レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
20回
2022/09訪問 2022/11/08
2022.9.
握るのは力強き鮨と食べ手の心/はっこく
今夜の献立
突先♡
初手は佐藤さんのシャリと鮪の素晴らしさをダイレクトに感じられる心掴む手巻き。ガツンとくるシャリと鮪の旨味がたまらない。
平目
モチモチとした食感を楽しんでいると溢れる甘味。
箸休め①バーニャカウダ
カブ・コリンキー・オクラ・紅芯大根・水茄子。2種類の味噌とオリーブオイルで作られた自家製ソースが美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は瑞々しくジューシー。食べ終えると、甘味が広がります。
鰤♡
北海道釧路産の背の部位。生の仕立てですが、クセもなくてさらりとした脂が美味しい。
白海老
富山産。シャリの塩味でより白海老の甘味が際立ちます。
毛蟹♡
北海道噴火湾産。毛蟹の旨味が食べた瞬間にグッときて、コレもシャリの塩味でより甘味の輪郭がはっきりとします。
いくら♡
口に入れた瞬間に液体に変わるようないくら。柚子も振っていないので、純粋で濃密ないくらの旨味が楽しめます。
柳蛸♡
初のなる種。間には梅肉と大葉を刻んだものを入れており、かなり爽やかで蛸も柔らかい。
鰹♡
鰹の赤に緑と黄色の薬味が美しい一貫。モチモチとした身に皮目を炙った香ばしい香りが印象的。
鰆西京漬♡
「はっこく」の中でもこの日本料理の技術を取り入れた種は、お気に入りの一貫。西京漬にすることで、鰆の旨味が味噌の甘味で累乗するような味わい。
北寄貝
軽く炙った仕立て。甘味はより感じますが、炙ることでできる焦げの苦味がやはり気になります。
鯵
身も厚く、食べた瞬間に存在感を感じる鯵。程よい脂乗りで薬味の爽やかさもあって、爽快な味わい。
墨烏賊♡
醤油の香りと酢橘の酸味で食べる墨烏賊。この醤油の香りが実にいいアクセント。
箸休め②椎茸と舞茸の焼き野菜
「はっこく」のロゴを付けた特注のバーミキュラに入れられた米油で焼いた焼き野菜。今夜は椎茸と舞茸。シンプルな味付けなので、香りが映えます。
中トロ♡
京都府舞鶴産のいい時のを冷凍していたもの。「冷凍なの?」と思うかもですが、香りもあって実に美味しい。
大トロ♡
青森県大間産。コクのある旨味と甘味が食べた瞬間にガツンときます。
赤身漬け♡
青森県大間産。漬けにすることで、旨味が凝縮することがよく分かる味わい。舌触りもシルキーな感じで良い。
小肌
グッとくる酸味と、それを味わっていると小肌の旨味が追いかけるように後から溢れてきます。食べ終えた後は、実に爽やか。
車海老♡
茹でたての車海老は甘味が素晴らしい。咀嚼の度に香りも爆ぜて美味しい。
箸休め③ピーマンの塩昆布和え♡
オープンからずっと供している名物的な存在。ピーマンは生ですが、香りはありつつも苦味などは皆無で美味しい。
河豚昆布〆♡
「河豚の女王」と称される真河豚を使った昆布〆。小気味良い食感があり、咀嚼の度に昆布の香りと真河豚の甘味が溢れてきます。
牡蠣♡
北海道昆布森産。どっしりとした旨味のある牡蠣は意外にもこのシャリによく合っており、美味しい。
〆鯖♡
口の中の温度でじんわりととろける鯖。シャリと一体になることで生まれる旨味が素晴らしい。
金目鯛柚庵漬♡
コレも日本料理の技術を取り入れており、数ある金目鯛の仕立ての中ではこの柚庵漬が一番好み。
雲丹♡
さらりと供される雲丹は、いつもながらに美味しい。濃厚でクリーミーな甘味があり、海苔の香りも映えて美味しい。
穴子
爽煮にされた穴子は真白で、煮つめも少量なので、穴子本来の香りと味わいを強く感じられます。
玉♡
最後はスペシャリテと呼ぶべき、表面をキャラメリゼした玉。100%スイーツ寄りの味わいですが、実に美味しい。
銀座にある「はっこく」は握りに特化した鮨店で、職人が異なる3つのカウンターで繰り広げられる怒涛の25貫の握りは鮨好きの心を掴みます。店主・佐藤 博之さんは多くのメディアに露出したり、海外での活躍も多いので、映えるようなエンターテイメント性を期待するかもしれませんが、意外にもそんなことは皆無で黙々と握る姿に熱い気概を感じられる鮨職人です。
佐藤さんの鮨の魅力は、なんといっても有名鮪卸問屋「やま幸」から仕入れる鮪とそれに合わせた力強い赤酢のシャリ。全25貫の中でも鮪を使った4種がやはり光り輝き、何よりも美味しい。そして、私が気に入っているのが西京漬や柚庵漬などの日本料理の技術で仕込んだ種。他店ではあまり見ることない仕立てで、シャリにも負けない力強い味わいがあります。これから寒くなるにつれて、力強いシャリにビジっと合う濃厚な味わいの食材が増え、「はっこく」の魅力も更に増すはず。心掴む佐藤さんの鮨をまた食べさせてください。
2022.3.
万花繚乱な美人鮨/はっこく
今夜の献立
突先♡
心掴む佐藤さんの名刺代わりの手巻き。シャリの温度で海苔と鮪の香りが華やぎます。
箸休め①味噌とオリーブのバーニャカウダ
添えてあるこのソースが実に美味しい。無限に野菜を食べられそう。
平目♡
切りつけも厚く、極上のモッチモチ感が味わえ、シャリの酸で甘味の輪郭がはっきりしてきます。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで優しく〆られた春子鯛はジューシーで美味しい。口の中での魚の存在感が素晴らしい。
平貝
シャリに柚子の香りをつけて握られる平貝は食感もさることながら、実に香りがいい。
赤貝♡
口に入れるとぬるりとした舌触りがあり、咀嚼すると、一気に香りが立ち上ります。
桜鱒♡
周りを酢で〆ているそうで、それ以外は液体?と思えるほどの口溶け。香りもよく、素晴らしい。
鰯♡
鰯の梅煮をイメージした仕立てで、種とシャリの間に梅肉と大葉を入れています。以前は上に乗せていた梅肉を忍ばせることで、鰯の強烈な脂と香りがダイレクトに感じられ、後から感じる梅肉でとても爽やかに食べられます。
蛍烏賊♡
叩いてなめろうにした蛍烏賊を握っているので、口に入れた瞬間に旨味と香りがドッパーンと弾けるかのよう。
河豚白子♡
焼かれた薄皮を破ると、ジュースとなった白子が溢れます。無垢の甘味と旨味がシャリと混ざり合い、美味しい。
牡丹海老♡
舌に絡みつくような甘味の中で、身がプリプリと弾けます。食べ終えても余韻の長い旨味が広がります。
鰹♡
薬味の葱と生姜の2色が鰹の赤色を引き立ている目にも鮮やかな一貫。直前に皮目を炙ることで香ばしさも生まれており、モチモチとした身の旨味もいい。
鰆西京漬
「はっこく」の特徴的な日本料理の技法を使った種。想像以上にねっとりとした鰆は味噌の濃さに負けるかと思いきや、確りと旨味が溢れてきます。
箸休め②春キャベツと新玉葱の焼き野菜
米油と塩のみですが、素材の旨味と甘味が際立ちます。
えぼ鯛昆布〆♡
あまり見かけない種ですが、れっきとした江戸前の種。確りと脂コントロールされていて、旨味が凝縮しており、最後にふわりと昆布が香ります。
細魚
半身を捩って握った大胆な一貫。モチモチとしており、爽やかな旨味が駆け抜けます。
墨烏賊♡
肉厚で心地よいサクサク食感。塩の仕立てが多いながらも、「はっこく」は醤油と酢橘を使うことで墨烏賊に香りを与えていて美味しい。
中トロ♡
今夜の鮪は京都府舞鶴産。とてもシルキーで旨味が濃厚。香りもぶわっと鼻から抜けます。
大トロ♡
香りは先程よりも少ないながらも口溶けは素晴らしい。溶ける時も甘味を感じ、濃密なジュースを飲んでいるかのようです。
赤身漬け♡
漬けにすることで旨味がギュッと凝縮して、更に美味しい。鮪の供する順番にも職人の個性がありますが、個人的には中トロ→大トロ→赤身漬けが味わいの流れ的に好き。
小肌
皮も柔らかく、口の中をリフレッシュさせるキリッとした味わい。
車海老♡
半生よりも火を入れて人肌まで落ち着かせた車海老。海老味噌は使わずに身の旨味だけで勝負の一貫は、強烈な甘味と香りが美味しい。
箸休め③ピーマンの塩昆布和え♡
「はっこく」の中でも人気の箸休め。ピーマンが実に美味しい。
金目鯛柚庵漬♡
色々な金目鯛の仕立てがありますが、この柚庵漬仕立てが一番好み。
〆鯖♡
鮪にも決して負けないような口溶けの良さと旨味。青魚の香りも素晴らしく、とても美味しい。
雲丹♡
今回は馬糞雲丹。さらりと供していますが、いつも美味しい。海苔と雲丹が瞬時に溶け、香りが立ち上ります。
穴子
醤油を使わずに煮る爽煮という仕立てで、真っ白な穴子。少量の煮つめで、穴子本来の旨味と香りを楽しめます。
玉♡
スペシャリテの表面をキャラメリゼした100%スイーツ仕立ての玉。
オープン当初から続けていた握りのみ30貫というコースを25貫にすることで、より鮨を楽しめるようになった銀座にある「はっこく」。店主の佐藤 博之さんの握る鮨は形も美しく、上品な女性らしい印象を受けます。有名鮪卸問屋「やま幸」の鮪は鉄板の美味しさがある中で、今夜は力強いシャリと共に香りを楽しめる種が多く、肴なし握りのみでも満足度は高かったです。肴<握りという方は是非とも怒涛のごとく供される鮨を堪能していただきたいです。
佐藤さん、今夜もご馳走様でした!次回は是非ともリクエストさせていただきます。
2021.11.
美人な鮨
料理人の個性が光る肴も捨てがたいですが、やはり私は鮨店に来たら、握りを食べたい。既存の肴→握りや肴と握りを交互に供するお店が多い中で、2018年に肴を出さない握りのみというコース仕立てで鮨業界に一石を投じた「はっこく」へ再訪。店主・佐藤 博之さんが作り出す鮨は、赤酢がガツンと効いた濃旨なシャリに濃厚な種が特徴的。当初は30貫というボリュームのあるコースでしたが、現在は25貫に減らすことで一貫一貫の鮨感をアップさせて、より握りを楽しめるかたちになっています。
今夜の献立
突先♡
佐藤さんの名刺がわりの鮪の頭の部位の『突先』を使った手巻き。事前に人肌にしてあるので、口の中で広がる旨味と香りが素晴らしい。
箸休め①バーニャカウダ
平目
極上のモチモチ感。咀嚼の度に旨味と甘味が溢れます。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで締められた春子鯛はふわりとした食感で、ほんのりと甘くジューシー。
いくら♡
いくらを出汁醤油でかき混ぜることで空気が入り、エアリーな感じに。いくらの濃度はあっさり目ですが、美味しい。
秋刀魚♡
フォトジェニックな握りの秋刀魚は臭みなど皆無で、旨味を楽しんだ後に香りがふわりと鼻から抜けます。
赤貝♡
ヒモも一緒に握るスタイルで、香りと食感が段違い。
鰆西京漬♡
実に美味しい。あまり他店では見かけない和食の調理法を施した種は、このお店の良さ。上に乗せた味噌がまたいい仕事をしています。
〆鯖♡
素晴らしい!口に入れた瞬間にとろける鯖は、旨味が爆ぜるよう。
白子♡
海苔の香りに包まれる白子はほんのりと温かく、クリーミーな甘味が広がります。
牡丹海老♡
見た目も美しい牡丹海老はねっとりとした甘味と旨味を舌に絡ませます。
鰹♡
鰹の赤に薬味の黄色と緑が映える一貫。旨味も申し分なく、食べ終えると爽やかな風が吹いたかのよう。
箸休め②蕪と舞茸の焼き野菜
鰤♡
北海道余市産。クセのある鰤ですが、なんと生。しかしながらクセなどはなく、少々歯に当たるくらいの食感でとろけます。
墨烏賊
肉厚ですが、墨烏賊らしくスパッとした歯切れの良さ。塩ではなく、醤油を使うことで香りも楽しめます。
鮪①中トロ♡
青森県三厩産。コクのある旨味で、食べた瞬間から甘味が広がり、食べ終えて広がる香りも美味しい♡
鮪②大トロ♡
同じ魚体。霜降りなので先程よりもコクと甘味があり、とどまるような旨味があります。
鮪③赤身漬け♡
最後は赤身漬け。香りは段違いに素晴らしく、凝縮した旨味と出汁の旨味が合わさって素晴らしい。
小肌
最初はスッキリとした酢の味わい、その後に広がる小肌の旨味が濃厚。
車海老♡
だんだら模様も美しく、人肌温度で香ばしい香りや甘みも映えます。
箸休め③ピーマンの塩昆布和え♡
梭子魚昆布〆♡
ふわりと昆布の香りし、梭子魚はとてもジューシー。好みの脱水加減。
平貝
柚子香る平貝はサクサク食感の後、甘味と香りが華やぎます。
蝦蛄♡♡
宮城県産。とても太く大きな蝦蛄は甲殻類の香りと旨味が素晴らしく、ずっと咀嚼していたくなる美味しさ。
のど黒♡
コレは液体!そう思うほどに口に入れた瞬間になくなります。炙った香りとジューシーな旨味が食べたということを証明するかのよう。
雲丹
濃密で香りもある馬糞雲丹。海苔の香りも良く、一瞬でとけて混ざります。
穴子
白い穴子は見た目よりもずっと味わい深く、とろけ具合も舌に絡みつくよう。
玉♡
スペシャリテの100%スイーツに振り切った『玉』。キャラメリゼの部分がちょっと厚めで嬉しい。
貫数を25貫にしてから2回目の「はっこく」ですが、やはり感じるのは美人な鮨ということ。貫数を減らして以前よりも鮨感がアップしていますが、個人的には佐藤さんのシャリをもっと味わいたいので、更に大きい方が好みかな。顔とも呼べる『突先』と『玉』で心を掴み、3種の『鮪』で印象付け、旬の食材が確りと脇を固めて、箸休めの野菜が彩りを添える。正に堅如磐石な鮨だと思います。
来年からはまた海外イベントにも行かれるそうで、また日本にいらっしゃるタイミングを逃さないようにしなくては。今年も私の世界に感動をありがとうございました!また来年も宜しくお願いします。
2021.5.
上品な美人鮨は更に艶やかに
「実は30貫じゃなくなるんですよ」
そんな情報を広尾にある「寿志團」で得てやってきたのは、銀座にあるフレンドリーな接客と確固とした芯のある鮨を握る鮨職人の佐藤 博之さんの店「はっこく」。オープンからずっと肴は出さずに握りのみ30貫というスタイルでしたが、ついに変わりました。握りのみというコンセプトはそのままに23貫+巻物+玉にしたそうです。その理由とは…。
今夜の握り
突先♡
定番の鮪の頭の部位である突先を使った巻物。初手から心をグッと掴まれる美味しさ。
真子鰈♡
モチモチ感が心地よく、シャリの酸と合わさり旨味がハッキリとします。
春子鯛
舌に当たる黄身酢おぼろの甘味を最初に感じ、その後に春子鯛の旨味がふわりとして、シャリと混ざり合います。
平貝
口に入れると、ふわりと香る柚子。サクサク食感を楽しんでいると、平貝の上品な甘味が溢れます。
箸休め①
バーニャカウダー。野菜自体の味わいが濃くて、ソースも美味しい。
蛍烏賊♡
叩いてなめろう風にしたもの。香ばしい濃厚な味わいもですが、香りが素晴らしい。
えぼ鯛酢〆♡
えぼ鯛の脂を確りとコントロールしており、濃厚なれどシャリとの2種の酸で爽やかな一貫。
鰹♡
モチモチな身と香りが口の中を駆け回ります。特に香りは食べ終えても、まだあるかのような存在感。
煮蛤♡
柔らかく、咀嚼の度に旨味が溢れてきます。煮つめも少量なので、蛤本来の味わいが楽しめます。
牡丹海老♡
持つとドッシリとした重さがあり、口の中でねっとりと甘味を広げながらとろけます。シャリともよく合い、美味しい。
箸休め②
赤満願寺唐辛子・カリフラワー・ヤングコーンを使った焼き野菜。
鯵♡
鹿児島県産。肉厚で食べ応えもあり、薬味に負けない旨味はとても強くて、実に美味しい。
鰆西京漬♡
西京漬にしてから皮目を炙っています。いつもながらに美味しい。最近はどのお店も鰆を供されますが、濃厚な旨味と上品さがあり、一番好み。
墨烏賊
酢橘と醤油が香る墨烏賊はサクッと歯切れで、とろけます。
鮪①中トロ♡
コレは美味しい!口に入れた瞬間にスッととろけ、ぶわっと香り立って余韻が長く続きます。
鮪②中トロ♡♡
宮城県塩竈産240キロ。脂はこちらの方があり、口溶けも秀逸。食べ終えても、旨味と甘味がずっと残ります。
鮪③大トロ♡♡
霜降りの部位。コレは凄い!「鮪、あったよね?」と疑うほどの口溶けで、瞬時になくなります。口の中に残るのは濃密な旨味、最高です。
鮪④赤身漬け♡
ここまで旨味が凝縮するのか!と驚く美味しさ。今夜の鮪もめちゃくちゃ美味しい。
小肌
キリリとした酸に甘味のある旨味、口の中を洗い流す味わい。
車海老♡
半生よりもちょい火入れした車海老は人肌温度で、甘味がグッと引き出されています。シャリに海老味噌を少しつけて握っているので、味わい以上に香りがあります。
箸休め③
みんな大好きなピーマンの塩昆布和え。
鳥貝♡
石川県産。生の鳥貝は海そのものを食べているかのような鮮烈な香りがあります。
金目鯛柚庵漬♡
やはり日本料理の技法を取り入れた種は、実に上品で美味しい。
蝦蛄♡
宮城県産。かなりの大きさの蝦蛄は好みのオス。食べ応えもさることながら、香りが素晴らしい。
白甘鯛昆布〆♡
程よく脱水されて、旨味が凝縮しており、白身ながらも実に味わいが濃い。
雲丹♡
馬糞雲丹。相変わらずしれっと供されますが、タイムラグのないような口溶けに驚き、海苔の香りと雲丹の旨味とのバランスが素晴らしい。
鮟肝(追加)♡
まさか、ここで追加する日が来るとはwうーん、極上の濃密な旨味。
穴子
白く煮上げた穴子は、口溶けよりも本来の味わいや香りも楽しめる仕立て。
玉♡
名物のブリュレのような玉。最後まで美味しい♡
貫数を減らしたことで、シャリも大きくなって鮨感がアップしています。元々、佐藤さんのシャリは好きなので、コレは嬉しいかぎり。
今夜は激旨の鮪を中心として、塩〆・酢〆・昆布〆と確りと仕事を施した白身、「はっこく」ならではの日本料理の技法を取り入れた種、定番の車海老や雲丹などの美味しさがあり、非常に絶妙なバランスのコース仕立てだったと思います。
「鮨は、やはり握り」
そんな思いが伝わってくるような鮨でした。実に美味しかったです。
佐藤さん、ご馳走さまでした。また宜しくお願いします!27830
2020.11.
緩やかに握られるのは、凛とした美人鮨
漆黒の壁とお店のロゴが描かれた長暖簾を潜り抜けて、顔も見えないほど真っ暗なレセプションを過ぎると、一気に明るくなって障子に囲まれた白繭のようなメインカウンターが現れます。そこでゲストを待つのは、店主の佐藤 博之さん。
ここは銀座にある「はっこく」。エントランスから他店とは一線を画すような雰囲気があり、仕切られた3つのカウンターではそれぞれ違う鮨職人が握るという珍しい造りの鮨店です。今夜もメインカウンターで、佐藤さんに握っていただきます。
今夜の献立
突先♡
佐藤さんの名刺がわりの初手である突先という部位を使った鮪の手巻きは、確りと心掴む美味しさ。
箸休め①蕪と味噌
生の蕪に米油をつけて、味噌で食べる箸休め。この生の蕪が辛くもなく、瑞々しい。
平目
心地よいモチモチ感の後、繊細な旨味が広がってきます。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は瑞々しく、後味に甘味を感じます。
白子♡
口に入れた瞬間に海苔と同時になくなる白子。絶妙な温度と塩加減、そこから溢れる甘味が素晴らしい。
えぼ鯛酢〆♡
素晴らしい〆方で、脂のコントロールも完璧。後に残るえぼ鯛の甘味が愛しいほど。
鰯♡
珍しくも梅肉を合わせる仕立て。濃厚な鰯の旨味に梅肉と赤酢の酸がバシッと決まる味わい。
鰤♡
生の鰤ですが、驚くほどにクセを感じられずに旨味のみをダイレクトに味わえます。
平貝
柚子香るサクサクの後に甘味広がる美味しさ。
梭子魚昆布〆
昆布〆で脱水もされて、旨味が凝縮しており、昆布の香りがふわっと感じた後に梭子魚の甘味も感じられます。
鰹
ちょこんと上に乗せられた2色の薬味が鰹の赤身によく映えます。脂も確りとあり、炙った皮目の薫香も華やぎます。
箸休め②ナメコと蓮根の焼き野菜
ナメコの香りがガツンときて、印象的。
煮蛤
噛む度に旨味を出す煮蛤は、煮つめで誤魔化すことのない蛤本来の味わいを確りと残した仕立て。
真鯛♡
木の芽香る珍しい真鯛。モチモチとした食感に甘味が溢れ、木の芽の爽やかが駆け抜けます。
牡丹海老♡
口の中が牡丹海老で溢れるような感じ。舌に絡みつくような甘味が素晴らしい。
〆鯖♡
口の温度で一気にとろける鯖は、トゥルトゥル。実に美味しい♡
いくら♡
新しい!いくらをまるで納豆を混ぜるかの如く、泡立つくらいにぐるぐると混ぜて軍艦にします。コレが実に美味しい♡よりエアリーな感じになり、新食感・新発見ないくら。
墨烏賊
醤油の香りが活きているサクサクネットリ墨烏賊。
赤身♡
岩手県宮古産の定置。舌に吸い付くような感じで、食べ終えた後も香りが続くよう。
中トロ
訪れた日はずっと時化だったそうで鮪がなく、夏に捕れた京都府舞鶴産の定置ものを冷凍したもの。コレが夏?と驚くほどに濃厚な旨味。
中トロ♡
そしてまさに本日入荷したという宮城県気仙沼産の167キロ。ドッシリとした旨味があり、ひと口目よりふた口目が実に美味しい♡
大トロ♡
時化前に仕入れた青森県大間産。食べた瞬間にズシッとより重さを感じられる旨味の塊のよう。
箸休め③ピーマンの塩昆布和え
シンプルな仕立てながらも実に美味しい。
赤身漬け♡
宮城県気仙沼産のもの。出汁の旨味が累乗することで、グッとくる美味しさ。
小肌♡
見た目も美しく、ジューシーな旨味が実に美味しい♡
車海老
中に海老味噌を忍ばせた車海老は、身の甘さと味噌の濃密さと香ばしい香りが一体となっています。
秋刀魚♡
格子状に包丁を入れられた映える秋刀魚。旨味と甘味が実に素晴らしく、香りも確りと華やぎます。
鮟肝♡
濃厚な鮟肝にこの濃旨な赤酢シャリが合わないはずがありません。
箸休め④ケールのサラダ はっこくドレッシング
鰆昆布〆
ねっとりととろけながら、ほわんとした甘味が広がります。
牡蠣
今夜の低温調理枠は、牡蠣。蒸し牡蠣を握りで供してくるのは珍しいですが、香りと旨味が素晴らしく、いいマリアージュです。
喉黒
ただトロトロにとけるような喉黒ではなく、確りと味わえる感じ。
香箱蟹♡
今の時期は絶対にあると思っていた蟹枠の種。蟹の身の旨味と卵のプチプチ感が心地よく、口福のひと時。
雲丹♡
馬糞雲丹。1つ1つは小粒なれど、濃密で甘味も素晴らしい。しれっと供されますが、いつも海苔も美味しいし、侮れない一貫です。
穴子♡
好きな腹の部位をいただきました。極上のふわとろ感で舌に絡みつくようであり、香りもあります。
玉♡
表面をカリカリにキャラメリゼされた100%スイーツな玉。
佐藤さんの握りはいつも全体的に上品でありながら、他に負けないような芯の強さを感じられます。まさにこの銀座の地で生き抜く強さを持つ女性のようなイメージ。特に今回はいつもの五色の鮪にも勝るとも劣らないほどに、鰯・〆鯖・秋刀魚の青魚が香り高く素晴らしかったです。
佐藤さん、今回もありがとうございました!次回は真冬くらい?また宜しくお願いします。
2020.8.
出逢うのは、芯の強さを感じる美人鮨
銀座にある鮨店「はっこく」に定期訪問。たまたま予約した日がNYにある「吉乃 NEW YORK」のポップアップを開催している日だったので、いつもの白繭のメインカウンターではなく、向かって左側のカウンターで店主である佐藤 博之さんに握っていただきました。
今回の献立
突先♡
宮城県塩釜産。心掴まれる初手は、実に美味しい。
箸休め①♡
水茄子とトマトのサラダ。「寿し吉の」定番の玉葱ドレッシングがかけられていて、美味しい。コレは何にでも合いそう。
星鰈
やはり真子鰈とは違う旨味と香り。極上のモチモチ感が心地よい。
春子鯛
瑞々しくジューシーで、甘味を出しながらとろけるのは甘美なひと時。
鱧
焼き霜にした鱧の握りは珍しい。皮目の部位に食感が残っていて、咀嚼することで旨味が溢れてきます。
えぼ鯛酢〆♡
歴とした江戸前の魚であり、酢〆で脂を確りとコントロールしているので、とろける脂の甘味が美味しい。
蒸鮑♡
上に乗せた肝が更に香りを跳ね上げていて、「鮑は香り」ということを教えてくれます。
いくら♡
北海道羅臼産の生いくら。ビジネスクラスの航空便らしいww何の抵抗もなく弾けるいくらはまるで極上のジュース。
梭子魚昆布〆♡
ねっとりと舌に絡みつくようにとろけ、ふわりと鼻から抜ける昆布の香りが愛しい。
牡丹海老
ねっとりとした極上の甘味は舌に絡みつきます。
鰹♡
宮城県気仙沼産。上に乗せられた緑と黄色の薬味と鰹の赤がとても綺麗な鮨。口に入れると、皮目を炙った香りがふわっとしてモチモチ感のある身の旨味が広がります。
煮蛤♡
凄い!こんなにもとろけるような煮蛤は初めてかも。トロトロです。
箸休め②
万願寺とうがらしと黄色ズッキーニの焼き野菜。
鮎魚女♡
握りではまず見かけない種ですが、実に美味しい。旨味・甘味・食感も楽しめ、更に間に忍ばせている木の芽で香りも楽しめます。
真魚鰹♡
西京漬けにした種は、実に上品な味わい。日本料理の技法を用いた仕事は、私の思い描く「はっこく」の鮨そのもの。
〆鯖♡
千葉県竹岡産の真鯖。濃厚な味わいにこのとろけ方、そして香りが華やぎます。
平貝
柚子香る心地よいサクサク食感の後に、平貝の旨味が残ります。
新烏賊
とろけるようなサクサク感は、今だけの儚い食感。
赤身♡
宮城県塩釜産。身が柔らかく香りが強くて、食べ終えた後に酸味がふわっとします。美味しい♡
血合いぎし♡
同じ魚体の中トロ。旨味と香りがドッパーンと口の中で溢れます。
霜降り♡
同じ魚体。余韻も長く、旨味が実に濃い。
箸休め③♡
ピーマンの塩昆布和え。
大トロ♡♡
本当に美味しい鮪。まるで旨味の塊のジュースのよう。
赤身漬け♡
程よく脱水されて、旨味が累乗されていて美味しい。
小肌
心地よい酸味が駆け抜けていき、旨味が最後に留まる感じ。
車海老
綺麗なだんだら模様が浮かび、実に甘味が秀逸。
金目鯛柚庵漬♡
金目鯛は「はっこく」のものが一番の好み。炙るのではなく、柚庵漬のいう仕事が光り輝きます。
鰆昆布〆♡
ふわりと昆布の香りがして、程よく脱水された身がとろけます。
鯵♡
脂のりも素晴らしく、口に入れた瞬間になくなるイリュージョンな鯵。
箸休め④
ケールのサラダ はっこくドレッシングがけ。
蝦蛄♡
甲殻類の複雑な旨味が甘く、実に美味しい♡
のど黒♡
最早、液体と言っても過言ではないのど黒。
毛蟹♡
旨味の強い食材なので、この濃旨なシャリともよく合います。
馬糞雲丹♡
いつもしれっと供されますが、実に美味しい♡味わいも濃く甘味だけでない複雑さがあり、同時にとろける海苔が素晴らしい。
穴子♡
まるで布団のようなモフモフ感。舌に絡みつく旨味と香りが素晴らしい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツな玉。
毎回感じることですが、佐藤さんの握る鮨はどことなく女性らしさを感じます。味わいの強い赤酢シャリにも関わらず、鮨は綺麗で上品な美人というイメージ。
今夜も五色の鮪をはじめ、美人な鮨たちに出逢えて、幸せでした。
佐藤さん、今夜もありがとうございました!37510
2020.5.
30貫食べ終えて思うのは、上品な香りの美人鮨
コロナ禍の影響で換気を良くする為に、店主の佐藤 博之さんが握る中央の白繭カウンターは戸を全て外して、左右のカウンターも半分くらい戸を外しているので、いつもとガラッと雰囲気が変わった銀座にある「はっこく」が今夜の舞台。
今回の献立
突先♡
心掴む素晴らしい初手は、味わいの濃い鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。
箸休め①
新玉葱スライスをポン酢で。
平目
身は柔らかく旨味が溢れる平目。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで優しく〆られているので、まだ瑞々しく、表面にある黄身の甘味も美味しい。
とり貝♡
石川県能登産。ピンと立ったとり貝は口に入れた瞬間に香りが立ち、口の中に海が広がるような素晴らしい美味しさ。
蒸鮑♡
驚くのはその香り!上に乗せられた肝だけでなく、ムチムチとした身からも香りが立ち込めます。
毛蟹♡
毛蟹の甘味がシャリの塩気でより際立ち、口の中いっぱいに香りと甘味が華やぎます。
蛍烏賊♡
もう一度蒸し上げて余分な水分を飛ばしてから叩いて、なめろう仕立てにした蛍烏賊。凄い!蛍烏賊を握りの種に確りとしていて、更に香りが素晴らしい。肴よりも好み。
えぼ鯛昆布〆♡
あまり見ない種ですが、実はちゃんとした江戸前の魚。濃厚な脂の後に立ち込める香りもあり、実に美味しい。
牡丹海老
ねっとりと舌に絡みつくようにとろけて、甘味の余韻も長い。
鰹
表面を炙った香りが広がった後に旨味溢れ、脂も程よい。
煮蛤
上には冷やした煮つめを乗せた低温調理の蛤はとても柔らかく、ジューシーな仕上がりです。
箸休め②♡
佐賀県産アスパラガスとビーツの蒸し物。米油と塩だけの味付けなので、素材そのものの甘味が際立ちます。
鮎魚女♡
木の芽の香りが新鮮な鮎魚女は、極上のモチモチ加減。今年も出逢えた!
真名鰹♡
西京漬けにした身質はしっとりとして、ゆっくりゆっくりと溶けていきます。和食の調理を施した種が非常に上品で美味しく、佐藤さんのセンスを感じさせる一貫となっています。
平貝
口に入れた瞬間に香るのは、柚子。咀嚼の度に平貝の甘味が引き出されていきます。
蝦蛄♡
大きな蝦蛄は、私好みのオス。蟹のような旨味があり、香り高くて美味しい。
墨烏賊
香りが弱い墨烏賊は塩ではなく、醤油を使うことで香りを立たせています。心地よいサクサク食感が心地よい。
赤身
今回の鮪は宮城県塩釜産。舌に吸い付くような舌触りで、香りが素晴らしい。
背トロ♡
一瞬留まって溶けていく背トロは、実に濃厚で甘い。食べ終えた後にふわっと香ります。
大トロ♡
次は腹の霜降り。香りは少ない分、実に濃厚な旨味が溢れます。
箸休め③♡
ピーマンの塩昆布和え。ピーマンを待ちわびるお店の1つです。
大トロ♡
砂ずりの大トロ。まるでジュースのような鮪で、口に入れた瞬間に液体に変わる素晴らしさ。
赤身漬け
漬けにすることで脱水されて極上のしっとり感が生まれ、累乗される旨味が
小肌
輝くような小肌は旨味がたっぷり。食べ終えた後に広がる酸が一陣の風のように爽やか。
車海老♡
温度・甘味・香り、全てパーフェクトな車海老。
鰆昆布〆
昆布はふわりする程度で、脱水されて舌に絡みつくようなとろけかた。鰆の甘味もちゃんと残っています。
鯵♡
凄い。身が一瞬でなくなります。脂がありながらも爽やかで、実に美味しい。
箸休め④
ケールを使った胡麻味のドレッシングがかけられた「はっこく」サラダ。
北寄貝
炙っているのに種は温かくない北寄貝。冷やしたものをさっと火を入れているそうで、甘味をより引き出しているのだろうか。
金目鯛柚庵漬♡
やはり「はっこく」の金目鯛は、実に好みの味わい。炙るお店が多い中で、この柚庵漬け仕立ては実に素晴らしい発想力。
五月鱒♡
上に乗せた和がらしがいい仕事をしている鱒。やはり濃厚な種はこのシャリにとてもよく合います。
のど黒♡
トゥルトゥルなのど黒は濃厚な脂と甘味が実に美味しい。
雲丹♡
一粒一粒は小さいながらも、口の中で海苔と同時に溶けて香りたつ雲丹。その後に濃縮した甘味が映えます。
穴子
香ばしさの中に穴子本来の香りが確りとする爽煮の仕立て。
玉♡
キャラメリゼされたスペシャリテの玉は、まるでプリンのよう。
「はっこく」と言えば、やはり有名な鮪卸門屋「やま幸」の鮪を握った五色の鮪がインパクトあります。しかし他の種に目を向けて見ると、江戸前の仕事以外に日本料理の技法を使った種もあり、これがコース内でも実に上品な味わいの鮨となっています。個人的な印象ですが、佐藤さんの握る鮨はガッツリとした男前な鮨というよりか「自分の力で生き抜く芯のある美人な鮨」と食べ終えてから感じます。特に今夜は鮪をはじめとして、とり貝や蒸鮑など非常に香り高い種を楽しめ、良い香りのする美人な鮨に出逢うことができました。
佐藤さん、今回もご馳走さまでした。まだまだ厳しい状況が続くかとは思いますが、お身体には気をつけてください。
次回は真夏。宜しくお願いします。41300
2020.5.
銀座にある「はっこく」でも、ついにテイクアウトが始まりました。
最近よく見る「ばらちらし」や「太巻き」ではなく、コースの初手の心掴むあの手巻きです。
・突先4本 5000円
・手巻きセット 2800円
突先、穴きゅう、干瓢と三つ葉、アジフライと大葉
しかもこの手巻き、よく考えられています。海苔がまるでコンビニのように別になっていて、食べる直前で巻くスタイルなのでパリパリです。
シャリもこのテイクアウト用に開発したものだそうで、お店で食べるよりもシャリが多くなっているので、塩を控えめにして砂糖を少々入れているそうです。コースと同じくらいのシャリのボリュームだそうで、4本と言えどお腹いっぱいになりますよ。
今回は、お店で食べたら怒られそうな「突先4本」セットを注文です。「はっこく」の余韻を家でも楽しめるなんて幸せだ!
2020.2.
白繭に包まれる。
ゆったりと流れる時間の中で味わう一貫毎のスペシャリテ。
世界で握っている鮨職人の佐藤 博之さんのお店である「はっこく」には3つのカウンターがあり、鮨店としては異例の造り。それぞれに独立したカウンターとして機能しつつも、貸し切りなどで全ての敷居を取り去った時はまさに息を飲む光景が広がります。通常営業はそれぞれを仕切って個室カウンターになり、いつも佐藤さんがいらっしゃるのは中央カウンター。個人的には白繭のカウンターといつも思っています。
今回の献立
突先♡
海苔と同じ速度でとろける鮪。旨味は濃く、初手から心掴まれる一貫です。
箸休め①
菜の花の昆布〆。
平目
青森県産。身も厚く、極上のモチモチ感が楽しめます。咀嚼していると、奥から甘味が引き出されくるので、いつまでも噛んでいたくなるほど。
春子鯛
フワッとした食感で、黄身酢おぼろで程よく脱水した旨味が美味しい。
白子♡
河豚の白子の純粋無垢で濃厚な旨味は、赤酢シャリにも実によく合います。ハートマークがとてもキュート。
葡萄海老
北海道産。濃密な甘味と舌に絡むようなねっとり感がたまらない。
赤貝♡
愛媛県産。食感は普通?ですが、血止めをしているそうで、非常に香りが強い。それは口に入れた瞬間から強烈に香ります。
えぼ鯛昆布〆
実は江戸前の魚のえぼ鯛。昆布の香りがふわりとして、食べ終えると残る甘味が愛しい。
金目鯛柚庵漬♡
金目鯛の握りとしては炙る仕立てが多い中で、この柚庵漬が抜群に好み。
〆鯖♡
この鯖は固形ではなく、液体のよう。口の中で、瞬時にデュルデュルにとろけていきます。
細魚
三重県産。大きく食べ応えもあり、薬味の爽やかが駆け抜けてモチモチとした食感が楽しい。赤酢シャリにも負けない旨味。
煮蛤
より蛤の旨味が分かるようになっています。
箸休め②
ビーツと白菜の蒸し物。
九絵
山椒の葉を忍ばせて、香りも楽しめる仕立て。モチモチよりも更にモッチモチした身から出る旨味と食感フェチにはたまらない一貫。
鰤♡
新潟県佐渡産。鰤って意外とクセがある魚なのに、驚くほどにそのクセがありません。ただ残るのは濃厚な旨味のみ。
真名鰹♡
初の一貫。真名鰹を西京味噌に漬けて、皮目だけを炙って握ったもの。コレは美味しい。合わないわけがない仕立てですが、それを形にしてくるのはさすがです。
平貝
ふわりと柚子が香り、小気味よくサクサクと歯音を立てて、味わうのは平貝の甘味。
墨烏賊
塩で仕立てるお店が多い中で、「はっこく」は醤油と酢橘。醤油で切られたところが浮き出て見た目も美しく、醤油の香りもします。
赤身
京都舞鶴産40キロ。香り、強い!なんて力強い香りなんでしょう!
中トロ♡
同じ魚体。香りは弱くなりましたが、旨味がグンッと増した感じ。食べ終えても、こってりとした味わいが喉に残ります。
血合いぎし♡
素晴らしい!先程までいただいた鮪の良いところを集めたような味わいで、香りも強くて旨味も濃厚。口溶けも素晴らしい。
箸休め③
ピーマンの塩昆布和え。
霜降り♡
まるで鮪のジュースを飲んでいるかのような口溶けの良さは驚くほど。
赤身漬け
出汁醤油で旨味が増した赤身はギュッと凝縮していて、〆の鮪としては相応しい味わい。
小肌
キリリとした旨味の小肌は食べ終えると、酢の爽やかと甘味が残ります。
車海老
綺麗なだんだら模様の車海老は、甘味と香ばしさが絶妙。温度も好みで、実に美味しい。
北寄貝
炙ることで焼き目の香ばしさがプラスされると同時に苦味も加わってしまう。しかしながら、甘味は確りと感じられます。
鮟肝♡
強い旨味の塊の鮟肝は、この赤酢シャリに抜群に合います。
鰹
和歌山県産。脂は薄いながらも鰹らしい旨味があり、炙った焼き目の香ばしい香りもいい。
鰆昆布〆♡
身は柔らかく、昆布は微かに香る程度。鰆のほんわかとした甘くが感じられて、実に好み。
箸休め④
ケールと京れんそうのサラダ。
毛蟹♡
味噌は入っておらず、身の甘味のみで勝負。
のど黒
身は昆布〆、皮目は炙って脂を引き出し、溶けるのではなく、確りと止まります。
雲丹
今回は北紫雲丹。海苔なしで供するお店も多くなってきましたが、口の中で雲丹と海苔が瞬時に溶けるのは驚きます。
穴子
醤油を使わずに焚いていて、煮つめも少量なので、穴子本来の味わいがする一貫。
玉♡
表面をキャラメリゼされた玉は、まるでクレームブリュレのよう。
30貫という量ですがハズレなど一切なく、一貫一貫が研ぎ澄まされていて、味わいは洗練されてとても上品な鮨です。輝くような五色の鮪は同じ魚体でもこれほどに違う味わいに驚かされ、柚子庵漬や西京漬など日本料理の技法を使った仕立ても素晴らしい。佐藤さんは鮨に関しては、自らあまり多くを語らない方ですが、鮨自身が雄弁なので琴線に触れたならば、色々と質問すると答えて下さいます。特に一通り握り終わった後がゆっくりと話せるチャンスですよー。
今回もご馳走さまでした!36300
2019.11.
世界を飛び回って、独特の濃旨の赤酢シャリと自然体の接客で多くのゲストを魅了している鮨職人の佐藤 博之さんに会いに銀座にある「はっこく」へ定期訪問です。ついに3つのカウンターが稼働しており、それぞれのカウンターでは日本語や英語が飛び交い、1つのお店でありながらも異なったお店であるような雰囲気もあります。今夜も佐藤さんが待ち構える白繭のメインカウンターへ。
今夜の献立
突先♡
名刺代わりに手渡される鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。脳が揺れるほどの美味しさ♡
箸休め①
ビーツのポン酢ジュレかけ。
平目
モチモチとした平目の食感とその甘味。そして赤酢がガツンと効いた濃旨なシャリの相乗効果が素晴らしい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はフワフワ。ジューシーな旨味と甘味が美味しい。
白子♡
濃厚でクリーミーな白子は、実にこの赤酢シャリによく合います。出来るならば、丼で食べたい逸品です。
えぼ鯛昆布〆♡
実は江戸前の魚のえぼ鯛。昆布〆なので、ふわりと香る昆布と程よい脱水でしっとりと旨味が凝縮しています。
牡丹海老
ねっとりと甘味を讃えながら溶けてゆく牡丹海老。口の中で、甘味と酸味が混ざり合うのが確りと感じられます。
金目鯛柚庵漬♡
他店ではあまり見かけない仕立てで、金目鯛の脂を確りと御していることで生まれる金目鯛の旨味。食べ終えても続く余韻の長い一貫。
〆鯖♡
やはり鯖は、素晴らしい。口の中の温度で、鯖が蘇るように一気に迸る旨味。たまらない!
煮蛤
ライトな色合いから想像出来ないほどに旨味溢れる煮蛤。柔らかで美味しい。
箸休め②
姫人参とブロッコリーのグリル。
鮎魚女♡
木の芽香る極上のモチモチ食感。まだ鮎魚女の握りはここでしか出逢ったこたがないですが、実に素晴らしい種だと思います。
鰯♡
骨切りをして握られる独特の鰯。味わいも独創的で、鰯の梅煮をイメージしたという上に乗せられた梅肉がいい仕事をしています。
鰤♡
凄い。口に入れた瞬間になくなります。そしてなくなると、旨味と香りが口いっぱいに広がり余韻が続きます。生の鰤だそうですが、クセが全くありません。
平貝
ふわりと香る柚子が印象的な平貝。サクサクたした食感の心地よさもいい。
蝦蛄♡
甘く煮付けられた蝦蛄は、実に好み。この時期だとあまり出逢えないですが、大好きなので食べられることは幸せです。
墨烏賊
極厚でもサクサクで、トロリととろける墨烏賊。塩ではなく、醤油とその香りで食べさせるのが佐藤流。
いくら♡
解して塩水でチャチャっとあらっただけですよーと説明されるいくら。いくらの旨味がダイレクトに感じられ、いい塩梅の塩気が素晴らしい。
赤身♡
青森県三厩産。ガツンとくる旨味と香り。口の中での存在感も素晴らしい。
中トロ♡
北海道噴火湾産定着の40キロの3柵目。口溶けもよく、食べ終えて残る香りも甘く感じられます。
中トロ♡
青森県大間産。濃密で味わいの濃いインパクトの高い鮪。鮪の美味しい季節が到来した!という感じです。
大トロ♡♡
先程いただいた北海道噴火湾産の砂ずり。脂は薄めですが、とてもシルキーで旨味の強い味わいです。
箸休め③
ピーマンの塩昆布和え。
赤身漬け♡
出汁醤油の旨味で累乗された鮪は、実に素晴らしい。
小肌
小肌の甘味を感じた後、酢の酸味、そしてシャリと混ざりあった旨味が感じられます。
車海老
手にすると伝わるのは、仄かな熱。その熱は口に入れると、甘味に変わります。パーフェクトな車海老です。
鮟肝♡
実に美味しい。鮟肝も水分を極力抜いているようで、旨味のみがガツンときます。
鰹
2種の薬味が彩る鰹は一瞬止まり、一気にとろけます。そしてふわりと薫香が鼻から抜けていくのが心地よい。
鰆昆布〆♡
ねっとりとねっとりとした鰆は昆布を強く感じないですが、脱水されていて旨味が凝縮。ここまで旨味の強い鰆は、なかなか出逢えない。
箸休め④
ケールとクレソンのサラダ。
牡蠣
低温調理された牡蠣は、火が通っていながらも生の香りが活きており、上にかけられた赤酢つめがいいアクセント。
香箱蟹♡
やっぱりあった!旬の香箱蟹。プチプチと弾ける卵の食感が楽しく、蟹の旨味が口の中で爆発します。
のど黒
身は昆布〆、皮目は炙って脂を引き出してから握られています。舌に残るような脂の濃さは、白身のトロと言われる所以です。
雲丹♡
甘く濃密な味わいで、実に美味しい馬糞雲丹。雲丹と同じ速さでスッと溶ける海苔も素晴らしい。
穴子
白く炊かれた穴子は香りもあり、穴子本来の味わいも感じられます。
玉♡
まるでクレームブリュレのような鮨店としては珍しい玉。大好きです♡
鮨に関してあまりご自身から語らない緩い雰囲気の佐藤さんに代わり、一貫一貫が雄弁にその確固たる美味しさを語ってくれます。いつもながらに、その姿勢が好きです。カウンターのお店は料理の美味しさも大切ですが、やはりそのカウンターに立つ方の人柄も私にとっては大切な要素なのです。
佐藤さん、今回も素晴らしかったです。また次回も宜しくお願いします。36300
2019.8.
期間限定でバンコクに出店している兼ね合いや鮨ワールドツアーなどで、毎月のように海外を飛び回ってらっしゃる佐藤 博之さんの鮨を食べに銀座にある「はっこく」へ再訪。何回も訪れる度に感じていますが、漆黒のエントランスから真白なカウンターへと移動する瞬間が好き。今夜も緩い雰囲気の中、佐藤さんの鮨を堪能させていただきます。
今夜の献立
突先♡
旨味の強い頭の部位を手巻きにした佐藤さんの名刺代わり。ふわりと巻かれているので、口の中で海苔・鮪・シャリの一体感が早い。
箸休め①
ビーツのジュレぽん酢。
平目
極上のモチモチ感と噛み続けていると溢れる旨味は、特徴的なこの赤酢シャリにもよく合っています。
春子鯛
身も厚くて、〆ているのを忘れるくらいにとてもジューシーで、瑞々しくフワフワな春子鯛。
黒鮑♡
千葉県館山産。酒だけを使って蒸しているそうで、シャリとの間に肝ペーストを挟んで握っています。口に入れると、まず香りが凄い。今期1番の香りかも。
鯵♡
銀皮も美しく、迸るような脂を楽しんだ後に薬味の鮮烈さが走る鯵。光物の美味しい季節。
鰆昆布〆
ふわりとする昆布の旨み。鰆の脂はとても上品で、実に美味しい。
牡丹海老♡
極太の牡丹海老はねっとりと舌に絡みつくようなとろけ具合で、官能的。
金目鯛幽庵漬♡
確りと脂をコントロールされていて、旨味をじっくりと味わうタイプの金目鯛。
箸休め②
ズッキーニとジャンボナメコの米油焼き。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、非常に柔らかく旨味もたっぷり。
鮎魚女♡
まだこのお店でしか握りは出逢ったことのない鮎魚女。確りとした食感を楽しんでいると、ふわりと香る木の芽が印象的な一貫。
鰹♡
口に入れると、炙った薫香が香り、モチモチとした食感が楽しめます。そして、じゅわりと旨味が溢れる素晴らしい味わい。
稚鰤♡
佐藤さんもあまり使わないという稚鰤。今年は非常に鰤がいいそうで、この稚鰤も素晴らしい味わい。口に入れた瞬間にとろけ、香りも立ちます。
いくら
皮も薄くて、スーッと消えるような生いくら。食べ終えると、口に残るのは海苔の香りといくらの旨味。
白烏賊
見た目も美しい白烏賊。サクッとした歯切れの後に甘味が広がります。
赤身♡
宮城県塩釜産132キロ巻網。舌に吸い付くような食感で、香りが抜群。その香りは食べ終えても尚、続くようで素晴らしい味わい。
中トロ
同じ魚体のもの。瑞々しく、ジューシーな鮪で、口溶けも香りもいい。
中トロ♡
今度は水分が少なく、旨味がギュッと凝縮した中トロ。香りは先のほどのものよりかは劣るけど、こちらの方が好き。
箸休め③
ピーマンの塩昆布和え。
霜降♡
濃厚でコッテリとした鮪。後に残る旨味も素晴らしい。
赤身漬け♡
出汁醤油の旨味が染み込み、本来の鮪の旨味を累乗させる赤身漬け。切りつけも厚くて、食べ応えも◎。
小肌
キリリと〆していて、旨味も十分にある小肌。この時期だと新子もあるでしょうが、やはり美味しさでは小肌がいい。
車海老
食感・甘味・温度、全てが好みの味わい。
時知
もっと脂があるかと思っていましたが、脱水しているのか、かなりしっとりとした舌触り。その分、旨味が凝縮していて美味しい。
鰯♡
骨切りしているので、口溶けは素晴らしい。一瞬でなくなるような鰯は、食べ応えた後に香りでもその存在感を感じられます。
平貝
青柚子が香り立つ、サクサク食感の平貝。シャリと一体化するうちに平貝の甘味も映えてきます。
真蛸
旨味溢れる真蛸。鮨店の蛸は、やはり侮れない。
箸休め④
ケールとクレソンのサラダ。特製の胡麻ドレッシングが美味しい。
鱚昆布〆
煌めくように美しく、ふわりとする昆布の旨味が印象的な鱚。
牡蠣
北海道昆布森産。低温調理された牡蠣は香りも生きていて、味わいも牡蠣らしさが残っています。
毛蟹♡
毛蟹の甘味と香りを十分に楽しめる握り。肴でも毛蟹はいいけど、シャリとの相性が素晴らしい。
のど黒♡
皮目は軽く炙って、身は昆布〆で脱水しているので、旨味が凝縮しています。
雲丹
海苔と同時に溶ける雲丹は一体化が素晴らしく、食べ終えて鼻から抜ける香りが印象的。
穴子
ねっとりと絡みつくような感じではなくて、フカフカな布団のような穴子。爽煮なので、穴子本来の味も楽しめます。
椀物
少量ながらも、美味しい味噌汁。
玉
表面をキャラメリゼした100%スイーツな玉。
まるでジェットコースターのような緩急ある握りの数々。同じ魚体でも部位によって、異なる味わいの五色の鮪。見た目も美しい白烏賊や鰯。香り華やぐ蒸鮑と鮎魚女。まるで五感で味わえる鮨のテーマパークのよう。30貫は食べられないという声もよく聞きますが、全くそんなことはないので、特に握りが好きな方は是非味わっていただきたいお店です。
佐藤さん、今夜も私の世界に感動をありがとうございます。次回は晩秋〜初冬、宜しくお願いします。36540
2019.5.
鮨店ではカウンターに立つ人で大きく雰囲気が変わります。自分の握りを誇示するようなギラついた方もいれば、無愛想な職人肌の方もいらっしゃる。好みの問題なので、どれがいいとは言えませんが、「はっこく」の佐藤博之さんの雰囲気は緩い。
「シャリの上に魚を乗せるだけですから」
勿論、そんなことはない。シャリのバランス、それにあった種の仕込みなどに向ける情熱は表に出すことなく、1つ1つの握りに込められていると思います。聞けば答えて下さいますが、自らは鮨に関しては多くを語らない佐藤さん。佐藤さんの握りが食べたいと同時に逢いたいと思われる方も多いと思います。
今夜の献立
突先♡
名刺がわりの鮪の突先という頭の部位を使った手巻き。いつもながらに、素晴らしい美味しさ。
箸休め①
ビーツのジュレぽん酢。
平目
極上のモチモチ感から生まれる甘味。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られているのが分からないほどに瑞々しい。
蒸鮑♡
シャリとの間に裏漉した肝を入れていて、口に入れた瞬間の旨味と香りがいい。
鯵
迸るような鯵の旨味を味わうと、薬味の爽やかな香りがふわりと鼻から抜けていきます。
鰆昆布〆
昆布の旨味がプラスされた鰆。ふんわりとした鰆の甘味も活きていて、美味しい。
蛍烏賊♡
蛍烏賊のなめろうを使った握り。コレは、鮨店で食べる蛍烏賊の最上の使い方かも。
牡丹海老
舌にまとわりつくような牡丹海老のねっとりとした甘味。濃旨な赤酢シャリにも好相性。
金目鯛柚庵漬
暴れるような金目鯛の脂とクセを確りとコントロールされていて、実に素晴らしい。
煮蛤♡
ギュッと詰まった旨味が噛み締める度に口の中で溢れます。
箸休め②
特注のバーミキュラの鋳物に入った焼物。今回はホワイトアスパラガスと芽キャベツ。
鮎魚女♡
モチモチした食感を楽しんでいると、ふわりと香る山椒の香り。なかなか握りでは出逢えませんが、素晴らしい味わい。
鰹
皮目を炙ることで、鰹の旨味に香りを上乗せしています。上に乗せた2色の薬味も綺麗。
青柳♡
花の香りを彷彿させるような、これぞまさに江戸前の種。ヒモの部位もシャリとの間に入れているので、一貫で全てを味わえる素晴らしさ。
えぼ鯛酢〆
あまり知られていませんが、えぼ鯛も江戸前の種。酢〆は初めてですが、この時期らしく爽やかな味わい。
墨烏賊
塩で味わうお店が多い中で、ここで味わうべきは煮切り醤油の香り。
赤身♡
今夜の鮪は、千葉勝浦産。舌に吸い付くようで、香りが素晴らしい。
中トロ
口に入れると、ふっと溶けるようになくなります。食べたことを実感するのは、最後に残る鮪の香り。
分かれ身♡♡
鮪の希少部位の分かれ身。赤身と中トロの間のような素晴らしい味わい。口溶けと香りが秀逸。
蛇腹♡
ただただ濃厚。脂っこいというわけではなく、旨味が濃厚。
箸休め③
ピーマンの塩昆布和え。
赤身漬け♡
旨味が凝縮しており、最後に残していくような香りが素晴らしい。
小肌♡
江戸前のもの。小肌自体が非常に脂があって、美味しい。
車海老♡
温度・甘味・香ばしさ・食感、全てが完璧。
平貝
サクサク食感の柚子香る平貝。
真蛸♡
まさかの桜煮。噛み締める度に、甘味のある真蛸の旨味が溢れてきます。
箸休め④
ケールとクレソンのサラダ。
蝦蛄♡
石川県七尾産。海老と蟹の旨味が合わさったような蝦蛄。身も太くて、旨味も確りで美味しい。
鱚昆布〆
キラキラと輝くような身も厚く、確りとした存在感。ふわりとする昆布の旨味と香りが楽しめます。
桜鱒♡
低温調理をした桜鱒を赤酢のつめで。前回も仰け反った種ですが、今回も凄かった。口に入れた瞬間になくなり、赤酢のつめのアクセントも素晴らしい。
毛蟹♡
毛蟹の旨味と甘味、このシャリに合わないはずがない。
のど黒♡
火入れすることで、蘇るような脂。濃厚な種は、やはりこのシャリによく合います。
雲丹♡♡
見た目の華やかさはないですが、口の中で瞬時に溶ける海苔と雲丹の一体感が素晴らしい。
味噌汁
濃厚な旨味が特徴的な味噌汁。
穴子
とろりとした香りも楽しめる爽煮の穴子。
玉♡
表面をキャラメリゼしたプリンのような100%スイーツの玉。大好きです♡
約2時間、テンポよく供される怒涛の握りラッシュに心地よく打ちのめされました。鮨店の醍醐味である握りを存分に堪能でき、コースの合間に供される野菜もいいアクセントになっています。
今夜は特に佐藤さんの握る姿だけでなく、白黒刀で切りつけるのも多く見ることが出来て、実に魅せられました。極上の空間で握られるのは鮨だけではなく、きっと食べ手の心も確りと握られているのだと思います。
佐藤さん、今夜もご馳走さまでした。次回も楽しみにしています。35640
2019.3.
光と影。
職人と客。
相反する存在でありながらも、お互いを支え合う存在になりたい。
そんな思いを表現しているような静寂に包まれる漆黒のウェイティングルーム。白繭に包まれているかのような真白なカウンター。
「はっこく」
店主は佐藤博之さん。国内にとどまらず、海外でも多くの人々を魅了し、世界で鮨を握る鮨職人です。…こういうとプレッシャーを感じるかもしれませんが、お店の雰囲気は驚くほどにかなり緩い。それは佐藤さんの人柄の為でしょう。今夜も緩りと楽しみます。
本日の献立
突先♡
佐藤さんの名刺とも言える旨味の強い『突先』という頭の部位を使った手巻き鮨。コレで心を掴まれる方も多いはず。
箸休め①
玉葱ポン酢。瑞々しくて、玉葱の辛さなどは皆無です。
平目
モチモチ食感の奥にある平目の甘みと濃旨な赤酢シャリを味わう種です。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆た春子鯛はふわりと柔らかく、口に入れると瑞々しいフレッシュ感があります。
牡丹海老♡
ねっとりととろける牡丹海老に、この赤酢シャリがこんなにも合うとは!
鰤
クセのある鰤ですが、見た目から炙ったりはしていなさそう。しかし食べると、クセなどはなく鰤の旨味やこってりとした脂を感じます。漬けかな?
〆鯖♡
コレはヤバい!口の中に入れると、鯖が蘇るかのよう。舌の上で暴れまわるような濃厚な脂の旨味が素晴らしい。
青柳♡
これぞ江戸前の春の鮨種。小柱は使うお店は多いですが、なかなか青柳を使うお店が少ない中で、「やはり江戸前なので、使っていきたい」と仰る佐藤さん。シャキシャキとした食感に、まるで花のような香り。大好きです。
白子♡
白子は白子でも河豚の白子。佐藤さんも「コレ、デカいな」と呟くほどに、本当にかなりの大きさ。握りなので勿論シャリはありますが、ほぼ白子。焼いた香ばしさと無垢な白子の甘味が広がります。
鰹
薫香がふわりと香り、旨味と薬味の爽やかが映えます。
箸休め②
米油を敷いた上には、リコピン人参「こいくれない」と芽キャベツの焼物。金時人参と西洋人参を掛け合わせたというこの「こいくれない」、人参じゃないみたいに強烈な甘味とサクサクとした食感が未体験の味わい。
そして、注目すべきはこの「はっこく」のロゴ入りバーミキュラ。なんと20個しか作っていないそうで、しかもこの料理の為だけに作ったとか!販売すれば、買うのにw
煮蛤
低温調理をした蛤は色合いはライトですが、旨味は抜群で、香りも確りと残っています。
鮎魚女♡
去年、とても人気のあった鮎女魚は始まったばかりらしい。歯を跳ね返すようなモチモチとした身の食感に、木の芽の香りがとても印象的。椀物として使う和食店は多いでしょうが、握りは珍しい。
細魚
こちらは同じ香りを楽しむ握り。薬味の爽やかな香りが駆け抜け、細魚の味わいは最後に確り残ります。
北寄貝
軽く炙ることで香ばしさが生まれ、北寄貝の甘味が一段と強く感じられます。
金目鯛柚庵漬
この金目鯛も炙ったりするお店が多いですが、「はっこく」では柚庵漬に。醤油・酒・味醂に柚子の香りをつけたものに漬け込む和食の調理法は、鮨にもよく合います。
墨烏賊
酢橘と塩で供するお店が多い中で、あえて酢橘と醤油の味わい。サクサク食感の墨烏賊の甘みの中で、醤油の香りが華やぎます。
箸休め③
1番人気のピーマンの塩昆布和え。シンプルな料理なれど、病みつきになる美味しさ。無限に食べれます。
赤身
「はっこく」の主役である鮪は、5貫連続で供されます。まずは能登産の赤身。吸い付くような身は香り高い。
血合いぎし♡
仙崎産。
これはヤバいです。やま幸の山口社長のお墨付きの鮪だそうで、舌に乗せた瞬間のとろけ具合と後からくる香りが抜群です。
蛇腹♡
能登産。
これも凄い。大トロなのでとろけ具合はハンパないですが、その味わいが濃い。食べ終えた後の余韻もずっと楽しめます。
霜降り
長崎産。
鮪の味わいは濃くないですが、とろけ具合はまるで鮪のジュースのよう。
赤身漬け
最後は、赤身漬け。フィナーレに相応しい。
小肌♡
口の中を洗い流すかのような小肌は、旨味が強くて美味しい。
車海老
完全に火が通る寸前の火入れ。香ばしさと甘みが完璧です。
鮟肝♡
鮟肝ご飯の握り版。不味いわけがない。かなり濃厚な握りになるのでボリュームをコントロールして、全体の流れのアクセント的な感じにしてます。
箸休め④
ケールとクレソンのはっこくドレッシングかけ。やっぱり美味しいこのドレッシング。早く販売しないかなw
鰆昆布〆
程よく脱水された鰆は旨味と甘味がギュッと凝縮していて、実に美味しい。
鯵♡
半身の中心部だけを使って握っているので、旨味と脂がドッパーンって感じ。銀皮と身と薬味の色合いがとても美しいにぎり。
平貝
サクサクした食感を楽しんだ後にふわりと柚子が香ります。
渡蟹
なんとも珍しい渡蟹の握り。位置付けとしては以前にあった毛蟹のポジションなので、蟹枠らしい。身と一緒に子も混ぜてあり、味わいと香りが素晴らしかったです。
桜鱒♡♡
そして、この桜鱒が今回1番驚いた種。これは以前いただいた『太刀魚』や『牡蠣』と同じような低温調理をした種。上に塗った赤酢のツメの香りを楽しみ、口に入れると火入れしたしっとりさがある中でもフレッシュ感がある不思議な感覚。
雲丹
雲丹は甘くとろけますが、それと同時にくらいに溶けるのが海苔。甘みの雲丹と香りの海苔のマリアージュが楽しめます。
のど黒♡
皮目を炙ることで滴るような脂が蘇り、口の中で迸る。終わりなのに、こんなにも攻めてくる一貫です。
椀物
濃厚なアラ汁。個人的にはもうちょい量が欲しいです。バランス的には丁度いいけど。
穴子
炙ることで香ばしさと口に入れた瞬間のパリッとした食感がプラスされて、穴子らしく舌に絡みつくようにとろけます。
玉♡
スペシャリテのキャラメリゼした玉。鮨店としては珍しい100%スイーツ寄りの玉ですが、最後の最後まで気分をアゲてくれる味わいです。
「一応、鮪捌けるんですよ」と滅多に見られない佐藤さんが鮪を柵取りするところも見れ、同席された方の要望で仕切りを全部外した状態のお店も体感出来たので、素晴らしい夜になりました。仕切りを外して3つのカウンターを同時に見れる「はっこく」は、全く違うお店のような印象で圧巻。いつかは体験してみたいです。
佐藤さん、スタッフの方々ありがとうございました。次回は初夏。また宜しくお願いします。38016
2018.12.
