葡萄党幹事長さんのマイ★ベストレストラン 2011

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葡萄党活動レポート

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葡萄党幹事長 (60代後半・男性・東京都) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

重度の心筋梗塞から奇跡的に一命を取り留め、この1年は社会復帰を果たすため、家族と共に力を合せた1年。「投薬と定期検査を続ける治療」。「塩分、脂分、コレステロールを取らない食事療法」。「病院、ジムでの身体のリハビリ」。そして「食べログ投稿による集中力のリハビリ」。特に外食では、≪身体に優しい料理とどんな我儘にも対応してくれるレストラン≫が、我が身を助けてくれる最良のレストランでした。 

夜の外食のためには、1日に残る2回の食事から、完全に塩と脂を抜きます。薬を飲むため必ず食事を取りますが、妻手作りの朝食とお昼のお弁当は、全て出汁から自家製の塩と脂のない料理。醤油や味噌、バターなどは一切使えないので、果物や野菜を中心にソースを作ってくれました。 

お蔭で、1日平均の食事制限、「塩分4グラム」、「脂分大さじ1杯」、「総カロリー1,600キロ」、「水分1,200cc」、「お酒エタノール換算40cc」などの上限をほぼ毎日厳守することができました。

そんな私にとってのマイ・ベストレストランは、3つ星や2つ星の綺羅星のような有名店でも、予約の取れない隠れ家レストランでもなく、≪自宅で妻が作る私だけのための料理≫だったように思います。妻と息子たちに感謝の気持ちで一杯です。

マイ★ベストレストラン

1位

レストラン タテル ヨシノ 芝 (御成門、大門、芝公園 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2012/01訪問 2015/01/12

ジビエとワインのマリアージュ

芝パークホテルのアネックス1階。パリのステラマリスで星を獲得した日本人シェフによる、日本での1号店。ミシェラン2つ星を2年連続で維持するタテルヨシノ芝。昨年は銀座から、現在日本でトップクラスのソムリエと言われる総支配人とその下の支配人が一緒に来て、この芝を盛り上げていたが、今年はまた銀座に戻ってしまった。しかし今の支配人ほか、スタッフのサービスは相変わらず心地の良い一流感で、昼から楽しいワイン三昧。 まずはいつものようにシャンパーニュ。

NM ドゥ・スーザ・エ・フィス シャンパーニュ・ブリュット・トラディション 2,079円/120mlグラス
税・サービス料10%込み
総支配人に奨めて貰った美味しいシャンパーニュ。真冬向けにちょっとピノの多めな伝統派。美味しい。

アミューズブーシュ チーズのシュー
この店のスペシャリテとも言えるシュー。シャンパーニュのベストパートナー。

ランチでもジビエが堪能できる。

メニュー・ド・セゾン 8,662円 税・サービス料10%込み 以下価格は全て同様
オードブル ホタテ貝のマリネとカブのエスプーマ 小さく切ったビーツと共に
底にホタテ。中はカブのエスプーマで、一番上がビーツの泡。きれいなカクテルグラス。カブがシャンパーニュに合う。ホタテのマリネが駄目な人には代わりに、南仏産の栗のスープ。

パン 細いミニバケット
ミネラルウォターはホールスタッフがちょくちょく注ぎに来てくれる。
泡なしのフランス産 577円/1人

そろそろ白ワインかなと心の中で思うと同時にささっとソムリエ。銀座に戻った総支配人のお奨めシリーズで宜しいでしょうかとのこと。引継ぎができている。

2009 ドメーヌ・ヴァンサン・デュルイユ・ジャンティアル リュリー プルミエ・クリュ レメカドヴィエーユヴィーニュ 2,079円/120mlグラス
このリュリー、美味し過ぎで反則。あまりに美味しいので、当店で買い占めてますとニコヤカにソムリエ。楽しい。とてもリュリーではない。さすが15年前の初リリース以来、ベビーモンラッシェと評価されるだけはある。まさに酒質はモンラッシェに匹敵する驚きのワイン。こんなコスパのいいワインを飲むのは初めて。 

ポアソン 季節野菜のエチュベ セップとカダイフの衣をまとったアナゴのフリットとソースエミュルション トリュフ風味
アナゴのフリットが美味しい。セップとともに絶品。リュリーと絶品コンビ。そしてこのエチュベの美しい配列。
スープ キジのブイヨン仕立て 腿肉のキャベツ包みとクネル
キャベツに巻かれたキジの腿はほとんど刺身。同じキジをムースにしたクネルと対極させている。この2極対比は流行のよう。今年は正月からジビエ三昧。キジに合せるワインは。

2008 ドメーヌ・アルロー シャンボール・ミュジニー 2,310円/120mlグラス
アルローも総支配人が奨めてくれたドメーヌ。あの時はモレ・サン・ドニ、今回はキジのためのシャンボール。あれ以来、このアルローには嵌っている。シャンボールなのに、ビオなのに、あの嫌いなフランボワーズの香りやビオらしさが全くしない。優しい口当たりと複雑な味わい。幸せなワイン。キジの刺身に合う不思議な組合せ。ワインは分からないもの。

ヴィヤンド 本日のジビエ料理 ピジョンラミエのロースト パースニップのピュレ
シェフが、生肉のお嫌いな方には無理だと思いますと、女性用は牛頬肉の赤ワイン煮に替えてくれている。このシェフ、客のの好みを完璧に把握してくれている。銀のボールの蓋を開けると、皿の中には見るからに濃厚な森鳩が。確かにこの鳩の足を見ただけでもう無理と言う女性も多い。替えて貰っていて良かった。パースニップのピュレは見た目は人参色で、味はじゃが芋。不思議な食べ物。美味しいが。ピジョンラミエは味わいも見た通りに濃厚でうれしい。合せるワインは。

2005 ☆シャトー・リオナ 2,310円/120mlグラス
またまたまた凄い。エチケットには家族専用とフランス語が。サンテミリオンの有名シャトーが自分たちで飲むためだけに造ったワイン。何故ここにあるのか訪ねると、今は売られるようになっていますとのこと。まさにブルゴーニュのグラン・クリュと言われても全く分からないすばらしいワイン。2005年は出来も最高。原価は1本4千円は超えるものと思われる。グラスワインでこれだけ安いフレンチは貴重。ブルゴーニュのグランクリュクラスに近いこのワイン、ピジョンラミエと抜群の相性。

デセール マロンのエクラゼに軽やかなメレンゲを添えて
柔らかいメレンゲをサクサク壊して、添えられたラムのボンボンも壊し、ラムをメレンゲに混ぜ合わせる。聞かないと食べ方が分からない。これはディジェスティフを頂きたくなる。

アンリ・ジロー ソレラ・ラタフィア・ド・シャンパーニュ
ソレラは珍しい。さすが。こんなものまで置いているとは。しかもアンリ・ジローのシャンパーニュ。嬉し過ぎ。

カフェ 紅茶

本日も完璧なショーを見せて頂いた。ジビエとワインによるマリアージュの宴。昼からとは言え十分堪能。隣のテーブルでは結婚記念日の若い2人がスタッフに歌を歌って貰っている。こっちはほんとのショー。テーブルはゆったりしていて、ダンスホールのようなインテリアはいかにも伝統的というより昭和を感じる雰囲気。でもこのゆったり感が良い。これで大理石張りの内装にでもしたら、この値段で食事はできなくなる。いつまでもこんな感じでお願いしたいもの。折角きたので、みやげはサブレカフェ(630円)をいっぱい買って帰ることに。

  • ヴィヤンド/本日のジビエ料理/ピジョンラミエのロースト、パースニップのピュレ
  • 泡/ドゥ・スーザ・エ・フィス/シャンパーニュ・ブリュット・トラディション/NV
  • チーズのシュー

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2位

フロリレージュ (外苑前、表参道、乃木坂 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥10,000~¥14,999

2012/11訪問 2015/03/27

ホスピタリティとワインが最高のフレンチ

居心地の良さは間違いなく一番。評判のモダンフレンチの中でも、郡を抜いて高いホスピタリティは、シェフとマネジャー、スタッフたちの一丸となったチームワークのなせる業。高い人気も当然と思わせる。1、2度食事をすれば、シェフもマネジャーも客の好み、性格などを把握する。ル・ブルギニオンで、今や重鎮となったシェフの薫陶を受けて渡仏。3つ星カンテサンスのスーシェフを勤めたあと独立したシェフにとって、このこじんまりした外苑前のマンションの1階は、客の顔を思い浮かべながら料理を作るという理想の規模の城であることが分かる。


場所はルート246、ベルコモンズ交差点をキラー通り沿いに西麻布にくだる途中、スキー・ジローの信号を右折してすぐを左折。狭い裏道のマンション街を行くと右手に勾配の緩やかな階段。ゆっくり登った最上段。

ごく普通のマンションの1階。右側が店舗であることは、横長ミラー調で店のマークの入ったエントランスサインで分かるが、初めてだとエントランスを迷う。右脇の通路の中ほどにあるドアはフラットな造作で、開き勝手が分からない。デートなら事前の予習が必須か。

インテリアはエレガント・モダン。壁際の造りつけソファーが横一列。テーブル数卓と1人用ソファーが並ぶ、コンパクトな造り。奥のガラスの向こうは、右手が6人の個室、左手がワインセラー。流行のミニマムフレンチ。


料理はお任せコースのみ。ランチ4200円、ディナー10500円の1種類づつ。この潔さこそ、コストパフォーマンスが高い理由か。アミューズの四角いグリーンオリーブがスペシャリテ。柔らかく不思議な食感。シャンパーニュに良く合う。ガラスの皿は世界のスガハラ製。野菜や魚への素材の拘りは生産者との関係を重視したもの。料理への強い愛を感じる。

今回の前菜、モクズ蟹のオムレツには相変わらずうっとりさせられる。甲羅に乗ったモズクをモクズ蟹の藻屑に掛ける洒落の効かせ方は、日本料理の雄、神保町傳と同じ匂いがする。傳の大将と、この店のマネージャー、シェフが親友のように付き合っているというのも頷ける。2種類の調理法を見せるメイン料理も素晴らしい。鹿の肝臓、腎臓、フィレの組合せ。ジビエを堪能できる。今朝入ったばかりのレバーが凄い。


ワインは料理との組合せが素晴らしい。ワインに料理を合わせているようにさえ見えるほど。手に入り難くなったブルゴーニュの人気造り手の、一番コストパフォーマンスの良さそうなところを押さえている。ブルゴーニュが好きな人にしか選べないストック。この店なら、バイ・ザ・グラスでも大抵の料理に合わせられだろう。

今回の売りはシャサーニュ・モンラッシェのラ・ロマネという畑。モレ・コフィネというジャン・マルク・モレの従兄弟が造る秀逸な白。鹿に合わせる赤もポマールのレ・ザルジリエールという畑。ドメーヌ・ルジューヌは230年以上の歴史を辿れる貴重な造り手。この店のワインは畑を思い浮かべながら飲むことができる幻想的なもの。セレクションはいずれも舌を巻く。


≪今回の料理≫

ランチのお任せコース 4200円 別途サービス料10%


四角いグリーンオリーブ

本日の前菜 山口県産藻屑蟹のオムレツ トリュフ乗せ


本日のメイン 鹿のレバーと腎臓とフィレ 舞茸とジロール茸 野菜と色々な鹿の内臓のソース

もう一つの本日のメイン 焼き茄子と鹿のレバー レバーの泡と共に 焦がした茄子の皮の香ばしさで

小さなバケット


デセール モンドールチーズとチョコレート バニラアイスクリーム 

カフェ ハーブティー カモミールとレモングラスブレンド

プチフール サクランボのキャラメリゼ


≪今回のワイン≫

NV CHAMPAGNE PREMIER CRU NICOLAS MAILLART 1470円/120mlグラス

2009 CHASSAGNE MONTRACHE 1er Cru-LA ROMANEE MOREY COFFINET 1680円/120mlグラス

2010 POMMARD LES ARGILLIERES 1er Cru DOMAINE LEJEUNE 1680円/120mlグラス

2002 CHATEAU CANTEMERLE 1470円/120mlグラス


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≪過去のレビュー≫
今回の鮎とサマートリュフの組合せも絶妙。苦味の消えたフリットにサマートリュフらしくない濃厚な香りが絡み合う。ヴィヤンドは同じ素材をクラシックスタイルとコンテンポラリーな仕上げという2種の皿で出す。今回は夏の猪をローストとラグーで。噛み応えのある深い猪の味わいを、赤ワインに馴染ませるローストと、あっさり食べやすい、柔らかくなったラグー。皿を見ているだけでも楽しい遊び心。

今回のロベール・シュヴィヨンなども泣かせる。グランクリュのないニュイサンジョルジュで、最もグランクリュに近いと言われるロベール・シュヴィヨン。もはや日本で手に入れるのは至難。バイ・ザ・グラスで出してしまう心意気に感激すらしてしまう。

≪過去の料理≫
ランチのお任せコース 4200円 サービス料10%別

四角いグリーンオリーブ
和歌山県産 鮎のフリット きゅうりとサマートリュフ
岐阜県産 猪のローストとそのラグー
パン
桃のコンポートとヨーグルトのムース
プティフールとハーブティー

≪今回のワイン≫
NV CHAMPAGNE PREMIER CRU NICOLAS MAILLART 120mlグラス
2010 Sancerre Le Tournebride Vincent Gaudry 120mlグラス
2002 NUITS-SAINT-GEORGES DOMAINE ROBERT CHEVILLON 120mlグラス


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≪過去のレビュー≫
外苑前からキラー通りを下り、バブルの頃は隠れ家的お店がいっぱいあったエリアです。今やほとんど入れ替わってしまい、ビルも次々に建替え・・・、別の街のよう。そんなエリアに光輝く一番星、今や知らぬ人のいないミシェラン星付きフレンチ「フロリレージュ」。 

1ヶ月半前に妻とディナーで来たばかりですが、今度は仲良し4人組でランチにやって来ました。ディナーも素敵でしたが、ランチはお任せのみのディナーと違って、自分で色々選べるからいいという皆さんのご意見です。 

オードブル、メイン、デセールはメニューだけでも2、3種類づつ選択肢がありますが、メニュー以外にも1、2種類用意されていて、迷うぐらいの選択の幅。これが楽しいというのも良く分かります。私のような、どちらかというと合せるワインの方に興味がある人間には、全てお任せの方が楽ですが・・・(笑)。 

まずはいつもの通りシャンパーニュをくださ~い。 

/「ニコラ・マイヤール/シャンパーニュ・ブリュット・プラティーヌ・プルミエ・クリュ/NV(1,617円/120mlグラス)」/前回のディナーの時と同じです。・・・がしかし、なんと値下げしています。すばらし~。メチャ安いですね。嬉しい。モンターニュ・ド・ランスらしいピノの重厚さに、多めのシャルドネがエレガントさを醸し出します。さすが3百年の歴史!美味しい~♪ 

 ≪ランチコース(4,620円/税・サービス料10%込み)≫(以下価格は全て同様) 
アミューズブーシュ/「四角いグリーンオリーブ」/ディナー同様、スペシャリテは四角いグリーンオリーヴ。ぱくっと2口、シャンパーニュのお伴! 
オードブル/「フォアグラの前菜/ヒグマ肉で包んだフォアグラのテリーヌ」/おぉ~~、「ブッパ」に続くヒグマですー!こちらは何とあっさりしたヒグマでしょう。あの時の濃厚さは微塵もありません。あれもヒグマ、これもヒグマ、ヒグマも色々な人生を送って、味わいも色々ですねー(笑)。 
ヒグマに優しく包まれたフォアグラは逆に濃厚です。ふんわりした食感と味わいの深さがたまりません! 

本日のワインは初めからもう、赤のみでいっちゃいましょう! 
赤ワイン/「ドメーヌ・セラファン/ジュヴレ・シャンベルタン/2008年(1,848円/120mlグラス)」/王道系ですねー。セラファンは65年前の先代の設立以来、VVに拘ってジュヴレで畑を増やしてきたドメーヌ。このヴィラージュものも1級カズティエ直下の樹齢の高い貴重な畑です。 
グリーンハーヴェストでの栽培、ヴィラージュでも新樽50%、樽熟20ヶ月、ノンフィルターの凝縮感が前面に出てますねー。あくまで樹齢に拘るがため、日本ではあまり見ない貴重品。あっさりヒグマに包まれた濃厚フォアグラと、この複雑なピノ・ノワールが、何とも言えないコンビネーションを・・・。素晴らしい。 

ヴィヤンド/「クラシックな肉料理/ソローニュ地方産ピジョンラミエ(森鳩)のロースト、鳩の内臓ソース」/これまた、おぉ~です(笑)。シャンボール城で有名なソローニュの森。この森のジビエは有名ですが、食べるのは初めて。まずは森鳩です。ローストは例によって鳩の足が目立つ・・・、ちょっとグロ(><)。 
内臓の入ったソースが丁度良い濃さで、しっかりした味わいの森鳩をさらに引き締めます。やっぱりソースはそのお肉の内臓ですね!美味しい~。 
ヴィヤンド/「コンテポランな肉料理/ソローニュ地方産ピジョンラミエ(森鳩)のガレット」/ディナー同様、ランチでもヴィヤンドは、古典的と現代的な2種類の調理法で同じ素材が楽しめます♪ 
現代風は蕎麦粉の皮で森鳩を包んだガレットです。ぺろっといちゃいますねー。デセールかと思いました(笑)。ジビエの中のジビエには、ピノからもう少し濃い所でいきましょう。 

赤ワイン/「シャトー・ラグランジュ/2006年(2,079円/120mlグラス)」/サンジュリアンのカベルネ主体、メルロちょっとのメドック格付けワインは、サントリー傘下とは言え評判通りコスパ抜群です。森鳩にはこのタンニンを若干抑えたサンジュリアンはいい感じ。このヴィンテージは2005年にも匹敵すると言われてますが、今飲んじゃって丁度良さそうです。 
結構値上がってますので、仕入れ値は5千円くらい?グラスで原価率5割ですから、このお店のワインはほんとにお安い! 

デセール本日のチョコレート/「黒トリュフのパンケーキとホワイトチョコレートのアイスクリーム」 
カフェ/「珈琲」 
プティフール/「ほおずきチェリー」/チェリーのようなほおずき?ほおずきのようなチェリー?味はチェリーっぽいです(笑)。 
お昼からディジェスティフは止めておきましょう・・・(笑)。 

噂に違わぬこのお店のホスピタリティは本物です。料理は相変わらず美味しい。そして何より楽しくワインを相談できて、出て来るワインの安さに2度驚き。肩ひじ張らない素晴らしいお店だと思います。 

楽しい仲間の新年会を主催頂いた、幹事のお美しいお嬢様に感謝です!ご一緒頂いた皆様、ありがとうございました。今年もまたあっちこっち、ご一緒してくださいね。宜しく~! 


* * * * * * * * * *

本日は妻と2人ディナーのデートでお邪魔しました。ダイニングはオールカップル、お見事です(笑)。奥の個室では4人の宴席。静かなBGMも丁度良いくらいの落ち着いた、シンプル&コンパクトでも高級感の漂う素敵な雰囲気。 

聞いていた通り、入り口で迷います。お洒落なサインの左手、通り沿いに入り口は見えず、右脇のマンション通路側ですね・・・。でもやっぱりドアが無い!?ちょっと分かり難い壁と一体化したフラットなドア。取っ手がどれか躊躇します。おっかなびっくり引っ張ると、開いたー、あ~良かった。勝負を掛けるカップルで初めて彼女を連れてくるなら、早めに来て下見しておいた方が良さそうです(笑)。 

コースはお任せの1種類のみ。予約時の電話や、席に着いてからも、食べられないもの、嫌いなものなど、間に合う範囲で何でも対応してくれます。杓子定規なところは微塵もなく、とっても居心地の良いお店。素晴らしい。 

何処に行ってもまずは泡から。いいシャンパーニュはありますか?「お奨めのグラスがあります」とマネージャー。それで! 

/「ニコラ・マイヤール/シャンパーニュ・ブリュット・プラティーヌ・プルミエ・クリュ/NV(1,850円/120mlグラス/税・サービス料10%込み/以下価格は全て同様)」/これはスタンダードなシャンパーニュ。300年の歴史を持つ元祖レコルタン・マニュピラン。モンターニュ・ド・ランスにしてはややシャルドネの影響がピノの重さを洗練させています。 

仕入れ値は4千円くらいの、最もコストパフォーマンスが高いシャンパーニュの一つですね。グラスで原価率4割は、かなりお安い設定では?繊細な泡と香り、さすが90%プルミエ・クリュ!完成度の高い泡ですね。 

お任せの「ディナーコース(11,550円)」 

アヴァンアミューズ/「蕎麦の実の畑に生えるキャビアのガレット」/可愛らしいガラスの鉢に入ったキャビアのガレット巻き。土に見立てた蕎麦の実とガレットを掛けてますね。シャンパーニュのお伴にキャビアは最高♪ 

アミューズブーシュ/「四角いグリーンオリーブのスフレ」/わりとかっちり焼かれたパンのよう。グリーンオリーブ味が、これまたシャンパーニュに良く合います! 

ここでマネージャーが「本日のワインはいかが致しましょう」と聞いてくれます。料理に合せて適当にお願いしたいのですが?「かしこまりました。まさにそういうグラスワインのコースを用意しております」とのこと。いいですねー。それでいきましょう。もうさっきから丸投げ状態です(笑)! 

