1回
2015/05 訪問
お料理の進化に驚き
表札の字体に注目!
【先付】銀杏の飯蒸し
【酢の物】蟹・数の子・ホウレン草・菊花・茗荷
【椀物】グジの丹波蒸しと松茸
【造り】子持ちしゃこ・鯛・ツブ貝
【八寸】2人前盛り
【八寸】蟹酒盗和え・きずし燻製・海老旨煮・芥子菜煮浸し他
【八寸】黄身寿司・丹波栗
【止め肴】蔓紫の煮浸し
【焼き物】ウオゼの味噌漬けとオレンジの石焼き
【炊き合せ】水菜と舞茸
【煮物】沖縄産豚の角煮・ジャガ芋のすり流し
【食事①】煮えばなの白飯・香の物
【食事②】カマスの酒蒸しと菊花のお茶漬け
【水菓子①】フルーツ盛り合わせ
【水菓子②】和三盆のゼリー・きな粉ソース
石灯籠のある坪庭
質素で清潔な店内
2015/05/31 更新
【2015年5月 再訪問】
花見小路に移転されたと聞き、久方ぶりに(6年!)行ってみたくなりました。
表札の「又吉」の字体がとてもアーティスティックで、有名な書家の筆だそうです。
元お茶屋さんだった大正時代の建物を、美しく改装。
一直線のカウンターが清々しい空間です。
以前はご夫婦だけでされていたのが、お弟子さんが分かるだけでも3人。
大将も貫禄がつきました。
お昼は8000円、15000円、22000円に税の3コース。
お財布に一番優しい8000円でお願いしました。
予約時不思議だったのが、どこに住んでいるのか確かめられたのに
逆に苦手な食材、アレルギーを確認されなかったこと。
私は何でもOK人間ですが、同行者が貝が苦手なので
後から心配になりましたが、出たら私がもらったら良いかと思い直し。
先付 一寸豆のすり流し
前菜 雲丹 茗荷 独活など うすい豌豆すり流し
椀物 髭ダラ 原木椎茸
超高級魚、髭ダラ初めて食べたわ~昆布出汁の良く効いた吸い地とよく合うこと☆★☆
向付六種盛り 鯛 鰹たたき 琵琶鱒 アオリイカ 炙り鰆 何かの貝
どれも一口サイズで、鯛には炙った皮、琵琶鱒には味噌と極小蕪、鰆には胡麻など
それぞれにあしらいが添えられ、味覚も視覚も楽しい☆★
合わせ醤油、チリ酢、塩だれで。
お凌ぎ 炙りきんめ鯛握り
甘味がないキリッとしたシャリは黒酢。
トロのようにふくよかなネタも美味しくて、お鮨屋さんでいただくのと
全くひけを取らない☆★☆★
炊き合わせ 若竹煮
長岡の筍。ワカメがドロドロになるまで煮てあるのには閉口。
箸でつまめないので、流し込む。
量が多くて持て余しました。今回唯一イマイチだった一品。
焼き八寸 サクラマスの幽庵焼き 根菜葉菜果菜多種 野菜の揚げ物
野菜は新玉ねぎのペーストで、サクラマスには山芋を叩いたものがのり
トウモロコシのペースト。全体にナッツや胡麻がかかってます。
見た目フレンチでもいけそう。ゴージャスで楽しめるお皿★
揚げ物 新子 山菜 一寸豆
関東では新子はコハダですが、こちらのはアブラメの稚魚。
食事 筍、蕨、揚げの炊き込みご飯にシラスかけ 白味噌 香の物
ご飯美味しかったので、お代わりを申し出たら
白ご飯にチリメン山椒もありますよと言われたので、そっち!★☆★
水菓子3種 ①プリン ②黒胡麻アイスに黄粉ソース
③柑橘のゼリー寄せにドラゴンフルーツ、パッションフルーツソース
又吉さんのデザートは前回も感激したけど、本当に凄い☆★☆★
お弟子さんにデザート担当の方がいらして、「果物だけっていうのは嫌なんですよ」って
おっしゃってました。私もそうです(笑
1万円以内で、これだけ手の込んだお料理がいただけるのはうれしい♪
料理のお写真が掲載できないのが残念ですが、5月新緑をイメージして全ての器が
緑色で統一されてます。視覚にもこだわり美しい。
