5回
2018/07 訪問
未完成の魅力
4回目、4月の値上げ後初めての訪問です。
かなりの高級食材を扱えるようになり、「それがまた
プレッシャーなんです」といつものように正直な田川さん。
一通りいただいた感想は
当然のことながら、食材は種類・レベル共にアップしています。
彼らしい創意工夫と、目いっぱいのおもてなしの心を感じました。
客に暑さを感じないようにと、エアコンは強力なものに替え
扇風機は笑うぐらいあちこちに。
そして、やはり100点満点じゃない部分も。
それは欠点というより、更なる飛躍への伸びしろを感じさせるものです。
これは何度も通っている店にこそへの思いで
滋賀時代のしのはらにも時々感じていたことです。
※カメラを忘れ、超低品質スマホ写真ですみません
先付け めくり鯵酢の物
明石沖に住み着いた鯵で、脂がのりまくりの料亭直行の高級魚。
多分強めに酢締めしているでしょうが、それを相殺するまろやかさ☆
椀 あこう 冬瓜
京都では珍しく真昆布ともう1種の昆布と鰹で出汁取り。
真昆布だけでは甘ったるくなりがちな所を、違う種類の昆布で調整。
椀種との調和という意味でも最高の吸い地でした☆☆☆☆
あまてカレイ薄造り 肝 皮 焼いた縁側など
あまてカレイ尽くしです。
平目にくらべ身は締まり、旨みも濃厚☆☆
鱧炙り
ほんとにサッと炙っただけでほぼ生。
八寸 宮川の鮎炭火焼 翡翠玉(蓮根餅を枝豆裏漉しで包んだもの) バチコ 蛸旨煮
茄子田楽 玉蜀黍かき揚げ 穴子粽 他
「蘇民将来子孫也」祇園祭りの時配られる厄除けの護符。
今回一番感心したのが八寸。
引気味でもっと派手にしたかったんですが~とのことでしたが
この酷暑、目から涼風を味わえるのは至福☆☆☆
岡山産岩ガキ 三杯酢ジュレ 毛海苔
とても大振り。
毛海苔は髪の毛のように細い海苔。
鳥羽のとても貴重なものだそう。
常陸牛炭火焼 黄味おろし 笹がき牛蒡
100点満点じゃないのはここかな。
常陸牛がとても脂ののったシットリしたお肉だったので
黄味おろし(大根おろしに卵黄を混ぜたもの)では
味がぼやけ気味で。工夫はすごく感じましたが。
笹がき牛蒡は柔らかで、香り高くこれは良かった☆
蒸し黒鮑
元々かな、若干シッカリ気味の歯ごたえ。
食事 白ご飯 その後鱧と万願寺玉丼 赤出汁
水物 和三盆ブラマンジェ ピオーネ
和三盆の上品な甘味は〆にふさわしい☆☆
2月にとても頼もしいお弟子さんが入られ
田川さんの接客にも余裕が感じられました。
先付け めくり鯵
鱧 あこう 冬瓜
甘手カレイ
常陸牛
鱧さっと炙り 毛海苔
八寸
蘇民将来子孫也
黒鮑
岡山産岩ガキ
牡蠣がダメな妹へ鰹タタキ
常陸牛炭火焼き
蒸しアワビ
まずは白ご飯
万願寺と鱧の玉丼
和三盆ブラマンジェ ピオーネ
2021/09/30 更新
2018/01 訪問
お料理は洗練の方向へ
オープンしたその年に.早々とミシュランの☆を獲得されました。
今後のことを、不安に思われていた頃を知っているので
自分のことのようにうれしかったです。
「初めて親孝行できました」だなんて、泣けますね^^
今回で4度目。4人だったのでお昼に開けていただきました。
お昼なので若干軽く1万円コースで。
梅酒のお湯割りとロックで。
梅昆布茶
お屠蘇 これで邪気を払い、清々しい新年を迎えます。
先付け 海老芋 香住のカニ餡
海老芋と甲殻類はよく合いますね♪
一番出汁にカニ殻出汁を合わせたとおしゃってました。
向付 鯛 鯛皮添え 雲丹
椀 お餅に見立てた河豚白子真薯 金時人参 祝い大根
以前から田川さんのお出汁はすごく好きでした。
今回の真薯は素晴らしかった。
フワフワの真薯の中にはトロトロの白子!☆☆☆☆☆
八寸 ①数の子 ゴマメ きゃら蕗 どれも薄味繊細☆☆
②サヨリ昆布〆 煎り酒
③水菜 松の実など チリ酢 これも繊細で円やか☆☆
④叩き牛蒡の胡麻和え 優しい、旨みが深い☆☆
田川さんにおせち、頼みたい!
