3回
2018/01 訪問
牛込神楽坂駅前の日本料理
新潟県産寒鰤 佐渡の鰤大トロ 神奈川県三浦産アオリイカ 北海道産ホッキ貝の炙り 聖護院蕪の拍子木切り 辛味大根 山葵
真鱈白子の揚げ出し
岩手県陸前高田市米崎産 広田湾の生真牡蠣
あん肝 栗の渋皮煮 車海老の旨煮 鰊の昆布巻き 菜の花のおひたし 河豚の煮凝り 胡桃きんとん 数の子明太子 鰯の梅煮
新潟県産寒鰤 佐渡の鰤大トロ 神奈川県三浦産アオリイカ 北海道産ホッキ貝の炙り 聖護院蕪の拍子木切り 辛味大根 山葵
自家製カラスミの揚げ餅
岡山県産サワラの柚子味噌焼き 紫花豆 蓮の酢漬け
鴨つくねの小鍋仕立て 生湯葉と九条葱 原木椎茸
真鯛の土鍋炊き込みご飯 ナメコの赤出汁 香の物
真鯛の土鍋炊き込みご飯 ナメコの赤出汁 香の物
群馬県産弥生姫 紅マドンナ
インテリア
2018/01/23 更新
2017/11 訪問
牛込神楽坂の日本料理
牛込神楽坂で一番の日本料理店。旬の素材にこだわり、丁寧に引かれた出汁、備長炭による絶妙な炭火の火入れが素晴らしい。まさに誠実を絵に描いたような料理の数々。器にも凝り、料理と一体となったビジュアルも美しい。大将と女将、夫唱婦随のもてなしも居心地満点。お任せコースは先付から水菓子まで十分な皿数と手抜きのない内容がコストパフォーマンス抜群。女将が選ぶ料理に合わせた日本酒のバリエーションも申し分ない。
今回は秋の旬を絵画にしたような八寸が素晴らしかった。エボ鯛の時間を掛けた炭火焼は、自家製のカラスミをたっぷり塗して焼かれ、あっさりした旨みの柔らかな白身とカラスミの塩味がぴったり。オオマサリやキヌカツギの美味しさも、粟麩田楽や蓮根の食感のコントラストも楽しく、何より添えられた揚げた稲穂と合わせたビジュアルが美しい秋の風景。ひとつひとつの素材を大切に扱う大将の気持ちが伝わる。
先付はズワイ蟹の小椀。京小蕪と花びら茸との食感の組合せが上品。菊花の淡い黄色が、その名の通り味わいにも花を添えている。煮物は白バイ貝。この時期のバイ貝の旬の濃厚さ。焼物は今や希少価値の本シシャモ。北海道産の雄は締まった身の味わいが懐かしい。向付はカワハギの肝和えが嬉しい限り。ホッカイシマエビの軽い甘さ、スミイカのねっとりした甘さの対比も面白い。ツブ貝も秋らしい旨み。添えられたシントリ菜がさっぱりしていて良いアクセント。
凌ぎは鯖鮨。分厚く切られた〆鯖と生姜のコンビネーションが鉄板の組合せ。そして今回のメインの一つは松茸の土瓶蒸し。松茸の香りも秋らしさとは言え、出汁のしっかりした松茸そのものの味わいが素晴らしい。松茸とハモと真鯛から取った出汁が美味しくないはずがない。贅沢この上ない土瓶蒸し。食事の土鍋炊き込みご飯も、旬の丹波シメジ。銀杏とシメジの香り、味わいも秋の美味しさ。甘いシャインマスカットとあっさりしたラフランスまで全く手抜きがない。
日本酒は純米、純米吟醸、純米大吟醸などが全国の銘醸から常時数種類ずつラインナップされている。佐賀の竹の園はちょっと変わったぱんだの旅。新潟の高千代も新潟らしくない、しっかりした日本酒らしい味わいのかなりの辛口。メニューにない女将のお勧め裏メニューも楽しい。今回は栃木で江戸時代から続く蔵元、仙禽。ブルゴーニュのドメーヌのように麹米、酒米の全てを特定の田圃のものを、自ら管理しながら使用するこだわりの酒造。2017年の無垢が切れのあるコクの味わい。
