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2位
3回
2018/04訪問 2018/04/23
2018.4.
季節外れの気温に見舞われた某日、日比谷にある老舗フレンチレストラン「APICIUS」に、35周年プレミアムディナーでの再訪。頻繁に行っているわけではないですが、大好きなお店の一つなので、滅多にない周年記念という機会を自分に対する言い訳としてやってきたわけです。
僅か1週間だけ提供していた35周年プレミアムディナーコースは2つ。初代料理長の高橋徳男さんの味を継承する『ムニュ・ノスタルジー』、現在の岩元学シェフのコンテンポラリーなコース『ムニュ・エピキュリアン』があり、私は『ムニュ・ノスタルジー』を選んでみました。このコースがなかなか食べられない味わいということで、実は1番人気だったそうです。
開店と同時に入店したので、次の来店客が来るまでの十数分は貸し切り状態を味わうことができて、贅沢の極み。定番であり、「APICIUS」の名物の1つである『アンチョビ入りのオリーヴ』が供されて、今夜のディナーの幕が上がります。
『MENU NOSTALGIE』
『シェフからのお食事のプレリュード』
ベルーガキャビアとひよこ豆のパンケーキ、ルージェ(緋女魚)のフリット
周年記念だからか、キャビアも山盛りで、アミューズにも気合いを感じます。中でも聞いたことのない魚、フランス産ルージェのフリットは味が濃くて、実に美味しい。ソースはその骨と内臓からできており、ほろ苦い中にもコクがあります。
『温かいホワイトアスパラガスと鴨の燻製パイ重ね焼き マルテーズソース』
ロワール産ホワイトアスパラガスは太くて、ゆるりと歯が入っていく身から溢れるジューシーさ。マルテーズソースはオランデーズソースにオレンジを加えたもので、付け合わせの鴨の燻製にも合わせたセレクトみたい。口にすると、オレンジがふわりと香り、通常よりもバターを多く使っているソースを爽やかにしています。ソースはパイに吸わせて、余すところなくいただきます。
『ブルターニュ産オマール海老のポワレ 雲丹と浅葱のブールブランソース』
こればヤバイ!オマール海老は贅沢に半身というボリュームで、プリプリの身にバターたっぷりのブールブランソースと濃厚な雲丹が脳天を刺激するほどに美味しい。また海老味噌とこのソースを合わせると、さらに昇天クラスの美味しさです。
『国産黒毛和牛ロース肉とロニョンドヴォーのポワレ ベルシーソース』
ブランデーとフォンドヴォーで作られたベルシーソースは、膜を張るほどに濃厚。仔牛の腎臓であるロニョンはプリプリとした食感の中で、内臓らしい風味もあり美味しい。脂も多いロース肉は食べていると、最後の方は辛いと思うくらいに重いけど、たまにはこんなメインもいい。
『デセールセレクション』
アイスやシャーベットをパスしてでも、やってみたかったワゴン内の全部盛り。
時計周りにオペラ・クリームチーズとピスタチオのムース・フレッシュマンゴーのケーキ・イチゴのチョコレートタルト・クラシックプディング・青リンゴのタルト。
はっさくのロールケーキ。
フルーツポンチ。
少量でもちょっとはしゃぎ過ぎましたw
『ミニャルディーズ』
これもあったのか!ワゴンごと置いておきましょうか?と言われたので、さすがに「はい!」とは言えないw
選んだのはカヌレ・ブルーベリーケーキ・抹茶と小豆のケーキ。
品数は少ないですが、どれも確りとした味わいで重め。でもストレートに美味しく、選んだ『ムニュ・ノスタルジー』に後悔はありません。5年ごとに周年記念イベントを開催しているようで、次は40周年かな?その時も行かれるように、日々頑張らねば。
「美味しい」は、頑張る自分の身体へのエールです。
今夜もご馳走さま。
2017.12.
2017年の終わりに自分へのご褒美と2018年へのエールを込めて、やってきたのは日本屈指のグランメゾンの1つである「APICIUS」です。
今回もランチ利用ですが、12月限定ディナーコース『PLAISIRS』から予約時よりオーダーしておいた食材をメインにし、更にデフォルトメニューから一部を差し替えてもらった私のスペシャルコースです。
オリーブ
おきまりの山盛りにされたオリーブ。「APICIUS」にやってきたという気持ちになります。
甲殻類のセルヴェラ フォワグラのサンドイッチ ホロホロ鳥のフリット
小さな前菜の盛り合わせですが、どれも大きなサイズで食べてみたいと思う美味しさ。特にセルヴェラは甲殻類の甘さが確りあり、上に盛られた生の桜海老の塩気がいいアクセント。大きく切られた海老の存在感が強く感じられます。ホロホロ鳥のフリットも、確りとした肉質に溢れるジューシーさが美味しい。
帆立貝のエマンセにキャビアと雲丹のティエド サフランバターソース
薄く切った帆立の中に、キャビアと雲丹をそれぞれ入れて、ラビオリに見立てた料理。ソースは近づくと、ぶわりと香るサフランソース。雲丹は濃厚さを、キャビアは塩気を、それぞれ帆立に足りないものを補う感じです。
フランス産フレッシュ黒トリュフの丸ごとパイ包み焼き
コースのボリュームを考えて、スモールで。一年ぶりに食べたこの料理、やはり甘みのあるペリグーソースが実に好み。さっくりとしたパイ生地にナイフを入れると、黒トリュフが目覚め出します。ソースにもたっぷりと黒トリュフを使っており、黒トリュフ×黒トリュフの相乗効果は、目と鼻と舌で味わえる素晴らしい料理です。
小笠原母島産の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味
コースに追加した有名なスペシャリテの一つ。唇に膜を張りながら、琥珀色に煌めくスープを飲んでいくと、ゆっくりゆっくり深海に沈んでいくような感覚になります。添えられるチーズパイも、さりげなく「A」の文字を描いていて、ニクい。
鮑とリドヴォーのモザイク仕立て ピスタチオナッツの香り 黒トリュフ風味のポテトのピューレ
リドヴォーと鮑の暖かいテリーヌ。テリーヌ自体はモチモチ食感でいいですが、鮑がテリーヌ以上にモチモチし過ぎてナイフを跳ね返すほどで、なかなか切れない。ソースは好みですが、料理はさほど好みではないかな。食べようと思っていた『鮑のロッシーニ』に後悔が残ります。
べキャスのロースト サルミソース
前皿の後悔を一気に払拭する最高と思える一皿。2年前よりも豪勢に盛られた黒トリュフと極濃厚なサルミソース、ジューシーで肉厚なべキャス、添えられているべキャスのレバーペーストを付けて食べれば、更に美味しさが加速します。べキャスは他店でも食べていますが、私の中では1番のべキャスでした。特にサルミソースか本当に美味しい!肉で隠すように盛られたキャベツ・ベーコン・シメジも、このソースと黒トリュフと食べれば極上のガルニになります。
デセール
チーズはパスして、恒例のワゴンデセールです。アイスは『バニラ』『黒胡椒』、ワゴンデセールから『木次乳業の生クリームロール』『クラシックプディング』『苺のチョコレートケーキ』『フレッシュルレクチェのタルト』、そしてこの季節のスペシャリテ『タルトタタン』。特に温めて供される『タルトタタン』はトロトロの紅玉が実に美味しいので、まずはコレを選んで欲しいです。
ミニャルディーズ
ここではフレッシュハーブを使い、オリジナルブレンドが出来るハーブティーがオススメですが、今回はコーヒーで。
今回はデフォルトメニューとアラカルトメニューを入り混ぜた構成でしたが、やはりアラカルトメニューの方が料理としては好み。年明けには「黒トリュフ」が本格化して、未食の『黒トリュフのガレット』などが食べられるそうで、機会があれば食べに行きたいな。
2016.11.
そろそろ訪れるジビエのシーズン。今年に入ってからずっと鮨に入り浸っていたので、久しぶりに美味しいフレンチが食べたくなりました。私はモダンフレンチよりもクラシックフレンチの方が好きなので、やってきたのは「APICIUS」です。
11月になり冬のコースメニューの中から『SAVEUR』をベースに、メインだけを少し変えていただきました。
SAVEUR Menu de nao.
『オリーブ』
まず供されるのは、恒例のアンチョビ入りのオリーブ。絶妙の塩気が、実に美味しい。オリーブってあんまり好きではないのですが、ここのはパクパクと食べてしまいます。
『サーモンと北寄貝 キヌアと共に ライムの香りで』
うーむ、アミューズから美味しい。
『鮟鱇の肝をフォワグラ風に仕立て 金目鯛のフュメとひよこ豆のブリニを添えて』
鮟鱇の肝はフォワグラよりもあっさりとしていて、美味しい。金目鯛は意外としっかりと燻製されていますが、衝撃的な美味しさ。ジワリとくる脂と薫香が素晴らしい。さりげなくある白子のフリットも、勿論美味しい。
『カナダ産オマール海老のポシェ レンズ豆と鰻のフュメ 赤ワインソース』
付け合わせの鰻とレンズ豆は、ほのかに香る程度に燻製してあり、プリプリとしたオマール海老に赤ワインソースが絡むっ絡むっ。甘さのある濃密な赤ワインソースが実に美味しく、長く余韻に浸れます。
『北海道紋別産サルセル小鴨のロースト 秋のスタイルで』
HPで案内が流れてから、すぐに予約して、取り置きしていただきました。『サルセル小鴨』が食べる餌の関係で、ジビエシーズンの初頭にしか提供せず、この「APICIUS」でも6年ぶりのオンメニューだそうです。
長いマカロニでソースを囲むようにして、肉で付け合わせを隠すような独特の盛り付けは、前回食べた『ベキャス』と同じ。『サルセル小鴨』はとろけるような柔らかさで、噛む度にしっかりと肉の味がして、実に美味しい。サルミソースは濃厚ではなく、肉と一緒にすれば肉本来の味わいを引き立て、付け合わせのキャベツ・マッシュルーム・ベーコンと共に食べれば主役になるような美味しさ。なるほど、『サルセル小鴨』が動物系を捕食して、肉や血の香りが変わる前だけオンメニューする理由がわかります。
『デセールセレクション』
お楽しみのワゴンデセール。今回はゴルゴンゾーラチーズケーキ・黒イチジクのタルト・プリン、そしてこの季節のスペシャリテのタルトタタン。氷菓からは、黒胡椒アイスとロゼワインシャーベットを。私のオススメは、タルトタタンとゴルゴンゾーラチーズケーキ。テイクアウトできたら、間違えなく買って帰る逸品です。
『食後のフィナーレ ミニャルディーズ』
コーヒー、紅茶、ハーブティーを選べる中で、面白いのがハーブティー。スペアミントをはじめとする7種類から自分の好きなブレンドを楽しめます。今回はスペアミントとレモングラスで、スッキリと。
やはり王道フレンチは好みによく合います。とても美味しい。何より驚いたのが、そんなに通っているわけではないのですが、支配人をはじめ多くのスタッフが私のことを覚えてらしたこと。名前入りのメニューまで用意して下さり、さすがグランメゾンのサービスは素晴らしいの一言です。
今年度も『ベキャス』を食べたいと話していると、黒トリュフがメニューに出る年明けぐらいがオススメとのこと。またなかなかオンメニューしないという『野ウサギ』も入荷したらご連絡をいただけるそうで、今年のジビエは楽しくなりそうです。
2016.1.
1月某日。見知らぬ番号通知から着信。
「nao.さま、ご予約の食材が入荷致しました」という声は、銀座にあるグランメゾンの「APICIUS」。予約していた食材というのは、この時期にしか食べられないジビエの王様と称される『ベキャス』です。実は年末に食べる為に予約していたのですが、まさかの体調不良で倒れて、泣く泣くキャンセルしました。その時にもう再入荷しないかもしれないという中で、もし入荷したら、電話を戴けますか?という無茶なお願いを叶えて下さいました。ありがとうございます♡
再訪日が近づくにつれて、悩むことが1つ。デフォルトコースのメインを変更するか、それともアラカルトで?
実食
アミューズ『サーモンのブランダード』
小さなパンが添えられており、たっぷりとつけていただきます。ちょっとジャガイモっぽい味も残してあり、美味しい。欲を言えば、もう1枚ほどパンが欲しかったかな。
『黒トリュフの丸ごとパイ包み焼き ぺリグーソース』
色々と悩んだ結果、ちょうど最盛期を迎えている『フレッシュ黒トリュフ』を使ったアピシウスの定番料理を食べてみようと、アラカルトでオーダーすることにしました。
サクリとした薄めのパイの中に、黒トリュフが丸ごと入っています。黒トリュフなんて、スライスくらいしか食べたことがないけど、供されただけで香りがすごい。半分に切ってみると、ピンポン玉くらいの大きさの黒トリュフがごろりと姿を現します。初めて食べるこんな形での黒トリュフは、ちょっとしたコリコリとした歯応えもあり、香りが弾けた後でほのかな苦みが口いっぱいに広がります。そして、ぺリグーソース。これにも黒トリュフがたっぷりと入っていて、香りも良く、どストライクに好みで、美味しい。
『スコットランド産 ベキャスのロティ』
丸ごと一羽で、さすがは綺麗な盛り付けです。ソースはかなり濃厚なものを想像していましたが、なんと軽いサルミソースで、肉の味もしっかりわかる仕上がりです。
肉厚な腿肉、胸肉共に素晴らしい火入れで、柔らかくジューシー。中央にはちりめんキャベツとシメジのソテーが隠されており、黒トリュフがこれでもかと盛られています。皿の上には、濃厚な鳥のレバーペースト。ソースに混ぜても、パンに付けても美味しい。
『南瓜のプリンとムース 酒粕のアイスクリームを添えて』
いつものようにデセールのワゴンが運ばれてきて、ちょっと食べたいのもあったのですが、デザートもアラカルトで。
目の前にすると、意外とかなりのボリュームで驚く。プリン・ムース・土台の3層構造で、ザクザクとした食感の中、甘さ控えの濃厚な南瓜の味が広がります。添えられている酒粕のアイスクリームは、思っていたよりもずっと酒粕の風味が生きていて、最後に甘さを味わえる感じ。
『ミニャルディーズ』
食後のお楽しみと共にしたのはハーブティー。数種のフレッシュハーブを選び、ブレンドして供されます。私は爽やかなレモンタイムを選んで、余韻に浸ります。
今年は違うジャンルにハマっていたり、お気に入りのお店の閉店ということもあり、ジビエはあまり食べていなかったので、思い出になるジビエ料理になりました。まだまだ食べてみたい料理もあるし、今年はもう時期的に叶いませんが、羆や狩猟の鴨を是非を食べたいので、再訪したいフレンチです。
2015.12.
さほどフレンチは食べていないですが、ヌーベルキュイジーヌと呼ばれるものよりも、私はクラシックフレンチの方が好みのようで、久々にグランメゾンでの1人ランチと参りましょう。
選んだお店は、「APICIUS」。創業1984年の老舗フレンチであり、日本を代表するグランメゾンの一つです。料理もさることながら、ユトリロ、シャガールなどなどの絵画がまるで美術館のようにメインダイニングにあって、常連の方は〜の絵の前がいいと指定される方もいらっしゃるとか。
今回、利用したランチには週変わりコースが2種、月替わりコースが1種あり、またアラカルトメニューからもオーダー可能です。帰り際に知ったことですが、ランチでもディナーメニューを食べられるそうで、ちょっと後悔したのはナイショの話。
私は月替わりコースである「SAISON」をベースにして、オーダーです。
実食
『スペイン産アンチョビオリーブ』
まず供されるのが、このオリーブ。アンチョビが詰められたもので、これだけでもお酒がすすみます。
『鱒と帆立のテリーヌ』
アミューズ。オリーブの酸味のあるソースでいただきます。
『国産猪肉をラビオリ仕立てにジュニエーブルの香り 赤ワインソースとかやの実のオイルと共に』
ラビオリはしっかりとした食感で、ワインで煮込んだ猪肉がたっぷりと詰めてあります。ソースは煮込みに使ったものに豚の血を混ぜてあるとのこと。美味しい♡以前、訪れた時に今後は猪も使った料理を出していくと仰っていたことを思い出しました。食べられて、良かった。
『小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味』
このお店のスペシャリテの一つ。SAISONコース内のメニューを差し替えてもらいました。ポーションはコースに合わせてもらったので、おそらくスモールだと思います。スープに沈んでいるのは、甲羅の裏側で、付け合せはチーズのパイです。
味わいはコンソメですが、特別に濃いわけではありません。漢方みたいに地味溢れてる感じでもなく、ただただ透明な深さがあり、飲み終えた後は唇に膜が張ります。そんな味わい。
『ブイヤベース アピシウス風』
追加でオーダーした今回食べたいと思っていた料理の一つ。具は、オマール海老・平目・北寄貝・黒ムツ・帆立貝・細魚・白子・金目鯛・鮑、野菜は蕪とブロッコリー。さすがに、豪華絢爛といった感じです。
具材が美味しいことは言うまでもなく、スープが素晴らしく、濃厚で美味しい。かなりの魚介類をねじ込んで、仕上げているようなイメージ。多少、塩気が気になりましたが、香りもご馳走な料理です。「スープ、もっと飲まれます?」と足していただきました♡
『オーストラリア産仔羊の背肉のパイ包み焼きとシヴェ仕立ての盛り合わせ』
SAISONコースのメイン。脂を外し、ほうれん草と香草と共にパイで包み、焼き上げているそうです。奥には仔羊のバラ肉を香草で煮込んだもの。
ロゼ色の仔羊の火入れは、さすが。しっとりとした身質は仔羊特有のクセなどはなく、バターが香るパイがコクを与えている感じ。美味しい♡
『デセール』
ワゴンから選びます。全種食べられる方もいらっしゃるというこのデセールも、魅力的なラインナップで誰もが迷ってしまいます。この季節の名物でもある『タルトタタン』は必須です。他に選んだのが『黒イチジクのタルト』『クレームキャラメル』『ゴルゴンゾーラチーズケーキ』。ソルベは、『マンゴー』と『ミルク』。
特に温めてから供される『タルトタタン』はその殆どが林檎で、トロトロにとろけていて、絶品。
『ミニャルディーズ』
今日食べた料理を思い出しながら、余韻に浸れます。
やはりクラッシックフレンチは好みでした。満足度も高く、余韻も深い。ただサービスは上品であるかゆえに、機械的なとこは通うことで慣れていくのかな?と思います。以前、1人利用の際はランチタイムのみだったのですが、外国人客も多くなってきたので、ディナーでも対応するようになったそうです。また食べてみたい料理があるので、今冬中に再訪したいかと。
2013.12.
「食べ歩きを一人でする」と決めて、今まで色々なお店に出逢いました。初めはやはり一人でも目立つことのないお店選びをしていましたが、だんだんどこまで一人で行けるのだろうと思いだし、近頃は「そんなお店に、一人で?」と言われるようなフレンチやイタリアンなども行っちゃいます。そんな中、やってみようと思うことができました。それは「グランメゾンクラスのお店での一人ご飯」。そんなことができるお店は、今のところ数店舗知っていますが、今回は日比谷にある老舗のグランメゾン「APICIUS」に訪問です。
有楽町駅から徒歩2分。お店に続く階段を降りると、扉がゆっくりと開かれ、入店です。さすがは、グランメゾン。店内はアールヌーボー調の重厚ある造りで、飾られている絵画もシャガール、ユトリロ、ビュッフェ、アンドリュー・ワイエス、ゴヤなどがあり、まるで美術館のよう。
一人で利用できるランチは、8400円と5250円のコースまたはアラカルトから注文でき、ランチのコースは週替わりという内容です。当日の8400円コースには、少々苦手な食材が二皿あったので、今回は『5250円コース」にアラカルトから『シャラン産鴨サルミソース 2014』追加してオーダー。
『オリーブ』
料理と飲み物のオーダーが済むと、まず出されるのが、このオリーブ。種を取ったオリーブで、絶妙な塩気が美味しい。あまりオリーブって、好きではないのですが、デザートが供されるまで置かれるので、ちょこちょこと食べてしまいました。
『帆立と北寄貝のカクテル』
とてもシンプルなアミューズ。帆立を賽の目に切り、北寄貝の貝柱の部位を塩とレモンで味付けし、自家製のカラスミを添えてあります。普通に美味しい。
『ムール貝のスープ サフラン風味』
コース内の前菜。サフランとコリアンダーを纏ったブイヤベースのようなスープで、意外にも濃厚なものでした。あまりコリアンダーが好きではないのですが、フワリとするくらいなので、良かったです。
『海の幸フリット ライム風味』
コース内のメイン。内容はカサゴ・太刀魚・舌平目・白子のフリットに、爽やかなライムソースをかけた一皿。特に舌平目がとてもジューシーで、ライムソースとよく合い、美味しい。
『シャラン産鴨サルミソース 2014』
私的メイン。まだ今年は鴨を食べていなかったので、チョイス。ロティしてあるのは、胸肉の部分で、左上にあるのは腿肉のコンフィです。やはり、コレが美味しかった!ナイフを入れだけで、鴨から肉汁が溢れ、サルミソースも濃厚ながらもアッサリとした後味を楽しめ、美味しい♡
ソムリエの方にマリアージュするワインを選んで頂いたのが、『Volnay Caillerets』(ヴォルネイ カイユレ 2007)というピノノワール100%のエレガントなグラス。コレが、また美味しい♡アッサリ系のサルミソースなので、爽やかな味わいのワインとよく合い、ワインだけ飲んでも十分美味しい。久々に美味しいワインでした。
『デザート』
食後のデザートは、運ばれてくるワゴンから好きなだけ選ぶことができます。私が訪れた時は7種あり、その中から『タルトタタン』を選び、アイスは『紅玉のソルベ』と『バニラ』。この『タルトタタン』は、オススメです。デザートは目の前で切り分けられ、供されるのですが、この『タルトタタン』は温めてから供されます。だから、リンゴがトロトロでサイコーに美味しい♡
全体的な感想としては、やはりサービスが素晴らしい。付かず離れずの接客は、よい雰囲気を生み出しており、全て機械的ということもなく、時にはフレンドリーな接客も楽しめます。
料理に関しては、美味しいけど、ランチのコースではさほどの感動は得られません。ですが、アラカルトメニューは、感動できる美味しさ。全てアラカルトでオーダーすると、すごい金額になってしまうので、コースにプラスαという形がいいかもしれません。アラカルトメニューのポーションもスモールがあるので、グランメゾンで考えるとよいCPだと思います。
今の季節、フレンチといえばジビエですが、扱っているのは『蝦夷鹿』のみ。以前は『茨城産 鴨』も扱っていたそうですが、諸事情でやめてしまったそうです。しかし来年から『猪』などもやるとのことで、オンメニューになったら、また食べにきたいです。
2013.5.
第5回東京グランメゾン♡チャリティーカレー 『南部高原豚のカツカレー』
5/19に今回で5回目となる「東京グランメゾン♡チャリティーカレー」が開催されました。このイベントは東京を代表するグランメゾンの店舗が、オリジナルカレーを作り、その売上を「東日本大震災被災者支援団体aoSORAnt」に寄附するというチャリティーイベントです。今回、参加するグランメゾンは、「アピシウス」「シェ・イノ」「銀座レカン」の三店舗。どちらもなかなか行く機会の少ないお店で、ドレスコードの制限のなく、その味と共にお店の雰囲気も気軽に味えるので、毎回大人気となっています。前回(2012/11/18)は知ったのが、その当日でして、行くことができずに、悔しい思いをしたので、今回が初参加となります。目標は、全店制覇!
まず訪れたのが、有楽町駅の日比谷口から程なくの有楽町・蚕糸会館にある「アピシウス」です。着いた時間は10:35くらい。既に入口は遥か彼方にあり、ザッと200人くらいは並んでいます。想像以上…。
並ぶこと小一時間くらい?やっと店内へ。前払い制なので、料金の1000円を払い、バーコーナーに通されます。すぐにメインダイニングに通さないところが、グランメゾンクラスのサービスというところでしょうか。この「アピシウス」で食べれるオリジナルカレーは『南部高原豚のカツカレー』。メインダイニングに座ると、程なくして提供されます。
実食。
まずは、ルウ。ブイヨンの旨さを全面的に出した甘めのルウ、まるでカレー味のスープを食べているかのようです。高原黒豚のカツもやや薄めではあるけど、ご飯を覆うほどに大きく、サクサクの揚げたてでとても美味しい。
サービスも店内の雰囲気も、さすがはグランメゾン。今度は本来の料理をいただきに伺いたいです。
3位
24回
2023/03訪問 2023/04/24
恋ひ恋ひて 逢へる時だに 美味しき鮨食べたき 長くと思はば ~鮨 とかみ~
2023.3.
親方が変われば、お店も変わるのは当然であり、「鮨とかみ」もオープンからずっと続いていた昼の『握りコース』がなくなり、昼・夜共に『おまかせコース』のみとなったと知り、どう変わったのかと思って再訪。それでも店主・和田 駿友さんの心意気で、今日ある種全てを握っていただきました。
突先♡
初手は鮪の頭の部位である突先を使った巻物。芳醇な海苔の香りの中、鮪の濃厚な旨味と甘味が口いっぱいに広がります。変わらずに心掴む美味しさ。
メジマグロのタタキ♡
それぞれに生姜・山葵・柚子胡椒が乗せてあり、三者三様の薬味でメジマグロのさらりとした脂が映えます。特にあまりに見かけない柚子胡椒が新鮮で美味しい。
蛍烏賊の燻製♡
薫香はさほど感じず、蛍烏賊の香ばしさを確りと感じられます。
鮃♡
軽く昆布〆を施しており、程よい脱水と旨味がプラスされています。シャリを包むような大きな切付けで食べ応えもあり。
えんがわ(追加)♡
「鮨 とかみ」で初めていただく部位。軽く炙られており、表面がとろりとした食感の中で濃密な旨味が爆ぜます。鮃1匹から4貫しか取れないそうで、かなり貴重な経験でした。
墨烏賊♡
酢橘の爽やかさの中、サクサクと小気味良い歯切れの良さを楽しめます。塩では感じられない醤油の香りもいい。
赤貝(追加)♡♡
大分県産。かなり肉厚な赤貝で、咀嚼していると口の中に広がる香りが凄い。
平貝
シャリに柚子をつけてから握られる平貝。口の中で華やぐ柚子の香りと平貝の香りが心地よい。
太刀魚(追加)♡♡
焼いた太刀魚をシャリと合わせることで、口の中で完成する焼魚定食。フワフワな太刀魚は旨味を引き出した塩加減も素晴らしく、実に美味しい。
鰆昆布〆♡
確りと〆られて、鰆はねっとりとしており、食べ終えても残る昆布と鰆の旨味で余韻に浸れる一貫。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産130キロのもの。口の中で主張するのは、圧倒的な鮪の存在感。「鮪を食べてる!」と実感できるような美味しさがあります。
中トロ♡
やはり「鮨とかみ」の濃旨なシャリには鮪がとてもよく合います。化学反応にも似たシャリと鮪の相乗効果が口の中で幸せを加速させます。
大トロ♡♡
砂ずりの部位は超濃厚な味わい。有名鮪仲卸の「やま幸」と繋がりの深い「鮨とかみ」の真骨頂とも言える一貫。素晴らしく美味しい。
メジマグロの大トロ(追加)♡♡
肴で供されたメジマグロの大トロの部位。大トロされど、さっぱりとした脂で実に美味しい。
喉黒(追加)♡
白身の大トロである喉黒は、軽く皮目を炙ってから握られます。滴る脂の旨味と甘味は、鮪にも負けない美味しさ。
小鰭♡
口の中の脂を断ち切るような酸味がありつつも、小鰭自体に旨味が確りと感じられて美味しい。
車海老
車海老とシャリの温度が同じくらいなので、一体感を感じられます。車海老の甘味と香りが特に印象的。
馬糞海胆(追加)♡
海胆の圧倒的なボリュームで、軍艦が沈没しそうw頬張ると海胆だけでなく、海苔の香りも映えて美味しい。
鶏魚♡
比較的にあっさりしているかと思っていたら、コレもかなり濃厚さ。
穴子
爽煮された穴子は真っ白で、モフモフとしており、穴子本来の味わいも確りと残っています。
海胆・鮪丼♡♡♡
鮪の赤身・中トロ・大トロ、全ての部位を削ぎ切りにして漬けにしてから丼に盛り、更にその上から北紫海胆を乗せた丼。
「折角、来てくれたのだから印象付けないと!」と、和田親方は盛りに盛って、まず海胆で鮪は見えなくなり、鮪でシャリは見えないというとんでもない丼。ちなみにコレはデフォルトの丼(ちょっと私のは量が多いかも)だそうで、凄い〆が爆誕していました。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。スペシャリテで始まり、スペシャリテで〆る。素晴らしいコース構成だと思います。
昼の『おまかせコース』のデフォルトは巻物・肴2種・握り10貫・丼だそうで、内容としては以前の『握りコース』よりもボリュームがあり、赤身・中トロ・大トロ・鉄火丼とたっぷりと「やま幸」の鮪を堪能できて豪華絢爛。「自分が食べたいと思うコースを作りました!」と笑顔で語る和田親方の思いが伝わる構成は、「鮨 とかみ」らしく濃厚な種×濃旨なシャリで畳み掛けるように全てが力強い。好みが分かれる鮨だと思いますが、私は大好きです。
和田親方、今回もありがとうございました!控えに言って、最高でした!また宜しくお願いします!
2022.6.
新生/鮨 とかみ
突先♡
口に近づけると海苔が香り、突先の旨味が溢れ出します。変わらずに心掴む初手。
冬瓜の冷やし包み
島オクラ・赤万願寺とうがらし・蛸柔らか煮を冬瓜で包んだ冷菜。ふわりと柚子香る中で、冬瓜のねっとりとした舌触りに蛸のむっちり感が映えます。
岩魚のガダイフ揚げ♡
鮨店では珍しいというか、初めてのガダイフ揚げ。極上のパリパリ感に岩魚の旨味が溢れます。美味しい♡
岩牡蠣の陳皮煮♡
珍しい陳皮を使ったもので、陳皮の爽やかさとほんのりとした苦味が岩牡蠣の旨味の輪郭をよりはっきりとさせていて、肴としてお酒が進みます。
中落ちの湯葉挟み♡
鮪の中落ちを洋酒に漬けたさくらんぼ・白味噌で和えた豆腐と一緒に揚げた湯葉で挟んだもの。「鮨とかみ」として実に画期的であり、味わいとしても美味しい。豆腐に包まれても隠しきれない中落ちの旨味が素晴らしい。
賀茂茄子の雲丹乗せ
焼いた賀茂茄子に柚子味噌・紫雲丹を乗せたもの。まず驚くのはこの雲丹の量、おかしいw味わいとしては、トロトロの賀茂茄子にトロリとした雲丹がソースのようになっていて美味しいが、柚子味噌じゃない方が合うかも。
アラと夏野菜のゼリー寄せ♡
アラとズッキーニ・パプリカ・ヤングコーンの夏野菜と共にゼリー寄せに。鰹出汁のゼリーなので、全くの違和感なく爽やかで美味しい。ふた口目に食べるマスタード付きの方が味が締まり、より美味しい。
アメーラトマトの天麩羅
アメーラトマトで包まれた鮑・茶豆・五寸人参。程よい酸味の中で映える鮑と茶豆の食感と旨味が初体験の味わい。
鶏魚
軽く炙った鶏魚は香ばしさと旨味が溢れていて美味しい。シャリは少し塩が強いかな。
墨烏賊♡
サクサクとした心地よい歯切れの良さ、酢橘の酸味と醤油の香りが素晴らしい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝は咀嚼の度に甘味と香りが爆ぜます。
春子鯛♡
柔らかくジューシーであり、とろけるような春子鯛は甘味があり美味しい。
赤身漬け♡
鳥取県境港産94キロ。ふわりとする香りと鉄分を感じる酸味が食べ終えても尚続き、余韻長く楽しめます。
赤身漬け♡♡
クラッシックな赤身漬けは、鮪節のような味わいで噛めば噛む程に旨味が溢れてきます。今ではなかなか見かけなくなった仕立てですが、やはり美味しい。
血合いぎし♡
血合いぎしの部位で、香りと口溶けは秀逸。食べ終えて、目を閉じてゆっくりと余韻に浸りたい味わい。
霜降り♡
今度は霜降りの部位で、香りは弱くなりましたが、旨味がグッときます。
砂ずり♡
砂ずりの部位で、THE大トロといった感じ。液体のような口溶けで、旨味と甘味の爆流が口に溢れます。
小鰭
皮も柔らかく、キリッとした味わい。口の中が酸で洗い流せます。
鰆昆布〆♡
とろけるように柔らかく、昆布の旨味が映えます。
車海老♡
半生よりも火を入れており、プリッとした食感に甘味もあり美味しい。
アラ汁♡
使った魚のアラを全て使って炊き出したアラ汁は極濃厚な味わい。しかし、この量w
煮帆立♡
珍しい煮帆立。帆立の旨味と煮ることで生まれる甘味の奥深さがあり、美味しい。
煮蛤♡
低温調理された蛤は極限まで柔らかく、しかしながら味わいも確りと染みており美味しい。
縞鯵♡
とろけるように柔らかく、甘味がジュワリとシャリを包むかのよう。
真鯵♡
食べ比べのような感じで供された真鯵。肉厚であり、薬味の爽やかさが駆け抜け、鯵の香りと旨味が広がります。
馬糞雲丹♡
和田親方になっても変わらぬ爆盛りの雲丹。口いっぱいに広がる雲丹の旨味と甘味は口福の一貫。
喉黒♡
身は昆布〆して、握る直前に皮目だけを炙って握られる喉黒はトロリとしながらも身の旨味も味わえる仕立て。濃旨のシャリともよく合います。
穴子♡
醤油を使わずに白く煮上げた穴子は、まるで布団のようにモフモフ。柚子の香りと穴子本来の香りが鼻から抜けます。
干瓢巻き♡
前々から「このシャリには干瓢とか合うだろうなあ」と思いつつも、何気に初めていただく「鮨とかみ」での干瓢巻き。和田親方は最新的な技術を取り入れつつも、干瓢などの昔ながらの煮物なども大切にしていくそうで、今後もこの干瓢巻きはあるみたいです。
カマトロ♡♡
夏場の鮪ではカマトロの部位が小さいので6貫くらいしか取れないという希少部位。まるで肉のような味わいと特製ニンニク醤油の濃厚さが素晴らしい。いつもありがとうございます!
玉♡
スペシャリテと呼ぶべき玉はまだ温い感じで、表面のキャラメリゼもパリッとしており、美味しい。
3月に将太さんが卒業して、和田 駿友さんが3代目店主となってから初めての「鮨 とかみ」で昼鮨。和田親方には将太さんがまだいた頃に握ってもらったことがあるのですが、脂の強い種には熱いシャリを使ったり、テキパキと握ってからゆっくりと供する姿には確実にレベルアップしていることが感じられ、口の中でふわりと飛散する鮨も美味しかったです。鮨は今までの「鮨 とかみ」を継承しつつも、昔からある干瓢や椎茸に代表する煮物などの仕事に力を入れていき、肴はひと手間ふた手間を加えた料理を供して、新しい和田親方の「鮨 とかみ」を作り上げていくそうです。
佐藤さんは当時珍しかった赤酢のシャリ、将太さんは大きなシャリの男鮨、歴代の店主を印象づけたような鮨を和田親方も生み出していかれるのが今から楽しみです。
2022.3.
将太の鮨/鮨 とかみ
突先♡
心掴む鮪の突先を使った手巻き。華やぐ海苔の香りの中で、確かな鮪の旨味が素晴らしい。
鮎魚女の揚げ出し椀
お椀の中には揚げたての鮎魚女、菜の花と木の芽の餡。春らしいほろ苦さと木の芽香る出汁は飲めるくらいの濃さで、鮎魚女の旨味を活かしています。
鰹♡
爽やかな薬味の中で鰹はモチモチとし、自家製新玉葱のドレッシングの仄かな苦味がより鰹の旨味を押し上げています。
白川の桜葉蒸し♡
桜の香りが華やぐ椀物。白川の旨味と出汁の旨味がお互いを高めあっていて美味しい。桜を模した紅芯大根の甘味もいい。
肴3品♡
白魚とコシアブラの天麩羅鯛の酒盗と豆腐のソース、鰆の燻製、蛍烏賊のなめろう。白眉なのは鯛の酒盗と豆腐ソース。コレだけでもお酒が飲める美味しさ。
太刀魚の唐墨かけ♡
コレは美味しい。太刀魚の旨味がたっぷりとかけられた唐墨で更に加速するかのようで、添えてある生の大根が箸休めとしていい仕事をしてます。
真鯛
「鮨 とかみ」の最大の特徴である濃旨なシャリがまずガツンときて、咀嚼の度に真鯛の甘味がぐんぐんと溢れてきます。
墨烏賊
酢橘が爽やかで、醤油の香りも華やぐ一貫。サクサクの食感が心地よい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで旨味も溢れます。
赤貝♡
特大の赤貝をヒモと共に。ザクザクとした食感で咀嚼の度に香りが広がり、甘味も溢れます。
赤身漬け♡
今回は神奈川県三崎産128キロ。舌に吸い付くようなねっとりした赤身にシャリの旨味が寄り添います。やはり美味しい。
中トロ♡
切り付けも厚く、口の中での存在感が凄い。香りも素晴らしく美味しい。
大トロ♡
ちょっと温度高めなシャリが大トロを液体に変えて、まるで旨味たっぷりの鮪ジュースのよう。
小鰭
キリリとした小鰭は旨味も味わいも濃く、シャリにも負けない味わい。
車海老♡
温度が高めなシャリが更に車海老の香りと甘味を際立たせています。いつもながらにブレのない素晴らしさ。
鱒の介♡
コロリとしたシャリが鱒の介の旨味を確りと受け止めていて、やはり旨味の強い種はこのシャリに好相性です。
鰤♡
脂の強い鰤でも温度を上げることでしつこくなく、ちょっと温度高めな濃旨シャリが鰤の旨味を押し上げています。
煮蛤♡
ライトな色合いでも確りと味が染み込んでおり、とても柔らかい煮蛤。柚子の香りがふわりと鼻から抜けます。
馬糞雲丹♡♡
元々、雲丹は爆盛りな将太さんですが、今夜は特に凄かった!変なえぐみや雑味のない甘味が口いっぱいに広がり、香りも素晴らしい。
喉黒♡
軽く炙ることで身の脂が溶け出して、トゥルトゥルな喉黒。鮪にも決して負けない旨味の爆流。
カマトロ♡♡
かなりの希少部位で存在すらも知らない方が多い中で、いつも用意して下さる優しさが嬉しい。特製のにんにく醤油で軽く漬けにしてから炙って握られるこの種はまるで肉!最後までありがとうございます!
鮪のコラーゲンスープ
昼はアラ汁なので、久しぶりにいただいたスープ。
穴子♡
肉厚でモフモフな布団のような穴子は、少量の煮つめでより香り立つ味わい。
玉♡
スペシャリテのクリームブリュレのような玉。最後まで心掴む美味しさ。
本日は3月いっぱいで「鮨 とかみ」から独立される親方の小田将太さんとの最後の夜でした。今後は故郷である北海道の札幌で握られるそうで、なかなか簡単には会えなくなりそう…。鮨の味わいでは勿論のこと、将太さんの人柄はきっと道民の胃袋も心も掴むはず!新天地でのご活躍を期待しています。
将太さん、長い間!!!くそお世話になりました!!!
この感動は一生…!!!忘れません…!!!!
今夜出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
而今 特別純米 無濾過生
栗林 六郷東根 純米酒 ピンクラベル
七本槍 純米 80%精米 火入れ
江戸開城 純米吟醸 原酒 山田錦
作 恵乃智
東一 純米 山田錦
くどき上手 亀仙人 純米大吟醸
2021.12.
楽しい美味しい鮨納め
沈静化しつつも、まだ不安が残るコロナ禍の中で迎える2021年の年の瀬をどこで迎えるか?ここ数年は銀座にある鮨の名店「鮨 とかみ」で鮨納めをするのが、私の恒例行事となっています。今年も無事にやってくることができ、感謝しかありません。今回も昼鮨ながらも年末ということで夜コースの仕立てで、特にリクエストすることもなく全てを店主・小田 将太さんに委ねます。
今回の献立
突先♡♡
鮪の頭の部位を使った手巻き鮨。濃旨な赤酢シャリと濃厚な鮪の旨味が心を掴みます。
九絵の椀物
椀の中には九絵・大黒しめじ・京都府産ほうれん草・金時人参・新潟県産ビタミン大根。力強い吸い地の味わいに、九絵の身のぶりんとした食感と皮のトロリとした食感があり、美味しい。
せこ蟹♡
ズワイガニの雌の内子・外子・身を全て混ぜ込んだものを温い蟹酢餡をかけて。この時期には出逢える肴で、プチプチとした食感の中で旨味も弾けるかのよう。
皮剥の肝和え♡
削ぎ切りにした皮剥をその肝と和えたもの。コレは間違いのない美味しさ。クセなどは微塵も感じない濃厚な肝の味わいにプリプリとした皮剥がたまらない。
鮟鱇の唐揚げ♡
プリプリと弾けるような鮟鱇の食感を楽しんでいると、口の中は溢れる鮟鱇の旨味でいっぱいになります。山盛りで食べたい美味しさ。
真加治木の生ハム♡
真加治木を塩漬けにした生ハム風仕立て。コレはお酒のアテに最高。日本酒が秒でなくなる美味しさ。
蕪蒸し♡
おろした聖護院大根を白甘鯛の上に乗せて、金時草と共に蒸しあげた蕪蒸し。椀の中はほぼ白甘鯛というボリュームで、ほろりと崩れる白甘鯛は実にジューシー。
唐墨♡
自家製の唐墨をザクッと切ってくれました。唐墨をかぶりついて食べる贅沢さ。
真鯛♡
ちょうど腹の部位で旨味と甘味が素晴らしく、シャリの酸味がよりそれらを押し上げます。
鰤漬け♡
食べた瞬間にグッとくる旨味があり、鰤のクセなどは微塵も感じさせません。口の中に残るのは、濃密な鰤の旨味のみ。
墨烏賊
醤油で浮かび上がる切り付けも美しく、サクサクを楽しんでいると溢れる甘味と醤油の香りも愛しい。
春子鯛♡
程よく黄身酢おぼろで脱水されており、阻止の度に旨味と甘味が引き出されてきます。
赤貝♡
1貫に赤貝を丸々1個使うヒモと一緒に握る仕立てで、旨味と香りと食感が段違いの美味しさ。
赤身漬け♡
有名鮪卸問屋「やま幸」から届いた今回の鮪は青森県大間産110キロもの。初め出汁の味わいのアタックがきて、その後に鮪の香りがぶわっと広がります。
血合いぎし♡♡
口に入れた瞬間に感じる口溶けの良さと香りが素晴らしい。
中トロ♡
どっしりとしてこってりとした旨味の力強さがあり、コレで中トロ?と思わせるほど。
大トロ♡
中トロに比べると意外とさらりとしており、口溶けの良さはまるでジュースのよう。
小鰭
銀色に輝く皮も柔らかく、酸味よりもジューシーな旨味が勝る小鰭。
車海老♡
車海老に浮かびあがる綺麗なだんだら模様・甘味・温度・香りが素晴らしい。
鰆昆布〆
舌に吸い付くような食感に昆布の旨味がぶわりとし、最後に鰆の甘味が広がります。
煮蛤♡
見た目の色合いよりもジューシーで柔らかく旨味も強く、美味しい。
アラ汁♡
濃厚なアラ汁も特別仕様の大きさw
鰹♡
鰹にありがちな血の味わいなど微塵もなく、旨味だけが口に残ります。
紫雲丹♡♡
競札1番というスペシャルな紫雲丹。香りも素晴らしいですが、馬糞雲丹にも負けないよう甘味が強烈。
喉黒♡
身だけを昆布〆して、皮目は炙ることでトゥルトゥルな喉黒になり、口の中でシャリと混ざる時には既に旨味の塊の液体のよう。
カマトロ♡♡
いつも用意して下さる希少部位のカマトロ。特製のニンニク醤油で漬けにしてから炙って握られます。まるで肉のようで、実に美味しい!
穴子♡
醤油を使わずに炊きあげた穴子は香りも楽しめ、モフモフの布団のような食感の後に舌に絡みつきます。
玉♡
表面をキャラメリゼしてスペシャリテの玉は、まるでクレームブリュレのような100%スイーツな味わい。
久しぶりに味わう「鮨とかみ」のディナーメニューは肴の品数を抑えていながらもお酒のすすむものが多く、実に美味しい。握りに関しては言わずもがな。ガツンとした濃旨な赤酢シャリと濃厚な種の独特のコロリとしたフォルムの男鮨は、胃袋と心をグッと掴んで離しません。
3月で「鮨とかみ」を卒業される将太さんの昼鮨はこれが最後。来年から3月までは夜のみに専念されるそうで、今後昼を担当される和田駿友さんに期待がかかると同時に卒業までのカウントダウンが始まる「将太の鮨」に期待と寂しさを抱きます。
将太さん、駿友さん。最高のひと時をありがとうございました!来年また楽しみしています。
2021.10.
私が通わせていただいてる鮨店の中で一番長く通っており、今も尚、心を掴んで離さない「最強の昼鮨」と思っているのが銀座にある「鮨 とかみ」です。握るのは「鮨とかみ」2代目店主の小田 将太さん。ガツンと赤酢の効いた濃旨なシャリと有名鮪卸問屋の「やま幸」の鮪をはじめとする旨味の強い種と共に握られる鮨は、銀座でもトップクラスの大きなサイズのまさに男鮨。今回も昼鮨ですが、夜をも超える大ボリュームの鮨を堪能させていただきます。
今回の献立
真鱈のお椀
蕪・芽ネギ・白木耳。濃厚な出汁の味わいが実に「鮨とかみ」らしい。
真鯛♡
ファーストアタックは濃旨なシャリ、そして咀嚼の度に真鯛の旨味と甘味がグッときます。
墨烏賊
心地よいサクサク感。塩ではなく、醤油を使うことで墨烏賊に入れた包丁も浮かび上がり、香りも立ち込めます。
泥障烏賊♡
初めての山葵生姜という仕立て。細かく切られた泥障烏賊のねっとりした甘味の中で、生姜の爽やかな辛味が映えます。
鰤♡
昔ながらの江戸前の漬けの仕事を施した鰤。旨味が凝縮している中で、切り付けも厚くて実に美味しい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで、甘味も確り。
赤貝♡
わざわざ私の為に一個だけ仕入れてくれた赤貝。ヒモの部位も一緒に握っているので、食感が心地よい。
赤身漬け♡
青森県大間産。漬けにすることで、鮪本来の旨味が凝縮して、更に出汁の旨味も過剰されており、実に美味しい。
血合いぎし♡
宮城県塩竈産。口溶けも良く、食べ終えても尚続くような香りも素晴らしい。
霜降り♡
青森県大間産。口溶けはやはり素晴らしく、甘味が口いっぱいに広がります。
砂ずり♡♡
宮城県塩竈産。霜降りも美味しかったですが、コレは甘味が段違い。脳が震えるほどの美味しさ。
鰻松♡♡
この時期の定番となっている天然の鰻と長野県産の天然松茸を合わせた小丼。松茸の量が尋常じゃなく、香りが素晴らしい。ひと口で幸せになれる味わい。
小鰭
口をリセットする為の種ですが、初めに感じる酸味の後にくる濃厚で旨味たっぷりな攻めるような味わい。
鮟肝♡
「鮨とかみ」の濃旨な赤酢シャリに鮟肝は抜群に合いますが、今回は珍しい握りの仕立て。これもヤバイ!肴で食べるよりも、断然に好み。
車海老
温度は人肌よりもちょい高め。甘味をグッと感じられる美味しさ。
鰆昆布〆♡
ほわんっとした鰆の甘味の中で、仄かに感じる昆布の旨味が愛しい。
いくらの親子丼♡
たっぷりと盛られた生いくらで隠れているのは、炙った鮭。この時期ならではの鮨店が作る親子丼です。器の中はほぼ生いくらという状態で、いくらの心地よいプチプチ感があり、鮭の旨味が合わさることで絶妙な美味しさ。
煮帆立♡
粒も大きいので食べ応えもあり、煮つめの
甘味と帆立本来の甘味が合わさって美味しい。
煮蛤♡
ジューシー且つ柔らかい。低温調理を施した蛤は旨味がギュッとしており、咀嚼の度にその旨味が溢れます。
秋刀魚♡
「鮨とかみ」で3年ぶりに出逢えた秋刀魚。旬の魚はやはり美味しい。味わいもそうですが、食べ終えてもまだ口の中に存在しているような香りが素晴らしい。
アラ汁♡
アラ汁さえも濃厚極まりない味わい。しかしながら、お椀のサイズがおかしいw
焼秋刀魚♡♡
先程の秋刀魚を軽く炙ってから、大根おろしと秋刀魚の肝ペーストを乗せて供されます。コレは凄い!まさに口の中で完成する焼き魚定食!上に乗せられた肝がいい仕事してます。
北紫雲丹♡
小田親方は、盛りに盛る!シャリよりも雲丹が多く、ひと口で頬張ると口いっぱいに広がる香りが素晴らしい。
喉黒
トゥルトゥルな身は口に入れた瞬間にとろけ、それを確りと濃旨なシャリが受け止めます。
カマトロ♡♡
いつもはあるわけではない希少部位のカマトロですが、確りと用意して下さる優しさに感謝です。特製のニンニク醤油に漬け混んでから軽く炙って握られるこの一貫は、まさに肉!ニンニクでガツンとくる味わいですが、それに負けないシャリも素晴らしい。
焼穴子♡
今回はなんと穴子も2種。まずは白焼きしたものを塩で。ダイレクトに感じる穴子の香りと旨味。コレもいい!
煮穴子♡
次はいつもの爽煮にした穴子。大好きな腹の部位なので、舌に絡みつくようなねっとり感がたまらない。
突先♡
鮪の頭の部位の突先を使った名物の手巻き。最初でも最後でも心をグッと掴む味わいです。
玉♡
表面をキャラメリゼした玉は100%スイーツな味わい。プリン好きにはたまりません。
今回も実に楽しく、美味しい「小田将太の鮨」を堪能させていただきました。私の好みをよく知ってらっしゃるので、供される一貫一貫にハズレなどは一切なく、全てが心に響く美味しさ。いつもながらに熱さ感じる魂の鮨でした。
控えに言って、最高でした!
小田親方、和田さんいつもありがとうございます!年末、楽しみにしています!
今回出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
あたごのまつ 純米吟醸 ささら冷卸 ひやおろし
上喜元 純米吟醸 本生
仙禽 クラシック仙禽 亀ノ尾 無ろ過原酒
十四代 超特選 純米大吟醸 播州山田錦
鳳凰美田 純米吟醸 WINE CELL
2021.5.
力強き握りの饗宴
鮨店で、やはり好きなのは肴よりも握り。握りのみのコースがよくある昼鮨は非常に好みで、贅沢をしている気分になって好きです。通わせていただいている鮨店の中で、最強と思っている昼鮨は銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんが握る鮨はガツンとした赤酢が効いたシャリで、ころんとした大きさが特徴的な男前な鮨です。ランチは13貫8000円と16貫12000円の握りコースのみで、銀座の鮨としてはとてもリーズナブル。今回も16貫のコースをベースとした私だけのコースで、「鮨 とかみ」の全てを堪能します。
今回の握り
先付
賀茂茄子・鮎女魚・じゅんさい。
確りと味を含ませた賀茂茄子、梅肉がいいアクセントになってる旨味溢れる鮎女魚、ちゅるんとしたじゅさいがジメジメとした天気を吹き飛ばすような爽やかさ。
金目鯛
シャリの酸がふわりと鼻から抜けて、金目鯛の甘味と旨味が駆け抜けていきます。
泥障烏賊
細切りにしてあるので、口の中でスッと溶けてシャリの酸が泥障烏賊の甘味をより際立たせます。
烏賊唐墨♡
自家製唐墨を薄衣切り、墨烏賊と一緒にして握る私だけのスペシャル握り。サクサクとした墨烏賊の食感に濃密な唐墨の味わいが実によく合い、まさに口福の一貫。
春子鯛♡
〆ているのに、まるで溶けるようなジューシーさの春子鯛。美味しい♡
赤貝♡
ヒモも一緒に握る丸々赤貝一個を使う贅沢な一貫。ヒモを入れることで香りが力強くなりますが、この赤貝自体の味が非常に濃い!最近の中ではピカイチの美味しさ。
平貝
柚子香るサクサク平貝は甘味の後に苦味も感じられます。
白海老
生の白海老ですがクセも全くなくて、甘味だけが純粋に楽しめます。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産。漬けにすることで旨味が凝縮して、実に美味しい。
中トロ♡♡
香りを放ちながら、ゆっくりと溶けていく中トロは時間が止まったかのように感じられる甘美な瞬間。
大トロ♡♡
香りは中トロより劣るものの、その味わいはまるで濃厚濃密な鮪のジュース!力強い赤酢シャリにとてもよく合います。
姫鱒♡
鮮やかなオレンジ色が眩しい姫鱒の口溶けはよく、鮪とは違う香りがあり、上品な甘味が素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭の酸が口の中を一気にリフレッシュさせてくれます。
車海老
温度はちょっと高め。甘味よりも香りがとても印象的で、素晴らしく立ち上ります。
鶏魚♡
夏を告げる鶏魚の片身で一貫しか取れない砂ずりの部位を軽く炙って。香ばしい香りと溢れる旨味が実に美味しい♡
鰆昆布〆♡
程よく脱水されて、旨味が凝縮しており、ほわんとした甘味も感じられます。
太刀魚の蒲焼♡
供されると、器から立ち上る香りからやられます。厚みのある太刀魚は蒲焼にしていますが、太刀魚自体の旨味が実に美味しく、シャリともよく合います。
縞鯵
咀嚼していくとシャリの酸と混ざり合い、徐々に旨味の輪郭が現れてきます。
蝦蛄♡
特大サイズの蝦蛄は旨味も格別!蝦蛄は大好きなので、実に嬉しい♡
煮蛤♡
極上の柔らかさ。咀嚼の度に溢れる旨味が止まらない。
煮帆立
初めて食べる種は、煮蛤の代わりらしい。煮蛤の旨さには敵わないですが、帆立の甘味が活きていて美味しい。
〆鯖♡
薄く切ったものを3枚重ねて握っているので、口溶けが素晴らしく、濃厚な旨味がたまらない。
鰹
モチモチとした食感の中、仄かな薫香があり、爽やかな旨味が走ります。
北紫雲丹♡
軍艦ではなく、握りで。この雲丹は何と言っても香りがいい。たっぷりとした量なので、口いっぱいに香りが広がり、鼻から抜ける瞬間がたまらなく好き。
馬糞雲丹♡
雲丹の食べ比べ。この馬糞雲丹は軍艦で。シャリよりも雲丹の方が多く、まるで3階建てのようなこの量w頬張るという表現がピッタリで、口の中に溢れる雲丹の甘味が素晴らしい。いつもありがとうございます♡
喉黒♡
軽く炙っているので、脂が蘇るようなジューシーな喉黒。コク旨なシャリに合わないわけがない。
カマトロ♡
毎回あるわけがない部位ですが、確りと用意して下さる心遣いに感謝しかありません。ニンニクが効いた特製タレに漬けてから軽く炙って握っています。その味わいはまるで肉のようで、実に美味しい。
穴子♡
醤油を使わずに煮上げた穴子は確りと香りも残っていて、布団のようにフカフカ。好きな腹の部位だったので、コッテリとした味わいを堪能できます。
突先♡
鮪の頭の部位である突先を使った巻物。パリッとした海苔の香りと口溶けもよく、ジューシーな旨味が溢れます。やはり鮪は美味しい。
玉♡
100%スイーツ寄りな玉は表面をキャラメリゼしており、まるでプリンのような感じ。いつ食べても美味しい♡
「久しぶりだったので、気合い入れましたよ!」と笑う小田親方の言葉通り、まさしく最強の昼鮨でした。久しぶりに味わう「鮨とかみ」の鮨はより力強くなったのか、濃旨の赤酢シャリがビシッと効いており、濃厚な味わいの種は実にハマって美味しい。初手の金目鯛から重いストレートパンチを受け続けるかのようで、畳み掛ける美味しさでノックダウンです♡
今回も実に美味しかったです。小田親方、和田さんありがとうございました!また宜しくお願いします!
2020.12.
一昨年から年の終わりか初めの食べ歩きを飾っているのが「鮨 とかみ」の鮨です。今年は営業するか分からないという状況の中で、「もしやるならば、絶対に行きたい!」と店主の小田 将太さんにお願いしていて、年末のみ営業することが決まったので、2020年の鮨納めとなりました。「鮨 とかみ」と言えば、私のとって最強の昼鮨の一軒なのですが、今回は夜。夜は実に一年ぶりとなる訪問です。
今回の献立
突先♡
まず手渡しされたのは、鮪の頭に近い部位である『突先』を使った手巻き。海苔の香りが映える中で、旨味の強い鮪の美味しさが素晴らしい。
椀物
九絵を使った椀物で、島根県奥出雲産の椎茸、京ほうれん草、金時人参、新潟県産ビタミン大根が周りを彩ります。
吸い地の力強い味わいの中で、特に九絵と椎茸の旨味がグッときます。久しぶりに鮨以外のものをいただきましたが、鮨と同じように力強い。
皮剥の肝和え
綺麗な皮剥の身を厚めに切り、肝と和えたもの。濃厚な肝の味わいに負けることなく、身の味わいも確りと感じられます。
鮟鱇の唐揚げ♡
ムチっとした後、ふわりとする鮟鱇は旨味も抜群。鮨店で供される揚げ物は大好きです。
せいこ蟹♡
雌のずわい蟹の身と味噌、更には内子と外子も全て混ぜて込み、上から蟹酢の餡をかけたもの。仄かな餡の酸味が蟹の味わいの輪郭を確りとさせており、美味しい。
蕪蒸し
白川と聖護院かぶを使った蕪蒸しにぬるっとした金時草を飾ったもの。ここでも出汁の力強さがグッときて、ふわりとした蕪に包まれた白川が美味しい。
鮃
極上のモチモチ食感。咀嚼を重ねていく度に甘味が溢れてきます。
鰤♡
湯霜の後、出汁醤油で漬けにしたという鰤は濃厚な旨味と甘味が口に入れた瞬間から溢れます。
墨烏賊
醤油と酢橘の香りが印象的な墨烏賊。サクサクとねっとりが同時に味わえます。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られたジューシーな春子鯛は、甘味と旨味の塊のよう。
赤身漬け♡
千葉県銚子産。漬けにすることで、旨味が凝縮して累乗しています。
中トロ♡
口に入れた瞬間の口溶けが素晴らしく、鼻から抜ける香りも心地よい。
大トロ♡
岩手県大船渡産。大トロとは液体だったのか!と思うほどに濃厚なジュースが口の中に溢れます。
小鰭
煌めくような小鰭はキリリと〆してながらもジューシー。
車海老
綺麗なだんだら模様の車海老は香ばしさと甘味と香りが映えます。
鰆昆布〆
仄かなピンク色が可愛いらしい鰆は脱水されて旨味が凝縮して、とろけるような感じがたまりません。
親子丼♡
鮨店の親子丼といったら、やはりコレです。シャリは少量で鮭といくらが溢れます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、柔らかく旨味も溢れて香りも素晴らしい。
鮪のコラーゲンスープ
夜限定のスープ。昼に供されるあら汁も美味しいですが、上品な旨味が美味しい。
鰹♡
第一印象はふわりとする薫香。そして甘味と旨味がシャリの酸味ではっきりとして実に素晴らしい。
馬糞海胆♡
2階建て、いや3階建てのような馬糞海胆の軍艦。ズシリとくる重みは小田親方のお年賀ですw
喉黒♡
トゥルトゥル食感の身は昆布〆で脱水して旨味が凝縮。皮を軽く炙ることで脂が蘇るようで、濃旨な赤酢シャリにビシッと合います。
穴子♡
醤油を使わない爽煮の穴子は香りも楽しめ、食感は舌に絡みつくようでモフモフトロトロ。
玉♡
表面をキャラメリゼさせれた100%スイーツの玉。
2020年は飲食店においても近年類を見ない大変な年であり、未だまだ終わりが見えません。そのような中でも変わらぬ美味しさを提供して下さり、ありがとうございました。2021年もまた最強の昼鮨を楽しみにしています。将太さん、ありがとうございました!31000
2020.10.