料理に合せたグラスワインのコース(5,780円/4種類のハーフグラス)

白ワイン/「ドメーヌ・ミッシェル・モレ・コフィネ/シャサーニュ・モンラッシェ/2009年(60mlグラス)」/「ドメーヌの子供同士の結婚で新たにできたドメーヌものです」とマネージャー。楽しいそうなワインですねー。マルク・モレは大好きなドメーヌ。その息子とフェルナン・コフィネの娘が結婚して設立、今は更にそのまた息子と孫が運営する気鋭の造り手です。 

バニラやアーモンドの香り漂う、出来立てとは思えぬシャサーニュ。まるでピュレニーのグランヴァンのようです。樹齢40年のクリマ、レ・ショームから獲れる葡萄の出来は秀逸です。仕入れ値は7千円近くするのではないでしょうか?とは言え我々素人では手に入らない稀少ワイン。美味し~い♡ 

オードブル/季節の前菜/「アワビのフリット、トランペット茸のムースと銀杏」/アワビが美味しいー!シャサーニュとドンピシャです。トランペット茸の香りも晩秋の名残り・・・。幸せですね。 

オードブル/フォアグラの前菜/「フォアグラとヘーゼルナッツのメレンゲ」/「メレンゲとフォアグラを同時に口に入れてみてください」とマネージャー。おぉ~、シャカシャカ、プニュプニュ、混ざり合って素晴らしい。ビジュアルもですが、味わいのコントラストがいいですね~♪ 

白ワイン/「ドメーヌ・マルク・テンペ/アルザス・グラン・クリュ・マンブール・ゲヴェルツトラミネール/2002年(60mlグラス)」/白ワインの2番手は何とアルザス・グラン・クリュです。アルザスの偉大な生産者と言われるマルク・テンペ。熟成した貴腐香がたまりません!リッチで高貴な香りと味わいは、まさにアワビとトランペット茸のためのワイン。 

ゲヴェルツトラミネール100%の最高傑作アルザス!仕入れ値は8千円近くするのではないでしょうか。贅沢ですね~♪ 

/「ドゥ・スーザ・エ・フィス/シャンパーニュ・ロゼ・ブリュット/NV(60mlグラス)」/な~んとマネージャーがフォアグラに合せたのはロゼのシャンパーニュ!素敵過ぎーー!!これは最初の泡と正反対のセパージュでシャルドネが主体です。ロゼの果実味が爽やかで不思議な味わい。これを世は繊細と言うのでしょうか!? 

高貴なアルザスに、繊細なロゼ・・・、まるで魔法のワイン迷宮に迷い込んだようです。嬉しさで目眩が・・・☆☆ 

まだ前菜が終わったばかりですよー!でももう来てから2時間経過、すでに帰り始めるお客さんも・・・。いつものことながら食べるのが超鈍足夫婦です。スタッフのみなさん、すみません。やっとメインに辿り着きました。「いえいえ、皆さん時間が重なるので、ずれて頂いた方が助かります」と優しいマネージャー。 

ポアソン/「サワラのミキュイ、春菊のムース、桜海老添え」/「サワラは半生のようでもありますが、全体的に火入れできています。生魚が苦手な奥様でも生ではありませんので」と丁寧な支配人。事前に火さえ入っていれば魚は大好物と伝えてありますし、食事前にも確認して頂いてますので、全く問題ありません。 

美味しいサワラですねー。「春の魚と書くサワラ。桜海老を添えて、春菊も味わって頂きたいと、初冬に春尽くしです」と洒落の効いた支配人。いいですねー。ほんと何処までも楽しい食事です。

お肉の料理は現代的なコンサヴァスタイルと、伝統的なクラシックスタイルの2通りが出るそうです。そんなにー!まずは肉用に口を整えましょう。 

赤ワイン/「エルヴェ・ジゴー/シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・フュエ/2007年(60mlグラス)」/160年の歴史を誇るエルヴェ・ジコー。先日の「カンテサンス」でも、隣の畑が出ました。さすが元同僚。好きなワインが一緒です。ってマネージャーに要らぬ報告をしたところ、「そーなんですかー」と驚いておりました。 

これまた繊細なフィネス!シャンボールの果実味を感じません。ジュヴレかモレサンですかー、てな感触。美味しい赤ワインですね~。超ハイテンションになってしまいます。仕入れ値も6千円はするでしょう。隣のレ・センティエは見ますが、このレ・フュエは珍しい。ほんとにニッチなワインを集めてますねー。 

モレっぽいシャンボールにはカシュー豚のダブル攻撃です! 

ヴィヤンド/コンテポランな肉料理/「カシュー豚のロティ、ピエブルーと下仁田葱、カシューナッツのソースで」/カシューナッツを食べさせて育てたというカシュー豚。初体験です。豚の味と言うより、カシューナッツのソースなので、豚肉のカシューナッツ味は良く分かりません(笑)。 
フランスから空輸のフレッシュ・ピエブルーですねー。トランペットも好きですが、ピエブルーもいい感じ。足の形の茸と言う意味らしいですが、ブルーではなく紫色。なのでムラサキシメジとも言うようです。秋は茸!美味しい。 

ヴィヤンド/クラシックな肉料理/「カシュー豚、牛蒡、白菜のラグー」/同じ素材で2種類の正反対なスタイルの料理。これがこのお店の得意とするところですね。煮込んだカシュー豚は、ロティでもわやわなのに、この上なくやわやわ。もう繊細シャンボールが足りません。制限オーバーですが、シャンボールお替わりーー。 

☆赤ワイン/「エルヴェ・ジゴー/シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・フュエ/2007年(1,620円/60mlグラス)」/3時間に渡る大満足の食事とワインでしたー、と思ったらこれからデセール、大変だ~。 

アヴァンデセール/フルーツのデザート/「山梨の巨峰と岐阜の山葡萄のソルベ、炭酸のムース」/2種類の葡萄のシャーベット。炭酸の泡がプチプチして楽しいです。 

グランデセール/チョコレートのデザート/「モンブラン、ホワイトチョコ、粉にした栗」/チョコのデザートはホワイトチョコにモンブラン。栗の粉がもさもさして妻の好みです。 

カフェ/「珈琲、ハーブティー/ミントとレモングラスブレンド」/やはり流行りのレモングラスベース。 

プティフール/「早採り栃乙女のパート・ド・フリュイ」/パート・ド・フリュイと言ってましたが、今年の初物、栃乙女は潰さずに、そのまま原型です。その回りを甘く固めたもの。独創的なパート・ド・フリュイですね。 

ミネラルウォーター/「スルジーヴァ(920円/750ml)」/イタリアでナンバーワン人気の軟水です。氷河を溶かした硬度の低い柔らかい水は、お料理の味を引き立てるに持って来い。 

結局4時間掛かってようやく食べ終わり、飲み終わりました。我々はいつものことですが・・・(苦笑)。 

高い評判はその通り。料理も美味しく、何と言ってもワインとの完璧マリアージュが素晴らしい。そして支配人の楽しく淀みなく、押しつけがましさの微塵も無いトークが心地よいお店。シュフのハニカミ具合も素敵です。 

帰りはお店の外で、我々が見えなくなるまで、いつまでも2人で見送ってくれました。また来た~い。 

≪追伸≫ 

最後になって今更気がつきましたが、私のこのレビュー、このお店の200件目のキリレビューですね。私のような者ですみません・・・。 

  • 本日のメイン 鹿のレバーと腎臓とフィレ 舞茸とジロール茸 野菜と色々な鹿の内臓のソース
  • NV CHAMPAGNE PREMIER CRU NICOLAS MAILLART 1470円/120mlグラス
  • 四角いグリーンオリーブ

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3位

カンテサンス (白金台、目黒 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2012/11訪問 2012/11/17

5年連続ミシュラン3つ星に輝く白金の名店

徹底的に美味しさを追求するアスリートのようなシェフ。今年で5年連続ミシュラン3つ星を獲得し続ける料理は、素材、火入れ、味付けという3つのプロセスに拘ったストイックで新しい、オリジナティ豊かなフレンチ。メニューは昼、夜ともにお任せコース1種類のみ。その時々の最も素晴らしい素材を使い、その仕入れた時の状態を見てメニューを決めるため。

昨年、レストランを買い取りオーナーシェフとなった。以来、ますますオリジナリティに磨きがかかっている。支配人はブルゴーニュの畑で働いたほどブルゴーニュワインの虜でもある。その仕入れたワインの在庫も素晴らしい。あまり酒を飲めないシェフは、珍しいリキュールなどを惜しみなく料理に使ってしまうと支配人が苦笑する。なんと楽しいレストランだろう。


場所は白金、プラチナ通りの一番下に近い。医科研の裏側となる。通りから少し入ったところの、下駄履きマンションと言うには白金らしい小洒落た建物の1階にひっそりとエントランスがある。

あたかも意図的に目立たぬようにしているようにも見える、オフィスのエントランスのような構え。料理に基本的なコンセプト重視の思いを詰めるように、店の構えもあくまでシンプルに、華美な装飾を嫌った結果が現れている。

インテリアも白を貴重にしたパリの街角にありそうなモダンデザイン。重厚過ぎず、クラシックでもカジュアルでもない、シンプルモダンの真骨頂。全てが料理に対する思いと重なり、あまりのストレートさに気持ちが良い。体育会系の徹底度合いを憶える。


料理はその時々の旬の魚と肉、その状態に合わせた調理法が毎回楽しみ。今回が5回目の利用になるが、毎回、いつ誰と来たかを確認され同じものは絶対に出さないという念の入れよう。この辺りもいわゆる体育会系。毎回答えるのが面倒なので、今回からリストにして過去何を食べたか分かるようにしている。

そして拘りの素材に対する、火入れへの尋常ではない更なる拘り。魚、肉の低温長時間調理は当たり前。3時間、4時間という時間を掛けて、何度も何度も火入れをする。特に魚料理が素晴らしい。どんな魚であろうと、全身をシェフに委ね、ピンクの肌を晒し、へなへなにならざるを得ない。あらゆる魚たちが文句の付けようがない美味しさとなる。

肉料理は牛、豚、鴨など、その日の状態により、いろいろな調理を楽しめる。今日は何が出てくるのかと毎回わくわくできる。スペシャリテは有名な山羊のバヴァロワ。塩とオリーヴオイルのための1皿。ゲランド産の大粒の塩と、その時々の最高のオリーブオイルのブレンド。百合根とノワゼットは塩とオイルを味わうための材料。これこそまさに体育会系料理。


ワインはブルゴーニュ好きの支配人が集めたコレクションが素晴らしい。飲み頃のロマコンが並んでいるワインセラーに目を奪われる。もし死ぬ前の最後に好きなものを食べて良いと言われたら、この店のワインと言うだろう。


写真撮影は禁止。ただし、2室ある個室のみ、携帯電話や音の出るカメラでなければ、周りに迷惑を掛けない範囲で撮影できる。アスリートのようなシェフと支配人の作る料理と、厳選されたワインには、食べる側もアスリートの優しさが求められるということか。最後に見送ってくれるシェフや支配人、見た目にアスリートらしさは微塵もない。慈愛に満ちた、遠慮がちな笑顔に、またすぐにでも来たくなる店でもある。


≪今回の料理≫

お昼のお任せコース 7500円 別途サービス料10%・消費税


アミューズ 冷たいオニオングラタンスープ

スペシャリテ 塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ


オードブル マッシュルームのケークサレ

パン


ポアソン 萩の甘鯛 ソース・フィザリス

ヴィアンド 蝦夷鹿の3時間ロースト


デザート マカロンパッション

カフェ エスプレッソ

プチフール サヴァランのキャラメリゼ


≪今回のワイン≫

NV CHAMPAGNE gran cru brut Francois Seconde 12000円/1本

2010 TRAISENTAL RESERVE Gruner Veltliner 90mlグラス

2008 Sancerre Vincent Pinard 90mlグラス

2006 CHASSAGNE-MONTRACHET 1ER CRU VIEILLES VIGNES Domaine Marc Morey & Fils 90mlグラス

2010 CHASSAGNE-MONTRACHET DOMAINE JEAN-MARC MORRET 9000円/1本

Calvados 14 Ans Chateau du Breuil 45mlグラス


* * * * * * * * * *


≪過去のレビュー≫

プラチナ通り沿い、医科研のちょうど裏側になります。古川橋方面から来ると坂の登り始め右手。4年連続ミシェラン3つ星、シンプルで本物に拘ったインテリアも素晴らしい「カンテサンス」。 

いつものように仲良しの「から○○」様からお誘いを頂きました。今まではワイン会(ただの宴会!?笑)のノリでしたが、今回は初めてのランチ会。珍しいこともありますね。まあ結局、昼からワイン会になるだけでしょうが・・・(笑)! 

カンテサンスはあちこちで名前を聞きますが、同時に予約が取れないお店と聞いていたので伺うのはあきらめておりました。でも取れる方は取れるんですね・・・。前回来店時に今回の予約をしたそうです。 

この辺りは昔飲み歩いた場所から遠くありません、勝手知ったる道。カンテサンスの前も何度も通ってます。会社からタクシーでお邪魔しました。お昼の遅い時間は道も空いていて、丸の内からは25分とちょっと。エントランスもシンプル。中に入るとウェイティングのソファーに皆さんお揃いです。午前中の会議が長引いてギリギリでした。すみません。 

6人全員揃ったところで壁一面がワインセラーの嬉しい個室へ。おー、今まで飲んだロマコンの中でも、一番美味しかった1983年のロマコンが2本もあるではないですか~。DRC、ルフレーヴ初め、熟成ブルゴーニュの宝庫です。総資産おいくら(笑!?)。 

すると支配人、「では本日はこれを開けると言うことで・・・」。ロマコンですか~。すみません本日は持ち合せがちょっとだけ足りません・・・(笑)。興味を持った1人が伺いました。「ちなみにおいくらですか?」。「私の一存です。まあ、原価は1本150万円くらいでしょうか?」と支配人。おちゃめですねー、超楽しい~♪ 

メニューは有名な白紙。真っ白な大理石調の重い板。皆さん何度も来ている方々ですが、これはこのお店の神事のようでもあります(笑)。スタッフの皆さんが楽しんでいるからこそ、お客さんも楽しいんでしょうね。この雰囲気は好きです♡ 


まずはお昼だろうと何だろうと次の予定にかまわず、泡からいきましょう(喜)! 

/「RM・ピエール・ペテルス/シャンパーニュ・グラン・クリュ・キュヴェ・ドゥ・レゼルヴ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン・ル・メニル・シュール・オジェ/NV(2,080円/グラス/120ml/税・サービス料10%込み)」/支配人の説明が詳細で掘下げタイプ!とにかくワイン好きにはたまらない口上付きワインサーブです。 

曰く、「クリュッグ、サロンを有名にした村、メニル・シュール・オジェ。17しかないグラン・クリュの村の1つ・・・」。美しいシャンパンゴールドですねー。泡はグラスに満遍なく、しかも細かく上がってくるタイプ。すっきりして酸味の淡い美味しさ。さすが、「ステンレスタンクのモンラッシェ」と呼ばれるレコルタン・マニピュランのシャンパーニュ。 

仕入れ値は5千円程度のものと思われますが、本日の真夏のような30度近い秋のお昼に飲むには最適な泡です。原価率は4、5割とグラスにしてはかなり良心的。何だかいきなり、支配人の掌に乗っちゃった気分です♪ 

 ≪お任せコース(8,660円/税・サービス料10%込み・以下価格は全て同様)≫ 

アントレ/「ガルビュール・ジャポネ」/ガルビュールと言うと、南西地方のワインと料理のお店、赤坂の「コム・ア・ラ・メゾン」を思い出してしまいますが、こちらはお上品。あちらの溢れる野趣のスープがあるべき姿なのかもしれませんが、日本的に、と言うかこのお店風にアレンジ。 

見た目も美しくガラスの器入りですが、食感を重視して梨の細ま切れを入れています。支配人の説明では「新高梨」、新潟で新たに梨を生育するため、高知の品種を掛け合わせて作ったので、両方の地名を取った梨で、大きさは30センチ近い梨の王様。食感をメインに甘みを抑えた品種を選んでいるようです。 

シャンパーニュはあっと言う間に空いてしまいます。白ワインに移りましょう。しかしお昼なのに皿数を考えるとワインを飲み過ぎてしまいそうです。う~ん何を優先しましょうか?すると支配人、「料理に合せてお出ししますよ。量の制限はどのくらいですか?それでは全てハーフサイズで出させて頂きます」とのこと。え~、ビックリ!まるで行きつけのレストランと同じ対応ではないですかー!  

白ワイン/「シャトー・パラディ/コトー・デクサン・プロヴァンス/2010年(1,040円/グラス/60ml)」/「パーカー100点満点の造り手が集まって立ち上げた南仏の白ワイン。粘土石灰質がテロワールの特徴です・・・」とまたも支配人のワイン教室。嬉しい~。しかしステンレスタンクの魔術師系が続きますねー!フルーティーなのにふくよか。不思議な柔らかさです。梨に合います! 

この2010年は完全にビオ化した初リリース。聞けば支配人、カリフォルニアで葡萄造りをしていたそうです。葡萄から醸造、販売まで携わり、日本に戻ってこの世界に・・・。なるほどワインの好みが現代的な訳です。しかしセラーの中の熟成ブルゴーニュとは対極ですね! 

アントレ/「塩とオリーブオイルが主役、山羊乳のバヴァロワ」/このお店のスペシャリテ。「必ず出します」とのこと。濃厚オリーブオイルを中心に3種類をブレンドしたオイルだそうです。山羊の乳は大好物。フロマージュは必ず山羊を選びます。トッピングのお塩と共に口に運ぶと、油と乳と塩の超絶マリアージュ(笑)。 

アントレ/「ポロ葱と海老」/この時期の西洋葱は香りも柔らかです。白い柔らかい部分を、まるでパスタのように細かく裂いたもの。言われなければ葱とは思いません。これとプリッとした小海老、クルトンのように揚げたトッピングの3色を合せて頂くと、これも素敵な組合せ。おいっし~☆ 

もー我慢できません・・・。ブルゴーニュを、と言いかけると、支配人が撫で肩のボトルを持って立っているではありませんかー!心の声を聞くタイプの方です(笑)。 

白ワイン/「ジャン・マルク・ボワイヨ/モンタニー・プルミエ・クリュ/2009年(1,040円/グラス/60ml)」/ボワイヨ兄弟はいずれも大好きです!しかも早飲みできるモンタニーの2009年。嬉しい思し召し(笑)。 

熟成させて飲むタイプではありませんが、あたかも熟成したような柔らかさを持つワインです。今日はもう笑いが止まりません!これも仕入れ値3千円程度ですから原価率は3割。値段はグラスの洗い代のみですね(笑)。  

ブルゴーニュの出番となったところで、お魚さんの登場です! 

ポワソン/「鰆、ヴェント・デスターテと沢山の柑橘」/噂の火入れマジック!マジックは失礼ですね。真面目で完成されたお料理。しっかりと季節の素材をセレクト。しかし素材を超える味わいを、火入れと味付けから目指すシェフの真骨頂。8.5キロ(!?)の鰆をまるごと火入れしているそうです。その方が、中が柔らかいまま全体に火が行きわたるとのこと。 

あわ~いピンクの切り口が、シェフの意図を全て語っています。支配人はボワイヨと鰆を結婚させるやり手の仲人好きおば様でしょうか!?アーモンドと言うよりシナモンのニュアンスをあっさり目に持つプルミエ・クリュ。夏の風「ヴェント・デスターテ」の樽香のチーズ味にピッタリですね。超絶火入れの鰆をワインと夏の風が両サイドから挟みこんで盛り上げている感じ。 

もー感激の連続でお肉まで気持ちが切れずに持つか心配です(笑)。赤ワインはブルゴーニュしか考えられないんですけど~。当然のように「既に決まっております」と支配人。そーでしょう、そーでしょうとも・・・。 

赤ワイン/「ドメーヌ・エルヴェ・ジゴー/シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・センティエ/2004年(1,160円/グラス/60ml)」/ジゴーは珍しいですね。しかもレ・センティエ!ボンヌ・マールの東隣でレ・ブドの北側。シャンボールのフランボワーズとスパイスの香りは嫌いですが、北の外れボンヌ・マールは別格です。 

このワインはプルミエ・クリュとは思えません。グラン・クリュの香り。ほとんんどモレ・サン・ドニですね。シャンボールよりジュヴレに近い・・・。嬉しい~。大好きな味わい。「2004年は今が飲み頃」と支配人のお墨付き! 

ヴィヤンド/「群馬芋豚の3時間ロースト、香茸ソース」/出た!3時間、30回の火入れ。外はカリッと、中は均一に柔らかーく火が通っています。30回の出し入れで余分な脂は完全に落ち、コラーゲンが残っています。美味しい上に健康的。 

おまけにこのブルゴーニュに合いますねー。支配人の説明では、芋などの飼料を使って育てた豚は、自らうまみ酵素を沢山作るようになり、美味しい豚となるそうで、群馬県の生産者から入れているそうです。ソースは香りも味わいも深い香茸、贅沢ですねー、秋の高級茸。そのまま食べたいくらいです(笑)。飲み頃ブルのお伴です。 

背骨もあばらも付けたまま火入れすることにより、肉を縮めずにローストする、考えただけでも手間のかかるお料理。これだけ完全に仕上げるのも、ほんとーに大変だと思います。 

パンはメゾンカイザー、バターはフランス、グランフェルマージュの無塩とのこと。魚藍坂下まで買いに行ってるんでしょうか(笑)。 

デセール/「ボヤ騒ぎのガトー・オペラ」/ちょっと変わったオペラです、スパイシー!だからボヤ騒ぎ?もともとお酒を使わずに作るガトー・ショコラに信じられないようなお酒を混ぜてます。掟破り!瓶ごと見せてくれました。1976年の「アードベッグ/シングル・アイラ・モルト」。何とアイラのシングル・カスクを使ったそうです。 

「折角素晴らしいモルトを手に入れたと喜んでいたら、シェフに取られて料理に使われてしまいました・・・」と悲しそう(嬉しそう)な支配人。アードベッグは1978年に一度生産を止めてます。その前のモルト。そのまま飲ませて欲しいんですけど~(笑)。 

デセール/「丹波産、栗のガレット」/季節感のあるデセールですねぇ~。でもお腹いっぱい・・・。 

デセール/「メレンゲのアイスクリーム」/これもこのお店のスペシャリテだそうです。トッピングが毎回いろいろ変わるとのこと。このお店の特徴として、素材の組合せの妙というのもありそうです。 

カフェ/「レモングラスと西洋菩提樹のハーブティー」/カフェは珈琲、エスプレッソ、紅茶、ハーブティーなど。ハーブティーは、「レモングラス」、「カモミール」、「西洋菩提樹」の3種がありました。ご一緒して頂いたお美しい女性が「ブレンドして頂けますか?」とレモングラスと西洋菩提樹のブレンドをお願いしました。それでは同じ物をください。付和雷同(笑)。 

香り高いレモングラスと香りの無い西洋菩提樹のブレンド。詳しいですねー。でも私はデセール、カフェよりディジェスティフ(笑)。 

ディジェスティフ/「リキュール/アマレット(2,540円/グラス)」/最後は今日のお料理に合せた〆を!とお願いすると、なんと超古酒の杏のリキュール。これは濃厚、強烈、お値段もいい感じですねー(笑)。あっさり甘いのに、濃厚な杏の味わいがちょっとピリッと・・・。不思議なお酒です。素晴らしい〆でしたー♪ 

オーナーシェフがかつてスーシェフを務めたパリ16区のレストラン、アストランス。シェフはこのスタイルを継承しているそうです。シェフが入社した時には1つ星だったお店。翌年2つ星に昇格。そして、この師匠のお店も、2007年に3つ星に輝きました。今やパリで最も予約の取り難いレストラン。 

カンテサンスの3つ星獲得は翌2008年。ついにパリの師匠に追いついた日本人シェフ。世界中からの予約電話が鳴りっぱなしとなる理由も分かります。これからも日本で最も予約の取り難いレストランとして、世界中に、日本人の繊細さ、味覚の素晴らしさ、そして食文化の素晴らしさを発信していって欲しいものです。 

誘ってくださった「から○○」様を初め、ご一緒頂いた皆様のお蔭で本当に楽しい食事ができました。ありがとうございました。また呼んでください。 
ちなみに次回、妻と2人で来ようと予約をお願いしたところ、「予約受付期間の2ヶ月以内はディナー、ランチとも全て満席です」とのこと。から○○様、いったいどうやって予約されたんですかー! 

