葡萄党幹事長さんが投稿した竹千代(石川/野町)の口コミ詳細

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葡萄党幹事長 (60代後半・男性・東京都) 認証済

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移転竹千代野町、北鉄金沢、金沢/日本料理、おでん

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2015/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

香林坊で至福の香箱蟹

地元食通からは、金沢の隠れ家とも、金沢の秘宝とも言われる知られざる名店。カウンター6席、1日1回転だけの限られた特等席は、通の常連だけで連日埋まっている。石川県の誇る名湯、山中温泉出身の大将も、これ以上客を増やしたくないので、あまり人には店の話を広げないで欲しいと控えめ。金沢を中心とした季節の海鮮は言うに及ばず、手間隙かけた出汁の数々を素材によって使い分け、素材ごとに調理法を選ぶ手法は、日本料理の名店と言っても過言ではない。伝統の金沢おでんの種をヒントにした椀物や焼き物、煮物が、出汁の使い分けと掛ける手間隙で、素晴らしい皿に仕上がっている。今回は解禁されたばかりの金沢の香箱蟹が最高の味わいだった。こんなに身の詰まった香箱蟹を、かつて見たことがない。1杯に2杯分の蟹を使っているのではないかと思うほどにぱんぱんに盛ってある。これで1杯分、今回の蟹は、内子の量が半端ではなかったですからと大将ははにかみながら笑う。蟹の身、内子、外子、蟹味噌が、内子の芳醇な味わいを中心に、まるでカルテットを組むように舌の上を滑り、身も心も目くるめく官能の世界に引き込んでいく。あまりの美味しさに目まいがしてくる。先付の胡麻豆腐は京料理のよう。大将の大阪の修行先も想像できる。カマスは軽く〆た加減が丁度よい。掛けられた出汁の軽さもカマスに合っている。椀物のつくねは、鶏と昆布の出汁との相性が素晴らしい。お代わりをしたくなる美味しさ。鯖の棒鮨もシャリより鯖の方が大きい。八寸として出される6種類の肴も極め付け。これ1皿で1日中、日本酒を飲んでいたくなる贅沢な盛合せ。自家製のカラスミは、カラスミ直前の半生と、カラスミをしばらく熟成させたものの食べ比べ。どちらも珍しいカラスミで、あまり食べたことのない美味しさ。いずれも違う角度で塩辛さがなくなっていて、カラスミの美味しいところだけを残している感覚。多くの常連客が、これを食べたくて来店していると言うとのこと。ヘシコも造る途中で酒粕に漬け替えるという手の込み方。酒の肴として究極を目指しているかのような大将の拘りに脱帽。干し海老と貝柱を味噌で合えたねっとり感も素晴らしく、白海老や烏賊まであって、もうこの皿だけで何も言うことがなくなってしまう。地元名産、金沢おでんをベースにした、オリジナリティ豊かな皿の数々も忘れがたい。自家製の蒟蒻は、肉などを使った様々な出汁に漬けられて火入れされているため、食感、味わい、香りとも、とても蒟蒻とは思えない。これは料理の説明をしない大将からの、味が分かるか客かどうかの挑戦状でもあり、何かの肉の脂を使った料理かと思わされてしまう自分の滑稽さが、返って可笑しくなるくらい。ガンモドキもおでんの領域を超えてしまっている。五郎島金時の何とも言えない控えめな甘さと、加賀野菜と能登の海草の濃縮されたふわふわのガンモドキを、ガンモドキとは呼びたくなくなる。源助大根と鰊も地元の味わい。そして仕上げは何と、香箱蟹の土鍋炊き込みご飯。解禁したての旨みたっぷりな香箱蟹をふんだんに使って、土鍋で炊き上げたご飯の美味しさは別世界の次元のもの。最後の五郎島金時の栗金団まで、息をもつかせぬスペクタルを味わうことが出来る。日本酒は大将の出身地である石川県の名湯、山中温泉の蔵元が造る銘酒、獅子の里1種類のみと言う、気持ちが良いくらいの潔さ。深みのある米の味と透き通った口当たりの良さが、純米酒の鏡のような日本酒。香箱蟹を始めとする地元の食材にぴったり合っている。場所は金沢、香林坊。香林坊の交差点から片町に向かった最初の路地を左に曲がる。小川沿いに歩いて2分の左手にある雑居ビル。ビルの中の廊下を入った左側にひっそりと、洒落た割烹らしい風情の引戸がある。インテリアはエントランス同様、今時の都心で人気の割烹らしいセンスの良さ。カウンターのみのコンパクトな店内は、大将との距離も自然に濃密となる。人当たりの良い大将と、金沢らしい食材のオンパレード、そして手の込んだ素晴らしい料理、大将思い入れの日本酒。何も言うことのない最高の店に、香林坊で出会ってしまった。

お任せコース
先付 胡麻豆腐
向付 〆カマスの造り
椀物 鶏肉のつくね汁
香箱蟹
凌ぎ 鯖の棒鮨
八寸 6種類の肴
 半生のカラスミ 熟成カラスミ
 酒粕に漬け替えたヘシコ
 干海老と貝柱味噌
 白海老 烏賊の塩辛
鉢肴 肉の味を付けた自家製蒟蒻
強肴 五郎島金時 加賀蓮根 昆布
 ヒジキ 牛蒡 人参のガンモドキ
強肴 源助大根と鰊
 ホウレン草 柚子乗せ
食事 香箱蟹の土鍋炊き込みご飯
香物
水菓子 五郎島金時の栗金団
抹茶

獅子の里 超辛 純米酒
 松浦酒造 石川県

  • 香箱蟹

  • 胡麻豆腐

  • 〆カマスの造り

  • 鶏肉のつくね汁

  • 香箱蟹

  • 鯖の棒鮨

  • 6種類の肴 半生のカラスミ 熟成カラスミ 酒粕に漬け替えたヘシコ 干海老と貝柱味噌 白海老 烏賊の塩辛

  • 肉の味を付けた自家製蒟蒻

  • 五郎島金時 加賀蓮根 昆布 ヒジキ 牛蒡 人参のガンモドキ

  • 五郎島金時 加賀蓮根 昆布 ヒジキ 牛蒡 人参のガンモドキ

  • 源助大根と鰊 ホウレン草 柚子乗せ

  • 香箱蟹の土鍋炊き込みご飯

  • 香の物

  • 五郎島金時の栗金団

  • 抹茶

  • エントランス

2015/11/29 更新

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