職人の気概と濃旨な鮨が生み出す力強さ
通わさせていただいている鮨店の中には昼営業もしているお店もありますが、私が伺うはいつも夜。昼に伺う際にも、出来るだけ夜コースをお願いしています。その中で唯一、昼の握りのみのコースを求めて伺うのが銀座にある小田 将太さんが店主を担う「鮨 とかみ」。銀座という敷居の高さを感じさせないフレンドリーな接客と豪快な握りを供し、ランチは内容から考えてもかなりリーズナブルな鮨店だと思います。鮨は赤酢がガツンと効いたシャリを大きく握る男鮨で、私はデフォルトコースをベースとして更に追加で握っていただいている独自のランチコースになっています。
今回の献立
突先♡
心掴むいつもの初手。海苔の香りと鮪の旨味が濃旨なシャリと共にガツンとしたインパクトを与えてくれます。
真鱈のお椀
真鱈・白子・白木耳・かぶらの吸い物。吸い地の中で、それぞれの旨味が確りとしていて美味しい。
真鯛
濃旨な赤酢シャリの旨味にも負けないような甘味が咀嚼する度に溢れてきます。真鯛も侮れない。
泥障烏賊
細く切られているので、口溶けも良くて甘味も確りと感じられます。
平貝
極上のサクサク食感と柚子の香りが心地よく響きます。
鰤♡
冬に食べるような濃厚さはまだないものの香りは素晴らしく、食べ終えても尚続き、旨味の余韻も長い。
牡丹海老♡
「nao.さんの為に用意しました」と供されたのは、特大の牡丹海老。さすがにコレを一貫にするのはムリなので、塩と醤油で。プリプリ感と舌に絡みつくような甘味が極上。将太さん、ありがとうございます!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていてジューシーな仕上がり。
鰻松♡
宍道湖の天然鰻と岩手県産の松茸を合わせた鰻松丼。しかしほぼ松茸という分量が可笑しいww香りと食感と旨味が幾重にも重なり合う素晴らしさ。
赤身漬け
今回は宮城県塩釜産。酸が程よく、漬けにすることで脱水と底上げされたような旨味が溢れます。
中トロ♡
口溶けよりも旨味のコクが跳ね上がって、じっくりと美味しい。
牡丹海老の頭♡
先程の牡丹海老の頭を炙ったもの。なんだ、コレ?液体のようにトロトロです。
大トロ♡
最早、液体!極上の旨味を備えたジュースでしかないです!今回の鮪は実に旨味が濃くて、美味しい。
鮟肝ご飯♡
まるで、某おでん店の『とうめし』のよう。オレンジ色に光る鮟肝は濃厚な味わいで、舌に絡みつきます。
小鰭
キリリとした酸と旨味が確りとした小鰭。素晴らしき爽やかが駆け抜けます。
車海老♡
仄かな人肌、甘味も香りも素晴らしい。
鰆
仕立ては昆布〆。トロリとしてふわりとした食感の中で、ビシッとした昆布の旨味が映えます。
親子丼♡
鮨店が作る親子丼と言ったら、コレですね。生のいくらなので、皮がほぼないに等しく飲み物みたいwwパリパリとしている鮭の皮との食感のコントラストがあって美味しい。
煮蛤
ジューシーな旨味がこの赤酢シャリと素晴らしいマリアージュを生み出します。
秋刀魚♡
将太さんが箱をひっくり返して、選びに選んでくれた秋刀魚。脂というよりは、この香りが素晴らしい。
鯵
マッチョさも感じるような締まった鯵で、旨味が強い。
北紫海胆♡
笑いながら供された北紫海胆の軍艦を持った瞬間に、私も笑う。重っ!ww
あら汁
「そう…葱たっぷりで…」そんな小声を聞いて供されたのは、あら汁。しかし、この量が…ww
喉黒♡
トゥルトゥルの喉黒は瞬でとろけます。やはりこのシャリには脂や旨味の強い種が非常に合います。
穴子♡
醤油を使わずに煮付けられた穴子は、真白で香りも感じられる仕立て。布団のようにモフモフ食感の後、舌に絡みつくようにトロリとします。
カマトロ♡
今回も用意して下さいました。「シャトーブリアンですww」と供されたのは、ニンニク醤油に漬けて炙ったカマトロ。鮪って何だろう?肉だったのか?と考えさせられるほどに肉々しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ系の玉。印象に残りやすい最初と最後はお店の顔とも言える種です。
やはり鮨店に来たならば、肴よりも鮨を食べたいという私の思いを期待以上の鮨で応えて下さる将太さんの心意気にいつも感謝しかありません。今回も美味しく楽しい鮨をありがとうございました!また宜しくお願いします♡32560
今回出逢えたお酒
瀧自慢 純米 大吟醸 銀ラベル
クラシック 仙禽 亀ノ尾 2020
東洋美人 純米大吟醸 白鶴錦 槽垂れ
2020.5.
コロナ禍で休業やテイクアウトのみの営業をしている鮨店が多い中で、普通に営業していて空席もあり、馴染みのお店ならばやっぱり応援を込めて行きたい。で、やってきたのは銀座にある「鮨 とかみ」。店主・小田 将太さんの握る鮨はかなり大きくて、大好きな濃旨な赤酢シャリを存分に堪能でき、更に素晴らしいCPというのも魅力的な鮨店です。
今回の献立
突先♡
初手はやはりコレ。鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。海苔の香りに包まれながら、旨味の濃い突先が「鮨とかみ」に来たと実感させます。
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を南蛮漬けに。鯵にはない稚鮎のほろ苦さがとてもよく合います。
真鯛
身には確りとした食感があり、噛むたびに甘味が引き出されていくかのようで、濃旨な赤酢シャリにも負けません。
泥障烏賊
かなり細かくしているので、甘味が瞬時に感じられて口溶けも早い。
平貝
心地よいサクサク感で、柚子の香りが華やぎます。
白海老
生の白海老だそうですが、クセなどは微塵もなくて、ただ甘味だけが凄い。
烏賊唐墨♡
前回の感動をもう一度!薄く切った自家製唐墨を軽く炙り、墨烏賊の下に入れて握られます。この唐墨は全くしょっぱくないので、旨味だけが加わる感じです。実に美味しい♡
鳥貝♡
京都府舞鶴産。今年もあまり良くないそうで、この一貫の為にお店にあった鳥貝を全部剥いてもらって選んできたという感謝しかない鳥貝。ワタは少ないながらも、肉厚で食べ応えもあって美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆ていながらも、瑞々しさが残っていてジューシー。
赤身漬け
今回は千葉県銚子産のもので、なんと2週間の熟成をかけたらしい。夏にかかった鮪は爽やかな味わいで、食べ終わるとふわりと香りが鼻から抜けます。
中トロ♡
やはり2週間の熟成は素晴らしく、口溶けの早さが尋常じゃありません。まるで液体のよう。
大トロ♡♡
先程の中トロがそうだったのだから、この大トロも想像はつきましたが…やはり口溶けの早さが凄い。中トロに比べると、コクがあって美味しい。
カマトロ♡♡
今回はカマシタではなく、本当のカマの部位らしい。特製のニンニク醤油に漬けてから炙って握られるこのカマトロは、まるで肉。毎回確実にあるわけではないけど、いつも用意して下さる心遣いに感謝。
小鰭
「ちょっと小さいので、2枚ね」と供された小鰭は珍しい2枚付け。旨味と酸が心地よく、口の中に広がります。
車海老
火入れも素晴らしい半生状態で、甘味と香ばしさも感じられて美味しい。
鰆昆布〆
口の中でふわりと昆布の旨味がし、鰆のほわんっとした甘味が滲み出ます。
鶏魚
これから旬を迎える夏を告げる魚の鶏魚。皮目を軽く炙って、脂を引き出しています。
太刀魚の蒲焼♡
定番となった焼魚シリーズ。今回はそろそろ終わりという太刀魚を蒲焼風にして、シャリと共にいただきます。元々ご飯と好相性なのだから味わいは勿論のこと、太刀魚のふわっとした身がたまらなく美味しい。来月からは金目鯛にしてみるそうで、それも美味しいに決まっています。
〆鯖
薄く3枚に切りつけてから重ねて握るアーティスティックな一貫。程よく口溶けて、シャリと混ざり合います。
鰹♡
生のまま燻製にすることで、確りとシャリに合う種となっています。薫香が一陣の風のように駆け抜けていくのが、とても印象深い。
煮蛤
低温調理をしているので柔らかく、色合いは薄いながらも噛み締める度に旨味が溢れます。
真鯵
爽やかな味わいがあり、肉厚なので口の中での存在感が凄い。
北紫海胆♡
たっぷりと使いすぎて崩れちゃうので、手渡しされた北紫海胆。香り高く甘味もあって、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。最近は豆板醤?を入れなくなったのでしょうか。辛味はありません。
馬糞海胆♡
馬糞海胆をシャリに混ぜ込んで、その上から酒や味醂で味を付けた海苔の佃煮を乗せた椀物です。構成は海胆の軍艦と同じですが、酒や味醂の調味料の甘味が馬糞海胆の甘味と合わさり、非常に美味しい。最近、ディナーではこんなスタイルの海胆を供しているらしく、素晴らしい発想です。
喉黒
皮目を炙ることで、身と皮の間の脂が蘇るよう。やはりこのシャリには旨味の強い種がよく合います。
穴子
香りも楽しめるように醤油を使わずに焚かれた爽煮の穴子。トロリとして、舌に絡みつきます。
玉♡
最後は表面をキャラメリゼした100%スイーツな玉。
今回も素晴らしい内容でした。シャリの旨味が強いので、それに合わせる種も鮪を中心にして強いものとなり、一貫一貫が力強い鮨が楽しめました。
今回も色々と用意して下さり、ありがとうございました!大変な時期ですが、お身体だけは気を付けて下さい。30360
今夜出逢えたお酒
生粋左馬 純米吟醸 生原酒
勝山 純米吟醸 献
2020.2.
鮨の聖地としても有名な街、銀座。多くの鮨店が点在する中で、私の胃袋をグッと掴んで離さない昼鮨があります。それが小田 将太さんが握る「鮨 とかみ」。ガツンと赤酢の効いた旨味の強い赤黒いシャリを大きく握ったコロンとした鮨が特徴的で、昼には13貫と16貫の握りコースのみを提供しています。勿論、デフォルトコースでも満足度はかなり高い中で、私がお願いしているのがシャリに合うものは何でも握ってもらうこと。夜コースをも凌駕するこのコースこそが、私の中で最強の昼鮨。今回も楽しませていただきます。
今回の献立
甘鯛と合馬たけのこの椀
甘鯛に京都の金時人参と法蓮草を入れ、聖護院蕪を使って、みぞれ椀仕立てに。出汁も強めに引いており、味わいが確りとした椀物。特に福岡県産の合馬たけのこの香りや甘味が素晴らしい。
金目鯛
程よく脱水されており、旨味が凝縮して美味しい。食べ終えて、口の中に残る甘味が印象的。
槍烏賊の印籠詰♡
大葉・蓮根の酢漬け・胡麻を入れた赤酢シャリを槍烏賊に詰めた印籠詰。歯がいらないくらいに柔らかな槍烏賊に驚き、シャリに混ぜ込まれた蓮根のシャリシャリとした食感とのコントラストが映えます。
泥障烏賊
細く切られているので、ねっとり感と甘味が秀逸。他店だと烏賊は塩が多いですが、醤油を使うことで香りも演出しています。
公魚とタラの芽の揚げ物♡
豆腐の水気を抜いてから裏漉しして、鯛の酒盗と合わせたものでいただく揚げ物。これが素晴らしく、美味しい。軽い味わいの公魚とタラの芽に強い旨味をぶつけて、鮨に負けない味わいになっています。
平貝
柚子香るサクサク食感の後から生まれる平貝の甘味が美味しい。
赤貝♡
ヒモも一緒に握る大好きな仕立て。やはりこのヒモを入れることで、食感も香りも抜群に跳ね上がります。
春子鯛
手で掴むとふわりとする春子鯛はジューシーで、甘味があって美味しい。
唐墨烏賊♡♡
他店ならば上から削るくらいだと思いますが、大胆に自家製の唐墨を薄切りにして炙ったものを肉厚の墨烏賊と一緒に握った一貫。凄い!サクサクとした墨烏賊の心地よい食感はありつつも、唐墨の旨味の塊が口の中で暴れ回る素晴らしいの一言です。
鰤大根♡
柚子香る甘く焚き上げられた鰤大根は脂もあり、大根も確りと味が染みていて、実に好みの味わい。
赤身漬け
今回の鮪は、静岡県下田産の140キロ。食べ終えても続く香りは素晴らしい。
メジマグロ♡
儚いような食感でありながらも、旨味は確りとして強い赤酢シャリにも負けずに美味しい。
中トロ
ゆっくりとしたとろけ方で、上品な旨味がシャリと混ざり合います。
大トロ♡
筋も全く当たらずにトロトロな鮪は、ちょっと温度のあるシャリの中で、旨味と脂が迸ります。
小鰭
旨味がグッとくる小鰭はジューシーで、キリリとした後味。
車海老
綺麗なだんだら模様が浮かぶ車海老は、甘味が秀逸。今回はちょっと温度高めかな。
鰆昆布〆
脱水された分、確り昆布の旨味が入り込んでいて旨味が強い鰆。
太刀魚♡♡
コンセントは焼き魚とご飯。不味いわけがない!素晴らしいマリアージュ。味は勿論のこと、口に入れた時の海苔と太刀魚の香りが凄い!
椀物
濃厚なアラ汁。ですが、量が…ww
煮蛤
色合いはライトながらも、旨味は強い煮蛤。
鶏魚
皮目を炙っている鶏魚は香ばしさと鶏魚本来の香りもあり、旨味と甘味も確りと。
〆鯖♡
薄切りを数枚重ねた仕立てなので、瞬時にとろける口溶けの良さ。
真鯵
上に乗せられた薬味の香りが華やぎ、肉厚で存在感のある鯵の旨味が暴れるよう。
北紫海胆♡
海苔と海胆が同時にとける様は、口の中で行われる数秒のドラマ。香りと甘味が映えて、実に美味しい。
馬糞海胆
コレも海苔と同時にとけますが、香りがあまりない分、甘味は強い。今回の好みとしては北紫海胆の方かな。
喉黒
口に入れた途端にジュースと化す喉黒は、まさにトロトロ。
穴子
布団のようなフワフワ感。爽煮なので、穴子の香りも確りと感じられます。
突先♡
旨味が強い頭の部位を使った手巻き。最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
玉♡
スペシャリテのキャラメリゼされた100%スイーツ寄りの玉。最近はよりプリン感が強くなっています。
「今の時期、魚の種類が少なくって…」と仰いながらもこの量を用意して下さり、ありがとうございました。今回の白眉的な一貫は、やはり唐墨烏賊と太刀魚ですかね。一瞬で違う世界へと連れて行ってくれるような衝撃的な味わいでした。
今回も実に美味しく、楽しませていただき、ありがとうございました。次回も楽しみです。ご馳走さまでした。28600
2019.11.
銀座にある「鮨とかみ」で、店主の小田 将太さんの心意気に感謝して、夜メニューを超える最強の昼鮨を今回も楽しみます。
本日の献立
突先♡
今回は最初に供された鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。デフォルトだと昼は最後のはずなのですが…最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
鯛と鯛の白子の炊き合わせ
歯を跳ね返すようなムチムチとした身の弾力と旨味の濃さが素晴らしい。
真子鰈
モチモチとした食感を楽しんでいると、濃旨なシャリと真子鰈の旨味が混ざり合います。
鰤♡
出汁醤油で漬けにしているので、鰤のクセは微塵もなくて余分な脂も抜けており、旨味だげが凝縮しています。
泥障烏賊
細く切りつけてから握っているので、口の中で溶けていきます。そして口の中に残るのは、泥障烏賊の強烈な甘み。
赤貝♡
ヒモも一緒に握っていることで、食感と香りが格段に違います。赤貝はやはり一貫で丸ごと使う仕立てが1番!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は驚くほどにジューシーで、フワフワな食感。
平貝
柚子香るサクサク食感の楽しさ。
うなまつ♡
肉厚な宍道湖産の天然鰻と岩手県産の松茸を贅沢に使った小丼。底にはシャリも入っていますが、ほぼ鰻と松茸。甘みのあるタレが私好みで、美味しい♡
赤身漬け
今回はちょうど鮪の入れ替えのタイミングだったそうで2種の魚体があり、思いがけずに鮪祭りとなりました。
まずは宮城県塩釜産202キロの背中の赤身を漬けで。出汁醤油の旨味で倍加した赤身は味わいも濃く、食べ終えた後に鼻から抜ける香りも素晴らしい。
血合いぎし♡
魚体を変えて、青森県龍飛産190キロの血合いぎし。こちらの方が香り高く、食べた瞬間に鮪の香りが花開くよう。やはり、血合いぎしは素晴らしい。
中トロ♡
青森県龍飛産98キロの背中側の中トロ。小型の鮪なので身質も柔らかくて、とろけ方も素晴らしい。香りでは血合いぎしには負けますが、旨味が濃くて美味しい。
大トロ♡
また宮城県塩釜産の魚体に戻って、大トロの霜降り部位。噛み締める度に溢れる旨味は尋常ではなく、旨味という一種の暴力です。
大トロ♡
最後は、青森県龍飛産の大トロの砂ずり部位。厚みのある身にズズッと歯が入ると、溢れる旨味とコク。見た目からも美味しさが伝わるかと思いますが、実際はもっと美味しい♡
あん肝ご飯♡
「今日は、あん肝大きすぎましたね」と供された小丼に入っているのは、甘く炊き上げたあん肝とシャリ。しかしながら、ほぼあん肝というアンバランスさが嬉しい!シャリと混ぜ混ぜして食べる素晴らしいお酒のアテご飯です。
小鰭
鮪からあん肝までの流れをクールダウンするかのような小鰭。けれど、小鰭もかなりジューシーで旨味溢れます。
車海老
半生よりも更にちょっとだけ火を通した車海老。甘味と香ばしさが確りと感じられます。
いくら親子丼♡
またしても小丼。その中身はキラキラと輝くいくらとそのいくらに溺れるように入れられている銀鮭。このいくらが凄い。まるで球体のジュースのようで、いくらの薄皮すらも感じさせないくらい。弾けるというよりは溶けるようないくらです。
唐墨♡
大きな唐墨をザックリと切ってから軽く炙れば、最高の肴に。
鰆昆布〆
昆布は旨味を乗せて、ふわりと香る程度。口の中でじゅるりと溶ける鰆は、甘味を残しながらふっとなくなります。
煮蛤
色合いはライトながらも、確りとジューシーな煮蛤は柔らかくて、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。今回は濃度も味わいも丁度いい。
鯵
爽やかな脂と旨味が駆け抜ける鯵。肉厚で口の中での存在感がバッチリです。
馬糞海胆♡
軍艦巻きにまるでタワーのように山盛りされた馬糞海胆。口の中で感じるのは、ほぼ馬糞海胆という口福感です。
喉黒♡
身の方は昆布で脱水させ、皮は軽く炙って脂を引き出しています。濃旨の赤酢シャリにはやはりこういう種がよく合います。
カマトロ♡
「いつも運がいいですよね」と出していただいたのは、カマトロ。切りつけてから、ニンニクがガツンと効いた特製タレで漬けにしてから炙って握られます。魚を超えるまるで肉のような存在感。美味しい♡
穴子♡
舌に絡みつくようなトロトロな穴子。爽煮なので、穴子の味や香りも楽しめます。
玉♡
最後の〆の玉まで抜かりない味わい。表面をキャラメリゼした鮨店の玉には珍しく100%スイーツに振り切った味わい。
小田さんご自身も握りが好きで、中毒性のある赤酢シャリは大きくて食べ応えもあり、昼鮨としては最高です。特に今回は思いがけず数種類の鮪に出逢えて、幸せでした。旬のものとしては、やはり『いくら』が秀逸で、全く薄皮を感じさせない素晴らしい仕立てで美味しかったです。
本日出逢った日本酒
賀茂金秀 特別純米 13原酒
而今 特別純米 火入れ
十四代 超特撰 純米大吟醸
栗林 純米火入れ 六郷東根 ピンクラベル
磯自慢 大吟醸 水響華
クラシック 仙禽 亀ノ尾
今回も感動をありがとうございました!次回は2020年の鮨初め、今から楽しみです。33000
2019.8.
きっと予約で一杯だから無理と思いつつも、ダメ元で連絡してみた銀座にある「鮨とかみ」。奇跡的に希望していた日付で空きがあるとのことで、スキップしながらやってきたわけです。
戸を開けると、「毎度!」と威勢良く挨拶して下さったのは、店主の小田 将太さん。「やま幸」の鮪をはじめとする種はどれも素晴らしく、銀座でありながらもランチは驚くほどにリーズナブル。特徴的な濃旨の赤酢シャリは、女性でも容赦のない大きさで握られていて、多くの食べる人を魅了しています。
本日の献立
鰹 特製玉葱ドレッシングで
先付は鰹。上から盛られた白葱・生姜・茗荷・大葉・カイワレのたっぷり薬味で清涼感があり、最後に鰹の旨味や甘味がグッときます。
目痛鰈
西関東〜九州地方では高級魚だそうですが、関東では珍しい魚。星鰈よりも甘味と旨味があり、香りもいい。
新烏賊♡
墨烏賊の赤ちゃんの新烏賊。まだサクサクという食感ではないですが、この儚いような食感が好き。
平貝
柚子香る平貝は、サクサクの食感と甘味が映えます。
石垣貝♡
ワタの方を軽く炙っており、香ばしさと甘味が素晴らしい。ザクザクとした食感も素晴らしい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていて、瑞々しくジューシーな味わい。
鰻松♡
「握りではないですが、やはり出さないとね」と供していただいたのは、秋の味覚。
宍道湖の天然鰻は締まった肉厚で、脂もありながら旨味が素晴らしい。岩手産の早松茸は、香りが抜群。新潟産トウモロコシのかき揚げは、激烈に甘い。
赤身漬け
宮城県塩釜産127キロ。出汁醤油の旨味が上乗せされて、鮪の旨味がギュッと凝縮してます。食べ終えて、鼻から抜ける香りも心地よい。
中トロ♡
同じ魚体の背の部分。脂の口溶けよりも旨味が勝る素晴らしい味わい。
大トロ♡
口溶けはさすが。でもやはり旨味が強く、鮪の味が濃い。夏の鮪もいいですね。
新子
3枚付けの新子は、ふわりと柔らか。夏の江戸前鮨の粋を感じる一貫。
小鰭♡
脂もあり、旨味も迸ります。やはり、美味しさでは小鰭の方がいい。
車海老
いつものブレのない完成度。感じる甘味と温度は実に好み。
鰆昆布〆
切りつけの厚い鰆はねっとりとして、ふわりと香る昆布の旨味に酔いしれます。
鱒子♡
いくらよりも瑞々しく、まるで飲み物のような鱒子。薄皮すらも感じさせない口溶けの良さは素晴らしい。
縞鰺♡
高知県産の天然もの。身も締まっていながらも脂もあり、旨味も感じます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、確りと旨味が染み込んだ煮蛤。柔らかく、ジューシー。
椀物
名物の魚のアラを使った濃厚な味噌汁。けれど、今回はちょっと濃度が高め。
鰯♡
この口溶けは鮪をも超えます。この鰯を食べて鮪が美味しくなるのが分かる気がする濃厚な旨味が実に美味しい♡
真鯵♡
肉厚の真鯵は爽やかな脂があり、食べ終えて残る旨味と甘味も素晴らしい。
喉黒♡
シャリの温度でも溶けるような喉黒は切りつけも厚くて、食べ応えが抜群。ふわりと香る昆布も印象的。
赤海胆♡
一滴の水分も入っていないような濃厚な味わいで、ただ甘いだけではなくて、その甘味の中に苦味もあって複雑な旨味があります。
カマトロ♡
「いつもあるわけじゃないのに、nao.さんご来店の時はよくありますね」と笑いながら、供してくれたカマトロ。ニンニクや生姜が効いた特製タレに漬け込んで軽く炙ってから握っています。かなりパンチがあるタレなのに、存在感のある鮪。小田さん、いつもありがとうございます。
穴子
初見の方は驚く真白な穴子。ふわりと口の中で崩れて、舌に絡みつきます。穴子の香りも楽しめる一貫。
突先♡
頭の部位である突先を使った手巻き鮨。いつもながらに卑怯なくらいに美味しいスペシャリテ。
玉♡
コース料理の中で、やはり最後に食べた物が一番印象に残るといいます。この表面をキャラメリゼした独特の玉は、多くの鮨店の中でも抜群の存在感を示しています。
今回もディナーを超える怒涛の握りコースは、揺るがない私の最強の昼鮨です。今回は江戸前鮨の粋である新子や新烏賊を同時に味わえる素晴らしいタイミングで、まだまだ暑いですが確実に季節は進んでいることを確認出来た内容でした。
今回も素晴らしい心意気をありがとうございます!秋を感じる頃に、また宜しくお願いします。28944
2019.5.
鮨の聖地と言われている銀座。建ち並ぶ高級店がまだ目覚めていないこの街で昼から鮨を食べるのが、私は好き。ここ数年、昼鮨の最高峰と思っているのが「鮨とかみ」です。店主の小田 将太さんの握りは、一言で言うと大きい。美しい形の握りではないかもしれませんが、「鮨 とかみ」の独特の濃旨な赤酢シャリをガツンと食べることが出来るので、私は大好きです。夜は肴も供していますが、昼は
13貫と16貫の握りコースのみ。私はいつも16貫コースを食べていて、更に他に何かないの?と毎回強請るので、「どうせ食べるんだから、最初から」という流れと小田さんも握りが好きだからという理由で生まれた私のコース。今回も勿論、お願いしました。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
変わっているのは揚げたてで、温かいこと。稚鮎のほろ苦さが確りと味わえて、美味しい。
鶏魚♡
佐賀で買い付けた有田焼の新しい置き台に置かれた夏を告げる種。脂が特に乗ってる腹の部位を握っていただきました。口に入れた瞬間からガツンとくる旨味は、食べ終えてもまだ存在感があります。
泥障烏賊
酢橘と煮切り醤油の香りでいただく泥障烏賊。サクサク食感の墨烏賊もいいけど、ねっとりと甘味を味わうこの烏賊も素晴らしい。
赤貝♡
特大の赤貝。中にヒモも一緒に握る、一貫で丸々1個の赤貝を使う特別使用。独特の瓜のような香りやザクザクとした食感の全てが美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた瑞々しい春子鯛。甘味も感じられて美味しい。
白海老
旨味と甘味がギュッと凝縮した白海老。濃旨な赤酢シャリにも負けない種です。
鰹♡
モチモチとした食感の中で、華やぐ鰹の香りがふわりと鼻から抜けていきます。脂がない分、この香りで食べさせる鰹です。
赤身漬け
宮城県塩釜産200キロという小型を好んで使う小田さんとしては珍しい巨体。旨味が凝縮して、後から追いかけてくるような香りも心地よい。
中トロ♡♡
岩手県大船渡産60キロ定着。実は去年のものだそうで、マイナス60度で保存していたという隠し財産。とても去年のものとは思えないほどの口溶けの素晴らしさ。
大トロ♡
赤身と同じ魚体。大きな魚体ですが、口溶けも良くて、旨味も濃い。食べ終えて、鼻から抜ける香りも楽しめます。
小鰭
キリッとした爽やかのある小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老
半生に茹でられていて、甘味が秀逸。毎回、一分のブレもない仕上がりです。
太刀魚の蒲焼き♡
太刀魚を使った新作は、蒲焼き。コレも素晴らしい出来映えです。太刀魚は焼物の定番ですが、焼いてからの握りは鉄板の美味しさがあります。
鰆
昆布〆で脱水されて、旨味が凝縮した鰆。鰆の甘味と昆布の旨味が絶妙に融合しています。
煮蛤♡
特大の煮蛤。相変わらずのジューシーさで、噛み締める度に溢れる旨味がたまらない。
蝦蛄♡
見た目がちょっとアレなので、苦手な方も多いですが「好きでしょ?」って言って、大きめのものを握って下さいました。さすが、私の好みをよくご存知だ。甘く焚かれた蝦蛄は、香ばしさと海老と蟹を合わせたような旨味があって素晴らしい味わい。
梭子魚ご飯♡♡
鉄板の美味しさの塩焼き魚シリーズ。今回は、梭子魚。滅多に出して下さるお店はないですが、魚の塩焼きにご飯という組み合わせが合わないはずがない。パサパサすることが多い梭子魚ですが、絶妙な焼き加減でジューシーさもあり、シャリに忍ばせた紫蘇の香りも華やぎます。
鯵♡
肉厚で、爽やかな脂が駆け抜けていく鯵。口溶けも良くて美味しい。これからもっと美味しくなる期待の種です。
赤海胆♡♡
山口県産の赤海胆を贅沢にたっぷりと使って握って下さいました。口に入れた瞬間、むせかえるような香りと水分が全く感じられないような極濃厚な旨味が素晴らしい。
北紫海胆♡
上に乗せた北紫海胆の重さで、軍艦が崩れそうww赤海胆が旨味ならば、北紫海胆は香りを楽しむ海胆。甘さのある香りが口いっぱいに華やぎます。
喉黒
皮目はフワフワしていて、身には昆布の旨味が浸透している喉黒。軽く炙って火を入れていますが、白身としての旨さも味わえる仕立てです。
炙り霜降り♡
カマが今回はないそうで、それに近い霜降りの部位を炙って下さいました。勿論、生でも美味しいですが、炙りはまた格別。
穴子
爽煮の白い穴子は柚子の香りが映え、トロリととろけながら、穴子の味わいも楽しめます。
突先♡
最後は旨味の強い鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。相変わらず、コレを〆に供するのは卑怯としか言えないくらいの旨さです。
椀物
濃厚なアラ出汁の味噌汁。何故か、コレも大盛りでww
玉♡
表面をキャラメリゼしたクレームブリュレと言っても過言ではない100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、美味しいのでアリです。
昔から「鮨 とかみ」と言えば、どの時期でも素晴らしい鮪に出逢えました。今もそれは何ら変わりませんが、その鮪に勝るとも劣らないほどの今が旬の魚達を握りで味わう。特に握り好きにとって、これ以上の幸せがあるでしょうか。今回も素晴らしいの一言です。
小田さん、スタッフの方々。今回も素晴らしい時間をありがとうございました。毎回、面倒な客で申し訳ないです。次回は、夏の魚が揃った頃に伺わせて下さい。宜しくお願いします。25920
2019.3.
銀座にある「鮨とかみ」は、いつもの昼鮨。でも「昼鮨じゃないよね?」と言われてる内容は、夜鮨をも凌駕するような私だけのスペシャルな握りコース。今回も用意して下さった親方の小田 将太さんに感謝です。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を温かい南蛮漬け仕立て。鮎のほろ苦さもあり、美味しい。
メジマグロのカマ♡♡
初手から凄い種。「今はメジマグロが美味しいんで!」と取って置いてくれたメジマグロのカマ。元々、濃厚な味わいの種は好きですが、それ以上にこの「鮨とかみ」の赤酢シャリにはガツンとした種がとてもよく合います。山葵と生姜を入れる珍しい握り。
泥障烏賊
細かく細切りにすることで、泥障烏賊の良さの甘味を引き出して、シャリとの一体感も生まれています。
赤貝♡
「おっきいね!」
「1番デカいやつです」
こういう心遣いが嬉しい。シャリとの間には醤油漬けのヒモを入れて、赤貝丸々1個を味わえるように握っています。個人的には、この握り方が1番好き。口の中で食感と香りが華やぎます。
真鯛
今は鯛が美味しい時期だと言う。関西に比べて、関東はあまり重宝していない鯛ですが、私は好き。モチモチとした食感の後に来る甘味がたまりません。
金目鯛の腹♡
昆布〆した金目鯛の1番脂の乗っている腹の部位を大胆に切りつけて握ります。程よく脱水されていて、昆布の旨みが上乗せされています。腹の部位が好きということは、もうバレているみたい。
目抜♡
真っ赤な魚体に、飛び出した目が特徴のメバル仲間。握りでは初めて食べる魚です。「春らしさを出したくて」と、これも厚く切りつけてから桜の葉で蒸して握られます。口に入れると、ふわりと広がる桜の香り。身は上品な脂で、ムチっとしていて美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は柔らかくて、瑞々しいフレッシュ感があります。
赤身漬け♡
「鮨とかみ」では小型の鮪を使うことが多い中で、今回は珍しくも千葉県勝浦産220キロオーバーもの。漬けとしては即席ですが、鮪の香りも感じられて美味しい。
中トロ♡
香りと口溶けは、この中トロが1番バランスがいい。
大トロ♡
蛇腹の部位で口溶けも良く、味も濃くて素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中の鮪の脂が洗い流されていきます。
車海老
半生で仕上げている車海老。いつもながらにブレもなくて、香ばしさと甘味が秀逸。
鰆昆布〆♡
口に入れた瞬間に溶けてなくなります。旨味が凝縮した鰆。
太刀魚♡
「いいの仕入れたんですよー」と見せてくれた太刀魚。なんだ、この身の厚さは!しかもこれを塩焼きにして握るという。私のスペシャル握りコースならではの仕立てです。
焼き立て熱々の太刀魚を握ってから、海苔で巻いて手渡しで。コレは、美味しい♡太刀魚の塩焼きは鮨店では定番ですが、握りが1番美味しい!
ちなみに来月はコレを照り焼きにして握るかも?と仰ってたので、来月に行かれる方は出逢えるかな?
細魚
木の芽を挟むことで、口の中で爽やかな香りが駆け抜けていきます。
煮蛤♡
低温調理された色合いはライトながらも、旨味が迸る煮蛤。
〆鯖♡
薄くスライスしているので、〆鯖はシャリとの一体感が生まれます。鯖をガツンと感じる握りも好きですが、バランス系もいい。とりあえず、〆鯖は最高!
海胆♡
「デカシャリと海胆がウリなんで!」って、小田さんは仰るけど…やはりおかしい。フツーは、一列使わないよね?
椀物
この量だからこその濃厚な味噌汁。
喉黒♡
身を昆布〆して、皮を炙ることで滴るような脂を呼び起こして握っています。白身ながらも、トリを務める素晴らしい味わい。
カマトロ♡♡
切る前も肉っぽいですが、漬けにしてから炙ったら更に肉っぽい。実に美味しい♡信頼で得られた一貫です。小田さん、ありがとうございます!
穴子♡
鰻?と思えるほどの極厚の穴子で、小田さんのおっきなシャリをくるりと包むように握っています。穴子は酒と水のみで焚いている爽煮で、香りも味も残る究極のトロトロです。
突先♡
最後に供されるのが、この『突先』。旨味の強い頭の部位を使った鮪の手巻き鮨。いつもながら、コレを最後に供するのは卑怯だと思いますw
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですが、素晴らしく美味しい。
握りの大きさからも分かるように、小田さんが握り好きなので、「握れる種は、全て握る」というのがこのコースのコンセプト。毎度のことながら、今回も凄かった!
小田さん、いつもありがとうございます!次回は5月ですね!宜しくお願いします。23760
2019.1.
2019年の鮨初めは、銀座にある「鮨とかみ」。鮨店の中では1番付き合いが長く、気心の知れたお店であり、大将の小田 将太さんもとてもフランクな方なので、居心地の良い鮨店です。銀座の昼鮨としては素晴らしいCPなので、いい鮨店ない?と聞かれると、真っ先に思い浮かぶお店です。ランチと言いながらも、毎回毎回ランチコースではない内容にいつもなっているのですが…。
今日の献立
先付 干し数の子と若布
今回は、干し数の子と若布。旨味がぎゅっと凝縮した数の子は、バリバリとした食感もご馳走。
鮃
モチモチ食感を楽しんでいると、旨味の強いシャリと鮃の甘味が混じり合います。
墨烏賊
酢橘と塩ではなく、醤油で。醤油の香りが墨烏賊に映えます。
平貝
サクサク食感の心地よさの中にある柚子の香り。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は瑞々しく、フレッシュ感を感じさせます。
赤身♡
中トロ
大トロ
今回の鮪は、青森県大間産120キロもの。さすがはトップシーズンの鮪!香りも甘味も素晴らしく、脂も申し分ないです。特に赤身が吸い付くようなキメの細かさで、とても美味しかった。
砂ずりの大トロ♡♡
「ちゃんと取っておきました!」と満面の笑みで供してくれました。信頼が獲得した一貫です。口に入れると瞬時に溶ける脂は、まさに大トロらしい味わい。
槍烏賊の印籠詰♡
江戸前の伝統的な仕事の印籠詰。子持ち槍烏賊の時期にも食べたい。
小鰭
口の中をリセットさせるようなキリッとした味わいの小鰭。きっと本来ならば、折り返しとなる種なのだろうなぁ。
鮟肝ご飯♡
シャリと鮟肝の割合が1:9という、ほぼ鮟肝なご飯。ぐちゃぐちゃに混ぜてから、スプーンでいただきます。
鰆昆布〆
鰆の甘味に昆布の旨味が確りと乗っており、口の中に入れた瞬間に感じる鰆の存在感も素晴らしい。
車海老
完全に火が通る寸前のような火入れで、甘さや香ばしさも感じられる、いつもながらにブレのない車海老。
鰤♡
部位としては、砂ずりのあたり。鮪で言えば、大トロでしょうか。真空状態で保存することで脂を身全体にまわしているそうで、口溶けも格別。
煮蛤
低温調理された煮蛤は色合いがライトですが、確りと味は染み込ませており、噛み締める度に溢れ出します。
〆鯖
〆ているのを忘れるようなフレッシュ感のある鯖。薄く3枚に切られているので、シャリと素早く混ざり合います。
九絵♡
小型ながらも、とてもよい九絵だったそうで、ネットリと舌に絡むように甘さが広がります。この赤酢シャリにも負けない味わいです。
唐墨♡
ちょうど常連さんだけになったので、本格的にやりたい放題にwこんなカラスミ出されたら、日本酒飲みたくなります。このお店では久々。選んでいただいたのは、小田さんのお気に入り『山形県鶴岡市 亀の井酒造 くどき上手 純米大吟醸 白鶴錦33%』。
北紫海胆 新年スペシャル♡♡
「新年だから、海胆は盛らないとねー」と言いながら、モリモリ。今日5名がドタキャンしたから、おかしくなっちゃったの?というくらいに、山盛りの海胆w
メジマグロのカマ♡♡♡
「この間、メジのいいのがあったので取っておいたんですよー」と掌と同じくらいのカマを手にとって、出刃で捌いていくと…「え?一貫分?」
コレは本当に凄かった!まるで、肉です。それでいて脂はさらりとして、素晴らしい味わい。
喉黒
身の部分は昆布〆にして、皮目を軽く炙ってから握っています。程よく脱水と昆布の旨味を身に纏っていて、ただとろけるだけの喉黒とは一線を画す味わい。
穴子♡
プルプルで、舌に纏わりつくようなとろけ方の穴子。今回のは非常に好み。
突先♡
最後は勿論、コレ。海苔の香りも、突先の濃厚な旨味も〆としては素晴らしい。
お碗
極濃厚なあら汁は、いつも美味しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、実に美味しい。
今回もデフォルトコースを逸脱した素晴らしい握りコースでした。元々、つまみでお酒を飲むよりも握りを食べるの方が好きなので、「鮨とかみ」の昼鮨はたまりません。そこにわざわざ取り置きして下さるスペシャルな種が加わることで、天井知らずの満足度があります。いつもいつも良くして下さる小田さんの気遣いに感謝!
次回は未定ですが、今年も定期訪問するのは確実な鮨店です。今年もどうぞ宜しくお願いします♡25920
2018.10.
個人的に昼鮨の最高峰と感じているのは、銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんの接客は、初見の方でも緊張を感じさせないほどにフランク。常連ともなれば、これほどに居心地いいお店はないかもしれないです。
本日の献立
梭子魚の燻製と玉葱ポン酢
先付。梭子魚はふわりと薫香をつけていて、切りつけも厚くて存在感もバッチリ。
鮃
白身ながらも程よく脂も感じられて美味しく、後からシャリの旨味が追いかけてきます。
墨烏賊の下足
身はどこのお店でも出されますが、下足を出しているのは珍しいのでは。身よりも旨味が強く、食感も楽しめて美味しい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆た春子鯛は、皮目も柔らかで瑞々しくもジューシー。
赤身漬け ♡
青森県大間産の159キロ。香りが素晴らしい。
中トロ
同じ魚体。バランスは1番いいかもしれない。
大トロ ♡
霜降りの部位で、口溶けもドッパーンって感じ。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老 ♡
いつもながらにブレのない車海老。温度・甘さ・香ばしさ、全てが完璧な仕上がり。
鰆昆布〆 ♡
口の中に入れると、瞬間的になくなるような食感。昆布の旨味の奥にある鰆の甘さも愛おしい。
いくら小丼 ♡
フツーはいくらの軍艦巻ですが、私は小丼仕立てに。いくらの薄皮は殆どないに等しく、まるで卵かけご飯のような感じになります。美味しい♡
煮蛤
低温調理された煮蛤は、ライトな見た目とは裏腹にかなりジューシー。
鮟肝ご飯 ♡
以前も食べた鮟肝ご飯。大きな鮟肝をぐちゃぐちゃにシャリと混ぜて、いただきます。濃い目に味付けられた鮟肝と赤酢のシャリが絶妙に合います。素晴らしい味わい。
海胆
これでもかと盛った海胆タワーは、なんと3段。軽やかな甘さとプリン体の食感を十分に楽しめます。
秋刀魚 ♡
旬の魚は実に美味しい。見た目はフォトジェニックで、味わいはエクセレント。
喉黒 ♡
身は昆布〆に、皮目はサッと炙ってから握られます。口の中で目覚めるように喉黒がシャリと共に溶けていきます。
鰤 ♡
北海道羅臼産。濃厚な脂と舌にまとわりつくような旨味が印象的で、食べ終えてもまだ残る存在感。濃厚な種には、やはりこの赤酢シャリは真価を発揮します。
太刀魚 ♡
某店のオマージュ。ちなみに銀座のあのお店ではなく、渋谷のお店の方です。イメージは太刀魚の塩焼きで、つまみではよく供されますが、ご飯と食べられる握りの方が好き。
牡丹海老昆布〆
ねっとりと舌に絡みつく牡丹海老は昆布〆で脱水されており、旨味がギュッと凝縮してます。赤酢シャリにもバッチリ。
椀物
少量ながらも、濃厚なあら汁。
穴子
穴子の香りを大事にした爽煮。煮つめもごく少量なので、穴子という魚を楽しめます。
突先 ♡
〆の突先巻き。毎回思いますが、最後にコレを出すのは反則でしょう。最初に出すのも反則ですが(笑)
玉
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですね。
「どうせ、何を出しても食べるでしょ?」と言って、シャリと合わせられる種を全て出していただきました。なので、どれがデフォルトでどれを追加しているのか、分からないのでご容赦くださいませ。
小田さん、いつもありがとうございます。ランチがなくならないよう、頑張ってくださいね。またお願いします。19440
2018.8.
私の中で銀座の昼鮨の最高峰と思っているのが、「鮨 とかみ」。夜は『おまかせコース』のみですが、昼は10・13・16貫から選べる『握りコース』のみを提供しています。この中で断然オススメするのが、16貫コース。このコースには有名な鮪問屋の「やま幸」の極上鮪の大トロ、てんこ盛りの海胆や高級白身魚の喉黒が含まれていて、12000円と銀座の中ではとてもリーズナブル。もし13貫を食べるならば、シャリは言えば小さくしてくれるので16貫がオススメなのです。
本日の献立
先付
熊本県産 長茄子、北海道噴火湾産 毛蟹、沖縄県産 島オクラを土佐酢ジュレで。土佐酢の爽やかさの中で映える毛蟹の甘味がとても印象的。
星鰈
心地よい歯応えを楽しんでいると溢れる星鰈の旨味が濃旨な赤酢シャリと混ざり合います。
泥障烏賊
薄くそぎ切りすることで、甘みを感じながら溶けていきます。酢橘の爽やかさと煮切り醤油の香りが後から鼻に抜けていきます。
平貝
サクサク食感の平貝に柚子の香り。美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで優しく〆られた春子鯛は瑞々しく、ジューシー。
宍道湖産天然鰻&松茸(追加) ♡♡
「きっと食べると思って、最初から用意しました」と言って供されたのは、夜メニューの一品。赤酢シャリの上に宍道湖の天然鰻をパリパリに焼いて、更に上から松茸を乗せた『うなまつ』。マズいわけがない!松茸はふわりと香り、鰻がこのシャリとよく合います。
北海道噴火湾産 赤身漬け
今回の鮪は全て同じ魚体で、37キロのもの。小型ということで、赤身はライトな感じ。
北海道噴火湾産 中トロ ♡
ここからこの小型鮪の本領発揮。脂も香りもいい。
北海道噴火湾産 大トロ ♡♡
筋がありますが、小型ということで全く歯に当たることがありません。口の中で瞬時にとろけながら、香り高い。
小鰭
口の中をリセットする小鰭。でもこれもかなりジューシーです。
車海老 ♡
温度や甘みが秀逸で、とろけるような車海老。いつもブレがない美味しさ。
縞鯵
甘さのある脂が口の中にいつまでも残ります。
鰆
昆布〆された鰆は旨味が凝縮して、更に昆布の旨味が上乗せされているので、美味しい。
煮蛤 ♡
低温調理された煮蛤は、見た目よりも旨味がグッときます。
真鯵 ♡
かなりの肉厚で爽やかな脂があり、青魚の香りもいい。
北紫海胆 ♡♡
もはや握りじゃないwすごいボリュームの海胆が流れています。
椀物
濃厚なアラ汁。
喉黒 ♡
身は昆布〆して、皮目は軽く炙って握られます。炙ることで脂が溶け出し、このシャリと混ざり合います。
穴子
白く焚かれた爽煮の穴子に、濃厚な煮詰めをつけて。穴子の香りも残っていて、舌に絡みつくような感じ。
突先 ♡
鮪の頭の部位で筋が多いながらも、その味わいは濃い。それを手巻きでいただきます。最後まで実に素晴らしい!
新烏賊(追加)
墨烏賊の赤ちゃんである新烏賊はちょうど1つで、1貫のベストサイズ。同じ赤ちゃんである新子よりもずっと好きです。下足も出してもらいましたが、烏賊の旨味としては下足の方が強め。
石垣貝(追加) ♡
貝毒の影響で、通年よりも1カ月遅い提供という石垣貝。生命力が強く、ポンと叩くと反り返って逃げますwいや、ホントに。とても肉厚で、香りも素晴らしい。
北海道噴火湾産 カマ下の下(追加) ♡♡♡
「ずっと取っておきました!」と言って出してくれたのは、珍しいカマ下の下。常時あるとは限らないカマトロやカマ下だと脂が強すぎるので、大抵はさっと炙って余分な脂を落としてから握っているのですが、コレはそこまではないということで生で。口に入れた瞬間にとける衝撃的な美味しさ!まるで、鮪のジュースです。見た目も味わいも、魚という域を超えています。
玉♡
クリームブリュレを思わせる完全にスイーツ的な名物の玉。美味しい♡
店主である小田 将太さんの握りは、かなり大きい。それは旨味の強い赤酢シャリの絶対的な自信とこのシャリをいっぱい食べてもらいたいという思いの表れ。そして、それに合わせて種の切りつけは、銀座らしからぬ厚みがあって口の中での魚の存在感は圧倒的。特に今回は鮪の厚みは群を抜いて、凄かったです。
最近は行く度に「他に何かないの?」と要求することが多くて、私の来店日に合わせて何かしらを用意してくれてます。小田さん、いつもありがとうございます。21600
久しぶりとなる銀座での昼鮨は、「鮨 とかみ」。以前はこういうスタイルが常であったので、初心に返るという感じでしょうか。店主の小田 将太さんはとてもフランクな方なので、銀座という敷居の高さを感じさせない雰囲気の中で、鮨の聖地と言われる銀座のレベルの高さを感じさせる素晴らしいお店です。
昼は握りのみを提供していて、貫数によって3コースがありますが、もはや私には貫数すらも聞かれません。
本日の献立
先付け
今回は『アラの南蛮仕立て』。熱々のアラは、ふわりとした食感で、甘酢も爽やか。
真鯛
モチモチとした食感を楽しみながら、真鯛の甘さと旨み、濃旨な赤酢シャリを味わえます。
障泥烏賊
サクサク食感の墨烏賊に比べて、あまり鮨種には向かない烏賊かもしれませんが、薄く切りつけて更に細く切ることで、甘くねっとりと舌に絡みつきます。塩と酢橘で爽やかに。
平貝
サクサク食感の中で、ふわりと香る柚子。赤酢シャリとの相性も素晴らしい。
春子 ♡
肉厚の春子は〆ているにもかかわらず、とても瑞々しく、ジューシー。
赤身漬け
塩釜産。見た目からも分かるように、かなり美しい赤身。食べ終えた後、鼻から抜ける鮪の香りも爽やか。
霜降り ♡
同じく塩釜産。熟成度も素晴らしく、食べて分かりやすい美味しさ。
砂ずり ♡♡
こちらも塩釜産だそうですが、魚体が変わりフレッシュなもの。この時期でも、さすがは「鮨とかみ」ということを実感した一貫です。
小鰭
ジューシーな小鰭に濃旨な赤酢シャリ。口をリセットするはずの種ですが、攻めてくる!
車海老
絶妙な温度と甘さは、いつもブレがなくて美味しい。しかし、シャリ大きい(笑)
白川
しれっと供されますが、かなりの高級なお魚です。赤酢シャリというじゃじゃ馬なお姫様が真っ白なドレスを着た感じ?美味しい。
鰹 ♡
シャリとの間に生姜を忍ばせて、シャリを包むかのように握られています。適度な脂もあり、香りと爽やかさが駆け抜けます。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は、ライトな色合いながらもジューシーで美味しい。ずっと噛んでいたくなる味わいです。
真鯵
綺麗な鞍懸で握られた真鯵は、肉厚でジューシー。銀皮も綺麗。
椀物
椀物すらも攻め立てる濃厚なあら汁。
北紫海胆
「銀次郎の生うに」。採算取れる?と考えるほどにたっぷりと使って握っています。食べるというよりは、頬張るという表現がぴったりかも。
喉黒 ♡
身を昆布締〆にして、皮目を炙ってから握られます。皮目から脂が溶け出し、もっちりとした白身は素晴らしい。
穴子
醤油を使わずに焚かれており、真っ白な穴子は美しい。今回のは、かなりの肉厚で口の中いっぱいに穴子を感じられました。
突先 ♡
夜では最初に供される鮪の頭の部位を使った手巻きは、昼だと〆に。最初もインパクトがありますが、〆も似合う素晴らしい逸品です。
「今回も隠し種、ありますよー」とニヤリと笑う小田さんに「とりあえず、食べる!」と告げると過去最高に隠し持っていました(笑)
北紫海胆タワー ♡♡
「まるひろの生うに」のスペシャル品。「2つ買っちゃったんで」と小田さんが仰るので、「じゃあ、いっぱい使わないとね」と言うと、見たことないくらいに盛ってくれました。口の中は、ほぼ海胆!香りも良くて、美味し〜い!
蝦蛄 ♡♡
実は夜に出すつまみらしいですが、蝦蛄好きということで出してくれました。甘く漬けられた蝦蛄は大きく、味が濃いのでこの赤酢シャリとも素晴らしく好相性。
血合いぎし ♡
「食べるでしょ?」と出してくれました。まだ鮪はあったのか!霜降りとも違うとろけ方と、赤身の香りも楽しめる素晴らしい部位です。
カマ下の炙り ♡♡♡
本日のスペシャル品。見ただけで、これはヤバイと思う綺麗な鮪。これは魚ではないですね、肉です(笑)裏メニュー?的な炙り用の特別タレに漬けてから片面だけ炙って、握られます。口に入れた瞬間、なくなる!なんて、素晴らしい鮪なんでしょう!
玉 ♡
〆はいつもの完全にスイーツ寄りのスペシャリテ。
過去最高の20貫で、昼鮨の最高峰と言える素晴らしい内容でした。常にこんなに隠し種があるわけではないみたいなので、ご注意下さいね。
小田さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします♡21600
2018.1.
ちょっと遅くなりましたが、2018年初の「鮨 とかみ」。恒例の昼鮨ですが、友達のリクエストで今回は夜コースでお願いしました。店主の小田将太さんとは珍しい所でお会いしていて、2018年では2回目のご挨拶です。本日も満席で、変わらずの盛況ぶり。
本日の献立
突先
夜コースは、コレが挨拶代り。
干し数の子と菜の花の辛子和え
数の子のバリバリとした食感が楽しい。菜の花が遠い春の足音を運んできます。
肴3種盛り
内容は、鰹の生ハム仕立て・牡蠣の西京漬け・白海老。
生ハム仕立ては、このお店のつまみのスペシャリテ。
鮟肝ご飯 ♡
甘く炊いた鮟肝に、赤酢のシャリを。初めは鮟肝だけを食べて、(画的にちょっとですが)最後にスプーンでぐちゃぐちゃに混ぜていただきます。超美味しいー♡
髭鯛の酒蒸し
聞いたことのない魚ですが、鶏魚の仲間らしい。身がしまっており、むっちりとして美味しい。
握り
星鰈
白身はこの旨味の強い赤酢のシャリを味わいます。
墨烏賊
このサクサク感は、この烏賊ならでは。酢橘と煮切り醤油で。ちなみにこの『身』の方は夜メニューのみ。昼にはこの『下足』が握られます。意外と『下足』って握っているお店を知らないので、レアかと。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆られた春子は柔らかく、美味しい。
平貝
柚子香る平貝。
中トロ ♡
鮪の香りも確りとあり、とろけ方も素晴らしい。
大トロ ♡
素晴らしくシルキーな鮪。このシャリの真骨頂。
車海老
独特に香ばしく、温度もベスト。
小鰭
確りと〆られており、赤酢シャリとのマリアージュが楽しめます。
赤身 ♡
順番が変わったのかな?と思っていたら、忘れられていた漬け(笑)切りつけも厚く、香りもいい。この時期の鮪はどこの部位も美味しい。
赤貝 ♡
剥きたての赤貝は、口に入れた瞬間に広がるこの香りと滑りこそが命。実は、これも夜メニューのみ。昼には『赤貝のヒモの醤油漬け』が供されます。
煮蛤
低温調理された蛤は柔らく、確りとした味わいもあり、何よりジューシー。
細魚
間に忍ばさせた紫蘇の香りが華やぎます。
紫海胆 ♡
た、高い!ここまで盛るのか!というほどのボリュームです。
喉黒
身を昆布締めに、皮目は軽く炙って供されます。皮目の脂がとけ、身はもっちりとして美味しい。
穴子
醤油を使わない爽煮。煮つめは少量で、穴子の味も確りと。
椀物
隠し味は豆板醤なので、ちょっとピリ辛なアラの味噌汁。
玉 ♡
表面をキャラメリゼした完璧デザート寄りの玉は、スペシャリテです。
久しぶりの夜コースはつまみ少なめで、握り重視の献立。おそらくは銀座一握りの大きい鮨を堪能〜。この旨味の強い赤酢シャリに惚れ込んだ親方の思いが伝わる、そんな鮨でした。
今年も宜しくお願いします。ご馳走〜。
2017.10.
最近は友達と一緒なので、昼の利用が多い「鮨 とかみ」に再訪。
本日の献立
北海道噴火湾産 毛蟹ともずく酢
先付は爽やかな品。毛蟹の甘さともずくのシャキシャキとした歯ごたえがいい。
松川鰈
珍しい。微かな歯ごたえを感じ、シャリの赤酢インパクトに包まれます。
墨烏賊の下足
なかなか下足を供しているお店はありません。「鮨 とかみ」では昼のみの楽しみです。
平貝
サクサク食感の中、香る柚子が印象的な一貫です。
春子 ♡
黄身酢おぼろで優しく〆られており、実に柔らかく、瑞々しい。ここの春子は素晴らしい。
赤身漬け
中トロ
大トロ ♡
鮪三連弾は、大間産。実にいい季節になってきました。
車海老 ♡
温度は人肌、車海老の香ばしさとシャリのインパクトも加わって、至極の一貫に。
鰆 ♡
軽い昆布〆で、鰆のほわんとした甘さも活きています。鰆は、鮨の種の中でもかなり好き。
小鰭
小鰭の脂と赤酢のマリアージュは、芳醇!
いくら
新物のいくらは、口に入れるとプチプチと弾け、出汁の旨味といくらの甘さが広がります。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は柔らかく、噛み締める度にじゅわりとジューシー。
鯖 ♡
〆ていますが、中心部は生っぽい。適度に脂を落としているので、ギュッと旨味が凝縮していて、美味しい。
馬糞海胆
今回のは「まるそう」のもの。
喉黒
皮目を軽く炙られおり、脂も滲み出しています。切りつけは、とても厚い。
椀物
昼限定の豆板醤を入れた濃厚な味噌汁。
皮剥の肝リゾット(追加) ♡
本日の隠し玉はないと言いながらも、夜メニューの中から出して頂きました。皮剥の身を肝と共に合えて、シャリに乗せて供されます。大胆に混ぜて食べると、肝の濃厚さだけが際立ち、実に美味しい。
穴子
爽煮にされた穴子は、蒸すことで煮上がり状態にしており、口の中でのとろけ方が素晴らしい。
玉 ♡
「鮨とかみ」のスペシャリテの一つ。表面をキャラメリゼした玉は、鮨店の中でもトップクラスにデザート寄り。
鮨店の多くは、独特の雰囲気を帯びています。凛とした空気が流れるお店もあれば、楽しい空気もあります。「鮨とかみ」は断然に楽しい雰囲気があり、一見でも緊張などはしないでしょう。鮨にとって、味は勿論ですが、所作も重要だと思っています。バーでも、バーテンダーの優雅なシェイクやミキシングに見とれることはあるでしょう?鮨も切りつける・握るなど魅せる所作も多いはず。鮨店は1人でも楽しめる素晴らしい空間だと思います。
2017.7.
