ以前カウンターにお邪魔したときは、突き出しは冷たい茶碗蒸しともう1種類何かと選べるようになってましたが、スタンスが変わったのか、それとも座敷だったからかは分かりません。
先ずは瓶ビールを3本もらい、乾杯してスタートです。
直ぐにワカメと大根の千切りの酢の物とガリが出されます。
このワカメと大根の千切りの酢の物とガリは、カウンター席ならお替り自由で、目の前の板前さんが無くなるとどんどん出してくれるんですが、座敷の場合はそうゆうサービスは無いようですね。
握りが出てくる前に八海山のぬる燗を頼んでおきましょう。
この日の飲み手は4人でしたので、1合徳利を4本お願いしました。
カウンターの場合は、寿司も1貫づつ、こちらの食べるペースに合わせて、目の前で握って出してくれますが、お座敷の場合は3回に分けてまとめて出されます。
最初は中トロ、スズキ、赤身のヅケ、縞海老、スミイカ、雲丹の軍艦、小肌、帆立貝柱で高級そうな陶器の平皿に綺麗に並べて出されます。
中トロはサシが細かく、物凄い上質の本鮪ですね、かなり大きなモノを使っている感じです。
スズキは昆布締めにしていて、結構熟成が効いていますねぇ。かなり旨味が濃くて美味いです。
赤身のヅケは本鮪の赤身を柵のまま醤油に漬けてから切り出すので、表面に醤油が浸み込んでいる様子が綺麗に見ることが出来ます。醤油の塩味でちょっと水分が抜けて鮪の味も濃厚に感じて美味いですね。
縞海老は剥き身にして2本まとめて握っていますが、甘エビより確りしていて旨味も有るので良いですね。
スミイカは身が透き通って歯切れが良く、特有の甘味も濃くて美味いです。
雲丹の軍艦は馬糞雲丹で、水分が確り切られている所為か全くダレていなくて、海苔もパリッとしたままです。
流石は軍艦巻きの発祥の店ですねぇ、凄い美味いです!
小肌は小振りなモノを2枚重ねて握ってますが、ほとんど酢の尖った感じがしませんねぇ。
脂の旨味はしませんが、塩味の塩梅も絶妙で上品な仕上がりです。
帆立貝柱は身が厚く、歯触りも良くてやはり味が濃く感じますね。この僅かに水分を抜く技術が旨味を濃くしているんですかねぇ。
八海山のお替りを繰り返しながら頂いていると、2皿目の大トロ、鰆、車海老、サヨリ、煮蛤が出されます。
大トロは上質の脂で筋っぽさも無く、やはり鮪の質が最高ですねぇ、流石は九兵衛です。
鰆は皮目を黒く焼いてあり、香ばしさとねっとりとした食感で特有の美味さがありますね。
車海老は生でしたが、以前カウンターで頂いたときは板前が生で出すかボイルするか聞いてくれて選択できましたが、座敷じゃいちいち聞いてもいられないんでしょうね。
車海老特有の歯応えと甘みが美味いです。
サヨリは身が透き通っていて新鮮で、厚みもあって美味いですね。
煮蛤は良い味付けの煮付けで、噛めば噛むほど蛤の上品な美味さが滲み出るようです。
別皿で大トロの炙りが1貫出されましたが、ニンニク醤油で確り焼かれていて、うーん これは焼肉ですね。
美味いですが、良質の本鮪の食べ方としては些か勿体ない感じもしますねぇ。
〆の皿は、穴子と巻物、玉子、それに大根の薄切りで大葉と梅肉を挟んだもの、さっきの車海老の頭を炙ったのが盛合されて出されます。
穴子の握りは1貫を半分に切り、塩とツメの2つの味で頂けますが、炙ってから ちょっと時間が経っているので、香ばしさも薄いしフワフワ感も少ないです。
玉子はたっぷりと空気を含んだ厚焼きで、焼き目だけ残して包丁を入れ、少しのシャリを挟むようにしています。
こうゆう玉子焼きって昔はお寿司屋さんで良く見た気がしますが、ちょっと懐かしい感じです。
車海老の頭の炙りは、さっき出された車海老の頭を焼いたモノですが、外側の硬い殻を取るのは良いのですが、足まで毟っているのに目玉を残しているし、焼き過ぎで干乾びた様な感じで折角の海老味噌の風味も飛んでしまっています。
こうゆうのもカウンターで焼き立てを出すのとは違いますねぇ。
薄切り大根で梅肉と大葉を挟んだもので、本来は途中で箸休め的に出されますが、最後に出されてもちょっと順番が違いますね、口直しになりません。
細巻きは1本を6つにカットした2つづつで、ネギトロ巻き、カッパ巻き、干瓢巻きでした。
蜆の味噌汁はほんの2口ほどで、ちょっと少なすぎる感じです。
結局1人八海山のぬる燗を1人4合づつ飲んで〆ましたが、以前カウンターでは出されたデザートも無かったです。
お土産に太巻きを3本頂いて〆ましたが1人20,000円をちょっと下回る感じでした。
今回は座敷でしたが、カウンターの場合とだいぶサービスに差がある感じがしました。
それとも本来のレベルが低下している・・・・なんてことは無いですよねぇ!
仲居さん達も、皆丁寧で礼儀正しい感じではありますが、食べれないモノがある客にその旨聞いておきながら、態々6人前の内1つだけ別のネタで作ってくれているのに、その聞いた仲居さん本人が平気でその客とは別の者に出してしまったり、お酒のお替りでも他のお客さんへの対応で忙しいのは分かりますが、「お待ちください!」と言ったまま忘れられてしまったり、対応そのものにも ちょっと慇懃無礼な感じがしてしまいました。
まあ大箱なので ある程度は仕方のないこととも言えますが、それでも銀座の九兵衛といえば誰でも知ってる名店ですから こちらも期待して来る訳で、同じ金額出すなら もっと他に良い店が幾らでもありますからねぇ!