今年最後の鮨は、銀座にある「はっこく」。今夜も漆黒のエントランスから、店主・佐藤 博之さんが待つ真白なメインカウンターへ。プレオープンの1月にお誘いを受けてから、イベントも含めて今回で7回目。佐藤さんが握るメインカウンターは予約困難と言われる中で、毎回握って下さることは有難いことです。
今夜の献立
突先 ♡
佐藤さんの名刺がわりの巻物。突先とは、旨味の強い鮪の頭の部位。まずはコレで悶絶して下さい。
平目
モチモチとした食感を楽しんでいると、濃旨味な赤酢シャリを包むように甘みも出てきます。
箸休め①
オニオンスライス。
春子鯛 ♡
黄身酢おぼろで〆た春子鯛は瑞々しくも、ジューシーな仕上がり。
牡丹海老
「鮨とかみ」時代から知っている方は、まずこの種で赤酢シャリの可能性を知ります。ねっとりと舌に絡みつくような甘さがよく合います。
鰤幽庵漬 ♡
生で食べるには、何らかの仕事を施さないとクセのある鰤。漬けや炙ったりするお店も多いですが、この幽庵漬けが一番美味しいかも。
〆鯖 ♡
やはり脂がのっている種に、この赤酢シャリはとてもよく合います。
白子
クリーミーでありながらも、さらりとした白子。海苔の香りもいい。
蝦蛄
子なしの大きな蝦蛄。握りには子なしの方が私は好き。見た目がダメという方もいますが、甲殻類を彷彿とさせる味わいがたまらない。
鰹 ♡
握る佐藤さんの手もギラギラするほどの脂が乗った鰹。薬味の葱と生姜をも跳ね返すほどのインパクトがあります。
鱚昆布〆
鱚の味わいを最初に感じて、後から昆布のふわりとした香りに包まれます。
煮蛤
低温調理された蛤は、見た目以上に味わいが濃い。柔らかな仕上がりで、噛むたびに旨味が溢れてくるので、ずっと噛んでたくなります。
箸休め②
蕪と蓮根の温野菜。
鮎魚女 ♡
夏頃から産地を変えることで、ずっとオンメニューしている人気の種。モチモチとした食感と目が醒めるような木の芽の香りは、他の鮨には見られません。
梭子魚 ♡
塩で〆て、旨味をぎゅっと閉じ込めた梭子魚の皮目を軽く炙って。想像よりもずっとジューシーで、香りもたって美味しい。
北寄貝
ザクザクと音がするような歯応えのある厚みで、ワタの甘みが後から押し寄せます。
いくら
柚子と海苔が香るねっとりとした濃厚な仕上がり。
墨烏賊 ♡
酢橘と煮切りの香りを纏う墨烏賊は肉厚で、極上のサクサク感。
箸休め③
ピーマンの塩昆布和え。
赤身 ♡
宮城県気仙沼産。食べ終えた後に鼻から抜ける香りが素晴らしい。
中トロ ♡
青森県龍飛岬産。シルキーな口溶けで、香りも華やぎます。
中トロ ♡♡
宮城県気仙沼産。先程のものよりは熟成期間が長いそうで、シルキーな中にも甘みを強く感じます。
大トロ ♡
青森県龍飛岬産。蛇腹の部位で濃厚な脂が楽しめます。
赤身漬け ♡
赤身の香りに煮切りに入っている昆布の旨みが加わり、鮪の旨みが累乗されます。
小鰭
肉厚で食べ応えもあり、口の中を拭ってくれるような味わい。
車海老
完全に火入れされる数秒前くらいの仕上がり。綺麗な段だら模様に甘みが映えます。
鮟肝 ♡
鮟肝ご飯の握り版。マズいわけがない。
箸休め④
クレソンとケール はっこくドレッシングかけ
鰆昆布〆 ♡
水分の多い魚ですが、程よい脱水と旨味を加えられる昆布〆はぴったり。
平貝
サクサク感の中で、柚子の香りが華やぎます。
香箱蟹 ♡
時期的な種としての香箱蟹。身の甘さと内子と外子のプチプチ感がシャリと混ざって、実に美味しい。出来ることならば、小丼でいただきたい(笑)
牡蠣 ♡
今回は『太刀魚』ではなく、季節の『牡蠣』を低温調理で。殻に対して身が大粒で、強い甘味と濃厚でコクのある味わいが特徴という釧路町の東側で厚岸湾の端に位置する仙鳳趾産の牡蠣を使っているそう。
この『牡蠣』が今夜一番驚いた種。香りは生っぽいのに、口当たりはぬめっとしていて、ミルキーな味わい。出逢ったことのない味わいです。
雲丹
使う雲丹は香りよりも旨味が強い蝦夷馬糞雲丹。香りの北紫雲丹よりも、旨味重視という選択ですね。
のど黒
身は昆布〆して、皮目は軽く炙って握られます。ギラついた脂ではなく、上品な味わい。
穴子
爽煮した美しい白さのある穴子はホクホク感ととろけ感もあり、香りも残ります。
椀物
味噌汁。個人的には、もっとこの味噌汁に拘って欲しい。鮨店の汁物は楽しみなので。
玉 ♡
名物とも言える表面をキャラメリゼした完全スイーツ寄りのプリン形の玉。
今回の訪問日の直近でミシュランの発表があり、「はっこく」としては残念な結果になりました。あえてその話題には触れないようにしていたのですが、自ら自虐ネタとして話題に出してくるところが、佐藤さんらしい。
一昔前の鮨店といえば、つまみとお酒を楽しんでから握りをほんの少しだけというスタンスがあった中で、「はっこく」の握りのみという構成は、鮨という日本の食文化の再確認に一石を投じたと思います。実際には女性や御年配の方でも食べれる量なのですが、30貫という貫数から足が向かない方も多いのが事実。来年からはランチも復活して、佐藤さんや斎藤さんだけでなく、若い人にも色々な経験を積ませたいと仰る。まだまだ進化の可能性を秘めたこの鮨店の行く末をずっと見ていたいと思います。35450
2018.9.
エレベーターを降りると広がる漆黒の空間が印象的な鮨店、銀座にある「はっこく」へ再訪。今夜も店主の佐藤 博之さんが待つ障子に包まれた白繭のようなメインカウンターへ。
でも今夜は妙に静かな感じ。尋ねてみると、今日はイベントのケータリングで斎藤さんやMadsさんもおらず、今夜の「はっこく」は佐藤さんのカウンターのみ6席×2回転の12席のみのスペシャルな夜。そんな夜にまさかの2名のノーショー。最近とても多いそうで、レアな佐藤さんのカウンターなのに、食材諸々と勿体無い。
今夜の献立
突先 ♡
佐藤さんの名刺がわりの品。香り・食感・口溶けのいい海苔と旨味の強い突先の味わいが素晴らしい。
箸休めの野菜 ①
九条葱のお浸し。
平目
旨味のある赤酢シャリとモチモチ食感の平目の甘さが混ざりあいます。
春子鯛
皮目も柔らかく、黄味酢おぼろの甘さも印象的な鮨。
牡丹海老 ♡
ねっとりととろける牡丹海老の官能的な甘さは、赤酢シャリの可能性を教えてくれました。
鰤 ♡
やはり脂の強い種は、このシャリによく合います。
鰹
薫香と濃縮した味わいが印象的。つまみでは他店でもよく供されますが、握りの方が好き。
蒸鮑 ♡
モチっとした食感の中で、華やぐ鮑の香り。それを追いかけてくるような肝の香りも素晴らしい。
鱚昆布〆
銀色に輝く格子状に包丁を入れられた皮目に煮切りが入って、何とも映える種です。
いくら
はしりのいくら。小粒ながらも美味しい。
鮟肝 ♡
最近よく出逢える種。濃厚で甘みが強く、実に美味しい。
箸休めの野菜 ②
茄子と満願寺とうがらしの揚げ野菜。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は柔らかく、ジューシーな仕上がり。
鮎魚女 ♡
そろそろ時期も終わりらしいですが、まだ状態がいいらしいです。甘味が広がった後に、鮮烈な木の芽の香りが鼻を抜けていきます。
蝦蛄 ♡
今夜の蝦蛄は、とても素晴らしい。肉厚であり、甲殻類のような味わいがとても良い。
秋刀魚 ♡
今年の秋刀魚は非常に良いそうで、長く楽しめるらしい。輝く銀皮と身の赤が非常に映えます。
墨烏賊
塩で供されるお店が多い中で、「はっこく」では煮切りと酢橘で。醤油の香りが素晴らしい。
赤身
怒涛の鮪5連弾。佐藤さんと別の話をしていたので、産地などの詳しいことは不明。今夜の鮪はどれも分かりやすい口溶けというよりは、香りが良かったです。
中トロ
中トロ
大トロ ♡
赤身漬け
即席な漬けではなくて、柵で漬けていたみたい。
箸休めの野菜 ③
ピーマンの塩昆布和え。
小肌
綺麗な皮目。ジューシーというよりか、口の中をリセットする感じ。
車海老
温い温度の中で甘さと香ばしさが口いっぱいに広がります。
鰯 ♡
白い部分は脂で、とても脂が乗っていることがよく分かります。上には練り梅が乗せられており、ここでしか味わえない鰯となってます。
真蛸
高級鮨店ではあまり供されない真蛸の握り。「蛸をナメるな」と言わんばかりのジューシーな味わい。
鰆昆布〆 ♡
昆布〆で脱水した鰆は、甘さが凝縮していてかなりインパクトがあります。
平貝
サクサクの食感の中で、柚子の香りが映えます。
毛蟹
身はほぐしてあるので、シャリと瞬時に混ざり合って甘みが広がります。
箸休めの野菜 ④
ケールとクレソン はっこくドレッシングがけ。
太刀魚 ♡
低温調理された独特の太刀魚。上には赤酢のツメが塗られています。何度か食べていますが、今夜のものが肉厚で脂がのっていて一番美味しかったです。
雲丹
味わいは濃く、海苔と同時に溶け合う理想的な軍艦の雲丹でした。
のど黒
身の部分は昆布〆にして、皮目は炙ることで脂が溶け出している白身のトロです。
椀物
出汁の効いた味噌汁。
穴子
醤油を使わない爽煮で仕上げられており、穴子という魚の香りが確りとします。
玉 ♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツの玉。
約2時間半、今回も無事に完食。佐藤さんが以前に勤めていらした「鮨とかみ」の時は、赤酢シャリと鮪が目当てというのが多々ありました。しかしながら「はっこく」に関しては、赤酢シャリと様々な種が作り出す「鮨」が楽しみで仕方ないです。一見の方にも話しかけて下さる佐藤さんの接客は、銀座の鮨と言えどもその敷居の高さを感じさせない雰囲気がありますので、握りが好きな方には一度は行っていただきたいお店です。
次回は真冬かな?佐藤さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします。35640
2018.8.
本日の「はっこく」。いや、今日はアルファベットで「Hakkoku」と表記したい。というのも、今日握って下さるのは佐藤さんでもなければ、斎藤さんでもない。デンマークから来ているMadsさんだから。
9月いっぱいで、デンマークに帰ってしまうというMadsさんの努力の成果を皆さんに見て頂くということで、9/26までMadsカウンターが出来ています。言わば、卒業試験みたいな感じ?幸運なことに、参加させて頂く機会を得たので、やってきました。
普段もうランチはもうやっていないそうですが、訪問日はお盆前の最後の営業日ということで3つのカウンターはフル稼働。Madsさんがいらっしゃるのは左カウンターなので、初めての空間です。Madsさんの緊張を解すかのように佐藤さんが挨拶がてら来て下さり、幕が上がります。
本日の献立
突先 ♡
真子鰈
春子鯛
九条葱のお浸し
時鮭 ♡
牡丹海老 ♡
鰹
蒸鮑
蝦蛄
鱚昆布〆
鱧 ♡
鮟肝 ♡♡
煮蛤 ♡
鮎魚女 ♡
揚げ野菜
鯵
穴子(塩)
槍烏賊♡
赤身漬け
赤身
ピーマンの塩昆布和え
中トロ
中トロ
大トロ
新子
車海老
平貝
毛蟹♡
真蛸
ケールとトウモロコシはっこくドレッシング
鰆♡
鰯♡
蝦夷馬糞海胆
のど黒
穴子(ツメ)
味噌汁
玉♡
所作や握りの完成度はまだまだなのかもしれませんが、真摯に鮨に向き合う姿は実に誠実であり、真っ直ぐな思いが伝わってきます。デンマークで開業するにあたっては素材も変われば、魚の〆方だってきっと違うだろうし、赤酢の鮨が受け入れられるまでは大変な苦労もあると思います。それらを乗り切って数年後、またこの「はっこく」で凱旋コラボ的なイベントで成長した姿を見たいと密かに思っています。19602
2018.6.
先月に引き続き、今月も訪問となる銀座にある鮨店「はっこく」。2018年も残すところ半分となりましたが、この年を代表する鮨店としては間違いありません。3つのカウンターがフル稼動するのは来年の今くらいだそうなので、未だにお店の真の姿は見えないといった感じでしょうか。
今夜も漆黒のエントランスから、佐藤博之さんが待つ真白のカウンターで、握りの劇場を楽しみます。
今夜の献立
突先 ♡
鮪の頭に近い突先という筋が多いけど、旨味の強い部位を使った手巻き鮨。佐藤さんの名刺がわりのスペシャリテ。
真子鰈
肉厚でモチモチとした食感を楽しんでいると、鰈の甘味が赤酢のシャリと混ざり合います。
箸休め①
新玉葱のポン酢和え。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はまだ瑞々しく、口の中で感じるふわふわ感が素晴らしい。
伊佐木 ♡
夏を告げる魚の伊佐木。身の固さはなく、とろりと舌の上で脂を感じます。
皐月鱒 ♡
醤油漬けされた鱒は、伊佐木を超えるとろけ具合。食べ終えた後に、ふわりと鱒の香りが鼻から抜けていきます。
牡丹海老
ねっとりとした牡丹海老の甘さと赤酢のシャリとのマリアージュは、秀逸。
鰹 ♡
つまみとしてはよく食べますが、握ることを考えて薫香はつけていません。握る前に軽く皮目を炙ってから、握られます。美味しい。
鱚昆布〆
輝くような身に格子状の飾り包丁を入れられ、そこに煮切りが塗られると、なんともインスタ映えする鮨に。ややしっかり目に昆布〆されています。
真蛸 ♡
初の種。噛み締める度に、蛸から旨味が溢れ出してシャリと混ざり合います。口の中で完成する蛸飯のような鮨です。
蝦蛄 ♡
前回に引き続き、食べられた蝦蛄。甲殻類にも似た旨味と甘さは、このシャリと合わないはずがありません。
箸休め② ♡
ピーマンの塩昆布和え。「はっこく」で1番人気というこの料理。ピーマンの苦味などは全くなくて、確かに美味しい。
鯵
銀皮も美しい鯵。程よい脂と生姜の爽やかさが、口いっぱいに広がります。
鳥貝
珍しく裏返しで握られた鳥貝。ワタの部分がダイレクトに舌に当たるので、ワタの甘さを存分に感じられます。
毛蟹 ♡
よくある種ですが、実に美味しい。瞬時に口の中で、毛蟹の濃厚な味がシャリと混ざり合い、説明不要の美味しさが広がります。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は、実に柔らかくて噛みしめる度に蛤の旨味が溢れ出します。「鮨とかみ」時代から大好きな種です。
鮟肝 ♡♡
予め鮟肝は崩されているので、口に入れた瞬間に混ざり合い、鮟肝ご飯が完成します。濃厚な種は、実にこのシャリとよく合って美味しい。
鱧
この時期らしい種です。しかしこのシャリと合うのか?と思っていましたが、炙られた皮目からじゅわりと溢れる脂もあって、なるほど美味しい。
墨烏賊
塩で供するお店が多いですが、ここでは醤油。なので、醤油の香りもサクサク食感と共に楽しめます。
鮪 赤身
鮪 中トロ
鮪 漬け
鮪 大トロ
今回は、島根県産の180キロもの。さすがにこの時期の鮪はライトな感じ。珍しいのは、クラシックな湯霜の漬けでしょうか。佐藤さんのは初めて食べました。この時期ならではなのかな?香りも活きていて、美味しい。
箸休め③
ヤングコーンとカリフラワーのグリル。このヤングコーンは、髭ごと食べるのがポイントです。甘みもあって、美味しい。
小鰭
見た目も美しい小鰭は絶妙な〆具合で、好み。
車海老
ブレのない安定した美味しさ。温度も甘さもちょうどいい。
えぼ鯛昆布〆 ♡
あまり見かけない鮨種ですが、れっきとした江戸前の種。水分の多い魚なので、昆布〆すると抜群に美味しくなります。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝。シャリも小さめなので、平貝で包むような感じもいい。
鰯 ♡♡
すごいトロトロの鰯は、上に乗せられた梅が脂っこいはずの鰯を爽やかにしています。
金目鯛 ♡
前回に引き続き、幽庵漬けにされています。程よくコントロールされた脂が素晴らしい。
太刀魚 ♡
このお店のスペシャリテと言っても過言ではない種。低温調理をして、上に赤酢のつめを塗って供されます。焼いたものと一線を画すようなしっとり感は、唯一無二の味わいです。
蝦夷馬糞海胆
スッと溶ける海苔に、甘く濃厚な海胆がたまりません。
のど黒 ♡
身の部分は昆布〆に、皮目を炙ることで脂が滴ります。特に今夜のは身も厚くて、食べ応えがありました。
穴子
羽田沖の江戸前だそう。とろけるというよりかは、ホクホクとした感じ。
箸休め④
ケールとブラウンマッシュルームのサラダ。かけられているのは、「はっこく」オリジナルドレッシング。
玉
〆の玉も佐藤さんのスペシャリテ。鮨店では珍しく、表面をキャラメリゼした完璧にデザート寄りの玉です。
味噌汁
「鮨とかみ」時代よりは攻めていませんが、美味しい味噌汁です。
約3時間の怒涛の握りの数々は、いつ食べても圧巻と言わざるを得ません。総額的には高額となりますが、銀座でこれだけの種数を食べることはまず出来ないし、30貫という数から見てもいいCPだと思います。
鮪がこの時期らしいライトな感じだったのが少々残念なとこですが、他の種で補っても余りある美味しさでした。白眉的な種としては、『鮟肝』や『鰯』でしょうか。『鰯』に関しては何度かいただいていますが、今夜のは実に素晴らしい美味しさでした。
佐藤さん、今夜もありがとうございました。また宜しくお願い致します。38610。
2018.5.
「赤…赤酢…身体が…赤酢を欲している…」
そんな思いが通じたのか、銀座の「はっこく」でキャンセルが出たと聞いて連絡してみると、OKってことで再訪。
元「鮨とかみ」店主の佐藤 博之さんが創り出す「鮨のグランメゾン」的なお店であり、つまみなしの握り30貫という構成は話題を呼び、早くも予約困難店となっています。
3つあるカウンターは未だにフル稼働はしておらず、来年からする予定だそう。たまに全ての襖を取って貸し切り状態の店内をネットで見ることがありますが、まさに「鮨のグランメゾン」と称するに相応しい圧巻の空間が広がっています。いつかはそんなシチュエーションで味わってみたい。
本日も漆黒の入口から、佐藤さんの待つ繭のような真白のメインカウンターに案内され、怒涛のステージの幕開けです。
本日の献立
突先 ♡
このお店というか佐藤さんの名刺がわりの鮨。味が濃くとろけるような味わいは、いつもながらに渾身のパンチを受けたかのような衝撃があります。
平目
モチモチとした食感を楽しんでいると、身から溢れる甘さが濃旨なシャリと混ざり合います。
箸休め①
新玉葱のポン酢かけ。
春子鯛
〆てあるのにもかかわらず、フレッシュ感が残り、皮目も柔らかくフワフワです。
細魚
上に乗ってある薬味で、かなり清涼感のある細魚。
伊佐木 ♡
夏の訪れを告げる魚。白身ながらも、口に入れた途端に溢れ出す甘みのある脂は素晴らしい。
青柳 ♡
江戸前の代表的な種ですが、あまり他店では見かけません。ですが、この独特の香りは他の貝では味わえません。
鰹
鮨にするということで、あえて薫香は付けずに仕上げた鰹。握る前に皮目だけを炙り、表面に焦げ目をつけています。食べ終えると、ふわりと鰹の香りが鼻に抜けていきます。
桜鱒 ♡
握る前に軽く漬けにしています。鮪とも違うとろけ方は、この時期だけのお楽しみです。
箸休め②
ホワイトアスパラガス。
葡萄海老 ♡
とろりと舌に絡みつくような食感と甘さは、このシャリの汎用性を感じさせます。
煮蛤
低温調理を施された蛤はライトな色ですが、噛み締める度に溢れるジュースがたまりません。
九絵昆布〆
意外と確りと昆布〆されており、昆布の香りと味わいに支配されます。
鮎魚女
こちらは種とシャリの間に忍ばされた山椒が香り高く、前後で食感と香りの違いを楽しむ鮨に。
鯵
小ぶりな鯵ですが、フワフワすぎて口に入れた瞬間に消える鯵です。
蝦蛄 ♡
お店で蒸したという蝦蛄。素晴らしいの一言で、実に味わい深く、甲殻類を思わせる後味すらも愛おしい。
箸休め③
雪下人参と万願寺とうがらしのグリル
墨烏賊
醤油の香りを大切にしたサクサク食感。
赤身
本日の鮪は、千葉の延縄のものだそう。切りつけは薄いですが、身が大きくシャリも小さめなので、鮪で包むような握り。赤身は香り高く、鼻に抜ける香りでさえ美味しい。
トロ
同じ魚体、同じ柵での食べ比べ。
トロ
こちらの方がカマ寄りかな?私は好みでした。
大トロ
この時期なので濃厚とはいかないですが、さらりととろけて後味も爽やか。
小肌
余分な脂を落としたかのような輝く小鰭は、第2章の幕開けを告げます。
箸休め④
生椎茸とケールはっこくオリジナルマヨネーズソースかけ
車海老 ♡
いつ食べてもブレのない素晴らしい温度管理です。
えぼ鯛昆布〆 ♡
江戸前の魚ですが、鮨で握っているお店は少ないのでは?水分の多い魚なので、昆布〆すると素晴らしい味わいになります。
蝦蛄爪 ♡
あるのが分かったので、お願いして出していただきました。レアな蝦蛄爪。小さな爪の1つ1つが確りと味があり、濃厚な軍艦になりました。
平貝
サクサクとした食感の中で、柚子の香りがふわりと香る。
毛蟹 ♡
濃厚な毛蟹の旨さにシャリが追いかけてくるような旨さの連鎖が止まらない。美味しい♡
鰊 ♡
上には練り梅を乗せた前回の『鰯』の上位互換的な種。小骨の多い魚ですが、確りと骨抜きされており、当たることなく口溶けを邪魔しません。
金目鯛
金目鯛は幽庵漬けにすることで、ギラギラな脂は確りとコントロールされています。やはり脂のある種は、このシャリにはピッタリ。そして、私も大好きです。
箸休め⑤
クレソンのおかか醤油和え
太刀魚 ♡
最近では他店でも太刀魚の握りを味わえることが多くなってきましたが、低温調理をして赤酢のツメを塗った独創的な鮨はここだけ。前回いただいた時よりも、ずっと美味しい。
海松貝
今夜は鳥貝に縁がなかったのが残念ですが、海松貝のサクサク食感と甘さも好きなのでいい。
蝦夷馬糞海胆 ♡
よく紫海胆を食べることが多いですが、味わいから言えば赤海胆の方がいい。特に今回のは濃厚すぎるくらいに濃厚でした。
のど黒
身の方がを昆布〆に、皮目を軽く炙り身と皮の間にある脂を目覚めさせのど黒。程よい脂が前後との緩急を感じさせます。
味噌汁
豆板醤入りではないけれど、濃厚な味噌汁。
穴子 ♡
大好きな腹の部位。今回は江戸前の羽田沖のものだそう。舌に絡みつくようなねっとり感は、たまりません。
玉 ♡
スペシャリテと言っても過言ではない佐藤さんの玉。キャラメリゼされた玉は、完全にプリンです。
今回も素晴らしい握りの数々でした。中でも『蝦蛄』と『蝦蛄爪』は元々好きというのもありますが、別格に美味しかったです。これからの種なので、もう一度くらいは出逢えるといいな。
食べたいと思った時に食べられて良かったです。佐藤さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.3.
正式オープンから1か月が過ぎて、各グルメ雑誌などにも掲載されるようになり、ますます予約困難となっている銀座にある鮨の新星「はっこく」へ再訪。プレオープン時には工事中だったエントランスも確りと出来ており、漆黒の壁に白く浮かび上がる「はっこく」の文字とロゴがデザインされた暖簾も下げられています。
3つあるカウンターはまだ全てが稼働していないそうで、通常はメインと右側にあるL字のみみたい。今回も店主の佐藤博之さんがいらっしゃるメインカウンターでいただきます。
エレベーターからカウンターまでは漆黒の空間が広がっているのに対して、和紙で包まれているようなカウンターの中は真白。「はっこく」=「白黒」という店名の表現は、こんなところにも表れているかのようです。
プレオープン時にはなかったガリ入れや指拭きも確りとあり、新潟漆器職人の真田桃子さんの付け台と並ぶと、かなりスタイリッシュ。ちなみにこの指拭きを固定しているもの、買えば2万くらいだそう。大黒屋の五角利久箸といい、さりげなく高価なものが置いてあるので、色々と聞いてみると新たな発見が出来ると思います。佐藤さんの新しい包丁にも注目ですよ。
今夜の献立
突先 ♡
まず供されるのは、鮪の突先という部位の手巻き。佐藤さんの名刺がわりとも言うべき極上の逸品。
平目
モチモチとした食感を楽しみつつ、旨味の強い独特の赤酢シャリを味わいます。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆た軽めの具合で、瑞々しいフレッシュ感があります。
箸休め①
玉葱スライスにポン酢をかけたもの。
細魚
閂と呼ばれる極太の細魚。細魚の甘み、シャリの旨味、薬味の清涼感が口の中を駆け抜けていきます。
鰤 ♡
実はクセのある鰤も確りと処理をしており、極上の口溶けだけを残してあります。この時期の鉄板の美味しさ!
平貝
厚めに切られた平貝はサクサク食感の中で、柚子がふわりと香ります。
牡丹海老 ♡
「鮨 とかみ」時代にはあえて出さなかった生の種。ですが、ねっとりととろけていく牡丹海老とこの赤酢シャリとのマリアージュは極上。
箸休め②
インゲン。
白子 ♡
前回は真鱈の白子でしたが、今回は河豚の白子。口の中で弾けるクリーミーな白子と赤酢シャリの相性は確認済みですが、何度食べても美味しい。巻き方も独特で、注目です。
鱚昆布〆
格子状に切られた鱚に煮切りが塗られると、その格子模様が浮かび上がり、なんともフォトジェニック。昆布の味がギュッと濃縮した味わい。
〆鯖 ♡
鮨店の〆鯖は、私の中の鉄板の種。とろける種から溢れてくる脂は、実に美味しい。この赤酢シャリが、それを更に加速させて行きます。
青柳
昔からある江戸前の種。下処理が大変だそうで、やめようと思ったこともあるそうですが、この独特の香りがなんともいえない。是非とも続けて出して欲しい。
車海老
火入れ、甘み、車海老の香ばしい味わい。どれも完璧。
九絵
平目がモチモチならば、この九絵はモッチリ。軽く火入れすることで、甘みをグッと引き出した九絵と赤酢シャリとのマリアージュを楽しめる種です。
鰆
魚へんに春と書く鰆ですが、実は冬が美味しい。軽く漬けにして、上に辛子を塗って供されます。「はっこく」の鰆は、実に攻めの種。
箸休め③
1番人気というピーマンの塩昆布和え。
小鰭
この小鰭を食べることで、次の王者の降臨の為、口の中のリセットを行います。
赤身
やはり使っているのは、定着の鮪だそうで、「これが赤身?」というような口溶けと圧倒的な香りが広がります。漬けではない赤身は久しぶり。
中トロ ♡
口に入れた途端になくなる口溶けの良さ。そして、鼻から抜けていく香り。赤身と同じ魚体だそうで、先程の赤身にコクが加えられた感じ。鮪は美味しい!
霜降り ♡
よりシルキーに、より香り高く。言葉はいらない。この画だけで十分でしょう?
カマトロ ミルフィーユ ♡
自信のある鮪だからこそ、たくさん食べてもらいたいという思いから、鮪は4連にしたそうです。カマトロ近くの部位を何枚か重ねて握られており、絶対的王者の前に傅く美味しさです。
墨烏賊
塩が多い中で、煮切りと酢橘で。醤油の香りが華やぎます。
煮蛤 ♡
ライトな感じですが、低温調理で確りとジューシー。ずっと噛み続けたい。
鰹
血生臭など、微塵もなく、ただただ鰹の旨味だけが濃縮された鮨。
えぼ鯛昆布〆 ♡
あまり他店では見かけませんが、えぼ鯛もれっきとした江戸前の魚。干物でも脂があるえぼ鯛、なら生ならば…。もう分かりますよね?
鰯
これも独自の発想の鮨。上に乗せられた練り梅は、鰯の梅煮からのオマージュ。後味がとても爽やかです。
海松貝
ザクッザクッという音を楽しんだら、広がる甘み。貝好きにも、「はっこく」は素晴らしい!
箸休め④
千切りキャベツとケール「はっこく」オリジナル胡麻ドレッシングかけ。商品化希望(笑)
金目鯛
脂が多すぎて、使いづらいという金目鯛もこの赤酢シャリがちゃんと受け止めています。やはり濃厚な種には、抜群の相性です。
太刀魚
プレオープン時には、まだ完成していなかったという種。他店でも太刀魚の握りはいただきましたが、つまみよりも握りの方から好み。「はっこく」では低温調理を施しており、しっとりした口当たりで、上から赤酢ツメを塗ることで、旨味と爽やかがプラスされています。
赤貝 ♡
剥きたての赤貝は、香りがよくて大好き。この赤貝も肉厚で◎
蝦夷馬糞海胆
北海道浜中産 平井水産の馬糞海胆。馬糞海胆は濃厚な甘みが特徴的ですが、これは香りもいい。
のど黒
皮目を炙り、身の方は昆布〆。モッチリと昆布が香り、皮目の脂がとろけて、白身の王者が降臨です。
穴子
ツメを少量にすることで、穴子本来の味わいも楽しめる鮨。
玉 ♡
表面をキャラメリゼしたプリンのような玉は、佐藤さんのスペシャリテ。
味噌汁
蕪の味噌汁。プレオープン時にはなかったですが、お客さんのリクエストで提供するようになったそうです。
今回も怒涛のような30貫は、あっという間でした。まだ一斉スタートという形は取っていないので、中盤までほぼ佐藤さんを独占して握っていただき、贅沢な時間を過ごせました。
極上な時間をありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.1.
都内の鮨で、2015年は「鮨 あらい」。2016年は「東麻布 天本」。それぞれオープンした年に一世を風靡し、今や確固たる名店になった鮨店です。そして、2018年はまだ始まったばかりですが、この年を代表するであろう鮨店が生まれました。
「はっこく」
店主は、銀座「鮨 とかみ」の2代目店主であった佐藤 博之さん。2017年3月に「鮨 とかみ」を退職されて、満を持しての独立です。店名の「はっこく」とは、漢字で書くと「白黒」。「白と黒」「光と闇」、相反する物でありながらも必ず存在し、お互いを支え合う。お店で例えるならば、「料理人と客」といった感じでしょうか。人との繋がりを大切にする思いが込められた店名だと思います。
他店と一線を画す店内は、なんとカウンターが3つあります。向かって右側はL字カウンター、左側は未だ工事中で、今回は中央のメインカウンターへ案内されました。障子で囲まれた繭のような店内には、杉の一枚板のカウンターが光り輝き、ゆったりとした6席がゲストを待ち構えています。ナプキンの上には今夜の献立表があり、『つまみなし、握りのみ全33貫』がこの「はっこく」のコースとなるそうです。
今夜の献立
突先
佐藤さんの名刺がわりとして供される手巻き寿司。美味しさは言わずもがな。
平目
厚めな切りつけは、モチモチとした食感が印象的。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られており、とろけるようにシャリと混ざり合います。
九絵
しゃぶしゃぶをしていることで、甘味が引き出されています。
鰹
皮目を炙っており、身のモチモチ感と薬味の鮮烈感が印象的。
鰤
意外と生ではクセのある魚ですが、一切そんなことは感じさせません。
うるいと京ほうれん草のお浸し
箸休め的な?料理も美味しいですが、驚いたのはこの箸。「大黒屋江戸木箸」の「五角箸利休」というそうで、鮨なのであまり箸は使わないのですが…素晴らしい。何、この感覚!箸の概念が変わります。っていうか、欲しい!
小鰭
キリッとした味わいの小鰭。口の中をリセットとして、主役を待ちわびます。
赤身
大間 150キロ。食べ終えると、鮪のいい香りが鼻から抜けます。
中トロ
霜降りの部位。これが中トロ?と思わせるほどの美味しさ。銀座でありながらも、この切りつけの厚さ。最高です。
大トロ
中トロと近い部位だそうですが、味わいは全く違います。こちらの方がよりシルキー。味わいは言葉を超えます。
墨烏賊
肉厚な身は酢橘と煮切り醤油で。塩ではないのが、ポイント。
牡丹海老
「鮨 とかみ」では、使わなかった種。そこには「江戸前とは、何かしら仕事を施したもの」という佐藤さんの矜持があったからだそう。ですが、生でも美味しいものあると考えを切り替えた新たな種は勿論、美味しい。
車海老
大きさ、温度、極上の味わい。
ピーマンの昆布〆
供されると、鮮烈なピーマンの香り。切る前に洗い、切ってから洗わない。これだけでこんなにも香りが残るらしい。でも食べると、ピーマンっぽくない。
北紫雲丹
北紫雲丹の良さは、香りだと思っています。海苔がないと、それが良く分かりますね。
蝦夷馬糞雲丹
こちらは濃厚な甘味。海苔と雲丹が瞬時に溶け合います。
赤貝
赤貝は剥きたてなので、香りが素晴らしい。この香りこそが、この貝の命。
海松貝
肉厚なので、サックサク。甘味も素晴らしく、貝類が豊富なとこも実にいい。
鯛昆布〆
献立表には鱚昆布〆でしたが、本当は鯛。フワリとした昆布の旨みが、鯛の旨みを加速させます。
鰆
最近、お気に入りの種ですが、食べたことのない味わい。漬けにされており、上から辛子を塗ることで、口の中でのファーストインパクトがすごい。鰆って、ほわんとしたイメージだったのですが、なんて攻撃的なのでしょう。
のど黒
白身のフィナーレ。極上!
細魚
美しい。間に紫蘇を入れており、爽やかな一貫です。
ケールとロマネスコのサラダ
どうやら箸休め?には、野菜を入れてくるみたい。
鯵
綺麗な鞍がけの上には、薬味。切りつけの厚くで、口の中での鯵の存在感がすごい。
鰯
上には梅肉が乗せてあり、味わったことのない鰯。濃厚な鰯の脂が爽やかです。
小柱
大星の小柱。食感と香りが映えます。
青柳
江戸前の代表格ですが、最近はあまり見かけなくなりました。独特の香りがいいです。
梭子魚昆布〆
実はこれも江戸前の種。でも水分の多い魚なので昆布〆にすると、実に美味しい。
〆鯖
濃厚でありながらも、さらりとした脂の鯖。脂のある種は、このシャリにとても合います。
白子
献立表を見た時から気になっていた種。焼くのかな?湯引きかな?と思っていたら、湯引きでした。口の中で白子のジュースがシャリと混ざり合い、意外と赤酢のよく合います。
北寄貝
片側を軽く炙り、裏返して握っています。こっちの方が甘みをより感じますよね。
平貝
これも厚〜い。サクサク食感がこの貝の特徴で、柚子の香りがいい仕事してます。
煮蛤
とても柔らかな煮蛤。噛み締めると、旨みがどんどん溢れてきます。
穴子
大好きな腹の部位。「鮨 とかみ」では塩と煮つめの2種でしたが、煮つめのみ。煮つめは少量なので、穴子の味わいも分かります。
玉
いよいよ最後。玉は、あの玉。
約4時間、怒涛の33貫。佐藤さんもかなりお疲れでした。まさか本当にみんな33貫食べるとは思ってなかったそうで、これからどうしようかなー?なんてことをおっしゃってました(笑)いやいや、供されたら食べるでしょ!
将来的には3つあるカウンターをフルに使って営業されるそうなので、佐藤さんが立つメインカウンターの6席はプラチナシート確実。とりあえず、次回の予約も出来たので、この「鮨のグランメゾン」を楽しみたいと思います。
2位
21回
2023/08訪問 2023/09/15
2023.8.
シン・すぎた/日本橋蛎殻町 すぎた
枝豆
夏の風物詩の肴。あまり好きではないので、このくらいの量で満足。
鮃 & つぶ貝♡
青森県産の鮃と北海道厚岸産のつぶ貝を山葵と醤油で。
鮃は極上のモチモチ加減を楽しんでいると溢れる奥行きある甘味が凄い。つぶ貝はバリバリとした食感の中で、野生味ある甘味が映えます。いつもながら杉田親方の包丁捌きを堪能しつつ、食材の甘味と食感のコントラストが楽しめる仕立てで素晴らしい。
穴子の白焼♡♡
表面は仄かにパリッとしており、咀嚼する歯を覆うようなゼラチン質がねっとりと絡み、旨味と甘味が広がります。そして、食べ終えて鼻から抜ける穴子の香りが凄い。
岩牡蠣♡
三重県産。実はあまり得意ではないのですが、美味しそうだったので思わず。
プリッとした食感にミルクのようなクリーミーな味わいが口いっぱいに広がり、美味しい。
鱒子の味噌漬け
いくらよりもひと回り小さい鱒子。口に入れると、味噌の甘味が広がり、プチッと弾けると鱒子の旨味が追いかけるように広がります。ご飯にも絶対に合う!
鮟肝と胡瓜の奈良漬♡
定番となっている組み合わせですが、初めていただく肴。鮟肝と胡瓜の奈良漬の異なる2種の甘味が広がり、そして追いかけるように新政酒造「陽乃鳥」を合わせると、口の中で3種の甘味が混在するマリアージュが楽しめます。
太刀魚の焼物♡
焼物では定番の太刀魚。フワフワとした食感の中、旨味がジュワッと溢れ、酢橘の爽やかさがはしります。
蛸の柔らか煮*♡
『柔らか煮』といっても、蛸の食感は残っており、その身を咀嚼すると溢れる旨味が凄い。やはり鮨店の蛸は侮れない。
新子♡
久しぶりにいただく杉田親方の新子は、2枚付け。新子とはいえ、その小さな身にジューシーさがあって、ジュワッとした旨味があります。
小鰭*♡♡
そして、小鰭というこの時期ならではの素晴らしい流れ。江戸前の粋な新子もいいですが、やはりジューシーさでは小鰭の方が群を抜いて美味しい。
新烏賊♡
墨烏賊の子供の新烏賊は1匹分。ツルッとした舌触りで、こんなに小さくてもサクサクとした食感があって美味しい。
鮃昆布〆♡
飴色に輝くようなガッツリと昆布〆された鮃。ガツンとくる昆布の旨味の奥にある鮃の旨味が咀嚼の度に蘇ってきます。
鰹♡
口に入れると、薫香がふわりとし、漬けにしているので程よく脱水された身は旨味が凝縮しており、実に美味しい。
春子鯛♡♡
とろりととろけるような春子鯛。シャリの塩味と上に乗せた塩と酢橘で、より輪郭を成す甘味と旨味が最高の一貫。
赤身漬け♡
今回は青森県大間産。天身の部位を薄く切りつけ、漬けにしてから折り畳んで握られる独特な漬け。身はねっとりとし、食べ終えてからも尚、口の中にあるような存在感のある香りが素晴らしい。
血合いぎし♡♡
身のとろけ方、香りが1番映える部位。切りつけも厚くて、口の中での鮪の存在感が圧倒的で美味しい。
北寄貝*♡
ビッシリとついたワタの部位を上にしているので、舌にダイレクトに当たり、極上の甘味を味わえます。
大トロ♡
コッテリとした脂の甘味がありつつも、夏らしい酸味や香りも楽しめます。
煮蛤*♡
確りと味が染み込んでおり、ずっと噛んでいたくなるほどの旨味の溢れ方があります。
新いくら♡
皮は薄く、弾けるというよりはとける感じ。いくら本来の旨味が濃く、海苔の香りも映えます。
車海老♡♡
食感・温度・香り・甘味の全てがパーフェクトな車海老。
蝦夷馬糞海胆♡
海苔がないので、純粋に海胆の旨味と甘味を感じられます。なんといっても、香りが凄い。
赤海胆*♡♡
甘味だけでなく、仄かな苦味の複雑さがあり、これこそ赤海胆ならではの楽しみ。
浅蜊の潮汁♡
仄かな塩気で、浅蜊の旨味を全面に出した潮汁。
穴子♡
煮つめで。舌に絡みつくようなトロトロ加減で、皮のゼラチン質が留まり、旨味を広げていくよう。
玉♡
いつもの握りで。シャリの塩気で押し上げられるような玉の甘味がより感じられます。
東京・水天宮近くにある「日本橋蛎殻町 すぎた」に再訪。ピンと張り詰めた空気を和ますのは、店主・杉田 孝明さんの存在感であり、供される鮨や料理の美味しさでしょう。豪華な食材を見せつけるようなエンターテイメント性はありませんが、優雅に杉田親方の握る姿に誰もが目を奪われます。
今回はちょうどお盆直前、しかも台風で魚がない。そんなタイミングでしたが、新子などのこの時期ならではの新物を楽しむことができて大満足です。ネット予約に移行されて、まさしく神頼り的な再訪になりますが、出来るならば今年中にもう一度くらいは杉田親方の鮨を味わいたいです。
杉田親方、今回もたくさんありがとうございました!また是非宜しくお願いします。
湯呑コレクション
2023.5.
逢へりし君に恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
海蘊
酢の酸味は極々少しで、海蘊そのものを感じられる味わい。
鮃 & 泥障烏賊♡
鮃は青森県産、泥障烏賊は神奈川県佐島産。鮃はモチモチとした食感で、咀嚼の度に旨味と甘味が素晴らしい。泥障烏賊は極上のねっとり感があり、舌にからみつくような食感と生姜の辛味の中でより甘味が溢れます。
メヒカリの粕漬け♡
茨城県鹿島産。ふわりと粕の香りが口いっぱいに広がり、その後にメヒカリの旨味が追いかけてきます。
金目鯛の茶碗蒸し♡
初となる茶碗蒸し。底には皮目を炙った金目鯛が入っており、上からはポン酢がかかっています。卵液のコクと金目鯛の旨味をポン酢の酸味がより引き出しています。
磯辺巻き♡
まず海苔の香りがぶわっとして、帆立の甘味、そしてそれらが一体となって口の中を支配します。
鮟肝♡
新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」をマリアージュする鮟肝。口の中に鮟肝があるうちに「陽乃鳥」を飲めば、累乗する甘味の膨らみが素晴らしい。
蛍烏賊の味噌漬け♡
蛍烏賊のワタの旨味と味噌との相性がとても良く、美味しい。
太刀魚の焼物♡
ふわりとした食感の太刀魚は旨味を引き出す塩加減も絶妙で美味しい。
小鰭♡♡
初めに酸をグッと感じ、追いかけるように小鰭のジューシーさがきます。そして、シャリの塩味で甘味が引き出されるよう。いつもながらに美味しい。
鶏魚♡♡
見た目から色っぽい鶏魚。ガツンとくる旨味と甘味が素晴らしい。
鱒の介♡♡
間に忍ばせるのは、和芥子。鱒の介は軽く燻して、切りつけてから漬けにしており、口に入れるとふわりと薫香がします。
赤烏賊♡
東京都式根島産。薄く削ぎ切りにして、更に細かく切ったものを一纏めにして握ったもの。口の中で瞬時に混ざり合い、塩で甘味の輪郭がより際立ちます。
海松貝♡
極上のザクザク感を楽しんでいると、溢れ出す甘味。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。
赤身漬け♡
宮城県産。赤身を薄く切りつけて、漬けにしてから折り畳むようにして握られる独特な漬け。赤身の酸味や香りが立ち上り、実に美味しい。
背トロ♡
静岡県下田産。香りがありつつも、口溶けは瞬。食べ終えて、口の中に残る酸味までも美味しい。
大トロ♡
少量の塩を間に入れることで、より鮪の甘味を際立たせています。
鯵♡
山口県萩産。口に入れると感じるのは、圧倒的な鯵の存在感。爽やかな旨味が駆け抜けていくのが実に印象的で、何より美味しい。
子持ち槍烏賊♡♡
まさかまだ逢えるとは!ちょうど明日で終わりだという子持ち槍烏賊。身の柔らかさと卵のプチプチ感が同時に味わえ、シャリの塩が更に旨味を押し上げています。
北寄貝♡
びっしりとついたワタを舌にダイレクトに当たるように握られているので、感じる甘味が素晴らしい。
煮蛤♡
ワタの旨味が咀嚼の度に広がるようで、ずっと噛んでいたくなります。
車海老♡
食感・香り・甘味、全てがパーフェクトな車海老。素晴らしい。
金目鯛♡
皮目を軽く炙り、脂の旨味を引き出してから握られる金目鯛。山葵と辛子の香りのハーモニーが心地よい。
赤貝♡♡
宮城県閖上産。ザクザクとした肉厚な赤貝は咀嚼すると、広がる香りが物凄い。
蝦蛄♡♡
とても大きく太い蝦蛄は大好きな雄。グッとくるような甲殻類の累乗する旨味の連鎖が素晴らしい。
馬糞海胆♡
北海道函館産。純粋無垢な雑味のないクリーミーな味わい。
浅蜊の味噌汁
浅蜊の旨味を全面に押し出した味噌汁。毎朝、こんな味噌汁が飲めたならば幸せです。
穴子①♡
まずは塩。ホクホクとした鼈甲色の穴子は甘味が上品で、穴子本来の旨味を味わえます。
穴子②♡
そして煮詰め。腹の部位はモフモフとしてトロリととろけて、舌に絡みつくよう。
玉♡
今回も握っていただきました。シャリの塩味で玉の甘味がよりはっきりと味わえます。
凛とした空気が店主・杉田 孝明さんの声でふっとと和らぐ瞬間を感じると、また「日本橋蛎殻町 すぎた」に来ることができたと実感します。江戸前鮨の王道をいく杉田さんの鮨や肴の美味しさは勿論ですが、私が思うのはポスピタリティーの素晴らしさ。親方は勿論のこと、全てのスタッフが客1人1人に目を向けているからこそ、そのサービスには血が通って、客との間に心が生まれると思うのです。
今回も素晴らしいひと時をありがとうございました!
2022.12.
逢へりし君に恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
残心
ゆっくりと置かれる鮨には、心が込められる。
そう。
私たちは鮨だけなく、心も同時にいただいている。
今日の献立
海老芋の衣被
胡麻と唐墨で彩っており、それぞれに胡麻の風味と唐墨の旨味が映えて美味しい。
皮剥 & 帆立♡
ガラスのように美しい身の大分産皮剥は肝醬油で、肝は荒目に切りつけられているので身で巻くようにしていただきます。薄い身からは想像出来ないほどに身はプリッとしており、肝の旨味が素晴らしい。
北海道野付産の肉厚な帆立は山葵と醬油で。繊維に逆らって歯を入れると、小気味良いザクザク感があり、甘味が溢れます。
白子♡
湯掻いてから冷やした真鱈の白子。ふわりと柚子の香りを纏い、口に入れると出汁の旨味の後に濃厚な白子の甘味が広がります。
蛸の柔らか煮♡
柔らか煮なれど、蛸の身と皮の食感は活かしており、咀嚼の度に溢れる蛸の旨味がたまらない。やはり鮨店の蛸は侮れない。
墨烏賊下足の粕漬け♡
柔らかい中にもコリコリ感があり、粕のふわりとした香りと墨烏賊の甘味が口の中で合わさります。
鮟肝♡
甘く炊きあげた鮟肝と新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」とのマリアージュ。舌に絡むねっとりとした鮟肝の甘味を追いかけるように「陽乃鳥」の甘味で洗い流す素晴らしさ。
筋子の味噌漬け♡
プチッと弾け、ねっとりと舌に絡みつきます。味噌漬けの香りと甘味が程よく、お酒よりもご飯が欲しくなる味わい。
太刀魚の焼物♡
ふわりととした身は旨味が溢れ、定番なれど素晴らしい味わい。
牡蠣の味噌漬け(追加)♡
生の牡蠣は苦手ですが、火を入れた牡蠣は大好きなので追加。やはり杉田さんの味噌漬けは好みの味わいで、常備したい。
小鰭♡♡
杉田さんの名刺がわりの一貫。小鰭の旨味と酸の心地よさ、それを受け止めるシャリ、全てが美味しい。
墨烏賊♡
小気味良いサクサク感とねっとり感が合わさったような食感があり、酢橘の爽やかさが映えます。
真鯛♡
塩〆された真鯛はモチモチとして、咀嚼する度に溢れ出す甘味が凄い。特に皮目の面積が広くてたまらない美味しさ。
間八♡
身も柔らかく、シャリの塩気で際立つ旨味と特に甘味が秀逸。
鰆♡
口に入れる瞬間に薫香が鼻を擽り、その身は液体のような口溶け。
春子鯛♡
昆布〆された春子鯛の身は程よく脱水されて、とろりとろけます。シャリを包み込むようなので、口の中での存在感が凄い。
赤身漬け♡
薄く広く大きく切りつけてから漬け込む独特の仕立てで、折り畳むようにして握られます。ねっとりとして、時間をかけてゆっくりと味わいが滲み出します。
鰈♡
ガッチリと昆布〆された鰈は、今では珍しい仕立て。しかしながら、コレが実に美味しい。
蝦蛄♡♡
極太の蝦蛄は漬け込みの仕立て。甲殻類の濃い味わいと漬け込みによる甘味が実に美味しく、蝦蛄好きにたまらない。
霜降り♡♡
格子状に細かく包丁を入れ、山葵と共に少量の塩を入れて握ることで、口の中でのとろけ方と塩によって際立つ甘味が美味しい。
海松貝♡
ザクザクと音を立てて咀嚼すると、甘味が溢れ、独特な香りも立ち込めます。
鰯♡
酢洗いされた鰯は真白で、脂乗りが素晴らしい。山葵と共に薬味も間に入れることで、口の中で最初に鰯の旨味と青魚の香りがダイレクトに伝わります。
北寄貝♡
びっしりとついたワタの部位を舌に当たるようにして握られているので、ワタの甘味がとても印象的な一貫。
車海老♡
綺麗なだんだら模様が映える車海老は口に入れると喉元にまで届くような大きさ。咀嚼すると、温度・甘味・香りがぶわっと広がります。
鰤♡
腹の部位でかなりの脂がありながらも、余分な脂を感じさせずに旨味だけを全面に押し出しています。鰤のクセなどは微塵も感じさせません。
北紫雲丹♡
瞬時に口溶ける雲丹は初めほんのりとした甘味が広がり、その後に時間差でグワっと強烈な甘味が溢れてきます。
金目鯛♡
皮目を炙ってから握る仕立てで、ちょこんと乗せられた辛子が可愛い。
馬糞雲丹♡
先程の雲丹とは違い、濃厚濃密な甘味。
浅蜊の潮汁♡
まさにいい塩梅とはこのこと。
穴子♡
身はホクホクとし、皮目はゼラチン質を感じられる穴子。〆の一貫はやはり煮つめがいい。
玉♡
今回も握っていただきました。口に入れると、シュッと消える玉はシャリの塩気で甘味の輪郭がはっきりとして、実に美味しい。
全てが慌しい12月。しかしながら、店主・杉田 孝明さんの落ち着いたアルトな声が響くここ「日本橋蛎殻町すぎた」にはゆったりとした時間が流れています。供される王道な肴や握りはどれもハズレなく美味しく、多くの心と胃袋をガシッと掴んで離しません。単に料理が美味しいだけでなく、こまめなお茶の交換をはじめとする確りとした客へのポスピタリティーもまたこの鮨店を支える要素であり、大きな強みだと思います。杉田さんらが作り出す料理・雰囲気・心遣いの全てが心に響く素晴らしい鮨店です。
2022.7.
逢へりし君に 恋ひにてし/日本橋蛎殻町 すぎた
じゅんさいと長芋
底に凍らせた卵黄とすりおろした長芋があり、大粒のじゅんさいと混ぜ合わせることで、なんとも涼やかなひと皿に。
泥障烏賊と真子鰈♡
生姜醤油でいただく分厚い泥障烏賊は両面に包丁入れることで、口の中でねっとりととろけて甘味が広がります。そして、コレ以上のモチモチ感があるのか?と考えてしまうほどの真子鰈の食感の心地良さ。
茹で蛸♡♡
『蛸の柔らか煮』が定番ですが、今回は『茹で蛸』。なんと言っても驚くのは見た目以上の柔らかさ。そして、咀嚼の度に広がる香りが素晴らしい。鮨店で蛸が供されると、実に嬉しい。
穴子の茶碗蒸し♡
蓋を開けると、鮮烈な山椒の香りが鼻をくすぐり、卵のコクと穴子の旨味がとてもよく合い、美味しい。
鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝と秋田県の新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』と共に。鮟肝の甘味をキレのある『陽乃鳥』の甘味で洗い流す素晴らしいマリアージュ。
数の子の味噌漬け♡
数の子は厚みもあり、口の中でバリバリと弾けるよう。食感フェチにはたまらない肴。
赤むつの焼物♡
皮目がとろりとして甘味が広がり、その後に旨味がグッときます。
鮑の肝の味噌漬け(追加)
口に入れると、目を閉じると海岸を目の前にしているような磯の香りが広がります。
メヒカリの粕漬け(追加)♡
去年もいただいた「日本橋蛎殻町 すぎた」の中でも新しい肴。確りとした粕の香りの中で、フワフワなメヒカリの軽さが素晴らしい。無限に食べられそう。
小鰭♡♡
杉田親方の名刺代わりの一貫。小鰭の酸味、シャリの塩味、そしてそれらが混ざり合うことで旨味が引き出されていく口福の一貫。
墨烏賊♡
小気味よいサクサク食感。酢橘の爽やかさと墨烏賊の甘味が映えます。
鶏魚♡
夏を告げる鶏魚はとろりとして舌に吸い付くよう。爽やかな旨味と食べ終えて残る甘味が美味しい。
真子鰈♡
昆布〆された真子鰈は昆布の旨味をはじめに感じ、モチモチ感を楽しんでいると溢れる甘味が秀逸。
鰹♡
鰹は藁焼きしてから漬けにしたものを地からしと共に握られます。口に入れると薫香が鼻から抜け、ほのかな鰹の酸味がとても美味しい。
春子鯛♡
軽い昆布〆にされた春子鯛は食べ応えもあり、口の中で主張する存在感が素晴らしい。
海松貝♡
極上のサクサク食感。そして広がるちょっとクセのある甘味が美味しい。
赤身漬け♡
今回は北海道噴火湾産定着の42キロのもの。今回は薄く切りつけて折り畳む独特の漬けではなく、厚く切り付けて漬けにしており、脱水された赤身の酸味がグッときます。
血合いぎし漬け♡
グラデーションのかかった身はとても美しく、それを漬けにすることで脱水され、旨味が凝縮しています。確りと香りも感じられ、やはり血合いぎしは好みの部位。
赤貝♡♡
杉田親方も唸る宮城県閖上産。食感よりも鮮烈というよりかは複雑味のある香りが素晴らしい。
中トロ♡
霜降りの部位。口溶けは素晴らしく、食べ終えて残る酸味と甘味が美味しい。
鯵♡
酢洗いすることで更に酸を纏う鯵は、肉厚で爽やかな旨味が広がります。
大トロ♡
砂ずりの部位で、見た目からもTHE大トロと言える味わいで、夏の鮪でも確りとした旨味が強くて美味しい。
赤貝のヒモ♡♡
宮城県閖上産のものはヒモが特に美味しいそうで、初となるヒモのみの握り。ザクザクとした食感があり、身と同様に特に香りが素晴らしい。
鰹のハラス♡♡
脂は薄いながらも、やはり美味しい。言われてもコレが鰹とは信じられない別物感。
金目鯛♡
皮目を炙ることで身との境にある脂が溶けて旨味と甘味に変わります。今回は皮目の面積が大きいところだったので、嬉しいかぎり。
車海老♡
頬張ると先端の海老味噌がついている部位が喉に当たるような大きさで、身の甘味と海老味噌の濃厚さがたまらない。
赤雲丹♡
大分県豊後水道産。赤雲丹は香りや甘味よりも濃密で複雑味のある味わいが素晴らしい。
馬糞雲丹♡
北海道利尻産。コレも濃密ですが、明らかに違うのは甘味と香り。
浅蜊の潮汁♡
今回は味噌汁ではなく、潮汁。浅蜊の旨味を確りと味わえる濃度で美味しい。
穴子♡
肉厚な腹の部位を煮つめでいただくのが、大好き。フワフワモフモフな穴子は舌に絡みつき、シャリの塩と酸でより穴子が際立ちます。
玉♡
いつものように玉も握りで。シャリが入ることで、甘味の輪郭がはっきりとして私は好きです。
約1年ぶりにやってきた「日本橋蛎殻町すぎた」で、初夏の鮨を楽しませていただきます。
「いらっしゃいまし。いつもの感じで宜しいですか?」
店主・杉田 孝明さんの凛とした空間に響く声を聞くと、張り詰めていた空気がふっと和む瞬間がいつも好き。伺ったときがちょうど季節の変わり目でしたが…肴では茹で蛸、鮨では赤貝とそのヒモがそれぞれ実に香り高くて美味しかったです。
王道たる味わいの中で、肴や鮨には確りと「日本橋蛎殻町 すぎた」の顔があり、ハズレなく何よりも美味しい。切りつけや握る姿、鮨を置く残心まで全てが美しい所作の杉田親方、一貫毎に置き台を拭いたり、こまめなお茶(湯呑)の交換とホスピタリティも名店と言われる骨格の1つだと思います。
プライベートな湯呑まで出していただき、ありがとうございました。また伺える日を楽しみにしております。
2021.7.
trrrr…
「日本橋蛎殻町すぎたです。お待たせ致しました。お席のご案内です」
コロナ禍や緊急事態宣言などで予約を受け付けていなかったので、今年はもう行くことができないと諦めていましたが、まさかのキャンセル待ちで行くことができるとは!