焼き物 河豚味噌幽庵焼き 仙台牛イチボ 慈姑チップ
イチボは歯が要らない☆☆
河豚は普通の幽庵焼きの方が良かったかも。
お凌ぎ 白子天ぷら蕎麦
もうため息しか出ません☆☆☆
お出汁は若干甘めで非常に優しく、白子とマッチ。
お蕎麦はツルツルでのど越し良し。
蒸し物 グジ入りかぶら蒸し
非常に淡泊なかぶらの中から若干濃い味のグジ。
メリハリがあり、良かった☆
食事 白ご飯 赤出汁 チリメン山椒 香の物 海苔佃煮
美味しいご飯はお代わり☆☆
残れば、いつもの竹皮のお握りにしていただけます。
水物 ブラマンジェ 苺ソース ラ・フランス(だと思う)
苺ソースがあまりに美味しくて、これだけで食べたいぐらい☆☆☆☆
今までとお料理の方向性がかなり変わりました。
お造りや焼き物のトッピングが影を潜めたのには、ちょっと驚いたので
伺ってみると、先輩からアドバイスがあったそう。
私も大正解だと思います。あれはあれで面白かったけど
素材の旨みを消すケースが無きにしも非ずだったので。
まだまだ伸びしろを感じさせるお料理は、今後も楽しみにさせてくれます。
梅昆布茶
先付け 海老芋と香住のカニ餡
向付 鯛と鯛皮 雲丹
椀 白子真薯 金時人参 祝い大根
八寸 お節ヴァージョン
焼き物 河豚味噌幽庵焼き 仙台牛イチボ 慈姑チップ
お凌ぎ 白子天ぷら蕎麦
蒸し物 グジ入り蕪蒸し
食事 白ご飯 赤出汁 香の物 チリメン山椒 海苔佃煮
水物 ブラマンジェ 苺ソース ラ・フランス(多分)
2018/01/27 更新
2017/07 訪問
救世主
いつも「しのはら」に一緒に通っていた、日本料理飢餓状態の友達を誘って
すぐまた再訪しました。
この一か月で、お弟子さん二人入られました。
田川さんの風格が増していました。
冷やし飴でスタート。
先付 翡翠豆腐 雲丹 茗荷
非常に薄味なのですが、ほんのり旨み☆
椀 賀茂茄子 焼いた鮎
椀種に焼いた鮎とは最初驚き、強すぎるんじゃと危惧しましたが
鮎から取った骨出汁も加えているそう。バランスのとれた実にしみじみ深みのある吸地でした☆☆☆
鮎の骨はもちろん取り除いてあります。
田川さんのお料理は驚きもあります
造り 昆布締め太刀魚炙り あこう鯛 鮪 チリ酢 土佐醤油
太刀魚はものすごく上質☆☆☆
あこう鯛は一週間寝かせたそうで、ネットリした歯ざわりの中にちょっとシッカリした食感も。
鮪は相変わらず上質。
八寸 蒸し鮑・小芋・大根 琵琶湖の鰻付け焼き・おろし胡瓜 鰯の梅酢煮
青梅甘露煮・梅?シャーベット 鯖の笹寿司
三重が地元の田川さんには強力な援軍がいます。
鳥羽の海女さんが採る最上の海産物。今回は鮑☆
鰻は皮がパリっとし、適度に脂がのりとても良かった☆☆
青梅もすばらしい☆
焼き物 鱧白焼き 木の芽
皮目だけ焼いて、身はほぼレア。塩でいただきますが、身が甘い☆☆
骨切はばっちり。
焼き霜、落としなど、梅とセットの鱧が7月の京都に氾濫しますが、
こういう食べ方は新鮮で良いわ♪
酢肴 車海老 ズッキーニ トマト 黄味酢
車海老は殻ごとサッと揚げて、すぐ殻をむいて出汁に浸ける。
油は全く感じませんが、火はほんのり入っているので甘い。
焼き物 仙台牛炭焼き握り2巻
山葵と山椒で。
山葵は想定内の美味しさでしたが、山椒との相性が素晴らしい☆
小鍋 浦村の岩ガキしゃぶしゃぶ 白木耳 南瓜 蓮根すり流し
サッと火を通して甘味が増した岩ガキ凄かった☆☆☆
食事 蓮根ご飯 香の物 赤出汁
残った分は竹皮で包んでお握りに。
水物 餡子、白玉、イチジクの春巻き 抹茶シャーベット
熱々の餡子が煮え出ます。春巻きの甘さと相反する抹茶のほろ苦さが
味覚を完成させます☆☆
特徴 *素晴らしいお出汁
*良い食材
*既存の料理に囚われない斬新さ、と言っても日本料理の枠内で。
