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2位
21回
2023/08訪問 2023/09/15
2023.8.
シン・すぎた/日本橋蛎殻町 すぎた
枝豆
夏の風物詩の肴。あまり好きではないので、このくらいの量で満足。
鮃 & つぶ貝♡
青森県産の鮃と北海道厚岸産のつぶ貝を山葵と醤油で。
鮃は極上のモチモチ加減を楽しんでいると溢れる奥行きある甘味が凄い。つぶ貝はバリバリとした食感の中で、野生味ある甘味が映えます。いつもながら杉田親方の包丁捌きを堪能しつつ、食材の甘味と食感のコントラストが楽しめる仕立てで素晴らしい。
穴子の白焼♡♡
表面は仄かにパリッとしており、咀嚼する歯を覆うようなゼラチン質がねっとりと絡み、旨味と甘味が広がります。そして、食べ終えて鼻から抜ける穴子の香りが凄い。
岩牡蠣♡
三重県産。実はあまり得意ではないのですが、美味しそうだったので思わず。
プリッとした食感にミルクのようなクリーミーな味わいが口いっぱいに広がり、美味しい。
鱒子の味噌漬け
いくらよりもひと回り小さい鱒子。口に入れると、味噌の甘味が広がり、プチッと弾けると鱒子の旨味が追いかけるように広がります。ご飯にも絶対に合う!
鮟肝と胡瓜の奈良漬♡
定番となっている組み合わせですが、初めていただく肴。鮟肝と胡瓜の奈良漬の異なる2種の甘味が広がり、そして追いかけるように新政酒造「陽乃鳥」を合わせると、口の中で3種の甘味が混在するマリアージュが楽しめます。
太刀魚の焼物♡
焼物では定番の太刀魚。フワフワとした食感の中、旨味がジュワッと溢れ、酢橘の爽やかさがはしります。
蛸の柔らか煮*♡
『柔らか煮』といっても、蛸の食感は残っており、その身を咀嚼すると溢れる旨味が凄い。やはり鮨店の蛸は侮れない。
新子♡
久しぶりにいただく杉田親方の新子は、2枚付け。新子とはいえ、その小さな身にジューシーさがあって、ジュワッとした旨味があります。
小鰭*♡♡
そして、小鰭というこの時期ならではの素晴らしい流れ。江戸前の粋な新子もいいですが、やはりジューシーさでは小鰭の方が群を抜いて美味しい。
新烏賊♡
墨烏賊の子供の新烏賊は1匹分。ツルッとした舌触りで、こんなに小さくてもサクサクとした食感があって美味しい。
鮃昆布〆♡
飴色に輝くようなガッツリと昆布〆された鮃。ガツンとくる昆布の旨味の奥にある鮃の旨味が咀嚼の度に蘇ってきます。
鰹♡
口に入れると、薫香がふわりとし、漬けにしているので程よく脱水された身は旨味が凝縮しており、実に美味しい。
春子鯛♡♡
とろりととろけるような春子鯛。シャリの塩味と上に乗せた塩と酢橘で、より輪郭を成す甘味と旨味が最高の一貫。
赤身漬け♡
今回は青森県大間産。天身の部位を薄く切りつけ、漬けにしてから折り畳んで握られる独特な漬け。身はねっとりとし、食べ終えてからも尚、口の中にあるような存在感のある香りが素晴らしい。
血合いぎし♡♡
身のとろけ方、香りが1番映える部位。切りつけも厚くて、口の中での鮪の存在感が圧倒的で美味しい。
北寄貝*♡
ビッシリとついたワタの部位を上にしているので、舌にダイレクトに当たり、極上の甘味を味わえます。
大トロ♡
コッテリとした脂の甘味がありつつも、夏らしい酸味や香りも楽しめます。
煮蛤*♡
確りと味が染み込んでおり、ずっと噛んでいたくなるほどの旨味の溢れ方があります。
新いくら♡
皮は薄く、弾けるというよりはとける感じ。いくら本来の旨味が濃く、海苔の香りも映えます。
車海老♡♡
食感・温度・香り・甘味の全てがパーフェクトな車海老。
蝦夷馬糞海胆♡
海苔がないので、純粋に海胆の旨味と甘味を感じられます。なんといっても、香りが凄い。
赤海胆*♡♡
甘味だけでなく、仄かな苦味の複雑さがあり、これこそ赤海胆ならではの楽しみ。
浅蜊の潮汁♡
仄かな塩気で、浅蜊の旨味を全面に出した潮汁。
穴子♡
煮つめで。舌に絡みつくようなトロトロ加減で、皮のゼラチン質が留まり、旨味を広げていくよう。
玉♡
いつもの握りで。シャリの塩気で押し上げられるような玉の甘味がより感じられます。
東京・水天宮近くにある「日本橋蛎殻町 すぎた」に再訪。ピンと張り詰めた空気を和ますのは、店主・杉田 孝明さんの存在感であり、供される鮨や料理の美味しさでしょう。豪華な食材を見せつけるようなエンターテイメント性はありませんが、優雅に杉田親方の握る姿に誰もが目を奪われます。
今回はちょうどお盆直前、しかも台風で魚がない。そんなタイミングでしたが、新子などのこの時期ならではの新物を楽しむことができて大満足です。ネット予約に移行されて、まさしく神頼り的な再訪になりますが、出来るならば今年中にもう一度くらいは杉田親方の鮨を味わいたいです。
杉田親方、今回もたくさんありがとうございました!また是非宜しくお願いします。
湯呑コレクション
2023.5.
逢へりし君に恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
海蘊
酢の酸味は極々少しで、海蘊そのものを感じられる味わい。
鮃 & 泥障烏賊♡
鮃は青森県産、泥障烏賊は神奈川県佐島産。鮃はモチモチとした食感で、咀嚼の度に旨味と甘味が素晴らしい。泥障烏賊は極上のねっとり感があり、舌にからみつくような食感と生姜の辛味の中でより甘味が溢れます。
メヒカリの粕漬け♡
茨城県鹿島産。ふわりと粕の香りが口いっぱいに広がり、その後にメヒカリの旨味が追いかけてきます。
金目鯛の茶碗蒸し♡
初となる茶碗蒸し。底には皮目を炙った金目鯛が入っており、上からはポン酢がかかっています。卵液のコクと金目鯛の旨味をポン酢の酸味がより引き出しています。
磯辺巻き♡
まず海苔の香りがぶわっとして、帆立の甘味、そしてそれらが一体となって口の中を支配します。
鮟肝♡
新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」をマリアージュする鮟肝。口の中に鮟肝があるうちに「陽乃鳥」を飲めば、累乗する甘味の膨らみが素晴らしい。
蛍烏賊の味噌漬け♡
蛍烏賊のワタの旨味と味噌との相性がとても良く、美味しい。
太刀魚の焼物♡
ふわりとした食感の太刀魚は旨味を引き出す塩加減も絶妙で美味しい。
小鰭♡♡
初めに酸をグッと感じ、追いかけるように小鰭のジューシーさがきます。そして、シャリの塩味で甘味が引き出されるよう。いつもながらに美味しい。
鶏魚♡♡
見た目から色っぽい鶏魚。ガツンとくる旨味と甘味が素晴らしい。
鱒の介♡♡
間に忍ばせるのは、和芥子。鱒の介は軽く燻して、切りつけてから漬けにしており、口に入れるとふわりと薫香がします。
赤烏賊♡
東京都式根島産。薄く削ぎ切りにして、更に細かく切ったものを一纏めにして握ったもの。口の中で瞬時に混ざり合い、塩で甘味の輪郭がより際立ちます。
海松貝♡
極上のザクザク感を楽しんでいると、溢れ出す甘味。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。
赤身漬け♡
宮城県産。赤身を薄く切りつけて、漬けにしてから折り畳むようにして握られる独特な漬け。赤身の酸味や香りが立ち上り、実に美味しい。
背トロ♡
静岡県下田産。香りがありつつも、口溶けは瞬。食べ終えて、口の中に残る酸味までも美味しい。
大トロ♡
少量の塩を間に入れることで、より鮪の甘味を際立たせています。
鯵♡
山口県萩産。口に入れると感じるのは、圧倒的な鯵の存在感。爽やかな旨味が駆け抜けていくのが実に印象的で、何より美味しい。
子持ち槍烏賊♡♡
まさかまだ逢えるとは!ちょうど明日で終わりだという子持ち槍烏賊。身の柔らかさと卵のプチプチ感が同時に味わえ、シャリの塩が更に旨味を押し上げています。
北寄貝♡
びっしりとついたワタを舌にダイレクトに当たるように握られているので、感じる甘味が素晴らしい。
煮蛤♡
ワタの旨味が咀嚼の度に広がるようで、ずっと噛んでいたくなります。
車海老♡
食感・香り・甘味、全てがパーフェクトな車海老。素晴らしい。
金目鯛♡
皮目を軽く炙り、脂の旨味を引き出してから握られる金目鯛。山葵と辛子の香りのハーモニーが心地よい。
赤貝♡♡
宮城県閖上産。ザクザクとした肉厚な赤貝は咀嚼すると、広がる香りが物凄い。
蝦蛄♡♡
とても大きく太い蝦蛄は大好きな雄。グッとくるような甲殻類の累乗する旨味の連鎖が素晴らしい。
馬糞海胆♡
北海道函館産。純粋無垢な雑味のないクリーミーな味わい。
浅蜊の味噌汁
浅蜊の旨味を全面に押し出した味噌汁。毎朝、こんな味噌汁が飲めたならば幸せです。
穴子①♡
まずは塩。ホクホクとした鼈甲色の穴子は甘味が上品で、穴子本来の旨味を味わえます。
穴子②♡
そして煮詰め。腹の部位はモフモフとしてトロリととろけて、舌に絡みつくよう。
玉♡
今回も握っていただきました。シャリの塩味で玉の甘味がよりはっきりと味わえます。
凛とした空気が店主・杉田 孝明さんの声でふっとと和らぐ瞬間を感じると、また「日本橋蛎殻町 すぎた」に来ることができたと実感します。江戸前鮨の王道をいく杉田さんの鮨や肴の美味しさは勿論ですが、私が思うのはポスピタリティーの素晴らしさ。親方は勿論のこと、全てのスタッフが客1人1人に目を向けているからこそ、そのサービスには血が通って、客との間に心が生まれると思うのです。
今回も素晴らしいひと時をありがとうございました!
2022.12.
逢へりし君に恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
残心
ゆっくりと置かれる鮨には、心が込められる。
そう。
私たちは鮨だけなく、心も同時にいただいている。
今日の献立
海老芋の衣被
胡麻と唐墨で彩っており、それぞれに胡麻の風味と唐墨の旨味が映えて美味しい。
皮剥 & 帆立♡
ガラスのように美しい身の大分産皮剥は肝醬油で、肝は荒目に切りつけられているので身で巻くようにしていただきます。薄い身からは想像出来ないほどに身はプリッとしており、肝の旨味が素晴らしい。
北海道野付産の肉厚な帆立は山葵と醬油で。繊維に逆らって歯を入れると、小気味良いザクザク感があり、甘味が溢れます。
白子♡
湯掻いてから冷やした真鱈の白子。ふわりと柚子の香りを纏い、口に入れると出汁の旨味の後に濃厚な白子の甘味が広がります。
蛸の柔らか煮♡
柔らか煮なれど、蛸の身と皮の食感は活かしており、咀嚼の度に溢れる蛸の旨味がたまらない。やはり鮨店の蛸は侮れない。
墨烏賊下足の粕漬け♡
柔らかい中にもコリコリ感があり、粕のふわりとした香りと墨烏賊の甘味が口の中で合わさります。
鮟肝♡
甘く炊きあげた鮟肝と新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」とのマリアージュ。舌に絡むねっとりとした鮟肝の甘味を追いかけるように「陽乃鳥」の甘味で洗い流す素晴らしさ。
筋子の味噌漬け♡
プチッと弾け、ねっとりと舌に絡みつきます。味噌漬けの香りと甘味が程よく、お酒よりもご飯が欲しくなる味わい。
太刀魚の焼物♡
ふわりととした身は旨味が溢れ、定番なれど素晴らしい味わい。
牡蠣の味噌漬け(追加)♡
生の牡蠣は苦手ですが、火を入れた牡蠣は大好きなので追加。やはり杉田さんの味噌漬けは好みの味わいで、常備したい。
小鰭♡♡
杉田さんの名刺がわりの一貫。小鰭の旨味と酸の心地よさ、それを受け止めるシャリ、全てが美味しい。
墨烏賊♡
小気味良いサクサク感とねっとり感が合わさったような食感があり、酢橘の爽やかさが映えます。
真鯛♡
塩〆された真鯛はモチモチとして、咀嚼する度に溢れ出す甘味が凄い。特に皮目の面積が広くてたまらない美味しさ。
間八♡
身も柔らかく、シャリの塩気で際立つ旨味と特に甘味が秀逸。
鰆♡
口に入れる瞬間に薫香が鼻を擽り、その身は液体のような口溶け。
春子鯛♡
昆布〆された春子鯛の身は程よく脱水されて、とろりとろけます。シャリを包み込むようなので、口の中での存在感が凄い。
赤身漬け♡
薄く広く大きく切りつけてから漬け込む独特の仕立てで、折り畳むようにして握られます。ねっとりとして、時間をかけてゆっくりと味わいが滲み出します。
鰈♡
ガッチリと昆布〆された鰈は、今では珍しい仕立て。しかしながら、コレが実に美味しい。
蝦蛄♡♡
極太の蝦蛄は漬け込みの仕立て。甲殻類の濃い味わいと漬け込みによる甘味が実に美味しく、蝦蛄好きにたまらない。
霜降り♡♡
格子状に細かく包丁を入れ、山葵と共に少量の塩を入れて握ることで、口の中でのとろけ方と塩によって際立つ甘味が美味しい。
海松貝♡
ザクザクと音を立てて咀嚼すると、甘味が溢れ、独特な香りも立ち込めます。
鰯♡
酢洗いされた鰯は真白で、脂乗りが素晴らしい。山葵と共に薬味も間に入れることで、口の中で最初に鰯の旨味と青魚の香りがダイレクトに伝わります。
北寄貝♡
びっしりとついたワタの部位を舌に当たるようにして握られているので、ワタの甘味がとても印象的な一貫。
車海老♡
綺麗なだんだら模様が映える車海老は口に入れると喉元にまで届くような大きさ。咀嚼すると、温度・甘味・香りがぶわっと広がります。
鰤♡
腹の部位でかなりの脂がありながらも、余分な脂を感じさせずに旨味だけを全面に押し出しています。鰤のクセなどは微塵も感じさせません。
北紫雲丹♡
瞬時に口溶ける雲丹は初めほんのりとした甘味が広がり、その後に時間差でグワっと強烈な甘味が溢れてきます。
金目鯛♡
皮目を炙ってから握る仕立てで、ちょこんと乗せられた辛子が可愛い。
馬糞雲丹♡
先程の雲丹とは違い、濃厚濃密な甘味。
浅蜊の潮汁♡
まさにいい塩梅とはこのこと。
穴子♡
身はホクホクとし、皮目はゼラチン質を感じられる穴子。〆の一貫はやはり煮つめがいい。
玉♡
今回も握っていただきました。口に入れると、シュッと消える玉はシャリの塩気で甘味の輪郭がはっきりとして、実に美味しい。
全てが慌しい12月。しかしながら、店主・杉田 孝明さんの落ち着いたアルトな声が響くここ「日本橋蛎殻町すぎた」にはゆったりとした時間が流れています。供される王道な肴や握りはどれもハズレなく美味しく、多くの心と胃袋をガシッと掴んで離しません。単に料理が美味しいだけでなく、こまめなお茶の交換をはじめとする確りとした客へのポスピタリティーもまたこの鮨店を支える要素であり、大きな強みだと思います。杉田さんらが作り出す料理・雰囲気・心遣いの全てが心に響く素晴らしい鮨店です。
2022.7.
逢へりし君に 恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
じゅんさいと長芋
底に凍らせた卵黄とすりおろした長芋があり、大粒のじゅんさいと混ぜ合わせることで、なんとも涼やかなひと皿に。
泥障烏賊と真子鰈♡
生姜醤油でいただく分厚い泥障烏賊は両面に包丁入れることで、口の中でねっとりととろけて甘味が広がります。そして、コレ以上のモチモチ感があるのか?と考えてしまうほどの真子鰈の食感の心地良さ。
茹で蛸♡♡
『蛸の柔らか煮』が定番ですが、今回は『茹で蛸』。なんと言っても驚くのは見た目以上の柔らかさ。そして、咀嚼の度に広がる香りが素晴らしい。鮨店で蛸が供されると、実に嬉しい。
穴子の茶碗蒸し♡
蓋を開けると、鮮烈な山椒の香りが鼻をくすぐり、卵のコクと穴子の旨味がとてもよく合い、美味しい。
鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝と秋田県の新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』と共に。鮟肝の甘味をキレのある『陽乃鳥』の甘味で洗い流す素晴らしいマリアージュ。
数の子の味噌漬け♡
数の子は厚みもあり、口の中でバリバリと弾けるよう。食感フェチにはたまらない肴。
赤むつの焼物♡
皮目がとろりとして甘味が広がり、その後に旨味がグッときます。
鮑の肝の味噌漬け(追加)
口に入れると、目を閉じると海岸を目の前にしているような磯の香りが広がります。
メヒカリの粕漬け(追加)♡
去年もいただいた「日本橋蛎殻町 すぎた」の中でも新しい肴。確りとした粕の香りの中で、フワフワなメヒカリの軽さが素晴らしい。無限に食べられそう。
小鰭♡♡
杉田親方の名刺代わりの一貫。小鰭の酸味、シャリの塩味、そしてそれらが混ざり合うことで旨味が引き出されていく口福の一貫。
墨烏賊♡
小気味よいサクサク食感。酢橘の爽やかさと墨烏賊の甘味が映えます。
鶏魚♡
夏を告げる鶏魚はとろりとして舌に吸い付くよう。爽やかな旨味と食べ終えて残る甘味が美味しい。
真子鰈♡
昆布〆された真子鰈は昆布の旨味をはじめに感じ、モチモチ感を楽しんでいると溢れる甘味が秀逸。
鰹♡
鰹は藁焼きしてから漬けにしたものを地からしと共に握られます。口に入れると薫香が鼻から抜け、ほのかな鰹の酸味がとても美味しい。
春子鯛♡
軽い昆布〆にされた春子鯛は食べ応えもあり、口の中で主張する存在感が素晴らしい。
海松貝♡
極上のサクサク食感。そして広がるちょっとクセのある甘味が美味しい。
赤身漬け♡
今回は北海道噴火湾産定着の42キロのもの。今回は薄く切りつけて折り畳む独特の漬けではなく、厚く切り付けて漬けにしており、脱水された赤身の酸味がグッときます。
血合いぎし漬け♡
グラデーションのかかった身はとても美しく、それを漬けにすることで脱水され、旨味が凝縮しています。確りと香りも感じられ、やはり血合いぎしは好みの部位。
赤貝♡♡
杉田親方も唸る宮城県閖上産。食感よりも鮮烈というよりかは複雑味のある香りが素晴らしい。
中トロ♡
霜降りの部位。口溶けは素晴らしく、食べ終えて残る酸味と甘味が美味しい。
鯵♡
酢洗いすることで更に酸を纏う鯵は、肉厚で爽やかな旨味が広がります。
大トロ♡
砂ずりの部位で、見た目からもTHE大トロと言える味わいで、夏の鮪でも確りとした旨味が強くて美味しい。
赤貝のヒモ♡♡
宮城県閖上産のものはヒモが特に美味しいそうで、初となるヒモのみの握り。ザクザクとした食感があり、身と同様に特に香りが素晴らしい。
鰹のハラス♡♡
脂は薄いながらも、やはり美味しい。言われてもコレが鰹とは信じられない別物感。
金目鯛♡
皮目を炙ることで身との境にある脂が溶けて旨味と甘味に変わります。今回は皮目の面積が大きいところだったので、嬉しいかぎり。
車海老♡
頬張ると先端の海老味噌がついている部位が喉に当たるような大きさで、身の甘味と海老味噌の濃厚さがたまらない。
赤雲丹♡
大分県豊後水道産。赤雲丹は香りや甘味よりも濃密で複雑味のある味わいが素晴らしい。
馬糞雲丹♡
北海道利尻産。コレも濃密ですが、明らかに違うのは甘味と香り。
浅蜊の潮汁♡
今回は味噌汁ではなく、潮汁。浅蜊の旨味を確りと味わえる濃度で美味しい。
穴子♡
肉厚な腹の部位を煮つめでいただくのが、大好き。フワフワモフモフな穴子は舌に絡みつき、シャリの塩と酸でより穴子が際立ちます。
玉♡
いつものように玉も握りで。シャリが入ることで、甘味の輪郭がはっきりとして私は好きです。
約1年ぶりにやってきた「日本橋蛎殻町すぎた」で、初夏の鮨を楽しませていただきます。
「いらっしゃいまし。いつもの感じで宜しいですか?」
店主・杉田 孝明さんの凛とした空間に響く声を聞くと、張り詰めていた空気がふっと和む瞬間がいつも好き。伺ったときがちょうど季節の変わり目でしたが…肴では茹で蛸、鮨では赤貝とそのヒモがそれぞれ実に香り高くて美味しかったです。
王道たる味わいの中で、肴や鮨には確りと「日本橋蛎殻町 すぎた」の顔があり、ハズレなく何よりも美味しい。切りつけや握る姿、鮨を置く残心まで全てが美しい所作の杉田親方、一貫毎に置き台を拭いたり、こまめなお茶(湯呑)の交換とホスピタリティも名店と言われる骨格の1つだと思います。
プライベートな湯呑まで出していただき、ありがとうございました。また伺える日を楽しみにしております。
2021.7.
trrrr…
「日本橋蛎殻町すぎたです。お待たせ致しました。お席のご案内です」
コロナ禍や緊急事態宣言などで予約を受け付けていなかったので、今年はもう行くことができないと諦めていましたが、まさかのキャンセル待ちで行くことができるとは!
「日本橋蛎殻町 すぎた」
鮨が好きな方ならば、一度は行きたいと願う鮨店だと思います。店主・杉田 孝明さんの穏やかな声が凛とした雰囲気を和ませ、食材と対話するように握られる鮨はどれも美味しい。今回も全ての種を味わせていただきます。
今回の献立
味緑
茶豆と枝豆を合わせたいいとこ取りの枝豆。甘味と香りが段違い。
真子鰈 & 蒸し鮑♡
宮城県産真子鰈と千葉県勝浦産鮑。真子鰈は極上のモチモチ加減で咀嚼の度に甘味が引き出されてきます。蒸し鮑は目の前で杉田さんが切りつける時から香りが立ち上り、口に入れると歯を跳ね返すほどにモッチリとして、香り立ちます。
メヒカリの粕漬け♡
千葉県銚子産。5年ぶりの新作という料理。ふわりとしたメヒカリの身の柔さに驚いてると、粕漬けの香りが鼻から抜けます。後味は確りとメヒカリの旨味が残り、お酒が進みます。
海鼠腸の茶碗蒸し♡
シンプルでありながら、これ以上旨味が強い茶碗蒸しがあるでしょうか。キングオブ茶碗蒸し。
鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝と新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」とのマリアージュ。定番ながらも、供されると嬉しい。
鮑の肝の味噌漬け
酒・塩・水で炊いた鮑の肝を味噌床で2週間ほど漬けたもの。甘めの味わいが非常に好み。
太刀魚の焼物♡
千葉県産。背の部位はふわりとして、腹の部位はとろけるよう。ほんのりとする塩味がこの太刀魚の旨味を引き出しています。
蛸の柔らか煮(追加)♡
神奈川県佐島産の蛸を柔らかく炊いたもの。柔らか煮ですが、驚くべきは柔らさではなく香り。蛸らしいプリッとした食感も残しつつ、蛸の香りがふわりとします。鮨店の蛸は素晴らしい。
〆鯖巻(追加)♡
〆鯖・大葉・浅葱・ガリを海苔で巻いたスペシャリテと呼ぶべき肴。山葵たっぷりでも負けない鯖の脂の旨味。ここに来たならば、必ず食べたい肴です。
帆立の磯辺焼き(追加)♡
口に近づけると海苔の香りがふわりとして、口に入れると帆立の甘味がグッときます。
小鰭♡
キリリとした酸が広がり、シャリとの間に忍ばせたおぼろの甘味がいいアクセントになっています。変わらずに美味しい心掴む一貫。
真鯛♡
千葉県鴨川産。塩〆した真鯛は口の中での主役級の存在感があり、溢れる甘味が素晴らしい。
鯵♡
島根県のブランド鯵である「どんちっち」。半身の厚い部位だけを握っているので、コレも口の中で存在感が素晴らしく、甘味のある爽やかな旨味が迸ります。
鰹♡
宮城県気仙沼産。漬けにしたものを和芥子で。何だろう?この舌に絡みつくようなねっとり感。脂よりも旨味が強く、食べ終えて残る香りが愛しい。
春子鯛
昆布〆の仕立てを塩で。程よく脱水されていて、旨味が凝縮しています。食べ終えてから、ふわりとする昆布の香りが印象的。
赤身漬け
京都府舞鶴産の定着。独特の切りつけをして、折り畳むようにして握られています。旨味と香りも良く、余韻も長め。
血合いぎし漬け♡
青森県大間産の釣り。漬けにすることで旨味が凝縮しており、実に美味しい。心に響く味わい。
中トロ♡
青森県大間産。山葵と共にちょっと塩を一緒に握る初めての仕立て。この塩を入れることで、より、鮪の甘味の輪郭を感じられます。
本の昆布〆
新潟県佐渡産。近年、あまり他店では見られなくなったガチガチの昆布〆は、鮨種として秀逸。口にすると、ガツンとくる昆布の味わい。ゆっくりとアラの旨味が顔を出してきて、甘味を残してフッとなくなります。
海松貝
塩〆して4日目。ザクザクと心地よい食感の中、香りと甘味が映えます。
車海老♡
山口県宇部産。この温度、この香り、この甘味。どれをとっても素晴らしい。
大トロ♡
青森県大間産。コレも塩を忍ばせて握られています。やはり塩を入れることで味わいの輪郭がはっきりするかのよう。
煮蛤♡
咀嚼の度に旨味が溢れてくるので、ずっと噛んでいたくなる味わい。
浅蜊の味噌汁
ふわりとする味噌の香りがたまらない。
北寄貝♡
そり立つようなワタが印象的で、ザクザクとした食感の中で甘味が映えます。
紫雲丹♡
口に入れた瞬間に香り立ち、口溶けと共に甘味を感じ、そして仄かな苦味も感じられます。複雑な旨味こそが雲丹の魅力。
穴子♡
塩と煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。モフモフとした食感と舌に絡みつくようなねっとり感。
玉♡
確りと握れる玉なので、私はいつも握っていただいています。シャリの塩味や酸味が加わることで、玉の甘味や旨味が際立って大好きです。
いつ訪れても間違いのない肴・握りの味わいとホスピタリティは、流石の一言。小鰭におぼろを入れたり、白身をガッチリと昆布〆するクラシックな一貫もある中で、鮪に山葵と塩を合わせるという目新しい一貫もあり、訪れる度に杉田親方の鮨に対する情熱を感じられます。願わくば、今年中にあと1回は杉田親方達にお会いしたい!またお店からお声掛けしていただけることを切に祈っています。
酒器・湯呑みコレクション
2021.2.
緊急事態宣言が発出してお店の時短営業が続き、予約の取り消しの多い中でも2ヶ月連続で訪問することができた「日本橋蛎殻町すぎた」。今夜は木漆工芸家の松崎 融さんの赤い木工額と小さな雛人形の前に座らせていただきました。
「いらっしゃませ。本日もいつもの感じで宜しいですか?」
店主・杉田 孝明さんの色気のあるこの声を今年はあと何度聞くことができるのだろう?そんなことが頭に過りつつも、今この瞬間に居られる幸せを存分に楽しみます。
本日の献立
ひろっこのお浸し
浅葱の新芽。この時期ならではの「日本橋蛎殻町すぎた」の先付。
帆立 & 鮃♡
塩〆の仕立て。帆立は確りとしたザクザク食感の後、鮃はモチモチの後にとろけるように甘味が溢れます。
牡蠣のおろし和え♡
生の牡蠣ですが、全くのクセはなくてただミルキーな味わいが口いっぱいに広がります。
下足の粕漬け♡
初めていただく肴。弾むような下足の食感はそのままに、ふわりと粕漬けの香りが鼻から抜けます。美味しい♡
鱈の白子♡
粒も大きく、口に入れた瞬間になくなるような感じで「牛乳?」と錯覚するほどにミルキー。
鮟肝♡
オレンジ色が艶めく鮟肝は滑らかで、甘く焚かれた味わいが好み。一緒に供される新政酒造の『陽乃鳥』とのマリアージュが更に美味しさを加速させます。
海胆の佃煮
佃煮の甘味の中でも海胆の香りが確りと活きており、海胆を食べている実感が湧きます。
アブラボウズの西京焼き♡
初めての肴。皮目は確りと焼くことでパリパリとして、身は余分な脂を落とされて弾むようなブリブリ感があつて実に美味しい。
〆鯖巻き(追加)♡
「日本橋蛎殻町すぎた」で16年くらい続く浅葱・大葉・ガリと共に海苔で〆鯖を巻いた名物の肴。海苔の香りの中で鯖がとろける様は、口福です。
小鰭♡
初手は小鰭。やはり美味しい♡小鰭の旨味の後にキリリとした酸が走り、シャリの塩味と融合して口の中で完成する味わいは素晴らしい。
墨烏賊
肉厚な身ですが、サクッとした歯切れの良さがあり、トロリととろける甘味もあります。醤油の香りも心地よい。
鰆♡
口に入れた瞬間からとろけて、ふわりと薫香が鼻から抜けて、後味は甘味が残ります。
春子鯛♡
まるでとろけるような食感があり、その後に旨味が駆け抜けていきます。
細魚
「かんぬき」と呼ばれる大きな細魚で、薬味の爽やかさがありつつも細魚本来の旨味が映えます。
中トロ漬け♡
味をつけるというよりも漬けにすることで脱水しているようで、旨味がギュッと凝縮しており、後味で香りも華やぎます。
白甘鯛昆布〆♡
飴色に艶めくガッツリと昆布〆されて白甘鯛は、今時珍しい仕立て。ねっとりととろけながら、ぶわりと昆布の香りが支配するのはまさに鮨ならではの仕立て。
赤身漬け♡
いつもと切り方が違う厚みある仕立てで、先程の中トロと違うのは圧倒的な香り。
蛇腹♡
部位によってこんなにも味わいが変わるのかと驚くのが鮪。まるでジュースのような口溶けの良さで、甘味が溢れます。
鯵♡
口に入れた瞬間から旨味が迸り、咀嚼する度に溢れます。余韻も長く、食べ終えてもまだ口の中にあるかのような味わい。
海松貝
ザクザクと小気味良い歯応えがあり、その音を立てる度に甘味が溢れます。
子持ち槍烏賊♡
「日本橋蛎殻町すぎた」でしか食べられない握り。身は儚いような食感ですが、卵はねっとりとして舌に絡みつくよう。今年は食べられて良かった!
車海老♡
頬張ると味噌の部分が喉に当たるくらいの大きさで、温度・甘味・香りとどこから見てもパーフェクトな味わい。
北寄貝♡
ワタがビッシリとついた側を表にして握っているので舌にダイレクトに当たり、甘味が広がります。
鰤♡
鰤特有のクセなどは微塵もなく、旨味のみが凝縮された感じ。ゆっくりと身が溶けて、辛子の香りがふわりと鼻から抜けます。
煮蛤♡
煮つめと蛤の旨味が時間差で2段階になって味わえる握り。色合いもクラシックな感じで素晴らしい。
金目鯛♡
身はブリンとしていながら、口の中で香りを放ちながらとろけます。
馬糞海胆
甘味もあり、香りもあり、口溶けもよい。海苔がない分、純粋な海胆の味わいが楽しめます。
穴子(塩)
選べるところ、今回は欲張って両方。塩はあっさりとした尾の部位で口溶けはふわりとして、華やぐ香りが素晴らしい。
穴子(煮つめ)♡
煮つめは濃厚な腹の部位。布団のようにモフモフとしており舌に絡みつくような口溶け。やはり煮つめは好み。
椀物
今回は浅蜊の味噌汁。
玉♡
今回も握っていただきました。やはりシャリの塩味が加わることで、玉の甘味がはっきりとして美味しい。
ばらちらし♡
蓋を開けると、芝海老のおぼろで一面桃色。その中には小鰭・春子鯛・車海老・槍烏賊・煮蛸・穴子・干瓢・椎茸・玉・ガリが入っており、ひと口毎に味わいの変わります。まるで宝探しのようなばらちらしで、余韻に浸れます。
「素材と共に職人の心をもいただく」
鮨に限らず、全ての料理がそうだと思います。心のある料理はやはり食べ手の心を動かし、感動を呼びます。単に鮨の味わいだけでなく、親方の美しい所作や緊張感をほぐすような優しい声、凛とした空間に広がる酢飯の香り、一人一人を確りと見ているスタッフのホスピタリティ。稚拙な言葉や写真だけでは伝えられないことばかりです。
「日本橋蛎殻町すぎた」
今夜も感動と幸せが溢れていました。杉田親方・女将さん、スタッフの方々、ありがとうございました。
酒器・湯呑みコレクション
2021.1.
付け台に置くのは、鮨。そして、心。
2度目の緊急事態宣言が発出されて、また大きく飲食店が揺れ動く中で、今回は20時までの営業で予約通りに訪れることができ、2021年の鮨初めとなったのは「日本橋蛎殻町 すぎた」です。
お店から何の連絡もなかったので営業するとは思っていたものの、定刻通りに白い長暖簾が出されてホッと一安心。緩い曲線を描くカウンターは今夜も誰一人欠けることなく満席で、今夜も店主の杉田 孝明さんの目の前に座らせていただき、楽しみます。
今夜の献立
海老芋のきぬかつぎ
先付は胡麻と唐墨がつけられた海老芋。特に唐墨がつけられた方が海老芋の甘味を引き出していて好み。
皮剥&帆立♡
ガラスのように美しい長崎県産の皮剥と見るからにむっちりとした北海道野付産のジャンボ帆立。皮剥は別皿にある肝を巻くようにしていただきます。
2つとも甘い食材ですが、帆立はザクザクとした食感があり、皮剥は極上のモチモチ感が感じられます。
牡蠣のおろし和え
兵庫県赤穂産の生牡蠣を塩したのみと仕立て。生臭さなどは微塵もなく爽やかな牡蠣の香りが鼻から抜けます。
穴子の白焼き♡
穴子本来の旨味と香りがグッときて、実に美味しい。食べ終えた後味すらも尚、美味しい。
鱈の白子♡
確りとした大きさのある白子はまるで牛乳のようにクリーミーで、甘味が濃厚。温いポン酢の柔らかな酸味が更に味わいの輪郭をはっきりとさせています。
鮑の肝
久しぶりに味わう鮑の肝。甘く炊いたものですが、香りが物凄い!
鮟肝
甘く炊いた鮟肝には、いつもの新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』をマリアージュ。甘い食材を甘いお酒で流すという口の中で広がる味わいが素晴らしい。
真名鰹の幽庵焼き♡
大好きな真名鰹の幽庵焼きが出てきたので、嬉しいっ!真名鰹の美味しさは勿論のこと、添えてある胡瓜の胡麻和えが実に美味しいのです。
小鰭♡
ここから握りへ。まずは杉田親方の名刺代わりの小鰭。キリッとした酸の味わいの中、小鰭の旨味がグッときます。いつもながら実に美味しい。
細魚
「かんぬき」と呼ばれる大きな細魚で、生姜と葱をシャリとの間に入れて握られます。細魚とはこんなにも味わいの濃いものだったのかと思うほど。
墨烏賊♡
極上のサクサク感と噛み終えた後に感じるねっとり感。しかも今回は親方が一瞬悩んで、塩ではなく醤油という仕立て。香りが弱い墨烏賊ですが、醤油をつけることで、その香りがいいアクセントになります。
鮃♡
飴色に艶めくガッツリと昆布締めした鮃は、近年ここでしか出逢うことがありません。歯がゆっくりと入るくらいにねっとりとして、昆布の味わいがグッときます。シャリと合う鮨種。
真鯛♡
塩〆した真鯛は咀嚼の度に上品な甘味が溢れてきて、シャリの塩味でよりその甘味が際立ちます。
鰆
燻してから漬けにする仕立ては、魚本来の美味しさを大切にしたもの。薫香は最初のアタックのみで、後は魚の旨味がとろける身と共に溢れてきます。
小鯛昆布締め
口の中に入れて感じる圧倒的な存在感がとても印象的。ふわりと昆布の香りが鼻から抜けます。
赤身漬け
青森県大間産。独特の切り付けで漬けにされる赤身は本来の旨味に出汁の味わいが累乗され、食べ終えても尚続く香りが素晴らしい。
背トロ♡
同じ魚体。口溶けもさることながら、特に香りが素晴らしい。鮪では一番好きな部位なのかもしれません。出逢えて、良かった♡
大トロ
口溶けは抜群ですが、全体的な味わいだと背トロの方が好み。
鰯♡♡
鮪を凌駕するような脂の濃さと青魚の香りが秀逸。
牡丹海老
舌に絡みつくような極上のねっとり感。
北寄貝♡
ワタがびっしりとついており、そのワタが舌に当たるように握られているので、最初のアタックが素晴らしい。
〆鯖♡♡
凄い!何だろう、この〆鯖は!まるで液体みたいな口溶け。
煮蛤
近年見かけなくなった色合いの濃いビジュアル。更に煮つめなどは付けずに、あえてそのままという仕立て。蛤と出汁の旨味がダイレクトに感じられて、物新しい。
車海老
一縷のブレもないような仕上がりの車海老は甘味が美味しい。
馬糞海胆
海苔がない分、海胆本来の甘味と香りが映えます。
蜆汁
味噌は香る程度で、蜆自体は椀の中にありませんが、飲むと確りとした存在感があります。
穴子♡
塩と煮つめを選ぶことができる中で、いつも煮つめを選びます。舌に絡みつくようなとろけ方で、いつも美味しい。
玉♡
杉田親方の玉は握れるタイプなので、握っていただきました。シャリの塩味が玉の甘味にとてもよく合います。
「今夜は魚が少なくて…」と杉田親方は仰ってましたが、素晴らしい内容でした。時期的には鮪のトップシーズンなのかもしれませんが、鰯や〆鯖などの青魚が非常に好みの味わいで、とても美味しかったです。
握る姿がとても印象的な杉田親方ですが、握った鮨を付け台に置く瞬間もカッコいい。まるで武道における「残心」のよう。料理の味だけでなく、所作をはじめとする動作も美しく、客をもてなすという気持ちが溢れていて、いつも訪れても120%の満足感が得られます。
2021年の鮨初めを素晴らしいお店で迎えられました。杉田親方、ありがとうございました!今年もどうぞ宜しくお願い致します。46600
酒器・湯呑コレクション
2020.11.
祈るように握られ、そっと手離す時に煌めく鮨
「いらっしゃいませ」
凛とした空間に響く店主・杉田 孝明さんの優しい声。その声を聞くと、不思議とふわりとした雰囲気になるのは何故だろう。ここは「日本橋蛎殻町すぎた」。鮨好きならば、誰もが夢見るお店の一つです。今夜も無事にここへ再訪できた喜びを噛み締めながら、杉田親方の美しい所作と料理に酔いしれましょう。
今夜の献立
新銀杏
今の季節珍しいわけではないのですが、驚くほどのモチモチ食感。
鰹♡
長崎県壱岐産。塩〆した後、分厚く切り付けてから、数分漬けにして供されます。ねっとりと舌に吸い付くような食感の中、甘味と旨味が溢れてきます。
皮剥
長崎県産のものを肝醤油で。ガラスのような美しさの身に旨味の塊のような肝が素晴らしい。
帆立の磯辺焼き♡
帆立の甘味も秀逸ながら、海苔が凄い。香りともに瞬時に溶けます。美味しい♡
白子♡
温い中で白子の無垢な甘味が広がり、コクも感じられるポン酢の旨味と酸味が更に白子の甘味を際立たせます。
穴子の白焼き♡
長崎県対馬産。皮目をパリッと焼いて、身は軽く炙ることでプリッとした食感が生まれる穴子は香りがぶわっと鼻から抜け、甘味と旨味がじゅわっと溢れてきます。
鮟肝
甘く焚いたものを秋田県・新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』と共に。ねっとりと舌に纏わりつくような鮟肝を甘口のお酒で流し込むという素晴らしいマリアージュ。
筋子の味噌漬け
筋子の旨味が味噌の甘味と合わさり、お酒を呼びます。
赤むつの焼物
まるでジュースのような口溶けの赤むつ。コクのある甘い脂が溢れ返ります。
蝦蛄の漬け込み(追加)♡
北海道小樽産。メスの子持ち、カツブシの蝦蛄。とても太くて白い部分の確りと残っており、甘味の味わいに蝦蛄の旨味が累乗するようで、実に素晴らしい美味しさ。
蛸の柔らか煮(追加)♡
原型を留めているのが不思議なほどの柔らかさ。咀嚼すると、煮汁の甘味とジューシーな蛸の旨味が迸ります。
小鰭♡
優しく優しくジューシーな旨味が広がり、身の存在感を誇らしげに最後のキリリとした酸がふわっとします。
真鯛
兵庫県淡路産の真鯛を塩〆。舌に吸い付くようで、咀嚼すると繊細な甘味が溢れてきます。口の中で混ざり合うことで、シャリの酸味が更に甘味を強く感じさせます。
鰆
藁で燻してから漬けにした仕立て。柔らかな身はとろけるようで、咀嚼の度に奥から旨味が引き出されていくよう。
春子鯛♡
昆布〆の仕立て。春子鯛の水分を抜きつつも、ジューシー且つとろけるような感じ。
赤身漬け♡
青森県大間産。薄く独特の切り付けをされ、折り畳まれて握られたもの。香りが口に入れた瞬間に華やぎ、余韻も長く続きます。
中トロ♡
口に入れた時の魚の存在感が素晴らしく、ゆーっくりととろけるのは素晴らしき至福のひと時。
霜降り
旨味はコッテリとし、更に濃くて滞空時間と余韻が長く続きます。
蛇腹
霜降りと同じような旨味と余韻ですが、口溶けの速さが一段上。
鮃
ガッツリと昆布〆した鮃は飴色に輝き、シャリと合わさることで生まれる旨味が鮨としての完成度を感じさせます。
海松貝
小気味良いサクサクとした食感の中、シャリの酸味で際立った甘味が映えます。
鰯♡♡
口溶けと香りが素晴らしい!この季節はどんな鮪よりずっと好き♡
北寄貝
ワタがビッシリとついており、それがとろけて甘味を讃えます。
車海老
人肌の温さの中で、香りと甘味と香ばしさが映えます。いつもながらに微塵のブレもない完成度。
墨烏賊
ねっとり感とサクサク感が同時に味わえる墨烏賊は、ちょっと驚きました。
鰹のハラス♡♡
この時期のスペシャルな種。出逢ったならば、迷わずに食べていただきたいです。初見でコレを鰹と思うのは、ほぼ不可能でしょう。
いくら♡
まるでジュース!いくらの旨味の後に広がるのは、出汁の香りと旨味。いくらは飲み物と認識できる一貫です。
金目鯛
皮目の赤とちょこんと乗せられた辛子の黄色が美しい。軽く皮目を炙ることで、その下にある脂が蘇るようで甘味も感じられます。
馬糞海胆♡
たっぷりと盛られた海胆は、口の中で幸せの瞬間を与えてくれます。濃密であり、最後に昆布のような味わいがふわっとします。
〆鯖♡♡
凄い!咀嚼すると、脂がグッと出てきて、シャリと混ざり合うことで甘味も感じられます。素晴らしい美味しさ。
穴子♡
塩と煮つめを選べるところで、私はいつも煮つめ。ちょうど好きな腹の部位でモフモフな食感の後、舌に絡みつくようなねっとり感を感じられます。
玉♡
私はいつも握っていただきます。この少量のシャリが玉の甘味を際立たせていて、実に素晴らしい。
蜆汁
いつもの浅蜊ではなく、珍しく蜆。コレも美味しい♡
今夜も肴はほどほどにして、握りは本日仕込んでいる種を全て食べさせていただきました。珍しくも赤身・中トロ・霜降・蛇腹と鮪を4貫いただきましたが、やはりこの時期は鰯・〆鯖・鰹のハラスが群を抜いて好みの味わい且つ香りが素晴らしかったです。
奇を衒わない王道の鮨も素晴らしいですが、やはり一番は杉田親方の存在感だと思います。流れるような美しい所作、場を和ませる声と接客の良さ、いつもながらにさすが!としか言いようがありません。常連客であっても予約困難店には変わりありませんが、一見客でもチャンスはあります。是非とも味わいと共に杉田親方の存在感を感じて欲しいと思います。
杉田親方、今回もたくさんありがとうございました!また来年も宜しくお願い致します。
酒器・湯呑コレクション
2020.6.
「やはり握るのが、鮨が好きなんです」
そう満面の笑みで答えるのは、「日本橋蛎殻町 すぎた」の杉田 孝明さん。
約2カ月の営業自粛を経て、席数を減らした状態での営業再開となり、有難いことにコロナ禍でなくなった予約が復活しました。自粛という出来事がなかったら、きっと食べることがなかったであろう『ばらちらし』や『太巻き』にも感慨深いものがありますが、目の前で親方の綺麗な所作を見ながらいただく鮨は、やはり特別な時間です。
今回の献立
空豆
先付。
京都府舞鶴産 鳥貝
ワタはほぼないながらもザクザクとした食感が心地よく、一気に口の中に海が広がるような感じがします。
神奈川県産 泥障烏賊♡
生姜醤油でいただく極厚の泥障烏賊は両面に隠し包丁を入れているので、口の中で瞬時に甘味を感じられます。
鰯巻き♡
鰯・浅葱・ガリを海苔で巻いた何とも美しい肴。たっぷりの山葵に醤油をちょこんとつけて食べれば、甘味のある鰯の旨味が広がります。
北寄貝の生姜醤油焼き♡
北寄貝を生姜醤油に漬けて、軽く炙ったもの。北寄貝にはワタがびっしりとついており、そのワタがふわりとした食感を生み、更に生姜がその甘味を際立たせています。
鮟肝
甘く焚かれた鮟肝は、舌に絡みつくようなネットリ感を楽しんだ後に甘味を讃えてとろけます。そこに新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」を流し込むことで生まれる口の中でのマリアージュは最高です。
海胆の佃煮
海胆の香りと甘味も活かしており、お酒も進みます。しかし、本当ならばご飯が欲しいところ。
真名鰹の幽庵焼き♡
見た目から美味しさを確信できる分厚い真名鰹はふわっとした食感で、中に込めた熱と共に旨味が迸ります。そんな中で私の琴線に触れたのが添えてある胡瓜の胡麻和え。絶妙に美味しい。
小鰭♡
なんと、初の海老おぼろを入れるタイプ。小鰭の状態によって入れる時と入れない時があるらしいです。少量ですが、このおぼろの甘味がシャリの塩気と小鰭の酸をバッチリと繋ぎ止めます。
鮎魚女昆布〆♡
飴色に艶めく初の種。確りと昆布〆されており、昆布の旨味のファーストインパクトが凄い。最後に鮎女魚のコリコリ食感や旨味が名残惜しそうに残ります。
真名鰹
塩〆した後に寝かせて漬けにしたもの。これも初の種ですが、やはり美味しい。漬けにしたことで旨味が累乗されており、更に本来の旨味も感じられます。
春子鯛
塩でいただく春子鯛はとろける食感。〆ているのに、それを感じさせない口溶けです。
赤身
新潟県佐渡産。柵に添うような独特の切りつけで折り畳むようにして握られます。鮪の酸味が、心地よく鼻から抜けます。
背トロ♡
同じ魚体。トロらしい口溶けも素晴らしい中で、実に香りが素晴らしい!
中トロ
これも同じ魚体。先程の背トロに比べると、香りが少ないながらも口溶けはゆっくりと濃密になっています。
鯵♡
鯵らしい香りもあり、鯵らしくないジュルっとするような脂の濃厚さもあります。
北寄貝♡
小気味よいザクザク食感の中で、トロリとしたワタがびっしりとついているので、甘味が映えます。
煮蛤♡
シャリの酸も感じながらも、蛤の旨味と甘味が口の中に混ざりあいます。
車海老
全くのブレを感じないパーフェクトな車海老。間違いのない美味しさ。
海松貝
極上のザクザク食感。その後に溢れ出す甘味と海の香りが素晴らしい。だから、貝はやめられない。
金目鯛♡
美しい皮目の部位が広いのは、実に嬉しい。炙ることで蘇るような甘味のある皮目の脂がシャリと混ざり合います。
北紫海胆♡
北海道の津軽海峡付近。口溶けもさることながら、華やぐ香りが素晴らしい。
穴子♡
いつもの煮つめで。フッカフカの布団のような食感の中、口溶けは舌に絡みつくよう。
玉♡
デザート的な位置付けの玉ですが、杉田親方は握ることも確りと考えて作ってらっしゃるそうで、こうして握りでもいただくことができます。シャリの塩気が玉の甘味を際立たせていて、美味しい。
椀物
いつもの女将さんの浅蜊の味噌汁。味噌の香りとほっとする浅蜊の旨味に癒されます。
約2時間半、目の前に供される肴や鮨は杉田親方の気合と共に嬉しさも伝わるかのような素晴らしい味わいの中、実に幸せな時間を過ごさせていただきました。
コロナ禍で予約がなくなったのは私だけでなく、多くの方々が予約の復活を待ち望んでいるので、今年はきっとこれで最後かな?と思います。『ばらちらし』や『太巻き』は営業と並行して続けられるそうなので、親方の味に恋しくなったら買わせていただきたいと思います。
杉田親方、女将さん、スタッフの方々。幸せなひと時をありがとうございました!また今年中に逢えることを願っています。43000
酒器と湯呑コレクション
2020.5.
凄かった!
「日本橋蛎殻町 すぎた」のテイクアウトの一つ『生ばらちらし』も先日いただきましたが…こちらの『伝統的なばらちらし』の方が、断然に好み♡
蓋を開けると、声が思わず上がります。それは生ばらちらしの時の「わー!」という歓喜のものではなく、「おー!」という驚きの声。
ご飯が全く見えないほどにピンク色の海老おぼろで覆われていて、その下には小鰭・春子鯛・車海老・煮蛤・煮蛸・穴子・干瓢・椎茸・玉・ガリ・絹さや・海苔がたっぷりと入っています。箸をつける箇所で異なる旨味・甘味・酸味が味わえ、まるで宝探しのようです。実に美味しい♡勝手なイメージですが、こちらの方が杉田親方らしいばらちらしだと思います。
そして、太巻き。これはまるで2部構成のよう。左側には干瓢・椎茸・車海老・穴子・胡瓜・山ごぼう・三つ葉が巻き込まれて、大きく存在感のある玉が右側にあります。ひと口で食べられれば、また違う味わいなのかも知れませんが…確りとした旨味と甘味と食感がある左側を味わった後に、右側を食べるとシャリの塩気で際立った玉の甘味が素晴らしく映えます。いつも最後にお願いしている玉の握りが恋しい。
この伝統的なばらちらしは食べないときっと後悔します!
営業が再開しても、是非食べたいなぁ。
杉田親方、女将さん。
本日はありがとうございました!お身体には気をつけて下さい。また目の前に座らせていただける日を心待ちにしています。
2020.5.
コロナ禍にならなければ、GWに訪問予定だった「日本橋蛎殻町 すぎた」で、『ばらちらし』をテイクアウト。当初は『生ばらちらし』と『太巻き』で、一気に注文が殺到した為に調理場がパンク状態で一時中止となりましたが、煮蛤や干瓢などの加熱したものだけで作られた『伝統的なばらちらし』を加えて、無事に再開となりました。
今回、注文したのは『生ばらちらし』。定刻に店内へ入ると、親方が忙しそうに作っており、ちょこっとお話し。いつも電話越しでしたが、久しぶりに女将さんの元気な姿も見れて良かったです。
8寸折の中には、小鰭・赤身漬け・中トロ・真鯛・金目鯛・春子鯛・墨烏賊・煮蛸・車海老・馬糞海胆・いくらが煌き、その下には海苔・干瓢・角切りガリ・胡瓜が忍んでいます。そして、木の芽と絹さやの鮮やかな緑が印象的なばらちらしです。
それぞれの食材が大きいので、ついつい小鰭を始めにそれだけを食べてしまいます。でもやはり混ぜ込むように食べると、交錯する食材の旨味が押し寄せてきます。中でも同じ大きさに角切りされた墨烏賊とガリの食感が実に面白い。食べる度に色々な顔が見られるばらちらしでした。
すると俄然、気になるのはもう一つの『伝統的なばらちらし』と『太巻き』。まだ具体的にこのテイクアウト営業期間を決めていないそうですが、是非とも食べてみたいところです。
2019.11.
しとしとと降る時雨が日本橋蛎殻町の街を濡らす。
王道の江戸前鮨を堪能するには、粋な演出です。
やってきたのは、杉田 孝明さんが取り仕切る鮨店「日本橋蛎殻町 すぎた」。説明不要の日本を代表する鮨店で、奇を衒わない王道の江戸前鮨は多くの人の心をも確りと握って離しません。今夜も約束された口福な時間を堪能させていただきます。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
胡麻付きと唐墨付き。
鰤と皮剥
今季最後という北海道産の鰤は漬けになっており、噛み締めるたびに旨味が溢れます。ガラスのような美しく皮剥は肝醤油でいただきます。シコシコとした食感を楽しんでいると、ふわりとした甘味が広がり美味しい。
漬け込み蝦蛄
北海道小樽産。たっぷりの山葵でも負けない力強い味わい。「かつぶし」と呼ばれる子持ち蝦蛄なので、ホロホロとした食感も楽しめます。
〆鯖巻き♡♡
大好きな〆鯖を肴でもいただきたかったので、名物の〆鯖巻きを作っていただきました。どれだけ山葵を乗せても負けない〆鯖の旨味は、口に入れた瞬間に迸ります。
穴子の白焼き♡
ねっとりとした脂と穴子本来の香りが鼻から抜け、実に質の高さが感じられます。
鱈の白子蒸し♡
今季初の鱈の白子。ポン酢の爽やかな味わいの中でも、確りと分かる無垢でクリーミーな味わいは冬の醍醐味の1つだと思います。
筋子の味噌漬け
今回は豆皿も出していただきました。甘めの味わいが実に好み。お酒もいいですが、本心を言えばご飯が欲しい。
鮟肝
甘く炊いた鮟肝には、マリアージュする新政酒造の貴醸酒である『陽乃鳥』が供されます。異なるそれぞれの甘味が口の中で響き合います。
えぼ鯛♡
焼物は何気に初のえぼ鯛。絶妙な塩気で、こういうのをいい塩梅と言うのだと実感できる味わい。コレはご飯よりもお酒がよく合います。
ガリ
ガリを供されて、ここから握りです。
小鰭♡♡
小鰭の旨味と酢の酸味が素晴らしい。食べ終えてもなお続くような長い余韻は、いつもながらに素晴らしい。
真鯛
塩〆の真鯛は舌に吸い付くようにモチモチとして、シャリと混ざり合うと甘味が広がります。
鶏魚
口の中での存在感が素晴らしく、真鯛よりも甘くて鼻から抜ける香りすらも美味しい。
鰆
燻してから漬け込みしてある鰆。口に入れると、シャリとの境界線がなくなるように溶けて、薫香がふわりと香ります。
春子鯛♡
昆布締めされた春子鯛はジューシーを通り越して、液体?と思うほどにシャリと混ざり合います。
青柳♡♡
角のごとくピンと反り立ったまさかの青柳!サクサクとした食感も素晴らしいですが、まるで花のような香りが特に素晴らしい!最高峰の江戸前鮨のお店で、江戸前の伝統的な種に出逢いました。
赤身漬け
今夜は北海道戸井産。筋のない天身の部位を薄く切りつけて漬け込み、折り畳んで握られる独特の握り。赤身の旨味が濃縮されており、美味しい。
鰹♡♡
まさか、またコレに出逢えるとは!鰹と言われなければ絶対に分からない、鰹の違う一面が見られる種。鰹が持つ鉄っぽいイメージが払拭されるような甘味だけを取り出したような旨味。最高です♡
中トロ♡
北海道戸井産だそうですが、違う魚体だそう。部位的には背トロかな?相変わらずに切りつけが厚く、鮪を食べている感が素晴らしい。
鰯♡
3枚に切りつけて纏めてから握られる鰯。香り高く、口の中の温度で溶ける旨味が濃厚で美味しい。
車海老
頬張ると海老味噌が付いた部分が喉に当たるくらいの大きさで、何とも食べ応えのある車海老。
鰤
薄く2枚に切りつけてから軽く炙って握られる鰤。肴で食べたものとは別物で、荒ぶるような脂はゆっくりと口の中で目覚めます。
北寄貝♡
びっしりとワタが付いていて、まるで花が咲いたような北寄貝は、トロリとした舌触りの後に広がる甘味とザクザクとした食感が秀逸です。
墨烏賊
極上のサクサク食感は噛むのが楽しくなるほど。上に盛られた塩で墨烏賊の甘味も引き出されています。
金目鯛
蘇るような脂は素晴らしく甘味もあり、シャリの酸とも素晴らしいマリアージュ。特に今夜は皮目の部分が大きく切りつけてあり、嬉しい。
馬糞海胆
北海道厚岸産。クリーミーな味わいの中にある濃縮したような甘味が、シャリの塩気でより映えます。
穴子(塩)
いつもは煮つめと塩を選んでいる中で、今夜は両方ともにしてみました。塩にすると、脂が少ない尻尾の方になり、ホクホクとした食感と穴子本来の甘味が楽しめます。
穴子(煮つめ)♡
やはり私はこちらの方が好み。舌に絡みつくようなねっとりとした穴子は、いつもながらに素晴らしい。
椀物
味噌と浅蜊の香りがする女将さん特製の味噌汁。意外と作り方は変わってるらしい。
玉♡
そして、最後まで握りで〆るのが最近の流れです。なかなか食べている方はいらっしゃいませんが、玉の甘味とシャリの塩気が絶妙な味わいになり、オススメです。
今夜はまさかまた出逢えるとは思っていなかった鰹や杉田親方もなかなか握らないと仰ってた青柳に心奪われました。なかなか予約が厳しい中で、今年は5回も堪能させていただき、幸せでした。(その反動か、来年分は全く取れていないですが…)
杉田親方をはじめ多くの方々、長居させていただきありがとうございました。また来年に逢えることを祈っています。40500
2019.9.
夏から秋へと季節のバトンタッチが行われているような風が流れる日にやってきたのは、「日本橋蛎殻町すぎた」。白木が輝く凛とした空間に親方の杉田 孝明さんの声が響くと、ふわりと和やかな空気感になるのはいつも不思議と思う瞬間です。今夜も親方の前に座らせていただき、自分にご褒美をあげようと思います。
今夜の献立
枝豆
夏の名残のような枝豆。たまに食べるから美味しい。
雌貝鮑♡
静岡県伊豆産。切っている時ですら、香りがふわりと立ち上る雌貝鮑。それを口に入れれば、その香りは一気に花開きます。
ツブ貝
北海道様似産。心地よいシャクシャクとした食感は、醤油につければその香りを纏い、塩につければ甘味が際立ちます。
帆立の磯辺焼き♡
磯の香りがする海苔と帆立の甘味は、口の中で完成する料理です。
海鼠腸の茶碗蒸し
卵のコクを底上げするような海鼠腸の旨味、蓮根のサクサクとした食感も楽しい。
赤鯥の焼物♡
箸からも伝わる赤鯥のふわりとした身の柔らかさ。口の中でまるで液体になるようにとろけます。旨味を引き出している塩加減も絶妙。
蛸の柔らか煮(追加)♡
周りの方に便乗して追加。柔らかいですが、蛸の香りや蛸らしさもあって、実に美味しい。今回は頭の部位も盛られていて嬉しい。
ガリ
小鰭♡♡
皮目も柔らかく、ジューシーな小鰭は杉田親方の名刺がわりの一貫。いつもながらに素晴らしい味わい。
真鯛
塩〆で3日目の真鯛。モチモチした食感を楽しんでいると、真鯛の甘味が溢れ出してきます。あまり真鯛を握りで供しているお店は少ないですが、美味しい種だと思います。
新烏賊♡
墨烏賊の赤ちゃんの新烏賊は、この時期だけの種。儚いような歯切れの良さがたまりません。
鶏魚
寝かせて8日目。トロリと舌の上でとろけるようにシャリと混ざり合い、その脂はさらりとして美味しい。
さごち♡
鰆の子供。藁で燻したものを切りつけてから漬けにして握っています。口に入れると、薫香が支配して、口の中の体温でゆっくりと溶けていきます。
春子鯛昆布〆♡
コレは凄い。ふわふわとした春子鯛はよくありますが、トロトロな春子鯛は初めて。それはシャリとの境界線がなくなるほどで、最後にふわりと昆布が香ります。
赤身♡♡
今夜は青森県三厩産。切りつけも厚いので、口に中に入れた時の存在感が素晴らしい。味わいも濃いですが、それ以上に食べ終えてもなお続くような香りがとても心地よく、今夜一番の驚愕的な味わい。
中トロ
赤身とトロが混ざり合ったような血合いぎし。香りは赤身ほどではないですが、舌にからみつくようなとろけ方は秀逸。
大トロ
ダイレクトに感じる鮪の濃厚な旨味はとても濃く、まるでジュースのような感じでとろけます。
鯵♡
島根県浜田産のブランド鯵の「どんちっちアジ」。確りとした脂はありつつも爽やかで、鯵らしい味わいがあります。
車海老
ブレなんて微塵もない。いつも通りの美味しさ。
北寄貝
食感よりも貝の甘味を前面に押し出した北寄貝。ザクザクとした食感も感じつつ、トロリとした食感が楽しめます。
黒鯥♡
舌の上で一瞬留まってからとろりと溶けて、噛むほどに溢れてる甘味がシャリと混ざり合います。
いくら
薄皮すらも感じず、出汁醤油の旨味の中でも確りといくらの味を楽しめます。
煮蛤♡
小粒の蛤ですが、食べた瞬間に旨味がグッときて、ふわりと柚子の香りが華やぎます。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。
赤海胆♡
佐賀県唐津産。水分が一滴もないほどに濃厚でクリーミー。そしてただ甘いだけでなく、その甘味の中に苦味もあって、複雑な味わいのオトナの海胆。
馬糞海胆♡
北海道浜中産。悶絶するような強烈な甘味は、シャリの塩気と相まってより際立ちます。
赤身漬け♡
身に沿うように薄く切りつけてから漬けにされて、折り畳んで握られる変わった仕立て。けれど薄く切りつけているので、出汁醤油の旨味が短時間でも確りと浸透しており、実に美味しい。
穴子♡
塩と煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。煮つめは腹の部位、塩は尻尾の部位と使い分けています。ふわふわの布団のような食感の後、舌に絡みつくようなとろけ方はたまらない。
椀物
いつもの浅蜊の味噌汁。味噌よりも浅蜊の出汁を感じられて、こんな味の味噌汁を出されたら毎日が幸せです♡
玉♡
実はこの玉も握ることができます。地味な見た目ですが、コレが実に美味しい。玉の甘味がシャリの塩気で引き立っていて、最高の〆となります。
約3時間ちょっと。幸せな時間はあっという間に過ぎていきます。非常に好みの味わいの肴はどれも美味しいのですが、握りに重きを置いたいつもの献立はやはり素晴らしい。ハズレなんて一貫もなく、口に入れた時に魚の存在感がどれも確りとしていて、まさに王道の握りだと思います。湯呑コレクションからも分かるように、とてもこまめにお茶の交換をして下さるホスピタリティもこのお店を支える重要な1つ。決して味わいだけでなく、お店の雰囲気やサービスも素晴らしいとしか言いようのない鮨店だと思います。
杉田親方、スタッフの方々。感動の時間をありがとうございました。次回もまた宜しくお願いします。33990
湯呑コレクション
「このお店に2カ月連続で来られた事は、この上ない幸福と罪」
そんなことを思いながら、席へと通されたのは「日本橋蛎殻町 すぎた」。
「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
凛とした空間がふっと和むような杉田 孝明さんの声で、いつもこのお店にやってきたという実感が湧きます。今夜もいつも通りの仕立てで、楽しみます。
今夜の献立
海蘊とじゅん菜の酢の物
梅雨の時期にぴったりの爽やかな先付け。じゅん菜は大きくぷるんとした食感で、清涼感があります。
千葉県大原産 雌貝鮑 ♡
表面積が大きくなるよう鮑に対して、斜めに切りつけられます。口に入れると、ぶわりと広がる鮑の香り。そして噛むとその旨味がとめどなく溢れてきます。
北海道様似産 つぶ貝
ザクッザクッとした極上の食感を楽しむと広がる甘味が素晴らしい。
蛸の柔らか煮
蛸の食感も程よく活きているので、噛むことで蛸の旨味が溢れます。鮨店の蛸は本当に侮れません。
海鼠腸の茶碗蒸し
底に沈んでる海鼠腸を混ぜるように食べれば、卵のコクに負けない海鼠腸の旨味。そして、サクサクとした山芋の食感が心地よい。
肴2種
今夜はノンアルだったので、まさか供されるとは思っていなかった『鮟肝』と『ばちこ』。お茶受けでも、やはり美味しいものは美味しい。
太刀魚の焼物
鮨店の定番の焼物の一つ。絶妙な塩気とふわりとした食感は、さすがです。
帆立の磯辺巻き
帆立の甘味、香ばしい醤油の香り、山葵の風味、海苔の磯の香りを楽しめる四重奏。
ガリ
小鰭 ♡♡
ストレートに美味しい。ジューシーな小鰭とそれを受け止めるシャリが混ざり合い、最後は甘味を感じる。いつもながらに素晴らしい完成度。
真鯛
塩〆した真鯛はモチモチとして、口の中での存在感もバッチリで、確りと甘さも感じられます。
鶏魚
旬の鶏魚は口に入れると、ジュルッと溶けるよう。 そして、その甘味は秀逸。
赤身漬け
岩手県久慈産。表面積を広く大きく切りつけをして、漬けた後に折り畳んで握られる赤身漬け。鼻から抜ける香りと旨味の濃さが素晴らしい。
鯵 ♡
綺麗な銀皮を残した鯵は、島根県浜田産のブランド鯵の「どんちっち」。鯵らしい味わいがあり、口の中で暴れまわる旨味に悶絶です。
鱚
見た目も綺麗な鱚は、確りとした昆布〆。噛んでいると、昆布がふわりと香って旨味も感じられます。
鱒の介 ♡
素晴らしい!口に入れた瞬間に、とろりと溶ける鱒の介。そこには脂はなく、純粋に身の旨味だけが広がります。
北寄貝
肝の部分が舌に当たるように裏返して握られた北寄貝。ザクザクとした食感と甘味が秀逸。
中トロ漬け ♡♡
アイルランド産。初めて食べる中トロ漬けは、先の鱒の介を凌駕します。とろりと溶ける口溶けはそのままで、出汁醤油の旨味で味わいは累乗されています。
大トロ ♡
岩手県久慈産。蛇腹でも筋なんて一瞬たりとも当たりません。鮪の濃厚さと香りが食べ終えてもずっと続く余韻の長い一貫。
鰯 ♡♡
数匹の鰯を削ぎ切りにして、纏めてから握られます。…凄い。口にする入れると、華やぐ香りと旨味は強くて悶絶クラスの美味しさ。
車海老
相変わらずブレのない火入れで、甘味・食感・香ばしさは完璧。
黒鯥 ♡
山葵とは違う和芥子の風味が、この黒鯥の脂をキリッと締めています。食べ終えても、まだ口の中にあるような余韻に幸せの溜息が溢れます。
煮蛤
ずっと噛み続けていたくなるような溢れる蛤の旨味。ふわりと香る柚子の演出も粋。
金目鯛
皮目を軽く火入れすることで、蘇るその脂。それは甘く、さらりとして口の中を支配します。
馬糞海胆
ほわんとした甘味のあり、食べ終えると昆布のような旨味が残るような北海道利尻産の馬糞海胆。
赤海胆
山口県唐津産。ただ濃厚なだけでなく、甘味の中に苦味もあり、複雑な味わいでオトナの海胆です。
穴子 ♡
塩と煮つめが選べる穴子。きっとどちらも正解でしょうが、私はいつも煮つめ。フワフワな穴子も好きですが、やはり舌に纏わりつくような穴子が好み。
椀物
大きな浅蜊の味噌汁。味噌汁といっても、浅蜊の出汁が前面に押し出されていて、味噌は香り程度。美味しい♡
玉 ♡
〆の玉も握っていただきました。玉の甘味とシャリの塩気で、無限に食べ続けられそうな味わい。
2カ月連続でしたが、やはり美味しい鮨は何度食べても美味しい♡流れるような杉田親方の所作は美味しく、利き手の違いや写真を撮る方へ鮨の向きを揃えるといった細かな心遣いは、さすがです。料理の美味しさは勿論ですが、料理人と1番近い距離だからこそ感じられるその優しさや人柄、ホスピタリティこそがこのお店の人気たる根底だと思います。今夜も素晴らしい時間をありがとうございました。また9月、約束された幸せの暖簾をくぐりたいと思います。32000
2019.6.
暖簾をくぐる。
それは幸せな時間のはじまり。
定刻になると、灯りが付けられて、風に靡く白い暖簾が出される「日本橋蠣殻町すぎた」が今夜の舞台。親方は杉田孝明さん。凛とした雰囲気でありながらも、一言発するだけで、その場が和むような優しい声が印象的な方です。最早、鮨は嗜好品と言ってもいいほどなので、どのお店が一番なのかは人それぞれ。その中で、杉田親方から供される握りの全ては脇役なんてなく、その一貫一貫が主役に成り得る美味しさがあると私は思っています。
今夜の献立
開運
あまり飲まないのですが、酒器を見たかったので冷酒を。親方から選んでいただいたのは、静岡県土井酒造場の『開運』。
海蘊とじゅん菜の酢の物
生姜の風味が爽やか。
宮城県産 真子鰈・三重県産 鳥貝
真子鰈は口に入れた瞬間から甘味が広がり、その甘味は噛むことで更に加速していきます。肉厚の鳥貝も甘く、時折酸味も感じられます。
帆立の磯辺巻き
確りとした繊維を感じる帆立に海苔の香りが華やぎます。
宮城県七ヶ浜産 子持ち蝦蛄
漬け込みで味付けした蝦蛄。カツブシと称される子持ちならではのホロホロとした食感があり、確りと奥まで味が染み込んでいて美味しい。
海鼠腸の茶碗蒸し♡
底に海鼠腸が入っていて、更に食感として山芋の角切りが入っています。卵のコクに負けない海鼠腸の旨味、茶碗蒸しとしては最上の味わいです。
肴3種♡
ばちこ・数の子の味噌漬け・鮟肝。どれも絶妙な甘味があり、お酒がすすみます。中でも白眉なのは、ばちこ。しかもこのばちこは半生なので、旨味が半端なく凄い。
仙禽
肴が美味しすぎて、お酒をお代わりです。選んでいただいたのは、栃木県の株式会社せんきんの『仙禽』。
太刀魚の焼物
全体的にホクホクとして、ジューシーな部分もあり、塩加減はさすが。塩は味付けというよりは、甘味を引き出している感じでしょうか。
肴3種②♡
握りかと思っていたら、まだ続いた肴。海胆の佃煮・縞海老の頭の海老味噌合え・鮑の肝。一般的にお酒の肴は塩気が強いのが多いですが、杉田さんのは甘めなので実に好みの味付けです。
蛸の柔らか煮♡
確かに柔らかいですが、蛸の旨味はビンビンに感じられる仕上げです。蛸は非常に旨味がある種なので、鮨店で蛸があると食べたくなります。
平貝の西京焼き
まさか全ての肴が出されるとは。平貝の歯ごたえは確りと、噛み締める度に味噌の旨味と平貝の旨味が混ざり合う感じです。
握り
小鰭♡
ジューシーな小鰭の旨味とそれを追いかけてくるような酢の酸味、そしてシャリと混ざり合って甘味に変わる。素晴らしい一貫です。
黒鯥♡
東京都神津島産。軽く漬けにして、山葵の代わりに辛子で握られます。口に入れた瞬間に暴れるような黒鯥の脂の旨味が凄い。
春子鯛
千葉県銚子産。昆布締めしたものを酢橘と塩で。割と確りと感じる昆布の旨味、程よく脱水されて旨味が凝縮しています。
鰆♡
京都産。漬けにしてから、皮目を炙っている鰆。口に入れたら蕩けるような鰆は、なかなか出会えない。
中トロ
北海道噴火湾産の定置。舌に一旦留まるような吸い付きのある鮪。爽やかな味わいですが、香りと味わいが濃い。
大トロ♡
新潟県佐渡島産の定置。口溶けは先程とは比べものにならない程ですが、香りと味わいは素晴らしい。
鯵♡
島根県浜田産のブランド鯵である「どんちっちアジ」。鯵と言えば、鹿児島県出水産のものが有名ですが、杉田親方の仕事ではこの鯵の方がいいらしい。綺麗な銀皮を残しており、脂乗りはトロみたいな素晴らしい味わい。
車海老
食感・甘味・香ばしさ・温度など全てがいつもながらにブレのない車海老。
煮蛤♡
鹿島産。柔らかく、噛み締める度にジューシーさが際立つ煮蛤。煮詰めの味わいも実に好み。
北紫海胆♡
青森県産のダイセンのもの。香りも素晴らしいですが、味わいも実に濃厚。
縞海老
何ともエロティックな縞海老。それは見た目だけでなく、味わいも実にエロティック。シャリを包むかのように濃密な甘味が広がります。
鶏魚♡
旬を迎える夏を告げる魚。濃厚な脂でありながらも、後味は爽やか。
北寄貝♡
ワタがビッシリと残っていて、極上の甘味と食感が楽しめます。
赤身漬け
先程の『大トロ』と同じ新潟県佐渡島産の定置。薄く切りつけてから、二つに折り畳んで握られる独特の漬け。鮪と漬けの出汁の味わいがとてもよく混ざりあいます。
海松貝♡
北寄貝とは一段上の食感と甘味。ザクザクと心地よく歯切れ、濃厚な甘味が広がります。
金目鯛♡
千葉県銚子産。軽く皮目を炙ってから握られ、上にちょこんと辛子を乗せて。実に甘味のある脂が広がり、間違いのない美味しさ。
赤海胆♡
山口県産。やはり北紫海胆と比べると、旨味は極々濃密。苦味も殆ど感じず、素晴らしい旨味だけを味わえます。
穴子♡
塩と煮詰めを選べる中で、いつも煮詰め。舌にまとわりつくようにとろける穴子は、長崎県対馬産。もう少ししたら、江戸前になるみたい。
椀物
いつもの大きな浅蜊のお味噌汁。素晴らしい美味しさ。
玉♡
実は玉も握れるらしいと聞いていたので、お願いしたら握って下さいました。やはり玉の甘味とシャリの塩気がとても良く合い、美味しい。これから〆はコレにします。
今夜は肴から握りまで「日本橋蠣殻町すぎた」の全てを味わい尽くしました。握りは何度かありましたが、肴まで食べたのは今夜が初めてです。可愛い小皿で供される珍味はどれも大好きな味わいですが、さほどお酒を飲まないので、さすがに全部はいらないかな。握りに関しては、やはり全貫食べると満足度は高いです。鰯や鯖などがない時期なので、光物が少なかったですが、『小鰭』や『鯵』はやはり唸る味わいでした。『鶏魚』や『海胆』はこれからなので、楽しみは増しますね。
杉田親方、スタッフの方々。今夜はたくさん食べさせていただき、ありがとうございました。こまめなお茶の差し替えなどのホスピタリティもさすがです。
次回も楽しみにしています。ご馳走さまでした。42000
湯呑コレクション
2019.2.
定刻近くになると、普段は閑散としている路地に人が集まり、暖簾が出されるのを待ちわびるお店。「日本橋蛎殻町 すぎた」へ再訪です。
今夜も杉田親方の目の前に座らせていただき、(何と言っているは内緒ですが)「いつものコース」をお願いしました。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
胡麻と唐墨をかけて。
穴子の茶碗蒸し♡
卵の優しいコクの中で、ホクホクとした穴子の甘みがじんわりと染み入ります。
帆立と皮剥
北海道野付産ジャンボ帆立を贅沢に丸々1個。口の中での存在感が素晴らしく、繊維に垂直に歯を入れることで食感も豊かになり、強烈な甘みが広がります。
もう一つは、ガラスのように綺麗な皮剥。肝醤油でいただきます。
蛸の柔らか煮
確かに柔らかいですが、蛸の旨味や存在感をちゃんと感じる仕上げ。食べたかったのを何も言わずに出してくれました。
白子ポン酢
凄く見事な白子。口の中で弾ける純粋で無垢な甘みは、素晴らしい。
牡蠣の味噌漬け♡
「日本橋蛎殻町すぎた」で、よく見られる味噌漬け。今回は牡蠣。この味噌床が素晴らしいのかな?実に美味しく、お酒がすすむ肴です。
太刀魚の焼物
定番ですね。脂もあり、独特の軽い食感です。
北寄貝の炙り(追加)♡
軽く生姜醤油につけた北寄貝を軽く炙ったもの。添えられる七味をつければ、後からガツンとくる北寄貝の甘みがより映えて美味しい。
ガリ
小鰭♡
杉田さんの名刺代わりの握り。肉厚な身は、じゅわりと口の中で閉じ込められた旨味が迸ります。食べ終えた後の余韻も実に長い。
甘鯛*♡
塩で〆てから、身の方だけ昆布に乗せたという甘鯛。切りつけが厚く、口の中で甘みを広げながらねっとりと絡み合います。甘鯛と呼ばれるのが、とてもよく分かる味わい。
鮃
確りと昆布で〆たオールドスタイル。鮃の存在感を感じながら、最後にふわりと昆布の味わいがします。
真鯛*
塩のみで〆た真鯛。咀嚼していくと、じんわりと広がる繊維な甘み。あまり使っていない鮨店も多いですが、真鯛は美味しい。白身3種連続ですが、確りと味わいの変化があって面白い。
鰆♡
鼻から抜ける薫香、シャリを包むかのように広げる柔らかな鰆の甘みは、冬の楽しみです。
墨烏賊*♡
何という厚み。それでもやはり墨烏賊。サクサクとした食感と甘みは、実に鮨種向き。
赤身漬け*
千葉県銚子産。柵全体をくるりと薄く切る独特の切りつけ。素早く浸透させる為でしょうか。漬けにしても鮪の香りは生きています。
海松貝*♡
独特のザクザクとした食感と甘み。だから貝はやめられない。
鰹
脂はほぼないですが、旨味の強い鰹。モチモチ感と飛散するシャリとの対比が素晴らしい。
縞海老*
とろりと舌に絡みつくようにとろける縞海老。甘さも濃厚で美味しい。
春子鯛♡
昆布〆した春子鯛を酢橘と塩でいただくちょっと珍しい仕立て。フワフワとした食感の中で、塩味が際立ちます。
細魚*
大きな閂と呼ばれる細魚。シャリには浅葱で飾りつけ、爽やかな味わいに。
中トロ
先程の赤身と同じ魚体の血合いぎし。生なので、赤身よりも香りも確りと感じられて美味しい。
鯵♡
淡路産の小さい鯵だという。山葵と葱・生姜の薬味を入れて握られます。非常に味が濃くて、薬味にも負けない旨味が広がります。
子持ち槍烏賊♡♡
握りでいただけるのは、ここだけでは?口に入れた瞬間に溶けます。そしてなくなった後に感じる、その甘み。今年もちゃんと食べれました。
車海老♡
茹で上げてから、人肌まで冷ますことで味を馴染ませた車海老。食感・甘み・香り、どれをとっても非がない完成度。
金目鯛♡
皮目を軽く炙ることで、滴るような脂が蘇ります。その甘みのある脂はさらりとしており、余韻も続きます。
煮蛤*
色はライトですが、確りと染みている煮蛤。噛み締める度に溢れる蛤ジュースが非常に美味しい。
赤海胆
濃度な旨味を感じた後に甘みが広がります。食べ終えた後に鼻から抜ける香りもいい。
〆鯖*♡
鮪以上の濃厚な脂の旨味。鮨店の鯖は、やはり別格の美味しさ。
穴子
塩か煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。舌に絡みつくようなとろけ方。美味しすぎます。
玉
ふわりとしたカステラのような玉。
椀物
定番の浅蜊の味噌汁。日本人のDNAが呼び起こされる味わい。
握り21種(北寄貝を肴で食べなければ22種だった)、今夜も「日本橋蛎殻町すぎた」にある全種を食べ尽くしました。前回いただいた『鰹のハラス』のような存在すらも知らない種はなかったですが、個人的に白眉的だったのは白身3種。甘鯛・鮃・真鯛と珍しくはない魚ですが、それぞれ違う仕事をして味わいに確りとした変化をつけていることが、さすがとしか言いようがありません。またいつもこまめに替えてくれるお茶などの細やかなサービスもこのお店の素晴らしさの1つだと思います。
湯呑みコレクション
料理のクオリティ・ゲストへのサービスやホスピタリティ、いつ訪れても確実な幸せが約束された鮨店です。
杉田さん・女将さん・スタッフの方々、ありがとうございました。次回は初夏、また宜しくお願いします。38500
2018.9.
開店5分前くらいになると、閑散とした住宅街に人が集まり出し、藍色の暖簾が出されると同時に全ての席が埋まる。鮨店の定期訪問、今夜は「日本橋蛎殻町 すぎた」へ再訪です。言わずと知れた超有名鮨店で、鮨が好きな方は一度は行ってみたいと声を揃えるお店。初めから特別な伝などはないですが、運良く通わさせてもらっています。今夜も杉田親方の目の前に座らせていただき、「握りを制覇したい!」という注文をして始まります。
今夜の献立
銀杏
大粒の銀杏。昔はあまり好きではなかったけど、いまはこのモチモチ感がたまらない。
鰹
歯に吸い付くようなねっとりとした食感。食べ終えた後に広がる香りがいい。
鰯 ♡
大葉・アサツキ・ガリ・酢漬け茗荷を鰯と海苔で巻いたもの。薬味にも負けない極濃厚な味わいの鰯は、とにかく最高。
穴子の白焼き
たっぷりと山葵をつけても香り高い穴子。脂も申し分ないです。
海鼠腸の茶碗蒸し
底にある海鼠腸を混ぜることで、濃厚な味わいの茶碗蒸しになります。
太刀魚の塩焼き
鮨店の定番。安定の美味しさ。
いつもだったら、黙っていてももっと色々と供されるのですが、握り制覇ということでこの辺で握っていただきました。*マークがデフォルトで供されなかった握りです。
握り
小鰭 ♡
煮切りで浮かび上がった格子状に包丁を入れられた皮目も柔らかく、ジューシー。後味の甘ささえも愛しい。
真鯛
噛みしめる度に甘みが増してくるような真鯛。
縞鯵 ♡
艶めく色っぽい縞鯵。口の中でも妖艶な味わい。
鰆 ♡
口に入れると、薫香が鼻を抜け、漬けにしているのでねっとりととろけます。そして、名残惜しいそうに残る甘さが秀逸。
墨烏賊*
凄い肉厚な墨烏賊。これだけ厚くてもサクサク食感は変わらない。
秋刀魚 ♡♡
凄い!としか言いようがありません。これが旬の魚の力強さ、鮪をも凌駕します。
赤身漬け ♡
コレが赤身?と思えるほどによい口溶け。食べ終えた後の香りが素晴らしい。
中トロ
大間産。赤身も大間産だそうですが、こちらはフレッシュなもの。脂が濃いわけではなく、味わいが濃い。
〆鯖* ♡♡
コレもヤバイ!〆ているにもかかわらず、この鯖は生きている。他店でも〆鯖がある時は食べていますが、ここであるのならば必ず食べた方がいい種です。
北寄貝* ♡
特大の北寄貝。なんだ、このけしからん甘さは!
鰹のハラス* ♡♡
鰹という概念をぶち壊す味わい。鰹と言われないときっと分からない味わいは、鰹の持つ旨味を全て凝縮したもの。
車海老
特大の車海老は、温度や甘さなど全てがパーフェクトです。
いくら*
はしりのいくら。小粒なれど、かなり濃厚な味わい。
赤海胆 ♡
唐津産。変なエグ味など微塵もなく、ただただ口の中に広がる濃厚さは、甘さだけでなく苦味なども混じりあった味わい。
鰯 ♡♡
コレもヤバイ!光り物は鉄板な美味しさです。鮪よりも素晴らしい!
縞海老*
エロい縞海老。口の中を蹂躙するような美味しさ。
赤海胆* ♡
天草産。先程の唐津産の赤海胆に比べると、猛烈に甘い!
蒸鮑*
限られた常連だけにつまみで供していたものを握っていただきました。やはり、香りが素晴らしい。最近、鮑は食感だけでなく、香りということが分かってきました。
穴子
塩と煮つめが選べる中で、私はいつも煮つめで。極上の舌に絡みつくようなとろけ方です。
玉
確かに甘いですが、鮨店の玉といった味わい。
椀物
大きな浅蜊の味噌汁。浅蜊の旨味が素晴らしい。
初の握り制覇の感想は…私にはこちらの方が好み。親方も「鮨店なんで握りの方がいいですよね」と仰ってましたが、確かにその通り。いつも以上に満足感の高い夜になりました。味は勿論のこと、こまめなお茶やおしぼりの交換などきめ細かなサービスがこのお店の軸だと思います。今夜も全てが素晴らしかったです。
次回はお店からの連絡待ち。再訪時には、また握りを制覇したいと思っています。
杉田親方、今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。32500
数ヶ月に一度の楽しみである「日本橋蠣殻町 すぎた」への再訪。定刻ピッタリに緑の暖簾が出され、中へと案内されます。カウンターには既に親方が立ってらして、今回もまた目の前に座らせていただき、王道の鮨を楽しみましょう。
今夜の献立
空豆
先付けは、空豆。豆類ってそんなに好きではないので、このくらいが私にはちょうどいいです。
真子鰈 & 障泥烏賊
真子鰈は三陸産の朝〆、障泥烏賊は三浦半島の佐島産で数日寝かせてあるそう。真子鰈はモチモチ食感を楽しんだ後に広げる甘さ、障泥烏賊はねっとりととろけるように甘さが広がっていきます。同じような甘さのある刺身ですが、個性のある味の違いを楽しめます。
蝦蛄 ♡
北海道小樽産の子持ち蝦蛄を甘く漬け込んだもの。「かつぶし」と称される子持ちは、口の中でパラパラと解けていくかのような食感が楽しい。
穴子の茶碗蒸し
蓋を開けると、ふわりと柚子が香り、優しい玉子の味わいに穴子の甘さが映えます。
蛍烏賊の味噌漬け ♡
定番の味噌漬けは、甘く好みの味わい。蛍烏賊のぷっくりとして美味しい。
馬糞海胆の佃煮 ♡
海胆の甘さとコクも残す素晴らしい仕事。お酒よりもご飯が欲しいつまみ。
鮟肝 ♡
定番の鮟肝を甘く焚いたもの。お酒の飲める方にはマリアージュとして、甘さのある新政の貴醸酒『陽乃鳥』が供されます。これが実に良く合い、美味しい。定番のつまみです。
赤むつの焼き物 ♡
所謂、喉黒です。ここまでのボリュームで出されるお店はないかと思います。勿論、絶品。
蛸の柔らか煮(追加)
歯がいらないほどに柔らかいのかと思いましたが、蛸を食べているという食感があります。そして、噛み締めていると、溢れる蛸のジュースがヤバい。
握り
小鰭 ♡♡
〆ているにもかかわらず、このジューシーさは他店の群を抜いて美味しい。看板代わりの一貫は素晴らしい。
真鯛
切りつけが、厚い!口の中が真鯛でいっぱいになり、後味に真鯛の甘さが広がります。
赤身漬け
天身の部位を薄く大きく切りつけ、漬けにして後、折り畳んで握っています。鮪の味も濃く、鼻から抜ける鮪の香りも素晴らしい。
縞海老
何とも見た目から妖艶な鮨で、口に入れるとまた舌に絡みつくようなねっとり感がまた妖艶。
鳥貝
握る前にさっと酢洗いしており、ほのかに酢を感じられます。ワタも甘く、美味しい。
中トロ
氷見産の定着。口いっぱいになる鮪の切りつけは、ねっとりとゆっくりととろけていきます。鮪の味わいも確りとした中トロ。
鯵 ♡♡
島根県浜田産のブランド鯵『どんちっち』の半身を使った握りで、素晴らしく美味しい。濃厚でありながらも、爽やかな脂は口の中で踊るかのよう。
子持ち槍烏賊 ♡
珍しい子持ち槍烏賊の握り。大抵はつまみで供されることが多いですが、美味しい食材なので鮨店ならば握りでと親方。身は歯がいらないくらいに柔らかく、クニュとした子の食感と飛散するシャリが素晴らしい。
車海老
特大のもの。味噌も活かしており、温度も甘みも美味しい。
金目鯛 ♡
素晴らしい美味しさ。皮目を炙っており、脂がほど走ります。
北紫海胆(追加)
北紫海胆は、味わいよりも香りと思っています。食べ終えても、ふわりと香る海胆が愛おしい。
赤海胆 ♡
長崎県壱岐産のはしり。北紫海胆が香りならば、赤海胆は濃厚な甘み。2つあるのならば、食べ比べが面白い。
マスノスケ(追加) ♡
近海で捕れるキングサーモン。鮪とは違うじっくりとしたとろけ方は、印象的。直前にさっと漬けにして握っています。
海松貝(追加)
貝好きとしては、貝は食べたいのです。サクサクとした食感も楽しく、貝の甘さが広がります。
穴子♡♡
煮つめと塩を選べる中で、私はいつも煮つめ。身も厚く、舌に絡みつくようなとろけ具合はいつもながらに素晴らしい。
椀物
特大の浅蜊の味噌汁。
玉
程よい甘さのある鮨店らしい味わい。
湯呑みコレクション
きめ細やかに変えていただくので、お茶は常に熱い状態です。そんなサービスもこのお店の素晴らしさを支えていると思っています。
今回も奇をてらわない隙のない素晴らしい逸品ばかりで、流石としか言いようがありません。つまみも握りも引き出しが多く、どちらかを少なくして制覇する方もいらっしゃるので、そんな楽しみ方もありかと思います。
次回は晩夏。今から楽しみでなりません。30600。
2018.2.
昼間の暖かさが夕闇に追いやられるような17時。閑静な通りにあるお店の前には、暖簾を待ちわびる人集りできます。
「日本橋蛎殻町 すぎた」
今回で3回目の訪問となります。このお店も自力で、その門をこじ開けたお店の一つです。今回もまた杉田親方の目の前に座らせていただき、楽しみます。
今夜の献立
皮剥 肝醤油 ♡
まるでガラスのような美しさのある皮剥。肝醤油の肝を巻くようにしていただきます。
あさつきの新芽 ひろっこ
山形県の冬の伝統野菜。苦味もなく、爽やかです。
白魚の酒盗焼き
もっと味がしっかりしているかと思いましたが、白魚の甘さも感じる味わい。
白子ポン酢
温い白子が口の中でプツンと弾けると、濃厚だけど後味が爽やかなクリーミーさが広がります。
鮟肝
甘く焚いたもので、新政酒造の貴醸酒である『陽乃鳥』と合わせて供されます。
牡蠣の西京漬
生よりもこちらの方が好み。西京味噌の甘みが、実に美味しい。
太刀魚の焼物
ふわりとする身は、鮨店で食べる焼物の定番ですね。
穴子の茶碗蒸し
ほっとするような味わいは、出汁を味わう感じです。
数の子の味噌漬け (追加)
意外と味噌漬け系が多いですが、美味しいのでいい。
穴子の白焼き (追加)♡
この時期でも脂の乗ったいい穴子です。いつまでも口の中に穴子がいるかのような存在感。
握り
小鰭 ♡
挨拶代わりの小鰭。緩やかな〆具合で、口の中で飛散するシャリと小鰭の旨味が交わる。素晴らしい一貫。
白川
切りつけは厚く、食べていても存在感は抜群。噛んでいると、白川の甘みがどんどん広がっていきます。
真鯛
これも切りつけが厚い。なので、繊細な真鯛の甘さも確りと感じられます。
鰆
皮目を炙って、握る前に漬けにして、辛子でいただきます。ふわりと薫香を楽しんだ後、鰆の甘さと辛子の爽やかが広がります。
春子 昆布〆
身は厚く、昆布の旨味も確り。柔らかく、フレッシュ感もあって美味しい。
赤身漬け
ねっとりとゼリーのような食感で、後から鼻に抜ける鮪の香りもいい。
中トロ ♡
血合いぎしの部位。赤身よりもより香りを感じられます。
〆鯖 ♡
極濃厚な脂ですが、さらりとしていて、実に美味しい。
車海老 ♡
温度や甘さ、香ばしささえも完璧と思います。実に美味しいっ!
金目鯛 ♡
皮目を炙り、脂を引き出しています。いつまでも口の中で残る金目鯛の旨味は秀逸。
紫海胆 ♡
青森県産という紫海胆。色は黒っぽいですが、香りと甘みは素晴らしい。特に香りは、後々も残ります。
海松貝(追加) ♡
凄い肉厚の海松貝。サクサクを通り越して、ザクッザクッと音がします。そして、広がる甘み。
蝦夷馬糞海胆(追加)
先程の紫海胆は香りが命に対して、馬糞海胆は圧倒的な甘み。これもたっぷりと盛られており、海胆で口いっぱいになります。
穴子 ♡
塩、煮詰めで選ぶことができます。私はいつも煮詰め。煮詰めだと、皮目を表にして握られており、口に入れたら、なくなっていまいます。
椀物
今夜は浅蜊の味噌汁。
玉
分厚く切られた鮨店のデザート。
今夜も王道な鮨、実に美味しかった。つまみは引き出しも多く、甘めの味付けで好み。鮨は個性的ではないけれど、どの握りも種の切りつけは厚く、口に入れた時の存在感が他店とは桁違いに凄い。白眉的な鮨としては、〆鯖。実は握りでいただいたのは、私だけ。他の方はつまみとして供されていたのを握っていただきました。切りつけも厚いながらも、口溶けと脂の乗りは中トロ以上で、実に素晴らしい一貫。親方の握る姿は、まるで祈りのようで、とても印象的で優雅でした。
次回は、初夏の種を期待しております。今夜もありがとうございました。
2017.8.
1月に降って湧いたような幸運で訪れることができた「日本橋蛎殻町 すぎた」に再訪。難攻不落の予約困難店に何の伝もなく訪問できることは、おひとりさまの強みでもあります。今回はお昼の2回転目で、席は奇しくも前回と同じ杉田親方の目の前。「いらっしゃいまし」と変わらない穏やかな親方の声で挨拶をされ、始まります。
本日の献立
ただちゃ豆
挨拶がわりの温い枝豆。
縞海老
ねっとりと甘く、いつまでも舌に絡みつく感じ。
鮃 ♡
青森産。平目はまだ旬ではないはずだけど、モチモチとしていて、噛めば噛むほどに甘さが引き出されてます。
蒸し鮑 ♡
千葉県大原産。むっちりとしていて、未だに残る磯香りと甘さが秀逸。しかも、かなり大きく切りつけているので、食べた!という気になります。
鰯
酢〆した鰯を大葉・芽葱・ガリ・茗荷と共に海苔で巻いたもの。脂が濃い!食べ終えても、鰯がいるかのような感じになります。
穴子の白焼き ♡
肉厚の身を噛むと、脂がじゅわりと滲み出し、その脂は甘い。良い穴子でないと、味わえません。
鱒子の味噌漬け
いくらよりも小ぶりで、皮目が柔らか。ご飯と食べたいお酒の肴。
赤ムツの焼き物
魚本来の味を殺さない塩加減は、素晴らしいなぁ。
平貝の西京焼き(追加)
とても上品な味わい。最初は味噌の味がしますが、徐々に平貝の甘さが引き出されてきます。
鮟肝の煮付け(追加) ♡
この時期でも鮟肝はあるそうで、ただ流通が凄く少ないのだそう。鮟肝はポン酢などで食べることが多かったですが、最近は甘く焚き上げたものが好きになりました。
お酒の肴3品(追加)
内容は数の子味噌漬け・鮑肝の味噌漬け・縞海老の頭と海老味噌。肴として、味噌漬けが多いような気もしますが、美味しいので良い!
握りへ
新子
柔らかく、飛散するシャリと共に混ざり合います。2枚付けなので、小さくても新子の儚さがちゃんとします。
小鰭 ♡
皮目は柔らかく、〆てあることを忘れるほどにじゅわりと溢れ出す脂が美味しい。
新烏賊
この時期だけの種。大人の墨烏賊より身は薄いけど、よりサクサクとした柔らかさは粋です。
鶏魚 ♡
夏を告げる魚なので、もう終わりかな。白身ですが、なんですか?このコッテリとした身から溢れてくる脂は。素晴らしい。
鰆 ♡
まずは薫香が鼻から抜け、舌の上でほんわりした甘さと脂が蘇ります。最近のお気に入りの種です。
春子 ♡
昆布〆だそうですが、ふわりと香る程度。元々、水分の多い春子ですが、程よく脱水されて瑞々しい。
中トロ
ボストン産。とろけ方は素晴らしく、後に残る香りも爽やか。海外の鮪も美味しい。
鯵 ♡
綺麗な鞍掛け。肉厚の身は、口の中で暴れるかのよう。
車海老
人肌温度は好み。甘さはさほど感じなかったかな。
馬糞海胆 ♡
利尻産。舌に絡みつくほどに濃厚。シャリと混ざり合い、海胆の甘みが素晴らしい。
赤海胆(追加) ♡
唐津産。前に食べた馬糞海胆より少し爽やかな甘み。やはり、海胆は産地による食べ比べが面白い。
穴子 ♡
塩と煮つめとで選べる中で、煮つめで。ホクホクとして、絡みつくような食感に変わります。煮つめは、穴子本来の味わいを消すことがなく、穴子の甘さも感じられます。
玉
鮨らしい王道のカステラのような玉。
椀物
変わらずに浅利の味噌汁。こういう味噌汁が作れる方は、いいお嫁さんになります(笑)
今回も堪能しました。このお店は、シャリが個性的とか種が独特とかはないのですが、摘みから握りまで王道そのもの。その王道が実に美味しい。またどの種も銀座では見かけないほどに分厚く、口に入れた時の魚の存在感は圧倒的です。摘みが実に豊富なので、お酒を飲まない方も存分に楽しんでいただきたいお店。
そして密かに楽しんでいるのが、湯呑み。このお店ではお酒を飲まないので、その代わりにお茶をいただいています。いつも絶妙なタイミングでお茶の交換をしていただけるのですが、供される湯呑みがどれも素晴らしい作品ばかり。しかも同じものが出されないという心遣いは、素晴らしいです。料理だけでなく、小さな器も多くて可愛いので、目でも楽しめます。器などの作品に対しての知識がないことが、残念でなりません。
予約はかなり困難ではありますが、一見さんでも取れますので(私も伝などは使ってないです)、是非頑張ってみて下さい。
今回もご馳走様でした。
2017.1.
