6回
2025/08 訪問
乳酸と泡の爽快感から始まり、デラウェアとサーモン、樽香シャルドネとイベリコ豚、赤ワインソース牛肉にキャンティ、甘美なフォアグラ南瓜、白ワインとカレー、最後はデザートとシャンパンまで心奪われた夜
東心斎橋の隠れ家「ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭」へ。
樋口ソムリエの軽快なトークとともに始まる、17周年目を迎えたペアリングの旅。
まずは乳酸を感じる泡とシャンパン。発酵の酸味が心地よく、口の中が一気にリフレッシュ。
続く一皿は、りんご産のデラウェアとタスマニアサーモン。爽やかな果実味とサーモンの旨みが、互いを引き立てるペアリングに感嘆。
イベリコ豚にマッシュルームとヘーゼルナッツを添えた皿は、樽の効いたシャルドネと抜群の相性。香ばしさとまろやかさが重なり合います。
鱒とトリュフ、ポテトの組み合わせには赤ワイン。深みのある香りとトリュフの芳香が印象的。
そして牛肉は500円追加でキャンティと合わせました。赤ワインソースの香ばしさと、火入れによる表面の焦げがキャンティと絡み、たまらない味わいに。
フォアグラとカボチャの前菜はおかわりしたほどのお気に入り。甘みと濃厚さが白ワインを引き立て、この日のベスト一皿。
締めはカレーと白ワイン。スパイスの複雑さと白ワインの清涼感が、なぜか驚くほど合う。ロジックではなく感覚で納得のマリアージュ。
デザートは2種。チーズケーキ風の一皿は軽やかにシャンパンと、チョコレートは蒸留酒で。最後まで余韻を楽しめる構成でした。
つい食べすぎてしまいお会計もそれなりになりましたが、それでも余韻に浸れる最高の時間。
「またふらっと来てしまう」そんな魅力の詰まったお店です。
2025/08/15 更新
2025/06 訪問
樋口ソムリエのマリアージュはまさに魔法!至福のワイン体験に酔いしれる「そむりえ亭」
東心斎橋に佇む「ダイニング・ウイズ・ワイン そむりえ亭」さんへ。ペアリングの名手と名高い樋口さんにお世話になまくりですが、その素晴らしいマリアージュに心底感動しました。
この日もコースで、一皿一皿に合わせたワインの妙技を堪能。
まず、一杯目、二杯目と続いたのは日本のワイン。繊細な和食にも通じるような優しい口当たりで、これから始まる饗宴への期待が高まります。
特に印象的だったのは、乾杯の「ビネガージュレ和え」とオレンジワインの組み合わせ。口に入れた瞬間に広がる香りと味わいの変化はまさに「口の中で魔法が起こった」としか言いようがありません。この見事なペアリングには、思わず唸ってしまいました。
続く「ほたてのパンケーキにじゃがいものソース」は、その香りの高さに驚かされます。じゃがいものほっくりとした甘みと帆立の旨味が凝縮され、提供されたワインとの相性も抜群。香り豊かな一品として記憶に残る逸品でした。
途中の白ワインは、個人的にはもう少し飲みやすいと好みではありますが、樋口さんの選ぶワインはどれも料理との「マリアージュの楽しさ」を教えてくれます。まさに、ワインの奥深さを再認識させてくれる時間でした。
メインの「鹿肉とトリュフのステーキ」は、心配していた鹿肉特有の臭みが全く感じられず、驚きでした。これは、もしかすると合わせられたソーヴィニヨンブランが、その臭みを打ち消し、より深みのある味わいへと昇華させる「魔法」をかけてくれたのかもしれません。お肉の旨味とトリュフの芳醇な香りがワインと一体となり、至福のひとときでした。
そして、締めくくりのデザートは「ガトーショコラ」にグラッパ。予定通り、心地よいほろ酔い加減で、最後まで贅沢な時間を楽しみました。
樋口さんのワインへの深い知識と、お客様に最高の体験を提供しようとする情熱がひしひしと伝わってくる、そんな一夜でした。ワイン好きはもちろん、普段あまりワインを飲まない方でも、ここでしか味わえない感動的なペアリング体験ができること間違いなしです。
ごちそうさまでした!また近いうちに再訪したいと思います。