  • 萩の甘鯛 ソース・フィザリス
  • NV CHAMPAGNE gran cru brut Francois Seconde 12000円/1本
  • 冷たいオニオングラタンスープ

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4位

オーグードゥジュール ヌーヴェルエール (東京、二重橋前、大手町 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2011/02訪問 2016/11/04

素材重視とビジュアルを両立させた現代フレンチ

丸ビルに比べてシックでオーセンティックな内装の新丸ビル。ショップもレストランもより大人向け。東京駅前のミシュラン星付きフレンチと言えば、丸ビルのモナリザか、新丸ビルのオーグードゥジュール。そう言えば両方とも恵比寿に姉妹店がある。ここは市ヶ谷や日本橋などにもある、手広い展開の店でもある。このレストランは伝統的なフレンチと言うよりは明らかに現代風。シェフはパティシエの経験もあり、とても可愛いビジュアルの新しいフレンチが楽しめる。昨夜は画家の友人が銀座を皮切りに全国個展ツアーをスタート。初日のお祝に駆けつけた。夕食は帰りの便利さを考えて東京駅前で。丸ビル、新丸ビルの便利さを越える場所は他にない。

ディナーコース 8,000円/1人 ワインは料理合わせてデギュスタシオン 

アミューズ・ブーシュ オニオンのクレームブリュレとドライトマトのシフォンケーキ
 噂に違わぬデセールのような見た目。クレームブリュレだが、オニオン。いきなり楽しい。添えられたクリームのコリアンダー風味が効いている。ドライトマト味のシフォンケーキの柔らかいことこの上ない。

パン 2種類 胡桃入り プレーン
 胡桃入りが美味しい。バターはフレンチでは珍しい無塩。最近の流行でもある。塩は別に飾り付け。スペイン産の木炭が入った塩が、2つに分かれたバターの片側に乗っている。見た目だけではなく、塩分を控えている人に優しいところが憎い。まずはシャンパーニュから。

アグラパール/ブラン・ド・ブラン・7クリュ・ブリュット/NV 1,500円/グラス
 真冬のシャルドネもオツなもの。繊細な泡が美味しい。さすがパーカー90点。最近日本に入り始めたコスパ抜群のシャンパーニュ。素敵。クレームブリュレにもシフォンケーキにもぴったり嵌っている。

前菜1 甲殻類のクープ 根セロリの軽いムースリーヌと共に
 またまたお菓子のよう。グラスの下からオマール海老のブランマンジェ、毛蟹と甲殻類のクープ、根セロリの軽いムースリーヌが3色アイスのように折り重なっている。オマールも毛蟹もシャンパーニュに合う。ムースリーヌがフワッと盛り上がっていてまさにケーキ屋にありそうな感じ。

前菜2 ピエール・オディガのバスク豚による前菜
 これはまるでケーキそのもの。この豚はキントア豚という銘柄で、この店のスペシャリテだそう。黒胡椒の薄いクラッカーの上にキントア豚のテリーヌ。その上に赤唐辛子を効かせたコンソメのジュレが乗る3層構造。ケーキでしょう、これは。フランボワーズヴィネガーと黒胡椒の組合せも絶妙。

前菜3 軽く温めたサーモンの軽い燻製 ゴマ風味 レムラードソース
 サーモンは生臭さは一切ない。茹卵を使ったレムラードソースとサーモン・コンフィのミキュイ。温度が絶妙。これは白ワイン。

ドメーヌ・ジャン・マルク・ボワイヨ/モンタニー・プルミエ・クリュ/2008年 8,000円/1本
 もう飲んでしまっていいんでしょうか。早過ぎないか。マネージャー、当店のワインリストには赤ワインが少ないのにお気付きでしたでしょうか。シェフの料理にはシャンパーニュと白ワインがピッタリなんです。ブルゴーニュの白も全て飲み頃をご用意しておりますので全く問題ありませんと自信満々。ではそれで。

魚料理 真鯛のポアレ 海苔ソース
 火入れは抜群。どうして真鯛がこうもフンワリするのだろうか。海苔のソースとモンタニーのマリアージュが素晴らしい。とにかく美味しいマルク・ボワイヨ。この真鯛はこのワインのために釣られたのだろうか。ガルニチュールの筍芋のコロッケ、練り込まれた蓮根の味わいも美味しい。筍芋の説明をマネージャーがしてくれた。以前、房州勝浦、おーぼん・あくいゆで地の取れたてを食べたが、結構きつい里芋という感じだった。まさに同じもの。人参とプティヴェールが可愛い。

口直し 金柑のグラニテ
 これも美味しい。口直しのレベルではない。オテル・ドゥ・ミクニの金柑攻めを思い出す。

肉料理 マダム・ヴェルゴーのシャラン鴨 シンプルにロースト
 シャラン地方産の鴨はあちこちで出していますが、正式なブランド名としてシャラン鴨と呼んで良いのは、マダム・ヴェルゴーのものだけですとマネージャー。讃岐うどんみたいなもの。それにしても鴨が柔らかくて素晴らしい。素材そのものが良いせいもあるが、この柔らかい火入れが自慢なのだと思う。これもガルニチュールが憎い。色取り取りの野菜は可愛らしい盛付だけではなく、玉葱など一皮剥くと中身はひき肉のよう。何て手間を掛けているのだろうか。しかもかなり美味しい。南瓜のムースも良いが、鴨の内臓のソースと赤ワインを煮詰めたソースも素敵な仕上がり。鴨なのに白ワインがぴったりというのも素晴らしい。シェフは相当ブルゴーニュの白好きと思われる。

マネージャーがフロマージュを奨めてくれる。種類はいろいろ、迷ってしまう。熟成系が多そう。一番熟成していそうな色の山羊を頂いた。すごい濃厚。蜂蜜やドライフルーツなども添えられているが、やはり赤ワインが必要。これをブルゴーニュの白で食べるのはきつい。開いているワインで宜しければどうぞと、マネージャー。

シャトー・ムーラン・スーヴェラン/オー・メドック/1999年 サービス
 それにしてもこのマネージャー、後ろに耳があるのだろうか。それともこのテーブルは盗聴器付きなのか。気の配りようが半端じゃない。何と言うタイミング、ちょっと感心。

デセール タルトショコラショー ペドロヒメネスのアイスクリームと共に
 最高級ショコラ、ドモリを使ったデセール。
シブースト仕立てのリンゴのキャラメリゼ クランブル・サレとトンカ豆の香るグラスを乗せて
 トンカ豆のアイスクリーム。トンカ豆って何だろう。これがトンカ豆の実物ですと、どこからともなくマネージャーが現れる。ビックリ。なんか大きくて少し堅めのレーズンみたいなトンカ豆。

シェフの可愛らしくも素晴らしい素材と見た目を重視した料理。それに合せたシャンパーニュとブルゴーニュ。痒い背中に手の届くサービス。言うことなし。ミシュランの星は伊達ではない。 

  • マダムヴェルゴーのシャラン鴨、シンプルにロースト
  • シャンパーニュ/アグラパール・7クリュ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット/NV
  • アミューズ・ブーシュ/オニオンのクレームブリュレとドライトマトのシフォンケーキ

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5位

ル・ジュー・ドゥ・ラシエット (代官山、恵比寿、中目黒 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2011/08訪問 2016/11/04

イケメンシェフに楽しいワイン

代官山はイケメンシェフの宝庫。この店の高橋シェフもイケメンでファンが多い。徹底した素材と素材の組合せ、火入れに拘った、でも肩肘張らない気持ちのよいサービスのル・ジュール・ドゥ・ラシエット。店名の通り、本当に楽しい店。店名は皿の上で遊ぶ料理。しかし一番楽しいのはスタッフの素敵な対応。入るとシェフと目が合い、いきなりイケメンに会釈されて感激。ワインを選ぶのにも、毎回4本づつ持って来て説明してくれて、いちいち迷って大変。しかもその4本にみんな奨める理由があり、なかなか決められない。すみませんと言うと、我々スタッフはこういうお客様を見ているだけで、本当に楽しいですとスタッフ。うれしい。それではもっと迷わせて貰おう。

料理も、予約の際に色々聞かれ、入店してからも事細かに魚の種類や火の入れ具合、見た目や食感などを説明してくれて、客の要望に対して徹底してやり取りしてくれる。予め電話で3回も確認があり、当日も最初と、途中で何度も説明を受けた。これがまた面倒でなくて楽しい。まるで主治医と、細かい病状と対応を話し合っているみたいな感覚になる。結果として、一つ一つの料理を美味しく食べられるよう、素材自体や、同じ素材、同じ料理でも、火入れの具合が微妙に希望に応えてくれている。客の顔を浮かべながらの最新の心使い。これだけの有名店なのに、素晴らしいの一言。料理サービス担当の女性スタッフ、ワイン担当の男性スタッフはもとより、ちょくちょく顔を出してくれる支配人、チラ見のイケメンシェフも素晴らしい。こんなにもてなしの心に溢れた店は、そうそうはない。まさに感激できる。

9品のコース 12,650円/1人 税・サービス料10%を含む 以下価格は同様 

皿数はとても多い。9品とあるが、数えてみると11種類もあった。数え方の違いだろうか。主治医の指導下でもあり、小食なのでポーションをできるだけ小さくして貰ったが、スタートから終了まで、4時間半近く掛かってしまった。嬉しいですが。まずはいつのように泡からスタート。

アグラパール・エ・フィス/シャンパーニュ・ブリュット・レ・セット・クリュ/NV 1,960円/120mlグラス
 スタッフから伝統的な製法、3種類の葡萄を使ったシャンパーニュか、ブラン・ド・ブランがありますが、いかがいたしますかと聞かれる。それはこの暑さ。迷わずブラン・ド・ブラン。アグラパールはどこかで見たことがあるエチケット。泡の勢いが強い、しかし喉越しも味わいも、見た目と違って優しい仕上がり。レ・セット・クリュは、グラン・クリュ4区画、プルミエ・クリュ3区画の7つの畑から獲れる葡萄しか使わないと言う意味のよう。そうか、分かった。先日行ったオーグードゥジュール・ヌーヴェルエールで飲んだシャンパーニュと同じ。美味しい。冷えたシャルドネが浸みる。米粉のアヴァンアミューズに合っている。値付かはまあフレンチでは普通か、グラン・メゾンに比べれば、かなり安いと言えなくもない。

アヴァンアミューズ 米粉を使った真鯛のマシュマロ
 中にはライムでマリネされた真鯛が入っている。しかも半生の火入れで、柔らか。周りは米粉をゼラチンで固めたマシュマロ。串に刺されてお菓子みたい。ライムの皮が張り付いている。面白い。

アミューズブーシュ トマトとバジルのフリット 愛知県産の海苔のチップ パルミジャーノと黒胡椒のスティック
 口の中でトマトがじゅわっとくる。美味しい。楽しい。皿の下にひいてあるのは、パンの粉。砂浜のイメージだろうか。食べられますが、あまり食べる方はいらっしゃいませんとスタッフ。パルミジャーノと黒胡椒のスティックは超高級プリッツってな感じ。あっと言う間に泡が空いてしまう。続いて白ワインに。

リーフェル/リースリング・ヴィエイユ・ヴィーニュ/2008年 1,850円/120mlグラス
 これはリースリングっぽくない。フルーティーさや、特有の甘さが皆無。ちょっとキリッとした喉越しで、真夏の夜にやや冷やし目にして飲むとピッタリ。いい感じ。これはどんな料理でも合ってしまう。しかもかなりコストパフォーマンスの良いワイン。この辺のオタク系ワインも揃ってるところがさすが。

アントレ 帆立のマリネ 紅芯大根のジュレ
 帆立のマリネの上には紅芯大根のジュレ。さらに紅芯大根そのもの、茗荷などがその上に。これは濃い目の白ワインが飲みたくなる、暑さを忘れる爽やかさ。中国から入り、日本では冬場が旬の紅芯大根。この時期のものは本場中国産。元の素材そのままと、手を加えた同じ素材を比べる手法。本日のお題はこれらしい。

ドメーヌ・アミオ・ギィ/シャサーニュ・モンラッシェ・ヴィエイユ・ヴィーヌ/2008年 2,080円/120mlグラス
 ちょっと夏を忘れた白をと、濃厚そうなシャルドネを。これも随分マニアなところを攻めている。アミオ・ギィは今やシャサーニュ一番の評価を得つつあるが、日本にはあまり入っていない。親子で頑張る気鋭のドメーヌ。あのモンラッシェを所有し、樹齢70年以上のVV畑、レ・カイユレや、ピュレニーの1級畑を持つアミオなので、このVVにもそれらからの流れにある。都合よく解釈。それくらい、このワインは美味しい。2008年ではあるが、当然と言えば当然。真夏はこれくらいが逆に丁度いい。

アントレ 鰯のコンフィ、白ワインビネガーのゼリー乗せ
 この透明の鰯が掛ける布団のようなものは何だろうか。白ワインビネガーで作ったゼリーとのこと。キッチリ四角く、鰯のコンフィに乗っている。間には、ディルやイタリアンパセリなどの香草が、布団の柄のように挟まれている。この鰯のコンフィ、かなり美味しい。シャルドネのおとも。セミドライトマト、皮を剥いだ焼き茄子、新玉葱のホワイトソース。回りには、生の茄子にパルミジャーノと黒胡椒も素敵な組み合わせ。とにかく鰯のコンフィが美味しい。回りのゼリー、ソース、付け合せの全てが盛り立てる味わい。組合せの妙と言える。

アントレ アーティーチョークのフランとホウレン草の泡仕立て アーティーチョークとホウレン草のソテー
 これこそまさに本日のお題そのもの。黒い和風の皿の上には、右と左にビフォー・アフター。アーティーチョークのフランの上にホウレン草が泡に変身して乗っている。隣には、素材そのものがソテーされていて、本当に遊んでいるよう。アーティーチョークは全く苦味のない柔らかさ。これも美味しい。

アントレ フォアグラのソテーと鮪のタタキ 茄子とズッキーニのミルフィーユ、ルーコラとルーコラのアイス
 フォアグラのコレステロールはドクターストップで、いつもは一口食べて残している。今日はあまりに何度も聞かれたので、フォアグラが少ししか食べられない事まで、細かく言ってある。するとフォアグラをほんの少しだけ鮪のタタキに乗せた、まさにドンピシャの料理。ありがたい。もう一山は茄子とズッキーニのミルフィーユ、バルサミコソース。そしてルーコラの添えられたルーコラのアイス。これもかなり洒落ている。フォアグラ用にはフォアグラにも合う赤ワインを。

ジョルジュ・リニエ/モレ・サン・ドニ/2007年 2,080円/120mlグラス
 モレ・サン・ドニはとにかく大好き。個人的には、ジュヴレとシャンボールの中間だと思っている。今流行のオネエ系とも言える、真夏のフォアグラに合わせても面白い。ジョルジョ・リニエは王道系。2007年はまだ早いのは明らかだが、真夏の赤はこれもあり。何より次の魚料理に合う赤ワイン。特に良く火の入った魚に、このモレは合うと思う。

ポアソン 牛蒡を巻いたマトウ鯛 サマートリュフ掛け
 走りのマトウ鯛。素の見た目はちょっとグロテスクな感じだが、こうして料理されてしまうと、とても上品な味わい。さすが舌平目に並ぶ魚。回りの牛蒡が芸術的。巻いて揚げたと言うか、揚げて巻いたと言うか、ニョロニョロ形状でカリカリの牛蒡。付け合せにキンピラ牛蒡。ソースも牛蒡。牛蒡のパウダーに、ニンニクソース、おまけにサマートリュフ掛け。これでもか攻撃となっている。良く火の入ったマトウ鯛に大満足。さあ、肉料理の前に、さんざん迷って決めたメインの赤ワイン。

ドメーヌ・プリューレ・ロック/ヴォーヌ・ロマネ・レ・クル/2007年 2,080円/120mlグラス
 飲む前に、何でこんない安いのか、ほとんど原価ではないのか、と支配人に聞くと、今日は特別です。グラスワインの値段は一律上限を揃えてますので、たまたまこういうのが出せる時がありますとのこと。こんなラッキーがあるとは。神様、いやいや支配人ありがとう。美味しい。今やロマネ・コンティに最も近いワインを造るプリューレ・ロック。ロマコンのあるヴォーヌ・ロマネでロックが造るレ・クル。これは文句なし。どんな肉料理でも持って来い。超ハイテンションになってしまった。

ヴィヤンド 仔羊の背肉のソテー サマートリュフ巻き
 ここまでは、お願いした通りにポーションをかなり抑えて貰ったので、かなり頑張れた。しかしこの肉料理、妻のものよりかなり大きいように見える。これで通常の半分ですとスタッフ。そうなんだ、普通にお願いしたら、全く歯が立たないことは明らか。肉は柔らかい火入れが素晴らしい。片側にサマートリュフがたっぷり張り付いている。ニンニクのピューレとポルトソースもピッタリ。それにしてもロックのロマネの合うこと合うこと、涙、涙の大感謝。仔羊の背肉を巻いて揚げた付け合せも美味しい。さらに、ちっちゃい玉葱、芽キャベツ、ジャガイモ、インゲン、小松菜。おまけにサマートリュフと黒胡椒の粗引き掛け。どこまでも手抜きのない、渾身の料理。うう、唸っってしまう。

アヴァンデセール モヒートと桃のジュレ ライムのギモーヴ
 桃のジュレが旬。ジェレの上にはシュワシュワのアイス。口の中で弾ける。ライム風味の泡。皿の上にはライムの立方体マシュマロ、ギモーヴが。アミューズからデセールまで続く、このライム風味からの強い香り。店に来た時に感じた部屋全体を覆うラベンダーの香りも、こういった香りを消すためだったのだろうか。ちなみにおしぼりはグレープフルーツの香りだった。

グランデセール カカオ66%のチョコとパッションフルーツのムース チョコレートのアイス アーモンンドの飴細工
 これも洒落ている。66%チョコとパッションフルーツがメイン。下にひかれたチョコレートクッキーの粉も面白い。チョコ、チョコ攻め。かなり手間が掛かっている。

カフェ エスプレッソ
ヴィヴァルト セリンボン茶園の2011年 ファースト・フラッシュ・ダージリン
 エスプレッソとコーヒーは5種類の豆。旬の紅茶が3種類。久しぶりにエスプレッソ。セリンボン茶園の今年のファースト・フラッシュ・ダージリンも美味しい。

プティフール オレンジのムースとブラックタピオカのゼリー ココナッツの泡仕立て アーモンドのエクレア
 プティフールにここまで懲るだろうか。もう驚きを通り越している。生ビールのようなちっちゃいジョッキ。泡はココナッツ、ビールはブラックタピオカのゼリーとオレンジのムース。ビールのつまみは、枝豆ではなくて、アーモンドのエクレア。チョコバナナはキャラメリーゼ。もう脱帽。

ハーブティー
 これはジャスミンティーらしい。とてもいつものハードリカーまでいけない。ギブアップ。

皿の上で遊ぶ料理の数々は数々過ぎる気もする。しかし何より楽し過ぎるワインのサービスが最高。ワインは値段もサービスでビックリ。大好きな代官山だが、ここまで恵比寿よりにくると、肩肘張らない、普段の乗りで楽しめる、なのにとても美味しい店があるのに驚いた。また代官山びいきに輪が掛かりそう。後で知ったが、この高橋シェフ、フランスから戻ってからは、ヌーヴェルエールのスーシェフだったそう。あまりの偶然に驚いてしまった。だからシャンパーニュが同じ銘柄だったんだとも。6時半過ぎにスタートした食事が終わったのは、何と11時過ぎ。店を出て、タクシーを拾うと、車が見えなくなるまで支配人が見送ってくれる。今や予約の取れない超人気フレンチでありながら、全く鼻に掛けていない対応が素晴らしい。

  • アントレ/フォアグラのソテーと鮪のタタキ、茄子とズッキーニのミルフィーユ、ルッコラとルッコラのアイス
  • 泡/アグラパール・エ・フィス/シャンパーニュ・ブリュット・レ・セット・クリュ/NV
  • アヴァンアミューズ/米粉を使った真鯛のマシュマロ

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6位

レストラン ヒロミチ (恵比寿、目黒、代官山 / フレンチ、野菜料理)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2011/06訪問 2016/11/04

恵比寿の秀逸フレンチ

友人と4人で恵比寿の人気フレンチ、レストラン・ヒロミチにお邪魔した。男ばかりの4人で、女性グループかカップルの多いこの店では浮いてしまった。JR恵比寿駅、ガーデンプレイス口を出て陸橋を渡り、すぐの信号を左折した公園の先にある店。赤坂のシュマンでミシュランの星を獲得したシェフが、2年前に独立してオーナーとなり、ここ恵比寿の日本料理店の撤退跡に改装オープンした店でもある。シュマンは残念ながらミシュランの星付きから陥落してしまったが、代わってヒロミチが今年2011年の1つ星をみごと獲得、これからが楽しみな正統派フレンチ。

とは言え小じんまりとした肩ひじを張らない気軽レストランではある。伝統に拘らない地方料理も取り入れたオリジナリティ溢れる料理が自慢とのこと。マネージャーもホールスタッフも、とても親しみやすく話しやすいので、初めから打ち解けて食事のできる嬉しい店となっている。エントランスには小さなフランス国旗がはためいている。パラソルの下が喫煙ベンチ。吸殻が1本。外の喫煙コーナーとは言え、フレンチに来てタバコを吸う人がいるのも何だか不思議。