難攻不落の予約困難店であろうと、兎に角行動しないと始まらない。そして、叫ぶのだ。
「私は、ここにいる!」と。
年が明けて、一斉にどのお店も予約合戦が始まります。1月の予約は既に終わっているので、2月以降の予約を取るのに食べ歩きを趣味としている方は忙しかったと思います。私もその一人であり、きっと予約は出来ないと思いつつも、電話をした鮨店があります。
「日本橋蛎殻町 すぎた」
旧店舗名は「日本橋橘町 都寿司」といい、2015年秋に移転と共に店名も改められました。予約開始日に電話をかけても全くかからず、午後になって問い合わせをしてみると、予約の受付は終了したがキャンセル待ちができるとのこと。ダメもとで2月の曜日限定でお願いして、電話を切りました。
2週間後、突然の電話。
「2月というお話だったのですが、もし宜しければ2日後なんですが、いかがですか?」という「日本橋蛎殻町 すぎた」からの嬉しいお誘い。勿論、断る理由などなく、やっと名店の扉を開くことができました。
開店時間ぴったりに出された長く白い暖簾をくぐり、名前を告げると女将さんから来店のお礼を言われました。「お礼を言いたいのは、こちらです」とご挨拶を交わして、奥にある凛としたカウンターへ。
案内されたのはちょうど真ん中の席で、程なくして親方の杉田 孝明さんが「いらっしゃいまし」とご挨拶。穏やかな声と優しい笑顔の親方で、張り詰めた空気が一気に変わった気がしました。昼夜と共に摘みと握りのコースのみだそうで、楽しみです。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
穴子の茶碗蒸し♡
対馬産の穴子。穴子は柔らかく煮あげた後、炙ってから入れているそう。穴子の甘さを味わえる出汁の味付けが美味しい。
閂
程よく脱水されて、モチモチとした食感の中で甘さがはえる。
蛸の柔らか煮
醤油の味わいは最初だけ。噛み締めていくたびに、蛸本来のジューシーさが溢れてくる。
白子の焼物
甘い。とろける。素晴らしい。
牡蠣の味噌漬け♡
酒蒸しにしてから、10日ほど漬け込んだもの。お酒のアテとしては、サイコー。
鮟肝の煮付け♡
甘い煮付け。素晴らしい美味しさ。
赤ムツの焼物♡
何故か、私だけ。大きく切りつけられているので、食べ応えもあり、上品。
まだ摘みはあるようですが、握りへ。
小鰭♡♡♡
柔らかな〆具合。凄くジューシーな小鰭は、今までで1番かも。
赤身漬け♡
切りつけは厚めなので、口の中にたっぷりと鮪を味わえます。香りもいい。確認はしていないのですが、某雑誌によると、使う部位は背の一番天辺の部位である天端(てんぱ)と呼ばれる筋の殆どない身らしいです。
縞海老
程よく脱水されて、甘みが凝縮しています。
鰆♡
お米屋さんから藁を仕入れて、藁焼きしている寒鰆。身が詰まっていて、美味しい。
墨烏賊
サクサクとした食感の中に、飛散するシャリ。
中トロ♡
青森県三厩産。凄く厚く切りつけられているので、鮪が溢れてきそうです。
鯵♡♡
肉厚の部分だけを一人半身で握られます。味が凝縮して、食べ応えもあって美味しい。
鰤♡
炙って、漬けにしてあるみたい。独特の癖もなく、濃厚な脂だけを味わえます。
車海老
絶妙な温度ですが、強烈な甘さは感じられず。でも食べ応えはあり。
紫海胆♡♡
海苔は使わずに、握りで供されます。海胆の多いこと♡
「あとは穴子と玉ですが、他に食べますか?」
「食べていない種はありますか?」
「金目鯛、煮蛤、赤貝、〆鯖、蝦夷馬糞海胆…あとは…」
「ち、ちょっと待って。いっぱいありますね」
「笑」
そんなやり取りの後、2貫を追加。
煮蛤(追加)♡
浅めの漬け込みかと思いましたが、しっかりとした味わいがあり、柔らかい。
〆鯖(追加)♡♡♡
抜群に美味しい。口の温度で、目覚めたかのような脂がほとばしります。
穴子♡
塩か煮つめかを選ぶことができます。私は煮つめで。約束された幸せがここにあります。
玉
鮨店らしい玉。海老の香りが鼻を抜けて、美味しい。
椀物
浅利汁。
シャリは赤酢も使っているみたいで、ほんのりと色気のある色が付いていて、硬め。どの握りにも感じたことですが、シャリに対して種は凄く厚く大きいので、「魚を食べてるぅ」というテンションになります。江戸前らしい仕事を施している種は本当に美味しく、特に酢〆している『小鰭』や『〆鯖』は、白眉の美味しさでした。摘みも正統派で全てが美味しく、品数の多いので、お酒が好きな方はたまらないのではないでしょうか。写真は撮りませんでしたが、『帆立の磯辺巻き』も美味しかったなぁ。
お一人様ということで、次回の予約もちゃっかり取ってしまいましたので、通う鮨店が増えました(笑)次回は、なんと真夏!親方の笑顔にまた会う日が、今から楽しみです。
ご馳走様でした。
3位
18回
2023/02訪問 2023/03/07
2023.2.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
蛤・北寄貝・青柳のスープ♡
飲み終えると、思わず「あぁ…」と声が出てしまう。これぞ身体に沁みる味わい。
浅蜊の深川丼♡
香りは生姜の鮮烈さ、味わいは浅蜊の旨味がガツンときて、最後に生姜の爽やかさが口に残ります。コレは丼で食べなきゃいけないひと品。
子持ち槍烏賊♡
身はプリプリなので、余計に卵のモチモチとした感じが映えます。煮方も烏賊の味わいを確りと感じられて美味しい。
鮟肝♡
4〜5日かけて血を抜いた鮟肝を蒸して、中にカシューナッツと発酵唐辛子を混ぜ込んだもの。鮟肝への新しいアプローチを見れるひと品で、肴は勿論ですが…ご飯にも絶対に合う。
北寄貝オイル漬け♡
北寄貝に薫香をつけてから、米油に漬けたもの。口に入れると薫香が鼻から抜け、米油の甘味と北寄貝の旨味が重なり合い、実に美味しい。
牡蠣蕎麦♡♡
鰹出汁に牡蠣の出汁を加えてから大根おろしを入れてみぞれ仕立てに。大ぶりな牡蠣は旨味が抜群にあり、コレも何でフルサイズじゃないのかを残念に思うほどに美味しい。
真鱈の白子リゾット♡
真鱈の白子を使ったリゾット。甘く単調になりがちな味わいを締めているのが、カンボジア産の赤胡椒。かなり刺激的にピリッと味わいを締めていて美味しい。コレも丼で食べたい!
真名鰹♡
風に当てて旨味を出し、お酒で割った自家製の酒盗汁に漬けて焼いたもの。初めは酒盗の旨味がきて、後から真名鰹の旨味がグッときます。味わいと共にとろりとした食感も素晴らしい。
虎河豚の白子椀♡
虎河豚を2匹をこの出汁の為だけに使って、焼いた白子を合わせた椀物。ひと口飲むと、一気に虎河豚の旨味がガツンときて、沁みます。このひと椀に虎河豚を捩じ込んでいる味わいで、まさにお椀で味わう虎河豚。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー肴。コロナ禍を経て、卵黄ご飯がつくようになって長年の夢が叶ったひと品。
活け渡蟹ならではのとろりとした食感に蟹の甘味と旨味、そして山椒の鮮烈さがひと口毎に駆け巡ります。
縞海老♡
「コレが海老?」と驚くほどに口に入れた瞬間になくなる海老。口に残るのはシャリの酸味で輪郭が際立った極上の甘味が広がります。
泥障烏賊♡
木村親方の包丁技が見られる泥障烏賊は極薄に削ぎ切りしていき、更に細かく切って纏めて握っていきます。
酢橘の爽やかが初めにきて、ねっとりととろける甘味が最高。
細魚♡
なんだろう、この食べ応えは!ここまで大きく食べ応えのある細魚にはなかなか出逢えない。
金目鯛♡♡
旨味が凄い!まず金目鯛の甘味がガツンときて、シャリと混ざりあった甘味がぐわんときて、最後にまた甘味がジワって広がります。
青柳♡
素晴らしいこの反り返り。ザクッとした食感の後に花のような独特の香りが鼻から抜けます。素晴らしい美味しさ。
鱒の介♡
1か月熟成のもの。コレは液体!口に入れると瞬でなくなり、旨味が旨味が素晴らしい。
皮剥♡
芽葱の香りが鼻から抜けて、ガラスのような身と肝の旨味が抜群に映えます。なくなっても尚、あり続けるような肝の旨味が最高。
筋子♡
「すし㐂邑」を代表する鮨のひとつ。コレを食べると、いくらがとても幼稚なものに思えてしまうほどの美味しさ。
鰤♡
エシャロットを間に入れる1カ月熟成の鰤。クセのある鰤を見事に昇華して旨味のみを出した味わいで、エシャロットの爽やかな苦味が実にいい仕事をしており、美味しい。
鰯♡
黄金に輝く鰯もまた「すし㐂邑」を代表する鮨。ひと口目はスッキリとした鰯の味わいで、咀嚼毎に鰯の旨味が徐々に溢れてきて、
真加治木♡
脅威の熟成52日目。ねっとりと舌に絡みつくような真加治木が想像を軽く超えてくる味わい。
蛤♡♡
煮つめではなく山椒の刺激で食べさせる仕立て。とても大きな蛤は旨味が抜群で、柔らかい。
玉♡
薄焼きの玉を握るスタイルで、シャリの酸味で際立つ玉の甘味が美味しい。
鉄火巻き♡
木村さんではなく、ハルカさんが巻いた鉄火巻き。店内にザクッと響く海苔を断ち切る包丁の音。中の鮪よりも巻いているのにふわりとしたシャリとパリッとした海苔が印象的。コースの初めと終わりが海苔巻きという粋さ。
ラムレーズンブランデージェラート♡
確りとラムレーズンが香り、ブランデーのコクも凄い。お酒好きが絶対にハマる美味しさ。
今年は上海を中心に海外へと身を置くことが多いという木村 康司さんの二子玉川「すし 㐂邑」へ再訪。魔法のように旨味を増幅させる熟成という手法は、まさに膨大な手間と時間がなせる技。木村親方の料理はひとつひとつが独創的であり、それは一種の狂気であり、まさに食のヘンタイと言わざるを得ません。しかしながら全てにおいて唯一無二という存在感があり、何よりもどれも唸るほどに美味しい。
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさに今年はこの恋歌のような気持ちになりそうです。また日本に戻られた時に是非食べさせていただきたいです。
2022.10.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
ひと口含むだけで北寄貝の旨味が口いっぱいに広がり、香りと共にスーッと消えていきます。このスープの為だけにどれだけの北寄貝が使われているのか。
小鰭の押し鮨♡
酢〆した小鰭の下には梅・大葉・胡麻があり、酢の爽やかさと梅の酸味が小鰭の旨味の輪郭を濃くしているかのよう。
鮟肝♡
4日かけて処理をした鮟肝にカシューナッツと発酵唐辛子を加えたもの。
濃厚なれど、臭みなど微塵もない鮟肝にカシューナッツのコクと唐辛子のアクセントが心地よく、いいお酒のアテです。
北寄貝のオイル漬け♡
火を入れて薫香を付けて、塩を当ててからオイル漬けにしたもの。
咀嚼すると、藁で燻した薫香がふわりと広がり、凝縮した旨味が爆ぜます。
雲丹蕎麦♡
雲丹を裏漉しして、昆布出汁で割って、蕎麦と合わせたもの。
この量だからこそのインパクト。蕎麦を手繰る度に確りと感じられる雲丹の存在感。
白子のリゾット♡♡
確りと掃除した鱈の白子を裏漉しして、昆布出汁で伸ばし、米と合わせたもの。
食感は舌に絡みつくようにまったりとし、白子の旨味がガツンときます。そこに固めの米の食感があり、上からかけられたカンボジア産赤胡椒が全体をキリッと締めています。
真名鰹♡
一週間風に当ててから、自家製の白身魚の酒盗で味付けもの。
ふんわりとした食感の中で、主張してくるのは真名鰹本来の旨味。繊細でありつつも、グッときます。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理のひとつ。コロナ禍の中で、念願のご飯(卵黄酢飯)がつきました!ピリリとした山椒の刺激の中で。お酒にもご飯にも抜群に合う素晴らしさ。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを込めた海苔巻き。「すし㐂邑」のシャリは少し固めに炊き上げた『遠野4号』という品種で酸が立ち、相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔の香りが華やぎまず。
小鯛♡
小鯛は温かく、とろけると同時に香りがふわりと立ち込めます。
縞海老♡
極上の甘味、そして口に入れた瞬間にとけます。シャリとのコントラストが素晴らしく映えます。
白烏賊♡
木村さんの包丁技が見れる種で、白烏賊を薄ーく薄ーく削ぎ切りにしていき、一纏めにして酢橘と塩で。コレは空気を食べる種。甘味を出しながらとろける烏賊がとてもエアリー。
皮剥♡
ガラスのような身と「この肝の処置にどれだけの手間がかけられているのだろう」と考えさせられるほどの肝の旨味の純粋さ。
北寄貝♡
ビッシリとついたワタの甘味が最高に美味しい。とろけるような食感も固めのシャリとよく合います。
赤雲丹♡
鹿児島県産。濃縮したような甘味と仄かにある苦味がより甘味を感じさせて美味しい。
クジラ♡
部位は尾の身。「形があったよね?」と思うほどに瞬でとろけるクジラは圧倒的な旨味が素晴らしく、間に入れたエシャロットの苦味が味を締めています。
鰹♡
薫香も感じますが、圧倒的なのはまるで鰹節のような旨味の凝縮さ。この旨味の強さはきっと「すし㐂邑」でしか味わえない美味しさ。
筋子♡♡
ルビーのように煌めく1ヶ月熟成をさせた筋子は旨味の塊!コレを食べてしまうと、他店のいくらは食べられなくなってしまいそうです。
鰤♡
エシャロットがいい仕事をしている1ヶ月半熟成をさせた鰤。旨味の爆流で身を流されてしまいそう。
鰯♡♡
金色に輝く鰯も「すし㐂邑」のシグニチャーのひとつ。酸味の中にも確りとした旨味があり、食べ終えても尚香るような青魚の香りが凄い。
穴子♡♡
「すし 㐂邑」で穴子に出逢えるのは、珍しい。煮つめではなく、山椒で食べさせる仕立てで、穴子と山椒の香りが素晴らしい。
お稲荷さん♡
このモチモチとした揚げの食感に驚き、咀嚼の度に溢れる出汁の旨味が新感覚。
玉♡
伝統的な鞍懸の玉。玉の甘味とシャリの酸味が素晴らしい。
黒胡麻のジェラート♡
出来立てのジェラートは、胡麻の香りが活きていて美味しい。
二子玉川にある熟成鮨で有名な「すし 㐂邑」へ再訪。店主は熟成鮨のパイオニアとして今も尚進化を続けている木村 康司さん。独創的であり、唯一無二な肴や鮨は1つとしてハズレなく美味しく、私を含めて多くの心を掴みます。木村さんの料理をいただきながら感じるのは、丁寧な下処理とそれにかけられた時間と労力。魔法のような熟成をかけられた種は香り・甘味・旨味が跳ね上がり、酸が立った固めのシャリととてもよく合い、そこから生まれる相乗効果の旨味が凄い。
やはり木村さんの肴と鮨は好みの味わい。また今冬の時期にも是非味わいたいです。
木村さん、今回もありがとうございました!またどうぞ宜しくお願いします!38000
2022.6.
見らく 少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
可愛いらしい木桶から立ち上る香りからもう美味しく、塩分濃度は薄いのに旨味が強烈。
子持ち槍烏賊♡
(特にえんぺらが付いていたので)身はサクッサクで、卵はねっとりとしてプチプチと弾けます。この3つの食感を同時に楽しめるこの時期ならではの美味しさ。
桜海老の海老味噌♡
このペーストにどれだけの桜海老が使われているのだろう?ひと舐めするだけで圧倒的な旨味が口に爆発的に広がり、ふわりと香りが鼻から抜けます。凄い!
鮟肝♡
木村さんが手掛けると鮟肝もここまで変わるとは!一緒に入れられているカシューナッツで生み出される食感とコク、そして唐辛子の辛味が新しい鮟肝の可能性を示してくれます。実に美味しい。
鮑とつぶ貝の塩辛♡
肝の香りが強いと思いきや、咀嚼するとそれぞれの貝の磯の香りがぶわっとして至福の肴。
雲丹蕎麦♡
蕎麦を啜ると広がる雲丹と昆布の旨味。無限に食べられるような味わい。
真名鰹♡
ふわりとする食感、咀嚼の度に溢れる旨味は真名鰹本来の味わいで、実に美味しい。木村さんの真名鰹の焼物が供された時は、心の中でガッツポーズしているのはナイショのことです。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理と言っても過言ではない肴。活きた渡蟹をブランデーに漬けたもので、鮮烈な山椒の味わいとブランデーの香りが素晴らしい。そして、添えてある卵黄ご飯が「ご飯と一緒に食べられたらな」という往年の夢を叶えてくれ、実に嬉しくも美味しい。
海苔巻き♡
史上最年少皇室御献上海苔漁師・相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔と2回だけ品種改良がされた最もお米の原種に近い『遠野4号』を使ったシャリが生み出す海苔巻き。他店よりも堅いシャリのテイスティング的な感じかもしれませんが、これが実に美味しい。
牡丹海老♡
熟成4日目。凄い…。牡丹海老は軽く湯霜にしてあるようで、口に入れた瞬間になくなります。堅めのシャリとネットリとした種のコントラストが実に素晴らしく、他店とは味わいの次元とアプローチの違いがハッキリとします。
金目鯛♡
熟成14日目。口に入れると、まず金目鯛の旨味がガツンときて、その後にシャリの塩味、そして再び金目鯛の旨味と甘味がぐわんとくるような味わいの対空時間と時差があるような一貫。
皮剥♡
熟成4日目。ガラスのような身と間に入れられた肝の旨味が秀逸。肝の毛細血管まで丁寧に取り除くことで生臭さなどは微塵もなく、旨味のみが濃縮した味わい。
北寄貝♡
貝類は熟成させても意味がないそうで、代わりに部位毎に塩を当てる時間などを計算しているそう。ネットリとしたワタの甘味が素晴らしく、咀嚼すると貝の旨味と香りがふわりとして美味しい。
鯵♡
肉厚な身はトロリとして香り高く、堅めのシャリに実によく合い、「鮨を食べてる!」という実感が湧くほどに口の中での存在感が強い。
鮑♡
鮑は香りと教えてくれる一貫。出来るだけ薄く切りつけて空気に当たるようにして香りを立たせてるそうで、口に入れると鮑の香りが弾けます。そしてシャリの塩味で鮑の甘味も映える「すし㐂邑」の夏の一貫。
浅蜊♡♡
初めていただく種。海苔の香りと浅蜊の旨味が実に素晴らしく、心打つ一貫。インスタで見かけた某店の『浅蜊』が美味しそうで、いつかどこかで食べたいと思っていた一貫をまさかここでいただけるとは!
間八♡♡
脅威の熟成75日目。旨味と甘味が異次元のような味わいで、食べ終えてもまだ口の中にあるかのような余韻が長く続きます。
鰹♡
口に近づけると薫香が香り、咀嚼すると鰹の旨味と鉄分が広がり、忍ばせてあるエシャレットの苦味が全体を締めています。
白烏賊♡♡
木村さんの包丁技が魅れる種の1つ。白烏賊を見えなくなるくらいに薄く薄く切ってから、雲丹をベースに名古屋の天麩羅の名店「天風良 にい留」の揚げ玉を入れたソースを絡めて握った一貫。この揚げ玉の旨味が素晴らしく、思わぬところで「すし 㐂邑」×「天風良 にい留」のコラボを味わうことができました。今回の私の中で1番の美味しさ。
尾の身♡
コレも初めての種。このシャリによく合う口溶けのいい鯨の尾の身は旨味の塊のよう。
鰯♡♡
赤酢で〆ることで金色に輝くエロチック鰯は、熟成10日目のもの。鰯本来の旨味、赤酢の酸味、シャリの塩味の三重奏が響きます。
蝦蛄♡♡
蝦蛄を殻のまま漬け込んであり、直前に殻を剥いて握られます。漬け込みの味わいも美味しいですが、なんと言っても咀嚼する毎に強くなるような旨味と香りが凄い。
お稲荷さん♡
近年「すし 㐂邑」の新しい名物となっているのが、このお稲荷さん。シャリにガリと胡麻を混ぜ込んで、海苔と一緒に油揚げで包んでいるのですが、この油揚げが凄い。モチモチとした食感があり、その食感を感じる度に出汁がジュワッと溢れてくる新感覚のお稲荷さんです。
玉♡
以前は半熟カステラのような玉でしたが、今では薄焼きのものを握るスタイルになっており。最後まで鮨好きを魅了してくれます。
黒胡麻ジェラート♡
出来立ての新作ジェラートは黒胡麻。ひと口食べただけで「胡麻!」という主張が強く、上にかけられた擦った胡麻で香りも高い。
予約が取れなかったりして、久しぶりとなった二子玉川にある「すし 㐂邑」。改めて思うことは、店主・木村 康司さんが作り出す肴や鮨は実に好みで美味しい。魔法にも似た「熟成」という技術だけでなく、この鮨店の根底にあるのは時間と手間を惜しまぬ丁寧な仕事。肴は確りとお酒を飲みたくなる力強い味わいで、鮨はシャリと種どちらも個性があり、食べていることを実感できるボリュームがあります。肴・鮨共に独創的であり、唯一無二。この「すし㐂邑」でしか味わえない心響く美味しさです。
木村さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします!
2021.6.
熟成という名の魔法
今年の正月に開催した「キムバル」から半年。熟成鮨のパイオニアである木村 康司さんの鮨を食べに二子玉川にある「すし㐂邑」へやっと再訪。ちょうど訪問日の2週間前にカウンターを新しくしたそうで、客側の欅と厨房側の木曽檜から成る2種の木目がとても綺麗で、木村さんの手元が確りと見えるようなフラットになったのも嬉しいポイント。
今夜の献立
北寄貝スープ
口当たりは優しいのに、旨味のアタックが後からグッときます。
〆鯵♡
梅肉を酢で〆た鯵でサンドした初めていただく肴。このジメッとした季節にピッタリの爽やかな味わいで、後から鯵の旨味が追いかけてきます。
あなきゅう♡
肴でいただく穴子は実に素晴らしい。山椒の洗練さが駆け抜け、甘味のある穴子の旨味が口の中で混ざり合います。穴子と胡瓜という格別な取り合わせの中で、穴子が光ります。
このこ蕎麦♡♡
凄い!香りと旨味の塊のような味わい。蕎麦というか完全なる肴。お酒が進みすぎです。
鮑のリゾット♡
白い鮑のリゾット。肝の味わいをあえてなくしているのか、ゴロゴロと入っている鮑の旨味が食べ進める毎に口の中で倍化・累乗するかのようで幸せが加速します。
メヒカリ♡
実に美味しい。フワフワとした口当たりは初め魚醤のような味わいがしますが、後から透明感のあるメヒカリの旨味が口いっぱいに広がります。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし㐂邑」の肴のスペシャリテと呼ぶべきブランデーと山椒の香りが決め手の渡蟹のブランデー漬け。コロナ禍で卵黄ご飯が付くようになったのは、実に嬉しいかぎり。最高のご飯のお供。
海苔巻き♡
岩手県の「勘六縁」の遠野4号と京都の「飯尾醸造」の酢で作られたシャリのテイスティングのような海苔巻き。鹿児島県出水の海苔養殖家の島中さんのアサクサノリが映えます。
小鯛
温かい…。また新しい仕立てなのか?久しぶりすぎて忘れているのか?切り付けた後にサッと湯霜にしているのでしょうか。ほんのりとした小鯛の甘さがシャリの酸味で映えます。
牡丹海老♡
とろけるような牡丹海老。生よりもとろけ方がストレートで甘味がグッときます。他店とは一線を画す味わい。
金目鯛♡♡
口の中に入れるとフッとなくなるような金目鯛。その後に旨味がぐわんっとして、シャリの酸味が後から駆け抜けます。
鯵♡
何とも食べ応えのある肉厚な鯵。口の中でまさに魚が主役となる一貫です。
北寄貝♡
こんなにもビッシリとワタが付いた北寄貝は久しぶり。トロリとしたワタの甘味が舌にダイレクトに当たります。
中トロ♡
エシャロットの香りと風味が印象的な中トロ。その口溶けと旨味も尋常じゃない美味しさ。
鮑♡♡
鮑を水平に波打つように切り付け、シャリを包むようにして供される鮑。木村さんの鮑と食べるといつも思う。「鮑は香り」。シャリの酸味で際立つ鮑の甘味も愛しい。
赤雲丹♡
今季初の赤雲丹。甘味だけでなく、苦味もあるような複雑な味わいが素晴らしい。
鰯♡♡
金色に輝く鰯は「すし㐂邑」のエロ前鮨の真骨頂。酸味と旨味が異次元のよう感じ。やはり美味しい♡
鱒の介♡
たいていは常時ある真加治木の代わりに今回は鱒の介。コレも凄い!舌に絡みつくようなとろけ方で、味わいも甘味と苦味が絶妙なバランス。
穴子♡
木村さんの穴子は久しぶり。煮つめではない穴子の旨味で勝負するこの時期だけの楽しみ。
お稲荷さん♡♡
「すし㐂邑」の新しいスペシャリテになりうるお稲荷さん。この揚げが非常に特徴的で、出汁がジュワッとしながらもシコシコとした食感が独特。
玉♡
薄焼たまごの握り。うーん、素晴らしい。
濁酒ジェラート♡
最後は佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。どストライクな美味しさ。
やはり、美味しい!
これが久しぶりに味わう「すし㐂邑」の正直な感想。定番と呼ばれる肴や種の美味しさは勿論のこと、比較的に新しい『玉』や『濁酒ジェラート』も最早外せない一品になっています。その中でも今回初だったのは『お稲荷さん』。「今まで美味しいお稲荷さんがなかったから、自分で作った」という木村さんの渾身の逸品は、新しい顔となりつつ味わいです。お店で食べるものよりかは少し大きなものが3個入ったお土産も1人1個ではありますが、来店者のみ購入できるので「すし㐂邑」の余韻を楽しめます。
先週供していた『蝦蛄』がなかったり、『鳥貝』なんてとっくにやめていたりと出逢うことが叶わないこともありますが、それも「すし㐂邑」の魅力。また季節を変えて食べたいです。
2020.10.
今よりも、更に高みへ
運良く一席空いていたところに滑り込み、再訪が叶った二子玉川にある「すし 㐂邑」。店主の木村 康司さんが作り出す魔法とも呼ぶべき熟成を施した鮨と独創的な肴が唯一無二で、とても好きな鮨店です。コロナ禍の営業自粛明けから2回目。木村さんの更なる進化を楽しみます。
今夜の献立
蜆酒
口当たりは、確かにお酒。でも旨味は蜆。蜆汁というのはよく供されますが、蜆酒とは!さすがのアプローチ。
烏賊の塩辛♡
肝を使った塩辛はあまり好きではないのですが、コレはなんだろう?烏賊も柔らかくて、ご飯欲しくなるぅ。
北寄貝のオイル漬け♡
薫香が鼻から抜ける米油で漬け込んでいる北寄貝。噛む度に旨味が溢れて、絶妙な味わい。木村さんの肴はいつも美味しい♡
穴子の山椒焚き♡
角切りの生姜と粒の山椒が舌を刺激する旨味の塊のような穴子。あの『薔薇ちらし』を思い出します。また食べたい!
鮑の塩辛♡
何という香り高さ!コレもご飯欲しくなるぅ。
海胆蕎麦♡
更にブラッシュアップされていて、海胆の旨味と蕎麦つゆの一体感が格段に違います。どこまで進化するというのか…。
メヒカリ♡
木村さんのメヒカリは大好き♡パンパンの身には旨味と脂が詰まっていて、口の中で一気に弾けるよう。スナック菓子のようにひょいひょい食べたいっ!
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし㐂邑」における肴のシグネチャーとも言うべき料理。ピリリとした山椒の刺激の中で、渡蟹の甘味が映えます。更に念願だったご飯もデフォルトで卵黄ご飯がついてくるようになり、より好みとなりました。
海苔巻き♡
毎回、握りの始まりを告げる独特なアルデンテのシャリのテイスティングのように供される『海苔巻き』。この香り高い海苔は、鹿児島県出水産の「アサクサノリ」。漁師の島中良夫さんが20年以上かけて養殖に成功させた伝統在来種「出水アサクサ野口種」だそう。
真鯛
熟成期間は1週間くらい。ストレートに甘味がガツンときて、食べ終えると香りがふわりと残る感じ。
牡丹海老
木村さんの手にかかると、牡丹海老もまた違った一面を見せてくれます。ただ甘いだけでなく、もう一段奥にある甘味を感じられます。
錘鰤♡
初めて食べる魚ですが、徐々にメジャーになってきているそうです。見た目も美しくて、味わいはねっとりとして、口溶けも非常にゆっくりとしていて旨味と甘味をじっくり楽しめます。
皮剥♡
ガラスのような美しい身に隠された肝の旨味が素晴らしい♡
鰤♡
復活した?エシャロットを忍ばした鰤。山葵の鮮烈さだけなく、エシャロットのほろ苦さが決め手。まだまだこれからの魚ですが、十分に美味しい♡
赤海胆♡
熊本県天草産。水っぽさなど微塵もなく、濃厚濃密な旨味の塊のよう。ただ甘いだけでなく、複雑な味わいが魅力的。「すし 㐂邑」では夏の時期でしか食べられないですが、群を抜いて美味しい。
鰹♡
薫香がふわりと鼻から抜ける鰹は、まるで鰹節のような旨味がたっぷり。
筋子♡
「すし 㐂邑」のスペシャリテの一つ。ねっとりと舌にシャリに絡みつくような味わい。見た目もルビーのような美しさがあり、華がある鮨。
小鰭
久しぶりの小鰭。食べ終えても尚、口の中に残る強い旨味が印象的。
キンキの混ぜご飯♡
前回もいただいた絶品の混ぜご飯。キンキの皮も身も肝も全てを混ぜ込んでいて、大きな丼でかき込みたいくらいに美味しい♡ちょっと多めにくれた木村さんの優しさが嬉しい。
真加治木♡
驚異の57日間の熟成を施した「すし㐂邑」の顔とも呼べる種。どこかコーヒーのような香りもあり、凝縮したような旨味が素晴らしい。
玉♡
コロナ禍での営業自粛を経て、伝統的な薄焼き玉子を使った握りになりました。あの半熟カステラのような玉も好きでしたが、やはり握りは美味しい。
濁酒のジェラート♡
コレも木村さんの新しい一手の一つである甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。んー、実にどストライクな美味しさ♡
今回も実に美味しかったです。肴はただ塩辛いだけでなく、旨味を全面に出した味わいなので、私はお酒よりもご飯が欲しくなります。その中で『渡蟹のブランデー漬け』は、卵黄ご飯がデフォルトで添えられるようになって本当に嬉しい。そして、握りは皆がシャリを小さくとお願いしている中で、ちょっとずつ私には大きくしてくれる木村さんの優しさが沁みました。熟成という絶対的な武器を持っていながらも、より美味しくより高みを目指してらっしゃる木村さんの気概に惚れました。
木村さん、今回もありがとうございました!今冬中とお正月にはまた食べたいです。35000
2020.6.
味わい、存在、唯一無二。
例えば、ウイスキー。誰にでも飲みやすく好かれるものよりは、アイラモルトなどの独特でクセのあるような唯一無二のウイスキーが私は好き。
二子玉川にある「すし 㐂邑」の店主・木村 康司さんが創り出す熟成は、旬の魚の力強さを引き出す魔法。肴も鮨も独創的で、唯一無二。味わいは勿論のこと、存在感も惹かれる鮨店です。
今回の献立
北寄貝スープ
可愛い檜の桶に入れられた「すし 㐂邑」の白スープ。前回に感じた店内を包むような檜の香りはさほどなく、北寄貝の旨味が凝縮したスープはしみじみと美味しい。
栄螺のオイル漬け
初めての肴。栄螺に薫香をつけて、米油に漬けこんだものかな?口に入れると薫香が鼻を擽り、後味にはピリリと鷹の爪の辛味が残ります。
鯖♡
福岡県糸満市にある「ミツル醤油醸造元」の醤油床に奈良漬けを入れたものを〆た鯖に合わせたもの。凄い!カレーのような風味と鯖味噌のようなの味わいの奥深さがあり、コレもご飯が欲しくなるw
鮑の塩辛♡
鮑の香りが素晴らしい。咀嚼する度に華やぎ、喉を通る際にふわりと鼻から抜けます。鮑は香り。そのことを実感できます。
ミンククジラの畝須♡
プルプルのミンククジラの畝須にはパンチのある辛味が乗せてあり、一緒に食べることでこのクジラの脂を活かしています。
海胆蕎麦
ひと口目は蕎麦の味わい。つゆを飲むと、返しの味わい。そして、追いかけるように海胆の旨味がグッときます。もっと食べたいと思うところですが、この量だからこその旨味の凝縮。
メヒカリ♡
「すし 㐂邑」のメヒカリは大好き。表面の皮目はパリッと焼かれ、身はフワフワ。そして、メヒカリの甘味がジュワッと広がります。火傷覚悟でもガブっと行くべき。
渡蟹の塩辛♡
な、なんとデフォルトで酢飯が盛られている!まさか、お店でこの塩辛にご飯を合わせることができるとは!お酒飲みにはお酒が1番なのでしょうけど、私には絶対にご飯!美味しいなぁ♡
海苔巻き♡
遠野4号という粒が大きくて粘りが少ないストイックな米を使った独特のアルデンテシャリを味わう海苔巻き。心地よい酸が駆け抜けます。
甘鯛♡
何故、甘鯛と呼ばれるのかがよく分かる甘味のある旨味がシャリの酸で全面に押し出されています。
牡丹海老
舌に絡みつくようなとろけ方はありませんが、群を抜く強烈な甘味が残ります。
金目鯛♡
香り高く、金目鯛の旨味が凝縮していて後に残る甘味が印象的。
鯵♡
ふっくらと肉厚で口に入れた時の存在感が素晴らしく、爽やかな旨味が駆け抜けます。
赤海胆♡
佐賀県唐津産。甘味だけではなく、苦味なども加わり複雑な味わい。「すし 㐂邑」の海胆は夏しかありませんが、どこのお店よりも旨味がギュッと凝縮しており、実に美味しい。
鮑♡
木村さんの包丁捌きは見れませんでしたが、出逢えた鮑。シャリを包むようにして握られる鮑は、まるで香りの塊。だから肝も使うことなく、塩や山葵さえもありません。
鰹♡
まるで鰹節のような薫香と旨味の凝縮。鰹の握りでの究極系かも。
キンキの混ぜご飯♡
ずっと気になっていた木村さんの後ろにあった大きなキンキの開き干し。そのキンキを焼き上げて、身を解してからシャリに混ぜ込んだもの。脂あるキンキの旨味と甘味がシャリの酸のアクセントで素晴らしく響きます。
鰯♡
金色に輝く鰯は、エロ前の真骨頂。1週間の熟成だそうですが、身は確りとしていて迸るような脂はなく、優し目な香りと旨味が際立ちます。
加治木♡
スペシャリテの加治木はねっとりとして、コーヒーを思わせる焙煎香を纏っています。今もなお煌めく不動の花形の種です。
穴子♡
まさか、穴子まで供されるとは…。最近は固めるお店も多くなってきましたが、本当の旬の時期しか味わえない「すし 㐂邑」の穴子。トロトロで舌に絡みつく系ではなく、香りを大切にしたホクホク系。山椒の香りも華やぎます。
玉♡
なんと玉も握るようにしたそうで、伝統的な薄焼き。以前と味わいも変えているのかしら?ほんのりとした甘味で、更に好みが加速します。
甘味♡
〆は玉ではなく、甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラートです。酵母を使っているからでしょうか、パンみたいな香りがしてド好みな味わいです。
コロナ明け、「すし 㐂邑」の進化が止まらない!元々、木村さんの独創的な肴や鮨が大好きですが、更に加速度を上げて好きになりました。今回は海胆・鮑・穴子と夏の魅力を一編に堪能させていただき、久しぶりに幸せな時間を過ごせました。
木村さん、ありがとうございました!やっぱり木村さんの肴や鮨は大好きです。また宜しくお願いします!33000
2020.5.
薔薇色の人生
営業自粛が解かれている中で、鮨店のテイクアウトもそろそろ終わり。そんな中で、私には心残りがあります。それは二子玉川にある「すし 㐂邑」の『薔薇ちらし』。何度かあった販売もタイミングが合わずに買えずじまいだったのですが、最後の最後で無事購入です。
海胆やいくらなどの生の海鮮が盛られた煌びやかなちらしとは対極的な地味な見た目ですが、実に好みの味わいで美味しい。いつものアルデンテなシャリには海老・干瓢・玉が混ぜ込んであり、上にある紅白の海老おぼろと鮃?田麩と一緒に食べれば、甘めの味わいに。そこに酢〆された小鯛と鰯の酸とピリリとした山椒の刺激が心地よく響きます。このコロナ禍で『ばらちらし』を食べる機会が多くなった中で、私は甘めの味わいのものが好みなんだと知りましたw
あぁ…人生ってただ甘いだけでなく、たまには刺激も必要よね?
そんなことを感じさせてくれるような『薔薇ちらし』でした。
木村さん、お元気そうで良かったです!またお店でエロ前鮨をいただける日を楽しみにしています!
2020.2.
どこか艶っぽく、妖艶な雰囲気を纏う。
まるで歌舞伎でいうところの女形のように。
そう思わせるのは二子玉川にある「すし 㐂邑」の木村 康司さんの握る鮨。職人気質でありながらも、熟成という緻密な技術を組み上げる学者肌な一面もある(特に女性に対して)笑顔が素敵な親方です。
木村親方が施す熟成という魔法は、魚の持つ旨味と香りを最大限に引き出して、知っている魚がまるで次元の違う味わいになり、いつも驚かされます。さあ、今回もどのように驚かせてくれるのか楽しみです。
今回の献立
北寄貝のスープ
厨房から香る檜の香り?器が檜に変わってる!口を近づけると、檜の香りがふわりと香り、染みるように美味しい北寄貝の旨味。
子持ち槍烏賊♡
身は歯がいらないほどに柔らかく、卵はとろりととろけて、舌に絡みつくよう。
真鱈の白子リゾット♡
相変わらずに素晴らしい味わい。白子のクリーミーな旨味の中で固めの米が存在感を主張して、カンボジア産の黒胡椒が単調になる味わいにアクセントを与えています。
太刀魚♡
太刀魚が持つ極上のフワフワ感。そして上に乗せられた大根おろしが名脇役を演じています。大根おろしの下には玉葱の微塵切りが忍ばせてあり、辛味と食感を与えています。
牡蠣バター
牡蠣を低温で火入れしてから燻して、それを裏漉ししたのをバターを合わせたもの。どんなだけ手間をかけてるのだろう。極限に滑らかで確りとした薫香の後、旨味がグッときます。形はないながらも、ちゃんと感じられる牡蠣の旨味が秀逸。
河豚のお椀♡
きっとこの時期ならばあると思っていました。河豚3本の身と骨と皮をゆっくりと10時間焚き、それを漉してから焼いた白子を入れて、薄口醤油を数滴入れた冬のスペシャリテです。
どうまん蟹の塩辛♡
ブランデー・麹・酒盗で漬け込む木村流ケジャン。今回は渡蟹ではなく、なんとどうまん蟹。山椒のピリリとした刺激がありながらも、全体的には円やかな味わい。渡蟹にはなかった爪が美味しい!
海苔巻き♡
酢飯変わった?元々、固めのアルデンテなシャリでしたが…更に水分が少なくてホロホロとして、酢がふわりと香ります。
鰆
ねっとりと舌に絡む度に鰆の甘味が感じられて、シャリの塩気で更に甘く感じられます。
細魚
モチモチという食感はよく感じられますが、細魚ってこんなに香りがあったっけ?と思うほどに香り高い。
鱒ノ介♡
クリスマスくらいから熟成させたという鱒ノ介。凄い!とろけ方もゆーっくりなので、その間に香りが立ち、旨味が広がります。滞空時間のとても長い一貫。
金目鯛
口に入れた瞬間の旨味と咀嚼してシャリと混ざり合った時の旨味という2段階で味わう金目鯛は、まさしく傅く美味しさ。
牡丹海老♡
片面だけ湯霜にしているのだろうか。とろけるのではなく、弾けるように液体へと変わります。異次元の牡丹海老。
間八♡
コレもクリスマスくらいからの熟成。身を咀嚼する度、シャリと混ざり合う度に旨味が溢れてきます。
皮剥♡
ガラスのような身の下には、肝と浅葱。肝の旨味が衝撃的な味わい。
海松貝
極上のサクサク食感。甘味よりか香りが凄い。
鰤
エシャロットから山葵に変えた?戻した?鰤。湯霜して漬けにしてあるので、暴れるような脂のある鰤らしくない落ち着いた感じ。
鰯♡
金色に輝く鰯は魔法がかかっているかのように美味しい。濃厚な脂の後に爽やかな酢が駆け抜けていきます。
加治木
「すし 㐂邑」不動のスペシャリテ。コーヒーのような香り独特の味わいは、唯一無二。
鰹の手捏ね鮨
鰹…鰹だよね?非常に鰹らしくない脂のあり、大きな賽の目に切られているので、モチモチ感も素晴らしい。
玉
まるで半熟カステラのような玉には、実は高級魚が使われてたりします。
筋子(追加)
珍しく追加させていただきました。目の前にあるのだから、コレを食べずに今季を終えたくありません。ルビーのように輝く筋子は見た目も味わいも妖艶で心奪います。
「すし 㐂邑」は、まだ進化するか?と底知れぬ美味を探求する深淵を垣間見たような感じでした。初手のスープが檜の器に変わり、既に完成形と思っていた蟹の塩辛がどうまん蟹になっていたり、そしてシャリの変化。今年の「すし 㐂邑」から目が離せません。
木村親方、お母様。今回もありがとうございました!また食べさせて下さい。35000
2019.11.
時間が作り出す旨味
それは熟成の魔法と労を惜しまない職人の魂
熟成鮨のパイオニアであり、今のなお更なる高みへと登り続けてらっしゃる鮨職人の木村 康司さんの鮨を食べに「すし 㐂邑」へ。私がよく行く日曜日の昼となると、飲食業界の方々が多くて、今回も客の半数が同業者という状況で、さすが食の社交場です。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは、「すし 㐂邑」の白のスープ。今回は5キロの蛤を使っており、飲み終えた後の溜息まで美味しい。
桜海老の海老味噌
桜海老を炒ってから擦って、醤油・味噌などを入れて、何度も何度も裏越しで仕上げたもの。濃い目の味わいを想像していましたが、全くそんなことはなく、お酒などがなくても美味しくいただけます。
北寄貝のリゾット
北寄貝のヒモと貝柱を使ったリゾット。余計な物は加えていないそうで、北寄貝の旨味のみという味わい。実に優しく、じわりと旨味が溢れています。
牡蠣のみぞれ椀♡
お椀の中に入れられた牡蠣はぷっくりとしており、実に素晴らしい。しかしながら、この出汁がそれ以上に素晴らしい。この一杯に牡蠣がどれだけ使っているのだろう。
鯣烏賊の肝ルイベ
コレも先程の桜海老の海老味噌と同じように、素材の旨味のみを味わうようなもので、実に繊細な味わいで香りも楽しめます。
真鱈の白子のすり流し♡
低温で火入れしてから毛細血管まで確りと取り除いて、昆布出しで伸ばしたもの。上にはオーガニックのカンボジア産赤胡椒をかけて、味を引き締めています。冬の「すし 㐂邑」の定番の肴ですが、いつも以上に量が多くて最高です。決して叶わないですが、シャリを入れて食べてみたい。
渡蟹の塩辛♡
客の全員が沈黙する瞬間がやってきました。木村流渡蟹のケジャンです。ふわりとブランデーが香り、山椒のピリリとした刺激が後を引きます。お皿に残ったタレにお酒を入れて飲むと、これがまた美味しい。
海苔巻き♡
まずはシャリのテイスティングを兼ねた海苔巻き。今日も木村さん独特の固めのアルデンテシャリが美味しい。
縞鯵
熟成10日目の縞鯵。固めのシャリとねっとりとした縞鯵の食感のコントラストが映える官能的な味わい。
小鯛
熟成6日目の小鯛。肉厚でありながらも、解けるようにふっとなくなります。
金目鯛♡♡
口に入れた瞬間に感じると旨味、そしてその旨味がぐわんと加速するという2段階に襲ってくる旨味の暴力。
鰤♡
1カ月熟成させた鰤は、食べた瞬間に「何だ、コレ?」と思うくらいに味わったことのないくらいの口溶け。昔はエシャロットを入れていましたが、あっさりとやめてしまったらしい。
秋刀魚♡♡
熟成6日目の秋刀魚。今年は秋刀魚になかなか出逢えない中で、この「すし 㐂邑」で食べられるとは!口溶けは勿論のこと、1番感動したのは秋刀魚の香り。
皮剥♡
ガラスのような美しい身の下には、大きな肝を忍ばせています。この皮剥の肝が強烈な旨味を与えています。
鰹
口に入れると薫香が香り、旨味と薬味の風味が混ざり合う。そして、最後にもこの薫香がふわりと残ります。香りを味わう鰹です。
北寄貝
トロリととろけるワタがダイレクトに舌に当たると、広がるのは北寄貝の甘味。ザクザクとした極上の食感も心地よい。
筋子♡♡
きた!この時期のスペシャリテとも呼べるルビーのように煌めく筋子。舌に絡みつくような極濃厚な旨味の中で、固めのシャリも際立ちます。
鰯♡
金色に輝く鰯もまた「すし㐂邑」のスペシャリテ。決して高級魚ではない種ですが、熟成という魔法と美味しくしようという才能が生み出す至極の一貫となっています。
真梶木♡
コーヒーのような香りを放つ驚異の49日熟成の真梶木は、「すし 㐂邑」の最強のスペシャリテ。昔は鮨種の花形と呼ばれた真梶木は、今のなおこのお店で君臨しています。
蝦蛄♡♡
私が行く前日に行かれた方から「穴子が出たよ」と聞いていたので、期待していましたが出ず。しかしながら、この極太の蝦蛄は嬉しい。蝦蛄の頭で取った出汁で甘く炊かれており、実に素晴らしい味わいです。
玉♡
液体と固体のちょうど境い目のようなトロトロの玉。確か熟成させた高級魚を繋ぎに使っていたような…。
今回も官能的な美味の数々でした。特に肴は初めていただく品が多く、まだまだ通い詰めないと「すし 㐂邑」の真髄には辿り着けないことを実感しました。
肴では調味料を極力使わずに、握りでは煮切り醤油は極少量。熟成という時間の魔法にかけられた素材は旨味や香りを最大限に引き出されており、希薄になっている旬の美味しさがそこにあります。そして、その熟成の土台には職人の閃きの才能とそれを実現する技術、労を惜しまない手間がかけられています。何ものにも変えがたい唯一無二の一貫がここにはあります。
木村さん、お母様。今回もありがとうございました。また宜しくお願いします。34000
2019.8.
本当は自分の誕生月である9月に再訪予定だったのですが、その月は店主の木村 康司さんがスペインに行かれるそうで、あまり日本にいらっしゃらないと聞き、前倒しして8月にやってきた「すし 㐂邑」。ガラスケースには狙っていた種も確りとあり、心の中でガッツポーズをして供されるのを待ちわびます。
本日の献立
蛤スープ
今回のスターターは、7キロの蛤をグッと煮詰めた「すし㐂邑」の白のスープ。
蛤のオイル煮
低温で火入れしてから藁で薫香を付けて、米油に浸したもの。供された瞬間から藁の香りがぶわっとして、香りから美味しい。
海胆蕎麦♡
海胆を裏漉して、鰹と昆布の出汁と合わせたつゆでいただく蕎麦。最初は出汁の味わいがふわりとして、後味で海胆の甘味を感じられます。
鮑リゾット♡
鮑を蒸した際に出る出汁を溜めておいて、生米からリゾットにしたもの。味付けは発酵バターだけだそうで、鮑の旨味がギュッと凝縮していて美味しい。丼で食べれる。
マナガツオ♡
相変わらずフワフワとしたジューシーなマナガツオ。木村さんのマナガツオは、実に美味しい。
渡蟹の塩辛
ブランデーで漬け込んだ渡蟹は七味と山椒のパンチが効いて、身はねっとりと味噌はとろりとしていて美味しい。
ガリ
海苔巻き♡
まずは今日のシャリのテイスティングも兼ねた海苔巻き。今日も実に美味しい♡
墨烏賊
墨烏賊のサクサク感と独特の固めのシャリとのコントラストが素晴らしい。
小鯛
1週間熟成の小鯛。身の柔らかさもありますが、それよりも甘いような香りが凄い。
白川
2週間熟成。繊細な旨味が凝縮することで、明確な旨味に変わっています。
牡丹海老
1週間熟成させた後、3秒の火入れを施した牡丹海老。生のものよりも甘味が映えて、シャリともよく合います。
鯵♡
4日熟成。脂が凝縮した鯵は、口の中で一瞬留まるような感じで旨味が爆発します。
皮剥♡
4日熟成。肝も熟成させているので、ねっとりととろける味わいは極濃厚。ガラスのように透ける身も美しい。
筋子♡
旨味は凝縮しているにもかかわらず、後味はとてもさらりとして心地よく消える筋子。久しぶりにいただきましたが、やはり美味しい。
鰊♡
10日熟成。初の鰊は知っている暴れるような脂ではなく、一点を穿つような旨味。香りも食べ終えても残ります。
中トロ♡
4週間熟成。湯霜にしてから漬けにして、間にエシャロットを忍ばせて握っています。食べた瞬間にグッとくる旨味は、知っている中トロとは別次元。
鰯♡
仕立てが変わったのかな?今日のは金色に輝くのではなく、銀色に光る鰯。それでも鰯の旨味を感じた後、もう一段グッとくる様は変わりません。そして広がるのは、鰯の甘味。
北寄貝
ワタの甘味が際立つ北寄貝。固めのシャリとのコントラストも心地よい。
加治木♡
驚異の59日熟成は、「すし㐂邑」の真骨頂。とろけ方が尋常じゃなく、口からなくなるとコーヒーのような香りが残ります。
穴子♡
久しぶりに食べられた穴子。山椒塩のアクセントで、香り高くホクホクな食感。
鰹の手捏ね鮨
鰹を大きくぶつ切りにして、大葉・茗荷などの薬味と共にシャリと混ぜ合わせたもの。ここでも鰹のモチモチ感と固めのシャリとのコントラストが楽しめます。
玉
卵に混ぜられているのは、2週間熟成させた甘鯛という贅沢な玉。中心部はトロリとしていて、甘みも素晴らしい。きっとシャリにも合います。
密かに狙っていた『筋子』がちゃんと食べることが出来たので、私的には大満足。更にはレアな『鰊』や『穴子』も供されたことはラッキーでした。強いて言うならば、今年も『由良の赤海胆』は食べられなかったのが残念でしたが、夏の「すし 㐂邑」は堪能出来たかと思います。
木村さん、お母様ありがとうございました。スペイン、気をつけて行かれて下さい。また食べさせていただける日を楽しみにしています。27000
2019.6.
「あぁ…」
溜息がこぼれる。幸せの溜息が。
最近は海外イベントなどで月の半分くらいは日本にいらっしゃらないこともある木村 康司さんの「すし 㐂邑」。そろそろ食べたいという「木村ロス」が起こり始めそうな頃に行くことができました。
雷雨から一転して夏の日差しが眩しい中、「すし 㐂邑」の白い暖簾が揺れます。今回は久しぶりにケースの前に座らせていただいたので、供される種を観察。大抵は見れば分かるのですが、不明なものが2つほど。
「…鮪っぽいけど、まさかな…」
今回の献立
蛤スープ
5キロの蛤から作る「すし㐂邑」の白スープ。スターターから心と胃を掴まれる品です。
蛤のオイル漬け
茹でた蛤に藁の薫香をつけてから、米油につけたオイル漬け。口に入れると、薫香がふわりと香り、米油の甘味の後から噛み締める度に蛤の旨味が溢れてきます。
鯨♡
最高級部位の畝須の部位で、12時間糠で焚いてから12時間冷やしたもの。魚には決してない力強い旨味と甘味の素晴らしさを感じられます。
マナガツオ♡
4日ほど干した後に漬け込んでから焼いたマナガツオ。木村さんのマナガツオはいつもフワフワとした食感で、甘味と旨味が駆け抜けます。
海胆蕎麦♡
今年はカッペリーニではなくて、蕎麦。海胆の濃厚な甘味と香りが確りと感じられて、実に美味しい。
渡蟹の塩辛♡
塩漬けにした後、塩を抜いてから山椒などと共にブランデーで3〜4週間漬け込んだ塩辛。鮮烈な山椒の香りが特に印象的で、その美味しさでいつも店内が静まる逸品です。
ガリ
前回の訪問から3ヶ月しか経ってないのですが、ガリが変わってました。最近よく見られる角ガリ。まだ進化しちゃうの?木村さん。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを含めた海苔巻き。コレが素晴らしく美味しい。華やぐ海苔の香りの中で、固めに焚いたシャリの一粒一粒が海苔と混ざり合います。
白烏賊
4日熟成された木村さんの包丁技が見られる種。薄く削ぎ切りにした白烏賊を更に細かく切ってから纏めて握っています。ダイレクトに感じるその甘味と口溶けが素晴らしい。
小鯛
瑞々しい身には駆け抜けるような甘味があり、食べ終えても口の中にはその甘味が残ります。
鯵♡
6日熟成させた鯵。旬の魚なので、他店でもよく出される種ですが、明らかに違います。ガツンとくるのではなく、ゆっくりと甘味のある脂が溶け出して余韻が長く続くような味わい。
牡丹海老
初めて食べた牡丹海老。片側だけ湯霜にしているかのかな?一瞬留まってからとろける様は、知っているそれとは明らかに違います。
間八♡♡
驚異の2カ月熟成。純白のような真っ白な身は、とろけ方が尋常じゃない。固めのシャリとコントラストが最大限に活きていて、実に美味しい。
金目鯛♡
14日熟成させた金目鯛は甘味も素晴らしいですが、特筆すべきはその香り。凄い…。
皮剥♡
種とシャリの間に肝を入れて握っています。皮剥は肝が美味しいですが、木村さんが手掛けると更に雑味のない濃厚さが生まれ、唸る美味しさ。
蒸し鮑♡
最近は肴で供されるお店が殆どですが、木村さんは確りと握ります。鮑に対して平行に削ぎ切りする独特な切り方で、シャリを包むように握っています。鮑は香り。このことがよく分かる夏の握り。
中トロ♡
たまに出しているとは知っていましたが、ついに出逢えた中トロ。熟成期間は20日間だそうで、他店では決して味わえない衝撃の早い旨味。
鰯♡
黄金の鰯は、エロ前鮨の真骨頂。いつもながらに悶絶クラスの美味しさです。
真梶木♡
まるでコーヒーのような味わいと香りのするスペシャリテといっても過言ではない木村さんの真梶木。今もなお、主役の鮨の花形です。
赤海胆♡♡
今回は、佐賀県産のもの。元々、赤海胆は濃厚な味わいですが、木村さんのはその更に上をいきます。雑味や苦味などもなく、ギュッ濃縮した旨味は素晴らしい。
玉
半熟カステラのような玉で、旨味も甘味も濃厚。
今回は長期熟成された種が多く、圧倒するような旨味・甘味・香り・口溶けを存分に堪能することができました。そしてやっと出逢えた中トロや夏の種である鮑や海胆、今日来れたことに感謝しかないです。やはり肴から握りまで、実に個性的且つ独創的なものであり、何よりもとても美味しく私好み。
再訪を考えていた9月はまた木村さんが海外イベントでいらっしゃらないそうなので、8月にまた伺わせていただきたいです。その際はまた宜しくお願いします。27000
2019.3.
予約困難店でありながらも、友達は毎月通っている二子玉川にある「すし㐂邑」。私も先月に行ったばかりですが、最近は店主の木村 康司さんがイベントでいなくなることも多いので、お店にいらっしゃるうちに行っておこうと思って、初の2カ月連続の訪問です。
今や私にとって、この「すし㐂邑」は食と人との社交場になっています。ネットやお店で知り合う方の殆どがこのお店の常連さんで、今回も偶然に素晴らしい方との出逢いがありました。
また同じ時間を過ごす方々も色々なお店に行かれているので、歯に衣着せぬ物言う木村さんとの忌憚なき意見の交換が出来るのも非常に有り難いです。
本日の献立
サメガレイの酒蒸し
聞いたことのない名前の鰈。木村さんも知らなかったそうで、仕入れ業者から頼まれて、仕方なく賄い用に仕入れたみたい。でも皮を剥いでみると脂が素晴らしかったそうで、こうして私たちの前に。
身もさることながら、このエンガワ部分がトロンとして美味しい。イメージ的にはナメタガレイに近いかな?
牡蠣蕎麦
また出逢えた牡蠣蕎麦。存在感のある大ぶりな牡蠣の旨味がたまらない。「そば㐂邑」で営業してもいいくらいのクオリティ。
真鱈の白子リゾット
白子の無垢な甘さを締めているのが、カンボジア産の黒胡椒。木村さんの超アルデンテなシャリがここでも映えます。
渡蟹のケジャン
皆が静まる時間がやってきました。ブランデー香る木村流のケジャン。ご飯と食べても、きっと美味しい!でもそれは叶わない夢。
虎河豚のお椀
今期最後?3匹の虎河豚のエキスを全て絞り出したお椀。このとろみでさえも、虎河豚の皮にあるゼラチン質が溶け出したものだそう。前月もいただきましたが、美味しいものはいつでも食べたい!
握りへ
海苔巻き
まず供されるのが、シャリのテイスティングの海苔巻き。海苔の香りやシャリの食感を楽しめる素晴らしい鮨となっています。
桜鱒
2週間の熟成をかけた桜鱒。最初から凄い!普通だったら、桜鱒の味わいが来て終わるところから更に味わいが加速します。いつもながらに奥行きが凄い。
細魚
薬味の味わいが先行することなく、口の中で広がるモチモチとした細魚という魚の存在感。細魚が美味しい!
金目鯛
2週間の熟成をかけた金目鯛も次元の違う味わい。脂と甘味だけでなく、旨味が二段構えになって押し寄せます。限界突破とはこのことを言うのかと実感できる種。
皮剥
皮剥の醍醐味は、肝。この肝も熟成させる為に毛細血管などを取り除くらしい。何という仕事。魚も輝くわけです。
鯵
口に入れた時の存在感も凄いですが、それ以上に旨味と脂の凝縮が凄い。
北寄貝
ワタの部分が舌に当たるように握っているので、ファーストインパクトでガツンときます。しかしながら、それ以上に北寄貝の肉厚さに驚きます。
縞海老
女性の脚のようなエロ前鮨の1つである縞海老。今回は時化で2本使えないということで1本でしたが、とろける種と固めのシャリのコントラストが1番良く分かるかも。
鰤
脅威の熟成1カ月の鰤に合わせている薬味は、なんとエシャロット。洋食だとよく合わせていますが、鮨に入れているのはココだけですね。良いものは吸収して、自分のものにしている木村さんの飽くなき探究心が完成させた一貫ですね。
鰯
木村さんのスペシャリテの一つで、エロ前鮨の真骨頂、金色に輝く鰯。脂を楽しむのではなく、凝縮した旨味を楽しむ種。
加治木
鮪がシビと呼ばれて厭悪されていた頃、この加治木が鮨種の花形でした。今では握るお店も少なくなっていますが、ここ「すし㐂邑」では不動の地位を確立しています。40日を超える熟成がもたらすのは、妖艶で官能的な味わい。唯一無二の一貫です。
鰹の手捏ね鮨
旨味が凝縮している鰹のモチモチ感と超アルデンテのシャリの食感のコントラスト、茗荷と浅葱の爽やかな刺激で箸が止りません。
玉
小さいながらも、ギュッとした甘さがある玉。
2カ月連続ということで同じような内容でしたが、やはり美味しいものは何度食べても美味しい。特に今回は行ってみたいと思っていた色々なお店の情報交換が出来たので、収穫のある楽しいひと時でした。
木村さん、お母様ありがとうございました。次回は、夏にまた伺います。29000
2019.2.
2019年度の食べ歩き初めは、正月限定で「キムバル」として営業していた二子玉川にある熟成鮨のパイオニアであり、今の味に満足することなく更なる進化を模索している木村 康司さんの「すし 㐂邑」。鮨初めも是非このお店にしようかと思っていたのですが…なかなか予約とタイミングが合わずに2月になってしまいました。
藍色の暖簾が風でなびく中、入店です。ネット予約も始まった為か、客席の半分くらいはご新規という新鮮な客層。木村さんの鮨の味わいが多くの人に伝わることは、とても良いことだと思います。
本日の献立
牡蠣蕎麦
近年はこうして蕎麦を供することが多くなりました。上に盛られた火を通しても、ぷっくりとした大きさの牡蠣は、旨味も確りと残っていて美味しい。
子持ち槍烏賊
プリッと弾けるような身の食感とムチムチとした卵の食感が同時に味わえる旬の味わい。
海鼠子の塩辛
正月の「キムバル」でもいただいたお酒がすすむヤバい肴。ご飯にもきっと合いそう。
真鱈の白子リゾット♡♡
「すし 㐂邑」冬の名物の一つである白子リゾット。昔、某グルメ雑誌に完全なレシピが紹介されていましたが、「素人の誰が作るのよ?こんな作業の料理」と思ったほどに、かなり手間暇がかけられた逸品です。
渡蟹の塩辛♡
ブランデー香る木村流ケジャン。どんなに賑やかな客層でも、コレを食べている間は実に静かになります。
虎河豚のお椀♡
8時間かけて虎河豚3匹分の旨味を全て、このお椀に詰め込んだ逸品。少しとろりとしているのも虎河豚から出たコラーゲンで、味付けは僅かに薄口醤油数滴のみという。実に素晴らしい。
ガリ
詳しくは聞きませんでしたが、鮨の置き皿が変わりましたね。もう手に入らなくなるから買ったそうですが。
シャリの海苔巻き♡
まずはシャリの紹介として供される手巻き。極上の海苔の香りが華やぎ、口に入れればスッと溶けてシャリと混ざり合います。
鰆♡
14日間の熟成。元々、ほわんっとした甘さのある魚ですが、木村さんの手にかかるとその甘さが突き抜ける感じ。ねっとりとした身に、少し硬めのシャリが絶妙なコントラストです。
甘鯛
これも14日熟成。咀嚼していると、徐々に甘さが引き出されていきますが、一噛み目からもう甘さが広がります。
北寄貝♡
ワタの部分を舌に当たるようにして、握っています。このワタが実に甘みがあって、美味しい。身の部分も分厚くて、極上の食感か楽しめます。
皮剥♡
シャリと種の間に、身と同様に4日間の熟成をさせた肝を挟んで握られます。ガラスのような美味しい身に濃厚な肝の味わい、血生臭さなどは微塵もありません。
縞海老♡
女性が足を揃えているかのような艶っぽい縞海老。木村さんの鮨が江戸前ではなく、エロ前と称される種の一つ。舌に絡みつくような極上のねっとり感、素晴らしい。
鯵♡
かなり大きな鯵だったので、縞鯵かと思ったら、特大の鯵。鯵は比較的にさらりとした脂を想像しますが、甘くて余韻の長い別格の脂の味わいです。
鰤♡
シャリと種の間に刻んだエシャロットを忍ばせる、通称・エシャロット鰤。薫香のある鰤に爽やかな辛味と香りのエシャロットが、口の中で華やぎます。
鰯♡♡
赤酢で締めた金色に輝く身に包丁を入れることで、現れる真っ赤な身。エロ前鮨の本領発揮の種です。口の中で蘇るような極上の脂は、鮪をも凌駕します。熟成は脇役と思われがちな魚を主役にさせる魔法のよう。鰯はそのことがよく感じられる種だと思います。
加治木♡
「すし㐂邑」のスペシャリテと言っても過言ではない種。熟成期間は、驚愕の一ヶ月超え。何処と無くコーヒーのような香りもする「すし㐂邑」での花形的存在です。
鰹の手こね鮨
脱水してモチモチ感を増した鰹をたっぷりと使い、薬味で香り高い硬めのシャリとの相性は素晴らしい。
海松貝(追加)♡
今夜は食べていない種で『海松貝』がまだあるとのことで、追加。木村さんの貝類はどれも素晴らしく、極上の食感と貝の甘みが楽しめて大好きです。貝好きならば、必食です。
玉
さりげなく、極上の素材を繋ぎに使っている玉。半熟カステラのような感じです。
「ホントに鮨店なの?」と思わせる肴から始まり、熟成することで奥行きの増した魚の味わいを確りと感じさせる種を極少量の煮切りで味わう鮨は、実に素晴らしい。いつ行ってもハズレなどは一つもない極上の肴と鮨に出逢えるお店です。今年は何回行けるかな?とりあえずは、夏には絶対にまた伺います。
木村さん、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。29000
2018.9.
今年中に今流行りのネット予約システム「OMAKASE」に半分の席を提供する二子玉川の「すし 㐂邑」へ再訪。店主の木村康司さんの作り出す鮨は、熟成。〆たり、漬け込んだりする江戸前鮨を現代の技術で超進化させたもので、魚によっては約2カ月という長期の熟成をかけるものもあります。
本日の献立
蛤スープ
「すし 㐂邑」の白いスープ。蛤のみで作られるスープは、ほっとさせると同時にここへやってきたという気分になります。
鹿児島県阿久根産 赤海胆蕎麦 ♡
赤海胆の濃厚な旨味と甘味を蕎麦に絡めて食べるという贅沢な品。どこの蕎麦店でも、こんな蕎麦はまずないと思います。
真鱈の白子リゾット ♡
上からはカンボジア産の胡椒をかけられたリゾット。白子の無垢な味わいと仄かな甘味が素晴らしい。やはりここのつまみは、どストライクなものが多い。
メヒカリ
箸を入れた瞬間に分かる、このフワフワ感。味わいもメヒカリの味を活かすような感じで、実に美味しい。
渡蟹の塩辛 ♡
ブランデー香る木村さん流のケジャン。店内が一気に静かになる名物と言える料理です。
握りへ
ガリを切り分けて、まず最初に供されるのはシャリのみの海苔巻き。これがすごく美味しい。少し芯のある固めの個性的なシャリと香りや口溶けの良い海苔のマリアージュが素晴らしい。
墨烏賊
凄い肉厚なれど、サクサクとした食感はこの烏賊の醍醐味です。
鰆 ♡
口に入れた途端にとろける鰆。煮切りは極少量なので、鰆の持つふんわりとした甘味を確りと感じられます。
縞鯵 ♡
全体にまわった妖艶な脂と香りが、知ってる縞鯵と次元の違う味わい。見た目もエロいw
北寄貝
甘味が凄い。そして、食べ終えた後の香りが華やぎます。
皮剥 ♡
クリームチーズのようなねっとり感のある肝を味わう1貫。身はレースのドレスのような美しさがあります。
鰤 ♡
シャリとの間にエシャロットを入れることで、その香りと味わいで他店とは一線を画します。
秋刀魚 ♡
滴り落ちるような脂はなく、もっと純度の高い脂がある秋刀魚。鮨種としては、ベストな感じだと思います。
鰹
薫香だけでなく、鰹節のような風味もあり、モチモチ感を超えた先にあるしっとりした鰹。
筋子 ♡
芯のあるシャリとトロトロな筋子のコントラストが口の中で絶妙にマッチする一貫。今の時期、いくらを供するお店が多いですが、この筋子を超えるものは出逢えてないです。
鰯 ♡
赤酢で〆ることで、金色に輝く鰯に。また皮も残しているので、美しい鰯の模様から赤い身が映えることでエロさ全開の1貫となっています。
真梶木 ♡
脅威の55日熟成。コーヒーのような独特の風味がする種で、口の中を支配するようなねっとり感は素晴らしい。かつては鮨種の花形と言われた魚ですが、この「すし 㐂邑」では今でも花形です。
玉
しれっと高級な魚を使っている玉。半熟カステラのような感じです。
今回もつまみ・握り共に素晴らしいの一言。熟成した魚は、本来持つ旨味や香りが格段に跳ね上がって、他店では味わえないような妖艶さを醸し出して、まるで魔法をかけられたように別物となります。この熟成という魔法は食べた人の心をも掴む魔法のようで、その場にいる全ての人を魅了してやみません。そして、つまみは完全に鮨店ではなく、日によってはバケットやパスタなども供されることもあり、全てにおいてオリジナリティを感じさせる大好きな鮨店です。
木村親方、お母様ありがとうございます。また宜しくお願いします。26000
2018.7.
4月の訪問時から、初夏に来ようと思っていた二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪。学者肌の親方・木村康司さんの熟成という魔法をかけられた旬の魚は、他店と一線を画す味わいがあります。風に揺れる白い暖簾を潜り、今夜も約束された絶品の鮨をいただきましょう。
本日の献立
蛤のスープ
「すし 㐂邑」の白のスープ。何も加えていない蛤100%スープは、一口毎に身体へと染み渡るよう。
鮑のリゾット ♡
口に近づけると鮑の香りが華やぎ、芯を一本残したかのようなシャリを濃厚な肝ソースが包み込みます。美味しい♡
海胆のカッペリーニ ♡♡
某イタリアンシェフ監修で完成したという「すし 㐂邑」この夏の新作。確認しておきますが、ここは鮨店です。四万十川の青海苔と海胆で作ったカッペリーニは舌に絡みつく濃厚さがありながらも、後味はすっきりとした感じ。
焼き穴子
旬の穴子は焼き物に。腹と尻尾の部位を食べ比べ。噛み締める度に溢れる脂は、やはり旬の力強さを感じます。
鮨店のスープ・ド・ポワソン ♡
残った内臓や骨などを使った「すし 㐂邑」の赤のスープ。傾けてもなかなか落ちてこないようなとろみは、前日のシャリだと言う。しかも、バケットまで出されます。ますます鮨店とはかけ離れていくw
渡り蟹の塩辛 ♡
日本では蟹を生で食べることが少ないという発想で生まれたブランデー香る「すし㐂邑」流のケジャン。誰もが黙って蟹にしゃぶりつくので、店内は静かです。
ガリ
白烏賊
細かく切られているので、口に入れると甘さが広がって溶けていきます。
甘鯛
僅かに残る歯応えと驚くほどの甘みが最初に伝わります。これが甘鯛と言える所以なのかな。
鶏魚 ♡
これは最初に芳醇な香りが鼻を抜けて、甘みが広がっていきます。
黒鯥 ♡
鶏魚よりも後味として濃厚な甘さが名残惜しむように伝わります。
金目鯛 ♡
ダイレクトに伝わる濃厚な脂のアタック、そして最後にふわりと香りが残ります。
〆鯖 ♡♡
今まで食べてきた〆鯖とは、異次元のもの。生の脂よりも濃厚であることは勿論ですが、洗練されて研ぎ澄まされているかのよう。
間八 ♡♡
ねっとりと舌に絡みつくような身が、芯を残したシャリと絶妙なマリアージュを奏でます。
鰹
口に入れた瞬間に薫香が広がり、エシャロットの薬味が食感と風味を与えています。
鮑 ♡
鮑というと味は勿論ですが、プリプリとした柔らかさを楽しむことが多い中で、これは断然に香り。シャリを包むように握られていて、ぶわりと香りが広がります。
鰯 ♡♡
皮目は金色に輝き、包丁の切れ目からは真紅の身が現れていて、何てエロい鮨なんでしょうw他店よりも一段上の凝縮された脂は、素晴らしい。
真旗木 ♡
木村さんの熟成の真骨頂であり、スペシャリテでもある真旗木。熟成期間は驚異の1カ月以上で、コーヒーのような風味もあります。真旗木は、鮪を食べなかった時代では鮨の花形だったらしい。ここ「すし 㐂邑」では今もなお、鮨の花形です。
穴子 ♡
甘く焚くのではなく、焼かれた穴子。これも香りが凄い。舌にまとわりつくような穴子は何度も食べたことがありますが、香りを楽しめる穴子は初めてかも。
玉
実はかなり高級な白身を練りこんでいる玉。確りとした甘さがあります。
つまみは鮨店なのか?と疑問が残るほどですが、実に面白く何より美味しい。特に今回は新作という『海胆のカッペリーニ』の完成度が高すぎて驚きました。濃厚なだけだと食べ飽きますが、これならばいくらでも食べれます。
最初に出される食べ比べとも言える白身の握りは、非常に面白い。熟成期間にもよるのでしょうが、香りや甘さの感じるタイミングやその深さがそれぞれ違っていて、旬の魚の魅力を感じました。残念だったのは、貝や小魚が少なかったことかな。由良産の赤海胆もちょっと期待していたので、夏の間にもう一度来たい。
木村親方、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.4.
最後に訪れてから季節は巡り、はやいもので1年が過ぎました。二子玉川にある熟成鮨のパイオニアである木村康司さんのお店「すし㐂邑」。ずっと完全に予約は受動的だったのですが、そろそろ食べたいなと思って、積極的に動いてみました。結果、1週間も経たないうちに再訪が決まってしまいました。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは「すし㐂邑」の白のスープ。蛤から出る出汁のみですが、いつもながらに美味しい。大きなお椀で飲みたい味わい。
牡蠣バター
「すし㐂邑」らしい小さな小皿で出される料理。牡蠣の旨味とバターのコクが一体となった素晴らしいアテです。売っていたならば、間違えなく買う!
海胆蕎麦
初の海胆蕎麦。口当たりは確りと蕎麦、後味は濃厚な海胆の味。鮨店で全員が蕎麦を啜る音が響く…なかなかシュール。
貝と山菜のぬた ♡
貝は青柳・平貝・海松貝、山菜はウド・菜の花。春を感じる一皿で、それぞれの貝の香りや甘みと山菜の食感が楽しめます。
マナガツオの焼物 ♡
箸を入れるだけで、分かる。このフワフワ感。マナガツオって、こんなにジューシーでフワフワした食感だったけ?と思うほど。大根おろしも食感が異なる2種かけられていて、面白い。
虎河豚のお椀 ♡
出汁だけの為に虎河豚を使い、沸騰させずに8時間。その後、薄口醤油を一滴。特大の白子はそのままだったり、出汁に溶かしてもいい。兎に角、この出汁が美味しい。
ガリ
海苔巻き
まずはシャリの味を確かめるかのように、海苔巻きを供されます。これが実に美味しい。
鶏魚
ふわりと香る甘い鶏魚の香り。口の中で広がる豊潤な甘さが熟成の魔法。
桜鱒
20日熟成の桜鱒。身はとろけて、固めのシャリと混ざり合う素晴らしいマリアージュ。
甘鯛
味わいがとても濃い。繊細な甘さがある甘鯛ですが、これは甘鯛が甘鯛たる味わい。
鳥貝
今年初の鳥貝。肉厚で、特にワタが甘くて美味しい。
縞海老
エロティックな縞海老。どこかコーヒーのような深みがあり、固めのシャリと絶妙に合います。
鯵 ♡
銀色の中なら現れるピンク色の身。なんとも妖艶な見た目。そして、味わいもまた妖艶。
皮剥
大きな肝を挟んで握られる皮剥。肝の濃厚さが際立ち、身の甘さも感じられます。
鰤 ♡
中に忍ばせたエシャロットが絶妙な辛味と風味が、この鰤を輝かせます。
海胆 ♡
天草の漁師さん直送のもの。木箱に入っている綺麗な感じではありませんが、こんなトロトロで香り高い海胆は食べたことがない。
メジマグロ ♡
これはヤバい!口に入れると、ふわりと薫香が広がり、尋常ではないとろけ方がシャリと絡みます。とろけ方は、極上の鮪よりも上かも。
鰯
金色を帯びた身、光り物はなんてエロティックなのだろう。口当たりは酢の味わい、そして鰯の脂が広がっていきます。
真旗魚 ♡
脅威の55日熟成。「すし㐂邑」のスペシャリテとも言えるこの種。ねっとりとする身は、どこかコーヒーのような香りがあり、舌に絡みつきます。
鰹の手捏ね寿司
鰹は味わいと風味が違う2種の部位を使い、シャリには茗荷・紫蘇・胡麻などで香り高く、より一層シャリのパラパラとした食感が分かります。
玉
ほんのりと甘く、静かに今日の幕が閉じてゆく感じです。
久々の「すし㐂邑」。つまみは変化球に富み、握りは旬を大切にしながらも唯一無二の味わいの種が並びます。どの種も香りととろけ方が異常とも言えるほどで、そこに固めのシャリが混ざり合う味わいは、外れがなくどれも唸ります。特に真旗魚などの長期熟成にも耐えうる大きな魚の味わいは、他店では絶対に味わえないもので、美味しいを通り越して「凄い」という言葉がしっくりとくると思います。特に今回は『鰤』『海胆』『メジマグロ』が凄かった!出逢えたならば、ラッキーと思った方がいいかも。先週までは『鰊』があったそうで、食べられなかったのが惜しまれる。
次回は真夏くらいに、熟成という魔法にかけられた鮨を味わいに再訪したいです。
今回もご馳走さまでした。
2017.3.
急なお誘いを泣く泣くお断りすること2回。そろそろか?そろそろか?とソワソワしながら待つこと数ヶ月。「すし 㐂邑」から初春の嬉しいお電話をいただき、スキップしながらやってきました。
熟成鮨の先駆者でありながらも、他の追従を許さないその熟成の仕方は、まさに変態(笑)行ってみたいと思われている同業者の方も多いそうで、他店で行ってるというと驚かれることもチラホラ。そんなお店から季節毎にお誘いしていただけることは、幸せです。
本日の献立
蛤のスープ
ただ優しい味わい。「すし 㐂邑」の白のスープ。
鮟肝バター♡
鮟肝を蒸して、藁で薫香をつけて、裏漉しして、発酵バターを加えたもの。このバター、常備しておきたいっ!
子持ち槍烏賊
身は柔らかく、子はモチモチプリプリしていて、美味しい。
このこ蕎麦♡
海鼠の卵巣を干したこのこを、なんと蕎麦と和えたもの。少量ですが、最高に美味しい。
太刀魚の焼物
鮨店でよく出される焼物ですが、大根おろしが違います。上にはしっかりとおろした大根ですが、下に細かく刻んだものが忍ばせており、食感も楽しめます。
牡蠣飯♡♡
松島から直送の牡蠣は、ただ蒸しただけ。牡蠣90個を叩いて、スープを作り、濾したもので炊いたご飯を添えて。香りも素晴らしく、味は絶品と言う以外にありません。
虎河豚スープ♡♡♡
虎河豚3匹の身と骨を叩いて、スープにして濾した後に、皮を加えるととろみがつくらしい。そこに焼いた白子を加えたもの。味付けは、塩のみ。まさに虎河豚を食べてる感じになるスープ。
ここから握り
海苔巻き
まずは極上の海苔と固めのシャリとのハーモニーを味わいます。海苔巻きで、歓声が上がるのは、ここだけでしょうね。
白烏賊♡
木村親方の白烏賊を削ぎ切りにする技術を見た後に握られます。削ぎ切りにすることで生まれる食感、でも一番の意図は烏賊の甘さを引き出すこと。口に入れると、瞬間にとろけるというかなくなる(笑)そして、極上の甘さが広がります。
鰆♡♡♡
砂ずりの部分は種とシャリの間に入れて、握られます。ここまでとろける鰆があるのだろうか、ここ「すし 㐂邑」にはあります。
小鯛
春子ではなく、小鯛。というものは、熟成させて身を削るので春子だと身がなくなってしまうだからだそう。昆布〆ですが、ほんのりと脱水程度。
鳥貝
仕入れて直ぐに使うことはないという貝は、独特の臭みを取り、本来の良さを残しています。
鯵♡♡
凄い大きさ。口に入れると、熟成4日目の鯵が溢れます。ジワリと旨さが押し寄せ、一気に畳み掛けられます。
金目鯛♡♡
後味の余韻が長く、脂は唇に張り付くよう。噛みしめる度に広がる甘さも秀逸。
北寄貝
かなりの肉厚。噛みしめると、北寄貝の甘さが広がります。剥きたてでは味わえない甘さです。
鰹の手捏ね鮨
ここまで味が濃縮した鰹は、他店では味わえない。
皮剥♡♡
身だけでなく、肝も熟成させているという皮剥。旬は夏と思われがちですが、産地を変えれば長い期間扱えるそうです。現地まで行って、そこの漁師さんとのコミュニケーションがなせる技ですね。
メジマグロ♡♡
塩で脱水して、塩抜き後に削って藁で薫香を付けてます。その薫香も素晴らしく、味が濃縮して美味しい。
海松貝♡
凄い肉厚。海松貝は貝自体は大きいですが、使えるとこはほんのちょっとなので、ここまでのは中々出逢えないかも。
加治木♡♡
独特のコーヒーのような香りのする加治木。ねっとりと口の中で暴れ、溶けていきます。二カ月弱の熟成は、驚異的。9キロ近くのものを1キロくらいまで削るという、まさに変態の鮨です(笑)
海胆♡
珍しい「すし 㐂邑」での握りの海胆。固めのシャリに絡む海胆の濃厚な甘さがいい。そのまま仕入れて、殻剥きした後に和紙で包み、塩で脱水したものを握っています。
親魚(ふるせ)
私の前にあったので、気になって「アレ、何?」と聞いたら出してくれました。小女子の親だそう。酢、生姜、醤油などで8時間ゆっくりと炊いたもの。柔らかく、お酒のアテにぴったり。
親方とお母様、今回もお誘いをありがとうございます。久しぶりにいただきましたが、魚はその脂を身全体に染み込ませるような熟成と貝は臭みを取り、本来の良さだけを残すようにする親方の技術には脱帽です。鮪を使わない理由は、「自分で見て触って選べないし、鮪を褒められても自分が褒められてる訳ではないので、嫌だ」とユーモアたっぷりの親方らしい返答でした。
次回はいつなのか分かりませんが、出来れば夏の『由良産 赤海胆』をまた食べたいです。
今回もご馳走様ー!
2016.8.
土曜日の22時。突然、鳴る電話。着信画面を見ると、「すし 㐂邑」。やっと食べられると思い、電話に出ると
「nao.さん?明日の夜、如何ですか?」
「え?あ、明日ですか?」
さすがにちょっと用事もあり、一旦は泣く泣くお断りをしたのですが、2分後もう一度電話。
「やっぱり行きます!」
という具合で、諦めかけていた夏の「すし 㐂邑」を味わいにやってきました。実は夜は初になります。といっても、前回からメニューを一新されて、摘みと握りの夜の献立だけになったので、昼でも夜でも私としてはどちらでもいいわけです。
白い暖簾をくぐり、親方とお母様に今夜のお礼を言って、スタートです。
実食
蛤のスープ
最初に供される「すし 㐂邑」の白のスープ。味付けはおそらくなし、濃厚でありながら優しい味わい。
蛤のオイル漬け
蛤を藁で炙って、米油でオイル漬けにしたもの。薫香と噛み締める度に、蛤の旨味が半端ない。
ミンククジラ ケジャン乗せ ♡♡
なんだろう?このプルプルな身質、そして濃厚であっさりとした脂。ケジャンの辛さが素晴らしいアクセント。ここが鮨店であることを忘れます。
渡り蟹と猿海老のペースト ♡
味付けは塩のみ。渡り蟹と猿海老を蒸して、殻ごとすり潰して裏ごししたもの。渡り蟹と海老の風味が凝縮されていて、食べた瞬間に鼻に抜けます。パンにつけたら、サイコー。
真名鰹の焼物 ♡
ここまでジューシーな真名鰹は、あまりお目にかかれない。ご飯を、ご飯を下さい!
鮑のリゾット ♡♡♡
悶絶クラスの美味しさ。鮑の全てがこの小さな器に凝縮されていて、身もたっぷり入っています。これだけでも、ここに来る理由があります。
鮨店のスープ・ド・ポワソン
「すし 㐂邑」の赤のスープ。残った魚を全て、骨や鱗までも使ったスープ。濃厚なとろみは、酢飯。味付けもこの酢飯だけだそうで、残り物とは思えないほどの美味さです。
ここまでは日本酒をいただきました。お任せで、『会津中将』→『悦凱陣』という流れ。さて、第2幕の握りスタート。
海苔巻き
真鯛
白川
春子
秋刀魚 ♡♡
6日の熟成だそうで、脂と旨味が段違いです。
北寄貝
金目鯛 ♡
筋子 ♡♡♡
熟成の筋子。見た目は煌めく、宝石のよう。クセや生臭などは微塵もなくて、美味さだけが凝縮した感じ。「すし 㐂邑」でしか食べれないスペシャリテと言っても過言ではないと思います。
鮑 ♡
赤海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
今年も出逢えた幻といってもいい淡路島由良産の赤海胆の大粒。この時期には毎年入荷するそうで、由良の漁師さんとの強い繋がりを感じました。
鰤 ♡♡
クセのある鰤が濃厚な脂だけを残して、熟成したもの。今が走りだそうで、年内には終わってしまう種。
鰯 ♡♡
今は何処の鮨店でも食べられるであろう鰯。6日の熟成と6時間の酢締めによって、他店では味わえないほどの鰯になっています。
梶木
穴子
玉
追加は基本的に食べていない種なのですが、今夜あったのは『縞鰺』と『ほうぼう』。でも親方はどちらのオススメしてないようなので、今年最後であろう『赤海胆 淡路島由良産』をおかわり。色々な産地の海胆は食べていますが、私的にはこの海胆が好き。濃厚さの中に、柑橘系の果物のような爽やかさがあります。親方が個人的に由良の漁師さんと取引しているそうなので、夏にここへ来ることが出来たら食べられるわけですね。
今夜も最高でした。親方とお母様、ありがとうございます。また、お電話をお待ちしています♡
2016.5.
来店時に次回の予約をしていたのですか、予約システムが変わり、次回の予約日が分からないまま過ぎること3か月。初夏の「すし 㐂邑」を楽しめる日がやってきました。
いつもは『握りコース』というランチのみで提供しているのを食べていたのですが、昼も夜と同じ『おまかせコース』のみを提供するようになったそうで、今回が初になります。
本日の献立
『蛤の出汁』
本当にそのまま。ただ濃厚という点を除いては。
『河豚の白子』 ♡
口当たりは濃厚、でも後味はどこか爽やか。ちょっと温いので、甘さも余計に感じます。
『真魚鰹』 ♡
幽庵焼きや西京焼きなどは食べ慣れてますが、味付けは極々薄味のもの。脂ものっていて、ジューシー。
『鮑のリゾット』 ♡♡♡
コレがずっと食べたかった!生臭さなど微塵もなく、濃厚な肝ソースと柔らかな鮑の身、固めに炊かれたシャリとが絶妙。
『鮨店のスープ・ド・ポアソン』 ♡
残ったアラ・頭・内臓・鱗も一緒にスープしたもの。すごくトロリとしているのだけど、これは残ったシャリを入れているからだそう。美味しいしか言葉がない。
『渡り蟹の塩辛』
なんと、ブランデーが隠し味。お酒が進んでしまいますねー。「すし 㐂邑」流のケジャンです。
握りスタート
『白烏賊 5日』
薄く薄く切り、さらにそれを素麺のように切り、纏めて握っています。口に入れた瞬間になくなるっ!そして、口には甘さだけが広がっていきます。
『真子鰈 7日』
まだ食感は残っていて、甘さに深みがあります。真子鰈は他店でもこれからよく食べますが、この深みは味わえません。
『鶏魚 14日弱』
魚はこんなにも甘いものなのか?そんなことを感じながら、味わいます。
『縞鰺 7日以上』
身は柔らかで、甘さも秀逸。脂は強いわけでもなく、程よい。美味しい。
『小鯛 昆布〆』
皮まで凄く柔らかい。昆布〆ですが、ほんのりと纏っている程度で、小鯛自身の味をちゃんと味わえます。
『金目鯛 21日』 ♡
甘さは秀逸。脂も口の中で、どんどん溶けていく感じです。美味しい。
『鰺 4日』 ♡♡
かなり身は厚く、なんとも食べ応えがあります。小さな魚は熟成した後に身を削れないので、熟成期間は短いそう。さすがに旬のものは、美味しい。
『海胆 食べ比べ』 ♡♡♡
時計周りで、『長崎 平戸産』『長崎 壱岐対馬産』『長崎 五島列島産』『福井 小浜産』『青森 陸奥産』。
産地によって、これほどに味わいが違うのかを再確認できます。濃厚であったり、後味に磯の香りがあったり、爽やかであったりとしますが、やはり餌の昆布の味わいはちゃんとするのですね。個人的には爽やかな甘さがした『長崎 平戸産』のが好きかな。夏の「すし 㐂邑」は、『海胆』も食べ比べできる時があり、楽しいです。
『鮑』 ♡
山葵も煮切りもつけない「すし 㐂邑」流の鮑。シャリを覆うように大きく切りつけているので、薄くても十分な味わいがあります。
『真旗魚 30日』 ♡♡
かなりねっとりとした口当たりで、口の温度で目覚める脂。どこかコーヒーみたいな味わいがする不思議な感じ。
『鰹の手こね寿司』
10日ほど寝かせているという鰹はモチモチとしていて、食感も楽しい。鮨として握るよりも、この方が鰹がちゃんと味わえるのだそう。
『玉』
海老などを入れている鮨店は多いですが、「すし 㐂邑」ではなんと白身(甘鯛)を使っているそうです。小さいながらも、甘さが濃い。
『鰺 〆』
「食べてないの、食べる?」と親方に聞かれて、追加。珍しい〆た鰺。かなり寝かせてる感じですが、身は柔らかで美味しい。
久しぶりの「すし 㐂邑」は、やはり美味しい。このお店のコンセプトが「熟成」ということで、旬のものもちゃんと熟成されています。「旬なのだから、生でいいのでは?」と思うかもしれないですが、それでは仕事を施す他店と何ら変わらないし、「すし 㐂邑」らしくない。甘味や旨味が増す熟成ですが、主に白身がメインなのでどうしても同じような味わいになるかもしれないです。しかし、他店でこの白身の味には、まず出会えない唯一無二の味。木村親方が目指す「干物のような鮨」がここにあります。
2016.2.
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさにこの心情を私にくれるお店が二子玉川にある「鮨 㐂邑」です。今回は、去年の11月の訪問から3カ月という期間を空けての再訪となりました。今回で4回目ということもあって、既に名前やあまりお酒を飲まないことも覚えて頂き、更に席まで決まってきました。実に有難いことです。
今回も『握りコース』で、楽しむことにしましょう。
今回の献立
海苔巻き
握りのスタートは、まずここから。パリッとした海苔と固めに炊かれたシャリのマリアージュを楽しみます。海苔は香りもよく、一粒一粒がわかるようなシャリとよく合います。
鰆
ほんのりと桜色で、色っぽさがあります。3週間熟成だそうで、とろける脂の中でほのかな甘みを感じます。
白川(白甘鯛)
2週間熟成。白身の中でも、特に珍重される高級魚です。比較的にさっぱりと食べられる白身ですが、ここでは違います。鮪をカルビとするならば、さしづめロースといった感じでしょうか。
甘鯛
まさかの食べ比べ。白川に比べて、水分が多い甘鯛ですが、程よく脱水されて繊細な脂を感じます。
細魚
鳥貝
小鯛昆布締め
金目鯛 ♡♡♡
元々脂がありすぎるので、あまり鮨タネとしては見かけない魚です。その脂をコントロールして、味わうのだから不味いわけがない。
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、肝と浅葱を挟んで握られています。皮剥といえば、肝が欠かせないわけで、独特の生臭もなくて美味しい。
水松貝 ♡
貝はフレッシュ。コリコリサクサクとした食感を楽しんだ後、鼻から磯の香りが抜けていきます。
鰹
スモークをしていることで、薫香も楽しめます。
小鰭
1週間熟成。かなりしっかりと締められていますが、酢はさほど感じません。
間八 ♡♡♡
40日熟成。過去に悶絶級の美味しさだったタネにまた出会えました。脂をたたえながら、とろける味わいは他店では食べれません。
真旗魚 ♡
昔は鮪よりも食べられていたタネで、桜が咲くまで美味しく食べられるのだそう。ヅケにして、更に熟成しているようで、口の中でとろけます。
穴子
玉
追加
墨烏賊
未食だったのが、このタネ。サクサクとした墨烏賊と固めのシャリの食感のコントラストを楽しめます。今回も全タネ制覇です。
久々に食べて思う。
「やはり白身と青魚に関しては、群を抜いている」と。
予約システムが変わったようで、次の予約日はまだ未定。でもお電話を下さるとのことなので、また親方の鮨に逢えることを信じています。
2015.10.
予約困難と言われるお店に、何の伝も面識もなく、通うことができる。これは食べ歩きをしている者にとって、何と幸せなことでしょうか。その喜びを実感しに、二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪です。
藍色の暖簾をくぐり、店主の木村さんとフランクな挨拶を交わし、女将さんからは名前で呼ばれるようになりました。嬉しいかぎりです。
ランチでも夜のコース料理を食べることができますが、さほどお酒も飲みたくないので、今回も握りです。余談ですが、隣の方に『鮑の肝リゾット』が出された時は、「コースにしとけば…」と思いましたけど。
実食
海苔巻き
いつものお決まり。少し固めのシャリとパリパリの海苔の食感と香りを楽しめます。
鰆 14日熟成
実は秋冬が美味しいらしい。
真鯛 10日熟成
鶏魚
小鯛昆布〆
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、たっぷりと肝を挟んで握っています。
北寄貝
鱚
秋刀魚
金目鯛
鰹 ♡♡♡
口に入れると、薫香が鼻を抜けます。そしてシャリと共に蕩ける。実に美味しい。
鰤 ♡
筋子 ♡♡
舌にいつまでも絡みつく濃厚さ。
鮑
蝦蛄 ♡♡♡
茹でたて。甘さと独特な香ばしさがあり、格別に美味しい。
真梶木
穴子
玉
今回も全制覇。実に、至福とも呼べる時間でした。勿論、仕入れ状況もあるでしょうが、『蝦蛄』は是非もう一度食べたい美味しさ。さすがに数が少ないのでしょう、おかわりは叶いませんでしたが。
次回の予約日は、なんと2月!行けるだけいいけど、だんだん予約が取れなくなってきてますね。まあ、年の初めと終わりということもあるでしょうが。
とても早いですが、親方と女将さん、来年も宜しくお願い致します。
2015.9.
二子玉川にある熟成鮨の名店「㐂邑」に再訪。今回もランチで、『握りコース』を味わいます。
本日の献立
海苔巻き
まずは、お決まりのコレから。パリッとした食感の香りのいい海苔に、少し固めに焚かれたシャリとのマリアージュを楽しみます。
墨烏賊
真鯛
白川(白甘鯛)
小鯛 昆布〆
秋刀魚 ♡
ゆっくりじっくりと脂が出てきます。次元の違う秋刀魚です。
北寄貝
鮍 ♡
タネとシャリの間に肝を挟んで、握っています。美味しすぎです。
〆鯖 ♡♡
〆られているとは思えないほどに、艶っぽさがあり、脂も凄い。
鯵
鰹
口に入れると、薫香が鼻を抜け、旨味が広がります。
筋子 ♡♡
名物とも言える熟成の筋子。ねっとりととろけながら、まるで卵かけ御飯を食べているかのような濃厚さを味わえます。
海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
珍しい淡路島の由良産の海胆。海胆なのに、フルーティな味わいがします。
鰤 ♡
軽く燻られています。閉じ込められた旨味と脂が一気に弾けます。
鰯 ♡♡♡
大トロに匹敵するほどの濃厚な脂。美味しすぎ!
鮑 ♡
中心部分で、シャリが見えないほどの大きさ。磯の香りが感じられます。
鰉づけ
穴子
玉子
縞鯵
追加したのは、本日未食の『縞鯵』となかなか食べれない『由良産 海胆』。今回も13100円と、素晴らしいCPとそれを遥かに上回る怒涛の感動。白身と青魚では、このお店を超える所はあまりないのでは?と思います。
次回の予約も無事に取れたので、一片の悔いなしです。
2015.7.
どの時代、どの業界にも、異才を世に放つ人物がいる。その強過ぎる個性は、人を選ぶのかもしれない。今回、訪れたのはそんな雰囲気を漂わせる鮨店です。
二子玉川駅。
初めて降りる駅ですが、駅前に高島屋やライズなどがあり、かなりオシャレな雰囲気で、賑わっています。そんな場所と真反対側には、どこか懐かしいような商店と住宅街が広がっていて、そんな中に白い暖簾を翻している鮨店「すし㐂邑」に初訪問。ミシュラン**に輝く名店であり、かなりの予約困難店ではありますが、1人ということで何とか予約できたわけです。この鮨店の特徴といえば、何と言っても店主木村康司さんが創り出す「熟成」です。それも熟成しやすい鮪で勝負するのでなく、他店ではあまり見られない白身などの熟成をいただけるそうで、未知の領域で楽しみ。
灼熱の当日。
お店には開店前でしたが、暖簾が下がっており、名前を告げると中に入れていただけました。逆L字のカウンターに6席設けてあり、広々としていて、余計な物が一切ない印象的な凜とした店内です。水曜日と日曜日のみランチ営業をしており、『お任せ握り』とつまみと握りの『お任せコース』があり、私は『お任せ握り』を事前にお願いしていました。
12時になり、お客さんも揃ったところでスタートです。
実食
・海苔巻き
握りが始まると、まず東松島産の『皇室献上の浜』という海苔で巻いた海苔巻きを手渡されます。少し固めに炊かれたシャリは、一粒一粒を確認できるかのような食感の中、赤酢を感じる個性的な味わい。
・真鯛
「鯛って、こんなに甘いの?」って思うほどに、甘みが凝縮してます。
・白烏賊♡
入店した時から仕込んでいました。10日寝かせたという白烏賊を薄く薄く切り、黄身醤油をかけて供されます。口に入れるとすぐに溶けちゃう。烏賊の甘みと黄身の濃厚さがいいです。
・白甘鯛♡
14日寝かせたものだそうです。白甘鯛って、確か他の甘鯛と違ってかなりの高級魚だったと記憶してます。ねっとりと甘く、旨味が凝縮して、素晴らしいです。
・春子昆布〆
7日寝かせた小鯛。昆布の味と春子が持つ甘さが濃厚。
・鯵
4日寝かせるそうで、色気すら感じます。脂はありますが、あっさりとして、美味しい。
・金目鯛
これは14日熟成。ここまできたら、熟成期間は驚きませんね(笑)脂は濃厚で、後味に独特の余韻が残り、美味しい。
・北寄貝
さすがに貝類はしないようで、昨日だそうです。裏返して握っているので、肉厚の歯応えが違います。
・鰯♡
キレがあり、まるでジュースのような脂のりです。
・赤雲丹♡♡
食べ比べ。上が鹿児島産で、下が長崎産だそうです。産地が違えば、エサも違うということで、同じ赤雲丹ですが、風味と甘みが違いますね。この違いを言葉に出せない文才の無さに怒りさえ覚えます。
・鰹
噛むたびに藁の薫香が鼻を抜け、爽やかな脂が広がっていきます。
・縞鯵
名物の筋子の代わりに。濃厚な脂乗りです。
・蒸し鮑
身全体を食べられるように、薄くスライスして、山葵や煮切りなどをつけずに、そのままでシャリを包み込むようにして供されます。美味しい。
・鯵酢〆
見た目は生っぽいですが、しっかりと〆られていて、食感はしっとりとしています。
・穴子
ホクホクの食感です。ツメはさほど主張せずに、穴子を楽しめる感じ。
・玉子
・間八♡♡♡
追加注文で。他に食べてないネタありますか?と聞くと、数点あったのですが、「じゃあ、間八で」と言うと、木村さんがニヤリとして、「ギリギリだよ?」と言いながら出してくれました。
なんと、1カ月熟成させてるそうです!10キロの間八で、使えるのは3キロほどだという職人泣かせの食材だそう。目の前で1/3くらいは切り捨ててましたし、贅沢ですね。余分な脂と水分は抜け、旨味が凝縮していて、次元の違う間八です。
熟成のコツは?と聞くと、水分と温度管理とのこと。塩を振り、水分を抜いて、毎日余分な水分を取り、トリミングするというとても手間のかかる贅沢な方法で、仕上げているそうです。鮨といえば、やはり銀座というイメージの中で、この二子玉川にお客を呼ぶ。その為に辿り着いた方法が、この個性的な「熟成」だったというわけですね。鮨の花形と言われる鮪をあえて使わず、白身魚や青魚の熟成で勝負した親方の研究心と努力には、頭が下がります。
そして、会計にも驚きが。これで、11700円。ありえない良いCPです。
個性的なシャリに、独創的な白身魚や青魚がメインなので、「鮨は、鮪有りき」と思ってる方には向かないかもしれないです。でも私は「理想の熟成は、干物なんです」と仰った親方の笑顔に逢いに、またこの暖簾をくぐります。
4位
26回
2023/10訪問 2023/12/16
2023.10.
