2回
2013/03 訪問
☆★☆★☆ 美しき鍋 ☆★☆★☆
【平成25年3月再訪】
夏は鮎、冬は月鍋。
比良山荘の全容を知るには最低2回は伺わねば。。。
ただ私にとって、月鍋はいろんな意味でハードルの高い料理。
私の中で機が熟し、そんな時に丁度いい具合にお誘いが。
3月も半ばとなると、さすがに雪の心配はありません。
雨が降ったり止んだりで、山は靄がかかり水墨画のよう。
前回は2階でしたが、今回は1階の広々した部屋に通されました。
手前から春、夏、秋、冬と名づけられ、襖絵はそれに見合った絵柄。
掃き出し窓から、鯉が泳ぐ池が見えます。
中央に重厚なテーブルと椅子。
若干緊張して、料理が運ばれてくるのを待つ。
2万1千円(税込み)にサービス料。
結構なお値段ですが、結論から言うと至極妥当な値段でした。
まずはドクダミなど野草のハーブティー。
様々な香りが鼻孔をくすぐる。。。。。
と言いたいところでしたが、あいにくの花粉症(涙
八寸 川海老、鮎鮨、氷魚酢味噌、菜花、香茸、猪燻製、金柑
山と川の幸満載。
滋賀県の食材の豊かさに感動です。
造り 鯉、鰻焼霜、鹿肉、若竹
驚いたのは鰻焼霜。
比良山荘で夏戴いたとき、正直美味しいと思いませんでした。
しかし、今回はまるで別物。
個体差なんでしょうか、前はゴムのような食感がダメだったけど
今回はふっくらとして美味い★☆
一度しか食べずに、これはイマイチと決めつけることの愚かさを反省。
焼き物 本モロコ塩焼き 蓼酢
丁度良い大きさのものが揃えられ、骨も気にならない。
身はふっくらで何て美味しいこと☆★☆
月鍋 真打ち登場!
ご主人が用意しながら、いろいろ説明をしてくれます。
冬眠前の脂肪をタップリ蓄えたロース肉。
甘辛く味付けしたお出汁にシャブシャブと軽く火を通す。
ゼラチン質たっぷりで、融点の低いとろける脂身。
何の臭みもなく、みんなが絶賛するのよく分かる!☆★☆★☆
お出汁が濁らないのは、アクが無いってこと。
続いて赤身も食べましたが、これは微かながら獣の臭いがする。
当たり前だけどジビエだな~
野菜は芹と葱。芹は根っこまで。
見た目は茶色っぽい葱の髭根と言った感じ。興味津々で食べてみたら美味しい!
ちょっと甘めのお出汁に、ほんのり春の苦みはよく合う。
塩漬けした各種茸も。しめじ、平茸など。
もちろんしっかり塩抜きしてあるので、塩辛くないですよ。
締めにうどんと栃餅。
ツルッとなめらかな手延べタイプ。
力強い鍋には白餅より栃餅の方が合う。
食事 白ご飯、鯉コク、香の物
水物 苺のゼリー寄せ
月鍋の後に戴いた料理は正直ほとんど印象にないです。
それぐらい月鍋が圧倒的。
月鍋と言い、牡丹鍋、紅葉鍋と日本語って詩的で美しいですね♪
ここに来ると日本人で良かったとしみじみ思います。
【平成23年8月】
私が食べログを始めた4年前からBMしていたお店。
BMが長すぎてカビが生えそうでしたが、爆発シリーズ第2弾で
やっと行けました。
この日はあいにくの雨模様。けれど山肌を立ち上る水蒸気が
ところどころ白く煙っている景色は水墨画のように幻想的。
山奥に進むにつれ、気温はどんどん下がっていき葛川は24度でした。
蝉の鳴き声も「カナカナカナ…」と涼やか。
うちの辺りの「シャンシャンシャン…」って暑苦しい鳴き声とは全然違う。
駐車場のすぐそばに鯉を畜養している池。
側溝には小さな水車が2つ。
手を浸けるひんやり気持ちよい。
憧れの比良山荘にやっと来れました!