「日本橋蛎殻町 すぎた」
鮨が好きな方ならば、一度は行きたいと願う鮨店だと思います。店主・杉田 孝明さんの穏やかな声が凛とした雰囲気を和ませ、食材と対話するように握られる鮨はどれも美味しい。今回も全ての種を味わせていただきます。
今回の献立
味緑
茶豆と枝豆を合わせたいいとこ取りの枝豆。甘味と香りが段違い。
真子鰈 & 蒸し鮑♡
宮城県産真子鰈と千葉県勝浦産鮑。真子鰈は極上のモチモチ加減で咀嚼の度に甘味が引き出されてきます。蒸し鮑は目の前で杉田さんが切りつける時から香りが立ち上り、口に入れると歯を跳ね返すほどにモッチリとして、香り立ちます。
メヒカリの粕漬け♡
千葉県銚子産。5年ぶりの新作という料理。ふわりとしたメヒカリの身の柔さに驚いてると、粕漬けの香りが鼻から抜けます。後味は確りとメヒカリの旨味が残り、お酒が進みます。
海鼠腸の茶碗蒸し♡
シンプルでありながら、これ以上旨味が強い茶碗蒸しがあるでしょうか。キングオブ茶碗蒸し。
鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝と新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」とのマリアージュ。定番ながらも、供されると嬉しい。
鮑の肝の味噌漬け
酒・塩・水で炊いた鮑の肝を味噌床で2週間ほど漬けたもの。甘めの味わいが非常に好み。
太刀魚の焼物♡
千葉県産。背の部位はふわりとして、腹の部位はとろけるよう。ほんのりとする塩味がこの太刀魚の旨味を引き出しています。
蛸の柔らか煮(追加)♡
神奈川県佐島産の蛸を柔らかく炊いたもの。柔らか煮ですが、驚くべきは柔らさではなく香り。蛸らしいプリッとした食感も残しつつ、蛸の香りがふわりとします。鮨店の蛸は素晴らしい。
〆鯖巻(追加)♡
〆鯖・大葉・浅葱・ガリを海苔で巻いたスペシャリテと呼ぶべき肴。山葵たっぷりでも負けない鯖の脂の旨味。ここに来たならば、必ず食べたい肴です。
帆立の磯辺焼き(追加)♡
口に近づけると海苔の香りがふわりとして、口に入れると帆立の甘味がグッときます。
小鰭♡
キリリとした酸が広がり、シャリとの間に忍ばせたおぼろの甘味がいいアクセントになっています。変わらずに美味しい心掴む一貫。
真鯛♡
千葉県鴨川産。塩〆した真鯛は口の中での主役級の存在感があり、溢れる甘味が素晴らしい。
鯵♡
島根県のブランド鯵である「どんちっち」。半身の厚い部位だけを握っているので、コレも口の中で存在感が素晴らしく、甘味のある爽やかな旨味が迸ります。
鰹♡
宮城県気仙沼産。漬けにしたものを和芥子で。何だろう?この舌に絡みつくようなねっとり感。脂よりも旨味が強く、食べ終えて残る香りが愛しい。
春子鯛
昆布〆の仕立てを塩で。程よく脱水されていて、旨味が凝縮しています。食べ終えてから、ふわりとする昆布の香りが印象的。
赤身漬け
京都府舞鶴産の定着。独特の切りつけをして、折り畳むようにして握られています。旨味と香りも良く、余韻も長め。
血合いぎし漬け♡
青森県大間産の釣り。漬けにすることで旨味が凝縮しており、実に美味しい。心に響く味わい。
中トロ♡
青森県大間産。山葵と共にちょっと塩を一緒に握る初めての仕立て。この塩を入れることで、より、鮪の甘味の輪郭を感じられます。
本の昆布〆
新潟県佐渡産。近年、あまり他店では見られなくなったガチガチの昆布〆は、鮨種として秀逸。口にすると、ガツンとくる昆布の味わい。ゆっくりとアラの旨味が顔を出してきて、甘味を残してフッとなくなります。
海松貝
塩〆して4日目。ザクザクと心地よい食感の中、香りと甘味が映えます。
車海老♡
山口県宇部産。この温度、この香り、この甘味。どれをとっても素晴らしい。
大トロ♡
青森県大間産。コレも塩を忍ばせて握られています。やはり塩を入れることで味わいの輪郭がはっきりするかのよう。
煮蛤♡
咀嚼の度に旨味が溢れてくるので、ずっと噛んでいたくなる味わい。
浅蜊の味噌汁
ふわりとする味噌の香りがたまらない。
北寄貝♡
そり立つようなワタが印象的で、ザクザクとした食感の中で甘味が映えます。
紫雲丹♡
口に入れた瞬間に香り立ち、口溶けと共に甘味を感じ、そして仄かな苦味も感じられます。複雑な旨味こそが雲丹の魅力。
穴子♡
塩と煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。モフモフとした食感と舌に絡みつくようなねっとり感。
玉♡
確りと握れる玉なので、私はいつも握っていただいています。シャリの塩味や酸味が加わることで、玉の甘味や旨味が際立って大好きです。
いつ訪れても間違いのない肴・握りの味わいとホスピタリティは、流石の一言。小鰭におぼろを入れたり、白身をガッチリと昆布〆するクラシックな一貫もある中で、鮪に山葵と塩を合わせるという目新しい一貫もあり、訪れる度に杉田親方の鮨に対する情熱を感じられます。願わくば、今年中にあと1回は杉田親方達にお会いしたい!またお店からお声掛けしていただけることを切に祈っています。
酒器・湯呑みコレクション
2021.2.
緊急事態宣言が発出してお店の時短営業が続き、予約の取り消しの多い中でも2ヶ月連続で訪問することができた「日本橋蛎殻町すぎた」。今夜は木漆工芸家の松崎 融さんの赤い木工額と小さな雛人形の前に座らせていただきました。
「いらっしゃませ。本日もいつもの感じで宜しいですか?」
店主・杉田 孝明さんの色気のあるこの声を今年はあと何度聞くことができるのだろう?そんなことが頭に過りつつも、今この瞬間に居られる幸せを存分に楽しみます。
本日の献立
ひろっこのお浸し
浅葱の新芽。この時期ならではの「日本橋蛎殻町すぎた」の先付。
帆立 & 鮃♡
塩〆の仕立て。帆立は確りとしたザクザク食感の後、鮃はモチモチの後にとろけるように甘味が溢れます。
牡蠣のおろし和え♡
生の牡蠣ですが、全くのクセはなくてただミルキーな味わいが口いっぱいに広がります。
下足の粕漬け♡
初めていただく肴。弾むような下足の食感はそのままに、ふわりと粕漬けの香りが鼻から抜けます。美味しい♡
鱈の白子♡
粒も大きく、口に入れた瞬間になくなるような感じで「牛乳?」と錯覚するほどにミルキー。
鮟肝♡
オレンジ色が艶めく鮟肝は滑らかで、甘く焚かれた味わいが好み。一緒に供される新政酒造の『陽乃鳥』とのマリアージュが更に美味しさを加速させます。
海胆の佃煮
佃煮の甘味の中でも海胆の香りが確りと活きており、海胆を食べている実感が湧きます。
アブラボウズの西京焼き♡
初めての肴。皮目は確りと焼くことでパリパリとして、身は余分な脂を落とされて弾むようなブリブリ感があつて実に美味しい。
〆鯖巻き(追加)♡
「日本橋蛎殻町すぎた」で16年くらい続く浅葱・大葉・ガリと共に海苔で〆鯖を巻いた名物の肴。海苔の香りの中で鯖がとろける様は、口福です。
小鰭♡
初手は小鰭。やはり美味しい♡小鰭の旨味の後にキリリとした酸が走り、シャリの塩味と融合して口の中で完成する味わいは素晴らしい。
墨烏賊
肉厚な身ですが、サクッとした歯切れの良さがあり、トロリととろける甘味もあります。醤油の香りも心地よい。
鰆♡
口に入れた瞬間からとろけて、ふわりと薫香が鼻から抜けて、後味は甘味が残ります。
春子鯛♡
まるでとろけるような食感があり、その後に旨味が駆け抜けていきます。
細魚
「かんぬき」と呼ばれる大きな細魚で、薬味の爽やかさがありつつも細魚本来の旨味が映えます。
中トロ漬け♡
味をつけるというよりも漬けにすることで脱水しているようで、旨味がギュッと凝縮しており、後味で香りも華やぎます。
白甘鯛昆布〆♡
飴色に艶めくガッツリと昆布〆されて白甘鯛は、今時珍しい仕立て。ねっとりととろけながら、ぶわりと昆布の香りが支配するのはまさに鮨ならではの仕立て。
赤身漬け♡
いつもと切り方が違う厚みある仕立てで、先程の中トロと違うのは圧倒的な香り。
蛇腹♡
部位によってこんなにも味わいが変わるのかと驚くのが鮪。まるでジュースのような口溶けの良さで、甘味が溢れます。
鯵♡
口に入れた瞬間から旨味が迸り、咀嚼する度に溢れます。余韻も長く、食べ終えてもまだ口の中にあるかのような味わい。
海松貝
ザクザクと小気味良い歯応えがあり、その音を立てる度に甘味が溢れます。
子持ち槍烏賊♡
「日本橋蛎殻町すぎた」でしか食べられない握り。身は儚いような食感ですが、卵はねっとりとして舌に絡みつくよう。今年は食べられて良かった!
車海老♡
頬張ると味噌の部分が喉に当たるくらいの大きさで、温度・甘味・香りとどこから見てもパーフェクトな味わい。
北寄貝♡
ワタがビッシリとついた側を表にして握っているので舌にダイレクトに当たり、甘味が広がります。
鰤♡
鰤特有のクセなどは微塵もなく、旨味のみが凝縮された感じ。ゆっくりと身が溶けて、辛子の香りがふわりと鼻から抜けます。
煮蛤♡
煮つめと蛤の旨味が時間差で2段階になって味わえる握り。色合いもクラシックな感じで素晴らしい。
金目鯛♡
身はブリンとしていながら、口の中で香りを放ちながらとろけます。
馬糞海胆
甘味もあり、香りもあり、口溶けもよい。海苔がない分、純粋な海胆の味わいが楽しめます。
穴子(塩)
選べるところ、今回は欲張って両方。塩はあっさりとした尾の部位で口溶けはふわりとして、華やぐ香りが素晴らしい。
穴子(煮つめ)♡
煮つめは濃厚な腹の部位。布団のようにモフモフとしており舌に絡みつくような口溶け。やはり煮つめは好み。
椀物
今回は浅蜊の味噌汁。
玉♡
今回も握っていただきました。やはりシャリの塩味が加わることで、玉の甘味がはっきりとして美味しい。
ばらちらし♡
蓋を開けると、芝海老のおぼろで一面桃色。その中には小鰭・春子鯛・車海老・槍烏賊・煮蛸・穴子・干瓢・椎茸・玉・ガリが入っており、ひと口毎に味わいの変わります。まるで宝探しのようなばらちらしで、余韻に浸れます。
「素材と共に職人の心をもいただく」
鮨に限らず、全ての料理がそうだと思います。心のある料理はやはり食べ手の心を動かし、感動を呼びます。単に鮨の味わいだけでなく、親方の美しい所作や緊張感をほぐすような優しい声、凛とした空間に広がる酢飯の香り、一人一人を確りと見ているスタッフのホスピタリティ。稚拙な言葉や写真だけでは伝えられないことばかりです。
「日本橋蛎殻町すぎた」
今夜も感動と幸せが溢れていました。杉田親方・女将さん、スタッフの方々、ありがとうございました。
酒器・湯呑みコレクション
2021.1.
付け台に置くのは、鮨。そして、心。
2度目の緊急事態宣言が発出されて、また大きく飲食店が揺れ動く中で、今回は20時までの営業で予約通りに訪れることができ、2021年の鮨初めとなったのは「日本橋蛎殻町 すぎた」です。
お店から何の連絡もなかったので営業するとは思っていたものの、定刻通りに白い長暖簾が出されてホッと一安心。緩い曲線を描くカウンターは今夜も誰一人欠けることなく満席で、今夜も店主の杉田 孝明さんの目の前に座らせていただき、楽しみます。
今夜の献立
海老芋のきぬかつぎ
先付は胡麻と唐墨がつけられた海老芋。特に唐墨がつけられた方が海老芋の甘味を引き出していて好み。
皮剥&帆立♡
ガラスのように美しい長崎県産の皮剥と見るからにむっちりとした北海道野付産のジャンボ帆立。皮剥は別皿にある肝を巻くようにしていただきます。
2つとも甘い食材ですが、帆立はザクザクとした食感があり、皮剥は極上のモチモチ感が感じられます。
牡蠣のおろし和え
兵庫県赤穂産の生牡蠣を塩したのみと仕立て。生臭さなどは微塵もなく爽やかな牡蠣の香りが鼻から抜けます。
穴子の白焼き♡
穴子本来の旨味と香りがグッときて、実に美味しい。食べ終えた後味すらも尚、美味しい。
鱈の白子♡
確りとした大きさのある白子はまるで牛乳のようにクリーミーで、甘味が濃厚。温いポン酢の柔らかな酸味が更に味わいの輪郭をはっきりとさせています。
鮑の肝
久しぶりに味わう鮑の肝。甘く炊いたものですが、香りが物凄い!
鮟肝
甘く炊いた鮟肝には、いつもの新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』をマリアージュ。甘い食材を甘いお酒で流すという口の中で広がる味わいが素晴らしい。
真名鰹の幽庵焼き♡
大好きな真名鰹の幽庵焼きが出てきたので、嬉しいっ!真名鰹の美味しさは勿論のこと、添えてある胡瓜の胡麻和えが実に美味しいのです。
小鰭♡
ここから握りへ。まずは杉田親方の名刺代わりの小鰭。キリッとした酸の味わいの中、小鰭の旨味がグッときます。いつもながら実に美味しい。
細魚
「かんぬき」と呼ばれる大きな細魚で、生姜と葱をシャリとの間に入れて握られます。細魚とはこんなにも味わいの濃いものだったのかと思うほど。
墨烏賊♡
極上のサクサク感と噛み終えた後に感じるねっとり感。しかも今回は親方が一瞬悩んで、塩ではなく醤油という仕立て。香りが弱い墨烏賊ですが、醤油をつけることで、その香りがいいアクセントになります。
鮃♡
飴色に艶めくガッツリと昆布締めした鮃は、近年ここでしか出逢うことがありません。歯がゆっくりと入るくらいにねっとりとして、昆布の味わいがグッときます。シャリと合う鮨種。
真鯛♡
塩〆した真鯛は咀嚼の度に上品な甘味が溢れてきて、シャリの塩味でよりその甘味が際立ちます。
鰆
燻してから漬けにする仕立ては、魚本来の美味しさを大切にしたもの。薫香は最初のアタックのみで、後は魚の旨味がとろける身と共に溢れてきます。
小鯛昆布締め
口の中に入れて感じる圧倒的な存在感がとても印象的。ふわりと昆布の香りが鼻から抜けます。
赤身漬け
青森県大間産。独特の切り付けで漬けにされる赤身は本来の旨味に出汁の味わいが累乗され、食べ終えても尚続く香りが素晴らしい。
背トロ♡
同じ魚体。口溶けもさることながら、特に香りが素晴らしい。鮪では一番好きな部位なのかもしれません。出逢えて、良かった♡
大トロ
口溶けは抜群ですが、全体的な味わいだと背トロの方が好み。
鰯♡♡
鮪を凌駕するような脂の濃さと青魚の香りが秀逸。
牡丹海老
舌に絡みつくような極上のねっとり感。
北寄貝♡
ワタがびっしりとついており、そのワタが舌に当たるように握られているので、最初のアタックが素晴らしい。
〆鯖♡♡
凄い!何だろう、この〆鯖は!まるで液体みたいな口溶け。
煮蛤
近年見かけなくなった色合いの濃いビジュアル。更に煮つめなどは付けずに、あえてそのままという仕立て。蛤と出汁の旨味がダイレクトに感じられて、物新しい。
車海老
一縷のブレもないような仕上がりの車海老は甘味が美味しい。
馬糞海胆
海苔がない分、海胆本来の甘味と香りが映えます。
蜆汁
味噌は香る程度で、蜆自体は椀の中にありませんが、飲むと確りとした存在感があります。
穴子♡
塩と煮つめを選ぶことができる中で、いつも煮つめを選びます。舌に絡みつくようなとろけ方で、いつも美味しい。
玉♡
杉田親方の玉は握れるタイプなので、握っていただきました。シャリの塩味が玉の甘味にとてもよく合います。
「今夜は魚が少なくて…」と杉田親方は仰ってましたが、素晴らしい内容でした。時期的には鮪のトップシーズンなのかもしれませんが、鰯や〆鯖などの青魚が非常に好みの味わいで、とても美味しかったです。
握る姿がとても印象的な杉田親方ですが、握った鮨を付け台に置く瞬間もカッコいい。まるで武道における「残心」のよう。料理の味だけでなく、所作をはじめとする動作も美しく、客をもてなすという気持ちが溢れていて、いつも訪れても120%の満足感が得られます。
2021年の鮨初めを素晴らしいお店で迎えられました。杉田親方、ありがとうございました!今年もどうぞ宜しくお願い致します。46600
酒器・湯呑コレクション
2020.11.
祈るように握られ、そっと手離す時に煌めく鮨
「いらっしゃいませ」
凛とした空間に響く店主・杉田 孝明さんの優しい声。その声を聞くと、不思議とふわりとした雰囲気になるのは何故だろう。ここは「日本橋蛎殻町すぎた」。鮨好きならば、誰もが夢見るお店の一つです。今夜も無事にここへ再訪できた喜びを噛み締めながら、杉田親方の美しい所作と料理に酔いしれましょう。
今夜の献立
新銀杏
今の季節珍しいわけではないのですが、驚くほどのモチモチ食感。
鰹♡
長崎県壱岐産。塩〆した後、分厚く切り付けてから、数分漬けにして供されます。ねっとりと舌に吸い付くような食感の中、甘味と旨味が溢れてきます。
皮剥
長崎県産のものを肝醤油で。ガラスのような美しさの身に旨味の塊のような肝が素晴らしい。
帆立の磯辺焼き♡
帆立の甘味も秀逸ながら、海苔が凄い。香りともに瞬時に溶けます。美味しい♡
白子♡
温い中で白子の無垢な甘味が広がり、コクも感じられるポン酢の旨味と酸味が更に白子の甘味を際立たせます。
穴子の白焼き♡
長崎県対馬産。皮目をパリッと焼いて、身は軽く炙ることでプリッとした食感が生まれる穴子は香りがぶわっと鼻から抜け、甘味と旨味がじゅわっと溢れてきます。
鮟肝
甘く焚いたものを秋田県・新政酒造の貴醸酒『陽乃鳥』と共に。ねっとりと舌に纏わりつくような鮟肝を甘口のお酒で流し込むという素晴らしいマリアージュ。
筋子の味噌漬け
筋子の旨味が味噌の甘味と合わさり、お酒を呼びます。
赤むつの焼物
まるでジュースのような口溶けの赤むつ。コクのある甘い脂が溢れ返ります。
蝦蛄の漬け込み(追加)♡
北海道小樽産。メスの子持ち、カツブシの蝦蛄。とても太くて白い部分の確りと残っており、甘味の味わいに蝦蛄の旨味が累乗するようで、実に素晴らしい美味しさ。
蛸の柔らか煮(追加)♡
原型を留めているのが不思議なほどの柔らかさ。咀嚼すると、煮汁の甘味とジューシーな蛸の旨味が迸ります。
小鰭♡
優しく優しくジューシーな旨味が広がり、身の存在感を誇らしげに最後のキリリとした酸がふわっとします。
真鯛
兵庫県淡路産の真鯛を塩〆。舌に吸い付くようで、咀嚼すると繊細な甘味が溢れてきます。口の中で混ざり合うことで、シャリの酸味が更に甘味を強く感じさせます。
鰆
藁で燻してから漬けにした仕立て。柔らかな身はとろけるようで、咀嚼の度に奥から旨味が引き出されていくよう。
春子鯛♡
昆布〆の仕立て。春子鯛の水分を抜きつつも、ジューシー且つとろけるような感じ。
赤身漬け♡
青森県大間産。薄く独特の切り付けをされ、折り畳まれて握られたもの。香りが口に入れた瞬間に華やぎ、余韻も長く続きます。
中トロ♡
口に入れた時の魚の存在感が素晴らしく、ゆーっくりととろけるのは素晴らしき至福のひと時。
霜降り
旨味はコッテリとし、更に濃くて滞空時間と余韻が長く続きます。
蛇腹
霜降りと同じような旨味と余韻ですが、口溶けの速さが一段上。
鮃
ガッツリと昆布〆した鮃は飴色に輝き、シャリと合わさることで生まれる旨味が鮨としての完成度を感じさせます。
海松貝
小気味良いサクサクとした食感の中、シャリの酸味で際立った甘味が映えます。
鰯♡♡
口溶けと香りが素晴らしい!この季節はどんな鮪よりずっと好き♡
北寄貝
ワタがビッシリとついており、それがとろけて甘味を讃えます。
車海老
人肌の温さの中で、香りと甘味と香ばしさが映えます。いつもながらに微塵のブレもない完成度。
墨烏賊
ねっとり感とサクサク感が同時に味わえる墨烏賊は、ちょっと驚きました。
鰹のハラス♡♡
この時期のスペシャルな種。出逢ったならば、迷わずに食べていただきたいです。初見でコレを鰹と思うのは、ほぼ不可能でしょう。
いくら♡
まるでジュース!いくらの旨味の後に広がるのは、出汁の香りと旨味。いくらは飲み物と認識できる一貫です。
金目鯛
皮目の赤とちょこんと乗せられた辛子の黄色が美しい。軽く皮目を炙ることで、その下にある脂が蘇るようで甘味も感じられます。
馬糞海胆♡
たっぷりと盛られた海胆は、口の中で幸せの瞬間を与えてくれます。濃密であり、最後に昆布のような味わいがふわっとします。
〆鯖♡♡
凄い!咀嚼すると、脂がグッと出てきて、シャリと混ざり合うことで甘味も感じられます。素晴らしい美味しさ。
穴子♡
塩と煮つめを選べるところで、私はいつも煮つめ。ちょうど好きな腹の部位でモフモフな食感の後、舌に絡みつくようなねっとり感を感じられます。
玉♡
私はいつも握っていただきます。この少量のシャリが玉の甘味を際立たせていて、実に素晴らしい。
蜆汁
いつもの浅蜊ではなく、珍しく蜆。コレも美味しい♡
今夜も肴はほどほどにして、握りは本日仕込んでいる種を全て食べさせていただきました。珍しくも赤身・中トロ・霜降・蛇腹と鮪を4貫いただきましたが、やはりこの時期は鰯・〆鯖・鰹のハラスが群を抜いて好みの味わい且つ香りが素晴らしかったです。
奇を衒わない王道の鮨も素晴らしいですが、やはり一番は杉田親方の存在感だと思います。流れるような美しい所作、場を和ませる声と接客の良さ、いつもながらにさすが!としか言いようがありません。常連客であっても予約困難店には変わりありませんが、一見客でもチャンスはあります。是非とも味わいと共に杉田親方の存在感を感じて欲しいと思います。
杉田親方、今回もたくさんありがとうございました!また来年も宜しくお願い致します。
酒器・湯呑コレクション
2020.6.
「やはり握るのが、鮨が好きなんです」
そう満面の笑みで答えるのは、「日本橋蛎殻町 すぎた」の杉田 孝明さん。
約2カ月の営業自粛を経て、席数を減らした状態での営業再開となり、有難いことにコロナ禍でなくなった予約が復活しました。自粛という出来事がなかったら、きっと食べることがなかったであろう『ばらちらし』や『太巻き』にも感慨深いものがありますが、目の前で親方の綺麗な所作を見ながらいただく鮨は、やはり特別な時間です。
今回の献立
空豆
先付。
京都府舞鶴産 鳥貝
ワタはほぼないながらもザクザクとした食感が心地よく、一気に口の中に海が広がるような感じがします。
神奈川県産 泥障烏賊♡
生姜醤油でいただく極厚の泥障烏賊は両面に隠し包丁を入れているので、口の中で瞬時に甘味を感じられます。
鰯巻き♡
鰯・浅葱・ガリを海苔で巻いた何とも美しい肴。たっぷりの山葵に醤油をちょこんとつけて食べれば、甘味のある鰯の旨味が広がります。
北寄貝の生姜醤油焼き♡
北寄貝を生姜醤油に漬けて、軽く炙ったもの。北寄貝にはワタがびっしりとついており、そのワタがふわりとした食感を生み、更に生姜がその甘味を際立たせています。
鮟肝
甘く焚かれた鮟肝は、舌に絡みつくようなネットリ感を楽しんだ後に甘味を讃えてとろけます。そこに新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」を流し込むことで生まれる口の中でのマリアージュは最高です。
海胆の佃煮
海胆の香りと甘味も活かしており、お酒も進みます。しかし、本当ならばご飯が欲しいところ。
真名鰹の幽庵焼き♡
見た目から美味しさを確信できる分厚い真名鰹はふわっとした食感で、中に込めた熱と共に旨味が迸ります。そんな中で私の琴線に触れたのが添えてある胡瓜の胡麻和え。絶妙に美味しい。
小鰭♡
なんと、初の海老おぼろを入れるタイプ。小鰭の状態によって入れる時と入れない時があるらしいです。少量ですが、このおぼろの甘味がシャリの塩気と小鰭の酸をバッチリと繋ぎ止めます。
鮎魚女昆布〆♡
飴色に艶めく初の種。確りと昆布〆されており、昆布の旨味のファーストインパクトが凄い。最後に鮎女魚のコリコリ食感や旨味が名残惜しそうに残ります。
真名鰹
塩〆した後に寝かせて漬けにしたもの。これも初の種ですが、やはり美味しい。漬けにしたことで旨味が累乗されており、更に本来の旨味も感じられます。
春子鯛
塩でいただく春子鯛はとろける食感。〆ているのに、それを感じさせない口溶けです。
赤身
新潟県佐渡産。柵に添うような独特の切りつけで折り畳むようにして握られます。鮪の酸味が、心地よく鼻から抜けます。
背トロ♡
同じ魚体。トロらしい口溶けも素晴らしい中で、実に香りが素晴らしい!
中トロ
これも同じ魚体。先程の背トロに比べると、香りが少ないながらも口溶けはゆっくりと濃密になっています。
鯵♡
鯵らしい香りもあり、鯵らしくないジュルっとするような脂の濃厚さもあります。
北寄貝♡
小気味よいザクザク食感の中で、トロリとしたワタがびっしりとついているので、甘味が映えます。
煮蛤♡
シャリの酸も感じながらも、蛤の旨味と甘味が口の中に混ざりあいます。
車海老
全くのブレを感じないパーフェクトな車海老。間違いのない美味しさ。
海松貝
極上のザクザク食感。その後に溢れ出す甘味と海の香りが素晴らしい。だから、貝はやめられない。
金目鯛♡
美しい皮目の部位が広いのは、実に嬉しい。炙ることで蘇るような甘味のある皮目の脂がシャリと混ざり合います。
北紫海胆♡
北海道の津軽海峡付近。口溶けもさることながら、華やぐ香りが素晴らしい。
穴子♡
いつもの煮つめで。フッカフカの布団のような食感の中、口溶けは舌に絡みつくよう。
玉♡
デザート的な位置付けの玉ですが、杉田親方は握ることも確りと考えて作ってらっしゃるそうで、こうして握りでもいただくことができます。シャリの塩気が玉の甘味を際立たせていて、美味しい。
椀物
いつもの女将さんの浅蜊の味噌汁。味噌の香りとほっとする浅蜊の旨味に癒されます。
約2時間半、目の前に供される肴や鮨は杉田親方の気合と共に嬉しさも伝わるかのような素晴らしい味わいの中、実に幸せな時間を過ごさせていただきました。
コロナ禍で予約がなくなったのは私だけでなく、多くの方々が予約の復活を待ち望んでいるので、今年はきっとこれで最後かな?と思います。『ばらちらし』や『太巻き』は営業と並行して続けられるそうなので、親方の味に恋しくなったら買わせていただきたいと思います。
杉田親方、女将さん、スタッフの方々。幸せなひと時をありがとうございました!また今年中に逢えることを願っています。43000
酒器と湯呑コレクション
2020.5.
凄かった!
「日本橋蛎殻町 すぎた」のテイクアウトの一つ『生ばらちらし』も先日いただきましたが…こちらの『伝統的なばらちらし』の方が、断然に好み♡
蓋を開けると、声が思わず上がります。それは生ばらちらしの時の「わー!」という歓喜のものではなく、「おー!」という驚きの声。
ご飯が全く見えないほどにピンク色の海老おぼろで覆われていて、その下には小鰭・春子鯛・車海老・煮蛤・煮蛸・穴子・干瓢・椎茸・玉・ガリ・絹さや・海苔がたっぷりと入っています。箸をつける箇所で異なる旨味・甘味・酸味が味わえ、まるで宝探しのようです。実に美味しい♡勝手なイメージですが、こちらの方が杉田親方らしいばらちらしだと思います。
そして、太巻き。これはまるで2部構成のよう。左側には干瓢・椎茸・車海老・穴子・胡瓜・山ごぼう・三つ葉が巻き込まれて、大きく存在感のある玉が右側にあります。ひと口で食べられれば、また違う味わいなのかも知れませんが…確りとした旨味と甘味と食感がある左側を味わった後に、右側を食べるとシャリの塩気で際立った玉の甘味が素晴らしく映えます。いつも最後にお願いしている玉の握りが恋しい。
この伝統的なばらちらしは食べないときっと後悔します!
営業が再開しても、是非食べたいなぁ。
杉田親方、女将さん。
本日はありがとうございました!お身体には気をつけて下さい。また目の前に座らせていただける日を心待ちにしています。
2020.5.
コロナ禍にならなければ、GWに訪問予定だった「日本橋蛎殻町 すぎた」で、『ばらちらし』をテイクアウト。当初は『生ばらちらし』と『太巻き』で、一気に注文が殺到した為に調理場がパンク状態で一時中止となりましたが、煮蛤や干瓢などの加熱したものだけで作られた『伝統的なばらちらし』を加えて、無事に再開となりました。
今回、注文したのは『生ばらちらし』。定刻に店内へ入ると、親方が忙しそうに作っており、ちょこっとお話し。いつも電話越しでしたが、久しぶりに女将さんの元気な姿も見れて良かったです。
8寸折の中には、小鰭・赤身漬け・中トロ・真鯛・金目鯛・春子鯛・墨烏賊・煮蛸・車海老・馬糞海胆・いくらが煌き、その下には海苔・干瓢・角切りガリ・胡瓜が忍んでいます。そして、木の芽と絹さやの鮮やかな緑が印象的なばらちらしです。
それぞれの食材が大きいので、ついつい小鰭を始めにそれだけを食べてしまいます。でもやはり混ぜ込むように食べると、交錯する食材の旨味が押し寄せてきます。中でも同じ大きさに角切りされた墨烏賊とガリの食感が実に面白い。食べる度に色々な顔が見られるばらちらしでした。
すると俄然、気になるのはもう一つの『伝統的なばらちらし』と『太巻き』。まだ具体的にこのテイクアウト営業期間を決めていないそうですが、是非とも食べてみたいところです。
2019.11.
しとしとと降る時雨が日本橋蛎殻町の街を濡らす。
王道の江戸前鮨を堪能するには、粋な演出です。
やってきたのは、杉田 孝明さんが取り仕切る鮨店「日本橋蛎殻町 すぎた」。説明不要の日本を代表する鮨店で、奇を衒わない王道の江戸前鮨は多くの人の心をも確りと握って離しません。今夜も約束された口福な時間を堪能させていただきます。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
胡麻付きと唐墨付き。
鰤と皮剥
今季最後という北海道産の鰤は漬けになっており、噛み締めるたびに旨味が溢れます。ガラスのような美しく皮剥は肝醤油でいただきます。シコシコとした食感を楽しんでいると、ふわりとした甘味が広がり美味しい。
漬け込み蝦蛄
北海道小樽産。たっぷりの山葵でも負けない力強い味わい。「かつぶし」と呼ばれる子持ち蝦蛄なので、ホロホロとした食感も楽しめます。
〆鯖巻き♡♡
大好きな〆鯖を肴でもいただきたかったので、名物の〆鯖巻きを作っていただきました。どれだけ山葵を乗せても負けない〆鯖の旨味は、口に入れた瞬間に迸ります。
穴子の白焼き♡
ねっとりとした脂と穴子本来の香りが鼻から抜け、実に質の高さが感じられます。
鱈の白子蒸し♡
今季初の鱈の白子。ポン酢の爽やかな味わいの中でも、確りと分かる無垢でクリーミーな味わいは冬の醍醐味の1つだと思います。
筋子の味噌漬け
今回は豆皿も出していただきました。甘めの味わいが実に好み。お酒もいいですが、本心を言えばご飯が欲しい。
鮟肝
甘く炊いた鮟肝には、マリアージュする新政酒造の貴醸酒である『陽乃鳥』が供されます。異なるそれぞれの甘味が口の中で響き合います。
えぼ鯛♡
焼物は何気に初のえぼ鯛。絶妙な塩気で、こういうのをいい塩梅と言うのだと実感できる味わい。コレはご飯よりもお酒がよく合います。
ガリ
ガリを供されて、ここから握りです。
小鰭♡♡
小鰭の旨味と酢の酸味が素晴らしい。食べ終えてもなお続くような長い余韻は、いつもながらに素晴らしい。
真鯛
塩〆の真鯛は舌に吸い付くようにモチモチとして、シャリと混ざり合うと甘味が広がります。
鶏魚
口の中での存在感が素晴らしく、真鯛よりも甘くて鼻から抜ける香りすらも美味しい。
鰆
燻してから漬け込みしてある鰆。口に入れると、シャリとの境界線がなくなるように溶けて、薫香がふわりと香ります。
春子鯛♡
昆布締めされた春子鯛はジューシーを通り越して、液体?と思うほどにシャリと混ざり合います。
青柳♡♡
角のごとくピンと反り立ったまさかの青柳!サクサクとした食感も素晴らしいですが、まるで花のような香りが特に素晴らしい!最高峰の江戸前鮨のお店で、江戸前の伝統的な種に出逢いました。
赤身漬け
今夜は北海道戸井産。筋のない天身の部位を薄く切りつけて漬け込み、折り畳んで握られる独特の握り。赤身の旨味が濃縮されており、美味しい。
鰹♡♡
まさか、またコレに出逢えるとは!鰹と言われなければ絶対に分からない、鰹の違う一面が見られる種。鰹が持つ鉄っぽいイメージが払拭されるような甘味だけを取り出したような旨味。最高です♡
中トロ♡
北海道戸井産だそうですが、違う魚体だそう。部位的には背トロかな?相変わらずに切りつけが厚く、鮪を食べている感が素晴らしい。
鰯♡
3枚に切りつけて纏めてから握られる鰯。香り高く、口の中の温度で溶ける旨味が濃厚で美味しい。
車海老
頬張ると海老味噌が付いた部分が喉に当たるくらいの大きさで、何とも食べ応えのある車海老。
鰤
薄く2枚に切りつけてから軽く炙って握られる鰤。肴で食べたものとは別物で、荒ぶるような脂はゆっくりと口の中で目覚めます。
北寄貝♡
びっしりとワタが付いていて、まるで花が咲いたような北寄貝は、トロリとした舌触りの後に広がる甘味とザクザクとした食感が秀逸です。
墨烏賊
極上のサクサク食感は噛むのが楽しくなるほど。上に盛られた塩で墨烏賊の甘味も引き出されています。
金目鯛
蘇るような脂は素晴らしく甘味もあり、シャリの酸とも素晴らしいマリアージュ。特に今夜は皮目の部分が大きく切りつけてあり、嬉しい。
馬糞海胆
北海道厚岸産。クリーミーな味わいの中にある濃縮したような甘味が、シャリの塩気でより映えます。
穴子(塩)
いつもは煮つめと塩を選んでいる中で、今夜は両方ともにしてみました。塩にすると、脂が少ない尻尾の方になり、ホクホクとした食感と穴子本来の甘味が楽しめます。
穴子(煮つめ)♡
やはり私はこちらの方が好み。舌に絡みつくようなねっとりとした穴子は、いつもながらに素晴らしい。
椀物
味噌と浅蜊の香りがする女将さん特製の味噌汁。意外と作り方は変わってるらしい。
玉♡
そして、最後まで握りで〆るのが最近の流れです。なかなか食べている方はいらっしゃいませんが、玉の甘味とシャリの塩気が絶妙な味わいになり、オススメです。
今夜はまさかまた出逢えるとは思っていなかった鰹や杉田親方もなかなか握らないと仰ってた青柳に心奪われました。なかなか予約が厳しい中で、今年は5回も堪能させていただき、幸せでした。(その反動か、来年分は全く取れていないですが…)
杉田親方をはじめ多くの方々、長居させていただきありがとうございました。また来年に逢えることを祈っています。40500
2019.9.
夏から秋へと季節のバトンタッチが行われているような風が流れる日にやってきたのは、「日本橋蛎殻町すぎた」。白木が輝く凛とした空間に親方の杉田 孝明さんの声が響くと、ふわりと和やかな空気感になるのはいつも不思議と思う瞬間です。今夜も親方の前に座らせていただき、自分にご褒美をあげようと思います。
今夜の献立
枝豆
夏の名残のような枝豆。たまに食べるから美味しい。
雌貝鮑♡
静岡県伊豆産。切っている時ですら、香りがふわりと立ち上る雌貝鮑。それを口に入れれば、その香りは一気に花開きます。
ツブ貝
北海道様似産。心地よいシャクシャクとした食感は、醤油につければその香りを纏い、塩につければ甘味が際立ちます。
帆立の磯辺焼き♡
磯の香りがする海苔と帆立の甘味は、口の中で完成する料理です。
海鼠腸の茶碗蒸し
卵のコクを底上げするような海鼠腸の旨味、蓮根のサクサクとした食感も楽しい。
赤鯥の焼物♡
箸からも伝わる赤鯥のふわりとした身の柔らかさ。口の中でまるで液体になるようにとろけます。旨味を引き出している塩加減も絶妙。
蛸の柔らか煮(追加)♡
周りの方に便乗して追加。柔らかいですが、蛸の香りや蛸らしさもあって、実に美味しい。今回は頭の部位も盛られていて嬉しい。
ガリ
小鰭♡♡
皮目も柔らかく、ジューシーな小鰭は杉田親方の名刺がわりの一貫。いつもながらに素晴らしい味わい。
真鯛
塩〆で3日目の真鯛。モチモチした食感を楽しんでいると、真鯛の甘味が溢れ出してきます。あまり真鯛を握りで供しているお店は少ないですが、美味しい種だと思います。
新烏賊♡
墨烏賊の赤ちゃんの新烏賊は、この時期だけの種。儚いような歯切れの良さがたまりません。
鶏魚
寝かせて8日目。トロリと舌の上でとろけるようにシャリと混ざり合い、その脂はさらりとして美味しい。
さごち♡
鰆の子供。藁で燻したものを切りつけてから漬けにして握っています。口に入れると、薫香が支配して、口の中の体温でゆっくりと溶けていきます。
春子鯛昆布〆♡
コレは凄い。ふわふわとした春子鯛はよくありますが、トロトロな春子鯛は初めて。それはシャリとの境界線がなくなるほどで、最後にふわりと昆布が香ります。
赤身♡♡
今夜は青森県三厩産。切りつけも厚いので、口に中に入れた時の存在感が素晴らしい。味わいも濃いですが、それ以上に食べ終えてもなお続くような香りがとても心地よく、今夜一番の驚愕的な味わい。
中トロ
赤身とトロが混ざり合ったような血合いぎし。香りは赤身ほどではないですが、舌にからみつくようなとろけ方は秀逸。
大トロ
ダイレクトに感じる鮪の濃厚な旨味はとても濃く、まるでジュースのような感じでとろけます。
鯵♡
島根県浜田産のブランド鯵の「どんちっちアジ」。確りとした脂はありつつも爽やかで、鯵らしい味わいがあります。
車海老
ブレなんて微塵もない。いつも通りの美味しさ。
北寄貝
食感よりも貝の甘味を前面に押し出した北寄貝。ザクザクとした食感も感じつつ、トロリとした食感が楽しめます。
黒鯥♡
舌の上で一瞬留まってからとろりと溶けて、噛むほどに溢れてる甘味がシャリと混ざり合います。
いくら
薄皮すらも感じず、出汁醤油の旨味の中でも確りといくらの味を楽しめます。
煮蛤♡
小粒の蛤ですが、食べた瞬間に旨味がグッときて、ふわりと柚子の香りが華やぎます。ずっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。
赤海胆♡
佐賀県唐津産。水分が一滴もないほどに濃厚でクリーミー。そしてただ甘いだけでなく、その甘味の中に苦味もあって、複雑な味わいのオトナの海胆。
馬糞海胆♡
北海道浜中産。悶絶するような強烈な甘味は、シャリの塩気と相まってより際立ちます。
赤身漬け♡
身に沿うように薄く切りつけてから漬けにされて、折り畳んで握られる変わった仕立て。けれど薄く切りつけているので、出汁醤油の旨味が短時間でも確りと浸透しており、実に美味しい。
穴子♡
塩と煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。煮つめは腹の部位、塩は尻尾の部位と使い分けています。ふわふわの布団のような食感の後、舌に絡みつくようなとろけ方はたまらない。
椀物
いつもの浅蜊の味噌汁。味噌よりも浅蜊の出汁を感じられて、こんな味の味噌汁を出されたら毎日が幸せです♡
玉♡
実はこの玉も握ることができます。地味な見た目ですが、コレが実に美味しい。玉の甘味がシャリの塩気で引き立っていて、最高の〆となります。
約3時間ちょっと。幸せな時間はあっという間に過ぎていきます。非常に好みの味わいの肴はどれも美味しいのですが、握りに重きを置いたいつもの献立はやはり素晴らしい。ハズレなんて一貫もなく、口に入れた時に魚の存在感がどれも確りとしていて、まさに王道の握りだと思います。湯呑コレクションからも分かるように、とてもこまめにお茶の交換をして下さるホスピタリティもこのお店を支える重要な1つ。決して味わいだけでなく、お店の雰囲気やサービスも素晴らしいとしか言いようのない鮨店だと思います。
杉田親方、スタッフの方々。感動の時間をありがとうございました。次回もまた宜しくお願いします。33990
湯呑コレクション
「このお店に2カ月連続で来られた事は、この上ない幸福と罪」
そんなことを思いながら、席へと通されたのは「日本橋蛎殻町 すぎた」。
「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
凛とした空間がふっと和むような杉田 孝明さんの声で、いつもこのお店にやってきたという実感が湧きます。今夜もいつも通りの仕立てで、楽しみます。
今夜の献立
海蘊とじゅん菜の酢の物
梅雨の時期にぴったりの爽やかな先付け。じゅん菜は大きくぷるんとした食感で、清涼感があります。
千葉県大原産 雌貝鮑 ♡
表面積が大きくなるよう鮑に対して、斜めに切りつけられます。口に入れると、ぶわりと広がる鮑の香り。そして噛むとその旨味がとめどなく溢れてきます。
北海道様似産 つぶ貝
ザクッザクッとした極上の食感を楽しむと広がる甘味が素晴らしい。
蛸の柔らか煮
蛸の食感も程よく活きているので、噛むことで蛸の旨味が溢れます。鮨店の蛸は本当に侮れません。
海鼠腸の茶碗蒸し
底に沈んでる海鼠腸を混ぜるように食べれば、卵のコクに負けない海鼠腸の旨味。そして、サクサクとした山芋の食感が心地よい。
肴2種
今夜はノンアルだったので、まさか供されるとは思っていなかった『鮟肝』と『ばちこ』。お茶受けでも、やはり美味しいものは美味しい。
太刀魚の焼物
鮨店の定番の焼物の一つ。絶妙な塩気とふわりとした食感は、さすがです。
帆立の磯辺巻き
帆立の甘味、香ばしい醤油の香り、山葵の風味、海苔の磯の香りを楽しめる四重奏。
ガリ
小鰭 ♡♡
ストレートに美味しい。ジューシーな小鰭とそれを受け止めるシャリが混ざり合い、最後は甘味を感じる。いつもながらに素晴らしい完成度。
真鯛
塩〆した真鯛はモチモチとして、口の中での存在感もバッチリで、確りと甘さも感じられます。
鶏魚
旬の鶏魚は口に入れると、ジュルッと溶けるよう。 そして、その甘味は秀逸。
赤身漬け
岩手県久慈産。表面積を広く大きく切りつけをして、漬けた後に折り畳んで握られる赤身漬け。鼻から抜ける香りと旨味の濃さが素晴らしい。
鯵 ♡
綺麗な銀皮を残した鯵は、島根県浜田産のブランド鯵の「どんちっち」。鯵らしい味わいがあり、口の中で暴れまわる旨味に悶絶です。
鱚
見た目も綺麗な鱚は、確りとした昆布〆。噛んでいると、昆布がふわりと香って旨味も感じられます。
鱒の介 ♡
素晴らしい!口に入れた瞬間に、とろりと溶ける鱒の介。そこには脂はなく、純粋に身の旨味だけが広がります。
北寄貝
肝の部分が舌に当たるように裏返して握られた北寄貝。ザクザクとした食感と甘味が秀逸。
中トロ漬け ♡♡
アイルランド産。初めて食べる中トロ漬けは、先の鱒の介を凌駕します。とろりと溶ける口溶けはそのままで、出汁醤油の旨味で味わいは累乗されています。
大トロ ♡
岩手県久慈産。蛇腹でも筋なんて一瞬たりとも当たりません。鮪の濃厚さと香りが食べ終えてもずっと続く余韻の長い一貫。
鰯 ♡♡
数匹の鰯を削ぎ切りにして、纏めてから握られます。…凄い。口にする入れると、華やぐ香りと旨味は強くて悶絶クラスの美味しさ。
車海老
相変わらずブレのない火入れで、甘味・食感・香ばしさは完璧。
黒鯥 ♡
山葵とは違う和芥子の風味が、この黒鯥の脂をキリッと締めています。食べ終えても、まだ口の中にあるような余韻に幸せの溜息が溢れます。
煮蛤
ずっと噛み続けていたくなるような溢れる蛤の旨味。ふわりと香る柚子の演出も粋。
金目鯛
皮目を軽く火入れすることで、蘇るその脂。それは甘く、さらりとして口の中を支配します。
馬糞海胆
ほわんとした甘味のあり、食べ終えると昆布のような旨味が残るような北海道利尻産の馬糞海胆。
赤海胆
山口県唐津産。ただ濃厚なだけでなく、甘味の中に苦味もあり、複雑な味わいでオトナの海胆です。
穴子 ♡
塩と煮つめが選べる穴子。きっとどちらも正解でしょうが、私はいつも煮つめ。フワフワな穴子も好きですが、やはり舌に纏わりつくような穴子が好み。
椀物
大きな浅蜊の味噌汁。味噌汁といっても、浅蜊の出汁が前面に押し出されていて、味噌は香り程度。美味しい♡
玉 ♡
〆の玉も握っていただきました。玉の甘味とシャリの塩気で、無限に食べ続けられそうな味わい。
2カ月連続でしたが、やはり美味しい鮨は何度食べても美味しい♡流れるような杉田親方の所作は美味しく、利き手の違いや写真を撮る方へ鮨の向きを揃えるといった細かな心遣いは、さすがです。料理の美味しさは勿論ですが、料理人と1番近い距離だからこそ感じられるその優しさや人柄、ホスピタリティこそがこのお店の人気たる根底だと思います。今夜も素晴らしい時間をありがとうございました。また9月、約束された幸せの暖簾をくぐりたいと思います。32000
2019.6.
暖簾をくぐる。
それは幸せな時間のはじまり。
定刻になると、灯りが付けられて、風に靡く白い暖簾が出される「日本橋蠣殻町すぎた」が今夜の舞台。親方は杉田孝明さん。凛とした雰囲気でありながらも、一言発するだけで、その場が和むような優しい声が印象的な方です。最早、鮨は嗜好品と言ってもいいほどなので、どのお店が一番なのかは人それぞれ。その中で、杉田親方から供される握りの全ては脇役なんてなく、その一貫一貫が主役に成り得る美味しさがあると私は思っています。
今夜の献立
開運
あまり飲まないのですが、酒器を見たかったので冷酒を。親方から選んでいただいたのは、静岡県土井酒造場の『開運』。
海蘊とじゅん菜の酢の物
生姜の風味が爽やか。
宮城県産 真子鰈・三重県産 鳥貝
真子鰈は口に入れた瞬間から甘味が広がり、その甘味は噛むことで更に加速していきます。肉厚の鳥貝も甘く、時折酸味も感じられます。
帆立の磯辺巻き
確りとした繊維を感じる帆立に海苔の香りが華やぎます。
宮城県七ヶ浜産 子持ち蝦蛄
漬け込みで味付けした蝦蛄。カツブシと称される子持ちならではのホロホロとした食感があり、確りと奥まで味が染み込んでいて美味しい。
海鼠腸の茶碗蒸し♡
底に海鼠腸が入っていて、更に食感として山芋の角切りが入っています。卵のコクに負けない海鼠腸の旨味、茶碗蒸しとしては最上の味わいです。
肴3種♡
ばちこ・数の子の味噌漬け・鮟肝。どれも絶妙な甘味があり、お酒がすすみます。中でも白眉なのは、ばちこ。しかもこのばちこは半生なので、旨味が半端なく凄い。
仙禽
肴が美味しすぎて、お酒をお代わりです。選んでいただいたのは、栃木県の株式会社せんきんの『仙禽』。
太刀魚の焼物
全体的にホクホクとして、ジューシーな部分もあり、塩加減はさすが。塩は味付けというよりは、甘味を引き出している感じでしょうか。
肴3種②♡
握りかと思っていたら、まだ続いた肴。海胆の佃煮・縞海老の頭の海老味噌合え・鮑の肝。一般的にお酒の肴は塩気が強いのが多いですが、杉田さんのは甘めなので実に好みの味付けです。
蛸の柔らか煮♡
確かに柔らかいですが、蛸の旨味はビンビンに感じられる仕上げです。蛸は非常に旨味がある種なので、鮨店で蛸があると食べたくなります。
平貝の西京焼き
まさか全ての肴が出されるとは。平貝の歯ごたえは確りと、噛み締める度に味噌の旨味と平貝の旨味が混ざり合う感じです。
握り
小鰭♡
ジューシーな小鰭の旨味とそれを追いかけてくるような酢の酸味、そしてシャリと混ざり合って甘味に変わる。素晴らしい一貫です。
黒鯥♡
東京都神津島産。軽く漬けにして、山葵の代わりに辛子で握られます。口に入れた瞬間に暴れるような黒鯥の脂の旨味が凄い。
春子鯛
千葉県銚子産。昆布締めしたものを酢橘と塩で。割と確りと感じる昆布の旨味、程よく脱水されて旨味が凝縮しています。
鰆♡
京都産。漬けにしてから、皮目を炙っている鰆。口に入れたら蕩けるような鰆は、なかなか出会えない。
中トロ
北海道噴火湾産の定置。舌に一旦留まるような吸い付きのある鮪。爽やかな味わいですが、香りと味わいが濃い。
大トロ♡
新潟県佐渡島産の定置。口溶けは先程とは比べものにならない程ですが、香りと味わいは素晴らしい。
鯵♡
島根県浜田産のブランド鯵である「どんちっちアジ」。鯵と言えば、鹿児島県出水産のものが有名ですが、杉田親方の仕事ではこの鯵の方がいいらしい。綺麗な銀皮を残しており、脂乗りはトロみたいな素晴らしい味わい。
車海老
食感・甘味・香ばしさ・温度など全てがいつもながらにブレのない車海老。
煮蛤♡
鹿島産。柔らかく、噛み締める度にジューシーさが際立つ煮蛤。煮詰めの味わいも実に好み。
北紫海胆♡
青森県産のダイセンのもの。香りも素晴らしいですが、味わいも実に濃厚。
縞海老
何ともエロティックな縞海老。それは見た目だけでなく、味わいも実にエロティック。シャリを包むかのように濃密な甘味が広がります。
鶏魚♡
旬を迎える夏を告げる魚。濃厚な脂でありながらも、後味は爽やか。
北寄貝♡
ワタがビッシリと残っていて、極上の甘味と食感が楽しめます。
赤身漬け
先程の『大トロ』と同じ新潟県佐渡島産の定置。薄く切りつけてから、二つに折り畳んで握られる独特の漬け。鮪と漬けの出汁の味わいがとてもよく混ざりあいます。
海松貝♡
北寄貝とは一段上の食感と甘味。ザクザクと心地よく歯切れ、濃厚な甘味が広がります。
金目鯛♡
千葉県銚子産。軽く皮目を炙ってから握られ、上にちょこんと辛子を乗せて。実に甘味のある脂が広がり、間違いのない美味しさ。
赤海胆♡
山口県産。やはり北紫海胆と比べると、旨味は極々濃密。苦味も殆ど感じず、素晴らしい旨味だけを味わえます。
穴子♡
塩と煮詰めを選べる中で、いつも煮詰め。舌にまとわりつくようにとろける穴子は、長崎県対馬産。もう少ししたら、江戸前になるみたい。
椀物
いつもの大きな浅蜊のお味噌汁。素晴らしい美味しさ。
玉♡
実は玉も握れるらしいと聞いていたので、お願いしたら握って下さいました。やはり玉の甘味とシャリの塩気がとても良く合い、美味しい。これから〆はコレにします。
今夜は肴から握りまで「日本橋蠣殻町すぎた」の全てを味わい尽くしました。握りは何度かありましたが、肴まで食べたのは今夜が初めてです。可愛い小皿で供される珍味はどれも大好きな味わいですが、さほどお酒を飲まないので、さすがに全部はいらないかな。握りに関しては、やはり全貫食べると満足度は高いです。鰯や鯖などがない時期なので、光物が少なかったですが、『小鰭』や『鯵』はやはり唸る味わいでした。『鶏魚』や『海胆』はこれからなので、楽しみは増しますね。
杉田親方、スタッフの方々。今夜はたくさん食べさせていただき、ありがとうございました。こまめなお茶の差し替えなどのホスピタリティもさすがです。
次回も楽しみにしています。ご馳走さまでした。42000
湯呑コレクション
2019.2.
定刻近くになると、普段は閑散としている路地に人が集まり、暖簾が出されるのを待ちわびるお店。「日本橋蛎殻町 すぎた」へ再訪です。
今夜も杉田親方の目の前に座らせていただき、(何と言っているは内緒ですが)「いつものコース」をお願いしました。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
胡麻と唐墨をかけて。
穴子の茶碗蒸し♡
卵の優しいコクの中で、ホクホクとした穴子の甘みがじんわりと染み入ります。
帆立と皮剥
北海道野付産ジャンボ帆立を贅沢に丸々1個。口の中での存在感が素晴らしく、繊維に垂直に歯を入れることで食感も豊かになり、強烈な甘みが広がります。
もう一つは、ガラスのように綺麗な皮剥。肝醤油でいただきます。
蛸の柔らか煮
確かに柔らかいですが、蛸の旨味や存在感をちゃんと感じる仕上げ。食べたかったのを何も言わずに出してくれました。
白子ポン酢
凄く見事な白子。口の中で弾ける純粋で無垢な甘みは、素晴らしい。
牡蠣の味噌漬け♡
「日本橋蛎殻町すぎた」で、よく見られる味噌漬け。今回は牡蠣。この味噌床が素晴らしいのかな?実に美味しく、お酒がすすむ肴です。
太刀魚の焼物
定番ですね。脂もあり、独特の軽い食感です。
北寄貝の炙り(追加)♡
軽く生姜醤油につけた北寄貝を軽く炙ったもの。添えられる七味をつければ、後からガツンとくる北寄貝の甘みがより映えて美味しい。
ガリ
小鰭♡
杉田さんの名刺代わりの握り。肉厚な身は、じゅわりと口の中で閉じ込められた旨味が迸ります。食べ終えた後の余韻も実に長い。
甘鯛*♡
塩で〆てから、身の方だけ昆布に乗せたという甘鯛。切りつけが厚く、口の中で甘みを広げながらねっとりと絡み合います。甘鯛と呼ばれるのが、とてもよく分かる味わい。
鮃
確りと昆布で〆たオールドスタイル。鮃の存在感を感じながら、最後にふわりと昆布の味わいがします。
真鯛*
塩のみで〆た真鯛。咀嚼していくと、じんわりと広がる繊維な甘み。あまり使っていない鮨店も多いですが、真鯛は美味しい。白身3種連続ですが、確りと味わいの変化があって面白い。
鰆♡
鼻から抜ける薫香、シャリを包むかのように広げる柔らかな鰆の甘みは、冬の楽しみです。
墨烏賊*♡
何という厚み。それでもやはり墨烏賊。サクサクとした食感と甘みは、実に鮨種向き。
赤身漬け*
千葉県銚子産。柵全体をくるりと薄く切る独特の切りつけ。素早く浸透させる為でしょうか。漬けにしても鮪の香りは生きています。
海松貝*♡
独特のザクザクとした食感と甘み。だから貝はやめられない。
鰹
脂はほぼないですが、旨味の強い鰹。モチモチ感と飛散するシャリとの対比が素晴らしい。
縞海老*
とろりと舌に絡みつくようにとろける縞海老。甘さも濃厚で美味しい。
春子鯛♡
昆布〆した春子鯛を酢橘と塩でいただくちょっと珍しい仕立て。フワフワとした食感の中で、塩味が際立ちます。
細魚*
大きな閂と呼ばれる細魚。シャリには浅葱で飾りつけ、爽やかな味わいに。
中トロ
先程の赤身と同じ魚体の血合いぎし。生なので、赤身よりも香りも確りと感じられて美味しい。
鯵♡
淡路産の小さい鯵だという。山葵と葱・生姜の薬味を入れて握られます。非常に味が濃くて、薬味にも負けない旨味が広がります。
子持ち槍烏賊♡♡
握りでいただけるのは、ここだけでは?口に入れた瞬間に溶けます。そしてなくなった後に感じる、その甘み。今年もちゃんと食べれました。
車海老♡
茹で上げてから、人肌まで冷ますことで味を馴染ませた車海老。食感・甘み・香り、どれをとっても非がない完成度。
金目鯛♡
皮目を軽く炙ることで、滴るような脂が蘇ります。その甘みのある脂はさらりとしており、余韻も続きます。
煮蛤*
色はライトですが、確りと染みている煮蛤。噛み締める度に溢れる蛤ジュースが非常に美味しい。
赤海胆
濃度な旨味を感じた後に甘みが広がります。食べ終えた後に鼻から抜ける香りもいい。
〆鯖*♡
鮪以上の濃厚な脂の旨味。鮨店の鯖は、やはり別格の美味しさ。
穴子
塩か煮つめを選べる中で、私はいつも煮つめ。舌に絡みつくようなとろけ方。美味しすぎます。
玉
ふわりとしたカステラのような玉。
椀物
定番の浅蜊の味噌汁。日本人のDNAが呼び起こされる味わい。
握り21種(北寄貝を肴で食べなければ22種だった)、今夜も「日本橋蛎殻町すぎた」にある全種を食べ尽くしました。前回いただいた『鰹のハラス』のような存在すらも知らない種はなかったですが、個人的に白眉的だったのは白身3種。甘鯛・鮃・真鯛と珍しくはない魚ですが、それぞれ違う仕事をして味わいに確りとした変化をつけていることが、さすがとしか言いようがありません。またいつもこまめに替えてくれるお茶などの細やかなサービスもこのお店の素晴らしさの1つだと思います。
湯呑みコレクション
料理のクオリティ・ゲストへのサービスやホスピタリティ、いつ訪れても確実な幸せが約束された鮨店です。
杉田さん・女将さん・スタッフの方々、ありがとうございました。次回は初夏、また宜しくお願いします。38500
2018.9.
開店5分前くらいになると、閑散とした住宅街に人が集まり出し、藍色の暖簾が出されると同時に全ての席が埋まる。鮨店の定期訪問、今夜は「日本橋蛎殻町 すぎた」へ再訪です。言わずと知れた超有名鮨店で、鮨が好きな方は一度は行ってみたいと声を揃えるお店。初めから特別な伝などはないですが、運良く通わさせてもらっています。今夜も杉田親方の目の前に座らせていただき、「握りを制覇したい!」という注文をして始まります。
今夜の献立
銀杏
大粒の銀杏。昔はあまり好きではなかったけど、いまはこのモチモチ感がたまらない。
鰹
歯に吸い付くようなねっとりとした食感。食べ終えた後に広がる香りがいい。
鰯 ♡
大葉・アサツキ・ガリ・酢漬け茗荷を鰯と海苔で巻いたもの。薬味にも負けない極濃厚な味わいの鰯は、とにかく最高。
穴子の白焼き
たっぷりと山葵をつけても香り高い穴子。脂も申し分ないです。
海鼠腸の茶碗蒸し
底にある海鼠腸を混ぜることで、濃厚な味わいの茶碗蒸しになります。
太刀魚の塩焼き
鮨店の定番。安定の美味しさ。
いつもだったら、黙っていてももっと色々と供されるのですが、握り制覇ということでこの辺で握っていただきました。*マークがデフォルトで供されなかった握りです。
握り
小鰭 ♡
煮切りで浮かび上がった格子状に包丁を入れられた皮目も柔らかく、ジューシー。後味の甘ささえも愛しい。
真鯛
噛みしめる度に甘みが増してくるような真鯛。
縞鯵 ♡
艶めく色っぽい縞鯵。口の中でも妖艶な味わい。
鰆 ♡
口に入れると、薫香が鼻を抜け、漬けにしているのでねっとりととろけます。そして、名残惜しいそうに残る甘さが秀逸。
墨烏賊*
凄い肉厚な墨烏賊。これだけ厚くてもサクサク食感は変わらない。
秋刀魚 ♡♡
凄い!としか言いようがありません。これが旬の魚の力強さ、鮪をも凌駕します。
赤身漬け ♡
コレが赤身?と思えるほどによい口溶け。食べ終えた後の香りが素晴らしい。
中トロ
大間産。赤身も大間産だそうですが、こちらはフレッシュなもの。脂が濃いわけではなく、味わいが濃い。
〆鯖* ♡♡
コレもヤバイ!〆ているにもかかわらず、この鯖は生きている。他店でも〆鯖がある時は食べていますが、ここであるのならば必ず食べた方がいい種です。
北寄貝* ♡
特大の北寄貝。なんだ、このけしからん甘さは!
鰹のハラス* ♡♡
鰹という概念をぶち壊す味わい。鰹と言われないときっと分からない味わいは、鰹の持つ旨味を全て凝縮したもの。
車海老
特大の車海老は、温度や甘さなど全てがパーフェクトです。
いくら*
はしりのいくら。小粒なれど、かなり濃厚な味わい。
赤海胆 ♡
唐津産。変なエグ味など微塵もなく、ただただ口の中に広がる濃厚さは、甘さだけでなく苦味なども混じりあった味わい。
鰯 ♡♡
コレもヤバイ!光り物は鉄板な美味しさです。鮪よりも素晴らしい!
縞海老*
エロい縞海老。口の中を蹂躙するような美味しさ。
赤海胆* ♡
天草産。先程の唐津産の赤海胆に比べると、猛烈に甘い!