目黒にある「鳥しき」のめっきり予約が取れなくなってしまったので、店主・池川 義輝さんに忘れてられてしまわないように『焼鳥弁当』をテイクアウト。
若手が営む「鳥かど」をはじめ、鳥しきイズムを継承するお店は増えましたが、私は焼鳥の味は勿論ですが、池川さんに会いたいのです。
たまには店内で食べたいです。
2023.4.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
鶏の7種類の部位を八丁味噌ベースで煮込んだものを池川さんが焼いたバケットでいただく現在の「鳥しき」のスターター。濃く甘い味わいがバケットとよく合います。
血肝♡
今夜は珍しく血肝から。プリッとした食感の後に弾けるような旨味の力強さ。やはり美味しい。
かしわ♡♡
口に近づけると、ふわりとする炭の香り。鶏の旨味が溢れるひと串は至高の味わい。
白玉
表面は確りと焼かれて、中心の白身はプリプリとし、黄身はクリームのよう。3段階の食感が楽しめます。
かっぱ♡
軟骨とその周りの肉も串打ちしているので、非常に肉々しい。黒胡椒の刺激と小気味良い軟骨の食感がたまりません。
鶏白湯♡
食中で供されるスープ。個人的にはこのスープの方が好きです。
背肝♡♡
内臓の甘味を引き出す塩加減、纏う炭の良い香り、溢れる肉の旨味。最高のひと串。
波♡
表面にはジュクジュクと躍動する脂が踊り、口に入れると表面のカリカリ感と中心部のモチモチ感が映えます。どこにでもある部位、でもここでしか味わえない部位だと思います。
つくね♡
ふわりとした食感の中で、鶏の旨味が駆け抜けていきます。時折、感じる軟骨のコリコリ感が楽しく、そして美味しい。
砂肝♡
ゴロリとした砂肝は食感フェチにはたまらないザクザク食感。胡麻油の仕立てをやめたみたいで、純粋な砂肝の旨味を味わえます。
食道♡
炭台の上でタレの旨味と炭の香りを存分に纏い、供される食道。トロリとした舌触りに内臓特有の甘味が溢れます。実に美味しい。
スナップエンドウ♡
じっくりと焼かれることで、野菜の旨味と甘味を最大限に引き出しています。このような旬の食材が「鳥しき」の名前の由来になっていると感じるひと串です。
せせり♡
筋っぽい食感を持つせせりらしさは勿論ありつつも、とろける肉質は知らないせせり。
はつもと♡
血管ということが確りと分かるサクサクと食感が素晴らしく、咀嚼の度に旨味と甘味が溢れます。
銀杏
間隔を空けることで、銀杏全体を確りと焼いており、内と外の食感のコントラストが生まれています。
丸はつ♡♡
丸はつに込められた熱が凄い。口の中でプツンと弾けて、旨味と甘味が爆ぜます。
肩♡
もも肉よりもしっとりと柔らかく、程よい筋肉感。
厚揚げ♡
厚揚げを焼鳥店で感動したのは、このお店が初めて。今も尚、その味わいは健在。
手羽先の皮♡
余分な脂を落として旨味のみを閉じ込めて、極上のカリカリ加減でありながら、中心部はモチモチとしています。
アキレス腱♡
とても肉々しいですが、時折感じる軟骨とゼラチン質の食感がアキレス腱ということを分からせます。
ぼん♡
じっくりと焼いて余分な脂を落とし、旨味をギュッと閉じ込めてきます。想像よりもずっと軽やかで、個人的な食べ方は大根おろしを乗せて食べています。
ちょうちん♡
「きんかん」と「ひも」をばらして焼いてから、合体させて供されます。それぞれにベストな火入れをしているので、ひと口で食べればプツンと弾ける「きんかん」のまったりとした旨味と弾力ある「ひも」の食感が楽しめます。
茄子♡
じっくりと育てるように焼かれた茄子は絶妙なトロトロ加減。激熱ですが、頬張りたくなる味わい。
恥骨♡
肉質はとても柔らかく、軟骨すらもとても柔らかい。
椎茸
香り溢れる椎茸は笠の部位がトロリとして、軸の部位はコリコリ。
鶏スープ
鶏の旨味を上品に仕上げたスープ。この味わいが池川さんの矜持。
ブロッコリー
炭の上で大きなブロッコリーがみるみる小さくなって、旨味をギュッと閉じ込めています。
手羽先♡
焼鳥の花形がまさにこの部位。開いているので、骨は簡単に取ることができます。取った骨の周りの肉も忘れずに食べてから、頬張れば旨味のストレートパンチを受けたかのような充実感を感じます。
そり♡
もも肉の付け根にあるピンポン玉状の部位で、歯を跳ね返すような力強い弾力の肉とカリカリに焼かれた皮を同時に頬張れるのが魅力。
膝♡
現在の「鳥しき」で皿で供される唯一の部位。胡麻油と黒胡椒をかけた白髪葱の風味にも負けない濃い旨味とゼラチン質が楽しめます。
そぼろ丼♡
「鳥しき」の〆ご飯は、卵かけご飯・そぼろ丼・親子丼・鶏スープのお茶漬けの4種類があります。その中で現在のお気に入りは、このそぼろ丼。今回は卵黄乗せです。鶏の旨味を全面に出した塩そぼろが実に美味しい。
焼鳥好きならば、きっと夢見るお店、目黒にある「鳥しき」に再訪。大衆的なものだった焼鳥を洗練させて、ここまで世界的に認めさせたのは、店主・池川 義輝さんの功績の1つでしょう。池川イズムを継承するお店は色々な所にできていますが、やはり行けるならばこの「鳥しき」に行きたい。味わいは勿論のことですが、何よりも池川親方に逢いたいから。
今回も色々な部位を用意して下さり、ありがとうございました。
2022.11.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
池川さんが焼いたバケットに八丁味噌ベースで煮込んだ数種類の部位の鶏の煮込みを乗せて。山椒の鮮烈な香りが心地よい。
かしわ♡
「炭の香りを楽しんで下さい」と供される部位。鼻腔を擽る炭の香りと咀嚼の度に溢れる伊達鶏の旨味がとても美味しい。
丸はつ♡♡
サクサクとした食感の後にジュワッととろける丸はつ。口の中に広がるのは、食べ終えても尚続く極上の甘味。キングオブ丸はつ!
波♡
どこにでもある、でもどこでもない味わい。
そう感じさせる皮の表面は踊るように脂が弾けており、中心部は歯を跳ね返すようなモチモチとした食感があります。
鶏白湯
〆のご飯ものと一緒に供されるスープとは違い、長く炊いて白濁された濃厚なスープ。
白玉
プリプリの白身にクリーム感の強い黄身がいい感じ。
せせり♡
独特の歯を跳ね返すプリッとした食感があり、甘味と旨味が強い味わい。
かっぱ♡♡
過去最大と思える特大のやげん軟骨。軟骨自体はとても柔らかく、周りの肉もついているのでボリューミーで旨味も強め。
銀杏
こんがりとホクホクとした銀杏は苦味がなく、甘く美味しい。
つくね♡
口の中でふわりとし、その中で軟骨のコリコリ感が映えます。タレの旨味と鶏の旨味が合わさり、実に美味しい。
じゃがバター♡
炭で焼かれるじゃがいもは格別な美味しさ。そこにバターの旨味が加わるのだから、不味いわけがない。
手羽先の皮♡
分厚い皮は確りと焼くことで、余分な脂を落としてカリカリとし、グッと旨味が増しています。
背肝♡♡
何というボリューム。滴るような旨味が口の中で爆ぜます。旨味のアタックの強さと食べ終えて、口の中に残る甘味と香りが素晴らしい。
砂肝♡♡
咀嚼しようとすると、砂肝が口の中で弾み、ザクッと気持ちいい歯切れの良さ。そして、旨味の爆流に飲まれてしまいます。
血肝♡♡
艶めいて色気のある血肝(レバー)は舌に絡みつくようなねっとり感があり、甘味が凄い。
食道♡♡
独特な管の食感に広がる甘味が素晴らしい。今夜も最高の味わい。
アキレス腱♡
肉々しさもあり、柔らかな軟骨の食感もあり、それを同時に楽しめる素晴らしさ。
椎茸
コレは香りを食べる串。口に入れると、一気に爆ぜる香りが印象的。
ぼん♡
コレも確りと脂を落としすことで、旨味が凝縮しています。
ちょうちん♡
口の中で弾ける卵黄が実に印象的。画的にも映え、旨味も素晴らしい。
恥骨♡
肉質は柔らかく、時折感じる軟骨のコリコリ感が心地よい。
はつもと♡♡
「鳥しき」の中でもレアな部位だと思われる部位。内臓特有の甘味の中で、咀嚼の度に溢れる濃厚な旨味がたまらない。用意してくださった池川さん、ありがとうございます!
手羽先♡
骨の周りや皮や肉の旨味が一体となった部位は、焼鳥の中でも花形。個人的には表面のボスといった感じw
厚揚げ
全く焦げがない厚揚げは確りと中にも熱が込められており、池川さんの焼きの技術力の高さが感じられます。
そり♡
弾むような食感のそりは、腿の付け根の部位。表面のカリカリに焼かれた皮がいいアクセントになっています。
親子丼
供された瞬間のインパクト大のオレンジ色のビジュアル。出汁の味わいの中でいただく温かいTKGといったイメージです。
ブロッコリー
オリーブオイルをかけながら、じっくりと焼かれたブロッコリーは、確りと旨味を引き出されています。
膝♡
唯一、皿で供されて胡麻油と白髪葱の風味を纏う部位。そりよりも柔らかく、旨味が強め。
そぼろ丼♡
今夜は卵黄のせ。今ある〆ご飯の中では、コレが一番好き。軟骨のコリコリ食感と肉の旨味が一体となった塩そぼろは、卵黄をかけることで更に濃厚な味わいになります。
焼きシャリ & 鶏スープ♡
池川さんがじーっくりと焼く今はもう食べられない焼きおにぎりを思い出させるひと品。鶏スープと共に〆られるのは、とても幸せな瞬間。
目黒「鳥しき」に通わせていただいて、約10年。どんなに予約困難さが増しても、どんなに好きなメニューがなくなっていっても、私は通い続けたい。焼場で店主・池川 義輝さんが焼き続けているかぎり。
今夜も約4時間の長丁場。きめ細やかなポスピタリティーと池川さんの心意気、そして焼鳥の美味しさが心に沁みました。池川さん、ありがとうございました。19100
2022.8.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
バケット
八丁味噌ベースで味付けた7種の部位を池川さんが焼いたバケットに乗せた「鳥しき」のスターター。
かしわ♡
串を近づけるだけで炭の香りがふわりとし、大ぶりなカットから溢れる旨味が素晴らしい。後味に鶏の甘味がじんわりと広がります。
波♡
所謂、首皮。『波』と称するのは池川さんのユーモア。表面はカリッと中心部はモチモチとしたどこにでもある部位だからこそ、違いがハッキリとする部位。
砂肝♡
口に近づけると、胡麻油と炭が香り、スパンっとした歯切れの良さが心地よい。
かっぱ♡
黒胡椒のピリッとした刺激があり、小気味良い軟骨のコリコリ感、そして間に打たれた肉の旨味が美味しい。
白玉
黄身はクリームのような仕立てで、飴色にねった白身がプツンと弾けて黄身の旨味が広がります。
鶏白湯スープ♡
食中に供される濃厚なスープ。塩分は薄いながらも旨味が強い。もう少し味を濃くして、麺やご飯を入れても
丸はつ♡
なくなった生命が池川さんの火入れで新たな生命を得たかのような躍動が口の中で感じられるひと串。今は串で供されますが、皿で供された頃の特大のものもまた食べてみたい。
せせり♡
炭香る中で強く感じるのは鶏の旨味と甘味。これらを引き出している塩の塩梅もさすが。
食道♡♡
いつものとは異質の美味しさ。タレの味わいの奥からねっとりと濃厚な旨味と甘味が広がり、舌というよりか喉に絡みつくような感じ。
血肝♡
3口で完結するストーリー性のあるひと串。先端にあるはつのプリプリ感とコントラストを楽しみ、大きなレバーの旨味を存分に味わい、最後に旨味と甘味の余韻を感じる。素晴らしい味わい。
トウモロコシ♡
北海道産の「ゴールドラッシュ」の炭火焼き。夏野菜の楽しみの1つで、炭と醤油の香りが素晴らしく映え、甘味が強くて美味しい。
ぼん♡
脂の多い部位ですが、確りと余分な脂を落としており、旨味が凝縮しています。定番のレモンを搾るのもいいですが、大根おろしを乗せて食べるのもオススメです。
手羽先の皮♡
先程の『波』とは違い、分厚い皮を脂を落としつつ、表面をカリッと焼きあげたひと串。タレの旨味と皮の旨味が合わさることで累乗される味わいが秀逸。
つくね♡
炭とタレの香りがふわりとし、粗く挽かれた肉の旨味が爆発するかのよう。3つあるので、まずはそのまま。そして、七味と山椒で味変を楽しむのもアリ。
厚揚げ♡
カリッと焼かれた表面に中心部はモッチリとした厚揚げ。「厚揚げが美味しい!」と気づかせてくれた原点のお店。
はつもと♡♡
動脈の管を感じられる食感があり、内臓特有の濃い旨味と甘味が映えます。
そり♡
腿の付け根の部位で、キングオブ肉。皮目がカリッと焼かれ、肉は旨味が濃く美味しい。
ちょうちん
分解して焼くという独特な焼き方をする『ちょうちん』。見た目も映え、味わいも濃厚なのめ供されるとアガるひと串。
膝♡
『そり』と両極を成す部位で、胡麻油と白髪葱の風味がたまらない。確りと焼かれてカリカリの皮に旨味溢れる肉が美味しい。
茄子
激熱なのは分かってはいますが、頬張りたいトロトロの茄子。
手羽先♡
大きな手羽先は2つの骨を外してから食べるとスマート。旨味たっぷりな皮と身にちょっとレモンを搾ると、更に美味しい。
脛♡
新作?割と確りとした歯応えがあり、肉質は淡白なのに咀嚼の度に旨味が溢れます。
ハーフそぼろ丼♡
塩そぼろの旨味が爆発的に溢れる丼。個人的には今の『親子丼』よりもこちらが好み。次回は卵黄を乗せてみたい。
ハーフ親子丼
オレンジ色の黄身と白い白身のコントラストが映えます。食感の面ではあまり好きではないけど、ついつい注文してしまうw
鶏スープ茶漬け
昔からありますが、今はなき『焼きおにぎり』の片鱗を感じることのできる〆ご飯。上品でありつつ濃厚なスープの中で、炭火で脱水してパリッとしたご飯がいい。しかしながら『さび』がなくなったので、ささみは入っておらず…。
鶏スープ
今夜はちょっと濃厚な仕立て。上品な味わいは池川親方の〆の矜持。
焼鳥弁当♡
久しぶりのお弁当。塩鶏そぼろ・かしわ・せせり・つくね・白玉・オクラ・椎茸という構成で、彩りとバランスもとても良い。一緒に付いてくる山椒がニクい。
20時からの目黒にある「鳥しき」は、ゆるりと始まります。焼鳥も高級傾向になっていき、多くのお店が高級ブランド鶏を使っている中で、オープンから使っている「伊達鶏」を見事なまでに絶品へと昇華させているのは、店主・池川 義輝さんの技量の高さでしょう。姉妹店もでき、多くの弟子が独立をして「池川イズム」を広めており、昨今では関西の人気店も都内に進出してくるなどして、焼鳥業界も目紛しくなっています。都内でも屈指の予約困難店であり、『もものタタキ』や『焼きおにぎり』など好きな料理もなくなっていくマイナス要因が多い「鳥しき」ですが、やはり通いたいのはそこに池川さんがいるから。
今夜も遅くまでたくさんありがとうございました!19400
2022.5.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット♡
私が来られなかった期間中に新しく先付となった八丁味噌ベースで煮込まれた鶏の6種類の部位を池川さんが焼いたバケットと共に。この量だからこその濃厚さ、美味しい。
かしわ♡
タレでコーティングされた伊達鶏の旨味。久しぶりにいただくその味わいは身体に沁み渡ります。
砂肝♡
中に込められた熱と弾むような食感の砂肝は胡麻油の風味と黒胡椒の辛味が合わさり、楽しくも美味しい。
白湯スープ
これも初めて。最後に供される鶏スープの延長線にある味わいで、コレでラーメンを作ったら美味しそう。
白玉
確りと表面は焼いているのに、以前と変わらずにクリームのような黄身。
かっぱ♡
黒胡椒の刺激が心地よく、パリパリと柔らかい軟骨が小気味よい。
波♡
部位としては首皮。表面は極上のカリカリ感、中心部はモチモチ感。どこにでもある部位でありながらも、どこにでもない美味しさ。
丸はつ♡
プリッとした食感の中に失くなった生命を閉じめたような熱があり、閉じめられた旨味が素晴らしい。
肩肉♡
程よい食感もあり、その食感を楽しんでいると溢れてくる旨味。その旨味はあっさりとしていながらも甘い。
じゃがバター♡
これは凄い火入れ。イメージ的には温めたような感じで、じゃがいもの甘味を閉じ込めています。
食道♡♡
食道やその周りのリンパなどを纏めて串打ちしたような凄いボリューム。味はタレですが、まさにこれはコーティング。食道の旨味が強くて、素晴らしい。
はらみ♡
表面はカリッとしながら、中心部は旨味が濃厚で、ふわりとしています。
手羽先の皮♡
同じ皮でも部位によって変わることを教えてくれる部位。分厚い皮は余計な油を落としながらじっくりと焼かれて、極上のカリカリ感が味わえます。
せせり♡
ギュッと密集させたような串打ちで、程よい食感の後に旨味と共にとろけるような感じ。
アキレス腱♡
一気に肉々しくなったアキレス腱。アキレス腱とその周りの肉もつけているので、旨味のある肉の程よい食感ととろけるゼラチン質の部位が同時に味わえます。
背肝 & はつもと♡♡
食道同様にモンスタークラスのボリューム。ざらりとした食感の背肝にはつもとのコリコリとした動脈を巻き付けたような感じで、旨味どっぱーんな美味しさは実に素晴らしい。
血肝♡♡
「近火の強火」と言われる焼き方でありながら、まるで温めたような火入れで、口に入れた瞬間にとろけます。その旨味は舌に絡むようで、実に美味しい。
ぼん
確りと油を落として、旨味を凝縮させているぼん。大根おろしを乗せて食べるのもオススメ。
つくね♡
確りと挽かれていて、旨味を閉じ込めるようなタレのコーティング。練り込まれた軟骨のコリコリ食感もいい。
恥骨♡
ズズッと歯が入っていき、軟骨と共にとろけるような肉質。甘味を引き出すような塩加減も絶妙。
厚揚げ
焦げの1つもない素晴らしい焼き。
茄子♡
大きな茄子がみるみる小さくなっていき、トロトロになっていく様が面白い。胡麻の香ばしさもあり、激熱の中でも頬張ってほしい美味しさ。
手羽先♡
大きな手羽先は焼鳥の花形。「鳥しき」で供されるのは、これから始まる2ndステージの幕開け的な存在。手羽先に付いてる骨は簡単に外れるので外してから頬張ると、滴るような皮・脂・肉の旨味にノックアウトされます。
そり♡
脚の付け根のピンポン球のような部位で、それがよく分かるような串打ち。皮はカリッとしており、肉は弾むような食感に迸る旨味はジューシー。
ブロッコリー
はっきり言って、さほど食べないブロッコリー。焼くとどうしてこんなにも美味しいのか。
ちょうちん♡
卵黄は炭火で温められたよう。弾ける卵黄はひと口で味わう美味なる体験。
膝♡
今では串で供されない唯一の部位となった膝。胡麻油が香り、白髪葱と黒胡椒がピリリとするそりと双璧を成す「鳥しき」の王者です。
そぼろ丼ハーフ♡
お弁当にも入れられている塩味の鶏そぼろ。個人的には〆ご飯の中で、2番目に好き。
親子丼ハーフ
鮮やかなオレンジ色の見た目がインパクト大の親子丼。タレの甘味が味の決め手ですが、個人的には昔のスタイルの親子丼の方が食感が良くて好き。
鶏スープ
池川さんの矜持を感じる上品な鶏スープ。
コロナ禍の影響で以前のように予約が取れずに約一年半経って、漸く再訪できたのは目黒にある焼鳥界の王者「鳥しき」。店で使っているブランド鶏を全面に推しているお店が増えてきましたが、店主・池川義輝さんが焼くならば、例えブロイラーであろうともきっと美味しい!と確信しています。
最初に炭酸水を注文したら、「氷ありでな!」と昔のように裏へ伝えてくれる池川さんの姿に涙が出ました。ボリュームのある「食道」や「背肝」に「はつもと」を巻き付けたようなモンスター級の串を出していただき、ありがとうございました!
久しぶりに味わう池川さんの焼鳥は身体と心に沁みました!また宜しくお願いします!
2021.11.
コロナ禍で予約が取れなくなった私の第1位は、目黒にある焼鳥店「鳥しき」でしょう。「この予約電話に繋がる人は、どれだけの運を消費するのだろう?」と考えてしまうほどに、今では全く繋がらない…。あまり行くことが叶わないと、店主・池川 義輝さんに忘れられてしまいそうで、たまに『焼鳥弁当』を買いに行ってます。
定期的に訪問していた時はさほど食べなかった『焼鳥弁当』ですが、久しぶりにいただくと…やはり美味しい。お弁当はたいてい温めるのが常だと思いますが、「鳥しき」のはそのまま食べるのが私のスタンダードです。そして、一緒に入っている山椒が実にニクい。お弁当の味と香り、そして冷めても感じる池川さんの熱が涙が出るくらいに懐かしい。来年こそは店内で!
2021.1.
元々、予約困難の中で遅い時間帯に入れていただいていた目黒にある「鳥しき」。営業時間の変更や発出された緊急事態宣言の影響で、全く伺うことが叶わなくなってしまったので、店主の池川 義輝さんの顔を見たいが為に『焼鳥弁当』をテイクアウトです。
粗めな塩そぼろ・ぼん・獅子唐・かしわ・つくね・白玉という内容で、ずしりとくる重さがあります。食べる時につい温めてしまいがちですが、『焼鳥弁当』は冷めることを前提にした味わいなので、そのまま食べるのがオススメです。久しぶりなので、身体に沁みるように美味しい♡
願わくば、またお店でも食べたいです!池川さん!
2020.9.
コロナ禍の影響から営業時間を前倒しにしているので、遅い時間の訪問が厳しくなった目黒の「鳥しき」。早くも2020年の最後の訪問となるこの日は久しぶりの1回転目です。
ガラリっ!
戸を開ければ、「いらっしゃいませ!」と勇ましく店主の池川 義輝さんが出迎えて下さいました。月を重ねる毎に予約が困難となるこの「鳥しき」に足を運ぶのは、この方がいるからにほかなりません。さあ、今夜も炎神・池川さんの魂の焼鳥を楽しみます。
今夜の献立
せせり♡
相変わらず、とろけるような食感。今夜も炎神は静かに燃ゆる。
丸はつ♡
終えた命に、また新しく命が宿ったかのような躍動感。素晴らしい♡
かっぱ
コリコリと小気味よい軟骨の食感と周りの肉の濃厚な味わい。ボリューミーな肉系の串。
波
食感の対比なのか?次の串は極上のモチモチ感。まるで高反発なマットレスのよう。
肩
しっとりとしながらも、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れます。
食道♡♡
元々好きな部位ですが、今夜は凄い!舌に絡みつくようなねっとり感があり、とろけながら旨味を出しまくる。最高のひと串!
うずら
火入れの色々なアプローチがある中、コレは一体感を体現したようで、白身と黄身の境界線がありません。
砂肝♡
仕立てが変わったのだろうか?こんなにボリューミーな砂肝なんて…大好きよ♡
背肝♡
いつも「見れば、食べれば分かるでしょう?」的にそっと出して下さる1日で数本の『背肝』。レバーとはつの中間のような食感に、内臓系の甘い香りと味わい。池川さん。いつもありがとうございます!
かしわ♡
タレは味付けでなく、旨味を閉じ込めるコーティング。口にすると、驚くほどにタレの味わいは薄くて、鶏の旨味が際立ちます。
オクラ
獅子唐よりもオクラの方が好き。
恥骨
お尻周りの肉。ふわりとした肉と柔らかな軟骨の食感が同時に味わえます。
はつもと♡
内臓の甘味と旨味が溢れる部位で、ひと口目はタレの旨味も纏った味わい、最後のひと口は肉本来の旨味が際立ち、このひと串にはストーリー性を感じられます。
手羽先の皮
皮は実は2種あって、『波』と呼ばれているのは首皮。そして、これは分厚い手羽先の皮です。味付けもタレになって、カリッと焼かれています。
つくね♡
確りと挽かれて更に練られていて、咀嚼の度に旨味が溢れてくるかのよう。一緒に練り込まれている軟骨の食感は弱め。
はらみ♡
コレもなかなかレアな部位。真ん中には腰皮かな?を入れて、旨味を底上げしているかのよう。
アキレス腱
アキレス腱とは言っても、ほぼ肉系の串。柔らかな肉の食感の中に、柔らかくも弾力のあるアキレス腱の食感が楽しい。
銀杏
ホクホクとほろ苦さがオトナの味わい。
ちょうちん♡
ひと口で食べるには今夜のはかなり大きい。プツンと音を立てるように弾けて、口の中で完成する素晴らしい串。分解して焼くのは、池川さん独特の火入れです。
血肝♡
出来るならば、是非3回に分けて食べて欲しい。初めのひと口は先端に止まっているはつと共に食べるので、食感を感じる味わい。真ん中の大きい部位は舌に絡みつくような旨味を、最後は余韻を楽しめます。
厚揚げ♡
まるで、温めているかのような感じ。内と外の境目は全く感じられません。コレも一つの完成系。
ぼん
濃厚な旨味の塊のような部位には、大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
茄子
慈しむように火入れされていて、トロトロ。しかしながら、激アツ!火傷覚悟でも頬張りたい!
膝
この「鳥しき」で、肉系最強部位の双璧を担う一つ。添えてある白髪葱には胡麻油がかけられていて、その薬味にも負けないような強い旨味もあって肉々しい。
そり
そして、もう一つの双璧部位である『そり』。ボリュームもさることながら、歯を跳ね返すほどの弾力性が魅力的。
手羽先♡
焼鳥の花形と言えば、この部位でしょう。串から取ってかぶりつくも良し、骨を取ってから食べるのも良し。食べ終えて、すぐにおしぼりを交換してくれるのは、さすがのホスピタリティ。
スープ茶漬け
さびがなくなり、焼きおにぎりもなくなった今、このスープ茶漬けが最高の〆だと思います。
今夜は2時間半という限られた時間の中でしたが、なんと全ての部位を出していただきました。特に1日の内におそらくは数本しか取れない部位を何も言わずにそっと出して下さる池川さんの優しいが心に沁みました。
また来年度も食べさせて下さいね。宜しくお願いします。19100
今夜出逢えたお酒
農口尚彦研究所 ひやおろし
2020.5.
コロナ禍で残念ながら行かれなくなった銘店の最後の一軒が目黒にある「鳥しき」です。5月いっぱいまでお弁当のみの販売だそうで、いつもの…違う!いつものじゃない!油淋鶏が入っている…だ…と。
訪問時は当日仕込んでいる全てのものを食べているので、お弁当まではいいかなーって思っていて、あまり食べることがないのですが…この油淋鶏入りはレアでしょう。
店内ではいつもよりも忙しいそうに池川さんがマシーンのごとく串を焼いてらっしゃり、スタッフ2人で盛り付けして、女将さんが接客と普段よりも大変そう。でも皆さん、お元気そうで良かった!
さて、お弁当ですが。
つくねやかしわの串は言わずもがな。「味付けが濃いので後から食べて下さい」という注意書きもある油淋鶏は、冷めることを念頭に入れてある味付けで、甘酢タレが確りと絡んでいて、味濃い目なガッツリとした感じ。営業が再開したら「鳥しき」では供されないでしょうが、「鳥かど」で合間に供されそうな料理です。お弁当としては従来の方が好きですが、これはこれである意味伝説となるお弁当だと思います。
池川さん、女将さん。
今夜はありがとうございました!お元気そうで良かったです。
また魂こもった焼鳥を食べさせて下さい。
2020.2.
久しぶりの「鳥しき」の1回転目。今は時差来店をしているのでしょうか、開店時間には全て埋まることなく、ゆっくりとしたスタート。「鳥しき」の最大の特徴である「近火の強火」を作り出す為に炭をぎっしりと詰め入れて、店主の池川 義輝さんの魂に応えるように音もなく静かに燃る。
今夜の献立
肩
不動のスターターであった『さび』がなくなった今、スタートは人それぞれ。今夜の私は『肩』からです。しっとりとしていながらも、やや淡白な旨味が溢れます。
丸はつ♡
開いていない『はつ』には旨味と熱が込められており、ブリンっとした食感の後にそれが弾けます。やはり美味しい。
背肝♡♡
プリッとした食感、トロリとした舌触り、広がるのは濃密な旨味と甘味。素晴らしい以外の言葉がありません。
波
首の皮の部位。表面はパリッと焼かれ、中心部はモチモチ。どこにでもある部位だからこそ違いに気付く串。
かっぱ
やげん軟骨。軟骨だけでなく、周りの肉も絡めており、旨味がブーストされています。
恥骨
肉に舌を押し当てるだけでも崩れるような柔らかさ。軟骨の部位も残しており、食感のコントラストが生まれています。
食道♡
まるでビロードのような滑らかさ。口に残る旨味と甘味が素晴らしく長く残ります。
銀杏
ホクホクの後にほのかな苦味。銀杏でお酒が飲めるようになったら、大人だと勝手に思います。
かしわ♡
タレでコーティングされた旨味は、タレの甘味と合わさって累乗しており、実に素晴らしい。
砂肝
極上のサクサク食感。初めは塩の味わいですが、徐々に甘味が広がっていきます。
アキレス腱
なんとも肉々しい仕立て。『かっぱ』とは違う軟骨の食感の違いが小気味良い。
はつもと♡
香りからして甘い。プリッとした食感の中で溢れる旨味と後味で残る甘味が秀逸。
オクラ
やっぱり獅子唐よりもオクラが好き。
つくね♡
やや確りと挽かれた肉は滑らかで、より中に混ぜ込まれている軟骨のコリコリ感が際立ちます。旨味の塊のような味わい。
白玉
プリンっと弾ける白身の中はクリームのような黄身。
血肝♡
艶っぽい見た目は私を魅了します。プツンと弾け、トロリと滑らかな旨味が溢れ出し、舌に絡みつくような甘味がいい。
手羽先の先の皮
先程の『波』とは違い、タレでコーティングされた分厚い皮はカリカリに焼かれています。その食感と甘味が素晴らしい。
合鴨
今回は山葵を乗せた仕立て。鮮烈な山葵の香りと合鴨の旨味が迸ります。
ぼん
こってりとした旨味の『ぼん』は、大根おろしを乗せて食べるのが私のお勧め。
せせり
せせりらしい食感は微かにありますが、とろけるような食感。
椎茸
表面に浮かぶ椎茸のジュースがたまらない。焼いた椎茸は特に好き。
厚揚げ
今夜は内と外の食感のコントラストがある仕立て。是非食べる際は、「火傷しても構うもんか!」という意気込みで食べた方が美味しいと思います。
茄子
何度も油を塗り、串を上下入れ替えたりしてトロトロになった茄子は、野菜串の中でも実に手間のかかった一串。
手羽先
焼鳥の花形である『手羽先』は塩味で。個人的にこの部位が供されてもストップしないと、池川親方に「食べる客だな」と認められたような気がしますw
じゃがバター♡
小さなじゃがいもを使った『じゃがバター』。シンプルながらも、コレが実に美味しい。
スープ茶漬け♡
『焼きおにぎり』と『さび』がなくなった今、それらを感じられるのがコレです。元々、完成度が高くて好きでしたが、個人的に更に希少度が増した〆ご飯です。
膝
「鳥しき」の中で1番大きな部位でしょう。胡麻油と胡椒で風味を増した白髪葱にも負けない強い旨味があります。
ちょうちん♡
今夜は極大の卵黄をつけて下さいました。弾けて飛ぶような濃厚な卵黄の旨味が絡み、口の中で完成する素晴らしい部位。
そり
最後の部位は、希少部位の『そり』。バリッと焼かれた皮に歯を跳ね返すほどの弾力の肉質は、最旨の肉系部位です。
そぼろ丼♡
見た目は『親子丼』の方が映えるけど、味わい的にこちらの方が今は好み。
鶏スープ
唇に膜が張るくらいの濃度のスープは、上品な味わいです。
今夜も仕込んである全てを出していただきました。久しぶりだからこそ分かる、その美味しさ。やはりこのお店は凄い。
そっと色々と出して下さる池川さんの優しさが沁みる夜でした。ありがとうございました!17700
炭の音が聞こえる。
静かに静かに身を焦がす。
騒つく店内が静まっていく時、炭の息吹が聞こえます。今夜もそんな雰囲気の「鳥しき」で、店主の池川 義輝さんも静かに燃えるその魂に触れさせていただきます。
今夜の献立
せせり♡
珍しくスターターはコレ。『せせり』らしい歯応えは残りながらも、とろけるような感じはさすがの火入れ。
丸はつ♡
はつ=心臓に再び生命を与えるような変わらずの素晴らしい火入れ。
白玉
中はクリームのような感じに仕立てており、ただのうずらが最上に美味しい。
波♡
表面はパリッと焼いて、中心部はモチモチ。他店と比べるならば、この部位が一番分かりやすいと思います。
かっぱ
やげん軟骨を「鳥しき」では、文字遊びでこう呼びます。今夜は肉々しい感じではなく、昔みたいに軟骨っぽい仕立て。変えたのかな?
砂肝
仕上げに胡麻油を塗っているので、焼くと揚げるの中間みたいな感じの砂肝。
かしわ♡
タレは鶏の旨味を逃がさないコーティングのよう。鶏が、鶏が美味しい。
血肝♡
薄皮一枚を残したような血肝(レバー)はクセなど微塵もなく、とろける食感と舌にからみつくような旨味を楽しめます。
食道♡
一口食べた瞬間に震えた。グッとくる旨味ととろける食感は
オクラ
獅子唐よりも断然オクラの方が好き。
はらみ♡♡
先程いただいた『かっぱ』の謎がここで解ける。串の真ん中に(多分)腰の皮を入れて、更にコクを底上げした『はらみ』。濃厚な旨味が凄い。久しぶりに出逢えた!
はつもと♡
内臓特有の甘い香りに誘われるように口にする。ゆっくりと歯が入り、スパンッと切れて、旨味が広がります。
恥骨
腿肉とは明らかに違う食感と旨味。プリンッと弾けて、しっとりとしています。
銀杏
苦味もなく、ホクホクした銀杏。
つくね♡
今回は確りとした仕立てで、時折感じる軟骨のコリコリ感と旨味が素晴らしい。
背肝♡
いつも取っておいてくれる池川さんの優しさに感謝。串を持ちあげただけ滴る脂は、口に入れた時に旨味の暴力となって暴れ出します。
手羽先の先の皮
同じ皮でも『波』とは違い、厚みもあって濃厚。カリカリに焼き上げて、タレで供されます。
ぼん
極濃厚なので、私は大根おろしを乗せて食べています。池川さんのオススメの食べ方よー。
厚揚げ♡
池川さんの『厚揚げ』は、外と内の一体化。表面には焦げがなく、まるで揚げてある部分だけを溶かしているかのよう。
茄子
じっくり油と出汁醤油をたっぷりと吸った『茄子』は、トロトロ。
手羽先♡
バチバチッと音を立てて供されて『手羽先』を食べて驚く。素晴らしい火入れと旨味は、池川さんの魂を感じられます。
ちょうちん♡
久しぶりに唸った。特大の『ちょうちん』は完璧と言わざる得ない素晴らしい味わい。池川さん、いつもありがとうございます♡
椎茸
たかが椎茸、されど椎茸。炭を纏うとここまで美味しい。
そり♡
腿の付け根の部位で、ここ「鳥しき」では最後に供される肉系の最強部分。歯を跳ね返すような弾力と圧倒的な旨味に溺れます。
膝♡
胡麻油の香りと白髪葱の風味を纏う『膝』は、程よい弾力の中に旨味も強くて美味しい。
そぼろ丼(ハーフ)♡
出来立ての鶏そぼろが盛られた『そぼろ丼』は、ちょっとだけ汁だくになっていて、コレが実に美味しい。必ずいただく〆ご飯です。
鶏スープ茶漬け♡
『親子丼』よりも、今はこちらの方が好き。ご飯はあの『焼きおにぎり』を彷彿とする炭火で水分を飛ばしたもので、上品な鶏スープの旨味をたっぷりと吸い込んでいて、実に完成度の高い〆ご飯。
今夜も3時間半。たっぷりと鶏に溺れた夜となりました。11月には延びに延びたNYのお店もついにオープンするそうで、更に京都にも「鳥かど」「鳥おか」に続く3つ目の支店を出されるそうです。ついに関西へと進出ですね。どこに支店を出されても、池川さんは目黒にいらっしゃるそうですが、あと3年後に何か起こるかも?
今夜も池川さんの魂と優しさに触れられた夜でした。ご馳走さま。14450
2019.7.
しとしとと降る雨の中、軒先にある錫の風鈴がチリンチリンと鳴る。引き戸をガラリと開くと、店主の池川 義輝さんが静かに燃えていた。
ここは目黒にある日本一予約の取りづらいと言われている焼鳥店の「鳥しき」。2ヶ月に1度くらいの定期訪問、今夜は珍しく2回転に入れていただいたので、定刻でのスタートです。
今夜の献立
さび
かしわ♡
白玉
砂肝
波
かっぱ
合鴨♡
食道♡
つくね♡
獅子唐
恥骨
トウモロコシ♡
丸はつ♡
手羽先の先の皮
血肝
せせり♡
椎茸
肩
はつもと♡
厚揚げ♡
ぼん
アキレス腱
手羽先
そり
茄子
膝♡
ちょうちん♡
鶏スープ茶漬け♡
そぼろ丼♡
鶏スープ
(何度も書いているので、個別の説明は割愛です)
約4時間半くらい。今夜も「鳥しき」の全てを堪能させていただきました。内臓系の安定した美味しさは言わずもがな、最近になって仕立てが変わったと感じるのは『厚揚げ』。表面に焦げ目を一切付けずに焼き上げて、内と外の一体感のあるように仕上げているようで、モチッとした食感が楽しめます。
今夜もあまり詳しくは言えませんが、池川さんの優しさに触れた夜でした。いつもありがとうございます。
次回は9月。またゆるりと楽しませていただきます。15000
2019.5.
いつもの21時過ぎ。今夜も池川義輝さんの近火の強火の火入れを味わいに目黒の「鳥しき」へ。支店や独立などで、ほぼ毎回スタッフの方々は初見ですが、池川さんがここにいらっしゃる限りはずっと通い続けていたいお店。一昨年くらいまでは、なかなか予約が取れないことも多かったですが、ここ最近は頻繁に取らせていただいているので、嬉しい限りです。今夜もゆるりと楽しませていただきましょう。
今夜の献立
さび
不動のスターター。まずは炭の香りと山葵の鮮烈さを楽しみます。
丸はつ♡
いきなり供された大好きな部位。口に近づけるだけで香る甘い香りは、食べ終えても続くかのよう。今夜も素晴らしい!
かしわ♡
ザクッザクッと音を立てるような食感の中で、タレでコーティングされた鶏の旨味が広がります。
かっぱ
軟骨だけでなく、その周りの肉も付けておるので、かなり濃厚な味わい。
白玉
黄身はまるでクリームのような仕上がり。
食道♡
コッテリとした旨味の中にある内臓の甘味。独特の食感も大好きです。
肩
『かしわ』よりはアッサリとしていますが、プリンっとした弾力があり、後味の甘味も素晴らしい。
銀杏
ホクホク感と仄かな苦味。塩加減も絶妙です。
砂肝
歯を跳ね返すほどの極上のサクサク食感を味わえます。
せせり♡
相変わらずのとろけるような『せせり』。このようなのは、なかなか出逢えません。
獅子唐
辛味がなくて、美味しい。
波♡
カリカリとした表面、モチモチとした中心部。このコントラストが素晴らしい。大根おろしを乗せて食べるのが、私のオススメ。
はつもと♡
広がるのは、内臓の強烈な甘味と香り。希少部位ですが、いつもそっと出していただいてます。池川さんの優しさに感謝。
アキレス腱
最近は、柔らかな軟骨を楽しめる肉系の部位となっています。
厚揚げ♡
久しぶりに驚いた。これは、凄い!焦げの一つもなく、豆腐の甘味が広がるような外と内の一体化がたまらない。
血肝♡
更に美味しさが高まってる…だ…と。とろけ方はいつも通りですが、感じる甘味と旨味が秀逸。
手羽先の先の皮
先程食べたのは首の皮ですが、これは厚みのある手羽先の部位。旨味がとても強い。
つくね♡
かなりよく挽いてあるタイプで、食感はフワフワとしていて、とてもジューシー。
手羽先
大胆に手掴みで食べるからこそ、皮と肉を同時に食べられる部位。骨の周りの肉まで綺麗にいただきます。
膝
旨味の強い『膝』は、胡麻油香る白髪葱と共に。
そり♡
「鳥しき」において、肉系最強部位。ボリュームも凄いですが、大抵は最後の方に供されます。確りとした旨味と食感が素晴らしい。
ちょうちん♡
「鳥しき」のスペシャリテの一つ。味わいもさることながら、卵黄と卵管を別々に火入れしてから合体させる独特の焼き方もポイントです。
茄子
火傷必須のトロトロ茄子。最後の最後まで焼いて下さいました。
そぼろ丼♡
今夜のは、そぼろの汁が多めでご飯とよく絡み、私好みでした。
鶏スープ
濃度は比較的にアッサリとして上品な仕上がりですが、今夜は塩分が絶妙。
鶏スープの茶漬け♡
久しぶりにいただきましたが、変わらずの完成度。ご飯を平らにしてから焼き上げているので、スープの中でもカリッとした食感も楽しめます。
お弁当♡
コレもかなり久しぶりにいただきましたが…。進化している!昔は『ぼん』だったのに『肩』に変わっていて、更に肉々しくなっていました。一緒に添えられているタレと山椒をかけることで、一気に香りが華やぎ、お弁当が蘇るよう。素晴らしい味わいです。
今夜も終了したのが、0:30。途中からは池川さんを独占して、私の為だけに焼いていただきました。いつも遅くまでありがとうございます。
何度となく食べたことのある部位でも、毎回「!」と思うことが多くて驚きます。有名店ということに驕らず、更なる高みを目指す日々の研鑽から生まれる味わいはまだまだ進化が止まりそうにありません。
今夜もありがとうございました。次回も約束された幸せのひと時を楽しみしています。
2019.2.
目黒にある予約困難店としても有名な焼鳥店「鳥しき」。足しげく通うことで、信頼を得たお店の一つです。入店はいつもの2回転目、今夜も鶏を食べ尽くす時間がやってきました。
今夜の献立
さび
鶏が炭の香りを纏う。特に今夜は山葵の香りが鮮烈で美味しい。
肩
凄いボリューム。腿肉に比べたら、ややしっとりとしているはずなのに…このプリッとした食感とこのジューシーさは素晴らしい。
丸はつ♡
是非、3回に分けて食べて欲しい。それそれに違う食感と旨味があり、池川さんの考えられた串打ちが分かるはずです。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、その周りの肉も一緒になっているので、滴るような脂とコリコリとした食感が楽しめます。
砂肝
串の中では火入れのタイミングが難しいという砂肝。いつもながら、心地よいサクサク感です。
波
表面はパリッと、中心部はモチモチとした食感を味わえる部位。
アキレス腱
更に肉々しくなって、軟骨のゼラチン質としっとりとした肉質を味わえる串になりました。
白玉
当初はトロトロの半熟から、今はクリームのような仕上がりになった白玉。
食道♡
一口目に入ると部分にはシャコシャコとした食感を、最後には皮も含めた濃厚な部位を口打ちしています。非常に考えられた一串。
芽キャベツ
焦げもなく、苦味も抑えていて、キャベツの甘味が際立ちます。
背肝♡
ザラリとした舌触りにネットリと溶ける内臓。口に入れる前から感じる内臓系特有の甘い香り。内臓こそ焼鳥の醍醐味だと思います。
かしわ
タレコーティングで鶏の旨味を確りと閉じ込めた極上の美味しさ。
手羽先の先の皮
『波』よりも分厚い皮。今度は脂を落とすように焼くことで、カリカリに。
恥骨
肉系の中では一番しっとりとして柔らかい。軟骨も柔らかく、いいアクセントです。
つくね♡
更に進化?口に入れると、ふわりと溶ける。そして口いっぱいに鶏のジューシーな旨味が広がります。『つくね』でこれほど感動するとは!
銀杏
焼鳥店で供されるので、好きになったもの。ホクホク感が結構好き。
はつもと♡
レバーのような、ハツのような食感がある部位。コレも実に内臓の甘さを非常に感じます。
せせり
中心部は、ほんのりとピンク色になるくらいの火入れ。だからとろけるような『せせり』になります。
厚揚げ♡
ほわんっとした食感があり、炭の熱が真ん中に込められているかのよう。
手羽先
個人的には前半終了を知らせる部位。骨の周りが美味しいので、手づかみで食べましょう。直ぐにお手拭きを交換してくれるのは、いつもながらに素晴らしいホスピタリティ。
ぼん
表面はカリッと仕上げて、噛めば濃厚な旨味が溢れ出します。
椎茸
焼いたのが好きな方も多いはず。溢れる椎茸ジュースは圧巻です。
じゃがバター
小さなじゃがいもを使ったじゃがバター。素晴らしい火入れで、ホクホクです。
ちょうちん♡
大きな卵黄のちょうちん。一口で食べれば、プツンと音を立てるように弾ける卵黄の濃厚な旨味が溢れます。
そり
一羽で2つしか取れない部位なので、この一串で一羽分という贅沢な肉系最強の串です。確りとした弾力があり、旨味も十分。
エリンギ
先程の『椎茸』がジューシーさならば、コレは食感。よく考えられた串打ちなので、コリコリ感がたまらない。
膝♡
菱形の皿で供される部位。『そり』と双璧をなす肉系の部位ですが、こちらの方が旨味とコクがあります。
血肝♡
池川大将が忘れていたので、追加注文。やはり、コレは食べたいよねー。
親子丼(ハーフ)
久しぶりにハーフで2種。まず供されたのは、親子丼。味わいには変わりないですが、やはり作り方が変わったのだろうか?底は白身が固まっており、思うほどにトロトロではなくなった…。
そぼろ丼(ハーフ)♡
最近はこちらの方がお気に入り。シンプルなれど、この塩そぼろは美味しい。
今回も入店から約4時間、途中は凄まじいスピードで提供していただき、ありがとうございました。内臓系は改めて美味しさを再確認し、そして『つくね』は進化したのでしょうか?素晴らしい味わいでした。何年経っても、どんなに有名になっても向上し続ける味わいと変わらない接客とホスピタリティは、流石としか言いようがありません。
次回は5月くらいに頑張って、予約をしたいと思います。今夜もご馳走さまでした。13750
2018.12.
入店は、いつもの21:00。30分もすれば、先にいらした方もいなくなって、次のカウンターの用意もしなくなり、もう
今夜は誰も入れないみたい。ごく稀にこんな夜はあるけど、特に今夜はこの後に何かイベントがあるのかな?と思うほどに客入りがなく、ほぼ貸し切り状態となった「鳥しき」。
高く積み上げた炭が赤く身を焦がしながら、灼熱の息吹をはく。そんな炭の息遣いも聞こえそうな静かな時間の中で、店主の池川 義輝さんが私の為だけに焼いて下さる。今夜はそんな贅沢さを味わいます。
今夜の献立
さび
炭を纏う。鮮烈な山葵の香りと鶏の甘みも感じられます。
かしわ♡
日に日に大きくなっているような気がする『かしわ』。歯を跳ね返すような弾力、噛みしめると溢れる脂、最後には甘みが広がります。
白玉
今ではクリームのような黄身の仕上がり。
かっぱ
周りの肉を絡めて串打ちすることで、攻めの串の1つとなってます。
砂肝
表面は艶めいて、口に入れれば弾むよう。焼き方の難しさは、串の中でもトップクラスです。
かしわ②
今度は山椒の香りをつけて。
波
首の皮。よく動かす部位なので、旨味も強い。『波』というのは、波を打っているので、言葉遊びの名前付け。
背肝♡♡
内臓の甘みが凝縮された部位が炭の香りを纏う。
食道♡
食べ終えた後もずっと口に残っているような存在感。心踊るような食感も好き。
オクラ
獅子唐よりも私は好き。
はらみ
内臓ですが、肉系とも取れるような食感。なかなかのレアな部位です。
アキレス腱
弾力のある肉に、時折感じるゼラチン質。軟骨だけでないので、肉系の部位と言えます。
銀杏
ホクホク感の中にほろ苦さがあり、美味しいと思えるようになったのは、最近かな。
手羽先の皮
先程の『波』よりは分厚く、カリカリとした焼き上がりに仕上げています。
茄子
火傷必須のトロトロ感。ハフハフしながら食べて下さい。
肩♡
神懸かった火入れ。『かしわ』よりもしっとりしているはずなのに、負けないくらいのジューシーさと弾力。素晴らしい!
合鴨♡
ジューシーさが極まりない『合鴨』。未だに山葵の有無の時が謎。
丸はつ♡♡
焼き場の熱をまだ宿していて、噛むことでそれは弾けます。命の塊。
つくね♡
今夜は特に素晴らしい。生の状態から焼かれる為によりジューシーで、肉の甘みを存分に感じられます。
せせり
先程の『波』を剥いだ肉が、この『せせり』。とろけるような食感です。
じゃがバター♡
大きさも、火入れも好み。
膝
菱形の皿で供される肉系の部位。ジューシーさと旨味が強い。
はつもと♡
食感の面白さ、内臓の甘さを味わえる大好きな部位です。
恥骨
『かしわ』『肩』、食べ比べると分かる。肉質の違い。歯が吸い付くようなしっとり感です。
血肝♡
「鳥しき」の名物の1つ。先端にはつを串打ちすることで、特大のレバーを固定しています。口の中でトロリと溶けるレバーは素晴らしいの一言です。
厚揚げ♡
今夜は特に凄い。炭の熱をこの『厚揚げ』にぎゅっと閉じ込めたよう。
そり
今夜はここで肉系のボスが登場です。
椎茸
そこらへんの肉よりもジューシーな椎茸。
ちょうちん
看板的な串ですが…。アレを知ったら…。
ぼん
ポピュラーな部位ですが、あまりここでは見ないかも。『お弁当』には入ってますけどね。
エリンギ
コリコリとした食感を楽しめるような串打ちはさすが。
手羽先
骨の周りの肉まで綺麗に食べる為に、ここは手掴みで。すぐにおしぼりを差し出してくれるホスピタリティも素晴らしい!
スープ茶漬け♡
『親子丼』が有名ですが、これも絶品。中に入れるご飯は炭火でおこげを作り、カリカリとした食感に。具としてささみが入っており、スープの熱で半生状態にしています。
お弁当♡
「鳥しき」の味を家でリフレインできる『お弁当』。レンジで温めてもいいのかもしれませんが、ここはあえてそのままで。うーん、冷たい状態でもやはり美味しい。鶏そぼろの部分はご飯としっかり馴染んでおり、肉の部分はタレを少しかけて食べると、とてもよく合います。
年内最後の「鳥しき」として、悔いのない素晴らしい内容でした。来年の7月頃には、この味を伝える為と弟子が活躍できる新しい場所として、ニューヨークに出店するそうです。そうなると、気になるのは池川大将の動向ですが…どこに出店しても目黒の地からは離れないそうです。安心して、来年以降も「鳥しき」を楽しめますね。
今夜も遅くまでありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします。15450
2018.10.
trr…trr…。
電話をするにしても、受けるにしても「やっと、きたーっ!」と思うお店。目黒にある「鳥しき」に再訪。何百回と電話をかけるという苦行をしたとしても、やはり食べたいと思う「鳥しき」の焼鳥の魅力は、池川大将の火入れでしょう。今夜も大抵いつも座らせていただく席で、全てを堪能します。
今夜の献立
お通し
いつもながらにいい漬かり具合です。
さび
ほんのり火入れされたささみは炭の香りと山葵の鮮烈さを身に纏う。
肩 ♡
腿肉よりもしっとりとしているはずなのに、ブリンっと弾けるような弾力。久しぶりに、ちょっと驚いた。
手羽先の先の皮
『波』とは違い、カリカリに焼かれており、食感の先にある甘みがいい。
白玉
黄身はまるでクリームのような滑らかな舌触り。炭の火入れで、仕上げているのかな。
食道 ♡
食道とは言え、その周辺の部位も串打ちすることで食感と甘さが映えます。素晴らしい串です。
丸はつ ♡
焼き上がりが難しいと感じる部位ですが、温い部分なんて全くありません。ほとばしる脂と旨味がいつまでも熱を帯びています。
つくね
粗く挽かれた肉から溢れる肉汁、時折感じる軟骨のコリコリ感。生から焼くからこそのジューシーさ。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、はらみの部位も一緒にしていることで、この串は更に輝きを増しました。
砂肝
サクサクと心地よく、口の中で跳ね回ります。
銀杏
ホクホクした食感で、甘みと苦みも感じられます。
かしわ ♡
跳ね返すような素晴らしい弾力という食感。噛み締める度に溢れる肉汁。今夜は特に素晴らしい。
血肝 ♡
先端をはつで止めた桃色の特大レバー。口に入れれば、トロリととろけます。
腺胃 ♡
「鳥しき」の中でも、超々レアな部位。ゆっくりと歯が入っていき、その度に肉汁が滴り落ちます。食べ終えても、いつまでも口の中にあるような存在感は随一。
アキレス腱
アキレス腱だけでなく、その周りの肉も一緒にすることで肉々しさも生まれています。
はらみ ♡
最近はあまり出逢えなかった部位。サクッとした食感もあり、クニュっとした食感もあり、想像よりも脂っこくありません。
はつもと ♡
内臓は甘さ。このことを教えてくれる部位。レバーとはつのいいとこ取りのような美味しさがあります。
せせり
何故、ここのはとろけるような仕上がりなのだろう?肉系の部位はそれぞれ違った味わいが顕著に出るので、鶏の奥深さを感じられます。
厚揚げ ♡
表面には焦げもなく、中は激熱。池川大将の火入れは、今夜も神ががっています。
合鴨 ♡
ここまで分厚い合鴨は、なかなか出逢えない。山葵も効かないほどに、濃厚な脂が味わえます。
波 ♡
表面と中心部の食感のコントラストが素晴らしい。
恥骨
肉質は一番きめ細かで、しっとり感の中にもプリンっとした食感もあります。軟骨も柔らか。
手羽先
焼鳥の花形であり、大抵はこの部位が出されるとコースが終了というイメージですが、私の場合はここからボーナスステージに入るみたいな。豪快に手掴みで食べるのが、正解です。
じゃがバター ♡
小さなじゃがいもは、串にピッタリ。もっと大きくても、個人的には嬉しい。
ぼん
表面をカリカリに、中心部はコッテリと。良いところばかりをフューチャーしたような仕上がり。
椎茸
椎茸のジューシーさを閉じ込めた焼き上げ。ありふれた椎茸すらもご馳走です。
茄子
火傷必須のトロトロ加減。
背肝 ♡
そっと出してくれる池川大将の優しさに感謝。見る人が見れば分かる超レアな部位。内臓の甘さを感じるには、この部位が秀逸でしょう。香りすらも甘い。
膝
肉質は腿肉よりもしっとりとしており、味わいが濃い。肉系では唯一、菱型の皿で供される部位です。大抵は最後の方に出されるので、食べてみたい方はリクエストを。
そり
腿の付け根の部位で、「愚か者はそれを残す」という意味のフランス語に由来する部位です。筋肉の塊なので、弾力と食べ応えがあり、皮・脂・肉の三拍子が揃った旨味があります。
そぼろ丼 ♡
白醤油?で炒って作られた鶏そぼろをたっぷりの海苔と一緒に。最近は『親子丼』よりもこちらの方が好き。
鶏スープ
濃度は低めで、味わいも濃くはないので、旨味のみを味わえるスープ。
今夜はいつもより手早く提供して下さり、ありがとうございました。忙しい中で供された『肩』『食道』『丸はつ』『かしわ』は、特に素晴らしい火入れで感動しました。23時に近づく頃からは、炭の息遣いも聞こえるほどに静かになり、滅多に見れないような雰囲気に。唯一心残りがあるとすれば、もし『ちょうちん』があったら、私が知っている限り全ての串(野菜串以外)を食べていたのに…ということかな。それでもかなりレアな部位の数々をそっと出してくれた池川大将の思いやりに大感謝です。
今夜も遅くまでありがとうございました。次回は年末、また宜しくお願いします。12500
2018.8.
入り口にある風鈴が夏らしく風に唄う今夜の「鳥しき」は、某店の店主さんといつもの『食べ尽くし』に挑戦です。
本日の献立
さび
ファーストアタックは、炭と山葵の香りから。
かしわ
味付けはタレですが、噛みしめる度に肉の味わいが口に広げていきます。
つくね
生の状態から焼き上げるので、まずは網の上で表面を焼き固めます。なので、すごくジューシーな仕上がりです。
かっぱ
最近、お気に入りの部位。軟骨だけでなく、その周りの肉も絡めていることで実に美味しい。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ!温いところなど一切なく、サクッとした歯切れを楽しんだ後に広がる内臓の甘み。いつもながら、感動の一串です。
白玉
黄身はやや半熟で、クリーミーな仕上がり。
波
表面はパリッと、中心部はもっちりとした皮。どのお店にもある部位だからこその違いを楽しめます。
砂肝
サクサク食感。焼き上がりの見極めが難しい部位。どうやって池川大将が見極めているかを見ているのも楽しみです。
肩
かしわ(腿肉)よりもしっとりとした部位。噛みしめると、甘さが広がります。
手羽先の先の皮
先程の波(皮)と違って、かなり分厚い。カリカリに焼かれています。
獅子唐
定番の野菜串。実はさほど好きではなかったり…。
合鴨 ♡
鴨好きにはたまらない食べ応えのある合鴨です。山葵が乗る時と乗らない時があるのは、謎。
トウモロコシ ♡
夏の野菜串。醤油の香ばしい香りと味わいがたまりません。
食道 ♡
レアな内臓串。サクッ、クニュといった独特の食感も楽しめ、内臓の甘さが映えます。
銀杏
定番の野菜串。
はつもと ♡
はつとレバーの食感を合わせたような部位で、これほど内臓の甘さを感じられるものはありません。
血肝 ♡
「鳥しき」の看板串の一つ。今夜の火入れも素晴らしかったです。
ちょうちん ♡
バラして焼き上げるという池川大将独自の手法のちょうちん。拘っているからこその美味しさがあります。
ぼん
カリッと焼き上げたぼんじり。私はいつも大根おろしを乗せて食べています。
厚揚げ ♡
表面には焦げなどなく、中身は熱々。神がかった火入れです。
椎茸
定番の野菜串の中では、一番好きかな。
アキレス腱
これも相当レアな部位ですが、最近は意外と出逢えています。かっぱよりも、もっと確りとして食感があります。
手羽先
この部位が供されると、そろそろ終わりかなーと思います。焼鳥の花形の部位で、塩味なので鶏の旨味が存分に味わえます。
膝
肉系の部位の中では、よりジューシー。かなりのボリュームもあります。
そり ♡
腿の付け根のあたり。濃厚な旨味が楽しめる素晴らしい部位です。
そぼろ丼 ♡
最近はハーフにして、2種食べてます。味付け・食感ともに素晴らしい丼です。
親子丼
出汁を楽しむ丼で、もう少し半熟ならば飲めるような感じに。
鶏スープ
濃度は濃厚ではなくて、じんわりと身体に染み渡ります。〆に相応しい味わい。
今夜も約4時間、実に素晴らしいものばかりでした。裏メニュー的な『焼きおにぎり』が7月で無期限停止だそうなので、残念。でも池川大将の鬼気迫る焼きを見ていると、無理もないなと言うのが正直なところ。
いつもいつも遅くまで、本当にありがとうございます。次回は10月、また宜しくお願いします。12550
2018.6.
夜風に吹かれながら、今夜も2回転目の入店となる目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。席につくと、「いつもみたいな感じでよろしいですか?」と聞かれ、勿論と頷くそのいつもみたいな感じとは、「鳥しき」で使用している伊達鶏を丸々一羽味わうような食べ尽くし。今夜は何時間かな?
今夜の献立
さび
挨拶がわりの串は、炭と山葵の香りを纏って供されます。
血肝 ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つ。おそらくは、みんな食べたいはず。
ぼん
余分な脂は落とされ、濃厚な旨味だけを閉じ込められた逸品。
白玉
行き始めた頃よりは半熟ではないけど、やや半熟の白玉。
膝 ♡
菱型のお皿で供される肉系の花形。かぶりついた後、是非とも断面を見てほしい。惚れ惚れするようなロゼ色です。
丸はつ ♡
その名の通り、はつを丸々焼いたものですが、この火入れは素晴らしいの一言です。
かしわ ♡
タレでコーティングされた肉は、噛みしめる度に旨味が溢れてきます。
つくね
軟骨を練りこんだ柔らかい生のつくねなので、初めは網を使って、表面を固めてから本格的に焼いていきます。
食道 ♡
クニュ。コリ。クニュ。楽しい食感と滞空時間の長い味わいの余韻が素晴らしい。
銀杏
かっぱ ♡
黒胡椒の刺激と軟骨の周り濃厚な肉が実に美味しい。最近のお気に入り。
獅子唐
波
他店でも必ずある部位なので、火入れの違いがよく分かると思います。表面はパリッと仕上げ、中心はモチモチとしています。
恥骨
肉はふわりと柔らかく、軟骨の食感が時折感じる珍しい部位。
手羽先の先の皮
波とは違い、タレの味わい。皮は分厚くカリカリに焼かれており、甘さすらも感じます。
砂肝
色の変化が乏しいために、焼き上がりの目安が難しい部位。池川大将は砂肝を焼き台に当てることで、その跳ね返り具合で見極めているようです。
肩
かしわとは違い、しっとり感の中で鶏の旨味が溢れます。
厚揚げ
神懸かった火入れを感じられる厚揚げ。ハフハフしながら、食べて下さい。
合鴨 ♡
厚みもあり、旨味も脂もギュッと閉じ込められた合鴨。これで、冬は真鴨とか焼いてくれたら完璧。
せせり
口の中でとろけるようなせせりは、串を持ち上げるだけで脂が滴ります。
じゃがバター
誰もが大好きじゃがバター。野菜串の中で供されると、嬉しい。
はつもと ♡
はつとレバーのいいとこ取りのような食感で、内臓の甘さを実に感じられる素晴らしい部位。
ペコロス
芯まで確りと火入れされており、甘さも引き出されています。
背肝 ♡
トロトロにとろける舌触りと濃厚な脂と内臓の甘さ。実に美味しい。出会えたならば、ラッキーと言える部位です。
鶏スープ茶漬け ♡
〆ご飯の1つですが、遅くなりそうなのでここで登場。中にあるご飯は香ばしく焼かれたお焦げで、具として鶏刺しも入っており、完成度の高い逸品です。
手羽先
焼鳥の花形的な部位。手づかみで豪快に食べて欲しい。そして、直ぐにおしぼりが供されるホスピタリティはさすがです。
椎茸
茄子
そり ♡
最近はトドメの肉系串として供されることが多くなりました。ここまで届かない方は、是非リクエストを。
エリンギ
焼きおにぎり ♡
表面に鶏油?を塗りながら焼かれることで、バリバリとして食感になり、中はふわりとした焼きおにぎり。兎に角、時間がかかるので食べたい場合には、来店してすぐに注文することが必須です。
鶏スープ
片手で焼きおにぎりを食べ、時折スープを啜る。素晴らしいマリアージュです。
ちょうちん ♡
池川大将も分かっていた〆の逸品。この特殊な焼き方は、必見です。熱いはずなのに、熱くないように見えるのは不思議。
今夜は、たいていは席が空くような23時台でも満席状態だったので、今までで最長の5時間!となりました。でも鶏で満たされた感もあり、大満足な夜です。
池川大将、いつもいつもありがとうございます。また宜しくお願いします。12700
2018.4.
友達に誘われて、初の同月に2回目となる「鳥しき」。本日もラストまでいること間違えなしの21時入店です。
本日の献立
お新香
昔はコレでお酒を飲むのが好きでした。
さび
挨拶がわりの『さび』は、炭の香りと鮮烈な山葵の味わいに絶妙な火入れを楽しめます。
かしわ ♡
噛み締める度に溢れてくる肉汁は、鶏の旨さが際立ちます。
かっぱ ♡
最近、お気に入りの部位。軟骨に絡むように串打ちされている肉は濃厚で美味しい。
食道 ♡
シャコシャコとした独特の食感で、タレでコーティングされた旨さが溢れてきます。
白玉
やや半熟加減の黄身は、ねっとりと舌に絡みます。
ぼん
ちゃんと骨も外されていて、食べやすい。私は大根おろしを乗せていただきます。
はらみ ♡
濃厚な脂と適度な歯応えがあるこってりとしたレアな部位。
肩
軟骨のコリコリ感、プルプルとした肉の食感、濃厚な味わいが『かしわ』との違いを楽しめます。
砂肝
この部位に関しては、食感が命。
手羽先の先の皮
同じ皮でもこれは分厚くて、濃厚。ちょっとカリカリに焼かれているのが美味しい。
せせり
他店で食べる同部位でも、「鳥しき」のはとろけるような食感です。
血肝 ♡
来る度に串の真ん中に刺さっている部位が大きくなっている気がします。クセのないとろける濃厚さは、スペシャリテに相応しい。
アキレス腱
これも最近のは肉も串打ちされているので、バリバリとした食感だけでなく、ジューシーさもあります。
獅子唐
炭の香りを纏うだけでも美味しさが変わります。
銀杏
皮ごと焼いて中まで火が通ったら、皮を剥き、また軽く焼き上げます。
波
表面はカリッと、中はもっちりとした火入れの違いが感じられる部位。
合鴨 ♡
ジューシーな肉に鮮烈な山葵の香りがたまりません。ジビエの季節には、真鴨とかやってくれないかな?
厚揚げ
今夜も池川大将の火入れは、神懸っています。
ペコロス
じっくりと火入れされるペコロスは、甘さが際立ちます。
はつもと ♡
見たことないほどに特大のもの。ハツとレバーのいいとこどりみたいな部位。
手羽先
手で豪快に食べることを推奨します。焼鳥の花形的な部位です。
じゃがバター
食べる時にはバターがじゃがいもに染み込んで最高です。
茄子
ヤケド注意のトロトロ加減。
ちょうちん ♡
今夜も卵黄は特大のものです。大将の拘りを感じる焼き方も必見です。
膝
肉々しい中にも、時折軟骨の食感が忍んでいて食べ応えあります。
そり
肉系の部位の王者とも言える部位で、確りとした肉質に驚くでしょう。
親子丼
〆は親子丼。しかし今夜のは白身が完全に固まってしまっていて、好みではなかったです。
焼きおにぎり ♡
前回から次に来た時には食べようと決めていて、入店してすぐに注文しておきました。脂とタレを交互につけながら、じっくりと焼かれる『焼きおにぎり』は尊いの何ものでもないです。
鶏スープ
『焼きおにぎり』とこのスープを交互に食べながら〆る「鳥しき」も素晴らしい。
今夜も長居させていただきまして、ありがとうございます。やはり、いつ食べても何度食べても美味しいものは美味しかったです。
また宜しくお願い致します。
2018.4.
最近はいつも電車の時間を気にしなくていいように、車で訪れている目黒にある「鳥しき」。ところが当日はまさかの大渋滞!そんな日に限って、予想以上に早く女将さんからお電話をいただき、間に合いそうかな?と思っていたら、今度は通行止め!色々なトラブルにあいながらも、お電話を受けてから1時間後にやっと着いたお店。池川さんに謝罪したら、逆に謝られた。何故だ?
本日の献立
さび
挨拶がわりの串は、鮮烈な山葵の中にある鶏の甘さと火入れの素晴らしさを味わえます。
かしわ ♡
タレですが、その味で誤魔化すわけではなく、旨味を閉じ込めるコーティングのような感じ。鶏が!鶏が美味しい!
かっぱ
軟骨のコリコリ感もいいですか、間にある肉が好き。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ。大きさが違うなれど、温いところなんて全くありません。食べ終えた後、鼻に抜ける香りまでも美味しい。
砂肝
サクサク♪サックサック♪心地好い嚙み音。
合鴨 ♡
ここまで分厚いと、とてもジューシーで美味しいなぁ。
はつもと ♡
レバーと心臓をつなぐ部位。食べると、きっと驚くでしょう。この内臓の甘さに。
芽キャベツ
旬の野菜。苦味の奥にある甘さがいい。
じゃがバター
野菜の中では鉄板の美味しさ。時間がかかるので、早めの注文がベターです。
食道 ♡
独特の食感と濃厚な脂、そして甘みが口の中で一体となります。内臓は甘いということを教えてくれます。
膝
菱型の皿で供される何ともボリュームのある部位。しっとりとしながらも、ジューシーな旨味が溢れます。
白玉
黄身はやや半熟。昔はもっとトロトロだったけど、最近はこのくらいみたい。
銀杏
もちもちとした食感で、美味しい。
波 ♡
つまり、皮。他店でも絶対にある部位なので、その違いがよく分かるはず。表面はパリッと、中はもっちりとジューシー。私は上に大根おろしを乗せて、いただいています。
ぼん
食べ応えのあるボリュームで、濃厚な旨味と脂が楽しめます。
つくね
この串には、是非とも卓上にある山椒をかけていただきたいです。香りがふわりと華やぎます。
アキレス腱 ♡
出逢えたならば、ラッキー。昔よりも肉々しくなっています。
血肝 ♡
「鳥しき」の名物串。薄皮一枚で形を保っているような感じで、口に入れた瞬間にとろけます。
厚揚げ
火入れの素晴らしさが光る料理。
背肝 ♡
甘さと脂が映えるジューシーさ。グロテスクな見た目ですが、精巣も串打ちされたなかなかレアな部位です。
ちょうちん ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つと言っても過言ではないでしょう。今回も卵黄の大きなものを焼いていだだきました。
手羽先
皮目はパリッと焼かれて、肉はとてもジューシー。豪快にかぶりつくのが1番です。
エリンギ
これも食感を考えて、串打ちしてあるなぁと感心させられる串です。
腺胃
とてもレア部位。こってりとして、どっしりとした濃厚さがあります。「鳥しき」の中で、一二を争うくらいの濃厚さはいつまでと口の中を支配します。
オクラ
結構、ぬるぬるしたものは好きです。
そり
肉系の王者ですね。皮もあるので、実にジューシーで美味しい。
ペコロス
このペコロスは、実に手間がかかる串だと思います。もしも池川さんの焼き場を見れる位置に座っていたならば、是非見て欲しいです。
鶏スープのお茶漬け
何気に初めて食べる〆料理。中に入れられるご飯は平らにして焼かれているので、スープの中でお焦げのような感じになり、これがまた美味しい。『親子丼』の人気に隠れていますが、素晴らしい完成度です。冬場はこれがベストかな。
今日は実に夢のような夜でした。私が昼間に行ったお店の店主が来店してきたり、何故か夜遅くには客入りは数人になったので私も昼間に会った友達を呼んだりして。かなーり遅くまで滞在させていただきました。ありがとうございます。
次回は、6月。また熱き池川さんの姿を見させていただきます。
2018.1.
ここ数ヶ月、日曜日の営業が隔週くらいになってしまったので、日曜日の予約席はよりプラチナ感が増した目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。今夜も2巡目スタート、オーダーはいつも通り。
入店して、まずは池川大将達に新年の挨拶。座ると、銀座の鮨店の親方もいらして、突然のご挨拶。こういうお店なので、芸能人や著名人も出逢ったことはありますが、お互いに面識のある方は初めてです。
今夜の献立
さび
変わらずに素晴らしい火入れ。山葵の香りも鮮烈です。
かしわ
弾むような弾力の肉の旨味をコーティングするようなタレの存在。挨拶がわりのタレ串は、最高です。
波
表面はパリッと、中心部はムッチリとしたコントラストのある火入れは、素晴らしい。
かっぱ
軟骨のコリコリ食感もいいですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
砂肝
胡麻油香り、黒胡椒のピリリとした刺激の中で、サクサクと心地よく歯切れます。
つくね
卓上には七味・山椒があります。是非、この串には山椒をちょっとかけて食べてみて。山椒の爽やかな香りとタレが凄くよく合いますよ。
食道
滑らかに、ねっとりと、時折シャクシャクとした食感。コッテリとした脂も美味しい。
銀杏
はつもと
内臓系の串の中でも、かなり好き。サクサクと心地よく歯切れ、後味は濃厚な旨味と鶏の甘味。このお店に通う理由の一つは、内臓が美味しいから。原点を思い出させてくれる串です。
白玉
初めて食べる方は、きっと驚く。この半熟さ加減に。
丸はつ
昔は普通の「はつ」があり、この串は知る人ぞ知る裏メニュー的な存在だったのですが。まあこちらの方が人気でしょうね。
アキレス腱
このお店でも、かなりレアな串。昔よりも肉っぽくなって、バリバリとした食感だけではないです。
せせり
最近気に入っている串で、ここの『せせり』はとろけます。
合鴨
鴨好きなので、食べ応えのあるこのボリュームは大好きです♡この季節ならば、合鴨じゃなかったら、なおいいのだけど。
血肝
このお店のスペシャリテ。薄皮で保っているようなトロトロ加減。レバーの概念が変わる串です。
手羽先の皮の先
先程、食べた『波』よりも厚くて、濃厚な脂が特徴的。
背肝
見た目はグロテスクですが、極上のトロトロ感と濃厚な旨味があります。通常だと、なかなか出てこないかも?食べたい時は、大将にリクね。
膝まわり
串でなく、菱皿で供される部位。白髪ねぎは胡麻油が香り、皮のパリッとした食感と食べ応えのある肉とゼラチン質がたまらない。
厚揚げ
表面には焦げはなく、中は温い。焼かれたことが分からないほどに綺麗。池川大将の火入れの素晴らしさ。
ぼん
ここのはちゃんと骨を外しているので、とてもいい。大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
そり
腿の希少部位で、肉系の串では最高峰ではないでしょうか。大きいので、一口で食べるには難しいかもですが、口いっぱいの口福を味わえます。
茄子
極上のトロトロ加減。
ペコロス
茄子がトロトロ感ならば、これは極上の甘味。
手羽先
個人的には焼鳥の花形だと思っています。豪快に手で持って、骨の周りの肉を確りと食べ尽くしましょう。
ちょうちん
これも名物の一つで、〆に食べる方も多いでしょう。プツンと音を立てて弾ける卵黄のコクは、口福の始まりです。
椎茸
じゃがバター
野菜の中では、1番好きかな。
肩
『かしわ』よりもしっとりで、上品なジューシーさがあります。
エリンギ
今夜の〆。堪能した〜。
親子丼ハーフ
「鳥しき」の〆ご飯は、5種。1番人気は、やっぱりコレでしょう。出汁の味わいが強く、安定した美味しさ。
そぼろ丼ハーフ
今更気づいたのですが、「ハーフにすれば2種食べれるじゃん!」ってことで、そぼろ丼も。
鶏スープ
じんわりとした鶏の出汁。今夜の味付けは、薄めだったなぁ。
約3時間、今夜も食べた〜。レアな串も取っておいて下さったのかな?私の知る限り、未食串は2種くらい。「鳥しき」の全てを堪能したといっても、過言ではないでしょう。
今夜もご馳走さまでした。今年も宜しくお願い致します。
2017.12.
年末のご挨拶を兼ねて、目黒にある名店「鳥しき」へ再訪。今回も2巡目の時間制限なしなので、いつものように「一通り」のおまかせです。
今夜の献立
お通し
いつものお新香。
さび
いつもの「鳥しき」のスターター。素晴らしい火入れと鮮烈な山葵の香りが鼻をくすぐります。
かしわ
見た目でも美味しい焼鳥と思えるビジュアル。ジューシーでもあり、しっとりとした味わいもあります。
ぼん
久しぶりに食べた「ぼん」。こんなにも食べ応えがあっただろうか。美味しい♡
丸はつ♡
胡麻油と黒胡椒のパンチのある名物的な串。串を持ち上げるだけで、肉汁が滴り落ち、噛み締めれば、その肉汁が溢れ出します。
食道♡
独特の食感と滴る脂が交互に織りなすハーモニーのある串。タレはコーティングという意味がこの串から分かるはず。
銀杏
波
波のように折り重なった皮は炭の香りを纏い、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
つくね
ややしっかりと挽かれた肉は、とてもジューシー。卓上の山椒をかけると、より香りが華やぎます。
はつもと♡
今回のはつもとは、特に素晴らしい。とろけるような食感に、程よい歯ごたえ。タレ味ながらも、肉の味わいがちゃんとする素晴らしい。
オクラ
血肝♡
「鳥しき」の看板串。まずはこれが食べたいと思う方も多いはず。大きく切ったレバーをとろける火入れで仕上げています。
背肝♡
とろりとした食感で、味わいは極濃厚。ちょっと見た目がグロいけど、実に美味しい。
かっぱ
所謂、軟骨。でもこの軟骨に張り付いている肉が美味しい。
手羽先の先の皮
さっき食べた波(皮)よりも厚く、より濃厚。それを表面をパリパリに仕上げて、噛み締めると脂が溢れてきます。
合鴨
食べ応えのある極厚の合鴨。それでも柔らかく、とろけるような肉質。
厚揚げ
神の火入れの宿る料理。
せせり
ここの『せせり』は、何故とろけるような肉質なんだろう。飲み物のような串です。
恥骨
このお店の中では、新しい部位。同じお尻の部位だと『ぼん』がありますが、味わいは真逆。
肩
『恥骨』よりはしっとりしており、鳥でも部位より味わいが異なることを再認識。
ちょうちん
プツンと音を立てて、卵黄のコクが口の中で広がっていく。このお店のスペシャリテの一つ。
じゃがバター
何気に好きなこの串。池川大将の火入れの素晴らしさが分かります。
膝まわり♡
串ではなく、菱型の皿で提供される部位。ジューシーな肉質とゼラチン質のハーモニー。
そり♡
腿の付け根にある部位で、弾力のある肉質と食べ応えのある大きさがたまりません。
エリンギ
茄子
腺胃
このお店でもかなりの希少部位。特に今回のは大きく、むっちりとした歯ごたえと舌にまとわりつくような濃厚な脂が◎。
手羽先
焼鳥の花形とも言える串。皮のパリパリ感と骨の周りのジューシーさが美味しい。
白玉
大将が忘れていた串。最後に出して下さいました。
そぼろ丼
今回の〆は、そぼろ丼。親子丼も美味しいけど、このそぼろもご飯によくあって美味しい。
鷄スープ
最後は熱々のスープ。このスープをそぼろ丼にかけて食べても美味しいかも。
今回も約3時間半と「鳥しき」の味を堪能致しました。途中から隣にいらした方と情報交換などできて、新しい名店の扉も開きそうです。
来年も早々から予約済みですので、今から楽しみです。来年も宜しくお願い致します♡
2017.9.
生温い風が風鈴を鳴らす季節になりました。そんな風鈴の音を聞きに、目黒にある「鳥しき」へ。
今夜も『一通り』で注文です。
今夜の献立
お新香
最近は諸事情でやっていませんが、白ワインと合わせるのが好きです。
鶏そぼろ
あることは、かなり前から知っていたのですが、注文したのは初めて。〆の『鶏そぼろ丼』のお摘みバージョンです。薄めの味付けなので、単体でも美味しい。
さび
挨拶がわりの串は、やはりコレ!
かしわ ♡
タレ味ですが、コーティングのような感じなので、鶏肉本来の味と脂が味わえます。食べ終えた後も余韻が続きます。
線胃 ♡
かなりのレア串。持つだけで、脂が滴り落ちます。シャコ!シャコ!といった食感の後に、ジワリと濃い脂が溢れ出します。
砂肝
シャクシャクした食感がたまらないです。
白玉
食べてみると、分かる。ちょっとしたサプライズの串。
食道 ♡
独特の食感と余韻が続く脂の旨さ。私の好きな部位の一つです。
恥骨 ♡
腿肉よりもしっとり、胸肉よりもジューシー。ゆっくりと味わうべき部位です。
かっぱ
いわゆる軟骨ですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
波
表面はカリカリ、内側はモチモチしているので、ずっと噛んでいたくなります。
はつもと ♡
独特の食感を楽しみながら、噛むたびに溢れてくる脂と甘さが秀逸。
アキレス腱 ♡
これもレア串の一つ。確りとした歯応えの中にある肉の味わいが好き。
せせり
他店の同じ部位よりも、柔らかでジューシー。
手羽先の先の皮
先ほど食べた『波』よりもこってりとしていて、弾力があります。
血肝 ♡
「鳥しき」といえば…ってくらいに有名な部位。今夜のは、特別に大きかったです。
獅子唐
他店と比べたことないですが、普通でしょう。
トウモロコシ
夏の「鳥しき」の名物。何気に楽しみだったりします。
丸はつ ♡
最近はメジャーになった部位。はつがお好きならば、是非!
銀杏
さほど好きではなかったですが、このお店で好きになりました。
背肝 ♡
久しぶりに味わえました。独特の食感、滴る脂と甘さが素晴らしい部位です。
合鴨
これも久しぶり。食べ応えのあるボリュームです。
膝まわり♡
確りとした肉質とその周りにあるゼラチン質が楽しめます。ガブッと食べると、その両方が味わえて◎。
手羽先
焼鳥店の中でも最も食べ応えのある部位ではないでしょうか。パリパリの皮とジューシーな肉がたまらないです。
茄子
実は初の串。この茄子、すごい!何度も串の位置を変えながら、じっくりと焼かれた表面は確り、中はトロトロ♡
つくね
ふわりとした柔らかさの中で、時折感じられる軟骨のコリコリ感がいい。
厚揚げ
池川大将の火入れが1番よく分かる串。是非、他店と比べてみて下さい。
そり ♡
肉系が好きならば、必食の串です。
椎茸
絶妙な塩加減と椎茸汁が美味しい。
ぼん
是非、大根おろしを乗っけて食べてみて。実に美味しいですよー。
ちょうちん
〆はコレ!卵黄が大きいのを取っておいてくれたみたいですが、割ってしまったそうなので、今夜は小さめ。
親子丼 ♡
〆のご飯物。卓上にある山椒を少しかけると、香りが華やぎより美味しい。
鶏スープ
鶏がら何羽分なんでしょう。濃厚ながらも、ホッとする味わいは最後にぴったりですね。
今夜も無事に『一通り』、頑張りました。私が知っている部位で供されなかった(今夜はなかった)のは、『肩』『ハラミ』くらいですかねー。池川大将に感謝です。
とりあえず、今年の予約はもうないのですが、12月or1月は行きたいなぁ。
ご馳走様でした。また宜しくお願い致します。
2017.6.
久しぶりの2カ月連続での「鳥しき」。2回転目ですが、今回も時間制限がないので、一度やってみたかったことを決行です。
「nao.さん、いつものような感じでいいですか?」
「今日は食べ尽くしで、お願いします!」
「!…分かりました。堪能して下さい!」
という感じでスタートです。
今夜の献立
さび
肩肉
弾むような肉質で、噛みしめるとジュワリと肉汁が溢れます。
手羽先の皮 ♡
厚みがあり、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
かっぱ
丸はつ ♡♡♡
胡麻油の香りとスパイシーな黒胡椒。はつの弾む肉質は、丸々だからこそダイレクトに味わえます。
食道 ♡♡♡
ねっとりとした食感の中で溢れてくる肉汁は、後後味も美味しい。
白玉
獅子唐
かしわ ♡♡
焼鳥店の看板の串。今回はここで登場です。
砂肝
血肝 ♡♡♡
先端をはつで止めている独特のスタイルは、中心にある特大のレバーをしっかりと固定する為。絶妙な火入れで、とろけます♡
膝肉 ♡♡
串ではなく、別皿で供されます。皮はカリッとして、肉はジューシー。胡麻油をかけられた薬味の葱と一緒に食べれば、更に美味しい。
そり ♡♡
「鳥しき」の正肉の中では、一番なのではないでしょうか。一口では食べれない程に大きく、噛みしめるのが楽しいくらいの弾力があります。
せせり
味付けは極僅かなので、肉汁が甘い。
ちょうちん ♡♡♡
心地よくプツンと口の中で弾ける卵黄は、絶妙な火入れ。
銀杏
手羽先
ダイナミックな串なので、是非手づかみで綺麗に食べきってね。
はつもと ♡♡♡
はつとレバーの中間のような食感に溢れてくる肉汁。
厚揚げ ♡
何気ないメニューですが、これが火入れの素晴らしさを感じられます。
アキレス腱 ♡
「鳥しき」の中でも、かなりのレア串。しっかりとした歯応えで、噛むのが楽しい串です。
じゃがバター
恥骨 ♡
これもレアな串。お尻周りの軟骨で、とても柔らかくしっとりとして美味しい。
ぼん
波
小玉葱
親子丼(小)
出汁を味わう親子丼。〆のご飯物では、ダントツの人気ですね。
鶏スープ
3時間半という長丁場。これでも食べていない串や〆のご飯物はありますが、久しぶりにこのお店を堪能しました。どれだけ有名になっても、当初から変わらないクオリティとホスピタリティは、このお店の一番のウリだと思います。ますます予約困難になっていますが、できる限りずっと通いたい大切なお店の1つです。
今夜もご馳走さまでした。
夜風がまだ少し肌寒い日、今年初となる「鳥しき」へ。今夜は食べ歩きで有名な方と有名店の店主さんのお隣で、いただきました。久しぶりでしたが、池川大将はちゃんと私のことを覚えてらして、少し安心。
本日の献立
さび
挨拶がわりの串。相変わらず、火入れは素晴らしい。
かしわ♡
お店の看板串。ジューシーな肉汁に、適度な歯応えが心地よい。
はつもと♡
シャコシャコした食感の中で溢れる肉汁。
砂肝
そり♡
なんとも食べ応えのある串。パリパリの皮に包まれたモモ肉は、とてもジューシーで噛みしめる度に溢れる肉汁に溺れそうです。
白玉
手羽先の皮♡
通常の皮(波)に比べ、厚くて歯応えも強い。皮がお好きならば、是非この部位を食べていただきたいです。
つくね
手羽先
血肝♡
看板串の1つ。これを食べたい方も多いのではないでしょうか。先端のはつで、大きなレバーを止める串打ちをしてあり、とろける感じがたまりません。
かっぱ
厚揚げ♡
大将の火入れの素晴らしさは、この串が一番分かりやすいと思います。
せせり
よく見かける部位ですが、このお店のは柔らかく、微かな歯応えがあります。
膝♡
これも肉の部位が好きな方は、是非食べていただきたい。肉汁は濃く、食べ応えもあり、素晴らしい部位です。
じゃがバター
何気に好きな串。焼きに時間がかかるので、食べたい方は早めのオーダーがポイントです。
ぼん
最近は大根おろしを乗せて食べるのが、私のスタイルです。
食道♡
脂もあり、食感も楽しめる素晴らしい部位です。
丸はつ♡
定番化してきたレア串。丸々のはつは食べ応えもあり、噛みしめると肉汁がほとばしります。私的には『血肝』『ちょうちん』と共に食べていただきたい串です。
ちょうちん♡
締めはいつも看板串です。プツンと弾けるように口の中で完成する串だと思っています。
いつも電車の兼ね合いで、ゆっくりと出来なかったのですが、車で来たので最後までじっくりと堪能することができました。池川大将の行きつけのお店も教えていただいたので、そのお店にも再訪してみようかと思っています。
次回は来月。またたっぷりと堪能させていただきます♡
2016.12.
ガラリ。
「いらっしゃいま…え?」
(え?今日、予約だったっけ?)と、そんな表情の大将。
「お弁当を」と言うと、
「え?お弁当って、xxさんだったんですか?」
その瞬間、店内の視点を一斉に浴び、大将とちょろっと会話。
最近はめっきり予約が取れなくなってしまった「鳥しき」に、顔を忘れられない程度に行こうと思い、『お弁当』を買いにやってきたわけです。まあ、それ以外の試みもあったのですが…今回は失敗でしたね。
久しぶりに食べる「鳥しき」の『お弁当』の中身は、鶏そぼろ・椎茸・ぼんじり・シシトウ・かしわ・つくね・白玉で、塩味とタレ味で分かれています。お弁当なので、冷めてしまいますが、やはり美味しい。あまり知られていないかもですが、実は串もテイクアウトできるので、予約できない時はこれでもいいかなーって思っています。
来年に正式オープンする2号店の名刺も戴き、是非行ってみようかと。
2016.9.
最近、なかなか予約が取れなくて、もしかしたら今年最後になるかも?の「鳥しき」に再訪。今夜は2回転ながらも、時間制限なしで、池川大将の焼き場を見ながらゆったりと。
本日の献立
お新香
さび
かしわ ♡♡♡
焼鳥店の看板というべき部位。味付けはタレですが、決して濃い味ではなくて、鶏本来の味や脂の甘みを感じられる一串。
白玉
食道 ♡♡
砂肝
波
合鴨 ♡
丸はつ ♡♡
はつもと ♡♡
つくね
血肝 ♡♡♡
膝 ♡
アキレス腱のポン酢和え
ちょうちん ♡♡
ここまでで、3時間。久しぶりにゆっくりと食べれました。「nao.さん、食が細くなったんじゃないですか?」と心配されましたが、「 大将、かなりいただいてます 笑」レアな串を黙っていても出してくれる大将の心遣いに、今夜も感謝です。
そういえば、私の通っている鮨店の親方が食べに来られたらしい。次回、その鮨店に行った時に話してみましょう。
ご馳走様でした。
2016.7.
久しぶりに開店時間からの「鳥しき」。真っ白な暖簾と共にチリンチリンと鳴る風鈴が付けられ、焼鳥店ではあまり感じられない四季を感じさせます。店内には凛とした雰囲気が流れていて、これから忙しくなる焼場の炭が静かに燃え上がり、池川大将の登場を待っています。
本日の献立
お通し
何気なく出されるぬか漬けですが、美味しい。最近は白ワインと合わせています。
さび
スタートはこの串。山葵の洗練さがよく映えます。
血肝
この「鳥しき」の看板とも言うべき部位。先端にはハツを刺し、特大のレバーを止めています。大将の絶妙な火入れがなすプリプリ感は素晴らしい。
食道
シャコシャコした食感で、程よい脂。美味しい。
丸はつ
定番となったレア串。口にすると、一気に脂が溢れます。素晴らしい火入れ。
アキレス腱ポン酢
新メニューなのかな?大将が出してくれました。「鳥しき」の中でも☆☆☆クラスのレア部位で、しっかりとした歯応えが楽しめます。
ぼん
最近は口直しに出される大根おろしを乗せて食べています。オススメの食べ方ですよ。
はらみ
これも☆☆☆クラスのレア部位。ゆっくりと歯が入っていき、最後にシャクとした歯応えが残る。食べ終えた後も残るコッテリ感は、独特。
背肝
ちょっとグロテスクな見た目ですが、脂乗りは別格。ふわりとした食感で、時折プチっと弾けるような食感もあります。
トウモロコシ
夏の定番野菜。夜店で焼いているのとは、全く違う。大将が焼くと、ここまで洗練されるのかと思うほどに美味しい。
ちょうちん
これも「鳥しき」の名物。口の中で弾ける卵黄とそれに絡まる部位は、美味しいの一言。
白玉
持てば分かる。この鶉の卵は半熟なのです。単なる卵でも感動はあります。
はつもと<魂の一串>
これも私が好きな部位。肉の味が分かる絶妙な塩加減。美味しい。
膝
最後は膝周りの肉。かなりのボリュームがあり、しっかりとした脂と肉質は焼鳥という概念を払拭します。
親子丼
某百貨店のイベントで、数万食を売り上げた有名丼。見た目は生っぽいですが、意外とちゃんと火入れされています。
鳥スープ
飲むと唇に膜が張るほどの濃度。塩気はさほどなくて、肌にも良さそうな感じ。
今夜も他を圧倒するほどのスピードで提供していただきました。ありがとうございます。また串の本数は少なめがですが、レア部位ばかりで新しいメニューも食べることができ、満足。また宜しくお願いします。
ご馳走様でした。
2016.4.
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に定期訪問。最近は日曜日の2回転目が多く、まったりとした時間が流れ…なかった‼︎2カ月前の予約なので、先日の催事やテレビの影響はないと思いますが、23時くらいまではずっと満席が続いてました。さすがに池川親方もちょっと疲れていたかな。
本日の献立
・さび
・血肝
・波
・せせり
・かっぱ
・つくね
・砂肝
・丸はつ
・はつもと
・ちょうちん
「鳥しき」ならではの近火の強火で焼き上げ、卵黄の部分は表面が少し固まったくらいで、口に入れればプツンと弾けて絡みます。是非とも食べてもらいたい名物の串と言えます。
・膝
・そり
・厚揚げ
「本日はいつもお出ししている部位がなくて…」と仰っていましたが、私の好きな部位はあって満足です。いつもいつも限られた時間の中で、多くの串を出していただきありがとうございます。
今回は初めて座る場所だったので、親方の右手の爪を生で見たり、帰り際に最近行ったお店のことなどをちょっとお話できて良かったです。
また宜しくお願いします。ご馳走様でした。
2016.1.
新年のご挨拶をする為に予約した「鳥しき」へ再訪。でも今夜は珍しく2回転目で、21時からのスタートです。まずは、冷えた身体を熱燗で温めましょう。新年ということで、お忙しい中、池川親方からお酌していただきました。ありがとうございます♡
今夜の献立
さび
かしわ
丸はつ
やはりこの部位は、欠かせません。
腺胃
鳥の胃袋。歯がジワリと入っていき、シコシコとした食感で、かなり濃厚な味わいです。随分と通ったつもりですが、まだ未食の部位がありました。池川親方曰く、かなりのレア串だそうです。
背肝
ふんわりとし食感の中で、味わうしっかりとした脂とプチっと弾ける精巣は、私の好きな部位です。
白玉
アキレス腱
これもレアな串。前回に引き続き、いただくことができました。
波
食道
血肝
ちょうちん
はつもと
血管特有のシコシコした心地よい食感があり、脂も楽しめます。
そり
正肉が好きならば、食べて欲しい何とも食べ応えのある部位です。
鳥スープ
食後のお楽しみ。透明な中にも、唇に膜が張るくらいのコクがあります。
今夜はちょっと遅くなったので、早めに切り上げました。それでも好きな部位は十分に食べることができたし、親方や女将さんにもご挨拶できたので、満足。親方は、満足してなかったようですが(笑)
次回の予約はまだ取っていませんが、今年も何度でも行きたい大切なお店です。
2015.12.
今年最後の「鳥しき」。いつもの時間で、いつもの席でまったりと。
本日の献立
さび
血肝
皮ポン酢
食道
かしわ
波
アキレス腱
つくね
背肝
はらみ
丸はつ
厚揚げ
はつもと
恥骨
膝肉
ちょうちん
そり
親子丼
今夜はお弁当の注文が多く入っていたようで、提供がかなりスローリーな展開。さほど食べてないうちに、そろそろ帰りの時間が…。その時、ご主人が提供数に納得してなかったようで、「時間、気にしなくていいので」と延長してくれたので、レアな串ばかりいただきました。
中でも久々に食べられた『アキレス腱』や『はらみ』、『恥骨』は美味しかったです。『丸はつ』『背肝』『食道』あたりは、もう私が好きなことをご存知なので、何も言わずとも出していただけます。そういえば、他店では見かける部位がないなぁと思っていたら、実はあるみたいで、次回は食べようと企んでいます。
物腰の柔らかな女将さんとちょっと早い年末のご挨拶をして、吐息舞う夜に帰っていくのです。
次回は新年早々です。
今年もありがとうございました。
2015.9.
いつもの時間、いつもの席、違うのは感じる風の匂いが、だんだん秋めいてきたことかな。そんなことを思いながら、今夜は「鳥しき」。
ご主人に「赤坂のSの親方が、たまには入れて下さいって仰ってましたよ」と言うと、「‼︎ 行かれるのですか?」と驚かれてました。何とも、狭い世界ですね。あの雰囲気の中で、ご主人と会話するのは難しいですが、いつかは話しながら食べてみたいです。
今夜の献立
さび
血肝
食道
背肝
かしわ
白玉
つくね
ししとう
丸はつ
はつもと
合鴨
銀杏
手羽先
玉葱
ちょうちん
膝
そり
今回は、2回転目のお客さんが遅れているので、ゆっくりどうぞとのご厚意に甘え、歴代最高の滞在時間となりました。次回の予約はまだ出来ていないので、もしかしたらこれが今年最後の訪問となるかもしれません。人気店になり、非常に予約が取れなくなっていますが、また必ず再訪します。
ご馳走さまでした。
2015.6.
黒い壁に、印象的な白い暖簾がたなびき、チリンチリンと風鈴の誘いと共に、今夜も「鳥しき」が開店です。予約の名前を告げることもなく、いつもの席へ案内されます。ご主人と女将さんに軽い挨拶を交わして、今夜も堪能致しましょう。
今夜の献立
さび
始まりの串は、やはり皆一緒のようです。
血肝
相変わらず、素晴らしい火入れです。
はつもと
ここら辺から私の内臓系の献立に分岐。
食道
私の好きな部位。ちゃんと入れてくれる。ありがとうございます♡
ちょうちん
いつもは〆なんだけど、今夜は早めに出してくれました。焼きに時間がかかるので、一番最初に焼き始めてくれました。
つくね
食べ応えのあるボリュームで、美味しい。
恥骨
実は今夜の宿題メニュー。未食だった部位です。肉は柔らかくジューシーさとしっとりさを兼ね備えた感じで、かっぱよりも歯応えのある軟骨があります。
膝
小皿で供される肉系の部位。
丸はつ
たまたまなのか、今夜は串でした。丸はつ二個分♡
砂肝
ラストには珍しい部位。多く提供したいというご主人の思いを感じる一串です。
今夜は一時間という最短の時間でしたが、いつも以上のハイペースで供して頂きました。ありがとうございます♡
夏の予約はできなかったので、次回は秋頃。また宜しくお願い致します。
2015.4.
桜咲き、花吹雪が舞い散る肌寒い日、「鳥しき」に再訪。本来なら2カ月前に予約するのが常なのですが、今回は6月分を予約する際に、念のため4月分の予約状況を聞いてみると、ちょっとした隙間があったので、予約させて頂きました。1人客のなせる技です。
今夜の献立。
さび
血肝
かっぱ
食道
白玉
背肝
おくら
かしわ
ぼんじり
丸はつ
膝
そり
ちょうちん
このお店に関しては、たいていのものは食べ尽くしたと思うので、その日に感動した串の写真を載せようと思います。で、今夜の一番と思ったのは、やはり『丸はつ』かな。2つくれたのは謎ですが、嬉しい限りです。内臓系が好きなので、定番の『血肝』『ちょうちん』や希少部位の『食道』や『背肝』が供された時は、心躍りますね。
実は電話の際に「すごい短時間になってしまい、申し訳ないです」と女将さんから言われるほどに短い予約時間だったのですが、後のがキャンセルになったのでしょうか?「ごゆっくり、どうぞ」と言われたので、たっぷりと堪能できました。
次回は5月。またゆっくりできたら、いいなと密かに思っています。
2015.1.
