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handcraftbourbon (男性・兵庫県) Tabelog Reviewer Award受賞者Tabelog Reviewer Award受賞者
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1回
夜の点数:4.5
2015/09 訪問
夜の点数:4.5
マリア・カラス
2025/05/11 更新
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正式には「仔羊のパイ包焼 マリア・カラス風」。
老舗のグランメゾン、「シェ・イノ」の言わずと知れたスペシャリテです。
フレンチにおいて、私は未だかつてこの一皿を超えるお料理に出会った事がありません。
私が最後に訪れた時は、まだ古賀さんがシェフを務められていた時だったと記憶しています。
コース料理の提供後、一つ一つのテーブルに挨拶に回り、私のテーブルにも来ていただいた事を昨日のことの様に覚えています。
私は、ただ食べるだけの料理の素人なので、「マリア・カラス」の料理としての凄さを表現する言葉を持ち合わせていません。
ただ、あの一皿にどれだけの知恵と技術が注がれているかは一口で理解できました。
それだけの料理だったと思います。
「マリア・カラス」の凄まじさは、一言で表すと「熱」です。
フォアグラを包んだ仔羊をパイ生地で包んで焼き上げた一品。
それだけを考えれば非常にシンプルな一皿です。
しかしながら、パイ生地の香ばしい焼き加減、仔羊の柔らかく滑らかな食感、フォアグラの官能的な旨み、これを一つの料理として仕上げるのは至難の業だと思います。
パイ生地を焼き上げるには、それなりに強い火加減が必要ですが、それだけでは仔羊の柔らかな食感は生まれないと思いますし、何より中心部のフォアグラに火が通りません。
それぞれの素材の下準備を完璧に行うことによって成立する一皿。
それこそが「マリア・カラス」なんだと思います。
そうやって調理された一皿は、中心部のフォアグラまで驚くほどの「熱」を持っています。
料理の大切なファクターの一つが「熱」であると、私に教えてくれた忘れられない一皿です。
これまでに二度、古賀シェフのお料理を頂きました。
今は関西で過ごす私にとっては、気軽に伺えるお店ではなくなってしまいましたが、いつまでも変わらずあり続けてほしいと願わずにはいられないお店と一皿です。
「グランメゾン、そしてそのスペシャリテとは、こういう事なんだよ」と私に教えてくれた逸品です。
また、伺える日を楽しみにしています。