葡萄党幹事長さんが投稿した新ばし 星野(東京/内幸町)の口コミ詳細

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葡萄党幹事長 (60代後半・男性・東京都) 認証済

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移転新ばし 星野内幸町、虎ノ門、新橋/日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2013/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

西新橋に京料理の本流

昨年、西新橋にオープンした京料理の店。すでにミシュランの星を獲得したまさに期待の新星と言える。出身の京味からすぐ近くにあり、駐車場の一角の小さなビルというシチュエーションもそっくりで面白い。見た目だけではなく、味わいも京料理らしい薄味と、素材の持つ本来のパフォーマンスを最大限に活かす料理の手の込み方が、京味と酷似している。京味の今や巨匠となった大将の薫陶を隅々まで受けたことが伺われる。

今回は何と言っても香住の香箱蟹が素晴らしかった。蟹と言えば香住。兵庫の誇る名産でもある。その旬の香箱蟹が漁の解禁と共に饗される。冬を迎える心の準備に欠かせない香箱蟹の蟹肉、ミソ、そして内子と外子。甲羅に燗酒を注いで甲羅酒が欲しくなる。焼き白子の表面の焼きあがりも絶妙な寸止め感。ふわふわの中身を薄い皮で包むような繊細な火入れが素晴らしい。濃厚な白子を軽快な味わいに仕上げる技。

椀物は鼈鍋。これはコラーゲンの塊。初冬の訪れと共にこの店には珍しく、しっかりした鼈鍋らしい味わいのお椀となっている。近江かぶらの蒸物は若狭のグジに、百合根と銀杏。上には大根おろしと修善寺の山葵が乗っている。これぞ京味を彷彿とさせる珠玉の一品。京味を継承するような料理で、まさに愛弟子である大将の本領発揮。

日本酒は京味と同じように天領がメイン。この大吟醸は大将の親方ではなくとも、一度飲むと虜になる。幻と言う名の幻の銘酒も美味しい。70年前に発見されたリンゴ酵母を今でも使い、年に2回だけわずかに世にでるが皇室御用達でもあり、まず目にすることはできない。理想の京料理と幻の銘酒、奇跡的な出会いに遭遇できる。

30を過ぎたばかりの息子のような大将は、腰が低く、サービスも心がこもる。数ヶ月前からは弟子も取り、1日2組しか取らない客を、1日3組に広げた。今回はいつも手伝いに入っていた父親に代わり、気風の良い大将の姉が入っていた。相変わらず、素晴らしい京料理とアットホームが心から和める店。やがて本家を抜き去る日が楽しみで仕方がない。

≪今回の料理≫
お任せコース 19800円/1人

付出の雑魚山椒
海鼠腸の飯蒸し

兵庫県香住の香箱蟹 蟹肉 ミソ 内子 外子
真鱈の焼き白子
湯葉と京水菜の炊合せ

海老芋の葛粉薄衣揚げ
淡路産鯛の造り

鼈鍋の椀物
笹鰈の一夜干し焼き

近江かぶらの蒸物 若狭のグジ 百合根 銀杏 大根おろしと修善寺の山葵
食事 花山葵 牛時雨煮 雑魚山椒 ご飯 止椀
黄粉餅

≪今回の日本酒≫
各皿に合せたお勧め 3250円/1人

天領 純米大吟醸 天領酒造 岐阜県
越乃寒梅 大吟醸 超特選 石本酒造 新潟県
北雪 大吟醸 YK35 山田錦 北雪酒造 新潟県
加賀藩 前田家御用蔵 純米吟醸 谷内屋酒造 石川県

* * * * * * * * * *

≪過去のレビュー≫
今回は鯛尽くしと物集女の筍が素晴らしかった。鯛は頭のみを使った潮汁に感激する。昆布出汁が鯛の頭の旨みを浮き立たせている。あっさりした汁と旨みの絶妙な取り合わせに、身体の中でこれからの食材を受け入れる体制が整っていくのが分かる。物集女の筍は日本で一番美味しいと言われる京都産の中でも、特に素晴らしい。同じ京都の長岡産とも山城産とも違い純白のビジュアルとエグ味の無い理想的な味の両立は物集女産ならでは。その物集女の筍を2時間以上掛けてじっくり焼いてくれる。最高の素材に最高の手間を掛ける最高の贅沢。誰もが日本人として生きてきて良かったと思える瞬間が、皮の焼ける香ばしさと共にカウンターにやって来る。幸せ以外の何者でもない。

鯛は中骨まで逃さず使い切る。中骨から造るジュレがほんのり美味しい。このジュレの中には大間のウニ。贅沢な2極対比。エンドウ豆の原種とも言えるウスイエンドウ。何と甘いことか。そして同じ甘さにしたウスイ豆の出汁。さっぱりと美味しい鯛尽くしに甘みを合わせる心憎さ。天婦羅もグジの甘鯛らしい白身感と、山菜の女王コシアブラ。この対極のコンビネーションも日本の美。苦味が苦くない本当に美味しいコシアブラと、さっぱり新鮮なグジは既に天婦羅の域を超越している。淡路産の鯛の造りは、素材そのものの素晴らしさ。ぷりっとした食感と、鯛の旨みの凝縮感が、日本酒を減らす早さを加速させる。アイナメのお椀も京料理らしさ満載、大満足。食事の前に炊き合せは鯛の子で〆め。食事も雑魚山椒や牛時雨煮だけではなく、花山葵が素晴らしい。これだけで御飯を食べたくなる。最後のわらび餅まで、全く気を抜くことなく、完璧な皿が出続ける。素晴らしい。

奥では手伝いの父親が皿を洗っている。同年代の息子を持つ親の身として、こんな素敵な息子がいたらどんなに良いだろうと思わせる。この店の全てに和むことができ、居心地を堪能でき、奇跡の京料理と日本酒の組合せを、心の底から楽しめる。

≪過去の料理≫
お任せコース 19800円/1人

鯛の潮汁 頭のみを使った昆布出汁
雑魚山椒
京都物集女産筍焼き
大間のウニ 鯛の中骨のジュレ
紀州産うすい豆 うすい豆の出汁
佐島産グジとコシアブラの天婦羅
淡路産鯛の造り
青森産アイナメのお椀
セキイサキ焼き
筍 桜鯛の子 蕗の炊き合せ
食事 花山葵 牛時雨煮 雑魚山椒 ご飯 止椀
わらび餅

≪過去の日本酒≫
各皿に合せたお勧め 3700円/1人

天領 純米大吟醸 天領酒造 岐阜県
加賀藩 前田家御用蔵 純米吟醸 谷内屋酒造 石川県
誠鏡 純米大吟醸 幻 中尾醸造 広島県

  • 兵庫県香住の香箱蟹 蟹肉 ミソ 内子 外子

  • 真鱈の焼き白子

  • 鼈鍋の椀物

  • 近江かぶらの蒸物 若狭のグジ 百合根 銀杏 大根おろしと修善寺の山葵 

  • 筍 桜鯛の子 蕗の炊き合せ

  • 淡路産鯛の造り

  • 1日2組のみのカウンター

  • 駐車場の片隅のファサード

2013/11/19 更新

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