蒸鮑*
限られた常連だけにつまみで供していたものを握っていただきました。やはり、香りが素晴らしい。最近、鮑は食感だけでなく、香りということが分かってきました。
穴子
塩と煮つめが選べる中で、私はいつも煮つめで。極上の舌に絡みつくようなとろけ方です。
玉
確かに甘いですが、鮨店の玉といった味わい。
椀物
大きな浅蜊の味噌汁。浅蜊の旨味が素晴らしい。
初の握り制覇の感想は…私にはこちらの方が好み。親方も「鮨店なんで握りの方がいいですよね」と仰ってましたが、確かにその通り。いつも以上に満足感の高い夜になりました。味は勿論のこと、こまめなお茶やおしぼりの交換などきめ細かなサービスがこのお店の軸だと思います。今夜も全てが素晴らしかったです。
次回はお店からの連絡待ち。再訪時には、また握りを制覇したいと思っています。
杉田親方、今夜もご馳走さまでした。また宜しくお願いします。32500
数ヶ月に一度の楽しみである「日本橋蠣殻町 すぎた」への再訪。定刻ピッタリに緑の暖簾が出され、中へと案内されます。カウンターには既に親方が立ってらして、今回もまた目の前に座らせていただき、王道の鮨を楽しみましょう。
今夜の献立
空豆
先付けは、空豆。豆類ってそんなに好きではないので、このくらいが私にはちょうどいいです。
真子鰈 & 障泥烏賊
真子鰈は三陸産の朝〆、障泥烏賊は三浦半島の佐島産で数日寝かせてあるそう。真子鰈はモチモチ食感を楽しんだ後に広げる甘さ、障泥烏賊はねっとりととろけるように甘さが広がっていきます。同じような甘さのある刺身ですが、個性のある味の違いを楽しめます。
蝦蛄 ♡
北海道小樽産の子持ち蝦蛄を甘く漬け込んだもの。「かつぶし」と称される子持ちは、口の中でパラパラと解けていくかのような食感が楽しい。
穴子の茶碗蒸し
蓋を開けると、ふわりと柚子が香り、優しい玉子の味わいに穴子の甘さが映えます。
蛍烏賊の味噌漬け ♡
定番の味噌漬けは、甘く好みの味わい。蛍烏賊のぷっくりとして美味しい。
馬糞海胆の佃煮 ♡
海胆の甘さとコクも残す素晴らしい仕事。お酒よりもご飯が欲しいつまみ。
鮟肝 ♡
定番の鮟肝を甘く焚いたもの。お酒の飲める方にはマリアージュとして、甘さのある新政の貴醸酒『陽乃鳥』が供されます。これが実に良く合い、美味しい。定番のつまみです。
赤むつの焼き物 ♡
所謂、喉黒です。ここまでのボリュームで出されるお店はないかと思います。勿論、絶品。
蛸の柔らか煮(追加)
歯がいらないほどに柔らかいのかと思いましたが、蛸を食べているという食感があります。そして、噛み締めていると、溢れる蛸のジュースがヤバい。
握り
小鰭 ♡♡
〆ているにもかかわらず、このジューシーさは他店の群を抜いて美味しい。看板代わりの一貫は素晴らしい。
真鯛
切りつけが、厚い!口の中が真鯛でいっぱいになり、後味に真鯛の甘さが広がります。
赤身漬け
天身の部位を薄く大きく切りつけ、漬けにして後、折り畳んで握っています。鮪の味も濃く、鼻から抜ける鮪の香りも素晴らしい。
縞海老
何とも見た目から妖艶な鮨で、口に入れるとまた舌に絡みつくようなねっとり感がまた妖艶。
鳥貝
握る前にさっと酢洗いしており、ほのかに酢を感じられます。ワタも甘く、美味しい。
中トロ
氷見産の定着。口いっぱいになる鮪の切りつけは、ねっとりとゆっくりととろけていきます。鮪の味わいも確りとした中トロ。
鯵 ♡♡
島根県浜田産のブランド鯵『どんちっち』の半身を使った握りで、素晴らしく美味しい。濃厚でありながらも、爽やかな脂は口の中で踊るかのよう。
子持ち槍烏賊 ♡
珍しい子持ち槍烏賊の握り。大抵はつまみで供されることが多いですが、美味しい食材なので鮨店ならば握りでと親方。身は歯がいらないくらいに柔らかく、クニュとした子の食感と飛散するシャリが素晴らしい。
車海老
特大のもの。味噌も活かしており、温度も甘みも美味しい。
金目鯛 ♡
素晴らしい美味しさ。皮目を炙っており、脂がほど走ります。
北紫海胆(追加)
北紫海胆は、味わいよりも香りと思っています。食べ終えても、ふわりと香る海胆が愛おしい。
赤海胆 ♡
長崎県壱岐産のはしり。北紫海胆が香りならば、赤海胆は濃厚な甘み。2つあるのならば、食べ比べが面白い。
マスノスケ(追加) ♡
近海で捕れるキングサーモン。鮪とは違うじっくりとしたとろけ方は、印象的。直前にさっと漬けにして握っています。
海松貝(追加)
貝好きとしては、貝は食べたいのです。サクサクとした食感も楽しく、貝の甘さが広がります。
穴子♡♡
煮つめと塩を選べる中で、私はいつも煮つめ。身も厚く、舌に絡みつくようなとろけ具合はいつもながらに素晴らしい。
椀物
特大の浅蜊の味噌汁。
玉
程よい甘さのある鮨店らしい味わい。
湯呑みコレクション
きめ細やかに変えていただくので、お茶は常に熱い状態です。そんなサービスもこのお店の素晴らしさを支えていると思っています。
今回も奇をてらわない隙のない素晴らしい逸品ばかりで、流石としか言いようがありません。つまみも握りも引き出しが多く、どちらかを少なくして制覇する方もいらっしゃるので、そんな楽しみ方もありかと思います。
次回は晩夏。今から楽しみでなりません。30600。
2018.2.
昼間の暖かさが夕闇に追いやられるような17時。閑静な通りにあるお店の前には、暖簾を待ちわびる人集りできます。
「日本橋蛎殻町 すぎた」
今回で3回目の訪問となります。このお店も自力で、その門をこじ開けたお店の一つです。今回もまた杉田親方の目の前に座らせていただき、楽しみます。
今夜の献立
皮剥 肝醤油 ♡
まるでガラスのような美しさのある皮剥。肝醤油の肝を巻くようにしていただきます。
あさつきの新芽 ひろっこ
山形県の冬の伝統野菜。苦味もなく、爽やかです。
白魚の酒盗焼き
もっと味がしっかりしているかと思いましたが、白魚の甘さも感じる味わい。
白子ポン酢
温い白子が口の中でプツンと弾けると、濃厚だけど後味が爽やかなクリーミーさが広がります。
鮟肝
甘く焚いたもので、新政酒造の貴醸酒である『陽乃鳥』と合わせて供されます。
牡蠣の西京漬
生よりもこちらの方が好み。西京味噌の甘みが、実に美味しい。
太刀魚の焼物
ふわりとする身は、鮨店で食べる焼物の定番ですね。
穴子の茶碗蒸し
ほっとするような味わいは、出汁を味わう感じです。
数の子の味噌漬け (追加)
意外と味噌漬け系が多いですが、美味しいのでいい。
穴子の白焼き (追加)♡
この時期でも脂の乗ったいい穴子です。いつまでも口の中に穴子がいるかのような存在感。
握り
小鰭 ♡
挨拶代わりの小鰭。緩やかな〆具合で、口の中で飛散するシャリと小鰭の旨味が交わる。素晴らしい一貫。
白川
切りつけは厚く、食べていても存在感は抜群。噛んでいると、白川の甘みがどんどん広がっていきます。
真鯛
これも切りつけが厚い。なので、繊細な真鯛の甘さも確りと感じられます。
鰆
皮目を炙って、握る前に漬けにして、辛子でいただきます。ふわりと薫香を楽しんだ後、鰆の甘さと辛子の爽やかが広がります。
春子 昆布〆
身は厚く、昆布の旨味も確り。柔らかく、フレッシュ感もあって美味しい。
赤身漬け
ねっとりとゼリーのような食感で、後から鼻に抜ける鮪の香りもいい。
中トロ ♡
血合いぎしの部位。赤身よりもより香りを感じられます。
〆鯖 ♡
極濃厚な脂ですが、さらりとしていて、実に美味しい。
車海老 ♡
温度や甘さ、香ばしささえも完璧と思います。実に美味しいっ!
金目鯛 ♡
皮目を炙り、脂を引き出しています。いつまでも口の中で残る金目鯛の旨味は秀逸。
紫海胆 ♡
青森県産という紫海胆。色は黒っぽいですが、香りと甘みは素晴らしい。特に香りは、後々も残ります。
海松貝(追加) ♡
凄い肉厚の海松貝。サクサクを通り越して、ザクッザクッと音がします。そして、広がる甘み。
蝦夷馬糞海胆(追加)
先程の紫海胆は香りが命に対して、馬糞海胆は圧倒的な甘み。これもたっぷりと盛られており、海胆で口いっぱいになります。
穴子 ♡
塩、煮詰めで選ぶことができます。私はいつも煮詰め。煮詰めだと、皮目を表にして握られており、口に入れたら、なくなっていまいます。
椀物
今夜は浅蜊の味噌汁。
玉
分厚く切られた鮨店のデザート。
今夜も王道な鮨、実に美味しかった。つまみは引き出しも多く、甘めの味付けで好み。鮨は個性的ではないけれど、どの握りも種の切りつけは厚く、口に入れた時の存在感が他店とは桁違いに凄い。白眉的な鮨としては、〆鯖。実は握りでいただいたのは、私だけ。他の方はつまみとして供されていたのを握っていただきました。切りつけも厚いながらも、口溶けと脂の乗りは中トロ以上で、実に素晴らしい一貫。親方の握る姿は、まるで祈りのようで、とても印象的で優雅でした。
次回は、初夏の種を期待しております。今夜もありがとうございました。
2017.8.
1月に降って湧いたような幸運で訪れることができた「日本橋蛎殻町 すぎた」に再訪。難攻不落の予約困難店に何の伝もなく訪問できることは、おひとりさまの強みでもあります。今回はお昼の2回転目で、席は奇しくも前回と同じ杉田親方の目の前。「いらっしゃいまし」と変わらない穏やかな親方の声で挨拶をされ、始まります。
本日の献立
ただちゃ豆
挨拶がわりの温い枝豆。
縞海老
ねっとりと甘く、いつまでも舌に絡みつく感じ。
鮃 ♡
青森産。平目はまだ旬ではないはずだけど、モチモチとしていて、噛めば噛むほどに甘さが引き出されてます。
蒸し鮑 ♡
千葉県大原産。むっちりとしていて、未だに残る磯香りと甘さが秀逸。しかも、かなり大きく切りつけているので、食べた!という気になります。
鰯
酢〆した鰯を大葉・芽葱・ガリ・茗荷と共に海苔で巻いたもの。脂が濃い!食べ終えても、鰯がいるかのような感じになります。
穴子の白焼き ♡
肉厚の身を噛むと、脂がじゅわりと滲み出し、その脂は甘い。良い穴子でないと、味わえません。
鱒子の味噌漬け
いくらよりも小ぶりで、皮目が柔らか。ご飯と食べたいお酒の肴。
赤ムツの焼き物
魚本来の味を殺さない塩加減は、素晴らしいなぁ。
平貝の西京焼き(追加)
とても上品な味わい。最初は味噌の味がしますが、徐々に平貝の甘さが引き出されてきます。
鮟肝の煮付け(追加) ♡
この時期でも鮟肝はあるそうで、ただ流通が凄く少ないのだそう。鮟肝はポン酢などで食べることが多かったですが、最近は甘く焚き上げたものが好きになりました。
お酒の肴3品(追加)
内容は数の子味噌漬け・鮑肝の味噌漬け・縞海老の頭と海老味噌。肴として、味噌漬けが多いような気もしますが、美味しいので良い!
握りへ
新子
柔らかく、飛散するシャリと共に混ざり合います。2枚付けなので、小さくても新子の儚さがちゃんとします。
小鰭 ♡
皮目は柔らかく、〆てあることを忘れるほどにじゅわりと溢れ出す脂が美味しい。
新烏賊
この時期だけの種。大人の墨烏賊より身は薄いけど、よりサクサクとした柔らかさは粋です。
鶏魚 ♡
夏を告げる魚なので、もう終わりかな。白身ですが、なんですか?このコッテリとした身から溢れてくる脂は。素晴らしい。
鰆 ♡
まずは薫香が鼻から抜け、舌の上でほんわりした甘さと脂が蘇ります。最近のお気に入りの種です。
春子 ♡
昆布〆だそうですが、ふわりと香る程度。元々、水分の多い春子ですが、程よく脱水されて瑞々しい。
中トロ
ボストン産。とろけ方は素晴らしく、後に残る香りも爽やか。海外の鮪も美味しい。
鯵 ♡
綺麗な鞍掛け。肉厚の身は、口の中で暴れるかのよう。
車海老
人肌温度は好み。甘さはさほど感じなかったかな。
馬糞海胆 ♡
利尻産。舌に絡みつくほどに濃厚。シャリと混ざり合い、海胆の甘みが素晴らしい。
赤海胆(追加) ♡
唐津産。前に食べた馬糞海胆より少し爽やかな甘み。やはり、海胆は産地による食べ比べが面白い。
穴子 ♡
塩と煮つめとで選べる中で、煮つめで。ホクホクとして、絡みつくような食感に変わります。煮つめは、穴子本来の味わいを消すことがなく、穴子の甘さも感じられます。
玉
鮨らしい王道のカステラのような玉。
椀物
変わらずに浅利の味噌汁。こういう味噌汁が作れる方は、いいお嫁さんになります(笑)
今回も堪能しました。このお店は、シャリが個性的とか種が独特とかはないのですが、摘みから握りまで王道そのもの。その王道が実に美味しい。またどの種も銀座では見かけないほどに分厚く、口に入れた時の魚の存在感は圧倒的です。摘みが実に豊富なので、お酒を飲まない方も存分に楽しんでいただきたいお店。
そして密かに楽しんでいるのが、湯呑み。このお店ではお酒を飲まないので、その代わりにお茶をいただいています。いつも絶妙なタイミングでお茶の交換をしていただけるのですが、供される湯呑みがどれも素晴らしい作品ばかり。しかも同じものが出されないという心遣いは、素晴らしいです。料理だけでなく、小さな器も多くて可愛いので、目でも楽しめます。器などの作品に対しての知識がないことが、残念でなりません。
予約はかなり困難ではありますが、一見さんでも取れますので(私も伝などは使ってないです)、是非頑張ってみて下さい。
今回もご馳走様でした。
2017.1.
難攻不落の予約困難店であろうと、兎に角行動しないと始まらない。そして、叫ぶのだ。
「私は、ここにいる!」と。
年が明けて、一斉にどのお店も予約合戦が始まります。1月の予約は既に終わっているので、2月以降の予約を取るのに食べ歩きを趣味としている方は忙しかったと思います。私もその一人であり、きっと予約は出来ないと思いつつも、電話をした鮨店があります。
「日本橋蛎殻町 すぎた」
旧店舗名は「日本橋橘町 都寿司」といい、2015年秋に移転と共に店名も改められました。予約開始日に電話をかけても全くかからず、午後になって問い合わせをしてみると、予約の受付は終了したがキャンセル待ちができるとのこと。ダメもとで2月の曜日限定でお願いして、電話を切りました。
2週間後、突然の電話。
「2月というお話だったのですが、もし宜しければ2日後なんですが、いかがですか?」という「日本橋蛎殻町 すぎた」からの嬉しいお誘い。勿論、断る理由などなく、やっと名店の扉を開くことができました。
開店時間ぴったりに出された長く白い暖簾をくぐり、名前を告げると女将さんから来店のお礼を言われました。「お礼を言いたいのは、こちらです」とご挨拶を交わして、奥にある凛としたカウンターへ。
案内されたのはちょうど真ん中の席で、程なくして親方の杉田 孝明さんが「いらっしゃいまし」とご挨拶。穏やかな声と優しい笑顔の親方で、張り詰めた空気が一気に変わった気がしました。昼夜と共に摘みと握りのコースのみだそうで、楽しみです。
本日の献立
海老芋のきぬかつぎ
穴子の茶碗蒸し♡
対馬産の穴子。穴子は柔らかく煮あげた後、炙ってから入れているそう。穴子の甘さを味わえる出汁の味付けが美味しい。
閂
程よく脱水されて、モチモチとした食感の中で甘さがはえる。
蛸の柔らか煮
醤油の味わいは最初だけ。噛み締めていくたびに、蛸本来のジューシーさが溢れてくる。
白子の焼物
甘い。とろける。素晴らしい。
牡蠣の味噌漬け♡
酒蒸しにしてから、10日ほど漬け込んだもの。お酒のアテとしては、サイコー。
鮟肝の煮付け♡
甘い煮付け。素晴らしい美味しさ。
赤ムツの焼物♡
何故か、私だけ。大きく切りつけられているので、食べ応えもあり、上品。
まだ摘みはあるようですが、握りへ。
小鰭♡♡♡
柔らかな〆具合。凄くジューシーな小鰭は、今までで1番かも。
赤身漬け♡
切りつけは厚めなので、口の中にたっぷりと鮪を味わえます。香りもいい。確認はしていないのですが、某雑誌によると、使う部位は背の一番天辺の部位である天端(てんぱ)と呼ばれる筋の殆どない身らしいです。
縞海老
程よく脱水されて、甘みが凝縮しています。
鰆♡
お米屋さんから藁を仕入れて、藁焼きしている寒鰆。身が詰まっていて、美味しい。
墨烏賊
サクサクとした食感の中に、飛散するシャリ。
中トロ♡
青森県三厩産。凄く厚く切りつけられているので、鮪が溢れてきそうです。
鯵♡♡
肉厚の部分だけを一人半身で握られます。味が凝縮して、食べ応えもあって美味しい。
鰤♡
炙って、漬けにしてあるみたい。独特の癖もなく、濃厚な脂だけを味わえます。
車海老
絶妙な温度ですが、強烈な甘さは感じられず。でも食べ応えはあり。
紫海胆♡♡
海苔は使わずに、握りで供されます。海胆の多いこと♡
「あとは穴子と玉ですが、他に食べますか?」
「食べていない種はありますか?」
「金目鯛、煮蛤、赤貝、〆鯖、蝦夷馬糞海胆…あとは…」
「ち、ちょっと待って。いっぱいありますね」
「笑」
そんなやり取りの後、2貫を追加。
煮蛤(追加)♡
浅めの漬け込みかと思いましたが、しっかりとした味わいがあり、柔らかい。
〆鯖(追加)♡♡♡
抜群に美味しい。口の温度で、目覚めたかのような脂がほとばしります。
穴子♡
塩か煮つめかを選ぶことができます。私は煮つめで。約束された幸せがここにあります。
玉
鮨店らしい玉。海老の香りが鼻を抜けて、美味しい。
椀物
浅利汁。
シャリは赤酢も使っているみたいで、ほんのりと色気のある色が付いていて、硬め。どの握りにも感じたことですが、シャリに対して種は凄く厚く大きいので、「魚を食べてるぅ」というテンションになります。江戸前らしい仕事を施している種は本当に美味しく、特に酢〆している『小鰭』や『〆鯖』は、白眉の美味しさでした。摘みも正統派で全てが美味しく、品数の多いので、お酒が好きな方はたまらないのではないでしょうか。写真は撮りませんでしたが、『帆立の磯辺巻き』も美味しかったなぁ。
お一人様ということで、次回の予約もちゃっかり取ってしまいましたので、通う鮨店が増えました(笑)次回は、なんと真夏!親方の笑顔にまた会う日が、今から楽しみです。
ご馳走様でした。
3位
18回
2023/02訪問 2023/03/07
2023.2.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
蛤・北寄貝・青柳のスープ♡
飲み終えると、思わず「あぁ…」と声が出てしまう。これぞ身体に沁みる味わい。
浅蜊の深川丼♡
香りは生姜の鮮烈さ、味わいは浅蜊の旨味がガツンときて、最後に生姜の爽やかさが口に残ります。コレは丼で食べなきゃいけないひと品。
子持ち槍烏賊♡
身はプリプリなので、余計に卵のモチモチとした感じが映えます。煮方も烏賊の味わいを確りと感じられて美味しい。
鮟肝♡
4〜5日かけて血を抜いた鮟肝を蒸して、中にカシューナッツと発酵唐辛子を混ぜ込んだもの。鮟肝への新しいアプローチを見れるひと品で、肴は勿論ですが…ご飯にも絶対に合う。
北寄貝オイル漬け♡
北寄貝に薫香をつけてから、米油に漬けたもの。口に入れると薫香が鼻から抜け、米油の甘味と北寄貝の旨味が重なり合い、実に美味しい。
牡蠣蕎麦♡♡
鰹出汁に牡蠣の出汁を加えてから大根おろしを入れてみぞれ仕立てに。大ぶりな牡蠣は旨味が抜群にあり、コレも何でフルサイズじゃないのかを残念に思うほどに美味しい。
真鱈の白子リゾット♡
真鱈の白子を使ったリゾット。甘く単調になりがちな味わいを締めているのが、カンボジア産の赤胡椒。かなり刺激的にピリッと味わいを締めていて美味しい。コレも丼で食べたい!
真名鰹♡
風に当てて旨味を出し、お酒で割った自家製の酒盗汁に漬けて焼いたもの。初めは酒盗の旨味がきて、後から真名鰹の旨味がグッときます。味わいと共にとろりとした食感も素晴らしい。
虎河豚の白子椀♡
虎河豚を2匹をこの出汁の為だけに使って、焼いた白子を合わせた椀物。ひと口飲むと、一気に虎河豚の旨味がガツンときて、沁みます。このひと椀に虎河豚を捩じ込んでいる味わいで、まさにお椀で味わう虎河豚。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー肴。コロナ禍を経て、卵黄ご飯がつくようになって長年の夢が叶ったひと品。
活け渡蟹ならではのとろりとした食感に蟹の甘味と旨味、そして山椒の鮮烈さがひと口毎に駆け巡ります。
縞海老♡
「コレが海老?」と驚くほどに口に入れた瞬間になくなる海老。口に残るのはシャリの酸味で輪郭が際立った極上の甘味が広がります。
泥障烏賊♡
木村親方の包丁技が見られる泥障烏賊は極薄に削ぎ切りしていき、更に細かく切って纏めて握っていきます。
酢橘の爽やかが初めにきて、ねっとりととろける甘味が最高。
細魚♡
なんだろう、この食べ応えは!ここまで大きく食べ応えのある細魚にはなかなか出逢えない。
金目鯛♡♡
旨味が凄い!まず金目鯛の甘味がガツンときて、シャリと混ざりあった甘味がぐわんときて、最後にまた甘味がジワって広がります。
青柳♡
素晴らしいこの反り返り。ザクッとした食感の後に花のような独特の香りが鼻から抜けます。素晴らしい美味しさ。
鱒の介♡
1か月熟成のもの。コレは液体!口に入れると瞬でなくなり、旨味が旨味が素晴らしい。
皮剥♡
芽葱の香りが鼻から抜けて、ガラスのような身と肝の旨味が抜群に映えます。なくなっても尚、あり続けるような肝の旨味が最高。
筋子♡
「すし㐂邑」を代表する鮨のひとつ。コレを食べると、いくらがとても幼稚なものに思えてしまうほどの美味しさ。
鰤♡
エシャロットを間に入れる1カ月熟成の鰤。クセのある鰤を見事に昇華して旨味のみを出した味わいで、エシャロットの爽やかな苦味が実にいい仕事をしており、美味しい。
鰯♡
黄金に輝く鰯もまた「すし㐂邑」を代表する鮨。ひと口目はスッキリとした鰯の味わいで、咀嚼毎に鰯の旨味が徐々に溢れてきて、
真加治木♡
脅威の熟成52日目。ねっとりと舌に絡みつくような真加治木が想像を軽く超えてくる味わい。
蛤♡♡
煮つめではなく山椒の刺激で食べさせる仕立て。とても大きな蛤は旨味が抜群で、柔らかい。
玉♡
薄焼きの玉を握るスタイルで、シャリの酸味で際立つ玉の甘味が美味しい。
鉄火巻き♡
木村さんではなく、ハルカさんが巻いた鉄火巻き。店内にザクッと響く海苔を断ち切る包丁の音。中の鮪よりも巻いているのにふわりとしたシャリとパリッとした海苔が印象的。コースの初めと終わりが海苔巻きという粋さ。
ラムレーズンブランデージェラート♡
確りとラムレーズンが香り、ブランデーのコクも凄い。お酒好きが絶対にハマる美味しさ。
今年は上海を中心に海外へと身を置くことが多いという木村 康司さんの二子玉川「すし 㐂邑」へ再訪。魔法のように旨味を増幅させる熟成という手法は、まさに膨大な手間と時間がなせる技。木村親方の料理はひとつひとつが独創的であり、それは一種の狂気であり、まさに食のヘンタイと言わざるを得ません。しかしながら全てにおいて唯一無二という存在感があり、何よりもどれも唸るほどに美味しい。
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさに今年はこの恋歌のような気持ちになりそうです。また日本に戻られた時に是非食べさせていただきたいです。
2022.10.
見らく少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
ひと口含むだけで北寄貝の旨味が口いっぱいに広がり、香りと共にスーッと消えていきます。このスープの為だけにどれだけの北寄貝が使われているのか。
小鰭の押し鮨♡
酢〆した小鰭の下には梅・大葉・胡麻があり、酢の爽やかさと梅の酸味が小鰭の旨味の輪郭を濃くしているかのよう。
鮟肝♡
4日かけて処理をした鮟肝にカシューナッツと発酵唐辛子を加えたもの。
濃厚なれど、臭みなど微塵もない鮟肝にカシューナッツのコクと唐辛子のアクセントが心地よく、いいお酒のアテです。
北寄貝のオイル漬け♡
火を入れて薫香を付けて、塩を当ててからオイル漬けにしたもの。
咀嚼すると、藁で燻した薫香がふわりと広がり、凝縮した旨味が爆ぜます。
雲丹蕎麦♡
雲丹を裏漉しして、昆布出汁で割って、蕎麦と合わせたもの。
この量だからこそのインパクト。蕎麦を手繰る度に確りと感じられる雲丹の存在感。
白子のリゾット♡♡
確りと掃除した鱈の白子を裏漉しして、昆布出汁で伸ばし、米と合わせたもの。
食感は舌に絡みつくようにまったりとし、白子の旨味がガツンときます。そこに固めの米の食感があり、上からかけられたカンボジア産赤胡椒が全体をキリッと締めています。
真名鰹♡
一週間風に当ててから、自家製の白身魚の酒盗で味付けもの。
ふんわりとした食感の中で、主張してくるのは真名鰹本来の旨味。繊細でありつつも、グッときます。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理のひとつ。コロナ禍の中で、念願のご飯(卵黄酢飯)がつきました!ピリリとした山椒の刺激の中で。お酒にもご飯にも抜群に合う素晴らしさ。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを込めた海苔巻き。「すし㐂邑」のシャリは少し固めに炊き上げた『遠野4号』という品種で酸が立ち、相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔の香りが華やぎまず。
小鯛♡
小鯛は温かく、とろけると同時に香りがふわりと立ち込めます。
縞海老♡
極上の甘味、そして口に入れた瞬間にとけます。シャリとのコントラストが素晴らしく映えます。
白烏賊♡
木村さんの包丁技が見れる種で、白烏賊を薄ーく薄ーく削ぎ切りにしていき、一纏めにして酢橘と塩で。コレは空気を食べる種。甘味を出しながらとろける烏賊がとてもエアリー。
皮剥♡
ガラスのような身と「この肝の処置にどれだけの手間がかけられているのだろう」と考えさせられるほどの肝の旨味の純粋さ。
北寄貝♡
ビッシリとついたワタの甘味が最高に美味しい。とろけるような食感も固めのシャリとよく合います。
赤雲丹♡
鹿児島県産。濃縮したような甘味と仄かにある苦味がより甘味を感じさせて美味しい。
クジラ♡
部位は尾の身。「形があったよね?」と思うほどに瞬でとろけるクジラは圧倒的な旨味が素晴らしく、間に入れたエシャロットの苦味が味を締めています。
鰹♡
薫香も感じますが、圧倒的なのはまるで鰹節のような旨味の凝縮さ。この旨味の強さはきっと「すし㐂邑」でしか味わえない美味しさ。
筋子♡♡
ルビーのように煌めく1ヶ月熟成をさせた筋子は旨味の塊!コレを食べてしまうと、他店のいくらは食べられなくなってしまいそうです。
鰤♡
エシャロットがいい仕事をしている1ヶ月半熟成をさせた鰤。旨味の爆流で身を流されてしまいそう。
鰯♡♡
金色に輝く鰯も「すし㐂邑」のシグニチャーのひとつ。酸味の中にも確りとした旨味があり、食べ終えても尚香るような青魚の香りが凄い。
穴子♡♡
「すし 㐂邑」で穴子に出逢えるのは、珍しい。煮つめではなく、山椒で食べさせる仕立てで、穴子と山椒の香りが素晴らしい。
お稲荷さん♡
このモチモチとした揚げの食感に驚き、咀嚼の度に溢れる出汁の旨味が新感覚。
玉♡
伝統的な鞍懸の玉。玉の甘味とシャリの酸味が素晴らしい。
黒胡麻のジェラート♡
出来立てのジェラートは、胡麻の香りが活きていて美味しい。
二子玉川にある熟成鮨で有名な「すし 㐂邑」へ再訪。店主は熟成鮨のパイオニアとして今も尚進化を続けている木村 康司さん。独創的であり、唯一無二な肴や鮨は1つとしてハズレなく美味しく、私を含めて多くの心を掴みます。木村さんの料理をいただきながら感じるのは、丁寧な下処理とそれにかけられた時間と労力。魔法のような熟成をかけられた種は香り・甘味・旨味が跳ね上がり、酸が立った固めのシャリととてもよく合い、そこから生まれる相乗効果の旨味が凄い。
やはり木村さんの肴と鮨は好みの味わい。また今冬の時期にも是非味わいたいです。
木村さん、今回もありがとうございました!またどうぞ宜しくお願いします!38000
2022.6.
見らく 少なく 恋ふらくの多き/すし 㐂邑
北寄貝のスープ♡
可愛いらしい木桶から立ち上る香りからもう美味しく、塩分濃度は薄いのに旨味が強烈。
子持ち槍烏賊♡
(特にえんぺらが付いていたので)身はサクッサクで、卵はねっとりとしてプチプチと弾けます。この3つの食感を同時に楽しめるこの時期ならではの美味しさ。
桜海老の海老味噌♡
このペーストにどれだけの桜海老が使われているのだろう?ひと舐めするだけで圧倒的な旨味が口に爆発的に広がり、ふわりと香りが鼻から抜けます。凄い!
鮟肝♡
木村さんが手掛けると鮟肝もここまで変わるとは!一緒に入れられているカシューナッツで生み出される食感とコク、そして唐辛子の辛味が新しい鮟肝の可能性を示してくれます。実に美味しい。
鮑とつぶ貝の塩辛♡
肝の香りが強いと思いきや、咀嚼するとそれぞれの貝の磯の香りがぶわっとして至福の肴。
雲丹蕎麦♡
蕎麦を啜ると広がる雲丹と昆布の旨味。無限に食べられるような味わい。
真名鰹♡
ふわりとする食感、咀嚼の度に溢れる旨味は真名鰹本来の味わいで、実に美味しい。木村さんの真名鰹の焼物が供された時は、心の中でガッツポーズしているのはナイショのことです。
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし 㐂邑」のシグニチャー料理と言っても過言ではない肴。活きた渡蟹をブランデーに漬けたもので、鮮烈な山椒の味わいとブランデーの香りが素晴らしい。そして、添えてある卵黄ご飯が「ご飯と一緒に食べられたらな」という往年の夢を叶えてくれ、実に嬉しくも美味しい。
海苔巻き♡
史上最年少皇室御献上海苔漁師・相澤太さんの『寒風一番摘み』の海苔と2回だけ品種改良がされた最もお米の原種に近い『遠野4号』を使ったシャリが生み出す海苔巻き。他店よりも堅いシャリのテイスティング的な感じかもしれませんが、これが実に美味しい。
牡丹海老♡
熟成4日目。凄い…。牡丹海老は軽く湯霜にしてあるようで、口に入れた瞬間になくなります。堅めのシャリとネットリとした種のコントラストが実に素晴らしく、他店とは味わいの次元とアプローチの違いがハッキリとします。
金目鯛♡
熟成14日目。口に入れると、まず金目鯛の旨味がガツンときて、その後にシャリの塩味、そして再び金目鯛の旨味と甘味がぐわんとくるような味わいの対空時間と時差があるような一貫。
皮剥♡
熟成4日目。ガラスのような身と間に入れられた肝の旨味が秀逸。肝の毛細血管まで丁寧に取り除くことで生臭さなどは微塵もなく、旨味のみが濃縮した味わい。
北寄貝♡
貝類は熟成させても意味がないそうで、代わりに部位毎に塩を当てる時間などを計算しているそう。ネットリとしたワタの甘味が素晴らしく、咀嚼すると貝の旨味と香りがふわりとして美味しい。
鯵♡
肉厚な身はトロリとして香り高く、堅めのシャリに実によく合い、「鮨を食べてる!」という実感が湧くほどに口の中での存在感が強い。
鮑♡
鮑は香りと教えてくれる一貫。出来るだけ薄く切りつけて空気に当たるようにして香りを立たせてるそうで、口に入れると鮑の香りが弾けます。そしてシャリの塩味で鮑の甘味も映える「すし㐂邑」の夏の一貫。
浅蜊♡♡
初めていただく種。海苔の香りと浅蜊の旨味が実に素晴らしく、心打つ一貫。インスタで見かけた某店の『浅蜊』が美味しそうで、いつかどこかで食べたいと思っていた一貫をまさかここでいただけるとは!
間八♡♡
脅威の熟成75日目。旨味と甘味が異次元のような味わいで、食べ終えてもまだ口の中にあるかのような余韻が長く続きます。
鰹♡
口に近づけると薫香が香り、咀嚼すると鰹の旨味と鉄分が広がり、忍ばせてあるエシャレットの苦味が全体を締めています。
白烏賊♡♡
木村さんの包丁技が魅れる種の1つ。白烏賊を見えなくなるくらいに薄く薄く切ってから、雲丹をベースに名古屋の天麩羅の名店「天風良 にい留」の揚げ玉を入れたソースを絡めて握った一貫。この揚げ玉の旨味が素晴らしく、思わぬところで「すし 㐂邑」×「天風良 にい留」のコラボを味わうことができました。今回の私の中で1番の美味しさ。
尾の身♡
コレも初めての種。このシャリによく合う口溶けのいい鯨の尾の身は旨味の塊のよう。
鰯♡♡
赤酢で〆ることで金色に輝くエロチック鰯は、熟成10日目のもの。鰯本来の旨味、赤酢の酸味、シャリの塩味の三重奏が響きます。
蝦蛄♡♡
蝦蛄を殻のまま漬け込んであり、直前に殻を剥いて握られます。漬け込みの味わいも美味しいですが、なんと言っても咀嚼する毎に強くなるような旨味と香りが凄い。
お稲荷さん♡
近年「すし 㐂邑」の新しい名物となっているのが、このお稲荷さん。シャリにガリと胡麻を混ぜ込んで、海苔と一緒に油揚げで包んでいるのですが、この油揚げが凄い。モチモチとした食感があり、その食感を感じる度に出汁がジュワッと溢れてくる新感覚のお稲荷さんです。
玉♡
以前は半熟カステラのような玉でしたが、今では薄焼きのものを握るスタイルになっており。最後まで鮨好きを魅了してくれます。
黒胡麻ジェラート♡
出来立ての新作ジェラートは黒胡麻。ひと口食べただけで「胡麻!」という主張が強く、上にかけられた擦った胡麻で香りも高い。
予約が取れなかったりして、久しぶりとなった二子玉川にある「すし 㐂邑」。改めて思うことは、店主・木村 康司さんが作り出す肴や鮨は実に好みで美味しい。魔法にも似た「熟成」という技術だけでなく、この鮨店の根底にあるのは時間と手間を惜しまぬ丁寧な仕事。肴は確りとお酒を飲みたくなる力強い味わいで、鮨はシャリと種どちらも個性があり、食べていることを実感できるボリュームがあります。肴・鮨共に独創的であり、唯一無二。この「すし㐂邑」でしか味わえない心響く美味しさです。
木村さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします!
2021.6.
熟成という名の魔法
今年の正月に開催した「キムバル」から半年。熟成鮨のパイオニアである木村 康司さんの鮨を食べに二子玉川にある「すし㐂邑」へやっと再訪。ちょうど訪問日の2週間前にカウンターを新しくしたそうで、客側の欅と厨房側の木曽檜から成る2種の木目がとても綺麗で、木村さんの手元が確りと見えるようなフラットになったのも嬉しいポイント。
今夜の献立
北寄貝スープ
口当たりは優しいのに、旨味のアタックが後からグッときます。
〆鯵♡
梅肉を酢で〆た鯵でサンドした初めていただく肴。このジメッとした季節にピッタリの爽やかな味わいで、後から鯵の旨味が追いかけてきます。
あなきゅう♡
肴でいただく穴子は実に素晴らしい。山椒の洗練さが駆け抜け、甘味のある穴子の旨味が口の中で混ざり合います。穴子と胡瓜という格別な取り合わせの中で、穴子が光ります。
このこ蕎麦♡♡
凄い!香りと旨味の塊のような味わい。蕎麦というか完全なる肴。お酒が進みすぎです。
鮑のリゾット♡
白い鮑のリゾット。肝の味わいをあえてなくしているのか、ゴロゴロと入っている鮑の旨味が食べ進める毎に口の中で倍化・累乗するかのようで幸せが加速します。
メヒカリ♡
実に美味しい。フワフワとした口当たりは初め魚醤のような味わいがしますが、後から透明感のあるメヒカリの旨味が口いっぱいに広がります。
渡蟹のブランデー漬け♡♡
「すし㐂邑」の肴のスペシャリテと呼ぶべきブランデーと山椒の香りが決め手の渡蟹のブランデー漬け。コロナ禍で卵黄ご飯が付くようになったのは、実に嬉しいかぎり。最高のご飯のお供。
海苔巻き♡
岩手県の「勘六縁」の遠野4号と京都の「飯尾醸造」の酢で作られたシャリのテイスティングのような海苔巻き。鹿児島県出水の海苔養殖家の島中さんのアサクサノリが映えます。
小鯛
温かい…。また新しい仕立てなのか?久しぶりすぎて忘れているのか?切り付けた後にサッと湯霜にしているのでしょうか。ほんのりとした小鯛の甘さがシャリの酸味で映えます。
牡丹海老♡
とろけるような牡丹海老。生よりもとろけ方がストレートで甘味がグッときます。他店とは一線を画す味わい。
金目鯛♡♡
口の中に入れるとフッとなくなるような金目鯛。その後に旨味がぐわんっとして、シャリの酸味が後から駆け抜けます。
鯵♡
何とも食べ応えのある肉厚な鯵。口の中でまさに魚が主役となる一貫です。
北寄貝♡
こんなにもビッシリとワタが付いた北寄貝は久しぶり。トロリとしたワタの甘味が舌にダイレクトに当たります。
中トロ♡
エシャロットの香りと風味が印象的な中トロ。その口溶けと旨味も尋常じゃない美味しさ。
鮑♡♡
鮑を水平に波打つように切り付け、シャリを包むようにして供される鮑。木村さんの鮑と食べるといつも思う。「鮑は香り」。シャリの酸味で際立つ鮑の甘味も愛しい。
赤雲丹♡
今季初の赤雲丹。甘味だけでなく、苦味もあるような複雑な味わいが素晴らしい。
鰯♡♡
金色に輝く鰯は「すし㐂邑」のエロ前鮨の真骨頂。酸味と旨味が異次元のよう感じ。やはり美味しい♡
鱒の介♡
たいていは常時ある真加治木の代わりに今回は鱒の介。コレも凄い!舌に絡みつくようなとろけ方で、味わいも甘味と苦味が絶妙なバランス。
穴子♡
木村さんの穴子は久しぶり。煮つめではない穴子の旨味で勝負するこの時期だけの楽しみ。
お稲荷さん♡♡
「すし㐂邑」の新しいスペシャリテになりうるお稲荷さん。この揚げが非常に特徴的で、出汁がジュワッとしながらもシコシコとした食感が独特。
玉♡
薄焼たまごの握り。うーん、素晴らしい。
濁酒ジェラート♡
最後は佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。どストライクな美味しさ。
やはり、美味しい!
これが久しぶりに味わう「すし㐂邑」の正直な感想。定番と呼ばれる肴や種の美味しさは勿論のこと、比較的に新しい『玉』や『濁酒ジェラート』も最早外せない一品になっています。その中でも今回初だったのは『お稲荷さん』。「今まで美味しいお稲荷さんがなかったから、自分で作った」という木村さんの渾身の逸品は、新しい顔となりつつ味わいです。お店で食べるものよりかは少し大きなものが3個入ったお土産も1人1個ではありますが、来店者のみ購入できるので「すし㐂邑」の余韻を楽しめます。
先週供していた『蝦蛄』がなかったり、『鳥貝』なんてとっくにやめていたりと出逢うことが叶わないこともありますが、それも「すし㐂邑」の魅力。また季節を変えて食べたいです。
2020.10.
今よりも、更に高みへ
運良く一席空いていたところに滑り込み、再訪が叶った二子玉川にある「すし 㐂邑」。店主の木村 康司さんが作り出す魔法とも呼ぶべき熟成を施した鮨と独創的な肴が唯一無二で、とても好きな鮨店です。コロナ禍の営業自粛明けから2回目。木村さんの更なる進化を楽しみます。
今夜の献立
蜆酒
口当たりは、確かにお酒。でも旨味は蜆。蜆汁というのはよく供されますが、蜆酒とは!さすがのアプローチ。
烏賊の塩辛♡
肝を使った塩辛はあまり好きではないのですが、コレはなんだろう?烏賊も柔らかくて、ご飯欲しくなるぅ。
北寄貝のオイル漬け♡
薫香が鼻から抜ける米油で漬け込んでいる北寄貝。噛む度に旨味が溢れて、絶妙な味わい。木村さんの肴はいつも美味しい♡
穴子の山椒焚き♡
角切りの生姜と粒の山椒が舌を刺激する旨味の塊のような穴子。あの『薔薇ちらし』を思い出します。また食べたい!
鮑の塩辛♡
何という香り高さ!コレもご飯欲しくなるぅ。
海胆蕎麦♡
更にブラッシュアップされていて、海胆の旨味と蕎麦つゆの一体感が格段に違います。どこまで進化するというのか…。
メヒカリ♡
木村さんのメヒカリは大好き♡パンパンの身には旨味と脂が詰まっていて、口の中で一気に弾けるよう。スナック菓子のようにひょいひょい食べたいっ!
渡蟹のブランデー漬け♡
「すし㐂邑」における肴のシグネチャーとも言うべき料理。ピリリとした山椒の刺激の中で、渡蟹の甘味が映えます。更に念願だったご飯もデフォルトで卵黄ご飯がついてくるようになり、より好みとなりました。
海苔巻き♡
毎回、握りの始まりを告げる独特なアルデンテのシャリのテイスティングのように供される『海苔巻き』。この香り高い海苔は、鹿児島県出水産の「アサクサノリ」。漁師の島中良夫さんが20年以上かけて養殖に成功させた伝統在来種「出水アサクサ野口種」だそう。
真鯛
熟成期間は1週間くらい。ストレートに甘味がガツンときて、食べ終えると香りがふわりと残る感じ。
牡丹海老
木村さんの手にかかると、牡丹海老もまた違った一面を見せてくれます。ただ甘いだけでなく、もう一段奥にある甘味を感じられます。
錘鰤♡
初めて食べる魚ですが、徐々にメジャーになってきているそうです。見た目も美しくて、味わいはねっとりとして、口溶けも非常にゆっくりとしていて旨味と甘味をじっくり楽しめます。
皮剥♡
ガラスのような美しい身に隠された肝の旨味が素晴らしい♡
鰤♡
復活した?エシャロットを忍ばした鰤。山葵の鮮烈さだけなく、エシャロットのほろ苦さが決め手。まだまだこれからの魚ですが、十分に美味しい♡
赤海胆♡
熊本県天草産。水っぽさなど微塵もなく、濃厚濃密な旨味の塊のよう。ただ甘いだけでなく、複雑な味わいが魅力的。「すし 㐂邑」では夏の時期でしか食べられないですが、群を抜いて美味しい。
鰹♡
薫香がふわりと鼻から抜ける鰹は、まるで鰹節のような旨味がたっぷり。
筋子♡
「すし 㐂邑」のスペシャリテの一つ。ねっとりと舌にシャリに絡みつくような味わい。見た目もルビーのような美しさがあり、華がある鮨。
小鰭
久しぶりの小鰭。食べ終えても尚、口の中に残る強い旨味が印象的。
キンキの混ぜご飯♡
前回もいただいた絶品の混ぜご飯。キンキの皮も身も肝も全てを混ぜ込んでいて、大きな丼でかき込みたいくらいに美味しい♡ちょっと多めにくれた木村さんの優しさが嬉しい。
真加治木♡
驚異の57日間の熟成を施した「すし㐂邑」の顔とも呼べる種。どこかコーヒーのような香りもあり、凝縮したような旨味が素晴らしい。
玉♡
コロナ禍での営業自粛を経て、伝統的な薄焼き玉子を使った握りになりました。あの半熟カステラのような玉も好きでしたが、やはり握りは美味しい。
濁酒のジェラート♡
コレも木村さんの新しい一手の一つである甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラート。んー、実にどストライクな美味しさ♡
今回も実に美味しかったです。肴はただ塩辛いだけでなく、旨味を全面に出した味わいなので、私はお酒よりもご飯が欲しくなります。その中で『渡蟹のブランデー漬け』は、卵黄ご飯がデフォルトで添えられるようになって本当に嬉しい。そして、握りは皆がシャリを小さくとお願いしている中で、ちょっとずつ私には大きくしてくれる木村さんの優しさが沁みました。熟成という絶対的な武器を持っていながらも、より美味しくより高みを目指してらっしゃる木村さんの気概に惚れました。
木村さん、今回もありがとうございました!今冬中とお正月にはまた食べたいです。35000
2020.6.
味わい、存在、唯一無二。
例えば、ウイスキー。誰にでも飲みやすく好かれるものよりは、アイラモルトなどの独特でクセのあるような唯一無二のウイスキーが私は好き。
二子玉川にある「すし 㐂邑」の店主・木村 康司さんが創り出す熟成は、旬の魚の力強さを引き出す魔法。肴も鮨も独創的で、唯一無二。味わいは勿論のこと、存在感も惹かれる鮨店です。
今回の献立
北寄貝スープ
可愛い檜の桶に入れられた「すし 㐂邑」の白スープ。前回に感じた店内を包むような檜の香りはさほどなく、北寄貝の旨味が凝縮したスープはしみじみと美味しい。
栄螺のオイル漬け
初めての肴。栄螺に薫香をつけて、米油に漬けこんだものかな?口に入れると薫香が鼻を擽り、後味にはピリリと鷹の爪の辛味が残ります。
鯖♡
福岡県糸満市にある「ミツル醤油醸造元」の醤油床に奈良漬けを入れたものを〆た鯖に合わせたもの。凄い!カレーのような風味と鯖味噌のようなの味わいの奥深さがあり、コレもご飯が欲しくなるw
鮑の塩辛♡
鮑の香りが素晴らしい。咀嚼する度に華やぎ、喉を通る際にふわりと鼻から抜けます。鮑は香り。そのことを実感できます。
ミンククジラの畝須♡
プルプルのミンククジラの畝須にはパンチのある辛味が乗せてあり、一緒に食べることでこのクジラの脂を活かしています。
海胆蕎麦
ひと口目は蕎麦の味わい。つゆを飲むと、返しの味わい。そして、追いかけるように海胆の旨味がグッときます。もっと食べたいと思うところですが、この量だからこその旨味の凝縮。
メヒカリ♡
「すし 㐂邑」のメヒカリは大好き。表面の皮目はパリッと焼かれ、身はフワフワ。そして、メヒカリの甘味がジュワッと広がります。火傷覚悟でもガブっと行くべき。
渡蟹の塩辛♡
な、なんとデフォルトで酢飯が盛られている!まさか、お店でこの塩辛にご飯を合わせることができるとは!お酒飲みにはお酒が1番なのでしょうけど、私には絶対にご飯!美味しいなぁ♡
海苔巻き♡
遠野4号という粒が大きくて粘りが少ないストイックな米を使った独特のアルデンテシャリを味わう海苔巻き。心地よい酸が駆け抜けます。
甘鯛♡
何故、甘鯛と呼ばれるのかがよく分かる甘味のある旨味がシャリの酸で全面に押し出されています。
牡丹海老
舌に絡みつくようなとろけ方はありませんが、群を抜く強烈な甘味が残ります。
金目鯛♡
香り高く、金目鯛の旨味が凝縮していて後に残る甘味が印象的。
鯵♡
ふっくらと肉厚で口に入れた時の存在感が素晴らしく、爽やかな旨味が駆け抜けます。
赤海胆♡
佐賀県唐津産。甘味だけではなく、苦味なども加わり複雑な味わい。「すし 㐂邑」の海胆は夏しかありませんが、どこのお店よりも旨味がギュッと凝縮しており、実に美味しい。
鮑♡
木村さんの包丁捌きは見れませんでしたが、出逢えた鮑。シャリを包むようにして握られる鮑は、まるで香りの塊。だから肝も使うことなく、塩や山葵さえもありません。
鰹♡
まるで鰹節のような薫香と旨味の凝縮。鰹の握りでの究極系かも。
キンキの混ぜご飯♡
ずっと気になっていた木村さんの後ろにあった大きなキンキの開き干し。そのキンキを焼き上げて、身を解してからシャリに混ぜ込んだもの。脂あるキンキの旨味と甘味がシャリの酸のアクセントで素晴らしく響きます。
鰯♡
金色に輝く鰯は、エロ前の真骨頂。1週間の熟成だそうですが、身は確りとしていて迸るような脂はなく、優し目な香りと旨味が際立ちます。
加治木♡
スペシャリテの加治木はねっとりとして、コーヒーを思わせる焙煎香を纏っています。今もなお煌めく不動の花形の種です。
穴子♡
まさか、穴子まで供されるとは…。最近は固めるお店も多くなってきましたが、本当の旬の時期しか味わえない「すし 㐂邑」の穴子。トロトロで舌に絡みつく系ではなく、香りを大切にしたホクホク系。山椒の香りも華やぎます。
玉♡
なんと玉も握るようにしたそうで、伝統的な薄焼き。以前と味わいも変えているのかしら?ほんのりとした甘味で、更に好みが加速します。
甘味♡
〆は玉ではなく、甘味。佐々木要太郎さんの濁酒を使ったジェラートです。酵母を使っているからでしょうか、パンみたいな香りがしてド好みな味わいです。
コロナ明け、「すし 㐂邑」の進化が止まらない!元々、木村さんの独創的な肴や鮨が大好きですが、更に加速度を上げて好きになりました。今回は海胆・鮑・穴子と夏の魅力を一編に堪能させていただき、久しぶりに幸せな時間を過ごせました。
木村さん、ありがとうございました!やっぱり木村さんの肴や鮨は大好きです。また宜しくお願いします!33000
2020.5.
薔薇色の人生
営業自粛が解かれている中で、鮨店のテイクアウトもそろそろ終わり。そんな中で、私には心残りがあります。それは二子玉川にある「すし 㐂邑」の『薔薇ちらし』。何度かあった販売もタイミングが合わずに買えずじまいだったのですが、最後の最後で無事購入です。
海胆やいくらなどの生の海鮮が盛られた煌びやかなちらしとは対極的な地味な見た目ですが、実に好みの味わいで美味しい。いつものアルデンテなシャリには海老・干瓢・玉が混ぜ込んであり、上にある紅白の海老おぼろと鮃?田麩と一緒に食べれば、甘めの味わいに。そこに酢〆された小鯛と鰯の酸とピリリとした山椒の刺激が心地よく響きます。このコロナ禍で『ばらちらし』を食べる機会が多くなった中で、私は甘めの味わいのものが好みなんだと知りましたw
あぁ…人生ってただ甘いだけでなく、たまには刺激も必要よね?
そんなことを感じさせてくれるような『薔薇ちらし』でした。
木村さん、お元気そうで良かったです!またお店でエロ前鮨をいただける日を楽しみにしています!
2020.2.
どこか艶っぽく、妖艶な雰囲気を纏う。
まるで歌舞伎でいうところの女形のように。
そう思わせるのは二子玉川にある「すし 㐂邑」の木村 康司さんの握る鮨。職人気質でありながらも、熟成という緻密な技術を組み上げる学者肌な一面もある(特に女性に対して)笑顔が素敵な親方です。
木村親方が施す熟成という魔法は、魚の持つ旨味と香りを最大限に引き出して、知っている魚がまるで次元の違う味わいになり、いつも驚かされます。さあ、今回もどのように驚かせてくれるのか楽しみです。
今回の献立
北寄貝のスープ
厨房から香る檜の香り?器が檜に変わってる!口を近づけると、檜の香りがふわりと香り、染みるように美味しい北寄貝の旨味。
子持ち槍烏賊♡
身は歯がいらないほどに柔らかく、卵はとろりととろけて、舌に絡みつくよう。
真鱈の白子リゾット♡
相変わらずに素晴らしい味わい。白子のクリーミーな旨味の中で固めの米が存在感を主張して、カンボジア産の黒胡椒が単調になる味わいにアクセントを与えています。
太刀魚♡
太刀魚が持つ極上のフワフワ感。そして上に乗せられた大根おろしが名脇役を演じています。大根おろしの下には玉葱の微塵切りが忍ばせてあり、辛味と食感を与えています。
牡蠣バター
牡蠣を低温で火入れしてから燻して、それを裏漉ししたのをバターを合わせたもの。どんなだけ手間をかけてるのだろう。極限に滑らかで確りとした薫香の後、旨味がグッときます。形はないながらも、ちゃんと感じられる牡蠣の旨味が秀逸。
河豚のお椀♡
きっとこの時期ならばあると思っていました。河豚3本の身と骨と皮をゆっくりと10時間焚き、それを漉してから焼いた白子を入れて、薄口醤油を数滴入れた冬のスペシャリテです。
どうまん蟹の塩辛♡
ブランデー・麹・酒盗で漬け込む木村流ケジャン。今回は渡蟹ではなく、なんとどうまん蟹。山椒のピリリとした刺激がありながらも、全体的には円やかな味わい。渡蟹にはなかった爪が美味しい!
海苔巻き♡
酢飯変わった?元々、固めのアルデンテなシャリでしたが…更に水分が少なくてホロホロとして、酢がふわりと香ります。
鰆
ねっとりと舌に絡む度に鰆の甘味が感じられて、シャリの塩気で更に甘く感じられます。
細魚
モチモチという食感はよく感じられますが、細魚ってこんなに香りがあったっけ?と思うほどに香り高い。
鱒ノ介♡
クリスマスくらいから熟成させたという鱒ノ介。凄い!とろけ方もゆーっくりなので、その間に香りが立ち、旨味が広がります。滞空時間のとても長い一貫。
金目鯛
口に入れた瞬間の旨味と咀嚼してシャリと混ざり合った時の旨味という2段階で味わう金目鯛は、まさしく傅く美味しさ。
牡丹海老♡
片面だけ湯霜にしているのだろうか。とろけるのではなく、弾けるように液体へと変わります。異次元の牡丹海老。
間八♡
コレもクリスマスくらいからの熟成。身を咀嚼する度、シャリと混ざり合う度に旨味が溢れてきます。
皮剥♡
ガラスのような身の下には、肝と浅葱。肝の旨味が衝撃的な味わい。
海松貝
極上のサクサク食感。甘味よりか香りが凄い。
鰤
エシャロットから山葵に変えた?戻した?鰤。湯霜して漬けにしてあるので、暴れるような脂のある鰤らしくない落ち着いた感じ。
鰯♡
金色に輝く鰯は魔法がかかっているかのように美味しい。濃厚な脂の後に爽やかな酢が駆け抜けていきます。
加治木
「すし 㐂邑」不動のスペシャリテ。コーヒーのような香り独特の味わいは、唯一無二。
鰹の手捏ね鮨
鰹…鰹だよね?非常に鰹らしくない脂のあり、大きな賽の目に切られているので、モチモチ感も素晴らしい。
玉
まるで半熟カステラのような玉には、実は高級魚が使われてたりします。
筋子(追加)
珍しく追加させていただきました。目の前にあるのだから、コレを食べずに今季を終えたくありません。ルビーのように輝く筋子は見た目も味わいも妖艶で心奪います。
「すし 㐂邑」は、まだ進化するか?と底知れぬ美味を探求する深淵を垣間見たような感じでした。初手のスープが檜の器に変わり、既に完成形と思っていた蟹の塩辛がどうまん蟹になっていたり、そしてシャリの変化。今年の「すし 㐂邑」から目が離せません。
木村親方、お母様。今回もありがとうございました!また食べさせて下さい。35000
2019.11.
時間が作り出す旨味
それは熟成の魔法と労を惜しまない職人の魂
熟成鮨のパイオニアであり、今のなお更なる高みへと登り続けてらっしゃる鮨職人の木村 康司さんの鮨を食べに「すし 㐂邑」へ。私がよく行く日曜日の昼となると、飲食業界の方々が多くて、今回も客の半数が同業者という状況で、さすが食の社交場です。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは、「すし 㐂邑」の白のスープ。今回は5キロの蛤を使っており、飲み終えた後の溜息まで美味しい。
桜海老の海老味噌
桜海老を炒ってから擦って、醤油・味噌などを入れて、何度も何度も裏越しで仕上げたもの。濃い目の味わいを想像していましたが、全くそんなことはなく、お酒などがなくても美味しくいただけます。
北寄貝のリゾット
北寄貝のヒモと貝柱を使ったリゾット。余計な物は加えていないそうで、北寄貝の旨味のみという味わい。実に優しく、じわりと旨味が溢れています。
牡蠣のみぞれ椀♡
お椀の中に入れられた牡蠣はぷっくりとしており、実に素晴らしい。しかしながら、この出汁がそれ以上に素晴らしい。この一杯に牡蠣がどれだけ使っているのだろう。
鯣烏賊の肝ルイベ
コレも先程の桜海老の海老味噌と同じように、素材の旨味のみを味わうようなもので、実に繊細な味わいで香りも楽しめます。
真鱈の白子のすり流し♡
低温で火入れしてから毛細血管まで確りと取り除いて、昆布出しで伸ばしたもの。上にはオーガニックのカンボジア産赤胡椒をかけて、味を引き締めています。冬の「すし 㐂邑」の定番の肴ですが、いつも以上に量が多くて最高です。決して叶わないですが、シャリを入れて食べてみたい。
渡蟹の塩辛♡
客の全員が沈黙する瞬間がやってきました。木村流渡蟹のケジャンです。ふわりとブランデーが香り、山椒のピリリとした刺激が後を引きます。お皿に残ったタレにお酒を入れて飲むと、これがまた美味しい。
海苔巻き♡
まずはシャリのテイスティングを兼ねた海苔巻き。今日も木村さん独特の固めのアルデンテシャリが美味しい。
縞鯵
熟成10日目の縞鯵。固めのシャリとねっとりとした縞鯵の食感のコントラストが映える官能的な味わい。
小鯛
熟成6日目の小鯛。肉厚でありながらも、解けるようにふっとなくなります。
金目鯛♡♡
口に入れた瞬間に感じると旨味、そしてその旨味がぐわんと加速するという2段階に襲ってくる旨味の暴力。
鰤♡
1カ月熟成させた鰤は、食べた瞬間に「何だ、コレ?」と思うくらいに味わったことのないくらいの口溶け。昔はエシャロットを入れていましたが、あっさりとやめてしまったらしい。
秋刀魚♡♡
熟成6日目の秋刀魚。今年は秋刀魚になかなか出逢えない中で、この「すし 㐂邑」で食べられるとは!口溶けは勿論のこと、1番感動したのは秋刀魚の香り。
皮剥♡
ガラスのような美しい身の下には、大きな肝を忍ばせています。この皮剥の肝が強烈な旨味を与えています。
鰹
口に入れると薫香が香り、旨味と薬味の風味が混ざり合う。そして、最後にもこの薫香がふわりと残ります。香りを味わう鰹です。
北寄貝
トロリととろけるワタがダイレクトに舌に当たると、広がるのは北寄貝の甘味。ザクザクとした極上の食感も心地よい。
筋子♡♡
きた!この時期のスペシャリテとも呼べるルビーのように煌めく筋子。舌に絡みつくような極濃厚な旨味の中で、固めのシャリも際立ちます。
鰯♡
金色に輝く鰯もまた「すし㐂邑」のスペシャリテ。決して高級魚ではない種ですが、熟成という魔法と美味しくしようという才能が生み出す至極の一貫となっています。
真梶木♡
コーヒーのような香りを放つ驚異の49日熟成の真梶木は、「すし 㐂邑」の最強のスペシャリテ。昔は鮨種の花形と呼ばれた真梶木は、今のなおこのお店で君臨しています。
蝦蛄♡♡
私が行く前日に行かれた方から「穴子が出たよ」と聞いていたので、期待していましたが出ず。しかしながら、この極太の蝦蛄は嬉しい。蝦蛄の頭で取った出汁で甘く炊かれており、実に素晴らしい味わいです。
玉♡
液体と固体のちょうど境い目のようなトロトロの玉。確か熟成させた高級魚を繋ぎに使っていたような…。
今回も官能的な美味の数々でした。特に肴は初めていただく品が多く、まだまだ通い詰めないと「すし 㐂邑」の真髄には辿り着けないことを実感しました。
肴では調味料を極力使わずに、握りでは煮切り醤油は極少量。熟成という時間の魔法にかけられた素材は旨味や香りを最大限に引き出されており、希薄になっている旬の美味しさがそこにあります。そして、その熟成の土台には職人の閃きの才能とそれを実現する技術、労を惜しまない手間がかけられています。何ものにも変えがたい唯一無二の一貫がここにはあります。
木村さん、お母様。今回もありがとうございました。また宜しくお願いします。34000
2019.8.