小田さんと木崎さんの新生「鮨 とかみ」になってからはの初の昼鮨。12時スタートの一回転のみとなって、ゆっくりと。
今回の献立
先付 蛸の桜煮
蛸にはさほど色がついていませんが、しっかりとした味をつけられていて、ちゃんと柔らかい。
真鯛
程よい脂に、甘さが広がります。
障泥烏賊
細く切られているので、口溶けも良く、柚子の香りと共に甘さが印象的。
春子
黄身酢で〆ており、素晴らしく柔らか。
赤身漬け ♡
大間産100キロ超えの一本釣り。後味の香りが秀逸、ふわりと爽やか。
中トロ ♡♡
シャリの温度が高いのは、偶然だろうか?これが絶妙に合いました。
大トロ ♡♡♡
「鮨 とかみ」のシャリの真骨頂がこの種。濃厚な脂に負けない赤酢のシャリの美味しさがはえます。
小鰭
脂があり、非常にパンチのある小鰭。
平貝 ♡
サクサクとした食感の中で、柚子の香りが華やぎます。
鱚
「鮨 とかみ」の鱚は、まず見た目が美しい。格子状の身に煮切りが入り、模様の如く浮かびあがります。
鱒子 ♡♡♡
いくらよりも小粒で皮も柔らか。海苔と共に一瞬で混ざり合う。素晴らしい味わい。
車海老
人肌温度の車海老が香ばしくて、甘くて。
カマトロ ♡♡♡
「今日はなにかないの?」と小田さんに聞いてみると…「nao.さんが来られる日は、何かしかあるんですよ」と。トロとは違う食感とゆっくりとしたとろけ方は、食べ終えた後もしばらく残ります。
煮蛤 ♡
低温調理をした蛤は、かなり柔らか。
カマトロの炙り ♡♡♡
炙りもできるとのことで、注文。香ばしさの中で、生の時には当たっていた筋が溶けて、素晴らしいとろけ方。
鯵
肉厚で食べ応えのある鯵、美味しい。
紫海胆 ♡♡
銀次郎の紫海胆を握りで。ほぼ海胆そのもの(笑)新生「鮨とかみ」は、海胆にも拘っています。
喉黒
軽く炙られていますが、切りつけが厚いのかとろける感じではなく、食べ応えのあるタイプ。
穴子
爽煮の穴子は炙っていないので、口の中での絡み方がいい。
椀物
昼は極濃厚なアラ汁。
突先巻き ♡♡
最後まで「鮨とかみ」の鮨は攻めの鮨です。
玉 ♡♡♡
鮨店にしては、かなり珍しい完全なデザート寄りの玉。
握りに拘ってらっしゃる小田さんの昼鮨の握りは大きめで、旨みの強い「鮨とかみ」のシャリを存分に堪能できます。種の品数は他店より少なめではありますが、切りつけも厚くて、一つ一つのインパクトは大きい。元々、摘みより握りの方が好きなので、昼鮨での食べ尽くしは私にとって至福の過ごし方です。
今回も色々な種を出してくださり、ありがとうございました。またよろしくお願いします。
2017.6.
鮨としての初代親方である佐藤さんが退職されて、小田将太さんが2代目親方となり、初の「鮨 とかみ」。さて、どのように変わったのか楽しみな夜です。何気に久しぶりなのですが、確りと覚えていて下さり、フランクな挨拶の後、テンポよく供されていきました。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのは、コレ。スタートのインパクトは、さすがに心を掴まれます。
先付 毛蟹とアスパラガスポン酢のジュレ
ジュレは角がなくて、噴火湾産の毛蟹の甘さを感じられます。
お造り 縞鯵
5日ほど寝かせた縞鯵を山葵のみで。縞鯵は程よい脂と柔らかさで、繊細な甘みを引き出しています。
蒸し物 真牡蠣と蓴菜の酒蒸し
京都産の真牡蠣は大きくプリプリとしていて、ミルキー。出汁も少量ですが、染み渡るほどに美味しい。
酒肴 メジマグロと甘海老
メジマグロは生と燻製したものを2種。生は生姜で、燻製は山葵、甘海老は殻から作った魔法の粉と共に。
焼物 魳の塩焼きベビーコーン
東京湾の魳は、程よい脂のりで美味しい。ベビーコーンの髭も美味しいのは、とあるお店で学習済み。
握り
真子鰈
モチモチ食感は、これからのストーリーの始まりです。
障泥烏賊 ♡
ねっとりとした障泥烏賊を薄く切りつけ、更にそれを細く切ることで、甘みと口溶けを演出。
鳥貝
生なので、独特の香りがあります。これは好き好きがあるかも。
赤身漬け
岩手の55キロのもの。ふわりと鼻に抜ける香りが爽やか。
中トロ ♡♡
赤身と同じ魚体だそうで、霜降りの部位。口溶けは大トロクラス♡
蛇腹 ♡♡♡
魚体が変わって、富山の氷見産。「鮨 とかみ」のインパクトのある赤酢のシャリには、やはりこのくらいの脂がとてもよく合います。
鰯 ♡♡♡
生ではなく、酢〆。これが嘘みたいに蕩ける。
車海老 ♡
「鮨好きの方は、大きめで」と供された握りは、ホントに大きめ。ここの車海老の温い温度は、甘さの中に香ばしさが際立ち、非常に好みです。
金目鯛
脂が乗りすぎている金目鯛は、昆布〆で。それでも軽い〆方なので、フレッシュさもあります。
平貝
柚子の香りを抱いた平貝は、このサクサク感が秀逸。
疣鯛 ♡
黄身酢おぼろを忍ばせて。プリッとした食感と濃厚な脂は珍しいですが、夏の江戸前の鮨種です。
煮蛤 ♡
柔らかい蛤ですが、噛むたびに蛤汁が溢れ出します。
鯵 ♡
濃厚な脂のある腹の部位を綺麗な鞍懸で。
紫海胆 ♡♡♡
「鮨 とかみ」のオリジナルであった海胆のホット&クールはなくなり、質を高めた種の一つ。今回のは築地で2番だったという『まるひろの生うに』。豪快に大きな房を二つ使って、握っていただきました。口に入れると、ほぼ海胆(笑)香りが凄い。
喉黒 ♡♡
白身のトロ!フワフワです。
穴子 ♡♡
これも以前と違う供し方。炙らずに煮上がりの状態に戻し、間に柚子を香らせ、煮詰めのみで。
血合いぎし ♡
ちょうど霜降りの部位がなくなったらしく、新しく出されたもの。「血合いぎし、食べます?」の問いに、「食べる!」(笑)やはり血合いぎしは、赤身の香りも楽しめるので、お得感があります。
かまトロ ♡♡♡♡
「まだ鮪、隠してる?」って聞いたら、悪そうな顔で(笑)「実は…」と出されたのがかまトロ。何だろうね、この口溶けは。鮪のジュースみたいです。
玉 ♡
名物の玉は、変わらず。
献立としては摘みの品数を減らして、その分で海胆など種の質を上げているそうです。それは「鮨店だから握りを食べてもらいたい」という小田親方の思いの表れ。あまりお酒を飲まない方や少食な方には、このような鮨店が増えていくことが非常に嬉しいことではないでしょうか。
夜のお目当ては摘みですが、「すし 㐂邑」「日本橋蛎殻町 すぎた」のように、コレは!というような白眉的な摘みはなく、握りに力を入れておられるならば「鮨 とかみ」は私的に昼で食べ尽くした方が向いているのかもしれません。ただ佐藤さんの時のように、昼に出さない種があるならば、話は変わりますが。
次回はまだ未定ですが、昼の「鮨 とかみ」を見てみたいので行くなら昼ですね。新子の季節には、伺いたいと思っています。
今夜もご馳走様ー。
2017.21.
3月に「鮨 とかみ」を退職される佐藤さんに会いに、久しぶりの夜とかみ。今夜は佐藤さんの目の前に座らせていただき、味わいます。
今年に入ってからは、献立などは小田さんが仕切られているそうで、4月からは昼も夜も小田さんが握られるとのこと。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのが、昼では最後に供されるこの突先巻き。鮪とこのシャリの相性は最高です。
蛸の桜煮・筍とせりのお浸し
春の訪れを感じさせる日本の美しさがあります。蛸も柔らかく、いい味付け。
ほうぼうとこごみ自家製胡麻ソースで
兎に角、この胡麻ソースが美味しい。こごみとの相性もよく、ほうぼうも特別に主張しない魚なので、よく纏まっています。
ワカサギの唐揚げ
骨まで柔らかいワカサギに、極上の銀餡とカラスミ。冷酒がすすみます。
鰯の生ハム仕立て
塩漬けした鰯を燻製したもの。程よく脂が抜けており、旨味が凝縮しています。
金目鯛の酒蒸し
春の牛蒡を下に敷いてあり、柔らかくて風味もいい。
槍烏賊
胴に入れてあるえんぺらと下足が、柔らかい身との食感のコントラストを生んでいます。
太刀魚の焼物
握り
ここから佐藤さんのターン!
鮃♡
墨烏賊
春子♡
赤身漬け♡
霜降り♡♡♡
蛇腹♡♡♡
小鰭
車海老♡
平貝
鱚の昆布締め
赤貝
鯖♡♡♡
煮蛤♡
馬糞海胆♡
喉黒♡♡
穴子♡
鮪のコラーゲンスープ
玉♡♡
「鮨 とかみ」の独特の赤酢シャリは、やはり鮪をはじめとする脂のある濃厚な種によく合います。今夜は霜降り、蛇腹、鯖が悶絶クラスの美味しさでした。ちなみに佐藤さんが退職された後も、このシャリなどは変わらないらしいです。「まあ、とかみは存続するので…」と佐藤さんは仰ってましたが、色々な思いがあるのではないでしょうか。
退職される佐藤さんの今後はというと、年内をめどに新店舗を目指してらっしゃるそうです。場所は銀座だそうですが、具体的にはまだまだらしい。最後のお見送りの時に再会を誓って握手させてもらったのですが、握る指先を見ていると長く華奢な感じがしていましたが、やはりしっかりとした男の手でした。またお逢いする時を楽しみにしています。
今夜もご馳走様でした。
2016.11.
今年最後の「鮨 とかみ」は、友達と昼鮨です。前回は親方の佐藤さんがいらっしゃいましたが、今回は小田さんのみの通常営業。ただ予約システムを変えたそうで、前のようにずっと満席ではなくなり、私たちが昼の部の最後のお客のようです。久しぶりに見るこんな雰囲気の「鮨 とかみ」。やはり鮨店はワイワイしているよりは、静かな方が好きです。
今回の献立
真鯖
真鯖ともものすけ(蕪)はレモンでマリネしており、塩で味付けしてます。よい脂で、美味しい。
鮃
平貝 ♡
春子 ♡
赤身づけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
墨烏賊の下足
小鰭
いくら
車海老
鱚 昆布締め
煮蛤 ♡
鰤 ♡♡
蝦夷馬糞海胆
喉黒 ♡♡
穴子
干瓢巻 ♡
ずっと気になっていた品。実はこの「鮨 とかみ」にも干瓢巻はあります。ただこの醤油煮のは私が食べたもので最後だそうで、今後は爽煮になるそうです。シャリが強いので、干瓢が最初は負けますが、後味はしっかりと干瓢の甘さが映えます。
玉 ♡
元々、久兵衛ご出身なので小田さんの握りは小さめだったそうですが、ここではかなり大きめに握っています。というのも、この赤酢のシャリを食べてから大きめに握るようになったそうで、私もこのシャリが好きなので、その気持ち分かります。女性はこれじゃ16貫も食べられないと心配されるかと思いますが、女性にはちゃんと気を遣っていただけるので、大丈夫です。
小田さん、外までお見送りありがとうございました。
また来年度も宜しくお願い致します。
2016.10.
恒例の「鮨 とかみ」での昼鮨。ガラリと戸を開けると、ほぼ満席で、案内されたのはまな板の真ん前…あれ?佐藤さんがいらっしゃる。「昼はいらっしゃらないんじゃ?」と聞くと、「暇だったんで」と真偽は分かりませんが、佐藤さんらしいゆるい返答。ともあれ、ラッキーなことは間違えないです。
実食
先付 蕎麦がき
鮃
墨烏賊の下足
春子
赤身づけ
冬の鮪だからでしょうか、赤身でも十分にとろけます。
中トロ ♡
いつもは赤身と大トロの美味しさで霞んでしまうのですが、今回は印象的な美味しさでした。
大トロ ♡♡
小鰭
生いくら
車海老
鱚 昆布締め
鰤 ♡♡♡
クセのなく、濃厚な脂は素晴らしい。
秋刀魚 ♡♡♡
十分な脂乗りは、旬の魚ならではのこと。
煮蛤
海胆
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉
ネギトロ巻 ♡♡♡
久しぶりに食べたくなったので、追加。
他の鮨店と比べると、「鮨 とかみ」の種数は少ないかもしれない。でもこの独特な赤酢のシャリに合う種ばかりなので、一貫一貫の完成度は高く、インパクトも素晴らしい。特に脂が乗るこれからの季節の魚は、楽しみでなりません。
今回もご馳走様でした。
2016.9.
9月。同月2回目の「鮨 とかみ」は夜です。というのも、今月から佐藤さんは夜しかいらっしゃらないと先月の予約の際に聞いていたので、やはり佐藤さんの握りも食べたいと思って、予約していたわけ。まさに夜こそがこの「鮨 とかみ」の真骨頂になるわけですね。
今夜の献立
胡麻豆腐
鮃色々
スッポンの出汁で炊いた昆布を巻いたもの。アサツキを巻いたもの。唐津産赤海胆を巻いたもの。
それぞれ食感が異なっていて、色々な鮃の顔を見られました。
秋刀魚のたたき ♡
添えてある薬味は、大根おろし・秋刀魚のワタ・山葵・辛子・豆板醤。意外にも美味しかったのは、豆板醤。とてもよく合います。
昆布森の牡蠣
北海道釧路町の昆布森産の牡蠣を低温調理で火入れしているので、生の香りも活きています。ただあまり牡蠣が好きではないので、生々しさが気になったかな。上にはその出汁のジュレ、下には金時草のお浸し。
胡麻鯖の生ハム仕立て ♡
薫香が鼻に抜け、同時に溢れ出る脂。ブラックペッパーのよい刺激もあり、お酒がすすみます。
サゴシの酒蒸し
サゴシとは、鰆の子供。添えてあるのはスナップエンドウとトマト。トマトの酸味がいい感じです。
尾崎牛のたたき ♡
添えてあるのは花ニラの酢漬け、石川芋。鮨店で肉というのは、佐藤さんの前店の繋がりかな?美味しいので、コレはコレであり。
握りスタート
真鯛
墨烏賊 ♡♡
と、とろけるだと
小鰭
漬け ♡
赤身漬けでとろけるとは、中トロや大トロはどーなっちゃうの?
中トロ
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。目を閉じて、この霜降りに抱かれて眠りたい。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆てあるので、柔らかな〆具合。
生いくら
生臭さは全くなくて、弾けると磯の香りが鼻を抜けます。
車海老
鱚
秋刀魚 ♡♡
旬の魚は握りにも登場。美しいフォトジェニックな握りです。
紫海胆
なんかこの写真だけ暗いでしょ?この握りを供した時、まさかの漏電による停電発生!なかなか回復せずに、約小一時間。親方の佐藤さんはランタンを買い込んで来て、その灯りで続けるつもりだったみたい。おそらくもうないであろう、ランタンでの「鮨 とかみ」。レアな一枚です。
煮蛤
喉黒
穴子
玉
鮪のコラーゲンスープ
今回は特に『大トロ』が素晴らしく、最後にもう一貫食べようかと思っていたのですが、停電の影響で時間が押していて、次の予約の方に悪いと思って、お会計。
「!」
親方、ありがとうございます。こちらが申し訳ないです。
ご馳走様でした。また宜しくお願いします♡
2016.9.
9月は昼と夜を抑えてある「鮨 とかみ」に再訪。まずはお友達と昼鮨を楽しみます。9月からランチタイムは2番手の小田将太さんが握られると、親方の佐藤さんから聞いていたので、面識はありますがどのような雰囲気になるのか楽しみな今回です。
いつもの遅めの時間。客入りはほぼ満席で、剃髪された小田さんはかなり慌しそう。簡単に挨拶を済ませ、定番の16貫をいただきましょう。
実食
胡麻豆腐
濃厚な胡麻豆腐を軽く炙り、表面をパリッとさせて、胡麻醤油でいただきます。実に美味しい。
鮃
墨烏賊の下足
新子
赤身 ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
春子 ♡
平貝
いくら ♡
鱚
車海老
秋刀魚 ♡♡♡
蛤
紫海胆 ♡
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉 ♡
握りの固さが慌しさに比例して、固かったり、柔らかかったりと安定していませんでしたが、女性の方にはシャリを小さめにしていたりと、サービス面では好感が持てます。親方の握りと比べると、やはり…ですが、小田さんのお人柄も合わさり、楽しい鮨になりました。
お見送りまでしていただき、ありがとうございます。次回は、夜とかみ。どのような摘みが供されるのか楽しみです。
2016.7.
2週間前に「鮨 とかみ」で昼鮨を堪能したばかりですが、「夜もいいですよ」と予々言われていたので、ついに夜に訪問です。夜は摘み数品と握りからなる構成で、客入りも1回転だそうなので、かなりゆっくりとできそう。
戸を開くと、もう名前を言わなくてもいいのかな?ってくらいに、大抵いつも案内される席に通されました。
7月の献立
突先巻き
昼鮨でのメインディシュは、夜では一番最初。「鮨 とかみ」の真骨頂をまずは味わえます。
赤海胆・蒸し鮑・蓴菜
驚くべきは、鮑の大きさ!切ってないのは、拳大くらいの大きさです。かぶりつきたいっ!
穴子の焼き霜
骨切りをして、皮目を炙った穴子。穴子の刺身は以前に食べたことがあり、食べ慣れているいつもの穴子に比べて、歯応えのある感じがします。「鱧ですか?」と聞いたら、「鮨屋なので穴子です」とプライドを感じさせた。
稚鮎の南蛮ジュレがけ
南蛮漬けにしていないので、揚げたての稚鮎の苦味も存分に味わえる。
真名鰹の生ハム仕立て
程よい塩気がお酒を誘う。実は真名鰹って、パサパサしているイメージであまり好きではないのですが、これは食べた後に脂が広がり、真名鰹ってこんなに脂あったっけ?と思うほど。
鮟肝・生マッシュルーム・ケール・マイクロトマト
ちょっと洋風な皿。鮟肝は醤油漬けにしてあるそうで、濃厚さの中に程よい甘みがあって美味しい。
鱸の酒蒸し
添えてあるのは、オカヒジキ・生トウモロコシ。
魳の焼き物
魳は糠漬けにして、乳酸発酵させて身を柔らかくしたもの。北海道の『糠さんま』みたいな感じ?添えてあるのはわさび菜と万願寺とうがらし。
握りスタート
真子鰈
春子
墨烏賊
昼は下足で、夜は身なようです。
赤身漬け
青森県大間産。
中トロ
大トロ
新子
3枚付け。ここまでの大きさだとコハダらしさも感じられて、美味しい。
平貝
車海老
鱚の昆布〆
鯵
鰹
煮蛤
蝦夷馬糞海胆
喉黒
穴子
昼は大きくに切りつけて、竹墨塩と煮詰めでいただきます。
鮪のコラーゲンスープ
玉
親方も驚いてましたが、何気に夜は初めて。摘みの献立は毎月変えているそうで、全てがお酒が進む味付けがしてあり、鮨ほど唸る感じではないけど美味しい。鮨は昼に比べて、多少シャリが小さいかな?種は昼に出さない『墨烏賊』や『新子』などがあるので、全てを味わうならば、夜が真骨頂というべきでしょうか。
摘みがあったので、お任せで冷酒をいただきました。『突先巻き』に合うとのことで『DATE SEVEN sparkling』→『飛露喜』→『昨』という流れ。勿論、今食べている料理の内容や食べるスピードによって、お酒も変えているみたい。そして、摘みと鮨に共通することは、提供がとてもテンポが良い。なので、お酒を飲んで次ので料理を待つということがまずありませんでした。1人でも間が空かないのは、嬉しいことですね。ちなみにこれで、28000円弱。銀座の夜鮨としては、良いCPかな。感想としては1人で行くならば、夜の方が面白いかなと。ただ握りも好きなので、昼鮨も捨てがたい。一番は今回のように、昼夜行くのが一番かな?
2016.7.
「鮨 とかみ」に再訪。もはや名前を告げることなく、親方の佐藤さんと軽い挨拶を交わして、握りスタート。
先付 真名鰹の冷菜
真名鰹は軽く炙って、燻しており、いい薫香が鼻を抜けます。
真子鰈
旬の白身はやはり美味しい。モチモチとした食感は噛んでいて、楽しい。
平貝
口に入れると、ふわりと柚子が香り、独特のサクサクとした歯切れの良さが味わえます。
鯵 ♡
綺麗な鞍がけの握り。脂が乗っていますが、さらりとした感じで美味しい。
鱚の昆布〆
昆布は纏う程度の〆具合。旨味とはこういうものなのだと実感できる一貫です。
小鰭
今回はやや強めの〆具合。ただこのシャリとはすごくよく合う。
蛤
煮つめはごく少量なので、蛤の味がしっかり味わえます。
赤身づけ ♡♡♡
これが赤身?と思うほどに、口の中でとろけて、鮪の香りが華やぎます。
中トロ ♡
脂はさらりとしていて、また鮪の香りも楽しめます。ただ今回は赤身がとても素晴らしかったので、印象薄。
大トロ ♡♡♡
今回は蛇腹の部位。とろけ方も素晴らしいですが、濃厚な甘さが映えます。
車海老
レア感はいつも通り。ただちょっと温度が冷たかったかな。
春子 ♡♡
皮も柔らかく、身もふわりとした食感。黄身酢おぼろのほのかな甘さがいいアクセント。
墨烏賊の下足
サクサクとした食感の本体に比べて、多少の歯応えはありながらも味が濃くて美味しい。
甘鯛 ♡
熟成8日目。モチモチと歯に吸い付くような食感で、嚙み締めるほどに甘さが広がります。
馬糞海胆 ♡♡
海苔の香りと海胆の甘さと溶け方が秀逸。勿論、「鮨 とかみ」独特のホット&クールです。
喉黒 ♡♡
軽く炙っているので、皮目も柔らか。滴るような脂は大好きです。
穴子
口の中でとけるような感じではなく、ホクホクとした食感。
突先巻き ♡♡♡
〆はコレですね。
玉 ♡
来るたびに完成度が増している気がします。鮨店という枠を超えたデザートです。
食べながら、気になることが1つ。
「カウンターの背に壁がある…。確かテーブル席だったはず」
聞いてみると、GWに新しい調理場を設けたそうで、全く違和感のない壁が逆に戸惑いを与えます(笑)
今回は初見となる今が旬の『新子』を期待していましたが、残念ながら出逢うことができず。鮨は変わらずの美味しさで、いつ来てもブレが少なく安定した昼鮨の最高峰だと思います。
次回は2週間後の夜。意外かもしれませんが、初となる夜。どのような摘みで楽しませてくれるのか、今から楽しみです。
ご馳走様でした。
2016.5.
私が通っている鮨店の一つ「鮨 とかみ」に再訪。銀座・昼鮨で、私の中では最高峰。今更、何も言うことはありません。親方の佐藤さんとフランクな挨拶を交わして、スタート。
献立
先付 焼き茄子
真子鰈
程よい噛みごこちで、旨味もたっぷり。夏の到来です。
春子
ふんわりと〆てあり、口の中でとろける春子は初めてです。
鰹
生の部分と燻した部分の香りが、同時に口の中で広がります。
鱚
軽く昆布〆にしたもの。昆布の香りと旨味を程よく、鱚が纏っている感じ。
小鰭
口の中で、小鰭の脂と酢が絶妙に交わります。
蛤
とても柔らかい。ここまで柔らかいのに、しっかりと蛤の濃厚な旨さがします。
赤身
中トロ
大トロ
悶絶クラスの3連弾。今回の鮪は特に最高だそうで、中でも中トロが素晴らしいの一言でした。
車海老
温度も私好み。火が通るか通らないかの絶妙な温度で、そこから生まれる甘さは秀逸。
縞鯵
少々固さがあるかと思いましたが、舌でとろける素晴らしさ。
墨烏賊の下足
今回はここで登場。下足とは思えない美しさ。
鯵
旬の鯵。不味いわけがない!
紫海胆
いつもの「とかみ」オリジナルスタイル。異なる温度、異なる甘さが口の中で融合します。
喉黒
硬い皮目を炙ることで、柔らかさと脂を演出。白身の王者です。
穴子
ふわりと香る柚子がとても印象的で、煮詰の味よりもちゃんと穴子の味を味わえます。
突先巻き
スペシャリテ。今回は食欲に負けて、写真なし。突先も素晴らしいけど、海苔が凄い美味しい。
玉
これもスペシャリテ。来る度に、デザートとしての完成度が高まっています。
ネギトロ巻き
前回もいただいたお気に入りの一品。葱を入れるだけで、こんなにも風味が変わるものなのでしょうか。
2カ月ぶりの『とかみ」。やはり、私の中では群を抜きます。口の中でふわりと解けるようなシャリに合わせた極上の種は、どれも完成度が素晴らしく、通う度にその美味しさを再確認します。
予約システムが常連贔屓ではなくなったそうで、一見の方でも頑張り次第では食べられるようになりました。行き続けている方はちょっと煩わしいかもしれないですが、平等なシステムは席数の少ない鮨店にはいいことだと思います。
次回は7月くらいに行きたいな。
2016.3.
今年の初訪問から2ヶ月。私の中で、2ヶ月に一度は「とかみ」の月なのです。夜の「とかみ」も気になるところですが、やはり今回も昼鮨。ランチは10貫・13貫・16貫と3種あるのですが、いつも16貫を食べていることを佐藤さんは分かってらっしゃるのでしょう。貫数も聞かれずに、スタートです(笑)
今回の献立
先付 初鰹
初物を食べるのは、やはり江戸前の粋ですね。爽やかな脂が美味しい。
細魚
墨烏賊のゲソ
平貝
シャリに柚子をつけて握っているので、ふわりと香りが鼻を抜けます。
赤身のづけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
今回も悶絶クラスの3連弾。赤身は鮪の香り、中トロはバランス、大トロは濃厚さをそれぞれ楽しめるこの「とかみ」の真骨頂です。
小鰭
車海老
九絵
2週間寝かせているという白身の王様。モチっとした食感で、嚙み締める度に甘さが広がります。
春子
そろそろ旬を迎える春を感じる江戸前のタネ。軽い〆方なので、フレッシュ感も楽しめます。
赤貝ヒモの醤油漬け ♡
コリコリとした食感がたまらない。香りが楽しめる赤貝本体も大好きだけど、食感はこちらが楽しい。
疣鯛の昆布〆 ♡
昆布〆することで、疣鯛の甘さも際立ちます。
煮蛤
海胆 ♡
きっとフレンチメニューであったなら、H&Cという表記されるであろう暖かいのと冷たいのが同時に味わえるこの「とかみ」独特の一貫。
喉黒 ♡♡
軽く炙ることで、香りと脂が華やぎます。
穴子
今回も大好きな腹の部分♪
突先巻き ♡♡♡
手巻きで供される「とかみ」のスペシャリテ。美味しい以外に、何があるのだろうか。
ネギトロ巻き ♡♡♡
今回追加した一貫。赤酢のシャリと濃厚な鮪をたっぷりと食べられます。お腹に余裕があったならば、是非とも食べて欲しいオススメの一貫です。
玉 ♡
これも他店では味わえない表面をキャラメリゼしてあるクレームブリュレのような玉は、「とかみ」独特の逸品です。
今回は初見のタネもあり、「とかみ」の奥深さを感じれました。旨味の強い赤酢の独特なシャリは素材を選ぶので、一貫一貫インパクトのある鮨が多く、それが私は1番好き。
次回も2ヶ月後。初夏の「とかみ」も楽しみです。
2016.1.
新年のご挨拶も兼ねた再訪は続く。今回は銀座にある「鮨 とかみ」です。店主の佐藤さんとフランクなご挨拶を交わして、ランチの16貫を堪能いたしましょう。
献立
先付 蛸の桜煮
冷菜ながらも、とても柔らかくて美味しい。これを握りにしても、楽しめるだろうなぁ。
鮃
墨烏賊ゲソ
春子
赤身づけ ♡
さすがは今が旬の鮪。赤身ながらも口でとろけて、最後に鮪の香りがふわりとします。
中トロ ♡♡
赤身であれだけの味わいならばと思っていましたが、想像以上の口どけ。
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。この一貫は、旨みの爆弾です。
小鰭
車海老
細魚
甘鯛 昆布〆
水分の多い魚ですが、良い〆具合。最後に昆布の味も楽しめます。
鰤
鯖 ♡
煮蛤
海胆
喉黒 ♡♡
穴子
突先巻き ♡♡
玉
今回は途中から食べているのが私だけになったので、佐藤さんを独占して握っていただきました。一貫一貫の満足度はそれぞれ高いですが、やはり鮪はその中でも別格の美味しさがあります。まあちょっと残念だったのが、佐藤さんとあまり会話できなかったことかな。
次回の予約も取れたので、今年も存分に堪能したいと思います。
2015.11.
数日前からこころぴょんぴょん待ち状態で、「鮨 とかみ」に再訪。今回もランチで、16貫の至福の時間を楽しみましょう。
本日の献立
先付 新蕎麦の蕎麦がき
平目
墨烏賊の下足
細魚
赤身
血合いぎし ♡
小鰭
車海老
鱚 昆布〆
春子
秋刀魚 ♡
煮蛤
イクラ
海胆 ♡
喉黒 ♡
大トロ ♡♡♡
穴子 ♡
突先巻き ♡♡♡
玉
ストレートに美味しい鮨を食べると、目を閉じて、身悶える。そんな所作は、どうやら私だけではないようで、お一人様は結構してらっしゃる方が多いと佐藤さんが仰ってました。
今回、初見のものは『細魚』。閂(かんぬき)と呼ばれる大きさで、繊細な脂とモチモチ感がたまらない。いつもなら『赤身』⇨『血合いぎし』⇨『大トロ』の悶絶3連弾はなく、『大トロ』は最後に供されました。その理由は…今まで以上の濃厚さとこってり感!ああっ!美味しい!
次回は年明け。佐藤さんとちょっと早い年の瀬の挨拶をし、さっき食べた鮨を思い出しながら、街の雑踏へと消えていくのです。
2015.9.
秋の匂いが漂い始めた日、「鮨 とかみ」に再訪。本日もランチから、絶品の鮨を楽しみましょう。
本日の献立
先付 胡麻豆腐
濃厚なのは勿論ですが、表面がパリッとしてあるので、食感も楽しめます。
真鯛
10日寝かせたそうで、独特なシャリの酸味に甘さが映えます。
白烏賊
魳
秋刀魚より早く秋の到来を告げる魚。でも握りでは珍しいですが、シャリに合うとのことでのセレクトだそうです。口に入れると、ふわりと柚子が香ります。
鮪づけ ♡
血合いぎし ♡♡
大トロ ♡♡♡
づけから始まるこの三連弾は、実に素晴らしいです。特に大トロは二枚重ねになっていて、ジュースを飲んでいるかのようなとろけ具合です。
小鰭
もう新子ではなく、小鰭。よい締め加減でした。
春子
秋刀魚 ♡♡
とても肉厚で、ジューシー。脂も爽やかです。
縁側
車海老
鱚の昆布〆
鰯 ♡♡♡
三枚に切り、纏めて握っています。上にはガリを。これは大トロにも匹敵する脂の爆弾です。
海胆
冷たいのと温かいのが、両方盛られている「鮨 とかみ」のオリジナル。これがあのフランチレストランの『烏龍茶』のオマージュとは驚きました。
喉黒 ♡
穴子
玉子
今回は、前回よりも素晴らしかったです。初訪問から数軒違う鮨店に行きましたが、一貫一貫の感動は大きく、何よりストレートに美味しい。某鮨番組の影響も段々落ち着いてきたそうで、全く予約出来ないということはないみたいです。
次回の予約は、初冬。また季節のタネの感動に出逢えることを、夢見て。
2015.7.
Twitterで懇意にさせていただいている方から、是非にと勧められた鮨屋に訪問。新橋駅から、歩くこと数分。雑居ビルの地下にひっそりと佇む「鮨とかみ」です。元々、ミシュラン***の「鮨水谷」があった場所だそうで、木戸を押し開けると「とかみ」の入り口が現れます。柔らかな灯りに照らされた白木の綺麗なカウンター10席とテーブル席が1卓あり、剃髪された若き店主である佐藤博之さんが出迎えて下さいました。
ランチは握りの数によって3種類あり、私は1番多い16貫を。「苦手な食材やアレルギーのある食材はございませんか?」佐藤さんの丁寧な接客に心惹かれます。
実食
・先付け『玉子豆腐毛蟹餡がけ』
・真子鰈
・墨烏賊下足
・疣鯛
あまり江戸前鮨では見ないネタですが、夏が旬の魚。脂もあって、美味しい。
・鮪づけ♡
最上級の天然本鮪しか扱わないという築地の「やま幸」が、仕入れ先だそうです。
・血合いぎし♡
ブロックで買い付けるからこそできる中トロの部位。
・小鰭
この赤酢のシャリを考慮しての小鰭の〆具合が絶妙。
・春子
しっかりと〆るのはなく、黄身酢おぼろで〆ているそうです。
・車海老♡♡
人肌の温さで、甘みをギュッと感じます。
・鱚の昆布〆
これもシャリとの相性を考えての軽い〆具合。
・平貝
・鯵♡
・煮蛤
・蝦夷馬糞雲丹♡♡
なんと温かいのと冷たいのが一緒に入ってます。他店では見られない画期的な一貫。
・大トロ♡♡
非常にこのシャリとよく合います。夏の鮪はさらりとした脂といいますが、濃厚です。
・喉黒♡♡♡
固い皮目を炙ってあるので、食べやすい。濃厚な脂があり、美味しい。
・穴子
水と酒だけで炊き上げた真っ白な爽煮。ツメの濃厚さの中で、とろける穴子が美味しい。
・鮪突先の手巻き♡♡♡
突先とは鮪の頭の付け根部分だそうで、たっぷりと巻かれていて、食べ応えがあります。鮪のコクとシャリの相性が一番感じる素晴らしい一貫。
・玉子焼
表面がキャラメリゼされています、まさにデザート的な玉子焼。鮨屋では、珍しい。
親方が自信を持っているシャリは、横井醸造の「輿兵衛」とミツカンの「特醸優選」という赤酢をブレンドしたものだそうで、コクと旨味が特徴的。このパンチのあるシャリが口に入れるとほろりと崩れ、ネタと一体化する瞬間が印象的でした。脂のある『大トロ』や『喉黒』などはとてもこのシャリによく合って、美味しかったです。名物の『突先巻き』『血合いぎし』『大トロ』は、群を抜いて美味しく、鮪はかなり力を入れてらっしゃるようです。
時期的なこともあるでしょうが、大好きな貝類が少なかったのがちょっと残念なとこ。ネタはこのシャリに合わせるように選んでらっしゃるそうなので、脂が濃厚なネタが多いのかもしれません。昼でも事前に伝えておけば、つまみのある夜コースもいただけるとのことですが、握りの方が好きなので再訪もランチ予定です。
2014年のミシュランで*を獲得し、とある寿司番組にも出演されるとのことで、予約も更に難しくなるかもしれないですね。
4位
18回
2023/02訪問 2023/03/07
2023.2.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
蛤・北寄貝・青柳のスープ♡
飲み終えると、思わず「あぁ…」と声が出てしまう。これぞ身体に沁みる味わい。
浅蜊の深川丼♡
香りは生姜の鮮烈さ、味わいは浅蜊の旨味がガツンときて、最後に生姜の爽やかさが口に残ります。コレは丼で食べなきゃいけないひと品。
子持ち槍烏賊♡
身はプリプリなので、余計に卵のモチモチとした感じが映えます。煮方も烏賊の味わいを確りと感じられて美味しい。
鮟肝♡
4〜5日かけて血を抜いた鮟肝を蒸して、中にカシューナッツと発酵唐辛子を混ぜ込んだもの。鮟肝への新しいアプローチを見れるひと品で、肴は勿論ですが…ご飯にも絶対に合う。
北寄貝オイル漬け♡
北寄貝に薫香をつけてから、米油に漬けたもの。口に入れると薫香が鼻から抜け、米油の甘味と北寄貝の旨味が重なり合い、実に美味しい。
牡蠣蕎麦♡♡
鰹出汁に牡蠣の出汁を加えてから大根おろしを入れてみぞれ仕立てに。大ぶりな牡蠣は旨味が抜群にあり、コレも何でフルサイズじゃないのかを残念に思うほどに美味しい。
真鱈の白子リゾット♡
真鱈の白子を使ったリゾット。甘く単調になりがちな味わいを締めているのが、カンボジア産の赤胡椒。かなり刺激的にピリッと味わいを締めていて美味しい。コレも丼で食べたい!
真名鰹♡
風に当てて旨味を出し、お酒で割った自家製の酒盗汁に漬けて焼いたもの。初めは酒盗の旨味がきて、後から真名鰹の旨味がグッときます。味わいと共にとろりとした食感も素晴らしい。
虎河豚の白子椀♡
虎河豚を2匹をこの出汁の為だけに使って、焼いた白子を合わせた椀物。ひと口飲むと、一気に虎河豚の旨味がガツンときて、沁みます。このひと椀に虎河豚を捩じ込んでいる味わいで、まさにお椀で味わう虎河豚。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー肴。コロナ禍を経て、卵黄ご飯がつくようになって長年の夢が叶ったひと品。
活け渡蟹ならではのとろりとした食感に蟹の甘味と旨味、そして山椒の鮮烈さがひと口毎に駆け巡ります。
縞海老♡
「コレが海老?」と驚くほどに口に入れた瞬間になくなる海老。口に残るのはシャリの酸味で輪郭が際立った極上の甘味が広がります。
泥障烏賊♡
木村親方の包丁技が見られる泥障烏賊は極薄に削ぎ切りしていき、更に細かく切って纏めて握っていきます。
酢橘の爽やかが初めにきて、ねっとりととろける甘味が最高。
細魚♡
なんだろう、この食べ応えは!ここまで大きく食べ応えのある細魚にはなかなか出逢えない。
金目鯛♡♡
旨味が凄い!まず金目鯛の甘味がガツンときて、シャリと混ざりあった甘味がぐわんときて、最後にまた甘味がジワって広がります。
青柳♡
素晴らしいこの反り返り。ザクッとした食感の後に花のような独特の香りが鼻から抜けます。素晴らしい美味しさ。
鱒の介♡
1か月熟成のもの。コレは液体!口に入れると瞬でなくなり、旨味が旨味が素晴らしい。
皮剥♡
芽葱の香りが鼻から抜けて、ガラスのような身と肝の旨味が抜群に映えます。なくなっても尚、あり続けるような肝の旨味が最高。
筋子♡
「すし㐂邑」を代表する鮨のひとつ。コレを食べると、いくらがとても幼稚なものに思えてしまうほどの美味しさ。
鰤♡
エシャロットを間に入れる1カ月熟成の鰤。クセのある鰤を見事に昇華して旨味のみを出した味わいで、エシャロットの爽やかな苦味が実にいい仕事をしており、美味しい。
鰯♡
黄金に輝く鰯もまた「すし㐂邑」を代表する鮨。ひと口目はスッキリとした鰯の味わいで、咀嚼毎に鰯の旨味が徐々に溢れてきて、
真加治木♡
脅威の熟成52日目。ねっとりと舌に絡みつくような真加治木が想像を軽く超えてくる味わい。
蛤♡♡
煮つめではなく山椒の刺激で食べさせる仕立て。とても大きな蛤は旨味が抜群で、柔らかい。
玉♡
薄焼きの玉を握るスタイルで、シャリの酸味で際立つ玉の甘味が美味しい。
鉄火巻き♡
木村さんではなく、ハルカさんが巻いた鉄火巻き。店内にザクッと響く海苔を断ち切る包丁の音。中の鮪よりも巻いているのにふわりとしたシャリとパリッとした海苔が印象的。コースの初めと終わりが海苔巻きという粋さ。
ラムレーズンブランデージェラート♡
確りとラムレーズンが香り、ブランデーのコクも凄い。お酒好きが絶対にハマる美味しさ。
今年は上海を中心に海外へと身を置くことが多いという木村 康司さんの二子玉川「すし 㐂邑」へ再訪。魔法のように旨味を増幅させる熟成という手法は、まさに膨大な手間と時間がなせる技。木村親方の料理はひとつひとつが独創的であり、それは一種の狂気であり、まさに食のヘンタイと言わざるを得ません。しかしながら全てにおいて唯一無二という存在感があり、何よりもどれも唸るほどに美味しい。
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさに今年はこの恋歌のような気持ちになりそうです。また日本に戻られた時に是非食べさせていただきたいです。
2022.10.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
ひと口含むだけで北寄貝の旨味が口いっぱいに広がり、香りと共にスーッと消えていきます。このスープの為だけにどれだけの北寄貝が使われているのか。
小鰭の押し鮨♡
酢〆した小鰭の下には梅・大葉・胡麻があり、酢の爽やかさと梅の酸味が小鰭の旨味の輪郭を濃くしているかのよう。
鮟肝♡
4日かけて処理をした鮟肝にカシューナッツと発酵唐辛子を加えたもの。
濃厚なれど、臭みなど微塵もない鮟肝にカシューナッツのコクと唐辛子のアクセントが心地よく、いいお酒のアテです。
北寄貝のオイル漬け♡
火を入れて薫香を付けて、塩を当ててからオイル漬けにしたもの。
咀嚼すると、藁で燻した薫香がふわりと広がり、凝縮した旨味が爆ぜます。
雲丹蕎麦♡
雲丹を裏漉しして、昆布出汁で割って、蕎麦と合わせたもの。
この量だからこそのインパクト。蕎麦を手繰る度に確りと感じられる雲丹の存在感。
白子のリゾット♡♡
確りと掃除した鱈の白子を裏漉しして、昆布出汁で伸ばし、米と合わせたもの。
食感は舌に絡みつくようにまったりとし、白子の旨味がガツンときます。そこに固めの米の食感があり、上からかけられたカンボジア産赤胡椒が全体をキリッと締めています。
真名鰹♡
一週間風に当ててから、自家製の白身魚の酒盗で味付けもの。
ふんわりとした食感の中で、主張してくるのは真名鰹本来の旨味。繊細でありつつも、グッときます。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理のひとつ。コロナ禍の中で、念願のご飯(卵黄酢飯)がつきました!ピリリとした山椒の刺激の中で。お酒にもご飯にも抜群に合う素晴らしさ。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを込めた海苔巻き。「すし㐂邑」のシャリは少し固めに炊き上げた『遠野4号』という品種で酸が立ち、相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔の香りが華やぎまず。
小鯛♡
小鯛は温かく、とろけると同時に香りがふわりと立ち込めます。
縞海老♡
極上の甘味、そして口に入れた瞬間にとけます。シャリとのコントラストが素晴らしく映えます。
白烏賊♡
木村さんの包丁技が見れる種で、白烏賊を薄ーく薄ーく削ぎ切りにしていき、一纏めにして酢橘と塩で。コレは空気を食べる種。甘味を出しながらとろける烏賊がとてもエアリー。
皮剥♡
ガラスのような身と「この肝の処置にどれだけの手間がかけられているのだろう」と考えさせられるほどの肝の旨味の純粋さ。
北寄貝♡
ビッシリとついたワタの甘味が最高に美味しい。とろけるような食感も固めのシャリとよく合います。
赤雲丹♡
鹿児島県産。濃縮したような甘味と仄かにある苦味がより甘味を感じさせて美味しい。
クジラ♡
部位は尾の身。「形があったよね?」と思うほどに瞬でとろけるクジラは圧倒的な旨味が素晴らしく、間に入れたエシャロットの苦味が味を締めています。
鰹♡
薫香も感じますが、圧倒的なのはまるで鰹節のような旨味の凝縮さ。この旨味の強さはきっと「すし㐂邑」でしか味わえない美味しさ。
筋子♡♡
ルビーのように煌めく1ヶ月熟成をさせた筋子は旨味の塊!コレを食べてしまうと、他店のいくらは食べられなくなってしまいそうです。
鰤♡
エシャロットがいい仕事をしている1ヶ月半熟成をさせた鰤。旨味の爆流で身を流されてしまいそう。
鰯♡♡
金色に輝く鰯も「すし㐂邑」のシグニチャーのひとつ。酸味の中にも確りとした旨味があり、食べ終えても尚香るような青魚の香りが凄い。
穴子♡♡
「すし 㐂邑」で穴子に出逢えるのは、珍しい。煮つめではなく、山椒で食べさせる仕立てで、穴子と山椒の香りが素晴らしい。
お稲荷さん♡
このモチモチとした揚げの食感に驚き、咀嚼の度に溢れる出汁の旨味が新感覚。
玉♡
伝統的な鞍懸の玉。玉の甘味とシャリの酸味が素晴らしい。
黒胡麻のジェラート♡
出来立てのジェラートは、胡麻の香りが活きていて美味しい。
二子玉川にある熟成鮨で有名な「すし 㐂邑」へ再訪。店主は熟成鮨のパイオニアとして今も尚進化を続けている木村 康司さん。独創的であり、唯一無二な肴や鮨は1つとしてハズレなく美味しく、私を含めて多くの心を掴みます。木村さんの料理をいただきながら感じるのは、丁寧な下処理とそれにかけられた時間と労力。魔法のような熟成をかけられた種は香り・甘味・旨味が跳ね上がり、酸が立った固めのシャリととてもよく合い、そこから生まれる相乗効果の旨味が凄い。
やはり木村さんの肴と鮨は好みの味わい。また今冬の時期にも是非味わいたいです。
木村さん、今回もありがとうございました!またどうぞ宜しくお願いします!38000
2022.6.
見らく 少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
可愛いらしい木桶から立ち上る香りからもう美味しく、塩分濃度は薄いのに旨味が強烈。
子持ち槍烏賊♡
(特にえんぺらが付いていたので)身はサクッサクで、卵はねっとりとしてプチプチと弾けます。この3つの食感を同時に楽しめるこの時期ならではの美味しさ。
桜海老の海老味噌♡
このペーストにどれだけの桜海老が使われているのだろう?ひと舐めするだけで圧倒的な旨味が口に爆発的に広がり、ふわりと香りが鼻から抜けます。凄い!
鮟肝♡
木村さんが手掛けると鮟肝もここまで変わるとは!一緒に入れられているカシューナッツで生み出される食感とコク、そして唐辛子の辛味が新しい鮟肝の可能性を示してくれます。実に美味しい。
鮑とつぶ貝の塩辛♡
肝の香りが強いと思いきや、咀嚼するとそれぞれの貝の磯の香りがぶわっとして至福の肴。
雲丹蕎麦♡
蕎麦を啜ると広がる雲丹と昆布の旨味。無限に食べられるような味わい。
真名鰹♡
ふわりとする食感、咀嚼の度に溢れる旨味は真名鰹本来の味わいで、実に美味しい。木村さんの真名鰹の焼物が供された時は、心の中でガッツポーズしているのはナイショのことです。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理と言っても過言ではない肴。活きた渡蟹をブランデーに漬けたもので、鮮烈な山椒の味わいとブランデーの香りが素晴らしい。そして、添えてある卵黄ご飯が「ご飯と一緒に食べられたらな」という往年の夢を叶えてくれ、実に嬉しくも美味しい。
海苔巻き♡
史上最年少皇室御献上海苔漁師・相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔と2回だけ品種改良がされた最もお米の原種に近い『遠野4号』を使ったシャリが生み出す海苔巻き。他店よりも堅いシャリのテイスティング的な感じかもしれませんが、これが実に美味しい。
牡丹海老♡
熟成4日目。凄い…。牡丹海老は軽く湯霜にしてあるようで、口に入れた瞬間になくなります。堅めのシャリとネットリとした種のコントラストが実に素晴らしく、他店とは味わいの次元とアプローチの違いがハッキリとします。
金目鯛♡
熟成14日目。口に入れると、まず金目鯛の旨味がガツンときて、その後にシャリの塩味、そして再び金目鯛の旨味と甘味がぐわんとくるような味わいの対空時間と時差があるような一貫。
皮剥♡
熟成4日目。ガラスのような身と間に入れられた肝の旨味が秀逸。肝の毛細血管まで丁寧に取り除くことで生臭さなどは微塵もなく、旨味のみが濃縮した味わい。
北寄貝♡
貝類は熟成させても意味がないそうで、代わりに部位毎に塩を当てる時間などを計算しているそう。ネットリとしたワタの甘味が素晴らしく、咀嚼すると貝の旨味と香りがふわりとして美味しい。
鯵♡
肉厚な身はトロリとして香り高く、堅めのシャリに実によく合い、「鮨を食べてる!」という実感が湧くほどに口の中での存在感が強い。
鮑♡
鮑は香りと教えてくれる一貫。出来るだけ薄く切りつけて空気に当たるようにして香りを立たせてるそうで、口に入れると鮑の香りが弾けます。そしてシャリの塩味で鮑の甘味も映える「すし㐂邑」の夏の一貫。
浅蜊♡♡
初めていただく種。海苔の香りと浅蜊の旨味が実に素晴らしく、心打つ一貫。インスタで見かけた某店の『浅蜊』が美味しそうで、いつかどこかで食べたいと思っていた一貫をまさかここでいただけるとは!
間八♡♡
脅威の熟成75日目。旨味と甘味が異次元のような味わいで、食べ終えてもまだ口の中にあるかのような余韻が長く続きます。
鰹♡
口に近づけると薫香が香り、咀嚼すると鰹の旨味と鉄分が広がり、忍ばせてあるエシャレットの苦味が全体を締めています。
白烏賊♡♡
木村さんの包丁技が魅れる種の1つ。白烏賊を見えなくなるくらいに薄く薄く切ってから、雲丹をベースに名古屋の天麩羅の名店「天風良 にい留」の揚げ玉を入れたソースを絡めて握った一貫。この揚げ玉の旨味が素晴らしく、思わぬところで「すし 㐂邑」×「天風良 にい留」のコラボを味わうことができました。今回の私の中で1番の美味しさ。
尾の身♡
コレも初めての種。このシャリによく合う口溶けのいい鯨の尾の身は旨味の塊のよう。
鰯♡♡
赤酢で〆ることで金色に輝くエロチック鰯は、熟成10日目のもの。鰯本来の旨味、赤酢の酸味、シャリの塩味の三重奏が響きます。
蝦蛄♡♡
蝦蛄を殻のまま漬け込んであり、直前に殻を剥いて握られます。漬け込みの味わいも美味しいですが、なんと言っても咀嚼する毎に強くなるような旨味と香りが凄い。
お稲荷さん♡
近年「すし 㐂邑」の新しい名物となっているのが、このお稲荷さん。シャリにガリと胡麻を混ぜ込んで、海苔と一緒に油揚げで包んでいるのですが、この油揚げが凄い。モチモチとした食感があり、その食感を感じる度に出汁がジュワッと溢れてくる新感覚のお稲荷さんです。
玉♡
以前は半熟カステラのような玉でしたが、今では薄焼きのものを握るスタイルになっており。最後まで鮨好きを魅了してくれます。
黒胡麻ジェラート♡
出来立ての新作ジェラートは黒胡麻。ひと口食べただけで「胡麻!」という主張が強く、上にかけられた擦った胡麻で香りも高い。
予約が取れなかったりして、久しぶりとなった二子玉川にある「すし 㐂邑」。改めて思うことは、店主・木村 康司さんが作り出す肴や鮨は実に好みで美味しい。魔法にも似た「熟成」という技術だけでなく、この鮨店の根底にあるのは時間と手間を惜しまぬ丁寧な仕事。肴は確りとお酒を飲みたくなる力強い味わいで、鮨はシャリと種どちらも個性があり、食べていることを実感できるボリュームがあります。肴・鮨共に独創的であり、唯一無二。この「すし㐂邑」でしか味わえない心響く美味しさです。
木村さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします!
2021.6.
熟成という名の魔法
今年の正月に開催した「キムバル」から半年。熟成鮨のパイオニアである木村 康司さんの鮨を食べに二子玉川にある「すし㐂邑」へやっと再訪。ちょうど訪問日の2週間前にカウンターを新しくしたそうで、客側の欅と厨房側の木曽檜から成る2種の木目がとても綺麗で、木村さんの手元が確りと見えるようなフラットになったのも嬉しいポイント。
今夜の献立
北寄貝スープ
口当たりは優しいのに、旨味のアタックが後からグッときます。
〆鯵♡
梅肉を酢で〆た鯵でサンドした初めていただく肴。このジメッとした季節にピッタリの爽やかな味わいで、後から鯵の旨味が追いかけてきます。
あなきゅう♡
肴でいただく穴子は実に素晴らしい。山椒の洗練さが駆け抜け、甘味のある穴子の旨味が口の中で混ざり合います。穴子と胡瓜という格別な取り合わせの中で、穴子が光ります。
このこ蕎麦♡♡
凄い!香りと旨味の塊のような味わい。蕎麦というか完全なる肴。お酒が進みすぎです。
鮑のリゾット♡
白い鮑のリゾット。肝の味わいをあえてなくしているのか、ゴロゴロと入っている鮑の旨味が食べ進める毎に口の中で倍化・累乗するかのようで幸せが加速します。
メヒカリ♡
実に美味しい。フワフワとした口当たりは初め魚醤のような味わいがしますが、後から透明感のあるメヒカリの旨味が口いっぱいに広がります。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし㐂邑」の肴のスペシャリテと呼ぶべきブランデーと山椒の香りが決め手の渡蟹のブランデー漬け。コロナ禍で卵黄ご飯が付くようになったのは、実に嬉しいかぎり。最高のご飯のお供。
海苔巻き♡
岩手県の「勘六縁」の遠野4号と京都の「飯尾醸造」の酢で作られたシャリのテイスティングのような海苔巻き。鹿児島県出水の海苔養殖家の島中さんのアサクサノリが映えます。
小鯛
温かい…。また新しい仕立てなのか?久しぶりすぎて忘れているのか?切り付けた後にサッと湯霜にしているのでしょうか。ほんのりとした小鯛の甘さがシャリの酸味で映えます。
牡丹海老♡
とろけるような牡丹海老。生よりもとろけ方がストレートで甘味がグッときます。他店とは一線を画す味わい。
金目鯛♡♡
口の中に入れるとフッとなくなるような金目鯛。その後に旨味がぐわんっとして、シャリの酸味が後から駆け抜けます。
鯵♡
何とも食べ応えのある肉厚な鯵。口の中でまさに魚が主役となる一貫です。
北寄貝♡
こんなにもビッシリとワタが付いた北寄貝は久しぶり。トロリとしたワタの甘味が舌にダイレクトに当たります。
中トロ♡
エシャロットの香りと風味が印象的な中トロ。その口溶けと旨味も尋常じゃない美味しさ。
鮑♡♡
鮑を水平に波打つように切り付け、シャリを包むようにして供される鮑。木村さんの鮑と食べるといつも思う。「鮑は香り」。シャリの酸味で際立つ鮑の甘味も愛しい。
赤雲丹♡
今季初の赤雲丹。甘味だけでなく、苦味もあるような複雑な味わいが素晴らしい。
鰯♡♡
金色に輝く鰯は「すし㐂邑」のエロ前鮨の真骨頂。酸味と旨味が異次元のよう感じ。やはり美味しい♡
鱒の介♡
たいていは常時ある真加治木の代わりに今回は鱒の介。コレも凄い!舌に絡みつくようなとろけ方で、味わいも甘味と苦味が絶妙なバランス。
穴子♡
木村さんの穴子は久しぶり。煮つめではない穴子の旨味で勝負するこの時期だけの楽しみ。
お稲荷さん♡♡
「すし㐂邑」の新しいスペシャリテになりうるお稲荷さん。この揚げが非常に特徴的で、出汁がジュワッとしながらもシコシコとした食感が独特。
玉♡
薄焼たまごの握り。うーん、素晴らしい。
濁酒ジェラート♡
最後は佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。どストライクな美味しさ。
やはり、美味しい!
これが久しぶりに味わう「すし㐂邑」の正直な感想。定番と呼ばれる肴や種の美味しさは勿論のこと、比較的に新しい『玉』や『濁酒ジェラート』も最早外せない一品になっています。その中でも今回初だったのは『お稲荷さん』。「今まで美味しいお稲荷さんがなかったから、自分で作った」という木村さんの渾身の逸品は、新しい顔となりつつ味わいです。お店で食べるものよりかは少し大きなものが3個入ったお土産も1人1個ではありますが、来店者のみ購入できるので「すし㐂邑」の余韻を楽しめます。
先週供していた『蝦蛄』がなかったり、『鳥貝』なんてとっくにやめていたりと出逢うことが叶わないこともありますが、それも「すし㐂邑」の魅力。また季節を変えて食べたいです。
2020.10.
今よりも、更に高みへ
運良く一席空いていたところに滑り込み、再訪が叶った二子玉川にある「すし 㐂邑」。店主の木村 康司さんが作り出す魔法とも呼ぶべき熟成を施した鮨と独創的な肴が唯一無二で、とても好きな鮨店です。コロナ禍の営業自粛明けから2回目。木村さんの更なる進化を楽しみます。
今夜の献立
蜆酒
口当たりは、確かにお酒。でも旨味は蜆。蜆汁というのはよく供されますが、蜆酒とは!さすがのアプローチ。
烏賊の塩辛♡
肝を使った塩辛はあまり好きではないのですが、コレはなんだろう?烏賊も柔らかくて、ご飯欲しくなるぅ。
北寄貝のオイル漬け♡
薫香が鼻から抜ける米油で漬け込んでいる北寄貝。噛む度に旨味が溢れて、絶妙な味わい。木村さんの肴はいつも美味しい♡
穴子の山椒焚き♡
角切りの生姜と粒の山椒が舌を刺激する旨味の塊のような穴子。あの『薔薇ちらし』を思い出します。また食べたい!
鮑の塩辛♡
何という香り高さ!コレもご飯欲しくなるぅ。
海胆蕎麦♡
更にブラッシュアップされていて、海胆の旨味と蕎麦つゆの一体感が格段に違います。どこまで進化するというのか…。
メヒカリ♡
木村さんのメヒカリは大好き♡パンパンの身には旨味と脂が詰まっていて、口の中で一気に弾けるよう。スナック菓子のようにひょいひょい食べたいっ!
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし㐂邑」における肴のシグネチャーとも言うべき料理。ピリリとした山椒の刺激の中で、渡蟹の甘味が映えます。更に念願だったご飯もデフォルトで卵黄ご飯がついてくるようになり、より好みとなりました。
海苔巻き♡
毎回、握りの始まりを告げる独特なアルデンテのシャリのテイスティングのように供される『海苔巻き』。この香り高い海苔は、鹿児島県出水産の「アサクサノリ」。漁師の島中良夫さんが20年以上かけて養殖に成功させた伝統在来種「出水アサクサ野口種」だそう。
真鯛
熟成期間は1週間くらい。ストレートに甘味がガツンときて、食べ終えると香りがふわりと残る感じ。
牡丹海老
木村さんの手にかかると、牡丹海老もまた違った一面を見せてくれます。ただ甘いだけでなく、もう一段奥にある甘味を感じられます。
錘鰤♡
初めて食べる魚ですが、徐々にメジャーになってきているそうです。見た目も美しくて、味わいはねっとりとして、口溶けも非常にゆっくりとしていて旨味と甘味をじっくり楽しめます。
皮剥♡
ガラスのような美しい身に隠された肝の旨味が素晴らしい♡
鰤♡
復活した?エシャロットを忍ばした鰤。山葵の鮮烈さだけなく、エシャロットのほろ苦さが決め手。まだまだこれからの魚ですが、十分に美味しい♡
赤海胆♡
熊本県天草産。水っぽさなど微塵もなく、濃厚濃密な旨味の塊のよう。ただ甘いだけでなく、複雑な味わいが魅力的。「すし 㐂邑」では夏の時期でしか食べられないですが、群を抜いて美味しい。
鰹♡
薫香がふわりと鼻から抜ける鰹は、まるで鰹節のような旨味がたっぷり。
筋子♡
「すし 㐂邑」のスペシャリテの一つ。ねっとりと舌にシャリに絡みつくような味わい。見た目もルビーのような美しさがあり、華がある鮨。
小鰭
久しぶりの小鰭。食べ終えても尚、口の中に残る強い旨味が印象的。
キンキの混ぜご飯♡
前回もいただいた絶品の混ぜご飯。キンキの皮も身も肝も全てを混ぜ込んでいて、大きな丼でかき込みたいくらいに美味しい♡ちょっと多めにくれた木村さんの優しさが嬉しい。
真加治木♡
驚異の57日間の熟成を施した「すし㐂邑」の顔とも呼べる種。どこかコーヒーのような香りもあり、凝縮したような旨味が素晴らしい。
玉♡
コロナ禍での営業自粛を経て、伝統的な薄焼き玉子を使った握りになりました。あの半熟カステラのような玉も好きでしたが、やはり握りは美味しい。
濁酒のジェラート♡
コレも木村さんの新しい一手の一つである甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。んー、実にどストライクな美味しさ♡
今回も実に美味しかったです。肴はただ塩辛いだけでなく、旨味を全面に出した味わいなので、私はお酒よりもご飯が欲しくなります。その中で『渡蟹のブランデー漬け』は、卵黄ご飯がデフォルトで添えられるようになって本当に嬉しい。そして、握りは皆がシャリを小さくとお願いしている中で、ちょっとずつ私には大きくしてくれる木村さんの優しさが沁みました。熟成という絶対的な武器を持っていながらも、より美味しくより高みを目指してらっしゃる木村さんの気概に惚れました。
木村さん、今回もありがとうございました!今冬中とお正月にはまた食べたいです。35000
2020.6.
