2回
2020/02 訪問
祇園でおもてなしの日本料理
横輪ガツオ 本マグロの幼魚 長崎産真蛸 ヤリイカ ヒラメ 赤貝 松浦の赤ウニ 真河豚の煮凝り
白魚 車海老 子持ち昆布 花山椒 黄身酢
グジ 厚揚げ豆腐 葱 蕪と生姜のみぞれ椀
横輪ガツオ 本マグロの幼魚 長崎産真蛸 ヤリイカ ヒラメ 赤貝 松浦の赤ウニ 真河豚の煮凝り
横輪ガツオ 本マグロの幼魚 長崎産真蛸 ヤリイカ ヒラメ 赤貝 松浦の赤ウニ 真河豚の煮凝り
マスカルポーネ醤油 藻塩
ウナギのチマキ
グジの酒塩焼き 日本酒と昆布に1晩漬けたグジ 菊菜と米のソース 金柑
人参の梅花 カラスミ 真蛸の柔らか煮 大根 フキ 松の実と胡麻ダレ 玉子焼き 兵庫津居山のズワイ蟹 ナマコと海鼠腸
イサザ煮 琵琶湖の白魚 京風煮
鮒寿司 琵琶湖の鮒 クリームチーズの味噌漬け
本マグロの漬け握り 芽葱 海苔 ガリ
河豚と淀大根の煮物
近江牛 カタクリと胡麻油の天麩羅 タラの芽とウニの金山寺味噌
土鍋ご飯 近江のコシヒカリ
土鍋ご飯 近江のコシヒカリ 山椒ちりめん 鯛の子 塩昆布 牛肉時雨煮 藻塩 香の物 赤出汁
香の物
山椒ちりめん 鯛の子
卵掛けご飯
ウナギ茶漬け
日向夏のゼリー 苺 弥生姫
和三盆のシュークリーム
ゆり根のキントン 黄身餡
水羊羹
テーブルセッティング
カウンター席
エントランスの行灯
ファサード
2020/02/20 更新
2019/11 訪問
祇園で感動のおもてなし
祇園を代表する名店。今人気の銀座しのはらや赤坂松川の修業先としても有名。とにかく大将の人柄が素晴らしい。常連でもないのに、カウンターではほぼ付きっきりで話しかけてくれる。滋賀の有名な料亭で副料理長だった頃から定評ある懐石の美味しさは無論、客に対する肌理の細かい心遣いが嬉しい限り。一見に冷たいと言われる祇園の名店のイメージを覆す、心底居心地の良い店となっている。
造りは本日の仕入れ、熟成状況を木箱でネタを見せながら大将自ら説明してくれる。京料理と言えば明石の真鯛。ぷりっとした食感を残した軽い熟成が基本。ハガツオが瑞々しくて素晴らしく美味しい。ねっとりしたモンゴウイカも赤貝も赤ウニも、全てが理想的で文句がない。マスカルポーネポン酢がこの店のオリジナル。どんな刺身にも合うのが不思議。一度使うと癖になること請け合い。いろんな食材で試したくなる、何でも複雑な味わいとする秘密兵器。
紅葉真っ盛り、京都が一番混む日のお任せコースは真鯛の昆布締めから始まる。大将からのプレゼントは伏見の銘醸。鑑評会で金賞を取り続ける名門の限定酒を、漆塗りの盃で昆布締めに合せる。椀物は蟹シンジョと丹波の松茸。盆と正月がいっぺんに来たようなお椀に感激。漆の絵柄も秋らしくて嬉しい。柚子香る飯蒸しにはホタテとイクラ。鰤の味噌漬け焼きの柔らかさに頬が落ちそうになる。
この店のスペシャリテは季節の八寸。まさに豪華絢爛、季節感満載。真鱈白子のポン酢掛けだけで日本酒が1合は飲める。丹波の栗はチップで揚げている。今年は漸く丹波の栗も完全復活したらしい。車海老とホウレン草、汲み上げ湯葉とトンブリなど、食材の組合せも面白い。蒸し物はアワビ。黒アワビの柔らかさにびっくり。やはり本物はこうなる。海老芋との組合せは旬の紅白歌合戦。冬を迎える究極の美味しさ。