本当は自分の誕生月である9月に再訪予定だったのですが、その月は店主の木村 康司さんがスペインに行かれるそうで、あまり日本にいらっしゃらないと聞き、前倒しして8月にやってきた「すし 㐂邑」。ガラスケースには狙っていた種も確りとあり、心の中でガッツポーズをして供されるのを待ちわびます。
本日の献立
蛤スープ
今回のスターターは、7キロの蛤をグッと煮詰めた「すし㐂邑」の白のスープ。
蛤のオイル煮
低温で火入れしてから藁で薫香を付けて、米油に浸したもの。供された瞬間から藁の香りがぶわっとして、香りから美味しい。
海胆蕎麦♡
海胆を裏漉して、鰹と昆布の出汁と合わせたつゆでいただく蕎麦。最初は出汁の味わいがふわりとして、後味で海胆の甘味を感じられます。
鮑リゾット♡
鮑を蒸した際に出る出汁を溜めておいて、生米からリゾットにしたもの。味付けは発酵バターだけだそうで、鮑の旨味がギュッと凝縮していて美味しい。丼で食べれる。
マナガツオ♡
相変わらずフワフワとしたジューシーなマナガツオ。木村さんのマナガツオは、実に美味しい。
渡蟹の塩辛
ブランデーで漬け込んだ渡蟹は七味と山椒のパンチが効いて、身はねっとりと味噌はとろりとしていて美味しい。
ガリ
海苔巻き♡
まずは今日のシャリのテイスティングも兼ねた海苔巻き。今日も実に美味しい♡
墨烏賊
墨烏賊のサクサク感と独特の固めのシャリとのコントラストが素晴らしい。
小鯛
1週間熟成の小鯛。身の柔らかさもありますが、それよりも甘いような香りが凄い。
白川
2週間熟成。繊細な旨味が凝縮することで、明確な旨味に変わっています。
牡丹海老
1週間熟成させた後、3秒の火入れを施した牡丹海老。生のものよりも甘味が映えて、シャリともよく合います。
鯵♡
4日熟成。脂が凝縮した鯵は、口の中で一瞬留まるような感じで旨味が爆発します。
皮剥♡
4日熟成。肝も熟成させているので、ねっとりととろける味わいは極濃厚。ガラスのように透ける身も美しい。
筋子♡
旨味は凝縮しているにもかかわらず、後味はとてもさらりとして心地よく消える筋子。久しぶりにいただきましたが、やはり美味しい。
鰊♡
10日熟成。初の鰊は知っている暴れるような脂ではなく、一点を穿つような旨味。香りも食べ終えても残ります。
中トロ♡
4週間熟成。湯霜にしてから漬けにして、間にエシャロットを忍ばせて握っています。食べた瞬間にグッとくる旨味は、知っている中トロとは別次元。
鰯♡
仕立てが変わったのかな?今日のは金色に輝くのではなく、銀色に光る鰯。それでも鰯の旨味を感じた後、もう一段グッとくる様は変わりません。そして広がるのは、鰯の甘味。
北寄貝
ワタの甘味が際立つ北寄貝。固めのシャリとのコントラストも心地よい。
加治木♡
驚異の59日熟成は、「すし㐂邑」の真骨頂。とろけ方が尋常じゃなく、口からなくなるとコーヒーのような香りが残ります。
穴子♡
久しぶりに食べられた穴子。山椒塩のアクセントで、香り高くホクホクな食感。
鰹の手捏ね鮨
鰹を大きくぶつ切りにして、大葉・茗荷などの薬味と共にシャリと混ぜ合わせたもの。ここでも鰹のモチモチ感と固めのシャリとのコントラストが楽しめます。
玉
卵に混ぜられているのは、2週間熟成させた甘鯛という贅沢な玉。中心部はトロリとしていて、甘みも素晴らしい。きっとシャリにも合います。
密かに狙っていた『筋子』がちゃんと食べることが出来たので、私的には大満足。更にはレアな『鰊』や『穴子』も供されたことはラッキーでした。強いて言うならば、今年も『由良の赤海胆』は食べられなかったのが残念でしたが、夏の「すし 㐂邑」は堪能出来たかと思います。
木村さん、お母様ありがとうございました。スペイン、気をつけて行かれて下さい。また食べさせていただける日を楽しみにしています。27000
2019.6.
「あぁ…」
溜息がこぼれる。幸せの溜息が。
最近は海外イベントなどで月の半分くらいは日本にいらっしゃらないこともある木村 康司さんの「すし 㐂邑」。そろそろ食べたいという「木村ロス」が起こり始めそうな頃に行くことができました。
雷雨から一転して夏の日差しが眩しい中、「すし 㐂邑」の白い暖簾が揺れます。今回は久しぶりにケースの前に座らせていただいたので、供される種を観察。大抵は見れば分かるのですが、不明なものが2つほど。
「…鮪っぽいけど、まさかな…」
今回の献立
蛤スープ
5キロの蛤から作る「すし㐂邑」の白スープ。スターターから心と胃を掴まれる品です。
蛤のオイル漬け
茹でた蛤に藁の薫香をつけてから、米油につけたオイル漬け。口に入れると、薫香がふわりと香り、米油の甘味の後から噛み締める度に蛤の旨味が溢れてきます。
鯨♡
最高級部位の畝須の部位で、12時間糠で焚いてから12時間冷やしたもの。魚には決してない力強い旨味と甘味の素晴らしさを感じられます。
マナガツオ♡
4日ほど干した後に漬け込んでから焼いたマナガツオ。木村さんのマナガツオはいつもフワフワとした食感で、甘味と旨味が駆け抜けます。
海胆蕎麦♡
今年はカッペリーニではなくて、蕎麦。海胆の濃厚な甘味と香りが確りと感じられて、実に美味しい。
渡蟹の塩辛♡
塩漬けにした後、塩を抜いてから山椒などと共にブランデーで3〜4週間漬け込んだ塩辛。鮮烈な山椒の香りが特に印象的で、その美味しさでいつも店内が静まる逸品です。
ガリ
前回の訪問から3ヶ月しか経ってないのですが、ガリが変わってました。最近よく見られる角ガリ。まだ進化しちゃうの?木村さん。
海苔巻き♡
シャリのテイスティングを含めた海苔巻き。コレが素晴らしく美味しい。華やぐ海苔の香りの中で、固めに焚いたシャリの一粒一粒が海苔と混ざり合います。
白烏賊
4日熟成された木村さんの包丁技が見られる種。薄く削ぎ切りにした白烏賊を更に細かく切ってから纏めて握っています。ダイレクトに感じるその甘味と口溶けが素晴らしい。
小鯛
瑞々しい身には駆け抜けるような甘味があり、食べ終えても口の中にはその甘味が残ります。
鯵♡
6日熟成させた鯵。旬の魚なので、他店でもよく出される種ですが、明らかに違います。ガツンとくるのではなく、ゆっくりと甘味のある脂が溶け出して余韻が長く続くような味わい。
牡丹海老
初めて食べた牡丹海老。片側だけ湯霜にしているかのかな?一瞬留まってからとろける様は、知っているそれとは明らかに違います。
間八♡♡
驚異の2カ月熟成。純白のような真っ白な身は、とろけ方が尋常じゃない。固めのシャリとコントラストが最大限に活きていて、実に美味しい。
金目鯛♡
14日熟成させた金目鯛は甘味も素晴らしいですが、特筆すべきはその香り。凄い…。
皮剥♡
種とシャリの間に肝を入れて握っています。皮剥は肝が美味しいですが、木村さんが手掛けると更に雑味のない濃厚さが生まれ、唸る美味しさ。
蒸し鮑♡
最近は肴で供されるお店が殆どですが、木村さんは確りと握ります。鮑に対して平行に削ぎ切りする独特な切り方で、シャリを包むように握っています。鮑は香り。このことがよく分かる夏の握り。
中トロ♡
たまに出しているとは知っていましたが、ついに出逢えた中トロ。熟成期間は20日間だそうで、他店では決して味わえない衝撃の早い旨味。
鰯♡
黄金の鰯は、エロ前鮨の真骨頂。いつもながらに悶絶クラスの美味しさです。
真梶木♡
まるでコーヒーのような味わいと香りのするスペシャリテといっても過言ではない木村さんの真梶木。今もなお、主役の鮨の花形です。
赤海胆♡♡
今回は、佐賀県産のもの。元々、赤海胆は濃厚な味わいですが、木村さんのはその更に上をいきます。雑味や苦味などもなく、ギュッ濃縮した旨味は素晴らしい。
玉
半熟カステラのような玉で、旨味も甘味も濃厚。
今回は長期熟成された種が多く、圧倒するような旨味・甘味・香り・口溶けを存分に堪能することができました。そしてやっと出逢えた中トロや夏の種である鮑や海胆、今日来れたことに感謝しかないです。やはり肴から握りまで、実に個性的且つ独創的なものであり、何よりもとても美味しく私好み。
再訪を考えていた9月はまた木村さんが海外イベントでいらっしゃらないそうなので、8月にまた伺わせていただきたいです。その際はまた宜しくお願いします。27000
2019.3.
予約困難店でありながらも、友達は毎月通っている二子玉川にある「すし㐂邑」。私も先月に行ったばかりですが、最近は店主の木村 康司さんがイベントでいなくなることも多いので、お店にいらっしゃるうちに行っておこうと思って、初の2カ月連続の訪問です。
今や私にとって、この「すし㐂邑」は食と人との社交場になっています。ネットやお店で知り合う方の殆どがこのお店の常連さんで、今回も偶然に素晴らしい方との出逢いがありました。
また同じ時間を過ごす方々も色々なお店に行かれているので、歯に衣着せぬ物言う木村さんとの忌憚なき意見の交換が出来るのも非常に有り難いです。
本日の献立
サメガレイの酒蒸し
聞いたことのない名前の鰈。木村さんも知らなかったそうで、仕入れ業者から頼まれて、仕方なく賄い用に仕入れたみたい。でも皮を剥いでみると脂が素晴らしかったそうで、こうして私たちの前に。
身もさることながら、このエンガワ部分がトロンとして美味しい。イメージ的にはナメタガレイに近いかな?
牡蠣蕎麦
また出逢えた牡蠣蕎麦。存在感のある大ぶりな牡蠣の旨味がたまらない。「そば㐂邑」で営業してもいいくらいのクオリティ。
真鱈の白子リゾット
白子の無垢な甘さを締めているのが、カンボジア産の黒胡椒。木村さんの超アルデンテなシャリがここでも映えます。
渡蟹のケジャン
皆が静まる時間がやってきました。ブランデー香る木村流のケジャン。ご飯と食べても、きっと美味しい!でもそれは叶わない夢。
虎河豚のお椀
今期最後?3匹の虎河豚のエキスを全て絞り出したお椀。このとろみでさえも、虎河豚の皮にあるゼラチン質が溶け出したものだそう。前月もいただきましたが、美味しいものはいつでも食べたい!
握りへ
海苔巻き
まず供されるのが、シャリのテイスティングの海苔巻き。海苔の香りやシャリの食感を楽しめる素晴らしい鮨となっています。
桜鱒
2週間の熟成をかけた桜鱒。最初から凄い!普通だったら、桜鱒の味わいが来て終わるところから更に味わいが加速します。いつもながらに奥行きが凄い。
細魚
薬味の味わいが先行することなく、口の中で広がるモチモチとした細魚という魚の存在感。細魚が美味しい!
金目鯛
2週間の熟成をかけた金目鯛も次元の違う味わい。脂と甘味だけでなく、旨味が二段構えになって押し寄せます。限界突破とはこのことを言うのかと実感できる種。
皮剥
皮剥の醍醐味は、肝。この肝も熟成させる為に毛細血管などを取り除くらしい。何という仕事。魚も輝くわけです。
鯵
口に入れた時の存在感も凄いですが、それ以上に旨味と脂の凝縮が凄い。
北寄貝
ワタの部分が舌に当たるように握っているので、ファーストインパクトでガツンときます。しかしながら、それ以上に北寄貝の肉厚さに驚きます。
縞海老
女性の脚のようなエロ前鮨の1つである縞海老。今回は時化で2本使えないということで1本でしたが、とろける種と固めのシャリのコントラストが1番良く分かるかも。
鰤
脅威の熟成1カ月の鰤に合わせている薬味は、なんとエシャロット。洋食だとよく合わせていますが、鮨に入れているのはココだけですね。良いものは吸収して、自分のものにしている木村さんの飽くなき探究心が完成させた一貫ですね。
鰯
木村さんのスペシャリテの一つで、エロ前鮨の真骨頂、金色に輝く鰯。脂を楽しむのではなく、凝縮した旨味を楽しむ種。
加治木
鮪がシビと呼ばれて厭悪されていた頃、この加治木が鮨種の花形でした。今では握るお店も少なくなっていますが、ここ「すし㐂邑」では不動の地位を確立しています。40日を超える熟成がもたらすのは、妖艶で官能的な味わい。唯一無二の一貫です。
鰹の手捏ね鮨
旨味が凝縮している鰹のモチモチ感と超アルデンテのシャリの食感のコントラスト、茗荷と浅葱の爽やかな刺激で箸が止りません。
玉
小さいながらも、ギュッとした甘さがある玉。
2カ月連続ということで同じような内容でしたが、やはり美味しいものは何度食べても美味しい。特に今回は行ってみたいと思っていた色々なお店の情報交換が出来たので、収穫のある楽しいひと時でした。
木村さん、お母様ありがとうございました。次回は、夏にまた伺います。29000
2019.2.
2019年度の食べ歩き初めは、正月限定で「キムバル」として営業していた二子玉川にある熟成鮨のパイオニアであり、今の味に満足することなく更なる進化を模索している木村 康司さんの「すし 㐂邑」。鮨初めも是非このお店にしようかと思っていたのですが…なかなか予約とタイミングが合わずに2月になってしまいました。
藍色の暖簾が風でなびく中、入店です。ネット予約も始まった為か、客席の半分くらいはご新規という新鮮な客層。木村さんの鮨の味わいが多くの人に伝わることは、とても良いことだと思います。
本日の献立
牡蠣蕎麦
近年はこうして蕎麦を供することが多くなりました。上に盛られた火を通しても、ぷっくりとした大きさの牡蠣は、旨味も確りと残っていて美味しい。
子持ち槍烏賊
プリッと弾けるような身の食感とムチムチとした卵の食感が同時に味わえる旬の味わい。
海鼠子の塩辛
正月の「キムバル」でもいただいたお酒がすすむヤバい肴。ご飯にもきっと合いそう。
真鱈の白子リゾット♡♡
「すし 㐂邑」冬の名物の一つである白子リゾット。昔、某グルメ雑誌に完全なレシピが紹介されていましたが、「素人の誰が作るのよ?こんな作業の料理」と思ったほどに、かなり手間暇がかけられた逸品です。
渡蟹の塩辛♡
ブランデー香る木村流ケジャン。どんなに賑やかな客層でも、コレを食べている間は実に静かになります。
虎河豚のお椀♡
8時間かけて虎河豚3匹分の旨味を全て、このお椀に詰め込んだ逸品。少しとろりとしているのも虎河豚から出たコラーゲンで、味付けは僅かに薄口醤油数滴のみという。実に素晴らしい。
ガリ
詳しくは聞きませんでしたが、鮨の置き皿が変わりましたね。もう手に入らなくなるから買ったそうですが。
シャリの海苔巻き♡
まずはシャリの紹介として供される手巻き。極上の海苔の香りが華やぎ、口に入れればスッと溶けてシャリと混ざり合います。
鰆♡
14日間の熟成。元々、ほわんっとした甘さのある魚ですが、木村さんの手にかかるとその甘さが突き抜ける感じ。ねっとりとした身に、少し硬めのシャリが絶妙なコントラストです。
甘鯛
これも14日熟成。咀嚼していると、徐々に甘さが引き出されていきますが、一噛み目からもう甘さが広がります。
北寄貝♡
ワタの部分を舌に当たるようにして、握っています。このワタが実に甘みがあって、美味しい。身の部分も分厚くて、極上の食感か楽しめます。
皮剥♡
シャリと種の間に、身と同様に4日間の熟成をさせた肝を挟んで握られます。ガラスのような美味しい身に濃厚な肝の味わい、血生臭さなどは微塵もありません。
縞海老♡
女性が足を揃えているかのような艶っぽい縞海老。木村さんの鮨が江戸前ではなく、エロ前と称される種の一つ。舌に絡みつくような極上のねっとり感、素晴らしい。
鯵♡
かなり大きな鯵だったので、縞鯵かと思ったら、特大の鯵。鯵は比較的にさらりとした脂を想像しますが、甘くて余韻の長い別格の脂の味わいです。
鰤♡
シャリと種の間に刻んだエシャロットを忍ばせる、通称・エシャロット鰤。薫香のある鰤に爽やかな辛味と香りのエシャロットが、口の中で華やぎます。
鰯♡♡
赤酢で締めた金色に輝く身に包丁を入れることで、現れる真っ赤な身。エロ前鮨の本領発揮の種です。口の中で蘇るような極上の脂は、鮪をも凌駕します。熟成は脇役と思われがちな魚を主役にさせる魔法のよう。鰯はそのことがよく感じられる種だと思います。
加治木♡
「すし㐂邑」のスペシャリテと言っても過言ではない種。熟成期間は、驚愕の一ヶ月超え。何処と無くコーヒーのような香りもする「すし㐂邑」での花形的存在です。
鰹の手こね鮨
脱水してモチモチ感を増した鰹をたっぷりと使い、薬味で香り高い硬めのシャリとの相性は素晴らしい。
海松貝(追加)♡
今夜は食べていない種で『海松貝』がまだあるとのことで、追加。木村さんの貝類はどれも素晴らしく、極上の食感と貝の甘みが楽しめて大好きです。貝好きならば、必食です。
玉
さりげなく、極上の素材を繋ぎに使っている玉。半熟カステラのような感じです。
「ホントに鮨店なの?」と思わせる肴から始まり、熟成することで奥行きの増した魚の味わいを確りと感じさせる種を極少量の煮切りで味わう鮨は、実に素晴らしい。いつ行ってもハズレなどは一つもない極上の肴と鮨に出逢えるお店です。今年は何回行けるかな?とりあえずは、夏には絶対にまた伺います。
木村さん、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。29000
2018.9.
今年中に今流行りのネット予約システム「OMAKASE」に半分の席を提供する二子玉川の「すし 㐂邑」へ再訪。店主の木村康司さんの作り出す鮨は、熟成。〆たり、漬け込んだりする江戸前鮨を現代の技術で超進化させたもので、魚によっては約2カ月という長期の熟成をかけるものもあります。
本日の献立
蛤スープ
「すし 㐂邑」の白いスープ。蛤のみで作られるスープは、ほっとさせると同時にここへやってきたという気分になります。
鹿児島県阿久根産 赤海胆蕎麦 ♡
赤海胆の濃厚な旨味と甘味を蕎麦に絡めて食べるという贅沢な品。どこの蕎麦店でも、こんな蕎麦はまずないと思います。
真鱈の白子リゾット ♡
上からはカンボジア産の胡椒をかけられたリゾット。白子の無垢な味わいと仄かな甘味が素晴らしい。やはりここのつまみは、どストライクなものが多い。
メヒカリ
箸を入れた瞬間に分かる、このフワフワ感。味わいもメヒカリの味を活かすような感じで、実に美味しい。
渡蟹の塩辛 ♡
ブランデー香る木村さん流のケジャン。店内が一気に静かになる名物と言える料理です。
握りへ
ガリを切り分けて、まず最初に供されるのはシャリのみの海苔巻き。これがすごく美味しい。少し芯のある固めの個性的なシャリと香りや口溶けの良い海苔のマリアージュが素晴らしい。
墨烏賊
凄い肉厚なれど、サクサクとした食感はこの烏賊の醍醐味です。
鰆 ♡
口に入れた途端にとろける鰆。煮切りは極少量なので、鰆の持つふんわりとした甘味を確りと感じられます。
縞鯵 ♡
全体にまわった妖艶な脂と香りが、知ってる縞鯵と次元の違う味わい。見た目もエロいw
北寄貝
甘味が凄い。そして、食べ終えた後の香りが華やぎます。
皮剥 ♡
クリームチーズのようなねっとり感のある肝を味わう1貫。身はレースのドレスのような美しさがあります。
鰤 ♡
シャリとの間にエシャロットを入れることで、その香りと味わいで他店とは一線を画します。
秋刀魚 ♡
滴り落ちるような脂はなく、もっと純度の高い脂がある秋刀魚。鮨種としては、ベストな感じだと思います。
鰹
薫香だけでなく、鰹節のような風味もあり、モチモチ感を超えた先にあるしっとりした鰹。
筋子 ♡
芯のあるシャリとトロトロな筋子のコントラストが口の中で絶妙にマッチする一貫。今の時期、いくらを供するお店が多いですが、この筋子を超えるものは出逢えてないです。
鰯 ♡
赤酢で〆ることで、金色に輝く鰯に。また皮も残しているので、美しい鰯の模様から赤い身が映えることでエロさ全開の1貫となっています。
真梶木 ♡
脅威の55日熟成。コーヒーのような独特の風味がする種で、口の中を支配するようなねっとり感は素晴らしい。かつては鮨種の花形と言われた魚ですが、この「すし 㐂邑」では今でも花形です。
玉
しれっと高級な魚を使っている玉。半熟カステラのような感じです。
今回もつまみ・握り共に素晴らしいの一言。熟成した魚は、本来持つ旨味や香りが格段に跳ね上がって、他店では味わえないような妖艶さを醸し出して、まるで魔法をかけられたように別物となります。この熟成という魔法は食べた人の心をも掴む魔法のようで、その場にいる全ての人を魅了してやみません。そして、つまみは完全に鮨店ではなく、日によってはバケットやパスタなども供されることもあり、全てにおいてオリジナリティを感じさせる大好きな鮨店です。
木村親方、お母様ありがとうございます。また宜しくお願いします。26000
2018.7.
4月の訪問時から、初夏に来ようと思っていた二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪。学者肌の親方・木村康司さんの熟成という魔法をかけられた旬の魚は、他店と一線を画す味わいがあります。風に揺れる白い暖簾を潜り、今夜も約束された絶品の鮨をいただきましょう。
本日の献立
蛤のスープ
「すし 㐂邑」の白のスープ。何も加えていない蛤100%スープは、一口毎に身体へと染み渡るよう。
鮑のリゾット ♡
口に近づけると鮑の香りが華やぎ、芯を一本残したかのようなシャリを濃厚な肝ソースが包み込みます。美味しい♡
海胆のカッペリーニ ♡♡
某イタリアンシェフ監修で完成したという「すし 㐂邑」この夏の新作。確認しておきますが、ここは鮨店です。四万十川の青海苔と海胆で作ったカッペリーニは舌に絡みつく濃厚さがありながらも、後味はすっきりとした感じ。
焼き穴子
旬の穴子は焼き物に。腹と尻尾の部位を食べ比べ。噛み締める度に溢れる脂は、やはり旬の力強さを感じます。
鮨店のスープ・ド・ポワソン ♡
残った内臓や骨などを使った「すし 㐂邑」の赤のスープ。傾けてもなかなか落ちてこないようなとろみは、前日のシャリだと言う。しかも、バケットまで出されます。ますます鮨店とはかけ離れていくw
渡り蟹の塩辛 ♡
日本では蟹を生で食べることが少ないという発想で生まれたブランデー香る「すし㐂邑」流のケジャン。誰もが黙って蟹にしゃぶりつくので、店内は静かです。
ガリ
白烏賊
細かく切られているので、口に入れると甘さが広がって溶けていきます。
甘鯛
僅かに残る歯応えと驚くほどの甘みが最初に伝わります。これが甘鯛と言える所以なのかな。
鶏魚 ♡
これは最初に芳醇な香りが鼻を抜けて、甘みが広がっていきます。
黒鯥 ♡
鶏魚よりも後味として濃厚な甘さが名残惜しむように伝わります。
金目鯛 ♡
ダイレクトに伝わる濃厚な脂のアタック、そして最後にふわりと香りが残ります。
〆鯖 ♡♡
今まで食べてきた〆鯖とは、異次元のもの。生の脂よりも濃厚であることは勿論ですが、洗練されて研ぎ澄まされているかのよう。
間八 ♡♡
ねっとりと舌に絡みつくような身が、芯を残したシャリと絶妙なマリアージュを奏でます。
鰹
口に入れた瞬間に薫香が広がり、エシャロットの薬味が食感と風味を与えています。
鮑 ♡
鮑というと味は勿論ですが、プリプリとした柔らかさを楽しむことが多い中で、これは断然に香り。シャリを包むように握られていて、ぶわりと香りが広がります。
鰯 ♡♡
皮目は金色に輝き、包丁の切れ目からは真紅の身が現れていて、何てエロい鮨なんでしょうw他店よりも一段上の凝縮された脂は、素晴らしい。
真旗木 ♡
木村さんの熟成の真骨頂であり、スペシャリテでもある真旗木。熟成期間は驚異の1カ月以上で、コーヒーのような風味もあります。真旗木は、鮪を食べなかった時代では鮨の花形だったらしい。ここ「すし 㐂邑」では今もなお、鮨の花形です。
穴子 ♡
甘く焚くのではなく、焼かれた穴子。これも香りが凄い。舌にまとわりつくような穴子は何度も食べたことがありますが、香りを楽しめる穴子は初めてかも。
玉
実はかなり高級な白身を練りこんでいる玉。確りとした甘さがあります。
つまみは鮨店なのか?と疑問が残るほどですが、実に面白く何より美味しい。特に今回は新作という『海胆のカッペリーニ』の完成度が高すぎて驚きました。濃厚なだけだと食べ飽きますが、これならばいくらでも食べれます。
最初に出される食べ比べとも言える白身の握りは、非常に面白い。熟成期間にもよるのでしょうが、香りや甘さの感じるタイミングやその深さがそれぞれ違っていて、旬の魚の魅力を感じました。残念だったのは、貝や小魚が少なかったことかな。由良産の赤海胆もちょっと期待していたので、夏の間にもう一度来たい。
木村親方、お母様ありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.4.
最後に訪れてから季節は巡り、はやいもので1年が過ぎました。二子玉川にある熟成鮨のパイオニアである木村康司さんのお店「すし㐂邑」。ずっと完全に予約は受動的だったのですが、そろそろ食べたいなと思って、積極的に動いてみました。結果、1週間も経たないうちに再訪が決まってしまいました。
本日の献立
蛤スープ
まず供されたのは「すし㐂邑」の白のスープ。蛤から出る出汁のみですが、いつもながらに美味しい。大きなお椀で飲みたい味わい。
牡蠣バター
「すし㐂邑」らしい小さな小皿で出される料理。牡蠣の旨味とバターのコクが一体となった素晴らしいアテです。売っていたならば、間違えなく買う!
海胆蕎麦
初の海胆蕎麦。口当たりは確りと蕎麦、後味は濃厚な海胆の味。鮨店で全員が蕎麦を啜る音が響く…なかなかシュール。
貝と山菜のぬた ♡
貝は青柳・平貝・海松貝、山菜はウド・菜の花。春を感じる一皿で、それぞれの貝の香りや甘みと山菜の食感が楽しめます。
マナガツオの焼物 ♡
箸を入れるだけで、分かる。このフワフワ感。マナガツオって、こんなにジューシーでフワフワした食感だったけ?と思うほど。大根おろしも食感が異なる2種かけられていて、面白い。
虎河豚のお椀 ♡
出汁だけの為に虎河豚を使い、沸騰させずに8時間。その後、薄口醤油を一滴。特大の白子はそのままだったり、出汁に溶かしてもいい。兎に角、この出汁が美味しい。
ガリ
海苔巻き
まずはシャリの味を確かめるかのように、海苔巻きを供されます。これが実に美味しい。
鶏魚
ふわりと香る甘い鶏魚の香り。口の中で広がる豊潤な甘さが熟成の魔法。
桜鱒
20日熟成の桜鱒。身はとろけて、固めのシャリと混ざり合う素晴らしいマリアージュ。
甘鯛
味わいがとても濃い。繊細な甘さがある甘鯛ですが、これは甘鯛が甘鯛たる味わい。
鳥貝
今年初の鳥貝。肉厚で、特にワタが甘くて美味しい。
縞海老
エロティックな縞海老。どこかコーヒーのような深みがあり、固めのシャリと絶妙に合います。
鯵 ♡
銀色の中なら現れるピンク色の身。なんとも妖艶な見た目。そして、味わいもまた妖艶。
皮剥
大きな肝を挟んで握られる皮剥。肝の濃厚さが際立ち、身の甘さも感じられます。
鰤 ♡
中に忍ばせたエシャロットが絶妙な辛味と風味が、この鰤を輝かせます。
海胆 ♡
天草の漁師さん直送のもの。木箱に入っている綺麗な感じではありませんが、こんなトロトロで香り高い海胆は食べたことがない。
メジマグロ ♡
これはヤバい!口に入れると、ふわりと薫香が広がり、尋常ではないとろけ方がシャリと絡みます。とろけ方は、極上の鮪よりも上かも。
鰯
金色を帯びた身、光り物はなんてエロティックなのだろう。口当たりは酢の味わい、そして鰯の脂が広がっていきます。
真旗魚 ♡
脅威の55日熟成。「すし㐂邑」のスペシャリテとも言えるこの種。ねっとりとする身は、どこかコーヒーのような香りがあり、舌に絡みつきます。
鰹の手捏ね寿司
鰹は味わいと風味が違う2種の部位を使い、シャリには茗荷・紫蘇・胡麻などで香り高く、より一層シャリのパラパラとした食感が分かります。
玉
ほんのりと甘く、静かに今日の幕が閉じてゆく感じです。
久々の「すし㐂邑」。つまみは変化球に富み、握りは旬を大切にしながらも唯一無二の味わいの種が並びます。どの種も香りととろけ方が異常とも言えるほどで、そこに固めのシャリが混ざり合う味わいは、外れがなくどれも唸ります。特に真旗魚などの長期熟成にも耐えうる大きな魚の味わいは、他店では絶対に味わえないもので、美味しいを通り越して「凄い」という言葉がしっくりとくると思います。特に今回は『鰤』『海胆』『メジマグロ』が凄かった!出逢えたならば、ラッキーと思った方がいいかも。先週までは『鰊』があったそうで、食べられなかったのが惜しまれる。
次回は真夏くらいに、熟成という魔法にかけられた鮨を味わいに再訪したいです。
今回もご馳走さまでした。
2017.3.
急なお誘いを泣く泣くお断りすること2回。そろそろか?そろそろか?とソワソワしながら待つこと数ヶ月。「すし 㐂邑」から初春の嬉しいお電話をいただき、スキップしながらやってきました。
熟成鮨の先駆者でありながらも、他の追従を許さないその熟成の仕方は、まさに変態(笑)行ってみたいと思われている同業者の方も多いそうで、他店で行ってるというと驚かれることもチラホラ。そんなお店から季節毎にお誘いしていただけることは、幸せです。
本日の献立
蛤のスープ
ただ優しい味わい。「すし 㐂邑」の白のスープ。
鮟肝バター♡
鮟肝を蒸して、藁で薫香をつけて、裏漉しして、発酵バターを加えたもの。このバター、常備しておきたいっ!
子持ち槍烏賊
身は柔らかく、子はモチモチプリプリしていて、美味しい。
このこ蕎麦♡
海鼠の卵巣を干したこのこを、なんと蕎麦と和えたもの。少量ですが、最高に美味しい。
太刀魚の焼物
鮨店でよく出される焼物ですが、大根おろしが違います。上にはしっかりとおろした大根ですが、下に細かく刻んだものが忍ばせており、食感も楽しめます。
牡蠣飯♡♡
松島から直送の牡蠣は、ただ蒸しただけ。牡蠣90個を叩いて、スープを作り、濾したもので炊いたご飯を添えて。香りも素晴らしく、味は絶品と言う以外にありません。
虎河豚スープ♡♡♡
虎河豚3匹の身と骨を叩いて、スープにして濾した後に、皮を加えるととろみがつくらしい。そこに焼いた白子を加えたもの。味付けは、塩のみ。まさに虎河豚を食べてる感じになるスープ。
ここから握り
海苔巻き
まずは極上の海苔と固めのシャリとのハーモニーを味わいます。海苔巻きで、歓声が上がるのは、ここだけでしょうね。
白烏賊♡
木村親方の白烏賊を削ぎ切りにする技術を見た後に握られます。削ぎ切りにすることで生まれる食感、でも一番の意図は烏賊の甘さを引き出すこと。口に入れると、瞬間にとろけるというかなくなる(笑)そして、極上の甘さが広がります。
鰆♡♡♡
砂ずりの部分は種とシャリの間に入れて、握られます。ここまでとろける鰆があるのだろうか、ここ「すし 㐂邑」にはあります。
小鯛
春子ではなく、小鯛。というものは、熟成させて身を削るので春子だと身がなくなってしまうだからだそう。昆布〆ですが、ほんのりと脱水程度。
鳥貝
仕入れて直ぐに使うことはないという貝は、独特の臭みを取り、本来の良さを残しています。
鯵♡♡
凄い大きさ。口に入れると、熟成4日目の鯵が溢れます。ジワリと旨さが押し寄せ、一気に畳み掛けられます。
金目鯛♡♡
後味の余韻が長く、脂は唇に張り付くよう。噛みしめる度に広がる甘さも秀逸。
北寄貝
かなりの肉厚。噛みしめると、北寄貝の甘さが広がります。剥きたてでは味わえない甘さです。
鰹の手捏ね鮨
ここまで味が濃縮した鰹は、他店では味わえない。
皮剥♡♡
身だけでなく、肝も熟成させているという皮剥。旬は夏と思われがちですが、産地を変えれば長い期間扱えるそうです。現地まで行って、そこの漁師さんとのコミュニケーションがなせる技ですね。
メジマグロ♡♡
塩で脱水して、塩抜き後に削って藁で薫香を付けてます。その薫香も素晴らしく、味が濃縮して美味しい。
海松貝♡
凄い肉厚。海松貝は貝自体は大きいですが、使えるとこはほんのちょっとなので、ここまでのは中々出逢えないかも。
加治木♡♡
独特のコーヒーのような香りのする加治木。ねっとりと口の中で暴れ、溶けていきます。二カ月弱の熟成は、驚異的。9キロ近くのものを1キロくらいまで削るという、まさに変態の鮨です(笑)
海胆♡
珍しい「すし 㐂邑」での握りの海胆。固めのシャリに絡む海胆の濃厚な甘さがいい。そのまま仕入れて、殻剥きした後に和紙で包み、塩で脱水したものを握っています。
親魚(ふるせ)
私の前にあったので、気になって「アレ、何?」と聞いたら出してくれました。小女子の親だそう。酢、生姜、醤油などで8時間ゆっくりと炊いたもの。柔らかく、お酒のアテにぴったり。
親方とお母様、今回もお誘いをありがとうございます。久しぶりにいただきましたが、魚はその脂を身全体に染み込ませるような熟成と貝は臭みを取り、本来の良さだけを残すようにする親方の技術には脱帽です。鮪を使わない理由は、「自分で見て触って選べないし、鮪を褒められても自分が褒められてる訳ではないので、嫌だ」とユーモアたっぷりの親方らしい返答でした。
次回はいつなのか分かりませんが、出来れば夏の『由良産 赤海胆』をまた食べたいです。
今回もご馳走様ー!
2016.8.
土曜日の22時。突然、鳴る電話。着信画面を見ると、「すし 㐂邑」。やっと食べられると思い、電話に出ると
「nao.さん?明日の夜、如何ですか?」
「え?あ、明日ですか?」
さすがにちょっと用事もあり、一旦は泣く泣くお断りをしたのですが、2分後もう一度電話。
「やっぱり行きます!」
という具合で、諦めかけていた夏の「すし 㐂邑」を味わいにやってきました。実は夜は初になります。といっても、前回からメニューを一新されて、摘みと握りの夜の献立だけになったので、昼でも夜でも私としてはどちらでもいいわけです。
白い暖簾をくぐり、親方とお母様に今夜のお礼を言って、スタートです。
実食
蛤のスープ
最初に供される「すし 㐂邑」の白のスープ。味付けはおそらくなし、濃厚でありながら優しい味わい。
蛤のオイル漬け
蛤を藁で炙って、米油でオイル漬けにしたもの。薫香と噛み締める度に、蛤の旨味が半端ない。
ミンククジラ ケジャン乗せ ♡♡
なんだろう?このプルプルな身質、そして濃厚であっさりとした脂。ケジャンの辛さが素晴らしいアクセント。ここが鮨店であることを忘れます。
渡り蟹と猿海老のペースト ♡
味付けは塩のみ。渡り蟹と猿海老を蒸して、殻ごとすり潰して裏ごししたもの。渡り蟹と海老の風味が凝縮されていて、食べた瞬間に鼻に抜けます。パンにつけたら、サイコー。
真名鰹の焼物 ♡
ここまでジューシーな真名鰹は、あまりお目にかかれない。ご飯を、ご飯を下さい!
鮑のリゾット ♡♡♡
悶絶クラスの美味しさ。鮑の全てがこの小さな器に凝縮されていて、身もたっぷり入っています。これだけでも、ここに来る理由があります。
鮨店のスープ・ド・ポワソン
「すし 㐂邑」の赤のスープ。残った魚を全て、骨や鱗までも使ったスープ。濃厚なとろみは、酢飯。味付けもこの酢飯だけだそうで、残り物とは思えないほどの美味さです。
ここまでは日本酒をいただきました。お任せで、『会津中将』→『悦凱陣』という流れ。さて、第2幕の握りスタート。
海苔巻き
真鯛
白川
春子
秋刀魚 ♡♡
6日の熟成だそうで、脂と旨味が段違いです。
北寄貝
金目鯛 ♡
筋子 ♡♡♡
熟成の筋子。見た目は煌めく、宝石のよう。クセや生臭などは微塵もなくて、美味さだけが凝縮した感じ。「すし 㐂邑」でしか食べれないスペシャリテと言っても過言ではないと思います。
鮑 ♡
赤海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
今年も出逢えた幻といってもいい淡路島由良産の赤海胆の大粒。この時期には毎年入荷するそうで、由良の漁師さんとの強い繋がりを感じました。
鰤 ♡♡
クセのある鰤が濃厚な脂だけを残して、熟成したもの。今が走りだそうで、年内には終わってしまう種。
鰯 ♡♡
今は何処の鮨店でも食べられるであろう鰯。6日の熟成と6時間の酢締めによって、他店では味わえないほどの鰯になっています。
梶木
穴子
玉
追加は基本的に食べていない種なのですが、今夜あったのは『縞鰺』と『ほうぼう』。でも親方はどちらのオススメしてないようなので、今年最後であろう『赤海胆 淡路島由良産』をおかわり。色々な産地の海胆は食べていますが、私的にはこの海胆が好き。濃厚さの中に、柑橘系の果物のような爽やかさがあります。親方が個人的に由良の漁師さんと取引しているそうなので、夏にここへ来ることが出来たら食べられるわけですね。
今夜も最高でした。親方とお母様、ありがとうございます。また、お電話をお待ちしています♡
2016.5.
来店時に次回の予約をしていたのですか、予約システムが変わり、次回の予約日が分からないまま過ぎること3か月。初夏の「すし 㐂邑」を楽しめる日がやってきました。
いつもは『握りコース』というランチのみで提供しているのを食べていたのですが、昼も夜と同じ『おまかせコース』のみを提供するようになったそうで、今回が初になります。
本日の献立
『蛤の出汁』
本当にそのまま。ただ濃厚という点を除いては。
『河豚の白子』 ♡
口当たりは濃厚、でも後味はどこか爽やか。ちょっと温いので、甘さも余計に感じます。
『真魚鰹』 ♡
幽庵焼きや西京焼きなどは食べ慣れてますが、味付けは極々薄味のもの。脂ものっていて、ジューシー。
『鮑のリゾット』 ♡♡♡
コレがずっと食べたかった!生臭さなど微塵もなく、濃厚な肝ソースと柔らかな鮑の身、固めに炊かれたシャリとが絶妙。
『鮨店のスープ・ド・ポアソン』 ♡
残ったアラ・頭・内臓・鱗も一緒にスープしたもの。すごくトロリとしているのだけど、これは残ったシャリを入れているからだそう。美味しいしか言葉がない。
『渡り蟹の塩辛』
なんと、ブランデーが隠し味。お酒が進んでしまいますねー。「すし 㐂邑」流のケジャンです。
握りスタート
『白烏賊 5日』
薄く薄く切り、さらにそれを素麺のように切り、纏めて握っています。口に入れた瞬間になくなるっ!そして、口には甘さだけが広がっていきます。
『真子鰈 7日』
まだ食感は残っていて、甘さに深みがあります。真子鰈は他店でもこれからよく食べますが、この深みは味わえません。
『鶏魚 14日弱』
魚はこんなにも甘いものなのか?そんなことを感じながら、味わいます。
『縞鰺 7日以上』
身は柔らかで、甘さも秀逸。脂は強いわけでもなく、程よい。美味しい。
『小鯛 昆布〆』
皮まで凄く柔らかい。昆布〆ですが、ほんのりと纏っている程度で、小鯛自身の味をちゃんと味わえます。
『金目鯛 21日』 ♡
甘さは秀逸。脂も口の中で、どんどん溶けていく感じです。美味しい。
『鰺 4日』 ♡♡
かなり身は厚く、なんとも食べ応えがあります。小さな魚は熟成した後に身を削れないので、熟成期間は短いそう。さすがに旬のものは、美味しい。
『海胆 食べ比べ』 ♡♡♡
時計周りで、『長崎 平戸産』『長崎 壱岐対馬産』『長崎 五島列島産』『福井 小浜産』『青森 陸奥産』。
産地によって、これほどに味わいが違うのかを再確認できます。濃厚であったり、後味に磯の香りがあったり、爽やかであったりとしますが、やはり餌の昆布の味わいはちゃんとするのですね。個人的には爽やかな甘さがした『長崎 平戸産』のが好きかな。夏の「すし 㐂邑」は、『海胆』も食べ比べできる時があり、楽しいです。
『鮑』 ♡
山葵も煮切りもつけない「すし 㐂邑」流の鮑。シャリを覆うように大きく切りつけているので、薄くても十分な味わいがあります。
『真旗魚 30日』 ♡♡
かなりねっとりとした口当たりで、口の温度で目覚める脂。どこかコーヒーみたいな味わいがする不思議な感じ。
『鰹の手こね寿司』
10日ほど寝かせているという鰹はモチモチとしていて、食感も楽しい。鮨として握るよりも、この方が鰹がちゃんと味わえるのだそう。
『玉』
海老などを入れている鮨店は多いですが、「すし 㐂邑」ではなんと白身(甘鯛)を使っているそうです。小さいながらも、甘さが濃い。
『鰺 〆』
「食べてないの、食べる?」と親方に聞かれて、追加。珍しい〆た鰺。かなり寝かせてる感じですが、身は柔らかで美味しい。
久しぶりの「すし 㐂邑」は、やはり美味しい。このお店のコンセプトが「熟成」ということで、旬のものもちゃんと熟成されています。「旬なのだから、生でいいのでは?」と思うかもしれないですが、それでは仕事を施す他店と何ら変わらないし、「すし 㐂邑」らしくない。甘味や旨味が増す熟成ですが、主に白身がメインなのでどうしても同じような味わいになるかもしれないです。しかし、他店でこの白身の味には、まず出会えない唯一無二の味。木村親方が目指す「干物のような鮨」がここにあります。
2016.2.
「見らく少なく 恋ふらくの多き」
まさにこの心情を私にくれるお店が二子玉川にある「鮨 㐂邑」です。今回は、去年の11月の訪問から3カ月という期間を空けての再訪となりました。今回で4回目ということもあって、既に名前やあまりお酒を飲まないことも覚えて頂き、更に席まで決まってきました。実に有難いことです。
今回も『握りコース』で、楽しむことにしましょう。
今回の献立
海苔巻き
握りのスタートは、まずここから。パリッとした海苔と固めに炊かれたシャリのマリアージュを楽しみます。海苔は香りもよく、一粒一粒がわかるようなシャリとよく合います。
鰆
ほんのりと桜色で、色っぽさがあります。3週間熟成だそうで、とろける脂の中でほのかな甘みを感じます。
白川(白甘鯛)
2週間熟成。白身の中でも、特に珍重される高級魚です。比較的にさっぱりと食べられる白身ですが、ここでは違います。鮪をカルビとするならば、さしづめロースといった感じでしょうか。
甘鯛
まさかの食べ比べ。白川に比べて、水分が多い甘鯛ですが、程よく脱水されて繊細な脂を感じます。
細魚
鳥貝
小鯛昆布締め
金目鯛 ♡♡♡
元々脂がありすぎるので、あまり鮨タネとしては見かけない魚です。その脂をコントロールして、味わうのだから不味いわけがない。
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、肝と浅葱を挟んで握られています。皮剥といえば、肝が欠かせないわけで、独特の生臭もなくて美味しい。
水松貝 ♡
貝はフレッシュ。コリコリサクサクとした食感を楽しんだ後、鼻から磯の香りが抜けていきます。
鰹
スモークをしていることで、薫香も楽しめます。
小鰭
1週間熟成。かなりしっかりと締められていますが、酢はさほど感じません。
間八 ♡♡♡
40日熟成。過去に悶絶級の美味しさだったタネにまた出会えました。脂をたたえながら、とろける味わいは他店では食べれません。
真旗魚 ♡
昔は鮪よりも食べられていたタネで、桜が咲くまで美味しく食べられるのだそう。ヅケにして、更に熟成しているようで、口の中でとろけます。
穴子
玉
追加
墨烏賊
未食だったのが、このタネ。サクサクとした墨烏賊と固めのシャリの食感のコントラストを楽しめます。今回も全タネ制覇です。
久々に食べて思う。
「やはり白身と青魚に関しては、群を抜いている」と。
予約システムが変わったようで、次の予約日はまだ未定。でもお電話を下さるとのことなので、また親方の鮨に逢えることを信じています。
2015.10.
予約困難と言われるお店に、何の伝も面識もなく、通うことができる。これは食べ歩きをしている者にとって、何と幸せなことでしょうか。その喜びを実感しに、二子玉川にある「すし 㐂邑」に再訪です。
藍色の暖簾をくぐり、店主の木村さんとフランクな挨拶を交わし、女将さんからは名前で呼ばれるようになりました。嬉しいかぎりです。
ランチでも夜のコース料理を食べることができますが、さほどお酒も飲みたくないので、今回も握りです。余談ですが、隣の方に『鮑の肝リゾット』が出された時は、「コースにしとけば…」と思いましたけど。
実食
海苔巻き
いつものお決まり。少し固めのシャリとパリパリの海苔の食感と香りを楽しめます。
鰆 14日熟成
実は秋冬が美味しいらしい。
真鯛 10日熟成
鶏魚
小鯛昆布〆
皮剥 ♡♡
シャリとタネの間に、たっぷりと肝を挟んで握っています。
北寄貝
鱚
秋刀魚
金目鯛
鰹 ♡♡♡
口に入れると、薫香が鼻を抜けます。そしてシャリと共に蕩ける。実に美味しい。
鰤 ♡
筋子 ♡♡
舌にいつまでも絡みつく濃厚さ。
鮑
蝦蛄 ♡♡♡
茹でたて。甘さと独特な香ばしさがあり、格別に美味しい。
真梶木
穴子
玉
今回も全制覇。実に、至福とも呼べる時間でした。勿論、仕入れ状況もあるでしょうが、『蝦蛄』は是非もう一度食べたい美味しさ。さすがに数が少ないのでしょう、おかわりは叶いませんでしたが。
次回の予約日は、なんと2月!行けるだけいいけど、だんだん予約が取れなくなってきてますね。まあ、年の初めと終わりということもあるでしょうが。
とても早いですが、親方と女将さん、来年も宜しくお願い致します。
2015.9.
二子玉川にある熟成鮨の名店「㐂邑」に再訪。今回もランチで、『握りコース』を味わいます。
本日の献立
海苔巻き
まずは、お決まりのコレから。パリッとした食感の香りのいい海苔に、少し固めに焚かれたシャリとのマリアージュを楽しみます。
墨烏賊
真鯛
白川(白甘鯛)
小鯛 昆布〆
秋刀魚 ♡
ゆっくりじっくりと脂が出てきます。次元の違う秋刀魚です。
北寄貝
鮍 ♡
タネとシャリの間に肝を挟んで、握っています。美味しすぎです。
〆鯖 ♡♡
〆られているとは思えないほどに、艶っぽさがあり、脂も凄い。
鯵
鰹
口に入れると、薫香が鼻を抜け、旨味が広がります。
筋子 ♡♡
名物とも言える熟成の筋子。ねっとりととろけながら、まるで卵かけ御飯を食べているかのような濃厚さを味わえます。
海胆 淡路島由良産 ♡♡♡
珍しい淡路島の由良産の海胆。海胆なのに、フルーティな味わいがします。
鰤 ♡
軽く燻られています。閉じ込められた旨味と脂が一気に弾けます。
鰯 ♡♡♡
大トロに匹敵するほどの濃厚な脂。美味しすぎ!
鮑 ♡
中心部分で、シャリが見えないほどの大きさ。磯の香りが感じられます。
鰉づけ
穴子
玉子
縞鯵
追加したのは、本日未食の『縞鯵』となかなか食べれない『由良産 海胆』。今回も13100円と、素晴らしいCPとそれを遥かに上回る怒涛の感動。白身と青魚では、このお店を超える所はあまりないのでは?と思います。
次回の予約も無事に取れたので、一片の悔いなしです。
2015.7.
どの時代、どの業界にも、異才を世に放つ人物がいる。その強過ぎる個性は、人を選ぶのかもしれない。今回、訪れたのはそんな雰囲気を漂わせる鮨店です。
二子玉川駅。
初めて降りる駅ですが、駅前に高島屋やライズなどがあり、かなりオシャレな雰囲気で、賑わっています。そんな場所と真反対側には、どこか懐かしいような商店と住宅街が広がっていて、そんな中に白い暖簾を翻している鮨店「すし㐂邑」に初訪問。ミシュラン**に輝く名店であり、かなりの予約困難店ではありますが、1人ということで何とか予約できたわけです。この鮨店の特徴といえば、何と言っても店主木村康司さんが創り出す「熟成」です。それも熟成しやすい鮪で勝負するのでなく、他店ではあまり見られない白身などの熟成をいただけるそうで、未知の領域で楽しみ。
灼熱の当日。
お店には開店前でしたが、暖簾が下がっており、名前を告げると中に入れていただけました。逆L字のカウンターに6席設けてあり、広々としていて、余計な物が一切ない印象的な凜とした店内です。水曜日と日曜日のみランチ営業をしており、『お任せ握り』とつまみと握りの『お任せコース』があり、私は『お任せ握り』を事前にお願いしていました。
12時になり、お客さんも揃ったところでスタートです。
実食
・海苔巻き
握りが始まると、まず東松島産の『皇室献上の浜』という海苔で巻いた海苔巻きを手渡されます。少し固めに炊かれたシャリは、一粒一粒を確認できるかのような食感の中、赤酢を感じる個性的な味わい。
・真鯛
「鯛って、こんなに甘いの?」って思うほどに、甘みが凝縮してます。
・白烏賊♡
入店した時から仕込んでいました。10日寝かせたという白烏賊を薄く薄く切り、黄身醤油をかけて供されます。口に入れるとすぐに溶けちゃう。烏賊の甘みと黄身の濃厚さがいいです。
・白甘鯛♡
14日寝かせたものだそうです。白甘鯛って、確か他の甘鯛と違ってかなりの高級魚だったと記憶してます。ねっとりと甘く、旨味が凝縮して、素晴らしいです。
・春子昆布〆
7日寝かせた小鯛。昆布の味と春子が持つ甘さが濃厚。
・鯵
4日寝かせるそうで、色気すら感じます。脂はありますが、あっさりとして、美味しい。
・金目鯛
これは14日熟成。ここまできたら、熟成期間は驚きませんね(笑)脂は濃厚で、後味に独特の余韻が残り、美味しい。
・北寄貝
さすがに貝類はしないようで、昨日だそうです。裏返して握っているので、肉厚の歯応えが違います。
・鰯♡
キレがあり、まるでジュースのような脂のりです。
・赤雲丹♡♡
食べ比べ。上が鹿児島産で、下が長崎産だそうです。産地が違えば、エサも違うということで、同じ赤雲丹ですが、風味と甘みが違いますね。この違いを言葉に出せない文才の無さに怒りさえ覚えます。
・鰹
噛むたびに藁の薫香が鼻を抜け、爽やかな脂が広がっていきます。
・縞鯵
名物の筋子の代わりに。濃厚な脂乗りです。
・蒸し鮑
身全体を食べられるように、薄くスライスして、山葵や煮切りなどをつけずに、そのままでシャリを包み込むようにして供されます。美味しい。
・鯵酢〆
見た目は生っぽいですが、しっかりと〆られていて、食感はしっとりとしています。
・穴子
ホクホクの食感です。ツメはさほど主張せずに、穴子を楽しめる感じ。
・玉子
・間八♡♡♡
追加注文で。他に食べてないネタありますか?と聞くと、数点あったのですが、「じゃあ、間八で」と言うと、木村さんがニヤリとして、「ギリギリだよ?」と言いながら出してくれました。
なんと、1カ月熟成させてるそうです!10キロの間八で、使えるのは3キロほどだという職人泣かせの食材だそう。目の前で1/3くらいは切り捨ててましたし、贅沢ですね。余分な脂と水分は抜け、旨味が凝縮していて、次元の違う間八です。
熟成のコツは?と聞くと、水分と温度管理とのこと。塩を振り、水分を抜いて、毎日余分な水分を取り、トリミングするというとても手間のかかる贅沢な方法で、仕上げているそうです。鮨といえば、やはり銀座というイメージの中で、この二子玉川にお客を呼ぶ。その為に辿り着いた方法が、この個性的な「熟成」だったというわけですね。鮨の花形と言われる鮪をあえて使わず、白身魚や青魚の熟成で勝負した親方の研究心と努力には、頭が下がります。
そして、会計にも驚きが。これで、11700円。ありえない良いCPです。
個性的なシャリに、独創的な白身魚や青魚がメインなので、「鮨は、鮪有りき」と思ってる方には向かないかもしれないです。でも私は「理想の熟成は、干物なんです」と仰った親方の笑顔に逢いに、またこの暖簾をくぐります。
4位
1回
2018/10訪問 2018/11/29
2018.10.
「最高と思った鮪は、この10年で2本だけ。1年を通しても、気に入る鮪は1本くらいです」
輝くような白木のカウンターの向こうからそう語るのは、中條 清隆さん。横浜中華街から2017年に関内へと移転し、屋号を「なか條」と改めて、鮨を握る生粋の職人堅気の親方です。中條さんは築地(現豊洲)で、その日の1番いい魚を持っていく男として有名な方であり、中でも1番の拘りを持ってらっしゃるのが鮪。そんな鮪は鮪卸問屋の雄である「やま幸」から仕入れているそうで、「やま幸」社長の山口 幸隆さんとも10年以上の付き合いがあり、お互いに認め合うほどに鮪への情熱が凄まじい方です。
予約は1ヶ月半くらい前に、思いつきで電話したらあっさりと取れました。その際に聞かれたのは、予算と内容(握りと摘みの割合)。私はやはり鮨店なので、握りをメインで食べたく、予算を3万円・摘み少量ででお願いしました。
当日。
関内駅から5分くらいの細い路地にある黒い塀、足元にぼんやりと光る灯りとたなびく白い暖簾。
「なか條」
今夜の舞台です。逆L字のカウンターに、鮨店で珍しい肘掛付きの椅子が10席と個室を完備している綺麗な店内。今回は親方の目の前に座らせていただき、酔いしれましょう。
今夜の献立
摘み
まずは大きな皿が目の前に置かれ、そこには若芽と茗荷。これが摘み用の皿みたい。
鮑
小ぶりな鮑のようですが、身はとても柔らかく、香り高い。
皮剥
すごい小さな身を浅葱に巻きつけて、供されます。肝醤油か肝ポン酢かを選ぶことが出来るみたい。
ナガスクジラの尾の身 ♡
いつも尾の身を見ると、まるで牛肉みたいと思ってしまいます。牛肉よりも上品に蕩けて甘みもあり、実に美味しい。
牡丹海老 ♡
特大のものを半生に仕上げています。牡丹海老は大抵生で供されることが多かったので、目から鱗の一品でした。
鰆 ♡
表面を軽く炙っていて、辛子醤油でいただきます。鰆のほんわりとした甘みと香ばしさも合わせて、実に美味しい。
ここから握り
新烏賊
新烏賊としては、そろそろ終わりかな?という大きさ。純粋無垢なサクサク感です。
真羽太
鮃が好きではないという親方がこの時期に使うのは、羽太。寝かせてあるみたいで、身に甘みが広がっています。
黒睦
艶めいた身は、どこかエロチック。白身ながらも脂は十分。
春子鯛 ♡
橙酢で〆て、更に黄身酢おぼろで〆て、供する前に酢橘を絞るという手の込んだ春子鯛。皮目は柔らかく、羽毛布団のような極上のフワフワ感。
白川
銀座でもなかなか出逢くことが少ない白身の中でもピカイチの高級魚の白甘鯛。焼いてよし、蒸してよし、握ってもよしの脂も甘みも上品な味わいです。
〆鯖 ♡
鮨店の〆鯖は鉄板の美味しさがありますが、これは別格の美味しさ。口の中で、一気に目覚めるような鯖の旨味が堪りません。
鰤 ♡
北海道羅臼産。煮切りを弾くような脂は、温度が高いシャリと共に口の中で混ざり合い、瞬時に溶けます。
赤身 ♡
鮪の卸問屋の老舗「やま幸」から仕入れているもので、今回は青森県三厩産の釣り。握りに入る前から切りつけて、乾燥防止の透明なフイルムで包み、温度を上げます。
シャリも鮪には赤酢を効かせたパンチのあるものに変え、握られます。その食感はゼリーのようで、口溶けは中トロと分別が付きづらいほどに優雅。
中トロ ♡
甘みのある脂が口の中を駆け抜けて、香りのみを残していくよう。
大トロ ♡
分かりやすい脂の口溶け。鮪のジュースを味わっているような感じです。シャリとの相性もこの大トロが1番合っていると感じました。
これでも「ウチの鮪としては、さほど…。それでも他店よりはいいけど、味が薄いんだよね」と仰る。中條さんが気に入る鮪は、一体どんな味わいなのだろう?
小鰭
これだけ肉厚な小鰭は、なかなか出逢えません。ジューシーというよりは、きりりと次の種の為に整える感じ。
いくら
ルビーのような輝きのいくら。心地よく口の中で弾け飛び、卵かけご飯のような味わいが広がります。
小柱 ♡
見たことないくらいの大星。香りと食感が素晴らしい!
赤海胆
北海道昆布森産。口に入れると、まるでジュースのように一瞬でとけ、昆布のような旨味が広がります。
赤海胆 ♡
赤海胆の食べ比べ。こちらは鹿児島県阿久根産のもので、味わいも全く異なります。こちらは旨味の爆弾のような感じ。私が好きなのはこっちかな。
蝦蛄 ♡
ここまで大きくて、綺麗なものは見たことがないです。蝦蛄から旨味が溢れてきます。蝦蛄好きとしては、堪りません。
車海老
これもまた特大の車海老。最近は主流になってきている半生ではなくて、確りと火を通してたもの。これは個人的にあまり好みではなかったかな。
煮蛤
確りと漬け込んでいるようで、噛めば噛むほどに味が増すような煮蛤。
穴子
穴子自体はトロトロで、舌に絡みつくような感じでとても好みな仕上がり。なのですが、煮ツメが辛い。個人的にはもっと甘い方がいいな。
干瓢巻き
クラシックな仕上がりで、これは好み。
玉 & 出汁巻玉子
玉は2種あるようで、右はふんわりとした芝海老が入ったもの。左は〆の玉としては、鮨店では珍しい?出汁巻玉子。
ほぼ貸し切り状態ということもありますが、かなりいいテンポで供していただきました。関内の色々なお店からは「美味しいけど、高い」という話ばかりを聞いていましたが、それは横浜という土地柄を踏まえてのこと。確かに客単価3万オーバーのお店は、横浜ではなかなかないと思います。その中での3万オーバーの鮨店というのは、確かに高い。でも内容から見ると、銀座で同じものを食べたら一体いくらかかるの?という素材の数々。親方に同じ事を言ったら、銀座だとだいたい1.7倍くらいはするそうです。それを考えると、決して高くはありません。
よくシャリを小さめにとお願いされることもあるそうですが、親方は断っているそう。それはこの鮨でお腹いっぱいにしてもらいたいからという思いが込められています。
親方の写真はNGとのことで撮りませんでした。ドスの効いた声と一見怖そうな親方ですが、聞けば色々と教えて下さる方なので会話してみて下さい。間違えなく、味とCPは銀座をも超えるお店です。
親方、ご馳走さまでした。また宜しくお願い致します。28250
5位
7回
2020/01訪問 2020/04/06
2020.1.
胃をシャトーブリアンで満たす日がやってきた。新橋演舞場の目の前にある白亜のお店「銀座ひらやま」です。ほわんっとした雰囲気を醸し出してらっしゃる店主の平山 裕也さんが炉釜で焼くステーキは素晴らしく、数ヶ月に一度の自分へのご褒美。美味しいのはステーキだけでなく、オードブルなどの料理もレベルが高く、スープ一つとってもかなり好みの味わいです。ステーキと他の料理も食べたい方は『シェフおすすめコース』がいいですが、私のように「肉!肉が食べたいっ!」と思う方はランチで提供している『特撰ヒレステーキコース』がオススメ。スープ・サラダ・特撰ヒレステーキ(100g)・ガーリックライス又は白飯・デザート・コーヒーで構成されています。
というわけで、今回もランチで『特撰ヒレステーキコース』をいただきます。
本日の献立
聖護院蕪のクリームスープ
滑らかで濃厚と感じながらも、重すぎない。相変わらずに美味しいスープ。
特製サラダ
丁寧に作られているというのが、いつも感じる第一印象です。特に必ず入れられている根菜がとても好き。今回は蓮根・牛蒡・薩摩芋ですが、食感も残しつつも下味が付けられていて美味しく、ちょっとした楽しみです。
特撰ヒレステーキ200g
今回は200gにしてみました。「焼き加減はいかが致しますか?」という平山さんの問いかけに「お任せします」と答えると、満面の笑みを返してくださる瞬間がここにやってきたという実感が湧き上がります。
炉釜で慈愛込めて焼かれる肉は、塩・胡椒すらも纏っていません。別皿で供される山葵・岩塩・醤油を使って、自分好みの味付けでいただきます。カトラリーで肉に触れると、それだけで分かる。この肉のフワフワ感。切るというよりは撫でるという表現がしっくりくる肉の断面は美しいロゼ色で、肉汁の一滴も出ることはありません。そして、口に入れれば、そのままにしておけば体温で溶けるほどの口溶けの良さ。咀嚼すれば、一気に迸る旨味がたまりません。私のオススメの食べ方は、ちょっと大きく切って頬張ること。勿論、5ミリくらいずつ食べるのも美味しいですが、塊で食べると旨味の爆流に飲まれます。傅く美味しさ♡
ガーリックライス
たいていはビーフカレーなのですが、今回はデフォルトです。厨房内の目の前にある鉄板で手際よく炒められるガーリックライス。鉄板で香り立つ醤油とニンニクの香りが食欲をかき立てます。具は全く入っていませんが、十分に美味しい。
プリン
今回もだったので、数種類から選べるようになったみたい。選んだのは勿論、プリン。見た目からだと固いプリンかと思いますが、実は滑らか系プリンなのです。切らずに丸々一個食べたい!