「しのはら」以外受け付けなくなった友達も満足。
お店を出た後も、みな浮かれ気分です。
日本料理難民、脱出の予感。
先付 翡翠豆腐 雲丹 茗荷
椀 賀茂茄子 鮎
造り 昆布締め太刀魚炙り あこう鯛 鮪
今回は仙台牛
八寸
魚焼き物 鱧白焼き 木の芽
酢肴 車海老 ズッキーニ トマト 黄味酢
お肉焼き物 仙台牛握り二貫
小鍋 蓮根すり流しベース
浦村の岩ガキが小鍋の具材
食事 蓮根ご飯 赤出汁 香の物
水菓子 無花果・白玉・餡子の春巻き 抹茶アイス
2017/07/28 更新
2017/06 訪問
料理、大将のお人柄、居心地良さの3拍子ぞろい踏み
友人からちょっと情報を得て、伺ってみました。
行ってビックリ、閉店を惜しまれた
ふじhttps://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26022484/だった場所。
ほぼそのまま使ってられます。
ふじの藤原さんは修行先、祇園丸山時代の先輩にあたり
下河原の店に移られる際、田川さんを後継者にされたそうです。
祇園丸山のほかに、麻布の幸村にもおられたそう。
さて、前置きはこれぐらいにして。
靴を脱いで上がり、掘りごたつ式のカウンター席に腰をおろします。
陶器製の炭焼き炉が美しい。
13000円(税サ別)に梅酒ロック2杯です。
先付け このこ、叩きオクラ、山芋すり流し 冷製茶碗蒸し
茶碗蒸し自体はすごく優しい味。このこがくっきりした味わいを加味しています。
椀 蓮根餅 焼きメバル 薄氷大根
昆布と鰹のバランスが絶妙な素晴らしいお出汁☆☆☆☆
口の中でフワッと旨みと香りを感じた後、スッと透明感を感じます。
炭火で焼いたメバルはふっくらとし、脂がよくのってました。
祇園丸山の出身者は飯田さん、末友さんを始め、お出汁自慢の方が多いですね。
向付 舞鶴の炙りとり貝 きす昆布〆 鮪 土佐醤油 チリ酢 塩 山葵で
トリ貝は柔らかで、きすはネットリした旨みをまとっています。
鮪は中トロとの境目かな?最上級の赤身。どれも良かった☆☆☆
八寸 玉蜀黍かき揚げ 蓮根煎餅 珠洲のジュンサイともずく酢 明石の蛸・大根・破竹の炊き合わせ
岩魚の山椒煮 大徳寺麩と胡瓜の胡麻和え
揚げ物はカラリと揚がってました☆
胡麻和えも良かった☆
焼き物 琵琶湖の稚鮎炭火焼き 蓼酢
焼き物 群馬の黒毛和牛ラムシン炭火焼き モッツァレラチーズ、煮花山椒、炙り有明海苔
焼いている最中から、上質なことが分かる美しいお肉。
実際赤身なのに蕩けそうな柔らかさと旨み。
モッツァレラチーズと海苔は無くても良かったぐらい。
それぐらい圧倒的なお肉でした☆☆☆☆
毎月トッピングを変えて飽きないよう工夫されているそうなので、無碍に否定するのも
申し訳ないですね。
お凌ぎ 三重のアオサ海苔で和えた蕎麦 雲丹と山葵で
三重出身の田川さんのこだわりの品。
味が濃いかもとおっしゃってましたが、私はちょうど良かったです☆
炊き合わせ 茄子 穴子 揚げ生湯葉
茄子がお出汁を吸ってすごく美味しい☆☆☆☆
穴子もふんわり。残ったお出汁に揚げ生湯葉を溶いて飲むとクリーミー。
食事 牛蒡、蒟蒻、人参の味ご飯 ナメコの赤出汁 香の物
ちょっと固めのご飯が良かった☆☆
かなりお腹が膨れていたので
あっさり、白ご飯か、こんな風な野菜のみのご飯がうれしい。
赤出汁がまた最高に美味しい☆☆☆☆☆
残した分はお握りにしてくれます。
竹の皮に包んでくれて、丁寧です♪
水菓子 実山椒風味のジェラート 山形のサクランボ グレープフルーツ
山椒のジェラートとは珍しい。かなり試行錯誤したそうです。
サッパリしたシャリ感のあるジェラート。
お値段以上の充実した内容でした。
特にベースのお出汁が抜群。食材も良いものをお使いです。
