2回
2024/11 訪問
一頭地を抜く存在。
私、ほぼ毎年沖縄に行きます。
沖縄の気候、風土、食べ物など全てが大好きです。
一方で偶に「沖縄の食べ物は美味しくない」と言う声も聞きます。
ただ、これに関しては断言出来ます。
「美味しいところで食べた事が無いだけやで」
そう教えてあげたい!
沖縄そばも沖縄を代表する料理の一つです。
ただ、内地で食べるものは心なしか物足りなさを感じていたのも事実。
沖縄の空気のバイアスがかかっているのかなと思っていました。
そう!今日までは!
実は呑み屋で知り合った沖縄出身の方に教えていただいて伺いました。
「木灰そば太陽人」。
「もっかいそば てぃだんちゅ」と読みます。
沖縄そばは沖縄料理の中では比較的ポピュラーな方ですので、召し上がったことがある方も多いとは思います。
しばしば「うどんとラーメンの中間」と形容されますが、個人的には当たらずも遠からずだと思います。
「木灰そば」というのは、麺を作る際、かん水の代わりにガジュマルなどを燃やした灰を水に入れ、上澄みを用いて作られた麺の事。
沖縄でもこの製法の麺を提供している店は少ないと思います。
12時前に伺いました。
店内は6席ほどのテーブルのみ。
想像よりこぢんまりとしています。
QRコードで注文するスタイルですが、店員さんに注文することも可能です。
「木灰そば」と「ポークたまごおにぎり」、トッピングの「軟骨ソーキ」を注文。
注文送信後、ほぼノータイムで「ポークたまごおにぎり」が到着。
「なんや、作り置きか?」と落胆したのも束の間。ファーストバイトで驚愕します。
なんと!まだ海苔がパリパリ。だし巻き風の玉子はめちゃくちゃジューシー。アツアツではない適度な温度。
そばが来る前に完食してしまいました。
そして、待ちに待った「そば」。
「木灰そば」のデフォルトはとにかくシンプルです。
具はネギと針生姜のみ。
それだけに麺と出汁への拘りがスゴい。
沖縄そばの麺は大半が茹で麺です。
生麺で提供される店はほとんどないと思います。
「太陽人」さんの麺は、とにかく喉越し、歯応えが最高。
食感は「稲庭うどん」に近い感覚がありますが、それに「木灰」特有のフワフワ感が加味された不思議な食感があります。
とにかく唯一無二。
出汁は鰹ベースですが、こちらも不思議とうどんの出汁とは異なる味です。
軟骨ソーキの味付けも出汁の味を損なわないようにあっさりしたものです。
バラ軟骨のプルプル食感も最高です。
卓上にはお馴染みの「コーレーグース」(島唐辛子の泡盛漬)だけではなく「ピパーチ」もありました。
「ピパーチ」は石垣島などの八重山地方でよく使われている香辛料で、「ヒハツモドキ」の果実を、乾燥して作られます。
沖縄本島のそば屋さんでも置いている店は少ないですが、この独特な香りがたまらない!
味変にオススメです!
一心不乱に食べて、気付けば出汁まで飲み干してしまいました。
ここまでのクオリティの沖縄そばを内地で食べられるとは、正直想像だにしていませんでした。
と言うか、沖縄も含めて「沖縄そば」の中では一頭地を抜く存在だと思います。
またすぐに行きたい!
本当に美味かった。
ご馳走様でした。
2024/11/30 更新
11月になり朝夕は一段と冷え込むようになりました。
つい一月ほど前までは夏を思わせるような陽気であった事も忘却の彼方へ行ってしまったようです。
無いものねだりも甚だしいのですが、やはり毎年訪れる常夏の沖縄が恋しくなってきました。
本日は「木灰そば太陽人」さんへ伺いました。
「木灰」は「もっかい」、「太陽人」は「てぃだんちゅ」と読みます。
目的はもちろん「沖縄そば」。
そして沖縄の温暖な気候と風土に思いを馳せるためです。
本日の注文は「ゆし豆腐ラフテーそばセット(1240円)」です。
ご存知の方は読み飛ばして欲しいのですが、「ゆし豆腐」は型に入れて固まる前の豆腐、いわゆる「おぼろ豆腐」の事です。
そして、セットにはポーク玉子おにぎり、通称「ポー玉」が付いています。
まずはポー玉が到着です。
太陽人さんのポー玉は出来合いでは無いため、ほんのり温かいのが嬉しいです。
ポークランチョンミートの美味しさは説明不要と思いますが、太陽人さんではポークは直火で炙っています。この香ばしさがたまりません。
そして、玉子は何とだし巻きです。
ふんわりとジューシーなだし巻きがポークの塩味を優しく包んでくれます。
本場沖縄の専門店でもなかなかお目にかかれないクオリティです。
そして待ちに待った「そば」。
まずはゆし豆腐とともにスープを一口。
それはもう幼い日の記憶に微かに残る母親の温かさのような優しい味わいです。
昆布と鰹節の角がない味わいに、ゆし豆腐から滲み出た大豆の香りが加わり包容力まで纏います。
さらに豆腐を掬って口に入れると、圧搾する前の豆腐の豆本来の風味や甘味を感じる事が出来ます。
そしてやはり麺が秀逸。
木灰そば特有のフワッとした歯触りがありながら、しっかりと弾力のある噛みごたえ。
沖縄では茹で麺を使うお店が多いですが、太陽人さんでは生麺を使用しているため歯応えに違いが出てきます。
うどんともラーメンとも異なる食感は唯一無二。
本場沖縄でも、未だかつてこれを超える麺に出会ったことはありません。
ラフテーも泡盛の香りを纏った本格仕様。
煮崩れる事なく柔らかく仕上がっており、厚みもあり食べ応えも抜群です。
気付けば麺を完食。
焦って「替玉半玉(60円)」を追加注文します。
「コーレーグースー」や「ピパーチ」などの沖縄ならではの香辛料も用意されており味変にオススメです。
「コーレーグース」はかなり刺激が強いので少量ずつ入れる事を推奨します。
八重山地方ではポピュラーな「ピパーチ」も胡椒とは異なる華やかな香りが味わいに深みを持たせてくれます。
替え玉を含めてあっという間に完食。
いやはや、凄まじいクオリティであります。
沖縄の有名店にも決して引けを取らない味。
「美味しい沖縄そばに出会ったことがない」
「内地で食べるとイマイチ」
なんて思っている方は是非「太陽人」さんへ向かって下さい。
素晴らしい体験を保障します。
それでは、本日もご馳走様でした。