インテリアは白が基調でいかにもフランスっぽい明るさ。2枚のテーブルクロスの下敷きはシェフの好きなピンク色。窓側のテーブルだったので、目の前は床から天井までのガラス窓。ちょっと和風な植栽の向こうに車や人通りの気配。なかなか素敵な雰囲気。まずシャンパーニュで乾杯。明日からテタンジュ週間だったのですがとマネージャー。別にアンリオで十分。パーカー3つ星はシャンパーニュで3メゾンしかない。その一つ、2百年の歴史のアンリオ。いいのではないだろうか。

アンリオ/シャンパーニュ・ブリュット・スーヴェラン/NV 1,650円/グラス
 税・サービス料込/以下価格は全て同様
 ワイン好きのオタク4人に乾杯。それとこの店の星獲得に。

オリーブのマリネ
 初めからテーブルに小さなフォークと共に出されている。シャンパーニュのお供。

食事はアラカルト、コースが選べる。コースも品数に応じて4コース。どのコースも安いのでビックリ。マネージャーが全てのコースの今日の料理を説明してくれる。この店のお奨めコース、ムニュ・スペシャリテが一番美味しそう。

ムニュ・スペシャリテ 11,000円/9品

アミューズ・ブージュ 2品 アナゴと卵のキッシュ グジュール
 グジュールがシャンパーニュに合う。定番。しかし、これは白ワインも合せたくなる。噛むとシューの皮からじわっと味わいがでる。アナゴと卵の軽いふわふわキッシュも白ワインが欲しくなる。

アントレ 冷たい前菜 北海道産グリーンアスパラとオーストラリア産アワビ ウイキョウのスープ コンソメのジュレ
 アワビがコリコリで美味しい。グリーンアスパラとコンソメのジュレを混ぜ合わせて、これも熟成白ワインの最愛の連れ合い。

アントレ 温かい前菜 ブータンノワールのカリカリポテト包み バニュルスキャラメルとリンゴのピューレ
 このカリカリ包みがこの店のスペシャリテだそう。不思議なくらい、血生臭さがない。中身のちょっとネトっとしたパサパサ感もいい感じ。ポテトの皮と一緒に食べると、白ワインでも赤ワインでも相性が良さそう。さらにリンゴのピューレを付けて食べると、何層にも味わいが重なって、かなり贅沢感を味わえる。

ポアソン 平目と手長海老のパイ包み焼き、甲殻類のソース
 手長海老と甲殻類のソースの香り、味わいが強烈。濃厚白ワインが一気に空いてしまう勢い。平目はやはり上品。

ヴィヤンド ブレス産仔鳩のコンポジション
 ブレス鶏で有名なブレス地方産の仔鳩の1羽丸ごと。胸肉は意外にボリウムがあって柔らか。鳩のイメージが変わる。ソースがちょっと濃い目で鳩には丁度良い感じ。腿はあっさり、手羽先はなんとハトムギでくるんで焼いている。何故ハトムギか。鳩肉とは関係なさそうだが。シリアルやハトムギ茶くらいしか知らなかったが、こうやってフレンチでも使えるとは。それとも単なるゴロ合わせだろうか。

ヴィヤンド 仔鳩のもう一皿
 仔鳩の肉を取ったその他。いわゆる鳩版ホルモンの串焼き。もともとは捨てていたものを、シェフが焼いて見たら美味だったので、料理にしてみたそう。肺、首、心臓や内臓など。鳩の心臓は、ノミの心臓よりは元気になれそうな気がする。

デセール ヴァローナアラグアニ72%の熱々チョコレートケーキ
 フランス、ヴァローナ社のブラックチョコレート。カカオを72%つかったものがアラグアニ。あつあつのチョコレートがとろっと、バニラアイスクリームと良く合っている。

プティ・フール 小菓子2品とバナナジュース
 もう酔っぱらって何が何やら。さっぱりバナナジュースで口直し。食後は、珈琲、紅茶、ハーブティー、エスプレッソなどが選べる。

ワインリストは熟成ブルゴーニュが充実している。オープンした当時はゼロからのスタートで苦労しました。2年経ってようやくここまで充実してきましたと、ほっと胸をなでおろしているマネージャー。これだけのシェフの料理に合せるは、相当苦労したものと思われる。

ドメーヌ・ジャンポール・ブノワ・ドロワン/シャブリ・グラン・クリュ・ヴァルミール/1995年 15,000円/1本
 マネージャーのお奨めはドロワンのグラン・クリュ、しかも1995年という当たり年。シャブリは久し振り。それにしてもドロワンがあるとは。しかも何とヴァルミール。広大なクロの隣の稀少な畑。日本では滅多に見ないシャブリの畑。香りが離れていても立ちこめる。素晴らしい熟成香。シャブリらしい蜂蜜な感じは全くなし。これがシャブリだろうか。鼻を疑う。色調も濃厚な黄土色。素晴らしい。これは料理は何でも合うかもしれない。シェフには申し訳ないが。

ペルナン・ロサン/モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・レ・モン・リュイザン/1998年 11,550円/1本
 これも貴重なロサン。2000年に引退したロサン爺さん。畑は全てペロ・ミノに売ってしまったが、今この畑のワインを飲もうと思えば、ペロ・ミノを買わなければならない。そうするとかなり高くつくので、これはお得。それほど貴重なロサンの人気畑、レ・モン・リュイザン。しかも1998年、飲み頃ど真ん中。その割には色調もまだまだうっすら紫系の赤。味わいも、まだまだ熟成を待ちそうな若々しさ。初めの内は酸味がピリピリっとして、やがて力強くて柔らかな口当たりに変わる。とにかく美味しい。

それにしても素敵なワインたちが揃っている。しかも驚くほど安い。このワインたち、なかなか貴重なワインなので今は手に入らないかもしれないが、仮に仕入れ当時の価格に置き換えても安くはないと思われる。原価率は6、7割くらいだろうか。信じられないくらい良心的な値付けと言って良い。帰り際にシェフが挨拶に出てきた。イメージと違うガッシリ系。この白とピンクのインテリアからは想像できない。お世辞抜きで、本当にこれからが楽しみな店と言える。

  • 肉料理/ブレス産、仔鳩のコンポジション
  • 泡/アンリオ/シャンパーニュ・ブリュット・スーヴェラン/NV
  • オリーブのマリネ

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7位

トラットリア・アルベロ (みつわ台 / イタリアン、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2013/12訪問 2015/07/13

みつわ台にマリアージュの聖地

ブルゴーニュワインに楽しく合わせるコース料理の数々。飲み頃のブルゴーニュは気分や人数、シチュエーションに応じて、グラスでもボトルでも頼める。合わせる料理は、予算に応じたお任せコースがお勧め。コース料理の価格も、予約時に依頼すれば、6千円以下から1万円以上まで、内容に応じて臨機応変。地元の食材には徹底したこだわりを持つ。野菜は自家農園産か、千葉市内産や県内産のビオ栽培。魚は千葉では知らない人のいない有名な仲買人から直接買い付ける。銚子の金目、御宿の伊勢海老、勝浦の鰹、千倉の黒アワビと枚挙に暇が無い。肉は地元房総産の夏鹿、夏猪や、秋から冬に掛けてのあらゆるジビエ。これらにフランス産、イタリア産の野菜と肉、そして極めつけは、フォアグラ、キャビア、トリュフ。ここはイタリアンでもフレンチでもない、アルベロという名のニューカテゴリー。この店の料理はフィレンツェで修行したシェフの、塩分を控えた優しい味付けと、房総産の海の幸、山の幸を活かす素材重視のコンセプトが良い。自家農園産の野菜もフレッシュで毎回楽しみとなる。

今回のクリスマスは店のボンナターレに捻りを加えた日本料理店仕様。メインは皇室の祝い酒、石田屋と仁左衛門。合わせる料理は煮アワビとカラスミ。こんな素敵なクリスマスメニューは聞いたことがない。客にとっては、まさに最高のクリスマスプレゼント。煮アワビは帆立と合わせてタルターラに。その上にはカラスミと共に最高グレードのキャビアが乗っている。ニューカレドニア産の天使海老や、今やこの店のスペシャリテとなりつつあるリードヴォー料理はマッシュルームのクレスペッレ。魚料理は平鱸、肉料理は広島県産なかやま牛カイミノのステーキ。特にカイノミの火入れの柔らかさが素晴らしい。グリーンペパーソースの軽い味わいも、濃厚なカイノミの味を引き立てている。3種類のドルチェも手間を惜しんでいない。ビジュアルも可愛らしい。日本料理仕様の極め付けは〆の一品。フロマージュに替わって自家製のカラスミが、あたかもフロマージュコンテのようにスライスされて並んでいる。そしてコンテのようなカラスミには石田屋が合わせられる。贅の極み。

昨年のクリスマスでDRCを出してしまった店の今年のサプライズは、何と皇室の祝い酒、福井県黒龍酒造の希少酒、石田屋と仁左衛門と言う飛車角の飲み比べ。こんな贅沢なことが出来る店を他に知らない。姫林檎のフォアグラ詰めにはジャマールのシャンパーニュ。煮アワビと帆立、カラスミ、キャビアに石田屋、仁左衛門。阿波尾鶏には何と、コントラフォンのムルソーシャルム。凄過ぎるラインナップ。メインのカイノミのステーキにジャングリヴォのクロドヴージョ2002年。もう笑いが止まらない。本来この店では、イタリアはもとよりブルゴーニュやボルドーのワインが豊富。国産も揃える。特に飲み頃のバックヴィンテージが、グラスで提供されることも多く、この店の懐の深さは素晴らしい。更に最近のブルゴーニュの充実には目を見張るものがある。千葉では他に類を見ない。コストパフォーマンスも抜群で、ワインで利益を追求しない数少ない店と言える。おまけに素晴らしい日本酒も加わった。

場所は千葉都市モノレールみつわ台駅から徒歩10分。しかし雑木林も多い住宅街の中を通る道は分かり難く、道に迷う人も多い。JR千葉駅からはタクシーで千5百円程度。稲毛駅や西千葉駅からも同様な距離。瀟洒な一戸建の建物は少々年期が入っているが、千葉の郊外の雰囲気にはマッチしている。広い駐車場は、ワインの店らしくない。インテリアは手前のダイニングスペースが濃い茶系ではあるが若干カジュアル。奥の半個室スペースはイタリア調の本格塗り壁と真っ白なテーブルクロスが美しい。ワイン会にはこういったスペースが向いているが、数人しか入れない広さ。


≪今回の料理≫
最高の日本酒に合せるお任せコース 10000円/1人
先付 姫林檎のフォアグラムース詰め
前菜 煮アワビと帆立のタルターラ カラスミとキャビア乗せ
揚物 ニューカレドニア産天使海老のコトレッタ フルーツトマトと青唐辛子ソース
焼物 リドヴォーとマッシュルームのクレスペッレ
凌ぎ 阿波尾鶏とポワロー葱のラグー ホウレン草のトンナレッリ
 フランス産最高級黒トリュフを掛けて
蒸物 平鱸のロールキャベツ仕立て 生ハムのクロカンテと共に
食事 広島県産なかやま牛カイノミのステーキ グリーンペパーソース
水菓子 アルベロのクリスマスケーキ 3種類のドルチェ
〆め 自家製カラスミ

≪今回の日本酒≫
最高の日本酒飲み比べ 5000円/1人
石田屋 純米大吟醸 限定品 黒龍酒造 福井県 90mlグラス
仁左衛門 純米大吟醸 限定品 黒龍酒造 福井県 90mlグラス

≪今回のワイン≫
ボンナターレのお任せコース 5000円/1人
NM CHAMPAGNE E.Jamart & Cie BRUT St-Martin d'Ablois 120mlグラス
2004 MEURSAULT-CHARMES DOMAINE DES CONTES LAFON 120mlグラス
2002 CLOS DE VOUGE DOMAINE JEAN GRIVO 120mlグラス

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≪過去のレビュー≫
今回もズワイ蟹に始まり、最高のリードボー、鴨、アオリ烏賊、四元豚とワインのための秋から冬の食材が並んだ。秋トリュフを支配人がテーブルでふんだんに掛けるパフォーマンスもいつも通り。自家菜園の野菜も、この時期は里芋のフリットが良い出来。シェフの料理も日に日に腕が上がっている。今回もリードボーの火入れの絶妙さに感激する。ぷりっとした見た目通り、リードボーの塊りは滋味深い味わい。蕪のしゃきしゃき感と秋トリュフの香りが、最高に美味しい。飲み頃ど真ん中のブシャールのフラッグシップ、ランファンジェジュと夢のコラボレーション。今回も最高のリードボーに合わせるのは、飲み頃ど真ん中のブルゴーニュの宝。ブルゴーニュ最大級のネゴシアン、ブシャールのドメーヌとしてのフラッグシップ、ランファンジェジュ。イエスキリストの葡萄畑と言う名前に恥じない理想のブルゴーニュ。しかも1998年。香りがダイニング中に広がり、テーブルにある全ての料理を包み込む。これほどの出来のブルゴーニュは早々無い。最高のリードボーと最高のピノノワール。幸せ過ぎて無言となる。

≪過去の料理≫
グラスワインに合わせる支配人にお任せのコース 6000円/1人
アミューズ ズワイ蟹のフリッタータ 野菜のソース
オードブル リードボーと蕪のソテー 秋トリュフ掛け ジャガイモのピュレと共に
オードブル フランス産鴨肉のラグー 自家製パッパルデッレ
ポアソン アオリ烏賊と蕪のソテー 焼いた初物の菜花
ヴィアンド アメリカ産四元豚の低温長時間ロースト オリーブオイルと下敷き野菜のソース
 自家菜園の里芋のフリット
パン 自家製焼き立てのフォカッチャ
デセール アップルパイとアーモンドのアイスクリーム
カフェ エスプレッソダブル

≪過去のワイン≫
お任せのグラスワインのコース 6000円/1人
NM Franciacorta Cuvee BELLAVISTA 120mlグラス
2009 MEURSAULT DOMAINE MICHEL CAILLOT 120mlグラス
1998 VIGNE DE L'ENFANT JESUS DOMAINE BUCHARD PERE & Fils 120mlグラス
Vieux Marc de Champagne Guy Charlemagne 60mlグラス

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≪過去のレビュー≫
今回もプリモの自家製タリアテッレ以外は、ほとんどフレンチのカテゴリー。フォアグラとミンチにした阿波尾鶏を詰めたガレンティーヌが素晴らしい出来。軽い仕上がりのポマールのためのガレンティーヌ。あっさりした阿波尾鶏と滑らかなフォアグラのコンビネーションも感激できる。沖縄県産の車海老を使ったビスクも驚く。甲殻類の香りに心を鷲掴みにされ、南瓜の柔らかい口当たりに癒される。天然真鯛の火入れも全体的に柔らかく、掛けた時間が想像できて、この価格では申し訳なくなる。いつものハウススパークリングに続いては、樽香が仄かに漂うムルソーからスタート。軽いポマールも熟成が進んで飲みやすい。何と言っても今回はドメーヌドラロマネコンティ。久し振りにロマコンのマールで仕上げたが、やはりこれは他の追随を許さぬディジェスティフ。美味し過ぎる。

≪過去の料理≫
グラスワインに合わせるお任せのコース 6000円/1人
アミューズ 茸の一口パイ
オードブル 沖縄県産の車海老と南瓜のビスク
オードブル イタリア産カラスミと秋野菜のタリアテッレ
ポアソン 鹿児島県産天然の真鯛とフランス産生セップ茸 低温長時間の火入れ
ヴィアンド 徳島県産阿波尾鶏のガレンティーヌ フォアグラと鶏肉のミンチ詰め
 低温で蒸してから火入れ プルーンのソース
パン バケット
デセール スイートポテトのタルト
カフェ エスプレッソダブル

≪過去のワイン≫
お任せのグラスワインのコース 6000円/1人
NM Franciacorta Cuvee BELLAVISTA 120mlグラス
2010 MEURSAULT "COEUR DE ROCHES” FREDERIC MAGNIEN 120mlグラス
2011 Chardonnay HAMILTON RUSSELL VINYARDS 120mlグラス
2004 Pommard 1er Cru Les Pezerolles Domaine de MONTILLE 120mlグラス
1986 MARC DE BOURGOGNE DOMAINE DE LA ROMANEE-CONTI 60mlグラス

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≪過去のレビュー≫
今回は秋の料理。初物の松茸は長野県産。夏の名残は房総産のアワビ。いずれも季節感たっぷりの料理が、素材を大切に軽い味付けで出される。松茸と徳島県産スダチが素晴らしい香ばしさ。部屋全体に幸福感と共に秋の香りが広がる。ポテトを纏った長髭のガス海老がフレンチを彷彿とさせる。やはりこの店に既存のカテゴリーは当てはまらない。北海道産の秋刀魚の脂の乗りも最高だが、リードボーのラビオリがより素晴らしい。セイジバターに包まれた粘り強いラビオリ。中身はしっかりした味わいながら塩を抑えた滋味深いリードボー。思い出すだけで涎が出てくる。しかし本日一番は、フォアグラの味が染込んだ仙台牛のヒレ肉。やはりイタリアンではない。ロッシニー風と言いたい。添えられたフランス産のセップ茸、トランペット茸、ジロール茸、ピエブルーも、フォアグラの味わい。なんと言う贅沢か。今回のお任せワインのコース、テーマはドメーヌフェヴレ。96年のニュイサン1erクリュと、99年のジュヴレ1erクリュモアンヌの飲み比べ。露払いはジャドのムルソー。何も言うことはない。おまけに仕上げのディジェスティフはDRCのマールドブルゴーニュ。信じられないお任せコース。

≪過去の料理≫
お任せコース 6000円/1人
アンティパスト 長野県産松茸初物と房総産アワビ 自家製カッペリーニと共に
アンティパスト ポテトを纏った長崎県産髭長ガス海老 蕪のジェレのソースと共に
プリモピアット 北海道産秋刀魚ラグーの自家製トンナレッリ リードボーのラビオリ セイジバターとセイジの葉
セコンドピアット フォアグラと仙台牛のヒレ肉 フランス産4種類の茸と共に セップ茸 トランペット茸 ジロール茸 ピエブルー
自家製フォカッチャ
ドルチェ モンブラン
カッフェ エスプレッソダブル

≪過去のワイン≫
お任せグラスワインのコース 6000円/1人
NM Franciacorta Cuvee BELLAVISTA 120mlグラス
2010 MEURSAULT LOUIS JADOT 120mlグラス
1996 NUITS-ST-GEORGES 1er CRU "AUX CHAIGNOIS” DOMAINE FAIVELEY 120mlグラス
1999 GEVREY-CHAMBERTIN 1er CRU "LA COMBE AUX MOINES DOMAINE FAIVELEY 120mlグラス
1986 MARC DE BOURGOGNE DOMAINE DE LA ROMANEE CONTI 45mlグラス

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≪過去のレビュー≫
今回は夏の旬、愛知県産の天然鮎を使った新メニューがお披露目。燻製にしたチーズ、スカモルツァと生ハムで鮎を3枚に重ねて巻き付け、軽く揚げた上、胡瓜のジュレで仕上げている。鮎のあっさりした、ふんわりと繊細な白身と軽く燻製されたチーズが生ハムの深い味わいと一緒になって、夏の風味を複雑に表現。胡瓜のソースとの組合せも抜群で、夏の美味しさ満喫。鮎に釣られて来たものの、今回のサプライズは千倉産の最高級黒アワビ。鉄鍋で蒸し焼きにされた黒アワビの柔らかで、地味深い味わいは感動的。千葉県産野菜と共に蒸されたアワビ鍋は、千葉の山海の素晴らしい食材のオンパレード。もう一杯お替りがしたくなる美味しさ。今回のワインも飛び抜けている。極めつけは、93年のニュイサンと。99年のヴォーヌロマネ。飲み頃とは、まさにこのこと。露払いはピュリニーとムルソー。ここが千葉であることを忘れる。仕上げのエイジ25のマッカランも涙もの。鮎にムルソー、アワビにヴォーヌロマネ。支配人の掌の上で夢見心地を味わえる。

≪過去の料理≫
お任せブルゴーニュワインのための特別コース 10000円
アミューズ 自家製の鴨ハムとイチジク シェリービネガーソース
前菜 愛知県産の鮎 スカモルツァチーズと生ハム巻き
前菜 ムール貝とセロリのラグー トンナレッリ
自家製パン 夕方焼き立てのバケットとフォカッチャ
魚料理 房総産の最高級黒アワビとその肝の蒸し焼き 房総産の色々野菜と共に
肉料理 千葉県産もち豚の低温ロースト キノコ添え
デザート 大人のパフェ チョコレートアイス スイカのグラニテ パンナコッタ
苺 ブルーベリー ナッツケーキ
カフェ エスプレッソダブル

≪過去のワイン≫
料理に合わせたお任せブルゴーニュワインのコース 6000円
NM CHAMPAGNE DRAPIER CARTE D'OR 120mlグラス
2010 PULIGNY-MONTRACHET FREDERIC MAGNIEN 60mlグラス
2006 Meursault 1er Cru Poruzot-Dessus 60mlグラス
1993 Nuits-Saint-Georges PREMIER CRU Aux Murgers 60mlグラス
1999 Vosne Romanee Jean-Pierre MUGNERET 60mlグラス
2009 MEURSAULT DOMAINE MICHEL CAILLOT 60mlグラス

The MACALLAN 25 30mlグラス
Vieux Marc de Champagne Guy Charlemgne 30mlグラス
Marc de Bourgogne Pierre Mored 30mlグラス

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≪過去のレビュー≫
今回は妻の誕生日のアニバーサリー。各皿に合わせるワインは何れ劣らぬアニバーサリー仕様。千葉にあって、これだけのブルゴーニュをグラスで出せる店が他にあるだろうか。2004年のシュヴィヨンのニュイサンジョルジュが各別の味わい。クロドベーズにヴォーヌロマネルスーショも最高。極め付きは本日の泡。日本初上陸のシャンパーニュ、その1本目とのこと。開いた口が塞がらない。

≪過去の料理≫
お任せのアニバーサリーコース 6000円
アミューズ キャビアとオレンジのカッペリーニ
前菜 勝浦産活き伊勢海老 黒トリュフ乗せ
フォアグラ料理 和牛 地鶏 鶏レバーとフォアグラのパテ そのフォンとバルサミコのソース ピクルスと共に
魚料理 鹿児島産真鯛の低温長時間火入れ バジルソース 芽キャベツ タラの芽 椎茸と共に
ワタリ蟹のホウレン草を練り込んだタリアテッレ
焼き立ての自家製フォカッチャ
ドルチェ リンゴとナッツのキャラメルケーキ
カッフェ エスプレッソダブル