味わい、存在、唯一無二。
例えば、ウイスキー。誰にでも飲みやすく好かれるものよりは、アイラモルトなどの独特でクセのあるような唯一無二のウイスキーが私は好き。
二子玉川にある「すし 㐂邑」の店主・木村 康司さんが創り出す熟成は、旬の魚の力強さを引き出す魔法。肴も鮨も独創的で、唯一無二。味わいは勿論のこと、存在感も惹かれる鮨店です。
今回の献立
北寄貝スープ
可愛い檜の桶に入れられた「すし 㐂邑」の白スープ。前回に感じた店内を包むような檜の香りはさほどなく、北寄貝の旨味が凝縮したスープはしみじみと美味しい。
栄螺のオイル漬け
初めての肴。栄螺に薫香をつけて、米油に漬けこんだものかな?口に入れると薫香が鼻を擽り、後味にはピリリと鷹の爪の辛味が残ります。
鯖♡
福岡県糸満市にある「ミツル醤油醸造元」の醤油床に奈良漬けを入れたものを〆た鯖に合わせたもの。凄い!カレーのような風味と鯖味噌のようなの味わいの奥深さがあり、コレもご飯が欲しくなるw
鮑の塩辛♡
鮑の香りが素晴らしい。咀嚼する度に華やぎ、喉を通る際にふわりと鼻から抜けます。鮑は香り。そのことを実感できます。
ミンククジラの畝須♡
プルプルのミンククジラの畝須にはパンチのある辛味が乗せてあり、一緒に食べることでこのクジラの脂を活かしています。
海胆蕎麦
ひと口目は蕎麦の味わい。つゆを飲むと、返しの味わい。そして、追いかけるように海胆の旨味がグッときます。もっと食べたいと思うところですが、この量だからこその旨味の凝縮。
メヒカリ♡
「すし 㐂邑」のメヒカリは大好き。表面の皮目はパリッと焼かれ、身はフワフワ。そして、メヒカリの甘味がジュワッと広がります。火傷覚悟でもガブっと行くべき。
渡蟹の塩辛♡
な、なんとデフォルトで酢飯が盛られている!まさか、お店でこの塩辛にご飯を合わせることができるとは!お酒飲みにはお酒が1番なのでしょうけど、私には絶対にご飯!美味しいなぁ♡
海苔巻き♡
遠野4号という粒が大きくて粘りが少ないストイックな米を使った独特のアルデンテシャリを味わう海苔巻き。心地よい酸が駆け抜けます。
甘鯛♡
何故、甘鯛と呼ばれるのかがよく分かる甘味のある旨味がシャリの酸で全面に押し出されています。
牡丹海老
舌に絡みつくようなとろけ方はありませんが、群を抜く強烈な甘味が残ります。
金目鯛♡
香り高く、金目鯛の旨味が凝縮していて後に残る甘味が印象的。
鯵♡
ふっくらと肉厚で口に入れた時の存在感が素晴らしく、爽やかな旨味が駆け抜けます。
赤海胆♡
佐賀県唐津産。甘味だけではなく、苦味なども加わり複雑な味わい。「すし 㐂邑」の海胆は夏しかありませんが、どこのお店よりも旨味がギュッと凝縮しており、実に美味しい。
鮑♡
木村さんの包丁捌きは見れませんでしたが、出逢えた鮑。シャリを包むようにして握られる鮑は、まるで香りの塊。だから肝も使うことなく、塩や山葵さえもありません。
鰹♡
まるで鰹節のような薫香と旨味の凝縮。鰹の握りでの究極系かも。
キンキの混ぜご飯♡
ずっと気になっていた木村さんの後ろにあった大きなキンキの開き干し。そのキンキを焼き上げて、身を解してからシャリに混ぜ込んだもの。脂あるキンキの旨味と甘味がシャリの酸のアクセントで素晴らしく響きます。
鰯♡
金色に輝く鰯は、エロ前の真骨頂。1週間の熟成だそうですが、身は確りとしていて迸るような脂はなく、優し目な香りと旨味が際立ちます。
加治木♡
スペシャリテの加治木はねっとりとして、コーヒーを思わせる焙煎香を纏っています。今もなお煌めく不動の花形の種です。
穴子♡
まさか、穴子まで供されるとは…。最近は固めるお店も多くなってきましたが、本当の旬の時期しか味わえない「すし 㐂邑」の穴子。トロトロで舌に絡みつく系ではなく、香りを大切にしたホクホク系。山椒の香りも華やぎます。
玉♡
なんと玉も握るようにしたそうで、伝統的な薄焼き。以前と味わいも変えているのかしら?ほんのりとした甘味で、更に好みが加速します。
甘味♡
〆は玉ではなく、甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラートです。酵母を使っているからでしょうか、パンみたいな香りがしてド好みな味わいです。
コロナ明け、「すし 㐂邑」の進化が止まらない!元々、木村さんの独創的な肴や鮨が大好きですが、更に加速度を上げて好きになりました。今回は海胆・鮑・穴子と夏の魅力を一編に堪能させていただき、久しぶりに幸せな時間を過ごせました。
木村さん、ありがとうございました!やっぱり木村さんの肴や鮨は大好きです。また宜しくお願いします!33000
2020.5.
薔薇色の人生
営業自粛が解かれている中で、鮨店のテイクアウトもそろそろ終わり。そんな中で、私には心残りがあります。それは二子玉川にある「すし 㐂邑」の『薔薇ちらし』。何度かあった販売もタイミングが合わずに買えずじまいだったのですが、最後の最後で無事購入です。
海胆やいくらなどの生の海鮮が盛られた煌びやかなちらしとは対極的な地味な見た目ですが、実に好みの味わいで美味しい。いつものアルデンテなシャリには海老・干瓢・玉が混ぜ込んであり、上にある紅白の海老おぼろと鮃?田麩と一緒に食べれば、甘めの味わいに。そこに酢〆された小鯛と鰯の酸とピリリとした山椒の刺激が心地よく響きます。このコロナ禍で『ばらちらし』を食べる機会が多くなった中で、私は甘めの味わいのものが好みなんだと知りましたw
あぁ…人生ってただ甘いだけでなく、たまには刺激も必要よね?
そんなことを感じさせてくれるような『薔薇ちらし』でした。
木村さん、お元気そうで良かったです!またお店でエロ前鮨をいただける日を楽しみにしています!
2020.2.
どこか艶っぽく、妖艶な雰囲気を纏う。
まるで歌舞伎でいうところの女形のように。
そう思わせるのは二子玉川にある「すし 㐂邑」の木村 康司さんの握る鮨。職人気質でありながらも、熟成という緻密な技術を組み上げる学者肌な一面もある(特に女性に対して)笑顔が素敵な親方です。
木村親方が施す熟成という魔法は、魚の持つ旨味と香りを最大限に引き出して、知っている魚がまるで次元の違う味わいになり、いつも驚かされます。さあ、今回もどのように驚かせてくれるのか楽しみです。
今回の献立
北寄貝のスープ
厨房から香る檜の香り?器が檜に変わってる!口を近づけると、檜の香りがふわりと香り、染みるように美味しい北寄貝の旨味。
子持ち槍烏賊♡
身は歯がいらないほどに柔らかく、卵はとろりととろけて、舌に絡みつくよう。
真鱈の白子リゾット♡
相変わらずに素晴らしい味わい。白子のクリーミーな旨味の中で固めの米が存在感を主張して、カンボジア産の黒胡椒が単調になる味わいにアクセントを与えています。
太刀魚♡
太刀魚が持つ極上のフワフワ感。そして上に乗せられた大根おろしが名脇役を演じています。大根おろしの下には玉葱の微塵切りが忍ばせてあり、辛味と食感を与えています。
牡蠣バター
牡蠣を低温で火入れしてから燻して、それを裏漉ししたのをバターを合わせたもの。どんなだけ手間をかけてるのだろう。極限に滑らかで確りとした薫香の後、旨味がグッときます。形はないながらも、ちゃんと感じられる牡蠣の旨味が秀逸。
河豚のお椀♡
きっとこの時期ならばあると思っていました。河豚3本の身と骨と皮をゆっくりと10時間焚き、それを漉してから焼いた白子を入れて、薄口醤油を数滴入れた冬のスペシャリテです。
どうまん蟹の塩辛♡
ブランデー・麹・酒盗で漬け込む木村流ケジャン。今回は渡蟹ではなく、なんとどうまん蟹。山椒のピリリとした刺激がありながらも、全体的には円やかな味わい。渡蟹にはなかった爪が美味しい!
海苔巻き♡
酢飯変わった?元々、固めのアルデンテなシャリでしたが…更に水分が少なくてホロホロとして、酢がふわりと香ります。
鰆
ねっとりと舌に絡む度に鰆の甘味が感じられて、シャリの塩気で更に甘く感じられます。
細魚
モチモチという食感はよく感じられますが、細魚ってこんなに香りがあったっけ?と思うほどに香り高い。
鱒ノ介♡
クリスマスくらいから熟成させたという鱒ノ介。凄い!とろけ方もゆーっくりなので、その間に香りが立ち、旨味が広がります。滞空時間のとても長い一貫。
金目鯛
口に入れた瞬間の旨味と咀嚼してシャリと混ざり合った時の旨味という2段階で味わう金目鯛は、まさしく傅く美味しさ。
牡丹海老♡
片面だけ湯霜にしているのだろうか。とろけるのではなく、弾けるように液体へと変わります。異次元の牡丹海老。
間八♡
コレもクリスマスくらいからの熟成。身を咀嚼する度、シャリと混ざり合う度に旨味が溢れてきます。
皮剥♡
ガラスのような身の下には、肝と浅葱。肝の旨味が衝撃的な味わい。
海松貝
極上のサクサク食感。甘味よりか香りが凄い。
鰤
エシャロットから山葵に変えた?戻した?鰤。湯霜して漬けにしてあるので、暴れるような脂のある鰤らしくない落ち着いた感じ。
鰯♡
金色に輝く鰯は魔法がかかっているかのように美味しい。濃厚な脂の後に爽やかな酢が駆け抜けていきます。
加治木
「すし 㐂邑」不動のスペシャリテ。コーヒーのような香り独特の味わいは、唯一無二。
鰹の手捏ね鮨
鰹…鰹だよね?非常に鰹らしくない脂のあり、大きな賽の目に切られているので、モチモチ感も素晴らしい。
玉
まるで半熟カステラのような玉には、実は高級魚が使われてたりします。
筋子(追加)
珍しく追加させていただきました。目の前にあるのだから、コレを食べずに今季を終えたくありません。ルビーのように輝く筋子は見た目も味わいも妖艶で心奪います。
「すし 㐂邑」は、まだ進化するか?と底知れぬ美味を探求する深淵を垣間見たような感じでした。初手のスープが檜の器に変わり、既に完成形と思っていた蟹の塩辛がどうまん蟹になっていたり、そしてシャリの変化。今年の「すし 㐂邑」から目が離せません。
木村親方、お母様。今回もありがとうございました!また食べさせて下さい。35000
2019.11.
時間が作り出す旨味
それは熟成の魔法と労を惜しまない職人の魂
熟成鮨のパイオニアであり、今のなお更なる高みへと登り続けてらっしゃる鮨職人の木村 康司さんの鮨を食べに「すし 㐂邑」へ。私がよく行く日曜日の昼となると、飲食業界の方々が多くて、今回も客の半数が同業者という状況で、さすが食の社交場です。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは、「すし 㐂邑」の白のスープ。今回は5キロの蛤を使っており、飲み終えた後の溜息まで美味しい。
桜海老の海老味噌
桜海老を炒ってから擦って、醤油・味噌などを入れて、何度も何度も裏越しで仕上げたもの。濃い目の味わいを想像していましたが、全くそんなことはなく、お酒などがなくても美味しくいただけます。
北寄貝のリゾット
北寄貝のヒモと貝柱を使ったリゾット。余計な物は加えていないそうで、北寄貝の旨味のみという味わい。実に優しく、じわりと旨味が溢れています。
牡蠣のみぞれ椀♡
お椀の中に入れられた牡蠣はぷっくりとしており、実に素晴らしい。しかしながら、この出汁がそれ以上に素晴らしい。この一杯に牡蠣がどれだけ使っているのだろう。
鯣烏賊の肝ルイベ
コレも先程の桜海老の海老味噌と同じように、素材の旨味のみを味わうようなもので、実に繊細な味わいで香りも楽しめます。
真鱈の白子のすり流し♡
低温で火入れしてから毛細血管まで確りと取り除いて、昆布出しで伸ばしたもの。上にはオーガニックのカンボジア産赤胡椒をかけて、味を引き締めています。冬の「すし 㐂邑」の定番の肴ですが、いつも以上に量が多くて最高です。決して叶わないですが、シャリを入れて食べてみたい。
渡蟹の塩辛♡
客の全員が沈黙する瞬間がやってきました。木村流渡蟹のケジャンです。ふわりとブランデーが香り、山椒のピリリとした刺激が後を引きます。お皿に残ったタレにお酒を入れて飲むと、これがまた美味しい。
海苔巻き♡
まずはシャリのテイスティングを兼ねた海苔巻き。今日も木村さん独特の固めのアルデンテシャリが美味しい。
縞鯵
熟成10日目の縞鯵。固めのシャリとねっとりとした縞鯵の食感のコントラストが映える官能的な味わい。
小鯛
熟成6日目の小鯛。肉厚でありながらも、解けるようにふっとなくなります。
金目鯛♡♡
口に入れた瞬間に感じると旨味、そしてその旨味がぐわんと加速するという2段階に襲ってくる旨味の暴力。
鰤♡
1カ月熟成させた鰤は、食べた瞬間に「何だ、コレ?」と思うくらいに味わったことのないくらいの口溶け。昔はエシャロットを入れていましたが、あっさりとやめてしまったらしい。
秋刀魚♡♡
熟成6日目の秋刀魚。今年は秋刀魚になかなか出逢えない中で、この「すし 㐂邑」で食べられるとは!口溶けは勿論のこと、1番感動したのは秋刀魚の香り。
皮剥♡
ガラスのような美しい身の下には、大きな肝を忍ばせています。この皮剥の肝が強烈な旨味を与えています。
鰹
口に入れると薫香が香り、旨味と薬味の風味が混ざり合う。そして、最後にもこの薫香がふわりと残ります。香りを味わう鰹です。
北寄貝
トロリととろけるワタがダイレクトに舌に当たると、広がるのは北寄貝の甘味。ザクザクとした極上の食感も心地よい。
筋子♡♡
きた!この時期のスペシャリテとも呼べるルビーのように煌めく筋子。舌に絡みつくような極濃厚な旨味の中で、固めのシャリも際立ちます。
鰯♡
金色に輝く鰯もまた「すし㐂邑」のスペシャリテ。決して高級魚ではない種ですが、熟成という魔法と美味しくしようという才能が生み出す至極の一貫となっています。
真梶木♡
コーヒーのような香りを放つ驚異の49日熟成の真梶木は、「すし 㐂邑」の最強のスペシャリテ。昔は鮨種の花形と呼ばれた真梶木は、今のなおこのお店で君臨しています。
蝦蛄♡♡
私が行く前日に行かれた方から「穴子が出たよ」と聞いていたので、期待していましたが出ず。しかしながら、この極太の蝦蛄は嬉しい。蝦蛄の頭で取った出汁で甘く炊かれており、実に素晴らしい味わいです。
玉♡
液体と固体のちょうど境い目のようなトロトロの玉。確か熟成させた高級魚を繋ぎに使っていたような…。
今回も官能的な美味の数々でした。特に肴は初めていただく品が多く、まだまだ通い詰めないと「すし 㐂邑」の真髄には辿り着けないことを実感しました。
肴では調味料を極力使わずに、握りでは煮切り醤油は極少量。熟成という時間の魔法にかけられた素材は旨味や香りを最大限に引き出されており、希薄になっている旬の美味しさがそこにあります。そして、その熟成の土台には職人の閃きの才能とそれを実現する技術、労を惜しまない手間がかけられています。何ものにも変えがたい唯一無二の一貫がここにはあります。
木村さん、お母様。今回もありがとうございました。また宜しくお願いします。34000
2019.8.
本当は自分の誕生月である9月に再訪予定だったのですが、その月は店主の木村 康司さんがスペインに行かれるそうで、あまり日本にいらっしゃらないと聞き、前倒しして8月にやってきた「すし 㐂邑」。ガラスケースには狙っていた種も確りとあり、心の中でガッツポーズをして供されるのを待ちわびます。
本日の献立
蛤スープ
今回のスターターは、7キロの蛤をグッと煮詰めた「すし㐂邑」の白のスープ。
蛤のオイル煮
低温で火入れしてから藁で薫香を付けて、米油に浸したもの。供された瞬間から藁の香りがぶわっとして、香りから美味しい。
海胆蕎麦♡
海胆を裏漉して、鰹と昆布の出汁と合わせたつゆでいただく蕎麦。最初は出汁の味わいがふわりとして、後味で海胆の甘味を感じられます。
鮑リゾット♡
鮑を蒸した際に出る出汁を溜めておいて、生米からリゾットにしたもの。味付けは発酵バターだけだそうで、鮑の旨味がギュッと凝縮していて美味しい。丼で食べれる。
マナガツオ♡
相変わらずフワフワとしたジューシーなマナガツオ。木村さんのマナガツオは、実に美味しい。
渡蟹の塩辛
ブランデーで漬け込んだ渡蟹は七味と山椒のパンチが効いて、身はねっとりと味噌はとろりとしていて美味しい。
ガリ
海苔巻き♡
まずは今日のシャリのテイスティングも兼ねた海苔巻き。今日も実に美味しい♡
墨烏賊
墨烏賊のサクサク感と独特の固めのシャリとのコントラストが素晴らしい。
小鯛
1週間熟成の小鯛。身の柔らかさもありますが、それよりも甘いような香りが凄い。
白川
2週間熟成。繊細な旨味が凝縮することで、明確な旨味に変わっています。
牡丹海老
1週間熟成させた後、3秒の火入れを施した牡丹海老。生のものよりも甘味が映えて、シャリともよく合います。
鯵♡
4日熟成。脂が凝縮した鯵は、口の中で一瞬留まるような感じで旨味が爆発します。
皮剥♡
4日熟成。肝も熟成させているので、ねっとりととろける味わいは極濃厚。ガラスのように透ける身も美しい。
筋子♡
旨味は凝縮しているにもかかわらず、後味はとてもさらりとして心地よく消える筋子。久しぶりにいただきましたが、やはり美味しい。
鰊♡
10日熟成。初の鰊は知っている暴れるような脂ではなく、一点を穿つような旨味。香りも食べ終えても残ります。
中トロ♡
4週間熟成。湯霜にしてから漬けにして、間にエシャロットを忍ばせて握っています。食べた瞬間にグッとくる旨味は、知っている中トロとは別次元。
鰯♡
仕立てが変わったのかな?今日のは金色に輝くのではなく、銀色に光る鰯。それでも鰯の旨味を感じた後、もう一段グッとくる様は変わりません。そして広がるのは、鰯の甘味。
北寄貝
ワタの甘味が際立つ北寄貝。固めのシャリとのコントラストも心地よい。
加治木♡
驚異の59日熟成は、「すし㐂邑」の真骨頂。とろけ方が尋常じゃなく、口からなくなるとコーヒーのような香りが残ります。
穴子♡
久しぶりに食べられた穴子。山椒塩のアクセントで、香り高くホクホクな食感。
鰹の手捏ね鮨
鰹を大きくぶつ切りにして、大葉・茗荷などの薬味と共にシャリと混ぜ合わせたもの。ここでも鰹のモチモチ感と固めのシャリとのコントラストが楽しめます。
玉
卵に混ぜられているのは、2週間熟成させた甘鯛という贅沢な玉。中心部はトロリとしていて、甘みも素晴らしい。きっとシャリにも合います。
密かに狙っていた『筋子』がちゃんと食べることが出来たので、私的には大満足。更にはレアな『鰊』や『穴子』も供されたことはラッキーでした。強いて言うならば、今年も『由良の赤海胆』は食べられなかったのが残念でしたが、夏の「すし 㐂邑」は堪能出来たかと思います。
木村さん、お母様ありがとうございました。スペイン、気をつけて行かれて下さい。また食べさせていただける日を楽しみにしています。27000
2019.6.
「あぁ…」
溜息がこぼれる。幸せの溜息が。
最近は海外イベントなどで月の半分くらいは日本にいらっしゃらないこともある木村 康司さんの「すし 㐂邑」。そろそろ食べたいという「木村ロス」が起こり始めそうな頃に行くことができました。
雷雨から一転して夏の日差しが眩しい中、「すし 㐂邑」の白い暖簾が揺れます。今回は久しぶりにケースの前に座らせていただいたので、供される種を観察。大抵は見れば分かるのですが、不明なものが2つほど。
「…鮪っぽいけど、まさかな…」
今回の献立
蛤スープ
5キロの蛤から作る「すし㐂邑」の白スープ。スターターから心と胃を掴まれる品です。
蛤のオイル漬け
茹でた蛤に藁の薫香をつけてから、米油につけたオイル漬け。口に入れると、薫香がふわりと香り、米油の甘味の後から噛み締める度に蛤の旨味が溢れてきます。
鯨♡
最高級部位の畝須の部位で、12時間糠で焚いてから12時間冷やしたもの。魚には決してない力強い旨味と甘味の素晴らしさを感じられます。
マナガツオ♡
4日ほど干した後に漬け込んでから焼いたマナガツオ。木村さんのマナガツオはいつもフワフワとした食感で、甘味と旨味が駆け抜けます。
海胆蕎麦♡
今年はカッペリーニではなくて、蕎麦。海胆の濃厚な甘味と香りが確りと感じられて、実に美味しい。
渡蟹の塩辛♡
塩漬けにした後、塩を抜いてから山椒などと共にブランデーで3〜4週間漬け込んだ塩辛。鮮烈な山椒の香りが特に印象的で、その美味しさでいつも店内が静まる逸品です。
ガリ
前回の訪問から3ヶ月しか経ってないのですが、ガリが変わってました。最近よく見られる角ガリ。まだ進化しちゃうの?木村さん。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを含めた海苔巻き。コレが素晴らしく美味しい。華やぐ海苔の香りの中で、固めに焚いたシャリの一粒一粒が海苔と混ざり合います。
白烏賊
4日熟成された木村さんの包丁技が見られる種。薄く削ぎ切りにした白烏賊を更に細かく切ってから纏めて握っています。ダイレクトに感じるその甘味と口溶けが素晴らしい。
小鯛
瑞々しい身には駆け抜けるような甘味があり、食べ終えても口の中にはその甘味が残ります。
鯵♡
6日熟成させた鯵。旬の魚なので、他店でもよく出される種ですが、明らかに違います。ガツンとくるのではなく、ゆっくりと甘味のある脂が溶け出して余韻が長く続くような味わい。
牡丹海老
初めて食べた牡丹海老。片側だけ湯霜にしているかのかな?一瞬留まってからとろける様は、知っているそれとは明らかに違います。
間八♡♡
驚異の2カ月熟成。純白のような真っ白な身は、とろけ方が尋常じゃない。固めのシャリとコントラストが最大限に活きていて、実に美味しい。
金目鯛♡
14日熟成させた金目鯛は甘味も素晴らしいですが、特筆すべきはその香り。凄い…。
皮剥♡
種とシャリの間に肝を入れて握っています。皮剥は肝が美味しいですが、木村さんが手掛けると更に雑味のない濃厚さが生まれ、唸る美味しさ。
蒸し鮑♡
最近は肴で供されるお店が殆どですが、木村さんは確りと握ります。鮑に対して平行に削ぎ切りする独特な切り方で、シャリを包むように握っています。鮑は香り。このことがよく分かる夏の握り。
中トロ♡
たまに出しているとは知っていましたが、ついに出逢えた中トロ。熟成期間は20日間だそうで、他店では決して味わえない衝撃の早い旨味。
鰯♡
黄金の鰯は、エロ前鮨の真骨頂。いつもながらに悶絶クラスの美味しさです。
真梶木♡
まるでコーヒーのような味わいと香りのするスペシャリテといっても過言ではない木村さんの真梶木。今もなお、主役の鮨の花形です。
赤海胆♡♡
今回は、佐賀県産のもの。元々、赤海胆は濃厚な味わいですが、木村さんのはその更に上をいきます。雑味や苦味などもなく、ギュッ濃縮した旨味は素晴らしい。
玉
半熟カステラのような玉で、旨味も甘味も濃厚。
今回は長期熟成された種が多く、圧倒するような旨味・甘味・香り・口溶けを存分に堪能することができました。そしてやっと出逢えた中トロや夏の種である鮑や海胆、今日来れたことに感謝しかないです。やはり肴から握りまで、実に個性的且つ独創的なものであり、何よりもとても美味しく私好み。
再訪を考えていた9月はまた木村さんが海外イベントでいらっしゃらないそうなので、8月にまた伺わせていただきたいです。その際はまた宜しくお願いします。27000
2019.3.
予約困難店でありながらも、友達は毎月通っている二子玉川にある「すし㐂邑」。私も先月に行ったばかりですが、最近は店主の木村 康司さんがイベントでいなくなることも多いので、お店にいらっしゃるうちに行っておこうと思って、初の2カ月連続の訪問です。
今や私にとって、この「すし㐂邑」は食と人との社交場になっています。ネットやお店で知り合う方の殆どがこのお店の常連さんで、今回も偶然に素晴らしい方との出逢いがありました。
また同じ時間を過ごす方々も色々なお店に行かれているので、歯に衣着せぬ物言う木村さんとの忌憚なき意見の交換が出来るのも非常に有り難いです。
本日の献立
サメガレイの酒蒸し
聞いたことのない名前の鰈。木村さんも知らなかったそうで、仕入れ業者から頼まれて、仕方なく賄い用に仕入れたみたい。でも皮を剥いでみると脂が素晴らしかったそうで、こうして私たちの前に。
身もさることながら、このエンガワ部分がトロンとして美味しい。イメージ的にはナメタガレイに近いかな?
牡蠣蕎麦
また出逢えた牡蠣蕎麦。存在感のある大ぶりな牡蠣の旨味がたまらない。「そば㐂邑」で営業してもいいくらいのクオリティ。
真鱈の白子リゾット
白子の無垢な甘さを締めているのが、カンボジア産の黒胡椒。木村さんの超アルデンテなシャリがここでも映えます。
渡蟹のケジャン
皆が静まる時間がやってきました。ブランデー香る木村流のケジャン。ご飯と食べても、きっと美味しい!でもそれは叶わない夢。
虎河豚のお椀
今期最後?3匹の虎河豚のエキスを全て絞り出したお椀。このとろみでさえも、虎河豚の皮にあるゼラチン質が溶け出したものだそう。前月もいただきましたが、美味しいものはいつでも食べたい!
握りへ
海苔巻き
まず供されるのが、シャリのテイスティングの海苔巻き。海苔の香りやシャリの食感を楽しめる素晴らしい鮨となっています。
桜鱒
2週間の熟成をかけた桜鱒。最初から凄い!普通だったら、桜鱒の味わいが来て終わるところから更に味わいが加速します。いつもながらに奥行きが凄い。
細魚
薬味の味わいが先行することなく、口の中で広がるモチモチとした細魚という魚の存在感。細魚が美味しい!
金目鯛
2週間の熟成をかけた金目鯛も次元の違う味わい。脂と甘味だけでなく、旨味が二段構えになって押し寄せます。限界突破とはこのことを言うのかと実感できる種。
皮剥
皮剥の醍醐味は、肝。この肝も熟成させる為に毛細血管などを取り除くらしい。何という仕事。魚も輝くわけです。
鯵
口に入れた時の存在感も凄いですが、それ以上に旨味と脂の凝縮が凄い。
北寄貝
ワタの部分が舌に当たるように握っているので、ファーストインパクトでガツンときます。しかしながら、それ以上に北寄貝の肉厚さに驚きます。
縞海老
女性の脚のようなエロ前鮨の1つである縞海老。今回は時化で2本使えないということで1本でしたが、とろける種と固めのシャリのコントラストが1番良く分かるかも。
鰤
脅威の熟成1カ月の鰤に合わせている薬味は、なんとエシャロット。洋食だとよく合わせていますが、鮨に入れているのはココだけですね。良いものは吸収して、自分のものにしている木村さんの飽くなき探究心が完成させた一貫ですね。
鰯
木村さんのスペシャリテの一つで、エロ前鮨の真骨頂、金色に輝く鰯。脂を楽しむのではなく、凝縮した旨味を楽しむ種。
加治木
鮪がシビと呼ばれて厭悪されていた頃、この加治木が鮨種の花形でした。今では握るお店も少なくなっていますが、ここ「すし㐂邑」では不動の地位を確立しています。40日を超える熟成がもたらすのは、妖艶で官能的な味わい。唯一無二の一貫です。
鰹の手捏ね鮨
旨味が凝縮している鰹のモチモチ感と超アルデンテのシャリの食感のコントラスト、茗荷と浅葱の爽やかな刺激で箸が止りません。
玉
小さいながらも、ギュッとした甘さがある玉。
2カ月連続ということで同じような内容でしたが、やはり美味しいものは何度食べても美味しい。特に今回は行ってみたいと思っていた色々なお店の情報交換が出来たので、収穫のある楽しいひと時でした。
木村さん、お母様ありがとうございました。次回は、夏にまた伺います。29000
2019.2.
2019年度の食べ歩き初めは、正月限定で「キムバル」として営業していた二子玉川にある熟成鮨のパイオニアであり、今の味に満足することなく更なる進化を模索している木村 康司さんの「すし 㐂邑」。鮨初めも是非このお店にしようかと思っていたのですが…なかなか予約とタイミングが合わずに2月になってしまいました。
藍色の暖簾が風でなびく中、入店です。ネット予約も始まった為か、客席の半分くらいはご新規という新鮮な客層。木村さんの鮨の味わいが多くの人に伝わることは、とても良いことだと思います。
本日の献立
牡蠣蕎麦
近年はこうして蕎麦を供することが多くなりました。上に盛られた火を通しても、ぷっくりとした大きさの牡蠣は、旨味も確りと残っていて美味しい。
子持ち槍烏賊
プリッと弾けるような身の食感とムチムチとした卵の食感が同時に味わえる旬の味わい。
海鼠子の塩辛
正月の「キムバル」でもいただいたお酒がすすむヤバい肴。ご飯にもきっと合いそう。
真鱈の白子リゾット♡♡
「すし 㐂邑」冬の名物の一つである白子リゾット。昔、某グルメ雑誌に完全なレシピが紹介されていましたが、「素人の誰が作るのよ?こんな作業の料理」と思ったほどに、かなり手間暇がかけられた逸品です。
渡蟹の塩辛♡
ブランデー香る木村流ケジャン。どんなに賑やかな客層でも、コレを食べている間は実に静かになります。
虎河豚のお椀♡
8時間かけて虎河豚3匹分の旨味を全て、このお椀に詰め込んだ逸品。少しとろりとしているのも虎河豚から出たコラーゲンで、味付けは僅かに薄口醤油数滴のみという。実に素晴らしい。
ガリ
詳しくは聞きませんでしたが、鮨の置き皿が変わりましたね。もう手に入らなくなるから買ったそうですが。
シャリの海苔巻き♡
まずはシャリの紹介として供される手巻き。極上の海苔の香りが華やぎ、口に入れればスッと溶けてシャリと混ざり合います。
鰆♡
14日間の熟成。元々、ほわんっとした甘さのある魚ですが、木村さんの手にかかるとその甘さが突き抜ける感じ。ねっとりとした身に、少し硬めのシャリが絶妙なコントラストです。
甘鯛
これも14日熟成。咀嚼していると、徐々に甘さが引き出されていきますが、一噛み目からもう甘さが広がります。
北寄貝♡
ワタの部分を舌に当たるようにして、握っています。このワタが実に甘みがあって、美味しい。身の部分も分厚くて、極上の食感か楽しめます。
皮剥♡
シャリと種の間に、身と同様に4日間の熟成をさせた肝を挟んで握られます。ガラスのような美味しい身に濃厚な肝の味わい、血生臭さなどは微塵もありません。
縞海老♡
女性が足を揃えているかのような艶っぽい縞海老。木村さんの鮨が江戸前ではなく、エロ前と称される種の一つ。舌に絡みつくような極上のねっとり感、素晴らしい。
鯵♡
かなり大きな鯵だったので、縞鯵かと思ったら、特大の鯵。鯵は比較的にさらりとした脂を想像しますが、甘くて余韻の長い別格の脂の味わいです。
鰤♡
シャリと種の間に刻んだエシャロットを忍ばせる、通称・エシャロット鰤。薫香のある鰤に爽やかな辛味と香りのエシャロットが、口の中で華やぎます。
鰯♡♡
赤酢で締めた金色に輝く身に包丁を入れることで、現れる真っ赤な身。エロ前鮨の本領発揮の種です。口の中で蘇るような極上の脂は、鮪をも凌駕します。熟成は脇役と思われがちな魚を主役にさせる魔法のよう。鰯はそのことがよく感じられる種だと思います。
加治木♡
「すし㐂邑」のスペシャリテと言っても過言ではない種。熟成期間は、驚愕の一ヶ月超え。何処と無くコーヒーのような香りもする「すし㐂邑」での花形的存在です。
鰹の手こね鮨
脱水してモチモチ感を増した鰹をたっぷりと使い、薬味で香り高い硬めのシャリとの相性は素晴らしい。
海松貝(追加)♡
今夜は食べていない種で『海松貝』がまだあるとのことで、追加。木村さんの貝類はどれも素晴らしく、極上の食感と貝の甘みが楽しめて大好きです。貝好きならば、必食です。
玉
さりげなく、極上の素材を繋ぎに使っている玉。半熟カステラのような感じです。
「ホントに鮨店なの?」と思わせる肴から始まり、熟成することで奥行きの増した魚の味わいを確りと感じさせる種を極少量の煮切りで味わう鮨は、実に素晴らしい。いつ行ってもハズレなどは一つもない極上の肴と鮨に出逢えるお店です。今年は何回行けるかな?とりあえずは、夏には絶対にまた伺います。
木村さん、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。29000
2018.9.
今年中に今流行りのネット予約システム「OMAKASE」に半分の席を提供する二子玉川の「すし 㐂邑」へ再訪。店主の木村康司さんの作り出す鮨は、熟成。〆たり、漬け込んだりする江戸前鮨を現代の技術で超進化させたもので、魚によっては約2カ月という長期の熟成をかけるものもあります。
本日の献立
蛤スープ
「すし 㐂邑」の白いスープ。蛤のみで作られるスープは、ほっとさせると同時にここへやってきたという気分になります。
鹿児島県阿久根産 赤海胆蕎麦 ♡
赤海胆の濃厚な旨味と甘味を蕎麦に絡めて食べるという贅沢な品。どこの蕎麦店でも、こんな蕎麦はまずないと思います。
真鱈の白子リゾット ♡
上からはカンボジア産の胡椒をかけられたリゾット。白子の無垢な味わいと仄かな甘味が素晴らしい。やはりここのつまみは、どストライクなものが多い。
メヒカリ
箸を入れた瞬間に分かる、このフワフワ感。味わいもメヒカリの味を活かすような感じで、実に美味しい。
渡蟹の塩辛 ♡
ブランデー香る木村さん流のケジャン。店内が一気に静かになる名物と言える料理です。
握りへ
ガリを切り分けて、まず最初に供されるのはシャリのみの海苔巻き。これがすごく美味しい。少し芯のある固めの個性的なシャリと香りや口溶けの良い海苔のマリアージュが素晴らしい。
墨烏賊
凄い肉厚なれど、サクサクとした食感はこの烏賊の醍醐味です。
鰆 ♡
口に入れた途端にとろける鰆。煮切りは極少量なので、鰆の持つふんわりとした甘味を確りと感じられます。
縞鯵 ♡
全体にまわった妖艶な脂と香りが、知ってる縞鯵と次元の違う味わい。見た目もエロいw
北寄貝
甘味が凄い。そして、食べ終えた後の香りが華やぎます。
皮剥 ♡
クリームチーズのようなねっとり感のある肝を味わう1貫。身はレースのドレスのような美しさがあります。
鰤 ♡
シャリとの間にエシャロットを入れることで、その香りと味わいで他店とは一線を画します。
秋刀魚 ♡
滴り落ちるような脂はなく、もっと純度の高い脂がある秋刀魚。鮨種としては、ベストな感じだと思います。
鰹
薫香だけでなく、鰹節のような風味もあり、モチモチ感を超えた先にあるしっとりした鰹。
筋子 ♡
芯のあるシャリとトロトロな筋子のコントラストが口の中で絶妙にマッチする一貫。今の時期、いくらを供するお店が多いですが、この筋子を超えるものは出逢えてないです。
鰯 ♡
赤酢で〆ることで、金色に輝く鰯に。また皮も残しているので、美しい鰯の模様から赤い身が映えることでエロさ全開の1貫となっています。
真梶木 ♡
脅威の55日熟成。コーヒーのような独特の風味がする種で、口の中を支配するようなねっとり感は素晴らしい。かつては鮨種の花形と言われた魚ですが、この「すし 㐂邑」では今でも花形です。
玉
しれっと高級な魚を使っている玉。半熟カステラのような感じです。
今回もつまみ・握り共に素晴らしいの一言。熟成した魚は、本来持つ旨味や香りが格段に跳ね上がって、他店では味わえないような妖艶さを醸し出して、まるで魔法をかけられたように別物となります。この熟成という魔法は食べた人の心をも掴む魔法のようで、その場にいる全ての人を魅了してやみません。そして、つまみは完全に鮨店ではなく、日によってはバケットやパスタなども供されることもあり、全てにおいてオリジナリティを感じさせる大好きな鮨店です。
木村親方、お母様ありがとうございます。また宜しくお願いします。26000
2018.7.
4月の訪問時から、初夏に来ようと思っていた二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪。学者肌の親方・木村康司さんの熟成という魔法をかけられた旬の魚は、他店と一線を画す味わいがあります。風に揺れる白い暖簾を潜り、今夜も約束された絶品の鮨をいただきましょう。
本日の献立
蛤のスープ
「すし 㐂邑」の白のスープ。何も加えていない蛤100%スープは、一口毎に身体へと染み渡るよう。
鮑のリゾット ♡
口に近づけると鮑の香りが華やぎ、芯を一本残したかのようなシャリを濃厚な肝ソースが包み込みます。美味しい♡
海胆のカッペリーニ ♡♡
某イタリアンシェフ監修で完成したという「すし 㐂邑」この夏の新作。確認しておきますが、ここは鮨店です。四万十川の青海苔と海胆で作ったカッペリーニは舌に絡みつく濃厚さがありながらも、後味はすっきりとした感じ。
焼き穴子
旬の穴子は焼き物に。腹と尻尾の部位を食べ比べ。噛み締める度に溢れる脂は、やはり旬の力強さを感じます。
鮨店のスープ・ド・ポワソン ♡
残った内臓や骨などを使った「すし 㐂邑」の赤のスープ。傾けてもなかなか落ちてこないようなとろみは、前日のシャリだと言う。しかも、バケットまで出されます。ますます鮨店とはかけ離れていくw
渡り蟹の塩辛 ♡
日本では蟹を生で食べることが少ないという発想で生まれたブランデー香る「すし㐂邑」流のケジャン。誰もが黙って蟹にしゃぶりつくので、店内は静かです。
ガリ
白烏賊
細かく切られているので、口に入れると甘さが広がって溶けていきます。
甘鯛
僅かに残る歯応えと驚くほどの甘みが最初に伝わります。これが甘鯛と言える所以なのかな。
鶏魚 ♡
これは最初に芳醇な香りが鼻を抜けて、甘みが広がっていきます。
黒鯥 ♡
鶏魚よりも後味として濃厚な甘さが名残惜しむように伝わります。
金目鯛 ♡
ダイレクトに伝わる濃厚な脂のアタック、そして最後にふわりと香りが残ります。
〆鯖 ♡♡
今まで食べてきた〆鯖とは、異次元のもの。生の脂よりも濃厚であることは勿論ですが、洗練されて研ぎ澄まされているかのよう。
間八 ♡♡
ねっとりと舌に絡みつくような身が、芯を残したシャリと絶妙なマリアージュを奏でます。
鰹
口に入れた瞬間に薫香が広がり、エシャロットの薬味が食感と風味を与えています。
鮑 ♡
鮑というと味は勿論ですが、プリプリとした柔らかさを楽しむことが多い中で、これは断然に香り。シャリを包むように握られていて、ぶわりと香りが広がります。
鰯 ♡♡
皮目は金色に輝き、包丁の切れ目からは真紅の身が現れていて、何てエロい鮨なんでしょうw他店よりも一段上の凝縮された脂は、素晴らしい。
真旗木 ♡
木村さんの熟成の真骨頂であり、スペシャリテでもある真旗木。熟成期間は驚異の1カ月以上で、コーヒーのような風味もあります。真旗木は、鮪を食べなかった時代では鮨の花形だったらしい。ここ「すし 㐂邑」では今もなお、鮨の花形です。
穴子 ♡
甘く焚くのではなく、焼かれた穴子。これも香りが凄い。舌にまとわりつくような穴子は何度も食べたことがありますが、香りを楽しめる穴子は初めてかも。
玉
実はかなり高級な白身を練りこんでいる玉。確りとした甘さがあります。
つまみは鮨店なのか?と疑問が残るほどですが、実に面白く何より美味しい。特に今回は新作という『海胆のカッペリーニ』の完成度が高すぎて驚きました。濃厚なだけだと食べ飽きますが、これならばいくらでも食べれます。
最初に出される食べ比べとも言える白身の握りは、非常に面白い。熟成期間にもよるのでしょうが、香りや甘さの感じるタイミングやその深さがそれぞれ違っていて、旬の魚の魅力を感じました。残念だったのは、貝や小魚が少なかったことかな。由良産の赤海胆もちょっと期待していたので、夏の間にもう一度来たい。
木村親方、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.4.
最後に訪れてから季節は巡り、はやいもので1年が過ぎました。二子玉川にある熟成鮨のパイオニアである木村康司さんのお店「すし㐂邑」。ずっと完全に予約は受動的だったのですが、そろそろ食べたいなと思って、積極的に動いてみました。結果、1週間も経たないうちに再訪が決まってしまいました。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは「すし㐂邑」の白のスープ。蛤から出る出汁のみですが、いつもながらに美味しい。大きなお椀で飲みたい味わい。
牡蠣バター
「すし㐂邑」らしい小さな小皿で出される料理。牡蠣の旨味とバターのコクが一体となった素晴らしいアテです。売っていたならば、間違えなく買う!
海胆蕎麦
初の海胆蕎麦。口当たりは確りと蕎麦、後味は濃厚な海胆の味。鮨店で全員が蕎麦を啜る音が響く…なかなかシュール。
貝と山菜のぬた ♡
貝は青柳・平貝・海松貝、山菜はウド・菜の花。春を感じる一皿で、それぞれの貝の香りや甘みと山菜の食感が楽しめます。
マナガツオの焼物 ♡
箸を入れるだけで、分かる。このフワフワ感。マナガツオって、こんなにジューシーでフワフワした食感だったけ?と思うほど。大根おろしも食感が異なる2種かけられていて、面白い。
虎河豚のお椀 ♡
出汁だけの為に虎河豚を使い、沸騰させずに8時間。その後、薄口醤油を一滴。特大の白子はそのままだったり、出汁に溶かしてもいい。兎に角、この出汁が美味しい。
ガリ
海苔巻き
まずはシャリの味を確かめるかのように、海苔巻きを供されます。これが実に美味しい。
鶏魚
ふわりと香る甘い鶏魚の香り。口の中で広がる豊潤な甘さが熟成の魔法。
桜鱒
20日熟成の桜鱒。身はとろけて、固めのシャリと混ざり合う素晴らしいマリアージュ。
甘鯛
味わいがとても濃い。繊細な甘さがある甘鯛ですが、これは甘鯛が甘鯛たる味わい。
鳥貝
今年初の鳥貝。肉厚で、特にワタが甘くて美味しい。
縞海老
エロティックな縞海老。どこかコーヒーのような深みがあり、固めのシャリと絶妙に合います。
鯵 ♡
銀色の中なら現れるピンク色の身。なんとも妖艶な見た目。そして、味わいもまた妖艶。
皮剥
大きな肝を挟んで握られる皮剥。肝の濃厚さが際立ち、身の甘さも感じられます。
鰤 ♡
中に忍ばせたエシャロットが絶妙な辛味と風味が、この鰤を輝かせます。
海胆 ♡
天草の漁師さん直送のもの。木箱に入っている綺麗な感じではありませんが、こんなトロトロで香り高い海胆は食べたことがない。
メジマグロ ♡
これはヤバい!口に入れると、ふわりと薫香が広がり、尋常ではないとろけ方がシャリと絡みます。とろけ方は、極上の鮪よりも上かも。
鰯
金色を帯びた身、光り物はなんてエロティックなのだろう。口当たりは酢の味わい、そして鰯の脂が広がっていきます。
真旗魚 ♡
脅威の55日熟成。「すし㐂邑」のスペシャリテとも言えるこの種。ねっとりとする身は、どこかコーヒーのような香りがあり、舌に絡みつきます。
鰹の手捏ね寿司
鰹は味わいと風味が違う2種の部位を使い、シャリには茗荷・紫蘇・胡麻などで香り高く、より一層シャリのパラパラとした食感が分かります。
玉
ほんのりと甘く、静かに今日の幕が閉じてゆく感じです。
久々の「すし㐂邑」。つまみは変化球に富み、握りは旬を大切にしながらも唯一無二の味わいの種が並びます。どの種も香りととろけ方が異常とも言えるほどで、そこに固めのシャリが混ざり合う味わいは、外れがなくどれも唸ります。特に真旗魚などの長期熟成にも耐えうる大きな魚の味わいは、他店では絶対に味わえないもので、美味しいを通り越して「凄い」という言葉がしっくりとくると思います。特に今回は『鰤』『海胆』『メジマグロ』が凄かった!出逢えたならば、ラッキーと思った方がいいかも。先週までは『鰊』があったそうで、食べられなかったのが惜しまれる。
次回は真夏くらいに、熟成という魔法にかけられた鮨を味わいに再訪したいです。
今回もご馳走さまでした。
2017.3.
急なお誘いを泣く泣くお断りすること2回。そろそろか?そろそろか?とソワソワしながら待つこと数ヶ月。「すし 㐂邑」から初春の嬉しいお電話をいただき、スキップしながらやってきました。
熟成鮨の先駆者でありながらも、他の追従を許さないその熟成の仕方は、まさに変態(笑)行ってみたいと思われている同業者の方も多いそうで、他店で行ってるというと驚かれることもチラホラ。そんなお店から季節毎にお誘いしていただけることは、幸せです。
本日の献立
蛤のスープ
ただ優しい味わい。「すし 㐂邑」の白のスープ。
鮟肝バター♡
鮟肝を蒸して、藁で薫香をつけて、裏漉しして、発酵バターを加えたもの。このバター、常備しておきたいっ!
子持ち槍烏賊
身は柔らかく、子はモチモチプリプリしていて、美味しい。
このこ蕎麦♡
海鼠の卵巣を干したこのこを、なんと蕎麦と和えたもの。少量ですが、最高に美味しい。
太刀魚の焼物
鮨店でよく出される焼物ですが、大根おろしが違います。上にはしっかりとおろした大根ですが、下に細かく刻んだものが忍ばせており、食感も楽しめます。
牡蠣飯♡♡
松島から直送の牡蠣は、ただ蒸しただけ。牡蠣90個を叩いて、スープを作り、濾したもので炊いたご飯を添えて。香りも素晴らしく、味は絶品と言う以外にありません。
虎河豚スープ♡♡♡
虎河豚3匹の身と骨を叩いて、スープにして濾した後に、皮を加えるととろみがつくらしい。そこに焼いた白子を加えたもの。味付けは、塩のみ。まさに虎河豚を食べてる感じになるスープ。
ここから握り
海苔巻き
まずは極上の海苔と固めのシャリとのハーモニーを味わいます。海苔巻きで、歓声が上がるのは、ここだけでしょうね。
白烏賊♡
木村親方の白烏賊を削ぎ切りにする技術を見た後に握られます。削ぎ切りにすることで生まれる食感、でも一番の意図は烏賊の甘さを引き出すこと。口に入れると、瞬間にとろけるというかなくなる(笑)そして、極上の甘さが広がります。
鰆♡♡♡
砂ずりの部分は種とシャリの間に入れて、握られます。ここまでとろける鰆があるのだろうか、ここ「すし 㐂邑」にはあります。
小鯛
春子ではなく、小鯛。というものは、熟成させて身を削るので春子だと身がなくなってしまうだからだそう。昆布〆ですが、ほんのりと脱水程度。
鳥貝
仕入れて直ぐに使うことはないという貝は、独特の臭みを取り、本来の良さを残しています。
鯵♡♡
凄い大きさ。口に入れると、熟成4日目の鯵が溢れます。ジワリと旨さが押し寄せ、一気に畳み掛けられます。
金目鯛♡♡
後味の余韻が長く、脂は唇に張り付くよう。噛みしめる度に広がる甘さも秀逸。
北寄貝
かなりの肉厚。噛みしめると、北寄貝の甘さが広がります。剥きたてでは味わえない甘さです。
鰹の手捏ね鮨
ここまで味が濃縮した鰹は、他店では味わえない。
皮剥♡♡
身だけでなく、肝も熟成させているという皮剥。旬は夏と思われがちですが、産地を変えれば長い期間扱えるそうです。現地まで行って、そこの漁師さんとのコミュニケーションがなせる技ですね。
メジマグロ♡♡
塩で脱水して、塩抜き後に削って藁で薫香を付けてます。その薫香も素晴らしく、味が濃縮して美味しい。
海松貝♡
凄い肉厚。海松貝は貝自体は大きいですが、使えるとこはほんのちょっとなので、ここまでのは中々出逢えないかも。
加治木♡♡
独特のコーヒーのような香りのする加治木。ねっとりと口の中で暴れ、溶けていきます。二カ月弱の熟成は、驚異的。9キロ近くのものを1キロくらいまで削るという、まさに変態の鮨です(笑)
海胆♡
珍しい「すし 㐂邑」での握りの海胆。固めのシャリに絡む海胆の濃厚な甘さがいい。そのまま仕入れて、殻剥きした後に和紙で包み、塩で脱水したものを握っています。
親魚(ふるせ)
私の前にあったので、気になって「アレ、何?」と聞いたら出してくれました。小女子の親だそう。酢、生姜、醤油などで8時間ゆっくりと炊いたもの。柔らかく、お酒のアテにぴったり。
親方とお母様、今回もお誘いをありがとうございます。久しぶりにいただきましたが、魚はその脂を身全体に染み込ませるような熟成と貝は臭みを取り、本来の良さだけを残すようにする親方の技術には脱帽です。鮪を使わない理由は、「自分で見て触って選べないし、鮪を褒められても自分が褒められてる訳ではないので、嫌だ」とユーモアたっぷりの親方らしい返答でした。
次回はいつなのか分かりませんが、出来れば夏の『由良産 赤海胆』をまた食べたいです。
今回もご馳走様ー!
2016.8.
土曜日の22時。突然、鳴る電話。着信画面を見ると、「すし 㐂邑」。やっと食べられると思い、電話に出ると
「nao.さん?明日の夜、如何ですか?」
「え?あ、明日ですか?」
さすがにちょっと用事もあり、一旦は泣く泣くお断りをしたのですが、2分後もう一度電話。
「やっぱり行きます!」
という具合で、諦めかけていた夏の「すし 㐂邑」を味わいにやってきました。実は夜は初になります。といっても、前回からメニューを一新されて、摘みと握りの夜の献立だけになったので、昼でも夜でも私としてはどちらでもいいわけです。
白い暖簾をくぐり、親方とお母様に今夜のお礼を言って、スタートです。
実食
蛤のスープ
最初に供される「すし 㐂邑」の白のスープ。味付けはおそらくなし、濃厚でありながら優しい味わい。
蛤のオイル漬け
蛤を藁で炙って、米油でオイル漬けにしたもの。薫香と噛み締める度に、蛤の旨味が半端ない。
ミンククジラ ケジャン乗せ ♡♡
なんだろう?このプルプルな身質、そして濃厚であっさりとした脂。ケジャンの辛さが素晴らしいアクセント。ここが鮨店であることを忘れます。
渡り蟹と猿海老のペースト ♡
味付けは塩のみ。渡り蟹と猿海老を蒸して、殻ごとすり潰して裏ごししたもの。渡り蟹と海老の風味が凝縮されていて、食べた瞬間に鼻に抜けます。パンにつけたら、サイコー。
真名鰹の焼物 ♡
ここまでジューシーな真名鰹は、あまりお目にかかれない。ご飯を、ご飯を下さい!
鮑のリゾット ♡♡♡
悶絶クラスの美味しさ。鮑の全てがこの小さな器に凝縮されていて、身もたっぷり入っています。これだけでも、ここに来る理由があります。
鮨店のスープ・ド・ポワソン
「すし 㐂邑」の赤のスープ。残った魚を全て、骨や鱗までも使ったスープ。濃厚なとろみは、酢飯。味付けもこの酢飯だけだそうで、残り物とは思えないほどの美味さです。
ここまでは日本酒をいただきました。お任せで、『会津中将』→『悦凱陣』という流れ。さて、第2幕の握りスタート。
海苔巻き
真鯛
白川
春子
秋刀魚 ♡♡
6日の熟成だそうで、脂と旨味が段違いです。
北寄貝
金目鯛 ♡
筋子 ♡♡♡
熟成の筋子。見た目は煌めく、宝石のよう。クセや生臭などは微塵もなくて、美味さだけが凝縮した感じ。「すし 㐂邑」でしか食べれないスペシャリテと言っても過言ではないと思います。
鮑 ♡
赤海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
今年も出逢えた幻といってもいい淡路島由良産の赤海胆の大粒。この時期には毎年入荷するそうで、由良の漁師さんとの強い繋がりを感じました。
鰤 ♡♡
クセのある鰤が濃厚な脂だけを残して、熟成したもの。今が走りだそうで、年内には終わってしまう種。
鰯 ♡♡
今は何処の鮨店でも食べられるであろう鰯。6日の熟成と6時間の酢締めによって、他店では味わえないほどの鰯になっています。
梶木
穴子
玉
追加は基本的に食べていない種なのですが、今夜あったのは『縞鰺』と『ほうぼう』。でも親方はどちらのオススメしてないようなので、今年最後であろう『赤海胆 淡路島由良産』をおかわり。色々な産地の海胆は食べていますが、私的にはこの海胆が好き。濃厚さの中に、柑橘系の果物のような爽やかさがあります。親方が個人的に由良の漁師さんと取引しているそうなので、夏にここへ来ることが出来たら食べられるわけですね。
今夜も最高でした。親方とお母様、ありがとうございます。また、お電話をお待ちしています♡
2016.5.
来店時に次回の予約をしていたのですか、予約システムが変わり、次回の予約日が分からないまま過ぎること3か月。初夏の「すし 㐂邑」を楽しめる日がやってきました。
いつもは『握りコース』というランチのみで提供しているのを食べていたのですが、昼も夜と同じ『おまかせコース』のみを提供するようになったそうで、今回が初になります。
本日の献立
『蛤の出汁』
本当にそのまま。ただ濃厚という点を除いては。
『河豚の白子』 ♡
口当たりは濃厚、でも後味はどこか爽やか。ちょっと温いので、甘さも余計に感じます。
『真魚鰹』 ♡
幽庵焼きや西京焼きなどは食べ慣れてますが、味付けは極々薄味のもの。脂ものっていて、ジューシー。
『鮑のリゾット』 ♡♡♡
コレがずっと食べたかった!生臭さなど微塵もなく、濃厚な肝ソースと柔らかな鮑の身、固めに炊かれたシャリとが絶妙。
『鮨店のスープ・ド・ポアソン』 ♡
残ったアラ・頭・内臓・鱗も一緒にスープしたもの。すごくトロリとしているのだけど、これは残ったシャリを入れているからだそう。美味しいしか言葉がない。
『渡り蟹の塩辛』
なんと、ブランデーが隠し味。お酒が進んでしまいますねー。「すし 㐂邑」流のケジャンです。
握りスタート
『白烏賊 5日』
薄く薄く切り、さらにそれを素麺のように切り、纏めて握っています。口に入れた瞬間になくなるっ!そして、口には甘さだけが広がっていきます。
『真子鰈 7日』
まだ食感は残っていて、甘さに深みがあります。真子鰈は他店でもこれからよく食べますが、この深みは味わえません。
『鶏魚 14日弱』
魚はこんなにも甘いものなのか?そんなことを感じながら、味わいます。
『縞鰺 7日以上』
身は柔らかで、甘さも秀逸。脂は強いわけでもなく、程よい。美味しい。
『小鯛 昆布〆』
皮まで凄く柔らかい。昆布〆ですが、ほんのりと纏っている程度で、小鯛自身の味をちゃんと味わえます。
『金目鯛 21日』 ♡
甘さは秀逸。脂も口の中で、どんどん溶けていく感じです。美味しい。
『鰺 4日』 ♡♡
かなり身は厚く、なんとも食べ応えがあります。小さな魚は熟成した後に身を削れないので、熟成期間は短いそう。さすがに旬のものは、美味しい。
『海胆 食べ比べ』 ♡♡♡
時計周りで、『長崎 平戸産』『長崎 壱岐対馬産』『長崎 五島列島産』『福井 小浜産』『青森 陸奥産』。
産地によって、これほどに味わいが違うのかを再確認できます。濃厚であったり、後味に磯の香りがあったり、爽やかであったりとしますが、やはり餌の昆布の味わいはちゃんとするのですね。個人的には爽やかな甘さがした『長崎 平戸産』のが好きかな。夏の「すし 㐂邑」は、『海胆』も食べ比べできる時があり、楽しいです。
『鮑』 ♡
山葵も煮切りもつけない「すし 㐂邑」流の鮑。シャリを覆うように大きく切りつけているので、薄くても十分な味わいがあります。
『真旗魚 30日』 ♡♡
かなりねっとりとした口当たりで、口の温度で目覚める脂。どこかコーヒーみたいな味わいがする不思議な感じ。
『鰹の手こね寿司』
10日ほど寝かせているという鰹はモチモチとしていて、食感も楽しい。鮨として握るよりも、この方が鰹がちゃんと味わえるのだそう。
『玉』
海老などを入れている鮨店は多いですが、「すし 㐂邑」ではなんと白身(甘鯛)を使っているそうです。小さいながらも、甘さが濃い。
『鰺 〆』
「食べてないの、食べる?」と親方に聞かれて、追加。珍しい〆た鰺。かなり寝かせてる感じですが、身は柔らかで美味しい。
久しぶりの「すし 㐂邑」は、やはり美味しい。このお店のコンセプトが「熟成」ということで、旬のものもちゃんと熟成されています。「旬なのだから、生でいいのでは?」と思うかもしれないですが、それでは仕事を施す他店と何ら変わらないし、「すし 㐂邑」らしくない。甘味や旨味が増す熟成ですが、主に白身がメインなのでどうしても同じような味わいになるかもしれないです。しかし、他店でこの白身の味には、まず出会えない唯一無二の味。木村親方が目指す「干物のような鮨」がここにあります。
2016.2.