今年の「鳥しき」初めは、めでたくも1月中にでき、新年のご挨拶をご主人らと交わすことができました。いつもは開店同時の入店ばかりだったのですが、今回は21時という初めての時間帯です。焼き場は勿論、忙しいには変わりないですが、お客さんはどこかまったりとしていて、柔らかい空気が漂っている感じ。
今夜の献立。
さび
鳥刺しがない今、その味に近いのは、この串。
血肝
レバー嫌いでも、一度は食べて欲しい串。大きく、食べ応えがあります。
食道
私の好きな部位の一つ。時折感じるシャコシャコ感がたまりません。
白玉
はつもと
私の好きな部位の一つ。心臓の付け根部分なので、くにゅとした歯応えがあります。
つくね
軟骨を練り込んだ逸品。
芽キャベツ
旬の野菜ということで、今夜は皆さんに出されてました。
かしわ
改めて、美味しいと感じた串。プリプリの弾力です。
背肝(腎臓)
久々に出逢えた内臓系最強と思っている串。トロリと、とろけます。
厚揚げ
ご主人の火入れの素晴らしさをダイレクトに感じられるのが、これだと私は思っています。
丸はつ
今夜は2つですよー♡あまり教えたくない部位です。
かっぱ
ここら辺から、肉系。
波
皮といっても、侮るなかれ。
膝
皮目はパリッとしていて、肉の部分はジューシー。食べ応えがあります。
そり
最近は多くのお店で見られるようになりました。腿の付け根部分。肉系最強です。
ちょうちん
今回は卵黄の部分が大きすぎて、外れてしまうとのことで、別皿で提供。やはり〆は、この串です。
もうご主人は、私が内臓系が好きということを知ってらっしゃるのでしょう。レア内臓系ばかりです(笑)しかも遅い時間だからないかもと思っていた『背肝』や『丸はつ』などがあり、今夜は大満足でした。ご主人とちょっとお話しもできたしね。
味と同様に、私の心を掴んで離さないのは、そのホスピタリティー。研鑽していく味と、益々有名になっていく中で、焼鳥店とは思えないほどのホスピタリティーの高さは、本当にすごいことだと思います。
「感動のある焼鳥店」
これからも大切にしていきたいお店です。本年度も宜しくお願い致します。
ごちそうさまでした♡
⑩2014.12.
最近はイタリアンやフレンチの開拓にも手を出しているので、リピート率が益々低くなってきている中で、食べたいと思うのは感動を与えてくれるお店。その一つが目黒にある名店「鳥しき」です。
予約困難な焼鳥店ですが、常連さんで早々と席が埋まるということなく、ひたすら電話をかけ続けるという根気(食欲とも言う)があれば、何とかなるお店です。いつの間か私もすっかり名前で呼んで頂けるくらいになりましたが、予約日には200回以上のリダイヤルをします。やっと繋がって、希望日を言い、名前を言うと「あ、いつもの方ですね?」と言われます。焼鳥店なのだから、いてもおかしくないと思うのですが、未だ一人客に出逢ったことがありません。一人客である私はとても珍しく、変わったものを食べるので、印象的なのだと思います。
今夜の献立
さび
私のレビュータイトルの「ちはやぶる神の火入れ」は、もうここから感じられるはずです。
砂肝
皮のポン酢和え(注文)
今回、「一品料理を食べる」という課題を持っていました。以前は『たたき』などの鳥刺し系があったのですが、現在は提供していません。「じゃあ、今は何があるの?」と思い、聞いてみたところ、現在は2品の一品料理があるそうです。その中の一つが『皮のポン酢和え』。皮の表面をカリッと焼き上げ、薬味を乗せ、ポン酢をかけていただきます。これがなかなか美味しい。薬味の爽やかさとポン酢の酸味が皮とよく合います。
白玉
かっぱ
血肝
今回のは特に大きくて、食べ応えがありました。クセや血腥さなどは微塵もないので、絶対に食べるべき串です。
椎茸
ぼん
かしわ
銀杏
食道
私の好きな部位。適度な脂もあり、食べ応えもあり、とても美味しい。
丸はつ(注文)
久々に出逢えた!名前の通り、はつ(心臓)を丸のまま焼いたもの。1羽につき1つしかない部位なので、希少価値が高く、ホントはあまり存在を教えたくないです。
膝
基本的に私は内臓好きですが、肉の部位の中では好きな部位です。
ジャガバター(注文)
前回食べた『トウモロコシ』が素晴しく美味しかったので、野菜もいいかなと思い、注文。その結果、大正解!ホクホクとした火入れはさすがです。焼き上がるのに時間がかかるので、早めの注文はベター。
厚揚げ
何気に提供されるこの『厚揚げ』、実は「神の火入れ」を一番感じられる逸品だと思っています。
そり
はつもと(注文)
ちょうちん
手羽先
お弁当
今回は〆のご飯を食べなかった理由は、ここにある!実は『お弁当』って初めてなんです。粗めに挽いた鶏そぼろに、椎茸・ぼん・かしわ・つくねを盛った豪華なお弁当。お店で食べるのも勿論いいですが、家で食べる「鳥しき」の味もいいですね。
⑨2014.8.
久々に「鳥しき」で一杯。今年はあまり行けなかったのですが、ご主人はちゃんと覚えていて下さり、感謝です。
今夜の献立はこんな感じ。
さび
かしわ
とうもろこし
アキレス腱(稀少)
食道(稀少)
はつもと(稀少)
しいたけ
かっぱ
腎臓(稀少)
膝(稀少)
首の皮(稀少)
つくね
ちょうちん
ソリ(稀少)
血肝
〆は「新チューボーですよ!」で、街の巨匠にも登場していた『とろとろ親子丼』。
あまり私に野菜系は供されないのですが、今回出してくれた『とうもろこし』は、すごく甘くて美味しかったな。べ、別に野菜が嫌いってわけじゃないんだからね(笑)
今夜の献立の中で、1番を挙げるならば『腎臓』かな。内臓好きで、ゴメンナサイ。
ごちそうさまでした。また冬に伺います。
⑧2014.2.
2014年初の「鳥しき」へ。いつも18:00開店と同時に何名かと一緒に入るのですが、今回は5分くらい誰も来ず、一ヶ月遅れの新年の挨拶をちゃんと交わすことができました。いつもの席、いつものお任せでスタート。飲み物だけは気分によって変えますが、最終的にいつも日本酒になります。最近は焼鳥にワインというマリアージュも多くなりましたが、私はやはり日本酒が一番合うような気がします。
本日の献立
かっぱ
かしわ
ソリ(希少)
はつもと(希少)
芽キャベツ
ちょうちん
波
白玉
つくね
食道(希少)
血肝
膝(希少)
ハラミ(希少)
親子丼
今回は、こんな感じになりました。久々にご飯ものが食べたくなったので、いつも定刻ギリギリまで串を食べているのを早めに切り上げて、『親子丼』を注文です。あまり『親子丼』って食べないのですが、ここのは素晴しい火入れで、トロトロ感を味わえ、美味しい。未食の方は、是非。
⑦2013.11.
おそらくは、今年最後の「鳥しき」に再訪。いつもの時間、いつもの席で、今夜も一杯です。でも、今夜はキャンセルがあったそうで、ゆっくりしていいとのご主人の言葉に甘えることに。2ヶ月前の予約なので、意外とキャンセルはあるみたいです。
今夜の献立。
・さび
・肩(希少)
・かっぱ
・波
・アスパラ
・白玉
・椎茸
・ソリ(希少)
・血肝
・膝(希少)
・アキレス腱(希少)
・はつもと(希少)
・丸はつ(希少)
・食道(希少)
・ちょうちん
今夜も美味しく、いただきました。初めて行かれる方は、たいてい『おまかせ』だと思うのですが、食べたい串があれば、ちゃんと言えばご主人が取り入れてくれます。特に希少部位と言われる串は、言わないと提供されないことが多いので、ご注意を。
私のオススメは、肉系ならば『ソリ』、内臓系ならば『丸はつ』『食道』。どの串も大振りで、食べ応えもあって美味しい。そして、絶妙な火入れを楽しむならば、『血肝』や『厚揚げ』。
〆のご飯ものも、『親子丼』などは必食。でも私は、串とお酒で楽しむのが、『鳥しき」では好きなのです。
⑥2013.9.
「鳥しき」に、再訪。いつもの席、いつもの『おまかせ』で、今夜も一杯。顔と名前も覚えて戴き、すっかり常連になってしまいました。ありがたいことです。
今夜の献立。
・さび
・血肝
きっと最初は、この二本が提供されることが、多いはず。基本的に、右側に提供されるのが『塩』で、左側に提供されるのが『タレ』です。最初に提供されるお皿は、そのまま取り皿として使うので、『塩』と『タレ』を間違えないようにしましょう。
・はつもと(稀)
・食道(稀)
ここからは、私のコースに分岐。メニューにはない稀少部位です。
・椎茸
・まるはつ(稀)
椎茸、元はすっごい大きいんです。まるはつは、最近のお気に入りです。
・白玉
・銀杏
きっと誰もが、「おっ!」と驚く白玉。何故かは、ナイショ。
・波
・つくね
つくねは軟骨も練り込んでいるので、ジューシーさとコリコリ感が楽しめます。
・背肝(稀)
・ソリ(稀)
背肝は腎臓のこと。コレも、美味しい。そして、ソリ。コレは腿の付け根の部分または股関節のことで、かなりの食べごたえのある部位。是非、食べてみて。
・肩(稀)
・ちょうちん
肩もメニューにないです。内臓系だけが、稀少部位ではないんですね。串の〆は、ちょうちん。美味しい♡
・親子丼
・鳥スープ
今夜は、久しぶりにごはんものをいただきました。
いつも思うのですが、私だけ提供スピードが違うんです。というのも、私だけ90分という限られた時間で、席を取ってもらっているので、ご主人が気を遣って下さっているのです。そして、メニューにないような部位を食べているので、提供されると同時に、「アレ、何?」といった隣の人からの視線が…^^;
実は、2ヶ月連続で予約取れたので、また来月もお願いしまーす。そろそろ『たたき』が食べたいぞよ♡
⑤2013.7.
新しくオープンした「鳥しき」姉妹店の「ガルス」も気になるところですが、今夜は予約した「鳥しき」へ。ちょっと早めの入店といつもの席は、変わりません。
久しぶりに『たたき』をいただきたかったのですが、季節の関係で、今は自粛しているそうなので、食べられずorz さて、今夜もお任せなのですが、「今日ある希少部位を多めに食べたい」とお願いして、スタートです。
・かしわ
・ぼんじり
・ししとう
・合鴨
絶妙の火入れ。柔らかく、噛むたびに脂が溢れ出す。
・はつもと(稀)
コリコリサクサクの食感。脂も十分。
・食道(稀)
・かっぱ
・血肝
・まるはつ(稀)
名前の通り、心臓を丸まる。サクサクの食感。
・波
・ひざ(稀)
脂はある。が、こってりとした感じではない。程よい食べ応え。
・ソリ(稀)
とても食べ応えがあり、程よい脂に、程よいしっとり感。
・手羽先の先の皮(稀)
厚めの皮で、表面はパリパリ、中はねっとりとした感じ。
・厚揚げ
・ちょうちん
〆はやはりコレでしょ!
という内容になりました。今夜はゆっくりして大丈夫というので、随分と食べることができました。お好みで食べるのもいいけど、お任せの方がワクワクしていいよね。ご主人、今夜もとても美味しかったです。また宜しくお願いします。
④ 2013.5.
今年初の「鳥しき」へ。どうやら名前と顔を覚えて下さったようで、いつもの席でいつものオーダーで、今夜もスタートです。今回は〆のご飯ものは食べない予定でしたので、焼物だけでいただきました。
・かしわ
まずはしっかりとした肉を楽しみます。
・つくね
軟骨も入った粗挽きの塩味のつくね。
・白玉
口に入れて、ビックリの半熟さ。
・かっぱ
肉も残してある軟骨。
・合鴨
おろしたての山葵をつけて。
・エリンギ
実は初の野菜系。
・波
首の皮。パリパリというよりは、ネットリとした感じ。
・砂肝
大きいところが嬉しい部位。
・茄子
熱々のトロトロ食感。
・手羽先
手羽先は、皮の部分と肉の部分が十分に楽しめて好き。
・血肝
火入れの素晴らしさを楽しめる一串。生のようで、生じゃないんです。
・銀杏
・肩の肉
初となる部位。十分な脂と肉々しさが美味しい。
・厚揚げ
何気にこれも火入れの妙が楽しめます。
・食道
食感と脂も楽しめる私のお気に入り部位。
・小玉葱
・さび焼き
最近の〆の串です。
・〆の鳥スープ
今夜はこのような献立。スタート時はまだお客さんもまばらだったので、、かなりのハイペース出され、いつも以上に多くの串を食べることができました。串の一つ一つの完成度も高く、接客もとても丁寧で、より素晴らしいお店に進化していっています。なかなか予約しずらいのが難点ですが、コンセプトの違う支店も近日中にオープンだそうなので、楽しみですね。
次の予約ももうしてあるので、その時は希少部位を多く食べたいと思います。
③
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に3ヶ月ぶりの訪問。今回も18時開店と同時に予約で満席となり、焼き場は戦場になります。今回も電話予約の際に注文していたものがあり、それからスタート。あとは「お任せ+稀少部位」といつもと同じ感じにしました。
・血肝刺し
電話で「たたき以外にありますか?」の問いに答えていただいたのが、コレ。完全な生ではなく、かるーく炙り、冷水でしめて出されます。血生臭いということはなく、角のたったレバーは口に入れると、プツンと弾け、とろけます。『血肝』が好きな方なら、絶対に食べるべき逸品。
・かしわ
・ぼん
お尻部分。何気に未食でした。
・はつ
これも未食。さくりと切れ、プルンとした食感。
・はつもと(稀)
・銀杏
・食道(稀)
私のお気に入りの部位。
・砂肝
・かっぱ
軟骨なんですが、さりげなく肉も残していることがニクい。
・合鴨
かなり肉厚であるが、柔らかな火入れを感じれます。
・手羽先
かなり大きく、味つけは塩です。骨の周りの肉はやっぱり美味しい。
・厚揚げ
・ちょうちん
今回の献立はこんな感じでした。たいてい「お任せで」というと、『さび焼』『血肝』と出されるのですが、『刺し系』を最初に注文すると、献立が変わっていくみたいですね。
この「鳥しき」では、特に何時までという時間が決まっていないのですが、私の場合は無理を言って席を用意していただいているので、90分間なのです。そのため串の出方が異常に早く、他のお客さんが1本提供されるのに対して、2〜3本提供されます。「なんで、あの客ばかり」と思っていた方、ゴメンナサイ。
たいていの串は食べたかなと思いますが、私のお気に入りの部位は稀少部位である『食道』。ボリュームもあり、こってり感もありつつ、柔らかい軟骨のようなコリコリ感も味わえます。今回もいただくことができ、満足ww まだ次回の予約はできていませんが、またドラマのような焼鳥を味わいに行きます。
②
6月に感動を覚えた目黒にある焼鳥の「鳥しき」。8月分の予約は取れなかったので、9月に再訪となりました。今回は電話予約時から注文しておいた料理があり、それからスタートです。基本オーダーとしては、いつも通りに「お任せ+希少部位」というかたちで、御主人の池川さんに全てをゆだねました。
では、一気にご紹介!でも前回食べた串は、写真を撮らなかったので、未食のものだけを撮らせてもらいました。
・たたき<左>
電話予約の際にできるならばと言って、用意してもらった料理。絶妙の火入れは脱帽です。
・かしわ
・砂肝<右>
素晴らしく大きく、筋もなくて、純粋にシャコシャコといった歯ごたえが楽しめます。
・はつもと(希少部位)
・波
・食道(希少部位)
・白玉
・銀杏
・椎茸
・血肝
・はらみ(希少部位)<左>
かなりコッテリとした脂の中に、シャコシャコといった食感が楽しい。
・かっぱ
・厚揚げ
・ちょうちん
・さび焼
・親子丼<右>
「鳥しき」の新メニュー。しっかりとした味わいの中、鶏もたっぷりと入っており、ほとんど生のような半熟さではなくて、nao.好み。
nao.が思う「鳥しき」の魅力は、絶妙の火入れと人によって変わる串の出し方。絶妙の火入れを一番感じるのは『血肝』。つまりレバーなのですが、あの特有の味もしなく、ちょっと生っぽさがあるのにもかかわらず、ちゃんと火が通ってるんです。苦手な方も是非食べてもらいたい、なかなか味わえないレバーです。
そして串の出し方。ホントに人によって違う。最初の注文時に「嫌いなものはありますか?」と聞かれるのですが、nao.は(食べられないわけではないのですが)「玉葱」というと、野菜が全く出されない(笑)今回の献立を見ると、結構脂っぽい串が多くて、「最後にコッテリ系は、ちょっとキツいかも」なんて思っていると、最後に出されたのが『さび焼き』。なんて、素晴らしいんでしょう!思わず、拍手したくなるくらいでした。
実はまだまだ食べていないポピュラーな部位や〆のご飯、お土産などもあり、これからも通って食べていきたい大切なお店です。
①
4月某日、18時。電話をかけること104回目にして、やっと繋がり、何とか予約を取ったお店があります。それが念願の初訪問となりました目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」です。
実は4年前から知っていて、行こう行こうと思いつつも先延ばしにしていたら、すっかり予約困難な人気店になっており、そんな風になったら、何がなんでも行ってみたくなるというのが心情。っていうわけで、今回の初訪問となりました。
目黒駅のロータリーの裏手にひっそりと佇む店構えは、まるで料亭のような感じ。店内は白木のコの字カウンターに、入り口すぐに焼き場があって、ちょっと強面のご主人の池川義輝さんが笑顔で出迎えてくれます。メニューはアラカルトでも大丈夫ですが、お腹いっぱいになったらストップできる『お任せ』がドキドキがあって楽しそうなので、『お任せ』に『希少部位があれば』というオーダーにしました。待っている間に聞いた店名の由来は「季節感のない焼き鳥に、少しでも四季を感じてもらえたら」ということで、「鳥しき」なのだそうです。
では、一気にご紹介ー(^ ^)
・さび焼
ささみに山葵をのせたもの。ほぼ生に近いが、絶妙に火が通っている。
・血肝
つまりはレバー。特有の血の味はほんのりとするけど、プツンと噛み切れる歯ごたえ。
・白玉
うずらの玉子だが、驚くことにトロトロの半熟。銀座の「○吟」を思い出す。
・銀杏
・波
皮。パリパリとしたイメージだが、ねっとりとした脂を楽しめる。
・食道(希少部位)
やや脂だが、シャコシャコといった歯ごたえが楽しい。
・椎茸
・かっぱ
軟骨。程よく肉もついており、バリバリという歯ごたえ。
・つくね
中に軟骨が入っており、あっさりとしたタレなので、肉も楽しめます。
・腎臓(希少部位)
フワッとした食感で、口に入れると溶ける脂が美味しい。
・はつもと(希少部位)
程よい脂に、血管特有の歯ごたえが美味しい。
・厚揚げ
茗荷やカイワレなどが乗っており、中はほんのりとした熱さで、こんなところまでも絶妙な火入れを感じれます。
・かしわ
モモ肉。フワッとした肉質で、適度な脂で美味しい鶏を感じれます。
・ちょうちん
産卵前の未成熟卵と卵管。見た目はちょっと^^;だが、口の中でプツンと弾ける濃厚な卵黄が素晴らしい。
・鶏そぼろ丼
意外にもあっさりとした味付けで、粗めに挽かれた肉と軟骨のコリコリ感がいい。一緒に出されるスープをかけて、雑炊にしてみたかった。
ご主人が食べるスピードや食べ方を見て、色々と出してくれるので、他のお客さんとはかなり違った構成になりました。しかもnao.は一人なので、かなりのハイペース的な感じ(時間制限もあったので)
素材によって、だし醤油や酒や油を塗り分け、近めの強火で焼かれる全ての串は、ご主人の魂を感じる絶妙の火入れで、食感も素晴らしいですが、感動したのはやはり『希少部位』の数々。出されると「生き物だもの、こういう部位あるよねー」と思い、食べるとその味わいに唸るしかないのです。
そして、驚きは会計にもありました。(ちなみにメニュー板には値段が書いていません)かなりリーズナブル‼予約困難なお店ですが、普段使いが十分できるお店です。予約は鶏の仕入れの関係上、2ヶ月先までしかできないので、1日になったらまた電話と格闘したいと思います。8月は空いてなかったのよ~orz
5位
27回
2023/08訪問 2023/09/30
2023.8.
逢はねども さね忘らえず 面影にして/鮨 竜介
岩もずく
岩手県産。小気味良いザクッとした食感があり、酢の酸味と生姜の爽やかさが駆け抜けます。
鮃 トリュフ♡
モチモチとした鮃をトリュフ塩と目の前で削られるトリュフと共にいただきます。ぶわっとするトリュフの蠱惑的な香りに鮃の旨味と甘味が合わさる、オープンから続く「鮨 竜介」の遊び心ある肴のスペシャリテ。
たかべの焼物♡
身も厚く、ややレア気味に仕上げられており、ジューシーな旨味が美味しい。
牡丹海老♡♡
大人の男性の指2本分はあろうかという極太の牡丹海老。ねっとりととろけるその味わいは甘美のひと言。
松茸の茶碗蒸し♡
小さな茶碗蒸しながらもたっぷりと松茸が入れられており、蓋を開けると秋の訪れを感じられます。
松茸のフライ & 蟹クリームコロッケ♡♡
定番の蟹クリームコロッケの他に松茸も揚げていただきました。ウスターソースをつけていただく松茸フライはカリッとした衣にモキュッとした松茸の食感が小気味良い。
真鯛♡
モチっとした食感の真鯛は、シャリの酸でより甘味を感じられます。
泥障烏賊♡
身は厚いながらも、細かく包丁をいれているので、口の中で瞬時に解けます。そして、絶妙な甘味が素晴らしい。
赤身♡
青森県大間産。ビロードのような舌触りで、分厚いので、口の中での存在感で凄い。
分かれ身♡♡
香りはありつつも、口溶けは一瞬。鮪がなくなった後に残るのは、極上の旨味。
大トロ♡♡
コッテリとしていながらも、後味はさらりとしており、実に甘い。
小鰭♡
今回はおぼろを入れない仕立て。心地よい酸味は実に爽やか。
北紫海胆♡♡
今回はまるひろ橘水産のもの。口に入れると、ふわっと香りが華やぎ、一気に液体に変わった海胆の旨味が口いっぱいに広がります。
赤海胆♡♡
愛媛県産。どこか柑橘系のような香りを感じ、甘味よりも爽やかな旨味が印象的。
鮎の姿鮨♡♡
春に約束した鮎を覚えていて下さり、作っていただきました。そろそろ鮎も終わりですが、夏の名物となりそうな味わい。ガツンとくる酢の酸を追いかけるように、間に入れたうるかでブーストした鮎の香りが映えます。
新いくら♡
キラキラと輝くような新いくらは柚子の香りが華やぎ、口の中で瞬時にとけるいくらがシャリの酸でより甘く感じられます。
車海老♡
半生に茹でたてる仕立てをやめて、茹で置きにした車海老。だんだら模様が美しく、柔らかくじんわりと甘味が広がり、個人的にこちらの方が好み。
穴子♡♡
デフォルトだと、親方の修業先である「久兵衛」を髣髴させる塩と煮つめのハーフ&ハーフですが、私は丸々煮つめで。舌にねっとりと絡むような穴子は口の中で香りが立ち、じっくりととけていきます。
鉄火巻き♡♡
本日の鮪の部位(赤身・中トロ・大トロ)を全て巻いた鉄火巻き。コレがコースに組み込まれているのは、なかなか珍しいのではないでしょうか。「鮪を頬張る」という体感は素晴らしいの一言で、まさに至福。
ナガスクジラの尾の身♡♡
「他にあります?」と尋ねたら、出していただきました。滅多に入荷しないというナガスクジラはトロトロな食感ではないですが、魚のそれとは明らかに違う濃い旨味が凄い。
玉
最後は鮨店らしいふんわりとしたカステラ風の玉。
銀座にありつつ敷居の高さも感じず、僅か7席の空間で感じる親方との距離が身も心も近い鮨店「鮨 竜介」に再訪。店主・山根 竜介さんが作り出す遊び心のある肴と種によってシャリを使い分ける王道の鮨が楽しめます。
「鮨 竜介」と言えば、海胆・穴子・鉄火巻きの美味しさは折り紙付きの中で、今回私の琴線に触れたのは何と言っても、鮎でしょう。鮮烈な爽やかさがあり、鮎の香りもある。夏が来る度に食べたい美味しさ。山根親方、約束を守って下さり、ありがとうございました!
次回は昼鮨を予定。たっぷりと握っていただきたいです。
2023.4.
逢はねども さね忘らえず面影にして/鮨 竜介
蛍烏賊のなめろう♡
この時期、色々なお店で供されますが、このなめろうの仕立てが蛍烏賊の旨味や香ばしさを感じやすくて、1番美味しいと思います。
鮃 サマートリュフ♡
「鮨 竜介」の肴のスペシャリテであるトリュフとトリュフ塩でいただく白身。トリュフを削ると店内に蟲惑的な香りが広がり、まずは鼻で味わえます。白身とトリュフという鮨店ではまず見かけない組み合わせですが、目と鼻と舌で味わえる素晴らしさがあります。
クジラの尾の身♡♡
豪快に厚く切りつけられ、生姜醤油でいただきます。舌の上でとろけるトロトロ加減が悶絶クラスで、クセなどは微塵もなく、魚とは一線を画す味わいがとても素晴らしい。
平貝の磯辺焼き♡
生の平貝のサクサク食感もいいですが、個人的には焼いた平貝の方が好み。熱で海苔の香りが華やぎ、生よりも甘味が感じやすくて美味しい。
海胆の茶碗蒸し♡
蓋を開けると、ドンッと鎮座する馬糞海胆で気分が上がります。海胆と一緒に食べると、卵のコクを更に倍加・累乗させるような馬糞海胆の甘味がいい。
蟹クリームコロッケ♡
小さいながらも、確りと蟹が詰まっていて美味しい。かなり熱々ですが、ひと口で食べるのがオススメ。
桜鱒♡
初手からガツンと胃を掴む濃厚な旨味のある種。桜鱒は口に入れた瞬間になくなり、旨味と甘味のみが口に残り、余韻に浸れます。
赤烏賊♡
酢橘の爽やかな酸味とモチモチとした肉厚な身から甘味が溢れてきます。
赤身♡
福井県敦賀湾産の157.6キロの定置。身は柔らかく、ひと噛み毎に香りが立つようで実に美味しい。
中トロ♡
口の中でグッと留まるような旨味があって、ゆっくりと噛み締めると旨味と甘味が引き出されてきます。
大トロ♡
融点は低く、口に入れた瞬間にとろけますが、旨味はゆっくりと溢れ、そしてその味わいは濃い。
蛍烏賊♡
肴で供されたなめろうが実に美味しかったので、握っていただきました。やはり軍艦で海苔が入るよりも、香りや旨味がダイレクトに感じられて美味しい。
小鰭♡
間に芝海老おぼろを入れる仕立てで、このおぼろの甘味が小鰭の酸味とシャリの塩味を繋げるアクセントになっていて、実に心響く美味しさ。
北紫海胆♡
「鮨 竜介」矜持の競札1番の「はだて水産」のもの。口溶けもさることながら、食べ終えても続くような香りが印象的。
煮蛤♡
以前の煮蛤の出汁を活かす雑炊ではなく、従来の握りの仕立て。蛤は大きいながらも柔らかく、噛み締める度に旨味が溢れるので、ずっと噛んでいたくなります。
車海老♡
以前の車海老を半生に仕立てるではなく、茹でてから海老の汁に漬けて冷ました新しい仕立て。個人的にはこの仕立ての方が香りは薄れてしまいますが、車海老の旨味を味わえて美味しい。
穴子♡♡
デフォルトは塩と煮つめの半々なのですが、私は丸々一貫を煮つめで。爽煮された穴子は布団のようなモフモフ感があり、穴子本来の香りが活きて美味しい。
鉄火巻き♡♡
今日ある鮪の全ての部位を使った鉄火巻き。特に今夜は赤身・2種の中トロ・大トロという4色の鮪を使っていただきました。「頬張る」というのが鮪を食べることで、1番美味しいと思います。しかも、この鉄火巻きがコース内のデフォルトというのが驚き。
水蛸(追加)♡
「珍しいのがありますよ」と供されたのが、水蛸。他のお客さんのリクエストだそう。美しい真白な身はシコシコとし、確りと旨味があります。
玉
鮨店らしく、海老香るカステラタイプ。粋な玉です。
久しぶりにやってきたのは、銀座にある「鮨 竜介」の夜。土曜日だけ営業しているランチの『握りコース』は店主・山根 竜介さんの鮨を味わうにはベストですが、真価を知るにはやはり夜だと思います。オープンから変わらず種に合わせて、赤酢と米酢のシャリを使い分けて握られる鮨は王道ですが、肴は鮨店では見ないようなトリュフやフライなども供する遊び心たっぷり。山根親方の鮨は一切の捨てシャリもせず、握るまで流れるような所作も綺麗で、何よりも美味しい。銀座という敷居の高さを感じさせない山根親方の人柄と雰囲気がこの店内には満ちていて、身体と心の距離がとても近い鮨店だと思います。
2022.10.
逢はねども さね忘れず面影にて/鮨 竜介
新銀杏
モチモチとした食感にほんのりとした甘味が美味しい。
鮃
ちょっと熱めのシャリと鮃のモチモチ感が口の中で跳ね、シャリの塩味で甘味が映えます。
金目鯛♡
口の中の熱で金目鯛の旨味と甘味が蘇るように溢れ出し、赤酢のシャリと混ざり合います。
墨烏賊
心地よいサクサク食感の中で、塩と酢橘の爽やかさが吹き抜けます。
鰆西京焼き♡
上品な西京味噌の甘味に鰆の旨味が合わさり、定食にして食べたいくらいに美味しい。
赤身♡
北海道戸井産177.4キロ。大型な鮪ですが、身は柔らかく香りがとても強い。食べ終えて尚続くような香りが印象的。
血合いぎし♡
同じ魚体。口の中で瞬時に溶けて、食べ終えて一気に香り立ちます。
大トロ♡
まだ超こってりという感じではなく、程よい爽やかさもあり、まさにちょうどいい塩梅な大トロ。
小鰭♡
今回はおぼろなしバージョン。キリッした酸味に後から小鰭の旨味が追いかけてくるかのよう。
馬糞雲丹♡
余計な水分が一切ない旨味の塊のような雲丹。軍艦巻きの海苔も粋な巻き方で○
いくら♡
供する少し前に出汁醤油に漬け込むスタイル。コレも余計な水分がないようないくらで、プチプチと弾けて旨味が溢れます。
蟹クリームコロッケ♡
塩でいただく鮨店が作るクリームコロッケ。今回は定番の蟹。熱々なので割って食べるのが定石ですが、私はひと口でハフハフするのが好き。コレも大きいサイズで定食にして食べたい。
平貝♡
シャリとの間に海苔を入れるスタイルが実にニクい。平貝の極上のサクサク感の中で、海苔の香りが印象的。
北寄貝♡
軽く炙って甘味を引き出して握られる北寄貝は、肉厚な身からザクザクと音を立てて甘味が溢れます。
〆鯖♡
瞬時にとろけるような〆鯖は実に美味しい。私的には新鮮な浅葱と生姜の薬味ありというスタイルが心地よい。
白海老
程よい脱水をした白海老はまるで甘味の塊。
車海老♡
半生よりもちょい火が入った感じの車海老は香ばしさの中で、ブースターのような海老味噌でより美味しい。
穴子♡
デフォルトだと塩と煮つめの2種で供されるところを煮つめのみで。穴子本来の旨味も感じながら、濃密な煮つめの味わいも美味しい。
竜介巻き(追加)♡♡
今日ある鮪の赤身・中トロ・大トロを全て巻く鉄火巻き。「鮪を頬張る」まさにこのひと言に尽きる味わいで、贅沢を感じながら何よりも美味しい。
玉
鮨店らしい魚感を感じられるカステラ風の玉。
久しぶりにやってきたのは、銀座にある「鮨 竜介」。店主の山根 竜介さんが1人で切り盛りする7席のこじんまりとした鮨店で、遊び心のある肴と赤酢と米酢の2種のシャリからなる王道な味わいの鮨を楽しめます。
山根親方の鮨は捨てシャリなどの一切の無駄がなく所作も綺麗で、リズミカルに握られて形も美しい。オープンから種によって赤酢と米酢のシャリを使い分けるのは変わらずに、早くも今年で7周年。円熟した山根親方の鮨は、いつ訪れても約束された美味しさと感動があります。
山根親方、今回もありがとうございました!
2022.5.
逢はねどもさね忘らえず面影にして/鮨竜介
蚕豆
断面がハートで可愛く、ホクホクとした初夏の味わい。
真子鰈
白い米酢のシャリの塩味がグッときて、咀嚼の度に溢れる真子鰈の甘味が美味しい。
喉黒♡
シャリは赤酢を使ったものに変わり、軽く炙ってトロトロになった喉黒は口に入れると、まるで液体のように旨味が広がります。
泥障烏賊♡
細かく包丁を入れることで口溶けも良く、舌に絡みつくように甘味が素晴らしい。
赤身♡
宮城県塩竈産。舌に吸い付くような食感で、食べ終えても尚残るような香りがあります。美味しい。
中トロ♡
同じ魚体で霜降りの部位。コレを中トロと言ってしまうのかと思うほどの美味しさ。口溶けも良く、香りもあって美味しい。
炙り大トロ♡
炙ることで香ばしさと旨味も凝縮して、まるで肉のような味わい。
真名鰹の西京焼き
上品でありながら、真名鰹の旨味が実に美味しい。欲を言えば、もっと厚いものを思い切り食べたい…
小鰭♡
間に芝海老のおぼろを入れるクラシックなスタイルで、小鰭の酸・シャリの塩・おぼろの甘味がお互いを引き立てる実に素晴らしい美味しさ。
雲丹
粋な巻き方の海苔が特徴な雲丹は甘味も濃密。
北寄貝♡
炙ることで蘇るような甘味が素晴らしく、トロリとしたワタが実に美味しい。
蟹クリームコロッケ♡
激アツのところを敢えてひと口で味わくのが、私の矜持。
平貝♡
間に入れた海苔が実にいい仕事をしており、食感と香りが口の中でブワッと広がります。
鯵♡
島根県のブランド魚「どんちっちアジ」。上に盛られた生姜がいいアクセントで、ジューシーな脂に一陣の風が吹くかのよう。
蒸し鮑♡
間に肝を入れて香りをブーストさせており、口に入れた瞬間に香りが立ち上り、それは咀嚼する度に強くなっていきます。
白海老
シャリの塩味で甘味の輪郭がハッキリとして、海老感が凄い。
車海老
半生に仕上げた車海老は甘味と香ばしさが口いっぱいに広がります。
穴子♡
デフォルトだと腹の部位を煮つめ、尾の部位を塩で供されるところを腹の部位のみを煮つめで。非常に大きくて食べ応えもあり、舌に絡みつくような口福の一貫。
玉
海老の味わいがするフワフワなカステラ系の玉。
鳥貝(追加)♡
山根親方がポンと叩けば、未だに反り返る鳥貝。ザクッと音を立てる歯応えの後に広がる海の香りが素晴らしい。
鉄火巻き(追加)♡♡
夜コースの最後に供される赤身・中トロ・大トロを全て巻いた鉄火巻きを追加。「やりすぎちゃったなぁ」と笑う山根親方の心意気に感謝でしかない素晴らしいボリューム。至福のひと時でした。
ずっと夜コースばかりだったのですが、基本に戻ってランチコースを食べにやってきたのは、銀座にある「鮨 竜介」。オープンからずっと種に合わせて赤酢と米酢で作る2色のシャリを使い握る王道の鮨とクリームコロッケなどの遊び心のある肴が人気の鮨店です。店主・山根 竜介さんの所作はとてもリズミカルで美しく、供される鮨も食べ応えのある大きさで美味しい。夜コースの肴もお酒がすすんで美味しいのですが、すべての種を味わえるような昼の握りコースもやはり心をグッと掴む素晴らしさでした。
山根親方、今回もありがとうございました!また宜しくお願いします!
2021.12.
本気も遊びも真剣に
ぶれることなくオープンからずっと赤酢と米酢の2色のシャリを種によって使い分け、鮨店ではあまり使わないトリュフや揚げ物などの肴を供し、握りは王道な江戸前の仕事。そんな鮨を食べられるのが、銀座にある「鮨 竜介」。リズムを刻むような所作で握られる親方・山根 竜介さんの鮨はとても美しく、何よりも美味しい。
私的には夜コースがオススメですが、まずは土曜日限定の昼コースから「鮨竜介」の世界に入り込むのが1番かもしれません。銀座の鮨で、先付・料理2品・握り15貫・玉・椀物・デザートで11500円は破格の価格でしょう。実際、私もずっと昼コースを利用させてもらっていましたが、今は夜コースだけに供される『鮃トリュフ』や『鉄火巻き』にハマっているので、もっぱら夜コースを楽しませていただいてます。
今夜の献立
根クワイ
素揚げした根クワイ。ホクホクとした感じがいい。
鮃 トリュフ♡
鮃をグレーターで削った黒トリュフとトリュフ塩でいただく「鮨 竜介」の夜のスペシャリテ。供されると、鮨店を忘れるような香りに包まれます。
天然縞鯵♡
口に入れると、ふわりと香りたち、咀嚼の度に甘味が引き出されていきます。旨味も強くて美味しい。
白子 白トリュフ♡
白子に合わせるのは、白トリュフ。鮨店らしくないですが、これこそが山根親方の遊び心の真骨頂。白子の旨味と甘味、白トリュフの蠱惑的な香りが素晴らしい。
白海老 鯛の酒盗♡
これは美味しい。クセのない鯛の酒盗と白海老の甘味が合わさり、まさに酒盗。お酒が進みすぎます。
鮟肝
北海道余市産の鮟肝を甘く炊いたもの。お酒の肴としては最適。
蟹クリームコロッケ♡
鮨店で揚げ物。珍しいですが、「鮨 竜介」ではオープン当初より変わらぬ肴。とても熱いので割って食べるのがベターですが、私はひと口で食べます。たとえ火傷しても、この方が美味しい。
小鰭♡
シャリとの間におぼろを入れるクラシックな仕立てで、甘味のアクセントが絶妙で美味しい。小鰭自体も皮も柔らかく、旨味も強くて美味しい。
墨烏賊
サクサク食感で、咀嚼する度に甘味が広がって、酢橘の酸味が軽やか。
赤身♡
今夜の鮪は全て青森県八戸産。身は柔らかく、香りが強い。実に美味しい鮪です。
中トロ♡
先程の赤身以上の身の柔らかさで、ガツンとくる旨味と脂の甘味がたまりません。
大トロ♡
「あれ?食べたっけ?」と錯覚するようなまるで液体のような口溶け。食べ終えると、口の中に残る旨味と甘味で食べたことを実感できるような感じ。
〆鯖♡
ファーストアタックは生姜、その後に鯖の濃厚な旨味が一気に口の中を支配します。素晴らしい味わい。
馬糞雲丹
海苔の香りが華やぎ、馬糞雲丹の濃密な甘味が映えます。
いくら♡
あえて漬け込まないことで、以前のようにいくらの追いソースをすることなく、いくら本来の卵の味わいが確りとします。
車海老♡
半生に仕立てた車海老は香りが強くて、甘味も引き出されています。半生なので、特有のクセが残ることもあったのですが、今回は山根親方が茹でたもので、今まで一番の美味しさ。
穴子♡
デフォルトだと塩と煮つめの2種ですが、煮つめが好きなので丸のまま。煮つめだと大好きな腹の部位なので、脂が乗った濃厚な味わいが楽しめて好きです。
鉄火巻き♡♡
今夜使った鮪の赤身・中トロ・大トロをザクザクと切り、てんこ盛りにして巻き込んだ鉄火巻き。しかも1人につき2つという圧倒的なボリューム。頬張れば、口の中は鮪でいっぱいになり、至福の時間が流れます。
北寄貝(追加)
小気味良いザクザクとした食感を楽しんでいると溢れ出す甘味が美味しい。
玉
鮨店らしい魚を感じるカステラ系の粋な玉。
今回、圧倒的に美味しかったのは鮪。その鮪をたっぷりと使った鉄火巻きは贅沢であり、実に美味しかったです。肴で目一杯遊び、握りは王道そのもので、まさにギャップ萌えの鮨店。私はそれが好きでたまりません。
山根親方。今年は色々あり、本当にお疲れ様でした。来年もまた宜しくお願いします。
2021.9.
2つの趣向が生み出す化学反応
「鮨の聖地」と言われる銀座の鮨店でもランチは比較的にリーズナブルに楽しむことができます。しかしながら夜には夜の良さがあり、そのことを実感できる鮨店の一軒が山根 竜介さんが握る「鮨 竜介」でしょう。
前回は久しぶりにランチの握りコースをいただいたのですが、やはり夜コースが食べたいと思ってやってきました。
今夜の献立
蛸の桜煮
柔らかくも香りが確りと感じられる蛸。鮨店で供される蛸はやはり侮れない。
鮃 トリュフ♡
トリュフをたっぷりと白身魚の上に削り、トリュフ塩でいただく「鮨 竜介」の夜のスペシャリテ。今夜は鮃で、モチモチとした身の食感を楽しんでいると、トリュフの蠱惑的な香りが鼻から抜けます。
真魚鰹の西京焼き
味わいは上品で好み。しかしながら個人的にはもう少し厚みがあればいいと思います。
尾の身♡
「鯨肉商品情報」という鯨肉の身元証明書共に供されたのは、ちょうど一週間前に獲れたばかりの冷凍していない生の鯨。いつも用意して下さるトロトロなものとは違い、明らかに魚類とは違う食感と旨味がゆっくりと溢れ出ます。
塩蒸し♡
今まで供してきた洋風っぽい肝クリームソースではなく、初めて見る仕立ての鮑。高さのある鮑をザクリと切りつけ、プリプリシコシコの食感の鮑は咀嚼の度に香りが立ち、特に肝の香りが素晴らしい。
白海老と馬糞雲丹
異なる2種の濃密な甘味が口の中に広がり、どしりとくる旨味が舌に残ります。
松茸のフライ♡♡
鮨店にしては珍しくフライが供される「鮨 竜介」。秋の時期はやはり松茸でしょう。リクエストに応えていただき、ありがとうございました。1つは塩と酢橘、もう1つはウスターソースでいただきます。モキュモキュと心地よい音を立てる松茸に、思わず「食べたい!」と漏らす山根親方w
新子
今季最後の新子は一枚の丸づけ。身はやはり柔らかく儚い感じで、程よい酸味が駆け抜けます。
新烏賊♡
新子と新烏賊ならば、断然に新烏賊の方が好き。サクサク中にもトロリととける感じがあり、実に美味しい。
赤身♡
北海道戸井産88キロ。身は柔らかく、舌に吸い付くような食感。食べ終えてから立ち込める香りがいい。
血合いぎし♡
口溶けは口の中に入れた瞬間になくなるようで、食べ終えて鼻から抜ける香りも素晴らしい。
蛇腹♡
舌に当たった瞬間から広がるのは、鮪の濃厚な甘味と旨味。いつもながらにインパクトのある鮪でした。
鯵
肉厚な身は爽やかな旨味があり、種とシャリの間に入れた葱と鯵の上に乗せた生姜の2種の薬味がそれを加速させます。
北紫雲丹♡
「鮨 竜介」矜持の競札一番の「羽立水産」の北紫雲丹。水っぽくなく旨味が凝縮した感じで、舌に甘味が広がると香りもふわりとします。
いくら♡
出汁に漬け込むスタイルをやめて、サッと潜らせる仕立てにしたそうです。出汁の味わいは仄かにする程度で、去年までしていたいくらの追いソースをしなくても、確りと卵黄のような味わいがして美味しい。
車海老
半生で仕上げる車海老は、甘味よりも香りが立ちます。
穴子
今回は塩と煮つめの半々のデフォルトバージョン。塩は尾の部位、煮つめは腹の部位と確り変えており、穴子の味わいを堪能できます。
鉄火巻き♡♡
今日ある鮪の赤身・血合いぎし・蛇腹・霜降りなどを全部巻き込む鉄火巻き。コレがデフォルトでコース内に組まれている鮨店はなかなかないでしょう。しかもいつの間に1人あたり2巻になっていました。口に頬張ると、感じるのは圧倒的な鮪の存在感。幸せなひと時です。
鰯(追加)♡
脂もあって、青魚の香りもある。今回は鮪を超えるほどではないけれど、やはり侮れない種です。
玉
最近はプリン系の玉が多い中で、クラシックなカステラ系。魚を感じる味わいとフワフワ感がいい。
ランチタイムの握りコースも鮨好きにはたまりませんが、やはり「鮨 竜介」の夜コースには華を感じます。それは鮨店ではあまり見かけないトリュフやフライなどの遊び心を取り入れた肴の数々が、この赤と白のシャリを使い分ける王道とも言える握りを更に輝かせているからでしょう。
遊び心のある肴×王道の握り
山根親方のオープンから変わらないスタンスで、異なる2つの趣向がまるで化学反応のように刺激しあって創り出されるのがこの夜コースの魅力だと思います。今夜も素晴らしかったです。山根親方、ありがとうございました。
2021.3.
美味しいリズム
去年の12月の予約日に仕事が入り、キャンセル。更に店主の山根 竜介さんが交通事故という不幸に遭い、なかなか再訪出来ずに6ヶ月という月日が経ってしまった銀座にある「鮨 竜介」にやってきました。今回はいつもの夜ではなく、昼鮨。事前にお願いすれば、昼でも夜コースが食べられるのですが、久しぶりのCP最高の握りのみのコース+αで堪能します。
本日の献立
蛍烏賊のなめろう
独特の香ばしさと旨味が旬の味わい。
鮃
口に入れるとふわりと昆布の香りが鼻から抜け、モチモチとした食感が小気味よい。
真鯛♡
この時期の真鯛は桜鯛。極上のモチモチ感を味わうと広がる甘味と旨味が素晴らしい。
桜鱒の幽庵焼き
とても上品な味わいで桜鱒の脂もあり、実に美味しい。
泥障烏賊
今度は極上のねっとり感。細かく包丁を入れているのでシャリとの一体感が素晴らしく、酢橘の酸味とシャリの塩味で更に泥障烏賊の甘味が際立ちます。
赤身♡
珍しい神奈川県三浦産の90キロ。素晴らしい香り!食べ終えても尚、口の中に存在するような圧倒的な存在感があります。
中トロ♡
同じ魚体。香りもあり、口溶けも素晴らしい。部位的には血合いぎしかな?
大トロ♡
驚愕の口溶けはまるでジュースのよう。そして広がるのは、圧倒的な脂の甘味。
小鰭♡
芝海老のおぼろを入れるクラシックな握りで、このおぼろの甘味がいいアクセントになっていて好みの味わい。
馬糞海胆
海胆自体は上品な甘味がありますが、海苔の香りと旨さがこの握りでは光り輝く。
北紫海胆(追加)♡
「鮨 竜介」の矜持の競札一番の「はだて水産」の北紫海胆。かなり香りが強烈で、「鮨竜介」で食べるべき一貫。
蟹クリームコロッケ♡
久しぶりに味わう蟹クリームコロッケは、やはり美味しい。塩をつけることで味わいの輪郭がはっきりとします。
平貝♡
中に海苔を入れる仕立てで、この海苔の香りが抜群に平貝に合います。さほど好きではない種なのですが、これは美味しい!
北寄貝
軽く炙ることで甘味がグッと増していて、シャリの塩味と合わさることでより甘く感じます。
鳥貝(追加)♡
今季初の鳥貝。肉厚でシャクシャクと心地良い食感もあり、甘味も確りと感じられます。
細魚
爽やかな薬味が駆け抜けた後、細魚の旨味が追いかけてくるように口の中に広がります。
鰯♡
旨味の塊のような鰯。広がるのは旨味だけでなく、鼻から抜ける青魚の香りが素晴らしい。
白海老
仕立ては昆布〆。脱水された白海老は昆布の香りを纏い、旨味が倍増。力強い赤酢シャリとも
よく合います。
車海老
半生に火入れすることで甘味が十分に引き出されて、香りもあります。
穴子♡
いつものように煮つめだけのスタイル。布団にようにフカフカな穴子は、実に美味しい。
メジマグロ(追加)
旨味が強いですが、上品な脂もあって実に爽やか。
玉
鮨店らしい魚を感じるカステラのような玉。
今回は久しぶりの昼鮨ということで、たっぷりと山根親方の握りを堪能させていただきました。種によって米酢と赤酢のシャリを使い分ける山根親方の握りの所作は、とても綺麗でリズミカル。手が届くくらいの距離感なので、自然と心の距離感も近くなり、敷居の高そうな銀座の鮨店でもかなりリラックスできる一軒だと思います。夜には夜の良さがありますが、やはり昼から食べる鮨はいいですね。
山根親方、志村さん。今回もありがとうございました!また宜しくお願いします。22000
2020.9.
階下に広がるのは、約束された美食
あれだけ暑い暑いと言っていた日々が遠い日のように感じられる日、銀座にある「鮨 竜介」へ再訪。いつもは夜なのですが、今回は久しぶりとなる昼鮨です。事前にお願いして料理構成は夜と同じような『おまかせコース』で、店主・山根 竜介さんの美しい所作と遊び心ある肴と王道の鮨を楽しみます。
今回の献立
鮟肝
甘く焚いた鮟肝はとろけて、たっぷりの山葵でも決して負けない旨味が広がります。
鮃 トリュフ♡
白身をグレーダーで削ったトリュフとトリュフ塩で食べる、開店から変わらない「鮨竜介」のスペシャリテ。今回の白身は鮃。鮃のモチモチ感から溢れ出る旨味とトリュフの蠱惑的な香りがたまらない。
白海老と馬糞海胆♡
白海老は昆布〆しており、旨味が凝縮。そこへ更に馬糞海胆の濃密な甘味が加わり、口の中で幸せになる逸品。
太刀魚の焼物
今が旬の太刀魚。定番の焼物ですが、とろけるような身が美味しい。
北寄貝の炙り♡
北寄貝にはびっしりとワタがついていて、極上のサクサク食感を楽しんだ後に甘味が広がります。添えてある一味唐辛子を少し付けると、辛味がいいアクセントになり、更に美味しい。
松茸のフライ♡
いつもコース内で揚げ物を提供している「鮨竜介」で、この季節の楽しみの一つ。今回は鮨店らしからぬ大きさのものを用意して下さいました。松茸は天麩羅よりもフライの方が美味しい♡ウスターソースをつけて、ザクッ!モキュッ!とした食感の後に広がる香りが秋という季節の素晴らしさを感じさせてくれます。
小鰭♡
ちょっと大きめな小鰭。今回はおぼろを入れないスタイルでしたが、食べ終えた後に広がる甘味が素晴らしい。
新烏賊♡
一貫にはちょっと大きなものを握って下さいました。成長した分、あの儚いような食感はないながらも口溶けはスッとした感じ。
赤身♡
青森県大間産。身は柔らかく、食べた瞬間にふわりと香り、食べ終えてからの余韻が実に長い。今回も美味しい鮪。
中トロ♡
コレも素晴らしい。先程の赤身よりも酸味が和らぎ、その中でコクと旨味が濃厚で余韻も長く続きます。
大トロ♡
更にコクが跳ね上がったようで、甘味のある濃厚さがたまらない。
カマトロ♡♡
「鮨竜介」で初めて出逢う、まさかのカマトロ!最早、液体と言っても過言ではない。そんな口溶けと食べ終えてから広がる甘味は最高です。
北寄貝
極上のザクザク感は、存在感が抜群。
北紫海胆♡♡
「鮨竜介」の矜恃の競札1番!今回は「東沢水産」のスペシャル品。私の誕生日祝いということで、なんとバースデー丼仕立て。最高としか言いようがありません。山根親方、心遣いありがとうございます!
いくら♡
青柚子香るいくらは、更に追いいくらソースをかけることで、極濃密な味わい。
平貝
口に入れた瞬間に食感よりも甘味が広がります。
鰯♡♡
鮪にも負けない旨味とコクと香り。ガツンとくる香りはこちらの方が上かな。
鯵
爽やかな脂があり、旨味の方が強い。
車海老
半生に仕立てる車海老はだんだら模様が美しく、香りが特に素晴らしい。
穴子♡
デフォルトは塩と煮つめのハーフ&ハーフですが、煮つめが美味しいので、私はいつもフルサイズでの煮つめバージョン。炙ったことで香ばしさも生まれて、舌に絡みつくようにとろけます。
ネギトロ竜介巻き♡
いつもの鮪を全て使った『竜介巻き』は食べられなかったので、今回はネギトロバージョンです。あのトロをこんな風に使ってしまうという背徳感ww最高です!
玉
鮨店のカステラ。今回は端っこをもらったので、カリッとした食感も楽しめました。
安定感のある素晴らしい肴と鮨で、どれを食べても間違いなく美味しい。手が届くような距離で見られる山根親方のリズミカルな美しい所作と敷居の高さを感じさせないフレンドリーさは、いつ訪れても安心感があります。四季を通して、通い続けたい私の大切な鮨店です。
山根親方、今回は心遣いありがとうございました!
2020.7.
未だに終息しないコロナの影響で、どのお店も席数を削って営業をしています。銀座7丁目の地下にひっそりと佇む「鮨 竜介」もそのうちの一軒。客同士の間隔を開けているので、今夜は5名。店主・山根 竜介さんの遊び心のある肴と王道の鮨を堪能させていただきます。
今夜の献立
茶豆
この時期の定番。豆類はあまり食べないので、先付で出される量くらいがちょうどいい。
真子鰈 トリュフかけ♡
グレーダーで削られるトリュフとトリュフ塩でいただく名物の肴。口に入れれば、ふわりとトリュフが香り、モチモチとした食感の真子鰈の旨味も華やぎます。
尾の身♡
毎回用意して下さるクジラの尾の身。やはり魚とは違う旨味ととろけ方があり、口にすると実に官能的な味わい。厚みもあり、食べ応えもバッチリ。
太刀魚の焼物
ふわりとした食感にとろけるような身質。焼物の定番なれど、美味しい。
鮟肝♡
山葵のみでいただく甘く焚いた鮟肝は舌に絡みつくような舌触りで、旨味も濃厚。お酒がすすみます。
鱧と梅肉の茶碗蒸し
夏の茶碗蒸しは、鱧。上にかけられた梅餡が爽やかで、茶碗蒸しなれどさっぱりとした後味です。
蟹クリームコロッケ♡
コレも名物と言っていい定番の肴。小さいのが勿体ないくらいに、蟹の旨味がグッときて美味しい♡フルサイズ?待っていますw
小鰭♡
輝くような美しい小鰭。間に入れたおぼろの甘味のアクセントが〆た小鰭とシャリの酸味を絶妙に繋いでいます。
金目鯛♡
千葉県勝浦産。物凄い脂のりで、口に入れた瞬間に迸る感じ。甘味と旨味のクロスインパクト!
泥障烏賊
厚みがある泥障烏賊に細かく包丁を入れることで、絡みつくような極上のねっとり感を楽しめます。咀嚼と共に滲み出すような甘味が素晴らしい。
赤身
宮城県塩釜産。シルキーな舌触りで夏の鮪らしくさっぱりとしており、食べ終えた後に鼻から抜ける鮪の香りも愛おしい。
中トロ
新潟県佐渡産。一瞬とどまるような旨味があり、甘味を讃えながらとろけてふわっと香りを残していきます。
大トロ
新潟県佐渡産。香りは少ないながらも、コッテリとした旨味のアタックが印象的。夏の鮪としては、脂も多い。
鳥貝♡
石川県七尾産。供する前にポンと叩くと反り返る鳥貝は、口入れると潮の香りがして、ザクザクとした食感の後に甘味が広がります。
北紫海胆
北海道・東沢水産のスペシャル品。矜恃の競札1番は珍しい軍艦仕立てで。多少水っぽさもありますが、香りはあります。
鰯♡♡
まさに旬の魚の力。鮪を超える脂と香りがあり、素晴らしい味わいです。
馬糞海胆(追加)
同じような軍艦仕立てで。やはり馬糞海胆の魅力は濃厚な甘味。今回の海胆ではこちらの方が好みかな。
車海老
半生仕上げなので、多少の生っぽい香りがありますが…今回は絶妙な火入れ。甘味と香りが映えて美味しい。
穴子♡
デフォルトだと塩と煮つめを半分ずつ供される穴子ですが、最早言わなくても煮つめのみで準備して下さいました。部位も濃厚な腹の辺りで、舌に絡みつくようなとろける穴子がたまらない。
竜介巻き♡♡
コレも名物となっているであろう本日の鮪を全て使う鉄火太巻き。こういった巻物で人気なのは、ちょっとだけ具がはみ出たりする端っこ。ならば、みんな端っこみたくしちゃえー!ってことで更に鮪を追い盛りすることで、竜介巻きが爆誕です。ひと口で食べるにはかなり大きいですが、至福の瞬間が約束されます。
鯵(追加)♡
未食の種からまずは鯵を注文。和歌山県産のかなり肉厚な鯵の半身を使うので、口に入れた瞬間の存在感が素晴らしい。爽やかな旨味が駆け抜けます。
煮蛤♡
「鮨 竜介」の煮蛤は独特。蛤から出る出汁を活かしたいということから、シャリを入れた雑炊仕立てになっています。柚子香る蛤の出汁は実に美味しい。
玉
ふわりとしたカステラタイプの玉。
いつ訪れてもブレのない安定した美味しさがあり、手が届くような距離で堪能できるリズムを刻むような山根親方の綺麗な所作に見惚れます。次回訪問予定の晩夏には、あの鮑やあのフライもいただけるかしら?楽しみです。
山根親方、志村さん。ご馳走さまでした!まだまだ厳しい状況が続くかと思いますが、お身体だけを気をつけてください。41580
2020.5.
約2週間の休業を経て、5/1から再開の予定だった銀座にある「鮨 竜介」でしたが…やはり当分はランチをやめて、ディナーも人数制限をしての営業スタイルにするらしい。それに伴って、ついに本日からテイクアウトを開始すると聞いてやってきました。
テイクアウトの内容は、『ばらちらし』と『穴子丼』。『ばらちらし』は他店でもよく見ますが、『穴子丼』!…唆られます…。「鮨 竜介」と言えば、競札1番の海胆や老舗鮪問屋「やま幸」の鮪を使った『鉄火巻き』も美味しいですが、通年を通して『穴子』は素晴らしいクオリティがあり、好きな種の1つです。それを丸々1匹使ったこの丼を食べないわけにはいきません!
『ばらちらし』のような華やかさはありませんが、これは美味しい!豊洲の穴子のスペシャリスト「ウエケン」の対馬産の穴子を使っていて、腹の部位は舌に絡むようなねっとり感があり、尻尾の方はホクホクした食感で、香りもあって素晴らしい。通常営業になっても、〆の穴子は握りじゃなくて丼でもいいかも?と思うくらいです。
注文はインスタや電話で、受け取りは11:30〜20:00。『ばらちらし』は6480円、『穴子丼』は4320円です。
私達は嬉しいですが、銀座でこの価格は安すぎません?親方。
2020.4.
今日から4月いっぱいの休業を決めた銀座にある「鮨 竜介」へ滑り込み訪問。店主の山根 竜介さんが供する『白身のトリュフかけ』や『クリームコロッケ』などの肴は遊び心があり、独特のリズムを刻む握りは王道というギャップ萌えがたまらない大好きな鮨店の1つです。
今夜の献立
蛍烏賊のなめろう
蛍烏賊の形はないながらも、確りとした旨味と香ばしさが主張しています。
真子鰈♡
スペシャリテの『白身のトリュフかけ』。グレイダーで削られたサマートリュフを真子鰈で包み、周りにあるトリュフ塩をつけていただきます。至福♡
尾の身♡
最近よく供されるクジラの尾の身。見た目も魚っぽくないように、味わいも魚のそれとは一線を画した美味しさ。融点が低いのかな?口にすると、トゥルトゥルに溶けてなくなります。
太刀魚の焼物
ふわりとした食感に旨味溢れます。定番な食材ながらも美味しい。
牡丹海老♡
北海道噴火湾産の目を引く特大のもの。ぶりんとした食感で、ねっっとりと舌に絡みつくように甘味を讃えながらとろける素晴らしさ。実に美味しい♡親方、覚えていてくれてありがとうございます。
空豆の茶碗蒸し
緑が映える茶碗蒸しで、卵のコクに空豆の甘味が累乗されます。
蟹クリームコロッケ♡
鮨店でクリームコロッケを供しているところは珍しいでしょう。毎回、実にクオリティが高く美味しい。
牡丹海老の頭
先程の牡丹海老の頭を炙ったもの。身も美味しいですが、やはり頭も格別。
桜鱒♡
ちょうど腹の部位で、とろけ方がハンパない。瞬時にとけて香り立つのがとても印象的。
えぼ鯛♡
実は江戸前の魚で、干物で有名ですが鮨の種としても優秀。軽く炙ることで脂も溶け出して、焼き魚のような香りも立ち込めます。
泥障烏賊
細かな包丁を入れることで、口の中でねっとりとして甘味が広がります。塩にすることで、無垢な味わいを楽しめます。
赤身♡
千葉県勝浦産の97キロ。ベルベットみたく舌に吸い付くような赤身で、食べ終えた後にふわりとする香りが素晴らしい。
中トロ
同じ魚体。香りよりも口溶けの良さが光る中トロ。
大トロ♡
同じ魚体。今度は香りや口溶けよりも旨味のコクが段違い。鮪は美味しいなぁ。
小鰭♡
間に朧を入れるクラシックな仕立て。この朧の甘味のアクセントが素晴らしく響きます。実に美味しい。
北紫海胆♡
今夜はいつもの「はだて水産」のものではなく、青森県大間産の「ダイセン」。香りもさることながら、激烈に甘いっ。
鳥貝♡
今季初の鳥貝。肉厚で大きいっ。ザクザクとした食感で、磯の香りも確りと。約2年ぶりの味わいは、実に美味しい。
鰯♡
見た目の脂で真白で、口に入れるとこってりとして香りのある鰯。鮪をも凌駕する旨味です。
車海老
頬張ると、先端の海老味噌が喉に当たり、火入れも絶妙なので、臭みもなくて旨味のみが広がります。
穴子♡
1貫を半分に切ったものを塩と煮つめの2つで供するのがデフォルトですが、私はいつも丸々一貫を煮つめのみでいただきます。煮つめだと、穴子の腹の部位になるので濃厚な旨味を堪能できて好きなのです。
鉄火巻き♡
本日の赤身・中トロ・大トロを全て使った鉄火巻き。いわゆる、全部巻き。是非、一口で頬張ることがオススメ。鮪の旨味を一気に受け止められます。
赤貝(追加)♡
種ケースからチラッと見えたので、貝好きとして追加は必然です。ここもヒモを一緒に握る仕立てで、あるとないとでは食感と香りが格段に違います。
北寄貝(追加)
表面を軽く炙ることで香ばしさがプラスされ、びっしりとついたワタの甘味が際立ちます。
玉
カステラのような鮨店らしい玉です。
今夜も実に安定した素晴らしい美味しさでした。一応、5月から再開する予定だそうですが、今後の状況次第でしょうか。早く終息して欲しいですね…。
お身体だけは気をつけて下さい。また初夏にお互いに元気で逢えますよう。41250
2020.1.
新年になったので、通わせていただいてる鮨店へ挨拶も兼ねて、ゆっくりと再訪していきます。今夜は銀座にある「鮨 竜介」へ。肴はトリュフやクリームコロッケなどの鮨店ではあまり見ない料理で遊び心を出し、握りは種によって赤酢と白酢のシャリを使い分ける王道のそのものというギャップ萌えのある鮨店です。親方は「久兵衛」で長年研鑽を積まれた山根 竜介さん。リズムを刻むような握りの所作は流れるようで実に美しく、そして人柄も面白い。
本日の献立
ずわい蟹と芹
ずわい蟹の甘味と芹のシャクシャクとした食感が小気味良い。
鮃 トリュフ♡
遊び心のある肴のスペシャリテ。グレーターで黒トリュフを削ると、トリュフの香りが店内に広がります。黒トリュフを鮃で巻くようにして周りにあるトリュフ塩をつけて食べれば、モチモチとした鮃の食感と共にトリュフの香りが鼻から抜けていきます。
イワシクジラの尾の身♡
今夜も用意して下さったのは、まるで肉のようなクジラの尾の身。究極のトロトロ食感で、食べた瞬間に体温で溶けていきます。
白子ご飯♡
炙った河豚の白子をシャリの上に乗せて、混ぜ混ぜしていただきます。赤酢シャリの酸味がこの白子の純粋無垢な甘味にいいアクセントを与えていて、素晴らしい味わい。
唐墨
自家製唐墨を炙って。お酒がすすみます。
鰤大根
知ってる甘辛いものではなく、肴としての出汁と柚子香る鰤大根。なるほど、こういうのもありですね。
炙り〆鯖♡
皮目を軽く炙ることで、金色に輝く〆鯖になります。この厚み、この脂、この旨味。ヤバい!
蟹クリームコロッケ
きっと蟹なんだろうなぁと言ったら、親方に叱られましたww熱いの割って食べたいところですが、火傷覚悟で一口をオススメします。塩をちょっとつけると、甘味が更にハッキリとします。
白川昆布〆♡
昆布はふんわりと香る程度で、程よい脱水加減。甘味もあり、脂もある素晴らしい白川。
墨烏賊
極上のサクサク感。墨烏賊の甘味を引き出す塩でいただきます。
赤身♡
今夜は宮城県気仙沼産の50キロのもの。食べた瞬間から鮪の香りがぶわっとして、鼻から抜けます。そして、食べ終えても尚続く余韻の長い香りが最高です。
中トロ♡
同じ魚体。香りは赤身ほどに華やぎませんが、口溶けと味わいの濃さは素晴らしい。
大トロ
まるで鮪のジュースが乗ってるみたい。液体です、コレは。濃厚でありながらも、後味はさらりとして美味しい。
小鰭♡
シャリとの間に芝海老のおぼろを入れるクラシックな仕立て。このおぼろの甘味のアクセントが実に素晴らしく、響きます。
北紫海胆♡
今夜は山根親方がお好きな吉岡産の北紫海胆のスペシャル品。口に入れると、瞬時に固体から液体に変わるよう。でも決して水っぽくなく、甘味はあまりなく濃厚な味わい。
小柱
香りと食感もあり、海苔の香りと共に華やぎます。
鰯♡
ヘタな鮪を食べるならば、鰯の方が絶対に美味しい。鮪に匹敵するような口溶けに素晴らしい香りが鼻から抜けます。
赤貝(追加)♡
最近見かけるようになってきたヒモも一緒に握る仕立て。丸々1個の赤貝を使うこの贅沢さは最高の味わい。香りや食感、全てが口の中で響き合います。
車海老
半生に茹でられた車海老。最大限に引き出されていた甘味がシャリの塩気でより際立ちます。
椀物
定番のアオサの味噌汁。
穴子
デフォルトだと一貫を半分に切って塩と煮つめの2種で供されますが…私は丸々一貫で食べたいし、煮つめの方が好きなのでこんな感じにしていただいています。舌に絡みつくようにとろける穴子は、いつも素晴らしい。
鉄火巻き♡♡
今夜も赤身・中トロ・大トロを全て巻き込んだ鮪全部巻きの鉄火巻き。海胆と同様に悲鳴にも似た歓声のあがる逸品です。味わいは…お分かりでしょう?海胆といいこの鉄火巻きといい、やはり夜の「鮨竜介」のCPは素晴らしい!
皮剥(追加)
ガラスのような身から透けて見える浅葱がとても綺麗で、上に乗せられた肝の旨味が美味しさを加速させます。
尾の身(追加)♡
肴で供された時に握れるのかを聞いたら、できるとのことで握っていただきました。香りはさほどないながらも、今夜のどの種よりも瞬時になくなる口溶けの速さ。やはり魚よりも融点が低いのかもしれません。凄い。
〆鯖(追加)♡
口溶けを考慮して薄切りを数枚重ねて握る仕立て。肴でも握りでも、鯖は侮れません。
玉
カステラのようなフワフワとして、魚の味わいがする鮨店らしい玉です。
「鮨竜介」は昼も営業しており、かなりリーズナブルな価格設定です。私も当初は昼鮨を楽しんでいましたが、やはり食べたいのが粒の大きな海胆の握り。近年、海胆の値段は青天井で高くなっているので、一貫で驚くほどの値段です。それが夜のおまかせコースだとデフォルトで組み込まれていて、更には鮪を全部使った鉄火巻きもあり、「鮨竜介」に関しては絶対に夜に行くべき鮨店だと思います。
今回も実に美味しかったです。今年もどうぞ宜しくお願いします。39600
2019.10.
もう10月というのに異様な暑さが続く日。秋なんてなくなってしまったのでは?と思いつつも鮨店などの日本料理店に行くと、やはり季節は確りと巡っていることを感じられます。
やってきたのは、鮨の聖地と呼ばれる銀座。何軒か通わせていただいてる鮨店がありますが、その中でも長い付き合いをさせていただいている「鮨竜介」へ。地下にあるお店は僅か7席と少なく、手を伸ばせば届きそうな距離で赤と白の2種のシャリで握られる山根 竜介さんの鮨を楽しむことが出来ます。オープン当初から続く(ほぼ)競り札1番の「はだて水産」の北紫海胆だけでなく、「やま幸」の最上級の鮪を使った鉄火巻きが更なる話題を呼んでいます。
今夜の献立
揚げ銀杏
ほぼ家では食べないので、ちょっと供されると嬉しい。
鮃 白トリュフ♡
鮨店であることを一瞬忘れるほど、店内がグレーダーで削られるトリュフの香りに包まれる「鮨竜介」の肴の定番スペシャリテ。遊び心満点な仕立てですが、白身とトリュフ塩と削りたての香りが素晴らしいマリアージュです。
鰤しゃぶ♡
もみじおろしの鮮烈さの後、濃厚な鰤の旨味がグッときて、なくなる瞬間に甘味を讃えながら消えていきます。
魳の一夜干し
ふわりとした魳は凝縮した旨味があり、塩気も絶妙。
蛸の柔らか煮♡
蛸の表面はかなり煮込まれている感がありますが、中心部は真白。食べれば、蛸の旨味が爆発するかのようで、実に美味しい。
穴子の茶碗蒸し
卵のコクに負けない穴子の旨味。想像以上に大きな穴子が入っており、美味しい。欲を言えば、もう少し卵が柔らかな方が好み。
鰹♡
いつも極厚なので食べ応えがあり、極上のモチモチ感と藁で燻した薫香が口の中を支配します。
松茸フライ♡
ウスターソースが出された瞬間。心の中で叫ぶ!きたーっ!松茸フライです。
衣に閉じ込められた香りがザクリという音と共に一気に華やぐ。秋らしい素晴らしい香りです。
真鯛
咀嚼する度に真鯛の甘味が引き出されて、シャリと混ざり合う。不動のスターターは、今夜も美味しい。
墨烏賊
酢橘と塩で。塩は味付けというよりは、烏賊の甘味を引き出すような感じ。
赤身♡♡
宮城県塩釜産の45キロ。素晴らしい。まるで香りの塊を味わっているかのよう。食べ終えても続くその香りは、余韻が長い。
血合いぎし♡
香りは赤身には劣りますが、口溶けはさすが。
大トロ♡♡
シャリに乗せられているのは、まるで液体。口に入れた瞬間に鮪のジュースに変わります。
小鰭♡
2枚付けの小鰭。間におぼろを入れたクラシックなスタイルで、この甘味が実に良いアクセントとなっていて好みの味わい。
北紫海胆♡♡
「はだて水産」のブランド海胆。夜の「鮨竜介」の矜持。一貫1万円近くする時も多々あるこの海胆が夜だと、なんとデフォルトコースに入っています。この海胆を目当てでも、夜に来るべき。
濃厚いくら丼♡
キラキラと輝くようないくらの上からかけられるのは、いくらのジュース。更に旨味が加速したいくらは、素晴らしい味わいです。
鰯♡
香りもあり、旨味も濃厚。光り物の中ではトップクラスに好きな種。素晴らしい味わいに出会えて良かった。
赤貝♡♡
特大の赤貝を丸ごと1個使う「鮨竜介」の握りは、香りとヒモのザクザクとした食感がたまらない。特に今夜のは大きくて食べ応えありました。
車海老
半生に茹でられた車海老は、香ばしさと甘味が確りと感じられます。個人的にはもうちょっと火を通したものが好き。
穴子♡
大きなものを半分に切り、塩と煮つめで供されるのがデフォルトですが、私は煮つめが大好きなので煮つめのみで。軽く炙っているので、表面はパリッとしてあとは布団のようにフワフワ。そして舌に絡みつくように溶けていきます。
椀物
味噌汁。
鉄火巻き♡♡
今夜の鮪の全ての部位を使った鉄火巻き。食べる前から、これは分かりますね?美味しいに決まっている!
玉
鮨店らしい魚を感じるカステラ系の玉。
平貝(追加)
想像以上に厚く切りつけられているので、口の中でのサクサク感が凄い。
鯵(追加)
爽やかな脂の旨味があり、最後に薬味の鮮烈さが駆け抜けていきます。
今夜は久しぶりに仕込んである種、全て食べることが出来ました。秋の代表格の松茸、禁漁間近の北紫海胆、はしりの赤貝、年内しか食べられないいくら、そして香りと旨味のある鮪。素晴らしい食材達に出逢えることが出来て、幸せでした。
次回は早いもので、来年かな?また宜しくお願いします。37400
2019.7.
季節を変えてやってきたのは、定期訪問となる銀座の「鮨 竜介」。「銀座久兵衛」出身の山根 竜介さんの握りは奇をてらわない王道。しかしながら、肴は鮨店には珍しい品もあって遊び心いっぱい。でも確りと美味しいのは、山根親方の技術と研鑽の賜物です。
今夜の献立
茶豆
あまり豆類が好きではないので、先付けで供されるくらいが、私には丁度いい。
星鰈♡
白身をトリュフとトリュフ塩でいただく「鮨竜介」のスペシャリテ。今回の白身は星鰈。トリュフはグレーターで削るので、店内は一気にトリュフの香りが華やきます。
蒸鮑♡
「鮨 竜介」の蒸鮑は、独特。肝を使ったソースを生クリームと合わせているので、とても洋風。でも鮑の香りは確りと感じる仕立てです。
えぼ鯛塩焼き
かなりの身厚で、食べ応え抜群。塩の塩梅も絶妙で美味しい。
尾の身♡
赤身はいつでもあるそうですが、この尾の身はなかなか入荷しないそうで、コレも昨日入荷したばかり。やはり魚とは一線を画す味わいで、動物と魚の中間のような究極のトロトロ加減がたまらない。
鱧と梅肉の茶碗蒸し
梅肉の餡を上からかけて、夏らしいひと味違う茶碗蒸しに。
水茄子
泉州産の生の水茄子をシンプルに金山寺味噌で。
コーンクリームコロッケ♡
「鮨 竜介」の遊び心の極みのクリームコロッケ。今回は、真白な『ホワイトショコラ』とフルーツのような甘さを持つ『味来』という2種のトウモロコシを使ったもの。いつもながらに、美味しい。
握りへ
真鯛
腹の部位。白身とは思えないほどの脂があり、モチモチとした食感の中で甘味も映えます。「鮨竜介」では不動のスターター。
縞鯵♡
艶めいたエロい見た目の縞鯵。口の中に入れても、その妖艶さは健在。
白烏賊
細かく切られているので、口の中で瞬時にとろけます。塩と酢橘の爽やかさも心地よい。
赤身
青森県産の定置。見た目も美しく、舌に吸い付くような舌触りで、実に夏らしい鮪。
血合いぎし♡♡
同じ魚体で、背の部位。とろけるような口溶けと華やぐ香りが最高。この時期にこれだけの鮪が食べられるとは!
中トロ♡♡
魚体を変えて、宮城県気仙沼産の定置。腹の部位なのでかなり濃厚な脂もあり、食べ終えるとふわりと鼻から抜ける香りが素晴らしい。
大トロ♡
コレも気仙沼産の蛇腹。極濃厚な旨味と甘味は、素晴らしい。
小鰭♡
中におぼろを入れるクラシックなスタイル。あまり出逢えることはないですが、このおぼろの甘みのアクセントが好き。
赤海胆♡
山口県産。素晴らしい味わい。一滴の水分もないような旨味の塊の赤海胆。この旨味に海苔は邪魔なのでは?と思いましたが、この海苔も実に美味しい。
北紫海胆♡
「鮨 竜介」の矜持と言っても過言ではない「はだて水産」の北紫海胆。今回は競札2番のもの。北紫海胆は赤海胆より甘さは劣りますが、やはり素晴らしいのは香りです。「鮨竜介」の夜の花形の種。
煮蛤
この種も独特の仕立て。蛤から出る旨味たっぷりの出汁を使いたいという考えから生まれたもので、蛤出汁でいただく雑炊のような感じです。
鯵
脂もありつつも、かなり爽やかな鯵。身も厚くて、食べ応えもバッチリ。
車海老
半生で仕上げる車海老は甘みもありますが、終盤で感じる香ばしさが好き。
椀物
アオサの味噌汁。
穴子♡
デフォルトだと大きなものを半分にして、腹の部位は煮つめで、尻尾の部位は塩で供されます。でも私は煮つめの方が好みなので、大きいままでいただいてます。布団のような厚みがあり、舌に絡みつくほどのトロトロ感。
鉄火巻き♡♡
〆は今夜の鮪の全部位を使った、鮪の全部巻き。誰かさんがネットでデフォルトメニューと拡散したので、本当にそうなったらしいwwでも人数が少ないと出来ないそうなので、ご注意を。味わいは、もうお分かりでしょう?最高です♡
玉
鮨店らしく甘さ控えめのふわりとしたカステラの玉。
北寄貝(追加)
軽く表面を炙って、ワタの部位が最初に当たるように裏返して握っています。サクサクとした食感と強烈な甘みが秀逸。
鰯(追加)
あるならば、絶対食べたい鰯。脂が乗って真っ白で、見た目から追加して大正解!濃厚な脂も素晴らしいですが、何よりも香りが素晴らしい。
開店から4年。ほぼ初期の頃から通わせていただいていますが、クリームコロッケのような遊び心のきいた肴や赤と白の2種のシャリを使うことは全くブレることなく今に至り、「鮨 竜介」を特徴付ける確固たるものになっていると思います。独特のリズムを刻む握りの所作も流れるように美しく、手を伸ばせば届きそうな距離で魅せられます。貫禄のある雰囲気を持ってらっしゃいますが、山根親方はまだまだお若く、鮨の聖地と言われるこの銀座で更に輝く鮨職人の一人だと思っています。
今夜もご馳走さまでした。感動をありがとうございます。36720
2019.4.
鮨店の定期訪問。今夜は山根 竜介さんの王道の握りと遊び心のある肴を楽しめる「鮨 竜介」です。席数は7席と通っている鮨店の中では少なく、親方との距離もとても近いので臨場感は凄い。
今夜の献立
蛍烏賊のなめろう
旬の蛍烏賊を叩いたなめろう。蛍烏賊の香ばしい味わいがお酒を呼びます。
鮃 トリュフ塩で♡
「鮨 竜介」のスペシャリテ。鮃の上にはトリュフをたっぷりとかけ、周りにあるトリュフ塩でいただきます。この料理を食べると、「竜介にやってきた!」という気持ちになります。
北海道野付産 ジャンボ帆立の磯辺巻き♡
ここでも食べれるとは!海苔の香りとと共に、帆立の確りとした繊維質に広がる甘味とちょっとかけられている一味唐辛子のピリリとした刺激も心地いい。
毛蟹 キャビア乗せ
蟹味噌と合わせられた身が詰められた毛蟹の甲羅が出され、「1人で、1つ?」「そんなバカなw」こんな掛け合いも距離が近いからなせることです。甘味のある毛蟹にキャビアで塩気を与えて、銀座っぽく仕上げています。
鮟肝♡
甘く焚きあげた鮟肝。臭みやクセなどは微塵もなく、肝っぽくない。たっぷりの山葵でいただきます。
空豆の茶碗蒸し
蓋を開けると、旬の空豆のすり流しが入っていて、見た目も綺麗でふわりと春の香りがする茶碗蒸しです。
鯖♡
分厚く切りつけてから、皮目をさっと炙ってから供されます。鯖はよく肴でも供されますが、これほど厚いのはあまり出会えません。素晴らしく美味しい。
グリーンとホワイトアスパラガスのクリームコロッケ
デフォルトで揚げ物を出してくる鮨店は珍しい。山根親方の遊び心の1つです。今夜はグリーンとホワイト2種のアスパラガスを入れたクリームコロッケ。毎回、洋食店で出されるような大きさにしてもらいたいと思うほどに美味しい。
真鯛♡
ここから握りへ。関東ではあまり出会えない真鯛は、「鮨竜介」では不動のスターターです。モチモチとした食感を楽しんでいると、甘味が広がってきて美味しい。白身は脂のある種に比べてインパクトは弱いですが、食感と甘味が好きな種です。
金目鯛♡
次に供されるのが、インパクトのある白身。今夜は金目鯛。脱水されて、旨味が凝縮した身は口の中の熱で一気に迸ります。
泥障烏賊
塩と酢橘でいただく烏賊の王様、泥障烏賊。鮨店では歯切れの良い墨烏賊が人気ですが、このねっとりとした食感と圧倒的な甘味は王様の貫禄です。
赤身
今夜は、東京都神津島産130キロの定置の鮪。煮切りで光り輝くような赤身です。舌に吸い付くような赤身で、食べ終えた後に鼻から抜ける香りもいい。最近は定置の鮪を使われることが多いようで、クラシックな漬けはしなくなったよう。たまには食べたいな。
霜降り♡
同じ魚体。口溶けは勿論、赤身より素晴らしい。香りも確りと感じられます。
蛇腹♡
これも同じ魚体。さすがは、大トロ。口溶けも素晴らしく、味わいも濃い。
小鰭♡
小鰭はクラシックな握りで、間におぼろを入れるスタイルです。このおぼろの甘味のアクセントが、私は大好きです。
背トロ♡♡
この時点で、7席中4席がノーショー。山根親方が「今夜は、祭りだ!」と言って、出してくれましたw 隠し種の背トロです。口溶けは大トロクラスで、香りも確りと感じられる素晴らしい部位。今夜の鮪の中では、群を抜いて美味しかった。
春子鯛
あまりデフォルトで供された記憶がないので、何気に初めてかな?やや確り目に〆られていて、間におぼろを入れるスタイル。
北紫海胆♡♡
食材が残ったらまずい土曜日、更にノーショー4名が起こったからこその盛りww私が来店する時は、常にノーショーが起こればこの盛りが…。と思ったほどです。
海松貝♡
ザクザクと心地よい音を立てる海松貝は、贅沢な大きさです。広がる甘味も素晴らしい。
煮蛤
蛤から出る出汁を活かした仕立ての煮蛤。極上の雑炊のような感じです。
鯖(追加)♡
肴の鯖が素晴らしかったので、握りでも。薄く3枚に切りつけて、握っています。口の中でのシャリとの一体感が素晴らしい。握りでも、やはり美味しい。
車海老
半生で仕上げた車海老は、甘味・食感・香りがパーフェクトです。
穴子♡
デフォルトは半分にして、腹の部位は煮詰めと尻尾の部位は塩で供されますが、私は腹の部位だけ食べたいので、煮詰めのみで。焼き目のカリッとした部分もありながら、身はトロトロです。
アオサの味噌汁
香りもあって、美味しい。
鮪の全部巻き♡♡
そして、今夜の鮪を全て使った巻物。特に今夜はすみ身をあるとのことで、赤身・霜降り・蛇腹・すみ身の4種を巻いてくれました。身が飛び出した端のところは、女性の特権らしい。幸せの一言です。
鯵(追加)
未食の種の1つ、鯵。脱水されて、旨味が凝縮した身に薬味の爽やかが駆け抜けます。
玉
ふんわりとしたカステラみたいな玉。
今夜は鮨店で有名になりつつある?私のスキルが発生して、思いもかけぬ豪華な握りを味わえました。肴と握りのギャップ萌えのある「鮨 竜介」は、やはり楽しくて美味しい。今夜も十分に楽しませていただきました。
山根親方、志村さん、スタッフの方々。ありがとうございます。次回は初夏ですね、また宜しくお願いします。35640
2019.1.
年末に行こうと思っていたら、どうしても予定が合わなくて年明けになってしまった銀座にある「鮨 竜介」が今夜の舞台。2015年7月にオープンして以来、物腰柔らかで明るい雰囲気を作り出す親方の山根 竜介さんの鮨は、王道の握りと遊び心のあるつまみで構成されています。ランチも営業しており、先付・握り15貫・料理2品で11500円という高コスパですが、私はディナーを強くお勧めします。というのも…
今夜の献立
白子
温かい梅肉の出汁で。口に入れると、まずは白子の甘みを感じ、梅肉と酢橘の爽やかな酸味が後を追いかけてきます。
鮃 トリュフと共に♡
「鮨 竜介」のつまみの定番。黒トリュフの香りが店内いっぱいに広がる鮨店は、なかなかないのでは。たっぷりとかけられた黒トリュフを鮃で包んで、周りのトリュフ塩でいただきます。
鰆の西京焼き
切りつけは薄いながらも、実に美味しい。
白海老 イバラガニの内子の塩辛かけ
白海老の甘さとそれを引き立てる内子の塩辛のほんのりとした塩気が絶妙。お酒がすすむつまみです。
蛸の柔らか煮
確りと柔らかく、でも蛸の味わいも噛めば噛むほどに溢れてきます。鮨店の蛸は、実に侮れない。
カラスミの茶碗蒸し
初めていただくスタイル。自家製カラスミの塩気はかなり抑えており、卵に更なるコクを与えている感じ。
鯖♡
脂がたっぷりと乗った鯖を分厚く切りつけて、表面を軽く炙ったもの。実に美味しい!皮目にある脂が一気に蘇ったようで、ぶ厚い身が口の中での圧倒的な存在感を発揮します。
蟹クリームコロッケ
揚げ物を常時供しており、鮨店としては変わっていると思います。つまみに関しては、山根親方の遊び心が全開です。
真鯛
握りの一番手は、たいていこの種。関西では人気のある種ですが、関東ではあまり見かけないかも?しかしながら、モチモチ食感の中で溢れてくる旨味のある甘味は、実に美味しい。
えぼ鯛♡
いつもはここで『喉黒』のはずですが、今夜は初めてのえぼ鯛。干物ではメジャーな魚ですが、実は江戸前の魚で握りでもとても美味しいです。軽く炙ることで身の脂が溶け出して、最後に酢橘を絞ることで味が締まり、極上の味わいになっています。
鰤♡
軽く漬けにしてから、おろした辛味大根を乗せて供されます。生のままではクセのある鰤ですが、この辛味大根が一番爽やかかも。
墨烏賊
肉厚で、サクサクとした食感のこの烏賊は、やはり鮨で輝きます。塩と酢橘で味わいも爽やか。
赤身♡
青森県大間産。この時期の鮪は、実に美味しい。赤身でありながらも、舌に吸い付くようなとろけ具合で、香りも素晴らしい。
中トロ♡♡
青森県三厩産。鮪卸し問屋の「やま幸」の社長の山口さんが今季最高の御墨付きという中トロ。確かに、コレは凄かったです。香りや身の柔らかさが尋常ではなく、食べ終えた後の余韻がとても長く続きます。
大トロ
青森県大間産。確かに、コレはコレで美味しい。でも先程の『中トロ』を食べてしまうと、霞んでしまいます。
小鰭♡
間におぼろを入れるクラシックなスタイルの小鰭。でもちょっとした甘みを与えるこの仕事が素晴らしく、実に私好みの味わいになります。
北紫海胆♡♡
今夜も出逢えた「はだて水産」の競り札1番。このお店の矜持の一つです。北紫海胆で味わうべきはその香りですが、このクラスになると味わいも濃厚で美味しい。そして、一貫数千円というこの種こそ私がランチではなく、ディナーを強くお勧めする理由の一つです。
鯖(追加)♡
自分でも知らなかったくらいに、鯖好き。あれば、必ず食べます。鯖を握りにすると、色々なスタイルがありますが、「鮨竜介」では薄く4枚にしてから握られます。ダイレクトな脂よりもシャリとの一体感を重視ですね。
小柱
食感が素晴らしい粒の大きなものを使い、海苔との香りとのマリアージュもいい。
細魚
大きな閂と呼ばれる細魚で、上に乗せられた薬味の爽やかさの中で、意外にも確りとした歯応えがあって美味しい。
車海老
口の中で香ばしさが広がり、車海老の甘味がシャリと混じり合います。完璧な仕上がりです。
北寄貝(追加)♡
貝好きとしては、追加しちゃう。軽く炙ってから、ワタを舌に当たるように裏返して握られます。このワタが実にいい。ねっとりと甘く、ザクザクとした食感とのコントラストを生み出しています。
お椀
今夜は、アオサの味噌汁。
喉黒(追加)♡
定番の種もあったので、追加。軽く炙ることで生まれる極上の脂とフワフワとした柔らかな身。やっぱり美味しい。
穴子
コレはデフォルト。大きな握りを半分にして、塩と煮つめの両方を楽しめるスタイルです。
鮪の全部巻き♡♡
その日にある赤身・中トロ・大トロを全て使って巻かれる鉄火巻き。通称、全部巻き。最近は供しているお店も増えましたが、デフォルトコースで出しているお店は少ないでしょう。でも聞いたら、鮪の都合上で出せない日もあるみたいです。出逢えたならば、ラッキーですね。
穴子(追加)
で、コレはいつもの私仕様の煮つめだけの穴子。煮つめの場合は、脂がたっぷりの腹の部位なので好きなのです。
玉
フワフワとしたカステラみたいな玉。
種によって米酢と赤酢の2種のシャリを使い分け、独特のリズムを奏でて握られる鮨は、久しぶりでしたがやはり美味しい。この時期らしく鮪や鯖などアタックの強い主役クラスの種も多く、脇を固める小鰭や真鯛なども非常にいい。私がディナーを推す理由である「はだて水産」の競り札1番の『北紫海胆』や『鮪の全部巻き』も食べることが出来て、素晴らしいコストパフォーマンスを見せていただきました。ありがとうございます♡
次回は、早春。今夜もご馳走さまでした。37800
2018.9.
そろそろ最後になってきた私が通う鮨店の定期訪問。今夜は銀座にある「鮨 竜介」です。オープン時から各メディアに取り上げていましたが、3周年を迎えた今でもその勢いはとどまることはなく、グルメ雑誌やネットでも見かけることが多いお店。今夜も7席の店内は満席で、つまみと握りのギャップ萌えのあるコースが始まります。
今夜の献立
鮟肝
やや甘めに焚いた鮟肝。昔はポン酢で食べる方が好きでしたが、鮨店に通うようになってからは甘く焚いたものが好きになりました。
鮃 ♡
鮃の上からトリュフを大量に削り、周りのトリュフ塩でいただく名物料理。相変わらず、美味しい。
蒸鮑 ♡
鮑はゼラチン質化していて、プリプリ。上からかけているのは、よく見る肝ソースですが、他店と違うところが1つ。それはクリーム仕立てにしていること。鮨店でありながらも、どこか洋食っぽい味わいもする蒸鮑です。
鰯 ♡
最近、どの鮨店でも見られるようになったガリ・アサツキ・大葉と共に海苔で巻いた鰯。これだけの薬味をも跳ね除けるような鰯の脂が凄すぎます。
梭子魚の焼物
梭子魚は軽く漬け込んでから、干しているそうです。焼くと、どうしてもパサついてしまう梭子魚ですが、なかなかジューシーな仕上がり。鮨店の焼魚で、外れはなしです。
鰤しゃぶ ♡
鰤では、目新しい仕立て。余分な脂を落としても十分すぎる脂は、ポン酢の中でも甘みが映えます。
真蛸 ♡
塩と焙じ茶のみで焚いた真蛸。香りが華やぎ、噛み締める度に溢れる蛸のジュースが素晴らしい。更に噛み続けていると、塩気の後に甘みが感じられます。
栗のクリームコロッケ
数日前から始めたという新作。周りには素麺をまぶしてあり、バリバリとした食感も楽しめます。中身の栗はたっぷりと入っており、ホクホクとした味わいと甘み・塩気が丁度良い。感動が薄いのは、実は栗があまり好きではないから。
ガリ
「鮨 竜介」のガリは竹生姜ですが、どうしても国産のものが難しいらしく、近いうちに根生姜に変えるみたい。根生姜の方が多少筋が残り、ピリリとします。
皮剥
シャリとの間に浅葱を入れて、上から酒などでペースト状にした肝を乗せて。確りとした身の甘さと濃厚さのみを残した肝の旨味が口の中で混じり合います。
喉黒 ♡
喉黒を2貫目で供するお店は、ここだけでしょう。切りつけも厚く、軽く炙ることで皮目の脂が溶け出して、口の中で暴れるような喉黒を味わうことができます。
墨烏賊
酢橘と塩で食べることで、墨烏賊の無垢な味わいを楽しめます。身も厚くて、サクサク食感と飛散するシャリの心地よさが◎。
赤身 ♡
青森県三厩産。切りつけも厚く、食べ終えた後の香りが素晴らしい。
中トロ ♡
青森県大間産。血合いぎしの部位で、あっさりとした脂の中で香りが華やぎます。
大トロ
青森県大間産。砂ずりの部位なので、分かりやすい誰もが想像するような大トロの味わい。
小鰭 ♡
中におぼろを入れるクラシックなスタイル。このおぼろが実にいい仕事をしていて、酢締めした小鰭とシャリをつなぎとめているかのよう。
北紫海胆 ♡
「鮨 竜介」の矜持。はだて水産のセリ札1番のもの。10月は禁漁になるので、ギリギリで味わうことができました。濃厚というよりは、香りを楽しむ海胆です。
小柱
食感と香りが素晴らしい大星の小柱。口溶けの良い海苔の中で、より食感の良さが映えます。
秋刀魚 ♡
旬の魚の力は凄い。強烈な脂は勿論のこと、青魚の香りも素晴らしい。今日の1番の握り。
車海老
今夜の車海老は、多少のブレがあり。きっと数秒の単位の世界だと思いますが、好みからは外れました。
穴子 ♡
デフォルトは塩と煮つめですが、いつも私は煮つめのみで。塩は尻尾の方、煮つめは腹の部位と使い分けていて、腹が好きなので至福の1貫です。
椀物
大きな浅蜊の味噌汁。鮨店の味噌汁は、美味しいなぁ。
全部巻き ♡
既に色々なメディアに掲載されて、「鮨竜介」の新しい名物となっているマグロの全ての部位を使った鉄火巻き。勿論、どこの鮨店でも言えば作ってくれると思いますが、コースのデフォルトというはここだけでしょう。
鰯(追加) ♡
つまみでいただいた鰯を握っていただきました。この白く見えるとこは、全て脂。この時期の鰯は、つまみでも握りでも鉄板の美味しさです。
蒸鮑(追加)
これもつまみから。プリプリとした食感の中で、香りが凄い。やはり、鮑はこの香り。
玉
まさに鮨店という玉。フワフワとしたカステラのような感じです。
久しぶりの「鮨 竜介」。山根親方のお茶目な人柄と楽しいトークから供される握りの数々は、どれも王道。ランチもやっており、銀座の昼鮨としてはとてもいいCPですが、あの「はだて水産」の『北紫海胆』目当てならば、絶対に夜がオススメです。勿論、ランチでも食べれますが、追加すると…。
予約するには7席というかなり狭き門かもしれませんが、その分お店の方との距離は物理的にも精神的にも近い気がします。きっと一見の方でも楽しめるオススメの銀座の鮨店です。
山根親方・大和さん、今夜もご馳走さまでした。今冬中には伺いますので、宜しくお願いします。35640
2018.6.
恒例になっている鮨店の定期訪問。今回は7月に3周年を迎えた「鮨 竜介」です。つまみはトリュフやフライなど鮨店では出されないような遊び心のある料理を出し、逆に握りは種によって米酢と赤酢のシャリを使い分ける王道そのものといったギャップ萌えのある鮨店です。
本日の献立
だだちゃ豆
先付は旬のだだちゃ豆。豆類はあまり好きではので、このくらいの量で十分です。
星鰈 黒トリュフと共に ♡
「鮨 竜介」の名物である白身を黒トリュフとトリュフ塩でいただきます。黒トリュフはチーズグレーターで削るので、店内にはトリュフの香りが広がります。
千葉県勝浦産 金目鯛
醤油か塩で食べますが、私的には塩がオススメ。舌にまとわりつくような脂が極上です。
東京都式根島産 鰖
夏の魚の代表で、焼き魚用にもかかわらず高級魚。程よい脂があり、絶妙な塩梅の塩加減が美味しい。鮨店の焼き魚で、ハズレはありませんね。
鰯巻き ♡
鰯・大葉・ガリ・アサツキを海苔で巻いたもの。最近、どのお店でも供されるこの時期の定番つまみ。鰯、美味しい!
鱧と梅肉の茶碗蒸し
鱧は大ぶりに切られ、上から梅肉ソースをかけてあるので、卵のコクがありながらも爽やかな茶碗蒸し。
鰹
ふわりと薫香が鼻を擽り、薄めに切られているので、とろりと口の中でとろけるような舌触り。
コーンクリームコロッケ ♡
鮨店の中で、まずフライを出すのはこのお店だけでしょう。旬のトウモロコシは甘く、実に美味しい。事前に言って、大きくしてもらおうかな。
皮剥
握りの最初が皮剥とは。濃厚な肝ペーストを乗せて、攻めてきます。
喉黒 ♡
そして、軽く炙って脂が滴る喉黒。たまりません。
泥障烏賊
細かく包丁を入れることで、シャリと混ざり合うようなとろけ方。塩と酢橘で、爽やかに。
中トロ ♡
千葉県千倉産の定置。この時期でも香りと口溶けが素晴らしい。
赤身漬け ♡
北海道噴火湾産の定置。柚子香る久兵衛仕込みの漬けは、実に美味しい。
大トロ ♡
中トロと同じ魚体。なので、これも実に美味しい。真夏とはいえ、鮪が美味しい!
小鰭 ♡
あまり見かけなくなったシャリとの間におぼろを入れるクラシックなスタイル。小鰭の旨味におぼろの甘さが加わり、美味しさが加速します。
馬糞海胆(追加)
また「小丼仕立てにする?」というジェスチャーを親方がしましたが、この季節なので海胆は他にもあると思って、食べ比べにしました。で、あったのがこの馬糞海胆。甘くて濃厚な味わいですが…。
北紫海胆 ♡♡
今回あったのは、北海道天売島産「はだて水産」の競り札一番。親方の矜持の逸品です。しかもこれが、先程食べた馬糞海胆が霞むほどの美味しさ!やはり、競り札一番は伊達じゃない!
海松貝
ザクザクと音を立てながら噛んでいると、溢れ出す甘み。だから、貝は大好き。
新子
仕入れ値は今夜の鮪よりも高いという意地の5枚付け。味わいは先程の小鰭の方が美味しいのだけど、江戸前の粋ですかね。
鯵
肉厚で爽やかな脂もあり、美味しい。定番の青魚も鮨店では、光り輝きます。
車海老 ♡
相変わらずブレのない車海老。温度・甘さ・大きさも完璧です。
穴子 ♡
通常は塩と煮つめで供されますが、私はいつも煮つめだけで。舌に絡みつくようにとろける穴子は、これから更に良くなるそうです。
鰯(追加) ♡♡
食べていない種の中でピンと来るものがなく、迷っていた時に思い出した種。これが大正解でした。トロにも負けない素晴らしい味わいです。
椀物
浅蜊の味噌汁。
鉄火太巻き ♡♡
赤身・中トロ・大トロを全部巻いた鉄火巻き。某店を彷彿させるような太巻きで、追加ではなくデフォルトというのが驚き。「鮪がいいから、食べてもらいたくて」と親方は仰ってますが、いやいやおかしいから(笑)更に夜のCPが良くなっています。
玉
鮨店らしいほのかな甘さの玉です。
今夜もつまみから握りと白眉的なものも多く、非常に満足度の高い内容でした。特に競り札一番の「はだて水産」の北紫海胆は素晴らしく、鉄火太巻きがデフォルトメニューに加わったことで、更に夜の方がオススメとなりました。ただこの鉄火太巻きは、ずっと続けるわけではないらしいので、ご注意です。
山根親方、今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。34020。
2018.4.