夏場のお料理はお座敷では
山の辺会席 10,500円、13,650円、15,750円
お任せ 21,000円
鮎食べ(夏秋) 13,650円、 15,750円、21,000円 すべて税込み、サ別。
鮎ご飯がつくのは山の辺では13,650円以上、鮎食べは15,750円以上から。
ウイーンの森の物語さんが絶賛されていた鮎ご飯は絶対食べねばと思ってたので
山の辺の13650円コースを予約しておきました。
1959年創業で、元は比良山登山宿だったそう。
先代からお料理に力を入れられたそうです。
玄関に立派な薪ストーブがあり、冬場の光景が思い描けます。
階段を上がると、2階に個室が何部屋か並んでます。
最初に野草茶をいただき。。。
八寸 鮎なれすし、ゴリ甘露煮、熊ロース山椒煮、さつま芋甘煮、酢蓮根、
枝豆、ミョウガのお寿司、松茸旨煮、川海老
可憐な草藤が載った葛籠で登場
鮎のなれすし、初めてです。
お米は乳酸発酵中に半液状化しちゃうそう。酸味が強くオツな味。
仰天したのが熊ロース。私の周囲で熊熊と騒ぐ人が多いのですが、
でも内心「月の輪熊を食べるなんて可哀想」 って思ってたのです…
ほんの一切れなのですが衝撃の一切れ。脂身が口の中でとろけます。何の臭みもなく、こりゃ凄いわ☆★☆★☆
お造り 鯉の洗い
プリプリの食感で、きれいな花のような身。
鯉が苦手な友だちは無花果胡桃味噌和えの冷やし鉢。
椀物 ジュンサイの吸い物
小ぶりの秋田産で形も麗しく、ツルンとのど越しがよい。
温かいお出汁は柚子が効いていい香り。
焼き物 鮎塩焼き
メイン登場!塗りの木箱に1人3匹づつ。
笹の葉を燻して香り付け。塩は控えめ焼は強めです。
安曇川の鮎は小振りなのが特徴。頭から丸ごと食べても全然大丈夫!
ワタのほろ苦さ、身の香しさ最高☆★☆★
琵琶湖由来の鮎は他の地域の鮎と遺伝学上も別種だそうです。
揚げ物 鮎のアラレ揚げ
ちょっと大振りの鮎。これも丸ごと戴けます。衣がパリッとして美味しい。
葛餡にはズイキとジュンサイ。優しい風味。
強肴 鰻の焼霜、錦糸瓜と早松の酢の物
鰻のお造りが無いのって、血に毒があるからって知ってました?
火を通すと無毒化できるそう。
焼霜、たたき辺りはぎりぎり可能なお料理ってわけですね。
もちろん生まれて初めて戴きます。
味は…う~んかなり弾力があってゴムのよう(^^;)
私は白焼の方が断然美味しいと言い切ります!