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさにこの心情を私にくれるお店が二子玉川にある「鮨 㐂邑」です。今回は、去年の11月の訪問から3カ月という期間を空けての再訪となりました。今回で4回目ということもあって、既に名前やあまりお酒を飲まないことも覚えて頂き、更に席まで決まってきました。実に有難いことです。
今回も『握りコース』で、楽しむことにしましょう。
今回の献立
海苔巻き
握りのスタートは、まずここから。パリッとした海苔と固めに炊かれたシャリのマリアージュを楽しみます。海苔は香りもよく、一粒一粒がわかるようなシャリとよく合います。
鰆
ほんのりと桜色で、色っぽさがあります。3週間熟成だそうで、とろける脂の中でほのかな甘みを感じます。
白川(白甘鯛)
2週間熟成。白身の中でも、特に珍重される高級魚です。比較的にさっぱりと食べられる白身ですが、ここでは違います。鮪をカルビとするならば、さしづめロースといった感じでしょうか。
甘鯛
まさかの食べ比べ。白川に比べて、水分が多い甘鯛ですが、程よく脱水されて繊細な脂を感じます。
細魚
鳥貝
小鯛昆布締め
金目鯛 ♡♡♡
元々脂がありすぎるので、あまり鮨タネとしては見かけない魚です。その脂をコントロールして、味わうのだから不味いわけがない。
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、肝と浅葱を挟んで握られています。皮剥といえば、肝が欠かせないわけで、独特の生臭もなくて美味しい。
水松貝 ♡
貝はフレッシュ。コリコリサクサクとした食感を楽しんだ後、鼻から磯の香りが抜けていきます。
鰹
スモークをしていることで、薫香も楽しめます。
小鰭
1週間熟成。かなりしっかりと締められていますが、酢はさほど感じません。
間八 ♡♡♡
40日熟成。過去に悶絶級の美味しさだったタネにまた出会えました。脂をたたえながら、とろける味わいは他店では食べれません。
真旗魚 ♡
昔は鮪よりも食べられていたタネで、桜が咲くまで美味しく食べられるのだそう。ヅケにして、更に熟成しているようで、口の中でとろけます。
穴子
玉
追加
墨烏賊
未食だったのが、このタネ。サクサクとした墨烏賊と固めのシャリの食感のコントラストを楽しめます。今回も全タネ制覇です。
久々に食べて思う。
「やはり白身と青魚に関しては、群を抜いている」と。
予約システムが変わったようで、次の予約日はまだ未定。でもお電話を下さるとのことなので、また親方の鮨に逢えることを信じています。
2015.10.
予約困難と言われるお店に、何の伝も面識もなく、通うことができる。これは食べ歩きをしている者にとって、何と幸せなことでしょうか。その喜びを実感しに、二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪です。
藍色の暖簾をくぐり、店主の木村さんとフランクな挨拶を交わし、女将さんからは名前で呼ばれるようになりました。嬉しいかぎりです。
ランチでも夜のコース料理を食べることができますが、さほどお酒も飲みたくないので、今回も握りです。余談ですが、隣の方に『鮑の肝リゾット』が出された時は、「コースにしとけば…」と思いましたけど。
実食
海苔巻き
いつものお決まり。少し固めのシャリとパリパリの海苔の食感と香りを楽しめます。
鰆 14日熟成
実は秋冬が美味しいらしい。
真鯛 10日熟成
鶏魚
小鯛昆布〆
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、たっぷりと肝を挟んで握っています。
北寄貝
鱚
秋刀魚
金目鯛
鰹 ♡♡♡
口に入れると、薫香が鼻を抜けます。そしてシャリと共に蕩ける。実に美味しい。
鰤 ♡
筋子 ♡♡
舌にいつまでも絡みつく濃厚さ。
鮑
蝦蛄 ♡♡♡
茹でたて。甘さと独特な香ばしさがあり、格別に美味しい。
真梶木
穴子
玉
今回も全制覇。実に、至福とも呼べる時間でした。勿論、仕入れ状況もあるでしょうが、『蝦蛄』は是非もう一度食べたい美味しさ。さすがに数が少ないのでしょう、おかわりは叶いませんでしたが。
次回の予約日は、なんと2月!行けるだけいいけど、だんだん予約が取れなくなってきてますね。まあ、年の初めと終わりということもあるでしょうが。
とても早いですが、親方と女将さん、来年も宜しくお願い致します。
2015.9.
二子玉川にある熟成鮨の名店「㐂邑」に再訪。今回もランチで、『握りコース』を味わいます。
本日の献立
海苔巻き
まずは、お決まりのコレから。パリッとした食感の香りのいい海苔に、少し固めに焚かれたシャリとのマリアージュを楽しみます。
墨烏賊
真鯛
白川(白甘鯛)
小鯛 昆布〆
秋刀魚 ♡
ゆっくりじっくりと脂が出てきます。次元の違う秋刀魚です。
北寄貝
鮍 ♡
タネとシャリの間に肝を挟んで、握っています。美味しすぎです。
〆鯖 ♡♡
〆られているとは思えないほどに、艶っぽさがあり、脂も凄い。
鯵
鰹
口に入れると、薫香が鼻を抜け、旨味が広がります。
筋子 ♡♡
名物とも言える熟成の筋子。ねっとりととろけながら、まるで卵かけ御飯を食べているかのような濃厚さを味わえます。
海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
珍しい淡路島の由良産の海胆。海胆なのに、フルーティな味わいがします。
鰤 ♡
軽く燻られています。閉じ込められた旨味と脂が一気に弾けます。
鰯 ♡♡♡
大トロに匹敵するほどの濃厚な脂。美味しすぎ!
鮑 ♡
中心部分で、シャリが見えないほどの大きさ。磯の香りが感じられます。
鰉づけ
穴子
玉子
縞鯵
追加したのは、本日未食の『縞鯵』となかなか食べれない『由良産 海胆』。今回も13100円と、素晴らしいCPとそれを遥かに上回る怒涛の感動。白身と青魚では、このお店を超える所はあまりないのでは?と思います。
次回の予約も無事に取れたので、一片の悔いなしです。
2015.7.
どの時代、どの業界にも、異才を世に放つ人物がいる。その強過ぎる個性は、人を選ぶのかもしれない。今回、訪れたのはそんな雰囲気を漂わせる鮨店です。
二子玉川駅。
初めて降りる駅ですが、駅前に高島屋やライズなどがあり、かなりオシャレな雰囲気で、賑わっています。そんな場所と真反対側には、どこか懐かしいような商店と住宅街が広がっていて、そんな中に白い暖簾を翻している鮨店「すし㐂邑」に初訪問。ミシュラン**に輝く名店であり、かなりの予約困難店ではありますが、1人ということで何とか予約できたわけです。この鮨店の特徴といえば、何と言っても店主木村康司さんが創り出す「熟成」です。それも熟成しやすい鮪で勝負するのでなく、他店ではあまり見られない白身などの熟成をいただけるそうで、未知の領域で楽しみ。
灼熱の当日。
お店には開店前でしたが、暖簾が下がっており、名前を告げると中に入れていただけました。逆L字のカウンターに6席設けてあり、広々としていて、余計な物が一切ない印象的な凜とした店内です。水曜日と日曜日のみランチ営業をしており、『お任せ握り』とつまみと握りの『お任せコース』があり、私は『お任せ握り』を事前にお願いしていました。
12時になり、お客さんも揃ったところでスタートです。
実食
・海苔巻き
握りが始まると、まず東松島産の『皇室献上の浜』という海苔で巻いた海苔巻きを手渡されます。少し固めに炊かれたシャリは、一粒一粒を確認できるかのような食感の中、赤酢を感じる個性的な味わい。
・真鯛
「鯛って、こんなに甘いの?」って思うほどに、甘みが凝縮してます。
・白烏賊♡
入店した時から仕込んでいました。10日寝かせたという白烏賊を薄く薄く切り、黄身醤油をかけて供されます。口に入れるとすぐに溶けちゃう。烏賊の甘みと黄身の濃厚さがいいです。
・白甘鯛♡
14日寝かせたものだそうです。白甘鯛って、確か他の甘鯛と違ってかなりの高級魚だったと記憶してます。ねっとりと甘く、旨味が凝縮して、素晴らしいです。
・春子昆布〆
7日寝かせた小鯛。昆布の味と春子が持つ甘さが濃厚。
・鯵
4日寝かせるそうで、色気すら感じます。脂はありますが、あっさりとして、美味しい。
・金目鯛
これは14日熟成。ここまできたら、熟成期間は驚きませんね(笑)脂は濃厚で、後味に独特の余韻が残り、美味しい。
・北寄貝
さすがに貝類はしないようで、昨日だそうです。裏返して握っているので、肉厚の歯応えが違います。
・鰯♡
キレがあり、まるでジュースのような脂のりです。
・赤雲丹♡♡
食べ比べ。上が鹿児島産で、下が長崎産だそうです。産地が違えば、エサも違うということで、同じ赤雲丹ですが、風味と甘みが違いますね。この違いを言葉に出せない文才の無さに怒りさえ覚えます。
・鰹
噛むたびに藁の薫香が鼻を抜け、爽やかな脂が広がっていきます。
・縞鯵
名物の筋子の代わりに。濃厚な脂乗りです。
・蒸し鮑
身全体を食べられるように、薄くスライスして、山葵や煮切りなどをつけずに、そのままでシャリを包み込むようにして供されます。美味しい。
・鯵酢〆
見た目は生っぽいですが、しっかりと〆られていて、食感はしっとりとしています。
・穴子
ホクホクの食感です。ツメはさほど主張せずに、穴子を楽しめる感じ。
・玉子
・間八♡♡♡
追加注文で。他に食べてないネタありますか?と聞くと、数点あったのですが、「じゃあ、間八で」と言うと、木村さんがニヤリとして、「ギリギリだよ?」と言いながら出してくれました。
なんと、1カ月熟成させてるそうです!10キロの間八で、使えるのは3キロほどだという職人泣かせの食材だそう。目の前で1/3くらいは切り捨ててましたし、贅沢ですね。余分な脂と水分は抜け、旨味が凝縮していて、次元の違う間八です。
熟成のコツは?と聞くと、水分と温度管理とのこと。塩を振り、水分を抜いて、毎日余分な水分を取り、トリミングするというとても手間のかかる贅沢な方法で、仕上げているそうです。鮨といえば、やはり銀座というイメージの中で、この二子玉川にお客を呼ぶ。その為に辿り着いた方法が、この個性的な「熟成」だったというわけですね。鮨の花形と言われる鮪をあえて使わず、白身魚や青魚の熟成で勝負した親方の研究心と努力には、頭が下がります。
そして、会計にも驚きが。これで、11700円。ありえない良いCPです。
個性的なシャリに、独創的な白身魚や青魚がメインなので、「鮨は、鮪有りき」と思ってる方には向かないかもしれないです。でも私は「理想の熟成は、干物なんです」と仰った親方の笑顔に逢いに、またこの暖簾をくぐります。
5位
26回
2023/10訪問 2023/12/16
2023.10.
目黒にある「鳥しき」のめっきり予約が取れなくなってしまったので、店主・池川 義輝さんに忘れてられてしまわないように『焼鳥弁当』をテイクアウト。
若手が営む「鳥かど」をはじめ、鳥しきイズムを継承するお店は増えましたが、私は焼鳥の味は勿論ですが、池川さんに会いたいのです。
たまには店内で食べたいです。
2023.4.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
鶏の7種類の部位を八丁味噌ベースで煮込んだものを池川さんが焼いたバケットでいただく現在の「鳥しき」のスターター。濃く甘い味わいがバケットとよく合います。
血肝♡
今夜は珍しく血肝から。プリッとした食感の後に弾けるような旨味の力強さ。やはり美味しい。
かしわ♡♡
口に近づけると、ふわりとする炭の香り。鶏の旨味が溢れるひと串は至高の味わい。
白玉
表面は確りと焼かれて、中心の白身はプリプリとし、黄身はクリームのよう。3段階の食感が楽しめます。
かっぱ♡
軟骨とその周りの肉も串打ちしているので、非常に肉々しい。黒胡椒の刺激と小気味良い軟骨の食感がたまりません。
鶏白湯♡
食中で供されるスープ。個人的にはこのスープの方が好きです。
背肝♡♡
内臓の甘味を引き出す塩加減、纏う炭の良い香り、溢れる肉の旨味。最高のひと串。
波♡
表面にはジュクジュクと躍動する脂が踊り、口に入れると表面のカリカリ感と中心部のモチモチ感が映えます。どこにでもある部位、でもここでしか味わえない部位だと思います。
つくね♡
ふわりとした食感の中で、鶏の旨味が駆け抜けていきます。時折、感じる軟骨のコリコリ感が楽しく、そして美味しい。
砂肝♡
ゴロリとした砂肝は食感フェチにはたまらないザクザク食感。胡麻油の仕立てをやめたみたいで、純粋な砂肝の旨味を味わえます。
食道♡
炭台の上でタレの旨味と炭の香りを存分に纏い、供される食道。トロリとした舌触りに内臓特有の甘味が溢れます。実に美味しい。
スナップエンドウ♡
じっくりと焼かれることで、野菜の旨味と甘味を最大限に引き出しています。このような旬の食材が「鳥しき」の名前の由来になっていると感じるひと串です。
せせり♡
筋っぽい食感を持つせせりらしさは勿論ありつつも、とろける肉質は知らないせせり。
はつもと♡
血管ということが確りと分かるサクサクと食感が素晴らしく、咀嚼の度に旨味と甘味が溢れます。
銀杏
間隔を空けることで、銀杏全体を確りと焼いており、内と外の食感のコントラストが生まれています。
丸はつ♡♡
丸はつに込められた熱が凄い。口の中でプツンと弾けて、旨味と甘味が爆ぜます。
肩♡
もも肉よりもしっとりと柔らかく、程よい筋肉感。
厚揚げ♡
厚揚げを焼鳥店で感動したのは、このお店が初めて。今も尚、その味わいは健在。
手羽先の皮♡
余分な脂を落として旨味のみを閉じ込めて、極上のカリカリ加減でありながら、中心部はモチモチとしています。
アキレス腱♡
とても肉々しいですが、時折感じる軟骨とゼラチン質の食感がアキレス腱ということを分からせます。
ぼん♡
じっくりと焼いて余分な脂を落とし、旨味をギュッと閉じ込めてきます。想像よりもずっと軽やかで、個人的な食べ方は大根おろしを乗せて食べています。
ちょうちん♡
「きんかん」と「ひも」をばらして焼いてから、合体させて供されます。それぞれにベストな火入れをしているので、ひと口で食べればプツンと弾ける「きんかん」のまったりとした旨味と弾力ある「ひも」の食感が楽しめます。
茄子♡
じっくりと育てるように焼かれた茄子は絶妙なトロトロ加減。激熱ですが、頬張りたくなる味わい。
恥骨♡
肉質はとても柔らかく、軟骨すらもとても柔らかい。
椎茸
香り溢れる椎茸は笠の部位がトロリとして、軸の部位はコリコリ。
鶏スープ
鶏の旨味を上品に仕上げたスープ。この味わいが池川さんの矜持。
ブロッコリー
炭の上で大きなブロッコリーがみるみる小さくなって、旨味をギュッと閉じ込めています。
手羽先♡
焼鳥の花形がまさにこの部位。開いているので、骨は簡単に取ることができます。取った骨の周りの肉も忘れずに食べてから、頬張れば旨味のストレートパンチを受けたかのような充実感を感じます。
そり♡
もも肉の付け根にあるピンポン玉状の部位で、歯を跳ね返すような力強い弾力の肉とカリカリに焼かれた皮を同時に頬張れるのが魅力。
膝♡
現在の「鳥しき」で皿で供される唯一の部位。胡麻油と黒胡椒をかけた白髪葱の風味にも負けない濃い旨味とゼラチン質が楽しめます。
そぼろ丼♡
「鳥しき」の〆ご飯は、卵かけご飯・そぼろ丼・親子丼・鶏スープのお茶漬けの4種類があります。その中で現在のお気に入りは、このそぼろ丼。今回は卵黄乗せです。鶏の旨味を全面に出した塩そぼろが実に美味しい。
焼鳥好きならば、きっと夢見るお店、目黒にある「鳥しき」に再訪。大衆的なものだった焼鳥を洗練させて、ここまで世界的に認めさせたのは、店主・池川 義輝さんの功績の1つでしょう。池川イズムを継承するお店は色々な所にできていますが、やはり行けるならばこの「鳥しき」に行きたい。味わいは勿論のことですが、何よりも池川親方に逢いたいから。
今回も色々な部位を用意して下さり、ありがとうございました。
2022.11.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
池川さんが焼いたバケットに八丁味噌ベースで煮込んだ数種類の部位の鶏の煮込みを乗せて。山椒の鮮烈な香りが心地よい。
かしわ♡
「炭の香りを楽しんで下さい」と供される部位。鼻腔を擽る炭の香りと咀嚼の度に溢れる伊達鶏の旨味がとても美味しい。
丸はつ♡♡
サクサクとした食感の後にジュワッととろける丸はつ。口の中に広がるのは、食べ終えても尚続く極上の甘味。キングオブ丸はつ!
波♡
どこにでもある、でもどこでもない味わい。
そう感じさせる皮の表面は踊るように脂が弾けており、中心部は歯を跳ね返すようなモチモチとした食感があります。
鶏白湯
〆のご飯ものと一緒に供されるスープとは違い、長く炊いて白濁された濃厚なスープ。
白玉
プリプリの白身にクリーム感の強い黄身がいい感じ。
せせり♡
独特の歯を跳ね返すプリッとした食感があり、甘味と旨味が強い味わい。
かっぱ♡♡
過去最大と思える特大のやげん軟骨。軟骨自体はとても柔らかく、周りの肉もついているのでボリューミーで旨味も強め。
銀杏
こんがりとホクホクとした銀杏は苦味がなく、甘く美味しい。
つくね♡
口の中でふわりとし、その中で軟骨のコリコリ感が映えます。タレの旨味と鶏の旨味が合わさり、実に美味しい。
じゃがバター♡
炭で焼かれるじゃがいもは格別な美味しさ。そこにバターの旨味が加わるのだから、不味いわけがない。
手羽先の皮♡
分厚い皮は確りと焼くことで、余分な脂を落としてカリカリとし、グッと旨味が増しています。
背肝♡♡
何というボリューム。滴るような旨味が口の中で爆ぜます。旨味のアタックの強さと食べ終えて、口の中に残る甘味と香りが素晴らしい。
砂肝♡♡
咀嚼しようとすると、砂肝が口の中で弾み、ザクッと気持ちいい歯切れの良さ。そして、旨味の爆流に飲まれてしまいます。
血肝♡♡
艶めいて色気のある血肝(レバー)は舌に絡みつくようなねっとり感があり、甘味が凄い。
食道♡♡
独特な管の食感に広がる甘味が素晴らしい。今夜も最高の味わい。
アキレス腱♡
肉々しさもあり、柔らかな軟骨の食感もあり、それを同時に楽しめる素晴らしさ。
椎茸
コレは香りを食べる串。口に入れると、一気に爆ぜる香りが印象的。
ぼん♡
コレも確りと脂を落としすことで、旨味が凝縮しています。
ちょうちん♡
口の中で弾ける卵黄が実に印象的。画的にも映え、旨味も素晴らしい。
恥骨♡
肉質は柔らかく、時折感じる軟骨のコリコリ感が心地よい。
はつもと♡♡
「鳥しき」の中でもレアな部位だと思われる部位。内臓特有の甘味の中で、咀嚼の度に溢れる濃厚な旨味がたまらない。用意してくださった池川さん、ありがとうございます!
手羽先♡
骨の周りや皮や肉の旨味が一体となった部位は、焼鳥の中でも花形。個人的には表面のボスといった感じw
厚揚げ
全く焦げがない厚揚げは確りと中にも熱が込められており、池川さんの焼きの技術力の高さが感じられます。
そり♡
弾むような食感のそりは、腿の付け根の部位。表面のカリカリに焼かれた皮がいいアクセントになっています。
親子丼
供された瞬間のインパクト大のオレンジ色のビジュアル。出汁の味わいの中でいただく温かいTKGといったイメージです。
ブロッコリー
オリーブオイルをかけながら、じっくりと焼かれたブロッコリーは、確りと旨味を引き出されています。
膝♡
唯一、皿で供されて胡麻油と白髪葱の風味を纏う部位。そりよりも柔らかく、旨味が強め。
そぼろ丼♡
今夜は卵黄のせ。今ある〆ご飯の中では、コレが一番好き。軟骨のコリコリ食感と肉の旨味が一体となった塩そぼろは、卵黄をかけることで更に濃厚な味わいになります。
焼きシャリ & 鶏スープ♡
池川さんがじーっくりと焼く今はもう食べられない焼きおにぎりを思い出させるひと品。鶏スープと共に〆られるのは、とても幸せな瞬間。
目黒「鳥しき」に通わせていただいて、約10年。どんなに予約困難さが増しても、どんなに好きなメニューがなくなっていっても、私は通い続けたい。焼場で店主・池川 義輝さんが焼き続けているかぎり。
今夜も約4時間の長丁場。きめ細やかなポスピタリティーと池川さんの心意気、そして焼鳥の美味しさが心に沁みました。池川さん、ありがとうございました。19100
2022.8.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
バケット
八丁味噌ベースで味付けた7種の部位を池川さんが焼いたバケットに乗せた「鳥しき」のスターター。
かしわ♡
串を近づけるだけで炭の香りがふわりとし、大ぶりなカットから溢れる旨味が素晴らしい。後味に鶏の甘味がじんわりと広がります。
波♡
所謂、首皮。『波』と称するのは池川さんのユーモア。表面はカリッと中心部はモチモチとしたどこにでもある部位だからこそ、違いがハッキリとする部位。
砂肝♡
口に近づけると、胡麻油と炭が香り、スパンっとした歯切れの良さが心地よい。
かっぱ♡
黒胡椒のピリッとした刺激があり、小気味良い軟骨のコリコリ感、そして間に打たれた肉の旨味が美味しい。
白玉
黄身はクリームのような仕立てで、飴色にねった白身がプツンと弾けて黄身の旨味が広がります。
鶏白湯スープ♡
食中に供される濃厚なスープ。塩分は薄いながらも旨味が強い。もう少し味を濃くして、麺やご飯を入れても
丸はつ♡
なくなった生命が池川さんの火入れで新たな生命を得たかのような躍動が口の中で感じられるひと串。今は串で供されますが、皿で供された頃の特大のものもまた食べてみたい。
せせり♡
炭香る中で強く感じるのは鶏の旨味と甘味。これらを引き出している塩の塩梅もさすが。
食道♡♡
いつものとは異質の美味しさ。タレの味わいの奥からねっとりと濃厚な旨味と甘味が広がり、舌というよりか喉に絡みつくような感じ。
血肝♡
3口で完結するストーリー性のあるひと串。先端にあるはつのプリプリ感とコントラストを楽しみ、大きなレバーの旨味を存分に味わい、最後に旨味と甘味の余韻を感じる。素晴らしい味わい。
トウモロコシ♡
北海道産の「ゴールドラッシュ」の炭火焼き。夏野菜の楽しみの1つで、炭と醤油の香りが素晴らしく映え、甘味が強くて美味しい。
ぼん♡
脂の多い部位ですが、確りと余分な脂を落としており、旨味が凝縮しています。定番のレモンを搾るのもいいですが、大根おろしを乗せて食べるのもオススメです。
手羽先の皮♡
先程の『波』とは違い、分厚い皮を脂を落としつつ、表面をカリッと焼きあげたひと串。タレの旨味と皮の旨味が合わさることで累乗される味わいが秀逸。
つくね♡
炭とタレの香りがふわりとし、粗く挽かれた肉の旨味が爆発するかのよう。3つあるので、まずはそのまま。そして、七味と山椒で味変を楽しむのもアリ。
厚揚げ♡
カリッと焼かれた表面に中心部はモッチリとした厚揚げ。「厚揚げが美味しい!」と気づかせてくれた原点のお店。
はつもと♡♡
動脈の管を感じられる食感があり、内臓特有の濃い旨味と甘味が映えます。
そり♡
腿の付け根の部位で、キングオブ肉。皮目がカリッと焼かれ、肉は旨味が濃く美味しい。
ちょうちん
分解して焼くという独特な焼き方をする『ちょうちん』。見た目も映え、味わいも濃厚なのめ供されるとアガるひと串。
膝♡
『そり』と両極を成す部位で、胡麻油と白髪葱の風味がたまらない。確りと焼かれてカリカリの皮に旨味溢れる肉が美味しい。
茄子
激熱なのは分かってはいますが、頬張りたいトロトロの茄子。
手羽先♡
大きな手羽先は2つの骨を外してから食べるとスマート。旨味たっぷりな皮と身にちょっとレモンを搾ると、更に美味しい。
脛♡
新作?割と確りとした歯応えがあり、肉質は淡白なのに咀嚼の度に旨味が溢れます。
ハーフそぼろ丼♡
塩そぼろの旨味が爆発的に溢れる丼。個人的には今の『親子丼』よりもこちらが好み。次回は卵黄を乗せてみたい。
ハーフ親子丼
オレンジ色の黄身と白い白身のコントラストが映えます。食感の面ではあまり好きではないけど、ついつい注文してしまうw
鶏スープ茶漬け
昔からありますが、今はなき『焼きおにぎり』の片鱗を感じることのできる〆ご飯。上品でありつつ濃厚なスープの中で、炭火で脱水してパリッとしたご飯がいい。しかしながら『さび』がなくなったので、ささみは入っておらず…。
鶏スープ
今夜はちょっと濃厚な仕立て。上品な味わいは池川親方の〆の矜持。
焼鳥弁当♡
久しぶりのお弁当。塩鶏そぼろ・かしわ・せせり・つくね・白玉・オクラ・椎茸という構成で、彩りとバランスもとても良い。一緒に付いてくる山椒がニクい。
20時からの目黒にある「鳥しき」は、ゆるりと始まります。焼鳥も高級傾向になっていき、多くのお店が高級ブランド鶏を使っている中で、オープンから使っている「伊達鶏」を見事なまでに絶品へと昇華させているのは、店主・池川 義輝さんの技量の高さでしょう。姉妹店もでき、多くの弟子が独立をして「池川イズム」を広めており、昨今では関西の人気店も都内に進出してくるなどして、焼鳥業界も目紛しくなっています。都内でも屈指の予約困難店であり、『もものタタキ』や『焼きおにぎり』など好きな料理もなくなっていくマイナス要因が多い「鳥しき」ですが、やはり通いたいのはそこに池川さんがいるから。
今夜も遅くまでたくさんありがとうございました!19400
2022.5.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット♡
私が来られなかった期間中に新しく先付となった八丁味噌ベースで煮込まれた鶏の6種類の部位を池川さんが焼いたバケットと共に。この量だからこその濃厚さ、美味しい。
かしわ♡
タレでコーティングされた伊達鶏の旨味。久しぶりにいただくその味わいは身体に沁み渡ります。
砂肝♡
中に込められた熱と弾むような食感の砂肝は胡麻油の風味と黒胡椒の辛味が合わさり、楽しくも美味しい。
白湯スープ
これも初めて。最後に供される鶏スープの延長線にある味わいで、コレでラーメンを作ったら美味しそう。
白玉
確りと表面は焼いているのに、以前と変わらずにクリームのような黄身。
かっぱ♡
黒胡椒の刺激が心地よく、パリパリと柔らかい軟骨が小気味よい。
波♡
部位としては首皮。表面は極上のカリカリ感、中心部はモチモチ感。どこにでもある部位でありながらも、どこにでもない美味しさ。
丸はつ♡
プリッとした食感の中に失くなった生命を閉じめたような熱があり、閉じめられた旨味が素晴らしい。
肩肉♡
程よい食感もあり、その食感を楽しんでいると溢れてくる旨味。その旨味はあっさりとしていながらも甘い。
じゃがバター♡
これは凄い火入れ。イメージ的には温めたような感じで、じゃがいもの甘味を閉じ込めています。
食道♡♡
食道やその周りのリンパなどを纏めて串打ちしたような凄いボリューム。味はタレですが、まさにこれはコーティング。食道の旨味が強くて、素晴らしい。
はらみ♡
表面はカリッとしながら、中心部は旨味が濃厚で、ふわりとしています。
手羽先の皮♡
同じ皮でも部位によって変わることを教えてくれる部位。分厚い皮は余計な油を落としながらじっくりと焼かれて、極上のカリカリ感が味わえます。
せせり♡
ギュッと密集させたような串打ちで、程よい食感の後に旨味と共にとろけるような感じ。
アキレス腱♡
一気に肉々しくなったアキレス腱。アキレス腱とその周りの肉もつけているので、旨味のある肉の程よい食感ととろけるゼラチン質の部位が同時に味わえます。
背肝 & はつもと♡♡
食道同様にモンスタークラスのボリューム。ざらりとした食感の背肝にはつもとのコリコリとした動脈を巻き付けたような感じで、旨味どっぱーんな美味しさは実に素晴らしい。
血肝♡♡
「近火の強火」と言われる焼き方でありながら、まるで温めたような火入れで、口に入れた瞬間にとろけます。その旨味は舌に絡むようで、実に美味しい。
ぼん
確りと油を落として、旨味を凝縮させているぼん。大根おろしを乗せて食べるのもオススメ。
つくね♡
確りと挽かれていて、旨味を閉じ込めるようなタレのコーティング。練り込まれた軟骨のコリコリ食感もいい。
恥骨♡
ズズッと歯が入っていき、軟骨と共にとろけるような肉質。甘味を引き出すような塩加減も絶妙。
厚揚げ
焦げの1つもない素晴らしい焼き。
茄子♡
大きな茄子がみるみる小さくなっていき、トロトロになっていく様が面白い。胡麻の香ばしさもあり、激熱の中でも頬張ってほしい美味しさ。
手羽先♡
大きな手羽先は焼鳥の花形。「鳥しき」で供されるのは、これから始まる2ndステージの幕開け的な存在。手羽先に付いてる骨は簡単に外れるので外してから頬張ると、滴るような皮・脂・肉の旨味にノックアウトされます。
そり♡
脚の付け根のピンポン球のような部位で、それがよく分かるような串打ち。皮はカリッとしており、肉は弾むような食感に迸る旨味はジューシー。
ブロッコリー
はっきり言って、さほど食べないブロッコリー。焼くとどうしてこんなにも美味しいのか。
ちょうちん♡
卵黄は炭火で温められたよう。弾ける卵黄はひと口で味わう美味なる体験。
膝♡
今では串で供されない唯一の部位となった膝。胡麻油が香り、白髪葱と黒胡椒がピリリとするそりと双璧を成す「鳥しき」の王者です。
そぼろ丼ハーフ♡
お弁当にも入れられている塩味の鶏そぼろ。個人的には〆ご飯の中で、2番目に好き。
親子丼ハーフ
鮮やかなオレンジ色の見た目がインパクト大の親子丼。タレの甘味が味の決め手ですが、個人的には昔のスタイルの親子丼の方が食感が良くて好き。
鶏スープ
池川さんの矜持を感じる上品な鶏スープ。
コロナ禍の影響で以前のように予約が取れずに約一年半経って、漸く再訪できたのは目黒にある焼鳥界の王者「鳥しき」。店で使っているブランド鶏を全面に推しているお店が増えてきましたが、店主・池川義輝さんが焼くならば、例えブロイラーであろうともきっと美味しい!と確信しています。
最初に炭酸水を注文したら、「氷ありでな!」と昔のように裏へ伝えてくれる池川さんの姿に涙が出ました。ボリュームのある「食道」や「背肝」に「はつもと」を巻き付けたようなモンスター級の串を出していただき、ありがとうございました!
久しぶりに味わう池川さんの焼鳥は身体と心に沁みました!また宜しくお願いします!
2021.11.
コロナ禍で予約が取れなくなった私の第1位は、目黒にある焼鳥店「鳥しき」でしょう。「この予約電話に繋がる人は、どれだけの運を消費するのだろう?」と考えてしまうほどに、今では全く繋がらない…。あまり行くことが叶わないと、店主・池川 義輝さんに忘れられてしまいそうで、たまに『焼鳥弁当』を買いに行ってます。
定期的に訪問していた時はさほど食べなかった『焼鳥弁当』ですが、久しぶりにいただくと…やはり美味しい。お弁当はたいてい温めるのが常だと思いますが、「鳥しき」のはそのまま食べるのが私のスタンダードです。そして、一緒に入っている山椒が実にニクい。お弁当の味と香り、そして冷めても感じる池川さんの熱が涙が出るくらいに懐かしい。来年こそは店内で!
2021.1.
元々、予約困難の中で遅い時間帯に入れていただいていた目黒にある「鳥しき」。営業時間の変更や発出された緊急事態宣言の影響で、全く伺うことが叶わなくなってしまったので、店主の池川 義輝さんの顔を見たいが為に『焼鳥弁当』をテイクアウトです。
粗めな塩そぼろ・ぼん・獅子唐・かしわ・つくね・白玉という内容で、ずしりとくる重さがあります。食べる時につい温めてしまいがちですが、『焼鳥弁当』は冷めることを前提にした味わいなので、そのまま食べるのがオススメです。久しぶりなので、身体に沁みるように美味しい♡
願わくば、またお店でも食べたいです!池川さん!
2020.9.
コロナ禍の影響から営業時間を前倒しにしているので、遅い時間の訪問が厳しくなった目黒の「鳥しき」。早くも2020年の最後の訪問となるこの日は久しぶりの1回転目です。
ガラリっ!
戸を開ければ、「いらっしゃいませ!」と勇ましく店主の池川 義輝さんが出迎えて下さいました。月を重ねる毎に予約が困難となるこの「鳥しき」に足を運ぶのは、この方がいるからにほかなりません。さあ、今夜も炎神・池川さんの魂の焼鳥を楽しみます。
今夜の献立
せせり♡
相変わらず、とろけるような食感。今夜も炎神は静かに燃ゆる。
丸はつ♡
終えた命に、また新しく命が宿ったかのような躍動感。素晴らしい♡
かっぱ
コリコリと小気味よい軟骨の食感と周りの肉の濃厚な味わい。ボリューミーな肉系の串。
波
食感の対比なのか?次の串は極上のモチモチ感。まるで高反発なマットレスのよう。
肩
しっとりとしながらも、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れます。
食道♡♡
元々好きな部位ですが、今夜は凄い!舌に絡みつくようなねっとり感があり、とろけながら旨味を出しまくる。最高のひと串!
うずら
火入れの色々なアプローチがある中、コレは一体感を体現したようで、白身と黄身の境界線がありません。
砂肝♡
仕立てが変わったのだろうか?こんなにボリューミーな砂肝なんて…大好きよ♡
背肝♡
いつも「見れば、食べれば分かるでしょう?」的にそっと出して下さる1日で数本の『背肝』。レバーとはつの中間のような食感に、内臓系の甘い香りと味わい。池川さん。いつもありがとうございます!
かしわ♡
タレは味付けでなく、旨味を閉じ込めるコーティング。口にすると、驚くほどにタレの味わいは薄くて、鶏の旨味が際立ちます。
オクラ
獅子唐よりもオクラの方が好き。
恥骨
お尻周りの肉。ふわりとした肉と柔らかな軟骨の食感が同時に味わえます。
はつもと♡
内臓の甘味と旨味が溢れる部位で、ひと口目はタレの旨味も纏った味わい、最後のひと口は肉本来の旨味が際立ち、このひと串にはストーリー性を感じられます。
手羽先の皮
皮は実は2種あって、『波』と呼ばれているのは首皮。そして、これは分厚い手羽先の皮です。味付けもタレになって、カリッと焼かれています。
つくね♡
確りと挽かれて更に練られていて、咀嚼の度に旨味が溢れてくるかのよう。一緒に練り込まれている軟骨の食感は弱め。
はらみ♡
コレもなかなかレアな部位。真ん中には腰皮かな?を入れて、旨味を底上げしているかのよう。
アキレス腱
アキレス腱とは言っても、ほぼ肉系の串。柔らかな肉の食感の中に、柔らかくも弾力のあるアキレス腱の食感が楽しい。
銀杏
ホクホクとほろ苦さがオトナの味わい。
ちょうちん♡
ひと口で食べるには今夜のはかなり大きい。プツンと音を立てるように弾けて、口の中で完成する素晴らしい串。分解して焼くのは、池川さん独特の火入れです。
血肝♡
出来るならば、是非3回に分けて食べて欲しい。初めのひと口は先端に止まっているはつと共に食べるので、食感を感じる味わい。真ん中の大きい部位は舌に絡みつくような旨味を、最後は余韻を楽しめます。
厚揚げ♡
まるで、温めているかのような感じ。内と外の境目は全く感じられません。コレも一つの完成系。
ぼん
濃厚な旨味の塊のような部位には、大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
茄子
慈しむように火入れされていて、トロトロ。しかしながら、激アツ!火傷覚悟でも頬張りたい!
膝
この「鳥しき」で、肉系最強部位の双璧を担う一つ。添えてある白髪葱には胡麻油がかけられていて、その薬味にも負けないような強い旨味もあって肉々しい。
そり
そして、もう一つの双璧部位である『そり』。ボリュームもさることながら、歯を跳ね返すほどの弾力性が魅力的。
手羽先♡
焼鳥の花形と言えば、この部位でしょう。串から取ってかぶりつくも良し、骨を取ってから食べるのも良し。食べ終えて、すぐにおしぼりを交換してくれるのは、さすがのホスピタリティ。
スープ茶漬け
さびがなくなり、焼きおにぎりもなくなった今、このスープ茶漬けが最高の〆だと思います。
今夜は2時間半という限られた時間の中でしたが、なんと全ての部位を出していただきました。特に1日の内におそらくは数本しか取れない部位を何も言わずにそっと出して下さる池川さんの優しいが心に沁みました。
また来年度も食べさせて下さいね。宜しくお願いします。19100
今夜出逢えたお酒
農口尚彦研究所 ひやおろし
2020.5.
コロナ禍で残念ながら行かれなくなった銘店の最後の一軒が目黒にある「鳥しき」です。5月いっぱいまでお弁当のみの販売だそうで、いつもの…違う!いつものじゃない!油淋鶏が入っている…だ…と。
訪問時は当日仕込んでいる全てのものを食べているので、お弁当まではいいかなーって思っていて、あまり食べることがないのですが…この油淋鶏入りはレアでしょう。
店内ではいつもよりも忙しいそうに池川さんがマシーンのごとく串を焼いてらっしゃり、スタッフ2人で盛り付けして、女将さんが接客と普段よりも大変そう。でも皆さん、お元気そうで良かった!
さて、お弁当ですが。
つくねやかしわの串は言わずもがな。「味付けが濃いので後から食べて下さい」という注意書きもある油淋鶏は、冷めることを念頭に入れてある味付けで、甘酢タレが確りと絡んでいて、味濃い目なガッツリとした感じ。営業が再開したら「鳥しき」では供されないでしょうが、「鳥かど」で合間に供されそうな料理です。お弁当としては従来の方が好きですが、これはこれである意味伝説となるお弁当だと思います。
池川さん、女将さん。
今夜はありがとうございました!お元気そうで良かったです。
また魂こもった焼鳥を食べさせて下さい。
2020.2.
久しぶりの「鳥しき」の1回転目。今は時差来店をしているのでしょうか、開店時間には全て埋まることなく、ゆっくりとしたスタート。「鳥しき」の最大の特徴である「近火の強火」を作り出す為に炭をぎっしりと詰め入れて、店主の池川 義輝さんの魂に応えるように音もなく静かに燃る。
今夜の献立
肩
不動のスターターであった『さび』がなくなった今、スタートは人それぞれ。今夜の私は『肩』からです。しっとりとしていながらも、やや淡白な旨味が溢れます。
丸はつ♡
開いていない『はつ』には旨味と熱が込められており、ブリンっとした食感の後にそれが弾けます。やはり美味しい。
背肝♡♡
プリッとした食感、トロリとした舌触り、広がるのは濃密な旨味と甘味。素晴らしい以外の言葉がありません。
波
首の皮の部位。表面はパリッと焼かれ、中心部はモチモチ。どこにでもある部位だからこそ違いに気付く串。
かっぱ
やげん軟骨。軟骨だけでなく、周りの肉も絡めており、旨味がブーストされています。
恥骨
肉に舌を押し当てるだけでも崩れるような柔らかさ。軟骨の部位も残しており、食感のコントラストが生まれています。
食道♡
まるでビロードのような滑らかさ。口に残る旨味と甘味が素晴らしく長く残ります。
銀杏
ホクホクの後にほのかな苦味。銀杏でお酒が飲めるようになったら、大人だと勝手に思います。
かしわ♡
タレでコーティングされた旨味は、タレの甘味と合わさって累乗しており、実に素晴らしい。
砂肝
極上のサクサク食感。初めは塩の味わいですが、徐々に甘味が広がっていきます。
アキレス腱
なんとも肉々しい仕立て。『かっぱ』とは違う軟骨の食感の違いが小気味良い。
はつもと♡
香りからして甘い。プリッとした食感の中で溢れる旨味と後味で残る甘味が秀逸。
オクラ
やっぱり獅子唐よりもオクラが好き。
つくね♡
やや確りと挽かれた肉は滑らかで、より中に混ぜ込まれている軟骨のコリコリ感が際立ちます。旨味の塊のような味わい。
白玉
プリンっと弾ける白身の中はクリームのような黄身。
血肝♡
艶っぽい見た目は私を魅了します。プツンと弾け、トロリと滑らかな旨味が溢れ出し、舌に絡みつくような甘味がいい。
手羽先の先の皮
先程の『波』とは違い、タレでコーティングされた分厚い皮はカリカリに焼かれています。その食感と甘味が素晴らしい。
合鴨
今回は山葵を乗せた仕立て。鮮烈な山葵の香りと合鴨の旨味が迸ります。
ぼん
こってりとした旨味の『ぼん』は、大根おろしを乗せて食べるのが私のお勧め。
せせり
せせりらしい食感は微かにありますが、とろけるような食感。
椎茸
表面に浮かぶ椎茸のジュースがたまらない。焼いた椎茸は特に好き。
厚揚げ
今夜は内と外の食感のコントラストがある仕立て。是非食べる際は、「火傷しても構うもんか!」という意気込みで食べた方が美味しいと思います。
茄子
何度も油を塗り、串を上下入れ替えたりしてトロトロになった茄子は、野菜串の中でも実に手間のかかった一串。
手羽先
焼鳥の花形である『手羽先』は塩味で。個人的にこの部位が供されてもストップしないと、池川親方に「食べる客だな」と認められたような気がしますw
じゃがバター♡
小さなじゃがいもを使った『じゃがバター』。シンプルながらも、コレが実に美味しい。
スープ茶漬け♡
『焼きおにぎり』と『さび』がなくなった今、それらを感じられるのがコレです。元々、完成度が高くて好きでしたが、個人的に更に希少度が増した〆ご飯です。
膝
「鳥しき」の中で1番大きな部位でしょう。胡麻油と胡椒で風味を増した白髪葱にも負けない強い旨味があります。
ちょうちん♡
今夜は極大の卵黄をつけて下さいました。弾けて飛ぶような濃厚な卵黄の旨味が絡み、口の中で完成する素晴らしい部位。
そり
最後の部位は、希少部位の『そり』。バリッと焼かれた皮に歯を跳ね返すほどの弾力の肉質は、最旨の肉系部位です。
そぼろ丼♡
見た目は『親子丼』の方が映えるけど、味わい的にこちらの方が今は好み。
鶏スープ
唇に膜が張るくらいの濃度のスープは、上品な味わいです。
今夜も仕込んである全てを出していただきました。久しぶりだからこそ分かる、その美味しさ。やはりこのお店は凄い。
そっと色々と出して下さる池川さんの優しさが沁みる夜でした。ありがとうございました!17700
炭の音が聞こえる。
静かに静かに身を焦がす。
騒つく店内が静まっていく時、炭の息吹が聞こえます。今夜もそんな雰囲気の「鳥しき」で、店主の池川 義輝さんも静かに燃えるその魂に触れさせていただきます。
今夜の献立
せせり♡
珍しくスターターはコレ。『せせり』らしい歯応えは残りながらも、とろけるような感じはさすがの火入れ。
丸はつ♡
はつ=心臓に再び生命を与えるような変わらずの素晴らしい火入れ。
白玉
中はクリームのような感じに仕立てており、ただのうずらが最上に美味しい。
波♡
表面はパリッと焼いて、中心部はモチモチ。他店と比べるならば、この部位が一番分かりやすいと思います。
かっぱ
やげん軟骨を「鳥しき」では、文字遊びでこう呼びます。今夜は肉々しい感じではなく、昔みたいに軟骨っぽい仕立て。変えたのかな?
砂肝
仕上げに胡麻油を塗っているので、焼くと揚げるの中間みたいな感じの砂肝。
かしわ♡
タレは鶏の旨味を逃がさないコーティングのよう。鶏が、鶏が美味しい。
血肝♡
薄皮一枚を残したような血肝(レバー)はクセなど微塵もなく、とろける食感と舌にからみつくような旨味を楽しめます。
食道♡
一口食べた瞬間に震えた。グッとくる旨味ととろける食感は
オクラ
獅子唐よりも断然オクラの方が好き。
はらみ♡♡
先程いただいた『かっぱ』の謎がここで解ける。串の真ん中に(多分)腰の皮を入れて、更にコクを底上げした『はらみ』。濃厚な旨味が凄い。久しぶりに出逢えた!
はつもと♡
内臓特有の甘い香りに誘われるように口にする。ゆっくりと歯が入り、スパンッと切れて、旨味が広がります。
恥骨
腿肉とは明らかに違う食感と旨味。プリンッと弾けて、しっとりとしています。
銀杏
苦味もなく、ホクホクした銀杏。
つくね♡
今回は確りとした仕立てで、時折感じる軟骨のコリコリ感と旨味が素晴らしい。
背肝♡
いつも取っておいてくれる池川さんの優しさに感謝。串を持ちあげただけ滴る脂は、口に入れた時に旨味の暴力となって暴れ出します。
手羽先の先の皮
同じ皮でも『波』とは違い、厚みもあって濃厚。カリカリに焼き上げて、タレで供されます。
ぼん
極濃厚なので、私は大根おろしを乗せて食べています。池川さんのオススメの食べ方よー。
厚揚げ♡
池川さんの『厚揚げ』は、外と内の一体化。表面には焦げがなく、まるで揚げてある部分だけを溶かしているかのよう。
茄子
じっくり油と出汁醤油をたっぷりと吸った『茄子』は、トロトロ。
手羽先♡
バチバチッと音を立てて供されて『手羽先』を食べて驚く。素晴らしい火入れと旨味は、池川さんの魂を感じられます。
ちょうちん♡
久しぶりに唸った。特大の『ちょうちん』は完璧と言わざる得ない素晴らしい味わい。池川さん、いつもありがとうございます♡
椎茸
たかが椎茸、されど椎茸。炭を纏うとここまで美味しい。
そり♡
腿の付け根の部位で、ここ「鳥しき」では最後に供される肉系の最強部分。歯を跳ね返すような弾力と圧倒的な旨味に溺れます。
膝♡
胡麻油の香りと白髪葱の風味を纏う『膝』は、程よい弾力の中に旨味も強くて美味しい。
そぼろ丼(ハーフ)♡
出来立ての鶏そぼろが盛られた『そぼろ丼』は、ちょっとだけ汁だくになっていて、コレが実に美味しい。必ずいただく〆ご飯です。
鶏スープ茶漬け♡
『親子丼』よりも、今はこちらの方が好き。ご飯はあの『焼きおにぎり』を彷彿とする炭火で水分を飛ばしたもので、上品な鶏スープの旨味をたっぷりと吸い込んでいて、実に完成度の高い〆ご飯。
今夜も3時間半。たっぷりと鶏に溺れた夜となりました。11月には延びに延びたNYのお店もついにオープンするそうで、更に京都にも「鳥かど」「鳥おか」に続く3つ目の支店を出されるそうです。ついに関西へと進出ですね。どこに支店を出されても、池川さんは目黒にいらっしゃるそうですが、あと3年後に何か起こるかも?
今夜も池川さんの魂と優しさに触れられた夜でした。ご馳走さま。14450
2019.7.
しとしとと降る雨の中、軒先にある錫の風鈴がチリンチリンと鳴る。引き戸をガラリと開くと、店主の池川 義輝さんが静かに燃えていた。
ここは目黒にある日本一予約の取りづらいと言われている焼鳥店の「鳥しき」。2ヶ月に1度くらいの定期訪問、今夜は珍しく2回転に入れていただいたので、定刻でのスタートです。
今夜の献立
さび
かしわ♡
白玉
砂肝
波
かっぱ
合鴨♡
食道♡
つくね♡
獅子唐
恥骨
トウモロコシ♡
丸はつ♡
手羽先の先の皮
血肝
せせり♡
椎茸
肩
はつもと♡
厚揚げ♡
ぼん
アキレス腱
手羽先
そり
茄子
膝♡
ちょうちん♡
鶏スープ茶漬け♡
そぼろ丼♡
鶏スープ
(何度も書いているので、個別の説明は割愛です)
約4時間半くらい。今夜も「鳥しき」の全てを堪能させていただきました。内臓系の安定した美味しさは言わずもがな、最近になって仕立てが変わったと感じるのは『厚揚げ』。表面に焦げ目を一切付けずに焼き上げて、内と外の一体感のあるように仕上げているようで、モチッとした食感が楽しめます。
今夜もあまり詳しくは言えませんが、池川さんの優しさに触れた夜でした。いつもありがとうございます。
次回は9月。またゆるりと楽しませていただきます。15000
2019.5.
いつもの21時過ぎ。今夜も池川義輝さんの近火の強火の火入れを味わいに目黒の「鳥しき」へ。支店や独立などで、ほぼ毎回スタッフの方々は初見ですが、池川さんがここにいらっしゃる限りはずっと通い続けていたいお店。一昨年くらいまでは、なかなか予約が取れないことも多かったですが、ここ最近は頻繁に取らせていただいているので、嬉しい限りです。今夜もゆるりと楽しませていただきましょう。
今夜の献立
さび
不動のスターター。まずは炭の香りと山葵の鮮烈さを楽しみます。
丸はつ♡
いきなり供された大好きな部位。口に近づけるだけで香る甘い香りは、食べ終えても続くかのよう。今夜も素晴らしい!
かしわ♡
ザクッザクッと音を立てるような食感の中で、タレでコーティングされた鶏の旨味が広がります。
かっぱ
軟骨だけでなく、その周りの肉も付けておるので、かなり濃厚な味わい。
白玉
黄身はまるでクリームのような仕上がり。
食道♡
コッテリとした旨味の中にある内臓の甘味。独特の食感も大好きです。
肩
『かしわ』よりはアッサリとしていますが、プリンっとした弾力があり、後味の甘味も素晴らしい。
銀杏
ホクホク感と仄かな苦味。塩加減も絶妙です。
砂肝
歯を跳ね返すほどの極上のサクサク食感を味わえます。
せせり♡
相変わらずのとろけるような『せせり』。このようなのは、なかなか出逢えません。
獅子唐
辛味がなくて、美味しい。
波♡
カリカリとした表面、モチモチとした中心部。このコントラストが素晴らしい。大根おろしを乗せて食べるのが、私のオススメ。
はつもと♡
広がるのは、内臓の強烈な甘味と香り。希少部位ですが、いつもそっと出していただいてます。池川さんの優しさに感謝。
アキレス腱
最近は、柔らかな軟骨を楽しめる肉系の部位となっています。
厚揚げ♡
久しぶりに驚いた。これは、凄い!焦げの一つもなく、豆腐の甘味が広がるような外と内の一体化がたまらない。
血肝♡
更に美味しさが高まってる…だ…と。とろけ方はいつも通りですが、感じる甘味と旨味が秀逸。
手羽先の先の皮
先程食べたのは首の皮ですが、これは厚みのある手羽先の部位。旨味がとても強い。
つくね♡
かなりよく挽いてあるタイプで、食感はフワフワとしていて、とてもジューシー。
手羽先
大胆に手掴みで食べるからこそ、皮と肉を同時に食べられる部位。骨の周りの肉まで綺麗にいただきます。
膝
旨味の強い『膝』は、胡麻油香る白髪葱と共に。
そり♡
「鳥しき」において、肉系最強部位。ボリュームも凄いですが、大抵は最後の方に供されます。確りとした旨味と食感が素晴らしい。
ちょうちん♡
「鳥しき」のスペシャリテの一つ。味わいもさることながら、卵黄と卵管を別々に火入れしてから合体させる独特の焼き方もポイントです。
茄子
火傷必須のトロトロ茄子。最後の最後まで焼いて下さいました。
そぼろ丼♡
今夜のは、そぼろの汁が多めでご飯とよく絡み、私好みでした。
鶏スープ
濃度は比較的にアッサリとして上品な仕上がりですが、今夜は塩分が絶妙。
鶏スープの茶漬け♡
久しぶりにいただきましたが、変わらずの完成度。ご飯を平らにしてから焼き上げているので、スープの中でもカリッとした食感も楽しめます。
お弁当♡
コレもかなり久しぶりにいただきましたが…。進化している!昔は『ぼん』だったのに『肩』に変わっていて、更に肉々しくなっていました。一緒に添えられているタレと山椒をかけることで、一気に香りが華やぎ、お弁当が蘇るよう。素晴らしい味わいです。
今夜も終了したのが、0:30。途中からは池川さんを独占して、私の為だけに焼いていただきました。いつも遅くまでありがとうございます。
何度となく食べたことのある部位でも、毎回「!」と思うことが多くて驚きます。有名店ということに驕らず、更なる高みを目指す日々の研鑽から生まれる味わいはまだまだ進化が止まりそうにありません。
今夜もありがとうございました。次回も約束された幸せのひと時を楽しみしています。
2019.2.
目黒にある予約困難店としても有名な焼鳥店「鳥しき」。足しげく通うことで、信頼を得たお店の一つです。入店はいつもの2回転目、今夜も鶏を食べ尽くす時間がやってきました。
今夜の献立
さび
鶏が炭の香りを纏う。特に今夜は山葵の香りが鮮烈で美味しい。
肩
凄いボリューム。腿肉に比べたら、ややしっとりとしているはずなのに…このプリッとした食感とこのジューシーさは素晴らしい。
丸はつ♡
是非、3回に分けて食べて欲しい。それそれに違う食感と旨味があり、池川さんの考えられた串打ちが分かるはずです。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、その周りの肉も一緒になっているので、滴るような脂とコリコリとした食感が楽しめます。
砂肝
串の中では火入れのタイミングが難しいという砂肝。いつもながら、心地よいサクサク感です。
波
表面はパリッと、中心部はモチモチとした食感を味わえる部位。
アキレス腱
更に肉々しくなって、軟骨のゼラチン質としっとりとした肉質を味わえる串になりました。
白玉
当初はトロトロの半熟から、今はクリームのような仕上がりになった白玉。
食道♡
一口目に入ると部分にはシャコシャコとした食感を、最後には皮も含めた濃厚な部位を口打ちしています。非常に考えられた一串。
芽キャベツ
焦げもなく、苦味も抑えていて、キャベツの甘味が際立ちます。
背肝♡
ザラリとした舌触りにネットリと溶ける内臓。口に入れる前から感じる内臓系特有の甘い香り。内臓こそ焼鳥の醍醐味だと思います。
かしわ
タレコーティングで鶏の旨味を確りと閉じ込めた極上の美味しさ。
手羽先の先の皮
『波』よりも分厚い皮。今度は脂を落とすように焼くことで、カリカリに。
恥骨
肉系の中では一番しっとりとして柔らかい。軟骨も柔らかく、いいアクセントです。
つくね♡
更に進化?口に入れると、ふわりと溶ける。そして口いっぱいに鶏のジューシーな旨味が広がります。『つくね』でこれほど感動するとは!
銀杏
焼鳥店で供されるので、好きになったもの。ホクホク感が結構好き。
はつもと♡
レバーのような、ハツのような食感がある部位。コレも実に内臓の甘さを非常に感じます。
せせり
中心部は、ほんのりとピンク色になるくらいの火入れ。だからとろけるような『せせり』になります。
厚揚げ♡
ほわんっとした食感があり、炭の熱が真ん中に込められているかのよう。
手羽先
個人的には前半終了を知らせる部位。骨の周りが美味しいので、手づかみで食べましょう。直ぐにお手拭きを交換してくれるのは、いつもながらに素晴らしいホスピタリティ。
ぼん
表面はカリッと仕上げて、噛めば濃厚な旨味が溢れ出します。
椎茸
焼いたのが好きな方も多いはず。溢れる椎茸ジュースは圧巻です。
じゃがバター
小さなじゃがいもを使ったじゃがバター。素晴らしい火入れで、ホクホクです。
ちょうちん♡
大きな卵黄のちょうちん。一口で食べれば、プツンと音を立てるように弾ける卵黄の濃厚な旨味が溢れます。
そり
一羽で2つしか取れない部位なので、この一串で一羽分という贅沢な肉系最強の串です。確りとした弾力があり、旨味も十分。
エリンギ
先程の『椎茸』がジューシーさならば、コレは食感。よく考えられた串打ちなので、コリコリ感がたまらない。
膝♡
菱形の皿で供される部位。『そり』と双璧をなす肉系の部位ですが、こちらの方が旨味とコクがあります。
血肝♡
池川大将が忘れていたので、追加注文。やはり、コレは食べたいよねー。
親子丼(ハーフ)
久しぶりにハーフで2種。まず供されたのは、親子丼。味わいには変わりないですが、やはり作り方が変わったのだろうか?底は白身が固まっており、思うほどにトロトロではなくなった…。
そぼろ丼(ハーフ)♡
最近はこちらの方がお気に入り。シンプルなれど、この塩そぼろは美味しい。
今回も入店から約4時間、途中は凄まじいスピードで提供していただき、ありがとうございました。内臓系は改めて美味しさを再確認し、そして『つくね』は進化したのでしょうか?素晴らしい味わいでした。何年経っても、どんなに有名になっても向上し続ける味わいと変わらない接客とホスピタリティは、流石としか言いようがありません。
次回は5月くらいに頑張って、予約をしたいと思います。今夜もご馳走さまでした。13750
2018.12.
入店は、いつもの21:00。30分もすれば、先にいらした方もいなくなって、次のカウンターの用意もしなくなり、もう
今夜は誰も入れないみたい。ごく稀にこんな夜はあるけど、特に今夜はこの後に何かイベントがあるのかな?と思うほどに客入りがなく、ほぼ貸し切り状態となった「鳥しき」。
高く積み上げた炭が赤く身を焦がしながら、灼熱の息吹をはく。そんな炭の息遣いも聞こえそうな静かな時間の中で、店主の池川 義輝さんが私の為だけに焼いて下さる。今夜はそんな贅沢さを味わいます。
今夜の献立
さび
炭を纏う。鮮烈な山葵の香りと鶏の甘みも感じられます。
かしわ♡
日に日に大きくなっているような気がする『かしわ』。歯を跳ね返すような弾力、噛みしめると溢れる脂、最後には甘みが広がります。
白玉
今ではクリームのような黄身の仕上がり。
かっぱ
周りの肉を絡めて串打ちすることで、攻めの串の1つとなってます。
砂肝
表面は艶めいて、口に入れれば弾むよう。焼き方の難しさは、串の中でもトップクラスです。
かしわ②
今度は山椒の香りをつけて。
波
首の皮。よく動かす部位なので、旨味も強い。『波』というのは、波を打っているので、言葉遊びの名前付け。
背肝♡♡
内臓の甘みが凝縮された部位が炭の香りを纏う。
食道♡
食べ終えた後もずっと口に残っているような存在感。心踊るような食感も好き。
オクラ
獅子唐よりも私は好き。
はらみ
内臓ですが、肉系とも取れるような食感。なかなかのレアな部位です。
アキレス腱
弾力のある肉に、時折感じるゼラチン質。軟骨だけでないので、肉系の部位と言えます。
銀杏
ホクホク感の中にほろ苦さがあり、美味しいと思えるようになったのは、最近かな。
手羽先の皮
先程の『波』よりは分厚く、カリカリとした焼き上がりに仕上げています。
茄子
火傷必須のトロトロ感。ハフハフしながら食べて下さい。
肩♡
神懸かった火入れ。『かしわ』よりもしっとりしているはずなのに、負けないくらいのジューシーさと弾力。素晴らしい!