銀座の鮨店の定期訪問、今回は「鮨 竜介」です。小さな階段を降りるこのお店は、銀座の鮨店の中でも隠れ家的な佇まいで、連日僅か7席の特等席を求めて予約が絶えません。握りは赤酢と米酢の2種を種によって使い分ける王道的なもので、つまみは鮨店では珍しいトリュフやキャビアなどを使ったりする遊び心を取り入れたものを供しています。
今夜も親方の目の前に座らせていただき、酔いしれましょう。
今夜の献立
蛍烏賊のなめろう
なめろうという名前がよく分かる味わい。器まで舐めたい(笑)
鮃 トリュフかけ ♡
今シーズン最後の黒トリュフとトリュフ塩でいただくこのお店の名物。親方がトリュフを削ると、お店全体にトリュフの香りに包まれます。
金目鯛
脂も乗ってながらも、しつこくないさらりとした味わい。
桜鱒の幽庵焼き
程よく脂が乗っており、少量ながらもご飯が欲しくなります。
蛸の柔らか煮
名前の通りに柔らかく、噛むたびに蛸と煮汁の甘さが広がります。
北九州藍島産 赤海胆の茶碗蒸し ♡
卵の甘さとコクに相乗するような赤海胆の甘さが素晴らしい。赤海胆単体でも、最高に美味しい。
葡萄海老 ♡
口当たりはプリッとしていて、瞬間に甘さを広げながらネットリととろけていきます。喉を通るまで美味しい。
鰹
かかっているのは、新玉葱醤油。鰹は薫香がして、もっちりと程よい脂。
帆立のクリームコロッケ
確りと帆立の存在感もあり、いつももっと大きいのが食べたいなと思います。
握り
真鯛 ♡
真鯛が凄く甘く、程よく歯ごたえもあり美味しい。久々に美味しい真鯛に出逢えました。
喉黒 ♡
白身魚の王者は、「鮨 竜介」では早めに登場。脂滴るフワフワの身とそれに合うような赤酢シャリは絶妙。
泥障烏賊
細かく隠し包丁を入れているので、口の中でネットリととろけて、甘みがあります。この甘さがこの烏賊の命。
赤身
伊豆下田産。食べ終えた後に鼻から抜ける香りが素晴らしい。
中トロ ♡♡
熟成10日目の血合いぎし。素晴らしく美味しい。口に入れた時の口溶け、鼻から抜ける香り、全てが美味しい。
大トロ ♡
赤身と同じ魚体。蛇腹の1番筋が当たるところらしいですが、そんなことは全く感じないほどにとろけます。
小鰭
種とシャリの間に芝海老のおぼろを入れることで生まれる甘さ。これが実にいい仕事をしており、この小鰭が光ります。
紫海胆の小丼 ♡♡
「はだて水産」の紫海胆を使う夜の「鮨 竜介」の定番。前回言ったことを覚えていて下さり、無言で大中小の丼を出して「どれにする?」みたいなポーズ(笑)なので、中サイズの丼で、特別に小丼仕立てで作っていただきました。今回は親方が惚れた北海道吉岡村産の紫海胆で、香りが抜群にいい。
春子
小鰭同様におぼろを間に入れており、またいい仕事をしています。春子は湯引きをしているそうですが、とても柔らかでシャリと混ざり合います。
鳥貝
愛知産の特大の鳥貝。生ならではの食感と香りがあります。
細魚
これも食べ応えのある特大の閂と呼ばれる細魚。上に乗せられた薬味が華やぎ、口の中が爽やかになります。
車海老 ♡
ブレのない温度の中に光る車海老の甘さと独特の香ばしさ。美味しい。
生海苔の味噌汁
今夜の味噌汁は、生海苔でした。生海苔の香りが良く、美味しい。
穴子 ♡
通常は大きいのを半分に切り、塩と煮つめで供されますが、私はいつも煮つめだけで。まだ今年の穴子ではないと思いますが、美味しい。
追加
牡丹海老 ♡♡
これも特大サイズ。半分に切って、塩と煮切り醤油でいただきます。甘みのあるブリンブリンの身は食べ応えもあり、美味しい。
北寄貝
裏返しで握ってあるので、最初に舌に当たるところはトロリとしており、サクサクと心地よい音を楽しめます。
玉
鮨店らしいキリッとした玉。
今夜も実に美味しいものばかりで、満足。一番を選ぶならば、『血合いぎし』ですかね。鮪の香りととろけ方が想像以上で、実に美味しかったです。
あとは『紫海胆の小丼』。これは誰もが食べてみたいと思われるのではないでしょうか。握りの1貫半くらいのボリュームがあり、定番化しそうです。
そして、あともう一つは『海老』。常時ある『車海老』も好きですが、『葡萄海老』『牡丹海老』は非常に美味しかったです。ブリンブリンとした身の食感とトロリととろける甘さはそれぞれの海老による違いを楽しめました。
次回は初夏。夏の食材が私を待っていてくれています。今夜もご馳走さまでした。
2018.1.
今年初の「鮨 竜介」。昼と夜を営業しているお店はそれぞれの時間帯ならではの良さがありますが、このお店に関していえば個人的に夜の方が好き。
今夜も7席あるお店は満席で、幸いにも特等席に座らせていただき、「鮨 竜介」の幕が上がります。
今夜の献立
白魚
生なので、プツンとした食感もあります。まだ遠い春を待ちわびるような食材。
鮃 ♡
もうこのお店のつまみの看板メニュー。今夜は、黒トリュフで。周りにふるトリュフ塩だけでもカウンターにはトリュフの香りが広がります。トリュフの香りがする鮨店って、ここだけなんだろうなぁ。
白子の食べ比べ
左は鱈の白子、右は河豚の白子。河豚の白子は、鱈よりも皮目がねっとりとして、舌に絡みつくようで
よりクリーミー。
ナガスクジラの尾の身
今回もありました!魚とは一線を画する一味違う味わい。
毛蟹
甘みのある毛蟹の身を丁寧に解して、上からカラスミをかけたもの。カラスミの塩気がちょうどいい。
鯖 ♡
表面を軽く炙って供されます。抜群に美味しい。鮨店で食べる鯖、好き♡
蒸し鮑 ♡
ソースが鮨店っぽくない肝クリームソース。美味しい〜。こういう遊び心がこのお店の持ち味。
鰹
皮目は薫香が鼻を擽り、身はモチモチとしていて、美味しい。
カニクリームコロッケ
これもこのお店の名物の揚げ物。小さいながらも、味は確り。
握り
真鯛
まずは白い米酢シャリ。繊細な真鯛の甘さがこれからの供される握りの期待を高めてくれます。
喉黒 ♡
炙ってあり、フワフワな身から脂がほとばしる!毎回供されるこの構成は唸ります。
墨烏賊
切りつけは厚いながらも、サクサクの食感。酢橘と塩で。
赤身
伊豆・下田産。クラシックな漬けを期待していましたが、今夜は作っていないそう。生が美味しい時は、生がいい。
中トロ ♡
同じ魚体。香りもありながら、シルキー♡
大トロの炙り キャビア乗せ ♡
某グルメ雑誌に載っていたので、リクエスト。私だけかと思ったら、同じ時間帯に座ってた方全員に!巻き込んでしまい、ゴメンなさい。大トロの脂が炙ることで目覚め、ちょんと塗られる煮切り醤油は香る程度なので、キャビアの塩気がちょうどいい。
小鰭
間にはおぼろを忍ばせており、仄かな甘さを感じられるクラシックな小鰭。
紫海胆 ♡
親方のプライドを感じる「はだて水産」の競り札1番!昼では出ない種なので、これだけでも夜に来る理由があります。
煮蛤 ♡
出汁も味わえ、柚子香る。握りというか、一品料理です。
細魚
閂(かんぬき)と呼ばれる大きな細魚で、身も厚い。上にちょっと乗せられた薬味が鮮烈っ。
車海老
いついただいてもブレのない甘さと温度は、秀逸です。
穴子 ♡
通常だと塩と煮つめで供されますが、私は煮つめだけで。シャリをクルッと包みこむこの穴子の大きさが悶絶クラスに美味しい。
椀物
今回は、蜆の味噌汁。
赤貝(追加) ♡
ここの赤貝は身だけでなく、ヒモの部位も一緒に握っているので、一貫で丸々1個の赤貝を味わえます。食感も香りも最高です。
小柱(追加)
食感のある粒の大きな小柱を使っており、海苔の香りも映えます。
玉
鮨店らしい玉。
今夜もとても美味しかった。つまみは遊び心を活かした鮨店で見られないような料理が供され、握りでは王道そのものを供する。親方の食への探究心は柔軟で、お客のリクエストや声から生まれた『大トロの炙りキャビア乗せ』や『松茸のフライ』などがその証拠。まだまだこのお店は進化する!そう確信した夜でした。
次回は、初春。春の訪れを感じさせる食材を期待しています。
2017.11.
ちょっと早いですが、今年最後の訪問となる銀座の「鮨 竜介」に再訪。今夜の7席の特等席は勿論、満席です。まずは「珍しいですね」と供される熱燗で、今夜の肴をいただきます。
今夜の献立
鮟肝
甘く炊かれており、山葵との相性もよく美味しい。
鮃 ♡
「鮨 竜介」の名物の肴。今夜は旬のアルバ産白トリュフを「お会計、覚悟して下さいね」と、たっぷりとかけて。量と香りがすごい。
白甘鯛の焼物 ♡
銀座でここまでの厚さの白甘鯛に出逢えるだろうか。しっとりとした身に、適度な脂が実に上品。白身の女王です。
鰤 ♡
今回も出逢えた濃厚な鰤。独特のクセもなく、濃厚さだけが際立ちます。
セイコガニ
きっとあると思っていました。プチプチとした食感が楽しく、蟹の味わいも秀逸。
ナガスクジラの尾の身 ♡
牛肉と似て非なる味わい。ゆっくりと溶けてゆく身からは、甘く濃厚な脂が素晴らしい。
白子の茶碗蒸し
優しい味わいの茶碗蒸しの卵に、濃厚な白子がよく合います。
鰹
クセなどは微塵もなく、身はモチモチとして、皮目には薫香を感じ、程よい脂が心地よい。
松茸のフライ ♡
きた!前回の訪問時にあればと頼んでおいた?松茸のフライ。オススメの中濃ソースでいただきます。かぶりつくと、松茸の香りがブワっと香り、意外にもソースがよく合う。
握り
真鯛
まずは白身の上品な甘さで、握りモードに切り替えます。
喉黒 ♡
2貫目で、この種が出てくるってこのお店だけではないでしょうか。フワフワ食感の身とじゅわりと脂が滴る皮目がたまりません。
墨烏賊
塩と酢橘で、サクサク食感と爽やさの中にある墨烏賊の甘さがいい。
赤身漬け ♡
久しぶりの漬け。このお店では即席の漬けではなく、クラシックなタイプなのです。間にかましてある柚子がいい仕事をして、香りが高く、実に美味しい。
中トロ ♡
青森県尻屋産 定置。素晴らしいの一言しかないです。食べ終えた後の鼻を抜ける香りもご馳走。
大トロ ♡
青森県三厩産。圧倒的な濃厚な脂と口溶け。
小鰭
これもクラシックな握りで、間に芝海老の朧を入れることで生まれる甘さの優しさが素晴らしい。
紫海胆
今夜はいつものアレがなかったのは、ちょっと残念。
煮蛤
開店当初から進化した煮蛤。蛤の出汁も味わえる一品料理としての完成度があります。
鯵
確りと脂をコントロールしてあり、肉厚でありながらも爽やかな一貫。
車海老
いつもブレのない温度と甘みは、さすがです。
穴子 ♡
通常は塩と煮つめなのですが、煮つめの方が好きなのでお願いして、切らずに煮つめのみです。
玉
皮剥
夏の魚と思われがちですが、産地を変えれば、長く楽しむことができます。上に乗せた肝が、この握りの命です。
大トロ炙り ♡
以前、出来ると聞いていたので注文。これはヤバい美味しさです。生よりも当然のごとく、脂の口溶けがすごい。
赤貝 ♡
ヒモの部位も一緒に握っており、一貫で丸々1個の赤貝を楽しむことができます。身も大きく、香りも素晴らしかった。
小柱
大粒の大星と呼ばれるものだけを使って、握られています。小柱の食感と香り、海苔の口溶けと香りが◎。
親方が「今夜は、はだてがなくて…」と残念なことを言っていましたが、肴から今夜は凄かった。このお店の念願だった『松茸のフライ』も食べることができたので、2017年度は満足です。これから本格的に鮪が美味しくなる時期なので、『大トロ炙り』は今シーズン中にもう一度くらいは食べておきたい握りでした。
また来年も宜しくお願い致します。今夜もご馳走様でした。
2017.9.
「あまり来ないから、忘れているかと思いましたよ」という山根親方のお茶目な挨拶を受け、「私も久々過ぎて、今日で合っているのかと思ってました」と返した後、親方の目の前に座らせてもらい、「鮨 竜介」の夜が始まります。
本日の献立
もずく酢
意外と好きなんです。もずく酢。
鮃
名物のトリュフ乗せ。周りにあるトリュフ塩と共にいただきます。たっぷりとトリュフが削られるので、香りがすごい。
穴子白焼き ♡
こちらにはキャビアが乗せてあります。鮨店とは思えないこの遊び心が、「鮨竜介」の摘みの妙。このキャビアの塩気がよく合います。穴子も脂があって、白焼きでも実に美味しい。
鰤 ♡
鮪よりも素晴らしい脂。コッテリとして、実に美味しい。山葵よりもオススメの辛味大根がよく合います。
鮑と蛸
どちらもスッと歯が入るくらいに柔らかい。噛み締める度に旨味が溢れてきますが、蛸の方が強かったかな。
〆鯖
小ぶりですが、インパクト大の脂。〆方も絶妙です。
海胆の茶碗蒸し
贅沢にも紫海胆をどーんと乗っけた茶碗蒸し。海胆の甘味とコクが茶碗蒸しとよく合います。
鰹 ♡
分厚く切りつけられた鰹は、薫香が鼻を擽り、脂が一気に迸ります。
カニクリームコロッケ
揚げ物が供される鮨屋をあまり知りませんが、素晴らしく美味しい。事前に言えばやってくれるかもしれないですが、大きな俵型で食べたいです。
秋には『松茸のフライ』を供しているらしく、タイミングが合えば食べてみたい品です。
握り
真鯛
モチモチ食感の中から生まれる甘さ。
喉黒 ♡
いきなりフィナーレがやってくる!フワフワとした身から生まれる絶対的な口福感。
墨烏賊
サクサク食感と塩と酢橘の爽やかさで、喉黒で興奮した身体をクールダウン(笑)
赤身
大間産。鼻を抜ける香りが素晴らしく、程よく脂もあって美味しい。
中トロ ♡
三厩産。
大トロ ♡
同じ魚体の三厩産。中トロ、大トロとも素晴らしい口溶けですが、どちらも後味はサラリとしています。
小鰭 ♡
2枚付けで、美しい模様を見せる鮨の芸術品。中には朧をかましており、これがクラシックな握りでありながらも美味しい。
紫海胆 ♡
「鮨 竜介」の夜と言えばの代名詞的な存在。今回のは、本日のセリ札1番!親方の信頼と矜持の一貫です。
口に広がる濃厚さもさることながら、香りが素晴らしい。禁漁になるので、暫くは出会えないかな。
煮蛤 ♡
近年になって、進化した煮蛤。蛤の出汁をストレートに余すところなく味わえます。握りというよりは、一品料理のような感じ。
鯵
肉厚な身を綺麗な鞍懸で、上には薬味。程よく脱水されていて身はモチッとしており、甘みもあります。
筋子
あえて筋子のまま漬けこんでおり、薄皮も気にならないほどなので◎
車海老
絶妙な火入れと温度は、いつもブレがなくて美味しい。
穴子 ♡
いつもは塩と煮つめで供されますが、今回は煮つめだけで。煮つめの場合は腹の部位なので、舌に絡みつくようなネットリ感がいつも素晴らしい。
椀物
大きな浅利の味噌汁。毎日、こんな味噌汁を出されたら、惚れますね。
皮剥(追加) ♡
本日の食べていないと種から追加。上に乗せられた肝のソースが、この皮剥を絶品に美味しい鮨に変化させます。
秋刀魚(追加) ♡
格子状に入れられた身に煮切りが入り込み、なんともフォトジェニックな鮨に。サラリとした脂は口に入れると、身と共に溶け合い、すぐになくなります。
北寄貝
最近、裏返して握るようになったそうで、甘みがよりダイレクトに伝わってきます。貝はこの独特の食感と甘さが、命ですね。
玉
フワフワとしたカステラのような玉で、キリッとした甘さ。
本日も堪能〜。3貫追加して、日本酒を1.5合で、30000円とは素晴らしいCPではないでしょうか。『はだての紫海胆』だけでもx000円はするんですよ?
「鮨 竜介」といえば、クラシックな『赤身漬け』も名物の一つだと思うのですが、近々また作られるらしく、次回には出会えそうです。
今回もご馳走様でした。今年中には、もう一度伺いたいと思います。
2017.7.
鮨店の定期訪問。今回は銀座にある「鮨 竜介」です。正統派の握りは昼でも楽しめますが、遊び心のある肴は夜のお楽しみ。私はさほどお酒を飲まないので、肴のある夜よりも、握りだけの昼の方がいいのですが、このお店は夜の方が面白い。
本日の献立
ただちゃ豆
夏の定番のただちゃ豆(枝豆)ですが、実はあまり好きでなかったりします。
真子鰈 サマートリュフかけ ♡
「鮨 竜介」の名物となりました。山根親方の遊び心のある肴。供されるとサマートリュフの香りが駆け抜け、周りのトリュフ塩と食べれば、真子鰈の甘さが際立ちます。
時鮭 焼物
魚の甘さも感じられる塩加減で、お酒の肴としては最良の味わい。
鶏魚と金目鯛 ♡
夏の始まりを告げる魚の鶏魚は爽やかな甘さがあり、対してそろそろ旬の終わりになる金目鯛は極濃厚な脂を楽しめます。食べ比べできる刺身はいいですね。
鮑と蛸の柔らか煮 ♡♡
鮑には肝ソースがかけられており、むっちりとした歯応えの中で、磯の香りも楽しめます。蛸は甘く焚いており、非常に柔らかく美味しい。
鰯 ♡♡
ガリ、大葉、浅葱とともに海苔で巻いたもの。濃厚な鰯の脂を爽やかな薬味と一緒に食べるので、後味も爽やか。
鱧の茶碗蒸し
梅肉が上にちょこんと乗っており、夏の茶碗蒸しらしい。
鰹
軽く燻されており、その薫香と薬味の爽やかさの中で、鰹のむっちとした食感が美味しい。
コーンクリームコロッケ
鮨店で?と思われるかもしれないですが、私はここのコロッケは好き♡
握り
甘鯛 昆布締め
口に入れると、甘みと昆布の香りが華やぎます。
喉黒 ♡
炙られているので、大きく切りつけられた身はふわふわで脂がジュワリ。不味いわけがない。
泥障烏賊
格子状に入れられた包丁がとても綺麗で、口溶けもよく、甘さも映える。
赤身
佐渡の定着。夏の鮪らしく、とてもライトな感じ。
中トロ
岩手県山田町産の定着網。比較的にライトですが、香りがとてもいい。
大トロ ♡
中トロと同じ魚体。やはりこちらは濃厚な脂ですが、後味は夏の鮪らしい。好みもあるでしょうが、夏の鮨は少し物足りない。
小鰭
間におぼろをはましてあるクラシックな小鰭。ほのかに甘いおぼろが、酢〆してある小鰭とシャリの仲を取り持ついい仕事をしています。
紫海胆 ♡♡♡
「鮨 竜介」といえば…この海胆。今回は「はだて水産」のセリ札1番のもの。濃厚でありながらも、香りがあるのは紫海胆の楽しみです。
石垣貝 ♡
ちょっと珍しい貝。生なので独特の香りがありますが、甘くてシャキシャキとした食感が私は好き。
鯵
肉厚な身を綺麗な鞍掛けで。程よい脂があり、口の中で鯵が暴れます(笑)
車海老
好みの人肌温度。甘さと香ばしさが楽しめるのは、車海老ならではですね。
穴子 ♡
塩と煮つめの久兵衛スタイル。穴子もそろそろよくなってきたそうで、確りと蕩けます。
玉
追加
蛸 ♡
摘みに出た蛸の柔らか煮を握って、煮つめをつけてもらいました。美味しい。
夏の鮨らしく、握りに関しては爽やかでライトな味わいのものが多く、存分に季節を感じられました。今回は肴の方が好みのものが多かった気がします。今回は山根親方の目の前に座らせてもらったので、握りの綺麗な所作も間近で見れて、満足。
次回は初秋。今夜もご馳走様でした。
2017.2.
いつも友達と一緒だったので、昼鮨ばかりでしたが、今回は一人なので久しぶりに夜の「鮨 竜介」です。このお店の夜の魅力は、何と言っても山根親方の「遊び心のある肴」でしよう。個人的には夜の方が総合的に考えると、CPは高いと思っています。
本日の献立
蛍烏賊なめろう
最初に飲むお酒にピッタリ。
鮃トリュフかけ ♡
「鮨竜介」の名物。甘みと脂が乗った鮃をトリュフ塩とチーズ削りでたっぷりと削ったトリュフをかけていただきます。
桜鱒の幽庵焼き ♡
摘みなので切りつけは薄めですが、桜鱒自体の脂は凄く、実に美味しい。この幽庵焼きの定食があったら、間違えなく注文しています。
金目鯛
銚子産。美味しい。口に入れた瞬間に溶けて、脂と甘さが広がります。
平貝の磯辺巻き
磯香りとサクサクとした食感の平貝が心地よい。
ツブ貝
独特の歯応えを楽しんだ後に広がる甘みと香り。だから貝は大好きです。
北紫海胆の茶碗蒸し ♡
北紫海胆の香りが素晴らしい。食べているうちに温度の変化で、海胆の味も変わるのがポイントな料理。
鰹 ♡♡
上に玉葱醤油をかけて。実に美味しい。程よい脱水と口に入れると藁の薫香、噛みしめると濃縮した味がほとばしります。
帆立のクリームコロッケ ♡
昼よりもちょっと大きい。割ると、ほぼ帆立!これも定食で食べたいなぁ。
握りスタート
鯛
甘みもあり、脂も美味しい。
喉黒 ♡♡
いきなりのクライマックス?笑脂があるので、身はフワフワ。
墨烏賊
身は厚く、それでも歯切りはサックサック。
赤身漬け
那智勝浦産。「久兵衛」譲りのクラシックな漬けで、シャリとの間に柚子を忍ばせた握り。薫りがたまらない。
血合いぎし ♡♡
那智勝浦産。香りが秀逸。特に後味の香りが素晴らしい。
蛇腹 ♡♡♡
気仙産。見ただけでも美味しいのは分かりますが、食べると…やっぱり美味しいっ♡
小鰭
中にかましたおぼろの甘さが、上の小鰭の味を引き立ててます。
紫海胆 ♡♡♡
「鮨 竜介」の名物的存在になってきました羽立水産のもの。房も大きく、味も濃い。
鳥貝
少々小ぶりですが、ワタの美味しさを前面に出した鮨。
白海老
昆布締めで。口に入れると、昆布の香りがふわりとして、シャリと共にほどけながら、甘さが広がります。
車海老 ♡
人肌温度の車海老は甘く、香ばしい。そして、口の中でシャリが海老味噌と混ざると更に美味しい。
穴子
久兵衛スタイルの塩と煮詰め。やはり穴子はいい時期に買い、固めている(冷凍している)らしい。この時期の穴子は良くないですからね。
玉
鮨店らしい王道の玉です。
椀物
蜆汁。味噌汁は日本人のDNAを掻き立てる味わいですね。
痛風軍艦(追加) ♡♡♡
中身は塩漬けしたイバラガニの内子とウズラの卵、芽ネギ。これが大好きな常連さんの為にストックしているという種。塩漬けしたイバラガニの塩気をウズラのの卵黄で円やかにしています。これは美味しい。
煮蛤♡♡
昔は漬け込んでいて、シャリも赤酢のもので握りでした。が、いつの間にか小丼の雑炊風になっていました。蛤の出汁を活かした鮨です。
穴子♡♡♡
前々から思っていたことをついに実行。久兵衛スタイルではなくて、煮詰めで丸々一貫。煮詰めにするのは、脂の乗った腹の部位なので、激ウマです。
肴は鮨店であまり見かけないトリュフやクリームコロッケなどの洋風なものもありますが、握りは真っ向勝負の正統派。種の引き出しも多いので、一通り食べ終わってから「他に何かある?」と聞くのがちょっとした楽しみ。今回も実に美味しかったです。ご馳走様!
2017.2.
定期的な鮨訪問。今年初の常連店である「鮨 竜介」です。
本日の献立
白魚の桜蒸し
食べると、ふわりと桜の香りが。まだまだ寒いですが、春の息吹を感じる品。
鮃
真鯛♡
モチモチとして、噛みしめる度に甘味が広がります。
鰆♡
最近のお気に入りの種。塩と酢で〆られており、程よく脱水されていて、旨味が凝縮してます。
喉黒♡
白身のフィナーレ。溢れる脂は赤酢のシャリによく合います。
墨烏賊♡
かなりの肉厚に切りつけられており、それでもサクサクとした食感はさすが。
赤身漬け♡♡
中トロ♡♡
大トロ♡♡♡
今回の鮪は千葉の勝浦産。中トロと大トロのとろけぐらいは格別で、中でも赤身を食べ終えた後に残る香りは、凄かったなぁ。
カラスミの茶碗蒸し♡
蓋を開けると、いい香り。香りから美味しい。
小鰭
蝦夷馬糞海胆
赤貝♡
ヌメッとした中で、独特の香りが映えます。実は貝の中でも好きな貝なんです。
蟹クリームコロッケ♡
「鮨 竜介」の昼鮨での本気のお遊び。大好きです。
平貝
メジマグロ♡
上には玉葱醤油。これが絶妙な味わいを醸し出し、香りもいい。
車海老♡
人肌の温度の中で甘さが広がります。
紫海胆(追加)♡♡♡
「鮨 竜介」の夜海胆。今回は築地での2番目のもの。値段は一箱X万円!で、一貫が原価でもX000円‼︎これを聞いてしまうと、夜のコースもいかにリーズナブルなのかが分かります。
穴子♡♡
塩と煮ツメ。特に煮ツメでの穴子は、口に入れた途端になくなります。
玉
鮨店らしく、キリッとした味わいです。
今回は最初からバタバタとしてしまい、山根親方たちに御迷惑をかけてしまいました。申し訳ありません。
次回は久しぶりに一人での夜。まったりと鮨を楽しみたいです。
2016.12.
定期的な鮨店訪問。今回は銀座にある「鮨 竜介」です。本当は夜で遊び心のある摘みを食べたりしたかったのですが、私にしては珍しく友達と一緒なので、昼鮨です。
ガラリと戸を開けると、某鮨店の親方が客としていらしてビックリ。折角なので、色々お話したかったのですが、お互いに一人ではないので挨拶をして、ちょっと驚くことを話していただきました。
今回の献立
白子の湯引き
絶妙な温度で、甘さも際立ちます。冬はいいなぁと思う一品です。
鮃
白川
金目鯛
喉黒♡
鰆の幽庵焼き
鰆ってパサパサしてるイメージがあるので、あまり好きではないのですが、コレは美味しかったです。
墨烏賊
赤身ヅケ♡
近年では即席的なヅケが多い中で、「鮨竜介」ではクラシックなタイプ。ふわりと柚子が香り、美味しい。
小鰭
中にかましてあるおぼろが、いい感じに甘さを感じさせます。
背トロ♡♡♡
実はたまたま銀座の某鮨店の親方がいらして、「鮪にうるさい方が来るから」ってことで、入荷を早めたらしい。そのお陰でありつけた背トロ♡口に入れた瞬間に消えます。
血合いぎし♡♡
本日入荷の分。まだ香りのフレッシュさもありながら、十分にとろけます。
赤貝
馬糞海胆
カニクリームコロッケ♡
昼コースでもこういう一品を出してくれるのが、このお店の好きなとこ。小さいながらも、カニがたっぷりです。
紫海胆♡♡♡
隣の親方達が食べてらしたので、便乗。黄色い札は、築地の1番の証。今回もちゃんとついてました。
鯖♡
薄く3枚に切りつけてから握っているので、しっかりととろけます。
車海老
鰹
藁の薫香がたまらない。
穴子
玉
追加
大トロ♡
コレも勿論、とろけます。しかしながら、背トロの方が上でした。
小柱♡
貝類が食べたかったので、追加。一つ一つの粒が大きくて存在感もしっかりと楽しめます。
やはり夜の良さを知ってしまうと、昼鮨ではどこか物足りない。握りに関しては満足感を得られていますが、山根親方の遊び心のある摘みが心残り。まあ、一人ではないので、仕方ないです。ですが、ほぼ便乗的に食べられた背トロは、良かったなぁ♡
2016.10.
初となる「鮨 竜介」の夜に訪問。多くの方から「夜は昼よりもワンランク上の素材で、特に海胆が凄いので、楽しまれて下さい」と言われてきたので、かなりの期待を持って、引き戸を開きます。山根親方と挨拶を交わして、今夜の舞台の幕が上がります。
今夜の献立
焼き野菜
先付けは、焼いた野菜を出し汁に漬けたもの。
鮃
トスカーナ産白トリュフをチーズを削る器具でたっぷりとかけ、周りにあるトリュフ塩でいただきます。噂の「鮨 竜介」のお遊びの一品。トリュフがフワリと香り、美味しい!
魳の焼物
鰤
辛味大根の鬼おろしでいただきます。鰤の味が凝縮した味わい。
蒸し鮑 ♡♡
肝ペーストを供されたので、勿論コレで。大きな鮑は熱々で、香りも良く、クニュっとした食感がたまりません。
秋刀魚の炙り ♡♡
食べなくても、見ただけで美味しい!口に入れた途端に、溶けちゃう。
フォワグラとトリュフの茶碗蒸し
鰹 ♡
厚切りなので、モチモチとした食感を存分に味わえ、実に美味しい。
カニクリームコロッケ ♡
小さいながらも、しっかりと感じる蟹の存在感。意外にも山葵が、実によく合う。
握りスタート
白川
程よい脱水加減で、甘みと味が濃縮してます。
喉黒 ♡
軽く炙られているので、口に入れた瞬間にとろけます。
墨烏賊 ♡
かなりの肉厚に切りつけられているので、サクサク感が一段と素晴らしい。
赤身 ♡
大間産105キロ。口に入れると、とろけながら、鮪の香りがフワリと香りますか。
中トロ
大トロ ♡♡♡
赤身と同じ大間産105キロのもの。ああっ!素晴らしいですね。
小鰭
しっかりとした〆方なので、口の中がすっきりとします。
紫海胆 ♡♡♡
箱についてる黄色の札を見れば、分かる!築地で1番のもの。大きな房のものを4つ纏めて握るので、シャリよりも海胆が多い。海胆が口いっぱいに溢れ、爽やかな甘さが広がります。
赤貝
白海老の昆布〆
少しクセのある白海老ですが、口の中で昆布の旨味のみが広がります。
細魚
唐津産 赤海胆 ♡♡♡
この赤海胆は、先ほどの紫海胆に比べると、格段に濃厚。そして、後味は少しほろ苦い。ああっ!美味しい。
海松貝 ♡
厚い!食感がいい!甘い!
車海老
絶妙な半生感。香ばしさと甘さがいい。
鯵
穴子
玉
もっと摘みは遊び心というか、創作的な料理が多いのかと思っていましたが、そんなことなかったですね。情報通り、素晴らしいと思う料理の数々で大満足。握りは赤と白のシャリを種によって使い分け、素材の良さも合わさって、唸るものも多かったです。
昼鮨はリーズナブルで利用しやすいですが、この「鮨 竜介」に関して言えば、夜の方が断然いい。スタッフも多いので、サービスも安定していて、安心して楽しめる雰囲気があります。12月くらいから夜は2部制になるそうで、予約が取れやすくなるかもしれないですね。
お忙しい中、外までお見送りしていただき、ありがとうございました。是非、また伺います。
2016.8.
銀座にある「鮨 竜介」で、定番の昼鮨。今回で3回目なのですが、山根親方は私のことをよく覚えてらして、顔を見ただけで席に案内されました。よく行っている鮨店でも、やはり最初は背筋が伸びるような感覚があるのですが、このお店は何となくそれがありません。リラックスして、15貫をいただきましょう。
実食
だだ茶豆
平目
真鯛
縞鰺
喉黒 ♡
障泥烏賊 ♡
塩とスダチで。墨烏賊に比べると、ねっとりしているのだろうなと思っていましたが、サクサクとした歯切れの良さ。
鱧と梅肉の茶碗蒸し
赤身 ♡♡
鮪は大間産107キロのものだそう。赤身は香りもよく、中トロ・大トロの口溶けは恍惚です。
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
小鰭
海胆
石垣貝
鰺 ♡
中心部しか使っていないので、凄く肉厚で、脂が素晴らしい。
濃厚いくら丼 ♡♡
いくらを盛った後、いくらを潰して作ったソースをかけて仕上げます。美味しい。
鰹
穴子 ♡
非常に濃厚で美味しい。
浅利の味噌汁
玉
追加
秋刀魚 ♡♡♡
旬の魚が不味いわけがない!
車海老
今回もテンポ良く握っていただき、ありがとうございます。白と赤のシャリを使い分けて供される握りは、通う度にその完成度が増していっている気がします。
次回の予約は、初となる夜。「鮨 竜介」の握りはご覧通り極々正統派ですが、夜に出される摘みは『白身のトリュフかけ』などの遊び心ある変化球が多いそうで、親方も「なんだ?こんなもん!とか言わないで下さいね?」と茶目っ気たっぷり。緩急自在な親方の仕事に酔いしれたいと思います。
2016.6.
とりあえず、鮨食べ歩きも随分と定着してきて、今回は「鮨 竜介」に訪問です。2回目の訪問ですが、親方の山根 竜介さんは私のことを覚えてらして、フランクな挨拶を交わして、昼鮨15貫でお願いしました。昼は基本的に握りのみですが、おつまみを食べてから握りへという形もできるので、重宝するお店です。
本日の献立
真鯛
程よい食感がありながらも、甘さがはえる。
真子鰈
喉黒 ♡♡
軽く炙られているので、脂が溶け出していて美味しい。
障泥烏賊
ねっとりとしているので、食感は墨烏賊に劣りますが、スダチの爽やかにの中にある甘さは秀逸。
鮪づけ
昔ながらの湯霜づくりのスタイルが、この「鮨 竜介」のづけ。夏らしい爽やかな鮪で、忍ばせた柚子が更に爽快感を加速させます。
中トロ ♡♡♡
この時期の鮪はさほど期待していませんが、この『中トロ』は素晴らしい。
大トロ ♡
おつまみ① 紫海胆と毛蟹の茶碗蒸し ♡
銀座の昼鮨で、温かいおつまみをコースに取り入れているのは、ここくらいではないでしょうか。大粒の紫海胆は生なので、溶かすとコクが出て美味しい。毛蟹はどこをスプーンで掬っても当たるくらいにたっぷりと入っています。
小鰭 ♡
脂がのった小鰭は、程よい〆方で美味しい。種とシャリの間には、おぼろを咬ますところは昔ながらの技ですね。
紫海胆 ♡
大粒のものを軍艦にこれでもかというくらいに詰めて、供されます。海苔も香りが高く、海胆と同じ速度でとろけます。
鰹
生と藁で燻した部分との味がしっかりと味わえ、上にちょこんと乗っている薬味が鮮烈。
春子
おぼろを咬ましていて、柔らかな〆方なので、口に入れるとすぐにとろけます。
おつまみ② 帆立のクリームコロッケ ♡
焼魚と思っていたら、揚げ物でした。嬉しい誤算。ちゃんと帆立を感じる美味しさ。
平貝
鰯 ♡♡♡
だいぶ良くなっていたとのこと。とろける美味しさは、悶絶ですね。
桜海老
シャリと共に生の桜海老を蒸したもの。香り高く、美味しい。
椀物
今回は浅利の味噌汁。
穴子 ♡
塩と煮詰めのスタイル。大好きな腹の部分だったので、程よいとろけ方でした。
蒸し鮑♡♡ 追加
隣のお客さんがおつまみで食べていたので、便乗。鮑にもちゃんと味が残っていて、素晴らしく柔らか。
縞鯵 追加
天然のものだそうで、固いかな?と思いましたが、全然そんなことはなくて程よい脂に締まった身質は美味しい。
鳥貝 追加
生のもので、供する前に親方が指でポンとするとうねり返します。
玉
甘さ控えめで、ちゃんと魚っぽい鮨店の玉子焼きです。
3か月ぶりの訪問でしたが、素晴らしくレベルが上がっていると感じました。いつもながらに、赤と白のシャリを使い分けて供される鮨は、ハズレがなくてどれも美味しいの一言に尽きます。親方は所作も綺麗で、とても楽しい方なので、一見でも十分に楽しめると思います。お店の施工会社も同じで、オープン時期も1か月しか違わない銀座にある某店よりも、私はこちらの方が好き。
次回は夏。初となる夏の「鮨 竜介」、楽しみです。
2016.3.
「時間を気にせず、ゆったりと食べて、楽しんで欲しい」
僅か7つの席に込めた親方の思いだ。
鮨店がひしめく銀座7丁目に、2015年7月にオープンした「鮨 竜介」に初訪問。親方は「銀座 久兵衛」「銀座 鮨一」で研鑽を積まれた山根竜介さん。近年、新しくお店を出し、注目を集めている親方の多くはとてもお若くて、同世代くらいの私としてはとても気になる存在なのです。ちゃんとお店の事を知ったのは某TV番組ですが、オンエア前から予約を入れており、今回の初訪問となりました。
小さなビルの地下にあり、階段を降りて行くと、新しい白木の扉が現れます。
「鮨 竜介」
戸を開けると、「ご予約のnao.さんですね?どうぞ、こちらへ」と親方の目の前の席に案内していただきました。これといったメニューはありませんが、10000円コースがあることを知っていたので、今回はそれでお願いしました。
本日の献立
先付蛍烏賊
平目
真鯛
桜鱒の幽庵焼き
よい火入れで、しっとり感としっかりとした脂も味わえます。下に敷かれた『ユキノシタ』という葉が、親方との会話にきっかけになりました。
金目鯛
喉黒
対馬産のブランド『紅瞳』という喉黒。炙ることで、身はふわりとして、更に脂が滴ります。
墨烏賊
サクサクとした食感の中で、シャリが飛散するのを口の中で楽しめます。
赤身のづけ
近年は即席のづけが多い中で、昔ながらの仕事をしたもの。フレッシュ感の香りは薄いですが、旨味はぐっときます。
中トロ
大トロ
霜降り部分。常温にしてから、握っているので、口溶けは素晴らしい。
小鰭
程よい〆方の中、間におぼろを入れることで、より丸くなっています。
海胆
フォワグラとトリュフ入り茶碗蒸し
「握りだけじゃなく、温かいものも食べたい」という親方の思いがあります。握りは直球に対して、一品料理は変化球が多いようです。
水松貝
食感も楽しいですが、口に広がる甘さが秀逸。活きが良すぎて、握って供された後に水松貝が逃げました(笑)
ツブ貝
貝類はとにかくフレッシュ。貝好きにはたまりません。
鯵
車海老
レアな火入れは、修行先の「銀座久兵衛」の仕事。甘さがよく映えます。
穴子
塩とツメで供するのも、久兵衛スタイル。舌に絡みつくようなねっとりとした穴子。
玉
どうしてもいい写真が撮れなかったorz魚の味がちゃんとする鮨店ならではのデザートです。
追加
赤貝
青物のような香りもよく、食感もいい。
鳥貝
生の鳥貝はクセも感じられず、鮮度の良さに自信を感じさせます。
煮蛤
柔らかく、まだ瑞々しいです。
ランチコースで摘みを提供しているのは珍しく、親方に聞いてみると「自分だったら、食べたいから」とお客を楽しませてくれる心意気を感じます。また摘みではあまり鮨店で使わないトリュフなどを遊び心を取り入れており、それとは引き換え、握りでは『赤身のづけ』のような老舗で培った確かな仕事が光ります。シャリはすっきりとした米酢の白いものと旨味の強い赤酢のものを使い分けており、種の温度も素晴らしく、握りのバランスはとてもいい。
隣では夜に提供しているコースを食べてらした方がいましたが、型にはまったコースではなく、私が貝類を追加した際にも「美味しそうですね。こっちも頂戴」とかなり自由な感じで注文できるようです。仕込まれている種数も多いので、供される料理を黙々と食べるより、ずっと楽しいですね。
そして、CP。「え?これでいいの?」と聞き返したくらいに、凄い。同業者の方にも「これでやっていけるの?」と言われますと親方が仰ってましたが、こちらが心配になるくらいのCPの良さです。
初めてにしては居心地も良く、かなり先の予約まで取っていただいたので、再訪決定です。山根親方、ご丁寧に名刺とお見送りまでしていただき、ありがとうございました。
ご馳走様でした。
6位
15回
2025/01訪問 2025/01/25
2025.1.
いつまで色褪せぬ思い出の丘
正直できるならば、この日はきて欲しくはなかった…。
そう思いつつもこれが最期となる三田にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」に再訪。
桜海老とグリュエールチーズのトースト♡
香ばしい桜海老とグリュエールチーズの香りが「COTE D'OR」にまたやってきた!と気持ちにさせてくれます。
北海道産 鰆の燻製♡♡
人肌の温度の鰆は口の中でプリプリと跳ねるような食感があり、ほんのりとした甘味が広がり、それを追いかけるように薫香が鼻からふわりと抜けます。紅白の大根と人参のピクルスも食べる度に口の中がリセットされるようで、鰆が常に美味しくいただけます。
オマールのテリーヌ ダニエル風♡
しっとりと滑らかで、舌の上で瞬時に溶けるようなテリーヌ。そして、オマール海老の旨味が凝縮しており、それは味が濃いのではなく、まさに濃厚な旨味。添えてある林檎のコンフィチュールと共にいただけば、爽やかな甘味と酸味が累乗されて、更に美味しい。
黒トリュフのパイ包み焼き♡♡
この時期ならではの事前予約のスペシャリテ。供されると、皿から立ち上るバターの甘い香りと蠱惑的な黒トリュフの香りが凄い。でもそれは決して嫌味な香りではなく、芳醇そのもの。サクサクのパイにゴリッとした黒トリュフの食感ととろりと溶け出すフォワグラの旨味が楽しめ、ソースにも黒トリュフがたっぷりと入れられていますが、全く濃ゆいことはなく、パイそのものの味わいも楽しめます。まさにバランスが絶妙な素晴らしい味わい。
山口県産 甘鯛のムニエール ポロ葱 ポテトスープ♡
こんがりと焼かれた甘鯛は表面がカリカリ、中はふんわりとしており、素晴らしい火入れ。下に敷かれたポロッととポテトのスープは甘味が溶け出している中で、ほんのりとトマトの酸味を感じられ、より甘鯛の甘味の輪郭を際立たせています。
シストロン産 仔羊のロースト タイムソース♡♡
供されると、皿から立ち上るのはタイムの爽やかな香り。仔羊にカトラリーを入れると柔らかく、それは口の中で驚愕となる柔らかさ。羊らしい香りもありつつ、嫌なクセは微塵も感じさせない美味しさ。別皿で供されるドフィノアもミルク感がありつつ、ジャガイモとミルクで甘くなりそうなところを香辛料をビシッと効かせており、メインクラスの美味しさ。
猪のホロホロ煮込み♡
メニューには決して記載されないランチコースでのメインの肉料理。『牛の尾の煮込み』がなく、お勧めということで注文。イメージ的には角煮ですが、いただく印象はガラリと変わります。猪肉本来の力強い赤身肉の旨味が堪能でき、料理名のごとくホロホロと崩れる柔らかさ。添えてある野菜はそれぞれの甘味が活きており、一緒にいただくことで色々な味わいの一面が見られます。
苺のスープ ワイン風味♡♡
個人的にこの時期のデザートのスペシャリテ。スープとはいえ、コンポートのような感じ。柔らかな苺の酸味と甘味、そしてワインのコク。全方位から見ても絶妙な美味しさ。
カスタードプディング♡♡
最期のデザートは、大好きなプディング。固めのプディングと半固体のカラメルソースの異なる甘味の累乗が素晴らしい。大好きです♡
プティフール & ハーブティー
絶対に食べたいと考えていた『黒トリュフのかき卵』や『牛の尾の煮込み』がないという中でも、やはりオーナーシェフ・斉須 政雄さんの料理は全てにおいて味わいのバランスが絶妙。そして、何よりも心に響くくらいに全てが美味しかったです。
今後、引退される斉須さんはもう料理はせず、厨房のスタッフも田舎に帰り、ホールスタッフもこの先のことはまだ考えていないという。通年で出逢えるスペシャリテや四季を彩るその時期ならではのスペシャリテ、血の通った人間味溢れるサービス。まだまだ数え切れぬ食べたい料理たち、後悔がないと言えば嘘になりますが…
長い間!!お世話になりました!!!
私の世界に感動をありがとうございました!!!
2025.1.
思い出の美食の丘
来月末で閉店となる三田にある日本屈指の老舗フレンチレストラン「Cote d'or」にギリギリで再訪。今回もランチコースにアラカルトを追加して、欲望のままに楽しみます。
桜海老とグリュエールチーズのトースト♡
定番のアミューズ。供された瞬間に香るチーズの芳香、そして口に入れると桜海老の香ばしさが爆ぜます。
小玉葱のタルト♡
斉須シェフがランブロワジー時代から作ってらっしゃるというブリオッシュ生地に小玉葱とマッシュルームのデュクセルが盛られたタルト。ブリオッシュ単体でもかなり美味しい中で、玉葱の甘味が全面に出されており、そこにマッシュルームの塩味や旨味がいいアクセントになっています。付け合わせのセルバチコの苦味と酸味で口の中をリセット出来て、いつまでも美味しく食べれます。
イトヨリダイのカリカリ焼き マスタードソース♡
今回のランチコースの魚料理で、2017年に一度いただいたことのある皿。皮目をカリッと焼かれており、それに対して身はふわっとしてる火入れ。ほんのりと酸味の効いたマスタードソースがイトヨリダイの甘味をより際立たせており、色褪せぬ美味しさ。
国産牛の尾の煮込み ワインソース*♡♡
不滅のスペシャリテの1つ。映えなどは一切感じさせないですが、余分なものを削ぎ落として作り上げられたひと皿で、美味しいが余韻長く続きます。クレピネットで包まれた漆黒の牛テールはとろりと骨から崩れ、赤ワインが活きたソースはコク深くも軽く、添えてある人参のピュレは単体で甘すぎるくらいの甘味。その3つが口の中で合わさると…言葉を失う美味しさ。
紅茶のシャーベット♡
ひと口目から感じられる絶対的なレモンティー感。実に爽やか。
カスタードプディング♡
ランチコースのデザート。プリン自体は玉子感が確りとしており、ほんのりビターなカラメルソースが甘くて美味しい。
ミニャルディーズ & ハーブティー♡
「食後は…ハーブティーですね?」
たまにしか来ない私の好みを覚えて下さっていたことに驚きと喜びが溢れます。カップに注がれると、ハーブに包まれるかのような香りが広がり、今いただいた料理の余韻に浸って、その味を反芻する大切な瞬間。
オーナーシェフの斉須 政雄さんは、間違いなく今の日本のフレンチ業界を牽引されてきたお一人。その料理は映えなどは微塵もなく、無駄を削ぎ落とし、純粋に美味しさをブレることなく落とし込むようなもの。季節毎に顔のある不動のスペシャリテが存在し、いつも店内が愛情と美味しさで溢れている素晴らしいお店です。
残す訪問はあと1回。大好きな黒トリュフのあの料理を味わいます。
2024.5.
思い出の美食の丘/COTE D'OR
桜海老とグリュエールチーズのトースト♡
定番のアミューズですが、供された瞬間から立ち上る桜海老の香ばしい香りに脳が震えます。
信州産 グリーンアスパラガスのヴィシソワーズ♡♡
目の前にすると、グリーンアスパラガスの青い香りがとても心地よい。スープには穂先や軸の部位も浮かべており、口の中でザクザクと存在感の抜群。そして、また香りが爆ぜる。ランチメニューなので、またいつ出逢えるか分かりませんが、実に素晴らしいひと皿。
茹で上げ白アスパラガス ドレッシングソース♡
皿としては、全く映えないですが、料理の完成度は素晴らしい。まずは何もつけずにそのままいただけば、白アスパラガスの甘い香りを堪能できます。皿に添えられているのは、岩塩とマスタードドレッシング。岩塩をつければ、より甘味は感じられ、ドレッシングをつければ、仄かな酸味と辛味でより旨味を感じれます。三者三様の味わいを楽しめますが、どちらも最後はジュワッと溢れる白アスパラガスのジュースを味わえて美味しい。そして、味わいだけでなく、刹那の間でサクッと歯切れる茹で加減が絶妙。
北海道産 桜鱒の温かいムース サフランソース♡
供されると、皿から立ち上るサフランの香りがぶわっと身を包みこみます。温いムースの中には桜鱒の身が忍ばせており、旨味と甘味を確りと感じられて、「桜鱒を食べている!」という感じになります。
スペイン産 若鶏のロースト カリカリ焼き♡♡
カトラリーを入れると、驚くのはその柔らかさ。身はとろけるようで、皮は表面がカリカリとしつつ中心部はプルプル。スペインの鶏とは、こんなにも美味しいものなのか!と叫びたくなるほどの美味しさ。ソースもトマトの酸味とベースのフォンドボーの旨味がこの肉の旨味を更に倍加・累乗させているかのようで、絶品。
国産牛の尾の煮込み ワインソース♡♡
不動のスペシャリテを久しぶりに堪能させていただきました。皿の上にあるのは、漆黒の牛テールと濃いオレンジ色の人参ピュレのみ。ほろほろと骨から外れる身は余計な味わいはなく、純粋な牛の旨味。ソースは確りと赤ワインが活きており、風味などのレベルではありません。人参ピュレは極限まで甘く、単体でいただくと甘味が強すぎるくらい。で、この3つが口の中で出逢うと…まさにスペシャリテの名に相応しい味わい。フレンチの中でも最高のひと皿だと思います。
パスティスのソルベ♡
口に入れると、ふわりとパスティスの薬草香がしますが、それも一瞬で爽やか。
カスタードプディング♡♡
まさかこのお店で、プディングに出逢えるとは。昔は作っていたそうで、最近になってまた作り出したら人気になっているそうです。プディング自体は玉子感が確り目で、カラメルソースは初めちょっとビターですが、一気に濃密な甘味が広がります。私の鉄板のデザートになりそう。
白金高輪にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」に再訪。オーナーシェフ・斉須 政雄さんの料理は味・ボリューム共に色褪せぬクラシカルなものであり、余分な物を削ぎ落とした皿は、現代において重要視される豪華さや華やかさなど微塵もありません。歴史を感じさせるレストランの顔とも呼べるスペシャリテがあり、また四季ごとの名物料理もスペシャリテと呼ぶに相応しい風格があります。魂を感じる料理と血の通ったサービスのあるこのレストランは、いつ訪れても心揺さぶられる素晴らしさに満ち溢れています。
2024.2.
思い出の美食の丘/COTE D'OR
桜海老とグリュエールチーズのトースト
供されると桜海老の香ばしさが鼻を擽り、グリュエールチーズのコクが口の中で広がります。
鳥取直送「いなばじろうじし」のテリーヌ♡
中央にフォワグラがあり、周りには背脂があって、それは取って食べるように勧められます。
一点の曇りもない味わいは、極上の濃厚さ。フォワグラと一緒にいただくと、コレだけでワインが進みまくりまる危険極まりない味わい。
黒トリュフのかき卵 ワインソース♡♡
黒トリュフのこの時期に『黒トリュフのパイ包み焼き』と双璧を成すスペシャリテ。個人的にはこちらの方が好みであり、ここでしか食べられない逸品。個人的に最高の卵料理だと思っており、固まるか固まらないかギリギリのかき卵の甘みをコクのある赤ワインソースが押し上げ、そこに妖艶なトリュフの香りが輝き、素晴らしいのひと言。最後はパンで拭っていただくのが、まさに至福。
仔牛の胸腺肉 季節の野菜 トリュフソース♡
添えてある季節の野菜は、菊芋。黒トリュフソースを纏った胸腺肉は咀嚼すると、一瞬歯を包み込むようなフワッとした感じがあり、その後にトロッジュワッと甘味が溢れ出します。菊芋はそれ以上の甘みがあり、口の中で甘味×甘味の甘美な時間を感じられます。幸せの味わいです。
柚子のグラニテ
口直しは柚子を使ったグラニテ。一片の甘さもなく、ただ爽やかさが駆け抜けていきます。
本日のフランスチーズ盛り合わせ♡
内容は…下からファンブリヤー、トムドシェーブル、マンステール。選んでいただいた『Chateau Suduiraut』と共にいただけば、極上のひと時を楽しめます。
苺のスープ ワイン風味♡♡
この時期のデザートは、コレ一択です。コンフィチュールのような見た目ですが、苺は全くのフレッシュ。苺が持つ酸味・甘味・香り、フレッシュならではの良さをこのひと皿に凝縮させたような味わい。
ミニャルディーズ
毎年この時期には恒例となっている三田にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」に再訪。オーナーシェフの斉須 政雄さんはネットなどでお姿を拝見することはあっても、レストランでは一切お見かけしたことはなく、まさに神秘的な存在。変わらぬことを貫くような料理は余計なものを省き、ダイナミックでありつつも絶妙なバランスで構成されており、どの季節どの料理をいただいても間違いない美味しさ。
…食べ終えて、いつも注文した料理には一片の後悔ない美味しさだったにも関わらず、「アレも食べれば良かったなぁ」と後悔するのは毎度のこと。次は桜咲く中、ホワイトアスパラを食べに来たいです。
2023.4.
思い出の美食の丘/COTE D'OR
アミューズ・桜海老トースト
グリュエールチーズと桜海老の香りが織りなすひと口のトースト。
茹で上げホワイトアスパラガス ドレッシングソース/Domaine du Nozay Sancerre Blanc♡
まずはそのまま食べると、芳醇な香りが口いっぱいに広がり、岩塩をつけるとホワイトアスパラガスの甘味が映え、マスタードのドレッシングをつければ酸味と辛味でより甘味が映えます。3種類の味わいが楽しめる素晴らしいひと皿。
季節の野菜の蒸し煮 冷製コリアンダーの香り/Saint Aubin 1er Cru'Sous Roche Dumay♡
言わずと知れた斉須シェフのスペシャリテの1つ。今回はランチコースに組み込まれていました。
レモンとビネガーで酸味をつけて、オリーブオイル・レーズン・コリアンダーと共に蒸し上げたもの。強い酸味を一本の軸として、それぞれの野菜の食感や甘味などの個性を活かして、皿にまとめ上げています。さすがスペシャリテ、実に美味しい。
スペイン・ガルシア産 栗豚のロースト/Bouchard Père & Fils Gevrey Chambertin♡
スペインの銘柄豚だと「イベリコ豚」が有名ですが、この豚は餌に栗のみを食べさせており、通常の白豚より霜降りが多いそうです。
供された栗豚は表面にうっすらと焼き色がついているくらいで、全体的に淡いピンク色がとても綺麗。口に入れると、栗豚の肉質は柔らかく、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れてきて、特に脂身の甘味が美味しい。ソースはジュとフォンドヴォーだそうですが、超絶に美味しい。
ダージリンのソルベ
口直し。爽やかにレモンとダージリンが香るソルベで、食べるレモンティーのよう。
イチゴのスープ 赤ワイン風味♡
フレッシュの苺が香り・甘味・酸味を感じられて、1番かと思っていますが…この料理をいただくとそんな考えは吹っ飛びます。香りと甘味は格段と跳ね上がり、苺らしい酸味も確りと感じられます。今季も食べられてよかった。
春の食材『ホワイトアスパラガス』を求めてやってきたのは、白金高輪にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」。
オーナーシェフの斉須 政雄さんが作り出す料理はダイナミックでありつつも、まるで木組みのような緻密さも感じられます。料理は恒常的なスペシャリテとそれぞれの季節にシーズナルスペシャリテが存在し、料理が人を呼ぶチカラになっています。そして料理だけでなく、スタッフ達が作り出す暖かな雰囲気もまたこのレストランの魅力の1つでしょう。いつ訪れても感動が溢れている素晴らしいレストランだと思います。
2023.2.
美食の丘へ/COTE D'OR
桜海老トースト
グリュエールチーズと酒粕を入れたトースト。いつもとは違う香りが印象的。
黒トリュフ入りのかき卵 ワインソース/POUILLY FUISSE CLIMAT EN CHATENAY♡
今年も出逢えた黒トリュフを使ったこの時期ならではのスペシャリテ。全く映えない見た目ですが、供されるとふわりと立ち込める黒トリュフの蠱惑的な香りが一気に周りを包みます。濃密な卵のコクと甘味が黒トリュフを包み込み、口の中で爆ぜるように香りが広がります。旨味を更に掘り下げるような赤ワインソースもまた実に美味しい。個人的に最高の卵料理と思っています。
魚介のプリン サフランソース/Meursault Les Clous Bouchard Père&Fils♡
供されると、サフランの香りが立ち込めるひと皿。中央にあるのは帆立・鰆を使ったプリンで、帆立の甘味と大きく切られた鰆が口の中で主張しており、サフランの香りと共に旨味が広がります。
蝦夷鹿のロースト/CHAMBOLLE-MUSIGNY BOUCHARD PÈRE & FILS♡
カボチャのピューレと紫キャベツのマリネ添えて。
咀嚼の度に溢れる旨味と甘味があり、ソースはそれらを高めるような存在で蝦夷鹿自体が非常に美味しい。カボチャのピューレと共に食べれば旨味と甘味をプラスして、紫キャベツのマリネで口の中をリセット。無限ループとも思える美味しさの連鎖は皿の上から料理がなくなるまで続きます。
チーズ/CHATEAU SUDUIRAUT♡
アールグレイのソルベ♡
まるでアールグレイのレモンティーを食べているかのような爽快感。
焼き芋のスフレ 焚き火で焼いた日を想って♡
初めて見るデセール。エアリーなスフレの底にはひと口サイズの焼き芋があって、素朴な甘味がこのスフレの中でより輝きます。
プティフール
実に1年ぶり、白金高輪にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」に『黒トリュフのかき卵』目当てで伺いました。変わらないゆったりとした時間が流れており、ここにいるだけでまるで緑が美しい森にいるかのように身も心も癒されます。オーナーシェフの斉須 政雄さんが作り出す料理は大胆でありつつも、確固たる芯が通っており、どれもハズレなく美味しい。流行り廃りのある時代の流れの中で生き続ける斉須シェフの料理は、やはり何よりも美味しいからなのでしょう。いつの時代でも「美味しいは正義」だと確信するレストランだと思います。
2022.2.
美食の丘へ/COTE D'OR(三田)
Le menu du jour
鴨と猪のリエット
初めてのアミューズ。よく見る「桜海老のトースト」よりも香りがない分、口に入れた瞬間に広がる旨味が凄い。
魚介のソーセージ♡
鰆・帆立・穴子を使った魚介ソーセージをエシャロットソースで。旨味が凝縮されたソーセージの中には粗く切られた鰆が入れてあり、単調な食感を変えつつ旨味をプラスしてくれます。添えてある蕪の甘味も素晴らしい。
ヴォーグリューズ産 黒トリュフのかき卵/René Bouvier Gevrey Chambertin La Justice♡♡
この時期のお楽しみの1つが黒トリュフを使った料理。まずは『黒トリュフのかき卵』から。全くもって映えないその見栄えですが、超絶に美味しい。供された瞬間に皿から立ち上る黒トリュフの蠱惑的な香り、口にすると赤ワインのコクの中で卵の甘味と旨味が広がります。私の中で最高の卵料理と言っても過言ではありません。ソムリエの大園さんが選んで下さった『René Bouvier Gevrey Chambertin La Justice 2019』の華やかなピノノワールの香りとも素晴らしいマリアージュ。
ヴォーグリューズ産 黒トリュフのパイ包み焼き♡♡
そして、今年はもう1つのスペシャリテである『黒トリュフのパイ包み焼き』も事前に予約しておきました。供された皿からは焼き上がったパイのバターの香りが食欲を誘います。カットされた断面もとても美しいですが、食べるとまさに美しい味わい=美味。トロリととろけたフォワグラの旨味にゴリッとした食感の塊の黒トリュフ、そしてバター香るサクサクのパイ生地。脳が震えるほどに美味しい♡
山口県 マナガツオのムニエール マスタードソース/Bouchard Père&Fils Meursault♡
メニューでエシャロットソース記載されていたのに何故にマスタードソース?と不思議に思っていたら、先程いただいた『魚介ソーセージ』がエシャロットソースだったので、変えてくれたようです。さりげない心遣いが非常に嬉しい。マスタードソースの柔らかな酸味の中で映えるマナガツオの旨味。咀嚼の度にぶわーっと溢れてきて、甘味と旨味が口いっぱいに広がります。マナガツオを存分に堪能できるボリュームも素晴らしい。
国産牛テールの煮込み 赤ワインソース/Mongeard Mugneret Fixin 2017♡♡
久しぶりにいただく不滅のメインディッシュ。皿の上に鎮座する赤ワインのみで煮込んだという牛テールの肉塊は面白いように骨から外れ、ケモノ臭さなどは微塵もなく、芳醇なワインの香りと力強い旨味が食べた瞬間にグッときて、後味に肉の甘味が広がります。添えてある人参のピューレを付けて食べると、味わいに奥行きが生まれるよう。
苺のスープ ワイン風味♡
この季節のスペシャリテは、やはりコレでしょう。スープというよりかは苺そのもので、苺の酸味や甘味が十分に引き出されていて、実に美味しい。
ミニャルディーズ
ハーブティーと共に。じっくりと余韻に浸れるひと時。
1番美味しかった料理は?と聞かれても、悩んでしまうくらいに全てが美味しくて心に響きました。無骨でありながらも余計なものを削ぎ落として洗練された料理は何十年も多くの人を魅了しており、まさにスペシャリテの名に相応しい味わいでした。そして、支配人の松下さんをはじめとする日向のような暖かいサービスはいつ訪れても素晴らしく、オーナーシェフ斉須政雄さんの料理を更に輝かせていると思います。料理・人・空間、全てがいつまでも色褪せないレストランがここにあります。
2021.10.
行く前から決めていた今日食べようと思っていた料理。しかしながら、メニューリストを見ると…全てがブレてしまい、全然違う料理を注文する私がいる。
後悔は微塵もない!
何故ならば、どれを選んだとしても美味しいのは間違いないから!
そんな感想をいつも抱いているのは、白金高輪駅から10分ほど歩いたところにあるフレンチレストラン「COTE D'OR」です。オーナーの斉須 政雄シェフの料理には顔があり、通年を通して供されるスペシャリテは勿論のこと、春夏秋冬その季節を代表する料理があり、長年愛されつつ今も尚輝いているまさにスペシャリテが多いレストランです。
今回、私が食べようと決めていた料理は『牛テールの煮込み赤ワインソース』。定番とも言えるメインの料理ですが、私が注文したのは…
今回のメニュー
自家製アンチョビトースト
自家製アンチョビ・玉葱・穂紫蘇を乗せた初めてのアミューズ。定番の桜海老とは違い、口の中で一陣の風が吹き抜けるような香りが爽やか。
セップ茸のフリカッセ エシャロット パセリ♡
セップ茸は縦切りではなく、輪切りにされており、かなり大きなもの。供されるだけで香るセップ茸の芳醇な香り。口にするとザクザクという食感やトロリとした食感もあり、爆ぜるような香りと共にパセリのほろ苦さも香ります。
フランス産鴨のロースト 季節の野菜添え♡♡
なんという美味しさ。そして1/2羽という期待を裏切らないボリュームが嬉しい。胸肉だけでなく、手羽や腿は勿論のこと、ハツやレバーなどの内臓も添えられています。カトラリーを跳ね返すような身の弾力とそれを咀嚼することで溢れる旨味が素晴らしい。更に別皿にあるキャベツのプレゼや栗と共に食べることで、また違った味わいの一面が見られます。キャベツのプレゼの酸味、栗の甘味がそれぞれに鴨の旨味を引き出していて、実に美味しい。
花豆のシロップ煮
花豆を使った珍しいアヴァンデセール。ほのかな甘味がどこか懐かしい。
チョコレートのマルキーズ カカオニブをふって そのソース
超濃厚なチョコレートにナッツのような食感のカカオニブ。これだけでもワインが進んでしまいそうな味わい。
ミニャルディーズ
ローズヒップとリンデンのハーブティーと共に。今までの料理の余韻に浸れる美味しさ。特にコーヒーガナッシュのマカロンが美味しかった。
数日前から考えて、唾を飲み込んでいた料理はどこへ行ったのか?全く違うものを注文してしまいましたが、後悔など微塵も感じさせないほどに美味しかったです。思い出しただけでもまたすぐにでも食べたいし、ジビエシーズンになったなら毎年逃している『青首鴨』を是非とも食べに行きたいと感じさせる鴨料理でした。
いつ訪れても、どんな料理があるか分からないドキドキ感とアラカルトから選ぶワクワク感があり、どの料理にも感動が溢れている…そんな素敵なレストランだと思います。
2021.2.
昔はさほど興味がなかった食材の黒トリュフですが、この時期に食べたい料理があります。そのうちの1つを求めてやってきたのは三田にある「COTED'OR」です。オーナーシェフは今も尚、フランス料理界を牽引する巨匠の1人である斉須 政雄さん。
「COTED'OR」には今どき珍しく公式HPがなく、メニューも当日お店に行かないと分からない。そんなもどかしさもまたお店に足を運んでしまう理由なのかもしれません。今回はランチコースで食べてみたかった料理があったので、ランチコースにアラカルトからプラスαという感じでオーダーしました。
今回のメニュー
アミューズ
桜エビとグリュエールチーズのトースト。定番のアミューズですが、その圧倒的な香りがいつも素晴らしい。
小玉葱のタルト
斉須シェフがランブロワジー時代から作ってらっしゃるというブリオッシュ生地に小玉葱とマッシュルームのデュクセルが盛られたタルト。想像以上の大きさで、小玉葱はまるでスイーツのような甘味を引き出されています。スポンジのようにソースと玉葱の旨味を吸ったブリオッシュ生地は実に美味しく、付け合わせのセルバチコの苦味と酸味で口の中をリセット出来て、いつまでも美味しく食べれます。
ヴォーグリューズ産黒トリュフのかき卵(追加)♡
今回の目的料理であるこの季節のスペシャリテです。供されただけで、身体を包み込むような黒トリュフの蠱惑的な香りが立ち込めます。赤ワインソースのコクの中で、卵の甘味と旨味、黒トリュフの香りの三重奏が口の中で余韻長く響き合います。私の中で最高の卵料理と言っても過言ではありません。
エゾ鹿のロースト♡
何とも妖艶なロゼ色したエゾ鹿は、カトラリーが触れるだけでわかるような柔らかさ。咀嚼するとサクッとした歯応えの中で旨味がジュワッと溢れ、鼻から抜ける鹿肉の香りも素晴らしい。添えてあるサツマイモのピューレを付けて食べると、甘味がブーストされて更に美味しい。
イチゴのスープ 赤ワイン風味(追加)♡
スープと言う表現が正しいのでしょうか?いつもこの料理をいただくと思います。一見コンフィチュールのようですが全くの別物で、イチゴの酸味や甘味が100%引き出されたかのような深い味わいです。
ショコラマルキーズ
焼き立ての濃厚なガトーショコラにカカオニブが乗せられたデセール。ただ甘いだけでなく、苦味も感じられるオトナの味わい。
やはり斉須シェフの料理は食べたい食材を確りと食べられる。そんな感じがします。基本的にアラカルトなので迷う時間の楽しみもあり、どれを選んだとしても間違いない美味しさがありますが、食べ終えて「やっばりあの料理も食べたかったな」という心残りも感じるほどに魅力溢れる料理たち。次回は春〜夏頃でしょうか。季節の料理に出逢えるのが、今から楽しみです。
2020.8.
前回の訪問時はコロナ禍の影響を強く受けていて食材が思うように集まらないので、コースのみの提供だった三田にある「COTE D'OR」で、ランチ。以前からランチコースは存在していましたが、前菜は決まっていてメインは魚か肉を選ぶだけだったのですが、今回は前菜もメインも数種から選べるプリフィックススタイルに変わって、更に楽しさが止まりません。
Menu du our
赤ピーマンのムース♡
この時期のシグネチャーメニューが、なんとアミューズに組み込まれていました。裏漉しした赤ピーマンにクレーム・シャンティとゼラチンでムースにしているそうで、赤ピーマンらしさはあまり感じられなくとも滑らかでコクもあり、艶やか。目が覚めるようなトマトソースの酸味のアクセントが料理を引き締めています。
冷製季節の野菜の蒸し煮 コリアンダーと共に♡
前回と同様にまたこのシグネチャーメニューもプリフィックスメニューから選ぶことができました。コリアンダーを纏った野菜たちは、確りとそれぞれの食感や旨味を残して奏でる、まるでオーケストラのような料理。
山口県産ホウボウのカリカリ焼き マスタードソース
ふわっとした身にカリカリとした皮目、さすがの火入れです。ソースは粒マスタードベースみたいで、コクのあるちょっとした酸味がホウボウの旨味を際立たせています。添えてあるブロッコリーでさえもバターの味わいが確りとして美味しい。
仏ブレス産鳩のロースト 蒸しキャベツ添え♡
追加。鳩のシルキーな舌触りに咀嚼するごとに溢れる旨味、そして食べ終えると鼻から抜ける香りが素晴らしい。ハツや砂肝などの内臓も添えてあり、量が多いので単調とならずに小気味良い食感が楽しめます。下に敷かれている蒸しキャベツが鳩の旨味を存分に吸収していて、実にコレも美味しい。
柑橘茶に泳ぐ白桃♡
メニューを見た瞬間から食べたい!と思ったので、デフォルトコースのものから差し替えていただきました。まさにメニュー名通りで、白桃が泳いでいます。甘酸っぱさはパッションフルーツかな?白桃の甘味を加速させてます。
たまりませんね。料理は王道なクラシックフレンチ、メニューを見て選ぶ楽しめもあり、堅苦しいないゆったりとした雰囲気、私のすきな要素が全て詰まっているようなステキなレストラン。季節を変えて、また伺いたいです。15850
2020.5.
緊張事態宣言前に予約を受けていただいていた三田にあるフレンチレストランの老舗「COTE D'OR」。コロナ禍の状況なので、営業されているのか確認の電話してみると、「営業はしているのですが、食材が集まらない為にランチはコースのみになる可能性が高いですが宜しいですか?」と言われたので、「営業していただけるならば、勿論伺います」と返してやってきました。
当日。表に出されているアラカルトメニューも前菜・魚料理・肉料理それぞれ2種類しかなくて、ちょっと寂しい感じ。入店すると、やはりコースのみの提供になってしまうそうですが、その内容があり得ないほど豪華で…。
Menu du jour
アミューズ
定番の桜海老のトースト。供された瞬間から桜海老の香ばしさが花を擽ります。
冷製季節の野菜の煮込み♡
まるで、野菜畑のようなエチュベ。さほど野菜に興味がないので、スペシャリテと知っていながらも食べなかった料理。しかしながら、これは実に美味しい。これから暑くなる季節にちょうどいい爽やかがあり、それぞれの野菜の味わいが確りと残っています。
小鴨のロースト♡
凄かった…。歯を跳ね返すような弾力があり、咀嚼していくとシルクのような滑らかさに変わり、同時に力強い旨味を出しながら消えていきます。そして、その旨味の余韻の長いこと。実に美味しい♡
紅茶のシャーベット
口直し。口当たりは甘めですが、後味で一気に紅茶の香りがぶわっと華やぎます。
ビターチョコレートのマルキーズ♡
ドッシリと濃厚極まりないチョコレートケーキ。幸せの味わい♡
プティフール
♡抜かりなく、美味しい♡
追加注文していませんよ?これがランチコースで、5500円!あり得なくないですか?いつも高クオリティとボリュームで素晴らしいCPと思っているのですが、今回のはきっと特別でしょう。あぁ、思い出しただけでも余韻に浸れます。美味しかった♡10164
2020.2.
黒トリュフの時期になったら食べようと思っていた料理があります。それを求めてやってきたのは1986年にオープンした三田にある老舗フレンチレストラン「COTE D'OR」。オーナーシェフは斉須 政雄さん。間違いなく、現在の日本におけるフレンチを支えてらっしゃるシェフの1人です。パリの「L'Ambroisie」で研鑽を積んでらしたということで、黒トリュフの時期になると『黒トリュフのパイ包み』を求めて来店される方も多い。しかしながら、私が食べたいと思っていたのはもう一つの黒トリュフ料理である『黒トリュフのかき卵』です。
桜海老トースト
カリカリのバケットに桜海老の香ばしい香りが鼻を擽ります。香りから楽しめる素敵なアミューズ。
山口産サワラのくん製 紅芯大根と共に
相変わらず前菜にあるまじき圧巻のボリューム。ふわりと香る薫香に滲み出る鰆の旨味が口の中に広がるのが、とても印象的。その濃厚な脂を一気に払拭するのが、添えてある紅芯大根。爽やかな酸味と微かなほろ苦さがまたこの鰆の味わいを求めてくるよう。
ヴォークリューズ産 黒トリュフのかき卵♡
この時期なのにメニューない!聞いてみると、昨夜でトリュフを使い切ってしまったそうで、本当にないらしいですが…予約時に食べたいことを伝えておいたので、1皿だけ取っておいて下さいました。心遣いに感謝しかありません。
目の前に供されただけで、トリュフの豊潤な香りがふわりとします。滑らかな舌触りの卵のコクの中で、トリュフの蠱惑的な香りに支配され、ソースとして周りを彩る赤ワインソースも旨味を足すのではなく、卵の甘味を引き出すような感じ。究極の卵料理と言っても過言ではないほどの美味しさ。
国産牛のしっぽの煮込み 赤ワインソース♡
やはり食べたいスペシャリテ。堂々たるボリュームの牛テールは骨髄がゼラチンのようにトロリと溶け出し、肉の繊維の一本一本がソーススプーンでも解けるほどに柔らかい。重そうに思える味わいは意外と軽やかで、美味しい。更に添えてある人参のピューレと共に食べれば、甘味と味わいの奥深さが増して、更に素晴らしい味わいになります。一切の無駄のないシンプルさであり、料理を見ただけでお店と料理人の顔が浮かぶ完成された料理。まさにスペシャリテです。
イチゴのスープ ワイン風味
この時期のデセールならば、私はこの料理一択です。イチゴの果実感があり、爽やかな酸味と甘味を赤ワインが引き立ています。
老舗たる凛とした雰囲気がありながらも、寛げる雰囲気もある不思議な空間。同じ料理は出さないというレストランも多い中で、春夏秋冬にお店の顔と呼べる完成された料理があり、その味を求めて客が集まる。素晴らしい流れが生まれており、今年は私もこの流れに身を委ねてみたい。
2017.12.
HPやSNSが蔓延する中で、全くその世界に染まらないフレンチレストラン「Cote d'or」。メニューは行ってみるまで何があるのか分からず、それでも分かるのは確実に美味しいということのみ。久しぶりにやってきた今回は、あわよくば『白子』や『ジビエ』に期待を込めて。
陽の光がいっぱいに入り込む店内には、既にフライング入店されている方もいて賑わっており、一人客も多い。服装もちゃんとしている方もいれば、ラフな感じの方もいる。東京屈指のフレンチレストランとしては、かなりリラックスできる雰囲気です。
メニューを見ると、あった!『白子』!しかしながら、ランチタイムには『白子』が届いていないらしい…。残念…。このお店は基本的にアラカルトですが、実はランチタイムには5000円、ディナータイムには15000円のコースがあります。今回も前回と同様、ランチコースにプラスαという形でオーダーです。
今回の献立
桜海老のチーズトースト
変わらないアミューズ。今日は特に供されると、桜海老の香りがふわりとして、美味しかった。
鯵のマリネ サラダ仕立て
すごく肉厚な鯵のマリネに、蒸しキャベツを添えて。コースの前菜としては、かなりのボリューム。柔らかにマリネされた鯵と人参の食感と甘さが加わって美味しい。ほんのりと温かい蒸しキャベツが更に甘く、鯵を引き立てています。
イトヨリダイのカリカリ焼き パプリカソース
カリカリ焼きと言っていたので、もっと鱗とかを立たせたものかと思っていましたが、ちょっと違いました。皮目はパリッとしており、イトヨリダイの甘さも感じられます。パプリカソースは、身の甘さを更に引き出すような味わいで美味しい。さすがは「Cote d'or」、とてもボリューミーです。
国産牛のしっぽの赤ワイン煮
斉須シェフのスペシャリテの一つ。見た目は濃い味わいかと思いきや、なんとも軽やかで、肉の味も確りとします。それでいて肉質はトロトロで、絡まる髄のゼラチン質もたまりません。添えられている人参のピューレとソースをたっぷりとつけて食べると、甘さとコクが増して、実に美味しい。
紅玉のタルト
コースのデザートではなく、差し替えていただきました。添えてあるのは、サクランボから造られるブランデーのキルシュのアイスクリーム。酸っぱい紅玉は加熱することで、真価を発揮する林檎ですね。トロトロの紅玉は酸味と甘味が絶妙です。
1月下旬から2月上旬は、黒トリュフのベストシーズンだそうで、メニューには載らない『黒トリュフのパイ包み』や『黒トリュフのかき卵』が食べられそう。どっちにするか迷うところですが、とりあえずは、この丘にやってくれば見られる絶景のような料理の中から決めるのも、このお店の楽しみの一つだと思っています。
2017.3.
気楽に美味しいクラシックなフレンチが食べたくて、やってきたのは白金高輪にある「Cote d'or」。斉須シェフの飾らないどストレートな料理はかなり好みで、約1年ぶりの再訪です。基本的にはアラカルトオーダーなのですが、メニューには記載のない昼5000円・夜15000円のオススメコースがあるので、今回はそれにプラスαという形でオーダー。
実食
桜海老とチーズのトースト
アミューズ。たまたまなのか、友達と一緒に来た時もコレだったなぁと思い出に浸ります。
鮪のタルタルミモザ風
鮪自体はさほどの脂はなく、さっぱり。上に盛られた卵黄がいい濃厚さを与えています。添えられた菜の花のマリネが、とても爽やか。
小鴨のコンフィ
ランチコースのメインの肉料理。カリカリの皮に反するように、身はホロホロ。ちょっとスパイシーなので、あとを引く味わいです。別皿で供されるジャガイモのガレットや下に敷かれたタマネギとニンジンの付け合わせも味がしっかりとしていて、美味しい。かなりのボリュームがありますが、あっという間に食べてしまいました。
鳥取直送 イナバジロー猪のステーキ ペッパーソース
最近は魚ばかり食べているので、追加したのも肉料理。鳥取はジビエの中でも猪と鹿が特に有名らしく、イナバジローとうのは仕留めた猟師さんのお名前らしい。
ジビエらしいワイルドな歯応えはある中で、噛み締める度に肉の味わいがしっかりとします。ペッパーソースもその肉の味わいを殺すことはなく、美味しい。添えられた根セロリピューレの苦味がいいアクセントになっていて、より肉の旨味を引き立ています。
イチゴのスープ ワイン風味
コースのデザートを差し替えていただきました。スープとありますが、ほんのりとワインの風味がするくらいで、ほとんどイチゴ。この時期、最高のデザートです。
この時期ならばあると思った『青首鴨』や『白子のガレット』は、今年は一度も提供していないらしい。メニューに載らない『黒トリュフのパイ』や『黒トリュフのかき卵』もこの時期のスペシャリティなのですが、さほど黒トリュフが好きではないので食べませんでした。今となれば食べておけば良かったかなって、ちょっとした後悔。また行く口実にしようと思います。
2016.4.
高校、大学、バイト先には勿論、友達と呼べる人達がいた。けれど社会人になり、仕事や結婚などをきっかけに疎遠となっていく人が殆どで、一緒に何かをする友達はいないのかもしれない。それでも年に1、2回地元でもない私がいる街に遊びに来てくれる友達がいる。今夜はそんな友達とお食事。
白金高輪駅から10分くらい。住宅街のマンションの1階という稀有な立地にあるフレンチレストラン「Coted'or」。「東京のクラシックなフレンチが食べたい」という友達のリクエストに私が選んだお店です。オーナーシェフの斉須政雄さんが作り出す料理は、変化球などない渾身のストレート的なものと聞いていたので、クラシックフレンチが好みの私もいつか食べに行こうと考えていたお店なのです。
お店の外には今夜のメニューが貼り出されていて、友達と眺めていると、木の扉が開けられて、にこやかに中へと誘ってくれました。店内は程よく照明を落とし、ムーディーな雰囲気が漂い、ガラス張りの壁からは中庭が見渡せる。きっと昼は明るくて、開放的なんだろうと思います。席に案内され、メニューを見る。基本的にアラカルトオーダーのようですが、昼と夜共にお任せコースがあるそうです。今回はアラカルトで、オーダー。
実食
『桜海老のトースト』
アミューズ。ふわりと桜海老の香りがして、春らしさを感じます。
『青森下北産サクラマスの燻製紅心大根と共に』
偶然にも友達と一緒。友達曰く「量がおかしい…」というくらいに、前菜としてはかなりのボリュームです。このサクラマス、薄くないんですよ?それぞれが5ミリくらいはあります。
燻製といっても、ふわりと香りを纏わせた程度で、脂をたたえた身はとてもジューシーで美味しい。
『国産牛しっぽの煮込み赤ワインソース』
私は来る前から、この料理が非常に食べたかった。ストレートな料理ならば、きっと!その想像通りなお皿です。
勿論、テールはナイフを入れるだけでホロリと崩れて、肉汁が滴ります。それでいて脂はしつこくなくて、赤ワインソースもあっさり。付け合わせの人参のピューレと共に食べると、濃厚さが増して味に深みが出て、非常に美味しい。
友達は『ランド産鳩のロースト』。丸々一羽かな?「ホントに量がおかしい…」と言いながら、食べておりました(笑)
『甘夏のスフレ』
ホントは『イチゴのスープ』を飲んでみたかったのだけど、なかったので。2人前からのオーダーだそうで、1人で来たら食べられないと思い、友達と一緒にオーダー。
口の中で淡雪の如く消える食感を楽しむと、「ホント、甘夏だ」と口を揃えて言った程に、しっかりとした味が残ります。
サービスは付かず離れずの心地よい感じで、聞けば何でも答えてくれる和やかな雰囲気が店内にはあります。お客さんもドレスアップしている方やシャツ一枚というラフな感じの方もいらして、いい意味でこの土地に溶け込んでいるといった印象を受けました。
料理は申し分なく美味しいし、私好み。次回は秋か初冬にふらりと寄って、ストレートな美味しさに浸りたいと思います。
7位
13回
2025/03訪問 2025/04/08
2025.3.
知らない幸福、知る不幸
麗らかな春の日。
四ツ谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」に再訪。店主・北島 素幸さんは日本におけるフランス料理の先駆者のお一人でありつつも、今も尚、現役で厨房に立ってらっしゃるレジェンド。今回も私の人生に確りと刻んでいきます。
マッシュルームスープ & セロリ・パルメザンチーズ・アーモンドのパイ
スープはむせかえるようなマッシュルームの濃厚な味わいの中で、ガツンとくる旨味が嘘のように軽やかな後味。サクサクと小気味良いパイは、香ばしいアーモンドの味わいにパルメザンチーズのコクがプラスされており、美味しい。
新玉葱のタルトフランベ
火を入れることで新玉葱の軽やかな甘味が広がり、クミンのスパイシーな香りが華やぎます。
川俣シャモのパテ・アン・クルート♡
福島県産の「川俣シャモ」・豚ロース肉・フォワグラ・トリュフを使ったパテ・アン・クルート。「北島亭」らしく、どっしりとしたボリュームがあります。旨味は濃厚濃密でありつつも、上からかけられたコンソメゼリーが口の中でジュワッと溶け、更に美味しさが加速します。そして、添えてある酸がビシッと効いたピクルスを食べることで、口の中をリフレッシュできます。
仏産 ホワイトアスパラガスの蛤添え ヴィネガーのバターソース 香葉の香り♡
パクチーの香りの中、大粒の茨城県産の蛤と極太のホワイトアスパラガスが鎮座する春の温菜。塩茹でしただけというホワイトアスパラガスは繊維のザクッとした食感の後にホクホクとしたジューシーさがあり、粒マスタードとヴィネガーソースの軽やかな酸味がよりその甘味を際立たせています。そして、目を引く大きさの蛤は絶妙な火入れで柔らかく、口の中で磯の香りが華やぎます。
鹿児島県産 真鯛のポワレ 春キャベツ添え ジュのソース♡♡
歓喜の悲鳴をあげるような厚みのある真鯛。ソースは春キャベツに魚の出汁と海老の出汁を加えて、バターで整えたジュのもの。カリッと焼かれた真鯛の皮目の食感が素晴らしく、フワッとした身の柔らかさがとても印象的。特に添えていただいた腹の部位が格別な美味しさ。ソースも魚と海老の出汁の骨格が確りとしており、それを全て吸い込んだような春キャベツが単体でも主役クラスに美味しい。
北海道産 黒毛和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース♡
メインは北島シェフ推しの仔羊と迷いつつも、和牛に。昔ほどではありませんが、ドン!としたボリュームがありつつも、スルスルと食べられてしまうのが「北島亭」の魔法。カトラリーを入れる度に肉塊からはジュワッと肉汁が溢れ、それは咀嚼毎に旨味の洪水と化して口の中に溢れます。肉本来の旨味を底上げするような非常に軽いエシャロットバターソースが美味しい。
餡子のアイスクリーム 桜風味♡
「あんこ?」と皆が聞き返す新作?アイス。食べてみると、確かに「餡子だあ」と感じる味わい。ふわりとした桜の風味も春らしい。
デザート① クレーム・ブリュレ♡
パリッと焼かれた表面の下にはバニラ香るカスタードクリーム、私の鉄板デザート。器まで舐めたい美味しさ。
デザート② イチゴのタルト バニラアイス添え♡
香ばしいタルト生地にキチンと整列したイチゴたち。イチゴの甘酸っぱさがよりタルトの甘味を引き出しおり、デザートも手抜きなしに美味しい。
ミニャルディーズ
しっとりとした半生っぽい食感。多くの方は持ち帰りますが、この空間でいただくのがより美味しい。
豪快、且つ、繊細。
昨今の「北島亭」を食べ終えて感じることです。昔ような食べきれないほどの豪快さは感じられませんが、味付けの繊細さは食べる度にどんどん研ぎ澄まされるよう。斉須シェフの「コートドール」の閉店が記憶に新しい中で、「いつかはここも…」と嫌な想像が頭を過りますが、「まだまだウチは続けるみたいです」という言葉で救われます。
いつかは…と思っているうちは、きっと行かないでしょう。まさに行きたいと思った瞬間が行くべき時と感じた、麗らかな春の日。
2024.1.
知らない幸福、知る不幸/北島亭
「北島亭」を知らないことは、ある意味幸せなのかもしれない。知ってしまえば、その味の虜になってしまうのだから。
下仁田葱のキッシュ♡
ザクザクのパイにトロトロなアパレイユの食感の中で、下仁田葱の香りと甘味が映えます。
牡丹海老のビスク♡
スープに近づくと、香草の香りが鼻を擽り、牡丹海老の香りと旨味が凝縮したスープが実に美味しい。
黒毛和牛のタルタルステーキ♡
口の中で存在感を示す牛肉が体温でゆっくりと溶けていき、旨味が溢れてきます。タルタルステーキにケッパーが入っているので、全くしつこいことはないですが、添えてあるサラダの酸味と苦味で口の中をリフレッシュできるのもポイント。最後の最後まで実に美味しい。
北海道産 真鱈の白子ソテー トマトソース♡
とろりとした真鱈の白子のクリーミーさを軽やかなトマトの酸味とケッパーの確りとした酸味が受け止めており、より白子の甘味が際立ちます。ただ甘いだけはなく、トマトの旨味が加わることで、白子の旨味に奥行きが生まれているかのよう。
ブルガリア産 フォワグラのポワレ シェリービネガーのクリームソース♡
まったりとしたフォワグラの甘味と下に敷かれたトウモロコシのガレットの濃厚な甘味の異なる2種の甘味がシェリービネガーの酸味でより楽しむことができます。ここでも添えてあるサラダの酸味と苦味がいい仕事をしており、光る脇役。
新潟県産 真鴨まるごと1羽のロースト サルミソース♡♡
胸肉とササミ、ハツ・砂肝・レバーの内臓はサルミソースでいただき、手羽や腿肉はカリッと焼いたグリルで。
サルミソースは軽くかけられているくらいで、真鴨の美味しさをどストレートに味わうひと皿。薄い脂の下には深紅の身があり、それがビロードのような滑らかさで実に美味しい。丸々1羽というボリュームですが、するすると口に入っていきます。添えられたりんごの甘味と酸味もよりこの真鴨の美味しさを高めており、このメインを選んで一片の後悔のない味わい。
クレーム・ブリュレ♡
デザートメニューから悩んだ末にいつものやつを。
横には『黒トリュフアイスクリーム』を添えて。このアイスの黒トリュフの香りが凄くて、コレだけでもメインを張れる美味しさ。定番の『クレーム・ブリュレ』は私好みの甘さで好き。
ミニャルディーズ
サブレ・チョコレートクッキー・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココ・あんぽ柿。
四谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」に再訪。店主・北島 素幸さんはフランス料理界の先駆者であり、今も尚、最前線で駆け続けるレジェンドシェフのお一人。数年前よりもメニュー数は随分と減りましたが、供される料理にはひと皿ひと皿に研ぎ澄まされたような美味しさを感じられます。
「質実剛健」そんな言葉が「北島亭」のイメージかもしれませんが、今は「胆大心小」という言葉がピッタリだと思います。大胆でありつつ、繊細な料理はこれからもきっと多くの人の心を掴んでいくでしょう。
今回も素晴らしい時間をありがとうございました。
2023.7.
知らない幸福、知る不幸/北島亭
胡瓜とミントの冷製スープ
シャリシャリとした胡瓜の食感の中、ミントの香りが仄かにして、実に爽やか。
新玉葱のタルトフランベ
千切りされた新玉葱の甘味とクミンのスパイシーな風味が口の中に広がります。
北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのムース♡
生ウニは北海道根室産、上には秋田県産のじゅんさいと穂紫蘇が彩ります。
久しぶりに味わうスペシャリテは確りとしたコンソメのコクの中、ウニの旨味とカリフラワーの濃厚さが混ざり合うことで一体化して完全なる旨味へと昇華します。さすがは不動のスペシャリテ。素晴らしい美味しさと存在感があります。
ハンガリー産 フォワグラのポワレ シェリーヴィネガーのクリームソース♡
ドーン!とトウモロコシのガレットの上に鎮座するフォワグラの圧倒的なボリューム感が素晴らしく、まさにちょうど火が通ったという絶妙さが凄い。フォワグラの旨味と甘味、そしてそれを上回るトウモロコシの甘味が折り重なり、シェリーヴィネガーの酸味がより甘味のハーモニーを口の中で強調させます。
青森県産 あいなめのポワレ クリームソース仕立て♡
皮目にはセロリとクミンを乗せて焼き上げ、添えてあるのばビーツとインゲン。ソースは魚の出汁とクリームとドライトマト。
ふわりとした身に対して、パリッとした皮がとても印象的で、セロリとクミンの風味がより食欲を掻き立てます。ソースを絡めていただくと、旨味の累乗が感じられて美味しい。
オーストラリア産 仔羊背肉の香草パン粉焼き 仔羊の煮込み添え♡♡
カットされた仔羊の背肉の何とも艶やかで惚れそうです。撫でるように切って、口に入れると、羊らしさもありつつも肉汁がドッパーンッと溢れ出します。凄いとしか言いようのない美味しさ。
そして、別皿の『仔羊の煮込み』もまた絶品。確りと煮込まれた仔羊はプルプルと震えるような柔らかさで、トロトロな夏野菜と共に食べれば至福の味わい。
クレーム・ブリュレ♡
迷いましたが、定番のデセールを。ひと匙掬うだけで、たっぷりと入れられたヴァニラビーンズの甘い香りが立ち上ります。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズは、サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココ、どれも手抜きなく作られていて、美味しい。
久しぶりにやってきた四谷の老舗フレンチ「北島亭」。言わずと知れたオーナーシェフの北島 素幸さんが1990年にこの場所にオープンしてから30年以上、この地で移転も改装もせずに今も尚、多くの人の心と胃袋を掴んでいるフレンチレストランです。大石さんが独立されてメニューは減ったものの、その味わいは不変たる王道フレンチであり、圧倒的なボリュームであり、料理の1つ1つがまるで日本刀のような鋭さと美しさがあり、何よりも美味しい。食べ終えた客は皆、笑顔になるのは必然ですが、見送って下さる北島シェフの満面の笑みはまたここに来たいという思いに繋がります。
2022.1.
力強くも繊細に
真冬は非常に好きな食材が多くなって、お店選びも悩んでしまいます。今回はガッツリとフレンチを食べたくなってやってきたのは、四ツ谷にある「北島亭」。日本のフランス料理界のレジェンドの1人である北島 素幸さんのお店です。最近、皿を埋め尽くすほどのボリューム感はそのままに、より素材の旨味を活かす味わいで、更に美味しくなったと密かに話題になっていたので非常に楽しみ。今回もランチ利用で、基本的に3品にしようと思いましたが…
Le menu du jour
下仁田葱のキッシュ♡
サクサクなパイの中で、トロトロのアパレイユとジューシーな下仁田葱の甘味と香りが広がります。
ホワイトマッシュルームのクリームスープ♡
口を近づけると香るマッシュルーム、ファーストアタックはガツンとくるマッシュルームの味わいで、その後にクリームの優しさが広がります。
天草産 ホロホロ鳥のパテアンクルート♡
外側のパイ生地はサクサク、ギュッと旨味が濃縮したホロホロ鳥の味わいの中で、パテ生地には黒トリュフとフォワグラも入っているので、ひと口毎に変わる味わいが魅力的。
北海道産 まだらの白子のパイ包み焼き トリュフ入り♡
「北島亭」の白子と言えば、『白子のムニエルトマトソース』が定番と思っていましたが、見たことのないメニューだったので注文。
供された料理は、なんとパイ包みのスープ仕立て。バター香るパイをサクサクと突き崩すと、ふわりと黒トリュフとスープのいい香りが漂います。フュメドポワソンのクリームスープの中にあるのは、白子・鴨のつくね・百合根・黒トリュフ・三つ葉。鴨のつくねは旨味がたっぷりで、ゴロゴロと入っている白子はとてもクリーミーで、実に美味しい。新しい魅力的な料理です。
ヒゲダラのポワレ 柚子香るブールブランソース♡
供されると柚子の香りが華やぐ皿には、ベーコンと共に焼き上げたヒゲダラを白菜の煮汁を使ったブールブランソースでいただきます。
カトラリーを跳ね返すようなヒゲダラは口の中でもプリプリとした食感で、仄かな塩味と甘味のある白菜、そして苦味のある菜の花でより際立つヒゲダラの旨味が映えます。ブールブランソースですが、全く重くなくて素材本来の味わいを楽しめるような仕立てで、「北島亭」のイメージがガラリと変わるひと皿。
丸ごと一羽 伊達鶏のドゥミドゥイユ風♡
冬の名物料理と知りながらも、初となる伊達鶏を丸ごと一羽味わう『ドゥミドゥイユ』。「半喪服」という意味を持つこの料理は、真っ白に仕上げた素材に黒のトリュフを合わせることから名付けられたそうで、黒トリュフシーズンには食べたい冬のご馳走の1つです。
供された皿の上には、スライスされた黒トリュフと多くの野菜の中に隠れているかのような胸肉があります。口にすると、皮のプルプルとした食感の中で胸肉は超絶にしっっっとり!そして、何よりも驚いたのがソース。超絶濃厚なクリームソースを想像していたのですが、鶏の旨味を全面に出したブイヨンのような感じ。鶏本来の旨味も活かしており、鶏が美味しすぎます!
柚子のグラニテ
口直しのグラニテは、爽やかな柚子。一気にリフレッシュできます。
洋なしの赤ワインのコンポート シナモンアイス添え
真っ赤に染まった洋なしの大人の甘さとシナモン香るアイスが個別に食べても、一緒に食べても美味しい。
ミニャルディーズ
サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココと定番のミニャルディーズ。店内は勿論、食べきれなかったら持ち帰って自宅でも余韻に浸れます。
久しぶりの「北島亭」。以前に比べると、メニュー数は減りましたが、それでも「どうしよ?アレもコレも食べたい!」と思える悩ましい料理ばかりで選ぶ楽しみがあります。そして想像しえるドッシリとした重厚なフレンチではなく、素材の旨味を研ぎ澄ますような味わいで、実に軽やかで美味しい。クラシック=古めかしいと思われがちですが、歴史に名を残すようなクラシックフレンチの料理はやはり美味しい。それを現代に合うように体現される北島シェフの料理は心打つ美味しさがあり、元気をくれる感じがします。今回もご馳走様でした!
2021.8.
SNSのTLに流れる料理の写真。「そういえば、最近は行けてないな」と思い、ダメ元で予約電話をしてみると空いていたので、早速やってきたのは四ツ谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」です。さほど頻繁にフレンチは食べないので、たまに食べる時は「これぞフレンチ!」という料理が食べたくなり、今も尚この業界を牽引してらっしゃる北島 素幸シェフが作り出す力強く骨太な味わいを求めてしまいます。
今回のメニュー
赤座海老のビスク
まずはアミューズのスープ。舌の上で濃厚な赤座海老の旨味が広がり、後味はクリーミーで驚くほどに軽いです。
仔羊と豚肉のピザ
仔羊と豚肉のミンチを茄子と合わせて、ピザ仕立てにしたもの。トロトロな挽肉が旨味たっぷりで実に美味しく、トマトが爽やかに味を締めています。
アワビと松茸のサラダ仕立て~クミン風味~♡
この時期に食べてみたいと思っていたひと皿。クミンの香りを纏うアワビは柔らかく、対して松茸はギッチリと詰まってモキュモキュと心地よい音を立ててくれます。トレビスを食べると苦味で口の中をリセットでき、無限に食べれてしまうほどに美味しい。食べられて良かったです。
蛤・車海老・帆立・アサリのナージュ仕立て♡
極旨スープの中で泳ぐような蛤と車海老が特に印象的。大きな蛤はとてもぷっくりとして柔らかく、絶妙な火入れが素晴らしい。全体的に甘めの食材をトマトの酸味でグッと締めていて、最後の一滴まで美味しい。
茨城県産あいなめのポワレ 大きなラタトゥイユ添え♡
あいなめの皮目はカリッと心地よい歯応えがあり、身は極上のフワフワ感で咀嚼の度に旨味が溢れます。たっぷりと盛られたラタトゥイユも美味しく、トマトの酸味の中で食べ進める度に旨味の輪郭がハッキリとしてきます。味変でアイオリアソースも添えられており、大ボリュームでもペロリと食べれてしまいます。
A5松坂牛 ランプ肉のステーキ ロッシーニ風♡
今回の肉料理は、久しぶりにロッシーニにしました。A5ランクとはいえ、適度な脂があるランプ肉なので、濃厚なフォワグラと合わせてもさほどクドくなりません。綺麗にロゼ色に焼き上げられたランプ肉はシルキーな口当たりながらも確りと咀嚼できる肉質で、口の中はその肉の旨味で溢れかえります。更に黒トリュフの香り、フォワグラの濃密さが加わることで食べる度に至福の時間が流れ、実に素晴らしい!最近はなかなかロッシーニという仕立ては見ることが少なくなってきましたが、食材×食材が織りなすクラシックで重厚な味わいは実にフレンチらしい。古めかしいかもしれませんが、私は大好きです。
メロン
口直しはスイカではなく、メロンでした。コレも香りが立って、甘くて美味しい。
桃のコンポート 紅茶のジュレ バニラアイス添え
丸ごと1個の桃を想像していましたが、さすがに違いましたwデセールも確りと甘くて美味しい。
ミニャルディーズ
サブレ・ドフィノワ・クロカンザマンド・ノアドココ。いつもながらに最後まで楽しめる「北島亭」らしさが詰まったミニャルディーズだと思います。
久しぶりの「北島亭」を食べ終えて感じることは、「フランス料理をお腹いっぱい食べてもらいたい」という北島シェフの思いは、この大変な時期でも一切変わらないということ。このボリュームだからこその味わいの料理は心掴む美味しさが宿っており、食材が身体に溶け込んで活力になることを実感できます。
元気をくれる
そんな料理たちがこの「北島亭」にはあります。
2020.3.