穴子のタレがさすがの上品さ。京都の奈良漬けがぴたりと寄り添っている。ズワイ蟹は炭火焼きのあとに軽く酢で〆る。かなり贅沢な蟹酢。ローストビーフは近江牛のサーロイン。恐らくは半端ではない乗りの脂がさっぱりと落ち切っていて、旨みだけが凝縮されたローストビーフ。無限に食べられそうな気がしてくる。蕪の茎もあっさりと出汁が効いて美味しい。
食事は近江米の土鍋ご飯。つるつるでピカピカに米が立っている。まずはお決まりの山椒ちりめんを山のように掛けてくれるご飯そのものから。塩昆布も牛時雨煮も、荒塩さえも美味しい振り掛けになる。続いて濃厚な卵黄だけをかけた卵掛けご飯。最後に出汁茶漬け。いずれも鰻の山椒煮が乗せられ、もうとても食べきれないと言いながら完食してしまう。甘味は奈良の江戸柿など地のフルーツ。栗きんとんに水羊羹とオールスターが登場する。
シャンパーニュはテタンジェ。伝統の料理にはやはり伝統のシャンパーニュが似合っている。テタンジェの濃厚な味わいと香り、相反する肌理の細かい泡が繊細な出汁の料理に合っている。乾杯の日本酒は盃で大将から地の銘醸、英勲の限定純米吟醸。酒有りてまどろむという名前も粋。大将お勧めの日本酒は滋賀の限定純米大吟醸。2018醸造年の山中地区竜王山田錦100%。雁木アナザーもすっきりしているのに米の味わいがしっかりしていて、この店の料理にぴったり。
滋賀の懐石で有名な老舗料亭で20年務め、副料理長だった大将の料理は繊細で大胆、伝統的でありオリジナリティ溢れる。それは完璧で美しいほどの出汁をベースに、あらゆる旬の食材の隠れたパフォーマンスを引く出し尽くす。その調理は丁寧の極みであり、食材や生産者への愛に溢れた日本料理の原点を思わせられる。そして何より客へのもてなしの心に溢れた大将。この店から今を時めく名店の店主たちが、次々に輩出されているのも当然のことと納得できる。
秋の紅葉お任せコース
18000円
乾杯盃 酒有りてまどろむ
先付 明石の真鯛
昆布締め カラスミ塗り
熊本産昆布 菊花のお浸し
椀物 蟹シンジョ 蟹の身
丹波の松茸 柚子皮
向付 明石の真鯛 ハガツオ
岡山の真蛸 モンゴウイカ
赤貝 赤ウニ コノコ
マスカルポーネポン酢
藻塩 土佐醤油
凌ぎ 柚子の飯蒸し 糯米
ホタテ貝柱 イクラ
鉢肴 鰤の味噌漬け焼き
八寸 真鱈の白子 車海老
ホウレン草 大徳寺麩
汲み上げ湯葉 トンブリ
鰻と牛蒡の八幡巻き
玉子シンジョ
丹波の栗揚げ 銀杏
強肴 蒸し鮑 海老芋
菊菜 餅麩
凌ぎ 穴子鮨 奈良漬け
止肴 蟹酢 焼きズワイ蟹
肉料理 ローストビーフ
近江牛サーロイン
蕪 蕪の茎
食事 土鍋ご飯
近江のコシヒカリ 新米
山椒ちりめん 鯛の子
塩昆布 牛時雨煮 荒塩
留椀 赤出汁 アサリ
香の物
食事 鰻の卵掛けご飯
食事 鰻の山椒煮 出汁茶漬け
水菓子 奈良の江戸柿
シャインマスカット ザクロ
ブランデーのジュレ
水菓子 栗きんとん
水菓子 水羊羹
煎茶
NM CHAMPAGNE
BRUT TAITINGER
16000円/750mlボトル
大将からの乾杯酒
英勲 純米吟醸 酒有夢 限定酒
齋藤酒造 京都府
大将にお任せの日本酒 3000円
松の司 純米大吟醸 限定酒
2018年 山中地区 竜王山田錦
松瀬酒造 滋賀県 1合徳利
雁木 雄町 限定酒