合鴨♡
ジューシーさが極まりない『合鴨』。未だに山葵の有無の時が謎。
丸はつ♡♡
焼き場の熱をまだ宿していて、噛むことでそれは弾けます。命の塊。
つくね♡
今夜は特に素晴らしい。生の状態から焼かれる為によりジューシーで、肉の甘みを存分に感じられます。
せせり
先程の『波』を剥いだ肉が、この『せせり』。とろけるような食感です。
じゃがバター♡
大きさも、火入れも好み。
膝
菱形の皿で供される肉系の部位。ジューシーさと旨味が強い。
はつもと♡
食感の面白さ、内臓の甘さを味わえる大好きな部位です。
恥骨
『かしわ』『肩』、食べ比べると分かる。肉質の違い。歯が吸い付くようなしっとり感です。
血肝♡
「鳥しき」の名物の1つ。先端にはつを串打ちすることで、特大のレバーを固定しています。口の中でトロリと溶けるレバーは素晴らしいの一言です。
厚揚げ♡
今夜は特に凄い。炭の熱をこの『厚揚げ』にぎゅっと閉じ込めたよう。
そり
今夜はここで肉系のボスが登場です。
椎茸
そこらへんの肉よりもジューシーな椎茸。
ちょうちん
看板的な串ですが…。アレを知ったら…。
ぼん
ポピュラーな部位ですが、あまりここでは見ないかも。『お弁当』には入ってますけどね。
エリンギ
コリコリとした食感を楽しめるような串打ちはさすが。
手羽先
骨の周りの肉まで綺麗に食べる為に、ここは手掴みで。すぐにおしぼりを差し出してくれるホスピタリティも素晴らしい!
スープ茶漬け♡
『親子丼』が有名ですが、これも絶品。中に入れるご飯は炭火でおこげを作り、カリカリとした食感に。具としてささみが入っており、スープの熱で半生状態にしています。
お弁当♡
「鳥しき」の味を家でリフレインできる『お弁当』。レンジで温めてもいいのかもしれませんが、ここはあえてそのままで。うーん、冷たい状態でもやはり美味しい。鶏そぼろの部分はご飯としっかり馴染んでおり、肉の部分はタレを少しかけて食べると、とてもよく合います。
年内最後の「鳥しき」として、悔いのない素晴らしい内容でした。来年の7月頃には、この味を伝える為と弟子が活躍できる新しい場所として、ニューヨークに出店するそうです。そうなると、気になるのは池川大将の動向ですが…どこに出店しても目黒の地からは離れないそうです。安心して、来年以降も「鳥しき」を楽しめますね。
今夜も遅くまでありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします。15450
2018.10.
trr…trr…。
電話をするにしても、受けるにしても「やっと、きたーっ!」と思うお店。目黒にある「鳥しき」に再訪。何百回と電話をかけるという苦行をしたとしても、やはり食べたいと思う「鳥しき」の焼鳥の魅力は、池川大将の火入れでしょう。今夜も大抵いつも座らせていただく席で、全てを堪能します。
今夜の献立
お通し
いつもながらにいい漬かり具合です。
さび
ほんのり火入れされたささみは炭の香りと山葵の鮮烈さを身に纏う。
肩 ♡
腿肉よりもしっとりとしているはずなのに、ブリンっと弾けるような弾力。久しぶりに、ちょっと驚いた。
手羽先の先の皮
『波』とは違い、カリカリに焼かれており、食感の先にある甘みがいい。
白玉
黄身はまるでクリームのような滑らかな舌触り。炭の火入れで、仕上げているのかな。
食道 ♡
食道とは言え、その周辺の部位も串打ちすることで食感と甘さが映えます。素晴らしい串です。
丸はつ ♡
焼き上がりが難しいと感じる部位ですが、温い部分なんて全くありません。ほとばしる脂と旨味がいつまでも熱を帯びています。
つくね
粗く挽かれた肉から溢れる肉汁、時折感じる軟骨のコリコリ感。生から焼くからこそのジューシーさ。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、はらみの部位も一緒にしていることで、この串は更に輝きを増しました。
砂肝
サクサクと心地よく、口の中で跳ね回ります。
銀杏
ホクホクした食感で、甘みと苦みも感じられます。
かしわ ♡
跳ね返すような素晴らしい弾力という食感。噛み締める度に溢れる肉汁。今夜は特に素晴らしい。
血肝 ♡
先端をはつで止めた桃色の特大レバー。口に入れれば、トロリととろけます。
腺胃 ♡
「鳥しき」の中でも、超々レアな部位。ゆっくりと歯が入っていき、その度に肉汁が滴り落ちます。食べ終えても、いつまでも口の中にあるような存在感は随一。
アキレス腱
アキレス腱だけでなく、その周りの肉も一緒にすることで肉々しさも生まれています。
はらみ ♡
最近はあまり出逢えなかった部位。サクッとした食感もあり、クニュっとした食感もあり、想像よりも脂っこくありません。
はつもと ♡
内臓は甘さ。このことを教えてくれる部位。レバーとはつのいいとこ取りのような美味しさがあります。
せせり
何故、ここのはとろけるような仕上がりなのだろう?肉系の部位はそれぞれ違った味わいが顕著に出るので、鶏の奥深さを感じられます。
厚揚げ ♡
表面には焦げもなく、中は激熱。池川大将の火入れは、今夜も神ががっています。
合鴨 ♡
ここまで分厚い合鴨は、なかなか出逢えない。山葵も効かないほどに、濃厚な脂が味わえます。
波 ♡
表面と中心部の食感のコントラストが素晴らしい。
恥骨
肉質は一番きめ細かで、しっとり感の中にもプリンっとした食感もあります。軟骨も柔らか。
手羽先
焼鳥の花形であり、大抵はこの部位が出されるとコースが終了というイメージですが、私の場合はここからボーナスステージに入るみたいな。豪快に手掴みで食べるのが、正解です。
じゃがバター ♡
小さなじゃがいもは、串にピッタリ。もっと大きくても、個人的には嬉しい。
ぼん
表面をカリカリに、中心部はコッテリと。良いところばかりをフューチャーしたような仕上がり。
椎茸
椎茸のジューシーさを閉じ込めた焼き上げ。ありふれた椎茸すらもご馳走です。
茄子
火傷必須のトロトロ加減。
背肝 ♡
そっと出してくれる池川大将の優しさに感謝。見る人が見れば分かる超レアな部位。内臓の甘さを感じるには、この部位が秀逸でしょう。香りすらも甘い。
膝
肉質は腿肉よりもしっとりとしており、味わいが濃い。肉系では唯一、菱型の皿で供される部位です。大抵は最後の方に出されるので、食べてみたい方はリクエストを。
そり
腿の付け根の部位で、「愚か者はそれを残す」という意味のフランス語に由来する部位です。筋肉の塊なので、弾力と食べ応えがあり、皮・脂・肉の三拍子が揃った旨味があります。
そぼろ丼 ♡
白醤油?で炒って作られた鶏そぼろをたっぷりの海苔と一緒に。最近は『親子丼』よりもこちらの方が好き。
鶏スープ
濃度は低めで、味わいも濃くはないので、旨味のみを味わえるスープ。
今夜はいつもより手早く提供して下さり、ありがとうございました。忙しい中で供された『肩』『食道』『丸はつ』『かしわ』は、特に素晴らしい火入れで感動しました。23時に近づく頃からは、炭の息遣いも聞こえるほどに静かになり、滅多に見れないような雰囲気に。唯一心残りがあるとすれば、もし『ちょうちん』があったら、私が知っている限り全ての串(野菜串以外)を食べていたのに…ということかな。それでもかなりレアな部位の数々をそっと出してくれた池川大将の思いやりに大感謝です。
今夜も遅くまでありがとうございました。次回は年末、また宜しくお願いします。12500
2018.8.
入り口にある風鈴が夏らしく風に唄う今夜の「鳥しき」は、某店の店主さんといつもの『食べ尽くし』に挑戦です。
本日の献立
さび
ファーストアタックは、炭と山葵の香りから。
かしわ
味付けはタレですが、噛みしめる度に肉の味わいが口に広げていきます。
つくね
生の状態から焼き上げるので、まずは網の上で表面を焼き固めます。なので、すごくジューシーな仕上がりです。
かっぱ
最近、お気に入りの部位。軟骨だけでなく、その周りの肉も絡めていることで実に美味しい。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ!温いところなど一切なく、サクッとした歯切れを楽しんだ後に広がる内臓の甘み。いつもながら、感動の一串です。
白玉
黄身はやや半熟で、クリーミーな仕上がり。
波
表面はパリッと、中心部はもっちりとした皮。どのお店にもある部位だからこその違いを楽しめます。
砂肝
サクサク食感。焼き上がりの見極めが難しい部位。どうやって池川大将が見極めているかを見ているのも楽しみです。
肩
かしわ(腿肉)よりもしっとりとした部位。噛みしめると、甘さが広がります。
手羽先の先の皮
先程の波(皮)と違って、かなり分厚い。カリカリに焼かれています。
獅子唐
定番の野菜串。実はさほど好きではなかったり…。
合鴨 ♡
鴨好きにはたまらない食べ応えのある合鴨です。山葵が乗る時と乗らない時があるのは、謎。
トウモロコシ ♡
夏の野菜串。醤油の香ばしい香りと味わいがたまりません。
食道 ♡
レアな内臓串。サクッ、クニュといった独特の食感も楽しめ、内臓の甘さが映えます。
銀杏
定番の野菜串。
はつもと ♡
はつとレバーの食感を合わせたような部位で、これほど内臓の甘さを感じられるものはありません。
血肝 ♡
「鳥しき」の看板串の一つ。今夜の火入れも素晴らしかったです。
ちょうちん ♡
バラして焼き上げるという池川大将独自の手法のちょうちん。拘っているからこその美味しさがあります。
ぼん
カリッと焼き上げたぼんじり。私はいつも大根おろしを乗せて食べています。
厚揚げ ♡
表面には焦げなどなく、中身は熱々。神がかった火入れです。
椎茸
定番の野菜串の中では、一番好きかな。
アキレス腱
これも相当レアな部位ですが、最近は意外と出逢えています。かっぱよりも、もっと確りとして食感があります。
手羽先
この部位が供されると、そろそろ終わりかなーと思います。焼鳥の花形の部位で、塩味なので鶏の旨味が存分に味わえます。
膝
肉系の部位の中では、よりジューシー。かなりのボリュームもあります。
そり ♡
腿の付け根のあたり。濃厚な旨味が楽しめる素晴らしい部位です。
そぼろ丼 ♡
最近はハーフにして、2種食べてます。味付け・食感ともに素晴らしい丼です。
親子丼
出汁を楽しむ丼で、もう少し半熟ならば飲めるような感じに。
鶏スープ
濃度は濃厚ではなくて、じんわりと身体に染み渡ります。〆に相応しい味わい。
今夜も約4時間、実に素晴らしいものばかりでした。裏メニュー的な『焼きおにぎり』が7月で無期限停止だそうなので、残念。でも池川大将の鬼気迫る焼きを見ていると、無理もないなと言うのが正直なところ。
いつもいつも遅くまで、本当にありがとうございます。次回は10月、また宜しくお願いします。12550
2018.6.
夜風に吹かれながら、今夜も2回転目の入店となる目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。席につくと、「いつもみたいな感じでよろしいですか?」と聞かれ、勿論と頷くそのいつもみたいな感じとは、「鳥しき」で使用している伊達鶏を丸々一羽味わうような食べ尽くし。今夜は何時間かな?
今夜の献立
さび
挨拶がわりの串は、炭と山葵の香りを纏って供されます。
血肝 ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つ。おそらくは、みんな食べたいはず。
ぼん
余分な脂は落とされ、濃厚な旨味だけを閉じ込められた逸品。
白玉
行き始めた頃よりは半熟ではないけど、やや半熟の白玉。
膝 ♡
菱型のお皿で供される肉系の花形。かぶりついた後、是非とも断面を見てほしい。惚れ惚れするようなロゼ色です。
丸はつ ♡
その名の通り、はつを丸々焼いたものですが、この火入れは素晴らしいの一言です。
かしわ ♡
タレでコーティングされた肉は、噛みしめる度に旨味が溢れてきます。
つくね
軟骨を練りこんだ柔らかい生のつくねなので、初めは網を使って、表面を固めてから本格的に焼いていきます。
食道 ♡
クニュ。コリ。クニュ。楽しい食感と滞空時間の長い味わいの余韻が素晴らしい。
銀杏
かっぱ ♡
黒胡椒の刺激と軟骨の周り濃厚な肉が実に美味しい。最近のお気に入り。
獅子唐
波
他店でも必ずある部位なので、火入れの違いがよく分かると思います。表面はパリッと仕上げ、中心はモチモチとしています。
恥骨
肉はふわりと柔らかく、軟骨の食感が時折感じる珍しい部位。
手羽先の先の皮
波とは違い、タレの味わい。皮は分厚くカリカリに焼かれており、甘さすらも感じます。
砂肝
色の変化が乏しいために、焼き上がりの目安が難しい部位。池川大将は砂肝を焼き台に当てることで、その跳ね返り具合で見極めているようです。
肩
かしわとは違い、しっとり感の中で鶏の旨味が溢れます。
厚揚げ
神懸かった火入れを感じられる厚揚げ。ハフハフしながら、食べて下さい。
合鴨 ♡
厚みもあり、旨味も脂もギュッと閉じ込められた合鴨。これで、冬は真鴨とか焼いてくれたら完璧。
せせり
口の中でとろけるようなせせりは、串を持ち上げるだけで脂が滴ります。
じゃがバター
誰もが大好きじゃがバター。野菜串の中で供されると、嬉しい。
はつもと ♡
はつとレバーのいいとこ取りのような食感で、内臓の甘さを実に感じられる素晴らしい部位。
ペコロス
芯まで確りと火入れされており、甘さも引き出されています。
背肝 ♡
トロトロにとろける舌触りと濃厚な脂と内臓の甘さ。実に美味しい。出会えたならば、ラッキーと言える部位です。
鶏スープ茶漬け ♡
〆ご飯の1つですが、遅くなりそうなのでここで登場。中にあるご飯は香ばしく焼かれたお焦げで、具として鶏刺しも入っており、完成度の高い逸品です。
手羽先
焼鳥の花形的な部位。手づかみで豪快に食べて欲しい。そして、直ぐにおしぼりが供されるホスピタリティはさすがです。
椎茸
茄子
そり ♡
最近はトドメの肉系串として供されることが多くなりました。ここまで届かない方は、是非リクエストを。
エリンギ
焼きおにぎり ♡
表面に鶏油?を塗りながら焼かれることで、バリバリとして食感になり、中はふわりとした焼きおにぎり。兎に角、時間がかかるので食べたい場合には、来店してすぐに注文することが必須です。
鶏スープ
片手で焼きおにぎりを食べ、時折スープを啜る。素晴らしいマリアージュです。
ちょうちん ♡
池川大将も分かっていた〆の逸品。この特殊な焼き方は、必見です。熱いはずなのに、熱くないように見えるのは不思議。
今夜は、たいていは席が空くような23時台でも満席状態だったので、今までで最長の5時間!となりました。でも鶏で満たされた感もあり、大満足な夜です。
池川大将、いつもいつもありがとうございます。また宜しくお願いします。12700
2018.4.
友達に誘われて、初の同月に2回目となる「鳥しき」。本日もラストまでいること間違えなしの21時入店です。
本日の献立
お新香
昔はコレでお酒を飲むのが好きでした。
さび
挨拶がわりの『さび』は、炭の香りと鮮烈な山葵の味わいに絶妙な火入れを楽しめます。
かしわ ♡
噛み締める度に溢れてくる肉汁は、鶏の旨さが際立ちます。
かっぱ ♡
最近、お気に入りの部位。軟骨に絡むように串打ちされている肉は濃厚で美味しい。
食道 ♡
シャコシャコとした独特の食感で、タレでコーティングされた旨さが溢れてきます。
白玉
やや半熟加減の黄身は、ねっとりと舌に絡みます。
ぼん
ちゃんと骨も外されていて、食べやすい。私は大根おろしを乗せていただきます。
はらみ ♡
濃厚な脂と適度な歯応えがあるこってりとしたレアな部位。
肩
軟骨のコリコリ感、プルプルとした肉の食感、濃厚な味わいが『かしわ』との違いを楽しめます。
砂肝
この部位に関しては、食感が命。
手羽先の先の皮
同じ皮でもこれは分厚くて、濃厚。ちょっとカリカリに焼かれているのが美味しい。
せせり
他店で食べる同部位でも、「鳥しき」のはとろけるような食感です。
血肝 ♡
来る度に串の真ん中に刺さっている部位が大きくなっている気がします。クセのないとろける濃厚さは、スペシャリテに相応しい。
アキレス腱
これも最近のは肉も串打ちされているので、バリバリとした食感だけでなく、ジューシーさもあります。
獅子唐
炭の香りを纏うだけでも美味しさが変わります。
銀杏
皮ごと焼いて中まで火が通ったら、皮を剥き、また軽く焼き上げます。
波
表面はカリッと、中はもっちりとした火入れの違いが感じられる部位。
合鴨 ♡
ジューシーな肉に鮮烈な山葵の香りがたまりません。ジビエの季節には、真鴨とかやってくれないかな?
厚揚げ
今夜も池川大将の火入れは、神懸っています。
ペコロス
じっくりと火入れされるペコロスは、甘さが際立ちます。
はつもと ♡
見たことないほどに特大のもの。ハツとレバーのいいとこどりみたいな部位。
手羽先
手で豪快に食べることを推奨します。焼鳥の花形的な部位です。
じゃがバター
食べる時にはバターがじゃがいもに染み込んで最高です。
茄子
ヤケド注意のトロトロ加減。
ちょうちん ♡
今夜も卵黄は特大のものです。大将の拘りを感じる焼き方も必見です。
膝
肉々しい中にも、時折軟骨の食感が忍んでいて食べ応えあります。
そり
肉系の部位の王者とも言える部位で、確りとした肉質に驚くでしょう。
親子丼
〆は親子丼。しかし今夜のは白身が完全に固まってしまっていて、好みではなかったです。
焼きおにぎり ♡
前回から次に来た時には食べようと決めていて、入店してすぐに注文しておきました。脂とタレを交互につけながら、じっくりと焼かれる『焼きおにぎり』は尊いの何ものでもないです。
鶏スープ
『焼きおにぎり』とこのスープを交互に食べながら〆る「鳥しき」も素晴らしい。
今夜も長居させていただきまして、ありがとうございます。やはり、いつ食べても何度食べても美味しいものは美味しかったです。
また宜しくお願い致します。
2018.4.
最近はいつも電車の時間を気にしなくていいように、車で訪れている目黒にある「鳥しき」。ところが当日はまさかの大渋滞!そんな日に限って、予想以上に早く女将さんからお電話をいただき、間に合いそうかな?と思っていたら、今度は通行止め!色々なトラブルにあいながらも、お電話を受けてから1時間後にやっと着いたお店。池川さんに謝罪したら、逆に謝られた。何故だ?
本日の献立
さび
挨拶がわりの串は、鮮烈な山葵の中にある鶏の甘さと火入れの素晴らしさを味わえます。
かしわ ♡
タレですが、その味で誤魔化すわけではなく、旨味を閉じ込めるコーティングのような感じ。鶏が!鶏が美味しい!
かっぱ
軟骨のコリコリ感もいいですか、間にある肉が好き。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ。大きさが違うなれど、温いところなんて全くありません。食べ終えた後、鼻に抜ける香りまでも美味しい。
砂肝
サクサク♪サックサック♪心地好い嚙み音。
合鴨 ♡
ここまで分厚いと、とてもジューシーで美味しいなぁ。
はつもと ♡
レバーと心臓をつなぐ部位。食べると、きっと驚くでしょう。この内臓の甘さに。
芽キャベツ
旬の野菜。苦味の奥にある甘さがいい。
じゃがバター
野菜の中では鉄板の美味しさ。時間がかかるので、早めの注文がベターです。
食道 ♡
独特の食感と濃厚な脂、そして甘みが口の中で一体となります。内臓は甘いということを教えてくれます。
膝
菱型の皿で供される何ともボリュームのある部位。しっとりとしながらも、ジューシーな旨味が溢れます。
白玉
黄身はやや半熟。昔はもっとトロトロだったけど、最近はこのくらいみたい。
銀杏
もちもちとした食感で、美味しい。
波 ♡
つまり、皮。他店でも絶対にある部位なので、その違いがよく分かるはず。表面はパリッと、中はもっちりとジューシー。私は上に大根おろしを乗せて、いただいています。
ぼん
食べ応えのあるボリュームで、濃厚な旨味と脂が楽しめます。
つくね
この串には、是非とも卓上にある山椒をかけていただきたいです。香りがふわりと華やぎます。
アキレス腱 ♡
出逢えたならば、ラッキー。昔よりも肉々しくなっています。
血肝 ♡
「鳥しき」の名物串。薄皮一枚で形を保っているような感じで、口に入れた瞬間にとろけます。
厚揚げ
火入れの素晴らしさが光る料理。
背肝 ♡
甘さと脂が映えるジューシーさ。グロテスクな見た目ですが、精巣も串打ちされたなかなかレアな部位です。
ちょうちん ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つと言っても過言ではないでしょう。今回も卵黄の大きなものを焼いていだだきました。
手羽先
皮目はパリッと焼かれて、肉はとてもジューシー。豪快にかぶりつくのが1番です。
エリンギ
これも食感を考えて、串打ちしてあるなぁと感心させられる串です。
腺胃
とてもレア部位。こってりとして、どっしりとした濃厚さがあります。「鳥しき」の中で、一二を争うくらいの濃厚さはいつまでと口の中を支配します。
オクラ
結構、ぬるぬるしたものは好きです。
そり
肉系の王者ですね。皮もあるので、実にジューシーで美味しい。
ペコロス
このペコロスは、実に手間がかかる串だと思います。もしも池川さんの焼き場を見れる位置に座っていたならば、是非見て欲しいです。
鶏スープのお茶漬け
何気に初めて食べる〆料理。中に入れられるご飯は平らにして焼かれているので、スープの中でお焦げのような感じになり、これがまた美味しい。『親子丼』の人気に隠れていますが、素晴らしい完成度です。冬場はこれがベストかな。
今日は実に夢のような夜でした。私が昼間に行ったお店の店主が来店してきたり、何故か夜遅くには客入りは数人になったので私も昼間に会った友達を呼んだりして。かなーり遅くまで滞在させていただきました。ありがとうございます。
次回は、6月。また熱き池川さんの姿を見させていただきます。
2018.1.
ここ数ヶ月、日曜日の営業が隔週くらいになってしまったので、日曜日の予約席はよりプラチナ感が増した目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。今夜も2巡目スタート、オーダーはいつも通り。
入店して、まずは池川大将達に新年の挨拶。座ると、銀座の鮨店の親方もいらして、突然のご挨拶。こういうお店なので、芸能人や著名人も出逢ったことはありますが、お互いに面識のある方は初めてです。
今夜の献立
さび
変わらずに素晴らしい火入れ。山葵の香りも鮮烈です。
かしわ
弾むような弾力の肉の旨味をコーティングするようなタレの存在。挨拶がわりのタレ串は、最高です。
波
表面はパリッと、中心部はムッチリとしたコントラストのある火入れは、素晴らしい。
かっぱ
軟骨のコリコリ食感もいいですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
砂肝
胡麻油香り、黒胡椒のピリリとした刺激の中で、サクサクと心地よく歯切れます。
つくね
卓上には七味・山椒があります。是非、この串には山椒をちょっとかけて食べてみて。山椒の爽やかな香りとタレが凄くよく合いますよ。
食道
滑らかに、ねっとりと、時折シャクシャクとした食感。コッテリとした脂も美味しい。
銀杏
はつもと
内臓系の串の中でも、かなり好き。サクサクと心地よく歯切れ、後味は濃厚な旨味と鶏の甘味。このお店に通う理由の一つは、内臓が美味しいから。原点を思い出させてくれる串です。
白玉
初めて食べる方は、きっと驚く。この半熟さ加減に。
丸はつ
昔は普通の「はつ」があり、この串は知る人ぞ知る裏メニュー的な存在だったのですが。まあこちらの方が人気でしょうね。
アキレス腱
このお店でも、かなりレアな串。昔よりも肉っぽくなって、バリバリとした食感だけではないです。
せせり
最近気に入っている串で、ここの『せせり』はとろけます。
合鴨
鴨好きなので、食べ応えのあるこのボリュームは大好きです♡この季節ならば、合鴨じゃなかったら、なおいいのだけど。
血肝
このお店のスペシャリテ。薄皮で保っているようなトロトロ加減。レバーの概念が変わる串です。
手羽先の皮の先
先程、食べた『波』よりも厚くて、濃厚な脂が特徴的。
背肝
見た目はグロテスクですが、極上のトロトロ感と濃厚な旨味があります。通常だと、なかなか出てこないかも?食べたい時は、大将にリクね。
膝まわり
串でなく、菱皿で供される部位。白髪ねぎは胡麻油が香り、皮のパリッとした食感と食べ応えのある肉とゼラチン質がたまらない。
厚揚げ
表面には焦げはなく、中は温い。焼かれたことが分からないほどに綺麗。池川大将の火入れの素晴らしさ。
ぼん
ここのはちゃんと骨を外しているので、とてもいい。大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
そり
腿の希少部位で、肉系の串では最高峰ではないでしょうか。大きいので、一口で食べるには難しいかもですが、口いっぱいの口福を味わえます。
茄子
極上のトロトロ加減。
ペコロス
茄子がトロトロ感ならば、これは極上の甘味。
手羽先
個人的には焼鳥の花形だと思っています。豪快に手で持って、骨の周りの肉を確りと食べ尽くしましょう。
ちょうちん
これも名物の一つで、〆に食べる方も多いでしょう。プツンと音を立てて弾ける卵黄のコクは、口福の始まりです。
椎茸
じゃがバター
野菜の中では、1番好きかな。
肩
『かしわ』よりもしっとりで、上品なジューシーさがあります。
エリンギ
今夜の〆。堪能した〜。
親子丼ハーフ
「鳥しき」の〆ご飯は、5種。1番人気は、やっぱりコレでしょう。出汁の味わいが強く、安定した美味しさ。
そぼろ丼ハーフ
今更気づいたのですが、「ハーフにすれば2種食べれるじゃん!」ってことで、そぼろ丼も。
鶏スープ
じんわりとした鶏の出汁。今夜の味付けは、薄めだったなぁ。
約3時間、今夜も食べた〜。レアな串も取っておいて下さったのかな?私の知る限り、未食串は2種くらい。「鳥しき」の全てを堪能したといっても、過言ではないでしょう。
今夜もご馳走さまでした。今年も宜しくお願い致します。
2017.12.
年末のご挨拶を兼ねて、目黒にある名店「鳥しき」へ再訪。今回も2巡目の時間制限なしなので、いつものように「一通り」のおまかせです。
今夜の献立
お通し
いつものお新香。
さび
いつもの「鳥しき」のスターター。素晴らしい火入れと鮮烈な山葵の香りが鼻をくすぐります。
かしわ
見た目でも美味しい焼鳥と思えるビジュアル。ジューシーでもあり、しっとりとした味わいもあります。
ぼん
久しぶりに食べた「ぼん」。こんなにも食べ応えがあっただろうか。美味しい♡
丸はつ♡
胡麻油と黒胡椒のパンチのある名物的な串。串を持ち上げるだけで、肉汁が滴り落ち、噛み締めれば、その肉汁が溢れ出します。
食道♡
独特の食感と滴る脂が交互に織りなすハーモニーのある串。タレはコーティングという意味がこの串から分かるはず。
銀杏
波
波のように折り重なった皮は炭の香りを纏い、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
つくね
ややしっかりと挽かれた肉は、とてもジューシー。卓上の山椒をかけると、より香りが華やぎます。
はつもと♡
今回のはつもとは、特に素晴らしい。とろけるような食感に、程よい歯ごたえ。タレ味ながらも、肉の味わいがちゃんとする素晴らしい。
オクラ
血肝♡
「鳥しき」の看板串。まずはこれが食べたいと思う方も多いはず。大きく切ったレバーをとろける火入れで仕上げています。
背肝♡
とろりとした食感で、味わいは極濃厚。ちょっと見た目がグロいけど、実に美味しい。
かっぱ
所謂、軟骨。でもこの軟骨に張り付いている肉が美味しい。
手羽先の先の皮
さっき食べた波(皮)よりも厚く、より濃厚。それを表面をパリパリに仕上げて、噛み締めると脂が溢れてきます。
合鴨
食べ応えのある極厚の合鴨。それでも柔らかく、とろけるような肉質。
厚揚げ
神の火入れの宿る料理。
せせり
ここの『せせり』は、何故とろけるような肉質なんだろう。飲み物のような串です。
恥骨
このお店の中では、新しい部位。同じお尻の部位だと『ぼん』がありますが、味わいは真逆。
肩
『恥骨』よりはしっとりしており、鳥でも部位より味わいが異なることを再認識。
ちょうちん
プツンと音を立てて、卵黄のコクが口の中で広がっていく。このお店のスペシャリテの一つ。
じゃがバター
何気に好きなこの串。池川大将の火入れの素晴らしさが分かります。
膝まわり♡
串ではなく、菱型の皿で提供される部位。ジューシーな肉質とゼラチン質のハーモニー。
そり♡
腿の付け根にある部位で、弾力のある肉質と食べ応えのある大きさがたまりません。
エリンギ
茄子
腺胃
このお店でもかなりの希少部位。特に今回のは大きく、むっちりとした歯ごたえと舌にまとわりつくような濃厚な脂が◎。
手羽先
焼鳥の花形とも言える串。皮のパリパリ感と骨の周りのジューシーさが美味しい。
白玉
大将が忘れていた串。最後に出して下さいました。
そぼろ丼
今回の〆は、そぼろ丼。親子丼も美味しいけど、このそぼろもご飯によくあって美味しい。
鷄スープ
最後は熱々のスープ。このスープをそぼろ丼にかけて食べても美味しいかも。
今回も約3時間半と「鳥しき」の味を堪能致しました。途中から隣にいらした方と情報交換などできて、新しい名店の扉も開きそうです。
来年も早々から予約済みですので、今から楽しみです。来年も宜しくお願い致します♡
2017.9.
生温い風が風鈴を鳴らす季節になりました。そんな風鈴の音を聞きに、目黒にある「鳥しき」へ。
今夜も『一通り』で注文です。
今夜の献立
お新香
最近は諸事情でやっていませんが、白ワインと合わせるのが好きです。
鶏そぼろ
あることは、かなり前から知っていたのですが、注文したのは初めて。〆の『鶏そぼろ丼』のお摘みバージョンです。薄めの味付けなので、単体でも美味しい。
さび
挨拶がわりの串は、やはりコレ!
かしわ ♡
タレ味ですが、コーティングのような感じなので、鶏肉本来の味と脂が味わえます。食べ終えた後も余韻が続きます。
線胃 ♡
かなりのレア串。持つだけで、脂が滴り落ちます。シャコ!シャコ!といった食感の後に、ジワリと濃い脂が溢れ出します。
砂肝
シャクシャクした食感がたまらないです。
白玉
食べてみると、分かる。ちょっとしたサプライズの串。
食道 ♡
独特の食感と余韻が続く脂の旨さ。私の好きな部位の一つです。
恥骨 ♡
腿肉よりもしっとり、胸肉よりもジューシー。ゆっくりと味わうべき部位です。
かっぱ
いわゆる軟骨ですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
波
表面はカリカリ、内側はモチモチしているので、ずっと噛んでいたくなります。
はつもと ♡
独特の食感を楽しみながら、噛むたびに溢れてくる脂と甘さが秀逸。
アキレス腱 ♡
これもレア串の一つ。確りとした歯応えの中にある肉の味わいが好き。
せせり
他店の同じ部位よりも、柔らかでジューシー。
手羽先の先の皮
先ほど食べた『波』よりもこってりとしていて、弾力があります。
血肝 ♡
「鳥しき」といえば…ってくらいに有名な部位。今夜のは、特別に大きかったです。
獅子唐
他店と比べたことないですが、普通でしょう。
トウモロコシ
夏の「鳥しき」の名物。何気に楽しみだったりします。
丸はつ ♡
最近はメジャーになった部位。はつがお好きならば、是非!
銀杏
さほど好きではなかったですが、このお店で好きになりました。
背肝 ♡
久しぶりに味わえました。独特の食感、滴る脂と甘さが素晴らしい部位です。
合鴨
これも久しぶり。食べ応えのあるボリュームです。
膝まわり♡
確りとした肉質とその周りにあるゼラチン質が楽しめます。ガブッと食べると、その両方が味わえて◎。
手羽先
焼鳥店の中でも最も食べ応えのある部位ではないでしょうか。パリパリの皮とジューシーな肉がたまらないです。
茄子
実は初の串。この茄子、すごい!何度も串の位置を変えながら、じっくりと焼かれた表面は確り、中はトロトロ♡
つくね
ふわりとした柔らかさの中で、時折感じられる軟骨のコリコリ感がいい。
厚揚げ
池川大将の火入れが1番よく分かる串。是非、他店と比べてみて下さい。
そり ♡
肉系が好きならば、必食の串です。
椎茸
絶妙な塩加減と椎茸汁が美味しい。
ぼん
是非、大根おろしを乗っけて食べてみて。実に美味しいですよー。
ちょうちん
〆はコレ!卵黄が大きいのを取っておいてくれたみたいですが、割ってしまったそうなので、今夜は小さめ。
親子丼 ♡
〆のご飯物。卓上にある山椒を少しかけると、香りが華やぎより美味しい。
鶏スープ
鶏がら何羽分なんでしょう。濃厚ながらも、ホッとする味わいは最後にぴったりですね。
今夜も無事に『一通り』、頑張りました。私が知っている部位で供されなかった(今夜はなかった)のは、『肩』『ハラミ』くらいですかねー。池川大将に感謝です。
とりあえず、今年の予約はもうないのですが、12月or1月は行きたいなぁ。
ご馳走様でした。また宜しくお願い致します。
2017.6.
久しぶりの2カ月連続での「鳥しき」。2回転目ですが、今回も時間制限がないので、一度やってみたかったことを決行です。
「nao.さん、いつものような感じでいいですか?」
「今日は食べ尽くしで、お願いします!」
「!…分かりました。堪能して下さい!」
という感じでスタートです。
今夜の献立
さび
肩肉
弾むような肉質で、噛みしめるとジュワリと肉汁が溢れます。
手羽先の皮 ♡
厚みがあり、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
かっぱ
丸はつ ♡♡♡
胡麻油の香りとスパイシーな黒胡椒。はつの弾む肉質は、丸々だからこそダイレクトに味わえます。
食道 ♡♡♡
ねっとりとした食感の中で溢れてくる肉汁は、後後味も美味しい。
白玉
獅子唐
かしわ ♡♡
焼鳥店の看板の串。今回はここで登場です。
砂肝
血肝 ♡♡♡
先端をはつで止めている独特のスタイルは、中心にある特大のレバーをしっかりと固定する為。絶妙な火入れで、とろけます♡
膝肉 ♡♡
串ではなく、別皿で供されます。皮はカリッとして、肉はジューシー。胡麻油をかけられた薬味の葱と一緒に食べれば、更に美味しい。
そり ♡♡
「鳥しき」の正肉の中では、一番なのではないでしょうか。一口では食べれない程に大きく、噛みしめるのが楽しいくらいの弾力があります。
せせり
味付けは極僅かなので、肉汁が甘い。
ちょうちん ♡♡♡
心地よくプツンと口の中で弾ける卵黄は、絶妙な火入れ。
銀杏
手羽先
ダイナミックな串なので、是非手づかみで綺麗に食べきってね。
はつもと ♡♡♡
はつとレバーの中間のような食感に溢れてくる肉汁。
厚揚げ ♡
何気ないメニューですが、これが火入れの素晴らしさを感じられます。
アキレス腱 ♡
「鳥しき」の中でも、かなりのレア串。しっかりとした歯応えで、噛むのが楽しい串です。
じゃがバター
恥骨 ♡
これもレアな串。お尻周りの軟骨で、とても柔らかくしっとりとして美味しい。
ぼん
波
小玉葱
親子丼(小)
出汁を味わう親子丼。〆のご飯物では、ダントツの人気ですね。
鶏スープ
3時間半という長丁場。これでも食べていない串や〆のご飯物はありますが、久しぶりにこのお店を堪能しました。どれだけ有名になっても、当初から変わらないクオリティとホスピタリティは、このお店の一番のウリだと思います。ますます予約困難になっていますが、できる限りずっと通いたい大切なお店の1つです。
今夜もご馳走さまでした。
夜風がまだ少し肌寒い日、今年初となる「鳥しき」へ。今夜は食べ歩きで有名な方と有名店の店主さんのお隣で、いただきました。久しぶりでしたが、池川大将はちゃんと私のことを覚えてらして、少し安心。
本日の献立
さび
挨拶がわりの串。相変わらず、火入れは素晴らしい。
かしわ♡
お店の看板串。ジューシーな肉汁に、適度な歯応えが心地よい。
はつもと♡
シャコシャコした食感の中で溢れる肉汁。
砂肝
そり♡
なんとも食べ応えのある串。パリパリの皮に包まれたモモ肉は、とてもジューシーで噛みしめる度に溢れる肉汁に溺れそうです。
白玉
手羽先の皮♡
通常の皮(波)に比べ、厚くて歯応えも強い。皮がお好きならば、是非この部位を食べていただきたいです。
つくね
手羽先
血肝♡
看板串の1つ。これを食べたい方も多いのではないでしょうか。先端のはつで、大きなレバーを止める串打ちをしてあり、とろける感じがたまりません。
かっぱ
厚揚げ♡
大将の火入れの素晴らしさは、この串が一番分かりやすいと思います。
せせり
よく見かける部位ですが、このお店のは柔らかく、微かな歯応えがあります。
膝♡
これも肉の部位が好きな方は、是非食べていただきたい。肉汁は濃く、食べ応えもあり、素晴らしい部位です。
じゃがバター
何気に好きな串。焼きに時間がかかるので、食べたい方は早めのオーダーがポイントです。
ぼん
最近は大根おろしを乗せて食べるのが、私のスタイルです。
食道♡
脂もあり、食感も楽しめる素晴らしい部位です。
丸はつ♡
定番化してきたレア串。丸々のはつは食べ応えもあり、噛みしめると肉汁がほとばしります。私的には『血肝』『ちょうちん』と共に食べていただきたい串です。
ちょうちん♡
締めはいつも看板串です。プツンと弾けるように口の中で完成する串だと思っています。
いつも電車の兼ね合いで、ゆっくりと出来なかったのですが、車で来たので最後までじっくりと堪能することができました。池川大将の行きつけのお店も教えていただいたので、そのお店にも再訪してみようかと思っています。
次回は来月。またたっぷりと堪能させていただきます♡
2016.12.
ガラリ。
「いらっしゃいま…え?」
(え?今日、予約だったっけ?)と、そんな表情の大将。
「お弁当を」と言うと、
「え?お弁当って、xxさんだったんですか?」
その瞬間、店内の視点を一斉に浴び、大将とちょろっと会話。
最近はめっきり予約が取れなくなってしまった「鳥しき」に、顔を忘れられない程度に行こうと思い、『お弁当』を買いにやってきたわけです。まあ、それ以外の試みもあったのですが…今回は失敗でしたね。
久しぶりに食べる「鳥しき」の『お弁当』の中身は、鶏そぼろ・椎茸・ぼんじり・シシトウ・かしわ・つくね・白玉で、塩味とタレ味で分かれています。お弁当なので、冷めてしまいますが、やはり美味しい。あまり知られていないかもですが、実は串もテイクアウトできるので、予約できない時はこれでもいいかなーって思っています。
来年に正式オープンする2号店の名刺も戴き、是非行ってみようかと。
2016.9.
最近、なかなか予約が取れなくて、もしかしたら今年最後になるかも?の「鳥しき」に再訪。今夜は2回転ながらも、時間制限なしで、池川大将の焼き場を見ながらゆったりと。
本日の献立
お新香
さび
かしわ ♡♡♡
焼鳥店の看板というべき部位。味付けはタレですが、決して濃い味ではなくて、鶏本来の味や脂の甘みを感じられる一串。
白玉
食道 ♡♡
砂肝
波
合鴨 ♡
丸はつ ♡♡
はつもと ♡♡
つくね
血肝 ♡♡♡
膝 ♡
アキレス腱のポン酢和え
ちょうちん ♡♡
ここまでで、3時間。久しぶりにゆっくりと食べれました。「nao.さん、食が細くなったんじゃないですか?」と心配されましたが、「 大将、かなりいただいてます 笑」レアな串を黙っていても出してくれる大将の心遣いに、今夜も感謝です。
そういえば、私の通っている鮨店の親方が食べに来られたらしい。次回、その鮨店に行った時に話してみましょう。
ご馳走様でした。
2016.7.
久しぶりに開店時間からの「鳥しき」。真っ白な暖簾と共にチリンチリンと鳴る風鈴が付けられ、焼鳥店ではあまり感じられない四季を感じさせます。店内には凛とした雰囲気が流れていて、これから忙しくなる焼場の炭が静かに燃え上がり、池川大将の登場を待っています。
本日の献立
お通し
何気なく出されるぬか漬けですが、美味しい。最近は白ワインと合わせています。
さび
スタートはこの串。山葵の洗練さがよく映えます。
血肝
この「鳥しき」の看板とも言うべき部位。先端にはハツを刺し、特大のレバーを止めています。大将の絶妙な火入れがなすプリプリ感は素晴らしい。
食道
シャコシャコした食感で、程よい脂。美味しい。
丸はつ
定番となったレア串。口にすると、一気に脂が溢れます。素晴らしい火入れ。
アキレス腱ポン酢
新メニューなのかな?大将が出してくれました。「鳥しき」の中でも☆☆☆クラスのレア部位で、しっかりとした歯応えが楽しめます。
ぼん
最近は口直しに出される大根おろしを乗せて食べています。オススメの食べ方ですよ。
はらみ
これも☆☆☆クラスのレア部位。ゆっくりと歯が入っていき、最後にシャクとした歯応えが残る。食べ終えた後も残るコッテリ感は、独特。
背肝
ちょっとグロテスクな見た目ですが、脂乗りは別格。ふわりとした食感で、時折プチっと弾けるような食感もあります。
トウモロコシ
夏の定番野菜。夜店で焼いているのとは、全く違う。大将が焼くと、ここまで洗練されるのかと思うほどに美味しい。
ちょうちん
これも「鳥しき」の名物。口の中で弾ける卵黄とそれに絡まる部位は、美味しいの一言。
白玉
持てば分かる。この鶉の卵は半熟なのです。単なる卵でも感動はあります。
はつもと<魂の一串>
これも私が好きな部位。肉の味が分かる絶妙な塩加減。美味しい。
膝
最後は膝周りの肉。かなりのボリュームがあり、しっかりとした脂と肉質は焼鳥という概念を払拭します。
親子丼
某百貨店のイベントで、数万食を売り上げた有名丼。見た目は生っぽいですが、意外とちゃんと火入れされています。
鳥スープ
飲むと唇に膜が張るほどの濃度。塩気はさほどなくて、肌にも良さそうな感じ。
今夜も他を圧倒するほどのスピードで提供していただきました。ありがとうございます。また串の本数は少なめがですが、レア部位ばかりで新しいメニューも食べることができ、満足。また宜しくお願いします。
ご馳走様でした。
2016.4.
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に定期訪問。最近は日曜日の2回転目が多く、まったりとした時間が流れ…なかった‼︎2カ月前の予約なので、先日の催事やテレビの影響はないと思いますが、23時くらいまではずっと満席が続いてました。さすがに池川親方もちょっと疲れていたかな。
本日の献立
・さび
・血肝
・波
・せせり
・かっぱ
・つくね
・砂肝
・丸はつ
・はつもと
・ちょうちん
「鳥しき」ならではの近火の強火で焼き上げ、卵黄の部分は表面が少し固まったくらいで、口に入れればプツンと弾けて絡みます。是非とも食べてもらいたい名物の串と言えます。
・膝
・そり
・厚揚げ
「本日はいつもお出ししている部位がなくて…」と仰っていましたが、私の好きな部位はあって満足です。いつもいつも限られた時間の中で、多くの串を出していただきありがとうございます。
今回は初めて座る場所だったので、親方の右手の爪を生で見たり、帰り際に最近行ったお店のことなどをちょっとお話できて良かったです。
また宜しくお願いします。ご馳走様でした。
2016.1.
新年のご挨拶をする為に予約した「鳥しき」へ再訪。でも今夜は珍しく2回転目で、21時からのスタートです。まずは、冷えた身体を熱燗で温めましょう。新年ということで、お忙しい中、池川親方からお酌していただきました。ありがとうございます♡
今夜の献立
さび
かしわ
丸はつ
やはりこの部位は、欠かせません。
腺胃
鳥の胃袋。歯がジワリと入っていき、シコシコとした食感で、かなり濃厚な味わいです。随分と通ったつもりですが、まだ未食の部位がありました。池川親方曰く、かなりのレア串だそうです。
背肝
ふんわりとし食感の中で、味わうしっかりとした脂とプチっと弾ける精巣は、私の好きな部位です。
白玉
アキレス腱
これもレアな串。前回に引き続き、いただくことができました。
波
食道
血肝
ちょうちん
はつもと
血管特有のシコシコした心地よい食感があり、脂も楽しめます。
そり
正肉が好きならば、食べて欲しい何とも食べ応えのある部位です。
鳥スープ
食後のお楽しみ。透明な中にも、唇に膜が張るくらいのコクがあります。
今夜はちょっと遅くなったので、早めに切り上げました。それでも好きな部位は十分に食べることができたし、親方や女将さんにもご挨拶できたので、満足。親方は、満足してなかったようですが(笑)
次回の予約はまだ取っていませんが、今年も何度でも行きたい大切なお店です。
2015.12.
今年最後の「鳥しき」。いつもの時間で、いつもの席でまったりと。
本日の献立
さび
血肝
皮ポン酢
食道
かしわ
波
アキレス腱
つくね
背肝
はらみ
丸はつ
厚揚げ
はつもと
恥骨
膝肉
ちょうちん
そり
親子丼
今夜はお弁当の注文が多く入っていたようで、提供がかなりスローリーな展開。さほど食べてないうちに、そろそろ帰りの時間が…。その時、ご主人が提供数に納得してなかったようで、「時間、気にしなくていいので」と延長してくれたので、レアな串ばかりいただきました。
中でも久々に食べられた『アキレス腱』や『はらみ』、『恥骨』は美味しかったです。『丸はつ』『背肝』『食道』あたりは、もう私が好きなことをご存知なので、何も言わずとも出していただけます。そういえば、他店では見かける部位がないなぁと思っていたら、実はあるみたいで、次回は食べようと企んでいます。
物腰の柔らかな女将さんとちょっと早い年末のご挨拶をして、吐息舞う夜に帰っていくのです。
次回は新年早々です。
今年もありがとうございました。
2015.9.
いつもの時間、いつもの席、違うのは感じる風の匂いが、だんだん秋めいてきたことかな。そんなことを思いながら、今夜は「鳥しき」。
ご主人に「赤坂のSの親方が、たまには入れて下さいって仰ってましたよ」と言うと、「‼︎ 行かれるのですか?」と驚かれてました。何とも、狭い世界ですね。あの雰囲気の中で、ご主人と会話するのは難しいですが、いつかは話しながら食べてみたいです。
今夜の献立
さび
血肝
食道
背肝
かしわ
白玉
つくね
ししとう
丸はつ
はつもと
合鴨
銀杏
手羽先
玉葱
ちょうちん
膝
そり
今回は、2回転目のお客さんが遅れているので、ゆっくりどうぞとのご厚意に甘え、歴代最高の滞在時間となりました。次回の予約はまだ出来ていないので、もしかしたらこれが今年最後の訪問となるかもしれません。人気店になり、非常に予約が取れなくなっていますが、また必ず再訪します。
ご馳走さまでした。
2015.6.
黒い壁に、印象的な白い暖簾がたなびき、チリンチリンと風鈴の誘いと共に、今夜も「鳥しき」が開店です。予約の名前を告げることもなく、いつもの席へ案内されます。ご主人と女将さんに軽い挨拶を交わして、今夜も堪能致しましょう。
今夜の献立
さび
始まりの串は、やはり皆一緒のようです。
血肝
相変わらず、素晴らしい火入れです。
はつもと
ここら辺から私の内臓系の献立に分岐。
食道
私の好きな部位。ちゃんと入れてくれる。ありがとうございます♡
ちょうちん
いつもは〆なんだけど、今夜は早めに出してくれました。焼きに時間がかかるので、一番最初に焼き始めてくれました。
つくね
食べ応えのあるボリュームで、美味しい。
恥骨
実は今夜の宿題メニュー。未食だった部位です。肉は柔らかくジューシーさとしっとりさを兼ね備えた感じで、かっぱよりも歯応えのある軟骨があります。
膝
小皿で供される肉系の部位。
丸はつ
たまたまなのか、今夜は串でした。丸はつ二個分♡
砂肝
ラストには珍しい部位。多く提供したいというご主人の思いを感じる一串です。
今夜は一時間という最短の時間でしたが、いつも以上のハイペースで供して頂きました。ありがとうございます♡
夏の予約はできなかったので、次回は秋頃。また宜しくお願い致します。
2015.4.
桜咲き、花吹雪が舞い散る肌寒い日、「鳥しき」に再訪。本来なら2カ月前に予約するのが常なのですが、今回は6月分を予約する際に、念のため4月分の予約状況を聞いてみると、ちょっとした隙間があったので、予約させて頂きました。1人客のなせる技です。
今夜の献立。
さび
血肝
かっぱ
食道
白玉
背肝
おくら
かしわ
ぼんじり
丸はつ
膝
そり
ちょうちん
このお店に関しては、たいていのものは食べ尽くしたと思うので、その日に感動した串の写真を載せようと思います。で、今夜の一番と思ったのは、やはり『丸はつ』かな。2つくれたのは謎ですが、嬉しい限りです。内臓系が好きなので、定番の『血肝』『ちょうちん』や希少部位の『食道』や『背肝』が供された時は、心躍りますね。
実は電話の際に「すごい短時間になってしまい、申し訳ないです」と女将さんから言われるほどに短い予約時間だったのですが、後のがキャンセルになったのでしょうか?「ごゆっくり、どうぞ」と言われたので、たっぷりと堪能できました。
次回は5月。またゆっくりできたら、いいなと密かに思っています。
2015.1.
今年の「鳥しき」初めは、めでたくも1月中にでき、新年のご挨拶をご主人らと交わすことができました。いつもは開店同時の入店ばかりだったのですが、今回は21時という初めての時間帯です。焼き場は勿論、忙しいには変わりないですが、お客さんはどこかまったりとしていて、柔らかい空気が漂っている感じ。
今夜の献立。
さび
鳥刺しがない今、その味に近いのは、この串。
血肝
レバー嫌いでも、一度は食べて欲しい串。大きく、食べ応えがあります。
食道
私の好きな部位の一つ。時折感じるシャコシャコ感がたまりません。
白玉
はつもと
私の好きな部位の一つ。心臓の付け根部分なので、くにゅとした歯応えがあります。
つくね
軟骨を練り込んだ逸品。
芽キャベツ
旬の野菜ということで、今夜は皆さんに出されてました。
かしわ
改めて、美味しいと感じた串。プリプリの弾力です。
背肝(腎臓)
久々に出逢えた内臓系最強と思っている串。トロリと、とろけます。
厚揚げ
ご主人の火入れの素晴らしさをダイレクトに感じられるのが、これだと私は思っています。
丸はつ
今夜は2つですよー♡あまり教えたくない部位です。
かっぱ
ここら辺から、肉系。
波
皮といっても、侮るなかれ。
膝
皮目はパリッとしていて、肉の部分はジューシー。食べ応えがあります。
そり
最近は多くのお店で見られるようになりました。腿の付け根部分。肉系最強です。
ちょうちん
今回は卵黄の部分が大きすぎて、外れてしまうとのことで、別皿で提供。やはり〆は、この串です。
もうご主人は、私が内臓系が好きということを知ってらっしゃるのでしょう。レア内臓系ばかりです(笑)しかも遅い時間だからないかもと思っていた『背肝』や『丸はつ』などがあり、今夜は大満足でした。ご主人とちょっとお話しもできたしね。
味と同様に、私の心を掴んで離さないのは、そのホスピタリティー。研鑽していく味と、益々有名になっていく中で、焼鳥店とは思えないほどのホスピタリティーの高さは、本当にすごいことだと思います。
「感動のある焼鳥店」
これからも大切にしていきたいお店です。本年度も宜しくお願い致します。
ごちそうさまでした♡
⑩2014.12.
最近はイタリアンやフレンチの開拓にも手を出しているので、リピート率が益々低くなってきている中で、食べたいと思うのは感動を与えてくれるお店。その一つが目黒にある名店「鳥しき」です。
予約困難な焼鳥店ですが、常連さんで早々と席が埋まるということなく、ひたすら電話をかけ続けるという根気(食欲とも言う)があれば、何とかなるお店です。いつの間か私もすっかり名前で呼んで頂けるくらいになりましたが、予約日には200回以上のリダイヤルをします。やっと繋がって、希望日を言い、名前を言うと「あ、いつもの方ですね?」と言われます。焼鳥店なのだから、いてもおかしくないと思うのですが、未だ一人客に出逢ったことがありません。一人客である私はとても珍しく、変わったものを食べるので、印象的なのだと思います。
今夜の献立
さび
私のレビュータイトルの「ちはやぶる神の火入れ」は、もうここから感じられるはずです。
砂肝
皮のポン酢和え(注文)
今回、「一品料理を食べる」という課題を持っていました。以前は『たたき』などの鳥刺し系があったのですが、現在は提供していません。「じゃあ、今は何があるの?」と思い、聞いてみたところ、現在は2品の一品料理があるそうです。その中の一つが『皮のポン酢和え』。皮の表面をカリッと焼き上げ、薬味を乗せ、ポン酢をかけていただきます。これがなかなか美味しい。薬味の爽やかさとポン酢の酸味が皮とよく合います。
白玉
かっぱ
血肝
今回のは特に大きくて、食べ応えがありました。クセや血腥さなどは微塵もないので、絶対に食べるべき串です。
椎茸
ぼん
かしわ
銀杏
食道
私の好きな部位。適度な脂もあり、食べ応えもあり、とても美味しい。
丸はつ(注文)
久々に出逢えた!名前の通り、はつ(心臓)を丸のまま焼いたもの。1羽につき1つしかない部位なので、希少価値が高く、ホントはあまり存在を教えたくないです。
膝
基本的に私は内臓好きですが、肉の部位の中では好きな部位です。
ジャガバター(注文)
前回食べた『トウモロコシ』が素晴しく美味しかったので、野菜もいいかなと思い、注文。その結果、大正解!ホクホクとした火入れはさすがです。焼き上がるのに時間がかかるので、早めの注文はベター。
厚揚げ
何気に提供されるこの『厚揚げ』、実は「神の火入れ」を一番感じられる逸品だと思っています。
そり
はつもと(注文)
ちょうちん
手羽先
お弁当
今回は〆のご飯を食べなかった理由は、ここにある!実は『お弁当』って初めてなんです。粗めに挽いた鶏そぼろに、椎茸・ぼん・かしわ・つくねを盛った豪華なお弁当。お店で食べるのも勿論いいですが、家で食べる「鳥しき」の味もいいですね。
⑨2014.8.
久々に「鳥しき」で一杯。今年はあまり行けなかったのですが、ご主人はちゃんと覚えていて下さり、感謝です。
今夜の献立はこんな感じ。
さび
かしわ
とうもろこし
アキレス腱(稀少)
食道(稀少)
はつもと(稀少)
しいたけ
かっぱ
腎臓(稀少)
膝(稀少)
首の皮(稀少)
つくね
ちょうちん
ソリ(稀少)
血肝
〆は「新チューボーですよ!」で、街の巨匠にも登場していた『とろとろ親子丼』。
あまり私に野菜系は供されないのですが、今回出してくれた『とうもろこし』は、すごく甘くて美味しかったな。べ、別に野菜が嫌いってわけじゃないんだからね(笑)
今夜の献立の中で、1番を挙げるならば『腎臓』かな。内臓好きで、ゴメンナサイ。
ごちそうさまでした。また冬に伺います。
⑧2014.2.
2014年初の「鳥しき」へ。いつも18:00開店と同時に何名かと一緒に入るのですが、今回は5分くらい誰も来ず、一ヶ月遅れの新年の挨拶をちゃんと交わすことができました。いつもの席、いつものお任せでスタート。飲み物だけは気分によって変えますが、最終的にいつも日本酒になります。最近は焼鳥にワインというマリアージュも多くなりましたが、私はやはり日本酒が一番合うような気がします。
本日の献立
かっぱ
かしわ
ソリ(希少)
はつもと(希少)
芽キャベツ
ちょうちん
波
白玉
つくね
食道(希少)
血肝
膝(希少)
ハラミ(希少)
親子丼
今回は、こんな感じになりました。久々にご飯ものが食べたくなったので、いつも定刻ギリギリまで串を食べているのを早めに切り上げて、『親子丼』を注文です。あまり『親子丼』って食べないのですが、ここのは素晴しい火入れで、トロトロ感を味わえ、美味しい。未食の方は、是非。
⑦2013.11.
おそらくは、今年最後の「鳥しき」に再訪。いつもの時間、いつもの席で、今夜も一杯です。でも、今夜はキャンセルがあったそうで、ゆっくりしていいとのご主人の言葉に甘えることに。2ヶ月前の予約なので、意外とキャンセルはあるみたいです。
今夜の献立。
・さび
・肩(希少)
・かっぱ
・波
・アスパラ
・白玉
・椎茸
・ソリ(希少)
・血肝
・膝(希少)
・アキレス腱(希少)
・はつもと(希少)
・丸はつ(希少)
・食道(希少)
・ちょうちん
今夜も美味しく、いただきました。初めて行かれる方は、たいてい『おまかせ』だと思うのですが、食べたい串があれば、ちゃんと言えばご主人が取り入れてくれます。特に希少部位と言われる串は、言わないと提供されないことが多いので、ご注意を。
私のオススメは、肉系ならば『ソリ』、内臓系ならば『丸はつ』『食道』。どの串も大振りで、食べ応えもあって美味しい。そして、絶妙な火入れを楽しむならば、『血肝』や『厚揚げ』。
〆のご飯ものも、『親子丼』などは必食。でも私は、串とお酒で楽しむのが、『鳥しき」では好きなのです。
⑥2013.9.