ヒレステーキは焼く前に「本日のお肉です」と平山さんが塊のまま持ってきて、見せてくださいます。それから切り出してトリミングするので、グラム数は増やすことも可能です。予想ですが、だいたい7000円/100gかな?200g超は皿の上での存在感が凄く、目を惹きます。勿論、味わいも間違いないはず。さすがにまだ200g以上は食べていませんが、いつかは食べてみたい。
今回も一分のぶれもなく、実に素晴らしかったです。平山シェフ、スタッフの方々ありがとうございました。33660
2019.10.
あまり焼肉店へ行かないのは、行きたいお店が1人だと行きづらいという理由の他に、数ヶ月に一度このお店に通っているからということもあります。そのお店は「銀座ひらやま」。
新橋演舞場の目の前にある豪華な造りの真白いお店です。ほんわかとした雰囲気の店主の平山 裕也さんは、常連もなかなか予約が困難と言われているステーキの名店「かわむら」の河村シェフと兄弟弟子という関係だそうです。「かわむら」ほどではないでしょうが、「銀座ひらやま」もディナーはかなりの高額を覚悟しないといけません。ですが、ランチならば…。
ランチメニューを見ながら、オードブルも美味しいのは分かっていながらも「肉を、肉を食べたい!」という気持ちが勝って、今回もスープ・サラダ・ステーキと『特撰ヒレステーキコース』でお願いしました。
南瓜のクリームスープ
ただ甘いのではなく、南瓜が濃密にされているといった感じ。やはりここのスープは、いついただいても美味しい。
特製サラダ
ドレッシングも美味しいですが、胡瓜やトマトの皮剥きは当たり前の中で、蓮根・南瓜・サツマイモも確りと個別に調理されており、とても丁寧に作られているというのがよく分かるサラダ。
特撰ヒレステーキ150g♡♡
綺麗にトリミングしたヒレを見せていただき、平山さんが焼き方を聞いてくれます。いつものように「平山さんのおまかせで」と言うと、満面の笑顔で応えてくれます。
デフォルトが100gのところを今回も150gに変えていただきました。200gも食べられないこともないですが、意外と後からキツいので150gくらいが私には丁度いいみたいです。平山さんが炉釜の中で、ヒレの位置や角度を何度も変えながら、まるでヒレを愛しむように焼く後ろ姿がとても印象的。
目の前に供されて、ナイフをヒレに当てるときっと分かるはず。この異様なまでのフワフワ感。塩や胡椒などの調味料や炭の香りすらも纏っていない肉本来の味は甘くて、香り高い。添えてある岩塩・山葵・醤油・マスタード・ガーリックチップを組み合わせながら、自分好みの味付けをして食べることができます。そして食べれば、「ヒレは飲み物だったか?」と戸惑うほどの口溶け。断面はまさに芸術品の一つとも言える美しさ。実に素晴らしい!
特製ビーフカレー♡
コレもデフォルトから変えていただきました。裏メニューの『ビーフカレー』です。スパイシーですが、肉と玉葱の甘味がたっぷりと溶け出しているので、口当たりは甘め。目立つ具は少ないですが、このルウ自体がほぼ肉。そんな感じのカレーです。
デザート♡
今回は盛り合わせではなく、選ぶことができたので『プリン』です。他のデザートも美味しいのですが、『プリン』もまた格別に私好み。プリン本体もカラメルも甘い、激甘なのです。
私以外は誰もいなかったので、提供も(食べるのも)早くて、僅か小一時間ほどの滞在でした。何度かランチは利用していますが、予約を制限してらっしゃるのか?元々予約がないのか?今まで満席というのを見たことないです。私としては予約も取りやすいので、嬉しい限りです。
平山さん、スタッフの方々。今回も感動をありがとうございました。次回は来年。宜しくお願いします。27070
2019.7.
数ヶ月に一度、シャトーブリアンでお腹を満たす日がやってきました。お店は「銀座ひらやま」。新橋演舞場の前にある真白な高級感漂う外観のステーキ店です。ほんわかとした雰囲気を持つ店主の平山 裕也さんは老舗ステーキ店「ゆたか」ご出身で、あの超高級店「かわむら」の河村さんと兄弟弟子だそう。
オードブルが確りと組み込まれたディナーメニューも捨てがたいけど、私のように純粋に肉を楽しみたいならば、ランチメニューの『特撰ヒレコース』がオススメ。構成はスープ・サラダ・ステーキ・ご飯と凄くシンプルですが、肉はヒレ中のヒレのシャトーブリアンなので、約束された口福の時間を過ごせます。
弧を描くカウンターの向こうにはある煉瓦炉釜には火が入っていて、肉が焼かれるのを待っているみたい。『特撰ヒレステーキコース』をオーダーすると、平山シェフが「今回のお肉です」とシャトーブリアンの塊を見せてくれます。デフォルトコースは100gですが、自分の食べたい量を食べることが出来ます(ちなみに50g=8000円)ので、お腹とお財布と相談して追加もありです。
『特撰ヒレステーキコース』
冷製コーンスープ♡
口に入れると、すぐに感じるトウモロコシの強烈な甘味。食感はとろりとして、シャリシャリもしており、トウモロコシのコクが素晴らしい。肉は勿論ですが、毎回このスープが実に美味しい♡
特製サラダ
夏野菜のオクラも嬉しい中で、やはりトウモロコシが美味しい。そして、火を入れたサツマイモの甘味も秀逸。酸味を抑えたドレッシングも好き。
特撰ヒレステーキ(150g)♡♡♡
デフォルトは100gの中で、毎回200gをいただいていたのですが、さすがにちょっと多いなと思って、今回は150gにしてみました。
「焼き方はどうしましょう?」の問いに「平山さんのお任せで」と答えると、「畏まりました」とニコリとする平山さんがいつも印象的。先程見せていただいた肉塊から切り出して、筋などを綺麗に取り除いた芯の部分だけを使います。目の前にある炉釜で平山シェフが慈愛を持って、何度も角度や位置を変えながら焼き上げるシャトーブリアンを眺めながら待つ時間もこのお店では贅沢に感じます。
「お待たせしました」
目の前に供されると、まずは見た目の美しさと甘い香りに酔い痴れます。ナイフで撫でるように切ると、現れるロゼ色の断面。そこからは一滴の肉汁すらも流れることはありません。フワフワとした食感の肉には塩すらも振っていないので、溢れる肉汁を堪能した後は意外とさっぱりとしています。岩塩・醤油・山葵・辛子を組み合わせて食べれば、150gなんて一瞬でなくなってしまいます。
特製ビーフカレー♡
デフォルトから変えていただきました。今回は肉がたっぷり♡とはいえ、このカレールウ自体がほぼ肉。肉と野菜の甘みが確りとしていて、後味でピリリとスパイスが香る程度。欲を言えば、山盛りで食べたいカレー。
デザート
ランチのデザートは、数種類を盛り合わせたワンプレート。今回の内容は、チーズケーキ・キウイシャーベット・マンゴーショートケーキ。どれも美味しかったですが、欲を言えばプリンが食べたかった。ここのプリンも美味しいのよ。
ランチはあまり予約を取っていないのでしょうか。今回もほぼ貸し切り状態で、堪能させていただきました。いかにもという高級な外観にちょっと尻込みするかもしれないですが、畏まった雰囲気ではないし、いい意味でほっておいてくれるので、一人でも何ら問題ありません。通い続けたい最高のお店の一軒です。
平山シェフ、お忙しい中外まで見送りしていただき、ありがとうございました。また10月、宜しくお願いします。26568
2019.4.
あまり肉が嫌いという方は少ないと思いますが、私は大好きです。今では1人焼肉できるお店も見つかり、肉にはさほど不自由はしていないのですが、このお店だけは別格。新橋演舞場の前にある「銀座ひらやま」です。
ステーキと言えば、あの超々高級ステーキ店「かわむら」に行ってみたいところですが、常連でもなかなか予約が難しく、予約出来たとしても値段が…。そんな「かわむら」の河村シェフと修業先である老舗ステーキ店「ゆたか」で兄弟弟子だったのが、この「銀座ひらやま」の平山 裕也さん。昔ほどリーズナブルなコースはありませんが、予約のしやすさ(最近は来店時に次の予約をしているので、正確には言えませんが)と価格帯と居心地の良さからも他のステーキ店よりかは、使い勝手がいいと思っています。
外観も豪勢ですが、内装も豪勢。煉瓦炉釜と鉄板を湾曲のカウンターが囲う僅か8席の特等席となっています。予約する方がいないのか、予約を取らないのかは分かりませんが、今回はほぼ貸し切り状態。最近はずっとランチ利用で、メニューはいつもの『特撰ヒレステーキコース』。このコースにはオードブルが付いていないのですが、肉のグラム数を増やして食べたいので、私にはベストなのです。
本日の献立
じゃがいもの冷製スープ♡
中央にはコンソメのジュレが入っていて、これが優しい味わいのじゃがいものスープを下からグッと押し上げるような力強さがあります。相変わらず、スープから美味しい。
特製サラダ
レタス・アスパラガス・オクラ・筍・サツマイモ・胡瓜・ブロッコリー・空豆・スナップエンドウ・百合根・トマト・キャロットラペ。小さなポーションですが、かなりの種類が盛られていて、かけられているドレッシングも酸味がなく美味しい。
特選ヒレステーキ200g♡♡♡
「本日の肉はこれになります」と平山さんが肉を見せて下さり、目の前で切っていただけるので、量はお好みという表現が正しいかも。デフォルトだと100gのところを200gにしていただきました。焼き加減は勿論、平山さんにお任せです。
肉を慈しむように炉釜の中で、何度も位置や角度を変えて、焼くというよりは温められていくヒレ肉。このヒレ肉も焼かれていることに気付いていないような火入れです。
付け合わせは、玉葱のソテーとインゲン。両方とも、味付けは何もされていません。ヒレ肉にも塩も胡椒もかけておらず、別皿で供される山葵・岩塩・醤油でいただきます。
毎回、このヒレステーキは見て・切って・食べて驚きます。「本当に200gなのかな?」と思うほどに大きく、ナイフとフォークで触ると「なんだろ?このふわふわ感」と思い、そして食べれば極上の旨味が広がります。このステーキに関しては、断面を見ていただければ分かると思います。絶品です♡
ガーリックライス
食事は白米とガーリックライスと選べる中で、今回はガーリックライス。裏メニュー?のカレーも捨てがたいところですが。
デザート
ランチではワンプレートで供されます。中でもプリンは、かなり好みの味で大好きです。他のは入らないので、プリンだけでもっと欲しい。
今回も素晴らしかったです。ランチでも『シェフおまかせコース』があり、コース内のタルタルステーキやキャビアがてんこ盛りの鮑のマリネも美味しいのですが、このコースで肉のグラム数を増やすと…になってしまうので、自粛しています。
次回の予約も取らせていただき、忙しい中で平山シェフもわざわざ外まで見送っていただきました。ありがとうございます。
ご馳走さまでした。また次回も絶対的な口福を楽しみにしています。30088
2019.1.
未だに1人焼肉に最適なお店を見つけられていないので、肉を欲する数ヶ月毎に訪れている「銀座ひらやま」。メインのステーキの前に色々な料理が供されるディナーコースも魅力的ですが、ガッツリとステーキを目当てに行くのならば、ランチコースがオススメです。ただ以前にあった『ハンバーグ』がなくなったり、ランチメニューにも『シェフおまかせコース』があったりと、多少の変化はあるようです。
今回もオードブルのないストイックにステーキを楽しむ『特撰ステーキランチコース』を注文しました。
実食
京都産 聖護院かぶのクリームスープ
口当たりは繊細な聖護院かぶの甘さが感じられ、後味は確りと濃厚さが残るスープ。季節によって?日によって?変わるスープですが一口飲むだけで、このお店は美味しいと分かるはず。
季節のサラダ
私にとっては箸休め的な存在。でもここのドレッシングは、酸味がなくて美味しい。
特撰ヒレステーキ200g
まずは平山さんが「今日はこのお肉です」と目の前に持ってきて下さいます。デフォルトコースだと100gなのですが、目の前で切っていただくので、どうとでもなることを知っている私。思い切って、200gにしていただきました。
周りにある余分な脂や筋を取り、ヒレ肉の芯の部分だけを炉釜の中へ。焼くというよりは温めるイメージなのでしょうか、まるで肉を慈しむようにゆっくりと場所や向きを変えて、火入れしていきます。
さすがにこの量は、凄い!お皿の上でも圧倒的な存在感。ヒレ肉を撫でるように切れば、現れる素晴らしい火入れのロゼ色。美しい!焼き方は平山さんのお任せにしたのは、やはり正解です。味付けは全くしておらず、一緒に供される山葵・岩塩・醤油で自由にいただきます。口の中でしっとりとした舌触りで、肉というのを忘れるような軽さは、まるで飲み物のようです。やはり美味しい。
特製カレー
本当は白飯かガーリックライスがデフォルトなのですが、言えば出してくれるカレー。目立つ肉塊はないですが、ルウのどこを掬っても肉にあたります。このルウ全てが、肉と言っても過言ではありません。スパイシーでありながらも、肉の甘みを感じるカレーです。
デザート
薩摩芋のショートケーキ・プリン・ラズベリーアイスの盛り合わせ。
スープ同様にデザートも実に好みの味わいです。ディナーだと一つだけなのですが、ランチは盛り合わせで提供しているみたい。ケーキも美味しいですが、私的にはプリンは必食です。
付かず離れずのサービスに圧倒的な料理のクオリティ、そして平山さんの火入れ。今回も実に素晴らしかったです。注目しているステーキ店はありますが、一人でも全く問題のない雰囲気のこのお店は通い続けたいと思っています。次回はハンバーグかフィレカツを作っていただきたいなと密かに策略中です。
今回もご馳走さまでした。34128
2018.9.
先日のランチがかなり衝撃的な美味しさだったので、ディナーはどんな感じなんだろう?と思って、ランチ訪問時に予約を入れた「銀座ひらやま」へ再訪。
オープンキッチンをぐるりと囲むカウンターは満席で、炉釜も熱を帯びて出番を待っているかのようです。ディナーメニューにはシェフおまかせコース1種とアラカルトもあり、ランチメニューとは違ってがらりと高級感のある雰囲気になります。とりあえずは『シェフおまかせコース』かな?と思って、オーダーです。
シェフおまかせコース
ムール貝のトマトソース
温かいアミューズ。ムール貝はプリプリ、トマトの酸味が効いたムール貝の出汁も美味しい。
人参のムース海胆とコンソメジュレがけ
甘味のある人参ムースの上からたっぷりとその甘味の上をいく生海胆を乗せて、コンソメジュレをかけたもの。濃厚でありながらも、後味は清々しい。
黒鮑のマリネ ♡
なんでしょう?このけしからんキャビア量は!キャビアで一杯どうぞ的に小さいスプーンもつけてきます。
黒く艶めいている鮑は柔らかくも香り高く、美味しい。
タルタルステーキ ♡
あまり余計な味付けをせずに、肉本来の味で勝負の一皿。タルタルとはいえ、肉は角切りされているので存在感が凄く、肉そのものが甘くて、口の中に入れた途端に溶けていきます。トーストもついており、乗せて食べたり、そのまま食べたりと色々と楽しめる一皿。
コンソメスープ ♡
期待していたコンソメスープ。
!
甘い!飲み終えた後には、その甘さと香りが長く残ります。どこまでも透明で清らか、深いというよりは果てしなく続く水平線を眺めているかのよう。
メンチカツ(追加) ♡
目の前で切られているのは、フィレとサーロイン。それらを細かく刻んで作られるメンチカツ。メニューには記載されていませんが、リクエストをすれば作ってくれます。他にもハンバーグやフィレカツもあるそうで、どれも気になるところ。
薄衣に包まれたメンチカツは、雲のようにフワフワ。粗めに刻んだ玉葱と肉たちは口の中でも存在感が素晴らしく、余計な味付けをしていないので、肉の甘みが格段に感じられます。今、究極のメンチカツに出逢いました。
フィレステーキ150g ♡♡♡
デフォルトコースでは100gのところを150gにしていただきました。焼く直前に切るので、グラム数はどうとでもなるようです。
特製の炉釜で何度も位置を変えながら焼き上げ、味付けは何もなし。付け合わせの野菜すらも味付けされていません。別皿で供される山葵・岩塩・醤油で自分好みにいただきます。
見た目から、もう言葉はいらないような絶対的な美味しさ。フォークやナイフで触れると分かる、肉とは思えないプルプル感。実際にナイフの重みだけで切れていくような柔らかさがあり、口に入れたらすぐになくなるような食感で、溢れる肉汁だけが肉があったことの証明のような感じ。まさに口福の一言。ステーキの最高峰の一つに間違えない!
ビーフカレー ♡
食事として、白飯かガーリックライスがある中で、(常時あるのかは分かりませんが)今夜はビーフカレーも用意しているとのことで、勿論このビーフカレーを選択です。
ルウには肉塊はないですが、このルウ全てが肉と気づいたのはスプーンで掬った時。煮込まれて溶けた肉の量がすごい。味わいはやや甘めで、最後にふわりとスパイスが香る程度。美味しい♡
デザート ♡
数種類ある中から、『自家製プリン』を。クラシックなプリンですが、素晴らしく甘い。私好みのプリンです。
ランチ時には食べられなかったオードブルはどれもレベルが高く、アラカルトで注文しても同じ量が供されるみたいなので、コースの方が間違えなくお得。そして、メニューには書かれていない『メンチカツ』『ハンバーグ』『フィレカツ』などが注文出来るので、ディナーは魅力的。ランチとディナーに共通していることは、肉の量は自分で決められること。フィレステーキだけが目当てならば、ランチが断然にオススメです。
予約は希望する日のかなり前から電話しておけば問題ないかと思います。とりあえず、『フィレカツ』に興味があるので、次回はお願いして作っていただこうと密かに考えています。51202
2018.6.
鮨にハマってから、外食と言えば「鮨」になってしまっていますが、実は肉の方が好きだったりします。でも肉となると、焼肉や焼鳥などがメジャーな料理でしょうか。焼鳥はもう素晴らしいお店に出逢っているので、探す必要性がないですが、焼肉となると話は別です。一人焼肉は個人的に好きなのですが、周囲の視線も痛いし、あまり歓迎してくれるお店が少ない。代わりになるものと言えば、鉄板焼きかステーキ?と思って探していると、見つけたお店が今回訪れた「銀座ひらやま」です。
ステーキの名店といえば、「かわむら」が挙げられますが、一見不可・予約困難・超高級というお店なので、まず私には縁のないお店。そんなお店の河村シェフと老舗ステーキ店「ゆたか」で共に働いてらした弟弟子にあたるのが、今回訪れた「銀座ひらやま」の平山シェフ。しかも「かわむら」よりは比較的に予約しやすく、まだ手が届くくらいの価格帯なので、まずはランチに訪問です。
新橋演舞場の目の前にある、いかにも高級な香りがする外観のお店「銀座ひらやま」。扉を開けると、すぐ支配人?の方が席へ案内して下さいました。厨房を囲むように弧を描くカウンターにはゲストを待ちわびる席が8席。隣とのスペースも広々としたかなりゆったりとできる席です。厨房には鉄板と炭火の煉瓦炉釜があり、黙々と肉の下処理をされている平山シェフ。
ランチメニューは、ハンバーグやサイコロステーキもありますが、本日のスープ・野菜サラダ・国産黒毛和牛ヒレステーキ100g・白飯orガーリックライス・デザート・コーヒーという構成の『特撰ステーキランチコース』を選択です。
実食
冷製コーンスープ ♡
超絶に濃厚!食べるコーンスープという感じで、口の中に入れてもコーンの存在感が確りとあります。そして、なんと言ってもこの甘さ!素晴らしい!
野菜サラダ
酸味も少ないドレッシングで、それそれの野菜の味も楽しめます。百合根が入っていたのは、ちょっとびっくり。
国産黒毛和牛特撰ヒレステーキ100g ♡♡♡
平山シェフが焼く前に、筋や脂肪を下処理したヒレを見せてくれます。デフォルトだと100gですが、量の調節は出来るとのことで、ここで増やしても問題ないわけです。見せていただいたヒレで200gくらいらしく、食べられそうとも思いましたが、まずはデフォルトメニューを楽しんでみようかと。焼き方も問われますが「お任せで」と言うと、「畏まりました」とにこやかに笑う平山シェフが印象的でした。
炉釜の中で、何度も位置や向きを変えながらじっくりと愛情を注ぐかのように焼かれたヒレは美しい。塩胡椒などの味付けは施されていないそうで、供される山葵・岩塩・醤油・マスタードなどでお好みに食べるスタイル。
まずは、半分に切ってみる。
‼︎
ふわりとナイフが自分から入っていくような感じで、均一な火入れされたロゼ色の断面が現れます。決して肉だけが素晴らしいとことではなく、焼き方や熟成の仕方が素晴らしいのでしょう。箸でも切れるのでは?と思うくらいに柔らかで、口に入れた瞬間に「あれ?食べた…よ…ね?」と困惑するほどすぐに失くなってしまいます。余分な脂肪がないので、非常に軽やかなステーキです。付け合わせの玉葱やインゲンにも味がつけられておらず、肉の味を邪魔するものがありません。極少量の岩塩と醤油だけで、十分に美味しい。肉の最高峰の頂を垣間見た気がしました。
ガーリックライス ♡
白飯とガーリックライスが選べる中で、ガーリックライスを選択。目の前にある鉄板で平山シェフ自らが作って下さいます。店内にはニンニクの良い香りが漂い、仕上げにかける醤油の焦げる音が食欲を煽ります。程よく水分の飛んだガーリックライスは、美味しい。ステーキの〆に、こんな料理を考えた方は天才ですね。
デザート ♡
カスタードプリン & ココナッツアイスとパインのコンポートをワンプレートに。このカスタードプリンは固めに作られてるクラシックなタイプですが、素晴らしく私好み。
肉が美味しいことは想像していましたが、それ以外の料理も実に美味しい。サービスは顔を上げればすぐに来るようなグランメゾンクラスのものではないけど、いい意味でほっておいてくれるので、気楽。
折角なので、夜メニューを見せていただきました。夜だと、お任せコース30000円。その他にアラカルトメニューが多数あって、どれも美味しそうな香りのするものばかり。その場で夜に予約が出来ないかと聞いてみると、おひとりさまの場合は土曜日しか対応していないらしい。私にとっては願ってもないの条件だったので、ちょっと先になりましたが予約完了。
帰り際、支配人や厨房スタッフ、平山シェフまでもが外まで見送って下さいました。ありがとうございます。
また素晴らしいお店と出逢うことが出来ました。次回の夜も楽しみです。16848。
6位
24回
2023/03訪問 2023/04/24
恋ひ恋ひて 逢へる時だに 美味しき鮨食べたき 長くと思はば ~鮨 とかみ~
2023.3.
親方が変われば、お店も変わるのは当然であり、「鮨とかみ」もオープンからずっと続いていた昼の『握りコース』がなくなり、昼・夜共に『おまかせコース』のみとなったと知り、どう変わったのかと思って再訪。それでも店主・和田 駿友さんの心意気で、今日ある種全てを握っていただきました。
突先♡
初手は鮪の頭の部位である突先を使った巻物。芳醇な海苔の香りの中、鮪の濃厚な旨味と甘味が口いっぱいに広がります。変わらずに心掴む美味しさ。
メジマグロのタタキ♡
それぞれに生姜・山葵・柚子胡椒が乗せてあり、三者三様の薬味でメジマグロのさらりとした脂が映えます。特にあまりに見かけない柚子胡椒が新鮮で美味しい。
蛍烏賊の燻製♡
薫香はさほど感じず、蛍烏賊の香ばしさを確りと感じられます。
鮃♡
軽く昆布〆を施しており、程よい脱水と旨味がプラスされています。シャリを包むような大きな切付けで食べ応えもあり。
えんがわ(追加)♡
「鮨 とかみ」で初めていただく部位。軽く炙られており、表面がとろりとした食感の中で濃密な旨味が爆ぜます。鮃1匹から4貫しか取れないそうで、かなり貴重な経験でした。
墨烏賊♡
酢橘の爽やかさの中、サクサクと小気味良い歯切れの良さを楽しめます。塩では感じられない醤油の香りもいい。
赤貝(追加)♡♡
大分県産。かなり肉厚な赤貝で、咀嚼していると口の中に広がる香りが凄い。
平貝
シャリに柚子をつけてから握られる平貝。口の中で華やぐ柚子の香りと平貝の香りが心地よい。
太刀魚(追加)♡♡
焼いた太刀魚をシャリと合わせることで、口の中で完成する焼魚定食。フワフワな太刀魚は旨味を引き出した塩加減も素晴らしく、実に美味しい。
鰆昆布〆♡
確りと〆られて、鰆はねっとりとしており、食べ終えても残る昆布と鰆の旨味で余韻に浸れる一貫。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産130キロのもの。口の中で主張するのは、圧倒的な鮪の存在感。「鮪を食べてる!」と実感できるような美味しさがあります。
中トロ♡
やはり「鮨とかみ」の濃旨なシャリには鮪がとてもよく合います。化学反応にも似たシャリと鮪の相乗効果が口の中で幸せを加速させます。
大トロ♡♡
砂ずりの部位は超濃厚な味わい。有名鮪仲卸の「やま幸」と繋がりの深い「鮨とかみ」の真骨頂とも言える一貫。素晴らしく美味しい。
メジマグロの大トロ(追加)♡♡
肴で供されたメジマグロの大トロの部位。大トロされど、さっぱりとした脂で実に美味しい。
喉黒(追加)♡
白身の大トロである喉黒は、軽く皮目を炙ってから握られます。滴る脂の旨味と甘味は、鮪にも負けない美味しさ。
小鰭♡
口の中の脂を断ち切るような酸味がありつつも、小鰭自体に旨味が確りと感じられて美味しい。
車海老
車海老とシャリの温度が同じくらいなので、一体感を感じられます。車海老の甘味と香りが特に印象的。
馬糞海胆(追加)♡
海胆の圧倒的なボリュームで、軍艦が沈没しそうw頬張ると海胆だけでなく、海苔の香りも映えて美味しい。
鶏魚♡
比較的にあっさりしているかと思っていたら、コレもかなり濃厚さ。
穴子
爽煮された穴子は真っ白で、モフモフとしており、穴子本来の味わいも確りと残っています。
海胆・鮪丼♡♡♡
鮪の赤身・中トロ・大トロ、全ての部位を削ぎ切りにして漬けにしてから丼に盛り、更にその上から北紫海胆を乗せた丼。
「折角、来てくれたのだから印象付けないと!」と、和田親方は盛りに盛って、まず海胆で鮪は見えなくなり、鮪でシャリは見えないというとんでもない丼。ちなみにコレはデフォルトの丼(ちょっと私のは量が多いかも)だそうで、凄い〆が爆誕していました。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。スペシャリテで始まり、スペシャリテで〆る。素晴らしいコース構成だと思います。
昼の『おまかせコース』のデフォルトは巻物・肴2種・握り10貫・丼だそうで、内容としては以前の『握りコース』よりもボリュームがあり、赤身・中トロ・大トロ・鉄火丼とたっぷりと「やま幸」の鮪を堪能できて豪華絢爛。「自分が食べたいと思うコースを作りました!」と笑顔で語る和田親方の思いが伝わる構成は、「鮨 とかみ」らしく濃厚な種×濃旨なシャリで畳み掛けるように全てが力強い。好みが分かれる鮨だと思いますが、私は大好きです。
和田親方、今回もありがとうございました!控えに言って、最高でした!また宜しくお願いします!
2022.6.
新生/鮨 とかみ
突先♡
口に近づけると海苔が香り、突先の旨味が溢れ出します。変わらずに心掴む初手。
冬瓜の冷やし包み
島オクラ・赤万願寺とうがらし・蛸柔らか煮を冬瓜で包んだ冷菜。ふわりと柚子香る中で、冬瓜のねっとりとした舌触りに蛸のむっちり感が映えます。
岩魚のガダイフ揚げ♡
鮨店では珍しいというか、初めてのガダイフ揚げ。極上のパリパリ感に岩魚の旨味が溢れます。美味しい♡
岩牡蠣の陳皮煮♡
珍しい陳皮を使ったもので、陳皮の爽やかさとほんのりとした苦味が岩牡蠣の旨味の輪郭をよりはっきりとさせていて、肴としてお酒が進みます。
中落ちの湯葉挟み♡
鮪の中落ちを洋酒に漬けたさくらんぼ・白味噌で和えた豆腐と一緒に揚げた湯葉で挟んだもの。「鮨とかみ」として実に画期的であり、味わいとしても美味しい。豆腐に包まれても隠しきれない中落ちの旨味が素晴らしい。
賀茂茄子の雲丹乗せ
焼いた賀茂茄子に柚子味噌・紫雲丹を乗せたもの。まず驚くのはこの雲丹の量、おかしいw味わいとしては、トロトロの賀茂茄子にトロリとした雲丹がソースのようになっていて美味しいが、柚子味噌じゃない方が合うかも。
アラと夏野菜のゼリー寄せ♡
アラとズッキーニ・パプリカ・ヤングコーンの夏野菜と共にゼリー寄せに。鰹出汁のゼリーなので、全くの違和感なく爽やかで美味しい。ふた口目に食べるマスタード付きの方が味が締まり、より美味しい。
アメーラトマトの天麩羅
アメーラトマトで包まれた鮑・茶豆・五寸人参。程よい酸味の中で映える鮑と茶豆の食感と旨味が初体験の味わい。
鶏魚
軽く炙った鶏魚は香ばしさと旨味が溢れていて美味しい。シャリは少し塩が強いかな。
墨烏賊♡
サクサクとした心地よい歯切れの良さ、酢橘の酸味と醤油の香りが素晴らしい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝は咀嚼の度に甘味と香りが爆ぜます。
春子鯛♡
柔らかくジューシーであり、とろけるような春子鯛は甘味があり美味しい。
赤身漬け♡
鳥取県境港産94キロ。ふわりとする香りと鉄分を感じる酸味が食べ終えても尚続き、余韻長く楽しめます。
赤身漬け♡♡
クラッシックな赤身漬けは、鮪節のような味わいで噛めば噛む程に旨味が溢れてきます。今ではなかなか見かけなくなった仕立てですが、やはり美味しい。
血合いぎし♡
血合いぎしの部位で、香りと口溶けは秀逸。食べ終えて、目を閉じてゆっくりと余韻に浸りたい味わい。
霜降り♡
今度は霜降りの部位で、香りは弱くなりましたが、旨味がグッときます。
砂ずり♡
砂ずりの部位で、THE大トロといった感じ。液体のような口溶けで、旨味と甘味の爆流が口に溢れます。
小鰭
皮も柔らかく、キリッとした味わい。口の中が酸で洗い流せます。
鰆昆布〆♡
とろけるように柔らかく、昆布の旨味が映えます。
車海老♡
半生よりも火を入れており、プリッとした食感に甘味もあり美味しい。
アラ汁♡
使った魚のアラを全て使って炊き出したアラ汁は極濃厚な味わい。しかし、この量w
煮帆立♡
珍しい煮帆立。帆立の旨味と煮ることで生まれる甘味の奥深さがあり、美味しい。
煮蛤♡
低温調理された蛤は極限まで柔らかく、しかしながら味わいも確りと染みており美味しい。
縞鯵♡
とろけるように柔らかく、甘味がジュワリとシャリを包むかのよう。
真鯵♡
食べ比べのような感じで供された真鯵。肉厚であり、薬味の爽やかさが駆け抜け、鯵の香りと旨味が広がります。
馬糞雲丹♡
和田親方になっても変わらぬ爆盛りの雲丹。口いっぱいに広がる雲丹の旨味と甘味は口福の一貫。
喉黒♡
身は昆布〆して、握る直前に皮目だけを炙って握られる喉黒はトロリとしながらも身の旨味も味わえる仕立て。濃旨のシャリともよく合います。
穴子♡
醤油を使わずに白く煮上げた穴子は、まるで布団のようにモフモフ。柚子の香りと穴子本来の香りが鼻から抜けます。
干瓢巻き♡
前々から「このシャリには干瓢とか合うだろうなあ」と思いつつも、何気に初めていただく「鮨とかみ」での干瓢巻き。和田親方は最新的な技術を取り入れつつも、干瓢などの昔ながらの煮物なども大切にしていくそうで、今後もこの干瓢巻きはあるみたいです。
カマトロ♡♡
夏場の鮪ではカマトロの部位が小さいので6貫くらいしか取れないという希少部位。まるで肉のような味わいと特製ニンニク醤油の濃厚さが素晴らしい。いつもありがとうございます!
玉♡
スペシャリテと呼ぶべき玉はまだ温い感じで、表面のキャラメリゼもパリッとしており、美味しい。
3月に将太さんが卒業して、和田 駿友さんが3代目店主となってから初めての「鮨 とかみ」で昼鮨。和田親方には将太さんがまだいた頃に握ってもらったことがあるのですが、脂の強い種には熱いシャリを使ったり、テキパキと握ってからゆっくりと供する姿には確実にレベルアップしていることが感じられ、口の中でふわりと飛散する鮨も美味しかったです。鮨は今までの「鮨 とかみ」を継承しつつも、昔からある干瓢や椎茸に代表する煮物などの仕事に力を入れていき、肴はひと手間ふた手間を加えた料理を供して、新しい和田親方の「鮨 とかみ」を作り上げていくそうです。
佐藤さんは当時珍しかった赤酢のシャリ、将太さんは大きなシャリの男鮨、歴代の店主を印象づけたような鮨を和田親方も生み出していかれるのが今から楽しみです。
2022.3.
将太の鮨/鮨 とかみ
突先♡
心掴む鮪の突先を使った手巻き。華やぐ海苔の香りの中で、確かな鮪の旨味が素晴らしい。
鮎魚女の揚げ出し椀
お椀の中には揚げたての鮎魚女、菜の花と木の芽の餡。春らしいほろ苦さと木の芽香る出汁は飲めるくらいの濃さで、鮎魚女の旨味を活かしています。
鰹♡
爽やかな薬味の中で鰹はモチモチとし、自家製新玉葱のドレッシングの仄かな苦味がより鰹の旨味を押し上げています。
白川の桜葉蒸し♡
桜の香りが華やぐ椀物。白川の旨味と出汁の旨味がお互いを高めあっていて美味しい。桜を模した紅芯大根の甘味もいい。
肴3品♡
白魚とコシアブラの天麩羅鯛の酒盗と豆腐のソース、鰆の燻製、蛍烏賊のなめろう。白眉なのは鯛の酒盗と豆腐ソース。コレだけでもお酒が飲める美味しさ。
太刀魚の唐墨かけ♡
コレは美味しい。太刀魚の旨味がたっぷりとかけられた唐墨で更に加速するかのようで、添えてある生の大根が箸休めとしていい仕事をしてます。
真鯛
「鮨 とかみ」の最大の特徴である濃旨なシャリがまずガツンときて、咀嚼の度に真鯛の甘味がぐんぐんと溢れてきます。
墨烏賊
酢橘が爽やかで、醤油の香りも華やぐ一貫。サクサクの食感が心地よい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで旨味も溢れます。
赤貝♡
特大の赤貝をヒモと共に。ザクザクとした食感で咀嚼の度に香りが広がり、甘味も溢れます。
赤身漬け♡
今回は神奈川県三崎産128キロ。舌に吸い付くようなねっとりした赤身にシャリの旨味が寄り添います。やはり美味しい。
中トロ♡
切り付けも厚く、口の中での存在感が凄い。香りも素晴らしく美味しい。
大トロ♡
ちょっと温度高めなシャリが大トロを液体に変えて、まるで旨味たっぷりの鮪ジュースのよう。
小鰭
キリリとした小鰭は旨味も味わいも濃く、シャリにも負けない味わい。
車海老♡
温度が高めなシャリが更に車海老の香りと甘味を際立たせています。いつもながらにブレのない素晴らしさ。
鱒の介♡
コロリとしたシャリが鱒の介の旨味を確りと受け止めていて、やはり旨味の強い種はこのシャリに好相性です。
鰤♡
脂の強い鰤でも温度を上げることでしつこくなく、ちょっと温度高めな濃旨シャリが鰤の旨味を押し上げています。
煮蛤♡
ライトな色合いでも確りと味が染み込んでおり、とても柔らかい煮蛤。柚子の香りがふわりと鼻から抜けます。
馬糞雲丹♡♡
元々、雲丹は爆盛りな将太さんですが、今夜は特に凄かった!変なえぐみや雑味のない甘味が口いっぱいに広がり、香りも素晴らしい。
喉黒♡
軽く炙ることで身の脂が溶け出して、トゥルトゥルな喉黒。鮪にも決して負けない旨味の爆流。
カマトロ♡♡
かなりの希少部位で存在すらも知らない方が多い中で、いつも用意して下さる優しさが嬉しい。特製のにんにく醤油で軽く漬けにしてから炙って握られるこの種はまるで肉!最後までありがとうございます!
鮪のコラーゲンスープ
昼はアラ汁なので、久しぶりにいただいたスープ。
穴子♡
肉厚でモフモフな布団のような穴子は、少量の煮つめでより香り立つ味わい。
玉♡
スペシャリテのクリームブリュレのような玉。最後まで心掴む美味しさ。
本日は3月いっぱいで「鮨 とかみ」から独立される親方の小田将太さんとの最後の夜でした。今後は故郷である北海道の札幌で握られるそうで、なかなか簡単には会えなくなりそう…。鮨の味わいでは勿論のこと、将太さんの人柄はきっと道民の胃袋も心も掴むはず!新天地でのご活躍を期待しています。
将太さん、長い間!!!くそお世話になりました!!!
この感動は一生…!!!忘れません…!!!!
今夜出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
而今 特別純米 無濾過生
栗林 六郷東根 純米酒 ピンクラベル
七本槍 純米 80%精米 火入れ
江戸開城 純米吟醸 原酒 山田錦
作 恵乃智
東一 純米 山田錦
くどき上手 亀仙人 純米大吟醸
2021.12.
楽しい美味しい鮨納め
沈静化しつつも、まだ不安が残るコロナ禍の中で迎える2021年の年の瀬をどこで迎えるか?ここ数年は銀座にある鮨の名店「鮨 とかみ」で鮨納めをするのが、私の恒例行事となっています。今年も無事にやってくることができ、感謝しかありません。今回も昼鮨ながらも年末ということで夜コースの仕立てで、特にリクエストすることもなく全てを店主・小田 将太さんに委ねます。
今回の献立
突先♡♡
鮪の頭の部位を使った手巻き鮨。濃旨な赤酢シャリと濃厚な鮪の旨味が心を掴みます。
九絵の椀物
椀の中には九絵・大黒しめじ・京都府産ほうれん草・金時人参・新潟県産ビタミン大根。力強い吸い地の味わいに、九絵の身のぶりんとした食感と皮のトロリとした食感があり、美味しい。
せこ蟹♡
ズワイガニの雌の内子・外子・身を全て混ぜ込んだものを温い蟹酢餡をかけて。この時期には出逢える肴で、プチプチとした食感の中で旨味も弾けるかのよう。
皮剥の肝和え♡
削ぎ切りにした皮剥をその肝と和えたもの。コレは間違いのない美味しさ。クセなどは微塵も感じない濃厚な肝の味わいにプリプリとした皮剥がたまらない。
鮟鱇の唐揚げ♡
プリプリと弾けるような鮟鱇の食感を楽しんでいると、口の中は溢れる鮟鱇の旨味でいっぱいになります。山盛りで食べたい美味しさ。
真加治木の生ハム♡
真加治木を塩漬けにした生ハム風仕立て。コレはお酒のアテに最高。日本酒が秒でなくなる美味しさ。
蕪蒸し♡
おろした聖護院大根を白甘鯛の上に乗せて、金時草と共に蒸しあげた蕪蒸し。椀の中はほぼ白甘鯛というボリュームで、ほろりと崩れる白甘鯛は実にジューシー。
唐墨♡
自家製の唐墨をザクッと切ってくれました。唐墨をかぶりついて食べる贅沢さ。
真鯛♡
ちょうど腹の部位で旨味と甘味が素晴らしく、シャリの酸味がよりそれらを押し上げます。
鰤漬け♡
食べた瞬間にグッとくる旨味があり、鰤のクセなどは微塵も感じさせません。口の中に残るのは、濃密な鰤の旨味のみ。
墨烏賊
醤油で浮かび上がる切り付けも美しく、サクサクを楽しんでいると溢れる甘味と醤油の香りも愛しい。
春子鯛♡
程よく黄身酢おぼろで脱水されており、阻止の度に旨味と甘味が引き出されてきます。
赤貝♡
1貫に赤貝を丸々1個使うヒモと一緒に握る仕立てで、旨味と香りと食感が段違いの美味しさ。
赤身漬け♡
有名鮪卸問屋「やま幸」から届いた今回の鮪は青森県大間産110キロもの。初め出汁の味わいのアタックがきて、その後に鮪の香りがぶわっと広がります。
血合いぎし♡♡
口に入れた瞬間に感じる口溶けの良さと香りが素晴らしい。
中トロ♡
どっしりとしてこってりとした旨味の力強さがあり、コレで中トロ?と思わせるほど。
大トロ♡
中トロに比べると意外とさらりとしており、口溶けの良さはまるでジュースのよう。
小鰭
銀色に輝く皮も柔らかく、酸味よりもジューシーな旨味が勝る小鰭。
車海老♡
車海老に浮かびあがる綺麗なだんだら模様・甘味・温度・香りが素晴らしい。
鰆昆布〆
舌に吸い付くような食感に昆布の旨味がぶわりとし、最後に鰆の甘味が広がります。
煮蛤♡
見た目の色合いよりもジューシーで柔らかく旨味も強く、美味しい。
アラ汁♡
濃厚なアラ汁も特別仕様の大きさw
鰹♡
鰹にありがちな血の味わいなど微塵もなく、旨味だけが口に残ります。
紫雲丹♡♡
競札1番というスペシャルな紫雲丹。香りも素晴らしいですが、馬糞雲丹にも負けないよう甘味が強烈。
喉黒♡
身だけを昆布〆して、皮目は炙ることでトゥルトゥルな喉黒になり、口の中でシャリと混ざる時には既に旨味の塊の液体のよう。
カマトロ♡♡
いつも用意して下さる希少部位のカマトロ。特製のニンニク醤油で漬けにしてから炙って握られます。まるで肉のようで、実に美味しい!
穴子♡
醤油を使わずに炊きあげた穴子は香りも楽しめ、モフモフの布団のような食感の後に舌に絡みつきます。
玉♡
表面をキャラメリゼしてスペシャリテの玉は、まるでクレームブリュレのような100%スイーツな味わい。
久しぶりに味わう「鮨とかみ」のディナーメニューは肴の品数を抑えていながらもお酒のすすむものが多く、実に美味しい。握りに関しては言わずもがな。ガツンとした濃旨な赤酢シャリと濃厚な種の独特のコロリとしたフォルムの男鮨は、胃袋と心をグッと掴んで離しません。
3月で「鮨とかみ」を卒業される将太さんの昼鮨はこれが最後。来年から3月までは夜のみに専念されるそうで、今後昼を担当される和田駿友さんに期待がかかると同時に卒業までのカウントダウンが始まる「将太の鮨」に期待と寂しさを抱きます。
将太さん、駿友さん。最高のひと時をありがとうございました!来年また楽しみしています。
2021.10.
私が通わせていただいてる鮨店の中で一番長く通っており、今も尚、心を掴んで離さない「最強の昼鮨」と思っているのが銀座にある「鮨 とかみ」です。握るのは「鮨とかみ」2代目店主の小田 将太さん。ガツンと赤酢の効いた濃旨なシャリと有名鮪卸問屋の「やま幸」の鮪をはじめとする旨味の強い種と共に握られる鮨は、銀座でもトップクラスの大きなサイズのまさに男鮨。今回も昼鮨ですが、夜をも超える大ボリュームの鮨を堪能させていただきます。
今回の献立
真鱈のお椀
蕪・芽ネギ・白木耳。濃厚な出汁の味わいが実に「鮨とかみ」らしい。
真鯛♡
ファーストアタックは濃旨なシャリ、そして咀嚼の度に真鯛の旨味と甘味がグッときます。
墨烏賊
心地よいサクサク感。塩ではなく、醤油を使うことで墨烏賊に入れた包丁も浮かび上がり、香りも立ち込めます。
泥障烏賊♡
初めての山葵生姜という仕立て。細かく切られた泥障烏賊のねっとりした甘味の中で、生姜の爽やかな辛味が映えます。
鰤♡
昔ながらの江戸前の漬けの仕事を施した鰤。旨味が凝縮している中で、切り付けも厚くて実に美味しい。
春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はジューシーで、甘味も確り。
赤貝♡
わざわざ私の為に一個だけ仕入れてくれた赤貝。ヒモの部位も一緒に握っているので、食感が心地よい。
赤身漬け♡
青森県大間産。漬けにすることで、鮪本来の旨味が凝縮して、更に出汁の旨味も過剰されており、実に美味しい。
血合いぎし♡
宮城県塩竈産。口溶けも良く、食べ終えても尚続くような香りも素晴らしい。
霜降り♡
青森県大間産。口溶けはやはり素晴らしく、甘味が口いっぱいに広がります。
砂ずり♡♡
宮城県塩竈産。霜降りも美味しかったですが、コレは甘味が段違い。脳が震えるほどの美味しさ。
鰻松♡♡
この時期の定番となっている天然の鰻と長野県産の天然松茸を合わせた小丼。松茸の量が尋常じゃなく、香りが素晴らしい。ひと口で幸せになれる味わい。
小鰭
口をリセットする為の種ですが、初めに感じる酸味の後にくる濃厚で旨味たっぷりな攻めるような味わい。
鮟肝♡
「鮨とかみ」の濃旨な赤酢シャリに鮟肝は抜群に合いますが、今回は珍しい握りの仕立て。これもヤバイ!肴で食べるよりも、断然に好み。
車海老
温度は人肌よりもちょい高め。甘味をグッと感じられる美味しさ。
鰆昆布〆♡
ほわんっとした鰆の甘味の中で、仄かに感じる昆布の旨味が愛しい。
いくらの親子丼♡
たっぷりと盛られた生いくらで隠れているのは、炙った鮭。この時期ならではの鮨店が作る親子丼です。器の中はほぼ生いくらという状態で、いくらの心地よいプチプチ感があり、鮭の旨味が合わさることで絶妙な美味しさ。
煮帆立♡
粒も大きいので食べ応えもあり、煮つめの
甘味と帆立本来の甘味が合わさって美味しい。
煮蛤♡
ジューシー且つ柔らかい。低温調理を施した蛤は旨味がギュッとしており、咀嚼の度にその旨味が溢れます。
秋刀魚♡
「鮨とかみ」で3年ぶりに出逢えた秋刀魚。旬の魚はやはり美味しい。味わいもそうですが、食べ終えてもまだ口の中に存在しているような香りが素晴らしい。
アラ汁♡
アラ汁さえも濃厚極まりない味わい。しかしながら、お椀のサイズがおかしいw
焼秋刀魚♡♡
先程の秋刀魚を軽く炙ってから、大根おろしと秋刀魚の肝ペーストを乗せて供されます。コレは凄い!まさに口の中で完成する焼き魚定食!上に乗せられた肝がいい仕事してます。
北紫雲丹♡
小田親方は、盛りに盛る!シャリよりも雲丹が多く、ひと口で頬張ると口いっぱいに広がる香りが素晴らしい。
喉黒
トゥルトゥルな身は口に入れた瞬間にとろけ、それを確りと濃旨なシャリが受け止めます。
カマトロ♡♡
いつもはあるわけではない希少部位のカマトロですが、確りと用意して下さる優しさに感謝です。特製のニンニク醤油に漬け混んでから軽く炙って握られるこの一貫は、まさに肉!ニンニクでガツンとくる味わいですが、それに負けないシャリも素晴らしい。
焼穴子♡
今回はなんと穴子も2種。まずは白焼きしたものを塩で。ダイレクトに感じる穴子の香りと旨味。コレもいい!
煮穴子♡
次はいつもの爽煮にした穴子。大好きな腹の部位なので、舌に絡みつくようなねっとり感がたまらない。
突先♡
鮪の頭の部位の突先を使った名物の手巻き。最初でも最後でも心をグッと掴む味わいです。
玉♡
表面をキャラメリゼした玉は100%スイーツな味わい。プリン好きにはたまりません。
今回も実に楽しく、美味しい「小田将太の鮨」を堪能させていただきました。私の好みをよく知ってらっしゃるので、供される一貫一貫にハズレなどは一切なく、全てが心に響く美味しさ。いつもながらに熱さ感じる魂の鮨でした。
控えに言って、最高でした!
小田親方、和田さんいつもありがとうございます!年末、楽しみにしています!
今回出逢ったお酒
賀茂金秀 特別純米 13
あたごのまつ 純米吟醸 ささら冷卸 ひやおろし
上喜元 純米吟醸 本生
仙禽 クラシック仙禽 亀ノ尾 無ろ過原酒
十四代 超特選 純米大吟醸 播州山田錦
鳳凰美田 純米吟醸 WINE CELL
2021.5.
力強き握りの饗宴
鮨店で、やはり好きなのは肴よりも握り。握りのみのコースがよくある昼鮨は非常に好みで、贅沢をしている気分になって好きです。通わせていただいている鮨店の中で、最強と思っている昼鮨は銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんが握る鮨はガツンとした赤酢が効いたシャリで、ころんとした大きさが特徴的な男前な鮨です。ランチは13貫8000円と16貫12000円の握りコースのみで、銀座の鮨としてはとてもリーズナブル。今回も16貫のコースをベースとした私だけのコースで、「鮨 とかみ」の全てを堪能します。
今回の握り
先付
賀茂茄子・鮎女魚・じゅんさい。
確りと味を含ませた賀茂茄子、梅肉がいいアクセントになってる旨味溢れる鮎女魚、ちゅるんとしたじゅさいがジメジメとした天気を吹き飛ばすような爽やかさ。
金目鯛
シャリの酸がふわりと鼻から抜けて、金目鯛の甘味と旨味が駆け抜けていきます。
泥障烏賊
細切りにしてあるので、口の中でスッと溶けてシャリの酸が泥障烏賊の甘味をより際立たせます。
烏賊唐墨♡
自家製唐墨を薄衣切り、墨烏賊と一緒にして握る私だけのスペシャル握り。サクサクとした墨烏賊の食感に濃密な唐墨の味わいが実によく合い、まさに口福の一貫。
春子鯛♡
〆ているのに、まるで溶けるようなジューシーさの春子鯛。美味しい♡
赤貝♡
ヒモも一緒に握る丸々赤貝一個を使う贅沢な一貫。ヒモを入れることで香りが力強くなりますが、この赤貝自体の味が非常に濃い!最近の中ではピカイチの美味しさ。
平貝
柚子香るサクサク平貝は甘味の後に苦味も感じられます。
白海老
生の白海老ですがクセも全くなくて、甘味だけが純粋に楽しめます。
赤身漬け♡
宮城県塩竈産。漬けにすることで旨味が凝縮して、実に美味しい。
中トロ♡♡
香りを放ちながら、ゆっくりと溶けていく中トロは時間が止まったかのように感じられる甘美な瞬間。
大トロ♡♡
香りは中トロより劣るものの、その味わいはまるで濃厚濃密な鮪のジュース!力強い赤酢シャリにとてもよく合います。
姫鱒♡
鮮やかなオレンジ色が眩しい姫鱒の口溶けはよく、鮪とは違う香りがあり、上品な甘味が素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭の酸が口の中を一気にリフレッシュさせてくれます。
車海老
温度はちょっと高め。甘味よりも香りがとても印象的で、素晴らしく立ち上ります。
鶏魚♡
夏を告げる鶏魚の片身で一貫しか取れない砂ずりの部位を軽く炙って。香ばしい香りと溢れる旨味が実に美味しい♡
鰆昆布〆♡
程よく脱水されて、旨味が凝縮しており、ほわんとした甘味も感じられます。
太刀魚の蒲焼♡
供されると、器から立ち上る香りからやられます。厚みのある太刀魚は蒲焼にしていますが、太刀魚自体の旨味が実に美味しく、シャリともよく合います。
縞鯵
咀嚼していくとシャリの酸と混ざり合い、徐々に旨味の輪郭が現れてきます。
蝦蛄♡
特大サイズの蝦蛄は旨味も格別!蝦蛄は大好きなので、実に嬉しい♡
煮蛤♡
極上の柔らかさ。咀嚼の度に溢れる旨味が止まらない。
煮帆立
初めて食べる種は、煮蛤の代わりらしい。煮蛤の旨さには敵わないですが、帆立の甘味が活きていて美味しい。
〆鯖♡
薄く切ったものを3枚重ねて握っているので、口溶けが素晴らしく、濃厚な旨味がたまらない。
鰹
モチモチとした食感の中、仄かな薫香があり、爽やかな旨味が走ります。
北紫雲丹♡
軍艦ではなく、握りで。この雲丹は何と言っても香りがいい。たっぷりとした量なので、口いっぱいに香りが広がり、鼻から抜ける瞬間がたまらなく好き。
馬糞雲丹♡
雲丹の食べ比べ。この馬糞雲丹は軍艦で。シャリよりも雲丹の方が多く、まるで3階建てのようなこの量w頬張るという表現がピッタリで、口の中に溢れる雲丹の甘味が素晴らしい。いつもありがとうございます♡
喉黒♡
軽く炙っているので、脂が蘇るようなジューシーな喉黒。コク旨なシャリに合わないわけがない。
カマトロ♡
毎回あるわけがない部位ですが、確りと用意して下さる心遣いに感謝しかありません。ニンニクが効いた特製タレに漬けてから軽く炙って握っています。その味わいはまるで肉のようで、実に美味しい。
穴子♡
醤油を使わずに煮上げた穴子は確りと香りも残っていて、布団のようにフカフカ。好きな腹の部位だったので、コッテリとした味わいを堪能できます。
突先♡
鮪の頭の部位である突先を使った巻物。パリッとした海苔の香りと口溶けもよく、ジューシーな旨味が溢れます。やはり鮪は美味しい。
玉♡
100%スイーツ寄りな玉は表面をキャラメリゼしており、まるでプリンのような感じ。いつ食べても美味しい♡
「久しぶりだったので、気合い入れましたよ!」と笑う小田親方の言葉通り、まさしく最強の昼鮨でした。久しぶりに味わう「鮨とかみ」の鮨はより力強くなったのか、濃旨の赤酢シャリがビシッと効いており、濃厚な味わいの種は実にハマって美味しい。初手の金目鯛から重いストレートパンチを受け続けるかのようで、畳み掛ける美味しさでノックダウンです♡
今回も実に美味しかったです。小田親方、和田さんありがとうございました!また宜しくお願いします!
2020.12.
一昨年から年の終わりか初めの食べ歩きを飾っているのが「鮨 とかみ」の鮨です。今年は営業するか分からないという状況の中で、「もしやるならば、絶対に行きたい!」と店主の小田 将太さんにお願いしていて、年末のみ営業することが決まったので、2020年の鮨納めとなりました。「鮨 とかみ」と言えば、私のとって最強の昼鮨の一軒なのですが、今回は夜。夜は実に一年ぶりとなる訪問です。
今回の献立
突先♡
まず手渡しされたのは、鮪の頭に近い部位である『突先』を使った手巻き。海苔の香りが映える中で、旨味の強い鮪の美味しさが素晴らしい。
椀物
九絵を使った椀物で、島根県奥出雲産の椎茸、京ほうれん草、金時人参、新潟県産ビタミン大根が周りを彩ります。
吸い地の力強い味わいの中で、特に九絵と椎茸の旨味がグッときます。久しぶりに鮨以外のものをいただきましたが、鮨と同じように力強い。
皮剥の肝和え
綺麗な皮剥の身を厚めに切り、肝と和えたもの。濃厚な肝の味わいに負けることなく、身の味わいも確りと感じられます。
鮟鱇の唐揚げ♡
ムチっとした後、ふわりとする鮟鱇は旨味も抜群。鮨店で供される揚げ物は大好きです。
せいこ蟹♡
雌のずわい蟹の身と味噌、更には内子と外子も全て混ぜて込み、上から蟹酢の餡をかけたもの。仄かな餡の酸味が蟹の味わいの輪郭を確りとさせており、美味しい。
蕪蒸し
白川と聖護院かぶを使った蕪蒸しにぬるっとした金時草を飾ったもの。ここでも出汁の力強さがグッときて、ふわりとした蕪に包まれた白川が美味しい。
鮃
極上のモチモチ食感。咀嚼を重ねていく度に甘味が溢れてきます。
鰤♡
湯霜の後、出汁醤油で漬けにしたという鰤は濃厚な旨味と甘味が口に入れた瞬間から溢れます。
墨烏賊
醤油と酢橘の香りが印象的な墨烏賊。サクサクとねっとりが同時に味わえます。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られたジューシーな春子鯛は、甘味と旨味の塊のよう。
赤身漬け♡
千葉県銚子産。漬けにすることで、旨味が凝縮して累乗しています。
中トロ♡
口に入れた瞬間の口溶けが素晴らしく、鼻から抜ける香りも心地よい。
大トロ♡
岩手県大船渡産。大トロとは液体だったのか!と思うほどに濃厚なジュースが口の中に溢れます。
小鰭
煌めくような小鰭はキリリと〆してながらもジューシー。
車海老
綺麗なだんだら模様の車海老は香ばしさと甘味と香りが映えます。
鰆昆布〆
仄かなピンク色が可愛いらしい鰆は脱水されて旨味が凝縮して、とろけるような感じがたまりません。
親子丼♡
鮨店の親子丼といったら、やはりコレです。シャリは少量で鮭といくらが溢れます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、柔らかく旨味も溢れて香りも素晴らしい。
鮪のコラーゲンスープ
夜限定のスープ。昼に供されるあら汁も美味しいですが、上品な旨味が美味しい。
鰹♡
第一印象はふわりとする薫香。そして甘味と旨味がシャリの酸味ではっきりとして実に素晴らしい。
馬糞海胆♡
2階建て、いや3階建てのような馬糞海胆の軍艦。ズシリとくる重みは小田親方のお年賀ですw
喉黒♡
トゥルトゥル食感の身は昆布〆で脱水して旨味が凝縮。皮を軽く炙ることで脂が蘇るようで、濃旨な赤酢シャリにビシッと合います。
穴子♡
醤油を使わない爽煮の穴子は香りも楽しめ、食感は舌に絡みつくようでモフモフトロトロ。
玉♡
表面をキャラメリゼさせれた100%スイーツの玉。
2020年は飲食店においても近年類を見ない大変な年であり、未だまだ終わりが見えません。そのような中でも変わらぬ美味しさを提供して下さり、ありがとうございました。2021年もまた最強の昼鮨を楽しみにしています。将太さん、ありがとうございました!31000
2020.10.
職人の気概と濃旨な鮨が生み出す力強さ
通わさせていただいている鮨店の中には昼営業もしているお店もありますが、私が伺うはいつも夜。昼に伺う際にも、出来るだけ夜コースをお願いしています。その中で唯一、昼の握りのみのコースを求めて伺うのが銀座にある小田 将太さんが店主を担う「鮨 とかみ」。銀座という敷居の高さを感じさせないフレンドリーな接客と豪快な握りを供し、ランチは内容から考えてもかなりリーズナブルな鮨店だと思います。鮨は赤酢がガツンと効いたシャリを大きく握る男鮨で、私はデフォルトコースをベースとして更に追加で握っていただいている独自のランチコースになっています。
今回の献立
突先♡
心掴むいつもの初手。海苔の香りと鮪の旨味が濃旨なシャリと共にガツンとしたインパクトを与えてくれます。
真鱈のお椀
真鱈・白子・白木耳・かぶらの吸い物。吸い地の中で、それぞれの旨味が確りとしていて美味しい。
真鯛
濃旨な赤酢シャリの旨味にも負けないような甘味が咀嚼する度に溢れてきます。真鯛も侮れない。
泥障烏賊
細く切られているので、口溶けも良くて甘味も確りと感じられます。
平貝
極上のサクサク食感と柚子の香りが心地よく響きます。
鰤♡
冬に食べるような濃厚さはまだないものの香りは素晴らしく、食べ終えても尚続き、旨味の余韻も長い。
牡丹海老♡
「nao.さんの為に用意しました」と供されたのは、特大の牡丹海老。さすがにコレを一貫にするのはムリなので、塩と醤油で。プリプリ感と舌に絡みつくような甘味が極上。将太さん、ありがとうございます!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていてジューシーな仕上がり。
鰻松♡
宍道湖の天然鰻と岩手県産の松茸を合わせた鰻松丼。しかしほぼ松茸という分量が可笑しいww香りと食感と旨味が幾重にも重なり合う素晴らしさ。
赤身漬け
今回は宮城県塩釜産。酸が程よく、漬けにすることで脱水と底上げされたような旨味が溢れます。
中トロ♡
口溶けよりも旨味のコクが跳ね上がって、じっくりと美味しい。
牡丹海老の頭♡
先程の牡丹海老の頭を炙ったもの。なんだ、コレ?液体のようにトロトロです。
大トロ♡
最早、液体!極上の旨味を備えたジュースでしかないです!今回の鮪は実に旨味が濃くて、美味しい。
鮟肝ご飯♡
まるで、某おでん店の『とうめし』のよう。オレンジ色に光る鮟肝は濃厚な味わいで、舌に絡みつきます。
小鰭
キリリとした酸と旨味が確りとした小鰭。素晴らしき爽やかが駆け抜けます。
車海老♡
仄かな人肌、甘味も香りも素晴らしい。
鰆
仕立ては昆布〆。トロリとしてふわりとした食感の中で、ビシッとした昆布の旨味が映えます。
親子丼♡
鮨店が作る親子丼と言ったら、コレですね。生のいくらなので、皮がほぼないに等しく飲み物みたいwwパリパリとしている鮭の皮との食感のコントラストがあって美味しい。
煮蛤
ジューシーな旨味がこの赤酢シャリと素晴らしいマリアージュを生み出します。
秋刀魚♡
将太さんが箱をひっくり返して、選びに選んでくれた秋刀魚。脂というよりは、この香りが素晴らしい。
鯵
マッチョさも感じるような締まった鯵で、旨味が強い。
北紫海胆♡
笑いながら供された北紫海胆の軍艦を持った瞬間に、私も笑う。重っ!ww
あら汁
「そう…葱たっぷりで…」そんな小声を聞いて供されたのは、あら汁。しかし、この量が…ww
喉黒♡
トゥルトゥルの喉黒は瞬でとろけます。やはりこのシャリには脂や旨味の強い種が非常に合います。
穴子♡
醤油を使わずに煮付けられた穴子は、真白で香りも感じられる仕立て。布団のようにモフモフ食感の後、舌に絡みつくようにトロリとします。
カマトロ♡
今回も用意して下さいました。「シャトーブリアンですww」と供されたのは、ニンニク醤油に漬けて炙ったカマトロ。鮪って何だろう?肉だったのか?と考えさせられるほどに肉々しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ系の玉。印象に残りやすい最初と最後はお店の顔とも言える種です。
やはり鮨店に来たならば、肴よりも鮨を食べたいという私の思いを期待以上の鮨で応えて下さる将太さんの心意気にいつも感謝しかありません。今回も美味しく楽しい鮨をありがとうございました!また宜しくお願いします♡32560
今回出逢えたお酒
瀧自慢 純米 大吟醸 銀ラベル
クラシック 仙禽 亀ノ尾 2020
東洋美人 純米大吟醸 白鶴錦 槽垂れ
2020.5.