ところで、早松(さまつ)…夏の松茸のこと。
日本の食材って季節季節に豊かですね♪
焚き合わせ 鯉の子、小芋、茄子、南瓜、三度豆、ずいき、生木耳
鯉の子を使うところが比良山荘らしい。
どれもホックリ薄味で滋味深い味わい。美味しい☆★☆
生木耳は中にゼリー状のプルンとした身が詰まって美味しいの☆
食事 鮎飯 赤出汁 香の物
信楽の立派な土鍋で。2人で5匹鮎が入ってますが、キレイに骨を除いて
身をほぐして、混ぜ込んでもらえます。
干した鮎から取ったお出汁がご飯に染みこんでため息もの☆★☆★☆
ほんとは鯉コクが付くのですが、鯉苦手の友だちはもちろん
産後お乳がよく出るからと、無理から飲まされたトラウマのある私もパス(笑
ご飯食べきれず、お握りにしてもらいました。
水物 わらび餅、巨峰、メロン
この黒さと粘りは本ワラビ粉使用ですね♪
接客に関しては旅館そのもの。おもてなしの気持ちは十分伝わってきます。
サ料15㌫ですから、まぁ当然と言えば当然かもしれませんが。
友だちと「日本に生まれて良かったな~」としみじみ。
そんな気持ちにさせてくれる料理屋さんです。
八寸 氷魚の酢味噌、鮎なれ鮨、猪肉燻製、川海老、香茸、金柑、菜花
造り 鯉、鰻焼霜、鹿肉、若竹
焼き物 本モロコ
熊肉ロース3人前
芹、葱
栃餅
食事 鯉コク 白飯、香の物
水物 苺のゼリー寄せ
八寸【鮎なれすし、ゴリ甘露煮、熊ロース山椒煮、さつま芋甘煮他】
八寸は葛籠の中
造り【鯉の洗い】
友だちは鯉の洗いの代わりに無花果の胡桃味噌
椀物【秋田産ジュンサイの吸い物】
焼き物【安曇川の鮎塩焼き】
揚げ物【鮎のあられ揚げ、葛餡】
強肴【鰻の焼霜、早松と錦糸瓜の酢の物】
焚合せ【鯉の子、生木耳、小芋、南瓜、茄子、三度豆、ズイキ】
鮎飯
食事【鮎ご飯、赤出汁、香の物】
水物【わらび餅、巨峰、メロン】
鯉が泳いでます
2013/04/03 更新
3度目の訪問。鮎は2度目です。
3年前に駐車場を整備され、おもてなし度が更にアップしてます。
安曇川からの涼風で、体感温度が全然大阪と違う。
暑さに疲れた身体が元気を取り戻します。
建物周囲の水路の水はあくまでも澄み、冷たい。
「夏」の間に通されました。本当に夏だから何だかうれしい♪
鮎食べ(20000円)を予約済み。
25000円コースもありますが、鮎の数は変わらず他の料理が増えるとのこと。
●赤紫蘇茶 紫蘇の香りがほんのり、ジャスミンティーにも似てる。
●先付け 鰻と胡瓜の東寺巻き 胡麻ダレ 芽紫蘇と胡桃をトッピング
●椀 焼き粟麩 岩茸 白味噌仕立て
夏らしく出汁が効き、味噌はほんのり☆☆☆
●造り 鯉の洗い 雨の魚 添えは素麺かぼちゃ、オクラの花、胡瓜メロン
雨の魚はビワマスの別名。雨で川が増水すると遡上してくることからだそう。
●焼き物① 琵琶湖鮎 ウルカを添えて
笹で燻されて登場。琵琶湖の鮎は8月でも小振り。焼きの技術が甘い店では
焼き過ぎで身が縮んで固くなってしまうこともあるが、こちらのはさすが。
身はふっくらで、骨は柔らか☆☆
●焼き物② 安曇川鮎 酢橘で
安曇川の鮎は琵琶湖のより大振りなので、あらかじめ骨は抜いてあります。
身はホロホロで、肝の味が明らかに違う。表現は難しいけど
苦みはしっかりあるが、嫌な物じゃなく苔の風味まで感じる☆☆☆
●八寸 鮎馴れ鮓 ゼンマイ白酢 岩魚押し寿司 春子甘露煮山椒味噌かけ
蓮根甘酢 猪ロースト 枝豆 トウモロコシ掻き揚げ
滋賀の食材で五味を表現。春子はアマゴの稚魚。
●焼き物③ 琵琶湖の鮎
●蓋物 琵琶湖天然スッポン蒸しスープ 茄子
●食事 鮎ご飯 鯉コク 香の物
鮎ご飯滋味深い~☆☆ 川海苔の粉末をかけて香りを添える。
鯉コクは苦手だったけど、こちらのは別。とても上品ですっきり☆
●水菓子 枝豆餅 ウグイス粉を張って 岩梨。小豆をトッピング
トロっとした中に枝豆の粒を感じ、面白い☆
若い従業員さんたち、みな誇りをもって働いておられます。
涼しく、美味しく、居心地よく、良い時間を過ごせました。