場所は都営大江戸線、牛込神楽坂駅。A3出口を大久保通りに出た目の前右手のビル1階。駅の出口から徒歩0分という至近。店の入り口上に掛けられた大きな木の看板に、平仮名で縦に書かれた店名が目印。カウンター6席とテーブルが3卓。しかし客それぞれに合わせて丁寧に料理を造ることを信条とする大将は、予約を1日2、3組しか取らない。厨房の良く見えるオープンカウンターの居心地が良い。インテリアはシンプルで心和む雰囲気。
京懐石の流れを汲む神楽坂では貴重な日本料理店。毎朝築地で仕入れる目利き大将の料理は、丁寧に引いた出汁と備長炭による絶妙な炭火の火入れ、こだわりの器を合わせた料理の美しいビジュアル。旬の食材を季節感たっぷりに香りと味わい、食感や見た目で縦横無尽に表現する誠実を絵に描いたような大将の店。大将と鴛鴦夫婦の見本のような女将が選ぶ日本酒もかなり楽しく美味しい。 神楽坂好き、神楽坂通の客たちにとっての自分使いの店として、しっかりと神楽坂に根付いているように感じる店でもある。
お任せコース 8000円
先付 京小蕪と花びら茸 ズワイ蟹と菊花
強肴 白バイ貝の旨煮
鉢肴 北海道産本シシャモ雄の土佐酢〆焼き
銀杏の素揚げ
向付 カワハギの肝和え 黒七味掛け
増毛産ホッカイシマエビ シントリ菜
ツブ貝 スミイカ
凌ぎ 〆鯖と生姜の鯖鮨
蒸物 松茸の土瓶蒸し ハモと真鯛
八寸 エボ鯛の自家製カラスミ焼き
富士宮産オオマサリ キヌカツギ
粟麩の田楽 蓮根 稲穂揚げ
食事 丹波シメジと銀杏の土鍋炊き込みご飯
ナメコの赤出汁 香の物
水菓子 シャインマスカットとラフランス
2017 モダン仙禽 無垢 純米大吟醸
せんきん 栃木県 1500円/1合徳利
竹の園 ぱんだの旅 誕生 純米吟醸
矢野酒造 佐賀県 1200円/1合徳利
2017 高千代 CHAPTER SIX 純米吟醸
高千代酒造 新潟県 1300円/1合徳利
別途消費税・サービス料10%
エボ鯛の自家製カラスミ焼き 富士宮産オオマサリ キヌカツギ 粟麩の田楽 蓮根 稲穂揚げ
京小蕪と花びら茸 ズワイ蟹と菊花
白バイ貝の旨煮
北海道産本シシャモ雄の土佐酢〆焼き 銀杏の素揚げ
カワハギの肝和え 黒七味掛け 増毛産ホッカイシマエビ シントリ菜 ツブ貝 スミイカ
カワハギの肝和え 黒七味掛け
増毛産ホッカイシマエビ シントリ菜 ツブ貝 スミイカ
〆鯖と生姜の鯖鮨
松茸の土瓶蒸し ハモと真鯛
エボ鯛の自家製カラスミ焼き 富士宮産オオマサリ キヌカツギ 粟麩の田楽 蓮根 稲穂揚げ
丹波シメジと銀杏の土鍋炊き込みご飯
丹波シメジと銀杏の土鍋炊き込みご飯 ナメコの赤出汁 香の物
シャインマスカットとラフランス
インテリア
インテリア
ファサード
2017/11/06 更新
2016/02 訪問
神楽坂に出汁と素材の日本料理
数ある神楽坂の日本料理店の中で唯一と言っても良い、本物の茶懐石の流れを汲む数少ない経歴の大将の店。元禄時代から3百年近い歴史を持つ茶懐石の専門店で修行した大将の料理は、素材そのものの味わいを最大限に引き出す、まさしく引き算の料理。丁寧な鰹出汁をベースとして、火入れに徹底して気を遣い、何より素材の選択に目利き振りを発揮する。今回の明石の真鯛も、見事に食べ頃となった軽い熟成感が、旨みたっぷりで素晴らしい。甘さいっぱいの三浦のヤリイカとの対比にうっとりとする。そえられた芹のお浸しも上品な仕上がり。料理の構成は茶懐石にこだわらない、一般的な会席料理らしい流れるように進むお任せコース。車海老の入った聖護院蕪の蒸し物も、出汁の絶妙な味わいに感動する。山形産のさむらい椎茸の火入れは、網の高さを微妙に見極めて、低温で均一に仕上げている。待っているカウンター席まで届く椎茸の香りに、料理が待ち切れなくなってしまう。椀物は銚子産の蛤シンジョ。