コロナ禍で休業やテイクアウトのみの営業をしている鮨店が多い中で、普通に営業していて空席もあり、馴染みのお店ならばやっぱり応援を込めて行きたい。で、やってきたのは銀座にある「鮨 とかみ」。店主・小田 将太さんの握る鮨はかなり大きくて、大好きな濃旨な赤酢シャリを存分に堪能でき、更に素晴らしいCPというのも魅力的な鮨店です。
今回の献立
突先♡
初手はやはりコレ。鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。海苔の香りに包まれながら、旨味の濃い突先が「鮨とかみ」に来たと実感させます。
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を南蛮漬けに。鯵にはない稚鮎のほろ苦さがとてもよく合います。
真鯛
身には確りとした食感があり、噛むたびに甘味が引き出されていくかのようで、濃旨な赤酢シャリにも負けません。
泥障烏賊
かなり細かくしているので、甘味が瞬時に感じられて口溶けも早い。
平貝
心地よいサクサク感で、柚子の香りが華やぎます。
白海老
生の白海老だそうですが、クセなどは微塵もなくて、ただ甘味だけが凄い。
烏賊唐墨♡
前回の感動をもう一度!薄く切った自家製唐墨を軽く炙り、墨烏賊の下に入れて握られます。この唐墨は全くしょっぱくないので、旨味だけが加わる感じです。実に美味しい♡
鳥貝♡
京都府舞鶴産。今年もあまり良くないそうで、この一貫の為にお店にあった鳥貝を全部剥いてもらって選んできたという感謝しかない鳥貝。ワタは少ないながらも、肉厚で食べ応えもあって美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆ていながらも、瑞々しさが残っていてジューシー。
赤身漬け
今回は千葉県銚子産のもので、なんと2週間の熟成をかけたらしい。夏にかかった鮪は爽やかな味わいで、食べ終わるとふわりと香りが鼻から抜けます。
中トロ♡
やはり2週間の熟成は素晴らしく、口溶けの早さが尋常じゃありません。まるで液体のよう。
大トロ♡♡
先程の中トロがそうだったのだから、この大トロも想像はつきましたが…やはり口溶けの早さが凄い。中トロに比べると、コクがあって美味しい。
カマトロ♡♡
今回はカマシタではなく、本当のカマの部位らしい。特製のニンニク醤油に漬けてから炙って握られるこのカマトロは、まるで肉。毎回確実にあるわけではないけど、いつも用意して下さる心遣いに感謝。
小鰭
「ちょっと小さいので、2枚ね」と供された小鰭は珍しい2枚付け。旨味と酸が心地よく、口の中に広がります。
車海老
火入れも素晴らしい半生状態で、甘味と香ばしさも感じられて美味しい。
鰆昆布〆
口の中でふわりと昆布の旨味がし、鰆のほわんっとした甘味が滲み出ます。
鶏魚
これから旬を迎える夏を告げる魚の鶏魚。皮目を軽く炙って、脂を引き出しています。
太刀魚の蒲焼♡
定番となった焼魚シリーズ。今回はそろそろ終わりという太刀魚を蒲焼風にして、シャリと共にいただきます。元々ご飯と好相性なのだから味わいは勿論のこと、太刀魚のふわっとした身がたまらなく美味しい。来月からは金目鯛にしてみるそうで、それも美味しいに決まっています。
〆鯖
薄く3枚に切りつけてから重ねて握るアーティスティックな一貫。程よく口溶けて、シャリと混ざり合います。
鰹♡
生のまま燻製にすることで、確りとシャリに合う種となっています。薫香が一陣の風のように駆け抜けていくのが、とても印象深い。
煮蛤
低温調理をしているので柔らかく、色合いは薄いながらも噛み締める度に旨味が溢れます。
真鯵
爽やかな味わいがあり、肉厚なので口の中での存在感が凄い。
北紫海胆♡
たっぷりと使いすぎて崩れちゃうので、手渡しされた北紫海胆。香り高く甘味もあって、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。最近は豆板醤?を入れなくなったのでしょうか。辛味はありません。
馬糞海胆♡
馬糞海胆をシャリに混ぜ込んで、その上から酒や味醂で味を付けた海苔の佃煮を乗せた椀物です。構成は海胆の軍艦と同じですが、酒や味醂の調味料の甘味が馬糞海胆の甘味と合わさり、非常に美味しい。最近、ディナーではこんなスタイルの海胆を供しているらしく、素晴らしい発想です。
喉黒
皮目を炙ることで、身と皮の間の脂が蘇るよう。やはりこのシャリには旨味の強い種がよく合います。
穴子
香りも楽しめるように醤油を使わずに焚かれた爽煮の穴子。トロリとして、舌に絡みつきます。
玉♡
最後は表面をキャラメリゼした100%スイーツな玉。
今回も素晴らしい内容でした。シャリの旨味が強いので、それに合わせる種も鮪を中心にして強いものとなり、一貫一貫が力強い鮨が楽しめました。
今回も色々と用意して下さり、ありがとうございました!大変な時期ですが、お身体だけは気を付けて下さい。30360
今夜出逢えたお酒
生粋左馬 純米吟醸 生原酒
勝山 純米吟醸 献
2020.2.
鮨の聖地としても有名な街、銀座。多くの鮨店が点在する中で、私の胃袋をグッと掴んで離さない昼鮨があります。それが小田 将太さんが握る「鮨 とかみ」。ガツンと赤酢の効いた旨味の強い赤黒いシャリを大きく握ったコロンとした鮨が特徴的で、昼には13貫と16貫の握りコースのみを提供しています。勿論、デフォルトコースでも満足度はかなり高い中で、私がお願いしているのがシャリに合うものは何でも握ってもらうこと。夜コースをも凌駕するこのコースこそが、私の中で最強の昼鮨。今回も楽しませていただきます。
今回の献立
甘鯛と合馬たけのこの椀
甘鯛に京都の金時人参と法蓮草を入れ、聖護院蕪を使って、みぞれ椀仕立てに。出汁も強めに引いており、味わいが確りとした椀物。特に福岡県産の合馬たけのこの香りや甘味が素晴らしい。
金目鯛
程よく脱水されており、旨味が凝縮して美味しい。食べ終えて、口の中に残る甘味が印象的。
槍烏賊の印籠詰♡
大葉・蓮根の酢漬け・胡麻を入れた赤酢シャリを槍烏賊に詰めた印籠詰。歯がいらないくらいに柔らかな槍烏賊に驚き、シャリに混ぜ込まれた蓮根のシャリシャリとした食感とのコントラストが映えます。
泥障烏賊
細く切られているので、ねっとり感と甘味が秀逸。他店だと烏賊は塩が多いですが、醤油を使うことで香りも演出しています。
公魚とタラの芽の揚げ物♡
豆腐の水気を抜いてから裏漉しして、鯛の酒盗と合わせたものでいただく揚げ物。これが素晴らしく、美味しい。軽い味わいの公魚とタラの芽に強い旨味をぶつけて、鮨に負けない味わいになっています。
平貝
柚子香るサクサク食感の後から生まれる平貝の甘味が美味しい。
赤貝♡
ヒモも一緒に握る大好きな仕立て。やはりこのヒモを入れることで、食感も香りも抜群に跳ね上がります。
春子鯛
手で掴むとふわりとする春子鯛はジューシーで、甘味があって美味しい。
唐墨烏賊♡♡
他店ならば上から削るくらいだと思いますが、大胆に自家製の唐墨を薄切りにして炙ったものを肉厚の墨烏賊と一緒に握った一貫。凄い!サクサクとした墨烏賊の心地よい食感はありつつも、唐墨の旨味の塊が口の中で暴れ回る素晴らしいの一言です。
鰤大根♡
柚子香る甘く焚き上げられた鰤大根は脂もあり、大根も確りと味が染みていて、実に好みの味わい。
赤身漬け
今回の鮪は、静岡県下田産の140キロ。食べ終えても続く香りは素晴らしい。
メジマグロ♡
儚いような食感でありながらも、旨味は確りとして強い赤酢シャリにも負けずに美味しい。
中トロ
ゆっくりとしたとろけ方で、上品な旨味がシャリと混ざり合います。
大トロ♡
筋も全く当たらずにトロトロな鮪は、ちょっと温度のあるシャリの中で、旨味と脂が迸ります。
小鰭
旨味がグッとくる小鰭はジューシーで、キリリとした後味。
車海老
綺麗なだんだら模様が浮かぶ車海老は、甘味が秀逸。今回はちょっと温度高めかな。
鰆昆布〆
脱水された分、確り昆布の旨味が入り込んでいて旨味が強い鰆。
太刀魚♡♡
コンセントは焼き魚とご飯。不味いわけがない!素晴らしいマリアージュ。味は勿論のこと、口に入れた時の海苔と太刀魚の香りが凄い!
椀物
濃厚なアラ汁。ですが、量が…ww
煮蛤
色合いはライトながらも、旨味は強い煮蛤。
鶏魚
皮目を炙っている鶏魚は香ばしさと鶏魚本来の香りもあり、旨味と甘味も確りと。
〆鯖♡
薄切りを数枚重ねた仕立てなので、瞬時にとろける口溶けの良さ。
真鯵
上に乗せられた薬味の香りが華やぎ、肉厚で存在感のある鯵の旨味が暴れるよう。
北紫海胆♡
海苔と海胆が同時にとける様は、口の中で行われる数秒のドラマ。香りと甘味が映えて、実に美味しい。
馬糞海胆
コレも海苔と同時にとけますが、香りがあまりない分、甘味は強い。今回の好みとしては北紫海胆の方かな。
喉黒
口に入れた途端にジュースと化す喉黒は、まさにトロトロ。
穴子
布団のようなフワフワ感。爽煮なので、穴子の香りも確りと感じられます。
突先♡
旨味が強い頭の部位を使った手巻き。最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
玉♡
スペシャリテのキャラメリゼされた100%スイーツ寄りの玉。最近はよりプリン感が強くなっています。
「今の時期、魚の種類が少なくって…」と仰いながらもこの量を用意して下さり、ありがとうございました。今回の白眉的な一貫は、やはり唐墨烏賊と太刀魚ですかね。一瞬で違う世界へと連れて行ってくれるような衝撃的な味わいでした。
今回も実に美味しく、楽しませていただき、ありがとうございました。次回も楽しみです。ご馳走さまでした。28600
2019.11.
銀座にある「鮨とかみ」で、店主の小田 将太さんの心意気に感謝して、夜メニューを超える最強の昼鮨を今回も楽しみます。
本日の献立
突先♡
今回は最初に供された鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。デフォルトだと昼は最後のはずなのですが…最初でも最後でも卑怯なまでの美味しさ。
鯛と鯛の白子の炊き合わせ
歯を跳ね返すようなムチムチとした身の弾力と旨味の濃さが素晴らしい。
真子鰈
モチモチとした食感を楽しんでいると、濃旨なシャリと真子鰈の旨味が混ざり合います。
鰤♡
出汁醤油で漬けにしているので、鰤のクセは微塵もなくて余分な脂も抜けており、旨味だげが凝縮しています。
泥障烏賊
細く切りつけてから握っているので、口の中で溶けていきます。そして口の中に残るのは、泥障烏賊の強烈な甘み。
赤貝♡
ヒモも一緒に握っていることで、食感と香りが格段に違います。赤貝はやはり一貫で丸ごと使う仕立てが1番!
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は驚くほどにジューシーで、フワフワな食感。
平貝
柚子香るサクサク食感の楽しさ。
うなまつ♡
肉厚な宍道湖産の天然鰻と岩手県産の松茸を贅沢に使った小丼。底にはシャリも入っていますが、ほぼ鰻と松茸。甘みのあるタレが私好みで、美味しい♡
赤身漬け
今回はちょうど鮪の入れ替えのタイミングだったそうで2種の魚体があり、思いがけずに鮪祭りとなりました。
まずは宮城県塩釜産202キロの背中の赤身を漬けで。出汁醤油の旨味で倍加した赤身は味わいも濃く、食べ終えた後に鼻から抜ける香りも素晴らしい。
血合いぎし♡
魚体を変えて、青森県龍飛産190キロの血合いぎし。こちらの方が香り高く、食べた瞬間に鮪の香りが花開くよう。やはり、血合いぎしは素晴らしい。
中トロ♡
青森県龍飛産98キロの背中側の中トロ。小型の鮪なので身質も柔らかくて、とろけ方も素晴らしい。香りでは血合いぎしには負けますが、旨味が濃くて美味しい。
大トロ♡
また宮城県塩釜産の魚体に戻って、大トロの霜降り部位。噛み締める度に溢れる旨味は尋常ではなく、旨味という一種の暴力です。
大トロ♡
最後は、青森県龍飛産の大トロの砂ずり部位。厚みのある身にズズッと歯が入ると、溢れる旨味とコク。見た目からも美味しさが伝わるかと思いますが、実際はもっと美味しい♡
あん肝ご飯♡
「今日は、あん肝大きすぎましたね」と供された小丼に入っているのは、甘く炊き上げたあん肝とシャリ。しかしながら、ほぼあん肝というアンバランスさが嬉しい!シャリと混ぜ混ぜして食べる素晴らしいお酒のアテご飯です。
小鰭
鮪からあん肝までの流れをクールダウンするかのような小鰭。けれど、小鰭もかなりジューシーで旨味溢れます。
車海老
半生よりも更にちょっとだけ火を通した車海老。甘味と香ばしさが確りと感じられます。
いくら親子丼♡
またしても小丼。その中身はキラキラと輝くいくらとそのいくらに溺れるように入れられている銀鮭。このいくらが凄い。まるで球体のジュースのようで、いくらの薄皮すらも感じさせないくらい。弾けるというよりは溶けるようないくらです。
唐墨♡
大きな唐墨をザックリと切ってから軽く炙れば、最高の肴に。
鰆昆布〆
昆布は旨味を乗せて、ふわりと香る程度。口の中でじゅるりと溶ける鰆は、甘味を残しながらふっとなくなります。
煮蛤
色合いはライトながらも、確りとジューシーな煮蛤は柔らかくて、美味しい。
椀物
濃厚なアラ汁。今回は濃度も味わいも丁度いい。
鯵
爽やかな脂と旨味が駆け抜ける鯵。肉厚で口の中での存在感がバッチリです。
馬糞海胆♡
軍艦巻きにまるでタワーのように山盛りされた馬糞海胆。口の中で感じるのは、ほぼ馬糞海胆という口福感です。
喉黒♡
身の方は昆布で脱水させ、皮は軽く炙って脂を引き出しています。濃旨の赤酢シャリにはやはりこういう種がよく合います。
カマトロ♡
「いつも運がいいですよね」と出していただいたのは、カマトロ。切りつけてから、ニンニクがガツンと効いた特製タレで漬けにしてから炙って握られます。魚を超えるまるで肉のような存在感。美味しい♡
穴子♡
舌に絡みつくようなトロトロな穴子。爽煮なので、穴子の味や香りも楽しめます。
玉♡
最後の〆の玉まで抜かりない味わい。表面をキャラメリゼした鮨店の玉には珍しく100%スイーツに振り切った味わい。
小田さんご自身も握りが好きで、中毒性のある赤酢シャリは大きくて食べ応えもあり、昼鮨としては最高です。特に今回は思いがけず数種類の鮪に出逢えて、幸せでした。旬のものとしては、やはり『いくら』が秀逸で、全く薄皮を感じさせない素晴らしい仕立てで美味しかったです。
本日出逢った日本酒
賀茂金秀 特別純米 13原酒
而今 特別純米 火入れ
十四代 超特撰 純米大吟醸
栗林 純米火入れ 六郷東根 ピンクラベル
磯自慢 大吟醸 水響華
クラシック 仙禽 亀ノ尾
今回も感動をありがとうございました!次回は2020年の鮨初め、今から楽しみです。33000
2019.8.
きっと予約で一杯だから無理と思いつつも、ダメ元で連絡してみた銀座にある「鮨とかみ」。奇跡的に希望していた日付で空きがあるとのことで、スキップしながらやってきたわけです。
戸を開けると、「毎度!」と威勢良く挨拶して下さったのは、店主の小田 将太さん。「やま幸」の鮪をはじめとする種はどれも素晴らしく、銀座でありながらもランチは驚くほどにリーズナブル。特徴的な濃旨の赤酢シャリは、女性でも容赦のない大きさで握られていて、多くの食べる人を魅了しています。
本日の献立
鰹 特製玉葱ドレッシングで
先付は鰹。上から盛られた白葱・生姜・茗荷・大葉・カイワレのたっぷり薬味で清涼感があり、最後に鰹の旨味や甘味がグッときます。
目痛鰈
西関東〜九州地方では高級魚だそうですが、関東では珍しい魚。星鰈よりも甘味と旨味があり、香りもいい。
新烏賊♡
墨烏賊の赤ちゃんの新烏賊。まだサクサクという食感ではないですが、この儚いような食感が好き。
平貝
柚子香る平貝は、サクサクの食感と甘味が映えます。
石垣貝♡
ワタの方を軽く炙っており、香ばしさと甘味が素晴らしい。ザクザクとした食感も素晴らしい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛はふわりとしていて、瑞々しくジューシーな味わい。
鰻松♡
「握りではないですが、やはり出さないとね」と供していただいたのは、秋の味覚。
宍道湖の天然鰻は締まった肉厚で、脂もありながら旨味が素晴らしい。岩手産の早松茸は、香りが抜群。新潟産トウモロコシのかき揚げは、激烈に甘い。
赤身漬け
宮城県塩釜産127キロ。出汁醤油の旨味が上乗せされて、鮪の旨味がギュッと凝縮してます。食べ終えて、鼻から抜ける香りも心地よい。
中トロ♡
同じ魚体の背の部分。脂の口溶けよりも旨味が勝る素晴らしい味わい。
大トロ♡
口溶けはさすが。でもやはり旨味が強く、鮪の味が濃い。夏の鮪もいいですね。
新子
3枚付けの新子は、ふわりと柔らか。夏の江戸前鮨の粋を感じる一貫。
小鰭♡
脂もあり、旨味も迸ります。やはり、美味しさでは小鰭の方がいい。
車海老
いつものブレのない完成度。感じる甘味と温度は実に好み。
鰆昆布〆
切りつけの厚い鰆はねっとりとして、ふわりと香る昆布の旨味に酔いしれます。
鱒子♡
いくらよりも瑞々しく、まるで飲み物のような鱒子。薄皮すらも感じさせない口溶けの良さは素晴らしい。
縞鰺♡
高知県産の天然もの。身も締まっていながらも脂もあり、旨味も感じます。
煮蛤♡
ライトな色合いですが、確りと旨味が染み込んだ煮蛤。柔らかく、ジューシー。
椀物
名物の魚のアラを使った濃厚な味噌汁。けれど、今回はちょっと濃度が高め。
鰯♡
この口溶けは鮪をも超えます。この鰯を食べて鮪が美味しくなるのが分かる気がする濃厚な旨味が実に美味しい♡
真鯵♡
肉厚の真鯵は爽やかな脂があり、食べ終えて残る旨味と甘味も素晴らしい。
喉黒♡
シャリの温度でも溶けるような喉黒は切りつけも厚くて、食べ応えが抜群。ふわりと香る昆布も印象的。
赤海胆♡
一滴の水分も入っていないような濃厚な味わいで、ただ甘いだけではなくて、その甘味の中に苦味もあって複雑な旨味があります。
カマトロ♡
「いつもあるわけじゃないのに、nao.さんご来店の時はよくありますね」と笑いながら、供してくれたカマトロ。ニンニクや生姜が効いた特製タレに漬け込んで軽く炙ってから握っています。かなりパンチがあるタレなのに、存在感のある鮪。小田さん、いつもありがとうございます。
穴子
初見の方は驚く真白な穴子。ふわりと口の中で崩れて、舌に絡みつきます。穴子の香りも楽しめる一貫。
突先♡
頭の部位である突先を使った手巻き鮨。いつもながらに卑怯なくらいに美味しいスペシャリテ。
玉♡
コース料理の中で、やはり最後に食べた物が一番印象に残るといいます。この表面をキャラメリゼした独特の玉は、多くの鮨店の中でも抜群の存在感を示しています。
今回もディナーを超える怒涛の握りコースは、揺るがない私の最強の昼鮨です。今回は江戸前鮨の粋である新子や新烏賊を同時に味わえる素晴らしいタイミングで、まだまだ暑いですが確実に季節は進んでいることを確認出来た内容でした。
今回も素晴らしい心意気をありがとうございます!秋を感じる頃に、また宜しくお願いします。28944
2019.5.
鮨の聖地と言われている銀座。建ち並ぶ高級店がまだ目覚めていないこの街で昼から鮨を食べるのが、私は好き。ここ数年、昼鮨の最高峰と思っているのが「鮨とかみ」です。店主の小田 将太さんの握りは、一言で言うと大きい。美しい形の握りではないかもしれませんが、「鮨 とかみ」の独特の濃旨な赤酢シャリをガツンと食べることが出来るので、私は大好きです。夜は肴も供していますが、昼は
13貫と16貫の握りコースのみ。私はいつも16貫コースを食べていて、更に他に何かないの?と毎回強請るので、「どうせ食べるんだから、最初から」という流れと小田さんも握りが好きだからという理由で生まれた私のコース。今回も勿論、お願いしました。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
変わっているのは揚げたてで、温かいこと。稚鮎のほろ苦さが確りと味わえて、美味しい。
鶏魚♡
佐賀で買い付けた有田焼の新しい置き台に置かれた夏を告げる種。脂が特に乗ってる腹の部位を握っていただきました。口に入れた瞬間からガツンとくる旨味は、食べ終えてもまだ存在感があります。
泥障烏賊
酢橘と煮切り醤油の香りでいただく泥障烏賊。サクサク食感の墨烏賊もいいけど、ねっとりと甘味を味わうこの烏賊も素晴らしい。
赤貝♡
特大の赤貝。中にヒモも一緒に握る、一貫で丸々1個の赤貝を使う特別使用。独特の瓜のような香りやザクザクとした食感の全てが美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた瑞々しい春子鯛。甘味も感じられて美味しい。
白海老
旨味と甘味がギュッと凝縮した白海老。濃旨な赤酢シャリにも負けない種です。
鰹♡
モチモチとした食感の中で、華やぐ鰹の香りがふわりと鼻から抜けていきます。脂がない分、この香りで食べさせる鰹です。
赤身漬け
宮城県塩釜産200キロという小型を好んで使う小田さんとしては珍しい巨体。旨味が凝縮して、後から追いかけてくるような香りも心地よい。
中トロ♡♡
岩手県大船渡産60キロ定着。実は去年のものだそうで、マイナス60度で保存していたという隠し財産。とても去年のものとは思えないほどの口溶けの素晴らしさ。
大トロ♡
赤身と同じ魚体。大きな魚体ですが、口溶けも良くて、旨味も濃い。食べ終えて、鼻から抜ける香りも楽しめます。
小鰭
キリッとした爽やかのある小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老
半生に茹でられていて、甘味が秀逸。毎回、一分のブレもない仕上がりです。
太刀魚の蒲焼き♡
太刀魚を使った新作は、蒲焼き。コレも素晴らしい出来映えです。太刀魚は焼物の定番ですが、焼いてからの握りは鉄板の美味しさがあります。
鰆
昆布〆で脱水されて、旨味が凝縮した鰆。鰆の甘味と昆布の旨味が絶妙に融合しています。
煮蛤♡
特大の煮蛤。相変わらずのジューシーさで、噛み締める度に溢れる旨味がたまらない。
蝦蛄♡
見た目がちょっとアレなので、苦手な方も多いですが「好きでしょ?」って言って、大きめのものを握って下さいました。さすが、私の好みをよくご存知だ。甘く焚かれた蝦蛄は、香ばしさと海老と蟹を合わせたような旨味があって素晴らしい味わい。
梭子魚ご飯♡♡
鉄板の美味しさの塩焼き魚シリーズ。今回は、梭子魚。滅多に出して下さるお店はないですが、魚の塩焼きにご飯という組み合わせが合わないはずがない。パサパサすることが多い梭子魚ですが、絶妙な焼き加減でジューシーさもあり、シャリに忍ばせた紫蘇の香りも華やぎます。
鯵♡
肉厚で、爽やかな脂が駆け抜けていく鯵。口溶けも良くて美味しい。これからもっと美味しくなる期待の種です。
赤海胆♡♡
山口県産の赤海胆を贅沢にたっぷりと使って握って下さいました。口に入れた瞬間、むせかえるような香りと水分が全く感じられないような極濃厚な旨味が素晴らしい。
北紫海胆♡
上に乗せた北紫海胆の重さで、軍艦が崩れそうww赤海胆が旨味ならば、北紫海胆は香りを楽しむ海胆。甘さのある香りが口いっぱいに華やぎます。
喉黒
皮目はフワフワしていて、身には昆布の旨味が浸透している喉黒。軽く炙って火を入れていますが、白身としての旨さも味わえる仕立てです。
炙り霜降り♡
カマが今回はないそうで、それに近い霜降りの部位を炙って下さいました。勿論、生でも美味しいですが、炙りはまた格別。
穴子
爽煮の白い穴子は柚子の香りが映え、トロリととろけながら、穴子の味わいも楽しめます。
突先♡
最後は旨味の強い鮪の頭の部位である突先を使った手巻き。相変わらず、コレを〆に供するのは卑怯としか言えないくらいの旨さです。
椀物
濃厚なアラ出汁の味噌汁。何故か、コレも大盛りでww
玉♡
表面をキャラメリゼしたクレームブリュレと言っても過言ではない100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、美味しいのでアリです。
昔から「鮨 とかみ」と言えば、どの時期でも素晴らしい鮪に出逢えました。今もそれは何ら変わりませんが、その鮪に勝るとも劣らないほどの今が旬の魚達を握りで味わう。特に握り好きにとって、これ以上の幸せがあるでしょうか。今回も素晴らしいの一言です。
小田さん、スタッフの方々。今回も素晴らしい時間をありがとうございました。毎回、面倒な客で申し訳ないです。次回は、夏の魚が揃った頃に伺わせて下さい。宜しくお願いします。25920
2019.3.
銀座にある「鮨とかみ」は、いつもの昼鮨。でも「昼鮨じゃないよね?」と言われてる内容は、夜鮨をも凌駕するような私だけのスペシャルな握りコース。今回も用意して下さった親方の小田 将太さんに感謝です。
本日の献立
稚鮎の南蛮漬け
揚げたての稚鮎を温かい南蛮漬け仕立て。鮎のほろ苦さもあり、美味しい。
メジマグロのカマ♡♡
初手から凄い種。「今はメジマグロが美味しいんで!」と取って置いてくれたメジマグロのカマ。元々、濃厚な味わいの種は好きですが、それ以上にこの「鮨とかみ」の赤酢シャリにはガツンとした種がとてもよく合います。山葵と生姜を入れる珍しい握り。
泥障烏賊
細かく細切りにすることで、泥障烏賊の良さの甘味を引き出して、シャリとの一体感も生まれています。
赤貝♡
「おっきいね!」
「1番デカいやつです」
こういう心遣いが嬉しい。シャリとの間には醤油漬けのヒモを入れて、赤貝丸々1個を味わえるように握っています。個人的には、この握り方が1番好き。口の中で食感と香りが華やぎます。
真鯛
今は鯛が美味しい時期だと言う。関西に比べて、関東はあまり重宝していない鯛ですが、私は好き。モチモチとした食感の後に来る甘味がたまりません。
金目鯛の腹♡
昆布〆した金目鯛の1番脂の乗っている腹の部位を大胆に切りつけて握ります。程よく脱水されていて、昆布の旨みが上乗せされています。腹の部位が好きということは、もうバレているみたい。
目抜♡
真っ赤な魚体に、飛び出した目が特徴のメバル仲間。握りでは初めて食べる魚です。「春らしさを出したくて」と、これも厚く切りつけてから桜の葉で蒸して握られます。口に入れると、ふわりと広がる桜の香り。身は上品な脂で、ムチっとしていて美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は柔らかくて、瑞々しいフレッシュ感があります。
赤身漬け♡
「鮨とかみ」では小型の鮪を使うことが多い中で、今回は珍しくも千葉県勝浦産220キロオーバーもの。漬けとしては即席ですが、鮪の香りも感じられて美味しい。
中トロ♡
香りと口溶けは、この中トロが1番バランスがいい。
大トロ♡
蛇腹の部位で口溶けも良く、味も濃くて素晴らしい。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中の鮪の脂が洗い流されていきます。
車海老
半生で仕上げている車海老。いつもながらにブレもなくて、香ばしさと甘味が秀逸。
鰆昆布〆♡
口に入れた瞬間に溶けてなくなります。旨味が凝縮した鰆。
太刀魚♡
「いいの仕入れたんですよー」と見せてくれた太刀魚。なんだ、この身の厚さは!しかもこれを塩焼きにして握るという。私のスペシャル握りコースならではの仕立てです。
焼き立て熱々の太刀魚を握ってから、海苔で巻いて手渡しで。コレは、美味しい♡太刀魚の塩焼きは鮨店では定番ですが、握りが1番美味しい!
ちなみに来月はコレを照り焼きにして握るかも?と仰ってたので、来月に行かれる方は出逢えるかな?
細魚
木の芽を挟むことで、口の中で爽やかな香りが駆け抜けていきます。
煮蛤♡
低温調理された色合いはライトながらも、旨味が迸る煮蛤。
〆鯖♡
薄くスライスしているので、〆鯖はシャリとの一体感が生まれます。鯖をガツンと感じる握りも好きですが、バランス系もいい。とりあえず、〆鯖は最高!
海胆♡
「デカシャリと海胆がウリなんで!」って、小田さんは仰るけど…やはりおかしい。フツーは、一列使わないよね?
椀物
この量だからこその濃厚な味噌汁。
喉黒♡
身を昆布〆して、皮を炙ることで滴るような脂を呼び起こして握っています。白身ながらも、トリを務める素晴らしい味わい。
カマトロ♡♡
切る前も肉っぽいですが、漬けにしてから炙ったら更に肉っぽい。実に美味しい♡信頼で得られた一貫です。小田さん、ありがとうございます!
穴子♡
鰻?と思えるほどの極厚の穴子で、小田さんのおっきなシャリをくるりと包むように握っています。穴子は酒と水のみで焚いている爽煮で、香りも味も残る究極のトロトロです。
突先♡
最後に供されるのが、この『突先』。旨味の強い頭の部位を使った鮪の手巻き鮨。いつもながら、コレを最後に供するのは卑怯だと思いますw
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですが、素晴らしく美味しい。
握りの大きさからも分かるように、小田さんが握り好きなので、「握れる種は、全て握る」というのがこのコースのコンセプト。毎度のことながら、今回も凄かった!
小田さん、いつもありがとうございます!次回は5月ですね!宜しくお願いします。23760
2019.1.
2019年の鮨初めは、銀座にある「鮨とかみ」。鮨店の中では1番付き合いが長く、気心の知れたお店であり、大将の小田 将太さんもとてもフランクな方なので、居心地の良い鮨店です。銀座の昼鮨としては素晴らしいCPなので、いい鮨店ない?と聞かれると、真っ先に思い浮かぶお店です。ランチと言いながらも、毎回毎回ランチコースではない内容にいつもなっているのですが…。
今日の献立
先付 干し数の子と若布
今回は、干し数の子と若布。旨味がぎゅっと凝縮した数の子は、バリバリとした食感もご馳走。
鮃
モチモチ食感を楽しんでいると、旨味の強いシャリと鮃の甘味が混じり合います。
墨烏賊
酢橘と塩ではなく、醤油で。醤油の香りが墨烏賊に映えます。
平貝
サクサク食感の心地よさの中にある柚子の香り。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆られた春子鯛は瑞々しく、フレッシュ感を感じさせます。
赤身♡
中トロ
大トロ
今回の鮪は、青森県大間産120キロもの。さすがはトップシーズンの鮪!香りも甘味も素晴らしく、脂も申し分ないです。特に赤身が吸い付くようなキメの細かさで、とても美味しかった。
砂ずりの大トロ♡♡
「ちゃんと取っておきました!」と満面の笑みで供してくれました。信頼が獲得した一貫です。口に入れると瞬時に溶ける脂は、まさに大トロらしい味わい。
槍烏賊の印籠詰♡
江戸前の伝統的な仕事の印籠詰。子持ち槍烏賊の時期にも食べたい。
小鰭
口の中をリセットさせるようなキリッとした味わいの小鰭。きっと本来ならば、折り返しとなる種なのだろうなぁ。
鮟肝ご飯♡
シャリと鮟肝の割合が1:9という、ほぼ鮟肝なご飯。ぐちゃぐちゃに混ぜてから、スプーンでいただきます。
鰆昆布〆
鰆の甘味に昆布の旨味が確りと乗っており、口の中に入れた瞬間に感じる鰆の存在感も素晴らしい。
車海老
完全に火が通る寸前のような火入れで、甘さや香ばしさも感じられる、いつもながらにブレのない車海老。
鰤♡
部位としては、砂ずりのあたり。鮪で言えば、大トロでしょうか。真空状態で保存することで脂を身全体にまわしているそうで、口溶けも格別。
煮蛤
低温調理された煮蛤は色合いがライトですが、確りと味は染み込ませており、噛み締める度に溢れ出します。
〆鯖
〆ているのを忘れるようなフレッシュ感のある鯖。薄く3枚に切られているので、シャリと素早く混ざり合います。
九絵♡
小型ながらも、とてもよい九絵だったそうで、ネットリと舌に絡むように甘さが広がります。この赤酢シャリにも負けない味わいです。
唐墨♡
ちょうど常連さんだけになったので、本格的にやりたい放題にwこんなカラスミ出されたら、日本酒飲みたくなります。このお店では久々。選んでいただいたのは、小田さんのお気に入り『山形県鶴岡市 亀の井酒造 くどき上手 純米大吟醸 白鶴錦33%』。
北紫海胆 新年スペシャル♡♡
「新年だから、海胆は盛らないとねー」と言いながら、モリモリ。今日5名がドタキャンしたから、おかしくなっちゃったの?というくらいに、山盛りの海胆w
メジマグロのカマ♡♡♡
「この間、メジのいいのがあったので取っておいたんですよー」と掌と同じくらいのカマを手にとって、出刃で捌いていくと…「え?一貫分?」
コレは本当に凄かった!まるで、肉です。それでいて脂はさらりとして、素晴らしい味わい。
喉黒
身の部分は昆布〆にして、皮目を軽く炙ってから握っています。程よく脱水と昆布の旨味を身に纏っていて、ただとろけるだけの喉黒とは一線を画す味わい。
穴子♡
プルプルで、舌に纏わりつくようなとろけ方の穴子。今回のは非常に好み。
突先♡
最後は勿論、コレ。海苔の香りも、突先の濃厚な旨味も〆としては素晴らしい。
お碗
極濃厚なあら汁は、いつも美味しい。
玉♡
表面をキャラメリゼした100%スイーツの玉。鮨店としては珍しいですが、実に美味しい。
今回もデフォルトコースを逸脱した素晴らしい握りコースでした。元々、つまみでお酒を飲むよりも握りを食べるの方が好きなので、「鮨とかみ」の昼鮨はたまりません。そこにわざわざ取り置きして下さるスペシャルな種が加わることで、天井知らずの満足度があります。いつもいつも良くして下さる小田さんの気遣いに感謝!
次回は未定ですが、今年も定期訪問するのは確実な鮨店です。今年もどうぞ宜しくお願いします♡25920
2018.10.
個人的に昼鮨の最高峰と感じているのは、銀座にある「鮨 とかみ」。2代目店主の小田 将太さんの接客は、初見の方でも緊張を感じさせないほどにフランク。常連ともなれば、これほどに居心地いいお店はないかもしれないです。
本日の献立
梭子魚の燻製と玉葱ポン酢
先付。梭子魚はふわりと薫香をつけていて、切りつけも厚くて存在感もバッチリ。
鮃
白身ながらも程よく脂も感じられて美味しく、後からシャリの旨味が追いかけてきます。
墨烏賊の下足
身はどこのお店でも出されますが、下足を出しているのは珍しいのでは。身よりも旨味が強く、食感も楽しめて美味しい。
平貝
柚子香るサクサク食感の平貝。
春子鯛
黄身酢おぼろで〆た春子鯛は、皮目も柔らかで瑞々しくもジューシー。
赤身漬け ♡
青森県大間産の159キロ。香りが素晴らしい。
中トロ
同じ魚体。バランスは1番いいかもしれない。
大トロ ♡
霜降りの部位で、口溶けもドッパーンって感じ。
小鰭
キリリとした小鰭。口の中をリセット出来ます。
車海老 ♡
いつもながらにブレのない車海老。温度・甘さ・香ばしさ、全てが完璧な仕上がり。
鰆昆布〆 ♡
口の中に入れると、瞬間的になくなるような食感。昆布の旨味の奥にある鰆の甘さも愛おしい。
いくら小丼 ♡
フツーはいくらの軍艦巻ですが、私は小丼仕立てに。いくらの薄皮は殆どないに等しく、まるで卵かけご飯のような感じになります。美味しい♡
煮蛤
低温調理された煮蛤は、ライトな見た目とは裏腹にかなりジューシー。
鮟肝ご飯 ♡
以前も食べた鮟肝ご飯。大きな鮟肝をぐちゃぐちゃにシャリと混ぜて、いただきます。濃い目に味付けられた鮟肝と赤酢のシャリが絶妙に合います。素晴らしい味わい。
海胆
これでもかと盛った海胆タワーは、なんと3段。軽やかな甘さとプリン体の食感を十分に楽しめます。
秋刀魚 ♡
旬の魚は実に美味しい。見た目はフォトジェニックで、味わいはエクセレント。
喉黒 ♡
身は昆布〆に、皮目はサッと炙ってから握られます。口の中で目覚めるように喉黒がシャリと共に溶けていきます。
鰤 ♡
北海道羅臼産。濃厚な脂と舌にまとわりつくような旨味が印象的で、食べ終えてもまだ残る存在感。濃厚な種には、やはりこの赤酢シャリは真価を発揮します。
太刀魚 ♡
某店のオマージュ。ちなみに銀座のあのお店ではなく、渋谷のお店の方です。イメージは太刀魚の塩焼きで、つまみではよく供されますが、ご飯と食べられる握りの方が好き。
牡丹海老昆布〆
ねっとりと舌に絡みつく牡丹海老は昆布〆で脱水されており、旨味がギュッと凝縮してます。赤酢シャリにもバッチリ。
椀物
少量ながらも、濃厚なあら汁。
穴子
穴子の香りを大事にした爽煮。煮つめもごく少量なので、穴子という魚を楽しめます。
突先 ♡
〆の突先巻き。毎回思いますが、最後にコレを出すのは反則でしょう。最初に出すのも反則ですが(笑)
玉
表面をキャラメリゼした100%スイーツ寄りの玉。鮨店では珍しいですね。
「どうせ、何を出しても食べるでしょ?」と言って、シャリと合わせられる種を全て出していただきました。なので、どれがデフォルトでどれを追加しているのか、分からないのでご容赦くださいませ。
小田さん、いつもありがとうございます。ランチがなくならないよう、頑張ってくださいね。またお願いします。19440
2018.8.
私の中で銀座の昼鮨の最高峰と思っているのが、「鮨 とかみ」。夜は『おまかせコース』のみですが、昼は10・13・16貫から選べる『握りコース』のみを提供しています。この中で断然オススメするのが、16貫コース。このコースには有名な鮪問屋の「やま幸」の極上鮪の大トロ、てんこ盛りの海胆や高級白身魚の喉黒が含まれていて、12000円と銀座の中ではとてもリーズナブル。もし13貫を食べるならば、シャリは言えば小さくしてくれるので16貫がオススメなのです。
本日の献立
先付
熊本県産 長茄子、北海道噴火湾産 毛蟹、沖縄県産 島オクラを土佐酢ジュレで。土佐酢の爽やかさの中で映える毛蟹の甘味がとても印象的。
星鰈
心地よい歯応えを楽しんでいると溢れる星鰈の旨味が濃旨な赤酢シャリと混ざり合います。
泥障烏賊
薄くそぎ切りすることで、甘みを感じながら溶けていきます。酢橘の爽やかさと煮切り醤油の香りが後から鼻に抜けていきます。
平貝
サクサク食感の平貝に柚子の香り。美味しい。
春子鯛
黄身酢おぼろで優しく〆られた春子鯛は瑞々しく、ジューシー。
宍道湖産天然鰻&松茸(追加) ♡♡
「きっと食べると思って、最初から用意しました」と言って供されたのは、夜メニューの一品。赤酢シャリの上に宍道湖の天然鰻をパリパリに焼いて、更に上から松茸を乗せた『うなまつ』。マズいわけがない!松茸はふわりと香り、鰻がこのシャリとよく合います。
北海道噴火湾産 赤身漬け
今回の鮪は全て同じ魚体で、37キロのもの。小型ということで、赤身はライトな感じ。
北海道噴火湾産 中トロ ♡
ここからこの小型鮪の本領発揮。脂も香りもいい。
北海道噴火湾産 大トロ ♡♡
筋がありますが、小型ということで全く歯に当たることがありません。口の中で瞬時にとろけながら、香り高い。
小鰭
口の中をリセットする小鰭。でもこれもかなりジューシーです。
車海老 ♡
温度や甘みが秀逸で、とろけるような車海老。いつもブレがない美味しさ。
縞鯵
甘さのある脂が口の中にいつまでも残ります。
鰆
昆布〆された鰆は旨味が凝縮して、更に昆布の旨味が上乗せされているので、美味しい。
煮蛤 ♡
低温調理された煮蛤は、見た目よりも旨味がグッときます。
真鯵 ♡
かなりの肉厚で爽やかな脂があり、青魚の香りもいい。
北紫海胆 ♡♡
もはや握りじゃないwすごいボリュームの海胆が流れています。
椀物
濃厚なアラ汁。
喉黒 ♡
身は昆布〆して、皮目は軽く炙って握られます。炙ることで脂が溶け出し、このシャリと混ざり合います。
穴子
白く焚かれた爽煮の穴子に、濃厚な煮詰めをつけて。穴子の香りも残っていて、舌に絡みつくような感じ。
突先 ♡
鮪の頭の部位で筋が多いながらも、その味わいは濃い。それを手巻きでいただきます。最後まで実に素晴らしい!
新烏賊(追加)
墨烏賊の赤ちゃんである新烏賊はちょうど1つで、1貫のベストサイズ。同じ赤ちゃんである新子よりもずっと好きです。下足も出してもらいましたが、烏賊の旨味としては下足の方が強め。
石垣貝(追加) ♡
貝毒の影響で、通年よりも1カ月遅い提供という石垣貝。生命力が強く、ポンと叩くと反り返って逃げますwいや、ホントに。とても肉厚で、香りも素晴らしい。
北海道噴火湾産 カマ下の下(追加) ♡♡♡
「ずっと取っておきました!」と言って出してくれたのは、珍しいカマ下の下。常時あるとは限らないカマトロやカマ下だと脂が強すぎるので、大抵はさっと炙って余分な脂を落としてから握っているのですが、コレはそこまではないということで生で。口に入れた瞬間にとける衝撃的な美味しさ!まるで、鮪のジュースです。見た目も味わいも、魚という域を超えています。
玉♡
クリームブリュレを思わせる完全にスイーツ的な名物の玉。美味しい♡
店主である小田 将太さんの握りは、かなり大きい。それは旨味の強い赤酢シャリの絶対的な自信とこのシャリをいっぱい食べてもらいたいという思いの表れ。そして、それに合わせて種の切りつけは、銀座らしからぬ厚みがあって口の中での魚の存在感は圧倒的。特に今回は鮪の厚みは群を抜いて、凄かったです。
最近は行く度に「他に何かないの?」と要求することが多くて、私の来店日に合わせて何かしらを用意してくれてます。小田さん、いつもありがとうございます。21600
久しぶりとなる銀座での昼鮨は、「鮨 とかみ」。以前はこういうスタイルが常であったので、初心に返るという感じでしょうか。店主の小田 将太さんはとてもフランクな方なので、銀座という敷居の高さを感じさせない雰囲気の中で、鮨の聖地と言われる銀座のレベルの高さを感じさせる素晴らしいお店です。
昼は握りのみを提供していて、貫数によって3コースがありますが、もはや私には貫数すらも聞かれません。
本日の献立
先付け
今回は『アラの南蛮仕立て』。熱々のアラは、ふわりとした食感で、甘酢も爽やか。
真鯛
モチモチとした食感を楽しみながら、真鯛の甘さと旨み、濃旨な赤酢シャリを味わえます。
障泥烏賊
サクサク食感の墨烏賊に比べて、あまり鮨種には向かない烏賊かもしれませんが、薄く切りつけて更に細く切ることで、甘くねっとりと舌に絡みつきます。塩と酢橘で爽やかに。
平貝
サクサク食感の中で、ふわりと香る柚子。赤酢シャリとの相性も素晴らしい。
春子 ♡
肉厚の春子は〆ているにもかかわらず、とても瑞々しく、ジューシー。
赤身漬け
塩釜産。見た目からも分かるように、かなり美しい赤身。食べ終えた後、鼻から抜ける鮪の香りも爽やか。
霜降り ♡
同じく塩釜産。熟成度も素晴らしく、食べて分かりやすい美味しさ。
砂ずり ♡♡
こちらも塩釜産だそうですが、魚体が変わりフレッシュなもの。この時期でも、さすがは「鮨とかみ」ということを実感した一貫です。
小鰭
ジューシーな小鰭に濃旨な赤酢シャリ。口をリセットするはずの種ですが、攻めてくる!
車海老
絶妙な温度と甘さは、いつもブレがなくて美味しい。しかし、シャリ大きい(笑)
白川
しれっと供されますが、かなりの高級なお魚です。赤酢シャリというじゃじゃ馬なお姫様が真っ白なドレスを着た感じ?美味しい。
鰹 ♡
シャリとの間に生姜を忍ばせて、シャリを包むかのように握られています。適度な脂もあり、香りと爽やかさが駆け抜けます。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は、ライトな色合いながらもジューシーで美味しい。ずっと噛んでいたくなる味わいです。
真鯵
綺麗な鞍懸で握られた真鯵は、肉厚でジューシー。銀皮も綺麗。
椀物
椀物すらも攻め立てる濃厚なあら汁。
北紫海胆
「銀次郎の生うに」。採算取れる?と考えるほどにたっぷりと使って握っています。食べるというよりは、頬張るという表現がぴったりかも。
喉黒 ♡
身を昆布締〆にして、皮目を炙ってから握られます。皮目から脂が溶け出し、もっちりとした白身は素晴らしい。
穴子
醤油を使わずに焚かれており、真っ白な穴子は美しい。今回のは、かなりの肉厚で口の中いっぱいに穴子を感じられました。
突先 ♡
夜では最初に供される鮪の頭の部位を使った手巻きは、昼だと〆に。最初もインパクトがありますが、〆も似合う素晴らしい逸品です。
「今回も隠し種、ありますよー」とニヤリと笑う小田さんに「とりあえず、食べる!」と告げると過去最高に隠し持っていました(笑)
北紫海胆タワー ♡♡
「まるひろの生うに」のスペシャル品。「2つ買っちゃったんで」と小田さんが仰るので、「じゃあ、いっぱい使わないとね」と言うと、見たことないくらいに盛ってくれました。口の中は、ほぼ海胆!香りも良くて、美味し〜い!
蝦蛄 ♡♡
実は夜に出すつまみらしいですが、蝦蛄好きということで出してくれました。甘く漬けられた蝦蛄は大きく、味が濃いのでこの赤酢シャリとも素晴らしく好相性。
血合いぎし ♡
「食べるでしょ?」と出してくれました。まだ鮪はあったのか!霜降りとも違うとろけ方と、赤身の香りも楽しめる素晴らしい部位です。
カマ下の炙り ♡♡♡
本日のスペシャル品。見ただけで、これはヤバイと思う綺麗な鮪。これは魚ではないですね、肉です(笑)裏メニュー?的な炙り用の特別タレに漬けてから片面だけ炙って、握られます。口に入れた瞬間、なくなる!なんて、素晴らしい鮪なんでしょう!
玉 ♡
〆はいつもの完全にスイーツ寄りのスペシャリテ。
過去最高の20貫で、昼鮨の最高峰と言える素晴らしい内容でした。常にこんなに隠し種があるわけではないみたいなので、ご注意下さいね。
小田さん、ありがとうございました。また宜しくお願いします♡21600
2018.1.
ちょっと遅くなりましたが、2018年初の「鮨 とかみ」。恒例の昼鮨ですが、友達のリクエストで今回は夜コースでお願いしました。店主の小田将太さんとは珍しい所でお会いしていて、2018年では2回目のご挨拶です。本日も満席で、変わらずの盛況ぶり。
本日の献立
突先
夜コースは、コレが挨拶代り。
干し数の子と菜の花の辛子和え
数の子のバリバリとした食感が楽しい。菜の花が遠い春の足音を運んできます。
肴3種盛り
内容は、鰹の生ハム仕立て・牡蠣の西京漬け・白海老。
生ハム仕立ては、このお店のつまみのスペシャリテ。
鮟肝ご飯 ♡
甘く炊いた鮟肝に、赤酢のシャリを。初めは鮟肝だけを食べて、(画的にちょっとですが)最後にスプーンでぐちゃぐちゃに混ぜていただきます。超美味しいー♡
髭鯛の酒蒸し
聞いたことのない魚ですが、鶏魚の仲間らしい。身がしまっており、むっちりとして美味しい。
握り
星鰈
白身はこの旨味の強い赤酢のシャリを味わいます。
墨烏賊
このサクサク感は、この烏賊ならでは。酢橘と煮切り醤油で。ちなみにこの『身』の方は夜メニューのみ。昼にはこの『下足』が握られます。意外と『下足』って握っているお店を知らないので、レアかと。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆られた春子は柔らかく、美味しい。
平貝
柚子香る平貝。
中トロ ♡
鮪の香りも確りとあり、とろけ方も素晴らしい。
大トロ ♡
素晴らしくシルキーな鮪。このシャリの真骨頂。
車海老
独特に香ばしく、温度もベスト。
小鰭
確りと〆られており、赤酢シャリとのマリアージュが楽しめます。
赤身 ♡
順番が変わったのかな?と思っていたら、忘れられていた漬け(笑)切りつけも厚く、香りもいい。この時期の鮪はどこの部位も美味しい。
赤貝 ♡
剥きたての赤貝は、口に入れた瞬間に広がるこの香りと滑りこそが命。実は、これも夜メニューのみ。昼には『赤貝のヒモの醤油漬け』が供されます。
煮蛤
低温調理された蛤は柔らく、確りとした味わいもあり、何よりジューシー。
細魚
間に忍ばさせた紫蘇の香りが華やぎます。
紫海胆 ♡
た、高い!ここまで盛るのか!というほどのボリュームです。
喉黒
身を昆布締めに、皮目は軽く炙って供されます。皮目の脂がとけ、身はもっちりとして美味しい。
穴子
醤油を使わない爽煮。煮つめは少量で、穴子の味も確りと。
椀物
隠し味は豆板醤なので、ちょっとピリ辛なアラの味噌汁。
玉 ♡
表面をキャラメリゼした完璧デザート寄りの玉は、スペシャリテです。
久しぶりの夜コースはつまみ少なめで、握り重視の献立。おそらくは銀座一握りの大きい鮨を堪能〜。この旨味の強い赤酢シャリに惚れ込んだ親方の思いが伝わる、そんな鮨でした。
今年も宜しくお願いします。ご馳走〜。
2017.10.
最近は友達と一緒なので、昼の利用が多い「鮨 とかみ」に再訪。
本日の献立
北海道噴火湾産 毛蟹ともずく酢
先付は爽やかな品。毛蟹の甘さともずくのシャキシャキとした歯ごたえがいい。
松川鰈
珍しい。微かな歯ごたえを感じ、シャリの赤酢インパクトに包まれます。
墨烏賊の下足
なかなか下足を供しているお店はありません。「鮨 とかみ」では昼のみの楽しみです。
平貝
サクサク食感の中、香る柚子が印象的な一貫です。
春子 ♡
黄身酢おぼろで優しく〆られており、実に柔らかく、瑞々しい。ここの春子は素晴らしい。
赤身漬け
中トロ
大トロ ♡
鮪三連弾は、大間産。実にいい季節になってきました。
車海老 ♡
温度は人肌、車海老の香ばしさとシャリのインパクトも加わって、至極の一貫に。
鰆 ♡
軽い昆布〆で、鰆のほわんとした甘さも活きています。鰆は、鮨の種の中でもかなり好き。
小鰭
小鰭の脂と赤酢のマリアージュは、芳醇!
いくら
新物のいくらは、口に入れるとプチプチと弾け、出汁の旨味といくらの甘さが広がります。
煮蛤 ♡
低温調理された蛤は柔らかく、噛み締める度にじゅわりとジューシー。
鯖 ♡
〆ていますが、中心部は生っぽい。適度に脂を落としているので、ギュッと旨味が凝縮していて、美味しい。
馬糞海胆
今回のは「まるそう」のもの。
喉黒
皮目を軽く炙られおり、脂も滲み出しています。切りつけは、とても厚い。
椀物
昼限定の豆板醤を入れた濃厚な味噌汁。
皮剥の肝リゾット(追加) ♡
本日の隠し玉はないと言いながらも、夜メニューの中から出して頂きました。皮剥の身を肝と共に合えて、シャリに乗せて供されます。大胆に混ぜて食べると、肝の濃厚さだけが際立ち、実に美味しい。
穴子
爽煮にされた穴子は、蒸すことで煮上がり状態にしており、口の中でのとろけ方が素晴らしい。
玉 ♡
「鮨とかみ」のスペシャリテの一つ。表面をキャラメリゼした玉は、鮨店の中でもトップクラスにデザート寄り。
鮨店の多くは、独特の雰囲気を帯びています。凛とした空気が流れるお店もあれば、楽しい空気もあります。「鮨とかみ」は断然に楽しい雰囲気があり、一見でも緊張などはしないでしょう。鮨にとって、味は勿論ですが、所作も重要だと思っています。バーでも、バーテンダーの優雅なシェイクやミキシングに見とれることはあるでしょう?鮨も切りつける・握るなど魅せる所作も多いはず。鮨店は1人でも楽しめる素晴らしい空間だと思います。
2017.7.
小田さんと木崎さんの新生「鮨 とかみ」になってからはの初の昼鮨。12時スタートの一回転のみとなって、ゆっくりと。
今回の献立
先付 蛸の桜煮
蛸にはさほど色がついていませんが、しっかりとした味をつけられていて、ちゃんと柔らかい。
真鯛
程よい脂に、甘さが広がります。
障泥烏賊
細く切られているので、口溶けも良く、柚子の香りと共に甘さが印象的。
春子
黄身酢で〆ており、素晴らしく柔らか。
赤身漬け ♡
大間産100キロ超えの一本釣り。後味の香りが秀逸、ふわりと爽やか。
中トロ ♡♡
シャリの温度が高いのは、偶然だろうか?これが絶妙に合いました。
大トロ ♡♡♡
「鮨 とかみ」のシャリの真骨頂がこの種。濃厚な脂に負けない赤酢のシャリの美味しさがはえます。
小鰭
脂があり、非常にパンチのある小鰭。
平貝 ♡
サクサクとした食感の中で、柚子の香りが華やぎます。
鱚
「鮨 とかみ」の鱚は、まず見た目が美しい。格子状の身に煮切りが入り、模様の如く浮かびあがります。
鱒子 ♡♡♡
いくらよりも小粒で皮も柔らか。海苔と共に一瞬で混ざり合う。素晴らしい味わい。
車海老
人肌温度の車海老が香ばしくて、甘くて。
カマトロ ♡♡♡
「今日はなにかないの?」と小田さんに聞いてみると…「nao.さんが来られる日は、何かしかあるんですよ」と。トロとは違う食感とゆっくりとしたとろけ方は、食べ終えた後もしばらく残ります。
煮蛤 ♡
低温調理をした蛤は、かなり柔らか。
カマトロの炙り ♡♡♡
炙りもできるとのことで、注文。香ばしさの中で、生の時には当たっていた筋が溶けて、素晴らしいとろけ方。
鯵
肉厚で食べ応えのある鯵、美味しい。
紫海胆 ♡♡
銀次郎の紫海胆を握りで。ほぼ海胆そのもの(笑)新生「鮨とかみ」は、海胆にも拘っています。
喉黒
軽く炙られていますが、切りつけが厚いのかとろける感じではなく、食べ応えのあるタイプ。
穴子
爽煮の穴子は炙っていないので、口の中での絡み方がいい。
椀物
昼は極濃厚なアラ汁。
突先巻き ♡♡
最後まで「鮨とかみ」の鮨は攻めの鮨です。
玉 ♡♡♡
鮨店にしては、かなり珍しい完全なデザート寄りの玉。
握りに拘ってらっしゃる小田さんの昼鮨の握りは大きめで、旨みの強い「鮨とかみ」のシャリを存分に堪能できます。種の品数は他店より少なめではありますが、切りつけも厚くて、一つ一つのインパクトは大きい。元々、摘みより握りの方が好きなので、昼鮨での食べ尽くしは私にとって至福の過ごし方です。
今回も色々な種を出してくださり、ありがとうございました。またよろしくお願いします。
2017.6.
鮨としての初代親方である佐藤さんが退職されて、小田将太さんが2代目親方となり、初の「鮨 とかみ」。さて、どのように変わったのか楽しみな夜です。何気に久しぶりなのですが、確りと覚えていて下さり、フランクな挨拶の後、テンポよく供されていきました。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのは、コレ。スタートのインパクトは、さすがに心を掴まれます。
先付 毛蟹とアスパラガスポン酢のジュレ
ジュレは角がなくて、噴火湾産の毛蟹の甘さを感じられます。
お造り 縞鯵
5日ほど寝かせた縞鯵を山葵のみで。縞鯵は程よい脂と柔らかさで、繊細な甘みを引き出しています。
蒸し物 真牡蠣と蓴菜の酒蒸し
京都産の真牡蠣は大きくプリプリとしていて、ミルキー。出汁も少量ですが、染み渡るほどに美味しい。
酒肴 メジマグロと甘海老
メジマグロは生と燻製したものを2種。生は生姜で、燻製は山葵、甘海老は殻から作った魔法の粉と共に。
焼物 魳の塩焼きベビーコーン
東京湾の魳は、程よい脂のりで美味しい。ベビーコーンの髭も美味しいのは、とあるお店で学習済み。
握り
真子鰈
モチモチ食感は、これからのストーリーの始まりです。
障泥烏賊 ♡
ねっとりとした障泥烏賊を薄く切りつけ、更にそれを細く切ることで、甘みと口溶けを演出。
鳥貝
生なので、独特の香りがあります。これは好き好きがあるかも。
赤身漬け
岩手の55キロのもの。ふわりと鼻に抜ける香りが爽やか。
中トロ ♡♡
赤身と同じ魚体だそうで、霜降りの部位。口溶けは大トロクラス♡
蛇腹 ♡♡♡
魚体が変わって、富山の氷見産。「鮨 とかみ」のインパクトのある赤酢のシャリには、やはりこのくらいの脂がとてもよく合います。
鰯 ♡♡♡
生ではなく、酢〆。これが嘘みたいに蕩ける。
車海老 ♡
「鮨好きの方は、大きめで」と供された握りは、ホントに大きめ。ここの車海老の温い温度は、甘さの中に香ばしさが際立ち、非常に好みです。
金目鯛
脂が乗りすぎている金目鯛は、昆布〆で。それでも軽い〆方なので、フレッシュさもあります。
平貝
柚子の香りを抱いた平貝は、このサクサク感が秀逸。
疣鯛 ♡
黄身酢おぼろを忍ばせて。プリッとした食感と濃厚な脂は珍しいですが、夏の江戸前の鮨種です。
煮蛤 ♡
柔らかい蛤ですが、噛むたびに蛤汁が溢れ出します。
鯵 ♡
濃厚な脂のある腹の部位を綺麗な鞍懸で。
紫海胆 ♡♡♡
「鮨 とかみ」のオリジナルであった海胆のホット&クールはなくなり、質を高めた種の一つ。今回のは築地で2番だったという『まるひろの生うに』。豪快に大きな房を二つ使って、握っていただきました。口に入れると、ほぼ海胆(笑)香りが凄い。
喉黒 ♡♡
白身のトロ!フワフワです。
穴子 ♡♡
これも以前と違う供し方。炙らずに煮上がりの状態に戻し、間に柚子を香らせ、煮詰めのみで。
血合いぎし ♡
ちょうど霜降りの部位がなくなったらしく、新しく出されたもの。「血合いぎし、食べます?」の問いに、「食べる!」(笑)やはり血合いぎしは、赤身の香りも楽しめるので、お得感があります。
かまトロ ♡♡♡♡
「まだ鮪、隠してる?」って聞いたら、悪そうな顔で(笑)「実は…」と出されたのがかまトロ。何だろうね、この口溶けは。鮪のジュースみたいです。
玉 ♡
名物の玉は、変わらず。
献立としては摘みの品数を減らして、その分で海胆など種の質を上げているそうです。それは「鮨店だから握りを食べてもらいたい」という小田親方の思いの表れ。あまりお酒を飲まない方や少食な方には、このような鮨店が増えていくことが非常に嬉しいことではないでしょうか。
夜のお目当ては摘みですが、「すし 㐂邑」「日本橋蛎殻町 すぎた」のように、コレは!というような白眉的な摘みはなく、握りに力を入れておられるならば「鮨 とかみ」は私的に昼で食べ尽くした方が向いているのかもしれません。ただ佐藤さんの時のように、昼に出さない種があるならば、話は変わりますが。
次回はまだ未定ですが、昼の「鮨 とかみ」を見てみたいので行くなら昼ですね。新子の季節には、伺いたいと思っています。
今夜もご馳走様ー。
2017.21.