「鳥しき」に、再訪。いつもの席、いつもの『おまかせ』で、今夜も一杯。顔と名前も覚えて戴き、すっかり常連になってしまいました。ありがたいことです。
今夜の献立。
・さび
・血肝
きっと最初は、この二本が提供されることが、多いはず。基本的に、右側に提供されるのが『塩』で、左側に提供されるのが『タレ』です。最初に提供されるお皿は、そのまま取り皿として使うので、『塩』と『タレ』を間違えないようにしましょう。
・はつもと(稀)
・食道(稀)
ここからは、私のコースに分岐。メニューにはない稀少部位です。
・椎茸
・まるはつ(稀)
椎茸、元はすっごい大きいんです。まるはつは、最近のお気に入りです。
・白玉
・銀杏
きっと誰もが、「おっ!」と驚く白玉。何故かは、ナイショ。
・波
・つくね
つくねは軟骨も練り込んでいるので、ジューシーさとコリコリ感が楽しめます。
・背肝(稀)
・ソリ(稀)
背肝は腎臓のこと。コレも、美味しい。そして、ソリ。コレは腿の付け根の部分または股関節のことで、かなりの食べごたえのある部位。是非、食べてみて。
・肩(稀)
・ちょうちん
肩もメニューにないです。内臓系だけが、稀少部位ではないんですね。串の〆は、ちょうちん。美味しい♡
・親子丼
・鳥スープ
今夜は、久しぶりにごはんものをいただきました。
いつも思うのですが、私だけ提供スピードが違うんです。というのも、私だけ90分という限られた時間で、席を取ってもらっているので、ご主人が気を遣って下さっているのです。そして、メニューにないような部位を食べているので、提供されると同時に、「アレ、何?」といった隣の人からの視線が…^^;
実は、2ヶ月連続で予約取れたので、また来月もお願いしまーす。そろそろ『たたき』が食べたいぞよ♡
⑤2013.7.
新しくオープンした「鳥しき」姉妹店の「ガルス」も気になるところですが、今夜は予約した「鳥しき」へ。ちょっと早めの入店といつもの席は、変わりません。
久しぶりに『たたき』をいただきたかったのですが、季節の関係で、今は自粛しているそうなので、食べられずorz さて、今夜もお任せなのですが、「今日ある希少部位を多めに食べたい」とお願いして、スタートです。
・かしわ
・ぼんじり
・ししとう
・合鴨
絶妙の火入れ。柔らかく、噛むたびに脂が溢れ出す。
・はつもと(稀)
コリコリサクサクの食感。脂も十分。
・食道(稀)
・かっぱ
・血肝
・まるはつ(稀)
名前の通り、心臓を丸まる。サクサクの食感。
・波
・ひざ(稀)
脂はある。が、こってりとした感じではない。程よい食べ応え。
・ソリ(稀)
とても食べ応えがあり、程よい脂に、程よいしっとり感。
・手羽先の先の皮(稀)
厚めの皮で、表面はパリパリ、中はねっとりとした感じ。
・厚揚げ
・ちょうちん
〆はやはりコレでしょ!
という内容になりました。今夜はゆっくりして大丈夫というので、随分と食べることができました。お好みで食べるのもいいけど、お任せの方がワクワクしていいよね。ご主人、今夜もとても美味しかったです。また宜しくお願いします。
④ 2013.5.
今年初の「鳥しき」へ。どうやら名前と顔を覚えて下さったようで、いつもの席でいつものオーダーで、今夜もスタートです。今回は〆のご飯ものは食べない予定でしたので、焼物だけでいただきました。
・かしわ
まずはしっかりとした肉を楽しみます。
・つくね
軟骨も入った粗挽きの塩味のつくね。
・白玉
口に入れて、ビックリの半熟さ。
・かっぱ
肉も残してある軟骨。
・合鴨
おろしたての山葵をつけて。
・エリンギ
実は初の野菜系。
・波
首の皮。パリパリというよりは、ネットリとした感じ。
・砂肝
大きいところが嬉しい部位。
・茄子
熱々のトロトロ食感。
・手羽先
手羽先は、皮の部分と肉の部分が十分に楽しめて好き。
・血肝
火入れの素晴らしさを楽しめる一串。生のようで、生じゃないんです。
・銀杏
・肩の肉
初となる部位。十分な脂と肉々しさが美味しい。
・厚揚げ
何気にこれも火入れの妙が楽しめます。
・食道
食感と脂も楽しめる私のお気に入り部位。
・小玉葱
・さび焼き
最近の〆の串です。
・〆の鳥スープ
今夜はこのような献立。スタート時はまだお客さんもまばらだったので、、かなりのハイペース出され、いつも以上に多くの串を食べることができました。串の一つ一つの完成度も高く、接客もとても丁寧で、より素晴らしいお店に進化していっています。なかなか予約しずらいのが難点ですが、コンセプトの違う支店も近日中にオープンだそうなので、楽しみですね。
次の予約ももうしてあるので、その時は希少部位を多く食べたいと思います。
③
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に3ヶ月ぶりの訪問。今回も18時開店と同時に予約で満席となり、焼き場は戦場になります。今回も電話予約の際に注文していたものがあり、それからスタート。あとは「お任せ+稀少部位」といつもと同じ感じにしました。
・血肝刺し
電話で「たたき以外にありますか?」の問いに答えていただいたのが、コレ。完全な生ではなく、かるーく炙り、冷水でしめて出されます。血生臭いということはなく、角のたったレバーは口に入れると、プツンと弾け、とろけます。『血肝』が好きな方なら、絶対に食べるべき逸品。
・かしわ
・ぼん
お尻部分。何気に未食でした。
・はつ
これも未食。さくりと切れ、プルンとした食感。
・はつもと(稀)
・銀杏
・食道(稀)
私のお気に入りの部位。
・砂肝
・かっぱ
軟骨なんですが、さりげなく肉も残していることがニクい。
・合鴨
かなり肉厚であるが、柔らかな火入れを感じれます。
・手羽先
かなり大きく、味つけは塩です。骨の周りの肉はやっぱり美味しい。
・厚揚げ
・ちょうちん
今回の献立はこんな感じでした。たいてい「お任せで」というと、『さび焼』『血肝』と出されるのですが、『刺し系』を最初に注文すると、献立が変わっていくみたいですね。
この「鳥しき」では、特に何時までという時間が決まっていないのですが、私の場合は無理を言って席を用意していただいているので、90分間なのです。そのため串の出方が異常に早く、他のお客さんが1本提供されるのに対して、2〜3本提供されます。「なんで、あの客ばかり」と思っていた方、ゴメンナサイ。
たいていの串は食べたかなと思いますが、私のお気に入りの部位は稀少部位である『食道』。ボリュームもあり、こってり感もありつつ、柔らかい軟骨のようなコリコリ感も味わえます。今回もいただくことができ、満足ww まだ次回の予約はできていませんが、またドラマのような焼鳥を味わいに行きます。
②
6月に感動を覚えた目黒にある焼鳥の「鳥しき」。8月分の予約は取れなかったので、9月に再訪となりました。今回は電話予約時から注文しておいた料理があり、それからスタートです。基本オーダーとしては、いつも通りに「お任せ+希少部位」というかたちで、御主人の池川さんに全てをゆだねました。
では、一気にご紹介!でも前回食べた串は、写真を撮らなかったので、未食のものだけを撮らせてもらいました。
・たたき<左>
電話予約の際にできるならばと言って、用意してもらった料理。絶妙の火入れは脱帽です。
・かしわ
・砂肝<右>
素晴らしく大きく、筋もなくて、純粋にシャコシャコといった歯ごたえが楽しめます。
・はつもと(希少部位)
・波
・食道(希少部位)
・白玉
・銀杏
・椎茸
・血肝
・はらみ(希少部位)<左>
かなりコッテリとした脂の中に、シャコシャコといった食感が楽しい。
・かっぱ
・厚揚げ
・ちょうちん
・さび焼
・親子丼<右>
「鳥しき」の新メニュー。しっかりとした味わいの中、鶏もたっぷりと入っており、ほとんど生のような半熟さではなくて、nao.好み。
nao.が思う「鳥しき」の魅力は、絶妙の火入れと人によって変わる串の出し方。絶妙の火入れを一番感じるのは『血肝』。つまりレバーなのですが、あの特有の味もしなく、ちょっと生っぽさがあるのにもかかわらず、ちゃんと火が通ってるんです。苦手な方も是非食べてもらいたい、なかなか味わえないレバーです。
そして串の出し方。ホントに人によって違う。最初の注文時に「嫌いなものはありますか?」と聞かれるのですが、nao.は(食べられないわけではないのですが)「玉葱」というと、野菜が全く出されない(笑)今回の献立を見ると、結構脂っぽい串が多くて、「最後にコッテリ系は、ちょっとキツいかも」なんて思っていると、最後に出されたのが『さび焼き』。なんて、素晴らしいんでしょう!思わず、拍手したくなるくらいでした。
実はまだまだ食べていないポピュラーな部位や〆のご飯、お土産などもあり、これからも通って食べていきたい大切なお店です。
①
4月某日、18時。電話をかけること104回目にして、やっと繋がり、何とか予約を取ったお店があります。それが念願の初訪問となりました目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」です。
実は4年前から知っていて、行こう行こうと思いつつも先延ばしにしていたら、すっかり予約困難な人気店になっており、そんな風になったら、何がなんでも行ってみたくなるというのが心情。っていうわけで、今回の初訪問となりました。
目黒駅のロータリーの裏手にひっそりと佇む店構えは、まるで料亭のような感じ。店内は白木のコの字カウンターに、入り口すぐに焼き場があって、ちょっと強面のご主人の池川義輝さんが笑顔で出迎えてくれます。メニューはアラカルトでも大丈夫ですが、お腹いっぱいになったらストップできる『お任せ』がドキドキがあって楽しそうなので、『お任せ』に『希少部位があれば』というオーダーにしました。待っている間に聞いた店名の由来は「季節感のない焼き鳥に、少しでも四季を感じてもらえたら」ということで、「鳥しき」なのだそうです。
では、一気にご紹介ー(^ ^)
・さび焼
ささみに山葵をのせたもの。ほぼ生に近いが、絶妙に火が通っている。
・血肝
つまりはレバー。特有の血の味はほんのりとするけど、プツンと噛み切れる歯ごたえ。
・白玉
うずらの玉子だが、驚くことにトロトロの半熟。銀座の「○吟」を思い出す。
・銀杏
・波
皮。パリパリとしたイメージだが、ねっとりとした脂を楽しめる。
・食道(希少部位)
やや脂だが、シャコシャコといった歯ごたえが楽しい。
・椎茸
・かっぱ
軟骨。程よく肉もついており、バリバリという歯ごたえ。
・つくね
中に軟骨が入っており、あっさりとしたタレなので、肉も楽しめます。
・腎臓(希少部位)
フワッとした食感で、口に入れると溶ける脂が美味しい。
・はつもと(希少部位)
程よい脂に、血管特有の歯ごたえが美味しい。
・厚揚げ
茗荷やカイワレなどが乗っており、中はほんのりとした熱さで、こんなところまでも絶妙な火入れを感じれます。
・かしわ
モモ肉。フワッとした肉質で、適度な脂で美味しい鶏を感じれます。
・ちょうちん
産卵前の未成熟卵と卵管。見た目はちょっと^^;だが、口の中でプツンと弾ける濃厚な卵黄が素晴らしい。
・鶏そぼろ丼
意外にもあっさりとした味付けで、粗めに挽かれた肉と軟骨のコリコリ感がいい。一緒に出されるスープをかけて、雑炊にしてみたかった。
ご主人が食べるスピードや食べ方を見て、色々と出してくれるので、他のお客さんとはかなり違った構成になりました。しかもnao.は一人なので、かなりのハイペース的な感じ(時間制限もあったので)
素材によって、だし醤油や酒や油を塗り分け、近めの強火で焼かれる全ての串は、ご主人の魂を感じる絶妙の火入れで、食感も素晴らしいですが、感動したのはやはり『希少部位』の数々。出されると「生き物だもの、こういう部位あるよねー」と思い、食べるとその味わいに唸るしかないのです。
そして、驚きは会計にもありました。(ちなみにメニュー板には値段が書いていません)かなりリーズナブル‼予約困難なお店ですが、普段使いが十分できるお店です。予約は鶏の仕入れの関係上、2ヶ月先までしかできないので、1日になったらまた電話と格闘したいと思います。8月は空いてなかったのよ~orz
6位
1回
2015/02訪問 2015/03/14
2015.2.
表参道駅から、根津美術館方面に歩くこと10分くらい。街の雑踏から逃れるようにあるフレンチレストラン「L'Effervescence」が、今日の舞台です。店名の意味は「活気」や「泡」を意味するそうで、シェフは慶大卒業後に料理の世界の扉を開けたという異例の経歴の持ち主で、「ミシェル・ブラス」「ザ・ファット・ダック」を経て、このお店を開いた新進気鋭の天才と称される生江史伸さん。
陽の光りや緑の煌めきなどが感じられる白を基調とした店内は、とても明るい。そして、スタッフがグランメゾンクラス並みに多いことに驚く。
ランチは基本的に2種コースがあって、事前予約をすることでディナーコースもいただけるとのことなので、『願いと光』というディナーコースをお願いしました。
実食
『遊び』
まず「ちょっとしたゲームをしましょう」と供されたのは、オリーブ。一つはグリーンオリーブ、もう一つはブラッドオレンジに漬け込んだオリーブとのこと。見た目で、ちょっと判ってしまいましたf(^^);
『南瓜、アオリイカ、ハッサクを2口で~』
2つのグラススタイルで供される定番のメニューだそうで、店名である「L'Effervescence」=「泡」が印象的です。左のグラスには、南瓜とシェリービネガーで層を作り、泡状にした生姜の中にモチモチ食感のこれから旬を迎えるアオリイカが潜んでいます。シェリービネガーの酸味とショウガの辛味の中で、南瓜の甘さとアオリイカが映えます。右には液体窒素で、グラニテになったハッサク。口直しにピッタリです。
『アップルパイの様に#19~タラバ蟹、安納芋、柚子を3口で』
某ファストフードのアップルパイを彷彿させる外観。開けると、小さなアップルパイが姿を見せます。中身はシーズン毎?に変わるようで、#19とあるように19番目らしい。
タラバ蟹の存在は少し判らなかったけど、安納芋の甘さと柚子の香りと爽やかさが後味を引きます。
『とっても寒い日~鱈の白子のポワレと桜肉のクリュ、長葱のピュレ、芽キャベツ、銀杏、ピモンデスプレット、紫バジルの葉』
表面はカリッと、中はトロトロに火入れされた白子の甘さが、桜肉の塩気としっかりと焼いた芽キャベツの苦味、バスク地方の唐辛子であるピモンデスプレットの柔らかな辛味で、より印象付けられています。美味しい❤︎
『定点~丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、バスク黒豚のジャンボンセック&ブリオッシュ』
『定点』と名付けられているように、どのコースにも含まれているこのお店のスペシャリテ。4時間かけて火入れした蕪を半分に切った後、バターで香ばしさを与え、ジャンボンセックの塩気のアクセントの中で、イタリアンパセリの濃厚なピュレでいただきます。
4時間かけたとは思えないほどに、なんとも瑞々しく、食感もちゃんとあります。今の季節の蕪は甘く、夏になるにつれて辛くなるそうです。この料理で季節が分かるという定点観測的な料理だそうです。
『ふきよせ~鮟鱇のロティ&大根、ムール貝、白味噌、辛子水菜、むかご、柚子』
全て「和」の食材で作り上げた一皿。ロティした鮟鱇とその鮟鱇の旨みを十分に吸った大根には薪の香りをつけており、白味噌の甘いソースに辛味の水菜がいいアクセントになっています。
鮟鱇のポーションは大きく、むっちりとしており、美味しい。「旬の素材を集めたら、こうなりました」というようなメッセージが込められてそうです。
『フォワグラのナチュレルと金柑のコンポート、生姜、フロマージュブラン、菊芋のピュレとクリュ、春菊の葉』
フォワグラというと、冷製や温製のどちらでも見ることのできる素材ですが、このお店では旨みや脂などが逃げてしまうからということで、冷製での提供をしているそうです。そのために血抜きは徹底した後に、真空調理を施し、季節の食材とともにいただくのがこの料理。
今回、合わせているのは旬の金柑。金柑の甘さと生姜の辛味、菊芋の爽やかさが「本当に臓器だったの?」と感じさせる濃厚なフォワグラを際立たせています。
『右と左で~金宣烏龍茶』
口直しの一品。まさか、烏龍茶とは。
台湾で開発された新品種の台茶12号から作られるお茶で、まるでミルクや花のような甘い香りが特徴の烏龍茶です。そして、驚くのは口にしてから!料理名に『右と左で』とあるように、なんと左右で温度が違うんです。比重を変えているそうで、短時間ですが分離するのだそう。とてもユニークですね。
『寒さの下の春~石黒牧場のホロホロ鶏を炭火で、ソテーした白菜のエキスとあん肝のパテ、新筍、マッシュルームの砂』
これは素晴らしく、美味しい。真空調理したホロホロ鶏の身はしっとりと、炭火で焼かれた皮目はパリッとしており、ソースは白菜をベースにしてあん肝でコクを与えています。濃厚なソースで食べるのもフレンチの魅力の一つでしょうが、素材の持ち味を十二分に活かした調理法も、やはり素晴らしいですね。
『熟成和栗のクリームと竹炭プララン、ブールノワゼットのアイスクリーム、黒オリーブ、タカラ牧場の「小さなトム」のムース』
『玄米甘酒のソルベと白玉糖のムース、ボンカン、サツマイモ』
デザートも独創的です。2つともほんのりとした甘さなので、しつこくなくて、静かに終焉の幕が降りてくる。そんなイメージがします。
『カフェ』『ミニャルディーズ』
コーヒー、紅茶、オリジナルのハーブティーから選べますが、ここは是非ハーブティーを。ブルーマローというハーブを使っているそうで、最初は綺麗な水色ですが…2杯目からは金色に変わるという面白い趣向です。そんな趣向は、ミニャルディーズにも!絵の具のようなチューブにはレモンクリームが詰められており、自分でレモンパイを作ったり、ロリポップのようなチョコにはパチパチと弾けるキャンディが仕込まれていたりと、遊び心も満点です。
出迎えから完全に見えなくなるまでの見送り、1人客でも飽きさせないトーク、料理を供するスピードなど、サービスは素晴らしいの一言。最後に挨拶に来て下さった生江シェフも、とても穏やかな感じで、好感の持てる方でした。
自然との調和を重んじる料理の「ミッシェル・ブラス」と分子ガストロノミーという最先端科学のような料理の「ザ・ファット・ダック」。その両店で腕をふるってらした生江シェフの料理は、多かれ少なかれ「驚き」があり、それが美味しさを演出しています。でもその「驚き」の全てが、どうしても「感動」には繋がらないのです。決して不味くはないですが、フレンチに関してはクラシカルなものが好みなので、心震えるような出逢いにはなりませんでした。ただ定点観測というスペシャリテの『丸ごと火入れしたカブ』の味の変化は気になるし、心地よいサービスは素晴らしいので、再訪したいところ。ただその際はメニューの構成を見て、通常のランチコースで十分かな?と思っています。
7位
11回
2020/04訪問 2020/04/28
2020.4.
銀の薔薇に愛を込めて
横浜・山下町にあるイタリアンの名店「SALONE 2007」で、テイクアウト。ストゥファート・パスタアルフォルノ・自家製パンがセットになったディナーセットやパスタソースもある中で、今回は10000円から注文できるオーダーメイドテイクアウトです。食べたい食材や料理をお願いしても良かったのですが、お任せでお願いしました。
目の前にすると、感じるのは実に「SALONE 2007」らしい美学。テイクアウトには思えない盛り付けの綺麗さ、ナッツなどによる食感のアクセント、熱はないながらも美味しい。
ホワイトアスパラガスと生ハム お米のコロッケ アランチーニ
海老とカルチョーフィ ズッキーニのマリネ♡
カジキのスコッタート ホッキ貝とウイキョウのインサラータ♡
フォワグラと鴨胸肉 カフェ ヘーゼルナッツ タイム♡
淡路島ポークのアロースト ハリッサソース♡
ヴィテッロトンナート 仔牛肉とツナのソース♡
蛸のオイル煮 チェーナ
サローネグループの濃厚なパスタソースも購入できるのは、きっと今だけ。お店ではできないような量を思い切り食べてみたい。
2019.4.
4月からガラリと変わると聞いていた横浜が誇るイタリアンの名店「SALONE 2007」へ再訪。
中華街側にあった小さなリストランテから今のバーニーズの地下に移り、雰囲気が一気にラグジュアリーに変わりました。そして、今回はテーマカラーである「濃紺と白銀」で統一されて、テーブルには「Takero Weld’em」によるシルバーのIRON Roseが咲き、カトラリーはイタリアの老舗ブランド「Sambonet」、食器もプラチナ箔でロゴを入れた白く輝くボーンチャイナ。より一層特別感が増した店内へと変わりました。更にメニューも以前はテーマと食材のみの表記でしたが、昔みたく料理名を表記するようになっています。
MENU DI APRILE
A5サーロインのスピエディーノ♡
全てのお皿が変わった中でも、この料理のお皿だけは変わりません。元々、このお皿もバーニーズの地下に入る前の小さな店舗で使っていたものです。このスターターは不動のものであり、「SALONE 2007」を象徴付ける料理だと思います。
北寄貝 フィノッキオ サフラン♡♡
旬の北寄貝とフィノッキオ(ウイキョウ)とオレンジを使ったサラダ仕立て。上からはイタリアンパセリと魚醤で作ったソースがかけられ、周りにはサフランで色付けされた貝の出汁のジュレが彩ります。
北寄貝と酢漬けのフィノッキオの異なる食感のリズム、春らしいサフランの色味とオレンジの爽やかさ、一つの料理の中に一口毎に違う甘味と酸味があり、非常に素晴らしい。
イワシとカルチョーフィ
イタリアの春を感じるカルチョーフィ(アーティチョーク)を使った前菜。カルチョーフィは詰め物をするローマ風と揚げるユダヤ風があるそうで、この前菜では詰め物をして揚げています。相性の良いアンチョビソースを下に敷き、カルチョーフィの萼の部分をカリカリにすることで食感を与えています。好みの問題ですが、私的にはアンチョビソースが濃いのでアタックが強く、少々塩気が強かったです。
仔羊のアグロドルチェ 鰻のクレマとホワイトアスパラ♡
これは美味しい。ソースに使っているのは、なんと鰻。この鰻のクレマが濃厚なれど、それぞれの素材の良さを引き立てて、トロトロに煮込まれた仔羊は甘酸っぱい味わいの中でも仔羊らしさは確りと感じられ、同様に付け合わせのホワイトアスパラもその味わいは残っています。トロトロ系は食感が単調になるところですが、蕎麦の実のカリッとした食感がいいアクセント。
鮮魚のヴァポーレ♡♡
「SALONE 2007」のスペシャリテも器が変わることで、ガラリと変わっています。この料理は五感で味わうべき料理。しかしながら、今までなかったのは蓋。今回はそれがあり、目の前で蓋を取ることでオレンジオイルの香りがぶわりとして華やぎます。高級感も与えつつ、素晴らしい演出です。
ピゼッリのカペレッティ 赤海老のタルターラ
花のようなカペレッティを使ったパスタ。中にはピゼッリ(グリーンピース)が詰められていて、赤海老とラルドで作ったビスクソースでいただきます。上には赤海老のタルターラが盛られており、ピゼッリの甘さを更に累乗させる赤海老の旨味、カペレッティの食感も素晴らしい。食べ終えて、鼻から抜けるマジョラムが心地よく香ります。
ラーファノのリゾット 牛肉のラグーとクレソン♡
ラーファノ(西洋ワサビ)を使い、バター・チーズで入れることで極濃厚なリゾットに仕上げています。上からは牛肉のラグーが盛られ、リゾットにボリュームと共に食感も与えています。口にすると、ラーファノの香りがふわりと香ります。牛肉のラグー×チーズリゾットという一見くどいような料理ですが、ラーファノの爽やかさやクレソンの苦味がよい繋ぎ役となっていて、実に美味しい。
豚とピスタチオ サルサボッタルガ
メインは、ブランド豚の岩中豚を使ったもの。フィレ肉の部位を使い、周りにはピスタチオをマスタードを使って塗して、鮪の唐墨を使った濃厚なソースでいただく樋口エグゼクティブシェフのスペシャリテのオマージュ。付け合わせは、ホワイトアスパラガス。茹でたものをソテーしており、穂先だけは少し焦がしめにソテーしてキャビアと合わせています。リコッタチーズ・卵黄ソース・酢漬けにしたアスパラガスと一緒に食べることでオランデーズソースのような柔らかな酸味の味わいになるという面白い料理。
鮪の唐墨ソースが濃厚で、食べた瞬間にその味わいと香りに襲われます。肉汁が溢れて見えるフィレ肉は柔らかく、ピスタチオの食感も映えます。見た目はシンプルながらも「SALONE 2007」らしく、香り・食感・味わいが確りとある料理でした。
ピエモンテ風ボネ アプリコットとローズマリー
ドルチェは、北イタリアの伝統的菓子のボネと言われる濃厚なチョコレートプリン。隣にはマンゴーとアプリコットのジェラート・アプリコットのソテー・アマゾンカカオのビスキュイがあります。上からはマルサラが香るキャメルソースがかけられていて、香りも甘さも濃密。
小菓子と食後のカフェ♡
小菓子も変わり、ピエモンテ州の焼き菓子のブルッティマブォーニ・チョコレートフィナンシェ・サラミチョコレート。
カフェは本日で「SALONE 2007」から広尾の「IL TEATRINO DA SALONE」へ移動となる日高さんのラストラテアート。毎回気持ちのこもったラテアートをありがとうございました。
「SALONE 2007」の料理は全て例外なく、五感で味わうものだと思っています。特に今回のコースでは、食感のアクセントがメインの食材のみで楽しめるようになっていて、よりシンプルな構成になってました。特に驚いたのは、『鮮魚のヴァポーレ』。味わいは勿論、スペシャリテの名に相応しく不変のもので美味しい。しかしながら、食器が変わるとここまで変わるのかと驚く料理で、舌で味わう前に目と鼻で味わうべき逸品です。
先の予定が埋まってしまって、次の予約は取りませんでしたが、秋の食材が彩るまでには伺いたいです。今夜もご馳走さまでした。15444
2018.12.
毎週定休日だった日曜日も営業をするようになり、更に行きやすくなった横浜を代表するイタリアン「SALONE 2007」。とても現代風なオシャレな盛り付けなので独創的な料理と思われがちですが、実はイタリア各地の郷土料理を再構築しているので、まるでイタリア全土を旅しているような料理なのです。さて、今夜はどこへ連れて行ってくれるのでしょうか。
CENA Corsodi 10 piatti
Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン・トリュフ
まずは定番。トリュフ香るモチモチとしたジャガイモのピューレに、A5ランクのサーロインを巻いた一口料理。いつもながら素晴らしい始まり。
Proposta/提案 鰆・ウイキョウ・オレンジ
冷たい冷菜は、私をシチリアに連れて行ってくれるみたい。脂がのっている鰆が透明な貝の出汁シートで包まれる中で、シャリシャリとしたウイキョウとカリカリとしたピスタチオの食感が心地よく、オレンジの爽やかな味わいが駆け抜けていきます。
Memoria/追憶 ブラザート・ポレンタ・カーボロネロ
温かい前菜は、北イタリアピエモンテ州の郷土料理である牛肉を赤ワインで煮込んだ『ブラザート』とトウモロコシ料理の『ポレンタ』です。
牛の頰肉は肉感も出す為に低温調理で10時間ほど火入れしてから、赤ワインで煮込んでいるそう。確かに肉々しくもスプーンで食べれるほどに柔らかな仕上がりですが、頬肉という部位なので多少のパサつき感は致し方ない。口当たりは肉の甘さも感じるほどですが、最後は意外とビターな味が残ります。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテ。本日の白身は、青森県産の鮃。とても肉厚で、定番の鱸と双璧をなす味わい。変わったことと言えば、蛸の産地が明石産から福岡県産のものに変わったらしい。福岡県産の方が旨味と出汁がよく出るそうですが、1番分かりやすいのは食感。明石産のものより、ずっと柔らかい。
Espressione/表現 アニョロッティ・玉葱・アマレッティ ♡
1つ目のパスタ料理は、ピエモンテらしいバターとクリームたっぷりの濃厚パスタ。
アニョロッティ・デル・プリンというラビオリが口の中で弾けます。生地も折り重なった部分とそうでない部分の食感の違いが楽しく、極濃厚なチーズの中で相反するブラックペッパーとアマレッティの刺激が味わいに奥行きを与えています。この量だからこその実に素晴らしい美味しさ。
Ristretto/味覚の濃縮 鰻・フォアグラ・マルサラ
イタリアではクリスマスに鰻を食べるそう。いつも味・香り・食感・見た目を楽しめるワンスプーン料理ですが、今回は燻製したフォワグラを冷やすことで更に温度の違いも楽しめるようになっています。鰻とフォワグラの濃厚な味が混ざり合い、マルサラ酒とトマトがいいアクセント。口の中で完成する料理です。
Canbiamento/変化 キッケ・猪・ンドゥイヤ ♡
2皿目のパスタも北イタリアの濃厚なラグーとモチモチとしたキッケという小さなニョッキ。特に賽の目に切られた猪のラグーの存在感が凄く、キッケと同じくらいの大きさです。一皿でありながら、左のバジルペーストや右のパプリカペーストを混ぜることで違った一面が見られるパスタ料理。
Carbonaio/炭薫 鴨・ラディッキオ・ゴルゴンゾーラ ♡
エロい火入れをされたボリュームある鴨は、フランス産のマグレ・ド・カナール。今の時期だと天然物も多くありますが、この鴨はフォアグラをとる為に育てられているので、味わいも濃厚。皮と身の間には確りとして厚みの脂もあるので、濃い目のゴルゴンゾーラソースにも負けない味わい。炭の香りのする鴨を噛むたびに旨味が溢れ、ずっと噛んでいたくなります。
Concerto/協奏 アマレット・カボチャ・生姜
まるで生八ツ橋のようなアマレットのマスカルポーネを包んだ求肥のアニョロッティ・デル・プリンが、カボチャのピューレとザバイオーネソースの中で溺れる。異なる甘さですが、どちらも壮絶に甘い。しかし中央にある生姜のジェラートを食べることで、口の中がリセットされて爽やかになります。
Binario/プラットホーム 小菓子
小菓子はいつもの「森のトリュフ」に見立てたシチリアのドルチェであるカンノーロ。
Caffè o Tè カフェまたはティー
日高さんのラテアートは、クリスマス模様。行くたびにラテアートのレベルは上がってますね。素晴らしい!
今回のイタリア料理で巡る旅は、ピエモンテ州が中心。イタリア北部、アルプスに近い州らしく冬の厳しい寒さに耐えられるようなコッテリとした料理が多いそうで、今回のコースの中でも『Espressione/表現 アニョロッティ・玉葱・アマレッティ』がまさにそれでしょう。個人的に今夜のコースの中で一番好きな料理でした。
今年も料理で、イタリアの色々な地域に連れて行っていただきました。ありがとうございます。来年もまたシェフやスタッフの方々と素晴らしい料理の数々の出逢いを楽しみにしています。15444
2018.9.
いつの間にか、まだ明るかった18時に秋の気配がしはじめた夕暮れ。山下町のバーニーズニューヨークの地下にある「SALONE 2007」にも、秋の食材がやってきたようです。いつものグラスの煌めきが綺麗な席で、優雅な一人ディナー。こういう雰囲気の中で、一人という客はあまりいませんが、私は意外と好きだったりします。
CENA Corso di 9 piatti
Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン・トリュフ
久しぶりですが、いつもよりもジャガイモはトロトロで、肉の塩分はしっかりとしていました。うっとりというよりは、目が醒める味わい。
Combinazione/組み合わせ スルメイカ・人参・オレンジ ♡
スルメイカと人参の出逢い。スルメイカの下足のテリーヌと揚げ焼きされた人参、その下にはフェンネルで香り付けされたキャロットラペ、上に乗る緑は人参の葉というストイックな皿。仕上げにオレンジと人参のグラニテを目の前でかけられます。ソースもスルメイカということで、主に2種だけの素材でありながらも、洗練された味わいはシェフのセンスがうかがえます。
Memoria/追憶 ローザビアンカ・トマト・ボロニェーゼ ♡
絶品!山形のイタリア野菜研究所から仕入れているイタリアの茄子である『ローザビアンカ』はトロトロで、中に入っている牛テールと豚の異なる濃厚な食感とモッツァレラチーズのコクは素晴らしい。バジルとオレガノの香りが鼻を刺激し、外にあるパルメジャーノチーズのコクが食欲を加速させます。素晴らしい味わいです。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
定番のスペシャリテ。今回の鮮魚は、鱸。定番なれど、この魚が1番この料理には合っている気がします。香りまでも美味しい、五感で味わうスープです。
Concerto/協奏 鴨・無花果・ゴルゴンゾーラ ♡
パスタ料理の位置付けながらも、がっつりとした肉料理という印象。下には鴨ラグー、上には無花果を閉じ込めた花のようなラビオリ、ソースはゴルゴンゾーラ、食感はナッツ。無花果とカシスの甘さが鴨とよく合い、混ぜ合わせることで、ラビオリのモチモチ感とナッツの食感も活きて、実に美味しい。秋らしく濃厚な料理が続きます。
Ristretto/味覚の濃縮 ホタテ・ポルチーニ・ミント
塩漬けした帆立・雉の出汁を吸わせたポルチーニ・ミント・マルサラ酒・キノコのデュクセル・アーモンドという構成。
帆立の塩気から甘さに変わり、ポルチーニの旨味とミントの爽やかが後から追いかけてきます。いつもながらにワンスプーンの小宇宙は、素晴らしい。
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Stagione/訪れ 仔豚・栗・ローズマリー
イタリアの秋の定番という仔豚・栗・ローズマリーの組み合わせを楽しむ料理。スペイン産の仔豚はオーブンで皮をパリパリに焼き、中はしっとりとジューシーとなっています。揚げ焼きした栗は右側にラルドをかけたもの、左側にはローズマリーで香り付けされた栗のペーストが並び、栗のペーストと豚の出汁と白ワインビネガーとマスタードのソースでいただきます。仔豚の皮はムチムチとした食感があり、ふわりと香るローズマリーの中で、栗の甘さがとてもよく合います。
Espressione/表現 リゾット・赤海老・スダチ ♡
珍しくというか、私は初めてですが肉料理の後に〆としてリゾット。肉料理の後ということで、バターは使わずに、比較的にさっぱりと仕上げています。出汁も煮干しを使ったり、酢橘を合わせてみたりと従来の「SALONE 2007」ではあまり見ることがなかった料理です。
供されると、ぶわりと香る海老の香り。赤海老を合わせていて、手前から奥に食べ進めることで、まるで2種類のリゾットを食べているかのような感じになります。なかなかリゾットに出逢うことは少ないですが、やはりパスタ同様に濃厚で美味しい。
Destino/巡り合わせ パイナップル・アマゾンカカオ・カッサータ
パイナップルの甘さや酸味の中で、一際異質な独特な苦味のような刺激。ただ甘いだけでなく、相反する味を加えることでより重厚な感じになっています。カカオ=チョコレートという概念を覆し、カカオという食材を一から考え直すことのできるドルチェでした。あと私事ですが、なんとサプライズで誕生日をお祝いしていただきました!ありがとうございます!
Binario/プラットホーム 小菓子
いつもの森の中にあるトリュフをイメージしたカンノーリ。一口で食べる幸せです。
Caffè o Tè カフェまたはティー
去年の9月に作っていただいたラテアートを覚えてくれていた日高さんが、その第2弾として描いたウサギ。いつもいつもありがとうございます。
月替わりのメニューですが、今月は全体的にボリューミーで、がっつりとした男っぽい料理構成になっていたと思います。パスタでありながらも、たっぷりのラグーを合わせることで肉料理にも匹敵するボリュームであったり、メインの後に〆料理があったりと今までの「SALONE 2007」とは一味違うコース構成となっていて、ワクワク感が止まりません。
次回は12月。定休日がなくなったので、予約はとてもしやすくなりました。ずっとディナーばかりでしたが、ランチの『ポモドーロ』も食べたいので、たまにはランチもいいかな。
ご馳走さまでした。また宜しくお願いします。15444
2018.5.
どこの国にも存在する郷土料理は、その地域の人や文化や歴史などを表していて、しばしば食べ手をその場所へと誘う料理だと思います。横浜・山下町にある「SALONE 2007」は、そんの郷土料理を現代風に再構築した料理を提供しており、月毎に変わるコース料理はさながらイタリア全土を旅するような感じです。
CENA Corso di 10piatti
Inizio/序章A5 サーロイン・メークイン
恒例の挨拶がわりの料理は、だんだんと肉が厚くなっている気がします。
Stagione/訪れ 鰹・アプリコット・フォアグラ
北イタリアの郷土料理である『カルピオーネ』、つまりは南蛮漬けをイメージしたという料理。コンソメジュレ・ソテーしたアプリコット・甘酢でマリネした玉葱で南蛮漬けの液を、フォワグラのテリーヌで衣の油脂分をイメージし、鰹を盛り立ています。中に忍ばせてある松の実とレーズンで、食感と甘さを感じさせる素晴らしい料理。
Rinascita/再構築 ウサギ・ズッキーニ・ミント
北イタリアの郷土料理である『トンノディコニッリョ』を再構成。真空調理されているウサギのロートロはしっとりとしており、ジューシー。隣にある旬のズッキーニもトロトロで、甘い。下に敷かれてあるズッキーニのソースは、アンチョビとニンニクがガツンと効いており、少量ながらもアタックが強い。上に添えられたミントのフリットが斬新であり、実にいいアクセントになっています。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
今回は初となる鰈を使ったヴァポーレ。大抵は鱸や真鯛が多く、これがベストと思っていましたが、鰈もこれだけ分厚いとしっとりとしており、よく合います。定番となっている料理でも、まだ違う顔があることを実感しました。
Regionale/郷土 トロフィエ・ジェノヴェーゼ・サザエ・胡桃
リグーリア州を代表するパスタのトロフィエを使った暖かいパスタ。合わせているのは、ジェノヴェーゼソースにリグーリア州の名産のであるサザエとその肝も使っており、濃厚でほろ苦い仕上がり。しかし添えてある同じくリグーリア州の名産である胡桃のペーストを加えることで、ガラリとイメージが変わります。
Incrocio/交錯 マルタリアーティ・牛・豚
「SALONE 2007」らしい極濃厚なラグー系パスタ。ラグーは和牛サーロインと脛肉と豚の脛肉を赤ワインでじっくりと煮込んだもので、この量だからこそ食べられるような濃厚さ。また奥には豚の小腸を入れてあり、食感も忘れておらず、更にインパクトもあります。是非ともパンで拭って、このソースは綺麗に食べてほしい。
Ristretto/味覚の濃縮 ホタテ・ンドゥイヤ・パプリカ
南イタリアのカラブリア州をテーマにしたという構成は、パプリカのジェラート・ンドゥイヤのパンナコッタ・ソテーした帆立・燻製した生ハム・ヘーゼルナッツ・赤玉葱のマリネ。
パプリカの甘さ。帆立の甘さ。見え隠れするンドゥイヤの辛み。ヘーゼルナッツの食感。全てが合わさって生まれる濃縮した旨味は、ワンスプーンの小宇宙です。
Sinergia/相乗 鴨・ペヴェラーダ・マスカット
鴨はブルターニュ産で、グリーンペッパーが入ったベヴェラーダソースのアクセントの中で、パリパリとした皮目とジューシーな肉が素晴らしい。しかも「SALONE 2007」で、待ち焦がれていたこのポーションの大きさ。ほろ苦いアンディーブと共に食べて、添えてあるマスカットの甘さで口の中を全てをリセットできるという逸品。素晴らしい!
Proposta/提案 セアダス・オレンジ・甘夏・サフラン
お皿半分で全く世界が違う味わいのドルチェ。左にあるのは、ペコリーノチーズとモッツァレラチーズを使ったヨーロッパ最古のお菓子と呼ばれる『セアダス』で、オレンジの花の蜜の甘さとチーズの濃厚さがあります。これだけだとかなり甘ったるいですが、オレンジやウイキョウのソルベやサフランを使ったアングレーズソース、フレッシュなオレンジと甘夏や爽やかなハーブのディルがあるので、駆け抜けていくように爽やか。
Binario/プラットホーム 小菓子
森にあるトリュフをイメージしたという一口で食べることができる小菓子。これも南イタリアのシチリア島の伝統菓子である『カンノーリ』を再構築したもので、中にはリコッタチーズのクリーム・チョコレート・オレンジジャム・ピスタチオを挟んでいます。
Caffè o Tè カフェまたはティー
いつものカプチーノは、日高さんのラテアート。今回は5月ということで、鯉のぼり。いつもいつもありがとうございます。
「SALONE TOKYO」がオープンして、弓削シェフ・青木シェフの体制が確立した新しい「SALONE 2007」。料理の主役となる食材の存在感はとてもはっきりとしており、食材そのものを食べさせるものはポーションが大きく、味わい的なものは濃厚。特にメインの肉料理は今までにないボリュームですが、苦味や甘味を添えることで飽きさせない工夫もあり、素晴らしかったです。
次回は初秋。また進化した「SALONE 2007」を感じたいです。15444。
2018.2.
遅ればせながらも新年のご挨拶がてら、「SALONE 2007」へ再訪。噂には聞いていたのだけど、ずっとシェフを務めてらした細田さんがホールのサービスにいらっしゃる。コックコートしか見たことがないので、違和感はありますが、新鮮な感じ。「SALONE 2007」の新たなシェフとして、大阪「QUINTOCANTO」にいらした弓削シェフが着任され、この2月のコースから本格的にメニュー構想に加わっているそうです。
CENA Corso di 2piatti
Inizio/序章A5サーロイン・メークイン
瞳を閉じる。少量ながらも、味も香りのインパクトはディナーの幕開けに相応しい。
Colore/紅赤ビーツ・鰆・ムール貝
真っ赤な色合いがとても印象的なビーツを使った一皿。中には塩で味を濃縮させた鰆とグリルでこれも味を濃縮させたムール貝をミントマヨネーズで合え、ビーツはビネガーマリネした角切り・ローストスライス・ピューレ・パウダーと様々な形で食感と彩りを演出しています。手前から食べることで、徐々に爽やかになっていく味の変化すらも美しい料理。
Memoria/追憶トリッパ・ウズラ豆・スカモルツァ
トロトロになるまで煮込まれたものと75°Cでじっくりと火入れして焼かれたものと2種類のトリッパを楽しめる一皿。下にはうずら豆のピューレ、上にはスカモッツァとカリカリのパン。小さなグラタンのようなイメージで、もっと多く供されたならば、これだけでもワインやパンが進んでしまいます。
Filosofia/哲学鮮魚・タコ・ハマグリ
オレンジ香るスペシャリテの一皿。今回は千葉産 鱸・九十九里産 蛤・明石産 真蛸。色々と中に入っている魚を食べていますが、この鱸が定番でありながらも1番美味しいかも。
Armonia/調和海老・ピスタチオ・マジョラム
美味しいと分かっていた。供されると、海老の濃厚な香りが食欲をかき立てます。パスタは手打ちのタリオリーニ、上からはピスタチオをパン粉を炒ったものとフレッシュマジョラム。口にすると、モチモチとしたパスタとカリッとしたピスタチオの食感のコントラストが楽しめ、海老の濃縮した味わいとトマトの酸味が最後にアクセントとして残ります。「SALONE 2007」らしい素晴らしいパスタです。
Sinergia/相乗牛テール・ゴルゴンゾーラ・・トレビス
ピラミッド型のラビオリのファゴッテーニの中には牛テール、ソースはセージとバター。上からゴルゴンゾーラと苦味のあるトレビスで、濃厚なパスタに心地よい刺激を与えています。もっと1つ1つを小さくして山盛りで、一口でパクパクと食べてみたいパスタ。
Ristretto/味覚の濃縮ソプレッサータ・コテキーノ・オレンジ
構成は豚舌や肩肉などで作った田舎風パテのソプレッサータ、マンダリンオレンジのシャーベット、フェンネルのマリネ、コキテーノ。口に入れると、オレンジの香りと爽やかな味わいが広がり、プリプリとしたソプレッサータがゆっくりと体温で溶けてゆく。濃縮した味わいではありますが、後味は風が吹いたようにとても爽やか。
Cacciagione/ジビエ猪・バターナッツ南瓜・バルサミコ
段々と肉のボリュームが大きくなっているメイン。今回はジビエの猪。とてもシンプルな焼きながらも素晴らしく美味しい。そして付け合わせは、ピーナッツ南瓜をローストしたものとピューレ状のものにパウダー化したバルサミコソースを乗せています。肉は素材勝負、付け合わせはシェフの矜持を感じられる料理です。
Concerto/協奏チョコレート・ヘーゼルナッツ・ライム
単調になりやすい濃厚なチョコレートのドルチェ。しかしながら、左にあるライムが乗せられたチョコレートテリーヌを食べると、口の中が爽やかになり、目が覚めたような気持ちになります。
Caffè o Tè/カフェまたはティー
タイムリーな日高さんの渾身のラテアート。うーん、過去の作品を見てからも分かるように、レベルが上がっているなぁ。エッチングだけでなく、フリーポアもできるのかしら?
今月も料理とサービス共に素晴らしく、横浜を代表するイタリアンに相応しい風格です。2/14には渋谷の「biodinamico」が移転リニューアルし、3/29には東京ミッドタウン日比谷に「SALONE TOKYO」がオープンします。共に東京のイタリアンに旋風を巻き起こすお店になることは間違いありません。「SALONE 2007」を軸として、私も東京の他店舗の雰囲気や料理も味わってみたいです。
4年前、中華街の片隅にある小さなお店。ガラス張りの外観から見えるロイヤルブルーに金色の装飾が煌めくイタリアン「SALONE 2007」に恋をした。今ではグランメゾンクラスのお店にも1人で行きますが、まだ1人で食べ歩きが慣れていない頃で、予約することでさえも躊躇していました。そんな私をきめ細やかなサービスと芸術的な料理の数々で迎えてくれた「SALONE 2007」が、この度10周年を迎えました。運良くも、記念すべき10周年ディナーに参加させていただくことが出来ました。
大阪から戻って来られた西嶋さんや平CEOまでいらして、「SALONE 2007」の歴代のシェフもいらっしゃる。今夜のディナーは、「同じ料理は提供しない」というルールを守り続けている「SALONE 2007」の歴代シェフのスペシャリテコースなのです。
MENU DI SALONE 2007 10° ANNIVERSARIO
和牛 A5サーロインのスピエディーノ
オープン当初から「SALONE 2007」お決まりのスターター。一口ながらも、ふわりと香るトリュフにモチっとしたジャガイモのペースト、じゅわりと脂滴るサーロインがテンションを上がってくれます。
烏賊とチョコレートのアグロドルチェ
樋口 敬洋エグゼクティブシェフのスペシャリテ。シチリア地方の『烏賊のチョコレート煮』を冷菜に仕立てたもの。
黒いソースは、チョコレート・イカスミなどから作られており、チョコレートの甘さはフワリとする程度で、何層にも重なるドレスのような重厚感があります。上からは冷やしたフォワグラのテリーヌを摩り下ろし、ガーリックの風味を纏った松の実で、更なるコクを与えています。単調になりやすい烏賊のねっとりとした食感に、チョコレートチップや松の実のカリカリ食感が加わって、前菜でありながらも刺激的な料理となっています。
ポルケッタロマーナ レンズ豆とセロリ
現・「RIO'S Buongustaio」の渡部 竜太郎シェフのスペシャリテ。ローマの郷土料理である『ポルケッタ』を再構築したもの。
供されると、ハーブとセロリの爽やかな香りが身を包みます。身の部分はそのままに、脂身をフリットしてサクサク食感を与え、泡状のセロリを肉と共に食べると、一陣の風が吹いたかのように爽やかになります。後味も素晴らしい。
ラヴィオローネと白トリュフ
春にオープンする「SALONE TOKYO」のシェフを務められるであろう高見 博史統括料理長のスペシャリテ。
栃木県の「力丸卵」というコクのある卵と出逢ったことで生まれたという料理。白トリュフ香る大きなラヴィオローネには、卵黄・リコッタチーズ・ほうれん草が入っており、ナイフを入れると絶妙な火入れの卵黄が流れ出します。シンプルながらもベストマッチな食材の組み合わせの中で、温度や味が際立つ素晴らしいスペシャリテ。
鮮魚のヴァポーレ
「SALONE2007」の初期からのスペシャリテ。立ち上げ当時シェフであった平 高行CEOと樋口エグゼクティブシェフがこの「SALONE2007」を代表する料理に関わっているのだそう。今回はレアな太刀魚。たまに太刀魚を出すとは聞いていたけどされど、本当にレアだったそうで、やっと出逢えました。
ポモドーロ 低加水パスタフレスカ
現・南青山「ラルテ沢藤」のオーナーシェフの沢藤 隆さんのスペシャリテ。
そのポモドーロを10周年記念らしく、グレードアップさせたもの。トマトはシシリアンルージュ、パスタは「浅草開花楼」の低加水パスタフレスカを使い、かなり濃厚な仕上がり。右側にはバジルペースト・ンドゥイヤ・レモンリコッタがあり、一つのパスタ料理でありながらも、色々な味を楽しむことができます。やはり、このお店のパスタは少量ならではの極々濃厚で美味しい。
鴨胸肉のロースト マルサラソース
現・「SALONE 2007」の細田 健太郎シェフのスペシャリテは、シンプルな焼きで勝負の料理。
鴨はブルターニュ産のもので、かなり大きめにカット。柔らかくも、肉質は確りとしていて、噛むたびに旨味と脂の甘みが口に広がります。鴨というと、サルミソースなどの濃厚なものが好きですが、脂身はカリッとさせ、肉はジューシーな仕上がりも美味しい。シェフの矜持を感じられる一皿でした。
ティラミス ピエモンテーゼ
ピエモンテの名産であるヘーゼルナッツを使ったティラミス。下にはヘーゼルナッツのケーキとヘーゼルナッツのジェラートとマスカルポーネがあり、目の前でザバイオーネがたっぷりとかけられます。あのティラミスも「SALONE 2007」にかかると、別の料理のようなイメージになります。
カンノーリ
以前からあった小菓子の盛り合わせはなくなり、よりクオリティを上げた一つを供するようになったそうです。で、今回は『カンノーリ』。『カンノーリ』というとリコッタチーズが一般的でしょうが、これはチョコレートもオレンジが中に入っており、買って帰りたいくらい美味しい。
カフェ
日高さんのラテアートは、どんどんクオリティが上がっています。
怒涛のような一皿一皿インパクトのある料理の数々。日本でも屈指のイタリアンに押し上げた歴代シェフのスペシャリテはやはり完成度が高く、何よりも美味しい。この3日間だけというのが、とても惜しいくらいの料理でした。何度でも何度でも恋するキモチを感じられる素晴らしいお店です。
今夜はありがとうございました。
2017.9.
夏のフィナーレが感じられるようになって、食材もそろそろ秋めいてきたかな?そんな時期に「SALONE 2007」へ再訪。
CENA Corso di 9 piatti
Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
最初のインパクトは、いつも通り。毎回もうちょっと食べたいと思います。でも食べ終わると、この量がベストであるといつも感じる料理です。
Stagione/訪れ 鰹・ナス・ビーツ
旬を迎えた脂のある戻り鰹と秋を代表する野菜の茄子、ビーツと共にサッパリといただく料理。ピューレ状の茄子とマリネした茄子のスライスが鰹とよく合います。甘みのあるビーツのソースが全体を包み込むよう、そしてピスタチオの食感のアクセントが心地よく響きます。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテ。今回は真鯛。このお店は、どの料理も五感を刺激します。この料理で言えば、供される時のオレンジの香りは1番に鮮烈。そして、絶妙な温度の中で、暴れる蛸の食感が楽しくも美味しい。
Armonia/協奏 リゾット・ペペローニ・ホタテ・ミント
甘めに仕上げた赤ピーマンのリゾットをバーニャカウダソースでギュッ引き締めた「SALONE 2007」では珍しいリゾット。北イタリアの料理がベースだそうで、合わせてあるチーズも燻製したリコッタチーズで、少量ながらも極濃厚なリゾット。この量がベストな料理。
Regionale/郷土 太刀魚・クルミ・ジェノベーゼ
絶妙な火入れでフワフワに仕上げた太刀魚の身に濃厚なクルミソースを挟んで、ジェノベーゼソースでいただく爽やかな一皿。バジルとレモンの香りが爽やかさを加速させ、口の中で混ざり合う2種のソースが素晴らしい。
Ristretto/味覚の濃縮 ムール貝・羊サルシッチャ・サフラン
噛み始めると、羊サルシッチャのスパイシーさとパイナップルの酸味が際立ち、徐々に濃厚なモンサンミッシェル産ムール貝のコクが顔を出します。目で楽しみ、口の中で完成する料理。「SALONE 2007」を代表する料理の1つです。
Combinazione/組み合わせ リガテッリ・牡蠣・豚
「山と海の食材の出逢い」がこの料理のテーマ。山の食材は、豚肉。海の食材は、牡蠣。牡蠣はソース状になっていますが、確りと存在感があり、シャキシャキとしたケールとサクサク食感のパン粉が食べていても楽しい。ソースが極旨なので、パンで拭って食べることをオススメします。
Materico/対峙 蝦夷鹿・炭・ブラックベリー
これは美味しい。ナイフで切ると、鹿肉が目覚めるように肉汁が溢れ出します。素晴らしく柔らかで、肉本来の香りもいい。ソースは酸味のあるブラックベリーで、肉の甘みを引き立てています。
Proposta/提案 栗・ローズマリー・赤スグリ
栗はイタリアの名産だそうで、この季節ならではの栗を使ったドルチェ。ドルチェ自体は甘くなく、赤すぐりの酸味がキュッと引き締めており、大人のドルチェです。
Binario/プラットホーム 小菓子
なんとずっと変わらなかった小菓子の盛り合わせであるプラットホームが、これを最後になくなるらしいです。次回からは1種になって、量が増えるそうです。
Caffè o Tè カフェまたはティー
恒例となっている「SALONE 2007」のラテアート。日高さん、ありがとうございます。今回は中秋の名月ということで、うさちゃん。下に「salone」と描かれており、ラテアートの技術も上がってます。
もう1つ寂しいお知らせが。いつも最後にいただける料理の詳細がイラストではなくなり、写真に変わってしまいました。少し寂しい気がしますが、全店舗共通らしいので、時代の流れというやつでしょうか。
次回は、スペシャルなディナーにお誘いいただきました。懐かしい方々もいらっしゃるとのことで、料理と共に楽しみです。
2017.6.
時折、強く吹く風がこれから訪れる夏の予感を感じさせるそんな夜に「SALONE 2007」に再訪。先日、放映されたタウン情報番組でもかなり高い評価を得て、ますます今後が期待されています。お店のスタッフも転籍や退職などで、今は男性スタッフのみというレアな状況も面白いところ。
Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
一口で食べられるこの量だからこその美味しさです。
Proposta/提案 マグロ・ブリオッシュ・トマト
トスカーナ地方のパンツァネッラを再構築。ザクザクとしたブリオッシュ、シャキシャキの玉葱、酸味のあるフルーツトマトグラニテが印象的な料理。鮪やモッツァレラが味のアクセント。
Armonia/調和 穴子・フォアグラ・シナモン
穴子のフリットがサックサク。ジェラート状のフォワグラとの温度差が面白い。味わいも下に敷かれた苦味のあるトレビスがあるので、一緒に食べると締まります。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
「SALONE 2007」のスペシャリテの鮮魚のヴァポーレ。供されると、吹くオレンジの一陣の風がとても印象的な料理。鮮魚は日によるそうで、今夜は鱸。
Ristretto/味覚の濃縮 豚ホホ肉・ビスク・マジョラム
咀嚼することが楽しいと思わせてくれる料理。今回は豚の頬肉と海老のビスク。噛む度に食材たちが溶け合うのが、非常によく分かります。頬肉の脂が溶け出し、ビスクと混ざり合い、最後は甘さが残る。素晴らしい料理です。
Inventiva/発想 カルボナーラ・イカ・カラスミ
定番のカルボナーラも「SALONE 2007」が手がけると、ここまで変わるものなのかと思うパスタ。卵黄ソースにはカラスミを入れ、具にもアオリイカという海の旨さを加えることで、新しい美味しさを発見できました。また黒胡椒のチップやミントのアクセントも絶妙。
Rigionale/郷土 カヴァテッリ・羊・チャンボッタ
「SALONE 2007」で大好きなラグー系パスタ。かなり肉々しいラグーで、羊を食べている感が存分に味わえます。カヴァテッリは焦がし小麦を使っているそうで、独特の香ばしい味わいが全体にあります。
Rinascita/再構築 仔牛・ラグザーノ・レモン
かなり大きい仔牛は、シンプルにロースト。シチリアのカツレツをイメージしたそうで、上にはインパクトのあるパン粉。ソースもチーズ系のラグザーノで、しっとりとしている仔牛を包み込むような濃厚な味わい。添えてあるレモンジャムをつけると、ガラリと味わいが変わります。
Destino/巡り合わせ チョコレート・薔薇・ローズマリー
見た目からエロチックなドルチェ(笑)チョコレートのテリーヌは、バラの繊細な味わいを殺さないような濃さで、一緒に食べると調和します。食べ終えた後に、ふわりと香るバラの匂いがセクシーです。
Caffè o Tè カフェまたはティー
「よく似てるって言われてます」とおっしゃる日高さんが描いてくれたラテアート。
全体的に爽やかな味わいの料理が多く、夏の訪れを舌でも感じることができました。今回の一番は、何と言っても『Inventiva/発想 カルボナーラ・イカ・カラスミ』。皆が知っている料理だからこそ、その違いを明らかにしないといけないし、アレンジしすぎると元の料理からかけ離れてしまう。定番料理の再構築には、そんな苦労があるそうです。食べる側としては、誰もが知っている定番料理があると、お店のレベルを感じやすいので嬉しいですね。
次回は初秋。秋の食材を楽しみにしております。今夜もご馳走様でした。
2017.4.
街が桜色に彩られるそんな季節に、今年初となる「SALONE 2007」に再訪。今夜も満席なようで、テーブルに並べられたカトラリー達がまだ来ぬゲストの訪れを待っています。今夜もいつもの指定席でのディナーです。
Inizio/序章 A5サーロイン・メークイン
安定の美味しさ。噛み締める度に溢れる肉汁とジャガイモが絡まって、美味しい。少量だからこそのインパクト。
Armonia/調和 グリーンピース・卵・アオリイカ
グリンピースのピューレ状と粒のままでの甘さ、烏賊の脱水した生の身・低温で火入れした下足の相性は良く、酸味の効いたカルピオーネ液に漬け込まれたゆで卵の卵黄をソースみたく絡めて食べると、その美味しさは跳ね上がります。
Filosofia/哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
ご存知のスペシャリテ。ですが、更に美味しくするために産地を模索中だそうです。
Memoria/追憶 ホロホロ鳥・ヘーゼルナッツ・アスパラガス
ピエモンテ料理がベースだそうで、キャラメリゼされたヘーゼルナッツと下に敷かれたヘーゼルナッツソースは単体だとほろ苦さもありますが、やはり甘い。でもかなり大きく切りつけられたホロホロ鳥のジューシーさとシャキシャキとしたアスパラガスの食感と合わさると、実に美味しい。
Combinazione/組み合わせ タリオリーニ・海苔・トリュフ
供されると、立ち込める海苔とトリュフの香りで圧倒されます。味も濃厚で、「SALONE 2007」らしい。この量だからこそのインパクトは素晴らしいの一言。いつもパスタ料理は期待以上のものを提供してくれます。
Ristretto/味覚の濃縮 牛ハツ・マスタード・オレンジ
甘みのある牛ハツとオレンジの爽やかな味、ルッコラの苦味、マスタードのコク、炭火ソースの風味。口の中で完成する料理は、いつまでも留めておきたくなります。
Proposta/提案 ファゴッティーニ・兎・タラサッコ
甘さのあるジャガイモをファゴッティーニにして、ソースにするには勿体無いくらいのたっぷりの兎のラグーでいただきます。少量なれど肉々しいパスタです。近年はさりげなく兎などの肉も使っており、新たなる味覚の出会いも多いです。
Regionale/郷土 チンタセネーゼ・パプリカ・唐辛子
トスカーナを代表する豚肉「チンタセネーゼ」は、身よりも脂身が実に美味しい。ダイレクトに味わえる料理なので、あまり肉には手を加えていないのもポイントで、見事な火入れを楽しめます。
Rinascita/再構築 ブリオッシュ・ラム酒・サフラン
ババを再構築したドルチェ。供されると、レモンの爽やかな香りが楽しめます。全体的には爽やかなドルチェですが、ゼリー状のラム酒と合わさると、一気に目が覚めるような強烈な味わいになります。
Caffè o Tè カフェまたはティー
いつもラテアートをして下さった大城さんが退社されたそうなので、もう見られないかと思っていましたが、確りとラテアート。ありがとうございます♡
今夜も料理・サービスともに洗練された時間を過ごすことができました。目で供される料理の美しさを、鼻で立ち込める香りを楽しみ、食感も大切にしている料理の数々を舌で味わう。少量ならではこその濃厚な味のインパクトを楽しめることがこのお店のいいところだと思います。イタリアの色々な地方の料理を再構築しているので、イタリアに造詣のある方ならば、まるでイタリア全土を旅しているかのような料理に出会えるかと思います。
今夜も感動をありがとうございました。
2016.12.