最近、何故かフレンチが食べたい。これと言って食べたい料理があるわけでもないのですが、フレンチが食べたくなります。その中で気になるお店が一軒あり、2週間前くらいに電話してみると空いているそうなので、やってきました。そのお店は四谷にある「北島亭」。
去年の6月でスーシェフの大石さんが卒業されて約1年の時間が経ち、どうなったのかな?と気になっていたお店です。ホールには今までキッチンにいらした杉村さんと新しく若い女性がいて、キッチンには新しい方がいらっしゃるようです。特に料理のリクエストなどをしていないので、いつものアラカルトメニューから決めます。で、今回は…
今回の献立
牛タンのサラダ仕立て
アミューズは牛タンと根セロリを粒マスタードで和えてサラダ仕立てにしたもの。根セロリの苦味がいいアクセントになっています。
赤座海老のビスク
スープ。舌と喉でも感じられるくらいに素晴らしく濃厚。
根セロリ・フォワグラ・トリュフのマルブレ仕立て♡
名残りの黒トリュフ・根セロリ・フォワグラをコンソメで固めたテリーヌのマルブレ。マルブレ自体は濃厚ですが、添えてある黒トリュフソースとサラダメランジェにかなりの酸味を与えていて、意外にもするりと食べることができます。
ホワイトアスパラガスと生ハムのサラダ
ホワイトアスパラガスを中心に生ハム・甘海老・かき菜を添えた温サラダ。ホワイトアスパラガスの甘味をかき菜の苦味で際立たせたり、甘海老の濃厚な甘味で上乗せしたりして、1皿で色々な味わいを楽しめます。
ヴォロヴァン♡
何故かオンメニューしていた『ヴォロヴァン』。おそらくは今期最後と思われる料理ですが、量が…しかしながら、あの美味しさを今一度!結構悩んだ末に、やはり注文。
赤座海老・帆立・リードヴォー・椎茸・モリーユ茸・マッシュルームが濃厚なクリームソースの中に溺れるように入っており、サクサクのパイがこのクリームソースをたっぷりと吸い込んで、実に美味しい。私がいただいた時に比べてパイの高さはないものの、本当はバターライスが一緒に供されるらしい。間違いなく美味しいですが、コレで終わってしまうのでやめました。
伊賀牛 骨付きリブロースステーキ 赤ワインソース♡
本当はロッシーニを食べようかと思っていたのですがメニューになく、奥から生のリブロースを見せに持ってきてくれたので、「まあ、食べられなかったら持ち帰ろう」という考えで注文です。
「フレンチじゃないみたいですよね」と供されたリブロースステーキは、圧巻のボリュームで笑いすら出てしまう。ナイフで切っても肉汁の一滴も出ずにフワフワとした食感あり、さすがという火入れ。赤ワインベースのソースをかけても、肉の甘味や旨味を確り味わえる仕立てで、後悔のない美味しさ。
西瓜
定番の口直し。
ミックスベリークリームチーズタルト
デセールは数種類あった中から、オススメと書かれたミックスベリークリームチーズタルトを。
ミックスベリーとあったので、もっとてんこ盛りなのかと思いましたが…意外と普通でした。ラズベリーとブルーベリーがタルトに上に乗せられ、フランボワーズのソルベが添えてあります。
プティフール
トドメのプティフール。
最近の「北島亭」は薄味になったと耳にしていましたが、確かにそうかも。酸味や塩気を使って、メインの食材の旨味をより際立たせてような感じでしょうか。メニューの数は2/3くらいになっていますが、それでも「迷う」というアラカルトの醍醐味は堪能できるので素晴らしい。
まさか食べられると思ってなかった『ヴォロヴァン』と無理を承知で注文した『リブロースステーキ』。普通だったら、止められるような注文を受けて下さってありがとうございました。真っ向勝負でガツンとくる料理は私好みで、やはり「北島亭」は好きです。また季節を変えて、伺わせていただきます。
ご馳走さまでした。41760
2019.6.
初夏で卒業される大石 義一シェフに逢う為、四谷の老舗フレンチ「北島亭」へ。勿論、骨太なクラシックフレンチが好みということもありますが、突き詰めるとその料理を作って下さる料理人が好きで通うというお店が増えてきます。このお店もそのうちの一軒です。
最近はどのお店もコース料理が殆どなので、さほど悩むことはないのですが、「北島亭」ではかなり悩みます。数あるメニューの中から自分だけのコースを作るというちょっと嬉しい悩みの時間は、レストランの楽しみの1つだと思います。
実食
アミューズ
熱々のグジェール。チーズのパイです。山積みされたら、バクバクと食べてしまいそうな後引く味わい。
赤肉メロンのスープ
濃密なメロンの甘さが素晴らしく、ふわりとミントとアニスの香りが鼻から抜けます。
北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え♡
久しぶりにいただく「北島亭」のスペシャリテ。涼やかなコンソメゼリーのコク、濃厚な海胆の甘さ、カリフラワー、クリームの甘みの三重奏が口の中で広がります。相変わらず、てんこ盛りの海胆の量に驚く逸品です。
千葉県産 あわびのムニエル 肝バターソース♡♡
「北島亭」で、夏の定番化している鮑を丸ごと1個使った料理。鮑の上には海苔が盛られて香り高く、表面はカリッとしながら中心部はモチモチとした食感のコントラストも楽しい。ソースには肝とバターの他にニンニクも使っているそうで、かなりパンチがあって実に美味しい。鮑が好きな方には、絶対オススメの食べるべき料理です。
ブイヤベース 北島亭風♡
ブイヤベースとは、何なのか?この「北島亭」でいただくといつも思います。世界三大スープ料理と言われていますが、「北島亭」では海鮮が山盛りのサフラン香る魚料理です。具は車海老・太刀魚・甘鯛・子持ち槍烏賊・帆立・蛤・浅蜊とかなり豪華で、それぞれの食材は旨味をスープに抜き取られた抜け殻ではなく、確りと旨味が残っている味わい。添えられている旨味が凝縮したようなスープも勿論、絶品。別皿で供される豆板醤が隠し味のアイオリソースを付ければ、味変も出来て濃厚な旨味に昇天の美味しさ。
三重県 三重牛 A5ランクランプ肉のステーキ フォワグラ添え トリュフソース♡
毎回、豚肉か鶏肉を食べようと思ってはいるものの、大抵は食べちゃうこのロッシーニ。比較的にあっさりとしたランプ肉なので、フォワグラの濃厚さがクドくなくて、よく合います。「北島亭」らしくガツンとくる確りとしたボリュームと味わいで、美味しい。
口直し
今回は、マンゴーにしました。
マンゴープリン
デセール①。「どんだけ、マンゴー好きなの?」と言われそうですが、メニューにあるとは思ってなくて…。「北島亭」のデザートも確りとしたボリュームと甘さがあって、好きです。この『マンゴープリン』の味わいも、かなり濃厚。
パイナップルとクリームチーズのタルト
デセール②。季節の果実として勧められたので、注文。アイスはココナッツのアイスです。
プティフール
トドメの『プティフール』。でも今回は意外と楽勝。
夏の「北島亭」、堪能させていただきました。このお店で食べさせていただけることは、私の人生の宝の1つであることは間違いなく、このお店を通して知り合った方も大切な方ばかりです。お店を卒業される大石さんや藤田さんの今後の活躍も楽しみであると同時に、この「北島亭」がどんな風になって行くのかも実に楽しみでなりません。
大石さん、藤田さん。多くの時間、美味しい料理を食べさせていただき、ありがとうございました。新天地でのご活躍を楽しみにしています!22774
2019.1.
四季を通して提供している料理は、どれも選んでも間違えなく美味しいお店、四谷にあるフレンチの名店「北島亭」へ再訪。今回はどうしても食べたい料理があったので事前にリクエストをして、今までのこのお店での戦歴を踏まえた上で受けていただきました。ハッキリ言って、無謀としか言いようがないw
本日の献立
アミューズ
白魚のフリット。山盛りで食べたいくらいに、軽やか。
スープ
赤座海老のビスク。濃厚で、海老の旨味がぎゅっと凝縮している極旨スープ。
千葉県房州 特大サザエのつぼ焼き ♡
パンで隠したサザエの中には、サザエ・帆立・海老をガーリックバターで焼き上げたものが詰められています。その1つ1つのボリュームも素晴らしく、このガーリックソースが実に魚介によくあって食欲も掻き立てます。またサザエの1番奥にはパンの耳が詰めてあり、これがソースを全て味わうことが出来る名脇役。実に美味しい!
北海道産 真鱈の白子のムニエル トマトソース添え ♡
濃厚な白子のクリーミーな甘味に、トマトソースの爽やかな酸味が絶妙にマッチします。白子は表面をカリッと焼き上げられ、中身は真白で無垢な感じ。トマトソースもその白子の旨味を邪魔するとことなく、軽やかな酸味のアクセントを与えているのみ。
魚介のヴォロヴァン ♡♡
「風で舞う」という意味の『ヴォロヴァン』はその名前の通り、風で舞うような軽いパイのことです。中には海老・帆立・白身のクネルをホワイトクリームソースで仕上げたものが入っています。気温が高いと、このパイが確りと膨らまないので寒い今の時期しか提供しておらず、この料理の存在を知ってから冬には絶対に食べようと決めていた念願の料理です。
パイの側面を崩すと、中から魚介と共にホワイトクリームソースが溢れ出す様はまさしく圧巻。豪華な具材に目がいきますが、特筆すべきはパイ生地です。確りとバターも感じるパイで、今まで味わった中でも最高のサクサク感。濃厚なホワイトクリームソースの中でもこのサクサク感は楽しめ、ソースに負けない力強い味わいです。寒い中で、一生懸命にパイを折って下さった大石シェフに感謝。最高に美味しい!
新潟産 真鴨のロースト ♡♡
「脂がたっぷりの鴨が好きならば、中旬までにおいで」と言われたので、期待していた真鴨。本当に凄かった!脂身は分厚くて、モチモチとして弾力もあり、ルビー色に火入れされた身はシルキーな舌触り。しっとりと舌に吸い付くような感じもあり、素晴らしい味わいです。
一皿目はシンプルな鴨ジュで、二皿目は王道の血を使ったサルミソースで仕上げていただきました。サルミソースも濃厚でありながら、鴨肉自体の味を消し去るような感じでなくて、味わいを累乗させるようなソースです。抜群に美味しい鴨でした。
口直し
いつもの西瓜。最近はシャーベットでいただいています。
苺のタルト ♡
栗とレーズンのタルトが焼き上がったそうなのですが、私はコレが食べたかった!さすがにお腹がいっぱいなので、小さめで。
プティフール
いつものトドメ。殆どの方がお持ち帰りです。
念願の料理は想像を超えるボリュームとそれ以上の美味しさがありました。でもこの『魚介のヴォロヴァン』は、ここ数年作ることがなかったらしい。確かにメニューには載っておらず、知る人ぞ知る冬のスペシャリテな料理みたいなので、これを機に食べてみたいという方が増えればいいなぁ。「コレもいつか食べて欲しい」と大石シェフが勧めて下さった料理は、次の課題料理かな。食べてみたい料理やまた食べたい料理が多すぎて、本当に困る「北島亭」。
今年もまたお世話になります。ご馳走さまでした。34456
2018.11.
最近は予約の際に「〜が食べたい」と言っているのですが、今回は特に思いつかなかったので、ふらりとランチでおひとりさまの四谷「北島亭」。フレンチで通っているお店の1つで、北島 素幸シェフと大石 義一シェフが作り出す「骨太なフレンチ」は、完全にどストライクな料理ばかりで、どれを選んでもハズレなどありません。私的には「行けば、美味しいものがある」という感覚です。
いつもの4品フルポーションのコースで、好きな料理を選ぶプリフィックススタイルは実に楽しいし、そして迷う。で、今回はこんな感じにしてみました。
今回の献立
メヒカリのフリット
アミューズ。メヒカリはフワフワとして、軽い食感で実に美味しい。どのお店でも出されると、とても嬉しいお魚。
赤座海老のビスク
赤座海老の旨味をギュッと濃縮したスープ。料理の始まりとしては、いつも心躍るスープです。
海の幸の宝石箱 ♡♡
まさに宝石箱。鮑の殻に海苔のムースを敷き、鮑・帆立・海老・海胆をてんこ盛りにして、上からコンソメジュレをかけた冷製。なんて罪深き料理なんでしょう。シンプルながらも、素晴らしく美味しい!
仏・ボルドー産セップのソテー ♡
夏に訪れた時に見かけたメニューですが、それはたまたまだったらしく、今年はとても入荷が少なかったらしい。今回もメニュー上では品切れだったのですが、出していただきました。
供されると、その香りがヤバイ!キノコらしい食感もあり、とろけるような食感もあり、パンチのあるニンニクの味わいがとても力強い。
長崎・五島列島産ひげだらのムニエル 春菊のピューレと秋の味覚の添え
ひげだらはムチムチプリプリとして、実に美味しい。ほのかに爽やかな苦味のある春菊のピューレをつけることで、味が引き締まります。肉料理に定評があり有名ではありますが、魚料理も勿論レベルが高いです。実に美味しい。
三重産 三重牛A5ランクランプ肉のステーキ フォワグラトリュフソース ロッシーニ風 ♡♡
前々から「北島亭」で食べてみたかった!今回メニューを見た時から、メインディッシュはコレと決めていました。
想像通りのボリューム、想像通りいや想像を超える美味しさがあり、実に素晴らしい!ナイフを入れると、肉が蘇るようなロゼ色が艶めき、肉・フォワグラ・トリュフが奏でる三重奏は思い出しただけでも喉がなります。見て、食べて、思い出しても素晴らしい料理。
西瓜のソルベ
「北島亭」定番の西瓜。最近はこんな形で出していただいています。
美〜ナスのエクレア
某グルメ雑誌の特集で、大石シェフが徳島県阿波市を訪れた際に出逢った食材の「美〜ナス」という翡翠ナスを使ったデザート。「美〜ナス」はコンポートしてありますが、「ナスなの?」と驚くようなトロトロ感。デセール以外でも食べてみたい食材です。
洋梨のタルト
添えてあるのは、フランスのブランデーの1つであるアルマニャックのアイス。キャラメルのような甘さがあり、美味しい。
アルマニャックのクレームブリュレ
クレームブリュレ好きとしては、「北島亭」のも侮れない美味しさ。
プティフール
今回はメインディッシュにとんでもない量のガルニが付いて来なかったので、比較的に余裕と思って、「何個でもいいよ」という言葉に甘えて、デセールを楽しんだのですが、コレを忘れていた!「コレもどうぞ」と「茹で栗」も!…(笑)
今回のメニューを見て、メインディッシュは即決だったのですが、オードブルに初物の「セイコガニ」や「ズワイガニ」「白子」もあったりと食べたいものが多すぎて、迷いに迷いました。どれを選んでも間違いのない美味しさなのでしょうが、私の選択に間違いはなかったです。素晴らしい料理の数々をありがとうございました。
次回は来年早々。食べたい料理があるので、リクエストをして伺いたいと思います。また宜しくお願いします。ご馳走さまでした。18644
2018.7.
夏になったら、絶対に食べようと思って料理をリクエストしてやってきたのは、四ツ谷にある老舗フレンチの「北島亭」。グランメゾンのような至れり尽くせりのサービスを期待する方には向かないのかも?だけど、このお店にあるのは約束された最高の料理。今回も1人ランチで、4皿フルポーションのコースでお願いしました。
実食
磯つぶ貝のドレッシング和え
この料理を味わうと、「北島亭」にやってきたという気分になります。プルっとした食感がたまらない。本当は山盛りで欲しいくらい…。
胡瓜の冷製スープ
口にすると、一陣の風のようなミントの爽やかな香りと胡瓜の味わいが駆け抜けていきます。夏らしいスープですね。
和歌山県産 あゆのコンフィ きゅうりのソース ♡
表面はカリッと、中心部はふわりとした鮎は独特の苦味も生きていて美味しい。添えられた岩海苔と胡瓜のソースが、非常に爽やかで香り高い。直球で美味しいと思えるフレンチです。
房州産 あわびのムニエル 肝バターソース ♡♡♡
予約時に「丸ごと食べたい!」と伝えておいたので、まずは『鮑』を選ぶという贅沢なひと時が。3つある中で、真ん中の大きさの鮑を選びました。
供されたお皿を見ると、さすがに圧巻のボリューム!火を通しても、このボリュームとこの厚さは凄い!鮑の中心部はナイフを跳ね返すようなむっちりとした食感で、たっぷりとニンニク香る濃厚な肝バターソースをつけて食べれば、昇天しそうな美味しさです。しかも、ほぼ原価という価格は他店ではまずあり得ません。近年、私の中で夏には絶対食べたい料理となっています。
ブイヤベース 北島亭風 ♡
夏のスペシャリテという魚介類の内容は、鯛・太刀魚・ホウボウ・ムール貝・帆立・車海老。上に盛られたトマトやパセリなどでかなり爽やかなてんこ盛りの魚料理となっています。別のカップには魚介類の旨味を凝縮したスープがあり、これが素晴らしく美味しい。魚介類は別々に火入れしているのでしょうか。旨味が抜き取られ、パサパサとした抜け殻のようなものは一切なく、それぞれが確りと生きています。
別皿でアイオリソースとクルトンが供され、魚介類につけて味の変化をつけるもよし。クルトンにつけて、スープと共に食べるもよし。どう食べても間違いのない美味しさです。
おまけで『ホウボウの尻尾のフリット』を貰いました。これも美味しい。
大葉のグラニテ
口直し。爽やか、爽やか。
三重県産 三重牛A5ランク イチボのロースト ♡♡
実は鮑と同様に食べたいと思っていた『牛肉』。「イチボの他にも、赤身のランプ肉もあるよ」と大石シェフから言われたのですが、サシアリアリの『イチボ』にしました。
料理が供される。肉の断面はうっとりとしそうな見るからに、素晴らしい火入れ。噛みしめる度に牛肉の旨味と甘さが広がっていき、肉汁が口の中でほとばしります。一種の美味しさの暴力です。実に素晴らしい!
ですが。これで終わらないのがこの「北島亭」。ガルニで出されたのが、『ウイキョウのグラタン』『ジャガイモのペースト』『ブラックライス』。色々な意味で、悶絶です(笑)
フルーツ
西瓜が定番ですが、マンゴーもあるよとの言葉で、マンゴーに。
デザート
去年から食べたいと思っていた『桃のコンポート』。期待通りに、桃丸ごと一個のボリュームです。下にも桃のシャーベットが敷かれていて、まさに桃尽くし。
ミニャルディーズ
本当にトドメのミニャルディーズ。早めに食べてねと言われたバターサンドが美味しかった〜。
決して抗う事のできない美味しさの激流は食べ手を飲み込み、そして幸福へと誘う。そんなことがこの「北島亭」のフレンチに感じられます。圧倒的な美味とボリューム、そして夢かと思うほどのCP。感動の要素が全て詰まっている素晴らしいお店です。
今冬に食べたい料理を既にリクエスト。でも、まずは秋の食材が私を待っています。
今回もご馳走さまでした。また宜しくお願いします♡24426
2018.1.
まだ雪の名残り、爪痕を残す四谷。1カ月前から予約していた東京フレンチの名店「北島亭」に再訪。さほどフレンチを食べ慣れていないので、モダンフレンチよりも王道のクラシックフレンチの方が好みの為、堅苦しくない雰囲気のこの「北島亭」はお気に入りのお店の1つです。
今回もランチ利用で、10000円の4品フルポーションコースを選択です。予約の際に「ベカスがあったら、食べたいな」とお願いしていたら、取り置きしてくれていたようで、今シーズン2羽目のベカスとなりました。『大山鶏のドゥミドゥイユ』も食べたかったのですが、さすがに止めらました(笑)
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実食
メヒカリのフリット
アミューズは、あの『つぶ貝』じゃなかった。フワフワのメヒカリはまずそのままで、2口目はレモンを絞っていただきます。添えてあるパセリもちゃんと揚げてあって、美味しい。
マッシュルームのクリームスープ
1口目はマッシュルームの強烈な味わい、そしてクリームの円やかさが続きます。なかなか攻撃的なスープで、美味しい。
仏 ペリゴール産 黒トリュフとフォワグラのテリーヌ 根セロリのマルブレ
名前の通り、マルブレ=大理石のごとく美しいテリーヌ。濃厚であり、ビロードのように滑らかな口当たりで、口の中に入れると瞬時に溶けます。これだけでもパン2、3個は軽くイケちゃいます。
北海道産 真鱈の白子のムニエル トマトソース添え
「北島亭」の冬のスペシャリテ。濃厚で甘みのある白子の表面をカリッと仕上げ、中はトロトロのクリーミー。酸味のあるトマトソースに玉葱の甘みが加わり、この白子にとても良く合います。しかし「北島亭」にしては、普通の量ですね。
北海道産 帆立貝柱のポワレ にんにくバターソース
ボリュームがある料理を出す「北島亭」なので、帆立貝柱もどのくらいの量が出てくるのかと思いましたが、意外と普通?。表面をカリッと焼かれ、濃厚なにんにくバターソースが絶妙に美味しい。帆立も美味しかったですが、添えられているアスパラや椎茸のガルニが印象的に美味しかったです。
スコットランド産 ベガスのロースト サルミソース
ジビエの中でもコレはアラカルトメニュー(+11000円)扱いで、事前に予約が必要らしい。1人なので、丸々一羽をいただきます。ベカスはそんなに大きな鳥ではないので食べられそうですが、食べようと思っていた『ドゥミドゥイユ』は大山鶏を丸々1羽焼くそうなので、「鶏1羽を1人で食べられるのか?」という疑問も湧きます。残したら、お土産に出来るそうですが。
で、ベカス。これぞ「北島亭」という圧巻のボリューム。そして、王道のサルミソースは脳天を揺らすような極濃厚で、あの内臓の風味も活きており、ジビエらしい野生的な味わい。ベカス自体も肉厚で食べ応えもあり、ベカスの醍醐味である内臓はバケットに盛られており、これが素晴らしく美味しかったです。ガルニは、林檎のソテー・栗のピューレ・万願寺とうがらしと口直しにはちょうどいい味わいたち。
口直し
今回は西瓜のシャーベット。上には角切りの西瓜、中には種に見立てたチョコチップ入り。
カルヴァドスのクレーム・ブリュレ りんごのコンポート乗せ
狙っていた『イチゴのタルト』がまだ出来ていないらしく、『みきゃんのプリン』と悩みましたが、コレに。「北島亭」のデセールもクオリティが高くて、なかなか侮れません。ここまで是非辿り着いてほしいです。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズ。これぞ「北島亭」!
メイン前までは余裕と思っていましたが、やはりメインはボリュームがありました。他の席では『黒トリュフとフォワグラのパイ包み焼き』を食べておられる方も多く、来年は狙ってみようかと思っています。
来年の黒トリュフの時期までに何回か再訪すると思うので、その際には牛肉や豚肉の料理を食べてみたいです。できたら『ロッシーニ』などがいいかなーっと。
帰り際に外まで見送って下さった北島シェフ、ありがとうございました。また宜しくお願い致します。
2017.7.
夏が旬の貝である『鮑』が食べたくて、鮨店に行こうと考えていた時、「いや、待て。あのお店の方ががっつりと食べられる」と思いついて予約したのは、四谷にある「北島亭」です。
まあ、先月も行ったので2カ月連続の訪問となります。大石シェフも私のことを覚えていらして、本日の食材の紹介と共にご挨拶。今回も『4品好きなものフルコース』でオーダーです。
実食
つぶ貝のドレッシング和え
定番のアミューズ。元々、貝が好きなので嬉しいアミューズ。
海老のビスク
ちゃんと海老の味がするビスク。じんわりと美味しい。
イタリア ヴェネト産 うさぎのパテ・アンクルート
大石シェフのオススメ。しっかりとした肉質の部分やねっとりとしたパテの部分が渾然一体となり、美味しい。時間かけて食べることで、パテの温度が上がり、より一体化されます。存在は肉々しいけど、味わいはさらりとしています。
千葉房州産 鮑のムニエル 肝ソース
これが、再訪させた料理です。今回は400グラムくらいのものだそう。変わらずに、美味しい。濃厚な肝ソースに表面はカリッと、中心部はムッチリとした鮑は病みつきになります。
大分豊後水道産 マナガツオのポワレ ういきょうとあさり添え
こちらも大石シェフのオススメ。マナガツオにもしっかりとしたスパイシーな味付けがしてあり、単体でも美味しい。あさりの出汁とういきょうの香りが華やぐ一品。
カナダ ケバック産 鴨胸肉のロースト 青こしょうマスタードディアヴル風
フレンチでこんな量の鴨は、初めて食べました。写真が下手で見えないですが、この奥にも鴨があって、丸々1本なんです。鴨も焼かれているのが分からないんじゃないかな?と思うほどに綺麗なロゼ色で、どこかエロチック。ソースは鴨のフォンにグリーンペッパー、肉と共に食べれば鴨が蘇るようなみずみずしさがあります。ガル二は別皿で、椎茸を食べた瞬間にそれ以上の大きさの茄子が(笑)
マンゴープリン
デザートは、季節のマンゴープリン。このマンゴープリンのはパッションフルーツの酸味が加えられていて、甘味とのバランスが絶妙に美味しい。
他のお客さんが食べていた『桃のコンポート』が丸ごと1個だったのを見て、さすが「北島亭」と思ったのと同時に、あっちにすれば良かったと思ったのは、ナイショです。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズの量も変わらずに(笑)
これだけの量を食べて、2万を切る素晴らしいCPは他店ではなかなかありませんね。雰囲気や接客もいい意味でざっくばらんだし、予約も取りやすい。秋から冬にかけてのジビエシーズンが非常に楽しみなお店です。
2017.6.
さほど食べ歩いていませんが、フレンチに興味を持ってから、行きたいと思っていた四谷にある老舗フレンチ「北島亭」へやっと訪問です。日本においてのフレンチの先駆者の1人である北島 素幸さんが1990年に開き、近年の少量多皿のオシャレなフレンチとは一線を画す骨太フレンチを提供しており、味は勿論ですがその量からも話題になるお店です。
メニューは主にプリフィクススタイルなので、1番皿数の多い『5皿好きなものフルコース』にしようかと思ったのですが、友人の「4皿にした方がいい」というアドバイスを受け、今回は『4皿好きなものフルコース』でオーダーです。ワインは、料理に合わせてのデギュスタシオンスタイルです。
実食
ツブ貝のマリネ
このアミューズは、定番なのかな?よく目にしていたので嬉しい。
メロンのスープ
メロン果汁たっぷりのホントにメロン。後味でミントがフワリと香り、爽やかなスープです。
北海道産 生うにのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え
やはりスペシャリティは食べておかないってことで、オーダー。見た目もとてもボリューミーで、他店では見ないほどにたっぷりと生うにが中央に盛られています。口に入れるとスッと溶けるコンソメゼリーは生うにを殺さないような味わいで、一緒に食べて口の中で完成する感じ。
仏ボルドー産 ホワイトアスパラ オレンジ風味 鳥貝 木の芽酢マリネ
極太のホワイトアスパラガスが、なんと2本。1本が女性の指3本分くらいはあろうかという太さ。なるほど、これが「北島亭」かと思った料理。
柔らかい先端部分はアスパラそのものを味わえる味付けで、根元の部分は木の芽酢の味付けで食べられる一つで二度美味しい料理。アスパラはこの時期でもかなり良質だそうで、みずみずしくジューシー。今年は食べ逃していたので、思わぬ収穫。ワインは、アルザスの『ピノ ブラン 2015/ピエール フリック』。
千葉産 鮑のムニエル 肝ソース
私のリクエストの鮑料理。火を入れてこの大きさなので、元は相当な大きさだったと想像できます。それを1人半分(笑)厚みもあり、むっちりとした食感で柔らかい。肝ソースはかなりのインパクトがある味わいで、ニンニクを使っているのかな?さすがは「北島亭」、魚料理も期待を裏切らない。ワインは、フランスブルゴーニュの『ブルゴーニュ ブラン レラヴリー 2011/ピエール ダモワ』。
三重産 A5 リブロースステーキ
大石シェフが取り置きしておいてくれたリブロース。調理前と後を持ってきて下さり、その芯の部分をシェア。ガルニさえも別皿で供され、これだけでも相当な量ですが、名物と化している「おまけね」とその周りの部分も持ってきてくれました(笑)友人は「食べ切れることを前提に出してないよね?」と言うと、「従業員にそれを聞きますか?」と苦笑い。
見た目は生だけど、生じゃない絶妙な火入れで、脂の甘さも感じるシンプルな味付けの中、フワフワとした食感が楽しい。さすがはA5ランクの肉といったところでしょうか。人によっては重いと思うかもしれませんが、私は意外とすんなり(笑)ワインは、アメリカの『ソノマ ジンファンデル オールドヴァイン 2013/レーヴェンスウッド』
イチゴのタルト
選べるデザートは数種類あり、その中から『イチゴのタルト』を。これもこれでもか、盛られたベリー系の果実がたまらない。そして、激甘っ(笑)お店であったら、ビジュアルから絶対に注文するようなタルトです。
ミニャルディーズ
トドメか?トドメなのか?と思わせるほどの量。たいていの方はお持ち帰りなんだそうです。
フランス料理というと「オシャレ」「敷居が高い」などというイメージが湧いてくるかもしれませんが、このお店に関してはいい意味でそういうのがありません。高級な調度品に囲まれ、手を挙げればすぐに対応してくれる洗練されたサービスのお店も素敵ですが、美味しいものを120%お腹いっぱい食べられるフレンチとしては、味的にもCP的にもこのお店は最良。
唯一、不幸なことがあるとすれば、これからフレンチでよほど美味しい料理に出逢わないと、「これだったら、北島亭に行けば良かったなぁ」と、きっと思うことかな。
食べたい料理もまだまだあるので、また伺います。ご馳走様でした。
8位
24回
2023/03訪問 2023/04/24
恋ひ恋ひて 逢へる時だに 美味しき鮨食べたき 長くと思はば ~鮨 とかみ~
2023.3.
親方が変われば、お店も変わるのは当然であり、「鮨とかみ」もオープンからずっと続いていた昼の『握りコース』がなくなり、昼・夜共に『おまかせコース』のみとなったと知り、どう変わったのかと思って再訪。それでも店主・和田 駿友さんの心意気で、今日ある種全てを握っていただきました。
突先♡
初手は鮪の頭の部位である突先を使った巻物。芳醇な海苔の香りの中、鮪の濃厚な旨味と甘味が口いっぱいに広がります。変わらずに心掴む美味しさ。
メジマグロのタタキ♡
それぞれに生姜・山葵・柚子胡椒が乗せてあり、三者三様の薬味でメジマグロのさらりとした脂が映えます。特にあまりに見かけない柚子胡椒が新鮮で美味しい。
蛍烏賊の燻製♡
薫香はさほど感じず、蛍烏賊の香ばしさを確りと感じられます。
鮃♡
軽く昆布〆を施しており、程よい脱水と旨味がプラスされています。シャリを包むような大きな切付けで食べ応えもあり。
えんがわ(追加)♡
「鮨 とかみ」で初めていただく部位。軽く炙られており、表面がとろりとした食感の中で濃密な旨味が爆ぜます。鮃1匹から4貫しか取れないそうで、かなり貴重な経験でした。
墨烏賊♡
酢橘の爽やかさの中、サクサクと小気味良い歯切れの良さを楽しめます。塩では感じられない醤油の香りもいい。
赤貝(追加)♡♡
大分県産。かなり肉厚な赤貝で、咀嚼していると口の中に広がる香りが凄い。
平貝
シャリに柚子をつけてから握られる平貝。口の中で華やぐ柚子の香りと平貝の香りが心地よい。
太刀魚(追加)♡♡
焼いた太刀魚をシャリと合わせることで、口の中で完成する焼魚定食。フワフワな太刀魚は旨味を引き出した塩加減も素晴らしく、実に美味しい。
鰆昆布〆♡
確りと〆られて、鰆はねっとりとしており、食べ終えても残る昆布と鰆の旨味で余韻に浸れる一貫。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産130キロのもの。口の中で主張するのは、圧倒的な鮪の存在感。「鮪を食べてる!」と実感できるような美味しさがあります。
中トロ♡
やはり「鮨とかみ」の濃旨なシャリには鮪がとてもよく合います。化学反応にも似たシャリと鮪の相乗効果が口の中で幸せを加速させます。
大トロ♡♡
砂ずりの部位は超濃厚な味わい。有名鮪仲卸の「やま幸」と繋がりの深い「鮨とかみ」の真骨頂とも言える一貫。素晴らしく美味しい。
メジマグロの大トロ(追加)♡♡
肴で供されたメジマグロの大トロの部位。大トロされど、さっぱりとした脂で実に美味しい。
喉黒(追加)♡
白身の大トロである喉黒は、軽く皮目を炙ってから握られます。滴る脂の旨味と甘味は、鮪にも負けない美味しさ。
小鰭♡
口の中の脂を断ち切るような酸味がありつつも、小鰭自体に旨味が確りと感じられて美味しい。
車海老
車海老とシャリの温度が同じくらいなので、一体感を感じられます。車海老の甘味と香りが特に印象的。
馬糞海胆(追加)♡
海胆の圧倒的なボリュームで、軍艦が沈没しそうw頬張ると海胆だけでなく、海苔の香りも映えて美味しい。
鶏魚♡
比較的にあっさりしているかと思っていたら、コレもかなり濃厚さ。
穴子
爽煮された穴子は真っ白で、モフモフとしており、穴子本来の味わいも確りと残っています。
海胆・鮪丼♡♡♡
鮪の赤身・中トロ・大トロ、全ての部位を削ぎ切りにして漬けにしてから丼に盛り、更にその上から北紫海胆を乗せた丼。
「折角、来てくれたのだから印象付けないと!」と、和田親方は盛りに盛って、まず海胆で鮪は見えなくなり、鮪でシャリは見えないというとんでもない丼。ちなみにコレはデフォルトの丼(ちょっと私のは量が多いかも)だそうで、凄い〆が爆誕していました。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。スペシャリテで始まり、スペシャリテで〆る。素晴らしいコース構成だと思います。
昼の『おまかせコース』のデフォルトは巻物・肴2種・握り10貫・丼だそうで、内容としては以前の『握りコース』よりもボリュームがあり、赤身・中トロ・大トロ・鉄火丼とたっぷりと「やま幸」の鮪を堪能できて豪華絢爛。「自分が食べたいと思うコースを作りました!」と笑顔で語る和田親方の思いが伝わる構成は、「鮨 とかみ」らしく濃厚な種×濃旨なシャリで畳み掛けるように全てが力強い。好みが分かれる鮨だと思いますが、私は大好きです。
和田親方、今回もありがとうございました!控えに言って、最高でした!また宜しくお願いします!
2022.6.
新生/鮨 とかみ
突先♡
口に近づけると海苔が香り、突先の旨味が溢れ出します。変わらずに心掴む初手。
冬瓜の冷やし包み
島オクラ・赤万願寺とうがらし・蛸柔らか煮を冬瓜で包んだ冷菜。ふわりと柚子香る中で、冬瓜のねっとりとした舌触りに蛸のむっちり感が映えます。
岩魚のガダイフ揚げ♡
鮨店では珍しいというか、初めてのガダイフ揚げ。極上のパリパリ感に岩魚の旨味が溢れます。美味しい♡
岩牡蠣の陳皮煮♡
珍しい陳皮を使ったもので、陳皮の爽やかさとほんのりとした苦味が岩牡蠣の旨味の輪郭をよりはっきりとさせていて、肴としてお酒が進みます。
中落ちの湯葉挟み♡
鮪の中落ちを洋酒に漬けたさくらんぼ・白味噌で和えた豆腐と一緒に揚げた湯葉で挟んだもの。「鮨とかみ」として実に画期的であり、味わいとしても美味しい。豆腐に包まれても隠しきれない中落ちの旨味が素晴らしい。
賀茂茄子の雲丹乗せ
焼いた賀茂茄子に柚子味噌・紫雲丹を乗せたもの。まず驚くのはこの雲丹の量、おかしいw味わいとしては、トロトロの賀茂茄子にトロリとした雲丹がソースのようになっていて美味しいが、柚子味噌じゃない方が合うかも。
アラと夏野菜のゼリー寄せ♡
アラとズッキーニ・パプリカ・ヤングコーンの夏野菜と共にゼリー寄せに。鰹出汁のゼリーなので、全くの違和感なく爽やかで美味しい。ふた口目に食べるマスタード付きの方が味が締まり、より美味しい。
アメーラトマトの天麩羅
アメーラトマトで包まれた鮑・茶豆・五寸人参。程よい酸味の中で映える鮑と茶豆の食感と旨味が初体験の味わい。
鶏魚
軽く炙った鶏魚は香ばしさと旨味が溢れていて美味しい。シャリは少し塩が強いかな。
墨烏賊♡
サクサクとした心地よい歯切れの良さ、酢橘の酸味と醤油の香りが素晴らしい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝は咀嚼の度に甘味と香りが爆ぜます。
春子鯛♡
柔らかくジューシーであり、とろけるような春子鯛は甘味があり美味しい。
赤身漬け♡
鳥取県境港産94キロ。ふわりとする香りと鉄分を感じる酸味が食べ終えても尚続き、余韻長く楽しめます。
赤身漬け♡♡
クラッシックな赤身漬けは、鮪節のような味わいで噛めば噛む程に旨味が溢れてきます。今ではなかなか見かけなくなった仕立てですが、やはり美味しい。
血合いぎし♡
血合いぎしの部位で、香りと口溶けは秀逸。食べ終えて、目を閉じてゆっくりと余韻に浸りたい味わい。
霜降り♡
今度は霜降りの部位で、香りは弱くなりましたが、旨味がグッときます。
砂ずり♡
砂ずりの部位で、THE大トロといった感じ。液体のような口溶けで、旨味と甘味の爆流が口に溢れます。
小鰭
皮も柔らかく、キリッとした味わい。口の中が酸で洗い流せます。
鰆昆布〆♡
とろけるように柔らかく、昆布の旨味が映えます。
車海老♡
半生よりも火を入れており、プリッとした食感に甘味もあり美味しい。
アラ汁♡
使った魚のアラを全て使って炊き出したアラ汁は極濃厚な味わい。しかし、この量w
煮帆立♡
珍しい煮帆立。帆立の旨味と煮ることで生まれる甘味の奥深さがあり、美味しい。
煮蛤♡
低温調理された蛤は極限まで柔らかく、しかしながら味わいも確りと染みており美味しい。
縞鯵♡
とろけるように柔らかく、甘味がジュワリとシャリを包むかのよう。
真鯵♡
食べ比べのような感じで供された真鯵。肉厚であり、薬味の爽やかさが駆け抜け、鯵の香りと旨味が広がります。
馬糞雲丹♡
和田親方になっても変わらぬ爆盛りの雲丹。口いっぱいに広がる雲丹の旨味と甘味は口福の一貫。
喉黒♡
身は昆布〆して、握る直前に皮目だけを炙って握られる喉黒はトロリとしながらも身の旨味も味わえる仕立て。濃旨のシャリともよく合います。
穴子♡
醤油を使わずに白く煮上げた穴子は、まるで布団のようにモフモフ。柚子の香りと穴子本来の香りが鼻から抜けます。
干瓢巻き♡
前々から「このシャリには干瓢とか合うだろうなあ」と思いつつも、何気に初めていただく「鮨とかみ」での干瓢巻き。和田親方は最新的な技術を取り入れつつも、干瓢などの昔ながらの煮物なども大切にしていくそうで、今後もこの干瓢巻きはあるみたいです。
カマトロ♡♡
夏場の鮪ではカマトロの部位が小さいので6貫くらいしか取れないという希少部位。まるで肉のような味わいと特製ニンニク醤油の濃厚さが素晴らしい。いつもありがとうございます!
玉♡
スペシャリテと呼ぶべき玉はまだ温い感じで、表面のキャラメリゼもパリッとしており、美味しい。
3月に将太さんが卒業して、和田 駿友さんが3代目店主となってから初めての「鮨 とかみ」で昼鮨。和田親方には将太さんがまだいた頃に握ってもらったことがあるのですが、脂の強い種には熱いシャリを使ったり、テキパキと握ってからゆっくりと供する姿には確実にレベルアップしていることが感じられ、口の中でふわりと飛散する鮨も美味しかったです。鮨は今までの「鮨 とかみ」を継承しつつも、昔からある干瓢や椎茸に代表する煮物などの仕事に力を入れていき、肴はひと手間ふた手間を加えた料理を供して、新しい和田親方の「鮨 とかみ」を作り上げていくそうです。
佐藤さんは当時珍しかった赤酢のシャリ、将太さんは大きなシャリの男鮨、歴代の店主を印象づけたような鮨を和田親方も生み出していかれるのが今から楽しみです。
2022.3.
将太の鮨/鮨 とかみ
突先♡
心掴む鮪の突先を使った手巻き。華やぐ海苔の香りの中で、確かな鮪の旨味が素晴らしい。
鮎魚女の揚げ出し椀
お椀の中には揚げたての鮎魚女、菜の花と木の芽の餡。春らしいほろ苦さと木の芽香る出汁は飲めるくらいの濃さで、鮎魚女の旨味を活かしています。
鰹♡
爽やかな薬味の中で鰹はモチモチとし、自家製新玉葱のドレッシングの仄かな苦味がより鰹の旨味を押し上げています。
白川の桜葉蒸し♡
桜の香りが華やぐ椀物。白川の旨味と出汁の旨味がお互いを高めあっていて美味しい。桜を模した紅芯大根の甘味もいい。
肴3品♡
白魚とコシアブラの天麩羅鯛の酒盗と豆腐のソース、鰆の燻製、蛍烏賊のなめろう。白眉なのは鯛の酒盗と豆腐ソース。コレだけでもお酒が飲める美味しさ。
太刀魚の唐墨かけ♡
コレは美味しい。太刀魚の旨味がたっぷりとかけられた唐墨で更に加速するかのようで、添えてある生の大根が箸休めとしていい仕事をしてます。
真鯛
「鮨 とかみ」の最大の特徴である濃旨なシャリがまずガツンときて、咀嚼の度に真鯛の甘味がぐんぐんと溢れてきます。
墨烏賊
酢橘が爽やかで、醤油の香りも華やぐ一貫。サクサクの食感が心地よい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで旨味も溢れます。
赤貝♡
特大の赤貝をヒモと共に。ザクザクとした食感で咀嚼の度に香りが広がり、甘味も溢れます。
赤身漬け♡
今回は神奈川県三崎産128キロ。舌に吸い付くようなねっとりした赤身にシャリの旨味が寄り添います。やはり美味しい。
中トロ♡
切り付けも厚く、口の中での存在感が凄い。香りも素晴らしく美味しい。
大トロ♡
ちょっと温度高めなシャリが大トロを液体に変えて、まるで旨味たっぷりの鮪ジュースのよう。
小鰭
キリリとした小鰭は旨味も味わいも濃く、シャリにも負けない味わい。
車海老♡
温度が高めなシャリが更に車海老の香りと甘味を際立たせています。いつもながらにブレのない素晴らしさ。
鱒の介♡
コロリとしたシャリが鱒の介の旨味を確りと受け止めていて、やはり旨味の強い種はこのシャリに好相性です。
鰤♡
脂の強い鰤でも温度を上げることでしつこくなく、ちょっと温度高めな濃旨シャリが鰤の旨味を押し上げています。
煮蛤♡
ライトな色合いでも確りと味が染み込んでおり、とても柔らかい煮蛤。柚子の香りがふわりと鼻から抜けます。
馬糞雲丹♡♡
元々、雲丹は爆盛りな将太さんですが、今夜は特に凄かった!変なえぐみや雑味のない甘味が口いっぱいに広がり、香りも素晴らしい。
喉黒♡
軽く炙ることで身の脂が溶け出して、トゥルトゥルな喉黒。鮪にも決して負けない旨味の爆流。
カマトロ♡♡
かなりの希少部位で存在すらも知らない方が多い中で、いつも用意して下さる優しさが嬉しい。特製のにんにく醤油で軽く漬けにしてから炙って握られるこの種はまるで肉!最後までありがとうございます!
鮪のコラーゲンスープ
昼はアラ汁なので、久しぶりにいただいたスープ。
穴子♡
肉厚でモフモフな布団のような穴子は、少量の煮つめでより香り立つ味わい。
玉♡
スペシャリテのクリームブリュレのような玉。最後まで心掴む美味しさ。
本日は3月いっぱいで「鮨 とかみ」から独立される親方の小田将太さんとの最後の夜でした。今後は故郷である北海道の札幌で握られるそうで、なかなか簡単には会えなくなりそう…。鮨の味わいでは勿論のこと、将太さんの人柄はきっと道民の胃袋も心も掴むはず!新天地でのご活躍を期待しています。
将太さん、長い間!!!くそお世話になりました!!!
この感動は一生…!!!忘れません…!!!!
今夜出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
而今 特別純米 無濾過生
栗林 六郷東根 純米酒 ピンクラベル
七本槍 純米 80%精米 火入れ
江戸開城 純米吟醸 原酒 山田錦
作 恵乃智
東一 純米 山田錦
くどき上手 亀仙人 純米大吟醸
2021.12.
楽しい美味しい鮨納め
沈静化しつつも、まだ不安が残るコロナ禍の中で迎える2021年の年の瀬をどこで迎えるか?ここ数年は銀座にある鮨の名店「鮨 とかみ」で鮨納めをするのが、私の恒例行事となっています。今年も無事にやってくることができ、感謝しかありません。今回も昼鮨ながらも年末ということで夜コースの仕立てで、特にリクエストすることもなく全てを店主・小田 将太さんに委ねます。
今回の献立
突先♡♡
鮪の頭の部位を使った手巻き鮨。濃旨な赤酢シャリと濃厚な鮪の旨味が心を掴みます。
九絵の椀物
椀の中には九絵・大黒しめじ・京都府産ほうれん草・金時人参・新潟県産ビタミン大根。力強い吸い地の味わいに、九絵の身のぶりんとした食感と皮のトロリとした食感があり、美味しい。
せこ蟹♡
ズワイガニの雌の内子・外子・身を全て混ぜ込んだものを温い蟹酢餡をかけて。この時期には出逢える肴で、プチプチとした食感の中で旨味も弾けるかのよう。
皮剥の肝和え♡
削ぎ切りにした皮剥をその肝と和えたもの。コレは間違いのない美味しさ。クセなどは微塵も感じない濃厚な肝の味わいにプリプリとした皮剥がたまらない。
鮟鱇の唐揚げ♡
プリプリと弾けるような鮟鱇の食感を楽しんでいると、口の中は溢れる鮟鱇の旨味でいっぱいになります。山盛りで食べたい美味しさ。
真加治木の生ハム♡
真加治木を塩漬けにした生ハム風仕立て。コレはお酒のアテに最高。日本酒が秒でなくなる美味しさ。
蕪蒸し♡
おろした聖護院大根を白甘鯛の上に乗せて、金時草と共に蒸しあげた蕪蒸し。椀の中はほぼ白甘鯛というボリュームで、ほろりと崩れる白甘鯛は実にジューシー。
唐墨♡
自家製の唐墨をザクッと切ってくれました。唐墨をかぶりついて食べる贅沢さ。
真鯛♡
ちょうど腹の部位で旨味と甘味が素晴らしく、シャリの酸味がよりそれらを押し上げます。
鰤漬け♡
食べた瞬間にグッとくる旨味があり、鰤のクセなどは微塵も感じさせません。口の中に残るのは、濃密な鰤の旨味のみ。
墨烏賊
醤油で浮かび上がる切り付けも美しく、サクサクを楽しんでいると溢れる甘味と醤油の香りも愛しい。
春子鯛♡
程よく黄身酢おぼろで脱水されており、阻止の度に旨味と甘味が引き出されてきます。
赤貝♡
1貫に赤貝を丸々1個使うヒモと一緒に握る仕立てで、旨味と香りと食感が段違いの美味しさ。
赤身漬け♡
有名鮪卸問屋「やま幸」から届いた今回の鮪は青森県大間産110キロもの。初め出汁の味わいのアタックがきて、その後に鮪の香りがぶわっと広がります。
血合いぎし♡♡
口に入れた瞬間に感じる口溶けの良さと香りが素晴らしい。
中トロ♡
どっしりとしてこってりとした旨味の力強さがあり、コレで中トロ?と思わせるほど。
大トロ♡
中トロに比べると意外とさらりとしており、口溶けの良さはまるでジュースのよう。
小鰭
銀色に輝く皮も柔らかく、酸味よりもジューシーな旨味が勝る小鰭。
車海老♡
車海老に浮かびあがる綺麗なだんだら模様・甘味・温度・香りが素晴らしい。
鰆昆布〆
舌に吸い付くような食感に昆布の旨味がぶわりとし、最後に鰆の甘味が広がります。
煮蛤♡
見た目の色合いよりもジューシーで柔らかく旨味も強く、美味しい。
アラ汁♡
濃厚なアラ汁も特別仕様の大きさw
鰹♡
鰹にありがちな血の味わいなど微塵もなく、旨味だけが口に残ります。
紫雲丹♡♡
競札1番というスペシャルな紫雲丹。香りも素晴らしいですが、馬糞雲丹にも負けないよう甘味が強烈。
喉黒♡
身だけを昆布〆して、皮目は炙ることでトゥルトゥルな喉黒になり、口の中でシャリと混ざる時には既に旨味の塊の液体のよう。
カマトロ♡♡
いつも用意して下さる希少部位のカマトロ。特製のニンニク醤油で漬けにしてから炙って握られます。まるで肉のようで、実に美味しい!
穴子♡
醤油を使わずに炊きあげた穴子は香りも楽しめ、モフモフの布団のような食感の後に舌に絡みつきます。
玉♡
表面をキャラメリゼしてスペシャリテの玉は、まるでクレームブリュレのような100%スイーツな味わい。
久しぶりに味わう「鮨とかみ」のディナーメニューは肴の品数を抑えていながらもお酒のすすむものが多く、実に美味しい。握りに関しては言わずもがな。ガツンとした濃旨な赤酢シャリと濃厚な種の独特のコロリとしたフォルムの男鮨は、胃袋と心をグッと掴んで離しません。
3月で「鮨とかみ」を卒業される将太さんの昼鮨はこれが最後。来年から3月までは夜のみに専念されるそうで、今後昼を担当される和田駿友さんに期待がかかると同時に卒業までのカウントダウンが始まる「将太の鮨」に期待と寂しさを抱きます。
将太さん、駿友さん。最高のひと時をありがとうございました!来年また楽しみしています。
2021.10.
私が通わせていただいてる鮨店の中で一番長く通っており、今も尚、心を掴んで離さない「最強の昼鮨」と思っているのが銀座にある「鮨 とかみ」です。握るのは「鮨とかみ」2代目店主の小田 将太さん。ガツンと赤酢の効いた濃旨なシャリと有名鮪卸問屋の「やま幸」の鮪をはじめとする旨味の強い種と共に握られる鮨は、銀座でもトップクラスの大きなサイズのまさに男鮨。今回も昼鮨ですが、夜をも超える大ボリュームの鮨を堪能させていただきます。
今回の献立
真鱈のお椀
蕪・芽ネギ・白木耳。濃厚な出汁の味わいが実に「鮨とかみ」らしい。
真鯛♡
ファーストアタックは濃旨なシャリ、そして咀嚼の度に真鯛の旨味と甘味がグッときます。
墨烏賊
心地よいサクサク感。塩ではなく、醤油を使うことで墨烏賊に入れた包丁も浮かび上がり、香りも立ち込めます。
泥障烏賊♡
初めての山葵生姜という仕立て。細かく切られた泥障烏賊のねっとりした甘味の中で、生姜の爽やかな辛味が映えます。
鰤♡
昔ながらの江戸前の漬けの仕事を施した鰤。旨味が凝縮している中で、切り付けも厚くて実に美味しい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで、甘味も確り。
赤貝♡
わざわざ私の為に一個だけ仕入れてくれた赤貝。ヒモの部位も一緒に握っているので、食感が心地よい。
赤身漬け♡
青森県大間産。漬けにすることで、鮪本来の旨味が凝縮して、更に出汁の旨味も過剰されており、実に美味しい。
血合いぎし♡
宮城県塩竈産。口溶けも良く、食べ終えても尚続くような香りも素晴らしい。
霜降り♡
青森県大間産。口溶けはやはり素晴らしく、甘味が口いっぱいに広がります。
砂ずり♡♡
宮城県塩竈産。霜降りも美味しかったですが、コレは甘味が段違い。脳が震えるほどの美味しさ。
鰻松♡♡
この時期の定番となっている天然の鰻と長野県産の天然松茸を合わせた小丼。松茸の量が尋常じゃなく、香りが素晴らしい。ひと口で幸せになれる味わい。
小鰭
口をリセットする為の種ですが、初めに感じる酸味の後にくる濃厚で旨味たっぷりな攻めるような味わい。
鮟肝♡
「鮨とかみ」の濃旨な赤酢シャリに鮟肝は抜群に合いますが、今回は珍しい握りの仕立て。これもヤバイ!肴で食べるよりも、断然に好み。
車海老
温度は人肌よりもちょい高め。甘味をグッと感じられる美味しさ。
鰆昆布〆♡
ほわんっとした鰆の甘味の中で、仄かに感じる昆布の旨味が愛しい。
いくらの親子丼♡
たっぷりと盛られた生いくらで隠れているのは、炙った鮭。この時期ならではの鮨店が作る親子丼です。器の中はほぼ生いくらという状態で、いくらの心地よいプチプチ感があり、鮭の旨味が合わさることで絶妙な美味しさ。
煮帆立♡
粒も大きいので食べ応えもあり、煮つめの
甘味と帆立本来の甘味が合わさって美味しい。
煮蛤♡
ジューシー且つ柔らかい。低温調理を施した蛤は旨味がギュッとしており、咀嚼の度にその旨味が溢れます。
秋刀魚♡
「鮨とかみ」で3年ぶりに出逢えた秋刀魚。旬の魚はやはり美味しい。味わいもそうですが、食べ終えてもまだ口の中に存在しているような香りが素晴らしい。
アラ汁♡
アラ汁さえも濃厚極まりない味わい。しかしながら、お椀のサイズがおかしいw
焼秋刀魚♡♡
先程の秋刀魚を軽く炙ってから、大根おろしと秋刀魚の肝ペーストを乗せて供されます。コレは凄い!まさに口の中で完成する焼き魚定食!上に乗せられた肝がいい仕事してます。
北紫雲丹♡
小田親方は、盛りに盛る!シャリよりも雲丹が多く、ひと口で頬張ると口いっぱいに広がる香りが素晴らしい。
喉黒
トゥルトゥルな身は口に入れた瞬間にとろけ、それを確りと濃旨なシャリが受け止めます。
カマトロ♡♡
いつもはあるわけではない希少部位のカマトロですが、確りと用意して下さる優しさに感謝です。特製のニンニク醤油に漬け混んでから軽く炙って握られるこの一貫は、まさに肉!ニンニクでガツンとくる味わいですが、それに負けないシャリも素晴らしい。
焼穴子♡
今回はなんと穴子も2種。まずは白焼きしたものを塩で。ダイレクトに感じる穴子の香りと旨味。コレもいい!
煮穴子♡
次はいつもの爽煮にした穴子。大好きな腹の部位なので、舌に絡みつくようなねっとり感がたまらない。
突先♡
鮪の頭の部位の突先を使った名物の手巻き。最初でも最後でも心をグッと掴む味わいです。
玉♡
表面をキャラメリゼした玉は100%スイーツな味わい。プリン好きにはたまりません。
今回も実に楽しく、美味しい「小田将太の鮨」を堪能させていただきました。私の好みをよく知ってらっしゃるので、供される一貫一貫にハズレなどは一切なく、全てが心に響く美味しさ。いつもながらに熱さ感じる魂の鮨でした。
控えに言って、最高でした!
小田親方、和田さんいつもありがとうございます!年末、楽しみにしています!
今回出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
あたごのまつ 純米吟醸 ささら冷卸 ひやおろし
上喜元 純米吟醸 本生
仙禽 クラシック仙禽 亀ノ尾 無ろ過原酒
十四代 超特選 純米大吟醸 播州山田錦
鳳凰美田 純米吟醸 WINE CELL
2021.5.
力強き握りの饗宴
鮨店で、やはり好きなのは肴よりも握り。握りのみのコースがよくある昼鮨は非常に好みで、贅沢をしている気分になって好きです。通わせていただいている鮨店の中で、最強と思っている昼鮨は銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんが握る鮨はガツンとした赤酢が効いたシャリで、ころんとした大きさが特徴的な男前な鮨です。ランチは13貫8000円と16貫12000円の握りコースのみで、銀座の鮨としてはとてもリーズナブル。今回も16貫のコースをベースとした私だけのコースで、「鮨 とかみ」の全てを堪能します。
今回の握り
先付
賀茂茄子・鮎女魚・じゅんさい。
確りと味を含ませた賀茂茄子、梅肉がいいアクセントになってる旨味溢れる鮎女魚、ちゅるんとしたじゅさいがジメジメとした天気を吹き飛ばすような爽やかさ。
金目鯛
シャリの酸がふわりと鼻から抜けて、金目鯛の甘味と旨味が駆け抜けていきます。
泥障烏賊
細切りにしてあるので、口の中でスッと溶けてシャリの酸が泥障烏賊の甘味をより際立たせます。
烏賊唐墨♡
自家製唐墨を薄衣切り、墨烏賊と一緒にして握る私だけのスペシャル握り。サクサクとした墨烏賊の食感に濃密な唐墨の味わいが実によく合い、まさに口福の一貫。
春子鯛♡
〆ているのに、まるで溶けるようなジューシーさの春子鯛。美味しい♡
赤貝♡
ヒモも一緒に握る丸々赤貝一個を使う贅沢な一貫。ヒモを入れることで香りが力強くなりますが、この赤貝自体の味が非常に濃い!最近の中ではピカイチの美味しさ。
平貝
柚子香るサクサク平貝は甘味の後に苦味も感じられます。
白海老
生の白海老ですがクセも全くなくて、甘味だけが純粋に楽しめます。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産。漬けにすることで旨味が凝縮して、実に美味しい。
中トロ♡♡
香りを放ちながら、ゆっくりと溶けていく中トロは時間が止まったかのように感じられる甘美な瞬間。
大トロ♡♡
香りは中トロより劣るものの、その味わいはまるで濃厚濃密な鮪のジュース!力強い赤酢シャリにとてもよく合います。
姫鱒♡
鮮やかなオレンジ色が眩しい姫鱒の口溶けはよく、鮪とは違う香りがあり、上品な甘味が素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭の酸が口の中を一気にリフレッシュさせてくれます。
車海老
温度はちょっと高め。甘味よりも香りがとても印象的で、素晴らしく立ち上ります。
鶏魚♡
夏を告げる鶏魚の片身で一貫しか取れない砂ずりの部位を軽く炙って。香ばしい香りと溢れる旨味が実に美味しい♡
鰆昆布〆♡
程よく脱水されて、旨味が凝縮しており、ほわんとした甘味も感じられます。
太刀魚の蒲焼♡
供されると、器から立ち上る香りからやられます。厚みのある太刀魚は蒲焼にしていますが、太刀魚自体の旨味が実に美味しく、シャリともよく合います。
縞鯵
咀嚼していくとシャリの酸と混ざり合い、徐々に旨味の輪郭が現れてきます。
蝦蛄♡
特大サイズの蝦蛄は旨味も格別!蝦蛄は大好きなので、実に嬉しい♡
煮蛤♡
極上の柔らかさ。咀嚼の度に溢れる旨味が止まらない。
煮帆立
初めて食べる種は、煮蛤の代わりらしい。煮蛤の旨さには敵わないですが、帆立の甘味が活きていて美味しい。
〆鯖♡
薄く切ったものを3枚重ねて握っているので、口溶けが素晴らしく、濃厚な旨味がたまらない。
鰹
モチモチとした食感の中、仄かな薫香があり、爽やかな旨味が走ります。
北紫雲丹♡
軍艦ではなく、握りで。この雲丹は何と言っても香りがいい。たっぷりとした量なので、口いっぱいに香りが広がり、鼻から抜ける瞬間がたまらなく好き。
馬糞雲丹♡
雲丹の食べ比べ。この馬糞雲丹は軍艦で。シャリよりも雲丹の方が多く、まるで3階建てのようなこの量w頬張るという表現がピッタリで、口の中に溢れる雲丹の甘味が素晴らしい。いつもありがとうございます♡
喉黒♡
軽く炙っているので、脂が蘇るようなジューシーな喉黒。コク旨なシャリに合わないわけがない。
カマトロ♡
毎回あるわけがない部位ですが、確りと用意して下さる心遣いに感謝しかありません。ニンニクが効いた特製タレに漬けてから軽く炙って握っています。その味わいはまるで肉のようで、実に美味しい。
穴子♡
醤油を使わずに煮上げた穴子は確りと香りも残っていて、布団のようにフカフカ。好きな腹の部位だったので、コッテリとした味わいを堪能できます。
突先♡
鮪の頭の部位である突先を使った巻物。パリッとした海苔の香りと口溶けもよく、ジューシーな旨味が溢れます。やはり鮪は美味しい。
玉♡
100%スイーツ寄りな玉は表面をキャラメリゼしており、まるでプリンのような感じ。いつ食べても美味しい♡
「久しぶりだったので、気合い入れましたよ!」と笑う小田親方の言葉通り、まさしく最強の昼鮨でした。久しぶりに味わう「鮨とかみ」の鮨はより力強くなったのか、濃旨の赤酢シャリがビシッと効いており、濃厚な味わいの種は実にハマって美味しい。初手の金目鯛から重いストレートパンチを受け続けるかのようで、畳み掛ける美味しさでノックダウンです♡
今回も実に美味しかったです。小田親方、和田さんありがとうございました!また宜しくお願いします!
2020.12.
一昨年から年の終わりか初めの食べ歩きを飾っているのが「鮨 とかみ」の鮨です。今年は営業するか分からないという状況の中で、「もしやるならば、絶対に行きたい!」と店主の小田 将太さんにお願いしていて、年末のみ営業することが決まったので、2020年の鮨納めとなりました。「鮨 とかみ」と言えば、私のとって最強の昼鮨の一軒なのですが、今回は夜。夜は実に一年ぶりとなる訪問です。
今回の献立
突先♡
まず手渡しされたのは、鮪の頭に近い部位である『突先』を使った手巻き。海苔の香りが映える中で、旨味の強い鮪の美味しさが素晴らしい。
椀物
九絵を使った椀物で、島根県奥出雲産の椎茸、京ほうれん草、金時人参、新潟県産ビタミン大根が周りを彩ります。
吸い地の力強い味わいの中で、特に九絵と椎茸の旨味がグッときます。久しぶりに鮨以外のものをいただきましたが、鮨と同じように力強い。
皮剥の肝和え
綺麗な皮剥の身を厚めに切り、肝と和えたもの。濃厚な肝の味わいに負けることなく、身の味わいも確りと感じられます。
鮟鱇の唐揚げ♡
ムチっとした後、ふわりとする鮟鱇は旨味も抜群。鮨店で供される揚げ物は大好きです。
せいこ蟹♡
雌のずわい蟹の身と味噌、更には内子と外子も全て混ぜて込み、上から蟹酢の餡をかけたもの。仄かな餡の酸味が蟹の味わいの輪郭を確りとさせており、美味しい。
蕪蒸し
白川と聖護院かぶを使った蕪蒸しにぬるっとした金時草を飾ったもの。ここでも出汁の力強さがグッときて、ふわりとした蕪に包まれた白川が美味しい。
鮃
極上のモチモチ食感。咀嚼を重ねていく度に甘味が溢れてきます。
鰤♡
湯霜の後、出汁醤油で漬けにしたという鰤は濃厚な旨味と甘味が口に入れた瞬間から溢れます。
墨烏賊
醤油と酢橘の香りが印象的な墨烏賊。サクサクとねっとりが同時に味わえます。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られたジューシーな春子鯛は、甘味と旨味の塊のよう。
赤身漬け♡
千葉県銚子産。漬けにすることで、旨味が凝縮して累乗しています。
中トロ♡
口に入れた瞬間の口溶けが素晴らしく、鼻から抜ける香りも心地よい。
大トロ♡
岩手県大船渡産。大トロとは液体だったのか!と思うほどに濃厚なジュースが口の中に溢れます。
小鰭
煌めくような小鰭はキリリと〆してながらもジューシー。
車海老
綺麗なだんだら模様の車海老は香ばしさと甘味と香りが映えます。
鰆昆布〆
仄かなピンク色が可愛いらしい鰆は脱水されて旨味が凝縮して、とろけるような感じがたまりません。
親子丼♡
鮨店の親子丼といったら、やはりコレです。シャリは少量で鮭といくらが溢れます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、柔らかく旨味も溢れて香りも素晴らしい。
鮪のコラーゲンスープ
夜限定のスープ。昼に供されるあら汁も美味しいですが、上品な旨味が美味しい。
鰹♡
第一印象はふわりとする薫香。そして甘味と旨味がシャリの酸味ではっきりとして実に素晴らしい。
馬糞海胆♡
2階建て、いや3階建てのような馬糞海胆の軍艦。ズシリとくる重みは小田親方のお年賀ですw
喉黒♡
トゥルトゥル食感の身は昆布〆で脱水して旨味が凝縮。皮を軽く炙ることで脂が蘇るようで、濃旨な赤酢シャリにビシッと合います。
穴子♡
醤油を使わない爽煮の穴子は香りも楽しめ、食感は舌に絡みつくようでモフモフトロトロ。
玉♡
表面をキャラメリゼさせれた100%スイーツの玉。
2020年は飲食店においても近年類を見ない大変な年であり、未だまだ終わりが見えません。そのような中でも変わらぬ美味しさを提供して下さり、ありがとうございました。2021年もまた最強の昼鮨を楽しみにしています。将太さん、ありがとうございました!31000
2020.10.
職人の気概と濃旨な鮨が生み出す力強さ
通わさせていただいている鮨店の中には昼営業もしているお店もありますが、私が伺うはいつも夜。昼に伺う際にも、出来るだけ夜コースをお願いしています。その中で唯一、昼の握りのみのコースを求めて伺うのが銀座にある小田 将太さんが店主を担う「鮨 とかみ」。銀座という敷居の高さを感じさせないフレンドリーな接客と豪快な握りを供し、ランチは内容から考えてもかなりリーズナブルな鮨店だと思います。鮨は赤酢がガツンと効いたシャリを大きく握る男鮨で、私はデフォルトコースをベースとして更に追加で握っていただいている独自のランチコースになっています。
今回の献立
突先♡
心掴むいつもの初手。海苔の香りと鮪の旨味が濃旨なシャリと共にガツンとしたインパクトを与えてくれます。
真鱈のお椀
真鱈・白子・白木耳・かぶらの吸い物。吸い地の中で、それぞれの旨味が確りとしていて美味しい。
真鯛
濃旨な赤酢シャリの旨味にも負けないような甘味が咀嚼する度に溢れてきます。真鯛も侮れない。
泥障烏賊
細く切られているので、口溶けも良くて甘味も確りと感じられます。
平貝
極上のサクサク食感と柚子の香りが心地よく響きます。
鰤♡
冬に食べるような濃厚さはまだないものの香りは素晴らしく、食べ終えても尚続き、旨味の余韻も長い。
牡丹海老♡
「nao.さんの為に用意しました」と供されたのは、特大の牡丹海老。さすがにコレを一貫にするのはムリなので、塩と醤油で。プリプリ感と舌に絡みつくような甘味が極上。将太さん、ありがとうございます!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていてジューシーな仕上がり。
鰻松♡
宍道湖の天然鰻と岩手県産の松茸を合わせた鰻松丼。しかしほぼ松茸という分量が可笑しいww香りと食感と旨味が幾重にも重なり合う素晴らしさ。
赤身漬け
今回は宮城県塩釜産。酸が程よく、漬けにすることで脱水と底上げされたような旨味が溢れます。
中トロ♡
口溶けよりも旨味のコクが跳ね上がって、じっくりと美味しい。
牡丹海老の頭♡
先程の牡丹海老の頭を炙ったもの。なんだ、コレ?液体のようにトロトロです。
大トロ♡
最早、液体!極上の旨味を備えたジュースでしかないです!今回の鮪は実に旨味が濃くて、美味しい。
鮟肝ご飯♡
まるで、某おでん店の『とうめし』のよう。オレンジ色に光る鮟肝は濃厚な味わいで、舌に絡みつきます。
小鰭
キリリとした酸と旨味が確りとした小鰭。素晴らしき爽やかが駆け抜けます。
車海老♡
仄かな人肌、甘味も香りも素晴らしい。
鰆
仕立ては昆布〆。トロリとしてふわりとした食感の中で、ビシッとした昆布の旨味が映えます。
親子丼♡
鮨店が作る親子丼と言ったら、コレですね。生のいくらなので、皮がほぼないに等しく飲み物みたいwwパリパリとしている鮭の皮との食感のコントラストがあって美味しい。
煮蛤
ジューシーな旨味がこの赤酢シャリと素晴らしいマリアージュを生み出します。
秋刀魚♡
将太さんが箱をひっくり返して、選びに選んでくれた秋刀魚。脂というよりは、この香りが素晴らしい。
鯵
マッチョさも感じるような締まった鯵で、旨味が強い。
北紫海胆♡
笑いながら供された北紫海胆の軍艦を持った瞬間に、私も笑う。重っ!ww
あら汁
「そう…葱たっぷりで…」そんな小声を聞いて供されたのは、あら汁。しかし、この量が…ww
喉黒♡
トゥルトゥルの喉黒は瞬でとろけます。やはりこのシャリには脂や旨味の強い種が非常に合います。
穴子♡
醤油を使わずに煮付けられた穴子は、真白で香りも感じられる仕立て。布団のようにモフモフ食感の後、舌に絡みつくようにトロリとします。
カマトロ♡
今回も用意して下さいました。「シャトーブリアンですww」と供されたのは、ニンニク醤油に漬けて炙ったカマトロ。鮪って何だろう?肉だったのか?と考えさせられるほどに肉々しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ系の玉。印象に残りやすい最初と最後はお店の顔とも言える種です。
やはり鮨店に来たならば、肴よりも鮨を食べたいという私の思いを期待以上の鮨で応えて下さる将太さんの心意気にいつも感謝しかありません。今回も美味しく楽しい鮨をありがとうございました!また宜しくお願いします♡32560
今回出逢えたお酒
瀧自慢 純米 大吟醸 銀ラベル
クラシック 仙禽 亀ノ尾 2020
東洋美人 純米大吟醸 白鶴錦 槽垂れ
2020.5.
コロナ禍で休業やテイクアウトのみの営業をしている鮨店が多い中で、普通に営業していて空席もあり、馴染みのお店ならばやっぱり応援を込めて行きたい。で、やってきたのは銀座にある「鮨 とかみ」。店主・小田 将太さんの握る鮨はかなり大きくて、大好きな濃旨な赤酢シャリを存分に堪能でき、更に素晴らしいCPというのも魅力的な鮨店です。
今回の献立
突先♡
初手はやはりコレ。鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。海苔の香りに包まれながら、旨味の濃い突先が「鮨とかみ」に来たと実感させます。
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を南蛮漬けに。鯵にはない稚鮎のほろ苦さがとてもよく合います。
真鯛
身には確りとした食感があり、噛むたびに甘味が引き出されていくかのようで、濃旨な赤酢シャリにも負けません。
泥障烏賊
かなり細かくしているので、甘味が瞬時に感じられて口溶けも早い。
平貝
心地よいサクサク感で、柚子の香りが華やぎます。
白海老
生の白海老だそうですが、クセなどは微塵もなくて、ただ甘味だけが凄い。
烏賊唐墨♡
前回の感動をもう一度!薄く切った自家製唐墨を軽く炙り、墨烏賊の下に入れて握られます。この唐墨は全くしょっぱくないので、旨味だけが加わる感じです。実に美味しい♡
鳥貝♡
京都府舞鶴産。今年もあまり良くないそうで、この一貫の為にお店にあった鳥貝を全部剥いてもらって選んできたという感謝しかない鳥貝。ワタは少ないながらも、肉厚で食べ応えもあって美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆ていながらも、瑞々しさが残っていてジューシー。
赤身漬け
今回は千葉県銚子産のもので、なんと2週間の熟成をかけたらしい。夏にかかった鮪は爽やかな味わいで、食べ終わるとふわりと香りが鼻から抜けます。
中トロ♡
やはり2週間の熟成は素晴らしく、口溶けの早さが尋常じゃありません。まるで液体のよう。
大トロ♡♡
先程の中トロがそうだったのだから、この大トロも想像はつきましたが…やはり口溶けの早さが凄い。中トロに比べると、コクがあって美味しい。
カマトロ♡♡
今回はカマシタではなく、本当のカマの部位らしい。特製のニンニク醤油に漬けてから炙って握られるこのカマトロは、まるで肉。毎回確実にあるわけではないけど、いつも用意して下さる心遣いに感謝。
小鰭
「ちょっと小さいので、2枚ね」と供された小鰭は珍しい2枚付け。旨味と酸が心地よく、口の中に広がります。
車海老
火入れも素晴らしい半生状態で、甘味と香ばしさも感じられて美味しい。
鰆昆布〆
口の中でふわりと昆布の旨味がし、鰆のほわんっとした甘味が滲み出ます。
鶏魚
これから旬を迎える夏を告げる魚の鶏魚。皮目を軽く炙って、脂を引き出しています。
太刀魚の蒲焼♡
定番となった焼魚シリーズ。今回はそろそろ終わりという太刀魚を蒲焼風にして、シャリと共にいただきます。元々ご飯と好相性なのだから味わいは勿論のこと、太刀魚のふわっとした身がたまらなく美味しい。来月からは金目鯛にしてみるそうで、それも美味しいに決まっています。
〆鯖
薄く3枚に切りつけてから重ねて握るアーティスティックな一貫。程よく口溶けて、シャリと混ざり合います。
鰹♡
生のまま燻製にすることで、確りとシャリに合う種となっています。薫香が一陣の風のように駆け抜けていくのが、とても印象深い。
煮蛤
低温調理をしているので柔らかく、色合いは薄いながらも噛み締める度に旨味が溢れます。
真鯵
爽やかな味わいがあり、肉厚なので口の中での存在感が凄い。
北紫海胆♡
たっぷりと使いすぎて崩れちゃうので、手渡しされた北紫海胆。香り高く甘味もあって、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。最近は豆板醤?を入れなくなったのでしょうか。辛味はありません。
馬糞海胆♡
馬糞海胆をシャリに混ぜ込んで、その上から酒や味醂で味を付けた海苔の佃煮を乗せた椀物です。構成は海胆の軍艦と同じですが、酒や味醂の調味料の甘味が馬糞海胆の甘味と合わさり、非常に美味しい。最近、ディナーではこんなスタイルの海胆を供しているらしく、素晴らしい発想です。
喉黒
皮目を炙ることで、身と皮の間の脂が蘇るよう。やはりこのシャリには旨味の強い種がよく合います。
穴子
香りも楽しめるように醤油を使わずに焚かれた爽煮の穴子。トロリとして、舌に絡みつきます。
玉♡
最後は表面をキャラメリゼした100%スイーツな玉。
今回も素晴らしい内容でした。シャリの旨味が強いので、それに合わせる種も鮪を中心にして強いものとなり、一貫一貫が力強い鮨が楽しめました。
今回も色々と用意して下さり、ありがとうございました!大変な時期ですが、お身体だけは気を付けて下さい。30360
今夜出逢えたお酒
生粋左馬 純米吟醸 生原酒
勝山 純米吟醸 献
2020.2.
鮨の聖地としても有名な街、銀座。多くの鮨店が点在する中で、私の胃袋をグッと掴んで離さない昼鮨があります。それが小田 将太さんが握る「鮨 とかみ」。ガツンと赤酢の効いた旨味の強い赤黒いシャリを大きく握ったコロンとした鮨が特徴的で、昼には13貫と16貫の握りコースのみを提供しています。勿論、デフォルトコースでも満足度はかなり高い中で、私がお願いしているのがシャリに合うものは何でも握ってもらうこと。夜コースをも凌駕するこのコースこそが、私の中で最強の昼鮨。今回も楽しませていただきます。
今回の献立
甘鯛と合馬たけのこの椀
甘鯛に京都の金時人参と法蓮草を入れ、聖護院蕪を使って、みぞれ椀仕立てに。出汁も強めに引いており、味わいが確りとした椀物。特に福岡県産の合馬たけのこの香りや甘味が素晴らしい。
金目鯛
程よく脱水されており、旨味が凝縮して美味しい。食べ終えて、口の中に残る甘味が印象的。
槍烏賊の印籠詰♡
大葉・蓮根の酢漬け・胡麻を入れた赤酢シャリを槍烏賊に詰めた印籠詰。歯がいらないくらいに柔らかな槍烏賊に驚き、シャリに混ぜ込まれた蓮根のシャリシャリとした食感とのコントラストが映えます。
泥障烏賊
細く切られているので、ねっとり感と甘味が秀逸。他店だと烏賊は塩が多いですが、醤油を使うことで香りも演出しています。
公魚とタラの芽の揚げ物♡
豆腐の水気を抜いてから裏漉しして、鯛の酒盗と合わせたものでいただく揚げ物。これが素晴らしく、美味しい。軽い味わいの公魚とタラの芽に強い旨味をぶつけて、鮨に負けない味わいになっています。
平貝
柚子香るサクサク食感の後から生まれる平貝の甘味が美味しい。
赤貝♡
ヒモも一緒に握る大好きな仕立て。やはりこのヒモを入れることで、食感も香りも抜群に跳ね上がります。
春子鯛
手で掴むとふわりとする春子鯛はジューシーで、甘味があって美味しい。
唐墨烏賊♡♡
他店ならば上から削るくらいだと思いますが、大胆に自家製の唐墨を薄切りにして炙ったものを肉厚の墨烏賊と一緒に握った一貫。凄い!サクサクとした墨烏賊の心地よい食感はありつつも、唐墨の旨味の塊が口の中で暴れ回る素晴らしいの一言です。
鰤大根♡
柚子香る甘く焚き上げられた鰤大根は脂もあり、大根も確りと味が染みていて、実に好みの味わい。
赤身漬け
今回の鮪は、静岡県下田産の140キロ。食べ終えても続く香りは素晴らしい。
メジマグロ♡
儚いような食感でありながらも、旨味は確りとして強い赤酢シャリにも負けずに美味しい。
中トロ
ゆっくりとしたとろけ方で、上品な旨味がシャリと混ざり合います。
大トロ♡
筋も全く当たらずにトロトロな鮪は、ちょっと温度のあるシャリの中で、旨味と脂が迸ります。
小鰭
旨味がグッとくる小鰭はジューシーで、キリリとした後味。
車海老
綺麗なだんだら模様が浮かぶ車海老は、甘味が秀逸。今回はちょっと温度高めかな。
鰆昆布〆
脱水された分、確り昆布の旨味が入り込んでいて旨味が強い鰆。
太刀魚♡♡
コンセントは焼き魚とご飯。不味いわけがない!素晴らしいマリアージュ。味は勿論のこと、口に入れた時の海苔と太刀魚の香りが凄い!
椀物
濃厚なアラ汁。ですが、量が…ww
煮蛤
色合いはライトながらも、旨味は強い煮蛤。
鶏魚
皮目を炙っている鶏魚は香ばしさと鶏魚本来の香りもあり、旨味と甘味も確りと。
〆鯖♡
薄切りを数枚重ねた仕立てなので、瞬時にとろける口溶けの良さ。
真鯵
上に乗せられた薬味の香りが華やぎ、肉厚で存在感のある鯵の旨味が暴れるよう。
北紫海胆♡
海苔と海胆が同時にとける様は、口の中で行われる数秒のドラマ。香りと甘味が映えて、実に美味しい。
馬糞海胆
コレも海苔と同時にとけますが、香りがあまりない分、甘味は強い。今回の好みとしては北紫海胆の方かな。
喉黒
口に入れた途端にジュースと化す喉黒は、まさにトロトロ。
穴子
布団のようなフワフワ感。爽煮なので、穴子の香りも確りと感じられます。
突先♡
旨味が強い頭の部位を使った手巻き。最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
玉♡
スペシャリテのキャラメリゼされた100%スイーツ寄りの玉。最近はよりプリン感が強くなっています。
「今の時期、魚の種類が少なくって…」と仰いながらもこの量を用意して下さり、ありがとうございました。今回の白眉的な一貫は、やはり唐墨烏賊と太刀魚ですかね。一瞬で違う世界へと連れて行ってくれるような衝撃的な味わいでした。
今回も実に美味しく、楽しませていただき、ありがとうございました。次回も楽しみです。ご馳走さまでした。28600
2019.11.
銀座にある「鮨とかみ」で、店主の小田 将太さんの心意気に感謝して、夜メニューを超える最強の昼鮨を今回も楽しみます。
本日の献立
突先♡
今回は最初に供された鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。デフォルトだと昼は最後のはずなのですが…最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
鯛と鯛の白子の炊き合わせ
歯を跳ね返すようなムチムチとした身の弾力と旨味の濃さが素晴らしい。
真子鰈
モチモチとした食感を楽しんでいると、濃旨なシャリと真子鰈の旨味が混ざり合います。
鰤♡
出汁醤油で漬けにしているので、鰤のクセは微塵もなくて余分な脂も抜けており、旨味だげが凝縮しています。
泥障烏賊
細く切りつけてから握っているので、口の中で溶けていきます。そして口の中に残るのは、泥障烏賊の強烈な甘み。
赤貝♡
ヒモも一緒に握っていることで、食感と香りが格段に違います。赤貝はやはり一貫で丸ごと使う仕立てが1番!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は驚くほどにジューシーで、フワフワな食感。
平貝
柚子香るサクサク食感の楽しさ。
うなまつ♡
肉厚な宍道湖産の天然鰻と岩手県産の松茸を贅沢に使った小丼。底にはシャリも入っていますが、ほぼ鰻と松茸。甘みのあるタレが私好みで、美味しい♡
赤身漬け
今回はちょうど鮪の入れ替えのタイミングだったそうで2種の魚体があり、思いがけずに鮪祭りとなりました。
まずは宮城県塩釜産202キロの背中の赤身を漬けで。出汁醤油の旨味で倍加した赤身は味わいも濃く、食べ終えた後に鼻から抜ける香りも素晴らしい。
血合いぎし♡
魚体を変えて、青森県龍飛産190キロの血合いぎし。こちらの方が香り高く、食べた瞬間に鮪の香りが花開くよう。やはり、血合いぎしは素晴らしい。
中トロ♡
青森県龍飛産98キロの背中側の中トロ。小型の鮪なので身質も柔らかくて、とろけ方も素晴らしい。香りでは血合いぎしには負けますが、旨味が濃くて美味しい。
大トロ♡
また宮城県塩釜産の魚体に戻って、大トロの霜降り部位。噛み締める度に溢れる旨味は尋常ではなく、旨味という一種の暴力です。
大トロ♡
最後は、青森県龍飛産の大トロの砂ずり部位。厚みのある身にズズッと歯が入ると、溢れる旨味とコク。見た目からも美味しさが伝わるかと思いますが、実際はもっと美味しい♡
あん肝ご飯♡
「今日は、あん肝大きすぎましたね」と供された小丼に入っているのは、甘く炊き上げたあん肝とシャリ。しかしながら、ほぼあん肝というアンバランスさが嬉しい!シャリと混ぜ混ぜして食べる素晴らしいお酒のアテご飯です。
小鰭
鮪からあん肝までの流れをクールダウンするかのような小鰭。けれど、小鰭もかなりジューシーで旨味溢れます。
車海老
半生よりも更にちょっとだけ火を通した車海老。甘味と香ばしさが確りと感じられます。
いくら親子丼♡
またしても小丼。その中身はキラキラと輝くいくらとそのいくらに溺れるように入れられている銀鮭。このいくらが凄い。まるで球体のジュースのようで、いくらの薄皮すらも感じさせないくらい。弾けるというよりは溶けるようないくらです。
唐墨♡
大きな唐墨をザックリと切ってから軽く炙れば、最高の肴に。
鰆昆布〆
昆布は旨味を乗せて、ふわりと香る程度。口の中でじゅるりと溶ける鰆は、甘味を残しながらふっとなくなります。
煮蛤
色合いはライトながらも、確りとジューシーな煮蛤は柔らかくて、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。今回は濃度も味わいも丁度いい。
鯵
爽やかな脂と旨味が駆け抜ける鯵。肉厚で口の中での存在感がバッチリです。
馬糞海胆♡
軍艦巻きにまるでタワーのように山盛りされた馬糞海胆。口の中で感じるのは、ほぼ馬糞海胆という口福感です。
喉黒♡
身の方は昆布で脱水させ、皮は軽く炙って脂を引き出しています。濃旨の赤酢シャリにはやはりこういう種がよく合います。
カマトロ♡
「いつも運がいいですよね」と出していただいたのは、カマトロ。切りつけてから、ニンニクがガツンと効いた特製タレで漬けにしてから炙って握られます。魚を超えるまるで肉のような存在感。美味しい♡
穴子♡
舌に絡みつくようなトロトロな穴子。爽煮なので、穴子の味や香りも楽しめます。
玉♡
最後の〆の玉まで抜かりない味わい。表面をキャラメリゼした鮨店の玉には珍しく100%スイーツに振り切った味わい。
小田さんご自身も握りが好きで、中毒性のある赤酢シャリは大きくて食べ応えもあり、昼鮨としては最高です。特に今回は思いがけず数種類の鮪に出逢えて、幸せでした。旬のものとしては、やはり『いくら』が秀逸で、全く薄皮を感じさせない素晴らしい仕立てで美味しかったです。
本日出逢った日本酒
賀茂金秀 特別純米 13原酒
而今 特別純米 火入れ
十四代 超特撰 純米大吟醸
栗林 純米火入れ 六郷東根 ピンクラベル
磯自慢 大吟醸 水響華
クラシック 仙禽 亀ノ尾
今回も感動をありがとうございました!次回は2020年の鮨初め、今から楽しみです。33000
2019.8.
きっと予約で一杯だから無理と思いつつも、ダメ元で連絡してみた銀座にある「鮨とかみ」。奇跡的に希望していた日付で空きがあるとのことで、スキップしながらやってきたわけです。
戸を開けると、「毎度!」と威勢良く挨拶して下さったのは、店主の小田 将太さん。「やま幸」の鮪をはじめとする種はどれも素晴らしく、銀座でありながらもランチは驚くほどにリーズナブル。特徴的な濃旨の赤酢シャリは、女性でも容赦のない大きさで握られていて、多くの食べる人を魅了しています。
本日の献立
鰹 特製玉葱ドレッシングで
先付は鰹。上から盛られた白葱・生姜・茗荷・大葉・カイワレのたっぷり薬味で清涼感があり、最後に鰹の旨味や甘味がグッときます。
目痛鰈
西関東〜九州地方では高級魚だそうですが、関東では珍しい魚。星鰈よりも甘味と旨味があり、香りもいい。
新烏賊♡
墨烏賊の赤ちゃんの新烏賊。まだサクサクという食感ではないですが、この儚いような食感が好き。
平貝
柚子香る平貝は、サクサクの食感と甘味が映えます。
石垣貝♡
ワタの方を軽く炙っており、香ばしさと甘味が素晴らしい。ザクザクとした食感も素晴らしい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていて、瑞々しくジューシーな味わい。
鰻松♡
「握りではないですが、やはり出さないとね」と供していただいたのは、秋の味覚。
宍道湖の天然鰻は締まった肉厚で、脂もありながら旨味が素晴らしい。岩手産の早松茸は、香りが抜群。新潟産トウモロコシのかき揚げは、激烈に甘い。
赤身漬け
宮城県塩釜産127キロ。出汁醤油の旨味が上乗せされて、鮪の旨味がギュッと凝縮してます。食べ終えて、鼻から抜ける香りも心地よい。
中トロ♡
同じ魚体の背の部分。脂の口溶けよりも旨味が勝る素晴らしい味わい。
大トロ♡
口溶けはさすが。でもやはり旨味が強く、鮪の味が濃い。夏の鮪もいいですね。
新子
3枚付けの新子は、ふわりと柔らか。夏の江戸前鮨の粋を感じる一貫。
小鰭♡
脂もあり、旨味も迸ります。やはり、美味しさでは小鰭の方がいい。
車海老
いつものブレのない完成度。感じる甘味と温度は実に好み。
鰆昆布〆
切りつけの厚い鰆はねっとりとして、ふわりと香る昆布の旨味に酔いしれます。
鱒子♡
いくらよりも瑞々しく、まるで飲み物のような鱒子。薄皮すらも感じさせない口溶けの良さは素晴らしい。
縞鰺♡
高知県産の天然もの。身も締まっていながらも脂もあり、旨味も感じます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、確りと旨味が染み込んだ煮蛤。柔らかく、ジューシー。
椀物
名物の魚のアラを使った濃厚な味噌汁。けれど、今回はちょっと濃度が高め。
鰯♡
この口溶けは鮪をも超えます。この鰯を食べて鮪が美味しくなるのが分かる気がする濃厚な旨味が実に美味しい♡
真鯵♡
肉厚の真鯵は爽やかな脂があり、食べ終えて残る旨味と甘味も素晴らしい。
喉黒♡
シャリの温度でも溶けるような喉黒は切りつけも厚くて、食べ応えが抜群。ふわりと香る昆布も印象的。
赤海胆♡
一滴の水分も入っていないような濃厚な味わいで、ただ甘いだけではなくて、その甘味の中に苦味もあって複雑な旨味があります。
カマトロ♡
「いつもあるわけじゃないのに、nao.さんご来店の時はよくありますね」と笑いながら、供してくれたカマトロ。ニンニクや生姜が効いた特製タレに漬け込んで軽く炙ってから握っています。かなりパンチがあるタレなのに、存在感のある鮪。小田さん、いつもありがとうございます。
穴子
初見の方は驚く真白な穴子。ふわりと口の中で崩れて、舌に絡みつきます。穴子の香りも楽しめる一貫。
突先♡
頭の部位である突先を使った手巻き鮨。いつもながらに卑怯なくらいに美味しいスペシャリテ。
玉♡
コース料理の中で、やはり最後に食べた物が一番印象に残るといいます。この表面をキャラメリゼした独特の玉は、多くの鮨店の中でも抜群の存在感を示しています。
今回もディナーを超える怒涛の握りコースは、揺るがない私の最強の昼鮨です。今回は江戸前鮨の粋である新子や新烏賊を同時に味わえる素晴らしいタイミングで、まだまだ暑いですが確実に季節は進んでいることを確認出来た内容でした。
今回も素晴らしい心意気をありがとうございます!秋を感じる頃に、また宜しくお願いします。28944
2019.5.
鮨の聖地と言われている銀座。建ち並ぶ高級店がまだ目覚めていないこの街で昼から鮨を食べるのが、私は好き。ここ数年、昼鮨の最高峰と思っているのが「鮨とかみ」です。店主の小田 将太さんの握りは、一言で言うと大きい。美しい形の握りではないかもしれませんが、「鮨 とかみ」の独特の濃旨な赤酢シャリをガツンと食べることが出来るので、私は大好きです。夜は肴も供していますが、昼は
13貫と16貫の握りコースのみ。私はいつも16貫コースを食べていて、更に他に何かないの?と毎回強請るので、「どうせ食べるんだから、最初から」という流れと小田さんも握りが好きだからという理由で生まれた私のコース。今回も勿論、お願いしました。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
変わっているのは揚げたてで、温かいこと。稚鮎のほろ苦さが確りと味わえて、美味しい。
鶏魚♡
佐賀で買い付けた有田焼の新しい置き台に置かれた夏を告げる種。脂が特に乗ってる腹の部位を握っていただきました。口に入れた瞬間からガツンとくる旨味は、食べ終えてもまだ存在感があります。
泥障烏賊
酢橘と煮切り醤油の香りでいただく泥障烏賊。サクサク食感の墨烏賊もいいけど、ねっとりと甘味を味わうこの烏賊も素晴らしい。
赤貝♡
特大の赤貝。中にヒモも一緒に握る、一貫で丸々1個の赤貝を使う特別使用。独特の瓜のような香りやザクザクとした食感の全てが美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた瑞々しい春子鯛。甘味も感じられて美味しい。
白海老
旨味と甘味がギュッと凝縮した白海老。濃旨な赤酢シャリにも負けない種です。
鰹♡
モチモチとした食感の中で、華やぐ鰹の香りがふわりと鼻から抜けていきます。脂がない分、この香りで食べさせる鰹です。
赤身漬け
宮城県塩釜産200キロという小型を好んで使う小田さんとしては珍しい巨体。旨味が凝縮して、後から追いかけてくるような香りも心地よい。
中トロ♡♡
岩手県大船渡産60キロ定着。実は去年のものだそうで、マイナス60度で保存していたという隠し財産。とても去年のものとは思えないほどの口溶けの素晴らしさ。
大トロ♡
赤身と同じ魚体。大きな魚体ですが、口溶けも良くて、旨味も濃い。食べ終えて、鼻から抜ける香りも楽しめます。
小鰭
キリッとした爽やかのある小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老
半生に茹でられていて、甘味が秀逸。毎回、一分のブレもない仕上がりです。
太刀魚の蒲焼き♡
太刀魚を使った新作は、蒲焼き。コレも素晴らしい出来映えです。太刀魚は焼物の定番ですが、焼いてからの握りは鉄板の美味しさがあります。
鰆
昆布〆で脱水されて、旨味が凝縮した鰆。鰆の甘味と昆布の旨味が絶妙に融合しています。
煮蛤♡
特大の煮蛤。相変わらずのジューシーさで、噛み締める度に溢れる旨味がたまらない。
蝦蛄♡
見た目がちょっとアレなので、苦手な方も多いですが「好きでしょ?」って言って、大きめのものを握って下さいました。さすが、私の好みをよくご存知だ。甘く焚かれた蝦蛄は、香ばしさと海老と蟹を合わせたような旨味があって素晴らしい味わい。
梭子魚ご飯♡♡
鉄板の美味しさの塩焼き魚シリーズ。今回は、梭子魚。滅多に出して下さるお店はないですが、魚の塩焼きにご飯という組み合わせが合わないはずがない。パサパサすることが多い梭子魚ですが、絶妙な焼き加減でジューシーさもあり、シャリに忍ばせた紫蘇の香りも華やぎます。
鯵♡
肉厚で、爽やかな脂が駆け抜けていく鯵。口溶けも良くて美味しい。これからもっと美味しくなる期待の種です。
赤海胆♡♡
山口県産の赤海胆を贅沢にたっぷりと使って握って下さいました。口に入れた瞬間、むせかえるような香りと水分が全く感じられないような極濃厚な旨味が素晴らしい。
北紫海胆♡
上に乗せた北紫海胆の重さで、軍艦が崩れそうww赤海胆が旨味ならば、北紫海胆は香りを楽しむ海胆。甘さのある香りが口いっぱいに華やぎます。
喉黒
皮目はフワフワしていて、身には昆布の旨味が浸透している喉黒。軽く炙って火を入れていますが、白身としての旨さも味わえる仕立てです。
炙り霜降り♡
カマが今回はないそうで、それに近い霜降りの部位を炙って下さいました。勿論、生でも美味しいですが、炙りはまた格別。
穴子
爽煮の白い穴子は柚子の香りが映え、トロリととろけながら、穴子の味わいも楽しめます。
突先♡
最後は旨味の強い鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。相変わらず、コレを〆に供するのは卑怯としか言えないくらいの旨さです。
椀物
濃厚なアラ出汁の味噌汁。何故か、コレも大盛りでww
玉♡
表面をキャラメリゼしたクレームブリュレと言っても過言ではない100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、美味しいのでアリです。
昔から「鮨 とかみ」と言えば、どの時期でも素晴らしい鮪に出逢えました。今もそれは何ら変わりませんが、その鮪に勝るとも劣らないほどの今が旬の魚達を握りで味わう。特に握り好きにとって、これ以上の幸せがあるでしょうか。今回も素晴らしいの一言です。
小田さん、スタッフの方々。今回も素晴らしい時間をありがとうございました。毎回、面倒な客で申し訳ないです。次回は、夏の魚が揃った頃に伺わせて下さい。宜しくお願いします。25920
2019.3.
銀座にある「鮨とかみ」は、いつもの昼鮨。でも「昼鮨じゃないよね?」と言われてる内容は、夜鮨をも凌駕するような私だけのスペシャルな握りコース。今回も用意して下さった親方の小田 将太さんに感謝です。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を温かい南蛮漬け仕立て。鮎のほろ苦さもあり、美味しい。
メジマグロのカマ♡♡
初手から凄い種。「今はメジマグロが美味しいんで!」と取って置いてくれたメジマグロのカマ。元々、濃厚な味わいの種は好きですが、それ以上にこの「鮨とかみ」の赤酢シャリにはガツンとした種がとてもよく合います。山葵と生姜を入れる珍しい握り。
泥障烏賊
細かく細切りにすることで、泥障烏賊の良さの甘味を引き出して、シャリとの一体感も生まれています。
赤貝♡
「おっきいね!」
「1番デカいやつです」
こういう心遣いが嬉しい。シャリとの間には醤油漬けのヒモを入れて、赤貝丸々1個を味わえるように握っています。個人的には、この握り方が1番好き。口の中で食感と香りが華やぎます。
真鯛
今は鯛が美味しい時期だと言う。関西に比べて、関東はあまり重宝していない鯛ですが、私は好き。モチモチとした食感の後に来る甘味がたまりません。
金目鯛の腹♡
昆布〆した金目鯛の1番脂の乗っている腹の部位を大胆に切りつけて握ります。程よく脱水されていて、昆布の旨みが上乗せされています。腹の部位が好きということは、もうバレているみたい。
目抜♡
真っ赤な魚体に、飛び出した目が特徴のメバル仲間。握りでは初めて食べる魚です。「春らしさを出したくて」と、これも厚く切りつけてから桜の葉で蒸して握られます。口に入れると、ふわりと広がる桜の香り。身は上品な脂で、ムチっとしていて美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は柔らかくて、瑞々しいフレッシュ感があります。
赤身漬け♡
「鮨とかみ」では小型の鮪を使うことが多い中で、今回は珍しくも千葉県勝浦産220キロオーバーもの。漬けとしては即席ですが、鮪の香りも感じられて美味しい。
中トロ♡
香りと口溶けは、この中トロが1番バランスがいい。
大トロ♡
蛇腹の部位で口溶けも良く、味も濃くて素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中の鮪の脂が洗い流されていきます。
車海老
半生で仕上げている車海老。いつもながらにブレもなくて、香ばしさと甘味が秀逸。
鰆昆布〆♡
口に入れた瞬間に溶けてなくなります。旨味が凝縮した鰆。
太刀魚♡
「いいの仕入れたんですよー」と見せてくれた太刀魚。なんだ、この身の厚さは!しかもこれを塩焼きにして握るという。私のスペシャル握りコースならではの仕立てです。
焼き立て熱々の太刀魚を握ってから、海苔で巻いて手渡しで。コレは、美味しい♡太刀魚の塩焼きは鮨店では定番ですが、握りが1番美味しい!
ちなみに来月はコレを照り焼きにして握るかも?と仰ってたので、来月に行かれる方は出逢えるかな?
細魚
木の芽を挟むことで、口の中で爽やかな香りが駆け抜けていきます。
煮蛤♡
低温調理された色合いはライトながらも、旨味が迸る煮蛤。
〆鯖♡
薄くスライスしているので、〆鯖はシャリとの一体感が生まれます。鯖をガツンと感じる握りも好きですが、バランス系もいい。とりあえず、〆鯖は最高!
海胆♡
「デカシャリと海胆がウリなんで!」って、小田さんは仰るけど…やはりおかしい。フツーは、一列使わないよね?