GANGI ANOTHER
八百新酒造 山口県 1合徳利
別途消費税
明石の真鯛 ハガツオ 岡山の真蛸 モンゴウイカ 赤貝 赤ウニ コノコ マスカルポーネポン酢 藻塩 土佐醤油
明石の真鯛 昆布締め カラスミ塗り 熊本産昆布 菊花のお浸し
蟹シンジョ 蟹の身 丹波の松茸 柚子皮
明石の真鯛 ハガツオ 岡山の真蛸 モンゴウイカ 赤貝 赤ウニ コノコ マスカルポーネポン酢 藻塩 土佐醤油
柚子の飯蒸し 糯米 ホタテ貝柱 イクラ
鰤の味噌漬け焼き
真鱈の白子 汲み上げ湯葉 ホウレン草 大徳寺麩 トンブリ 車海老 鰻と牛蒡の八幡巻き 玉子シンジョ 丹波の栗揚げ 銀杏
真鱈の白子
車海老 ホウレン草 大徳寺麩 汲み上げ湯葉 トンブリ
鰻と牛蒡の八幡巻き 玉子シンジョ 丹波の栗揚げ 銀杏
穴子鮨 奈良漬け
蒸し鮑 海老芋 菊菜 餅麩
蟹酢 焼きズワイ蟹
ローストビーフ 近江牛サーロイン 蕪 蕪の茎
土鍋ご飯 近江のコシヒカリ 新米 山椒ちりめん 鯛の子 塩昆布 牛時雨煮 荒塩 赤出汁 アサリ 香の物
山椒ちりめん
山椒ちりめん 鯛の子 塩昆布 牛時雨煮 荒塩
鰻の卵掛けご飯
鰻の卵掛けご飯
鰻の山椒煮 出汁茶漬け
鰻の山椒煮 出汁茶漬け
奈良の江戸柿 シャインマスカット ザクロ ブランデーのジュレ
栗きんとん
水羊羹
カウンターのセッティング
インテリア カウンター席
エントランス
ファサード
2019/11/25 更新
滋賀の人気料亭で長年副料理長を務めた大将の実力は、都内で飛ぶ鳥を落とす勢いの名店の大将たちが、この店の出身であることからも十分過ぎるほど知れ渡っている。琵琶湖や京都、兵庫など、美味しい物が溢れる地元食材の扱いは言うまでもなく、長年研鑽を積んだ出汁の味わいが、これぞ日本料理という完成形。そしてこの店の何よりのスペシャリテは、大将の腰の低い人柄。そのおもてなしの心が祇園の店の敷居を下げる貴重な存在となっている。
今回の向付は本マグロの幼魚、横輪ガツオ。カツオと言いながらマグロであるところが面白い。木箱に入れて軽い熟成を掛けるところが日本料理の真髄。幼い、だからこそ雑味の全くないマグロの旨味が程良く引き出され、新鮮でしゃきっとした食感とのバランスを絶妙に取っている。これは西日本に来なければ味わえない、東日本にはないマグロの味わい。ヒラメ、真蛸、ヤリイカ、赤貝、赤ウニも、横輪ガツオとの相性が完璧な組み合わせとなっている。
先付は白魚と車海老から始まる。琵琶湖の大きな白魚が旬の味わい。花山椒がぴりっと味を締めている。椀物はグジ。生姜が仄かに効いたみぞれ椀が胃に沁み渡る。向付に続いて鰻のちまき。餅米と柔らかな鰻の相性が良い。鉢肴はグジの酒塩焼き。日本酒と塩、水に昆布と一緒に漬けたグジ。日本酒により昆布出汁がグジの中まで入り込み、しっかり焼いてもほろほろの食感と旨味がたっぷり。昆布の香りが上品に漂う。
金時人参の梅花が一足早い春の訪れを告げる八寸。松浦の赤ウニも赤貝も期待通りの美味しさだが、蟹酢が津居山のズワイ蟹と言うのが贅沢。日本酒のつまみに琵琶湖の白魚、イサザ煮が素晴らしく合っている。臭みを消した鮒寿司もクリームチーズの味噌漬けと共に日本酒を止まらなくする。ランボルギーニカウンタックのガルウイングのような本マグロの漬け握りも、見た目の面白さ以上に美味しい。