≪過去のワイン≫
アニバーサリーコースの各皿に合わせた記念ワインコース 6000円
2007 CHAMPAGNE DIZY-Terres Rouges Rose JACQUESSON 120mlグラス
日本初上陸の超レアシャンパーニュ
1998 Clos de Beze Domaine Prieure Roch 60mlグラス
グランクリュクラッセ
2004 NUITS-SAINT-GEORGES LES RONCIERES 1er CRU DOMAINE ROBERT CHEVILLON 60mlグラス
シュヴィヨン04は最高の飲み頃
2008 PULIGNY-MONTRACHET LES CORVEES DES VIGNES DOMAINE MAROSLAVAC-LEGER 60mlグラス
2007 VOSNE-ROMANEE 1er CRU LES SUCHOTS Dominique LAURENT 60mlグラス
2000 VINSANTO CASTELLO DI AMA 45mlグラス

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≪過去のレビュー≫
この店の素晴らしいサービスは、特に誕生日や結婚記念日などのサプライズに向いている。緊張のあまり水ばかり飲んでいる男性客に支配人が気がついたというFBの記事を見た。一緒に来た女性客が洗面所に行った時に支配人が男性に理由を聞いたところ、プロポーズをしたいとのこと。支配人が気を利かせてきっかけとなるようなサプライズプレートを出したところ、うまくいきスタッフ一同感動したという内容。この店は客以上にスタッフが客のことを考えているところが素晴らしい。今回はイブの晩のクリスマスディナーが、そのワインのセレクトと共に感動的だった。この日のために用意したというシャトーマルゴー1974年は、このワインが大好きな妻のために開けて貰った。そんな気障なオーダーが似合う、千葉から天国に一番近いレストラン。

≪過去の料理≫
クリスマスイブのディナー
2012 Menu di Natale 8000円
1皿目の前菜 千葉県産 完熟トマトのゼリー ヴィシソワーズのカクテル仕立て フランス産最高グレードのキャビアとマイクロトマト添え
2皿目の前菜 本鮪 中トロのコレッタ 徳島県産阿波尾鶏のソース
3皿目の前菜 オマール海老と地場野菜のヴァポーレ カッポンマーグロ アルベロ風
イタリアンカラー トリコロール タリオリーニ フランス産トリュフの香り
魚料理 天然真鯛とマッシュルームのパイ包み焼き エシャロットのソース
口直し ミントと檸檬のグラニテ
肉料理 熊本県産赤牛のサーロイン イタリア産ポルチーニ茸と赤ワインのソース
ドルチェ コーヒーとマスカルポーネチーズのロールケーキ ノエル仕立て
カッフェ エスプレッソダブル
小菓子

≪過去のワイン≫
NV CHAMPAGNE CARTE D'OR DRAPPIER 1000円/120mlグラス
クリスマスディナーの各皿に合わせたハーフワインのコース 3000円/60mlグラス×4杯
2011 Chardonnay HAMILTON RUSSE VINEYARDS
2007 CLOS-VOUGEOT Grand Cru DOMAINE JEAN-JACQUES CONFURON
2008 CHASSAGNE-MONTRACHET LE BLANCHOTS DESSOUS DOMAINE COFFINET-DUVERNAY
1988 Meursoult 1er Cru Perrieres Selection NICOLAS POTEL

1974 CHATEAU-MARGAUX 70000円/1本
1995 Chateau d'Yquem 5000円/60mlグラス

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≪過去のレビュー≫
新しいパティシエールが入ってからは、ドルチェも充実している。種類はもとより、誕生日、結婚記念日などのアニバーサリーに、サプライズプレートやサプライズケーキを頼める。彼女が心を込めて作ったドルチェに、涙を流して喜ぶ客も後を絶たないと聞く。感激した客からの礼状の束を見せて貰った。

≪過去の料理≫
お任せコース 6000円
パルマ産生ハム 洋梨 パルミジャーノレッジャーノのソース
房総海老のロースト ジャガイモの燻製のピュレ
トリュフを練り込んだ手打ちトンナレッリ
鹿児島県産真鯛のグラモラータ
自家製フォカッチャ
フランス産ホロホロ鶏のコンフィ 白トリュフオイル
4種のチーズリゾット
ドルチェ フランス産栗のモンテビアンコとパンナコッタ バニラジェラート チーズケーキ
カッフェ 珈琲

≪過去のワイン≫
お任せコースの皿に合わせたグラスハーフワインのコース 4000円
NV CHAMPAGNE Ay GRAND CRU BRUT TRADITION GATINOIS 120mlグラス
2010 Vintage GEORIS 60mlグラス
2000 POMMARD 1er CRU "Les Pezerolles” Domaine Potinet-Ampeau 60mlグラス
2010 CHARDONNAY par ESCUDO ROJO 60mlグラス
2008 PARADIGM 60mlグラス
Viognier Vendimia Tardia Vina Santa Marina \ 45mlグラス
FIOR DI GRAPPA GAMBRINUS 45mlグラス
2010 La Fuga Contessa Entellina Chardonnay DONNAFUGATA 45mlグラス

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≪過去の料理≫
お任せコース 5000円
ジャガイモのヴィシソワーズ フォアグラのムース ピエモンテ産サマートリュフがけ
自家製サルシッチャ キャベツのワインビネガーソテー
焼きたてのフォカッチャとバケット
カスピ海産最高級グレードのベルーガキャビアと自家農園産茄子のカッペリーニ
フランス産ウズラのマルサラソース
アムスメロンとグレープフルーツゼリーのスープ仕立て バニラジェラートと共に
エスプレッソ

≪過去のワイン≫
2010 La Fuga Contessa Entellina Chardonnay DONNAFUGATA 120mlグラス
1988 Blagny La Piece sous lebois Robert AMPEAU et Fils 120mlグラス
NV SHAMPAGNE BRUT Cuvee Tradition Christian Etienne 120mlグラス
CASTELLO DI FONTERU GRAPPA DI CHINANTI CLASSICO MAZZEI 45mlグラス

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≪過去の料理≫
お勧めワインに合わせたお任せコース
房総産 黒アワビのソテー
房総産 活き伊勢海老1匹丸ごと 伊勢海老の味噌のソースのスパゲッティ
ウズラの1匹丸ごと ウズラの骨の出汁で煮込んだリゾット詰め
ガトーショコラ
カプチーノ

≪過去のワイン≫
CHAMPAGNE GATINOIS Ay
1999 Poupille
2006 CHASSAGNE-MONTRACHE Premier Cru Clos Saint-Jean DOMAINE RAMONE

≪過去のデュジェスティフ≫
MARC de la Chanpagne DORAPPIER

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≪過去のレビュー≫
千葉で一番のワインサービス、痒い所に手が届くイケメン支配人の気使い。なんと言ってもフィレンツェで修行したイケメンシェフの、とても優しい料理が素晴らしい。取って置きの隠れ家レストラン、トラットリア・アルベロ。JR千葉駅、西千葉駅、稲毛駅、いずれからでもタクシーで1500円くらいの距離。千葉都市モノレール、みつわ台駅からは徒歩10分です。あくまで道に迷わなければだが。本日は妻と2人でランチ。アルベロの支配人の誕生日。彼のファンである妻は、毎年この日にプレゼントを持って食事に行くことにしている。今年も恒例の花束贈呈。泡で乾杯。本日の泡は珍しくカクテル。 

≪過去の料理≫
ワインに合せたお昼のお任せコース 5000円/1人 
ストウッツィキーノ たらの芽とふきのとうのフリット
春が来た。やたら寒いが。たらの芽のほんのりとした苦味が、ふわっとしたフリットになって、春らしく美味しい。 
アンティパスト 尾長鯛のベリーソース
わずかに甘みまで感じるぷりぷりの尾長鯛。生魚が駄目な妻には火入れしてくれている。ベリーのソースがベリーの泡の伴。支配人とシェフのタッグマッチが、今日も素晴らしい。 
アンティパスト 焼きタラバ蟹とホワイトアスパラ
妻の大好物、焼きタラバ。お祝いのお返しでしょうか。これも甘い蟹。あっさりした走りのホワイトアスパラとのハーモニーが心を揺する。
プリモピアット 大根とじゃが芋のポタージュ
大根味とは、何だか不思議な食感と味わい。珍しいズッパ。 
プリモピアット 赤ワインで煮込んだイベリコ豚 ココアを練り込んだタリアテッレ
イベリコ豚がクタクタになるまで煮込まれている。赤ワインで酔っぱらったイベリコ。ココア味、ココア色のタリアテッレに赤ワイン味が絡んで、これは美味しい。熟成ポマールと相性ドンピシャ。イベリコに続く本日のポマールに合せる主役は何か。 
セコンドピアット 牛タンのボリート サルサヴェルテソース
みどりのソースはイタリアンパセリをたっぷり使ったサルサヴェルテ。添えられた緑の野菜たちとの相性も抜群。柔らかく煮込まれた牛タンは、肉の味わいを凝縮したタイプ。美味しい。熟成ポマールにはイベリコの方が合うようではあるが、これは料理単体がイタイアンらしくない美味しさで面白い。これは昼からワインが良く回る。
ドルチェ ブラッドオレンジのシャーベット

本日も平日昼から、美味しく、楽しく、ワインと共に幸せな食事。支配人、祝誕生日。この日この後この店のディナーで結婚記念日を祝った部下が、あまりの美味しさとサービスの気持ち良さに感激。わざわざ千葉支店から丸の内のオフィスまで、素晴らしい店を紹介頂き、妻と2人、感謝の気持ちで一杯と、礼の挨拶に来た。それを聞いた丸の内の部下たちが、みんな、行きたいと言っている。全ては支配人とシェフ、スタッフの力。順次連れて行くので、今後とも宜しく。 

≪過去のワイン≫
カクテル ベリーのスプマンテ
苺の良く合うスプマンテを使っている。誕生会らしいセレクト。本日の赤ワインは何か。
1996 ドメーヌ・ミシェル・ゴノー ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ペリエール
さすが、ポマールならミシェル・ゴノーはナンバーワンクラスではないか。熟成飲み頃の1996年。ポマールとは思えぬ、限りなくヴォーヌロマネを感じる濃厚な赤黒色。ほんのり甘みの香りに、深く複雑な赤い果実の味わい。たまらない。
2008 フリードリッヒ・ベッカー シュペートブルグンダー・ブランド・ノワール・アイスワイン
ドイツのDRCと言われているフリードリッヒ・ベッカー醸造所。以前、千葉駅前のイタリアン、エスト!プロッシモでシェフソムリエに奨められたもの。シュペートブルグンダーはドイツのピノ・ノワール。甘い、甘いアイスワインに仕上がっている。かなり秀逸。 
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≪過去のレビュー≫
クリスマス・イブのディナーに妻と2人で。2ヶ月前に予約して、何とかギリギリ取れた。ラッキー。クリスマスの泡は、嬉しいことにアンリ・ジロー。 

≪過去の料理≫
CENA NATALE -クリスマスにあなただけのオリジナルコース- 10000円/1人
アンティパスト ズワイガニとトマトの泡 キャビア添え
ズワイ蟹のボリートでスタート。シャンパーニュに合う。キャビアが美味しい。フランス産の最高のキャビアを、クリスマス用に特別に仕入れたとのこと。素晴らしい。
アンティパスト ホウレン草のズッパ 黒アワビの柔らかスチーム煮込み
ホウレン草と素晴らしく柔らかな黒アワビがソーヴィニヨン・ブランに合う。手間隙掛けて作られたズッパが嬉しい。 
アンティパスト フランス産鴨とフォアグラのオレンジテリーヌ マルサラソース
鴨とフォアグラのテリーヌ。マルサラワインのソースも完璧で美味しい。 
プリモピアット サフランを練りこんだタリアテッレ 和牛テールの赤ワイン煮込みソース
これも美味しい。しかし、そろそろ赤ワインか。本日は最高の熟成ブルゴーニュを用意していると思わせぶりな支配人。なんだろうか。
ドルチェピッコロ バルサミコ酢のグラニテ 
バルサミコの酸っぱさが効いている。 
セコンドピアット 鹿児島県産真鯛のジャガイモ包み焼き ブールノワゼットソース 黒トリュフ掛け
真鯛を包んだジャガイモ。これも美味しい。芋、栗、南瓜好きの妻のための魚料理。感謝、感謝。そしてお待ちかねは妻と2人のクリスマスのために用意して貰った最高のブルゴーニュ。果たして何か。
セコンドピアット 和牛ロースのステーキ 野菜の煮込みソース
今回のクリスマスメニューでは、生に近い和牛を出している。しかし妻のために、我々だけはたっぷり火の入った和牛。生肉の食べられない妻のために、妻の一番好きな火の入れ具合。相変わらず素晴らしい。お客さんごとに、一番合った火の入れ具合など、他のどこのお店でもあり得ない気の使いよう。 
ドルチェ リコッタチーズと林檎のパイ包み焼き ブッシュ・ド・ノエル風
さすがクリスマス。ドルチェもブッッシュ・ド・ノエル風。 
カッフェ エスプレッソダブル 

≪過去のワイン≫
NM アンリ・ジロー シャンパーニュ・エスプリ・ブリュット
400年前にまだシャンパーニュがスティルワインの生産地であったころから、アンリ・ジローはワインを造っていた。今の当主は12代目。日本はまだ江戸の始め。その最もスタンダードなエスプリ。クリスマスらしいセレクション。繊細にして樽の効いた、バニラっぽいシャンパーニュ。いい感じ。
2010 ギャルリエール トゥーレーヌ・サンドリオン
シンデレラのガラスの靴のエチケット。ディズニーフリークの妻のためにわざわざ捜してきてくれたワインとのこと。ソーヴィニヨン・ブランの硬さに若干のシャルドネ。蟹とキャビアのお供。面白いワイン。そういえば、今日は来た時から、BGMがディズニーばかり。まさか妻のために。もちろんです。本日は奥様のクリスマスためにお店をあげて、準備万端、完璧ですよと支配人。満席の他のお客さまに申し訳ない。
1992 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ ロマネ・サンヴィヴァン
DRCの飲み頃ど真ん中。まさかクリスマスにDRCの飲み頃を探して来てくれるとは思わなかった。今日はもう何も言うことがない。DRCと言えば、先日久しぶりにロマコンを飲んだが、やはりロマコンは別格中の別格、美味し過ぎて言葉が出なかった。ロマネ・サンヴィヴァンはロマコンに比べると、香りも、味わいも、他のヴォーヌ・ロマネで比較できるものもあると思っていたが、飲み頃は想像を超える凄さがある。ちょっと感動する。だからこの店はやめられない。
ディジェスティーヴォ ボナヴェントゥーラ・マスキオ ラ・グラッパ・903・バリック
やたらグラッパの種類の多い店でもある。それはワインとグラッパおたくの支配人の影響のよう。今回も、いつもの903のおたくバージョン。リースリング8割、カベルネ2割で、バリック熟成のグラッパ。濃厚なワインを飲む感触。 
クリスマス・イブに妻と2人、ロマネ・コンティを思わせる最高に飲み頃なワインで過ごすことができた。いつも申し訳ないくらいの素敵なサーブ。こんな店、他にはない。

  • 広島県産なかやま牛カイノミのステーキ グリーンペパーソース
  • 石田屋と仁左衛門 純米大吟醸 限定品 黒龍酒造  2004 MEURSAULT-CHARMES DOMAINE DES CONTES LAFON
  • 煮アワビと帆立のタルターラ カラスミとキャビア乗せ

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8位

エクアトゥール (麻布十番、六本木、広尾 / イノベーティブ、フレンチ)

5回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥100,000~ ¥15,000~¥19,999

2020/09訪問 2020/09/28

天国に1番近いレストラン

南麻布に開業して11年目、元麻布に移転してからでも既に8年が経過する日本に合った日本らしいモダンフレンチ。フランス修行時代には星付きレストランからの誘いをことごとく断り、パリの地元レストランに頼まれて、あくまでもシェフであることにこだわり続けた孤高のシェフ。そんなシェフの食材への愛と、食材を丁寧に扱う和の心を感じるこの店の料理は、まさに天国に1番近いレストランの料理と言えるかもしれない。
今回のヴィアンドはラカン産のピジョンラミエ。窒息森鳩の胸、腿、首の真っ赤な色が印象的。ジビエでありながら臭みのない旨みの固まりような鳩には、この店が開業した10年前の衝撃的なシェフの日本デビューの面影を感じる。鳩の骨、肉のジュと赤ワインのソースも鳩の旨みを見事に引き立てている。伝統的なフレンチから始まり、モダン、イノベーティブ、中華、日本料理を取り入れて来たシェフの11年目の集大成は、それらの実績の全てを注ぎ込んで行き着いたモダンやイノベーティブを超えた新クラシックフレンチ。

アミューズはリドヴォ。これも開業時のスペシャリテ。フカヒレの餡かけが新しい。クラシックとイノベーティブのバランスが絶妙な味わい。美味しいところの良いとこ取りとなっている。房総千倉産の黒アワビが飛び抜けて柔らかい。アワビの旨みと椎茸の旨みの競演。牛蒡のポタージュには穴子のフリットが浮いている。これこそまさにこの10年の集大成と言える組合せ。牛蒡と穴子は相性抜群。豚足のクロケットも食感が良く素晴らしく美味しい。

開業直後のスペシャリテはウニと甲殻類のムースのカクテル仕立て。10年振りの復活が嬉しい。以前のクラシックな味わいが、回り回って全く新しい味わいに進化している。美味しさもかつての倍返し。ポアソンはカマス。豚トロとの組合せが絶妙な食感と味わい。豚の旨みで食べるあっさりした白身魚の美味しさは得も言えない。西京味噌を使うところが面白い。単なるフレンチのクラシックやモダンを超えた新しい日本フレンチの完成形。

シャンパーニュはアンリオのミレジメ。完成されたシェフの料理の露払いとしては十分に繊細な泡立ち。クラシックな造りが瓶内熟成により複雑さを増している。黒アワビや穴子、カマスにはジャンクロードラモネ、シャサーニュの人気畑、モルジョを開ける。この白ワインに合わない魚介はない。最高のピジョンラミエには最高のブルゴーニュ、ドメーヌドラロマネコンティ。今回はこの店が開業したバースデーヴィンテージ2009年のエシェゾー。天国に近付くどころか、天国まで来てしまった。

南麻布で開業して11年目にして、今や全国トップクラスの人気を誇る日本を代表するフレンチ。フランスで独自の経験を重ねたシェフが、中華や日本料理まで取り入れて完成させた完璧な日本フレンチという世界。何より食材や生産者を愛する気持が、シンプルに食材を引き立たせる料理になっているところが素晴らしい店。いつまでも若い美人オーナーマダムのコレクションとも言える、膨大なシャンパーニュとワインのストックも素晴らしい。天国に1番近いレストランは、既に天国そのものになっているように思えてならない。

お任せコース 28000円
アミューズ リドヴォ
 フカヒレの餡かけ
アミューズ 黒アワビと椎茸
 黒アワビの肝のジュレ
ポタージュ 牛蒡のスープ仕立て
 穴子のフリット
オードブル 豚肉と豚足のクロケット
 ラビゴットソース
オードブル ウニ 甲殻類のムース
 コンソメのジュレ
ポアソン カマスと豚トロ
 西京味噌のソース
ヴィアンド ラカン産ピジョンラミエ
 赤ワインのソース
パン 自家製米粉のプレーンパン
 バター
デセールに替わってフロマージュ
カフェ エスプレッソ

2008 BRUT CHAMPAGNE
 Millesime
 HENRIOT
 26900円/750mlボトル
2015 CHASSAGNE-MONTRACHET
 Premier Cru "Morgeot"
 Jean-Claude RAMONET
 32800円/750mlボトル
2009 ECHEZEAUX
 DOMAINE DE LA ROMANEE-CONTI
 時価/750mlボトル

別途消費税・サービス料10%



南麻布に開業して11年目、元麻布に移転してからでも既に8年が経過する日本に合った日本らしいモダンフレンチ。フランス修行時代には星付きレストランからの誘いをことごとく断り、パリの地元レストランに頼まれて、あくまでもシェフであることにこだわり続けた孤高のシェフ。そんなシェフの食材への愛と、食材を丁寧に扱う和の心を感じるこの店の料理は、まさに天国に1番近いレストランの料理と言えるかもしれない。

料理に寄り添うオーナーマダムのシャンパーニュとワインが素晴らしい。築地の鮪問屋のお嬢様として育ったマダムの感性が、この孤高の天才シェフを支えている。日本らしいフレンチの最先端と言えるシェフと、新たな食文化の担い手でもあるマダムによる全く新しいフレンチ。伝統的なフレンチ、モダンフレンチ、イタリアン、中華、懐石料理のエスプリを吸収し、誰も知らない領域を目指して進化してきたこの2年、いよいよこの店の天国への階段も、完成が近づきつつあるように思える。

今回のヴィアンドは北海道産の蝦夷鹿。冬の蝦夷鹿の旨みを活かす低温ローストが素晴らしい。申し分のない食材と火入れの組合せ。均一な柔らかさは、ナイフを落とすだけでしんなりと切れてしまう。シンプルにソースだけが添えられているのも、シェフの絶対的な自信の表れ。フォンドボーと鹿のジュ、赤ワインを主体とした複雑にも関わらずあっさりとした口当たりの、食材を一番とするソースも完璧な仕上がりとなっている。

アミューズから和洋中、クラシックとモダンの融合が完成に近づきつつあることを伺わせる。和を代表する旬の菊芋が滑らかなブルーテとなり、菊芋を含む野菜のオーケストラのような複雑な味わいが美味しい。オマール海老にはタラの燻製を合わせている。黒トリュフと燻製の香りのハーモニーが素晴らしい。フォアグラは軽いソテー。フカヒレと生ハムとの組合せも、フレンチ、イタリアン、中華を極めたからこその発見に基づく1つの回答と思われる。