椀物
この量だからこその濃厚な味噌汁。
喉黒♡
身を昆布〆して、皮を炙ることで滴るような脂を呼び起こして握っています。白身ながらも、トリを務める素晴らしい味わい。
カマトロ♡♡
切る前も肉っぽいですが、漬けにしてから炙ったら更に肉っぽい。実に美味しい♡信頼で得られた一貫です。小田さん、ありがとうございます!
穴子♡
鰻?と思えるほどの極厚の穴子で、小田さんのおっきなシャリをくるりと包むように握っています。穴子は酒と水のみで焚いている爽煮で、香りも味も残る究極のトロトロです。
突先♡
最後に供されるのが、この『突先』。旨味の強い頭の部位を使った鮪の手巻き鮨。いつもながら、コレを最後に供するのは卑怯だと思いますw
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですが、素晴らしく美味しい。
握りの大きさからも分かるように、小田さんが握り好きなので、「握れる種は、全て握る」というのがこのコースのコンセプト。毎度のことながら、今回も凄かった!
小田さん、いつもありがとうございます!次回は5月ですね!宜しくお願いします。23760
2019.1.
2019年の鮨初めは、銀座にある「鮨とかみ」。鮨店の中では1番付き合いが長く、気心の知れたお店であり、大将の小田 将太さんもとてもフランクな方なので、居心地の良い鮨店です。銀座の昼鮨としては素晴らしいCPなので、いい鮨店ない?と聞かれると、真っ先に思い浮かぶお店です。ランチと言いながらも、毎回毎回ランチコースではない内容にいつもなっているのですが…。
今日の献立
先付 干し数の子と若布
今回は、干し数の子と若布。旨味がぎゅっと凝縮した数の子は、バリバリとした食感もご馳走。
鮃
モチモチ食感を楽しんでいると、旨味の強いシャリと鮃の甘味が混じり合います。
墨烏賊
酢橘と塩ではなく、醤油で。醤油の香りが墨烏賊に映えます。
平貝
サクサク食感の心地よさの中にある柚子の香り。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は瑞々しく、フレッシュ感を感じさせます。
赤身♡
中トロ
大トロ
今回の鮪は、青森県大間産120キロもの。さすがはトップシーズンの鮪!香りも甘味も素晴らしく、脂も申し分ないです。特に赤身が吸い付くようなキメの細かさで、とても美味しかった。
砂ずりの大トロ♡♡
「ちゃんと取っておきました!」と満面の笑みで供してくれました。信頼が獲得した一貫です。口に入れると瞬時に溶ける脂は、まさに大トロらしい味わい。
槍烏賊の印籠詰♡
江戸前の伝統的な仕事の印籠詰。子持ち槍烏賊の時期にも食べたい。
小鰭
口の中をリセットさせるようなキリッとした味わいの小鰭。きっと本来ならば、折り返しとなる種なのだろうなぁ。
鮟肝ご飯♡
シャリと鮟肝の割合が1:9という、ほぼ鮟肝なご飯。ぐちゃぐちゃに混ぜてから、スプーンでいただきます。
鰆昆布〆
鰆の甘味に昆布の旨味が確りと乗っており、口の中に入れた瞬間に感じる鰆の存在感も素晴らしい。
車海老
完全に火が通る寸前のような火入れで、甘さや香ばしさも感じられる、いつもながらにブレのない車海老。
鰤♡
部位としては、砂ずりのあたり。鮪で言えば、大トロでしょうか。真空状態で保存することで脂を身全体にまわしているそうで、口溶けも格別。
煮蛤
低温調理された煮蛤は色合いがライトですが、確りと味は染み込ませており、噛み締める度に溢れ出します。
〆鯖
〆ているのを忘れるようなフレッシュ感のある鯖。薄く3枚に切られているので、シャリと素早く混ざり合います。
九絵♡
小型ながらも、とてもよい九絵だったそうで、ネットリと舌に絡むように甘さが広がります。この赤酢シャリにも負けない味わいです。
唐墨♡
ちょうど常連さんだけになったので、本格的にやりたい放題にwこんなカラスミ出されたら、日本酒飲みたくなります。このお店では久々。選んでいただいたのは、小田さんのお気に入り『山形県鶴岡市 亀の井酒造 くどき上手 純米大吟醸 白鶴錦33%』。
北紫海胆 新年スペシャル♡♡
「新年だから、海胆は盛らないとねー」と言いながら、モリモリ。今日5名がドタキャンしたから、おかしくなっちゃったの?というくらいに、山盛りの海胆w
メジマグロのカマ♡♡♡
「この間、メジのいいのがあったので取っておいたんですよー」と掌と同じくらいのカマを手にとって、出刃で捌いていくと…「え?一貫分?」
コレは本当に凄かった!まるで、肉です。それでいて脂はさらりとして、素晴らしい味わい。
喉黒
身の部分は昆布〆にして、皮目を軽く炙ってから握っています。程よく脱水と昆布の旨味を身に纏っていて、ただとろけるだけの喉黒とは一線を画す味わい。
穴子♡
プルプルで、舌に纏わりつくようなとろけ方の穴子。今回のは非常に好み。
突先♡
最後は勿論、コレ。海苔の香りも、突先の濃厚な旨味も〆としては素晴らしい。
お碗
極濃厚なあら汁は、いつも美味しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、実に美味しい。
今回もデフォルトコースを逸脱した素晴らしい握りコースでした。元々、つまみでお酒を飲むよりも握りを食べるの方が好きなので、「鮨とかみ」の昼鮨はたまりません。そこにわざわざ取り置きして下さるスペシャルな種が加わることで、天井知らずの満足度があります。いつもいつも良くして下さる小田さんの気遣いに感謝!
次回は未定ですが、今年も定期訪問するのは確実な鮨店です。今年もどうぞ宜しくお願いします♡25920
2018.10.
個人的に昼鮨の最高峰と感じているのは、銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんの接客は、初見の方でも緊張を感じさせないほどにフランク。常連ともなれば、これほどに居心地いいお店はないかもしれないです。
本日の献立
梭子魚の燻製と玉葱ポン酢
先付。梭子魚はふわりと薫香をつけていて、切りつけも厚くて存在感もバッチリ。
鮃
白身ながらも程よく脂も感じられて美味しく、後からシャリの旨味が追いかけてきます。
墨烏賊の下足
身はどこのお店でも出されますが、下足を出しているのは珍しいのでは。身よりも旨味が強く、食感も楽しめて美味しい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆た春子鯛は、皮目も柔らかで瑞々しくもジューシー。
赤身漬け ♡
青森県大間産の159キロ。香りが素晴らしい。
中トロ
同じ魚体。バランスは1番いいかもしれない。
大トロ ♡
霜降りの部位で、口溶けもドッパーンって感じ。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老 ♡
いつもながらにブレのない車海老。温度・甘さ・香ばしさ、全てが完璧な仕上がり。
鰆昆布〆 ♡
口の中に入れると、瞬間的になくなるような食感。昆布の旨味の奥にある鰆の甘さも愛おしい。
いくら小丼 ♡
フツーはいくらの軍艦巻ですが、私は小丼仕立てに。いくらの薄皮は殆どないに等しく、まるで卵かけご飯のような感じになります。美味しい♡
煮蛤
低温調理された煮蛤は、ライトな見た目とは裏腹にかなりジューシー。
鮟肝ご飯 ♡
以前も食べた鮟肝ご飯。大きな鮟肝をぐちゃぐちゃにシャリと混ぜて、いただきます。濃い目に味付けられた鮟肝と赤酢のシャリが絶妙に合います。素晴らしい味わい。
海胆
これでもかと盛った海胆タワーは、なんと3段。軽やかな甘さとプリン体の食感を十分に楽しめます。
秋刀魚 ♡
旬の魚は実に美味しい。見た目はフォトジェニックで、味わいはエクセレント。
喉黒 ♡
身は昆布〆に、皮目はサッと炙ってから握られます。口の中で目覚めるように喉黒がシャリと共に溶けていきます。
鰤 ♡
北海道羅臼産。濃厚な脂と舌にまとわりつくような旨味が印象的で、食べ終えてもまだ残る存在感。濃厚な種には、やはりこの赤酢シャリは真価を発揮します。
太刀魚 ♡
某店のオマージュ。ちなみに銀座のあのお店ではなく、渋谷のお店の方です。イメージは太刀魚の塩焼きで、つまみではよく供されますが、ご飯と食べられる握りの方が好き。
牡丹海老昆布〆
ねっとりと舌に絡みつく牡丹海老は昆布〆で脱水されており、旨味がギュッと凝縮してます。赤酢シャリにもバッチリ。
椀物
少量ながらも、濃厚なあら汁。
穴子
穴子の香りを大事にした爽煮。煮つめもごく少量なので、穴子という魚を楽しめます。
突先 ♡
〆の突先巻き。毎回思いますが、最後にコレを出すのは反則でしょう。最初に出すのも反則ですが(笑)
玉
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですね。
「どうせ、何を出しても食べるでしょ?」と言って、シャリと合わせられる種を全て出していただきました。なので、どれがデフォルトでどれを追加しているのか、分からないのでご容赦くださいませ。
小田さん、いつもありがとうございます。ランチがなくならないよう、頑張ってくださいね。またお願いします。19440
2018.8.
私の中で銀座の昼鮨の最高峰と思っているのが、「鮨 とかみ」。夜は『おまかせコース』のみですが、昼は10・13・16貫から選べる『握りコース』のみを提供しています。この中で断然オススメするのが、16貫コース。このコースには有名な鮪問屋の「やま幸」の極上鮪の大トロ、てんこ盛りの海胆や高級白身魚の喉黒が含まれていて、12000円と銀座の中ではとてもリーズナブル。もし13貫を食べるならば、シャリは言えば小さくしてくれるので16貫がオススメなのです。
本日の献立
先付
熊本県産 長茄子、北海道噴火湾産 毛蟹、沖縄県産 島オクラを土佐酢ジュレで。土佐酢の爽やかさの中で映える毛蟹の甘味がとても印象的。
星鰈
心地よい歯応えを楽しんでいると溢れる星鰈の旨味が濃旨な赤酢シャリと混ざり合います。
泥障烏賊
薄くそぎ切りすることで、甘みを感じながら溶けていきます。酢橘の爽やかさと煮切り醤油の香りが後から鼻に抜けていきます。
平貝
サクサク食感の平貝に柚子の香り。美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで優しく〆られた春子鯛は瑞々しく、ジューシー。
宍道湖産天然鰻&松茸(追加) ♡♡
「きっと食べると思って、最初から用意しました」と言って供されたのは、夜メニューの一品。赤酢シャリの上に宍道湖の天然鰻をパリパリに焼いて、更に上から松茸を乗せた『うなまつ』。マズいわけがない!松茸はふわりと香り、鰻がこのシャリとよく合います。
北海道噴火湾産 赤身漬け
今回の鮪は全て同じ魚体で、37キロのもの。小型ということで、赤身はライトな感じ。
北海道噴火湾産 中トロ ♡
ここからこの小型鮪の本領発揮。脂も香りもいい。
北海道噴火湾産 大トロ ♡♡
筋がありますが、小型ということで全く歯に当たることがありません。口の中で瞬時にとろけながら、香り高い。
小鰭
口の中をリセットする小鰭。でもこれもかなりジューシーです。
車海老 ♡
温度や甘みが秀逸で、とろけるような車海老。いつもブレがない美味しさ。
縞鯵
甘さのある脂が口の中にいつまでも残ります。
鰆
昆布〆された鰆は旨味が凝縮して、更に昆布の旨味が上乗せされているので、美味しい。
煮蛤 ♡
低温調理された煮蛤は、見た目よりも旨味がグッときます。
真鯵 ♡
かなりの肉厚で爽やかな脂があり、青魚の香りもいい。
北紫海胆 ♡♡
もはや握りじゃないwすごいボリュームの海胆が流れています。
椀物
濃厚なアラ汁。
喉黒 ♡
身は昆布〆して、皮目は軽く炙って握られます。炙ることで脂が溶け出し、このシャリと混ざり合います。
穴子
白く焚かれた爽煮の穴子に、濃厚な煮詰めをつけて。穴子の香りも残っていて、舌に絡みつくような感じ。
突先 ♡
鮪の頭の部位で筋が多いながらも、その味わいは濃い。それを手巻きでいただきます。最後まで実に素晴らしい!
新烏賊(追加)
墨烏賊の赤ちゃんである新烏賊はちょうど1つで、1貫のベストサイズ。同じ赤ちゃんである新子よりもずっと好きです。下足も出してもらいましたが、烏賊の旨味としては下足の方が強め。
石垣貝(追加) ♡
貝毒の影響で、通年よりも1カ月遅い提供という石垣貝。生命力が強く、ポンと叩くと反り返って逃げますwいや、ホントに。とても肉厚で、香りも素晴らしい。
北海道噴火湾産 カマ下の下(追加) ♡♡♡
「ずっと取っておきました!」と言って出してくれたのは、珍しいカマ下の下。常時あるとは限らないカマトロやカマ下だと脂が強すぎるので、大抵はさっと炙って余分な脂を落としてから握っているのですが、コレはそこまではないということで生で。口に入れた瞬間にとける衝撃的な美味しさ!まるで、鮪のジュースです。見た目も味わいも、魚という域を超えています。
玉♡
クリームブリュレを思わせる完全にスイーツ的な名物の玉。美味しい♡
店主である小田 将太さんの握りは、かなり大きい。それは旨味の強い赤酢シャリの絶対的な自信とこのシャリをいっぱい食べてもらいたいという思いの表れ。そして、それに合わせて種の切りつけは、銀座らしからぬ厚みがあって口の中での魚の存在感は圧倒的。特に今回は鮪の厚みは群を抜いて、凄かったです。
最近は行く度に「他に何かないの?」と要求することが多くて、私の来店日に合わせて何かしらを用意してくれてます。小田さん、いつもありがとうございます。21600
久しぶりとなる銀座での昼鮨は、「鮨 とかみ」。以前はこういうスタイルが常であったので、初心に返るという感じでしょうか。店主の小田 将太さんはとてもフランクな方なので、銀座という敷居の高さを感じさせない雰囲気の中で、鮨の聖地と言われる銀座のレベルの高さを感じさせる素晴らしいお店です。
昼は握りのみを提供していて、貫数によって3コースがありますが、もはや私には貫数すらも聞かれません。
本日の献立
先付け
今回は『アラの南蛮仕立て』。熱々のアラは、ふわりとした食感で、甘酢も爽やか。
真鯛
モチモチとした食感を楽しみながら、真鯛の甘さと旨み、濃旨な赤酢シャリを味わえます。
障泥烏賊
サクサク食感の墨烏賊に比べて、あまり鮨種には向かない烏賊かもしれませんが、薄く切りつけて更に細く切ることで、甘くねっとりと舌に絡みつきます。塩と酢橘で爽やかに。
平貝
サクサク食感の中で、ふわりと香る柚子。赤酢シャリとの相性も素晴らしい。
春子 ♡
肉厚の春子は〆ているにもかかわらず、とても瑞々しく、ジューシー。
赤身漬け
塩釜産。見た目からも分かるように、かなり美しい赤身。食べ終えた後、鼻から抜ける鮪の香りも爽やか。
霜降り ♡
同じく塩釜産。熟成度も素晴らしく、食べて分かりやすい美味しさ。
砂ずり ♡♡
こちらも塩釜産だそうですが、魚体が変わりフレッシュなもの。この時期でも、さすがは「鮨とかみ」ということを実感した一貫です。
小鰭
ジューシーな小鰭に濃旨な赤酢シャリ。口をリセットするはずの種ですが、攻めてくる!
車海老
絶妙な温度と甘さは、いつもブレがなくて美味しい。しかし、シャリ大きい(笑)
白川
しれっと供されますが、かなりの高級なお魚です。赤酢シャリというじゃじゃ馬なお姫様が真っ白なドレスを着た感じ?美味しい。
鰹 ♡
シャリとの間に生姜を忍ばせて、シャリを包むかのように握られています。適度な脂もあり、香りと爽やかさが駆け抜けます。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は、ライトな色合いながらもジューシーで美味しい。ずっと噛んでいたくなる味わいです。
真鯵
綺麗な鞍懸で握られた真鯵は、肉厚でジューシー。銀皮も綺麗。
椀物
椀物すらも攻め立てる濃厚なあら汁。
北紫海胆
「銀次郎の生うに」。採算取れる?と考えるほどにたっぷりと使って握っています。食べるというよりは、頬張るという表現がぴったりかも。
喉黒 ♡
身を昆布締〆にして、皮目を炙ってから握られます。皮目から脂が溶け出し、もっちりとした白身は素晴らしい。
穴子
醤油を使わずに焚かれており、真っ白な穴子は美しい。今回のは、かなりの肉厚で口の中いっぱいに穴子を感じられました。
突先 ♡
夜では最初に供される鮪の頭の部位を使った手巻きは、昼だと〆に。最初もインパクトがありますが、〆も似合う素晴らしい逸品です。
「今回も隠し種、ありますよー」とニヤリと笑う小田さんに「とりあえず、食べる!」と告げると過去最高に隠し持っていました(笑)
北紫海胆タワー ♡♡
「まるひろの生うに」のスペシャル品。「2つ買っちゃったんで」と小田さんが仰るので、「じゃあ、いっぱい使わないとね」と言うと、見たことないくらいに盛ってくれました。口の中は、ほぼ海胆!香りも良くて、美味し〜い!
蝦蛄 ♡♡
実は夜に出すつまみらしいですが、蝦蛄好きということで出してくれました。甘く漬けられた蝦蛄は大きく、味が濃いのでこの赤酢シャリとも素晴らしく好相性。
血合いぎし ♡
「食べるでしょ?」と出してくれました。まだ鮪はあったのか!霜降りとも違うとろけ方と、赤身の香りも楽しめる素晴らしい部位です。
カマ下の炙り ♡♡♡
本日のスペシャル品。見ただけで、これはヤバイと思う綺麗な鮪。これは魚ではないですね、肉です(笑)裏メニュー?的な炙り用の特別タレに漬けてから片面だけ炙って、握られます。口に入れた瞬間、なくなる!なんて、素晴らしい鮪なんでしょう!
玉 ♡
〆はいつもの完全にスイーツ寄りのスペシャリテ。
過去最高の20貫で、昼鮨の最高峰と言える素晴らしい内容でした。常にこんなに隠し種があるわけではないみたいなので、ご注意下さいね。
小田さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします♡21600
2018.1.
ちょっと遅くなりましたが、2018年初の「鮨 とかみ」。恒例の昼鮨ですが、友達のリクエストで今回は夜コースでお願いしました。店主の小田将太さんとは珍しい所でお会いしていて、2018年では2回目のご挨拶です。本日も満席で、変わらずの盛況ぶり。
本日の献立
突先
夜コースは、コレが挨拶代り。
干し数の子と菜の花の辛子和え
数の子のバリバリとした食感が楽しい。菜の花が遠い春の足音を運んできます。
肴3種盛り
内容は、鰹の生ハム仕立て・牡蠣の西京漬け・白海老。
生ハム仕立ては、このお店のつまみのスペシャリテ。
鮟肝ご飯 ♡
甘く炊いた鮟肝に、赤酢のシャリを。初めは鮟肝だけを食べて、(画的にちょっとですが)最後にスプーンでぐちゃぐちゃに混ぜていただきます。超美味しいー♡
髭鯛の酒蒸し
聞いたことのない魚ですが、鶏魚の仲間らしい。身がしまっており、むっちりとして美味しい。
握り
星鰈
白身はこの旨味の強い赤酢のシャリを味わいます。
墨烏賊
このサクサク感は、この烏賊ならでは。酢橘と煮切り醤油で。ちなみにこの『身』の方は夜メニューのみ。昼にはこの『下足』が握られます。意外と『下足』って握っているお店を知らないので、レアかと。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆られた春子は柔らかく、美味しい。
平貝
柚子香る平貝。
中トロ ♡
鮪の香りも確りとあり、とろけ方も素晴らしい。
大トロ ♡
素晴らしくシルキーな鮪。このシャリの真骨頂。
車海老
独特に香ばしく、温度もベスト。
小鰭
確りと〆られており、赤酢シャリとのマリアージュが楽しめます。
赤身 ♡
順番が変わったのかな?と思っていたら、忘れられていた漬け(笑)切りつけも厚く、香りもいい。この時期の鮪はどこの部位も美味しい。
赤貝 ♡
剥きたての赤貝は、口に入れた瞬間に広がるこの香りと滑りこそが命。実は、これも夜メニューのみ。昼には『赤貝のヒモの醤油漬け』が供されます。
煮蛤
低温調理された蛤は柔らく、確りとした味わいもあり、何よりジューシー。
細魚
間に忍ばさせた紫蘇の香りが華やぎます。
紫海胆 ♡
た、高い!ここまで盛るのか!というほどのボリュームです。
喉黒
身を昆布締めに、皮目は軽く炙って供されます。皮目の脂がとけ、身はもっちりとして美味しい。
穴子
醤油を使わない爽煮。煮つめは少量で、穴子の味も確りと。
椀物
隠し味は豆板醤なので、ちょっとピリ辛なアラの味噌汁。
玉 ♡
表面をキャラメリゼした完璧デザート寄りの玉は、スペシャリテです。
久しぶりの夜コースはつまみ少なめで、握り重視の献立。おそらくは銀座一握りの大きい鮨を堪能〜。この旨味の強い赤酢シャリに惚れ込んだ親方の思いが伝わる、そんな鮨でした。
今年も宜しくお願いします。ご馳走〜。
2017.10.
最近は友達と一緒なので、昼の利用が多い「鮨 とかみ」に再訪。
本日の献立
北海道噴火湾産 毛蟹ともずく酢
先付は爽やかな品。毛蟹の甘さともずくのシャキシャキとした歯ごたえがいい。
松川鰈
珍しい。微かな歯ごたえを感じ、シャリの赤酢インパクトに包まれます。
墨烏賊の下足
なかなか下足を供しているお店はありません。「鮨 とかみ」では昼のみの楽しみです。
平貝
サクサク食感の中、香る柚子が印象的な一貫です。
春子 ♡
黄身酢おぼろで優しく〆られており、実に柔らかく、瑞々しい。ここの春子は素晴らしい。
赤身漬け
中トロ
大トロ ♡
鮪三連弾は、大間産。実にいい季節になってきました。
車海老 ♡
温度は人肌、車海老の香ばしさとシャリのインパクトも加わって、至極の一貫に。
鰆 ♡
軽い昆布〆で、鰆のほわんとした甘さも活きています。鰆は、鮨の種の中でもかなり好き。
小鰭
小鰭の脂と赤酢のマリアージュは、芳醇!
いくら
新物のいくらは、口に入れるとプチプチと弾け、出汁の旨味といくらの甘さが広がります。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は柔らかく、噛み締める度にじゅわりとジューシー。
鯖 ♡
〆ていますが、中心部は生っぽい。適度に脂を落としているので、ギュッと旨味が凝縮していて、美味しい。
馬糞海胆
今回のは「まるそう」のもの。
喉黒
皮目を軽く炙られおり、脂も滲み出しています。切りつけは、とても厚い。
椀物
昼限定の豆板醤を入れた濃厚な味噌汁。
皮剥の肝リゾット(追加) ♡
本日の隠し玉はないと言いながらも、夜メニューの中から出して頂きました。皮剥の身を肝と共に合えて、シャリに乗せて供されます。大胆に混ぜて食べると、肝の濃厚さだけが際立ち、実に美味しい。
穴子
爽煮にされた穴子は、蒸すことで煮上がり状態にしており、口の中でのとろけ方が素晴らしい。
玉 ♡
「鮨とかみ」のスペシャリテの一つ。表面をキャラメリゼした玉は、鮨店の中でもトップクラスにデザート寄り。
鮨店の多くは、独特の雰囲気を帯びています。凛とした空気が流れるお店もあれば、楽しい空気もあります。「鮨とかみ」は断然に楽しい雰囲気があり、一見でも緊張などはしないでしょう。鮨にとって、味は勿論ですが、所作も重要だと思っています。バーでも、バーテンダーの優雅なシェイクやミキシングに見とれることはあるでしょう?鮨も切りつける・握るなど魅せる所作も多いはず。鮨店は1人でも楽しめる素晴らしい空間だと思います。
2017.7.
小田さんと木崎さんの新生「鮨 とかみ」になってからはの初の昼鮨。12時スタートの一回転のみとなって、ゆっくりと。
今回の献立
先付 蛸の桜煮
蛸にはさほど色がついていませんが、しっかりとした味をつけられていて、ちゃんと柔らかい。
真鯛
程よい脂に、甘さが広がります。
障泥烏賊
細く切られているので、口溶けも良く、柚子の香りと共に甘さが印象的。
春子
黄身酢で〆ており、素晴らしく柔らか。
赤身漬け ♡
大間産100キロ超えの一本釣り。後味の香りが秀逸、ふわりと爽やか。
中トロ ♡♡
シャリの温度が高いのは、偶然だろうか?これが絶妙に合いました。
大トロ ♡♡♡
「鮨 とかみ」のシャリの真骨頂がこの種。濃厚な脂に負けない赤酢のシャリの美味しさがはえます。
小鰭
脂があり、非常にパンチのある小鰭。
平貝 ♡
サクサクとした食感の中で、柚子の香りが華やぎます。
鱚
「鮨 とかみ」の鱚は、まず見た目が美しい。格子状の身に煮切りが入り、模様の如く浮かびあがります。
鱒子 ♡♡♡
いくらよりも小粒で皮も柔らか。海苔と共に一瞬で混ざり合う。素晴らしい味わい。
車海老
人肌温度の車海老が香ばしくて、甘くて。
カマトロ ♡♡♡
「今日はなにかないの?」と小田さんに聞いてみると…「nao.さんが来られる日は、何かしかあるんですよ」と。トロとは違う食感とゆっくりとしたとろけ方は、食べ終えた後もしばらく残ります。
煮蛤 ♡
低温調理をした蛤は、かなり柔らか。
カマトロの炙り ♡♡♡
炙りもできるとのことで、注文。香ばしさの中で、生の時には当たっていた筋が溶けて、素晴らしいとろけ方。
鯵
肉厚で食べ応えのある鯵、美味しい。
紫海胆 ♡♡
銀次郎の紫海胆を握りで。ほぼ海胆そのもの(笑)新生「鮨とかみ」は、海胆にも拘っています。
喉黒
軽く炙られていますが、切りつけが厚いのかとろける感じではなく、食べ応えのあるタイプ。
穴子
爽煮の穴子は炙っていないので、口の中での絡み方がいい。
椀物
昼は極濃厚なアラ汁。
突先巻き ♡♡
最後まで「鮨とかみ」の鮨は攻めの鮨です。
玉 ♡♡♡
鮨店にしては、かなり珍しい完全なデザート寄りの玉。
握りに拘ってらっしゃる小田さんの昼鮨の握りは大きめで、旨みの強い「鮨とかみ」のシャリを存分に堪能できます。種の品数は他店より少なめではありますが、切りつけも厚くて、一つ一つのインパクトは大きい。元々、摘みより握りの方が好きなので、昼鮨での食べ尽くしは私にとって至福の過ごし方です。
今回も色々な種を出してくださり、ありがとうございました。またよろしくお願いします。
2017.6.
鮨としての初代親方である佐藤さんが退職されて、小田将太さんが2代目親方となり、初の「鮨 とかみ」。さて、どのように変わったのか楽しみな夜です。何気に久しぶりなのですが、確りと覚えていて下さり、フランクな挨拶の後、テンポよく供されていきました。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのは、コレ。スタートのインパクトは、さすがに心を掴まれます。
先付 毛蟹とアスパラガスポン酢のジュレ
ジュレは角がなくて、噴火湾産の毛蟹の甘さを感じられます。
お造り 縞鯵
5日ほど寝かせた縞鯵を山葵のみで。縞鯵は程よい脂と柔らかさで、繊細な甘みを引き出しています。
蒸し物 真牡蠣と蓴菜の酒蒸し
京都産の真牡蠣は大きくプリプリとしていて、ミルキー。出汁も少量ですが、染み渡るほどに美味しい。
酒肴 メジマグロと甘海老
メジマグロは生と燻製したものを2種。生は生姜で、燻製は山葵、甘海老は殻から作った魔法の粉と共に。
焼物 魳の塩焼きベビーコーン
東京湾の魳は、程よい脂のりで美味しい。ベビーコーンの髭も美味しいのは、とあるお店で学習済み。
握り
真子鰈
モチモチ食感は、これからのストーリーの始まりです。
障泥烏賊 ♡
ねっとりとした障泥烏賊を薄く切りつけ、更にそれを細く切ることで、甘みと口溶けを演出。
鳥貝
生なので、独特の香りがあります。これは好き好きがあるかも。
赤身漬け
岩手の55キロのもの。ふわりと鼻に抜ける香りが爽やか。
中トロ ♡♡
赤身と同じ魚体だそうで、霜降りの部位。口溶けは大トロクラス♡
蛇腹 ♡♡♡
魚体が変わって、富山の氷見産。「鮨 とかみ」のインパクトのある赤酢のシャリには、やはりこのくらいの脂がとてもよく合います。
鰯 ♡♡♡
生ではなく、酢〆。これが嘘みたいに蕩ける。
車海老 ♡
「鮨好きの方は、大きめで」と供された握りは、ホントに大きめ。ここの車海老の温い温度は、甘さの中に香ばしさが際立ち、非常に好みです。
金目鯛
脂が乗りすぎている金目鯛は、昆布〆で。それでも軽い〆方なので、フレッシュさもあります。
平貝
柚子の香りを抱いた平貝は、このサクサク感が秀逸。
疣鯛 ♡
黄身酢おぼろを忍ばせて。プリッとした食感と濃厚な脂は珍しいですが、夏の江戸前の鮨種です。
煮蛤 ♡
柔らかい蛤ですが、噛むたびに蛤汁が溢れ出します。
鯵 ♡
濃厚な脂のある腹の部位を綺麗な鞍懸で。
紫海胆 ♡♡♡
「鮨 とかみ」のオリジナルであった海胆のホット&クールはなくなり、質を高めた種の一つ。今回のは築地で2番だったという『まるひろの生うに』。豪快に大きな房を二つ使って、握っていただきました。口に入れると、ほぼ海胆(笑)香りが凄い。
喉黒 ♡♡
白身のトロ!フワフワです。
穴子 ♡♡
これも以前と違う供し方。炙らずに煮上がりの状態に戻し、間に柚子を香らせ、煮詰めのみで。
血合いぎし ♡
ちょうど霜降りの部位がなくなったらしく、新しく出されたもの。「血合いぎし、食べます?」の問いに、「食べる!」(笑)やはり血合いぎしは、赤身の香りも楽しめるので、お得感があります。
かまトロ ♡♡♡♡
「まだ鮪、隠してる?」って聞いたら、悪そうな顔で(笑)「実は…」と出されたのがかまトロ。何だろうね、この口溶けは。鮪のジュースみたいです。
玉 ♡
名物の玉は、変わらず。
献立としては摘みの品数を減らして、その分で海胆など種の質を上げているそうです。それは「鮨店だから握りを食べてもらいたい」という小田親方の思いの表れ。あまりお酒を飲まない方や少食な方には、このような鮨店が増えていくことが非常に嬉しいことではないでしょうか。
夜のお目当ては摘みですが、「すし 㐂邑」「日本橋蛎殻町 すぎた」のように、コレは!というような白眉的な摘みはなく、握りに力を入れておられるならば「鮨 とかみ」は私的に昼で食べ尽くした方が向いているのかもしれません。ただ佐藤さんの時のように、昼に出さない種があるならば、話は変わりますが。
次回はまだ未定ですが、昼の「鮨 とかみ」を見てみたいので行くなら昼ですね。新子の季節には、伺いたいと思っています。
今夜もご馳走様ー。
2017.21.
3月に「鮨 とかみ」を退職される佐藤さんに会いに、久しぶりの夜とかみ。今夜は佐藤さんの目の前に座らせていただき、味わいます。
今年に入ってからは、献立などは小田さんが仕切られているそうで、4月からは昼も夜も小田さんが握られるとのこと。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのが、昼では最後に供されるこの突先巻き。鮪とこのシャリの相性は最高です。
蛸の桜煮・筍とせりのお浸し
春の訪れを感じさせる日本の美しさがあります。蛸も柔らかく、いい味付け。
ほうぼうとこごみ自家製胡麻ソースで
兎に角、この胡麻ソースが美味しい。こごみとの相性もよく、ほうぼうも特別に主張しない魚なので、よく纏まっています。
ワカサギの唐揚げ
骨まで柔らかいワカサギに、極上の銀餡とカラスミ。冷酒がすすみます。
鰯の生ハム仕立て
塩漬けした鰯を燻製したもの。程よく脂が抜けており、旨味が凝縮しています。
金目鯛の酒蒸し
春の牛蒡を下に敷いてあり、柔らかくて風味もいい。
槍烏賊
胴に入れてあるえんぺらと下足が、柔らかい身との食感のコントラストを生んでいます。
太刀魚の焼物
握り
ここから佐藤さんのターン!
鮃♡
墨烏賊
春子♡
赤身漬け♡
霜降り♡♡♡
蛇腹♡♡♡
小鰭
車海老♡
平貝
鱚の昆布締め
赤貝
鯖♡♡♡
煮蛤♡
馬糞海胆♡
喉黒♡♡
穴子♡
鮪のコラーゲンスープ
玉♡♡
「鮨 とかみ」の独特の赤酢シャリは、やはり鮪をはじめとする脂のある濃厚な種によく合います。今夜は霜降り、蛇腹、鯖が悶絶クラスの美味しさでした。ちなみに佐藤さんが退職された後も、このシャリなどは変わらないらしいです。「まあ、とかみは存続するので…」と佐藤さんは仰ってましたが、色々な思いがあるのではないでしょうか。
退職される佐藤さんの今後はというと、年内をめどに新店舗を目指してらっしゃるそうです。場所は銀座だそうですが、具体的にはまだまだらしい。最後のお見送りの時に再会を誓って握手させてもらったのですが、握る指先を見ていると長く華奢な感じがしていましたが、やはりしっかりとした男の手でした。またお逢いする時を楽しみにしています。
今夜もご馳走様でした。
2016.11.
今年最後の「鮨 とかみ」は、友達と昼鮨です。前回は親方の佐藤さんがいらっしゃいましたが、今回は小田さんのみの通常営業。ただ予約システムを変えたそうで、前のようにずっと満席ではなくなり、私たちが昼の部の最後のお客のようです。久しぶりに見るこんな雰囲気の「鮨 とかみ」。やはり鮨店はワイワイしているよりは、静かな方が好きです。
今回の献立
真鯖
真鯖ともものすけ(蕪)はレモンでマリネしており、塩で味付けしてます。よい脂で、美味しい。
鮃
平貝 ♡
春子 ♡
赤身づけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
墨烏賊の下足
小鰭
いくら
車海老
鱚 昆布締め
煮蛤 ♡
鰤 ♡♡
蝦夷馬糞海胆
喉黒 ♡♡
穴子
干瓢巻 ♡
ずっと気になっていた品。実はこの「鮨 とかみ」にも干瓢巻はあります。ただこの醤油煮のは私が食べたもので最後だそうで、今後は爽煮になるそうです。シャリが強いので、干瓢が最初は負けますが、後味はしっかりと干瓢の甘さが映えます。
玉 ♡
元々、久兵衛ご出身なので小田さんの握りは小さめだったそうですが、ここではかなり大きめに握っています。というのも、この赤酢のシャリを食べてから大きめに握るようになったそうで、私もこのシャリが好きなので、その気持ち分かります。女性はこれじゃ16貫も食べられないと心配されるかと思いますが、女性にはちゃんと気を遣っていただけるので、大丈夫です。
小田さん、外までお見送りありがとうございました。
また来年度も宜しくお願い致します。
2016.10.
恒例の「鮨 とかみ」での昼鮨。ガラリと戸を開けると、ほぼ満席で、案内されたのはまな板の真ん前…あれ?佐藤さんがいらっしゃる。「昼はいらっしゃらないんじゃ?」と聞くと、「暇だったんで」と真偽は分かりませんが、佐藤さんらしいゆるい返答。ともあれ、ラッキーなことは間違えないです。
実食
先付 蕎麦がき
鮃
墨烏賊の下足
春子
赤身づけ
冬の鮪だからでしょうか、赤身でも十分にとろけます。
中トロ ♡
いつもは赤身と大トロの美味しさで霞んでしまうのですが、今回は印象的な美味しさでした。
大トロ ♡♡
小鰭
生いくら
車海老
鱚 昆布締め
鰤 ♡♡♡
クセのなく、濃厚な脂は素晴らしい。
秋刀魚 ♡♡♡
十分な脂乗りは、旬の魚ならではのこと。
煮蛤
海胆
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉
ネギトロ巻 ♡♡♡
久しぶりに食べたくなったので、追加。
他の鮨店と比べると、「鮨 とかみ」の種数は少ないかもしれない。でもこの独特な赤酢のシャリに合う種ばかりなので、一貫一貫の完成度は高く、インパクトも素晴らしい。特に脂が乗るこれからの季節の魚は、楽しみでなりません。
今回もご馳走様でした。
2016.9.
9月。同月2回目の「鮨 とかみ」は夜です。というのも、今月から佐藤さんは夜しかいらっしゃらないと先月の予約の際に聞いていたので、やはり佐藤さんの握りも食べたいと思って、予約していたわけ。まさに夜こそがこの「鮨 とかみ」の真骨頂になるわけですね。
今夜の献立
胡麻豆腐
鮃色々
スッポンの出汁で炊いた昆布を巻いたもの。アサツキを巻いたもの。唐津産赤海胆を巻いたもの。
それぞれ食感が異なっていて、色々な鮃の顔を見られました。
秋刀魚のたたき ♡
添えてある薬味は、大根おろし・秋刀魚のワタ・山葵・辛子・豆板醤。意外にも美味しかったのは、豆板醤。とてもよく合います。
昆布森の牡蠣
北海道釧路町の昆布森産の牡蠣を低温調理で火入れしているので、生の香りも活きています。ただあまり牡蠣が好きではないので、生々しさが気になったかな。上にはその出汁のジュレ、下には金時草のお浸し。
胡麻鯖の生ハム仕立て ♡
薫香が鼻に抜け、同時に溢れ出る脂。ブラックペッパーのよい刺激もあり、お酒がすすみます。
サゴシの酒蒸し
サゴシとは、鰆の子供。添えてあるのはスナップエンドウとトマト。トマトの酸味がいい感じです。
尾崎牛のたたき ♡
添えてあるのは花ニラの酢漬け、石川芋。鮨店で肉というのは、佐藤さんの前店の繋がりかな?美味しいので、コレはコレであり。
握りスタート
真鯛
墨烏賊 ♡♡
と、とろけるだと
小鰭
漬け ♡
赤身漬けでとろけるとは、中トロや大トロはどーなっちゃうの?
中トロ
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。目を閉じて、この霜降りに抱かれて眠りたい。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆てあるので、柔らかな〆具合。
生いくら
生臭さは全くなくて、弾けると磯の香りが鼻を抜けます。
車海老
鱚
秋刀魚 ♡♡
旬の魚は握りにも登場。美しいフォトジェニックな握りです。
紫海胆
なんかこの写真だけ暗いでしょ?この握りを供した時、まさかの漏電による停電発生!なかなか回復せずに、約小一時間。親方の佐藤さんはランタンを買い込んで来て、その灯りで続けるつもりだったみたい。おそらくもうないであろう、ランタンでの「鮨 とかみ」。レアな一枚です。
煮蛤
喉黒
穴子
玉
鮪のコラーゲンスープ
今回は特に『大トロ』が素晴らしく、最後にもう一貫食べようかと思っていたのですが、停電の影響で時間が押していて、次の予約の方に悪いと思って、お会計。
「!」
親方、ありがとうございます。こちらが申し訳ないです。
ご馳走様でした。また宜しくお願いします♡
2016.9.
9月は昼と夜を抑えてある「鮨 とかみ」に再訪。まずはお友達と昼鮨を楽しみます。9月からランチタイムは2番手の小田将太さんが握られると、親方の佐藤さんから聞いていたので、面識はありますがどのような雰囲気になるのか楽しみな今回です。
いつもの遅めの時間。客入りはほぼ満席で、剃髪された小田さんはかなり慌しそう。簡単に挨拶を済ませ、定番の16貫をいただきましょう。
実食
胡麻豆腐
濃厚な胡麻豆腐を軽く炙り、表面をパリッとさせて、胡麻醤油でいただきます。実に美味しい。
鮃
墨烏賊の下足
新子
赤身 ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
春子 ♡
平貝
いくら ♡
鱚
車海老
秋刀魚 ♡♡♡
蛤
紫海胆 ♡
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉 ♡
握りの固さが慌しさに比例して、固かったり、柔らかかったりと安定していませんでしたが、女性の方にはシャリを小さめにしていたりと、サービス面では好感が持てます。親方の握りと比べると、やはり…ですが、小田さんのお人柄も合わさり、楽しい鮨になりました。
お見送りまでしていただき、ありがとうございます。次回は、夜とかみ。どのような摘みが供されるのか楽しみです。
2016.7.
2週間前に「鮨 とかみ」で昼鮨を堪能したばかりですが、「夜もいいですよ」と予々言われていたので、ついに夜に訪問です。夜は摘み数品と握りからなる構成で、客入りも1回転だそうなので、かなりゆっくりとできそう。
戸を開くと、もう名前を言わなくてもいいのかな?ってくらいに、大抵いつも案内される席に通されました。
7月の献立
突先巻き
昼鮨でのメインディシュは、夜では一番最初。「鮨 とかみ」の真骨頂をまずは味わえます。
赤海胆・蒸し鮑・蓴菜
驚くべきは、鮑の大きさ!切ってないのは、拳大くらいの大きさです。かぶりつきたいっ!
穴子の焼き霜
骨切りをして、皮目を炙った穴子。穴子の刺身は以前に食べたことがあり、食べ慣れているいつもの穴子に比べて、歯応えのある感じがします。「鱧ですか?」と聞いたら、「鮨屋なので穴子です」とプライドを感じさせた。
稚鮎の南蛮ジュレがけ
南蛮漬けにしていないので、揚げたての稚鮎の苦味も存分に味わえる。
真名鰹の生ハム仕立て
程よい塩気がお酒を誘う。実は真名鰹って、パサパサしているイメージであまり好きではないのですが、これは食べた後に脂が広がり、真名鰹ってこんなに脂あったっけ?と思うほど。
鮟肝・生マッシュルーム・ケール・マイクロトマト
ちょっと洋風な皿。鮟肝は醤油漬けにしてあるそうで、濃厚さの中に程よい甘みがあって美味しい。
鱸の酒蒸し
添えてあるのは、オカヒジキ・生トウモロコシ。
魳の焼き物
魳は糠漬けにして、乳酸発酵させて身を柔らかくしたもの。北海道の『糠さんま』みたいな感じ?添えてあるのはわさび菜と万願寺とうがらし。
握りスタート
真子鰈
春子
墨烏賊
昼は下足で、夜は身なようです。
赤身漬け
青森県大間産。
中トロ
大トロ
新子
3枚付け。ここまでの大きさだとコハダらしさも感じられて、美味しい。
平貝
車海老
鱚の昆布〆
鯵
鰹
煮蛤
蝦夷馬糞海胆
喉黒
穴子
昼は大きくに切りつけて、竹墨塩と煮詰めでいただきます。
鮪のコラーゲンスープ
玉
親方も驚いてましたが、何気に夜は初めて。摘みの献立は毎月変えているそうで、全てがお酒が進む味付けがしてあり、鮨ほど唸る感じではないけど美味しい。鮨は昼に比べて、多少シャリが小さいかな?種は昼に出さない『墨烏賊』や『新子』などがあるので、全てを味わうならば、夜が真骨頂というべきでしょうか。
摘みがあったので、お任せで冷酒をいただきました。『突先巻き』に合うとのことで『DATE SEVEN sparkling』→『飛露喜』→『昨』という流れ。勿論、今食べている料理の内容や食べるスピードによって、お酒も変えているみたい。そして、摘みと鮨に共通することは、提供がとてもテンポが良い。なので、お酒を飲んで次ので料理を待つということがまずありませんでした。1人でも間が空かないのは、嬉しいことですね。ちなみにこれで、28000円弱。銀座の夜鮨としては、良いCPかな。感想としては1人で行くならば、夜の方が面白いかなと。ただ握りも好きなので、昼鮨も捨てがたい。一番は今回のように、昼夜行くのが一番かな?
2016.7.
「鮨 とかみ」に再訪。もはや名前を告げることなく、親方の佐藤さんと軽い挨拶を交わして、握りスタート。
先付 真名鰹の冷菜
真名鰹は軽く炙って、燻しており、いい薫香が鼻を抜けます。
真子鰈
旬の白身はやはり美味しい。モチモチとした食感は噛んでいて、楽しい。
平貝
口に入れると、ふわりと柚子が香り、独特のサクサクとした歯切れの良さが味わえます。
鯵 ♡
綺麗な鞍がけの握り。脂が乗っていますが、さらりとした感じで美味しい。
鱚の昆布〆
昆布は纏う程度の〆具合。旨味とはこういうものなのだと実感できる一貫です。
小鰭
今回はやや強めの〆具合。ただこのシャリとはすごくよく合う。
蛤
煮つめはごく少量なので、蛤の味がしっかり味わえます。
赤身づけ ♡♡♡
これが赤身?と思うほどに、口の中でとろけて、鮪の香りが華やぎます。
中トロ ♡
脂はさらりとしていて、また鮪の香りも楽しめます。ただ今回は赤身がとても素晴らしかったので、印象薄。
大トロ ♡♡♡
今回は蛇腹の部位。とろけ方も素晴らしいですが、濃厚な甘さが映えます。
車海老
レア感はいつも通り。ただちょっと温度が冷たかったかな。
春子 ♡♡
皮も柔らかく、身もふわりとした食感。黄身酢おぼろのほのかな甘さがいいアクセント。
墨烏賊の下足
サクサクとした食感の本体に比べて、多少の歯応えはありながらも味が濃くて美味しい。
甘鯛 ♡
熟成8日目。モチモチと歯に吸い付くような食感で、嚙み締めるほどに甘さが広がります。
馬糞海胆 ♡♡
海苔の香りと海胆の甘さと溶け方が秀逸。勿論、「鮨 とかみ」独特のホット&クールです。
喉黒 ♡♡
軽く炙っているので、皮目も柔らか。滴るような脂は大好きです。
穴子
口の中でとけるような感じではなく、ホクホクとした食感。
突先巻き ♡♡♡
〆はコレですね。
玉 ♡
来るたびに完成度が増している気がします。鮨店という枠を超えたデザートです。
食べながら、気になることが1つ。
「カウンターの背に壁がある…。確かテーブル席だったはず」
聞いてみると、GWに新しい調理場を設けたそうで、全く違和感のない壁が逆に戸惑いを与えます(笑)
今回は初見となる今が旬の『新子』を期待していましたが、残念ながら出逢うことができず。鮨は変わらずの美味しさで、いつ来てもブレが少なく安定した昼鮨の最高峰だと思います。
次回は2週間後の夜。意外かもしれませんが、初となる夜。どのような摘みで楽しませてくれるのか、今から楽しみです。
ご馳走様でした。
2016.5.
私が通っている鮨店の一つ「鮨 とかみ」に再訪。銀座・昼鮨で、私の中では最高峰。今更、何も言うことはありません。親方の佐藤さんとフランクな挨拶を交わして、スタート。
献立
先付 焼き茄子
真子鰈
程よい噛みごこちで、旨味もたっぷり。夏の到来です。
春子
ふんわりと〆てあり、口の中でとろける春子は初めてです。
鰹
生の部分と燻した部分の香りが、同時に口の中で広がります。
鱚
軽く昆布〆にしたもの。昆布の香りと旨味を程よく、鱚が纏っている感じ。
小鰭
口の中で、小鰭の脂と酢が絶妙に交わります。
蛤
とても柔らかい。ここまで柔らかいのに、しっかりと蛤の濃厚な旨さがします。
赤身
中トロ
大トロ
悶絶クラスの3連弾。今回の鮪は特に最高だそうで、中でも中トロが素晴らしいの一言でした。
車海老
温度も私好み。火が通るか通らないかの絶妙な温度で、そこから生まれる甘さは秀逸。
縞鯵
少々固さがあるかと思いましたが、舌でとろける素晴らしさ。
墨烏賊の下足
今回はここで登場。下足とは思えない美しさ。
鯵
旬の鯵。不味いわけがない!
紫海胆
いつもの「とかみ」オリジナルスタイル。異なる温度、異なる甘さが口の中で融合します。
喉黒
硬い皮目を炙ることで、柔らかさと脂を演出。白身の王者です。
穴子
ふわりと香る柚子がとても印象的で、煮詰の味よりもちゃんと穴子の味を味わえます。
突先巻き
スペシャリテ。今回は食欲に負けて、写真なし。突先も素晴らしいけど、海苔が凄い美味しい。
玉
これもスペシャリテ。来る度に、デザートとしての完成度が高まっています。
ネギトロ巻き
前回もいただいたお気に入りの一品。葱を入れるだけで、こんなにも風味が変わるものなのでしょうか。
2カ月ぶりの『とかみ」。やはり、私の中では群を抜きます。口の中でふわりと解けるようなシャリに合わせた極上の種は、どれも完成度が素晴らしく、通う度にその美味しさを再確認します。
予約システムが常連贔屓ではなくなったそうで、一見の方でも頑張り次第では食べられるようになりました。行き続けている方はちょっと煩わしいかもしれないですが、平等なシステムは席数の少ない鮨店にはいいことだと思います。
次回は7月くらいに行きたいな。
2016.3.
今年の初訪問から2ヶ月。私の中で、2ヶ月に一度は「とかみ」の月なのです。夜の「とかみ」も気になるところですが、やはり今回も昼鮨。ランチは10貫・13貫・16貫と3種あるのですが、いつも16貫を食べていることを佐藤さんは分かってらっしゃるのでしょう。貫数も聞かれずに、スタートです(笑)
今回の献立
先付 初鰹
初物を食べるのは、やはり江戸前の粋ですね。爽やかな脂が美味しい。
細魚
墨烏賊のゲソ
平貝
シャリに柚子をつけて握っているので、ふわりと香りが鼻を抜けます。
赤身のづけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
今回も悶絶クラスの3連弾。赤身は鮪の香り、中トロはバランス、大トロは濃厚さをそれぞれ楽しめるこの「とかみ」の真骨頂です。
小鰭
車海老
九絵
2週間寝かせているという白身の王様。モチっとした食感で、嚙み締める度に甘さが広がります。
春子
そろそろ旬を迎える春を感じる江戸前のタネ。軽い〆方なので、フレッシュ感も楽しめます。
赤貝ヒモの醤油漬け ♡
コリコリとした食感がたまらない。香りが楽しめる赤貝本体も大好きだけど、食感はこちらが楽しい。
疣鯛の昆布〆 ♡
昆布〆することで、疣鯛の甘さも際立ちます。
煮蛤
海胆 ♡
きっとフレンチメニューであったなら、H&Cという表記されるであろう暖かいのと冷たいのが同時に味わえるこの「とかみ」独特の一貫。
喉黒 ♡♡
軽く炙ることで、香りと脂が華やぎます。
穴子
今回も大好きな腹の部分♪
突先巻き ♡♡♡
手巻きで供される「とかみ」のスペシャリテ。美味しい以外に、何があるのだろうか。
ネギトロ巻き ♡♡♡
今回追加した一貫。赤酢のシャリと濃厚な鮪をたっぷりと食べられます。お腹に余裕があったならば、是非とも食べて欲しいオススメの一貫です。
玉 ♡
これも他店では味わえない表面をキャラメリゼしてあるクレームブリュレのような玉は、「とかみ」独特の逸品です。
今回は初見のタネもあり、「とかみ」の奥深さを感じれました。旨味の強い赤酢の独特なシャリは素材を選ぶので、一貫一貫インパクトのある鮨が多く、それが私は1番好き。
次回も2ヶ月後。初夏の「とかみ」も楽しみです。
2016.1.
新年のご挨拶も兼ねた再訪は続く。今回は銀座にある「鮨 とかみ」です。店主の佐藤さんとフランクなご挨拶を交わして、ランチの16貫を堪能いたしましょう。
献立
先付 蛸の桜煮
冷菜ながらも、とても柔らかくて美味しい。これを握りにしても、楽しめるだろうなぁ。
鮃
墨烏賊ゲソ
春子
赤身づけ ♡
さすがは今が旬の鮪。赤身ながらも口でとろけて、最後に鮪の香りがふわりとします。
中トロ ♡♡
赤身であれだけの味わいならばと思っていましたが、想像以上の口どけ。
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。この一貫は、旨みの爆弾です。
小鰭
車海老
細魚
甘鯛 昆布〆
水分の多い魚ですが、良い〆具合。最後に昆布の味も楽しめます。
鰤
鯖 ♡
煮蛤
海胆
喉黒 ♡♡
穴子
突先巻き ♡♡
玉
今回は途中から食べているのが私だけになったので、佐藤さんを独占して握っていただきました。一貫一貫の満足度はそれぞれ高いですが、やはり鮪はその中でも別格の美味しさがあります。まあちょっと残念だったのが、佐藤さんとあまり会話できなかったことかな。
次回の予約も取れたので、今年も存分に堪能したいと思います。
2015.11.
数日前からこころぴょんぴょん待ち状態で、「鮨 とかみ」に再訪。今回もランチで、16貫の至福の時間を楽しみましょう。
本日の献立
先付 新蕎麦の蕎麦がき
平目
墨烏賊の下足
細魚
赤身
血合いぎし ♡
小鰭
車海老
鱚 昆布〆
春子
秋刀魚 ♡
煮蛤
イクラ
海胆 ♡
喉黒 ♡
大トロ ♡♡♡
穴子 ♡
突先巻き ♡♡♡
玉
ストレートに美味しい鮨を食べると、目を閉じて、身悶える。そんな所作は、どうやら私だけではないようで、お一人様は結構してらっしゃる方が多いと佐藤さんが仰ってました。
今回、初見のものは『細魚』。閂(かんぬき)と呼ばれる大きさで、繊細な脂とモチモチ感がたまらない。いつもなら『赤身』⇨『血合いぎし』⇨『大トロ』の悶絶3連弾はなく、『大トロ』は最後に供されました。その理由は…今まで以上の濃厚さとこってり感!ああっ!美味しい!
次回は年明け。佐藤さんとちょっと早い年の瀬の挨拶をし、さっき食べた鮨を思い出しながら、街の雑踏へと消えていくのです。
2015.9.
秋の匂いが漂い始めた日、「鮨 とかみ」に再訪。本日もランチから、絶品の鮨を楽しみましょう。
本日の献立
先付 胡麻豆腐
濃厚なのは勿論ですが、表面がパリッとしてあるので、食感も楽しめます。
真鯛
10日寝かせたそうで、独特なシャリの酸味に甘さが映えます。
白烏賊
魳
秋刀魚より早く秋の到来を告げる魚。でも握りでは珍しいですが、シャリに合うとのことでのセレクトだそうです。口に入れると、ふわりと柚子が香ります。
鮪づけ ♡
血合いぎし ♡♡
大トロ ♡♡♡
づけから始まるこの三連弾は、実に素晴らしいです。特に大トロは二枚重ねになっていて、ジュースを飲んでいるかのようなとろけ具合です。
小鰭
もう新子ではなく、小鰭。よい締め加減でした。
春子
秋刀魚 ♡♡
とても肉厚で、ジューシー。脂も爽やかです。
縁側
車海老
鱚の昆布〆
鰯 ♡♡♡
三枚に切り、纏めて握っています。上にはガリを。これは大トロにも匹敵する脂の爆弾です。
海胆
冷たいのと温かいのが、両方盛られている「鮨 とかみ」のオリジナル。これがあのフランチレストランの『烏龍茶』のオマージュとは驚きました。
喉黒 ♡
穴子
玉子
今回は、前回よりも素晴らしかったです。初訪問から数軒違う鮨店に行きましたが、一貫一貫の感動は大きく、何よりストレートに美味しい。某鮨番組の影響も段々落ち着いてきたそうで、全く予約出来ないということはないみたいです。
次回の予約は、初冬。また季節のタネの感動に出逢えることを、夢見て。
2015.7.
Twitterで懇意にさせていただいている方から、是非にと勧められた鮨屋に訪問。新橋駅から、歩くこと数分。雑居ビルの地下にひっそりと佇む「鮨とかみ」です。元々、ミシュラン***の「鮨水谷」があった場所だそうで、木戸を押し開けると「とかみ」の入り口が現れます。柔らかな灯りに照らされた白木の綺麗なカウンター10席とテーブル席が1卓あり、剃髪された若き店主である佐藤博之さんが出迎えて下さいました。
ランチは握りの数によって3種類あり、私は1番多い16貫を。「苦手な食材やアレルギーのある食材はございませんか?」佐藤さんの丁寧な接客に心惹かれます。
実食
・先付け『玉子豆腐毛蟹餡がけ』
・真子鰈
・墨烏賊下足
・疣鯛
あまり江戸前鮨では見ないネタですが、夏が旬の魚。脂もあって、美味しい。
・鮪づけ♡
最上級の天然本鮪しか扱わないという築地の「やま幸」が、仕入れ先だそうです。
・血合いぎし♡
ブロックで買い付けるからこそできる中トロの部位。
・小鰭
この赤酢のシャリを考慮しての小鰭の〆具合が絶妙。
・春子
しっかりと〆るのはなく、黄身酢おぼろで〆ているそうです。
・車海老♡♡
人肌の温さで、甘みをギュッと感じます。
・鱚の昆布〆
これもシャリとの相性を考えての軽い〆具合。
・平貝
・鯵♡
・煮蛤
・蝦夷馬糞雲丹♡♡
なんと温かいのと冷たいのが一緒に入ってます。他店では見られない画期的な一貫。
・大トロ♡♡
非常にこのシャリとよく合います。夏の鮪はさらりとした脂といいますが、濃厚です。
・喉黒♡♡♡
固い皮目を炙ってあるので、食べやすい。濃厚な脂があり、美味しい。
・穴子
水と酒だけで炊き上げた真っ白な爽煮。ツメの濃厚さの中で、とろける穴子が美味しい。
・鮪突先の手巻き♡♡♡
突先とは鮪の頭の付け根部分だそうで、たっぷりと巻かれていて、食べ応えがあります。鮪のコクとシャリの相性が一番感じる素晴らしい一貫。
・玉子焼
表面がキャラメリゼされています、まさにデザート的な玉子焼。鮨屋では、珍しい。
親方が自信を持っているシャリは、横井醸造の「輿兵衛」とミツカンの「特醸優選」という赤酢をブレンドしたものだそうで、コクと旨味が特徴的。このパンチのあるシャリが口に入れるとほろりと崩れ、ネタと一体化する瞬間が印象的でした。脂のある『大トロ』や『喉黒』などはとてもこのシャリによく合って、美味しかったです。名物の『突先巻き』『血合いぎし』『大トロ』は、群を抜いて美味しく、鮪はかなり力を入れてらっしゃるようです。
時期的なこともあるでしょうが、大好きな貝類が少なかったのがちょっと残念なとこ。ネタはこのシャリに合わせるように選んでらっしゃるそうなので、脂が濃厚なネタが多いのかもしれません。昼でも事前に伝えておけば、つまみのある夜コースもいただけるとのことですが、握りの方が好きなので再訪もランチ予定です。
2014年のミシュランで*を獲得し、とある寿司番組にも出演されるとのことで、予約も更に難しくなるかもしれないですね。
9位
13回
2021/10訪問 2021/12/01
逢はむ日をその日と知らず常闇に いづれの日まで吾恋ひ居らむ ~くろ﨑~
2021.10.
定刻になると、暖簾と共に青々とした楓に隠れた看板に明かりが灯り、待ち侘びるゲストを招き入れます。香のいい香りが漂う京町家のようなアプローチを抜けて、現れる尾州檜のカウンター。約1年ぶりとなってしまったにも関わらず、私のことを覚えていて下さった店主・黒﨑 一希さんに一礼する。
そう、ここは渋谷にある「くろ﨑」。2015年に鮨の不毛地帯であった渋谷にオープンして以来、着々とその名を知らしめて、今では渋谷一の鮨店と言っても過言ではないと思います。今夜は久しぶりにゆっくりと黒﨑さんの鮨を味わいます。
今夜の献立
白子♡
温い白子はポン酢の酸味とかんずりの辛味の中で、よりハッキリとした白子のクリーミーな甘味がたまらない。
ナガスクジラの尾の身♡
アイスランド産。明らかに魚とは違う味わい。さらりとした脂の中、咀嚼の度に旨味が溢れて、また最後にグッと旨味がきます。
鰹♡
腹とハラスの盛り合わせ。両方を一緒に食べることで、塩味を強くしたハラスの旨味がいいアクセントになってたっぷりの山葵でも負けない味わい。
メヒカリ♡
パリッとした皮に身の軽い食感はそのままに旨味が凝縮しています。
松茸と太刀魚のお椀♡
岩手県久慈産の松茸と江戸前の太刀魚を合わせたお椀。蓋を開けると松茸の香りがふわりとして、シャクシャクとした小気味良い食感も楽しい。太刀魚もふわりと柔らかく、口の中でほろりと崩れる感じ。
皮剥♡♡
最初にくるのは身の旨味。そして、とろりとした圧倒的な肝の旨味に口の中がいっぱいになります。更にブラッシュアップされた感じ。
いくら♡
海苔香りに包まれる一貫は、一粒一粒が大きくていくら本来の旨味が強い。
海鰻♡
今季最後の福岡県博多湾産。焼いては休ませてを繰り返して、じっくりと時間をかけて焼かれた鰻の皮はパリパリとし、身は極上のフワフワ感。旨味の爆流に飲まれてしまう美味しさ。
小鰭
珍しく格子状に包丁を入れられて、なんともフォトジェニックな小鰭。口に入れると、小鰭のとろけ具合が異質で、瞬時にシャリと混ざり合います。
車海老♡
相変わらず見事な車海老。噛み締めると、歯を跳ね返すようなプリプリ感で、旨味と香りが食べ終えても残ります。
毛蟹の茶碗蒸し♡
毛蟹の茶碗蒸しは他店でも見かけますが、コレはそれを凌駕する見た目と味わい。毛蟹のミソは裏漉しして水分を飛ばして旨味を凝縮しているので、純粋に旨味がブーストして素晴らしい。
柿の鮟肝和え
鮟肝と和えてあるのは、なんと柿。トロリとした柿の甘味と鮟肝の濃密さがよく合います。フォワグラとフルーツ合うように、やはり鮟肝にもフルーツは好相性。
秋刀魚♡♡
今季新作の焼いた秋刀魚の握り。皮だけを焼き上げており、身は生のままという素晴らしさ。上に乗せられた肝醤油のほろ苦さがこの旨味を締めています。
海松貝
酢橘の爽やかさが映え、咀嚼の度に海松貝の旨味が徐々に現れてきて、食べ終える瞬間に旨味が広がります。
大トロ♡
鮨の花形である鮪は『お腹が空いている時に脂のある大トロを食べた方がより美味しい」という黒﨑親方の思いから供されたのは、宮城県塩釜産137.6キロの大トロ。とろけるという表現ではなく、旨味が一瞬とどまってからぐわんっとくる感じ。
赤身漬け
青森県三厩産139.4キロ。キメが細かくて、漬けにすることで旨味が凝縮・累乗されていて香りも華やか。
中トロ♡
赤身と同じ魚体で、一番バランスが良い感じ。凝縮した旨味の他に甘味も確りと感じられて、シャリの酸味でそれらが引き立ちます。
黒雲丹♡
熊本県天草産。東京で提供しているのがここだけという黒雲丹。品種としては紫雲丹だそうで、甘味と苦味が混在する複雑味のある味わいと香りがあり、最後に甘味が残る素晴らしい雲丹。
車海老の頭
先程の車海老の頭。
穴子♡
なんと横須賀産。大好きな腹の部位で舌に絡みつくような感じでとろけます。煮つめも濃密で美味しい。
干瓢巻き♡
湯気が上がるほどの熱々の干瓢を手巻きで。いつもながらに美味しく、干瓢巻きの素晴らしさを再確認させてくれるひと品。
貝出汁♡
蛤・蜆・浅蜊のみでは弱いそうで、ブーストで海松貝・北寄貝・帆立を入れた貝の出汁。水筒で常備したい美味しさ。
海松貝のハカマ(追加)♡
大きな貝ですが、食べるとこが少ない海松貝。水管の部位で4貫、このハカマは2貫しか取れないらしい。食べてみると、全然別物の味わい。シャクシャクとした食感はそのままに、ビッシリとついたワタの甘味と香りの次元が違います。
カマトロ(追加)♡
湯霜してから漬け込むという伝統的な漬けの仕事を施したカマトロ。ダイレクトに感じられる甘味ある旨味が素晴らしい。
帆立(追加)♡
北海道野付産。磯部焼きでもいいそうですが、握りは珍しいので握りで注文。繊維質が確りとした帆立で、小気味良いサクサク感と甘味が秀逸。
玉
カステラとプリンのハイブリッドな玉。黒糖焼酎のコクとキレがいい味出しています。
約1年ぶりとなってしまった「くろ﨑」ですが…やはり素晴らしい。独自のルートで仕入れる九州からの魚やどこにも染まっていない黒﨑さんのセンスが相まって供される料理は、どれもハズレなく美味しい。
そして来年早々に現店舗を2番手の仲野さんに任せて、黒﨑親方は新しい土地である南青山へと舞台を移すそうで、近くにオープンしたテイクアウト専門店「さかなくろさき」と共に来年は目が離せなくなりそうです。
新しい店舗でもどうぞ宜しくお願いします。
今夜出逢ったお酒
谷川岳 夏吟 醸涼
大盃 MACHO 純米雄町80
出雲富士 秋雲
陸奥八仙 Mixseed Series Accordsde Sake
2020.10.
楓が成長を感じさせるように力強く青々と萌ゆる
やってきたのは渋谷にある「くろ﨑」。雑踏から逃げるように佇む京町屋をイメージした店内に入ると、ここが渋谷であることを忘れさせる凛とした雰囲気と居心地の良さを感じさせる鮨店です。店主は黒﨑 一希さん、独自のルートから仕入れる九州地方の魚が実に美味しく、ここ数年でグッと成長を感じる鮨店の一つです。
今夜の献立
鰆♡
福岡県産の鰆を分厚く切りつけることで、口の中で圧倒的な存在感があります。そしてその身が口の中でとろけるようで、塩で際立った甘味が最高。
白子ポン酢
今季初の白子は、究極のクリーミーさ。口溶けと同時に広がる甘味が甘美です。
メヒカリ
とてもジューシーで、咀嚼の度に旨味が溢れてきます。
灸鰹♡
福岡県産。舌に吸い付くようなモチモチ感を感じると、スッと溶けてなくなっていく不思議な感じ。美味しい♡
中トロ
北海道戸井産延縄の162キロ。漬けにすることで脱水して、旨味が凝縮した中トロ。口にすると、甘味をグッと感じる味わい。
いくら♡
弾けるというよりかは海苔と同時に溶ける感じ。そして濃い旨味と甘味がじゅわっと広がります。
秋刀魚の幽庵焼き♡
北海道根室産。柚子香る調味液に漬けた秋刀魚を焼き上げ、肝臓のみを裏漉しして作った肝ソースをかけて。まさに秋刀魚の良いところをグッと凝縮した仕立て。生の秋刀魚もいいけど、やはり焼いたものは格別な美味しさです♡
小鰭
佐賀県産。初めは酸の爽やかさが駆け抜け、小鰭の旨味が後から追いかけてくるかのよう。
車海老♡
噛みごたえ・甘味・香りが素晴らしく、完璧な仕上がり。いつもながらにブレのない味わい。
白甘鯛♡
福岡県産の特大の3キロオーバー。繊細な甘味と思いきや、かなり濃厚な旨味を感じます。食べ終えてから舌に残る甘味が素晴らしい。
松茸の茶碗蒸し♡
岩手県久慈産の松茸をたっぷりと使った茶碗蒸し。軸は出汁を取り、卵液と合わせて茶碗蒸しにして、カサの部位は土瓶蒸しのようにサッと火入れして上からかけられています。香りから味わいから極濃厚!素晴らしい茶碗蒸しです。
鮟肝と柿♡
塩煮した鮟肝を柿を合わせて一晩置いたもの。柿の甘味と鮟肝の甘味が合わさり、絶妙な味わい。
鯵♡
熊本県天草産。圧巻の美味しさ!中に白葱を忍ばし、仕上げにお酢を一滴。ちゅるんとした口当たりに濃厚でありながらも一陣の風が吹くような爽やかさがあります。未体験の鯵です。
皮剥♡
熊本県天草産。以前は肝と身は別個体だったのを今はとある工夫を施して同個体にしているそう。身はとろけるようで、肝は一瞬止まる美味しさ。
赤身
宮城県塩釜産旋網の176.2キロ。ビロードのような色味に、ベルベットのような舌触り。漬けで底上げされた旨味に食べ終えた後に残る香りが心地よい。
腹なか♡
中トロと大トロの間の部位。口溶けは最高!舌に残る甘味も素晴らしく、鼻から抜ける香りもいい。
馬糞海胆♡
北海道根室産。初めは甘味、最後は昆布のような旨味が感じます。海苔も合わさって、一体感のある旨味が迸ります。
車海老の味噌
先程の車海老の頭をカリカリに炙ったもの。海老好きにはたまらない演出です。
穴子
長崎県対馬産。秋になったということで煮つめでの仕立てになったようです。口溶けはさらりとして、旨味は濃密。
干瓢巻き♡
貴重な無漂白の国産の干瓢を使った手巻き。さほど他店では求めない干瓢巻きですが、「くろ﨑」では実に食べるのが待ち遠しくなります。
浅蜊・蜆・蛤の出汁
旨味の爆弾のような味わい。やはり貝の出汁は素晴らしい!
秋刀魚(追加)♡
肝ソースのほろ苦さの後、身の甘味が一気に駆け抜けていく感じ。素晴らしい一貫。
青柳(追加)♡
千葉県富津産。この反り返りの素晴らしさ!口にすると、まるで花のような香りが実に印象的。
灸鰹の砂ずり(追加)♡♡
まさかの出逢い!まるで鰹でないみたいな旨味の塊。出逢ったならば、必食の一貫です。
玉
黒糖焼酎が隠し味のカステラとプリンのハイブリッド系玉。コクがあるのに切れ味のある甘味があります。
鮨オタの1人客からカップルのデート鮨まで、料理のクオリティ・接客などのサービスはいつもながらにブレもなく、間違いのない素晴らしい時間を過ごせる鮨店だと思います。特に今夜は追加させていただいた青柳と灸鰹の砂ずりが実に素晴らしかったです。毎回あるとは限らない種だと思いますが、出逢ったならば必食すべき一貫だと思います。
黒﨑さん、今夜も感動をありがとうございました!また宜しくお願い致します。38000
今夜出逢ったお酒
純米吟醸 白妙 SHIRO
洌 純米吟醸 雄町
いづみ橋 秋とんぼ 山田錦
2020.7.
ショリショリショリ…
鮫皮で擦る真妻山葵の爽やかでどこか甘味もあるような香りが届く特等席に座らせていただいたのが、渋谷にある鮨店「くろ﨑」。店主の黒﨑 一希さんはお若く、鮨店らしからぬくらいにイケメンなので、客層も女性が意外と多い。勿論味わいも素晴らしく、豊洲を通さない独自のルートで仕入れられる魚たちはどれも光り輝くようで美味しい。ここ数年で格段に進化した鮨店だと思っています。
今夜の献立
岩海蘊と馬糞海胆の酢の物
今しかとれない石川県能登産の岩海蘊と北海道余市産の馬糞海胆を使った酢の物。個別で食べたくなる馬糞海胆ですが、一緒に食べることで酸味と甘味が絶妙に調和して美味しい。
中トロ
青森県深浦産79.4キロの延縄。鮪でもひと手前加えるのが、黒﨑流。握る直前に1分くらい漬けにしてから握られます。味を加えるというよりは、脱水して旨味を凝縮させる為だそう。夏らしい爽やかさがあり、旨味がグッときて食べ終えるとふわりと香ります。
牡丹海老♡
北海道増毛産の特大のもの。プリプリの食感を楽しんだ後に、口の中で舌に絡みつくようなねっっとり感と極上の甘味が広がります。
太刀魚の酒蒸し
神奈川県小柴産。大型の太刀魚をひと塩して、酒のみで蒸し上げたもの。ふわっとした食感で脂の甘味と旨味が美味しい。
鰯巻き♡
千葉県銚子産。見るからに脂がたっぷりと乗った酢〆鰯を茗荷の甘酢漬け・ガリ・大葉・芽ネギと一緒に海苔で巻いて供されます。そのままいただきますが、薬味はさほど主張せずに鰯の脂の甘味がストレートに感じられます。
新烏賊♡
鹿児島県出水産。今年初の新烏賊はちょうど一貫分の大きさ。知らぬ間になくなるようなつるんっとした儚い食感の中で、仄かな甘味を感じられます。
黒鯥♡
東京都三宅島産。コクのある脂がトロリととろけ、炙った皮目の香ばしさもふわっと鼻から抜けます。
海鰻♡
博多湾で獲れた海鰻。捌いて4日間寝かせているそうで、皮目はバリッと身はふわっとしていて、関東風と関西風の両方のいいとこ取りみたいな味わい。きっと鰻店では食べられない鰻の味わいだと思います。
〆鯖
長崎県天草産。白板昆布を乗せるクラシックな握り。今の時期はなかなか獲れないという鯖。濃厚というわけではないですが、爽やかでもコクのある脂で美味しい。
車海老♡
佐賀県伊万里産の天然もの。「くろ﨑」の車海老はいつも素晴らしい。温度・甘味・香ばしさ、完璧です。
新烏賊の下足
なんとも可愛い下足。食べちゃうけどw
北紫海胆の茶碗蒸し♡
茶碗蒸しは先程いただいた牡丹海老の頭と殻で取った出汁を使っており、そこにたっぷりと北紫海胆を乗せて、仕上げに鰹出汁をかけた逸品。
茶碗蒸しがもう海老!凄いインパクトがあり、海胆にも決して負けない味わい。海老・海胆・鰹が三位一体となる茶碗蒸しです。
白鱚
千葉県富津産。あまり出逢わない白鱚ですが、昆布〆?してから皮目を湯霜にして少し歯応えも残しつつ、旨味が溢れます。
赤身
宮城県塩釜産155キロの旋網。「くろ﨑」の鮪は、握る直前に脱水の為に1分くらい漬けにしてから握られます。確かに鮪の旨味が凝縮していて、より濃い味わい。
大トロ♡
赤身と同じ魚体。コレも握る直前に漬けにして旨味を凝縮させています。更に隠し包丁を入れているので、尋常じゃないとろけ方を味わえます。脂のある種は煮切り醤油も使い分けるというきめ細かさが、この美味しさを支えていると思います。
赤海胆♡
佐賀県唐津の内湾で獲れたもの。強烈な甘味というよりも複雑な濃厚な旨味があり、実に美味しい。
喉黒♡
福岡県産。皮目だけを炭火で焼いて余計な脂を落としてから、酒をかけて蒸しているという焼魚系の握り。ヤバい。瞬間になくなる喉黒は後味もさらりとしていてクドくありません。
車海老の頭
カリカリ食感の中、香ばしさと旨味が凄い。
穴子♡
横須賀産。醤油を使わない煮方で、更に塩でいただくことで穴子の旨味と香りが凄い。夏の穴子は塩で、冬は煮つめという黒﨑さんの拘り。舌に絡みつくような食感が江戸前の真骨頂。
干瓢巻き♡
毎回楽しみなのが、この手巻きの干瓢巻き。香り華やぐ海苔も美味しいし、干瓢も実に美味しい。
浅蜊・蜆・蛤の汁
濃度も温度も塩気もどストライクな味わい。ペットボトルで売って欲しいw
鰯(追加)♡
見た目が真白な千葉県銚子産の鰯は、想像以上に美味しい。コクのある脂の口溶けもさることながら、香りが素晴らしい。
平貝(追加)♡
数日前に思いついたという独創的な平貝の握り。イメージは小柱の大星だそうで、ざく切りした平貝と海苔が口の中でわしゃわしゃと混ざり合います。新しい食感と新しい香り、新しい味わいがあり、コレはあり。
赤海胆(追加)♡
産地を変えて、山口県下関産の赤海胆。先程の唐津産よりも甘味にコクがある感じ。好みとしてはこちらの方かな。
玉
黒糖焼酎のコクが活きている玉。下部はプリン、上部はカステラというハイブリッドというのも独創的。
〆鯖のように白板昆布を使うクラシックな握りもあれば、平貝のように既存の形を打ち壊す独創的な握りもあり、非常に探求されてらっしゃるというのが、今夜の印象。全然興味のない方もいらっしゃるでしょうが、ゲストが揃ってから行う鮪の柵取りや握る種の産地なども詳しく伝えて下さり、カウンターならではの魅せ方も素晴らしい。特に私のような一人客は食べている以外、店主の手元を見て過ごしているので、所作や態度が綺麗だととても心地よいです。
黒﨑さん、スタッフの方々。今夜も幸せな時間をありがとうございました!38600
2020.4.
鮪でも仕事を施す。
それが江戸前の矜恃。
楓が大きく枝を張り、眩しい緑が店先を飾るのは、黒﨑 一希さんが取り仕切る渋谷の鮨店「くろ﨑」。オープンして間もない頃から通わせていただいていますが、食材の質や技術など著しい向上を感じられる鮨店の一つです。今夜も黒﨑さんの前に座らせていただいて、春の鮨を楽しみます。
今夜の献立
空豆
先付は旬の空豆。
中トロ漬け♡
初手はやはり今回も鮪の中トロから。静岡県下田産211キロのものをサッと漬けにしています。金目鯛の棚で漁れるそうで、お腹からいっぱい出てくるらしい。それは美味しいに決まってますね。濃厚な脂というよりも爽やかで、漬けにしても香りが華やぎます。
喉黒の酒蒸し
水を使わずに、酒のみで仕上げた酒蒸し。皮目の脂がトロリととろけて、実に綺麗な味わい。
メジマグロ2種♡
魚体が変わって、京都府舞鶴産の40キロ。小型のものは握りでは使わずに肴で供するのが「くろ﨑」流。コレも軽く漬けにしています。
まさか、鮪を肴で供してくるとは!上から大トロと中トロ。漬けの甘味が広がった後に、鮪の旨味がグッときます。食感もモチモチとして、実に食べ応えのある肴です。
メヒカリ
フワフワとした食感の中で、実にいい塩梅の味わい。お酒がすすみます。
赤貝♡
大分県産。凄い大きさ!それは口に入れると更によく感じられ、大きいだけでなく肉厚。ヒモも一緒に握られているので、食感も香りも格別。
皮剥♡
和歌山県産。前回も唸る美味しさだった皮剥。もう終わりという中で、また味わえました。他店だと肝と身は別々の食感というイメージですが、一体感があり同時に溶け合うような感じ。素晴らしい一貫です。
蒸し鮑♡
福岡県産のとても厚みのある1.1キロもの。「くろ﨑」独特の短時間蒸しをすることで驚くほどに柔らかく、生と蒸しの両方が味わる夏のスペシャリテです。
白海老
本日から始まったという白海老は、先程の鮑の肝ソースに絡めていただきます。鮑に合うように白海老は昆布〆にされており、よく混ぜることで一体感が生まれてきます。
小鰭♡
なんと、小鰭の皮を引くという禁忌を犯すような仕立て。一見すると、小鰭とは分かりません。皮を引くことで、皮と身の間にある脂をダイレクトに味わって欲しいという思いがあり、コレが実に美味しい。ここでしか味わえない小鰭です。
車海老♡
鹿児島県喜界島産。綺麗なだんだら模様が浮かび、甘味と食感と香ばしさまでコレ以上のものはないだろうという味わい。
金目鯛♡
千葉県天津小湊産。小型なものだそうですが、脂の旨味が凄まじい。炙るのではなく、漬けにして脂をコントロールしているようで、旨味が累乗するかのような味わいです。
蛍烏賊
ただ炙っただけだそうですが…口いっぱいに香ばしい味わいが広がり、サイコーです。
牡丹海老の茶碗蒸し
頭と殻を焼いて出汁をとり、卵と合わせた茶碗蒸し。上には大ボリュームの牡丹海老が鎮座します。味わいは濃厚で、卵との一体感が生まれているので、牡丹海老の旨味を全て味わえます。
赤海鼠♡
衝撃的なのがコレ。この厚みでありながらも、凄く柔らかいという「くろ崎」の隠れたスペシャリテ。私も大好きです♡
〆鯖♡
熊本県天草産。根付きの鯖だそうで、豊洲には出回らない代物らしい。〆て5日目ということですが、確りとした血合いが美しい。仕上げに白板昆布を乗せるクラシックな仕立てで、甘酢の甘味の後にゆっくりと鯖の旨味が溢れてきます。素晴らしい!
赤身漬け
初手の中トロと同じ魚体の赤身。コレも軽く漬けにして握られます。そのままでも良さそうですが、漬けにすることで旨味が凝縮して更に漬け汁の旨味が累乗する味わい。
大トロ♡
コレも同様な仕立て。口の中でスッととけてから旨味が映えて、後に残るのは強烈な甘味。
馬糞海胆♡
北海道浜中産。極上の濃厚さ。水分なんて一滴も感じないほどの凝縮した甘味。
北紫海胆♡
珍しい熊本県天草産の北紫海胆。赤海胆と同じ漁場だそうで、赤海胆っぽく濃厚。でも香りが非常に強くて、心に残る美味しさ。
車海老の頭
先程の『車海老』の頭の部位を焼いたもの。身も美味しいので、頭も美味しい。
穴子
珍しい兵庫県明石産で、1日に10本くらいしか入荷がないそうで希少なもの。江戸前よりもねっとり感がなくて身も厚く、口の中での支配感があります。
干瓢巻き♡
デフォルトで〆に供しているお店は少ないですが、「くろ崎」の定番の〆です。そして、コレがまた実に美味しい!甘めの干瓢とシャリの塩気が日本人のDNAを刺激する味わいです。
蜆・浅蜊・蛤の出汁
優しい口当たりですが、旨味は凶暴ww
ばらちらし♡♡
前回、この『ばらちらし』の話になり、店内でも食べられることを知ったので注文してみました。下のシャリに刻んだ干瓢・椎茸(この為だけに煮ているらしい)・煮つめなどを混ぜ込み甘く味付けてから、赤身・中トロ・大トロの漬け・車海老・穴子・胡瓜・子持ち昆布で飾っていきます。
一口食べると、衝撃の美味しさ。シャリシャリとした胡瓜とプチプチと弾ける子持ち昆布の食感が楽しく、3種の鮪の旨味を確りと受け止める甘味のあるシャリとのハーモニーが素晴らしい。お土産は勿論ですが、出来立てを食べるのもオススメです。
玉
〆の玉はカステラとプリンを合わせたような独特な作り。黒糖焼酎?のコクが旨さの決め手。
九州を中心に南から独自のルートなどで仕入れてらっしゃる食材はどれも素晴らしく、何もしなくても十分に美味しいはず。更にそこに仕事を施す江戸前の矜恃は、質や鮮度が高まっている現代においても重要なことだと気付かせていただきました。
黒﨑親方の更なる進化と美味への探究を今後も楽しみにしています。36600
今夜出逢ったお酒
春霞 花
雪彦山 呼應(こおう)一〇〇年
2020.1.
引き算と倍加・累乗する足し算の鮨
定休日が水曜日から日曜日に変わり、2019年6月に訪れた時に昼営業も行うと聞いて、昼に行こうと思いつつもその昼営業と私のスケジュールが合わず、ずるずると未訪問になっていた鮨店。渋谷にある「くろ﨑」へ。街の雑踏から隠れるようなお店がある細い路地に定刻近くになると人が集まり出すのは、今も変わらぬいつもの光景です。
今夜もイケメン店主の黒﨑 一希さんの目の前に座らせいただき、久しぶりのくろ﨑劇場を楽しみましょう。
今夜の献立
真鱈の白子の摺流し
まず供されたのは、胃を温めるような一品。出汁の旨味がグッときて、その後に白子の甘味が口に広がります。
中トロ♡
東京都八丈島産214キロ。初手から鮪!酸と温度が高い切りたてのシャリをまずは味わってもらいたいという趣旨での一貫。口溶けの良さ、香りも立ち込めて、実に美味しい。
金目鯛のしゃぶしゃぶ
千葉県天津小湊産。小さな金目鯛だそうですが、脂が乗っていて素晴らしい。切りつけも厚くて、口の中での存在感があります。
鰆♡
福岡県産。ザクッと大きく切りつけた鰆は口に入れると、焼き目の香ばしさが立ち、そして脂と甘味がぶわっと広がります。素晴らしい旨味の暴力。
赤貝♡
大分県産。ヒモと一緒に握るのは、私の大好き仕立て。赤貝の香りを邪魔しないような塩でいただきます。ザクザクと心地よい歯応えの中で、食べ終えても続く香りがいい。
皮剥♡♡
鹿児島県産。身は4日、肝は3日寝かせるのが理想だそうで、以前は別の個体を使っていたらしい。でも身を一瞬漬けにすることで、同じ個体を使うようにしたそうです。初めて味わう鼈甲色の皮剥は口の中で身の食感のなくなるようで、肝の旨味をダイレクトに味わうかのよう。
虎河豚の唐揚げ
大分県産。唐揚げにすることで、虎河豚の繊細な脂や旨味を閉じ込めています。鮨店でもこういう唐揚げは、大歓迎です。
小鰭
福岡県天草産。唐揚げの後にさっぱりと。酢の酸の奥にある小鰭の甘味と旨味が美味しい。
喉黒の蒸し鮨
福岡県産の喉黒の皮目を焼いて、あえて脂を落として身は蒸しており、仕上げに鰹出汁のかけて供されます。目の前にすると、出汁の香りが凄い。喉黒は確りと脂のコントロールをされていて、単に脂を食べる感じではありません。
茶ぶり海鼠♡
茶ぶりで火入れされる「くろ﨑」の地味ながらも人気のスペシャリテwwこんな厚みでありながらも、めちゃくちゃに柔らかく香りがあります。
子持ち槍烏賊
4杯分の卵を詰め込んだ出始めの子持ち槍烏賊はプリプリ。卵はトロリとして素晴らしい旨さ。
ばちこ
炙りたてで香ばしさと旨味がお酒を呼ぶ、海鼠の卵巣。
虎河豚の煮凝り
丸々一匹仕入れても唐揚げとこの煮凝りしか使わないので、他の身は出汁に使っているという贅沢さ。だからこの煮凝りも旨味が凝縮してます。
〆鯖♡
石川県七尾産。上に白板昆布を乗せるクラシックな仕立て。鯖の暴れるような旨味に昆布の旨味が累乗するよう。
赤身漬け♡
天身の部位かな?何のストレスもなく、トロリとする赤身は香り高くて美味しい。
トロ漬け♡
中トロと大トロの間くらいの部位だそう。軽く漬けにしているので出汁醤油の旨味が加わって、更に旨味が累乗しています。
細魚
横須賀産。かんぬきと呼ばれる大きな細魚で、モチモチとした食感の中で薬味の爽やかさが駆け抜けます。
海胆といくらの小丼♡
北海道吉岡産の北紫海胆の上から漬けたいくらを裏ごししたソースをかけたもの。凄い!旨味と旨味と甘味が襲いかかる暴力でしかない小丼。
虎河豚の白子握り♡
手渡しで供される白子を握ったもの。純粋無垢な味わいの白子は素晴らしい。一口で味わう口福の一貫。
穴子
丁寧に小骨を取り除いてから握られるので、トロリとホクホクの中間くらいの食感。穴子も濃厚な煮つめも実に好み。
干瓢巻き♡
手巻きで供される干瓢は、いつもながらに美味しい。熱々のシャリに温かい干瓢、とろける海苔の香りの三重奏が素晴らしい。
浅利・蛤・蜆の出汁
旨味の凝縮。
鰆(追加)♡
肴で供されたのもたいていは握っていただけるので、お願いしたら大好きな焼き魚仕立てでした。素晴らしい味わい。
馬糞海胆(追加)
北海道浜中産。海苔の香りの中で映える馬糞海胆の甘味が秀逸。
カマトロ(追加)♡
湯霜にしてから漬けるクラシックな仕立てをしているカマトロは、口の中に入れると蘇るように旨味が一気に迸ります。まるで肉ですね。
玉
カステラとプリンのハイブリッドな玉。黒糖焼酎?のコクがオトナの味わい。
今夜出逢えた日本酒
廣戸川 純米吟醸
九頭龍 大吟醸 燗酒
醸し人九平次 純米大吟醸 火と月の間に 山田錦
久しぶりの「くろ﨑」堪能させていただきました。どの料理にもいい素材を使っており、純粋に素材だけの勝負でも問題ないところを更にもうひと手間、ふた手間の工夫を加えて、更に旨味を足しています。その旨味は単なる足し算ではなく、倍加や累乗するようなもので、実に黒﨑さんの更なる進化を感じさせる味わいの数々でした。
次の訪問時は〆にアレをお願いして、是非とも味わいたい。
黒﨑さん、今夜も実に美味しかったです。また宜しくお願いします。38000
2019.6.
心地よい夜風吹く夏の足音がまだ遠い日、宮益坂を上り、楓の緑が眩しい「くろ崎」へ。ちょっとずつ物が増えて、更に素敵になっていく京町屋のような造りの店内は、通わせていただいている鮨店の中ではトップクラスに好み。店主の黒崎 一希さんはまだお若いですが、有名店出身という話題が先行して予約困難となっているお店とは違い、ここ数年で一気に独自ルートで仕入れている魚の質やそれを活かす技術などの向上ぶりが通う度に感じられる職人です。
今夜の献立
春霞 田んぼラベル純米吟醸
最初の1杯は、秋田県栗林酒造の『春霞 田んぼラベル純米吟醸』。
兵庫県明石産 鱧とじゅん菜
肉厚な鱧は甘味もあり、存在感もあります。大粒のじゅん菜はプルプル感も素晴らしく、涼やか。
神奈川県小柴産 太刀魚の酒蒸し
酒蒸ししても身は柔らかでジューシーで、ギュッと旨味を濃縮した太刀魚が美味しい。
福岡県伊崎産 天然鰻
身はとろけるように柔らかで、皮目はパリパリ。舌に絡みつくような感じがたまらない。
熊本県天草産 鯖♡♡
根付きの鯖。塩で3時間、酢で50分〆ているそうですが、生鯖っぽい見た目。口に入れた瞬間からとろけて、旨味の爆流に飲み込まれます。今まで食べたさはの中でもトップクラスの美味しさ。
富山県産 白海老
口の中で甘味を讃えながらとろける白海老。シャリとの一体感もいい。
牡丹海老の茶碗蒸し
コレを茶碗蒸しと言うかw。卵のコクに負けない牡丹海老の旨味。
島根県浜田産 鯵♡♡
ブランドの「どんちっちアジ」。鯵らしい旨味の後、その脂に溢れます。やはりこの鯵は、素晴らしい味わい。大好きです♡
日輪田 山廃 純米大吟醸
2杯目は、宮城県萩野酒造の『日輪田 山廃 純米大吟醸』です。
山口県産 車海老
温度と香ばしさは好み。頭の部位は後から焼き上げるので、純粋に身の味わいのみでの勝負です。少々、甘味は弱め。
長崎県産 蒸し鮑♡
約1キロの大物を「くろ崎」独自の1時間にも満たない短時間での蒸し上げで仕上げています。なので、プリプリというかムッチリとした食感で、香りもあります。底にある肝ソースをたっぷりとつければ、至福のひとときの始まりです。
熊本県天草産 白海胆♡♡
残った肝ソースの中に白海胆の握りを入れて、よく混ぜていただきます。肝ソースに甘味を累乗させたような感じで、素晴らしく美味しい。
長崎県産 生蝦蛄♡
珍しい生の蝦蛄。生きたまま仕入れて、マイナス60度で一度凍らせてから、半解凍後に剥いて紹興酒漬けにしてます。舌に絡みつくように甘味を感じられて、美味しい。
稚鮎ペースト
「くろ崎」定番のお酒のアテ。お酒がすすみます。
京都府舞鶴産 大トロ漬け
「くろ崎」では、あまり見かけない順番で、鮪を供されます。珍しくこの鮪だけは漬けで使っているそうで、全て漬けの仕立て。
まずは筋を取った剥がしの仕事をした大トロ。この時期らしく脂は爽やかですが、旨味は強め。
京都府舞鶴産 赤身漬け
舌に吸い付くような舌触りで、鼻から抜ける香りもいい。
京都府舞鶴産 中トロ漬け
最後はバランスのいい中トロ。やはり香りと口溶けが楽しめるのは、コレでした。この時期らしいさっぱりとした鮪ですが、香りと旨味は楽しめました。
一念不動 特別純米 夏生酒
最後の一杯は、愛知県関谷醸造の『一念不動 特別純米 夏生酒』
愛媛県産 小鰭♡
見た目も美しい小鰭。噛み締める度に溢れる旨味は徐々に甘味へと変わり、ふわりと香ります。
北海道利尻産 馬糞海胆♡
口の中で海苔と海胆が同時に溶け合い、昆布のような味わいが広がります。いつもながら、この海苔が美味しい。バリッとした歯応えと口溶けがよく、それでいて香りは他の食材を邪魔しません。
車海老の頭
先程の車海老の頭は、焼いてから供されます。味噌付きで握るのもいいですが、コレはコレで好き。
千葉県九十九里産 地蛤♡
とても柔らかくて、香りも素晴らしい。煮つめは、この蛤の出汁を煮詰めた「はまつめ」。
東京都産 穴子
常に美味しい黒崎さんの穴子。今夜は江戸前のもので、舌に絡みつながらとろける穴子は香りも豊かです。
干瓢巻き♡
デフォルトで〆にコレを供しているお店は少ない。しかも非常に美味しく、粋な終わり方が出来ます。でも私はコレで終わらないのですがw
椀物
今夜は喉黒・真鯛・金目鯛の出汁。出汁自体は濃厚ですが、味わいはさらりとしている味噌汁。
山口県産 赤貝♡
そろそろ終わりという赤貝は、心地よいザクザクとした歯応えと香りが華やぎます。追加して正解の一貫。
山口県萩産 赤海胆♡
雑味や苦味などない極濃厚なクリーミーな味わい。赤海胆、大好き♡いい季節になってきました。
トロたく
先程の京都府舞鶴産のトロを叩いて、更に剥がしを入れて巻かれます。夏の鮪は好みでないと自分で分かっていながらも、ついつい食べちゃう美味しさ。
玉
(たぶん)黒糖焼酎でキリッとしたコクのある玉は、カステラとプリンの二層から成っています。こうなったのは偶然の産物らしいですが、珍しい仕立て。
季節を変えての「くろ崎」。さすがに鮪は好みではなかったですが、それを補って余りある素晴らしい初夏の食材を楽しめました。特に九州方面から独自ルートで仕入れてらっしゃる食材は白眉的なものが多く、「くろ崎」の為だけにこの渋谷へ来る十分な理由になります。
黒崎さん、スタッフの方々。今回も素晴らしい鮨をありがとうございました。また季節を変えて伺わせていただきます。38100
2019.2.
個人的にあまり好きではない街、渋谷。ただ街の喧騒を逃れるような立地にあるお店は外とのギャップがあって、かなり好き。そんなお店の一つが鮨業界でイケメンとしても有名な黒崎 一希さんのお店「くろ崎」。私が渋谷に来る理由の一つです。京町屋をイメージした黒壁の店内の造りは素晴らしく、その中で輝く白木カウンターも実に映えて綺麗。今夜も黒崎さんの目の前に座らせていただき、始まります。
本日の献立
のれそれ汁
穴子の稚魚であるのれそれが浮かぶのは、本日の魚の真鯛・金目鯛・喉黒から取った出汁。最初からガシッと胃袋を掴まれます。
金目鯛のしゃぶしゃぶ♡
千葉県鴨川産の金目鯛をしゃぶしゃぶして、かんずりの入った自家製ポン酢で。600gぐらいの小さくても脂が乗った金目鯛は、さっと湯引きで皮目も柔らかくなるのだそう。切りつけも分厚くて、素晴らしく美味しい。
天然帆立の磯辺巻き♡
北海道野付産の天然帆立の両面に軽く包丁を入れ、煮切り醤油を塗ってから軽く炙る。それを海苔で巻いて供されます。恍惚な海苔の香りと帆立の甘みに悶絶です。
ナメタガレイの煮付け
北海道網走産。この鰈はなんと言っても、ゼラチン質の高い脂と卵ですね。鮨店の煮付けは、美味しい。実は焼いても美味しいという話を聞いたことがあるので、どこかで出逢わないかなと思っています。
赤貝♡
宮城県閖上産。口に入れた瞬間に、ふわりとする香りが別格に強い。小さいながらも、こちらを選ぶ黒崎さんの確かな目利き。
皮剥♡
神奈川県走水産。軽く身は漬けにしており、シャリとの間には肝と浅葱を入れて握っています。皮剥の命でもある濃厚な肝の味が口いっぱいに広がって、美味しい。
太刀魚の酒蒸し
神奈川県小柴産。シンプルにひと塩とお酒のみで蒸したもの。焼物もいいけど、蒸し物もいいねー。
小鰭
佐賀県産。〆て3日目だそうですが、やはり佐賀県産は皮目が柔らかい。
車海老
山口県産。超特大の天然物を目の前で捌く魅せ方は、さすがです。食感・甘味・独特の香り、全てが完璧。
真鯛
福岡県産。噛み締める度に確りと感じる甘味。あまり真鯛を握るお店が少ない中、白身の王様と言われる所以が良く分かる味わい。
肴3種♡
赤海鼠・墨烏賊と唐墨・鮟肝。
いつも驚くこの赤海鼠の柔らかさ。しかも上には山芋と海鼠子の塩辛をかけるという罪深き仕立て。墨烏賊にかける唐墨の量といったら…。
鮪
今夜は青森県三厩産166キロ。
「くろ崎」では他とは違って、まずは大トロから握っていきます。徐々に脂のある部位にいくよりは、大トロ→赤身→中トロの順で握ることで個々の味わいが分かるのだそう。
大トロ♡
実に濃厚。こってりとしてる中でも確りと香りも高い素晴らしい大トロ。
赤身♡
ビロードのような色合いと舌に吸い付くような食感があり、極上の香りが素晴らしい。
中トロ♡
素晴らしい!瞬時にとろける脂と香りは食べ終えても、ずっと続くような余韻の残る味わい。
喉黒♡♡
長崎県産の「紅瞳」というブランド喉黒。身を蒸して、皮目を焼いて、イギリスのマルトンの岩塩を使った握り。口入れた瞬間になくなる喉黒!極上の脂と旨味は最高!一口で味わうからこその美味しさ。
細魚(閂)
神奈川県走水産。喉黒の脂を洗い流すような爽やかな細魚。こういう緩急のある種があるから、鮨は面白い。
虎河豚の白子♡
なんという無垢な味わい。最近は小丼仕立てにするお店も多い中で、「ウチは鮨店なんで」と握る黒崎さんの漢気は素晴らしい。
馬糞海胆♡
北海道根室産。濃厚な甘味に香りも高い素晴らしい海胆。海苔の口溶けも良くて、完成された軍艦巻きです。
車海老の味噌
先程食べた車海老の頭を焼いたもの。ちょっとした楽しみです。
穴子♡
長崎県対馬産。舌に纏わりつくような穴子、煮つめも濃厚で美味しい。
干瓢巻き♡
デフォルトで供するお店も少なくなってきましたが、〆にちょうどいい味わい。
貝の出汁
蜆・蛤・帆立のヒモで取った出汁。魚の出汁で始まり、貝の出汁で〆るという綺麗な終わり方です。
縞海老(追加)
北海道噴火湾産。甘さを讃えながら、ゆっくりととろけていく縞海老。見た目は「すし㐂邑」の木村さんばりにエロいw
トロたく巻き(追加)
先程の鮪の蛇腹部位を挽いて、沢庵と一緒に巻いてもらいました。あれほどの鮪です、美味しいに決まっています。他の方に巻いていた鮪の全てを使った全部巻きがちょっと他店とは違っていて、更にあるものも巻いているよう。食べてはみたいけど、アレはかなりお高いはず…。
玉
最後は黒糖焼酎のコクが映える鮨店のデザート。
2019年初の「くろ崎」。毎月通っているわけではありませんが、更にまたレベルが上がっていると感じました。豊洲市場からだけでなく、独自のルートもある為か極上の種が揃っていて、わざわざ銀座に行かなくても…という気になります。特に3種の鮪を供する順番はとてもよく考えており、黒崎さんのセンスの良さが感じられます。元々、お店の造りも素晴らしいですが、ちょっとずつ改装もされていて、今回も横山大観の欄間を加工したものを取り付けてあったりと更に素敵になっているので、是非探してみて下さい。
今夜もご馳走さまでした。次回は初夏あたりに伺いたいと思います。35400
2018.9.