クリスマスカラーに彩られた街は華やかですが、何かやり残したことの後悔と新しい年に対しての希望が入り乱れる12月。珍しくもこんな月に「SALONE 2007」へ再訪。ここはグループの旗艦店ですが、特にクリスマスメニューはなく、通常の月替わりメニューのみの営業だそうで、私のように単なる夕飯というスタイルもありな感じです。
実食
Inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ
定番のいつもの。余韻にに浸りましょう。
Proposta/ 提案 馬肉・バーニャカウダ・フランボワーズ
ソースは燻製した卵黄ソースとニンニクが効いたバーニャカウダソース。酸味のアクセントでフランボワーズ、食感でヘーゼルナッツ。少量の卵黄ソースですが、しっかりと薫香がして楽しめます。ピエモンテ州の「カルネ・クルーダ・バットゥータ・アル・コルテッロ」のオマージュだそうで、最初からインパクトのある料理です。
Filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
今回は宮城県産の鮃。スペシャリテは不動の美味しさ。
Campanilismo/ 郷土 ザンポーネ・レンズ豆・チリメンキャベツ
供されると、ぶわりとオールスパイスの香りが鼻を擽ります。豚足はとても柔らかく、モッチリとした食感。食感の異なるチリメンキャベツの甘さもいい。
Innovamento/ 想起 パッケリ・鮟鱇・サフラン・ココナッツ
ナポリの定番パスタ。ソースはこれもナポリでよく食べられる鮟鱇のラグーをサフランで風味づけ。泡はココナッツで、ハーブとピンクペッパーのアクセントで、メリハリのある料理に仕上げています。
Ristretto/ 味覚の濃縮 ブラザート・フォアグラ・イチジク
牛頬の赤ワイン煮とジェラート状のフォワグラが主役。牛頬がジェラートが同じくらいの柔らかさで、口の中でまさに混ざります。
Interludio/ 間奏 ボットーネ・リボッリータ・雉
珍しくシンプルな料理かと思ったら、トスカーナの郷土料理「リボッリータ」のオマージュでした。スープは雉のブロードで、ボットーネの中には黒キャベツと白インゲン豆が入っていて、パスタでありながらもスープという面白い志向でした。攻めの料理が続いていたので、間奏というわけですね。でもコレも攻めの料理と思いますが。
Selvaggina/ ジビエ 蝦夷鹿・ポレンタ・ゴルゴンゾーラ
とても柔らかく、ジューシーに仕上げています。細田シェフらしい火入れの料理。ソースとを一緒に食べると、口の中で完成するという感じ。少量ながらも、余韻に浸れる料理です。
Rinascitsa/ 再構築 ティラミス・ライム・ライチ
ティラミスを再構築したドルチェで、出された時に「これがティラミス?」と思いましたが、食べてみると確かに「ティラミスだ!」とはいえ、ライムとライチが隠し味として入っているので、よく知るティラミスよりは全然重くない味わいです。
Caffè o Tè カフェまたはティー
岩橋さんのラテアート。今回は3Dになっていて、確実に上達しているのが分かります。いつもありがとうございます♡
今回は年の終わりのコースということで、全体的に攻めの料理が多くて、個人的には好みでした。ラグー系のパスタが少なかったのは残念なとこですけど。
次回は、春。今年もお世話になりました。来年も美味しい料理をよろしくお願い致します。
2016.9.
もう日が傾くのが早くなって、「SALONE 2007」の開店時間には、もう近くのマリンタワーが綺麗に空を飾っています。山下さんと岩橋さんにご挨拶を交わして、いつもの席へ。さあ、今夜も「SALONE 2007」の幕が上がります。
『Inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
目を閉じる。一口ながらも、深くへと引き込まれるような旨さがあります。
『Finto/ 模造 鱒・カンパリ・オレンジ』
鱒はマリネして皮目だけに軽く熱を通しており、旨味が凝縮しているようで美味しい。「模造」というメニュー名の通り、イクラに見立てたカンパリリキュールが添えられており、ウイキョウのサラダとブラッドオレンジソースが合わさり、爽やかな風が吹くような前菜。
『Campanilismo/ 郷土 チャルソンス・林檎・スペック』
イタリア北東部・フリウリ州のシナモンを使った甘い郷土料理のチャルソンスを「SALONE 2007」風にアレンジしたもの。供されると、シナモンの香りがフワリとします。元々は甘い料理だそうですが、塩気をプラスして、コース料理に合う味わいになっています。物珍しいパスタ料理ですが、やはり「SALONE 2007」のパスタは鉄板の美味しさ。
『Filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
今回はこの順番で登場の「SALONE 2007」のスペシャリテ。白身は愛媛産の真鯛。
『Mescolare/ 錯綜 鱈・ポレンタ・赤海老・エスプレッソ』
北イタリアの定番料理のポレンタを焼き、更に赤海老を加えることで海の旨味をプラスして、より一口のインパクトが強い品になっています。
『Ristretto/ 味覚の濃縮 牛タン・ロビオラ・フランボワーズ』
一口で味わう小宇宙。牛タンの肉汁とロビオラチーズの濃厚がフランボワーズで爽やかになり、ピスタチオの食感を楽しんでいると、また牛タンの肉汁が!この繰り返しが噛んでいる間は、ずっと楽しめます。
『Memoria/ 追憶 タヤリン・ポルチーニ茸・アオリイカ』
実に美味しい。供されると、キノコの香りがフワリと香ります。濃厚な味わいの中で、イカが非常によく合う。いつもパスタの量が少なくて、もっと食べたいと思うところなのですが、これは少量でもガツンとくる美味しさでした。
『Stagione/ 秋趣 仔羊・ナス・ピエブルー』
柔らかいのは勿論ですが、この仔羊は香りがいい。秋を感じさせる濃厚な茄子のピューレと付け合わせのキノコが非常に美味しい。特にこのキノコはピエブルーといい、食感と香りが段違い。余韻に浸れるメインでした。
『Destino/ 巡り合わせ サフラン・アーモンド・巨峰』
パイやアーモンドクロカンテの下にあるサフランカスタードが、かなり主張してくるドルチェ。爽やかな感じかと思っていましたが、なかなか濃厚な味わいでした。
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
岩橋さん渾身のラテアート。今回は10月ってことで、ハロウィンバージョンです。
今回も料理の提供スピードや説明、サービスはさすがと言わざるを得ない素晴らしさでした。少量多皿なれど、今回の料理はインパクトのあるものが多かったので、満足度も高かったです。
そして、サローネグループの新しい店舗が日本橋小網町に出来たことをご存知でしょうか?店舗名は「L'ottocento」といい、厨房を取り仕切るのは、サローネグループエグゼクティブシェフ樋口敬洋さん。ホールの責任者は大阪の「Ristorante QUINTOCANTO」の高橋すみれさん。どちらもお会いしたことのないですが、間違えなくこのサローネグループを牽引して来られた方々なので、カジュアルなお店みたいですが、サローネの品質とサービスは変わらないと思います。某グルメ雑誌にも掲載予定だそうで、興味のある方は早めにチェックです。
次回は仕事の都合上、行かれないかもしれませんが、12月。今月もご馳走様でした。
2016.6.
朝からの嵐のような雨が、夢のように綺麗に晴れて、少し蒸し暑いながらも街を抜ける夜風が気持ちいい。まだ初夏と呼べるそんな日に「SALONE 2007」に再訪です。
CENA Corso 2016.6.
inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ
始まりはやはり、コレ。お腹を空かせた一番初めに食べるからこそのご馳走です。肉の香りがたまりません。
ambiente/ 恩恵 鱒・ビーツ・ホースラディッシュ
「SALONE 2007」では、珍しい鱒を使ったビーツの二層からなるタルタル。鱒は甘くジューシー。レホール(ホースラディッシュ)のヨーグルトソースはコッテリしているかと思ったら、かなり爽やか。ピンクペッパーの刺激とカリカリ食感のパン粉とチーズのクロカンテが口の中で奏でるリズムが楽しい。
filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ
変わらずに供された時のオレンジの香りが印象的ないつものヴァポーレ。今回は宮城産の鱸。白身魚を使うので、鱸や真鯛によく当たりますが、稀に甘鯛があるらしい。是非、その日に当たってみたいものです。
campanilismo/ 郷土 ボットーネ・鱈・トリッパ
ボットーネの中身は、鱈とジャガイモ。ほっくりとした中にも、鱈の甘さがあります。ソース的なものとして、クニュクニュ食感の楽しいトリッパ。今まで濃厚なソースは多々ありましたが、肉々しいのは久しぶり。味のアクセントとして、ブラックオリーブの塩気。食感のアクセントにはアーモンド。なかなか楽しいパスタです。
destino/ 巡り合わせ ホロホロ鳥・カモミール・ミント
ホロホロ鳥は低温調理したコンフィのようで、かなりしっとりとして美味しい。塊で欲しいくらい(笑)そして、何より驚いたのがペパーミントのメレンゲ。口に入れると、ミントの風味が一気に目覚める感じ。斬新です。
esotico/ 想起 サルシッチャ・海老・エストラゴン
食べるまでもなく、料理の説明だけでも美味しい。肉々しいサルシッチャはかなりたっぷりと盛られていて、下に敷かれた海老のビスクの甘さが濃厚でたまらない。タリオリーニもしっかりとした食感があって、これぞ「SALONE 2007」の真骨頂のパスタ。
ristretto/ 味覚の濃縮 穴子・フランボワーズ・スペック
一口ながらも、絶対的な穴子の存在感。ライムゼストやフランボワーズビネガーで、口の中が爽やかになります。
「SALONE 2007」の名物料理は、やはり美味しさと楽しさがギュッと詰まっている感じです。
materico/ 対峙 馬サーロイン・タテガミ・玉葱
この馬肉も「SALONE 2007」では珍しく、部位はサーロインだそう。タンパクですが、嚙み締める度に肉汁が溢れ出すほどにジューシー。添えられているのはトロトロに焼き上げられた玉葱と馬のタテガミ。これが、素晴らしく美味しい。玉葱の強烈な甘さの中で、コリコリとした独特の食感と甘さが映えます。
proposta/ 提案 カンノーリ・アメリカンチェリー・バジル
カンノーリといえば、映画『ゴッドファーザー』「銃は置いていけ。カンノーリは持っていけ (Leave the gun. Take the cannoli.) 」というセリフで有名なシチリアのお菓子。それを再構築したドルチェで、アメリカンチェリーの甘さとレモンのヌーボラの酸味がいいアクセントになっていて、美味しい。
Caffè o Tè カフェまたはティー
大城さんのラテアートはますますレベルが上がっています。去年はカエルちゃんだけだったのですが、今回はカエルの着ぐるみを着た女の子。
今回は全体的に爽やかな料理が多く、初夏を味わえるコースとなっていました。いつ訪れても、この「SALONE 2007」の料理は五感で楽しめるものが殆どで、感動があります。
詳細の発表はまだなのですが、日本橋に「L’ottocento」という「SALONE 2007」初のアラカルト形式の新店舗が7月にオープンするそうです。いつももっと食べたいと思っていたあのパスタや肉料理などが思う存分食べられそうです。是非、行ってみたいですね。
2016.4.
桜が春の訪れを告げる中、冬が名残惜しそうに振り返っているような夜風が街を抜ける、そんな日にやってきたのは「SALONE 2007」です。3/15より新しく個室が使えるようになっていて、今回は利用してた方がいらしたので、見ることができませんでしたが、かなりエロティックな雰囲気らしい。いつか誰もいなかったら、見せてもらおう。
『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
いつも定番の一皿。今回のはちょっとポテトが大きくて、食べ応えがあったような。
『tavolozza/ 色彩 ウサギ・空豆・人参・ミント』
ウサギはしっとりと柔らかく、ミントの爽やかさと人参ピューレの甘さがしっくりときます。空豆のパンナコッタとリコッタチーズの組み合わせもいい。もうちょっとウサギが大きいならば、より鮮明な味わいを楽しめたかな。
『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
このお店のスペシャリテ。今回は白身魚は、珍しくホウボウ。かなりの肉厚で、美味しかった。供されると同時に広がるオレンジオイルの香りは、桜を揺らすような心地よい一陣の風のようです。
『nostalgia/ 追懐 リガテッリ・羊・リコッタ・タイム』
見た目はちょっと華やかさに欠けるけど、やっぱりラグー系は濃厚で美味しい。更にオーブン焼きされたリコッタチーズが絡まれば、不味いわけがない。食べる際は、ちょっと混ぜて食べると更に美味しい。
『combinazione/ 組み合わせ ホワイトアスパラ・青柳・アサリ』
このお店の料理の多くは、食感と香りを大切にしているものが多い。この料理の香りはエストラゴンですが、じゃあ食感は?それは泡状のアサリスキューマ。口に入れると、淡雪のように消えて、円やかな牛乳のコクとアサリの旨味が広がります。
『ristretto/ 味覚の濃縮 ウニ・牛・マルサラ・ケッパー』
名物のワンスプーン。今回はさほど食感はないながらも、海胆が持つ磯の香りとイチボの脂をガツンと感じることができます。
『campanilismo/ 郷土 タリオリーニ・フィノキエット・マグロ・サフラン』
シチリアの食材を混ぜ合わせたようなパスタ。サフランの香りもよく、後を引くような味の濃さも好み。ランチと同様に、パスタの量も選べたらと来るたびに思います。
『incrocio/ 交錯 チンタセネーゼ・ピスタチオ・杏』
トスカーナの豚肉、『チンタセネーゼ豚』を初のメイン使いということもあり、シェフも興奮してらした皿。
食感はピスタチオ、ソースはジュというシンプルな造り。火入れは綺麗なピンク色で、さすがです。この豚の良さは、脂身の甘さ。食べ終わった後でも、いい香りと甘みの余韻が残ります。強いて言うのであれば、折角の素晴らしい火入れの断面をこちら側にして欲しかったな。
『destino/ 巡り合わせ フォアグラ・カカオ・苺・バルサミコ』
バルサミコでマリネした苺とサクりとしたカカオメレンゲを、フォワグラジェラード組み合わせを楽しむというのがコンセプト。食感も楽しく、味わいは合わないわけがない。
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さん渾身のラテアート。今回のは冬眠から目覚めたクマちゃんです♡
今回のコースは桜の開花を待ちわびる春の息吹を感じるように料理が進み、メインには満開の桜を眺めているようなドラマチックな構成でした。旬の素材も楽しめる構成内容で、パスタの鉄板の美味しさは変わらず、メインは少量ながらもインパク大の素材が最近多くて、終わった後の余韻が長く楽しめます。
サービスの方がかなり入れ替わってしまったので、知っている方が少なくなってしまったのが寂しいですが、出逢いと別れの季節ならではの感傷ですね。
次回は初夏。まだ心地よい風が吹いている爽やかな日のような料理に期待しています。
2016.1.
冷たい空気が身体を引き締め、吐息がマリンタワー煌めく、空に溶けるそんな日。新年のご挨拶をしに「SALONE 2007」に再訪です。サローネグループ内で配置転換などがあって、スタッフの多くは初見の方ばかりでしたが、山下さん・細田シェフ・末広さん・大城さんにご挨拶をして、いつもの席へ。
『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
今月限定で、イタリア産の黒トリュフが入荷しているそうで、追加して乗せていただきました。元々、白トリュフの香りをつけている料理ですが、やはり本物は香りに深みを与えています。レギュラー化を希望する美味しさ。
『armonia/ 調和 フォアグラ・メロン・正山小種』
フォワグラをテリーヌにして、凍らせたものを鰹節みたく削ったものが、メロンのジェラートと雉のブロードのジュレにたっぷりと盛られています。ジュレには正山小種(茶葉を松葉で薫製した紅茶)の薫香がフワリと香り、ポップライスが軽い食感を。よーく混ぜて食べると、非常によい。
『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
定番のスペシャリテ。今夜の白身は、宮城県産の鱸。
『sublimato/ 昇華 卵・ペコリーノ・胡椒・パンチェッタ』
イタリア北部で作られる詰め物をしたパスタのトルテッリを使い、カルボナーラを再構築。詰められているのはリコッタチーズで、泡状のは黒胡椒。パスタはやはり濃厚で、美味しい。定番パスタのカルボナーラの再構築は、「SALONE 2007」の初メニュー。
『campanilismo/ 郷愁 仔豚・リボッリータ・ボッタルガ』
カリッと焼かれた千葉産の花愁仔豚。郷土料理のリボッリータ(野菜と豆のスープ)をソースとして使う大胆さ。白インゲン豆には、カラスミパウダーをまぶしてあります。ソースとしては多少弱い中で、赤玉のビネガー漬けがよいアクセントになっている。
『gustoso/ 芳醇 オルツォ・牡蠣・ビーツ・リクリツィア』
牡蠣とあったので、どのような形で供されるのかと思っていたら、ソースでした。しかし極濃で、口にすると鼻に抜ける香りが凄い。ビーツで色付けされたオルツォのリゾットも美味しく、リクリッツアの苦味がよいアクセントです。
『ristretto/ 味覚の濃縮 仔羊・サフラン・パプリカ・オレガノ』
仔羊のよい柔らかさと脂。ピスタチオの食感。フレッシュオレガノの香り。チョコレートのコク。最後にピリッとくるンドゥイヤ。一口に込められた小宇宙です。
『ideazione/ 着想 蝦夷鹿・バラ・人参』
まずは蝦夷鹿だけを食べて下さいとのことで、食べる。すると、肉の旨みの中に、ほのかに香るバラの香り。面白い。
金時人参のピューレと鹿のソース、一緒に食べると、美味しい。
『banchetto/ 後宴 金柑・チョコレート・グラッパ』
中央にチョコレートジェラート、「パラディーゾ(天国) の味」と言われているトルタパラディーゾをグラッパが強めに効いたホワイトチョコレートムースでいただきます。くどいかな?と思っていたら、金柑のコンポートがある為に、爽やかなドルチェに仕上がっていました。
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さんのラテアート。きっと来るだろいうと思っていた今年の干支であるお猿さんです。可愛い♡
今夜も美味しく、楽しめました。ありがとうございます。最後にいただけるメニューイラストもとても可愛く、パワーアップ。
いつも料理の説明が素晴らしい末広さんが渋谷の「BIODINAMICO」に転属されるそうで、ちょっと残念。でも新天地でのご活躍を期待しております。サローネグループのお店の多くは渋谷方面にあって、今年はどこかにお邪魔してみようかな。
2015.10.
街を抜ける心地よい海風、盛り上がる結婚式の二次会の声、見上げれば星のように光るマリンタワー。それらを通り抜けて、今夜は「SALONE 2007」で食事です。グラスが煌めくいつもの席で、マネージャーの山下さんと末廣さん、シェフの細田さんにご挨拶をして、スタートです。
『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
いつもの突き出し。今月のコースは「SALONE 2007」にしては珍しく、「牛肉に始まり、牛肉に終わる」ので、より意味合いを感じます。
『fusione/ 融合 甘エビ・モヒート・カラスミ』
イタリアでは食前酒としてよく飲まれているらしいモヒート。それを前菜にした一皿。塩漬けした甘エビはより甘く、ふわりとしたライムのヌーボラとミントの爽やかさが映えます。下にあるラムジュレが、ちょっと強めな感じかな。
『combinazione/ 組み合わせ ガルガネッリ・牡蠣・トリッパ』
イタリアでよく見られるという山と海の幸を合わせたパスタ。ガルガネッリはしっかりとした噛み応えで、グニグニとした食感のトリッパは焦げ目の風味も楽しめ、シェリービネガー風味の赤パプリカと牡蠣の濃厚なソースが美味しい。
『filosofia/ 哲学 鮮魚・ハマグリ・タコ』
今回は宮城産のスズキ。味もさることながら、供された時に華やぐオレンジの香りが印象的な一皿。日によって、白身魚は変わるようですが、たまに太刀魚があるそうです。スズキや真鯛が多いので、食べてみたいな。
『ispirazione/ 着想 ホロホロ鳥・アールグレイ・泡』
ホロホロ鳥のもも肉のロートロは柔らかく、下に敷かれた鶏レバームースとダージリンで香りつけたジュの泡ソースでいただきます。濃厚でありながらも、赤タマネギのアクセントが一時の爽やかさを与えてくれます。
『colorazione/ 緑彩 リゾット・バジリコ・アオリイカ』
ちょっと楽しみだった珍しいリゾット。パスタによく見られるジェノベーゼは、北イタリアではリゾットに用いるそう。
イタリアの魚醤 コラトゥーラで和えたアオリイカの甘みとクレソンのほのかな苦みがよく合う。リゾットもイタリアの米を使っているそうで、本格的です。
『ristretto/ 味覚の濃縮 猪・フランボワーズ・チョコレート』
バルサミコの酸味と松の実の食感、チョコのほろ苦さ、フランボワーズの柔らかな酸味、猪のしっかりとした脂を感じられます。
『carbonaio/ 薫り 牛イチボ・炭・白いんげん豆』
春にいただいた牛イチボと大きく違う点があります。それは炭火で焼かれていること。「炭火を使いたいのだけど、まだ設備が…でもいずれは」とおっしゃっていた細田シェフの言葉を思い出します。
『destino/ 巡り合わせ リンゴ・生姜・ウイスキー』
サクサクのチョコシューの中には、カスタード、ショウガジェラード、リンゴ、ウイスキーゼリーが入ってます。ウイスキーがいいアクセントになっており、大人のシュークリームといった感じ。
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
大城さん渾身のラテアート。水の妖精さんです♡
今回も素晴らしい料理とサービスでした。特に提供スピードは、とても心地よい。料理は意外と?ストレートな皿が多く、鉄板のパスタや初めて食べるリゾットは非常に美味しかったです。新しい調理法の炭火をこれからどのように活かしていかれるのかが、楽しみ。
内観もちょっと変わったトコがあって、入口の左に社長(だったかな?)の愛車のフォト、ダイニングにもキューバの風景画が飾られています。何故、キューバなのか?は分かりませんが、雰囲気にはよくマッチしていました。キッチンもダイニングも、まだまだ「SALONE 2007」は進化の途中というわけですね。
次回は年明け。年の初めなので、おそらくより一層気合いの入った料理が期待できます。ちょっと早いですが、今年も美味しい料理と心地よいサービスをありがとうございました。
2015.6.
梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばすような夜の爽風が再訪する「SALONE 2007」へと背中を押します。事前にコースメニューを確認してみると、好きな食材も多い中で、ちょっと変わった組み合わせのお皿もあって期待も膨らみます。山下さんと末広さんの笑顔に導かれて、いつも席へ。
実食
『inizio/ 序章 A5サーロイン・ポテト・トリュフ』
お馴染みの「SALONE 2007」の名物とも言える突き出し。味は変わらずの美味しさですが、下のプレートがまた元のピカピカに戻っていましたね。
『fusione/ 融合 フォアグラ・チョコレート・マンゴー』
組み合わせを見て、「!」と思ったお皿の一つ。フォアグラとマンゴーはよくありますが、そこにチョコレート?。気になります。元々、フォアグラとチョコレートの組み合わせのドルチェがイタリアにあるそうで、それをオマージュした前菜。
チョコレートはフォアグラの濃厚さに深みを与えており、周りにある甘酸っぱい赤玉ねぎのアグロドルチェが爽やかさを与えてくれます。
『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
「SALONE 2007」のスペシャリテ。供されると、オレンジオイルの良い香りがぶわりとします。今回の白身は、長崎産の真鯛。
『baldanza/ 自信 マッケロンチーニ・スティンコ・胡椒』
今回の私の一番。細田シェフが自信を持つスティンコのラグー(牛スネ肉の煮込み)を使ったパスタ。かなり厚目のマッケロンチーニはモチモチシキシキとして、柔らかい中にも肉質やゼラチン質ある食感のラグーとよく合います。このスティンコのラグーの煮込み方にちょっとしたコツがあるそうで、興味のある方はシェフに尋ねてみるのもいいかも。
『combinazione/ 組み合わせ 鴨・ムール貝・グリンピース』
あまり見ない鴨肉とムール貝のマリアージュ。北イタリアでは肉と魚介を一緒に食べることが多々あるのだそうで、料理が始まる前にシェフが是非とオススメして下さった一皿。
口に入れれば、甘みのあるピゼッリ(グリンピース)のピューレがムール貝のジュースと鴨肉の脂を包み込み、最近流行りのキヌアのプチプチ感も楽しめる。ありそうでなかった組み合わせですが、美味しい。
『inventiva/ 発想と創造 オルツォ・赤海老・トリッパ』
北イタリアでは大麦がよく食べられているそうで、そこに煮込み料理でもよく使われるトリッパを加えています。このトリッパもトマト入りのロッソ(赤)ではなく、白ワイン仕立てのビアンコ(白)というのがミソ。かなり大ぶりのトリッパはムチムチとした食感で存在感もあり、臭みやクセもなく美味しい。バニラオイルでマリネされた赤海老も美味しかったですが、本当はザリガニでやりたかったそうで、私もそっちの方が食べてみたいと思いました。
『ristretto/ 味覚の濃縮 穴子・グラナパダーノ・マルサラ』
穴子の赤ワインマルサラ煮込みとチーズ(グラナパダーノ)を中心にした今回のワンスプーン。食べていくうちに、バラバラだった食材の味が徐々に一つになっていく瞬間が好き。
『campanilismo/ 郷土 仔羊・ナス・リコッタ・ミント』
今回のメインは、仔羊。南イタリアの定番の組み合わせであるナスとリコッタチーズをクレマにして、たっぷりとつけていただきます。柔らかな仔羊を丸ごと包むような濃厚なチーズの味わいの中で、ほのかなペペロナータの酸味が映えます。
『rinascita/ 再構築 桃・アマレット・ヴィンコット』
ピエモンテの定番ドルチェの『桃のアマレッティ詰め』を再構築したドルチェかな?アマレッティはジェラートにし、ジェノワーズはパウダー状に、そしてイタリア的な桃の食感を出すために30秒ほどコンポートしているそうです。コンポートしているとは思えないほどにフレッシュ感があって、ジューシー。
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
ずっとラテアートを作って下さった渡辺さんが厨房に入ってしまったので、期待していなかったのですが、大城さんが描いて下さいました。梅雨ということで、カエルちゃんです。
今回も料理・サービス・提供スピード、全てが心地よく、満足感のあるものでした。料理においては、イタリアの郷土料理の再構築しているので、奇抜な組み合わせがあったとしても、やはり美味しい。イタリア料理に造詣があったらなら、もっと面白いのだろうけど。実は前菜からメインまでの料理で、イタリア一周旅行をしちゃっているのかもしれませんね。次回の訪問は、秋風が吹く頃。また宜しくお願いします♡
2015.4.
確かに春の訪れを感じたのに、また冬のような空気が漂う夜。今年初となる「SALONE 2007」に再訪です。Barneys New York 横浜店に移転してから数ヶ月が経ち、座席も全て解放してらっしゃるそうで、ついに新生「SALONE 2007」の真価を楽しめます。
『inizio/ 序章 牛・ポテト・トリュフ』
お馴染みの「SALONE 2007」の突き出し。お腹を空かしてる時に供される肉のインパクトは、すごいです。
『combinazione/ 組み合わせ 鹿・赤海老・マスタード』
ほんのりと火入れした鹿肉のタルタルの上に、ブレザオラで甘みを引き出した赤海老のタルタルを乗せ、マスタードのジェラートと卵黄のソースでいただきます。
甘さがある赤海老に軽い酸味のマスタードジェラートとミニトマト、ヘーゼルナッツの食感が飽きさせない。
『stagione/ 春の訪れ オレキエッテ・空豆・ホタテ』
イタリアのプッリャ州とバジリカータ州の地域を代表する耳形のパスタのオレキエッテを、今が旬の空豆のソースで和えてあります。添えられているのは帆立のインパナータ(パン粉をつけて揚げ焼き)と帆立のヒモのラグー。コリアンダーシードが心地よい食感を与え、モチモチしたパスタのとのコントラストが楽しめます。空豆のソースがたっぷりとかけられているので、同時に供されるパンで拭って食べられるのが嬉しい。
『filosofia/ 哲学 鮮魚・タコ・ハマグリ』
福岡産の黒鯛、石川産の蛸、九十九里産の蛤で作られるこの「SALONE 2007」のスペシャリテ。ポロ葱と一緒に蛤の出汁だけで蒸し上げられたスープは、オレンジの香りがする上品で濃厚な味わいです。
北陸新幹線開通に伴い、北陸からよい鮮魚が手に入るようになったそうで、心成しかボリューミーな感じになっていました。
『concerto/ 協奏曲 ホワイトアスパラ・ポーチドエッグ・カカオ』
イタリアピエモンテ州の郷土料理で牛乳と卵黄を加えて作るチーズソースのフォンドゥータソースに、春の訪れを告げるホワイトアスパラガス、生ハムのクロッカンテ、カカオメレンゲ、中央にあるウズラのポーチドエッグを崩していただきます。
濃厚なチーズソースと卵黄が柔らかいホワイトアスパラガスに絡み、生ハムのカリカリ感とエストラゴンの香りが楽しめます。なかなかの協奏曲を奏でる一皿。
『ristretto/ 味覚の濃縮 サルシッチャ・イカ・マスカルポーネ・ライム』
今月はサルシッチャを中心に構成されている名物のワンスプーン料理。口に入れれば、ライムの香りが弾けて、セロリのビネガー漬けの爽やかさがサルシッチャの脂と合わさり、一気に広がります。
『pasqua/ 復活祭 ラザニエッテ・羊・アーティーチョーク・レモン』
イタリアの春はキリストの復活祭で盛り上がるそうで、そこで食べられる羊と相性のいいカルチョーフィ(アーティチョーク)を合わせたパスタ。
食べ応えのあるラザニエッテに、たっぷりと添えられたカルチョーフィピューレとホロホロに煮込まれた羊肉が美味しい。ソースというには、かなりの量の羊肉があって、ちょっとしたメイン。これもパンで拭って、いただきます。
『finto/ 模造 牛・炭・ヒヨコ豆・ピンクペッパー』
イタリアの田舎ではドラム缶でブロック肉を焼いて、その炭火で皮付きの玉ねぎを丸のまま焼いて、売っている屋台があるそうで、その模倣がこの料理のコンセプト。メインで牛肉というのは珍しく、1年を通してもあるかないかの割合だそうで、理由としては『inizio/ 序章 牛・ポテト・トリュフ』があるからだと、細田シェフがおっしゃってました。
お皿には和牛のイチボ、ひよこ豆のピューレ、ピンクペッパーソース、炭パウダー。炭パウダーを塗すことで炭火焼の香りを楽しむことができ、軽い酸味のピンクペッパーの刺激がイチボとよく合います。
『memoria/ 追憶 ラビオリ・オレンジ・サフラン・アーモンド』
サフランのジェラート、清見オレンジのズッペッタ、アーモンド風味のミルクジュレに熱々のラビオリを添えられたドルチェ。ラビオリの中身はチョコレートとリコッタで、熱さと冷たさを楽しめるようになってます。清見オレンジのズッペッタが意外とほろ苦いので、甘いだけでないちょっと大人な感じでした。
『binario/ プラットホーム 小菓子』
nao.さんがいらっしゃらない間に、変わったものが加わりましたと山下さんが教えて下さったのが、『リーゾ・ネロ』というお菓子。ミルクで煮たお米とチョコレートを澱粉で固めたもので、チョコレートのおはぎみたいな感じかな。美味しい❤︎
『Caffè o Tè カフェまたはティー』
いつも出してくれるラテアート。作って下さってる渡辺さんがキッチンに入られるそうで、ラストラテアートになってしまいそう。しかし素晴らしい上達ぶりですね。ありがとうございました。
大きな店内が満席となっても、変わらずのサービスの質と料理の提供スピードは絶妙で、素晴らしかったです。キッチンにも多くのシェフが新しく入られたそうで、色々なアイディアが絡み合い、より上質な料理が生まれていくのとことで、まだまだ進化していきそうです。
今年も宜しくお願い致します。
8位
1回
2015/09訪問 2015/10/03
2015.9.
夜になると、秋風が心地よくなった頃、溜池山王にある「寿し処寿々」に初訪問。親方の藤居陽一郎さんは調理学校卒業後、寿司職人を目指し、銀座久兵衛で修業された方で、このお店を開いて10年になるそうです。溜池山王駅から徒歩1分くらいの立地にありながら、ゆったりできる雰囲気が広がっています。それは靴を脱いで上がる掘りごたつであり、親方の人柄から来ているだと思います。
メニューは『握り』と『コース』がそれぞれ3種ありますが、何も言うことなく、『何か摘みたいです』と完全におまかせしちゃいました。
実食
白子ポン酢
今年初の白子。美味しい。
真子鰈
そろそろ終わりというか、最後だそうです。モチモチ感がたまりません。
鳥貝
時期的には、まさかの鳥貝。しかもかなり大きく、まな板に叩きつけると、うねりながら反り返ります。先日までは赤貝が入荷してたそうですが、入らなくなったので、貝類がないと話にならないと親方が頼んで仕入れたそうです。親方の仕入れに対する意気込みが裏付けされます。
毛蟹
身は軽く、味噌と絡めてあります。不味いわけがない。
秋刀魚
勿論、脂ノリノリ。
喉黒焼物
水茄子
土瓶蒸し
秋ですね。中には松茸・鱧・海老・銀杏が入っています。今年は松茸がぐっと高くなりそうだと仰ってました。いいタイミングで、食べられたのかな。
ガリが盛られ、握りがスタート。
真鯛
中トロ
鰤♡
鰹
蝦夷馬糞海胆
新烏賊♡♡
時期に関係なく、握りには墨烏賊に拘っているそうです。障泥烏賊はつまみで提供しているみたい。
サクサクの食感と歯切れが心地よい。
大トロ♡
鹿児島阿久根産赤海胆♡♡
親方に「海胆、他にあります?」と聞くと、出してくれました。板一枚で4貫分しか取れないそうです。『蝦夷馬糞海胆』に比べ、クリーミー。
目高鮑♡♡♡
さりげなく供されたのは、なんと目高鮑。切りつけてから、握る前に人肌に温めているので、口の中では鮑汁と香りが立ち込めます。今夜の1番!
牡丹海老
穴子
鯖
追加で。〆てありますが、艶っぽい。美味しい。
小鰭♡♡
「さすがに新子はもうないですか?」と聞くと、「新子っぽいのはあります」とのことで、1枚半づけで握っていただきました。美味しい。このお店の締め方、好きかもしれません。
デザートシャインマスカット
握りは、やや柔らかな白いシャリがほろほろと口の中でタネと一緒に溶ける感じ。これまでシャリは赤酢を使っているお店に多く行ったので、違いを楽しみにしていました。なるほど、これも美味しい。タネを男性と例えるならば、このシャリは三歩後を歩くような大和撫子のよう。
親方は一見ぶっきらぼうですが、かなり気さくな方で、食材やレストランのことを話すと色々と教えて下さいました。「横浜では、どちらに行かれてます?」との問いに、「来月にはS(イタリアン)に行きますよ」と言うと、「マネージャーもシェフも友達です」と驚きの返答が。意外にもイタリアンのシェフにご友人が多いみたいで、都内某所のイタリアンもお勧めされました。「明日はT(焼鳥)に行きますよ」と言えば、「大将に、たまには入れて下さいと伝えて下さい」という伝言を預かったりと、初めての訪問でありながらも、とても楽しい夜になりました。
是非、また味わいに行きたいと思います。藤居親方、ご馳走様でした。
9位
2回
2017/01訪問 2017/02/26
2017.1.
約一年ぶりに亀戸にある「鳥さわ」に再訪。ここは目黒にある「鳥しき」で修行され、その後は鶏の解体などを勉強された中澤章さんが店主の名店です。駅前の喧騒から逃れるような隠れ家で、外観は「鳥しき」にそっくり。店内はカウンター8席と去年からテーブル席を設けたそうで、スタッフも増えていました。大将に「内臓多めの食べ尽くしコースね」とお願いしてスタートです。
本日の献立
まず飲んだのは『澤屋まつもと守破里』。
さび
かしわ♡
意外と小ぶりな串。男性なら一口で食べれるかも。ブリブリとした食感で、ジューシー。
血肝♡
トロトロのレア。火入れは素晴らしいの一言。大きめな肝をズレないようにハツで止めていて、これが一言で食べた時に心地よい食感を生んでいます。
白玉
ただのウズラの玉子ではない。半熟のトロトロなのだー。
砂肝
はつもと♡♡
すっごいジューシー。火入れも良く、シャコジュワの食感と肉汁が素晴らしい。
はつ
つくね
大葉の香りと軟骨の食感がいい感じ。
そり♡
柔らかく、ジューシー。
金針菜
ちょうちん♡♡
素晴らしい。この言葉しか出てこない。
丸はつ♡♡♡
リクエストで焼いていただきました。少々薄味で、肉の味がしっかり味わえます。
ここから後半戦かな?『醸し人九平次』でお代わり。
鴨のささみ♡
鶏よりも味が濃く、こちらの方が好み。
背肝♡♡
トロトロとした部分とプチっと弾ける部分があり、脂もあるので美味しい。
せせり
前回も思いましたが、ボリュームがすごい。
ぼん
手羽先
首の皮
肩
腿肉よりもずっとしっとり。
じゃがバター
鳥スープ♡
一口飲むだけで、口の中全体に膜が張るくらいに極濃厚。温めている時の匂いからして美味しい。
テーブル席が増えた分、バタバタ感はありますが、一人客なのでハイスピード提供していただき、ありがとうございます♡
串は部位によって一口で食べれるボリュームなので、話しながらでも最良の温度で味わえると思います。火入れは忙しい中でも、以前より洗練されていて、炎に抱かれるような優しい火入れを感じられます。
3月にかなりの改装をされるそうで、4月からリニューアルオープンだそうです。春になったら、是非また行きたいと思っています。
2015.6.
駅裏からはホルモンの焼ける匂いがする亀戸駅の喧騒から逃げるような立地にある、黒い壁に白い長暖簾と風鈴の奏でる音色が特徴のどこかで見たことのある焼鳥店に初訪問。店名は「鳥さわ」といい、そうあの目黒の店名「鳥しき」で修行され、その後、鶏の卸問屋で解体を学んだ35歳の若い店主・中澤章さんが開いたお店です。
洋楽の流れる店内は外観と同じように、何処と無く凛とした雰囲気がある一枚板のカウンター8席のみで、目の前には焼き場(見えない)と厨房があり、奥には日本酒などの冷蔵庫があります。ご主人の背には檜のメニュー板があり、お好みでもいいそうですが、内臓多めのお任せで注文です。
本日の献立
さびやき
スタートは、やはりコレ。すりたての山葵がレアの身によく合います。
かしわ
「鳥しき」によく似ている。甘さの少ないタレと弾力があり、美味しい。
血肝
僅かなクセは残るけど、とろける感じは素晴らしい火入れです。
白玉
黄身が固まるか固まらないかのギリギリの感じ。これもとろけます。
背肝
「レアな内臓あります?」と言ったら、出してくれました。溶けてく中で、プチっと弾ける所が楽しい。
食道
凄いボリュームのある串で、シャコシャコとした歯応えがたまりません。
椎茸
椎茸汁溢れる、溢れる。
せせり
これも凄いボリューム。心地よいかみごたえがあり、脂もあります。好きな部位の一つです。
はつもと
ほどよい弾力で、溢れる肉汁。
金針菜
ユリの蕾。中華食材ですが、近年、焼鳥店でも見かけるようになりました。アスパラに似た歯応えで、後味にほんのりとした苦味があります。
合鴨のささみ
素晴らしい火入れ。最初に供されたさびやきに比べて、味が濃くて美味しい。
砂肝
サックサックです。
丸はつ
出てくるとは思わなかった部位。ご主人は小さめだと言いますが、それでもサクッとした歯応えで、弾力の中で肉汁に溺れます。
ちょうちん
これも「鳥しき」によく似てます。素晴らしい味わい。
つくね
焼く前に串入れしています。多めに入れられた軟骨がコリコリとし、刻んだ大葉が爽やかです。
ご主人が食材出しやお客の対応などもしているので大変そうですが、焼きに集中している時の火入れは素晴らしいの一言。コンセプトの違う「鳥しき」の姉妹店である「ガルス」よりも、使っている銘柄鶏も同じこともあり、とても「鳥しき」に似た味わいがあります。逆に言えば、似すぎていて「鳥さわ」らしさを出すのが難しいのだろうなぁと思います。サービスも丁寧で、心地いい。
帰り際に「予約は月初ですか?」と聞いてみると、「うちは人気店ではないので、空いていますよ」と謙遜してらっしゃいましたが、予約が取れなくなる必至だと思います。
10位
1回
2015/08訪問 2015/09/21
2015.8.
「鮨が食べたい」
日曜日、予約なし。色々なお店に電話して、当日予約をするのも一つの手ですが、フラれることも多々あります。そんな状況でも美味しい鮨を食べさせてくれるお店があります。
「新ばし しみづ」
新橋の烏森神社の裏手にひっそりと構える名店です。このお店の予約方法は、電話での当日予約。朝8時から電話で、昼夜共に予約できます。おそらくは昼1回転、夜2回転と思われますが、8席しかないので、狭き門と言えば狭き門。ですが、8時ちょうどに電話をかけ、今回も無事に夜の1回転目を押さえられました。
店内は白木のカウンターが広がり、珍しくメニュー板があります。親方の「つまみますか?握りますか?」の声に、「握りで」と言い、お任せスタート。
今夜の献立
星鰈♡
鱚 昆布〆
障泥烏賊
赤身
中トロ
小鰭
鮑♡
煮烏賊
夏鰹
蛸
鰯♡♡
つぶ貝♡
いなだ
北寄貝炙り♡
鯵♡♡
海老♡
赤海胆♡♡
穴子(塩・ツメ)♡
親方に「写真撮ってもいいですか?」と聞くと、「うちは撮影はダメだから、音と光に気をつけて、盗撮して下さい」と不思議な言い回しでOKされました。最初から京都伏見の地酒『澤屋まつもと』を飲みながら、程よいペースで供される鮨はどれも美味しい。シャリ自体に赤酢のパンチ力が効いているので、酢〆されたタネはかなりのインパクトがあります。その一方、味の強いタネにはとてもよく合い、好みの味に。
CPもとてもよく、追加で2貫+冷酒2合で16200円と素晴らしいです。このお店はランチも営業しており、更にCPはよくなります。次回はランチに訪問してみたいと思います。
2015.4.
1人で食べ歩きをしているのにも関わらず、あまり行かないジャンルがあります。それが和食、特に『鮨』。嫌いというわけではありませんが、一貫ずつ供される鮨屋のカウンターで、1人で食べるには生意気過ぎると思ってまして、敬遠していたジャンルなのです。鮨屋のカウンターで、あまり写真を撮るのはどうかと思いますが、お任せ又はコースなどでいただいた中で、一番琴線に触れたものをもう一度リクエストして、それを撮ることができたらと思っています。
まずはお店を選びましょう。一度は行ってみたい名店や数ヶ月先の予約しなければならない名店など、色々とあるのですが、もっと気軽に行けたら…と思っていたところ、予約は当日予約(常連となれば、違うようですが)というお店を見つけたので、早速訪問です。
新橋、烏森神社の近くに構える江戸前鮨の名店「新ばし しみづ」。今夜はこちらでいただきましょう。
店内は檜のカウンター8席、2階には座敷がある新橋らしいこじんまりとしたお店です。親方の修行店などの薀蓄はなどは、割愛♡修行先のお店は未訪だし、よく分からないので。
つまみで一杯もいいですが、「握って下さい」の一言で、お任せスタートです。
今夜の献立
鯛
肉厚に切られているので、モチモチ感がハンパないです。
鱚の昆布〆
ねっとり感の後に、ふわりと昆布が香ります。
障泥烏賊
鮪赤身
鮪中トロ
中トロの脂と赤酢のシャリが絶妙。
小肌
赤酢の効いたシャリと合わさると、かなりの酸味を感じてしまいます。
煮蛤
ちょっと小ぶりながらも、なかなかジューシー。
鮑塩蒸し(つまみ)♡♡
「もっと最初に出すのですが」と親方に言われて供されたつまみ。低温で蒸されてるそうで、すごく柔らか。しかも1/3個とは!
春子
軽く〆てある小鯛。少々、酢が際立ってたかな。
海松貝
貝類に定評のあるお店なので、期待してました。噂に違わず、美味しい。
鯵
赤貝♡♡
赤貝、大好き。リクエストしようとした一貫です。
小柱♡
大粒の小柱がたっぷりと軍艦巻に乗せるのではなく、詰められています。
車海老
来店と同時に茹で始めていた車海老。口に入れる時には、人肌になっており、甘さが味わえます。味噌のある頭と尻尾の部分と二つにして出されます。
海胆♡
これも軍艦にたっぷりと詰められていて、海苔の香りと濃厚な海胆が口いっぱいに広がります。
穴子(塩)♡
トロトロの穴子を塩で。
穴子(ツメ)
最後はツメをつけたトロトロ穴子。どちらの穴子もすぐに口の中でとろけます。
赤酢の効いたパンチのある独特のシャリは、ネタによっては強調することもありましたが、全体的にさっぱりといただけて美味しい。
緊張感があるとか親方が怖いなどの口コミはありましたが、全くそんな雰囲気はなくて、終始和やかな感じで楽しい時間を過ごせました。常連さんらしき方も多くいらっしゃいましたが、あまり決定的な違いは感じられず、安心。でも常連となれば、こちらの趣味嗜好が分かっていただけるので、より楽しくなることは間違えなし。「新橋」、「日曜営業」、「当日予約」と通える要素は十分なので、また再訪したいと思います。
2020.2.
今回は久しぶりにグランメゾンでの1人ランチ。舞台は現代の伝説的料理人の1人である井上旭さんが1984年にオープンした老舗フレンチレストラン「Chez Inno」。料理長の古賀純二さんを中心にして作り出す皿は、日本でも屈指の正統派フランス料理であり、このお店の絶対的スペシャリテの『仔羊のパイ包み焼き"マリアカラス"』は死ぬまでには必ず食べるべき料理と言えるでしょう。平日のランチのみですが、1人でも対応して下さるので、優雅な時間の始まりです。
お決まりとなっている通年メニューの他に、実はアラカルトで季節メニューも豊富にあり、今回はご提案していただいたメニューの中からアラカルトで注文することにしました。
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Menu du jour
黒トリュフのピューレをかけた温度玉子
卵形の器の中には温度玉子と牛蒡のピューレ、その上から黒トリュフのピューレをかけたアミューズ。想像よりも牛蒡の味わいと香りがして、確りとかき混ぜることで最後まで楽しめます。温度玉子も卵黄だけならば、もっと濃厚で美味しいと思うのだけど。
オマール海老とホワイトアスパラガス アメリケーヌソース♡
本日届いたばかりというホワイトアスパラガスを使った一皿。皮を剥き、スチームをかけたアスパラガスをヴルーテソースで、贅沢に丸々一尾グリルしたオマール海老はアメリケーヌソースでいただきます。
まるでトウモロコシのような甘さのホワイトアスパラガスは、実に瑞々しくジューシーで美味しい。そして、オマール海老。絶妙な火入れでプリプリ感に甘さが溜息の出るくらいに素晴らしい美味しさ。
滋賀県産 猪のロースト
ジビエもあるとのことで、数種類あったものの中から猪を選択。猪の部位はロースで、ソースはそのジュとエシャロットを入れたちょっと酸味のあるもの。
柔らかなロースながらもいい確りとした噛み応えがあり、咀嚼する度に旨味が溢れてきます。猪自体は実に美味しいですが、ソースがあまり好みではなく、他のジビエはどうだったのだろうと後悔?興味?が残りました。
仔羊のパイ包み焼き"マリアカラス"♡
やっぱり来たら食べたいスペシャリテの『マリアカラス』。相変わらずに食べた瞬間に美味しさが身体を駆け抜けていきます。フォークを刺す度、ナイフで切る度に肉が蘇るようで、こんなにもジューシーでこんなにも柔らかいことに驚きます。古典的にソースもたっぷりとかけられており、嬉しいかぎり。
…でも途中から飽きちゃう。「美人は3日で飽きる」と言われているけど、正にそんな感じ。決して不味くはないけど、ファーストインパクトの味わいの感動が持続しないのよねー。
サービスは心地よく、料理の説明も丁寧。でも絶対的スペシャリテの『マリアカラス』に何となく古めかしさが感じてしまい、100%の満足感が得られなかったです。未食の料理も多数あり、季節毎のメニューも気になりますが、再訪はどうだろうか。
2017.4.
桜舞い散り、初夏の薫りもし始めた頃、「Chez Inno」の扉を開きます。今回も事前にお願いして1人ランチで、ディナーメニューをちょっと変更してオーダーです。
実食
黒トリュフのピューレをかけた温度玉子
小さな器から立ち込める圧倒的な存在感のトリュフの香り。濃厚でありながらも、中に忍ばせたポーチドエッグが絶妙に絡み、絶品です。
手長海老と帆立のすり身を挟んだ筍のガレット仕立て
手長海老・オマール海老・タラバガニの3種より今回は手長海老を選び、供されたのがこの料理です。
溜息しか出ない。それほどに美味しい。手長海老と帆立のすり身を柔らかい筍の穂先でガレット状にしてあり、筍の食感の中でそれぞれのすり身の甘さがはえます。そして、やはりソースが絶品。添えられたホワイトアスパラや春のコゴミ、蕗の薹のフリットなども脇役にしておくには勿体無いくらいの美味しさになります。
舌平目のブレゼ“アルベール風”
スペシャリテの1つ。目の前にすると、バターの香りがすごい。フワフワの舌平目の表面だけに細かいパン粉の焼き色があり、ベルモットで蒸し焼きにしているそう。この皿もソースが絶品。ソース・アルベールというシャンピニオンとエシャロットにベルモット、フュメドポワソンを加えたもので、マキシムの支配人の名前から由来しているそうです。作り方を拝見したことがありますが、たっぷりのお酒と上質なフュメドポワソンが美味さの秘訣らしい。
牛フィレとフォワグラのロッシーニ好み
デフォルトのフォワグラ料理をメインのロッシーニに変更!これも溜息しか出ない。柔らかい牛フィレは上質なものと直ぐに分かり、濃厚なフォワグラに負けない奥行きのあるソース・ペリグーが素晴らしい。このソースだけでもパンが何枚でも食べられます。たっぷりのソースで食べる、まさに「ソースが命」の王道フレンチを実感できる一皿です。
仔羊のパイ包み焼き“マリアカラス風”
この料理に逢いに来たと言っても過言ではありません。間違えなく、このお店のスペシャリテ中のスペシャリテ。さっくりとしたパイに包まれた柔らかな仔羊。その中にはフォワグラと刻んだトリュフという素材からして素晴らしい料理。ソースもポートワイン・マディラワイン・ブランデー・フォンドボー・トリュフ・バターなどから作られるソース・ペリグーは、パイ生地に染み込ませて余すことなく堪能できます。ロッシーニのそれに比べると、こちらの方が多少軽やかかな。
本日のデザート
せとかをカモミールシロップでコンポートしたものとフロマージュブラン。
鮮烈なせとかの甘さの後を追いかけてくるかのようなカモミールの苦みが口の中をリセットしてくれます。
ワゴンより
・抹茶ケーキ♡
・カスタードプリン♡
・日向夏のタルト中にはマスカルポーネチーズ
・清見オレンジのムース
・オペラショコラ
・パリブレスト中にはイチゴとピスタチオのクリーム
2年ぶりの「Chez Inno」の料理はどれも美味しく、やはり王道フレンチは好みということを実感させてくれます。どの料理にも共通することは、美味しいと実感してからの滞空時間が長く、溜息と共に現実に戻ってくる感じがします。フレンチを語れるほど食べ歩いてはいませんが、素材の持ち味を活かす料理が増えている中でも未だに支持され続けるのは、シンプルにただ美味しいからなのだと感じました。何度でも何度でも、また食べたいと思える料理の数々をありがとうございます。
次回はいつ頃に行くか未定ですが、支配人から通年メニュー以外もリクエストしていいと言われたので、是非『あの料理』を食べたいです。
2015.1.
「逢いたい人は、数えるほど。逢いたい料理は、数えられぬほど」
ずっと逢いたいと思い焦がれていた料理があります。
『マリアカラス』。
ご存知の方も多いでしょう、この料理。フランスのオペラ歌手の名前を冠するこの料理は、「Chez Inno」のオーナーである井上 旭シェフのスペシャリテであり、このお店を代表する料理。そして、この料理を考案した当時はよい食材がなかったそうで、それでも本場フランスに負けないほどの料理を!という井上シェフのプライドとロマンが凝縮された一皿だそうです。
そんな料理を食べたい!と思いながらも、「一人で食べ歩く」という拘りが邪魔をして、なかなか行くことができずorz しかし今回は、特別にという御厚意で初訪問することができました。
「Chez Inno」。
1984年創業の「ソースのスペシャリスト」と言われる井上 旭シェフがオーナーの老舗フレンチ。
入口を彩るステンドガラス、陽光の射し込むメインダイニングはグランメゾンの風格を感じさながらも、どこかアットホームな温かさに溢れています。
オーダーは味見も兼ねて、10800円のランチコースで、メインを『マリアカラス』に変えて頂きました。
実食
『カリフラワーのピューレ コンソメジュレかけ』
アミューズは、カリフラワーのピューレにコンソメジュレをかけたもの。
カリフラワーのピューレは濃厚で、コンソメジュレと共に口に入れれば、中でカリフラワーの冷製スープが出来上がるかのようです。
『オマール海老のガトー仕立て コート・ドール風』
2種ある前菜の中から、選びました。
手前から生雲丹と白ワインのソース・トマトソース・キノコソースで彩られ、上部にはタラバガニのカクテルとアボカドピューレが添えられいます。
オマール海老が惜しげもなくたっぷりと詰められており、その名の通りケーキのように野菜と海老の旨味が凝縮されています。それぞれのソースで食べてもまた混ぜても、素晴らしく美味しい。特に雲丹ソースは意外にもあっさりとしており、たっぷりとつけても楽しめました。
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『鴨のフォワグラと胸肉の燻製の取合せ』
赤い煌めきはポートワインゼリー、黒い斑点はバルサミコ。
フォワグラは極濃厚、胸肉には凝縮したような甘みがあります。個別に、一緒に食べても余韻を残すような旨さが広がります。
『舌平目のブレゼ ロワイヤルソース』
蒸し煮にした舌平目を、ベルモットを煮詰めた中にトマトとバジルを入れた軽い酸味のあるソースでいただきます。
少しパン粉を付けた焦げ目が、気にならないほどに繊細な口当たり。舌平目のポーションはかなり大きいけど、「魚を食べる」というよりも「ソースを食べる」という感じで美味しい。
『仔羊のパイ包み焼き マリアカラス風』
提供された時に心の中で、「やっと逢えたね…」と呟いたほどの料理。フォアグラとトリュフと共にパイで包んだ仔羊は綺麗なロゼ色、ビロードのようなソースはジャン・トロワグロから習得したペリグー。お皿が纏う香りさえも、美味しい。
ナイフを入れるだけで、肉汁が溢れ出す仔羊は、素晴しく柔らかい。パイはパリッとした感じではなく、しっとりとして肉の旨さを吸い込んでいるよう。ソースは濃厚で言葉が出ないに美味しく、今までの中で一番かも。肉・パイ・ソースが織りなす三重奏は、絶品という言葉が相応しい。ポーションもかなり大きく、ソースもたっぷりと添えられているので、満足度も高いです。期待を上回る美味しさでした。
『デセール』
ワゴンから数種ある中から、選びます。「お好きなだけ〜」と言われるので、「じゃ、全部!」と言いたいところですが、さすがに食べられず。く、悔しい。
『シュークリーム』『ガトーショコラ』『フルーツタルト』をセレクト。この中では『フルーツタルト』が、お気に入り。タルト生地が厚くて、まるでスポンジをぎゅっとした感じかな。
飲み物は紅茶にしたのですが、そのカップが可愛かったなぁ。レイノー社のALBAシリーズだそうですが、桃色の花びらが舞っているような絵柄で。
グランメゾンというと、敷居が高くて緊張しますが、このお店のスタッフの方は皆フレンドリーで、純粋に楽しむことができました。井上シェフも、何度もダイニングにいらして、お客さんと談笑されてましたし。客とお店の距離が近い感じがします。
「レストランには、感動があること」
井上シェフの信念の1つだそう。店造りや料理は間違えなく、感動はあります。そして、人が作り出す雰囲気も、決してマニュアル的ではないサービスが素晴しかったです。期待と不安でレストランの扉を開け、帰る際には感動を持ち帰れる。そんな美味しさと感動に溢れたレストランでした。
2013.5.
「東京グランメゾン♡チャリティーカレー」の全店制覇を目指し、次に訪れたのが、京橋にある「シェ・イノ」です。このお店ももちろん超有名店で、なんといっても『マリアカラス』という『仔羊のパイ包み焼き』が後世にも遺したいメニューとして、多くのメディアに取り上げられています。私も食べてみたいのですが、なかなか行く機会がなく、そもそも1人で行けるのか?という疑問を抱きながら、今日に至ってる感じです。
店舗は明治製菓ビルの1Fにあり、ザッと100人くらいの行列でしょうか。並ぶこと小一時間で、店内へ。すぐにバースペース現れますが、椅子などは店外出されており、バックバーを見ながら、席の順番を待ちます。お店の雰囲気としては、「アピシウス」に比べると、1Fということもあり、明るい感じで、ステンドグラスがとてもキレイな扉が印象的です。
こちらでいただけるのが、『イカ墨カレー』。このチャリティーイベントでは、肉系のカレーが多かった「シェ・イノ」としては、珍しいシーフードカレーとなります。
実食。
イカ墨ということで、想像通りの漆黒のルウ。味わいは、少々しょっぱいけど、エビの風味が効いたスパイシーなソースのようです。ルウの中に浮かぶのは、イカの食感を少し残したフワフワのクネル、付け合わせの湯むきされたトマトの清涼感が、このカレーによくあいます。『イカ墨カレー』というよりは、『ライスイカ墨ソースかけ』という感じ。さすがはソースが絶品と言われるだけあって、これも美味しい。
まだ見ぬ『マリアカラス』の期待が、更に膨らむとともに行きたい気持ちが高まるのです。