ウニとハマグリ、フキの組合せも懐石料理のようでもあり、モダンフレンチのようでもある。ハマグリのジュは旨みが凝縮している。子持ちヤリイカはトマトのコンソメを使ったソースにぴったり。添えらた蕗味噌が和洋を一体的に味わうポイント。カサゴのフリットは薄い衣と揚げ方が絶妙。繊細な白身の味わいをそのまま活かしている。ポアソンは世界に誇る千倉の黒アワビ。ふわふわの柔らかさ。アワビの肝のソースに合わせる空豆のエスプーマも組合せの妙。

北海道産の蝦夷鹿に続いて仕上げの食事。コースの構成自体が、京懐石のコースと同じようになっていて驚く。食事はカンスイの配合率を指定したという特製麺。今回は冷たいパスタ。旬の真っ盛り、蛍烏賊と春キャベツが春の訪れをストレートに伝えている。デセールのフォンダンショラやアイスに替えて今回はデザートワイン。こともあろうに1996のシャトーデュケムを惜しみなく注ぐマダムの笑顔が、天使にも、女神にも、観音様にさえ見えてくる。

シャンパーニュはその美人マダムが、シャンパーニュオタクと言っても良いほどのコレクションを持っていて、いつ来ても楽しく味わえる。今回はヴィルマール。レコルタンマニュピランのクリュッグと呼ばれるフランスでの人気ナンバーワンシャンパーニュ。最新のミレジムは泡の勢いも繊細。シャサーニュは超有名3ドメーヌの飲み比べ。ニュイサンも2ドメーヌの対比。楽し過ぎるバリエーション。女神のようなマダムと2人で乾杯を繰り返し、2人ともかなり酔っ払ってしまった。

あらゆるジャンルの料理やあらゆる時代の潮流を吸収し、独自の解釈を加えて今までに全く無かった新しい世界を創り続ける孤高のシェフ。愛するオーナーソムリエでもある美人マダムのために、人生の全てを掛けたシェフの料理と、いつまでも若い魔女のようなマダムによるこの店の料理、ワイン、サービス、雰囲気は、まさに天国に1番近いレストラン。オープンから11年通い続けるこの店には、日本の食文化のこれからの希望が果てしなく詰まっているように思えてならない。

料理とワインのお任せコース
 40000円/人
アミューズ 菊芋のブルーテ
 ウナギの炭火焼き マデラ酒のソース
アミューズ オマール海老のフラン
 タラの燻製 黒トリュフ
フォアグラ フォアグラのソテー
 フカヒレ 生ハム
オードブル 大ハマグリ
 ハマグリのジュレ 北海道産ウニ フキ
オードブル 子持ちヤリイカ
 トマトとイカ墨のソース
 ホワイトアスパラ グリーンアスパラ
 蕗味噌 穂紫蘇
オードブル カサゴのフリット
 若筍 花山椒の葉と茎
 生姜の皮 木の芽
ポアソン 千倉産黒アワビのリゾット仕立て
 空豆のエスプーマ アワビの肝のソース
 柚子の香り
ヴィアンド 北海道産蝦夷鹿の低温火入れ
 フォンドボーと赤ワインのソース
自家製パン プレーン
 ミルクパン ミニバケット バター
特製麺 冷たいパスタ
 カンスイの配合率を指定した麺
 蛍烏賊 春キャベツ 芽葱
デセール フォンダンショコラに替えて
 デザートワイン
 1996 Chateau d'Yquem
カフェ エスプレッソダブル
プチフール 自家製カヌレ

2019 CHAMPAGNE BRUT
 GRAND RESERVE Vilmart & Cie
 120mlグラス
2011 CHASSAGNE-MONTRACHET
 1er cru LES VERGERS
 DOMAINE FONTAINE-GAGNARD
 120mlグラス
2010 CHASSAGNE-MONTRACHET
 1er cru LES CHENEVOTTES
 DOMAINE JEAN-MARC PILLOT
 120mlグラス
2012 CHASSAGNE-MONTRACHET
 1er cru LES VERGERS
 Domaine Marc Morey
 120mlグラス
2011 NUITTS-SAINT-GEORGES
 Premier Cru "Les Prulieers"
 DOMAINE LECHENEAUT
 120mlグラス
1999 NUITTS-SAINT-GEORGES
 Domaine ANTNNIN RODET
 120mlグラス
1996 Chateau d'Yquem
 60mlグラス

南麻布に開業して10年目、元麻布に移転してからでも7年となる今や知らない人のいない、日本に合った日本らしいモダンフレンチ。開業直後の無名時代から通って10年目となる。パリで星付きレストランからの誘いをことごとく断り、現地のマダムに頼まれてあくまでもシェフであることにこだわり続けた孤高のシェフ。そんなシェフの食材への愛と、食材を丁寧に扱う日本の心を感じるこの店の料理は、まさに天国に一番近いレストランの料理と言えるかもしれない。

料理に寄り添うオーナーマダムのシャンパーニュとワインたちが素晴らしい。築地の鮪問屋のお嬢様として育ったソムリエでもあるマダムの感性が、シェフの日本フレンチを支えている。日本らしいフレンチの最高峰と言えるシェフと、新たな食文化の担い手であるマダムによる全く新しいフレンチがこの店では完成されている。にもかかわらずシェフの料理は、本場フレンチ、日本フレンチ、イタリアン、中華、和食のエスプリを吸収し、今もまだ誰も知らない領域を目指して進化し続けている。

今回のヴィアンドはルーアン鴨。食材そのものの鴨とは思えぬ凝縮された旨みと、低温調理による万遍のない柔らかさ。申し分のない食材と火入れの組合せ。シンプルにソースだけが添えられているのも、シェフの絶対的な自信の表れ。フォンドボーと鴨のジュ、赤ワインを主体とした複雑にも関わらずあっさりとした口当たりの、食材を一番とするソースも完璧な仕上がりとなっている。

アミューズは京懐石のようなスタート。トラフグの白子を葛で寄せて毛蟹の餡かけにしている。美味しさも桁違いだが、今日のコースの構成を予測できなくされた驚きが衝撃的。続くアミューズも京懐石。佐島の真蛸のふわふわな茹で加減。山葵の葉の心地良い辛さと旬の海老芋も文句無しに美味しい。ようやくフレンチらしいオマール。合わせるのは新筍とアワビ。フランスと日本の旬の競演。アメリケーヌソースとオランデースソースのダブルソースが絶妙なコンビネーション。

フォアグラに合わせる酸味の利いた赤ワインソースも上品。ふんだんに使われた黒トリュフの香りは器の蓋を閉めたままでも香ばしく上がってくる。オードブルは大ハマグリと蕗、ウニ、紫蘇の穂。再び京懐石との融合。スッポンのつくねも和の真骨頂。スッポンの背骨から取るソースと卵黄も完成された和の世界。ポアソンは皮だけカリッと仕上げられた松毬焼きを思わせるグジ、アマダイのポアレ。白味噌と白ワインのソースのバランスは、あたかも今回のコースのテーマを見るよう。

フランス産のルーアン鴨に続いて仕上げの食事。コースの構成自体が、京懐石のコースと同じようになっていて驚く。食事はカンスイの配合率を指定したという特製麺。豚肉のミンチ、ラー油、パクチーの組合せは坦々麺に近い印象。しかし白子のソースが濃厚で、今までに経験したことの無い麺となっている。デセールのフォンダンショラとマンゴーのアイス、プチフールの自家製カヌレがフレンチであることを思い出させてくれる。

シャンパーニュはオーナーソムリエのマダムが、シャンパーニュオタクと言っても良いほどのコレクションを持っていて、いつ来ても楽しく味わえる。今回はベレッシュエフィス。伝統的な造りのシャンパーニュとしてはコストパフォーマンス抜群のレアキャラ。白子や真蛸にぴったり。オマール、筍、フォアグラにはシャサーニュ。ハマグリとスッポンにグロフィエのパストゥーグラン。そしてグジにマルクモレ、ルーアン鴨にドニモルテのジュヴレ。仕上げに89のジャンマルクボワイヨ。素晴らし過ぎて笑いが止まらない。

あらゆるジャンルの料理やあらゆる時代の潮流を理解し、独自の解釈を加えて今までに全く無かった新しい食の世界を探求し続ける孤高のシェフ。愛するオーナーソムリエのマダムのために人生を掛けたシェフの料理と、いつまでも若く美しい魔女のようなマダムによるこの店の料理、ワイン、サービス、雰囲気は、まさに今の日本で一番天国に近い店。それでもなお、進化を続けるこの店には、日本の食文化のこれからの希望が果てしなく詰まっているように思えてならない。

料理とワインのお任せコース
 40000円/1人
アミューズ 虎河豚白子の葛寄せ
 毛蟹 葛餡掛け
アミューズ 佐島の真蛸
 山葵葉 海老芋
アミューズ オマール海老
 アワビ 新筍
 アメリケーヌソースとオランデーズソース
 キャビア
フォアグラ フォアグラのフラン
 赤ワインのソース 黒トリュフ
オードブル 大ハマグリと蕗
 ウニ乗せ ハマグリのジュレ 穂紫蘇
オードブル スッポンのつくね
 スッポン背骨のソース 卵黄
ポアソン グジのポアレ
 牛蒡と独活 菜の花
 白味噌と白ワインのソース
ヴィアンド フランス産ルーアン鴨の低温火入れ
 フォンドボーと赤ワインのソース
自家製パン プレーン ミルク ミニバケット
 バター
特製麺 カンスイの配合率を指定した麺
 豚肉のミンチ 白子と辣油のソース
 パクチー
デセール フォンダンショコラ
 マンゴーのアイスクリーム
カフェ エスプレッソダブル
プチフール 自家製カヌレ

NM CHAMPAGNE BRUT RESERVE
 Bereche & Fils
 120mlグラス
2010 CHASSAGNE-MONTRACHET
 1er cru LA GRANDE MONTAGNE
 DOMAINE FONTAINE-GAGNARD
 90mlグラス
2009 BOURGOGNE PASSETOUTGRAN
 Domaine Robert GROFFIER Pere & Fils
 90mlグラス
2012 CHASSAGNE-MONTRACHET
 1er cru LES VERGERS
 Domaine Marc Morey
 90mlグラス
2011 Gevrey-Chambertin
 DOMAINE DENIS MORTET
 90mlグラス
1989 Pommard LA POMMARDIERD
 Domaine Jean-marc BOILLOT
 90mlグラス

初めてこの店を訪れてから7年目となる。南麻布からこの元麻布に移転した初日も、夏限定イタリアンを始めた初日も、いつもこの店に来ることができたのは幸運だったのかもしれない。7年前、南麻布のデザイナーズマンション最上階2層を使った1日1組限定のプライベートレストランとの出会いは衝撃的だった。全く無名でほとんど知られていなかったレストラン。しかしそれは日本に合った日本らしいフレンチ、今までずっと求めていた夢のようなフレンチとの始めての出会いだった。

パリで星付きレストランからの誘いをことごとく断り続け、現地のマダムに頼まれてあくまでもシェフであることにこだわり続けた、まさに孤高のシェフ。その料理は日本の心をパリに伝える現代の伝道師だったのかもしれない。そんなシェフのこだわりは日本的な素材への愛と、素材を丁寧に扱う日本料理の心。どの皿にもシェフの思いを感じることができるこの店の料理は、まさに天国に一番近いレストランの料理と言えるかもしれない。

その料理を支えるマダムのシャンパーニュとワインたち。築地の鮪問屋のお嬢様として育ったマダムの感性は、シェフの日本的フレンチの心の支えともなっている。日本における日本フレンチの旗手として最高峰のシェフと、日本における新たな食文化の作り手であるマダムによる全く新しいフレンチがこの店において今まさに完成されつつある。この店が日本の食文化のイノベーター、インキュベーターたらん食通たちのメッカとなっているのも当然の結果かもしれない。

今回も鳩が素晴らしく美味しかった。真っ赤な肉の色が、その素材の持つ秘められたパフォーマンスを醸し出しているラカン産のピジョンラミエ。濃厚なジビエらしい味わいを、均一で丁寧な火入れで柔らかく慈愛に満ちた仕上がりにしている。とにかくシンプルな肉の塊が、ラカンピジョンの良さを余すところなく引き出す。鳩の内臓を使ったソースも軽いスモークが完璧に効いていて、全く内臓の嫌な部分が消え去り、肉を盛り立てている。全てがバランス良くまとまり、この皿の向こうには美しさを超えて後光が差していた。

ピジョンラミエまでの8皿のアミューズ、オードブルも、どれも美しく美味しい。タラバとウニはカニ味噌がポイントとなり、黒アワビも肝との取り合わせが絶妙。イイダコとキャビアにダブルコンソメも文句の付けようがない。魚は金目にタイラ貝。まさに日本料理の世界。そして和牛とトリュフ、フカヒレとフォアグラ、虎河豚の白子にオマール海老と続く。しかしその全てがシンプルなピジョンラミエの露払いだったことを知り愕然とすることになる。

合わせるワインも凄い。シャンパーニュマニアのマダムのコレクションから、まずはこの店オリジナルシャンパーニュ。次々に食に関する新事業を立ち上げるマダムだから出来る神業。続いてもシャンパーニュ。しかもドラピエのミレジメ。2008年らしい上品な泡立ちと味わい。熟成ブルゴーニュが続くと、マダムがフランスの友人から直輸入するフロマージュに合わせてオリヴィエルフレーヴのムルソープルミエクリュ。楽しくて仕方がなくなる。

場所は元麻布の閑静な住宅街。中国大使館やブラジル公使館が並ぶ一角。東京メトロ日比谷線、都営大江戸線の六本木駅から六本木ヒルズに入り、六本木通りの反対側にあるレジデンス棟の間を抜けて行くのが一番の近道。

フランス料理と日本料理を、今最も融合させることができる、料理以外にはマダムにしか興味のない職人のなかの日本一の職人シェフと、何一つ苦労なく育った美しい新進気鋭の実業家、かつシャンパーニュマニアのマダムの織り成す奇跡的な店。この店との運命のような7年間を神に感謝するとともに、あらためてこの店が天国に一番近い店と思わざるを得ない。

料理とワインのお任せコース 35000円
アミューズ タラバ蟹とウニのフラン
 タラバ蟹のカニ味噌とともに
前菜1 三陸産黒アワビ
 アワビの肝のソースと米のソース
前菜2 明石産イイダコとキャビア
 セリと生キクラゲ
 ダブルコンソメジュレ
 柚子のヴィネグレット
前菜3 伊豆産金目鯛のスモークミキュイ
 タラの白子ソース 自家製カラスミ
前菜4 徳島産筍とタイラ貝
 和牛の炙り 黒トリュフソース
前菜5 フカヒレとフォアグラ
 自家製干し椎茸のスープ
前菜6 直火焼きした虎河豚の白子
 ベアルネーズソース
 オマール海老のポシェ
 アメリケーヌソース
口直し ヴィシソワーズ
 ホタルイカのソース
 自家製カラスミの冷製パスタ
ヴィアンド ラカン産ピジョンラミエ
 鳩内臓のスモークソース
アヴァンデセール キルシュのアイス
 黒トリュフ 蜂蜜とポアブルジャバ
 薔薇のヨーグルト
グランデセール ブルードオーベルニュ
 洋梨 クルミとレーズンのプレッセ
 コンフィした2種類のッグレープフルーツ
 ハーブティーのソルベ
 カモミールの炭酸ジュレ
フロマージュ フランス産
 マダムの友人から直輸入した盛合せ
ミニャルディーズ
カフェ エスプレッソ

NM CHAMPAGNE Le Belle Bleue
 Restaurant l'equateur
 BLIARD-MORISET
2008 CHAMPAGNE BRUT
 DRAPPIER Grande Sendree
2011 Alsace Grand Cru
 Wineck Schlossberg
2014 Domaine Romaneaux-Desteyet
1995 BEAUNE
 DOMAINE MICHEL GAUNOUX
1990 POMMARD VIEILLES VIGNES
 COCHE-BOUILLOT
2000 Moursault 1er Cru
 LES PORUZOTS Olivier Leflaive

パリのレストランでシェフをつとめたあと帰国したこのシェフの料理は、素材の選択とそれらの組合せが素晴らしい。各皿のビジュアルの完成度も際立っている。元麻布の閑静な大使館街にひっそりと佇む高級マンションにあるレストランは、お洒落と寛ぎの究極コラボレーション。若き美人オーナーと、控え目で優しいイケメンシェフは、2人揃ってソムリエ資格も持つ。シェフのフランス時代の思い入れは今のレストランの形態に続くものがある。パリの星付きレストランからの誘いをことごとく断り、自分の腕を試し、現地の評価を受けたいがために、敢えて頼まれたレストランのシェフを務めていた。そのシェフの思い入れは、最新のパリの流れを汲みつつ、あくまでオリジナリティ豊かな表現に力を入れる、この店の美しく美味しい皿の数々に丁寧に込められている。南麻布に開業して4年。この元麻布に移転してから2年が経過し、シェフの腕はますます円熟味を帯びてきている。料理のコースは、アミューズ、フォアグラ料理を含むオードブルが数皿出た後、旬の魚料理、フランスを中心としたジビエ料理のメインが続くという構成。それに持ち込みワインのコースと、素晴らしいお勧めワインをセットにしたコースが加わる。アミューズやオードブルから美しいビジュアルに感動できる。カトラリーもガラスや石の皿も素晴らしい感性で統一されていて、一分の隙も無い。

今回はフランス、ラカン産の鳩のローストがいつにも増して素晴らしい火入れと味わいだった。シェフのジビエへの思い入れは、今や巨匠の域に達している。オードブルで最高のピュレニーに合わせた大トロが感涙物だった。樽を微かに感じる艶かしいほどのピュレニーにぴったりの大トロは、ホワイトアスパラガスとグレープフルーツ、バルサミコとのアンサンブル。フォアグラのポアレが地鶏黄卵のラビオリと共鳴し、4種類の旬の貝類の競演に感動の嵐。合わせるワインが凄過ぎる。2008ミレジメのブランドノワールに始まり、エティエンヌソゼの1996熟成ピュリニー、エシュゾーにトラペの1981熟成シャンベルタン。料理も凄さを増しているが、マダムの繰り出すワインは、既に世界最高峰に届いてしまう勢いを感じる。

場所は各国の大使館がひしめく元麻布の住宅街。消防署の脇の小道を下り、突き当たりを道なりに左手に。その先の右へ曲がる突き当たりの右側、角のマンション2階に在る。1階はミシュランの星の付く日本料理店。階段を上がるとステンレスの名盤にエクアトゥ-ルと文字のみのエントランスが、料理同様に奥ゆかしい。友達のマンションに入るようにドアを開けると小じんまりしたエントランスホール。すぐにマダムが迎えに出る。入ってすぐに6人用の個室。大抵は2人客用に贅沢に使っている。オープンなL字のカウンターには、ゆったりとしたソファタイプのチェアが6席。バックバーも美しい。インテリアの絵はシェフが自ら書いている。料理、ワイン、サービス、インテリアと、全てに統一されたオーナー夫妻のセンスは他のどこの店も適わない。ゆったりしたカウンターも、2人なら2組しか取らない。3人以上なら、相変わらず1組しか取らない時が多い。とにかく何を置いてもサービスの質と顧客満足に拘っている。従って1人客は取らない。開業して4年が経過しても進化を続けるシェフの料理と、若く美しいマダムのワインサービス。心許せる家族や仲間との食事の場として、これ以上ない最高の舞台が用意されている。ここは天国に一番近いレストラン。これからも食事を心から楽しみたい人のためだけに、さらなる進化を続けて欲しい。

シェフお任せ料理とマダム秘蔵ワインのコース 30000円(時価)
アミューズ 蛍烏賊のカダイフ包み ジャガイモのエスプーマを添えて
オードブル 7時間煮た活き蛸のスモークとウニ 浅利と芹 生木耳の黄柚子ヴィネグレット添え 昆布と牛スネ肉のダブルコンソメ
オードブル 地鶏黄卵のラビオリ フォアグラのポアレ 京都山城の筍と菜の花 トリュフソース
オードブル 佐賀県産ホワイトアスパラガスと大トロ グレープフルーツとバルサミコ クミンと木の芽 クレソン マーシュのサラダ
ポアソン トコブシ ハマグリ ミル貝 タイラ貝 貝のジュと独活 ハーブの香り
ヴィアンド フランスラカン産鳩のロースト
自家製パン
フロマージュ 3種類の盛合せ
デセール 蜂蜜ヨーグルトの黒トリュフ添え バニラアイスクリームと金柑に詰めて焼いたクレームダマンド アニスショコラ添え
カフェ エスプレッソ
プチフール

2008 CHAMPAGNE BLANC de NOIRS BRUT Frederic MALETREZ 120mlグラス
NM CHAMPAGNE Cuvee no.737 JACQUESSON 750mlボトル/4人
1996 Puligny-Montrache Le Referts Domaine Etienne Sauzet 750mlボトル/4人
2007 Echezeaux DOMAINE J,CACHEUX 750mlボトル/4人
1981 CHAMBERTIN DOMAINE LOUIS TRAPET 750mlボトル/4人

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今回もビュルゴー家ルーアン鴨のロティが素晴らしい出来だった。火入れの丁寧さによる全体的な柔らかさも良いが、ソースがビュルゴー家のルーアン風とぴったり合っている。赤ワインのソースには香草を効かせ、濃厚な鴨自体の味わいをピリッと引き立てる。研究熱心なシェフの技を感じる。今回は、ホタテもマナガツオも、ルーアン鴨以上の火入れ具合に感動する。フワフワに仕上げるシェフの火入れに対する拘りは相当なもの。マダムのお奨めワインはロゼのシャンパーニュが待ち遠しい春の訪れを感じさせるセレクト。ジョバールのムルソーが素晴らしい口当たりで、ホタテとのマリアージュに涙が出る。マナガツオとルーアン鴨にはグロのヴォーヌロマネ。仕上げは昨秋早世したパトリックビーズに敬意を表して、シモンビーズのサヴィニーオーヴェルジュレス。なんと言う組合せと演出だろうと、ただただ感激する。

シェフにお任せコース 14200円 別途サービス料10%
アミューズ  温かい甲殻類のフラン 
アミューズ タスマニアサーモンのマリネ 燻製ジャガイモのムース
オードブル オマール海老と活ホタテのポアレ フォンダンエシャロットとハーブのヴィネグレット
 有機野菜とトリュフのサラダ添え
オードブル スープドポワソン カニ味噌とズワイガニのガレット 赤穂産牡蠣のポアレ
フォアグラ
ポアソン マナガツオの直火焼き スミイカとインゲンのソテー ソースヴィエルジュ
グラニテ ウェルベーヌ
ヴィアンド ビュルゴー家ルーアン鴨のロティ 赤ワインと香草を使ったソース
パン 4種類の自家製パン
フロマージュ 5種の盛合せ
デセール 
カフェ エスプレッソダブル
プティフール カヌレ マカロン他