旬の走りの蛤と菜の花の組み合わせに、房総半島の春の光景が思い浮かぶ。蛤そのものの出汁の味わいが見事。蕪蒸しにシンジョ、汲み上げ湯葉が京の香りを運ぶ。初筍とニシンの組み合せも日本酒を進める。子持ち公魚の火入れも丁度良い香ばしさ。花豆の柔らかさにも料理の丁寧さを感じる。揚げ物は蕗の薹の天婦羅とオコゼのあられ揚げの組み合せ。食感、香り、味わいのコンビネーションが素晴らしい。〆は小柱の土鍋炊込みご飯。土鍋らしいおこげの香りが堪らない。苺は弥生姫、柑橘はせとか。最後まで息をつかせぬ完璧な料理。文句のつけようがない。日本酒は北から南まで、最近の人気酒造を一通り揃えている。料理の素材同様、季節の日本酒に力を入れる酒蔵を見つけてもいる。料理に合わせてお勧めの日本酒も用意され、日本酒を選ぶだけでも楽しめる。場所は都営大江戸線、牛込神楽坂駅。A3出口を大久保通りに出た目の前右手のビル1階。駅からは徒歩0分という至近。店の入り口上に掛けられた大きな木の看板に、平仮名で縦に書かれた店名が目印。カウンター6席とテーブルが3卓。しかし客それぞれに合わせて丁寧に料理を造ることを信条とする大将は、予約を1日3、4組しか取らない。厨房の良く見えるオープンカウンターの居心地が良い。女将の柔らかい人当たりに癒される。インテリアも割烹らしい飾らなさに心和む。毎朝築地に通う大将の素材への目利きと、素材そのものの良さを引き出す出汁の料理と火入れの妙。神楽坂の奥の深さを感じさせる名店に出会ってしまった。
お任せコース 8000円
先付 聖護院蕪と車海老の蕪蒸し
前菜 山形産さむらい椎茸焼き
椀物 銚子産蛤のシンジョ 菜の花
向付 明石の真鯛 三浦のヤリイカ
芹のお浸し
小鉢 汲み上げ湯葉
強肴 ニシンの炊き合せ
広島産初筍 寒締ホウレン草
鉢肴 琵琶湖産子持ち公魚
ゴールデンビーツ 花豆
油物 蕗の薹 オコゼのあられ揚げ
食事 小柱の土鍋炊込みご飯
なめこの赤出汁 香の物
水菓子 弥生姫 せとか
彌右衛門 別品 純米酒
大和川酒造 福島県 1200円/180ml徳利
伯楽星 純米吟醸
新澤醸造店 宮城県 1300円/180ml片口
鍋島 純米吟醸 三十六萬石
富久千代酒造 佐賀県 1200円/180ml片口
醸し人九平次 火と月の間に 純米吟醸
萬乗醸造 愛知県 1200円/180ml徳利
新政 新年純米しぼりたて生
新政酒造 秋田県 1500円/180ml徳利
別途消費税・サービス料10%
明石の真鯛 三浦のヤリイカ 芹のお浸し
聖護院蕪と車海老の蕪蒸し
山形産さむらい椎茸焼き
銚子産蛤のシンジョ 菜の花
汲み上げ湯葉
ニシンの炊き合せ 広島産初筍 寒締ホウレン草
琵琶湖産子持ち公魚 ゴールデンビーツ 花豆
蕗の薹天婦羅 オコゼのあられ揚げ
小柱の土鍋炊込みご飯
小柱の土鍋炊込みご飯 なめこの赤出汁 香の物
弥生姫 せとか
ファサード
2016/02/28 更新
出汁と炭火焼きが素晴らしい牛込神楽坂の会席料理店。京懐石の流れを汲み、丁寧に引かれた出汁と備長炭による絶妙な火入れが旬の食材を引き立てている。大将と女将の誠実さを、そのまま絵にしたような料理の数々が優しい味わい。こだわり抜いた器たちが、料理と一体となって美しいビジュアルを織りなしている。お任せコースは毎回手の込んだ八寸、旬の向付、一工夫された土鍋炊き込みご飯などを季節ごとに楽しめる。引き算の美学とも言える日本料理を実感できる店となっている。
