2回
2023/12 訪問
春が待ち遠しい
2024/01/22 更新
2020/03 訪問
大器朝成
三連休の中日に初めて北上市に降りたったのは、岩手県一とも評される日本料理店であるこちらを訪店するためである。
駅からタクシーで800円くらい。
妻と2人で入口近くの個室に通していただく。
迎えてくれた店主は私と同い年くらいだろうか。
本日の10000円のコース内容は以下
うすいえんどうのすりながし載せ茶碗蒸し
白魚の葛粉揚げ、もち米、カラスミ
アイナメと蓬麩の椀
お造り(中トロ、ホッキ貝、タコ)
すずきの雲丹載せ焼き
八寸(稚鮎のおかき揚げ、鰹のヅケの寿司など、蛤の山椒煮など)
筍、蕗、ワカメの煮物
春キャベツとわらびと烏賊、このこドレッシング和え
毛蟹と筍の炊き込みごはん
苺の和三盆練乳がけ
うーむ、良かった。
コース料理ではコース内の流れを重視する自分の中では珍しいことなのだが、3品目のお椀あたりで「この店は☆5.0だな!」と確信を持ってしまった。正確に言うと「近い将来に☆5.0が間違いない」という感覚。
それくらい一見平凡に見えるどの料理からもセンスや才能が溢れ出ていた。
白魚を1匹1匹葛粉で揚げたものをもち米に載せ、自家製のカラスミを粉にして上からかけた料理や、細かく刻んだ春キャベツとわらびと炙り烏賊に、ドレッシング仕立てにした“このこ“を和える料理なんてのは発想からして面白旨い。
お造りのタコに付いてきたポン酢がめっぽう美味しかったので何の果汁か聞いたところ、だいだいと柚子のブレンドらしい。
その一方で椀や炊き込みごはんは出汁の加減が驚くほどのバランスでドンピシャ。
足すところは足す、引くところは引くこのセンス。料理はほぼ独学という話も聞くがとても信じられない。
決して高級食材を使っているわけではないがこれで1万円は正直破格です。
毎年来たい店がまた一軒増えた冬の終わりであった。
2020/03/28 更新
距離的にはそれほど遠くなくてもなかなか行きづらい北上市。
クリスマスも近い冬の夜、2年9ヵ月ぶりに寺沢に再訪できました。
本日の15000円のコース内容は以下
鱈の白子とブロッコリーの柚子味噌焼き
自家製からすみと牛タンごはん
蟹しんじょうと天然えのきの椀
お造り(本鮪、カレイ、ボタンエビ)
北上牛のヒレステーキ、国産トリュフ掛け
徳島筍とわかめ、蛤出汁
八寸(蒸し雲丹、煮蛤、しめ鯖など)
鮑と蕪の昆布蒸し
ずわい蟹の炊き込みご飯
コーヒー風味羊羹
これはいまいちと思った料理が一皿も無かったのはさすが。
冬の食材の合間に筍やわかめと言った春を感じさせる皿も登場し、長い北東北の冬が明ける日を待ち遠しく思えた。
ただコース全体を通して前回ほどオリジナリティが感じられなかったのも確かで、前回の評価(☆5.0)には至らなかった。接客や雰囲気は以前と変わらず良かったです。