真河豚は淀大根と共に煮物に。河豚と大根に浸みた出汁も美味しい。近江牛はさすがの旨味。軽くカタクリと胡麻油で揚げていて、牛肉の味わいが香りと共に凝縮されている。天麩羅と言えばタラの芽。なんとウニと金山寺味噌と共に贅沢なトリオ。食事はいつもの近江米土鍋ご飯。じゃこ山椒や牛肉時雨煮で、満腹なのに食べてしまう。
さらにいつもウナギ茶漬けに卵掛けご飯。赤出汁や香の物の存在を忘れてしまう。果物は甘みと酸味のバランスが適度に整った初春のイチゴ、弥生姫。日向夏の甘み、酸味との組み合わせも良い。甘未は和三盆のシュークリームが和洋の融合。控えめな甘さが嬉しい。さらにユリ根のキントンに水羊羹。シャンパーニュから始まり煎茶で〆るまで、ゆうに3時間は楽しめる。
乾杯のシャンパーニュはテタンジェ。伝統的な日本料理には、伝統的なしっかりした味わいの泡が似合う。大将からの乾杯酒に続いては滋賀の大吟醸、季節限定酒。琵琶湖の白魚との相性が抜群。グジやマグロ、ウナギ、蟹には大将お気に入りの松の司。前回とは畑違いの酒米を使った限定酒。畑ごとに表記をしているブルゴーニュワインのような日本酒。〆は雁木。今回はみずのわ。この蔵元の季節限定、酒米限定酒も大将のお気に入り。
祇園の真ん中で人気の日本料理店。基本の基本が教科書のように完璧に感じられ、旬の地の食材へのこだわりも嬉しい店。少しづつ沢山の皿数というのも楽しい。日本酒も大将のお気に入り、特に滋賀の限定酒が季節ごとに楽しめる。料理と日本酒のマリアージュが素晴らしく、日本酒好きには堪らない店でもある。そして何より大将のおもてなしの心。こんなに居心地の良い店を、祇園では他に知らない。
お任せコース 18000円
先付 白魚 車海老 子持ち昆布
花山椒 黄身酢
椀物 グジ 厚揚げ豆腐 葱
蕪と生姜のみぞれ椀
向付 横輪ガツオ 本マグロの幼魚
長崎産真蛸 ヤリイカ ヒラメ
赤貝 松浦の赤ウニ 真河豚の煮凝り
マスカルポーネ醤油 藻塩
凌ぎ ウナギのチマキ
鉢肴 グジの酒塩焼き
日本酒と昆布に1晩漬けたグジ
菊菜と米のソース 金柑
八寸 金時人参の梅花 カラスミ
真蛸の柔らか煮 大根 フキ
松の実と胡麻ダレ 玉子焼き
兵庫津居山のズワイ蟹
ナマコと海鼠腸
強肴 イサザ煮
琵琶湖の白魚 京風煮
強肴 鮒寿司 琵琶湖の鮒
クリームチーズの味噌漬け
凌ぎ 本マグロの漬け握り
芽葱 海苔 ガリ
止肴 河豚と淀大根の煮物
肉料理 近江牛
カタクリと胡麻油の天麩羅
タラの芽とウニの金山寺味噌
食事 土鍋ご飯 近江のコシヒカリ
山椒ちりめん 鯛の子
塩昆布 牛肉時雨煮 藻塩
止椀 赤出汁 香の物
食事 卵掛けご飯
食事 ウナギ茶漬け
果物 日向夏のゼリー 苺 弥生姫
水菓子 和三盆のシュークリーム
水菓子 ゆり根のキントン 黄身餡
水菓子 水羊羹
煎茶
NM CHAMPAGNE BRUT
TAITINGER
16000円/750mlボトル
大将からの乾杯酒
英勲 純米吟醸 酒有夢 限定酒
齋藤酒造 京都府
大将にお任せの日本酒
1合徳利×3合 4800円
鈴正宗 大吟醸 Bell
矢尾酒造 滋賀県
松の司 純米大吟醸 限定酒
2018年 橋本地区 竜王山田錦
松瀬酒造 滋賀県
雁木 純米吟醸 限定酒
GANGI みずのわ
八百新酒造 山口県
別途消費税