各皿に合せたマダムにお任せのボトル 33600円/4本 別途サービス料10%
NM CHAMPAGNE MONOPOLE ROSE TOP BRUT HEIDOSIECK
2007 Meursault "Les Grands Charrons” JOBARD-CHABLOZ
2007 Vosne-Romanee AUX REAS DOMAINE A.-F.GROS
2001 Savigny-les-Beaune Aux Vergelesses 1er CRU Simon Bize & Fils

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移転前の店では、1日1組限定で、魂のフレンチを作っていた。新店舗では、1日3組までに拡大し、しかし同じような強い思い入れのフレンチを作り続けている。また個室とカウンターに分かれ、広くなった店内を若く美しいマダムが蝶のように舞っている。やはりここは、未だ天国に一番近いレストラン。今回も旬のジビエ、夏蝦夷鹿が素晴らしい出来。素材の熟成度も理想的なら、合わせるソースが夏鹿仕様。黒胡麻に赤ワインとフランボワーズを合わせたソース。どっしりとしたジュヴレシャンベルタンに何と合うことか。感動する。ポアソンの萩の甘鯛の絶妙な火入れもさることながら、いつもながらのオードブルの美しい旋律のような流れが、今回も際立っている。アミューズは西瓜の甘みとエストラゴン、泡の淡い苦味が舌の上で3重奏を奏でる。抜群の火入れの帆立にラングスティーヌと甲殻類のギリシャバロックなソース。堪らない。フォアグラがルーアン鴨、サマートリュフと共に国旗のようにデザインされた皿。白烏賊には北海道産牛のトリッパ。もう何も言うことは無い。今回の乾杯はミレジメも2005年。真夏の夜のブランドブランは酸味がきっと効いている。西瓜のアミューズに合い過ぎて怖い。サンセール、ムルソーがオードブル、甘鯛に合わせて次々に開けられる。ルーアン鴨とフォアグラにはサヴィニーの熟成赤ワイン。しかも日本人妻を娶ったシモンビーズ。奥が深いセレクションに驚く。主役の夏鹿には熟成ジュヴレシャンベルタン。ワインと料理のマリアージュに、マダムの天才的なセンスを感じる。ワイン持込みコースは、何本持ち込んでも構わない。これまでの5人以下7万円から、6人以下7万8千円に。6人なら1人あたり1万3千円となる。移転して、バージョンアップした上に値下げとは、どこまで顧客の想像を超えるホスピタリティを目指しているのだろう。驚きとしか言いようがない。

シェフにお任せ コースA 9950円 別途サービス料10%
アミューズ 若鮎のムースと西瓜のムース エストラゴンのジュレ
オードブル ラングスティーヌとスモークした帆立のポアレ ギリシャ風ソース
オードブル ルーアン鴨とフォアグラのユール仕立て
オードブル 白烏賊と仔牛のトリッパ 肝に見立てた豚足と烏賊墨の煮込み
ポアソン 自家製塩麹に漬けた萩甘鯛 大蒜とパセリのソース サザエのガレット添え
グラニテ グレープフルーツとウォッカのグラニテ
ヴィアンド 蝦夷夏鹿のロースト 黒胡麻のソース
フロマージュ 5種の盛合せ
18ヶ月熟成コンテ フルムダンベール シャンパーニュ地方のウォッシュ他

各皿に合わせたマダムのお任せワイン
2005 CHAMPAGNE BRUT GRAND CRU MALLOL-GANTOIS 1750円/120mlグラス
2010 SANCERRE La Bourgeoise HENRI BOURGEOIS 1700円/120mlグラス
2001 Savigny-les-Beaune 1er CRU Aux Vergelesses Simon Bize & Fils 1850円/120mlグラス
2010 MEURSALT Le Limozin SYLVAIN DUSSORT 1800円/120mlグラス
1996 Gevrey-Chambertin 1er CRU "LE GORBEAUX” PHILIPPE ROSSIGNOL 時価/120mlグラス

別途サービス料10%

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今回は牛肉を使った料理のコースB。アミューズの春独活と菜の花のエスプーマが季節感たっぷり。前菜の3皿は、アスパラガス、蛍烏賊、地蛸に始まり、64℃で64分火入れした地鶏卵、オマール海老にトリュフ、フォアグラ、モリーユ茸と続く夢の共演。松笠焼きの金目鯛も素晴らしい火入れ。しかし一番はやはり牛肉。北海道みついし牛のヒレが、均一に柔らかく、温かく、しっとりと火入れされ、ネセロリと赤ワインをベースにした、複雑かつ繊細なソースに絡みつく。今回も乾杯のシャンパーニュはミレジメ。暖かな春の訪れを喜ぶようにブランドブランが用意されている。シャンパーニュの造り手もコストパフォーマンスを考えたセレクト。しかし白、赤の造り手、産地は、さらにコストパフォーマンスの優れたものを揃えていて、ブルゴーニュ好きには堪えられない。至福の時を満たす料理の数々には、至福の時を支えるブルゴーニュが欠かせない。

ディナーB スペシャル 14200円 別途サービス料10%
アミューズブーシュ 磯ツブ貝と春独活 絹サヤ豆の和え物 菜の花のエスプーマ
オードブル アスパラガスのデグネリゾン 生蛍烏賊と青柳の小柱 スモークした久里浜の地蛸 甲殻類のエマルジョン
オードブル 64℃で64分火入れした地鶏卵 自家製コンソメドゥ-ブルとトリュフのチネリ オマール海老を添えて
オードブル おやきとサンジャック フォアグラのポアレ モリーユ茸とコニャックのソース
ポアソン 下田産金目鯛の松笠焼きと赤穂の牡蠣 山菜のソース
グラニテ パンプルムースのグラニテ
ヴィアンデ 北海道産みついし牛のロティ ネセロリと赤ワインのソース
フランスとルクセンブルグから4種のパン
フロマージュ 各種盛合せ
デセール ブルボンルージュのプティポー 生姜とカルダモンのアイスクリーム
カフェ マリアージュフレールのハーブティー
プティフール カヌレ 鬼灯 クレームショコラ

2004 CHAMPAGNE BRUT BLANC DE BLANCS Nicolas Feuillatte 1本
2007 PULIGNY-MONTRACHET DOMAINE ALAIN CHAVY 1本
2009 SANCERRE Monts Damne's GERARD BOULAY 1本
2001 Savigny-les-Beaune "Aux Grands Lirds” Simon Bize & Fils 1本

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今回の新ジャガとアーティチョーク、黒トリュフのグラタンが素晴らしい。フォアグラのポアレと牡蠣のソースのコンビネーションになっている。トリュフとフォアグラを見事にマリアージュさせ、グラタンとポアレの組合せがリズミカル。ビジュアルと香り、味わい、全てに計算されつくした理想のコンビ。楽し過ぎて笑さえこぼれてしまう。阿蘇山から来た馬肉ハラミのローストも珍しい。馬肉を赤ワインと燻製にしたエシャロットソースに合わせる。今回の特別過ぎるワインとの相性を考え抜いた究極のセレクション。今回のスペシャルワインはシャトーオーゾンヌ。5大シャトーと並ぶボルドーの9大シャトー、サンテミリオンの主。どんな考え抜いたワインも、全て露払いとしてしまう。そんなワインに合わせる料理を作るシェフの腕は神技とも思える。

ワインコース 78000円/6人 税・サービス料込み ワイン持ち込みは何本でも可
アミューズ 佐賀県産ホワイトアスパラのブランマンジェ トマトとライチ 
前菜 マリネしたホタテのミキュイ ハマグリと毛ガニのコンビネーション 
レモングラスのジュレとコブミカンオイル 自家製生アンチョビ添え 
前菜 白子のフラン 白子とオマール海老のポアレ塩漬けした鱈のソース 
前菜 新ジャガとアーティチョーク 黒トリュフのグラタン モリーユ茸 
フォアグラのポアレと牡蠣のソース
お魚料理 北海道産カスベのロティ ケッパーとハーブの香り 
グラニテ りんごのグラニテ
お肉料理 阿蘇山から来た馬肉ハラミのロースト 赤ワインと燻製したエシャロットソース 
自家製パン
デセール ブルボンバニラのプティポーとカルダモンと生姜のアイス アルマニュアック香るイチゴミルク 
プティフール カヌレとクレームショコラ 金柑とラズベリーの水まんじゅう
カフェ マリアージュフレール

ワインコース 持ち込みワイン
NV CHAMPAGNE “Le DRAPPIER” Special Cuvee DRAPPIER
2009 PERNAND-VERGELESSES “LES COMBOTTES” Domaine Rapet Pere & Fils
2011 MEURSAUT “LES VIREUILS” Domaine des Hospitalieres
2010 ALSACEl GEWURZTRAMINER Domaine Paul Zinck
2007 CHAMBERTIN Grand Cru Domaine Jean Claude Belland
2008 CHATEAU LAFON ROCHET Grand Cru Classe du Medoc

スペシャルワイン
2003 CHATEAU AUSONE Saint-Emilion Premier Grand Cru Clsse “A”

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今回のリードボーとフォアグラの組合せも繊細にして大胆。トピナンプールとトリュフの香りが全身を包み、甘口のワインが喉を潤す。ジビエ料理はウズラとラングスティーヌのファルシ。軽い味付けと柔らかな火入れ、ジビエとは思えぬ、軽いながらも幾重にも複雑に重なる味わいは、グロのヴォーヌロマネに合わせての絶妙なマリアージュ。複雑さと複雑さの出会い。まさに天国への階段を昇る思い。各皿に合わせるお任せワインが素晴らしい。シャンパーニュはアンリジローのエスプリから。〆のヴォーヌロマネまで、料理とのマリアージュは完璧。文句の付けようがない。そしてワインンサービスをする若く美しいマダムの、ワインを愛する思いが伝わるトークに酔うこともできる。

コースA 9950円
アミューズ 佐賀県産ホワイトアスパラのブランマンジェ
オードブル 真鱈の白子プリン その白子とオマール海老のソテー 塩漬けした真鱈のソース
フォアグラ リードヴォーとフォアグラのフリカッセ トピナンプールとトリュフ
ポアソン 五島列島産カサゴのポアレ その出汁で取ったブイヤベース
グラニテ リンゴのグラニテ
ヴィアンド 国産ウズラとラングスティーヌのファルシ コニャックと赤ワインのソース
自家製パン
デセール ライチと苺のアイスマカロン ショコラブランとミントのソース 
14種類の香辛料のジュレで合わせたフレッシュライチ 苺 ラズベリー
カフェ マリアージュフレールの紅茶各種
プティフール カヌレ
クマの縫いぐるみが好きな妻のためのクマちゃんのチョコレートと食用花

NV CHAMPAGNE ESPRIT DE GIRAUD BRUT HENRI GIRAUD 1700円/120mlグラス
2008 ALSACE GRAND CRU RIESLING GEISBERG KIENTZLER 1500円/120mlグラス
2009 SANCERRE GERARD BOULAY 1600円/120mlグラス
2007 Vosne-Romanee AUX REAS DOMAINE A.-F.GROS 1800円/120mlグラス

別途サービス料10%

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1日数人だけに振舞われる極上料理の数々は、連夜享楽の極み。ここはワイン好きにとって天国に一番近い部屋。これまでの南麻布を後にして、12月からこの元麻布に移転して来た。広尾、六本木、麻布十番の三角地帯の真ん中。カウンター6席と個室6席と少し規模を拡張した。しかし、サービスの質を落としたくないと、1日2組、合わせて5、6人程度という方針は変えないと言う。

ワインコース 78000円/6人
アミューズ 毛蟹のプチタルト キャビア添え
オードブル 赤穂牡蠣と蛤 ホッキ貝のミキュイ 帆立のブイヨンで作った海藻ジュレ ラングスティーヌのクリームとベルガモットのエスプーマ 黄柚子風味
オードブル テットドフロマージュとラングスティーヌのポアレ ポアブロンルージュのクーリと秋トリュフ
フォアグラ 鹿児島県産筍とフォアグラのカネロニ仕立て ブルーチーズとフォアグラのソース
ポアソン クミンを塗した北海道産鮟鱇のロースト ココナッツソースと昆布蜜柑オイル
グラニテ 5種類のベリーのクラニテ 苺 ブルーベリー ラズベリー ブラックベリー 黒スグリ
ヴィアンド ペルドローのロースト モリーユ茸とコニャックのクレーム
デセール 桂花陳酒のジュレ ソルベアマンド マンゴープリン 金柑と苺
カフェ エスプレッソダブル
プチフール カヌレ クレームショコラ

NV CHAMPAGNE GRAND CRU Brut Tradition RM PIERSON-CUVELIER EARL
2010 PULIGNY-MONTRACHET "LES ENSEIGNERES” Domaine Sylvain Cholet
NV CREMANT D'ALSACE BRUT "Cuvee Manekineko” Clement KLUR
SOLERA RATAFIA DE CHAMPAGNE HENRI GIRAUD
2007 MEURSAULT DOMAINE MICHEL CAILLOT
2009 GEVREY-CHAMBERTIN "VIEILLES VIGNES Age 55” FREDERIC MAGNAEN
2002 GEVREY-CHAMBERTIN "CLOS DES ISSARTS” PREMIER CRU DOMAINE FAIVELEY

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ワインコース 70000円/5人
ワインは事前に自分で持込んで、料理をワインに合わせてもらうというコース。
アミューズ 帆立のプリン 紫雲丹と毛蟹のカクテル
オードブル 駿河湾産天然真鯛のクリュ 長崎県産地蛸と勝浦産雌貝鮑にその肝のソース ポアブルベールの香り
オードブル ローストした和牛ハツとゼストオレンジのコンフィ フォアグラのソテーとトリュフ風味コンソメジュレ
オードブル トピナンプールのクリームとラングスティーヌのポアレ スモークした黒胡椒とベーコンのエマルジョン
ポアソン アズキハタのロティ 江戸前アサリと黄柚子のナージュ
桃のグラニテ
ヴィアンド 青首鴨のロースト 生姜とエシャロットのソース
デセール 丹波産 石鎚の渋皮煮を包んだ焼きモンブランと五香粉のアイスクリーム ピスタチオソース
プチフール
カフェ マリアージュフレージュ

持込みワイン 7本/5人

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場所は南麻布の住宅街の真ん中にあるデザイナースマンション。エントランスは裏側に回ったところにあり、オートロックで部屋番号を押す時点で、特別感はトップギアに入る。最上階に上がると、ホールではうら若き美人オーナーがにこやかに迎える。玄関ドアを開けて招き入れられると、そこは東京タワーのライトアップを目の前に見渡すリビングルーム。スケルトンのインドア階段を上がると、目前に現れる寛ぎのダイニングキッチン。オープンカウンター5席だけの極上空間。テーブルセッティングは季節の設え。春夏秋冬の飾り付けに惚れぼれする。料理は素材を活かし、なお且つワインに合わせることを最優先する。季節の素材は欠かさない。日本各地、フランス各地の旬の組合せはバランス感覚の妙。ワインには北から南まで、例えばブルゴーニュにはブルゴーニュに合う、ボルドーにはボルドーに合う料理が用意される。フォアグラひとつとっても、そのアレンジは多様な切り口。カウンターでのサービスのパフォーマンスも、オーナーの美しい動きを見ているだけで楽しい。ワインはシャンパーニュ、ブルゴーニュを中心に、何でも揃っている。オーナー、シェフの2人がソムリエ資格を持っているので、ワインのセレクトは阿吽の呼吸。持込みコースもお奨め。5人貸切、料理と持込み料を含んで7万円。何本でも持ち込める気軽なコース。

持込みワインに合わせるお任せコース 70000円/5人
アミューズ 鮎のリエット コンソメのジュレとジャガイモのムース
オードブル 冷製フォアグラのカルパッチョ 杏とセロリのピューレ 長野パープル
オードブル 紫ウニ イクラ キャビア リコッタチーズ グリンピースのスープ掛け
オードブル リードヴォーとスモークしたオマール海老のポワレ グリーンアスパラガスとフォンドヴォーのソース
ポアソン 日向灘のヒラスズキの鱗焼き ツブ貝と白ウド ジュンサイの軽いソース 海葡萄のアクセント
グラニテ ミントと青りんご
ヴィアンド 2週間熟成させた北海道産の夏雌鹿のロティ フランボワーズと黒胡椒のソース
デセール 桃のコンポート ブランマンジェ トロピカルフルーツの炭酸ムース
カフェ ハーブティー
プティフール チョコレートのガナッシュ エピスのクランブルとグレープフルーツとローズマリーのコンフィ ローズのマカロン ブラックオリーブのコンフィ

Degrege2010 CHAMPAGNE BRUT NATURE Sans Ajout De Soufre DRAPPIER
2010 Alsace Grand Cru Gewurztraminer Altenberg de Bergbieten DOMAINE ROLAND SCHMITT
2002 MEURSAULT CLOS DU CROMIN JEAN LEFORT
1998 MAZOYERES-CHAMBERTIN GRAND CRU DOMAINE CAMUS PERE ET FILS
1999 ECHEZEAUX GRAND CRU LIGER BELAIR

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南麻布の閑静な住宅街の一角に、築数年のお洒落なマンション。最上階のペントハウスは、吹き抜け階段のあるスキップフロア。玄関を入るとゆったりソファーのリビングでウェイティング。吹き抜けの階段を上がると、そこはカウンター5席、極上のダイニング空間。1日5人限定の超こだわりダイニング「エクアトゥール」。本日は「葡萄党港支部新春ワイン会」。葡萄党の党首、その他党員合せて5名。エクアトゥールでの「葡萄党食べログ支部」結成式のレビューを、食べログで見た党首のリクエストによりこの店で開催。1週間前に届けて置いた持ち込みワインは、「1995 ルフレーヴ ピュリニー・モンラッシェ・レ・コンベット」、「1997 ブシャール シュバリエ・モンラッシェ」、「1987 ルモワスネ グラン・エシェゾー」、「1994 マルタン・ノブレ エシェゾー」など6本。いずれ劣らぬ最高レベルの飲み頃バックヴィンテ-ジ。さすが党首が来る時の気合いの入り方。 

コースは前回同様、「持込ワインに合せたお任せコース 新春バージョン 70000円/5人 
アミューズ レンズ豆とトリュフのスープ
こんなに美味しくレンズ豆を仕上げるシェフはそういない。トリュフの香りと絡み合って、シャンパーニュのための完璧な皿。いきなり素晴らしい。 
オードブル 毛蟹のエフィロッシュとホッキ貝のマリネ、赤ピーマンのクーリ 
ほぐした毛蟹の蟹肉とホッキ貝が交互に丸く並び、上には可愛らしい野菜にイクラとキャビア。見た目の美しさにうっとり。ホッキ貝が美味しく、あっと言う間にシャンパーニュから白ワインに交代。シュバリエ・モンラッシェからとはあまりに贅沢。 
オードブル オマール海老のラビオリとそのエッセンスを使ったソース、マテ貝とともに
濃厚なオマールの味わいがラビオリの食感の中から。美味しい。オマールのソースとマテ貝が絡み合って、舌の上で踊る。合せるワインはルフレーヴの熟成プルミエ・クリュ。この世の快楽の頂点を極めた感。 
ポアソン オウモンハタのロースト ドライノイリー酒とブールノワゼットの香り 
これは今日一番印象に残る料理。オウモンハタってこんなに美味しいのかと驚く。初めての体験。皮はかりっと、白身は柔らかく、あっさりした味わいの中にも旨味が凝縮され、ほんのり甘みさえも感じられる。さすが刺身でも、ぷりっぷりな高級魚のオウモンハタ。ドライノイリー酒が効いているのか。こんなに狭いマンションのキッチンで、どうしたらこんなに素晴らしい火入れと味付けができるのだろう。流石と唸る。それにしても、こんなに美味しい魚。ルフレーヴ飲みながら食べるとは、バチでも当たらないと良いが。  
フォアグラ スモークしたフォアグラロールキャベツとトリュフのエマンセ 
今流行りの草食系に見せかけた肉食系女子の様相のフォアグラ。たっぷり黒トリュフの香りを楽しみながら、柔らかで軽い甘みのキャベツの中から絶品フォアグラが美味しい。合わせるのはロワールの生原酒のような白濁した白ワイン。こんな面白い甘口ワインが世の中にあるのだろうか。この珍しいワインにフォアグラを合せるため、わざわざ甘みを感じるキャベツで巻いたのだおうか。だとしたら凄過ぎる。 
グラニテ ベルベーヌとライムのグラニテ 
ヴィヤンド 穀物飼育のプレミアム仔羊のロティ ジュードアニョーとニンニクのピュレ ヴィネグレットエルブと春野菜 
仔羊の肉が珍しい味わい。穀物飼育というのは肉の味を濃厚にするのだろうか。全く臭みのない仔羊。軽くニンニクを効かせた仔羊のジュで柔らかい肉が引き立つ。回りにちりばめられた春野菜も季節を感じさせてくれる。飲み頃バックヴィンテージ、グラン・エシェゾーとエシェゾーのための料理。仔羊で何の不足もない。ワインの美味しさが、何倍にも増幅された感じで、感謝、感謝。 
デセール あまおうとブラックベリーのスープ仕立て 4種のベリーソルベとアプリコットの炭酸ムース 
こんな素敵なデセールを、これだけワインを飲んだ後に見せられるとは。勿体ないとしかいいようがない。 
カフェ マリアージュフレール ブルボンバニラ この店、お決まりのパターン。 
プティフール 金柑のパスティス漬けと三河のホオズキ そして金柑で〆め。 

またも素敵なワインたちに合せた完璧なマリアージュ。素晴らしい料理を小さなキッチンから次々繰り出すシェフと、うら若き美人オーナーのコンビネーション。この特別感は他では味わえないフルオーダー感覚。今宵も素敵な宴の場をありがとう。 

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最近ワイン仲間になった方の誘いで、いつもの仲良し5人組みが集まった。ワインは持込。泡、白、赤2本、飲み頃を選んで2週間前に自宅からお店に宅急便で送ってある。さながら葡萄党食べログ支部の結成式。お店にも大きなセラーと奥にサブのセラーがあり、ソムリエ資格を持つ若く美しい女性オーナーが厳選したブルゴーニュ中心のワインが沢山揃っている。従ってわざわざ持ち込む必要はない。今回は幹事より、是非、葡萄党幹事長厳選のワインとこの店の料理を合わせたいとリクエストがあり、恐縮ながらワインは全て持ち込みでお願いした。 