焼き物に魚、肉の両方を常に取り入れるそうで、それも楽しみ♪
田川さん、電話応対の時からとても感じが良い方で
実際お会いしても、真面目でお人柄の良さが伝わってきました。
若女将は可愛らしい方ですが、祇園丸山におられただけあって
しっかりした接客ぶりです。
今はまだ予約が入らない日があるらしいですが
きっと遠からず、予約困難店の仲間入りすると思います。
お料理はもちろんですが、大将のお人柄、居心地良さが再訪のポイントですね。
すぐ再訪予定です^^
先付け このこ、叩きオクラ、山芋すり流し 冷製茶碗蒸し
椀 蓮根餅 焼きメバル
お造り 舞鶴の炙りとり貝 きす昆布〆 鮪
八寸 岩魚山椒煮 玉蜀黍かき揚げ 破竹・蛸・大根炊合せ 他
焼き物 琵琶湖の稚鮎炭火焼き 蓼酢
焼き物 群馬の黒毛和牛ラムシン炭火焼き モッツァレラチーズ、煮花山椒、炙り有明海苔
お凌ぎ 三重のアオサ海苔で和えた蕎麦 雲丹と山葵で
炊き合わせ 茄子 穴子 揚げ生湯葉
食事 牛蒡、蒟蒻、人参の味ご飯 ナメコの赤出汁 香の物
水物 実山椒風味のジェラート 山形のサクランボ グレープフルーツ
2017/06/30 更新
田川さんのお人柄とお出汁が好きで、何度か通いましたが
夜出にくくなったところに、コロナも重なり3年ぶり。
カウンターは満席。長野産の松茸と鳥取県田村牛が鎮座してます。
髪が伸びたのと、接客に余裕を感じるのが、年月を感じさせます。
一律16000円(税・サ別)コースで。
先付け 鰆焼き霜(多分) 青梗菜 カラスミ
しょっぱなから唸る美味しさ☆☆
出汁の旨味とカラスミの風味が染み渡る。
椀 スッポン豆腐 長野産焼き松茸 九条葱
「月とスッポン」がテーマ。
北海道庁との繋がりで、真昆布を何とか確保できている様子。
松茸に負けないよう、お出汁は超濃厚とのこと。
スッポンから出る旨味も合わさり、これまた良いですね☆☆☆
造り 明石の鯛 剣先イカ ポン酢が塩で
これは普通かな、台風の影響かも。
造り 長崎壱岐の戻り鰹 辛子醤油か塩で
しっかり密な身は旨味の塊☆☆☆
鮪のような肉質とおっしゃってました。辛子醤油との相性抜群。
八寸 里芋の葉をあしらい、芋名月をテーマに
1琵琶湖の子持ち鮎を炊いたん
2三重の海女さんからの黒鮑の柔らか煮をバター醤油でステーキ
名残なので志摩観光ホテルの料理を模したとのこと
3京都網野の小芋唐揚げ 4卵黄味噌漬け
5冬瓜の京都赤地鶏のそぼろ餡かけ
焼き物 鳥取田村牛イチボの炭火焼き シャインマスカットと柿の白和えと
ローストしたクルミをトッピング 賀茂茄子揚げびたし
ジックリ焼いては休ませの繰り返しで、とてもジューシーなお肉☆☆☆
食べて無くなるのが悲しいぐらい・・・
お肉のお供 酢飯にシマアジの浅締め、由良の赤雲丹
大葉と蕎麦の実、糸目昆布の胡麻よごし
極楽☆☆☆
お凌ぎ 筋子蕎麦
お肉の後、サッパリしたお蕎麦は良い流れ☆
焼き物 徳島ノドグロ ジャガイモスープ
ブラウンマッシュルームと守口大根の奈良漬けを散らして
少し洋風の面白い料理。この奈良漬けがポイントでセンス良い。
食事 ①白ご飯 ②銀杏ご飯(精進もの 塩味) ③鱧の炊き込み(生臭物 醤油味)
牛肉しぐれ煮 ちりめん山椒 香の物 味噌汁
3種類も用意するなんて、ほんとサービス精神旺盛。
残ったご飯はお握りにして、竹の皮に包んでお土産に。
お腹いっぱいでも安心して帰れます^^
水物 グラニュー糖とブランデーでフランベした城陽の無花果
レモンアイスクリーム 無花果果汁とブランデーのソース
トロっと熱い無花果と冷たいアイスの対比が良いですね☆
前回のタイトルは「未完成の魅力」としました。
試行錯誤を繰り返した後、田川スタイルを確立されたと感じました。
謙虚な姿勢は変わりませんが、自信も見え隠れ。