今回は向付の刺身が素晴らしかった。佐渡の寒鰤はまさに大トロ。真っ白な白身が舌の上で蕩けていく。三浦のアオリイカのねっとりとした食感と仄かな甘味が美味しい。北海道産のホッキ貝は軽く表面を炙って旨みが倍増。三者三様の刺身のアンサンブルに感激できる。付け合せは聖護院蕪の拍子木切り。瑞々しい聖護院蕪が贅沢で静岡産の山葵に合う。先付は真鱈の白子。揚げ出汁となった蕩ける白子にスタートからうっとりする。米崎産の生牡蠣もぷりっとしていてミルキー。
この店のスペシャリテとも言える八寸。今回は1月らしい華やかな彩り。柔らかいあん肝、ふっくらした栗の渋皮煮、ぷりぷりの車海老旨煮など食感のリズム感が軽快。鰊の昆布巻きや菜の花のおひたし、河豚の煮凝り、胡桃きんとん、数の子明太子に鰯の梅煮と、正月と春を一気に感じる品揃えも愉しい。胡桃入りのきんとんや明太子が乗った数の子など、斬新な組合せが美味しい。
向付に続く凌ぎは揚げ餅。店内で作った自家製のカラスミを塗した揚げ餅が止まらない美味しさ。岡山のサワラは柚子味噌焼き。時間を掛けて備長炭で火入れしたサワラがふわふわで白身らしいあっさりした美味しさと、柚子味噌のバランスが絶妙。鴨つくねには生湯葉と九条葱を合わせる。これも複雑に出汁が絡んで日本酒のとも。〆の食事はイケメンの真鯛。水菓子の紅マドンナはまるでゼリーのような食感で甘さに驚く。
今年最初の日本酒は新政ナンバー6の2017年頒布会向けG-type。すっきりした口当たりとしっかりした日本酒らしい味わいが正月らしい。メニューには純米、純米吟醸、純米大吟醸などが全国の銘醸から常時数種類ずつラインナップされている。特に大将や女将が気に入ったニッチなセレクトが嬉しい。今回も茨城の水府自慢や島根の出雲富士など、地元で人気の銘柄を掘り出してきていて感心する。
場所は都営大江戸線、牛込神楽坂駅。A3出口を大久保通りに出た目の前右手のビル1階。駅の出口から徒歩0分という至近。店の入り口上に掛けられた大きな木の看板に、平仮名で縦に書かれた店名が目印。カウンター6席とテーブルが3卓。しかし客それぞれに合わせて丁寧に料理を造ることを信条とする大将は、予約を1日2、3組しか取らない。厨房の良く見えるオープンカウンターの居心地が良い。インテリアはシンプルで心和む雰囲気。
毎朝築地で仕入れる目利き大将の料理は、丁寧に引いた出汁と備長炭による絶妙な炭火の火入れ、こだわりの器を合わせた料理の美しいビジュアル。旬の食材を季節感たっぷりに香りと味わい、食感や見た目で縦横無尽に表現する誠実を絵に描いたような大将の店。大将と鴛鴦夫婦の見本のような女将が選ぶ日本酒もかなり楽しく美味しい。 神楽坂好き、神楽坂通の客たちにとっての自分使いの店として、しっかりと神楽坂に根付いているように感じる店でもある。
お任せコース 8000円
先付 真鱈白子の揚げ出し
強肴 岩手県陸前高田市米崎産
広田湾の生真牡蠣
八寸 あん肝 栗の渋皮煮 車海老の旨煮
鰊の昆布巻き 菜の花のおひたし
河豚の煮凝り 胡桃きんとん
数の子明太子 鰯の梅煮
向付 新潟県産寒鰤 佐渡の鰤大トロ
神奈川県三浦産アオリイカ
北海道産ホッキ貝の炙り
聖護院蕪の拍子木切り
辛味大根 山葵
凌ぎ 自家製カラスミの揚げ餅
鉢肴 岡山県産サワラの柚子味噌焼き
紫花豆 蓮の酢漬け
椀物 鴨つくねの小鍋仕立て
生湯葉と九条葱 原木椎茸
食事 真鯛の土鍋炊き込みご飯
ナメコの赤出汁 香の物
水菓子 群馬県産弥生姫 紅マドンナ
新政 No.6 G-type 2017年特別頒布会
新政酒造 秋田県 サービス/1合徳利
SUIHUJIMAN10号 水府自慢 純米大吟醸
明利酒類 茨城県 1200円/1合徳利
IZUMOHUJI 出雲富士 純米吟醸
富士酒造 島根県 1200円/1合徳利
別途消費税・サービス料10%