持込みワインに合せたお任せコース 70000円/5人 
ワインは何本持ち込んでも構わない。今回は事前に送ってあったワインに合せた特別コースを、オーナーとシェフで演出してくれた。感謝に堪えない。まずは泡から。 

2002 クリスチャン・エティエンヌ シャンパーニュ・ミレジム 
NMなら、コスパ・ナンバーワン・シャンパーニュとして有名な泡。そのミレジム。しかも希少な2002年。これに合せる料理がスタート。 

美食へのいざない 
砂糖を一切使わない人参のスープ カカオの香り 白身魚と小海老の焼きサンドウィッチ トリュフ添え 
人参とココア味の組合せでシャンパーニュ。いきなり来たという感じ。あっさりと美味しい、人参とは思えぬスープ。ちっちゃな焼きサンドもぷりっと美味しい。おまけにトリュフの香り、複雑な香りが絡み合う幸せな一瞬。 
季節のアントレ 
マグレ鴨のスモークで巻いたマンゴーとネセロリのプレスオマール 春野菜のサラダ バニラドレッシング 
マグレ鴨とオマール海老の折り重なる味わいが素晴らしい。これで一気にシャンパーニュが無くなりますね~。この美味しいミルフィーユを乗せられたキャビアが引きたて、添えられた秋なのに春野菜の甘みがまた、たまりませんね。熟成ムルソーを開けて合わせる。ソムリエールでもあるオーナーが、素敵な手さばきでコルクを抜く。グラスの長い足も、オーナー同様に美しい。今日は酔い過ぎそう。 

1985 ドメーヌ・ジャン・デュポン ムルソー・クロズリー・デ・ザリジエ 
1985年のムルソーも稀少価値狙い。シナモンと蜂蜜香が熟成の極みで見せる軽い酸味。合せる料理は何か。 

熟成ムルソーのためのアントレ 
豚の3種の部位を使った島根産白烏賊のポアレ 万願寺唐辛子とカレー風味のカリフラワーピュレ 蛤のチップ 
温かくて甘い白烏賊が美味しい。豚足や豚耳などを合せている。万願寺唐辛子の泡仕立ても面白く、添えられたジロール茸が、なんともムルソー。 
フォアグラ 
スモークした牡蠣とフォアグラ ジロール茸のソテー マッシュルームスープ仕立て 
秋の夜長のジロール茸攻め。牡蠣とフォアグラを同時に同じ皿で食べるのも初体験。ムルソーのためのフォアグラ。 順調なワイン会、この結婚式のような皿がその象徴。続いて本日3組目のマリアージュへと。 

1999 ドメーヌ・カミュ マゾワイエール・シャンベルタン 
これは何度も飲んでる鉄板のグラン・クリュ、マゾワイエール。シャルムを名乗れる畑で敢えてマゾワイエールに拘るカミュ爺渾身のワイン。1999年も残り少なくなってきたと言われるが。 

熟成赤ワインのための海の恵み 
長崎産カサゴのポアレ チョリソーとキャベツ レモンと生姜のナージュ仕立て 
なんと魚を合わせて来た。これは驚く。チョリソーと甘いキャベツを使うことで、赤の熟成グラン・クリュに合せたとのこと。レモンと生姜の海を泳ぐ長崎のカサゴ。
カクテル仕立ての口直し
これなら口直しなしでも、肉に行けてしまう。本日のメイン・イベントはヴォーヌ・ロマネの巨匠。 

2005 ドメーヌ・プリューレ・ロック ヴォーヌ・ロマネ・レ・クルー 
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティの共同経営者で有名な元祖自然派、プリューレ・ロック。その最もコスパの優れたレ・クルー。そして近年最良の2005年。メイン・イベントに合わせる料理は何か。その前にサブ・イベント。使うナイフを自分で選ぶ。ラギオールの6色のナイフ。好きな色を。 

ヴォーヌロマネに合わせたお任せ肉料理 
フランス産ピジョンラミエのロティ 赤ワインソースとネセロリのピュレ 内臓のパテ添え 
フランスの山鳩。自然派ヴォーヌ・ロマネとピジョンラミエ。嬉し過ぎるマリアージュ。材料費、いったいいくら掛けたのか。内臓のパテも美味しい。これだけで飲めてしまう。 
デセール 
とろける焼きモンブランのキャラメリゼ サンクエピスのアイスクリーム ピスタチオクーリ 
そびえるモンブランの頂上にアイスが乗っている。 
カフェ マリアージュフレール ブルボンバニラ 
紅茶はマリアージュフレール各種の缶の香りを楽しんで、好きな缶を選べる。楽しい演出。シェフが大好きと言うブルボンバニラで全員決定。オーナー曰く、初めて出たとのこと。 

しめて4組の完璧なマリアージュ。オーナーのみならず、シェフまでソムリエ資格を持つ完璧なワインのためのレストラン。心を奪われる。また来たいと誰もが思う。素晴らしいインテリアと、ワインに合わせた最高の料理、美しいオーナーの肌理の細かい心使い、そして何より気心の知れた身内だけでのゆったりとした時間。一昔前に流行った会員制レストランのお洒落コンパクト版。このお店のコンセプトにもやられてしまった。蛇足だがオーナーと名刺交換をすると、オーナーとシェフがビックリして目を丸くしていた。何かあるのか。先日、御社の会長と社長、グループ会社の役員たちが来て、マンションの下の路上に黒塗りをずらっと並べ、運転手を待たせて食事会をしてくれた。社長夫妻はその後も来ているとのこと。こっちこそビックリ仰天。  

  • ラカン産ピジョンラミエ 赤ワインのソース
  • 黒アワビと椎茸 黒アワビの肝のジュレ
  • ウニ 甲殻類のムース コンソメのジュレ

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9位

モナリザ 丸の内店 (二重橋前、東京、大手町 / フレンチ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2013/01訪問 2013/02/03

皇居の彼方に摩天楼の夜景

丸ビル建て替えから10年。この店の開業も同じ年。恵比寿の本店と供にミシュランの星を持つ、東京駅近辺では貴重な店。最近はウェディングも多く、サービスの人数は多いが、以前に比べるとホスピタリティは薄まっている。この店のスペシャリテは皇居の先の摩天楼の夜景とシェフの絵心。モナリザのレプリカに迎えられ、美術館のようなインテリアと絵画の中での食事は、シェフの趣味と言う手作り感満載の食器と供に、その雰囲気が一番のご馳走と思わせるに十分。


タイユヴァン時代のロブションで初代日本人シェフとなった腕は、伝統的なフレンチの技を極めている。肉の火入れも丁寧に時間をかけ、満遍なく柔らかくなっていて、焼き過ぎてもいない。今回の仔羊の香草風味ソテーも良い色が保たれ、いかにも火入れに自信を感じる。セージのソースが羊らしさとうまく調和して、羊と言うより牛に近い旨みと食感。赤ワインに合う。


泡はブルーノパイヤールが嬉しい。しかもグラスは相当の大盛り。白、赤のグラスワイン品揃えは、相変わらずマイナーなセレクション。これで買い得感がもう少し加われば申し分のないところ。


場所は東京駅前、丸ビル最上階の36階。このフロアにフレンチはこの店1軒しかない。レストラン階行きエレベーターに、東京駅直結の地下通路から上がると、東京駅の反対側にある。

店のエントランスにモナリザのレプリカ。

店内は真っ白なインテリアが眩しい。いかにもレストランウェディングを意識している。確かにこの夜景の中での結婚式は魅力的。


伝統的なフレンチを基本に、シェフのオリジナリティ豊かなビジュアル志向。皿の派手バテしさが、折角の料理の凝ったビジュアルと重なってしまうのは惜しいが、ミシュランのポイントが高い理由は理解できる。


≪今回の料理≫

Menu A 7140円


アミューズ 下仁田葱とトリュフのタルトレット

アミューズ ジャガイモのムースリーヌ セップ茸のカプチーノ仕立て


オードブル 姫アワビと白インゲン豆のカスレ 色鮮やかなサラダ仕立て

ポアソン 帆立貝のラビオリ ウニとフカヒレのコンソメロワイヤル


ヴィアンド 仔羊の香草風味ソテー セージのソースとともに

モナリザネーム入りのパン


アヴァンデセール アイスクリーム

グランデセール

カフェ エスプレッソダブル


別途サービス料10%


≪今回のワイン≫

NV Champagne PREMIE CUVEE BRUNO PAILLARD 1785円/150mlグラス

2009 VIRE-CLESSE DOMAINE DE ROALLY 1050円/120mlグラス

2010 ALSACE PINOT BLANC BONHEUR CONVIVIAL RIEFLE 1680円/120mlグラス

2011 COX Pinot Noir 1050円/120mlグラス


別途サービス料10%


* * * * * * * * * *

≪過去のレビュー≫

丸ビル最上階の36階、天空のレストランミシェラン星付き、言わずと知れた丸の内を代表するフレンチ、「モナリザ」。東京駅前の星付きレストランと言えば、この「モナリザ」か、新丸ビルの「オーグードゥジュール」。いずれ劣らぬ人気店。 

先日、35階の「ブラッスリーオザミ丸の内」にお邪魔しましたが、36階の最上階に、フレンチはここモナリザ1軒だけです。オザミやオーグードゥジュールが東京駅ビューなのに対して、このモナリザは皇居・新宿ビューです。 

皇居の夜景は真っ暗で、その向こうの新宿の明かりが、あたかも九龍地区から香港島の摩天楼を見るような感じです。ウソっ!褒め過ぎ!?でもちょっと似ている(☆^)! 

本日は妻とフレンチでデート。千葉への帰りを考えると、この「丸ビル」、「新丸ビル」以上に便利な場所は他にありません。妻は「バブル世代」の「高い所の夜景好き」ですので、「丸ビル最上階」だけで喜んでいます。 

しかもモナリザのシェフは、まさにバブル世代の象徴、タイユヴァン時代の「ロブション」初代日本人シェフです。もう言うことはありませんね。

妻は料理の見た目の可愛らしさが好きです。このモナリザでは、食器もシェフのオリジナルでとっても可愛らしいのが売り。ワインもグラス、ボトルとも、結構充実しています。有り難い! 

「今日は何かの記念でしょうか?」マネージャーから質問。敢えて言えば、病気平癒でしょうか?すると、「そうですか!お酒は飲めますか?それではシェフからのプレゼントとのことです」と、お洒落なカクテルが!シャンパーニュにサクランボを漬け、ジュレを沈めたシャンパングラスのカクテル。素晴らしい、もうイチコロですね。

料理は、アミューズブーシュ、前菜2種類、魚料理、肉料理、口直し、デセールの「メニューB(11,550円/税・サービス料込/以下同様)」。妻は、「そんなに食べられません」と、魚か肉を選ぶ「メニューA(7,850円)」。 


/「サクランボを漬けジュレを沈めたシャンパーニュ」/美味しいですねー!シャンパーニュの肌理の細かい泡と苺ならぬサクランボって合うんですね。初めてです。底に沈んだジュレとシャンパーニュはまるでデセールです。 


シャンパーニュのおとも/「牛すね肉を挟んだ小菓子」/言われなければ中身が何だか全く分かりません。泡のおともに合います。「モナリザ」と名前が入ってます!☆ 

アミューズブーシュ/「稚鮎のフリット」/頭からいっても生臭さは微塵もありません。白ワインが欲しーい!妻のアミューズは、「ウドとキュウリのパスタ仕立て、冷製トマトスープ」です。ウドやキュウリが細く切られて、上からトマトのスープをかけてくれます。すっきり美味しい。これもちょっといい白ワインが必要ですね! 

アミューズブーシュのお皿はいずれもガラスの2枚合わせ。ガラスとガラスの間に、稚鮎には葉っぱで川の流れを表現。ウドとキュウリには花ビラを挟んで可愛らしい演出をしています。面白い! 


白ワイン/「ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン/マコン・ヴィラージュ/2006年」/これがマコン!?驚きの美味しさ。景色のせいではありません。エチケットにはドメーヌ・ラブネ・エ・フィスと書いてあります。しかし本当の造り手は、パーカー4つ星生産者「ボングラン」とのことです。美味しいわけだー☆ 


前菜/「フランス産ホワイトアスパラとサーモンのパナシェ、リュバーブ・ソース」/いよいよ旬も最後のホワイトアスパラ。サーモンと盛合せ。レモンの香りのリュバーブ・ソースと歯応えのある新鮮なアスパラが美味しい。 

前菜/「海の幸、山の幸、春の息吹のモンタージュ」/一番上には蛍烏賊。これが全体の味を支配してますねえ。桜海老のフリットがマコンと良く合います。山菜はゼンマイなどいろいろ。ワカメもあります。それらがタルト生地の上にデセールのように盛り付けられ、見た目が「山」のようなので「モンターニュ」! 

妻の前菜は、「アボガドのテリーヌと初ガツオのたたき風、サラダ仕立て」と、「空豆のスープと山菜、帆立貝のグリエ、チーズ風味の淡雪とともに」。いずれも素材を最大限活かした、あっさりとした味付けです。 

パンは2種類フルーツの酵母のパン。噛めば噛むほど味わいが・・・!割と皮がモッチリした硬さで食べやすくて美味しい。イタリアンのようにオリーブオイルバルサミコ酢が出ます。2重のガラス瓶の回りにオイル、中にバルサミコ。面白い瓶で、明るい女性スタッフが、お皿に注いでくれます。電動式でスパイスもかけてくれますが、ちょっとうるさい!? 

蛍烏賊や初ガツオにいける白ワインはありますかねー! 


白ワイン/「ドメーヌ・レ・オート・ノエル/ミュスカデ・コート・ド・グランリュ/2007年」/うちのワンちゃんと同じ名前「ノエル君」の造ったミュスカデ。親近感がわきますねー!と思ったら造っている人の名前は「セルジュ・バタール」。これがロワールのミュスカデ100%!?全く未知の味わい。マネージャー、「ビオの造り手なんです」。ビオのミュスカデは確かに初めて聞きます。でも美味しいー!☆ 


魚料理/「メバルと旬の貝類、トマト・コンフィのファランドール、新芽のハーブとともに」/剥き身となったハマグリが、自家製ドライトマトの味に重なり、しかもコンソメが美味しいです。新芽のハーブもいろいろ。ディル大葉!?青梗菜!?おまけにハッカクの香りも!?何を食べてもハッカクの入っていた、先日の台北旅行を思い出しますねー。 

肉料理/「宮崎産地頭鶏とオマール海老の春キャベツ包み」/オマールと鶏を一緒にキャベツで巻いてます。このままビオ・ミュスカデでいけちゃいますね。妻のメインは、「大自然で育ったオージービーフのグリエ、アンチョビとレモンの香りで」です。表面を強い上火用のサラマンダーで焼き上げカリカリに。西洋山葵が効いてます。これはボルドーでしょう! 


赤ワイン/「シャトー・レ・トロワ・クロワ/2008年」/ムートンの醸造責任者「パトリック・レオン」が造るボルドー、フロンサックの掘り出し物。これは美味しい!メルロ9割フラン1割のセパージュ。素晴らしいです! 

胸に大きく立体的なガラスの葡萄のブローチを付けた支配人。シニア・ソムリエの金バッチとは違いますねー。「2年前にシニアを取りましたが、お客様から頂いたこの葡萄のブローチを付けてます。あの金バッチの方はちょっと・・・」と支配人。お客様志向です。 


口直し/「フルーツのスープ仕立て」/マンゴーのスープです。クリームのゼリーも美味しい。口直しと言うか、デセールですね。このお店の食器は全てシェフのオリジナル柄。このお皿のクローバーの柄も、1本だけ四つ葉のクローバーが隠れているそうです。見つけると幸せに!?すぐ見つかりました(☆^)! 

本日のデセール/お皿も中身も、男女で(!?)違います。こちらは時計のお皿。シェフの生年月日入り!?同じのはクレームプリュレだけで、あとは似ていますがみんな違います。楽しいー!例えばこちらにはバナナのタルト。妻のタルトは洋梨。男子はバナナ好き!? 

お腹いっぱいで珈琲紅茶を頂いていると、アイスクリームです。サプライズ。しかも支配人、「何のアイスか当ててみてください」とお茶目。2つずつですが、みんな違うお味ですね。こちらは紅茶のアイスと柑橘系?なんだろう?妻の方は2つとも全く分かりません!なんじゃいこれはー、という感じ。支配人から答え、「紅茶、正解です。もう1つはオレンジ。奥様の方はスミレです。もう1つは・・・」、教えて~。「フォアグラです」とのこと。 

結局アイスまで食べて動けなくなっていると、最後に冷たいハーブティー。至れり尽くせりでビックリ。ハーブティーの香りを妻と話していると、マネージャーがブレンド茶葉をそのまま持ってきてくれました。バラの花びらドライフルーツが入ってます。解決。痒い所に手の届くお店。 

お行儀悪く、味見のために妻とお皿を交換しようとしようものなら、あちこちから3人くらい飛んで来て、「失礼しました」と謝られちゃいます。それを繰り返すと、取り分け用の、しかもちゃんと料理に温度を合わせたお皿を最初から出されちゃいますー。嬉しいような、有難いような、恥かしいような・・・。 

ゆったりしたテーブル間隔で、東京駅前最上階の夜景に浸りながら、至れり尽くせりのサービスハウスウェディングで人気なわけです。この日は、個室で接待も行われてました。ここなら接待して貰いたいですね。 

帰りはお店を出て、エレベーターホールに曲がるまで、支配人がずーっとお店の前で見送ってくれました。今時なかなかない、心温まる素敵なお店です。

  • 姫アワビと白インゲン豆のカスレ 色鮮やかなサラダ仕立て
  • 下仁田葱とトリュフのタルトレット
  • ジャガイモのムースリーヌ セップ茸のカプチーノ仕立て

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10位

コム・ア・ラ・メゾン (赤坂、溜池山王、六本木一丁目 / ビストロ、フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2010/12訪問 2014/11/27

フランス南西地方のワインと料理

オープンして間もなく10年。フランス南西地方のワインと料理専門のビストロ、コム・ア・ラ・メゾン。オーナーシェフは、今パリで話題のビストロ的美食処、ビストロノミーの日本における先駆者中の先駆者。いろいろあって2年振りに伺った。初めてお邪魔したのは10年前の開店当時。以来8年間通っていた。最低週1回、多い時は毎日のように。あのころは夜中1時まで仕事をして、乃木坂の会社から徒歩10分なのにタクシーで。5年前に会社が赤坂に移転、徒歩3分に。当時、店が深夜3時までやっていたので、本当に便利に使わせて貰っていた。久々に入ると店の雰囲気がなんか違っている。オーナー曰く、お久しぶりですが、お噂は聞いてました。お元気そうで何よりですとのこと。赤坂を歩くとみんなから言われる。別に塀の向こう側に行っていたわけではない。皆さんには、ご心配をおかけして申し訳ない。またお邪魔させて頂けることになって良かった。店は外観も内装も、メニューも、ほとんど変わっていない。しかし以前とは何かが違う。オーナー曰く、以前と変わったのはお客様です。男性の2人組や、会社帰りのスーツ組、中には男性1人の通も多かったのに、最近は女性のお客様が圧倒的。先日は女性だけで満席でしたとのこと。確かに、いつも仕事帰りの真夜中に、ホテルに行く前の部下たちを連れて来ていた。夜中3時に食事を終えて会社に戻ることもあった。今なら労基署が黙っていない。しかし今日は、女性3人組とカップルに。我々が浮いている。この店はそんな店ではなかったはずなのに。一番変わったのはオーナーの笑顔。前は笑っているところをほとんど見たことがなかった。丸くなったのは明らか。客層が女性に入れ替わったのもその辺が理由かもしれない。ワインはグラスで白、赤とお願い。久しぶりに南西地方を堪能させて貰うことに。料理はいつものラタトゥーユ(1000円)とシャラン産鴨の心臓の串焼きニンニク風味(1500円)。この店のラタトゥーユは絶品。どこより美味しい。シャラン産鴨の心臓は、注文してから1時間近くは待つ覚悟が必要。3回の火入れはどれも微妙なタイミングが絶対で、知らないと忘れられたのではないかと思うころに出てくる。味は最高。他にない味わい。究極の拘り。食べると心臓が丈夫になりそうな気がする。パンは近所のマキシム・ド・パリのパン屋から入れているとのことで、なかなか美味しい。以前は違う店から入れていた。白ワインのグラスはベルジュラック。東部のドルドーニュ河沿岸。シャトー・ラ・レイユ2009(6000円/1本)。コストパフォーマンスの良いワインを探している。セミヨンが効いた、ソービィニヨン・ブラン特有の軽い酸味との組合せがラタトゥーユに良く合う。赤は濃いところで、いつもの南西地方、カオールのシャトー・ド・オートセール(8500円/1本)。これもグラスでお願い。以前は1990年代だったように記憶しているが、今日は2005年。黒ワインとさえ言われるカオール。いい感じの渋み。この店で南西地方のワインを教わった。当時、日本でこれほど南西地方に固執する店は他になかった。料理やワインの産地を、ホール担当の新人がフランス全図を広げて説明してくれる。新しいサービス。丸ビルのサンス・エ・サブールでソムリエがやってくれたのと同じで、思わず微笑んでしまう。そう言えば、いつもの彼がいない。オーナーとずっと2人3脚で店を切り盛りしていた彼。昨年12月から、フランスに修行に出ていますとのこと。ずっとフランスに行きたいと言っていたのを思い出す。ついに行けたようだ。帰国が楽しみとなった。まだ心臓は焼きあがらない。もう1杯グラスで赤を。軽い奴ということで、シャン・トマゾーのヴァン・ド・ペイ・ド・ラジャネ・シャンテリ2008(6000円/1本)。音符の絵柄がやけに可愛らしい。やっと夢にまで見た心臓とご対面。ほんとに美味しい。柔らかくてジューシー、ニンニク風味がうっすら効いていて、いくつでも食べられる。グラスワインは、800円~1000円]程度。ラタトゥーユと心臓を合せても6千円かからない。真夜中のお共に最高の店だったが、どうも店の雰囲気が変わってしまってしっくりしない。営業時間も真夜中は止めたとのこと。時代の流れを感じる。

  • ラタトゥーユ
  • シャラン産鴨の心臓の串焼きニンニク風味
  • パン

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