2回
2020/11 訪問
日本を代表する老舗ホテルのフレンチ
本日のヴィアンドはウズラのパイ包み焼き。ウズラの中にはフォアグラと黒トリュフ。香り、食感、味わいの全てがブルゴーニュピノノワールとマリアージュ。ピノノワールに最も合う食材のオールスターが、クリーンナップトリオを組んでいるかのような素晴らしい1皿。カボスのピュレの酸味とサルミソースの自然を感じる味わいのバランスも申し分がない。パイにナイフを入れた瞬間の香りも期待通り。サクッとした中から旨みたっぷりのウズラ肉。その中にオールスター。全てが嬉し過ぎる仕上がりとなっている。
オードブルはカンパチのマリネ。昆布出汁を使ったジュレが日本らしさを仄かに感じさせる。ピスタチオと昆布のジュレに浮かぶ軽いマリネと、脂の乗ったカンパチの組合せが美味しい。米、ピスタチオの食感もアクセントになって印象的。穴子のフリットも天麩羅のようなサクサクさ加減が素晴らしい。蕎麦のババロアの上にはジロール茸が秋らしさを添えている。レモンの酸味が全体のバランスを整えていてトータルに美味しい。
フロマージュの品揃えが素晴らしい。ワゴンで運ばれるフロマージュは、ソムリエバッジを付けるフランス人の超イケメンメートルがサーブする。ホールスタッフの多くがソムリエ資格を持つのもさすが。イケメンソムリエお勧めのフロマージュは48ヶ月熟成のコンテドフロマージュ。48ヶ月を常備するのは世界の一流ホテルでもこのホテルくらいではないだろうか。ワインが止まらなくなる美味しさ。
乾杯のシャンパーニュはこのホテルのハウスシャンパーニュでもあるドゥーツ。特級村で創業180年を超す、これ以上ない老舗メゾンのエクストラブリュット。繊細かつ上品な香りと味わい。カンパチには帝国ホテルオリジナルの甲州。さすが日本を代表するホテルの日本を代表するワイン。刺身のようなカンパチにぴったり。穴子にリュリー、ウズラにショレレボーヌ。いずれも作り手はブルゴーニュの名ドメーヌ。そして仕上げは熟成コンテにヴァンジョーヌ。完璧なワインペアリングに何も言うことがなくなる。
ホテルのフレンチでありながら、ミシュランの星を維持する名店。130周年を迎え14代目のシェフが就任。フランスを代表する名人ヤニックアレノやアランデュカスの愛弟子であるシェフの料理は、クラシックを基本に日本とフランスの食材、日本とフランスの技法を融合して絶妙なバランスを取った完成度の高い新しい料理。合わせるワインのマリアージュの完璧さも、恐るべきチーズのバリエーションもさすがとしか言いようがない。メートルやソムリエの対応も教科書のような見事さ。このレストランもホテル同様に、日本を代表するレストランであることは間違いがない。
LUNCH 3PLATS 7900円
オードブル カンパチのマリネ
ピスタチオと昆布出汁のジュレ
米とピスタチオのフリット
ポアソン 穴子のフリット
ジロール茸と蕎麦のババロア
レモンのジュレ
ヴィアンド ウズラのパイ包み焼き
フォアグラ 黒トリュフ
カボスのピュレ サルミソース
パン 自家製パンデミ
四万十川のアオサのパン
デセール モンブラン
ラムのメレンゲ 栗のクリーム
チョコサンド 栗のアイスクリーム
カフェ エスプレッソダブル
プチフール マカロン
フィナンシェ ヌガー他
ショコラ プチガトーショコラ
オレンジピール他
フロマージュ 3600円
コンテ 48ヶ月熟成
シャロレイ ブルゴーニュ山羊
フランボワーズとルバーブのソース
NM CHAMPAGNE EXTRA BRUT
DEUTZ 2750円/120mlグラス
2018 Kyoutou Koshu 峡東
IMPERIAL HOTEL & ARUGA
2530円/120mlグラス
2015 RULLY "Les Saint-Jacques"
FRANCOIS D'ALLAINES
2420円/120mlグラス
2017 CHOREY-LES-BEAUNE
DOMAINE TOLLOT-BEAUT
2420円/120mlグラス
2010 Vin Jaune
ARBOIS 2200円/120mlグラス
別途サービス料10%
ウズラのパイ包み焼き フォアグラ 黒トリュフ カボスのピュレ サルミソース
カンパチのマリネ ピスタチオと昆布出汁のジュレ 米とピスタチオのフリット
カンパチのマリネ ピスタチオと昆布出汁のジュレ 米とピスタチオのフリット
穴子のフリット ジロール茸と蕎麦のババロア レモンのジュレ
穴子のフリット ジロール茸と蕎麦のババロア レモンのジュレ
穴子のフリット ジロール茸と蕎麦のババロア レモンのジュレ
ウズラのパイ包み焼き フォアグラ 黒トリュフ カボスのピュレ サルミソース
ウズラのパイ包み焼き フォアグラ 黒トリュフ カボスのピュレ サルミソース
ウズラのパイ包み焼き フォアグラ 黒トリュフ カボスのピュレ サルミソース
自家製パンデミ 四万十川のアオサのパン
フロマージュ コンテ 48ヶ月熟成 シャロレイ ブルゴーニュ山羊 フランボワーズとルバーブのソース
フロマージュ コンテ 48ヶ月熟成 シャロレイ ブルゴーニュ山羊 フランボワーズとルバーブのソース
モンブラン ラムのメレンゲ 栗のクリーム チョコサンド 栗のアイスクリーム
モンブラン ラムのメレンゲ 栗のクリーム チョコサンド 栗のアイスクリーム