2025/06/26 更新
2024/11 訪問
珍味に相変わらずの魔術師ぶりに感服
再訪しています。もっと頻繁にきたいお店なのですが、仕事の関係で久々に来られました。
樋口さんのキレも相変わらずで、ワインが主役のような見せ方はされず、されど料理だけでは完結しないマリアージュの究極系を今夜も見せてくれます。
ついつい、もう一皿…追加で頼んでしまい。珍しいジビエの逸品に白ワイン。変わらずお肉=必ずしも赤ではないの非日常を体感させられます。
シェフさんが変わられた?からか料理の雰囲気が変わりましたが、それもまた一興。
そこに合わせに行く樋口さんのワインのペアリング術を学びにまた足を運ばせたいと思います。
今夜もありがとうございました。
2025/04/26 更新
2024/04 訪問
血合の多いお魚には赤…がすごい繊細で面白い
この度も楽しい夜を過ごさせていただきました。
最初の一皿目から、ぐっとシュワシュワ(通称シャンパン)から始まる至極のコース。
マリアージュの序盤戦はシュワシュワとペアリングできる食感豊かな食材からいつも始まります。
お魚はブリのカルパッチョで、これまたサラッとした赤ワインとのペアリング。美味しい…
血合の多い魚だから赤と言っても、これは舌の上でちょうどよい味加減になるワインのチョイスが大事。
そこからしばらくとして白が2杯続くのですがケサランパサランという日本のワイン珍しい…美味しい…
そこからのサクサクのフィッシュバーガー…前にフォアグラバーガーもあって大好きでしたが、このサクサク感もたまりませんね。
お肉の火入れもとても良い加減のステーキに赤を合わせてからのもう一品…
どうも樋口さんのところに行くとついつい余韻に浸りたくて追加注文をしてしまいます(笑)
良い店です。また食べに行きます。
2025/04/26 更新
キッシュに、ブルゴーニュ地方でシャンパーニュ製法を使ってつくられた“シュワっと”インパクトのある泡。この一杯からもう「今夜もそむりえ亭の冒険が始まったな」と思わされます。
今回は全体的に白ワイン多めの組み立て。
根菜と帆立の甘みを静かに引き立てる白からスタートし、海老味噌の“マッシュポテトに似てるけど、マッシュポテトとは言い切れない”あの妙技の皿には、しっかり旨みを受け止める白を。
そして、印象的だったのがヤリイカ×トマト。
ここに合わせてきたのが 日本人醸造家がフランスで手掛けるボジョレー・ヌーボー。
「今年は暑さの恩恵をまるっと受けた」濃さで、軽さよりも“骨格と果実の力強さ”が際立つ一本。
ヤリイカの弾力と、トマトの酸味に、この濃密さが驚くほどハマる。
「ボジョレーってこんな表情も見せるんや…」と素直に唸ってしまいました。
魚料理には蕪を添えた美しい一皿が提供され、黒ブドウのニュアンスをしっかり持った赤とペアリング。ぱっと見は白と赤の対比で合わないような予感がするも…
“根菜には赤”という樋口さんからのお話の通り、蕪の甘みをほんのり抱き込むようなペアリング。
そして今回の最も“面白かった一皿”、ジビエの熊肉。
脂がしっかりのった熊肉に、自然薯のソース。
そこに合わせるのはまさかの白ワイン。
熊肉の甘い脂と、ゲヴュルツ由来のライチの香り&ほのかなスパイス感が、
“動物系の力強さ × 白ワインの芳香”というギャップで見事に調和していた。
これが本当に妙で、そして最高。「熊肉が今日一番おもしろかった」と言っていた理由が分かります。
締めは追加オプションのトリュフ卵かけご飯にシャンパン。
トリュフの香りを泡で洗い流すのではなく、「香りの輪郭をスッと整える」ような合わせ方。
最後はレーズンバター風デザートに深みのある赤ワイン。
一口ごとに“計算された自由”が積み重なっていくコースで、今日も抜群に酔わされました。
そして——
今回はやや白ワイン多めの構成。
だからこそ 「次回は赤ワイン軸でどんな世界を見せてくれるんやろ?」 と期待がさらに膨らむ夜に。
料理好きもワイン好きも、一度来たらこの店の世界観に確実に囚われます。
最高の夜でした。