初訪問の時は沖縄色がもうちょっと強かったように思いましたが、今回は
最後のフルーツ使いくらいかな。
全体的に足し算の要素が強いけど、くどくなる一歩手前で退くよう計算されています。
残念だったのが、GW初めだったので5月の御料理の流れが
まだ慣れてないお弟子さんがおられて、奥で大将に怒られている声が筒抜け。
後、予約時の怪訝なやり取りがなければ☆4.5です。
【2009年10月 訪問】
東大路通りの「辻利」の角を曲がり
風情のある石畳の道を進むとひっそりお店は佇んでいます。
「炭屋旅館」で料理長を務められていた又吉さんが去年3月に独立されたお店。
コースのみで、夜は10000円・13000円・15000円と3コース。
お昼は予約のみの営業で7000円と10000円のコースがあります。
白木のL字型の8席ほどのカウンター。パッと坪庭が目に入り
明るい印象です。でも何より明るいのは可愛らしい若女将さん。
和ごころ泉の女将さんと並ぶ感じの良い方です。
7000円(税サ別)のコースを注文。
先付 【銀杏の飯蒸し・イクラのせ】
初っぱなからご飯物とは珍しいのですが,お酒を飲む方に
まず小腹をとの又吉さんのお考えからとか。
餅米と一緒に茹でることで,銀杏のえぐみが全くありません。
酢の物 【越前蟹と菊花の酢の物】
他にホウレン草,数の子,茗荷などもはいってます。
酢の加減は絶品。まろやかでいて爽やかで酢の物が苦手の人でも
絶対いけます。
椀物 【ぐじと松茸の丹波蒸し】
若狭のグジと韓国の松茸。丹波蒸しとは主材料の魚介類などの上に
栗をのせて蒸した料理。こちらのお出汁は鰹も昆布も前面に出ず
淡い香りでキレの良い味わいです。
造り 【子持ちしゃこ・鯛・ツブ貝】
しゃこ…実は苦手なのですが,子持ちは大変貴重とのお勧めで
食べてみました。ちり酢でしゃこの味が締まりペロっといけました♪
八寸 【きずしの燻製・蒸し海老・蟹の酒盗和え・小芋の田楽・丹波栗・黄身寿司など】
蟹の酒盗和えは塩気もきつくなく上品な美味しさ!
きずしの燻製は初めてですが,食べるのがもったいない位の旨さ★★★
止め肴 【蔓紫のお浸し・梅肉のせ】
お出汁は限りなく薄味で,それでこそ梅肉がいいアクセント。
焼き物 【うおぜの味噌漬けとオレンジの石焼き】
熱々。オレンジに火が通るに従って香りがうおぜに移ります。
炊き合わせ 【水菜と舞茸】
煮物 【沖縄産豚の角煮・ジャガ芋のすり流し】
旨味のあるとろとろの脂身が美味しい。沖縄出身の大将の
スペシャリテですね♪
食事 【白飯・香の物】
土鍋で炊かれ,まず煮えばなを。お米は珠洲のコシヒカリです。
その次にカマスの酒蒸しと菊花を散らしお茶漬けに。
軽い口当たりで完食。残ったご飯はお握りにしてもらえます。
水菓子① 【梨・柿・葡萄・パイン】
パインが出るあたり沖縄を感じさせます。こちらただのフルーツでは無く
柿とパインには火を通してあるので甘味が更に凝縮されてます。
水菓子② 【和三盆のゼリー・きな粉ソース】
これは絶品中の絶品!!!透き通った甘さの緩めのゼリーがスーッと舌の上で
溶けます。「これ商品にされたら絶対売れますよ!」と思わず言ってしまいました。
生涯食べたゼリーで一番美味しいのは間違いなし。
全般的にまったりした優しい味付けです。
「無農薬です」とお野菜を出される度におっしゃってたので
産地にはかなりのこだわりを持たれています。
今年行った日本料理店の中では印象が強く残るお店でした。
大将も奥さんもまったり優しい雰囲気で癒されます~★
ミシュラン一つ星ですが,何も店内にはそれを伺わせるものもなく
いつも通り淡々と過ごされている様子がまた奥ゆかしい。