カレーライス。
私が小学校1年生くらいの時(昭和50年くらい)まで、母親のカレーは、
野菜を茹でて、お湯にカレー粉を入れるような感じだった。黄色い絵の具を溶かしたようなカレーだった。それでも極上の味で、最高だった。まだスーパーには牛肉なんて売っていなかった。豚肉、鶏肉、ジンギスカン用の羊肉だけだった。安い豚肉を使うことが多かったようだ。
小学1年生の後半に、母親は近所のおばさんにカレーを教えてもらいに行った。その日、新たなカレーを食べた。おそらくジャワカレーか何かのものだったのだろうが、目から鱗が落ちるくらいの感動に「お母さんもの凄く美味しい」といって、カレーをおかわりしたのを覚えている。その変化して進化したカレーを子供ながらに「本物カレー」といって、友達に「うちの母さん本物のカレーを作れるようになった」って自慢して歩いていたことを覚えている。
当時まだ、買い物に街に行くと、デパートの最上階は、並ぶほどのレストラン街であった。流行っていた。ざるそばを食べると皿は底上げされていて、もの凄く量は少ない。重ものも同様でご飯の量はもの凄く少なかった。そんなレストランでカレーをオーダーすると、カレーを注文した席には、なぜか、お冷やにスプーンが刺さった状態で運ばれてきた。冷たいスプーンでカレーを食べるのも案外美味しかった。
旭川に20才以降移動した。当時はまだスープカレーなるものは無かった。米々亭とアンクルペパリ-の、黒目でドロドロした香ばしいカレーがたまらなかった。母親の美味しいカレーをさらに越える衝撃があった。
色々仕事をして旭川に戻ってきたら、スープカレーが中心になっていた。私は思い出の味が美味しい調味料になるタイプなので、スープカレーより、どろっとしたカレーが大好きだ。子供の頃の黄色いカレーをまた食べたい。でもそんなカレーを作っているところはもうお目にかかれない。そういえば、ゴレンジャーの黄レンジャーは黄色いカレーをたらふく食っていたっけ。