鮨の定期訪問。今夜は渋谷にある「くろ崎」です。渋谷という街でありながらも雑踏を避けた立地にあり、どのお店にも染まっていないような江戸前の確かな鮨が食べれるお店です。仕入れも独自のルートや直に買い付けていることも多く、他店では見られないような質の高い魚に出逢えるのも魅力の1つかと思います。
今夜の献立
天吹 ぴんくれいでぃ
佐賀県にある天吹酒造。ピンク色をした可愛い日本酒で、この色は古代米の黒米を使うことで出しているそうです。でも味わいは確りと純米吟醸酒です。
トロまる茄子の煮浸し
皮が緑のトロまる茄子を煮浸しにして、上から胡麻酢と茗荷を乗せて。トロトロの茄子に胡麻のコクがよく合います。
九絵のしゃぶしゃぶ ♡
福岡県産の5キロくらいのもの。かなり厚めに切りつけられていて、口の中での存在感が味わったことがないくらい。かんずりの辛味と酢橘のポン酢の中で、素晴らしい甘みを感じられます。
鰹
対馬産。程よく脂が抜けており、味が濃い。後味に鰹の香りがいつまでも残ります。
赤海胆といくらの小丼 ♡♡
仲良い仲買人さんから直で買い付けているという唐津産の赤海胆は、見たことのないほどに1つ1つの形が綺麗で大きい。それをシャリの上にたっぷりと乗せ、更にいくらを。上から煮切りをかけていないので、いくらの塩気と赤海胆の甘さが合わさり、極上の丼となっています。
赤武 純米ひやおろし
最近よく見られるようになった岩手県の赤武酒造のもの。史上最年少杜氏である古舘龍之介杜氏が創り出す東日本大震災からの復活の酒です。
ガリ
新烏賊
鹿児島産。サクサク食感の中で、まだ子供だからでしょうか。ねっとり感もあり、美味しい。
秋刀魚 ♡
肝醤油をつけて。秋刀魚と皮剥は肝を活かすことが1番かなと思っています。でも秋刀魚に関しては、なかなかこの肝を使っているお店が少ない。少量の酒・味醂・醤油で作っているという肝醤油は苦みを抑えてあり、ただ濃厚な味わいをプラスしています。美味しい。
天然鰻 ♡
琵琶湖産。650gの特大天然鰻を白焼きと蒲焼きの中間みたいな焼き加減で。焼き方は2分ほどの蒸しなので、表面はバリバリとして中身はふわっとした食感です。脂がとても乗っており、実に美味しい。出来るならば、丸々1匹食べてみたい。
小鰭
佐賀県産。ジューシーでありながら、さっぱりとした味わい。皮目も柔らかく、シャリと共に混じり合います。
車海老
大分県別府産。特大の天然車海老は、食感・温度が実に素晴らしい。
メヒカリ
秋の漁が始まったそうで、はしりのものということでしょうか。去年も食べた記憶がありますが、その時よりも塩分は抑えられていて、軽い食感がたまらない。
鮟肝 & いくらの味噌漬け
余市産の鮟肝は甘く焚いているのではなく、赤酒で焚いて確りと鮟肝の味を残している仕上げ。いくらも同様に味噌漬けなれど、濃度は低くて、いくらの味がします。
雪彦山 愛山1801
兵庫県の壺坂酒造で造られている雄町と山田錦の血を引く幻の米「愛山」を使用した日本酒です。さすがは、黒崎さん。一味違ったお酒をいつも持っていますね。
大トロ
今夜は大間産釣りの172.6キロのもの。口溶けも素晴らしく、香りもあって美味しい。
赤身漬け
とろけるような赤身。味も濃く、香り高い。
中トロ ♡
いただいた中では、1番の好み。香りも華やかで、口溶けも素晴らしい。
白甘鯛と松茸のお椀 ♡
福岡県産の白甘鯛と岩手県産の松茸を合わせた贅沢なお椀。供されると、まず香りからしてやられます。繊細でありながらも、アタックの強い味わいな秋の素晴らしさを教えてくれます。
皮剥 ♡
鳥羽産。珍しく身は漬けにして、肝は酒蒸し。皮剥の命とも言うべき肝はたっぷりと入れられており、身も漬けにしていることで肝に負けない濃厚な一貫となってます。
蝦夷馬糞海胆 ♡
北海道根室産。見たことのない豪華な箱に入っていますが、これがデフォルトらしい。甘みは勿論ありますが、想像よりも爽やかな濃厚な甘みです。
鯖
神経〆された根つきの鯖を確りと酢〆するのではなく、やや生っぽい〆具合。上からは甘みのある白板昆布を乗せて、クラシックなスタイルです。口の中で白板昆布の甘みが広がって、鯖の脂がほとばしります。
車海老の頭
先程の特大車海老の頭をカリッと焼いて供されます。あまり他では供されることがないので、ちょっと嬉しい。
穴子 ♡
九州産。トロリととろける舌触り、大好きな腹の部位だったので、より脂も感じられて◎。
干瓢巻き ♡
大好きな〆の手巻きの干瓢巻き。干瓢巻きはお店によってはないところもある中で、デフォルトコースで組み込まれているお店は非常に少ない。日本人のDNAを刺激するような味わい。
椀物
今夜は真鯛・白甘鯛・九絵の出汁でとった味噌汁。
赤海胆(追加) ♡
天草産。何故に、天草のものはこんなにも甘いのだろう。他の赤海胆と比べて、格段の甘みです。
鰤(追加)
北海道産。想像よりもこってりとはしておらず、クセもなくさっぱりとしています。
玉
隠し味は黒糖焼酎。濃密な味わいですが、キリッとした甘味があります。
太巻き ♡
経緯はナイショですが、お土産にいただいた太巻き。お土産には他にバラちらしもあるそうで、それも気になります。
太巻きに使う海苔は軍艦に使うものと変えてたり、巻き方も変えているそうで、黒崎さんの拘りを感じられます。中身は胡瓜・干瓢・車海老・椎茸・玉・おぼろと豪華。胡瓜のシャキシャキとした食感の中で、素材の異なる甘さが口の中で混じり合い、素晴らしい味わいに。黒崎さんの心遣いに感謝です。
今夜も素晴らしい味わいの数々でした。独自のルートで仕入れている食材は抜群の美味しさだし、カウンターを活かした魅せる演出も素晴らしい。日本酒のラインナップは、他店では見たことがない銘柄も多く、黒崎さんのセンスが感じられます。まだ黒崎さんはお若いので、これから先の将来が楽しみでなりません。
今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。33780
2018.5.
渋谷の街の雑踏から避けるように佇む鮨店「くろ崎」へ再訪。入口には、最近購入したという楓があり、更にお店の風格も高まっています。
店主の黒崎 一希さんは、飲食業界でもかなりのイケメンとして有名なので、某整髪料のネットCMや某レストラン予約サイトのイケメンシェフでも見かけることが多くなりました。一緒に働いてらっしゃる女性スタッフもアイドルクラスの可愛さで、鮨業界ではちょっと話題になっているらしい。
本日の献立
先付
赤貝のヒモ・新物のじゅん菜・石もずくを使った酢の物。爽やかな一品で、石もずくがしっかりとした食感があり、爽やかで美味しい。
鰹
芽ネギを叩いて、生姜汁と合わせたものを薬味として添えられています。モチモチとした食感の中にさらりとした脂もあり、生の良さもあって美味しい。
福岡県産 九絵とうるいのしゃぶしゃぶ ♡
上からは酢橘のポン酢とかんずりを乗せて。極厚の九絵は甘みも食べ応えもあり、うるいのサクッとした食感も美味しい。初夏らしい爽やかな料理が続きます。
千葉県大原産 蒸し黒鮑 ♡
独特の蒸し方で、生と蒸しのいいところ取りのハイブリッド鮑。下に敷かれた肝ソースも絶品。そして、この肝ソースは後で使うのです。
白海老の握り 鮑の肝ソースと共に ♡
前回もいただいた一品。先程の肝ソースに白海老の握りを入れて、白海老の色が変わるくらいに混ぜて、いただきます。実に美味しい。肝ソースを余すとこなく味わえます。
千葉県天津小湊産 金目鯛 ♡
とても小さい金目鯛だそうですが、素晴らしい味わい。口に入れた瞬間にとろけて、味が止まります。滞空時間も長い金目鯛。
愛知県産 鳥貝
鳥貝の足は切って、中に忍ばせて握っています。ワタも甘く、足の食感も楽しめ、美味しい。
滋賀県琵琶湖産 天然鰻 ♡
1キロ超えの鰻を白焼きにして。パリッとして、滴るような脂は実に美味しい。山葵たっぷりでも、全然負けません。
千葉県富津産 小鰭
実にジューシーで、美味しい小鰭。鰻の後にベストなチョイス。
愛知県産 天然車海老
目の前で殻を剥く見せる演出もいい。相変わらず、温度も車海老特有の香ばしさもあって美味しい。
北海道昆布森産 毛蟹の茶碗蒸し ♡
上には毛蟹の味噌を濃縮したペーストを乗せています。茶碗蒸しには毛蟹がたっぷりと入っており、どこを食べても毛蟹!って感じの茶碗蒸し。個人的にはもっと熱い方が好きかな。
大分県産 赤貝
極厚の赤貝で食感も素晴らしく、鼻から抜ける香りも素晴らしい。
春子鯛 ♡
〆ているにもかかわらず、持った瞬間で分かるこのフワフワ感。
稚鮎のペースト & 赤貝のヒモの佃煮
名物的なお酒のアテ。こういうところがいいんですよねー。美味しい。
富山県氷見産 赤身漬け
有名鮪問屋「やま幸」から仕入れている定着の鮪。赤身の味わいが濃く、鼻から抜ける香りいい。
富山県氷見産 中トロ
口溶けもよく、香りも感じられます。バランスは1番いいかも。
富山県氷見産 大トロのはがし ♡
この時期でもさすがの口溶け。瞬間に溶けることはなく、じわりじわりととろけいきます。
小柱
かなり大きな粒の小柱で、食感と香りも素晴らしい。
目光 ♡
握りでは、初めての目光。前回の太刀魚も美味しかったけど、これも実に美味しい。焼魚シリーズは、今後も続けて欲しい。
紫海胆 ♡
東沢水産のスペシャル品。粒の大きな紫海胆を盛りに盛った一貫。香りも華やかで、後味も爽やかで美味しい。
車海老の頭
先程の車海老の頭を炙ったもの。
兵庫県明石産 穴子
前回いただいた穴子の煮上がりをイメージした独創的な一貫はやめたそうで、ちょっと残念。でも煮つめが美味しいので、これもあり。
干瓢巻き
〆は、やはりコレ。江戸前の〆の定番種でありますが、デフォルトで供されるお店は少ないです。国産無漂白の干瓢は、なかなか貴重。
アラ汁
その日の魚のアラ、(今夜は、九絵と金目鯛と真鯛のアラ)を使った濃厚なアラ汁。飲み終えると、唇に膜が張るくらいに濃厚です。
赤海胆(追加) ♡♡
独自のルートで、直接仕入れている極上品。身が震えるような濃厚さ。素晴らしい以外に言葉が見つからない。
北海道小樽産 蝦蛄(追加) ♡
活きたまま仕入れて、お店で仕上げたもの。ふわりと香りもあって、甲殻類を彷彿させるジューシーな身はふわりとして美味しい。
北海道南千島産 馬糞海胆(追加) ♡♡
実に甘く、濃厚で官能的な味わいは、今回食べた4種の中で1番好み。
北海道余市産 馬糞海胆(追加) ♡
馬糞海胆の食べ比べ。塩水海胆なので、口溶けの良さは群を抜いています。口に入れたら瞬間的に溶けて、海胆のジュースになるような感じ。
トロタク巻き(追加) ♡
中トロの先の方や大トロのはがしで切った部分を挽いてもらって、巻物に。ちょうどシャリがなくなって、まだ出来立ての温かいシャリということで、手巻きにしていただきました。シャリの温度で、更にトロはとろけて香りも華やぎます。
玉
黒糖焼酎がキリリと甘さを締めており、美味しい。
今回は何となくつまみ少なめで、握り主体の構成だった気がします。そして、シャリを大きく握られるようになったみたい。特に今回はノンアルだったので、食事ということを考えての鮨を握って下さいました。黒崎さんやスタッフのきめ細やかなサービスも一級品です。
握るだけでなく、切る・盛るなどカウンターでの見せ方も上手く、同時に同じものを食べることで生まれるエンターテイメント性も高いので、1人だとしても実に楽しい鮨店です。
今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。
2018.2.
年が明けて、初となる渋谷にある「くろ崎」に訪問。ハッキリ言って、このお店がなければこの渋谷には来る用事がありません。「くろ崎」は雑踏から逃げるような立地にあり、お店の造りも通っているお店の中でもトップクラスに好きな雰囲気なので、入れば渋谷にいることを忘れるくらいです。
今夜も黒崎親方の前に座らせていただき、劇場のような時間の始まりです。
本日の献立
山の井
福島県南会津郡会津町の会津酒造のもの。
海鼠子の茶碗蒸し
まずは胃を暖めるような茶碗蒸しから。優しい味わいで、海鼠子の塩気も絶妙。
京都府舞鶴産 黒鮑
ここの蒸し鮑は、少し変わっています。長時間蒸すのではなく、鮑の細胞が分解する温度で短時間で仕上げるというもの。食感は蒸し鮑、風味は生鮑というハイブリッドな蒸し鮑です。
石川県能登産 海鼠 ♡
驚愕の一品。この分厚く切られた海鼠ですが、素晴らしく柔らかく、噛めば口の中で磯の香りがぶわりと香ります。
福井県産 白甘鯛の椀物
白甘鯛に北海道噴火湾産の毛蟹をあんかけにしたものをかけて。上品なお味。
ガリ
愛知県伊良湖産 皮剥 ♡
肝をシャリとの間にたっぷりと入れられた握り。白身ながらも、この肝が濃厚な味を与えています。
千葉県天津小湊産 金目鯛
切りつけた後、常温に戻す為に潜らせる程度に漬け。1キロ程度の金目鯛だそうですが、素晴らしい脂のり。美味しい。
愛知県産 目光
鮪の酒盗を塗り焼いたもので、軽い仕上り。欲を言えば、ちょい塩からい。
茨城県大洗産 春子
握るまで、10分くらい酢で〆ており、かなりアタックの強い春子。一気に口の中が洗われる感じです。
大分県産 車海老 ♡
大きさ、温度、風味の全てが完璧な仕事です。更に目の前で頭を取り、身を開く演出も◎
石川県能登産 ばちこ
新物。香りがすごい。日本酒が進みます。
子持ちの槍烏賊
身と卵と下足をそれぞれ違う火入れをして、身に詰め直したもの。クニュクニュとした卵の絶妙な食感と身の柔らかさが美味しい♡
大分県産 赤貝 ♡
肉厚で、特に香りがすごい。爽やかで、いつまでも余韻の残る香りです。
大分県産 赤貝のヒモと肝
握りで供された赤貝。子を持つと毒になるという肝も添えて。こういうの好き。
静岡県下田産 赤身漬け
「くろ崎」で使うのは、小型のものが多いそうで、その中での254キロの大物!素晴らしく味の濃い鮪。
静岡県下田産 中トロ
口の中でシュッととろけ、香りが鼻に抜けていく。余韻が長い鮪です。
静岡県下田産 大トロのはがし ♡
素晴らしい口溶け。食べる前から分かっていたその絶対的な美味しさ。
澤屋まつもと なめらか熟成 完熟shuhari
微発泡の華やかなキレのある味わい。
静岡県下田産 虎河豚の白子丼 ♡
某店で食べたいと思っていたものが、ココで食べられるとは!白子とシャリを混ぜて食べれば、素晴らしく美味しい。クリーミーな虎河豚の白子は、雑味のない無垢の味わいです。
鹿児島県出水産 墨烏賊
サクサク、ネットリ。そして、甘み。鮨店らしい烏賊です。
神奈川県小柴産 太刀魚 ♡
握りでは珍しい。でも美味しいのは、分かっていました!崩れる寸前での握りなので、口に入れれば瞬時になくなります。
北海道浜中産 蝦夷馬糞海胆
平川水産の天然物。味わいは濃厚。そして、馬糞海胆にしては香りも強い。素晴らしい馬糞海胆です。
穴子の煮上がり ♡
修行時代の穴子の煮上がりの味を表現したという「くろ崎」の新しいスタイルの穴子。煮詰めになる前の煮汁をかけて、供されます。素晴らしい完成度で、穴子の握りの新しい境地です。
干瓢巻き ♡
最後は定番の無漂白の干瓢を使った手巻き。山葵の香りも鮮烈で美味しい。
蜆と蛤の出汁
水は加えずに、貝の出汁のみで作られた出汁。
追加
白菊 純米吟醸 無濾過生原酒そのまんま
奥能登輪島の白藤酒造。そんなに日本酒のことは詳しくありませんが、一口飲んだだけで「美味しい!」と思わず口に出してしまったほどです。
愛知県伊良湖産 本海松貝
素晴らしい歯応えと特に甘さが素晴らしい。この2つこそが、貝の楽しみ。
愛知県伊良湖産 本海松貝のはかま
水管の下のコロっとした部位だそうで、本海松貝のは、生で食べれるとのことでおまけで出してもらえました。シャクシャクとした食感の中、フワフワとした歯応えもあり美味しい。
ネギトロ巻き ♡
先程食べた中トロと大トロを挽いてたものを白葱と合わせて、巻きます。目眩がするくらいに美味しい。鮪が素晴らしい時は、是非とも食べたいっ!
玉
黒糖焼酎が効いた鮨店らしいキリッとした甘さのある玉。
今回も約3時間の「くろ崎」劇場、実に素晴らしい時間でした。味は勿論のこと、演出やサービスも言うことなく、いつ訪れても満足度の高い東京を代表する鮨店の一つだと思います。
今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。
2017.9.
久しぶりに訪れた渋谷にある「くろ崎」。すっかり渋谷を代表する鮨店になり、今夜は個室まで埋まっており、人気の高さが分かります。
本日の献立
佐久の花×亀の海 アッサンブラージュ 純米大吟醸生
最初の冷酒は、ニヤリと黒崎さんが出してくださった珍しいお酒。酒米「金門錦」を違う蔵で仕込み、ブレンドした日本酒のブレンデッドだそうです。
枝豆
夏の定番のお通しですね。
青森県産 鮎並
自家製の煎り酒で。煎り酒に使っている梅干しの塩分がとても爽やかで、鮎並の繊細な甘さも殺さすに味わえます。
北海道増毛産 牡丹海老
昆布締めした牡丹海老を半生に火入れして、頭から取った出汁を銀餡にして、牡丹海老の玉子を入れたもの。銀餡が薄味なので、牡丹海老本来の甘さも確りと感じられます。
鰻ざく
千葉県富津産の江戸前の海で獲れた鰻を白焼きにし、鰻ざくに。夏らしく、爽やかな摘みが続きます。
握りの始まり
鹿児島県産 皮剥 ♡♡
血抜きした肝を大きく切りつけ、芽ネギと共にシャリの間に挟んで握られています。身の切りつけも大きく、肝もたっぷりなので、口の中での存在感がハンパない。
新烏賊
新烏賊といっても身が厚くて、サクサク感も素晴らしい。
山の井
福島県南会津郡会津町の会津酒造のもの。
千葉県千倉産 黒鮑 ♡♡
「くろ崎」独特の鮑の蒸し方で、非常に柔らかいながらも生っぽいので、磯の香りも活きています。下には鮑の蒸し汁でのばした肝ソースがあり、それを絡めていただきます。
鮑を食べ終えると、富山産の白海老の握りを入れて、肝ソースを余すとこなく堪能でき、一皿で二度美味しい料理。
大分県姫島産 車海老
特大の天然もの。身も厚く食べ応えがあります。温度は人肌ですが、甘さはそこまででもなかったかな。
佐賀県産 小鰭
強めに〆てる感じですが、甘さもあり、独特な味わいの小鰭。上に乗せた白板昆布がとてもクラシック。
東一 山田錦 純米酒
“東洋一”を目指して名付けられた佐賀の五町田酒造のもの。
このこの茶碗蒸し ♡
陸奥湾で獲れた海鼠の卵巣を生のまま仕入れて、塩漬けして、茶碗蒸しに仕立てたもの。少量なのが残念なくらいに美味しい。
お酒のアテ2種 ♡
左は「くろ崎」名物の鮎のペースト。右は毛蟹の味噌を水分を飛ばして、濃縮したもの。ちびちびと日本酒を飲むには、最高のアテです。
北海道長万部産 北寄貝
はしりの北寄貝。甘さが素晴らしい。貝はそれぞれ独特の食感と甘さが命ですね。
北海道羅臼産 いくら
新物のいくら。この時期は出汁ベースで漬け込んでいるそうで、プチプチと弾ける中で出汁の味わいがふわりとします。
喉黒手毬寿司 ♡♡
島根県浜田産の喉黒を一塩して、毛蟹を混ぜたシャリで手毬寿司にして、餡を張ったもの。上には北海道利尻産馬糞海胆。鮨店の領域を超えて、美味しい。「くろ崎」が鮨店と名乗らない理由は、こういうとこにあります。
鰯 ♡
脂の乗りととろけ方が素晴らしい美味しさ。これがホントのラスト鰯らしい。
青森県大間産 大トロ ♡
120キロの釣り。蛇腹の部分ですが、この時期らしくまだ爽やかな後味。
青森県大間産 赤身
数分間、漬けにした赤身。濃縮した旨味が口に広がります。
青森県大間産 中トロ ♡
3種の内、中トロが1番バランスが良かったです。でもこの時期の鮪は、やはり好みではないなぁ。
岩手県産 松茸 ♡♡
手渡しの為、写真はなし。香りと食感が素晴らしく、意外と赤酢の酢飯によく合います。隣の方のシャキシャキ音も聞こえるくらいの食感の良さ。
新烏賊の下足
先ほど握りで食べた新烏賊のもの。
車海老の頭
先ほどの車海老の頭を焼いたもの。
神奈川県子安産 穴子 ♡♡
素晴らしくトロトロで、口に入れると木の芽の香りが鼻に抜けます。ここの穴子はいつも美味しい。
干瓢巻き ♡♡
ここの干瓢巻きは、海苔の口溶けや干瓢の味わいの全てが素晴らしく美味しい。〆に相応しい一品です。
北海道利尻産 馬糞海胆(追加) ♡♡♡
やはり馬糞海胆は、この濃厚な味わいが素晴らしい。
淡路島由良産 赤海胆(追加) ♡♡♡
珍しい由良産の完全無添加の赤海胆。この夏は某店で食べられなかったので、諦めていましたが、思わぬところで出逢えました。この由良産の赤海胆は柑橘系のような香りがあり、爽やかな海胆です。
椀物
今回のは蜆と蛤、北寄貝の出汁。濃厚で美味しい。欲を言えば、もっと飲みたいっ。
玉
黒糖焼酎(だったけ?)コクとキレのあるプリンのような玉です。
この「くろ崎」には、季節毎に通わせていただいていますが、来る度に料理やサービスの精度が如実に高まっており、某口コミサイトの評価も納得のお店です。握りは勿論のこと、火を使わない摘みも手が届く距離で仕上げるので、臨場感もあって目でも楽しめるのがこのお店の良いところ。料理は味だけでなく、「見せる」ということを確りと考えて調理していることがよく分かります。江戸前らしく、はしりの種を多く使い、研究熱心な親方なので、更に良いお店になることは必然だと思います。
今夜も美味しゅうございました。また宜しくお願い致します。
2017.2.
どこに行っても人が溢れかえっている街の一つである渋谷。さほど好きな街ではありませんが、バーにハマっていた頃から外の雑踏と静かな店内のギャップが好きな街でもありました。そして、今。お店の雰囲気と味わいが素晴らしく、定期的に通っているお店が「くろ崎」です。今回で4回目、親方たちにも名前を覚えていただいたようです。
本日の献立
まずが華やかな味わいの三重県伊賀の冷酒で、2016年伊勢志摩サミットワーキングランチ乾杯酒の『瀧自慢』から。
のれそれ
春先に出回る穴子の稚魚であるのれそれに、甘鯛と太刀魚から取った出汁をかけて。のれそれの食感はクニュクニュとして面白い。出汁は甘さがあり、コクもあります。
子持ち槍烏賊の煮付け♡
下足は確りと火入れして、胴体と卵は半生で仕上げいます。絶妙な食感、甘めの煮汁。美味しい。
酢の物
蛍烏賊、菜の花、九条ネギ、若芽を円やかな酢味噌で。
ニタリクジラの尾の身 ♡♡♡
なんだ、このとろけ方!肉よりもじっくりとろけて、すごい!!
佐賀産 蒸し牡蠣 ♡
シンプルに蒸しただけですが、めちゃくちゃに美味しい。ムール貝と牡蠣を合わせたような美味しさ。
噴火湾産 牡丹海老
ふわりと軽く昆布〆。甘みと旨みのハーモニー。
お代わりの冷酒は、なんとすぐそこの港区芝で造られている『江戸開城』
淡路産 真鯛
3日熟成。ねっとりとした食感で、噛み締めるたびに甘さが広がる真鯛。
小柴産 太刀魚の酒蒸し
自家製海苔醤油を添えて。この海苔醤油が美味しい。ご飯に乗せて食べたい。
苫小牧産 北寄貝
シャクシャクとした食感を楽しんだ後に広がる甘さが秀逸。
島原産 車海老
特大の車海老。火入れと温度は、非常に好み。
虎河豚の白子の茶碗蒸し ♡
出汁は甘海老の頭から取ったもの。白子は大きく、非常に食べ応えがあり、美味しい。
鹿児島産 墨烏賊
ここの墨烏賊はいつも身が厚くて、食べ応えがあります。
淡路産 細魚
珍しい細工した細魚。握る前に赤酢に漬けて、細工を施して握ります。ここまで細魚をたっぷり食べたのは初めてかもしれない。
白甘鯛のお椀 ♡
美味しい。日本人で良かったと感じる味わい。
長良川産 稚鮎のペースト
「くろ崎」の名物的なお酒のアテ。稚鮎を赤酒と山椒で炊いて、裏漉ししたもの。
車海老の頭
那智勝浦産 赤身
赤身でもとろけ、香りが深い。
那智勝浦産 中トロ
口に入れた瞬間にとろける♡
春子 ♡♡
これは凄い。皮目が柔らかいとかはよくあるけど、トロみたくとろける春子は初めてかも。黄身酢おぼろの甘さがいいアクセント。
函館産 紫海胆
築地を通さずに直送で仕入れてるそうです。口溶けもいいですが、香りが特にいい。
干瓢巻き ♡♡
私のお気に入り。最高に美味しいです♡
浅利・蜆・北寄貝の出汁
貝とお酒だけで作った出汁。いい塩梅の塩気がホッとします。
追加
天草産 鯖 ♡♡
山葵の代わりにかんずりを使ったもの。最初は白板昆布の味わい、そして一気に鯖の脂が押し寄せます。美味しい。
江戸前穴子 ♡♡
貴重な江戸前の穴子は爽煮で、煮ツメは濃厚ですが、穴子の香りも味わえます。
玉
甘さの中にキレのあるプリンのような玉です。
今夜も楽しく美味しい鮨でした。銀座では味わえないまるで2時間半のワンダーランドのよう。独自の仕入れルートもお持ちなので、今回の『ニタリクジラ』のような珍しい食材にも出逢えるかも。まだ予約は取りやすいので、この界隈で美味しい鮨をお探しの方は必食のお店です。
2016.12.
数ヶ月毎の定期訪問となっている鮨店、渋谷にある「くろ崎」に再訪。渋谷の雑踏から逃げるような閑静な立地で、まさに隠れ家という言葉が相応しい鮨店です。親方の黒崎一希さんも鮨職人とは思えないほどに爽やかなイケメンで、親方目当ての女性客もいるのではないかなーっと思います。
17:00ちょうどに灯りがともり、今回も親方の目の前で握っていただきます。個人的に、このお店はエンターテイメント性があると思っています。特に演出があるわけではないのですが、スタートが他のお客さんと同時なので、同じタイミングで美味しさを分かちあえるからかな?ともかく、楽しい鮨店なのです。
今夜の献立
銀杏と海老芋
いくら 三陸産
裏漉ししたいくらをかけてあり、一粒一粒がたっている感じ。
鮟肝 北海道 余市産 ♡
赤酒を使い、低温で焚き上げている。蕩ける〜。
白子のすり流し 北海道 羅臼産 ♡
赤いのは新潟産のかんずり。美味しい♡白子だけを食べて、すり流しにはシャリを絡めて、リゾット風に。
墨烏賊 神奈川 小柴産
体験したことのないほどに、肉厚。
皮剥 三重産
厚めに切りつけた身に、血抜きして酒で焚き上げた肝をたっぷりと添えて。
秋カマスの炭焼き 神奈川 走水産
カマスって焼くとパサパサしていて、あまり好きではないのですが、これは程よい脂のりで、美味しい。
車海老 長崎 島原産
天然もの。かなりの大きさで、食べ応えや食感も素晴らしい。
中トロ 青森 大間産 ♡
間違えなく、美味しい♡
筋子の味噌漬け 三陸産
一週間寝かせてあるそうで、お酒に合う。
ナメタガレイの煮付け 北海道 噴火湾産
ここの煮付けは、甘めで非常に好み。煮付けで日本酒を飲む世代になったみたいです。
小鰭 静岡 舞阪産
脂ものっていて、美味しい。締め方はやや優しめ。
金目鯛 千葉 天津小湊産
寝かせて後、ヅケに。脂が強すぎる魚ですが、程よく脂が残っていて、◯
セイコガニの茶碗蒸し ♡♡
11/6〜1/11までの漁期のせいこがにを使った茶碗蒸し。身は勿論、内子と外子もたっぷりと入ってます。ほぼ蟹ですね。
北寄貝 北海道 長万部産 ♡
驚くほどに肉厚。コレで往復ビンタされたい(笑)
馬糞海胆 北海道 浜中産
かなり盛ってます。口に入れると、シャリよりも海胆が多い。海苔もとけるような感じでいい。
赤身ヅケ 青森 大間産
先ほどの鮪ではなく、更に熟成させたもの。食べ終えた後の香りがいい。
穴子 長崎 対馬産
穴子自体には、醤油を使わずに焚き上げて、ツメは継ぎ足して作る極濃厚なもの。
干瓢巻き ♡♡
栃木の無漂白のもの。国産は非常に少ないそうで、かなり貴重な品。実はこのお店で一番好きなのは、コレだったりする。
椀もの
金目鯛、九絵の中骨とカブトを使ったもの。美味しい。
追加
九絵 広島産
白身ながらも爽やかな脂。身は厚めに切りつけているので、口いっぱいに味わえます。
背トロ 青森 大間産 ♡♡♡
今夜の一番は、コレだった。これもすごい厚めに切りつけているので、美味しさも格別。
玉
来るたびに、着実にサービスの質が高くなっています。初めの頃は、親方の邪魔をするような動きが多かったですが、今は全くなくて、味・サービスともに安定していると思います。内装もステキなので、何気にお気に入りの鮨店です。
2016.8.
3月の初訪問から5か月。夏の鮨を味わいに渋谷にある「くろ崎」に再訪問です。この鮨の不毛地帯において、もはや一人勝ちと言っても過言ではないこのお店。今夜も開店時間から満席です。親方の黒崎さんの目の前に座らせていただき、スタートです。
群馬産 天狗豆
枝豆と茶豆の交配種で、最近メディアに紹介されたそうで、かなりの人気だそう。あまり枝豆は食べませんが、確かに美味しい。
神奈川県佐島産 蛸の桜煮 大根添え ♡
蛸の煮汁で大根も一緒に焚いており、蛸と大根は究極の柔らかさ。
北海道厚岸産 ツブ貝 海苔醤油
特大のツブ貝を目の前で薄く切りつけ、自家製の海苔醤油を添えて供されます。ツブ貝の心地よい歯応えを感じながら、海苔香りが鼻に抜けます。
北海道産 鰯の巻物
鰯、大葉、ガリ、芽ネギ、金胡麻を海苔で巻いたもの。鰯の脂とガリの甘さ、大葉と芽ネギの爽やかが実に美味しい。
鹿児島産 新烏賊
サクッとした歯応えは心地よく、口の中でシャリと同時に飛散するよう。美味しい。
熊本県天草産 鯖 ♡♡♡
神経〆をした生の鯖。トロトロの身質で、今までの鯖の概念を壊す鯖。
山口産 松茸
意外にも酢飯と合う。走りの松茸。
島根県神西湖産 天然鰻 ♡
かなり大きな天然鰻。このくらいのサイズになると、鰻店は買わないらしい。香りよく、皮も柔らかで、極上な脂。
鹿児島産 縞鯵
6日目の縞鯵。程よい柔らかで、脂が美味しい。
大分県姫島産 車海老
人肌の温度、ぷりぷり感は申し分なく。甘さはややないかな。
群馬産 トロまる茄子
皮が緑色の茄子で、名前の通りとける味わい。
もろきゅう ♡
ただのもろきゅうではありません。胡瓜につけるのは、稚鮎のペースト。この稚鮎ペースト、実に美味しい。ご飯につけて、食べたいくらい。
北海道余市産 馬糞海胆 ♡♡♡
親方はこのブレの少ない余市の馬糞海胆が好きだそうで、素晴らしく美味しい。海苔と海胆が同時にとける味わいは、さすがです。
佐賀産 小鰭
黄身酢おぼろで化粧をした見た目も綺麗な小鰭。しっかりと〆おり、昔っぽい感じ。
北海道噴火湾産 牡丹海老 と 富山産 白海老
まさかのマリアージュ。温度差が生み出す至高のとろけ方です。
京都府舞鶴産 鯵
程よい脂があり、鯵本来の味わいがしっかりとします。
青森県大間産 赤身
有名な鮪仲卸の「やま幸」から仕入れた大間の164キロのもの。醤油を塗って、漬けにしていますが、醤油を身に入れるというよりは脱水の為だそうなので、醤油の味はさほど感じません。鮪の旨味が凝縮した感じ。
青森県大間産 中トロ
赤身と同じ鮪。握るかなり前から切りつけ、常温にしているので、口に入れた際の口どけは素晴らしい。
島根産 喉黒のお茶漬け ♡♡
焼いた喉黒を昆布と鰹の出汁で、シャリと共にお茶漬け風に仕立てもの。美味しいー。
東京都子安産 穴子 ♡♡♡
穴子本来の味わいを出す為に、薄味で煮て、煮詰めで食べる。ふわりとした身は口に入れると極上のとろけ具合。今まで食べた中で一番かも。
浅利と蜆の出汁
最初に来るのは浅利の味わい、そして蜆の滋味溢れる味わい。
干瓢の手巻
このお店では手巻きで供される為に、写真はなし。干瓢は暖かく、海苔も極上のとけ具合で、実に美味しい。
追加
千葉産 鮑 ♡
昔は低温短時間蒸しだったそうですが、今回は通常らしい。というのも、近々新しい蒸し方を試すらしく、また来るきっかけが出来ました。勿論、コレも美味しい。
蛸の桜煮
最初に出された『蛸の桜煮』を握ってもらいました。極上の柔らかさを堪能できます。
熊本県天草産 渋鯛 ♡
なかなかないという幻の魚だそうで、食べたことない。縞鯵にも似た感じで、脂もあり、美味しい。親方が揚がったら、必ず送ってと頼んでいるだけあります。
鮨店らしい玉。白身も入れていて、今回は鯛。隠し味は黒糖焼酎だそうで、キレのある味わいです。
前回よりも段違いに親方以外のスタッフのオペレーションとサービスが上がっていると思ったのが、第一印象。親方は元々トークやサービスも素晴らしいので、より全体的に洗練されています。
「くろ崎」は勿論、鮨店なのですが、親方はあえて「鮨」とか「江戸前」とかを名乗っていないそうです。というのも、色々な食材を扱いたいという思いがあるからだそうで、まだオープンして1年半という「くろ崎」のこれからが楽しみになります。
2016.3.
「静かな場所で、ここに来るまでの間も意識したかった」
そう、若き親方は笑顔で仰った。
今回、訪れたのは「渋谷」。2015年の2月にオープンして、この鮨の不毛地帯とも呼べる街で、本物の鮨を提供している「くろ崎」です。親方は黒崎一希さん、30代半ばの爽やかな好青年と呼べる方です。
店内は京都の裏路地を意識したという黒を基調とするシックな感じで、LEDに照らされた白木のカウンターと板場は同じ高さになっており、親方の所作も間近で見ることができ、臨場感もあります。親方から来店のお挨拶と好みの有無、つまみと握りを交互に提供する旨を聞き、スタートです。
船橋産蛤と九州産筍
蛤はかなり大きめですが、程よく柔らか。筍が春の訪れを感じさせます。
天草産鯛と福岡産石鯛
今治産赤貝
かなりの肉厚で、香りも十分。
津軽海峡産桜鱒
桜の葉でしめているそうで、口に入れるとフワリと桜の香りがします。脂も濃厚で、美味しい。
宮城産皮剥
酒塩でしめた肝と浅葱を挟んで、握っています。
天草産小鰭
小柴産太刀魚の酒蒸し
気仙沼産赤身
気仙沼産中トロ
鮪は1番初めに切りつけ、常温に戻してから握っているので、口溶けもいい。
噴火湾産毛蟹のととろ蒸し
小さな器ですが、蟹がたっぷりと入っています。出汁も美味しい。
長崎産車海老
レアな火入れなので、甘さも映えます。
愛知産鳥貝
初物の生鳥貝。握る際にまな板に叩きつけることで、身がうねります。広島の塩を少しつけて。
琵琶湖産稚鮎のペースト
初物の稚鮎を山椒と炊いて、全てを裏ごしして、ペーストにしたもの。ほのかな苦味と甘味がお酒を誘います。
出雲産墨烏賊の昆布締め
サクサク感とネットリ感も味わえ、口に入れた瞬間に真昆布の旨みがちゃんとします。
虎河豚の白子と羅臼産馬糞海胆
お客さんが皆盛り上がった一品。当初は、白子のみで握っていたのを進化させたそうです。淡白な白子に海胆の甘さがよく合います。
車海老の頭焼き
先程食べた車海老の頭。頭を切って、味噌を握りに活かしてなかったので、どうするのかと思っていましたら、こう来ました。
北海道野付産帆立の磯辺巻き
手渡しだったので、写真はなし。かなりの肉厚な帆立を丸々1個に煮切り醤油を付け、軽く炙った後に海苔を巻いて提供されます。海苔の香りと帆立の甘味が程よく、美味しい。
鹿児島産鯵
かなり肉厚に切りつけ、芽ネギを叩いて、生姜の絞り汁を合わせたものを上にちょこんと乗せてあります。
対馬産穴子
継ぎ足している煮汁でさっと炊き上げたもの。ねっとりと舌に纏わりつきます。
干瓢の手巻き
手渡しの為、写真なし。この干瓢は実に美味しい。甘く炊き上げた干瓢に、山葵の鮮烈な香りが素晴らしい。
浅利と蜆の出汁
追加
今治産赤貝
「今が1番いいですよ」と親方。赤貝は大好きです♡
津軽海峡産桜鱒
つまみで提供された際に「握りでも食べられますか?」と聞き、出していただきました。つまみで美味しいのだから、握りで不味いわけがない。本日の私的な1番です。
玉
親方の所作や提供時の説明はとても丁寧であり、タネの温度や口溶けをよく計算してらっしゃる。煮切りも淡白なものと濃厚なものとで使い分け、シャリも水に浸す時間を秒単位で管理して炊き上げて、砂糖を使わずに3種の酢をブレンドしているなど、細部にまで拘りを感じられます。素材勝負のタネが多い気がしましたが、新鮮な素材が手に入る現代の鮨として、それもアリかと思います。
しかし気になる点が一つ。よい雰囲気を邪魔しているバイトと思われる女性店員さん。まだ慣れていないようで、親方の動線を乱していることが多々あり、サービスの面ではまだまだ難ありかな。
季節の先駆けの素材を提供されるので江戸前の粋を感じられ、黒崎親方は若いながらも物腰柔らかく、奢りもなく、研究熱心。近々、予約困難になりうるお店だと思います。とりあえず、次回の予約はまだ入れていませんが、夏にどうしても食べたいものがあるので、6〜7月頃に再訪したいと考えています。
黒崎親方、ご丁寧にお名刺までいただき、ありがとうございました。
ご馳走様です。
10位
11回
2019/05訪問 2019/07/03
しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで~鮨 はしもと~
2019.5.
今夜は友達のリクエストに応えて、やってきたのは新富町にある「鮨 はしもと」。何気に2カ月連続というのは、初めてだったりします。それでも店主である橋本 裕幸さんのほんわかした雰囲気は好きだし、供される肴や握りはどれもハズレなどなく美味しいので、何ら問題ありません。今夜も揺れる若草色の暖簾をくぐります。
本日の献立
空豆
あまり豆類が好きではないので、家では決して食べないですが、旬の食材は美味しい。
真子鰈・青柳
ガラス細工のような美しさの真子鰈は、噛む度に甘味が溢れます。花のような香りの青柳は、この時期ならではの楽しみの1つ。
鰹
新玉葱とうるいを醤油と赤酢で合わせたタレをかけられた分厚い切りつけの鰹。鰹のモチモチの中で、タレに入っているうるいのシャクシャクとした食感のコントラストが楽しい。
蛍烏賊のなめろう♡
刻んだ蛍烏賊に花山葵とシャリを入れて混ぜたもの。蛍烏賊も色々と食べ方がありますが、コレが一番美味しいかも。
トウモロコシと北紫海胆の茶碗蒸し♡
卵のコクの中、底にあるトウモロコシの甘味と上に乗せられた大粒の北紫海胆の甘味が海苔醤油で締って、実に美味しい。
肴3種♡
鮟肝と蝦蛄は醤油で焚いたもの、蛍烏賊は味噌漬け。いつも美味しいお酒も呼ぶ肴です。
喉黒の焼物
新しい店舗では、焼物は目の前で焼くことはなくなるのかな?味は勿論のこと、焼いている時の香りもご馳走の焼物です。
握りへ
小鰭♡
シャリとの間におぼろを入れて握られる小鰭は皮目も柔らかく、とてもジューシー。食べ終えた後に残る小鰭の旨味も愛しい。
春子鯛
昆布〆されたとは思えない程、フワフワな春子鯛。春子鯛のように水分の多い魚は、この瑞々しい感じが好きです。
鳥貝♡
貴重な三重県産の天然もの。裏返して握るという珍しいスタイルですが、絶対にこのスタイルではないらしい。ワタが直接舌に当たるので、ダイレクトに甘味を感じることが出来て、素晴らしい味わい。
赤身
宮城県塩釜産の巻網。吸い付くような舌触りに、ふわりと香りが鼻から抜けて、実にこの時期らしい。
鯵♡
口の中での存在感が凄い鯵。脂も乗っていますが、爽やかで後味もいい。
中トロ♡
同じ個体の中トロ。血合いぎしの部位かな?口溶けと香りが素晴らしい。
大トロ♡
シャリも大きめ、種も厚みがあるので、口の中で鮪とシャリが混ざるのがとても嬉しくなる味わい。
鱒の介♡
珍しく気仙沼で獲れたキングサーモン。ふわりと香る薫香と迸る旨味は、素晴らしいの一言。脂はありますが、旨味の方が勝る味わい。
車海老
相変わらず、完璧な仕上がりの車海老。一分のブレもありません。
煮蛤♡
柚子の香りと蛤の旨味が溢れて、大きめなシャリなので食べ応え抜群。
北寄貝(追加)♡
安定の裏返しシリーズ。ダイレクトに伝わるワタの甘味と心地よい食感。貝はこれだからやめられない。
赤身漬け(追加)
クラシックなスタイルの漬けがあったので、追加。久しぶりにいただきましたが、コレはコレで鮪の凝縮した旨味がいい。
北紫海胆
北紫海胆の良さは、甘味よりも香り。食べ終えても続くようなこの香りが素晴らしい。
金目鯛(追加)♡
いつも追加しちゃう金目鯛。皮目が広くなるように切りつけて炙っているので、この皮目から溢れる脂がたまりません。
赤海胆(追加)♡
はしりの壱岐産の塩水海胆。水分など全くないくらいの極濃厚な旨味が悶えるほどに美味しい。
穴子
目の前のサラマンダーで温められる穴子。ホクホクとして、余韻が長く続きます。
玉♡
他の方が握りでお願いしていたのに便乗して、握っていただきました。シャリとの間におぼろを忍ばせた伝統的な鞍懸スタイル。玉とおぼろの甘味とシャリの塩気が絶妙。次回から玉はこのスタイルでいただきたい。
椀物
蜆汁。濃度も素晴らしい。
今夜はいつもにも増して隠し種がいっぱいあったので、同席した方々全員で追加の嵐となりました。特に『玉』はプリン系のお店が多くなって、握りで出しているお店はあまりない中で、最後まで握りで〆られるという素晴らしい発見になりました。今回はいただきませんでしたが、『小鰭巻き』や『おぼろ巻き』などの巻物も実に美味しそう。毎回、余裕がなくて食べられないので、次回こそはいただきたい。
今夜もきめ細やかなサービスと揺るがない美味をありがとうございました。次回は夏くらいかな?宜しくお願いします。29200
2019.4.
日曜日の混み合う銀座を後にして、新富町へ。段々とお店と人が少なくなって、有名コーヒーチェーン店すらも営業していないというこの街で、開店10分前くらいから人が集まり出す鮨店「鮨 はしもと」へ再訪。腰の低いほんわかな雰囲気の中に揺るがない芯を感じる店主の橋本 裕幸さんの鮨は、口の中で魚の存在感を確りと感じられる厚い切りつけで、ハズレなど全くない完成度があります。そして、かなりリーズナブルというところもポイントです。
今回は今まで通っている中で、初の昼鮨。月に数回だけ昼営業をしているそうですが、内容は夜と全く変わりません。しかしながら、このクオリティの鮨を昼に食べられるというのは、気分的にあがります。
本日の献立
空豆
豆類はあまり好きではないので、このくらいの量がちょうど良い。
真子鰈
ほんのりと飴色になった真子鰈。ガラス細工のような身から溢れてる繊細な甘味が美味しい。
塩茹で蛸 鳥貝♡
旨味が噛み締める度に溢れてくる鮨店の蛸は、実に美味しい。そして特筆すべきは、鳥貝。今年は少ないそうで、やっと会えました。裏にはワタもたっぷりとついていて、甘味も極上。
蛍烏賊ご飯♡
蛍烏賊・花山葵・胡麻を和えて、シャリと合わせたもの。濃厚な蛍烏賊の旨味がたまらない。
鰹
新玉葱のおろしの中にうるいを入れたタレをかけて。ザクザクとしたうるいの食感、新玉葱の爽やかな甘味の中で、モチモチとした鰹の存在感が素晴らしい。
蛤と菜の花の茶碗蒸し
蛤の出汁が活きていて、いつもの茶碗蒸しよりも美味しい。
肴3種
鮟肝・蛍烏賊・炙り鱒子の唐墨。この桜鱒の子を唐墨にした肴が、実に美味しい。いつものことなれど、肴は実にお酒がすすむ味わいです。
喉黒の焼物♡
「鮨 はしもと」の焼物は、目の前にあるサラマンダーで焼き上げるので香りからご馳走です。切りつけも厚くて、実に美味しい。
握りへ
小鰭♡
まずは、挨拶代わりの小鰭。ジューシーな旨味と後味には甘味も残ります。非常に美味しい。
真鯛♡
切りつけが厚いので、口の中で存在感のある真鯛。シャリと混ざる度に真鯛の甘味が溢れてきます。
赤身
宮城県塩竈産123キロの巻網。吸い付くような赤身で、この時期らしい爽やかな風味です。
青柳♡
間にヒモと海苔を入れて握っているこれぞ江戸前の種。花のような独特の香りの中に磯の風味もあり、後から甘味が追いかけてきます。
鯵
爽やかな脂のある鯵。半身を使うボリュームで、口の中で鯵が暴れるよう。
中トロ♡
ふわりとした食感の中で、甘味・香り・旨味が重なり合います。実に美味しい。
黒睦
身に脂がまわっていて、旨味が濃厚。
大トロ♡
素晴らしい旨味と口溶け。濃厚ですが、脂っこくもないので、後味も爽やか。
桜鱒♡
口に入れると皮目の焼かれた香りが鼻を抜けて、大トロに匹敵するほどの脂に驚きます。
車海老
温度と香ばしさと甘味が素晴らしく、安定した美味しさ。
煮蛤
柚子がふわりと香り、ずっと噛み締めていたくなるほどの旨味があります。
北紫海胆♡
青森県大間産。瞬時になくなるほどの口溶け。香りもあって美味しい。
穴子♡
安定した美味しさの穴子。軽く炙ることで香りが立ち、一気にとろけます。
玉
鮨店らしい味わいの半熟カステラのような玉。
椀物
定番の蜆汁。安定した濃度で美味しい。
海松貝(追加)♡
ザクザクとした食感の中で広がる甘味。貝好きにはたまらない理想的な味わい。
金目鯛(追加)♡
皮目を炙ることで、蘇るような脂が美味しい。あれば、間違いなく追加する種です。
近々、近くに移転されるそうで、新しい店舗は倍くらいの広さになって個室も要するという。カウンターの席数は今と変わらないみたいなので、よりゆったりと楽しめそうです。
今回も揺るがない信念を感じる鮨をありがとうございました。どれも素晴らしく美味しかったです。次回は意外に早くて、来月。また宜しくお願いします。25200
2018.11.
漸く陽が落ちるのが早くなり、冬の足音も聞こえそうな季節。暗い路地で橙色の暖簾が綺麗にはためくお店、新富町にある「鮨 はしもと」に再訪。
今夜の献立
而今 大吟醸
最初の一杯は、三重県の木屋正酒造『而今大吟醸』。
きぬかつぎ
嫌いではないけど、決して家庭では食べないきぬかつぎ。このくらいの量がちょうどいい。
北寄貝
塩と醤油で。塩は口当たりから北寄貝の甘さが映え、醤油だと醤油の香りがふわりとしてから北寄貝の甘さが強烈に感じます。
皮剥
肝醤油で。言うことはないでしょう。勿論、美味しい。
香箱蟹 ♡
この時期、きっとあると思っていた香箱蟹。少量のシャリとイクラを混ぜ込んであり、香箱蟹の身の甘さ、イクラと内子・外子の食感がたまらない。
白子の茶碗蒸し ♡
上から温かいポン酢をかけた茶碗蒸し。玉子の甘さ以上に、たっぷりと入った白子の濃厚な甘さが印象的。
鯖巻き
よく見かけるは鰯なのですが、今回は初の鯖。鮨店の鯖は実に美味しい。皆よりも1つ多いのは、橋本親方の愛です笑
すっぽんスープ ♡
最近出し始めたというすっぽんスープ。濃厚なれど、口当たりは軽やか。いい出汁。
雁木 純米吟醸 無濾過 生原酒
2杯目は、山口県の八百新酒造『雁木純米吟醸無濾過生原酒』。
肴3種
鮟肝・牡蠣の味噌漬け・筋子の味噌漬け。お酒もすすみますが、中にはご飯と食べたいという方もいるかも。確かにご飯にも合いそう。
喉黒 ♡
ここの焼物は実にいい。目の前のサラマンダーで焼かれるので、音・香りが店内に漂って食欲をかきたてます。切りつけも厚くて、食べ応えもあります。
握り
小鰭 ♡♡
挨拶がわりの小鰭。とてもジューシーで、旨味もたっぷり。いつもながら、美味しい。
真鯛
八幡浜産4日目。口に入れた瞬間に存在感を感じ、噛み締める度に甘みが増す真鯛。
鰆 ♡
ほろりと口の中で崩れるような柔らかさ。山葵と辛子の異なる香りと辛味がよりこの鰆を引き立てます。
赤身
青森県大間産の延縄。食べ終えた後でも鼻から抜ける鮪の香りがとてもいい。
墨烏賊
江戸前の小柴産、6日目。塩と酢橘で食べる爽やかなサクサク食感の中で、甘さが光ります。
中トロ ♡
同じ魚体。ゆっくりと香りを楽しみながらとろける中トロ。切りつけも厚く、鮪の存在感は抜群です。
赤貝
ヒモの部位も一緒に握りこむ大好きな仕立て。貝とヒモの異なる食感と食べ終えた後に感じる香りが素晴らしい。
風の森 秋津穂 純米 真中採り
珍しくも3杯目。奈良県の油長酒造『風の森秋津穂純米真中採り』。
大トロ ♡
同じ魚体の蛇腹の部位。筋も当たらず、濃厚でもさらりとした脂がいい。確りと香りもあります。
煮蛤
口に入れると、ふわりと香る柚子。柔らかく、噛む度に旨味が引き出てくるよう。ずっと噛んでいたい。
車海老
綺麗な段だら模倣。温度・甘味・香り、全てが完璧。ブレのない味わい。
北紫海胆
北海道函館産。香りも甘さも心地よく、美味しい。
穴子
ホクホクとし、最後にはとろける穴子。安定した美味しさです。
鯖(追加)♡
摘みで出されたものを握っていただきました。見た目も艶やかな鯖は、やはり握っても極上の味わい。
鰤(追加) ♡
富山産。軽く漬けこんでおり、鰤のクセなどは微塵も感じられません。濃厚な脂のみが口の中で暴れる感じ。
金目鯛(追加) ♡
いつもデフォルトでは供されることはなく、追加で存在を知る種。皮目を軽く炙ることでその脂が目覚め、格別な美味しさが広がります。
椀物
蜆汁。濃度もいい塩梅です。
玉
キメが細かく、シルキーな舌触りのスイーツ寄りな玉。
今夜も供される料理全てにハズレはなく、実に美味しかったです。橋本親方はまだまだお若いですが、その柔らかな物腰の中に確固たる信念のようなものが感じられて、実に安定感のある素晴らしいお店。もう2年通わせていただいていますが、来店の度に味や構成、お店の雰囲気までもが進化していると感じています。
次回はまだ予約取っていませんが、冬の終わりあたりに伺いたいな。
ご馳走さまでした。また宜しくお願いします。24200
2018.8.
鮨店の定期訪問、今夜は新富町にある「鮨 はしもと」です。握りは王道そのもので切りつけも厚く、つまみはお酒がすすむようなものが多く供してくる素晴らしい鮨店。店主は、最近ご結婚された橋本 裕幸さん。間違えなく、これからの鮨業界を牽引する人物の一人だと思っています。
今夜も開店を待ちわびる方々が集まり出し、定刻になると白い暖簾が出迎えてくれました。
今夜の献立
作 玄乃智
最初の1杯は、三重県の清水清三郎商店の『作 玄乃智』です。
ただちゃ豆
山形のただちゃ豆。そろそろ食べ収めかな?
鮃
ガラスのような美しさの鮃。ねっとりと口の中で存在感を示して、甘味を残しながらなくなっていきます。
鰹 ♡
藁で燻した鰹。どこでも供されますが、この量はなかった。モチモチ食感、鼻に抜ける薫香、いいねー。
蒸し鮑 ♡
ゼラチン質化した蒸し鮑で、プリンプリン食感。肝ソースの香りと共に、口の中で鮑が蘇る感じ。
白烏賊 肝ソース ♡
食べ終わった鮑の肝ソースを使った定番化している一皿。少量のシャリと白烏賊を乗せて、肝ソースを追いかけ。美味しい♡
鰯巻き ♡
赤酢で〆た鰯をガリ・沢庵・アサツキ・胡麻と共に海苔で巻いたもの。極濃厚な鰯の脂は、たっぷり山葵でも負けません。
いくらの茶碗蒸し ♡
湯葉が入った茶碗蒸しの上からいくらをたっぷりとかけたもの。小粒のいくらが音を立てるようにプツンッと弾け、茶碗蒸しと混ざり合います。
新政 NO.6
2杯目は、秋田県の「新政酒造」の新政の唯一の定番生酒の『NO.6 S-type』。
肴3種 ♡
筋子の味噌漬け・焼き鮎のペースト・シャインマスカットの鮟肝和え。特筆すべきは、シャインマスカットの鮟肝和え。シャインマスカットを脱水して沢庵と一緒に鮟肝で和えたもの。フルーツの甘味の後から来る鮟肝の甘味がお酒を誘います。
赤ムツの焼物 ♡
目の前のサラマンダーで焼くことで、店内に香りが華やぎます。しかもこれほどの大きさの赤ムツの焼物は、ここ以外知りません。
ガリ
握りへ。
小鰭 ♡
口の中で飛散するシャリと溶け合うように混ざり合う小鰭の旨味。皮目は多少当たるけど、素晴らしい完成度です。
新烏賊
美しいフォルムの新烏賊。歯切れの良い無垢な味わい。
真鯛
じわじわと溢れてくる真鯛の甘味。皮目に入れられた格子状の包丁も美しい。
赤身
大間産110キロ。旨味が濃く、食べ終えた後でもまだ口の中にあるかのような存在感があります。
北寄貝
非常に北寄貝の甘さが映える一貫。貝は食感や甘味がそれぞれ違うので、魅力的な種です。
中トロ
同じ大間産。蛇腹の横だそうですが、脂はかなり薄めでさらりとしています。
鰆 ♡
薫香が香る鰆。その薫香の奥にある鰆の甘味が好き。
中トロ ♡
大間産130キロ。フレッシュな鮪ですが、程よい脂と香りがあって美味しい。しかしいつも思いますが、切りつけは実に厚くて口の中での存在感は素晴らしい。
秋刀魚 ♡♡
格子状に包丁を入れられて、実に美しい見た目。たっぷりとした脂はさらりとしており、鮪をも凌駕します。素晴らしい種です。
車海老
温度・甘味・食感の全てがパーフェクトと言える車海老。
海胆3種盛り ♡
右から壱岐産赤海胆・青森県産紫海胆・北海道利尻産馬糞海胆。この中では、馬糞海胆が格別な甘味を感じられます。
穴子
ホクホクとして、舌に絡みつくようなねっとり感。
蜆汁
間違えなく、身体にいいやつ。
鰤(追加) ♡
湯霜してから、軽く漬けにした鰤。鰤のクセや脂を確りと抑えており、旨味だけをギュッと凝縮したような鰤。ここの鰤は、いつも美味しい。
玉
半熟カステラのような玉。どちらかといえば、ここの玉もスイーツ寄り。
今夜は私の体調不良のせいで、握りの後半くらいからシャリの塩気をかなり感じてしまったことが、少し残念。ネット予約に移行してから、予約も取りやすいので迷っているとすぐに埋まってしまう…。今年中には再訪したいので、忘れないようにしなくっちゃ。
今夜もご馳走さまでした。次回は体調を整えて伺います。21800
2018.6.
季節外れの暑さが続く中、今夜は梅雨らしい雨模様。時間きっちりに暖簾が出される新富町にある鮨店「鮨 はしもと」は、雨が降っているからでしょうか、定刻よりもちょっと早く暖簾を出して出迎えてくれます。
本日の献立
じゅん菜ともずく酢
日本らしいなんとも爽やかな先付です。
真子鰈
ガラスのような美しさのある真子鰈。モチモチとした食感の中で、甘味が溢れ出します。
つぶ貝
薄めに切られているので、柔らかくて甘味がダイレクトに伝わってきます。貝類はこの独特の食感と香りと甘さが素晴らしいですね。
鰯タク巻き ♡
濃厚な脂のある鰯と沢庵を巻いたおつまみ。たっぷりの山葵でも負けない鰯の美味しさ。
千葉県勝浦産 蒸し黒鮑 ♡
プリプリとゼラチンのように素晴らしく柔らかで、口にすると香りもふわりと広がっていきます。下に敷かれた肝ソースも美味しい。
障泥烏賊のえんぺらとシャリ 肝ソースで
先程食べた鮑の肝ソースに、障泥烏賊のえんぺらとシャリを入れた料理。肝ソースを余すことなくいただける逸品。
毛蟹の茶碗蒸し ♡
隠し味で入っているのは、なんとブルーチーズ。毛蟹の味に負けないような、ブルーチーズのコクがいいアクセント。
長崎県壱岐産 赤海胆 & 鮟肝 & 蝦蛄 ♡
定番の甘く焚いた鮟肝と蝦蛄は子持ちと子なしの食べ比べ。赤海胆はちょっと塩をつけることで、甘さがグッと引き立ちます。
太刀魚の焼物 ♡
なかなか他店では見られない分厚い切りつけの焼物。いつもいつも食べ応えがあります。
握り
小鰭 ♡
天草産の小鰭で3日目だそう。なんとも口の中でとろけるような小鰭は、素晴らしい。
真鯛
鴨川産。切りつけが厚く、4日間熟成させたことで生まれる甘味が実に美味しい。
赤身
佐渡産の定置。思っていたよりもずっと濃厚な赤身。味は濃いながらも、香りはやや少なめかな。
間八 ♡
三重産。身の固さはなく、舌の上でとろけるよう。20日間の熟成が成せる味わい。
中トロ
境港産の巻網。フレッシュな感じで、赤身よりも香り高い。個人的には、赤身の方が好きかな。
真鯵 ♡
島根県浜田産の「どんちっち」。濃厚だけでなく、青魚の爽やかさもあって美味しい。肉厚でありながらも、柔らかな食感。
中トロ ♡
赤身と同じ魚体で、2週間くらい寝かせたもの。先程の中トロと比べると、格段にこちらの方が好み。口の中でとろける前に、一旦留まるような味わいが広がります。
マスノスケ ♡
北海道昆布森産。今シーズン最後のマスノスケは薫香がふわりと広がり、独特の甘さととろけ具合が格別。
車海老
シャリとの間に海老味噌を入れることで、海老の濃厚さを感じられます。温度も素晴らしい。
海胆スペシャル ♡♡
名残りの青森県大間産「ダイセン」の北紫海胆と北海道余市産の赤海胆を一緒に握ったスペシャル。香り高い北紫海胆と甘味の強い赤海胆が一緒になることで生まれる旨味は、素晴らしいの一言。
穴子 ♡
これから旬を迎える江戸前の穴子。舌に絡みつくような感じもあり、しっとりとした食感もあります。穴子らしい旨味のある穴子です。
玉
とろけながらも、鮨店らしいほんわかした甘さがある玉。
金目鯛(追加)
皮目を炙ることで脂を溶かし、身の脂は確りとコントロールしています。意外とあっさりとした金目鯛。
煮蛤(追加)
ライトな漬け込みの煮蛤ですが、旨味は十分に引き出されています。ふわりと香る柚子が印象的。
蜆汁
濃厚でありながらも、胃に染み渡るような味わい。
つまみと握りの緩急が心地よく、今夜も楽しめました。予約システムがOMAKASEというネット予約に変わったので、新規の方も以前よりは予約も取りやすくなっているようです。まだまだこれから伸びる若い親方の1人なので、是非とも堪能していただきたいです。
今夜もご馳走さまでした。次回は、8月にお世話になります。22800
2018.3.
やっと夜も春らしくなってきた日、新富町にある「鮨 はしもと」の暖簾をくぐります。定期的に通わせていただいている鮨店の一つで、物腰の柔らかい店主である橋本 裕幸さんの醸し出す雰囲気は、凛とした鮨店でありながらも、いつ来てもリラックスできる鮨店です。
今夜の献立
菜の花のおひたし
春♪上品なお味。
MIYASAKACORE
長野県の宮坂醸造の限定酒。
鮃と鮎魚女
鮃はモチモチ、鮎魚女はネットリ。コントラストのある刺身で美味しい。
蛸 ♡
明石産。感動する蛸。柔らかく、ゆっくりと歯が入っていき、蛸の香りとジュースが溢れてきます。
蛍烏賊ご飯 ♡
蛍烏賊を叩いて、花山葵とシャリを混ぜたもの。蛍烏賊の香ばしくも濃厚なワタの味わいと花山葵の香りが、とてもいい。
海鼠腸の茶碗蒸し
元々、出汁が美味しい茶碗蒸しに海鼠腸が加わることで、味に奥行きが生まれています。
子持ち槍烏賊
身は柔らかく、子はムチムチとしており、鮨店で食べる煮物はいつも美味しい。煮汁は継ぎ足しで使われているそうで、やらなかったですがこの煮汁をご飯にかけて食べたかった!
鮟肝と真梶木の生ハム仕立て ♡
鮟肝は甘く焚かれており、非常に好み。真梶木はベーコンのような感じで、これで3週間くらいだそう。おまけでいただいた端っこは、よりスモーキーで美味しい。日本酒がすすみます。
赤鯥の焼物
鮨店の鉄板の焼物。太刀魚もいいけど、やはり赤鯥の方が好き。
ALPHA 風の森 TYPE3
奈良県の油長酒造。
握り
小鰭 ♡
美味しい。酢と小鰭の脂を確りと感じられる味わいで、シャリが心地よく口の中で飛散していきます。
鮃
昆布〆されており、ふわりと昆布の味わいがし、シャリの解け方も素晴らしい。
赤身
銚子産の延縄だそう。食べ終えた後に、鼻から抜けていく鮪の香りがとても華やぎます。
白魚
初めて食べる種。軍艦の中には、芝海老のおぼろを忍ばせており、白魚のホクホクした中で甘みが広がっていきます。上に梅肉を乗せることで、味を引き締めています。
赤貝
滑りが残っており、食感と香りも極上!
マスノスケ ♡♡♡
きっと逢えると思っていました!軽く燻しており、口にすると薫香が香ります。そして、極上のネットリ感がシャリを包みんでいきます。素晴らしい味わい!
鯵
真ん中のイイトコだけを握っており、脂がありながらも爽やか。
田中六五
福岡県の白糸酒造。
中トロ ♡
京都府舞鶴産の定着網の85キロ。いつもながら鮪の切りつけは厚く、くるりとシャリを包みんでるかのようなので、口の中での鮪の存在感が凄い。
中トロ ♡♡
12月の青森県大間産の背びれの部位を冷凍していたもの。冷凍?と聞いても、侮るなかれ!驚愕!先程の舞鶴産のものも美味しかったですが、これは別格です。素晴らしい!
車海老
大きさ、温度、甘さ。全てが美味しい!
紫海胆 ♡♡
「日本橋蛎殻町すぎた」でも食べさせていただいた青森県のダイセンの紫海胆。色は黒っぽいですが、香りも味も極上です。
穴子
舌にまとわりつくような口溶け。
追加
煮蛤
ライトっぽいですが、旨味は十分。
金目鯛 ♡♡
ハラスの部位なので、知っている金目鯛とは別物の味わい。最後の最後まで美味しい。
蜆の出汁
貝はなんて素晴らしいんでしょう。
玉
鮨店の玉にしては、甘味のある味わい。
今夜もつまみから握りまで、実に素晴らしい時間を過ごせました。親方達にいつも感謝です。
6月から予約システムがネットになるそうで、予約が取りづらくなるかもしれません。頑張って、また味わいに伺いたいです。
2017.12.
数ヶ月ぶりの「鮨 はしもと」。そして、今年の鮨納めのお店でもあります。今夜もいつもと同じ席で、王道の江戸前に酔わせていただきましょう。
本日の献立
牡蠣と菜の花の煮浸し
ふわりと香る柚子に優しい牡蠣の出汁が、これからの始まりを期待させてくれます。
帆立 間八 九絵
北海道 野付産の天然帆立は身が確りとしていて、歯を跳ね返すような弾力があります。間八は塩を当てて10日ほど寝かせているので、もっちりねっとり。九絵も同様に寝かせているので、適度な歯ごたえもありながらも甘さが映えます。
鰹
長崎 松浦産の迷い鰹。藁で燻してある薫香が鼻を抜け、身はもっちりとしていて、味も濃く美味しい。
皮剥
肝と醤油のみで作った肝醤油で。よく知る味わいながらも、美味しい。皮剥は、やはりこの肝があってこそですね。
肝リゾット ♡
そして、この肝醤油を利用して作るリゾット。シャリと白烏賊を加えて、追い肝醤油。白烏賊の甘みが美味しさを加速させます。
香箱蟹
プチプチとした卵の食感と身の濃さ、いくらの甘さが美味しい。
白子の茶碗蒸し ♡
半分くらいは白子というボリューム。濃厚な白子に卵が優しく包み込みます。
鮟肝と牡蠣の味噌漬け
甘く焚かれた鮟肝と程よい塩気の牡蠣、冬の最高のアテ。お酒が進みます。
太刀魚の焼物
目の前で焼かれる焼物は、まずは嗅覚でやられます。他店でも焼物は供されますが、このお店のが1番好き。
握り
小鰭
橋本さんの修行先譲りの挨拶代りの小鰭。心地よい酢〆具合とジューシーさがあります。
羽太
もっちりとした身に甘さがあり、肉厚に切られているので、適度な歯ごたえもあって美味しい。
赤身
いつも思いますが、ここは切りつけが厚いので、鮪でシャリを包んでいる感じです。香りがとてもいい。
鯵
薬味が華やぐ。脂も濃厚ながら、とても爽やかです。
鰆 ♡
ほわんとした甘さがあり、薫香も鼻を抜けます。最近の私の好きな鮨種の一つです。
トロ ♡
美味しい。この言葉しか出ない。
赤貝
特有の香りが鼻を抜けます。赤貝はこの香りが命だと思っています。
〆鯖 ♡
素晴らしく美味しい。鯖のいいとこだけを残しているような感じで、鯖の濃厚な脂と甘さが秀逸。後から知りましたが、巻物でもイケるらしい。次回は食べたい。
背トロのはがし ♡
先程のトロも素晴らしかったですが、上には上がある。口に入れると、一瞬留まり、スッと溶けていく。瞬間的に蕩けるよりも、こちらの方が好み。
車海老 ♡
温度、甘さ、食べ応え。全てにおいて、完璧と言わざる得ない。
馬糞海胆
北海道 落部産。馬糞海胆は、この濃厚な甘みが美味しい。海苔の口溶けも素晴らしい。
穴子
ホクホクとして、とろりと蕩ける。煮詰めは少量なので、穴子本来の味わいも楽しめます。
追加
海松貝
サクサクとした食感、貝の持つ独特の甘さが美味しい。とりあえず、貝が好きなのでお店の貝は食べ尽くします。
鰤 ♡
生で食べる鰤とは、別次元の味わい。燻して薫香をつけて、醤油にくぐらせたものを薄く切りつけて、2枚重ねて握っています。
金目鯛 ♡
皮目を炙ることで、脂が溶けて、鮪にも負けない濃厚さが素晴らしい。
煮蛤
ふわりと柚子が香る煮蛤は、低温調理かな?とても柔らかいながらも、確りとした味わいがあります。
蜆汁
どこかホッとするのは、日本人のDNAなのでしょう。
玉
鮨店らしい甘みもある玉。
今夜もあっという間の2時間半。特に今夜の種は、摘みの段階から素晴らしいの一言でした。握りのクオリティも通う度に、確実に上がっているのを実感できます。今でも予約困難ですが、来年度は更に困難になること間違いなし。
来年度も宜しくお願いします。今夜もご馳走さまでした。
2017.8.
5ヶ月ぶりの「鮨 はしもと」に再訪。開店ちょっと前に白い暖簾が出され、お客を呼ぶかのように風で揺らめきます。
本日の献立
GoRIN 五凛
まず最初の冷酒は、石川金沢・加賀の酒の五凛生酛純米吟醸です。本数限定2000本だそうです。
ただちゃ豆
この時期は鉄板のお通しですね。
鮃
利尻産。程よいモチモチ感と甘さが良い。
つぶ貝
コリコリ感が楽しい。貝は食感と甘さが命ですね。
鰹
藁で燻してから、漬けにしたもの。薫香が鼻を抜け、独特のクセが抑えられ、モチモチ感がはえます。
穏
2杯目の冷酒は、蔵出し限定550本の福島県仁井田本家のお酒です。初めて飲みましたが、ガス感を感じられて美味しかったなぁ。
いくらの茶碗蒸し ♡
口に入れると、柚子の香りがふわりとし、中には湯葉も入っています。いくらのプチプチ感と塩気が素晴らしい。
鮑 ♡♡
千葉県大原産。600超えの鮑を2時間半蒸したもので、下に肝ソースを忍ばせて。鮑自体は磯の香りもして、モッチリとして美味しい。肝ソースには、肝と鮑の身の周りの部分を一緒に混ぜているので、甘さが強いソースになっています。
その後、肝ソースにシャリと白烏賊を入れて混ぜていただきます。最後まで美味しい!
鰯 ♡
たっぷり脂の乗った鰯を大葉・芽葱・沢庵などと一緒に海苔で巻いたもの。濃厚な脂と食感のある爽やかな食材が、よく合います。
加茂錦 黄水仙
新潟県加茂錦酒造のお酒です。若き蔵元杜氏の田中悠一さんが作り上げた新しい日本酒。
いくらの味噌漬け 新烏賊の下足
いくらの味噌漬けはねっとりとして、塩気も抑えられているので、いくらの甘さの方が勝ります。新烏賊の下足は、柔らかく、美味しい。
太刀魚の焼き物♡
ここの焼き物は、大好き。目の前にあるサラマンダーで焼かれる為に、香りと音が臨場感をくれます。
握りのはじまり
新子
2枚付けで、確りと新子の脂もします。この時期は新子も小鰭も楽しめて、お得ですね。
新烏賊 ♡
この時期ならではの種。新烏賊にしては、とても身が厚くて甘さが秀逸。
赤身 ♡
北海道戸井産。凄く切りつけが厚くて、鮪の存在感が凄まじい。食べ終えた後の香りも◎。
青箭魚 ♡
鰆の子供。元々、鰆は好きな種ですが、これは更に好き。薫香を感じた瞬間に身がとろけていきます。
小鰭 ♡♡
これは素晴らしい美味しさ。今年の中では、1番かも。〆て4日目だそうですが、とてもジューシーで、口に入れた瞬間に飛散するシャリと混ざり合います。
鰤 ♡
意外とクセのある種ですが、とても良く抑えられており、上品な鰤。
秋刀魚 ♡♡
はしりの種。秋刀魚はこのくらいの時期の方が脂が程よく、鮨の種としては絶妙に合います。
中トロ ♡
本当に切りつけが厚い。近くではありますが、銀座ではまず食べられない厚さです。
車海老 ♡
私の理想的な車海老。温度や甘さ、香ばしさも素晴らしい。
紫海胆 ♡
「まるひろ」の紫海胆。香りも濃厚さも楽しめます。
穴子 ♡
ちょうど腹の部分。とろけ方がハンパない。穴子本来の甘さも確りと味わえる煮かたです。
玉
どちらかと言えば、デザートよりの玉で甘く、美味しい。
北寄貝(追加)
軽く湯引きしてあり、クセのもなく、甘さも秀逸。
赤海胆(追加) ♡♡
壱岐産。先の紫海胆よりも濃厚で、甘みが強い。
馬糞海胆(追加) ♡♡
利尻産。これは3種の中でも極濃厚で、香りは弱め。ガツンとくる海胆です。3種の中では、赤海胆が私の好みでした。
椀物
今回は蜆汁でした。
訪問できなかった間に、銀座の某店で働いていた方も加わって、より安定感が増していました。摘みから握りまで、精度の高い王道の味わいは実に好みで、江戸前らしくはしりの種も多くて粋を感じられました。特に今回は2回転目のお客さんが店舗一食べる方だそうで、種がすごく豊富だったのは、嬉しい誤算だったなぁ。予約システムが変わったそうですが、一人客という利点を活かして、今年中の予約も無事に取れました。
今夜もご馳走様ー!
2017.2.
藍色の暖簾をくぐり、定期訪問している鮨店の「鮨 はしもと」に今年初。いつもの席で、まずは冷酒をいただきましょう。
今夜の献立
蛤と菜の花
絶妙な蛤の出汁。蛤が素晴らしく柔らかい。春を感じるお酒に、春を告げる肴。最高です。
鮃
一枚他の人よりも多いのは、親方の心遣い。
北寄貝
鰤
勝浦産。漬けにしてあり、鰤独特の臭みを和らげています。多少、感じるけど。
蛍烏賊♡
細かく切った蛍烏賊に花ワサビ、胡麻、シャリを合えたもの。蛍烏賊を細かく切るなんて、ありそうでなかった出逢い。
海鼠腸の茶碗蒸し♡
優しい味わいの卵出汁に、濃厚な海鼠腸が美味しい。贅沢な茶碗蒸しです。
牡蠣の味噌漬け子持ち槍烏賊マカジキの生ハム♡♡
お酒がすすむ3種盛り。こういう盛り合わせは大好き。ハズレなしの美味しさです。
太刀魚の焼物♡
「鮨 はしもと」の焼物は、他店よりも大好き。というのも、目の前にサラマンダーがあるので、焼いている時の香りや音などが感じられて、味以外にも楽しみがあるから。
握りスタート
小鰭♡
杉田親方譲りのジューシーな小鰭。皮目も柔らかく、酢締めも優しいので、しっかりと脂が感じられます。
墨烏賊
赤身♡
長崎松浦産。香りがとてもいい。
鳥貝♡
愛媛産。はしりの鳥貝ですが香りもあり、肉厚で美味しい。
中トロ
鯵♡
とても肉厚で、脂もあり、美味しい。
マスノスケ♡♡♡
天然のキングサーモン。軽く炙ってあり、口に入れると、ふわりと薫香が香ります。そして、一瞬でなくなる!素晴らしいの一言。
車海老
絶妙な人肌の温度で、甘みと香ばしさがよくはえます。
紫海胆♡♡
海胆の口溶けの中で、シャリが飛散します。素晴らしい。
穴子♡♡
大好きな腹の部位、素晴らしいとろけ方。
九絵(追加)
8日寝かせてあるので、甘さも十分。
間八(追加)♡♡♡
18日熟成。凄いとろけ方!いつまでも口の中に濃厚な脂が留まります。
玉
蜆汁
今年初の「鮨 はしもと」は雰囲気こそ最悪なものでしたが、江戸前の素晴らしい味わいを感じられました。まだまだ伸び代を感じさせ、親方の今後が楽しみでなりません。この味わいで20000円を切るCPなので、なかなか次の予約も取りづらくなってきました。
次回は真夏。ご馳走様でした!
2016.12.
定期訪問の新富町にある「鮨 はしもと」に再訪問。「naoさんは、お一人なので〜」ってことで、僅か3ヶ月空きでの再訪となりました。こういうのがあるので、おひとりさまはやめられない。
今夜の献立
きぬかつぎ
鮃
塩〆してあるので、モチモチです。
北寄貝
肉厚で、甘みが押し寄せます。
セイコガニ ♡♡
落石産の馬糞海胆と和え、いくらを盛っています。恍惚の一品。
カジキマグロの生ハム仕立て ♡
三週間熟成させたもので、一つはそのままで。もう一つは帆立と共に。お酒がすすみます〜。ちなみにこの時に飲んでいたのは、『雨後の月』。
白子の茶碗蒸し ♡
暖かい卵の中で、白子の甘さが映えて、実に美味しい。
牡蠣の味噌漬け&鮟肝 ♡♡
牡蠣は酒蒸しにした後、味噌に挟んで脱水。ワタの部分はねっとりとして、お酒が〜(笑)お代わりして、『飛露喜』。
穴子の白焼き ♡
皮目はパリッとして、身はフワフワ。美味しい。この目の前にあるサラマンダーで焼くという演出が、五感を刺激して、私は好き。
握りスタート
小鰭
真鯛
塩で〆て3日目。すっごいモチモチして美味しい。
赤身
鰆 ♡♡
藁で燻しているので、口に入れると薫香が鼻を抜け、脂がとけていく感じ。
赤貝
中トロ
鯖 ♡
口の中で、脂が一気に弾けるよう。
鰤 ♡
周りを燻して、醤油にくぐらせ、熟成させたもの。鰤のクセは全くなく、濃厚な脂が素晴らしい。
車海老
大きさ、温度ともに素晴らしい。
馬糞海胆
先ほどのセイコガニと合わせた海胆と同じもの。海苔と程よく溶け合います。
穴子
追加
煮蛤 ♡
噛み締める度に、旨味が溢れ出してきます。こんな味のガムがあったらいいのにと、思わず言いそうになりました(笑)
間八 ♡♡
2週間熟成だそうで、身も柔らかくて脂も申し分ない。今日の1番かも。
玉
蜆汁
この鮨店でいつも感じることは、店主橋本裕幸さんの謙虚さ。握り一つにとっても、黙って供して「俺の鮨はどうだ!」という所作も嫌いではありませんが、橋本さんのは「お口に合いますか?」というような雰囲気を感じさせます。それは自分の鮨に自信がないとかではなく、これが人柄なのだと思います。まだまだお若いので、これからの鮨の世界を牽引していくお一人なのは間違いありません。
来年も素晴らしい鮨を楽しみにしております。
2016.9.
蝉の音が途絶え、夕凪がやっと心地よくなった夜。2回目となる新富町にある「鮨 はしもと」にやってきました。開店から満席となり、相変わらずの人気店ぶりを感じさせます。若干30歳前半の店主 橋本 裕幸さんが醸し出す柔らかな雰囲気の中、今夜の鮨が始まります。
今夜の献立
枝豆
鮃
北海道産。モチモチとした食感の中で、甘さがはえます。
ツブ貝
心地よい歯応えで、貝の甘さが美味しい。
鮑 ♡♡
千葉 大原産。下には肝ソースがあり、絡めて食べます。鮑は柔らかいのは勿論ですが、磯香りも残っていて、鮮烈です。
筋子の味噌漬け ♡
ねっとりとした食感で、筋子の味わいがギュッと濃縮した味わい。
鰯 ♡♡
鰯・ガリ・タクアン・ゴマ・芽ネギを海苔で巻いたもの。鰯がすごい脂があって、単品だとしつこいかもしれない程。それを爽やかに食べさせる橋本さんの腕です。
鰤 ♡
元々クセのある魚ですが、全くそれがなくて、濃厚な旨味と脂に酔いしれます。
秋刀魚の焼き物 ♡♡♡
秋刀魚は一夜干しにしてから、目の前にあるサラマンダーで焼き上げているので、その香りもご馳走。ソースは秋刀魚のワタに酒と味噌で味を整えており、甘い脂にほろ苦いワタの味が絶妙に合います。
握りスタート
新子
柔らかな締め具合。新子のほのかな脂も感じられて、美味しい。
真鯛
赤身
赤身とは思えない程の口溶けで、口の中で鮪の香りが華やぎます。
鰆 ♡♡
口に入れると、藁の薫香がして、一瞬でなくなる。鮪以上の口溶け。美味しい。
中トロ
秋刀魚 ♡♡♡
不味いわけがない!濃厚な脂に、肉厚な身は絶品です。鹿子切りの見た目も美しい。
いくら
車海老
2種の海胆 ♡♡
長崎 壱岐産の赤海胆と北海道 礼文島産の紫海胆を2種盛り付けたもの。違う甘さが口の中に広がり、後味は磯の香りがします。
穴子
追加
鰯 ♡♡♡
すごい脂。鰯の白いところは、脂だそうで、口に入れると一瞬でなくなり、余韻が続く。
鰤 ♡
握りも美味しい。薄く2枚に切りつけているので、口溶けもいい。
北寄貝
シャコっとした食感の後を追いかけるような甘さが秀逸。
蜆汁
玉
ちゃんと魚の味がする鮨店の玉です。
夏の名残り、秋の訪れを感じさせる献立で、満足。前回よりも摘みも握りも洗練されていて、名店の風格が出てきています。それを裏付けるように、予約も取りづらくなっていて、一見の方は大変かもしれないです。どうしても食べたい方は、1人で予約すれば意外と…。
次回は12月。魚も美味しくなる時期なので、今から楽しみでなりません。今回もほぼ食べ尽くしました。ご馳走様です。
2016.4.
今年の初めから鮨店の開拓を一気に進めてきましたが、今回のお店でとりあえず一区切り。最後に選んだお店は、新富町にある「鮨 はしもと」です。ここは「日本橋橘町 都寿司」(現在は「日本橋蠣殻町 すぎ田」)の2番手だった橋本裕幸さんが2014年12月に独立された鮨店で、今やかなりの予約困難店の一つとなっています。
有楽町線に揺られ、新富町へ。日曜日ということもあり、銀座の喧騒を逃れるかのようなひっそりとした街の中に凛とした佇まいに、藍色の暖簾がたなびく。
「鮨 はしもと」。
戸を開けると、まだ木の息吹がするような輝く白木のカウンターが出迎えてくれ、お若い店主の橋本さんからご挨拶をいただきました。席は8席、隣との間隔は少し狭い気もしますが、ゆったりとした肘掛け椅子なので、さほど気にはなりません。料理はおまかせコース13000円のみで、嫌いな食材の有無を聞かれて、スタートです。
先付空豆
真子鰈
今朝届いた活け〆のものだそうで、しっかりとした食感が残っています。
鰹
塩〆しており、モチモチとした歯に吸い付くような食感があります。和がらしとともに、そのままでも赤身の旨味が美味しい。
のれそれ黄身ポン酢
穴子の稚魚。
筍と沢庵のあん肝和え♡♡
美味しい。筍の食感と沢庵の濃い味わいがあん肝とよく合います。
桜海老の茶碗蒸し
桜海老は少し炒ってから入れているそうで、香ばしい香りがすごい。
蛍烏賊の味噌漬け♡♡
一週間ほどの漬け込みだそうですが、フレッシュ感も残っていて、美味しい。
太刀魚焼き
カウンターから見えるサラマンダーを使い、目の前で焼き上げてくれます。ふっくらとしたよい火入れです。
ここから握りスタート。
小鰭♡
程よい脂。〆方もいい。
真鯛
じわりじわりと甘さが出てきます。
鳥貝
大目鱒♡♡
軽く燻しているので、薫香が楽しめ、脂がすごい。
縞鰺
鯵♡♡
綺麗な鞍掛け。とても肉厚で、贅沢に半身を使っているそうで、鯵を食べてるという実感か湧きます。
中トロ
50キロくらいのものだそうで、春らしい爽やかな脂。
車海老♡♡
半レア。温い中で、車海老の甘さが活きています。
海胆
水松貝 追加♡
北寄貝 追加
蛤 追加♡♡♡
煮詰めはなし。蛤の茹で汁を煮詰めて、継ぎ足して作る漬け汁に漬け込んでいるそうで、そのままでも十分な味わい。シャリと種の間に挟んだ柚子がふわりと香ります。
白川 追加
よい脱水で、甘みも十分。
穴子♡♡
舌に絡みつくようにとろけていきます。美味しい。
玉子
蜆汁
親方はとても気さくで、所作や言葉遣いなど全てが丁寧という印象を受けました。種は上々、切りつけは大きく、赤酢のシャリは小さめなので、素材によってはシャリの存在を感じないような一貫もありましたが、とても美味しかったです。摘みもお酒が進むような料理もあれば、お腹を温める料理もあり、構成は素晴らしく、一品一品が美味しい。そして、この居心地の良さに驚愕のCPは、人気が出ないわけがない。
橋本さんの修行先の「日本橋蠣殻町 すぎ田」には行ったことがないので、橋本さんがどのような個性を出しているのか分かりませんが、数年後には間違えなく東京を代表する鮨職人になっていることでしょう。
何気に次回の予約も取らせていただいたので、また味わうのが楽しみです。
2020.2.
今回は久しぶりにグランメゾンでの1人ランチ。舞台は現代の伝説的料理人の1人である井上旭さんが1984年にオープンした老舗フレンチレストラン「Chez Inno」。料理長の古賀純二さんを中心にして作り出す皿は、日本でも屈指の正統派フランス料理であり、このお店の絶対的スペシャリテの『仔羊のパイ包み焼き"マリアカラス"』は死ぬまでには必ず食べるべき料理と言えるでしょう。平日のランチのみですが、1人でも対応して下さるので、優雅な時間の始まりです。
お決まりとなっている通年メニューの他に、実はアラカルトで季節メニューも豊富にあり、今回はご提案していただいたメニューの中からアラカルトで注文することにしました。
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Menu du jour
黒トリュフのピューレをかけた温度玉子
卵形の器の中には温度玉子と牛蒡のピューレ、その上から黒トリュフのピューレをかけたアミューズ。想像よりも牛蒡の味わいと香りがして、確りとかき混ぜることで最後まで楽しめます。温度玉子も卵黄だけならば、もっと濃厚で美味しいと思うのだけど。
オマール海老とホワイトアスパラガス アメリケーヌソース♡
本日届いたばかりというホワイトアスパラガスを使った一皿。皮を剥き、スチームをかけたアスパラガスをヴルーテソースで、贅沢に丸々一尾グリルしたオマール海老はアメリケーヌソースでいただきます。
まるでトウモロコシのような甘さのホワイトアスパラガスは、実に瑞々しくジューシーで美味しい。そして、オマール海老。絶妙な火入れでプリプリ感に甘さが溜息の出るくらいに素晴らしい美味しさ。
滋賀県産 猪のロースト
ジビエもあるとのことで、数種類あったものの中から猪を選択。猪の部位はロースで、ソースはそのジュとエシャロットを入れたちょっと酸味のあるもの。
柔らかなロースながらもいい確りとした噛み応えがあり、咀嚼する度に旨味が溢れてきます。猪自体は実に美味しいですが、ソースがあまり好みではなく、他のジビエはどうだったのだろうと後悔?興味?が残りました。
仔羊のパイ包み焼き"マリアカラス"♡
やっぱり来たら食べたいスペシャリテの『マリアカラス』。相変わらずに食べた瞬間に美味しさが身体を駆け抜けていきます。フォークを刺す度、ナイフで切る度に肉が蘇るようで、こんなにもジューシーでこんなにも柔らかいことに驚きます。古典的にソースもたっぷりとかけられており、嬉しいかぎり。
…でも途中から飽きちゃう。「美人は3日で飽きる」と言われているけど、正にそんな感じ。決して不味くはないけど、ファーストインパクトの味わいの感動が持続しないのよねー。
サービスは心地よく、料理の説明も丁寧。でも絶対的スペシャリテの『マリアカラス』に何となく古めかしさが感じてしまい、100%の満足感が得られなかったです。未食の料理も多数あり、季節毎のメニューも気になりますが、再訪はどうだろうか。
2017.4.
桜舞い散り、初夏の薫りもし始めた頃、「Chez Inno」の扉を開きます。今回も事前にお願いして1人ランチで、ディナーメニューをちょっと変更してオーダーです。
実食
黒トリュフのピューレをかけた温度玉子
小さな器から立ち込める圧倒的な存在感のトリュフの香り。濃厚でありながらも、中に忍ばせたポーチドエッグが絶妙に絡み、絶品です。
手長海老と帆立のすり身を挟んだ筍のガレット仕立て
手長海老・オマール海老・タラバガニの3種より今回は手長海老を選び、供されたのがこの料理です。
溜息しか出ない。それほどに美味しい。手長海老と帆立のすり身を柔らかい筍の穂先でガレット状にしてあり、筍の食感の中でそれぞれのすり身の甘さがはえます。そして、やはりソースが絶品。添えられたホワイトアスパラや春のコゴミ、蕗の薹のフリットなども脇役にしておくには勿体無いくらいの美味しさになります。
舌平目のブレゼ“アルベール風”
スペシャリテの1つ。目の前にすると、バターの香りがすごい。フワフワの舌平目の表面だけに細かいパン粉の焼き色があり、ベルモットで蒸し焼きにしているそう。この皿もソースが絶品。ソース・アルベールというシャンピニオンとエシャロットにベルモット、フュメドポワソンを加えたもので、マキシムの支配人の名前から由来しているそうです。作り方を拝見したことがありますが、たっぷりのお酒と上質なフュメドポワソンが美味さの秘訣らしい。
牛フィレとフォワグラのロッシーニ好み
デフォルトのフォワグラ料理をメインのロッシーニに変更!これも溜息しか出ない。柔らかい牛フィレは上質なものと直ぐに分かり、濃厚なフォワグラに負けない奥行きのあるソース・ペリグーが素晴らしい。このソースだけでもパンが何枚でも食べられます。たっぷりのソースで食べる、まさに「ソースが命」の王道フレンチを実感できる一皿です。
仔羊のパイ包み焼き“マリアカラス風”
この料理に逢いに来たと言っても過言ではありません。間違えなく、このお店のスペシャリテ中のスペシャリテ。さっくりとしたパイに包まれた柔らかな仔羊。その中にはフォワグラと刻んだトリュフという素材からして素晴らしい料理。ソースもポートワイン・マディラワイン・ブランデー・フォンドボー・トリュフ・バターなどから作られるソース・ペリグーは、パイ生地に染み込ませて余すことなく堪能できます。ロッシーニのそれに比べると、こちらの方が多少軽やかかな。
本日のデザート
せとかをカモミールシロップでコンポートしたものとフロマージュブラン。
鮮烈なせとかの甘さの後を追いかけてくるかのようなカモミールの苦みが口の中をリセットしてくれます。
ワゴンより
・抹茶ケーキ♡
・カスタードプリン♡
・日向夏のタルト中にはマスカルポーネチーズ
・清見オレンジのムース
・オペラショコラ
・パリブレスト中にはイチゴとピスタチオのクリーム
2年ぶりの「Chez Inno」の料理はどれも美味しく、やはり王道フレンチは好みということを実感させてくれます。どの料理にも共通することは、美味しいと実感してからの滞空時間が長く、溜息と共に現実に戻ってくる感じがします。フレンチを語れるほど食べ歩いてはいませんが、素材の持ち味を活かす料理が増えている中でも未だに支持され続けるのは、シンプルにただ美味しいからなのだと感じました。何度でも何度でも、また食べたいと思える料理の数々をありがとうございます。
次回はいつ頃に行くか未定ですが、支配人から通年メニュー以外もリクエストしていいと言われたので、是非『あの料理』を食べたいです。
2015.1.
「逢いたい人は、数えるほど。逢いたい料理は、数えられぬほど」
ずっと逢いたいと思い焦がれていた料理があります。
『マリアカラス』。
ご存知の方も多いでしょう、この料理。フランスのオペラ歌手の名前を冠するこの料理は、「Chez Inno」のオーナーである井上 旭シェフのスペシャリテであり、このお店を代表する料理。そして、この料理を考案した当時はよい食材がなかったそうで、それでも本場フランスに負けないほどの料理を!という井上シェフのプライドとロマンが凝縮された一皿だそうです。
そんな料理を食べたい!と思いながらも、「一人で食べ歩く」という拘りが邪魔をして、なかなか行くことができずorz しかし今回は、特別にという御厚意で初訪問することができました。
「Chez Inno」。
1984年創業の「ソースのスペシャリスト」と言われる井上 旭シェフがオーナーの老舗フレンチ。
入口を彩るステンドガラス、陽光の射し込むメインダイニングはグランメゾンの風格を感じさながらも、どこかアットホームな温かさに溢れています。
オーダーは味見も兼ねて、10800円のランチコースで、メインを『マリアカラス』に変えて頂きました。
実食
『カリフラワーのピューレ コンソメジュレかけ』
アミューズは、カリフラワーのピューレにコンソメジュレをかけたもの。
カリフラワーのピューレは濃厚で、コンソメジュレと共に口に入れれば、中でカリフラワーの冷製スープが出来上がるかのようです。
『オマール海老のガトー仕立て コート・ドール風』
2種ある前菜の中から、選びました。
手前から生雲丹と白ワインのソース・トマトソース・キノコソースで彩られ、上部にはタラバガニのカクテルとアボカドピューレが添えられいます。
オマール海老が惜しげもなくたっぷりと詰められており、その名の通りケーキのように野菜と海老の旨味が凝縮されています。それぞれのソースで食べてもまた混ぜても、素晴らしく美味しい。特に雲丹ソースは意外にもあっさりとしており、たっぷりとつけても楽しめました。
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『鴨のフォワグラと胸肉の燻製の取合せ』
赤い煌めきはポートワインゼリー、黒い斑点はバルサミコ。
フォワグラは極濃厚、胸肉には凝縮したような甘みがあります。個別に、一緒に食べても余韻を残すような旨さが広がります。
『舌平目のブレゼ ロワイヤルソース』
蒸し煮にした舌平目を、ベルモットを煮詰めた中にトマトとバジルを入れた軽い酸味のあるソースでいただきます。
少しパン粉を付けた焦げ目が、気にならないほどに繊細な口当たり。舌平目のポーションはかなり大きいけど、「魚を食べる」というよりも「ソースを食べる」という感じで美味しい。
『仔羊のパイ包み焼き マリアカラス風』
提供された時に心の中で、「やっと逢えたね…」と呟いたほどの料理。フォアグラとトリュフと共にパイで包んだ仔羊は綺麗なロゼ色、ビロードのようなソースはジャン・トロワグロから習得したペリグー。お皿が纏う香りさえも、美味しい。
ナイフを入れるだけで、肉汁が溢れ出す仔羊は、素晴しく柔らかい。パイはパリッとした感じではなく、しっとりとして肉の旨さを吸い込んでいるよう。ソースは濃厚で言葉が出ないに美味しく、今までの中で一番かも。肉・パイ・ソースが織りなす三重奏は、絶品という言葉が相応しい。ポーションもかなり大きく、ソースもたっぷりと添えられているので、満足度も高いです。期待を上回る美味しさでした。
『デセール』
ワゴンから数種ある中から、選びます。「お好きなだけ〜」と言われるので、「じゃ、全部!」と言いたいところですが、さすがに食べられず。く、悔しい。
『シュークリーム』『ガトーショコラ』『フルーツタルト』をセレクト。この中では『フルーツタルト』が、お気に入り。タルト生地が厚くて、まるでスポンジをぎゅっとした感じかな。
飲み物は紅茶にしたのですが、そのカップが可愛かったなぁ。レイノー社のALBAシリーズだそうですが、桃色の花びらが舞っているような絵柄で。
グランメゾンというと、敷居が高くて緊張しますが、このお店のスタッフの方は皆フレンドリーで、純粋に楽しむことができました。井上シェフも、何度もダイニングにいらして、お客さんと談笑されてましたし。客とお店の距離が近い感じがします。
「レストランには、感動があること」
井上シェフの信念の1つだそう。店造りや料理は間違えなく、感動はあります。そして、人が作り出す雰囲気も、決してマニュアル的ではないサービスが素晴しかったです。期待と不安でレストランの扉を開け、帰る際には感動を持ち帰れる。そんな美味しさと感動に溢れたレストランでした。
2013.5.
「東京グランメゾン♡チャリティーカレー」の全店制覇を目指し、次に訪れたのが、京橋にある「シェ・イノ」です。このお店ももちろん超有名店で、なんといっても『マリアカラス』という『仔羊のパイ包み焼き』が後世にも遺したいメニューとして、多くのメディアに取り上げられています。私も食べてみたいのですが、なかなか行く機会がなく、そもそも1人で行けるのか?という疑問を抱きながら、今日に至ってる感じです。
店舗は明治製菓ビルの1Fにあり、ザッと100人くらいの行列でしょうか。並ぶこと小一時間で、店内へ。すぐにバースペース現れますが、椅子などは店外出されており、バックバーを見ながら、席の順番を待ちます。お店の雰囲気としては、「アピシウス」に比べると、1Fということもあり、明るい感じで、ステンドグラスがとてもキレイな扉が印象的です。
こちらでいただけるのが、『イカ墨カレー』。このチャリティーイベントでは、肉系のカレーが多かった「シェ・イノ」としては、珍しいシーフードカレーとなります。
実食。
イカ墨ということで、想像通りの漆黒のルウ。味わいは、少々しょっぱいけど、エビの風味が効いたスパイシーなソースのようです。ルウの中に浮かぶのは、イカの食感を少し残したフワフワのクネル、付け合わせの湯むきされたトマトの清涼感が、このカレーによくあいます。『イカ墨カレー』というよりは、『ライスイカ墨ソースかけ』という感じ。さすがはソースが絶品と言われるだけあって、これも美味しい。
まだ見ぬ『マリアカラス』の期待が、更に膨らむとともに行きたい気持ちが高まるのです。