カフェ エスプレッソダブル
プチフール ヌガー フィナンシェ
プチフール ガトーショコラ オレンジピール
インテリア ウェイティングルーム
インテリア メインダイニング
エントランス
2021/03/05 更新
2015/05 訪問
日本の誇るグランメゾン
日本のグランメゾンと言えばまず頭に浮かぶクラシックの殿堂。帝国ホテルはいつになってもそのブランド価値を保っている。その理由の一つがこの店と言えるのではないだろうか。3代に渡る馴染み客たちでいつも満席となっているフレンチは、日本ではこの店だけかもしれない。今回も親子連れや老夫婦を中心に満席。グランメゾンらしいクラシカルな空間に笑い声が絶えない。明治の初めに丸の内界隈で始まった日本フレンチの歴史が、リバイバルされたテレビドラマを見なくても、この店では脈々と続いている。この店では赤ワインソースに彩られる牛フィレ肉のような、最もオーソドックスな料理が似合っている。ビジュアルや火入れを重視するモダンフレンチとは対極にある料理の数々。フランスから日本に入り、長い時間を掛けて日本らしさを加えてきた職人技が、美味しくないわけがない。ミシュランの星を獲り続けているのも理解できる。濃厚に煮詰められた赤ワインソースに浮かぶ、しっかりと火入れされた国産牛フィレ肉。肉そのものの味わいを如何なく引き出している。骨髄のエキスが効いている。帝国ホテル風と呼ばれる料理はたくさんあるが、まさに牛フィレはそんな料理。アミューズの生姜ババロワがシャンパーニュの供にぴったり合っている。オマールの中のオマール、オマールブルーの食感と奥深い味わいにも感動する。林檎とともにシトロネルジュレに閉じ込め、ビジュアルも珍しくモダンを取り入れたこの時期のスペシャリテ。ポルト酒のセロリコンフィも美味しい。ブータンノワールは白玉葱のロワイヤル仕立て。中に入ったいろいろな種類の貝が、何とも言えず美味しい。しっかりめの白ワインと素晴らしくマリアージュする。クネルの中身はたっぷりの毛蟹。オマールも良いが、やはり日本では毛蟹が王者。エスプーマされたソースに浮かび、旬の菜の花と供に文句なしに美味しい。ワインはボランジェのミレジメが秀逸だった。さすが帝国ホテルの管理は違う。まさに理想の状態。オマールや毛蟹にはヴーヴレイを勧める。牛フィレに合わせるのは、アイルージュとボルドーのコンビネーション。この2つの飲み比べも楽しかった。場所は東京メトロ千代田線、日比谷線、都営三田線の日比谷駅を新橋寄りに出て直ぐ。日比谷公園とJR山手線の間にある高層ビルが帝国ホテル。その中2階の在る。重厚で広々とした室内に、ゆったりと配置された丸テーブル。隣の会話も聞こえない距離感がグランメゾンの真価。インテリアもオーセンティックなクラシック。支配人がちょくちょく顔を出して、いかがですか、お口に合いますか、と気遣うところも帝国ホテルならでは。2、3卓ごとにゾムリエが付き、これでもかと言う肌理細やかなサービス。このグランメゾンが日本の誇りであることは、誰でも認めるところではないだろうか。
シェフにお任せコース 20000円
マッシュルームのシャンパンクリーム包み 生姜のババロワと白ワインゼリーパイ
オマールブルーの林檎とシトロネルのジュレ寄せ セロリの白ポルト酒コンフィ
玉葱のロワイヤルとブータンノワール さまざまな貝とミスカジュレと一緒に
毛蟹のクネルと菜の花
厳選国産牛フィレ肉に赤ワインを香らせて モワル添え
カリカリにしたカフェ 山崎のガナッシュショコラ
カフェとショコラ
2004 CHAMPAGNE GRAND ANNEE BOLLINGER 4500円/120mlグラス
2013 VOUVRAY Bernard Fouquet 2200円/120mlグラス
NV AY-ROUGE GOSSET-BRABANT 3500円/120mlグラス
2007 Chateau Puygneraud 1500円/120mlグラス
別途サービス料10%
厳選国産牛フィレ肉に赤ワインを香らせて モワル添え
マッシュルームのシャンパンクリーム包み 生姜のババロワと白ワインゼリーパイ
オマールブルーの林檎とシトロネルのジュレ寄せ セロリの白ポルト酒コンフィ
玉葱のロワイヤルとブータンノワール さまざまな貝とミスカジュレと一緒に
毛蟹のクネルと菜の花
厳選国産牛フィレ肉に赤ワインを香らせて モワル添え
厳選国産牛フィレ肉に赤ワインを香らせて モワル添え
厳選国産牛フィレ肉に赤ワインを香らせて モワル添え
ミニバケットとバター
カリカリにしたカフェ 山崎のガナッシュショコラ
カフェとショコラ
エントランスホール
2019/01/29 更新
創業130年を迎えた日本を代表するホテルと言える帝国ホテル。昨年シェフが交代し、14代目の総料理長が誕生した。第14代シェフはフランスの老舗ホテル、ミシュラン3つ星ムーリスのメインダイニングで6年間ヤニックアレノやアランデュカスに師事。シュフを勤めたあと帰国し、渡仏前に所属していた帝国ホテルに3年前に復職している。日本を代表するホテルのメインダイニングとなるこの店のシェフに、フランスを代表する名人たち直属の弟子が就任。130周年の節目を迎えるこのホテルの新たな歴史をスタートさせている。
2020/11/24 更新