3月に「鮨 とかみ」を退職される佐藤さんに会いに、久しぶりの夜とかみ。今夜は佐藤さんの目の前に座らせていただき、味わいます。
今年に入ってからは、献立などは小田さんが仕切られているそうで、4月からは昼も夜も小田さんが握られるとのこと。
今夜の献立
突先巻き
まず供されるのが、昼では最後に供されるこの突先巻き。鮪とこのシャリの相性は最高です。
蛸の桜煮・筍とせりのお浸し
春の訪れを感じさせる日本の美しさがあります。蛸も柔らかく、いい味付け。
ほうぼうとこごみ自家製胡麻ソースで
兎に角、この胡麻ソースが美味しい。こごみとの相性もよく、ほうぼうも特別に主張しない魚なので、よく纏まっています。
ワカサギの唐揚げ
骨まで柔らかいワカサギに、極上の銀餡とカラスミ。冷酒がすすみます。
鰯の生ハム仕立て
塩漬けした鰯を燻製したもの。程よく脂が抜けており、旨味が凝縮しています。
金目鯛の酒蒸し
春の牛蒡を下に敷いてあり、柔らかくて風味もいい。
槍烏賊
胴に入れてあるえんぺらと下足が、柔らかい身との食感のコントラストを生んでいます。
太刀魚の焼物
握り
ここから佐藤さんのターン!
鮃♡
墨烏賊
春子♡
赤身漬け♡
霜降り♡♡♡
蛇腹♡♡♡
小鰭
車海老♡
平貝
鱚の昆布締め
赤貝
鯖♡♡♡
煮蛤♡
馬糞海胆♡
喉黒♡♡
穴子♡
鮪のコラーゲンスープ
玉♡♡
「鮨 とかみ」の独特の赤酢シャリは、やはり鮪をはじめとする脂のある濃厚な種によく合います。今夜は霜降り、蛇腹、鯖が悶絶クラスの美味しさでした。ちなみに佐藤さんが退職された後も、このシャリなどは変わらないらしいです。「まあ、とかみは存続するので…」と佐藤さんは仰ってましたが、色々な思いがあるのではないでしょうか。
退職される佐藤さんの今後はというと、年内をめどに新店舗を目指してらっしゃるそうです。場所は銀座だそうですが、具体的にはまだまだらしい。最後のお見送りの時に再会を誓って握手させてもらったのですが、握る指先を見ていると長く華奢な感じがしていましたが、やはりしっかりとした男の手でした。またお逢いする時を楽しみにしています。
今夜もご馳走様でした。
2016.11.
今年最後の「鮨 とかみ」は、友達と昼鮨です。前回は親方の佐藤さんがいらっしゃいましたが、今回は小田さんのみの通常営業。ただ予約システムを変えたそうで、前のようにずっと満席ではなくなり、私たちが昼の部の最後のお客のようです。久しぶりに見るこんな雰囲気の「鮨 とかみ」。やはり鮨店はワイワイしているよりは、静かな方が好きです。
今回の献立
真鯖
真鯖ともものすけ(蕪)はレモンでマリネしており、塩で味付けしてます。よい脂で、美味しい。
鮃
平貝 ♡
春子 ♡
赤身づけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
墨烏賊の下足
小鰭
いくら
車海老
鱚 昆布締め
煮蛤 ♡
鰤 ♡♡
蝦夷馬糞海胆
喉黒 ♡♡
穴子
干瓢巻 ♡
ずっと気になっていた品。実はこの「鮨 とかみ」にも干瓢巻はあります。ただこの醤油煮のは私が食べたもので最後だそうで、今後は爽煮になるそうです。シャリが強いので、干瓢が最初は負けますが、後味はしっかりと干瓢の甘さが映えます。
玉 ♡
元々、久兵衛ご出身なので小田さんの握りは小さめだったそうですが、ここではかなり大きめに握っています。というのも、この赤酢のシャリを食べてから大きめに握るようになったそうで、私もこのシャリが好きなので、その気持ち分かります。女性はこれじゃ16貫も食べられないと心配されるかと思いますが、女性にはちゃんと気を遣っていただけるので、大丈夫です。
小田さん、外までお見送りありがとうございました。
また来年度も宜しくお願い致します。
2016.10.
恒例の「鮨 とかみ」での昼鮨。ガラリと戸を開けると、ほぼ満席で、案内されたのはまな板の真ん前…あれ?佐藤さんがいらっしゃる。「昼はいらっしゃらないんじゃ?」と聞くと、「暇だったんで」と真偽は分かりませんが、佐藤さんらしいゆるい返答。ともあれ、ラッキーなことは間違えないです。
実食
先付 蕎麦がき
鮃
墨烏賊の下足
春子
赤身づけ
冬の鮪だからでしょうか、赤身でも十分にとろけます。
中トロ ♡
いつもは赤身と大トロの美味しさで霞んでしまうのですが、今回は印象的な美味しさでした。
大トロ ♡♡
小鰭
生いくら
車海老
鱚 昆布締め
鰤 ♡♡♡
クセのなく、濃厚な脂は素晴らしい。
秋刀魚 ♡♡♡
十分な脂乗りは、旬の魚ならではのこと。
煮蛤
海胆
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉
ネギトロ巻 ♡♡♡
久しぶりに食べたくなったので、追加。
他の鮨店と比べると、「鮨 とかみ」の種数は少ないかもしれない。でもこの独特な赤酢のシャリに合う種ばかりなので、一貫一貫の完成度は高く、インパクトも素晴らしい。特に脂が乗るこれからの季節の魚は、楽しみでなりません。
今回もご馳走様でした。
2016.9.
9月。同月2回目の「鮨 とかみ」は夜です。というのも、今月から佐藤さんは夜しかいらっしゃらないと先月の予約の際に聞いていたので、やはり佐藤さんの握りも食べたいと思って、予約していたわけ。まさに夜こそがこの「鮨 とかみ」の真骨頂になるわけですね。
今夜の献立
胡麻豆腐
鮃色々
スッポンの出汁で炊いた昆布を巻いたもの。アサツキを巻いたもの。唐津産赤海胆を巻いたもの。
それぞれ食感が異なっていて、色々な鮃の顔を見られました。
秋刀魚のたたき ♡
添えてある薬味は、大根おろし・秋刀魚のワタ・山葵・辛子・豆板醤。意外にも美味しかったのは、豆板醤。とてもよく合います。
昆布森の牡蠣
北海道釧路町の昆布森産の牡蠣を低温調理で火入れしているので、生の香りも活きています。ただあまり牡蠣が好きではないので、生々しさが気になったかな。上にはその出汁のジュレ、下には金時草のお浸し。
胡麻鯖の生ハム仕立て ♡
薫香が鼻に抜け、同時に溢れ出る脂。ブラックペッパーのよい刺激もあり、お酒がすすみます。
サゴシの酒蒸し
サゴシとは、鰆の子供。添えてあるのはスナップエンドウとトマト。トマトの酸味がいい感じです。
尾崎牛のたたき ♡
添えてあるのは花ニラの酢漬け、石川芋。鮨店で肉というのは、佐藤さんの前店の繋がりかな?美味しいので、コレはコレであり。
握りスタート
真鯛
墨烏賊 ♡♡
と、とろけるだと
小鰭
漬け ♡
赤身漬けでとろけるとは、中トロや大トロはどーなっちゃうの?
中トロ
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。目を閉じて、この霜降りに抱かれて眠りたい。
春子 ♡
黄身酢おぼろで〆てあるので、柔らかな〆具合。
生いくら
生臭さは全くなくて、弾けると磯の香りが鼻を抜けます。
車海老
鱚
秋刀魚 ♡♡
旬の魚は握りにも登場。美しいフォトジェニックな握りです。
紫海胆
なんかこの写真だけ暗いでしょ?この握りを供した時、まさかの漏電による停電発生!なかなか回復せずに、約小一時間。親方の佐藤さんはランタンを買い込んで来て、その灯りで続けるつもりだったみたい。おそらくもうないであろう、ランタンでの「鮨 とかみ」。レアな一枚です。
煮蛤
喉黒
穴子
玉
鮪のコラーゲンスープ
今回は特に『大トロ』が素晴らしく、最後にもう一貫食べようかと思っていたのですが、停電の影響で時間が押していて、次の予約の方に悪いと思って、お会計。
「!」
親方、ありがとうございます。こちらが申し訳ないです。
ご馳走様でした。また宜しくお願いします♡
2016.9.
9月は昼と夜を抑えてある「鮨 とかみ」に再訪。まずはお友達と昼鮨を楽しみます。9月からランチタイムは2番手の小田将太さんが握られると、親方の佐藤さんから聞いていたので、面識はありますがどのような雰囲気になるのか楽しみな今回です。
いつもの遅めの時間。客入りはほぼ満席で、剃髪された小田さんはかなり慌しそう。簡単に挨拶を済ませ、定番の16貫をいただきましょう。
実食
胡麻豆腐
濃厚な胡麻豆腐を軽く炙り、表面をパリッとさせて、胡麻醤油でいただきます。実に美味しい。
鮃
墨烏賊の下足
新子
赤身 ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
春子 ♡
平貝
いくら ♡
鱚
車海老
秋刀魚 ♡♡♡
蛤
紫海胆 ♡
喉黒
穴子
突先巻き ♡♡
玉 ♡
握りの固さが慌しさに比例して、固かったり、柔らかかったりと安定していませんでしたが、女性の方にはシャリを小さめにしていたりと、サービス面では好感が持てます。親方の握りと比べると、やはり…ですが、小田さんのお人柄も合わさり、楽しい鮨になりました。
お見送りまでしていただき、ありがとうございます。次回は、夜とかみ。どのような摘みが供されるのか楽しみです。
2016.7.
2週間前に「鮨 とかみ」で昼鮨を堪能したばかりですが、「夜もいいですよ」と予々言われていたので、ついに夜に訪問です。夜は摘み数品と握りからなる構成で、客入りも1回転だそうなので、かなりゆっくりとできそう。
戸を開くと、もう名前を言わなくてもいいのかな?ってくらいに、大抵いつも案内される席に通されました。
7月の献立
突先巻き
昼鮨でのメインディシュは、夜では一番最初。「鮨 とかみ」の真骨頂をまずは味わえます。
赤海胆・蒸し鮑・蓴菜
驚くべきは、鮑の大きさ!切ってないのは、拳大くらいの大きさです。かぶりつきたいっ!
穴子の焼き霜
骨切りをして、皮目を炙った穴子。穴子の刺身は以前に食べたことがあり、食べ慣れているいつもの穴子に比べて、歯応えのある感じがします。「鱧ですか?」と聞いたら、「鮨屋なので穴子です」とプライドを感じさせた。
稚鮎の南蛮ジュレがけ
南蛮漬けにしていないので、揚げたての稚鮎の苦味も存分に味わえる。
真名鰹の生ハム仕立て
程よい塩気がお酒を誘う。実は真名鰹って、パサパサしているイメージであまり好きではないのですが、これは食べた後に脂が広がり、真名鰹ってこんなに脂あったっけ?と思うほど。
鮟肝・生マッシュルーム・ケール・マイクロトマト
ちょっと洋風な皿。鮟肝は醤油漬けにしてあるそうで、濃厚さの中に程よい甘みがあって美味しい。
鱸の酒蒸し
添えてあるのは、オカヒジキ・生トウモロコシ。
魳の焼き物
魳は糠漬けにして、乳酸発酵させて身を柔らかくしたもの。北海道の『糠さんま』みたいな感じ?添えてあるのはわさび菜と万願寺とうがらし。
握りスタート
真子鰈
春子
墨烏賊
昼は下足で、夜は身なようです。
赤身漬け
青森県大間産。
中トロ
大トロ
新子
3枚付け。ここまでの大きさだとコハダらしさも感じられて、美味しい。
平貝
車海老
鱚の昆布〆
鯵
鰹
煮蛤
蝦夷馬糞海胆
喉黒
穴子
昼は大きくに切りつけて、竹墨塩と煮詰めでいただきます。
鮪のコラーゲンスープ
玉
親方も驚いてましたが、何気に夜は初めて。摘みの献立は毎月変えているそうで、全てがお酒が進む味付けがしてあり、鮨ほど唸る感じではないけど美味しい。鮨は昼に比べて、多少シャリが小さいかな?種は昼に出さない『墨烏賊』や『新子』などがあるので、全てを味わうならば、夜が真骨頂というべきでしょうか。
摘みがあったので、お任せで冷酒をいただきました。『突先巻き』に合うとのことで『DATE SEVEN sparkling』→『飛露喜』→『昨』という流れ。勿論、今食べている料理の内容や食べるスピードによって、お酒も変えているみたい。そして、摘みと鮨に共通することは、提供がとてもテンポが良い。なので、お酒を飲んで次ので料理を待つということがまずありませんでした。1人でも間が空かないのは、嬉しいことですね。ちなみにこれで、28000円弱。銀座の夜鮨としては、良いCPかな。感想としては1人で行くならば、夜の方が面白いかなと。ただ握りも好きなので、昼鮨も捨てがたい。一番は今回のように、昼夜行くのが一番かな?
2016.7.
「鮨 とかみ」に再訪。もはや名前を告げることなく、親方の佐藤さんと軽い挨拶を交わして、握りスタート。
先付 真名鰹の冷菜
真名鰹は軽く炙って、燻しており、いい薫香が鼻を抜けます。
真子鰈
旬の白身はやはり美味しい。モチモチとした食感は噛んでいて、楽しい。
平貝
口に入れると、ふわりと柚子が香り、独特のサクサクとした歯切れの良さが味わえます。
鯵 ♡
綺麗な鞍がけの握り。脂が乗っていますが、さらりとした感じで美味しい。
鱚の昆布〆
昆布は纏う程度の〆具合。旨味とはこういうものなのだと実感できる一貫です。
小鰭
今回はやや強めの〆具合。ただこのシャリとはすごくよく合う。
蛤
煮つめはごく少量なので、蛤の味がしっかり味わえます。
赤身づけ ♡♡♡
これが赤身?と思うほどに、口の中でとろけて、鮪の香りが華やぎます。
中トロ ♡
脂はさらりとしていて、また鮪の香りも楽しめます。ただ今回は赤身がとても素晴らしかったので、印象薄。
大トロ ♡♡♡
今回は蛇腹の部位。とろけ方も素晴らしいですが、濃厚な甘さが映えます。
車海老
レア感はいつも通り。ただちょっと温度が冷たかったかな。
春子 ♡♡
皮も柔らかく、身もふわりとした食感。黄身酢おぼろのほのかな甘さがいいアクセント。
墨烏賊の下足
サクサクとした食感の本体に比べて、多少の歯応えはありながらも味が濃くて美味しい。
甘鯛 ♡
熟成8日目。モチモチと歯に吸い付くような食感で、嚙み締めるほどに甘さが広がります。
馬糞海胆 ♡♡
海苔の香りと海胆の甘さと溶け方が秀逸。勿論、「鮨 とかみ」独特のホット&クールです。
喉黒 ♡♡
軽く炙っているので、皮目も柔らか。滴るような脂は大好きです。
穴子
口の中でとけるような感じではなく、ホクホクとした食感。
突先巻き ♡♡♡
〆はコレですね。
玉 ♡
来るたびに完成度が増している気がします。鮨店という枠を超えたデザートです。
食べながら、気になることが1つ。
「カウンターの背に壁がある…。確かテーブル席だったはず」
聞いてみると、GWに新しい調理場を設けたそうで、全く違和感のない壁が逆に戸惑いを与えます(笑)
今回は初見となる今が旬の『新子』を期待していましたが、残念ながら出逢うことができず。鮨は変わらずの美味しさで、いつ来てもブレが少なく安定した昼鮨の最高峰だと思います。
次回は2週間後の夜。意外かもしれませんが、初となる夜。どのような摘みで楽しませてくれるのか、今から楽しみです。
ご馳走様でした。
2016.5.
私が通っている鮨店の一つ「鮨 とかみ」に再訪。銀座・昼鮨で、私の中では最高峰。今更、何も言うことはありません。親方の佐藤さんとフランクな挨拶を交わして、スタート。
献立
先付 焼き茄子
真子鰈
程よい噛みごこちで、旨味もたっぷり。夏の到来です。
春子
ふんわりと〆てあり、口の中でとろける春子は初めてです。
鰹
生の部分と燻した部分の香りが、同時に口の中で広がります。
鱚
軽く昆布〆にしたもの。昆布の香りと旨味を程よく、鱚が纏っている感じ。
小鰭
口の中で、小鰭の脂と酢が絶妙に交わります。
蛤
とても柔らかい。ここまで柔らかいのに、しっかりと蛤の濃厚な旨さがします。
赤身
中トロ
大トロ
悶絶クラスの3連弾。今回の鮪は特に最高だそうで、中でも中トロが素晴らしいの一言でした。
車海老
温度も私好み。火が通るか通らないかの絶妙な温度で、そこから生まれる甘さは秀逸。
縞鯵
少々固さがあるかと思いましたが、舌でとろける素晴らしさ。
墨烏賊の下足
今回はここで登場。下足とは思えない美しさ。
鯵
旬の鯵。不味いわけがない!
紫海胆
いつもの「とかみ」オリジナルスタイル。異なる温度、異なる甘さが口の中で融合します。
喉黒
硬い皮目を炙ることで、柔らかさと脂を演出。白身の王者です。
穴子
ふわりと香る柚子がとても印象的で、煮詰の味よりもちゃんと穴子の味を味わえます。
突先巻き
スペシャリテ。今回は食欲に負けて、写真なし。突先も素晴らしいけど、海苔が凄い美味しい。
玉
これもスペシャリテ。来る度に、デザートとしての完成度が高まっています。
ネギトロ巻き
前回もいただいたお気に入りの一品。葱を入れるだけで、こんなにも風味が変わるものなのでしょうか。
2カ月ぶりの『とかみ」。やはり、私の中では群を抜きます。口の中でふわりと解けるようなシャリに合わせた極上の種は、どれも完成度が素晴らしく、通う度にその美味しさを再確認します。
予約システムが常連贔屓ではなくなったそうで、一見の方でも頑張り次第では食べられるようになりました。行き続けている方はちょっと煩わしいかもしれないですが、平等なシステムは席数の少ない鮨店にはいいことだと思います。
次回は7月くらいに行きたいな。
2016.3.
今年の初訪問から2ヶ月。私の中で、2ヶ月に一度は「とかみ」の月なのです。夜の「とかみ」も気になるところですが、やはり今回も昼鮨。ランチは10貫・13貫・16貫と3種あるのですが、いつも16貫を食べていることを佐藤さんは分かってらっしゃるのでしょう。貫数も聞かれずに、スタートです(笑)
今回の献立
先付 初鰹
初物を食べるのは、やはり江戸前の粋ですね。爽やかな脂が美味しい。
細魚
墨烏賊のゲソ
平貝
シャリに柚子をつけて握っているので、ふわりと香りが鼻を抜けます。
赤身のづけ ♡
中トロ ♡♡
大トロ ♡♡♡
今回も悶絶クラスの3連弾。赤身は鮪の香り、中トロはバランス、大トロは濃厚さをそれぞれ楽しめるこの「とかみ」の真骨頂です。
小鰭
車海老
九絵
2週間寝かせているという白身の王様。モチっとした食感で、嚙み締める度に甘さが広がります。
春子
そろそろ旬を迎える春を感じる江戸前のタネ。軽い〆方なので、フレッシュ感も楽しめます。
赤貝ヒモの醤油漬け ♡
コリコリとした食感がたまらない。香りが楽しめる赤貝本体も大好きだけど、食感はこちらが楽しい。
疣鯛の昆布〆 ♡
昆布〆することで、疣鯛の甘さも際立ちます。
煮蛤
海胆 ♡
きっとフレンチメニューであったなら、H&Cという表記されるであろう暖かいのと冷たいのが同時に味わえるこの「とかみ」独特の一貫。
喉黒 ♡♡
軽く炙ることで、香りと脂が華やぎます。
穴子
今回も大好きな腹の部分♪
突先巻き ♡♡♡
手巻きで供される「とかみ」のスペシャリテ。美味しい以外に、何があるのだろうか。
ネギトロ巻き ♡♡♡
今回追加した一貫。赤酢のシャリと濃厚な鮪をたっぷりと食べられます。お腹に余裕があったならば、是非とも食べて欲しいオススメの一貫です。
玉 ♡
これも他店では味わえない表面をキャラメリゼしてあるクレームブリュレのような玉は、「とかみ」独特の逸品です。
今回は初見のタネもあり、「とかみ」の奥深さを感じれました。旨味の強い赤酢の独特なシャリは素材を選ぶので、一貫一貫インパクトのある鮨が多く、それが私は1番好き。
次回も2ヶ月後。初夏の「とかみ」も楽しみです。
2016.1.
新年のご挨拶も兼ねた再訪は続く。今回は銀座にある「鮨 とかみ」です。店主の佐藤さんとフランクなご挨拶を交わして、ランチの16貫を堪能いたしましょう。
献立
先付 蛸の桜煮
冷菜ながらも、とても柔らかくて美味しい。これを握りにしても、楽しめるだろうなぁ。
鮃
墨烏賊ゲソ
春子
赤身づけ ♡
さすがは今が旬の鮪。赤身ながらも口でとろけて、最後に鮪の香りがふわりとします。
中トロ ♡♡
赤身であれだけの味わいならばと思っていましたが、想像以上の口どけ。
大トロ ♡♡♡
霜降りの部分。この一貫は、旨みの爆弾です。
小鰭
車海老
細魚
甘鯛 昆布〆
水分の多い魚ですが、良い〆具合。最後に昆布の味も楽しめます。
鰤
鯖 ♡
煮蛤
海胆
喉黒 ♡♡
穴子
突先巻き ♡♡
玉
今回は途中から食べているのが私だけになったので、佐藤さんを独占して握っていただきました。一貫一貫の満足度はそれぞれ高いですが、やはり鮪はその中でも別格の美味しさがあります。まあちょっと残念だったのが、佐藤さんとあまり会話できなかったことかな。
次回の予約も取れたので、今年も存分に堪能したいと思います。
2015.11.
数日前からこころぴょんぴょん待ち状態で、「鮨 とかみ」に再訪。今回もランチで、16貫の至福の時間を楽しみましょう。
本日の献立
先付 新蕎麦の蕎麦がき
平目
墨烏賊の下足
細魚
赤身
血合いぎし ♡
小鰭
車海老
鱚 昆布〆
春子
秋刀魚 ♡
煮蛤
イクラ
海胆 ♡
喉黒 ♡
大トロ ♡♡♡
穴子 ♡
突先巻き ♡♡♡
玉
ストレートに美味しい鮨を食べると、目を閉じて、身悶える。そんな所作は、どうやら私だけではないようで、お一人様は結構してらっしゃる方が多いと佐藤さんが仰ってました。
今回、初見のものは『細魚』。閂(かんぬき)と呼ばれる大きさで、繊細な脂とモチモチ感がたまらない。いつもなら『赤身』⇨『血合いぎし』⇨『大トロ』の悶絶3連弾はなく、『大トロ』は最後に供されました。その理由は…今まで以上の濃厚さとこってり感!ああっ!美味しい!
次回は年明け。佐藤さんとちょっと早い年の瀬の挨拶をし、さっき食べた鮨を思い出しながら、街の雑踏へと消えていくのです。
2015.9.
秋の匂いが漂い始めた日、「鮨 とかみ」に再訪。本日もランチから、絶品の鮨を楽しみましょう。
本日の献立
先付 胡麻豆腐
濃厚なのは勿論ですが、表面がパリッとしてあるので、食感も楽しめます。
真鯛
10日寝かせたそうで、独特なシャリの酸味に甘さが映えます。
白烏賊
魳
秋刀魚より早く秋の到来を告げる魚。でも握りでは珍しいですが、シャリに合うとのことでのセレクトだそうです。口に入れると、ふわりと柚子が香ります。
鮪づけ ♡
血合いぎし ♡♡
大トロ ♡♡♡
づけから始まるこの三連弾は、実に素晴らしいです。特に大トロは二枚重ねになっていて、ジュースを飲んでいるかのようなとろけ具合です。
小鰭
もう新子ではなく、小鰭。よい締め加減でした。
春子
秋刀魚 ♡♡
とても肉厚で、ジューシー。脂も爽やかです。
縁側
車海老
鱚の昆布〆
鰯 ♡♡♡
三枚に切り、纏めて握っています。上にはガリを。これは大トロにも匹敵する脂の爆弾です。
海胆
冷たいのと温かいのが、両方盛られている「鮨 とかみ」のオリジナル。これがあのフランチレストランの『烏龍茶』のオマージュとは驚きました。
喉黒 ♡
穴子
玉子
今回は、前回よりも素晴らしかったです。初訪問から数軒違う鮨店に行きましたが、一貫一貫の感動は大きく、何よりストレートに美味しい。某鮨番組の影響も段々落ち着いてきたそうで、全く予約出来ないということはないみたいです。
次回の予約は、初冬。また季節のタネの感動に出逢えることを、夢見て。
2015.7.
Twitterで懇意にさせていただいている方から、是非にと勧められた鮨屋に訪問。新橋駅から、歩くこと数分。雑居ビルの地下にひっそりと佇む「鮨とかみ」です。元々、ミシュラン***の「鮨水谷」があった場所だそうで、木戸を押し開けると「とかみ」の入り口が現れます。柔らかな灯りに照らされた白木の綺麗なカウンター10席とテーブル席が1卓あり、剃髪された若き店主である佐藤博之さんが出迎えて下さいました。
ランチは握りの数によって3種類あり、私は1番多い16貫を。「苦手な食材やアレルギーのある食材はございませんか?」佐藤さんの丁寧な接客に心惹かれます。
実食
・先付け『玉子豆腐毛蟹餡がけ』
・真子鰈
・墨烏賊下足
・疣鯛
あまり江戸前鮨では見ないネタですが、夏が旬の魚。脂もあって、美味しい。
・鮪づけ♡
最上級の天然本鮪しか扱わないという築地の「やま幸」が、仕入れ先だそうです。
・血合いぎし♡
ブロックで買い付けるからこそできる中トロの部位。
・小鰭
この赤酢のシャリを考慮しての小鰭の〆具合が絶妙。
・春子
しっかりと〆るのはなく、黄身酢おぼろで〆ているそうです。
・車海老♡♡
人肌の温さで、甘みをギュッと感じます。
・鱚の昆布〆
これもシャリとの相性を考えての軽い〆具合。
・平貝
・鯵♡
・煮蛤
・蝦夷馬糞雲丹♡♡
なんと温かいのと冷たいのが一緒に入ってます。他店では見られない画期的な一貫。
・大トロ♡♡
非常にこのシャリとよく合います。夏の鮪はさらりとした脂といいますが、濃厚です。
・喉黒♡♡♡
固い皮目を炙ってあるので、食べやすい。濃厚な脂があり、美味しい。
・穴子
水と酒だけで炊き上げた真っ白な爽煮。ツメの濃厚さの中で、とろける穴子が美味しい。
・鮪突先の手巻き♡♡♡
突先とは鮪の頭の付け根部分だそうで、たっぷりと巻かれていて、食べ応えがあります。鮪のコクとシャリの相性が一番感じる素晴らしい一貫。
・玉子焼
表面がキャラメリゼされています、まさにデザート的な玉子焼。鮨屋では、珍しい。
親方が自信を持っているシャリは、横井醸造の「輿兵衛」とミツカンの「特醸優選」という赤酢をブレンドしたものだそうで、コクと旨味が特徴的。このパンチのあるシャリが口に入れるとほろりと崩れ、ネタと一体化する瞬間が印象的でした。脂のある『大トロ』や『喉黒』などはとてもこのシャリによく合って、美味しかったです。名物の『突先巻き』『血合いぎし』『大トロ』は、群を抜いて美味しく、鮪はかなり力を入れてらっしゃるようです。
時期的なこともあるでしょうが、大好きな貝類が少なかったのがちょっと残念なとこ。ネタはこのシャリに合わせるように選んでらっしゃるそうなので、脂が濃厚なネタが多いのかもしれません。昼でも事前に伝えておけば、つまみのある夜コースもいただけるとのことですが、握りの方が好きなので再訪もランチ予定です。
2014年のミシュランで*を獲得し、とある寿司番組にも出演されるとのことで、予約も更に難しくなるかもしれないですね。
7位
26回
2023/10訪問 2023/12/16
2023.10.
目黒にある「鳥しき」のめっきり予約が取れなくなってしまったので、店主・池川 義輝さんに忘れてられてしまわないように『焼鳥弁当』をテイクアウト。
若手が営む「鳥かど」をはじめ、鳥しきイズムを継承するお店は増えましたが、私は焼鳥の味は勿論ですが、池川さんに会いたいのです。
たまには店内で食べたいです。
2023.4.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
鶏の7種類の部位を八丁味噌ベースで煮込んだものを池川さんが焼いたバケットでいただく現在の「鳥しき」のスターター。濃く甘い味わいがバケットとよく合います。
血肝♡
今夜は珍しく血肝から。プリッとした食感の後に弾けるような旨味の力強さ。やはり美味しい。
かしわ♡♡
口に近づけると、ふわりとする炭の香り。鶏の旨味が溢れるひと串は至高の味わい。
白玉
表面は確りと焼かれて、中心の白身はプリプリとし、黄身はクリームのよう。3段階の食感が楽しめます。
かっぱ♡
軟骨とその周りの肉も串打ちしているので、非常に肉々しい。黒胡椒の刺激と小気味良い軟骨の食感がたまりません。
鶏白湯♡
食中で供されるスープ。個人的にはこのスープの方が好きです。
背肝♡♡
内臓の甘味を引き出す塩加減、纏う炭の良い香り、溢れる肉の旨味。最高のひと串。
波♡
表面にはジュクジュクと躍動する脂が踊り、口に入れると表面のカリカリ感と中心部のモチモチ感が映えます。どこにでもある部位、でもここでしか味わえない部位だと思います。
つくね♡
ふわりとした食感の中で、鶏の旨味が駆け抜けていきます。時折、感じる軟骨のコリコリ感が楽しく、そして美味しい。
砂肝♡
ゴロリとした砂肝は食感フェチにはたまらないザクザク食感。胡麻油の仕立てをやめたみたいで、純粋な砂肝の旨味を味わえます。
食道♡
炭台の上でタレの旨味と炭の香りを存分に纏い、供される食道。トロリとした舌触りに内臓特有の甘味が溢れます。実に美味しい。
スナップエンドウ♡
じっくりと焼かれることで、野菜の旨味と甘味を最大限に引き出しています。このような旬の食材が「鳥しき」の名前の由来になっていると感じるひと串です。
せせり♡
筋っぽい食感を持つせせりらしさは勿論ありつつも、とろける肉質は知らないせせり。
はつもと♡
血管ということが確りと分かるサクサクと食感が素晴らしく、咀嚼の度に旨味と甘味が溢れます。
銀杏
間隔を空けることで、銀杏全体を確りと焼いており、内と外の食感のコントラストが生まれています。
丸はつ♡♡
丸はつに込められた熱が凄い。口の中でプツンと弾けて、旨味と甘味が爆ぜます。
肩♡
もも肉よりもしっとりと柔らかく、程よい筋肉感。
厚揚げ♡
厚揚げを焼鳥店で感動したのは、このお店が初めて。今も尚、その味わいは健在。
手羽先の皮♡
余分な脂を落として旨味のみを閉じ込めて、極上のカリカリ加減でありながら、中心部はモチモチとしています。
アキレス腱♡
とても肉々しいですが、時折感じる軟骨とゼラチン質の食感がアキレス腱ということを分からせます。
ぼん♡
じっくりと焼いて余分な脂を落とし、旨味をギュッと閉じ込めてきます。想像よりもずっと軽やかで、個人的な食べ方は大根おろしを乗せて食べています。
ちょうちん♡
「きんかん」と「ひも」をばらして焼いてから、合体させて供されます。それぞれにベストな火入れをしているので、ひと口で食べればプツンと弾ける「きんかん」のまったりとした旨味と弾力ある「ひも」の食感が楽しめます。
茄子♡
じっくりと育てるように焼かれた茄子は絶妙なトロトロ加減。激熱ですが、頬張りたくなる味わい。
恥骨♡
肉質はとても柔らかく、軟骨すらもとても柔らかい。
椎茸
香り溢れる椎茸は笠の部位がトロリとして、軸の部位はコリコリ。
鶏スープ
鶏の旨味を上品に仕上げたスープ。この味わいが池川さんの矜持。
ブロッコリー
炭の上で大きなブロッコリーがみるみる小さくなって、旨味をギュッと閉じ込めています。
手羽先♡
焼鳥の花形がまさにこの部位。開いているので、骨は簡単に取ることができます。取った骨の周りの肉も忘れずに食べてから、頬張れば旨味のストレートパンチを受けたかのような充実感を感じます。
そり♡
もも肉の付け根にあるピンポン玉状の部位で、歯を跳ね返すような力強い弾力の肉とカリカリに焼かれた皮を同時に頬張れるのが魅力。
膝♡
現在の「鳥しき」で皿で供される唯一の部位。胡麻油と黒胡椒をかけた白髪葱の風味にも負けない濃い旨味とゼラチン質が楽しめます。
そぼろ丼♡
「鳥しき」の〆ご飯は、卵かけご飯・そぼろ丼・親子丼・鶏スープのお茶漬けの4種類があります。その中で現在のお気に入りは、このそぼろ丼。今回は卵黄乗せです。鶏の旨味を全面に出した塩そぼろが実に美味しい。
焼鳥好きならば、きっと夢見るお店、目黒にある「鳥しき」に再訪。大衆的なものだった焼鳥を洗練させて、ここまで世界的に認めさせたのは、店主・池川 義輝さんの功績の1つでしょう。池川イズムを継承するお店は色々な所にできていますが、やはり行けるならばこの「鳥しき」に行きたい。味わいは勿論のことですが、何よりも池川親方に逢いたいから。
今回も色々な部位を用意して下さり、ありがとうございました。
2022.11.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット
池川さんが焼いたバケットに八丁味噌ベースで煮込んだ数種類の部位の鶏の煮込みを乗せて。山椒の鮮烈な香りが心地よい。
かしわ♡
「炭の香りを楽しんで下さい」と供される部位。鼻腔を擽る炭の香りと咀嚼の度に溢れる伊達鶏の旨味がとても美味しい。
丸はつ♡♡
サクサクとした食感の後にジュワッととろける丸はつ。口の中に広がるのは、食べ終えても尚続く極上の甘味。キングオブ丸はつ!
波♡
どこにでもある、でもどこでもない味わい。
そう感じさせる皮の表面は踊るように脂が弾けており、中心部は歯を跳ね返すようなモチモチとした食感があります。
鶏白湯
〆のご飯ものと一緒に供されるスープとは違い、長く炊いて白濁された濃厚なスープ。
白玉
プリプリの白身にクリーム感の強い黄身がいい感じ。
せせり♡
独特の歯を跳ね返すプリッとした食感があり、甘味と旨味が強い味わい。
かっぱ♡♡
過去最大と思える特大のやげん軟骨。軟骨自体はとても柔らかく、周りの肉もついているのでボリューミーで旨味も強め。
銀杏
こんがりとホクホクとした銀杏は苦味がなく、甘く美味しい。
つくね♡
口の中でふわりとし、その中で軟骨のコリコリ感が映えます。タレの旨味と鶏の旨味が合わさり、実に美味しい。
じゃがバター♡
炭で焼かれるじゃがいもは格別な美味しさ。そこにバターの旨味が加わるのだから、不味いわけがない。
手羽先の皮♡
分厚い皮は確りと焼くことで、余分な脂を落としてカリカリとし、グッと旨味が増しています。
背肝♡♡
何というボリューム。滴るような旨味が口の中で爆ぜます。旨味のアタックの強さと食べ終えて、口の中に残る甘味と香りが素晴らしい。
砂肝♡♡
咀嚼しようとすると、砂肝が口の中で弾み、ザクッと気持ちいい歯切れの良さ。そして、旨味の爆流に飲まれてしまいます。
血肝♡♡
艶めいて色気のある血肝(レバー)は舌に絡みつくようなねっとり感があり、甘味が凄い。
食道♡♡
独特な管の食感に広がる甘味が素晴らしい。今夜も最高の味わい。
アキレス腱♡
肉々しさもあり、柔らかな軟骨の食感もあり、それを同時に楽しめる素晴らしさ。
椎茸
コレは香りを食べる串。口に入れると、一気に爆ぜる香りが印象的。
ぼん♡
コレも確りと脂を落としすことで、旨味が凝縮しています。
ちょうちん♡
口の中で弾ける卵黄が実に印象的。画的にも映え、旨味も素晴らしい。
恥骨♡
肉質は柔らかく、時折感じる軟骨のコリコリ感が心地よい。
はつもと♡♡
「鳥しき」の中でもレアな部位だと思われる部位。内臓特有の甘味の中で、咀嚼の度に溢れる濃厚な旨味がたまらない。用意してくださった池川さん、ありがとうございます!
手羽先♡
骨の周りや皮や肉の旨味が一体となった部位は、焼鳥の中でも花形。個人的には表面のボスといった感じw
厚揚げ
全く焦げがない厚揚げは確りと中にも熱が込められており、池川さんの焼きの技術力の高さが感じられます。
そり♡
弾むような食感のそりは、腿の付け根の部位。表面のカリカリに焼かれた皮がいいアクセントになっています。
親子丼
供された瞬間のインパクト大のオレンジ色のビジュアル。出汁の味わいの中でいただく温かいTKGといったイメージです。
ブロッコリー
オリーブオイルをかけながら、じっくりと焼かれたブロッコリーは、確りと旨味を引き出されています。
膝♡
唯一、皿で供されて胡麻油と白髪葱の風味を纏う部位。そりよりも柔らかく、旨味が強め。
そぼろ丼♡
今夜は卵黄のせ。今ある〆ご飯の中では、コレが一番好き。軟骨のコリコリ食感と肉の旨味が一体となった塩そぼろは、卵黄をかけることで更に濃厚な味わいになります。
焼きシャリ & 鶏スープ♡
池川さんがじーっくりと焼く今はもう食べられない焼きおにぎりを思い出させるひと品。鶏スープと共に〆られるのは、とても幸せな瞬間。
目黒「鳥しき」に通わせていただいて、約10年。どんなに予約困難さが増しても、どんなに好きなメニューがなくなっていっても、私は通い続けたい。焼場で店主・池川 義輝さんが焼き続けているかぎり。
今夜も約4時間の長丁場。きめ細やかなポスピタリティーと池川さんの心意気、そして焼鳥の美味しさが心に沁みました。池川さん、ありがとうございました。19100
2022.8.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
バケット
八丁味噌ベースで味付けた7種の部位を池川さんが焼いたバケットに乗せた「鳥しき」のスターター。
かしわ♡
串を近づけるだけで炭の香りがふわりとし、大ぶりなカットから溢れる旨味が素晴らしい。後味に鶏の甘味がじんわりと広がります。
波♡
所謂、首皮。『波』と称するのは池川さんのユーモア。表面はカリッと中心部はモチモチとしたどこにでもある部位だからこそ、違いがハッキリとする部位。
砂肝♡
口に近づけると、胡麻油と炭が香り、スパンっとした歯切れの良さが心地よい。
かっぱ♡
黒胡椒のピリッとした刺激があり、小気味良い軟骨のコリコリ感、そして間に打たれた肉の旨味が美味しい。
白玉
黄身はクリームのような仕立てで、飴色にねった白身がプツンと弾けて黄身の旨味が広がります。
鶏白湯スープ♡
食中に供される濃厚なスープ。塩分は薄いながらも旨味が強い。もう少し味を濃くして、麺やご飯を入れても
丸はつ♡
なくなった生命が池川さんの火入れで新たな生命を得たかのような躍動が口の中で感じられるひと串。今は串で供されますが、皿で供された頃の特大のものもまた食べてみたい。
せせり♡
炭香る中で強く感じるのは鶏の旨味と甘味。これらを引き出している塩の塩梅もさすが。
食道♡♡
いつものとは異質の美味しさ。タレの味わいの奥からねっとりと濃厚な旨味と甘味が広がり、舌というよりか喉に絡みつくような感じ。
血肝♡
3口で完結するストーリー性のあるひと串。先端にあるはつのプリプリ感とコントラストを楽しみ、大きなレバーの旨味を存分に味わい、最後に旨味と甘味の余韻を感じる。素晴らしい味わい。
トウモロコシ♡
北海道産の「ゴールドラッシュ」の炭火焼き。夏野菜の楽しみの1つで、炭と醤油の香りが素晴らしく映え、甘味が強くて美味しい。
ぼん♡
脂の多い部位ですが、確りと余分な脂を落としており、旨味が凝縮しています。定番のレモンを搾るのもいいですが、大根おろしを乗せて食べるのもオススメです。
手羽先の皮♡
先程の『波』とは違い、分厚い皮を脂を落としつつ、表面をカリッと焼きあげたひと串。タレの旨味と皮の旨味が合わさることで累乗される味わいが秀逸。
つくね♡
炭とタレの香りがふわりとし、粗く挽かれた肉の旨味が爆発するかのよう。3つあるので、まずはそのまま。そして、七味と山椒で味変を楽しむのもアリ。
厚揚げ♡
カリッと焼かれた表面に中心部はモッチリとした厚揚げ。「厚揚げが美味しい!」と気づかせてくれた原点のお店。
はつもと♡♡
動脈の管を感じられる食感があり、内臓特有の濃い旨味と甘味が映えます。
そり♡
腿の付け根の部位で、キングオブ肉。皮目がカリッと焼かれ、肉は旨味が濃く美味しい。
ちょうちん
分解して焼くという独特な焼き方をする『ちょうちん』。見た目も映え、味わいも濃厚なのめ供されるとアガるひと串。
膝♡
『そり』と両極を成す部位で、胡麻油と白髪葱の風味がたまらない。確りと焼かれてカリカリの皮に旨味溢れる肉が美味しい。
茄子
激熱なのは分かってはいますが、頬張りたいトロトロの茄子。
手羽先♡
大きな手羽先は2つの骨を外してから食べるとスマート。旨味たっぷりな皮と身にちょっとレモンを搾ると、更に美味しい。
脛♡
新作?割と確りとした歯応えがあり、肉質は淡白なのに咀嚼の度に旨味が溢れます。
ハーフそぼろ丼♡
塩そぼろの旨味が爆発的に溢れる丼。個人的には今の『親子丼』よりもこちらが好み。次回は卵黄を乗せてみたい。
ハーフ親子丼
オレンジ色の黄身と白い白身のコントラストが映えます。食感の面ではあまり好きではないけど、ついつい注文してしまうw
鶏スープ茶漬け
昔からありますが、今はなき『焼きおにぎり』の片鱗を感じることのできる〆ご飯。上品でありつつ濃厚なスープの中で、炭火で脱水してパリッとしたご飯がいい。しかしながら『さび』がなくなったので、ささみは入っておらず…。
鶏スープ
今夜はちょっと濃厚な仕立て。上品な味わいは池川親方の〆の矜持。
焼鳥弁当♡
久しぶりのお弁当。塩鶏そぼろ・かしわ・せせり・つくね・白玉・オクラ・椎茸という構成で、彩りとバランスもとても良い。一緒に付いてくる山椒がニクい。
20時からの目黒にある「鳥しき」は、ゆるりと始まります。焼鳥も高級傾向になっていき、多くのお店が高級ブランド鶏を使っている中で、オープンから使っている「伊達鶏」を見事なまでに絶品へと昇華させているのは、店主・池川 義輝さんの技量の高さでしょう。姉妹店もでき、多くの弟子が独立をして「池川イズム」を広めており、昨今では関西の人気店も都内に進出してくるなどして、焼鳥業界も目紛しくなっています。都内でも屈指の予約困難店であり、『もものタタキ』や『焼きおにぎり』など好きな料理もなくなっていくマイナス要因が多い「鳥しき」ですが、やはり通いたいのはそこに池川さんがいるから。
今夜も遅くまでたくさんありがとうございました!19400
2022.5.
ちはやふる神の火入れ/鳥しき
煮込みバケット♡
私が来られなかった期間中に新しく先付となった八丁味噌ベースで煮込まれた鶏の6種類の部位を池川さんが焼いたバケットと共に。この量だからこその濃厚さ、美味しい。
かしわ♡
タレでコーティングされた伊達鶏の旨味。久しぶりにいただくその味わいは身体に沁み渡ります。
砂肝♡
中に込められた熱と弾むような食感の砂肝は胡麻油の風味と黒胡椒の辛味が合わさり、楽しくも美味しい。
白湯スープ
これも初めて。最後に供される鶏スープの延長線にある味わいで、コレでラーメンを作ったら美味しそう。
白玉
確りと表面は焼いているのに、以前と変わらずにクリームのような黄身。
かっぱ♡
黒胡椒の刺激が心地よく、パリパリと柔らかい軟骨が小気味よい。
波♡
部位としては首皮。表面は極上のカリカリ感、中心部はモチモチ感。どこにでもある部位でありながらも、どこにでもない美味しさ。
丸はつ♡
プリッとした食感の中に失くなった生命を閉じめたような熱があり、閉じめられた旨味が素晴らしい。
肩肉♡
程よい食感もあり、その食感を楽しんでいると溢れてくる旨味。その旨味はあっさりとしていながらも甘い。
じゃがバター♡
これは凄い火入れ。イメージ的には温めたような感じで、じゃがいもの甘味を閉じ込めています。
食道♡♡
食道やその周りのリンパなどを纏めて串打ちしたような凄いボリューム。味はタレですが、まさにこれはコーティング。食道の旨味が強くて、素晴らしい。
はらみ♡
表面はカリッとしながら、中心部は旨味が濃厚で、ふわりとしています。
手羽先の皮♡
同じ皮でも部位によって変わることを教えてくれる部位。分厚い皮は余計な油を落としながらじっくりと焼かれて、極上のカリカリ感が味わえます。
せせり♡
ギュッと密集させたような串打ちで、程よい食感の後に旨味と共にとろけるような感じ。
アキレス腱♡
一気に肉々しくなったアキレス腱。アキレス腱とその周りの肉もつけているので、旨味のある肉の程よい食感ととろけるゼラチン質の部位が同時に味わえます。
背肝 & はつもと♡♡
食道同様にモンスタークラスのボリューム。ざらりとした食感の背肝にはつもとのコリコリとした動脈を巻き付けたような感じで、旨味どっぱーんな美味しさは実に素晴らしい。
血肝♡♡
「近火の強火」と言われる焼き方でありながら、まるで温めたような火入れで、口に入れた瞬間にとろけます。その旨味は舌に絡むようで、実に美味しい。
ぼん
確りと油を落として、旨味を凝縮させているぼん。大根おろしを乗せて食べるのもオススメ。
つくね♡
確りと挽かれていて、旨味を閉じ込めるようなタレのコーティング。練り込まれた軟骨のコリコリ食感もいい。
恥骨♡
ズズッと歯が入っていき、軟骨と共にとろけるような肉質。甘味を引き出すような塩加減も絶妙。
厚揚げ
焦げの1つもない素晴らしい焼き。
茄子♡
大きな茄子がみるみる小さくなっていき、トロトロになっていく様が面白い。胡麻の香ばしさもあり、激熱の中でも頬張ってほしい美味しさ。
手羽先♡
大きな手羽先は焼鳥の花形。「鳥しき」で供されるのは、これから始まる2ndステージの幕開け的な存在。手羽先に付いてる骨は簡単に外れるので外してから頬張ると、滴るような皮・脂・肉の旨味にノックアウトされます。
そり♡
脚の付け根のピンポン球のような部位で、それがよく分かるような串打ち。皮はカリッとしており、肉は弾むような食感に迸る旨味はジューシー。
ブロッコリー
はっきり言って、さほど食べないブロッコリー。焼くとどうしてこんなにも美味しいのか。
ちょうちん♡
卵黄は炭火で温められたよう。弾ける卵黄はひと口で味わう美味なる体験。
膝♡
今では串で供されない唯一の部位となった膝。胡麻油が香り、白髪葱と黒胡椒がピリリとするそりと双璧を成す「鳥しき」の王者です。
そぼろ丼ハーフ♡
お弁当にも入れられている塩味の鶏そぼろ。個人的には〆ご飯の中で、2番目に好き。
親子丼ハーフ
鮮やかなオレンジ色の見た目がインパクト大の親子丼。タレの甘味が味の決め手ですが、個人的には昔のスタイルの親子丼の方が食感が良くて好き。
鶏スープ
池川さんの矜持を感じる上品な鶏スープ。
コロナ禍の影響で以前のように予約が取れずに約一年半経って、漸く再訪できたのは目黒にある焼鳥界の王者「鳥しき」。店で使っているブランド鶏を全面に推しているお店が増えてきましたが、店主・池川義輝さんが焼くならば、例えブロイラーであろうともきっと美味しい!と確信しています。
最初に炭酸水を注文したら、「氷ありでな!」と昔のように裏へ伝えてくれる池川さんの姿に涙が出ました。ボリュームのある「食道」や「背肝」に「はつもと」を巻き付けたようなモンスター級の串を出していただき、ありがとうございました!
久しぶりに味わう池川さんの焼鳥は身体と心に沁みました!また宜しくお願いします!
2021.11.
コロナ禍で予約が取れなくなった私の第1位は、目黒にある焼鳥店「鳥しき」でしょう。「この予約電話に繋がる人は、どれだけの運を消費するのだろう?」と考えてしまうほどに、今では全く繋がらない…。あまり行くことが叶わないと、店主・池川 義輝さんに忘れられてしまいそうで、たまに『焼鳥弁当』を買いに行ってます。
定期的に訪問していた時はさほど食べなかった『焼鳥弁当』ですが、久しぶりにいただくと…やはり美味しい。お弁当はたいてい温めるのが常だと思いますが、「鳥しき」のはそのまま食べるのが私のスタンダードです。そして、一緒に入っている山椒が実にニクい。お弁当の味と香り、そして冷めても感じる池川さんの熱が涙が出るくらいに懐かしい。来年こそは店内で!
2021.1.
元々、予約困難の中で遅い時間帯に入れていただいていた目黒にある「鳥しき」。営業時間の変更や発出された緊急事態宣言の影響で、全く伺うことが叶わなくなってしまったので、店主の池川 義輝さんの顔を見たいが為に『焼鳥弁当』をテイクアウトです。
粗めな塩そぼろ・ぼん・獅子唐・かしわ・つくね・白玉という内容で、ずしりとくる重さがあります。食べる時につい温めてしまいがちですが、『焼鳥弁当』は冷めることを前提にした味わいなので、そのまま食べるのがオススメです。久しぶりなので、身体に沁みるように美味しい♡
願わくば、またお店でも食べたいです!池川さん!
2020.9.
コロナ禍の影響から営業時間を前倒しにしているので、遅い時間の訪問が厳しくなった目黒の「鳥しき」。早くも2020年の最後の訪問となるこの日は久しぶりの1回転目です。
ガラリっ!
戸を開ければ、「いらっしゃいませ!」と勇ましく店主の池川 義輝さんが出迎えて下さいました。月を重ねる毎に予約が困難となるこの「鳥しき」に足を運ぶのは、この方がいるからにほかなりません。さあ、今夜も炎神・池川さんの魂の焼鳥を楽しみます。
今夜の献立
せせり♡
相変わらず、とろけるような食感。今夜も炎神は静かに燃ゆる。
丸はつ♡
終えた命に、また新しく命が宿ったかのような躍動感。素晴らしい♡
かっぱ
コリコリと小気味よい軟骨の食感と周りの肉の濃厚な味わい。ボリューミーな肉系の串。
波
食感の対比なのか?次の串は極上のモチモチ感。まるで高反発なマットレスのよう。
肩
しっとりとしながらも、噛み締める度に旨味がジュワッと溢れます。
食道♡♡
元々好きな部位ですが、今夜は凄い!舌に絡みつくようなねっとり感があり、とろけながら旨味を出しまくる。最高のひと串!
うずら
火入れの色々なアプローチがある中、コレは一体感を体現したようで、白身と黄身の境界線がありません。
砂肝♡
仕立てが変わったのだろうか?こんなにボリューミーな砂肝なんて…大好きよ♡
背肝♡
いつも「見れば、食べれば分かるでしょう?」的にそっと出して下さる1日で数本の『背肝』。レバーとはつの中間のような食感に、内臓系の甘い香りと味わい。池川さん。いつもありがとうございます!
かしわ♡
タレは味付けでなく、旨味を閉じ込めるコーティング。口にすると、驚くほどにタレの味わいは薄くて、鶏の旨味が際立ちます。
オクラ
獅子唐よりもオクラの方が好き。
恥骨
お尻周りの肉。ふわりとした肉と柔らかな軟骨の食感が同時に味わえます。
はつもと♡
内臓の甘味と旨味が溢れる部位で、ひと口目はタレの旨味も纏った味わい、最後のひと口は肉本来の旨味が際立ち、このひと串にはストーリー性を感じられます。
手羽先の皮
皮は実は2種あって、『波』と呼ばれているのは首皮。そして、これは分厚い手羽先の皮です。味付けもタレになって、カリッと焼かれています。
つくね♡
確りと挽かれて更に練られていて、咀嚼の度に旨味が溢れてくるかのよう。一緒に練り込まれている軟骨の食感は弱め。
はらみ♡
コレもなかなかレアな部位。真ん中には腰皮かな?を入れて、旨味を底上げしているかのよう。
アキレス腱
アキレス腱とは言っても、ほぼ肉系の串。柔らかな肉の食感の中に、柔らかくも弾力のあるアキレス腱の食感が楽しい。
銀杏
ホクホクとほろ苦さがオトナの味わい。
ちょうちん♡
ひと口で食べるには今夜のはかなり大きい。プツンと音を立てるように弾けて、口の中で完成する素晴らしい串。分解して焼くのは、池川さん独特の火入れです。
血肝♡
出来るならば、是非3回に分けて食べて欲しい。初めのひと口は先端に止まっているはつと共に食べるので、食感を感じる味わい。真ん中の大きい部位は舌に絡みつくような旨味を、最後は余韻を楽しめます。
厚揚げ♡
まるで、温めているかのような感じ。内と外の境目は全く感じられません。コレも一つの完成系。
ぼん
濃厚な旨味の塊のような部位には、大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
茄子
慈しむように火入れされていて、トロトロ。しかしながら、激アツ!火傷覚悟でも頬張りたい!
膝
この「鳥しき」で、肉系最強部位の双璧を担う一つ。添えてある白髪葱には胡麻油がかけられていて、その薬味にも負けないような強い旨味もあって肉々しい。
そり
そして、もう一つの双璧部位である『そり』。ボリュームもさることながら、歯を跳ね返すほどの弾力性が魅力的。
手羽先♡
焼鳥の花形と言えば、この部位でしょう。串から取ってかぶりつくも良し、骨を取ってから食べるのも良し。食べ終えて、すぐにおしぼりを交換してくれるのは、さすがのホスピタリティ。
スープ茶漬け
さびがなくなり、焼きおにぎりもなくなった今、このスープ茶漬けが最高の〆だと思います。
今夜は2時間半という限られた時間の中でしたが、なんと全ての部位を出していただきました。特に1日の内におそらくは数本しか取れない部位を何も言わずにそっと出して下さる池川さんの優しいが心に沁みました。
また来年度も食べさせて下さいね。宜しくお願いします。19100
今夜出逢えたお酒
農口尚彦研究所 ひやおろし
2020.5.
コロナ禍で残念ながら行かれなくなった銘店の最後の一軒が目黒にある「鳥しき」です。5月いっぱいまでお弁当のみの販売だそうで、いつもの…違う!いつものじゃない!油淋鶏が入っている…だ…と。
訪問時は当日仕込んでいる全てのものを食べているので、お弁当まではいいかなーって思っていて、あまり食べることがないのですが…この油淋鶏入りはレアでしょう。
店内ではいつもよりも忙しいそうに池川さんがマシーンのごとく串を焼いてらっしゃり、スタッフ2人で盛り付けして、女将さんが接客と普段よりも大変そう。でも皆さん、お元気そうで良かった!
さて、お弁当ですが。
つくねやかしわの串は言わずもがな。「味付けが濃いので後から食べて下さい」という注意書きもある油淋鶏は、冷めることを念頭に入れてある味付けで、甘酢タレが確りと絡んでいて、味濃い目なガッツリとした感じ。営業が再開したら「鳥しき」では供されないでしょうが、「鳥かど」で合間に供されそうな料理です。お弁当としては従来の方が好きですが、これはこれである意味伝説となるお弁当だと思います。
池川さん、女将さん。
今夜はありがとうございました!お元気そうで良かったです。
また魂こもった焼鳥を食べさせて下さい。
2020.2.
久しぶりの「鳥しき」の1回転目。今は時差来店をしているのでしょうか、開店時間には全て埋まることなく、ゆっくりとしたスタート。「鳥しき」の最大の特徴である「近火の強火」を作り出す為に炭をぎっしりと詰め入れて、店主の池川 義輝さんの魂に応えるように音もなく静かに燃る。
今夜の献立
肩
不動のスターターであった『さび』がなくなった今、スタートは人それぞれ。今夜の私は『肩』からです。しっとりとしていながらも、やや淡白な旨味が溢れます。
丸はつ♡
開いていない『はつ』には旨味と熱が込められており、ブリンっとした食感の後にそれが弾けます。やはり美味しい。
背肝♡♡
プリッとした食感、トロリとした舌触り、広がるのは濃密な旨味と甘味。素晴らしい以外の言葉がありません。
波
首の皮の部位。表面はパリッと焼かれ、中心部はモチモチ。どこにでもある部位だからこそ違いに気付く串。
かっぱ
やげん軟骨。軟骨だけでなく、周りの肉も絡めており、旨味がブーストされています。
恥骨
肉に舌を押し当てるだけでも崩れるような柔らかさ。軟骨の部位も残しており、食感のコントラストが生まれています。
食道♡
まるでビロードのような滑らかさ。口に残る旨味と甘味が素晴らしく長く残ります。
銀杏
ホクホクの後にほのかな苦味。銀杏でお酒が飲めるようになったら、大人だと勝手に思います。
かしわ♡
タレでコーティングされた旨味は、タレの甘味と合わさって累乗しており、実に素晴らしい。
砂肝
極上のサクサク食感。初めは塩の味わいですが、徐々に甘味が広がっていきます。
アキレス腱
なんとも肉々しい仕立て。『かっぱ』とは違う軟骨の食感の違いが小気味良い。
はつもと♡
香りからして甘い。プリッとした食感の中で溢れる旨味と後味で残る甘味が秀逸。
オクラ
やっぱり獅子唐よりもオクラが好き。
つくね♡
やや確りと挽かれた肉は滑らかで、より中に混ぜ込まれている軟骨のコリコリ感が際立ちます。旨味の塊のような味わい。
白玉
プリンっと弾ける白身の中はクリームのような黄身。
血肝♡
艶っぽい見た目は私を魅了します。プツンと弾け、トロリと滑らかな旨味が溢れ出し、舌に絡みつくような甘味がいい。
手羽先の先の皮
先程の『波』とは違い、タレでコーティングされた分厚い皮はカリカリに焼かれています。その食感と甘味が素晴らしい。
合鴨
今回は山葵を乗せた仕立て。鮮烈な山葵の香りと合鴨の旨味が迸ります。
ぼん
こってりとした旨味の『ぼん』は、大根おろしを乗せて食べるのが私のお勧め。
せせり
せせりらしい食感は微かにありますが、とろけるような食感。
椎茸
表面に浮かぶ椎茸のジュースがたまらない。焼いた椎茸は特に好き。
厚揚げ
今夜は内と外の食感のコントラストがある仕立て。是非食べる際は、「火傷しても構うもんか!」という意気込みで食べた方が美味しいと思います。
茄子
何度も油を塗り、串を上下入れ替えたりしてトロトロになった茄子は、野菜串の中でも実に手間のかかった一串。
手羽先
焼鳥の花形である『手羽先』は塩味で。個人的にこの部位が供されてもストップしないと、池川親方に「食べる客だな」と認められたような気がしますw
じゃがバター♡
小さなじゃがいもを使った『じゃがバター』。シンプルながらも、コレが実に美味しい。
スープ茶漬け♡
『焼きおにぎり』と『さび』がなくなった今、それらを感じられるのがコレです。元々、完成度が高くて好きでしたが、個人的に更に希少度が増した〆ご飯です。
膝
「鳥しき」の中で1番大きな部位でしょう。胡麻油と胡椒で風味を増した白髪葱にも負けない強い旨味があります。
ちょうちん♡
今夜は極大の卵黄をつけて下さいました。弾けて飛ぶような濃厚な卵黄の旨味が絡み、口の中で完成する素晴らしい部位。
そり
最後の部位は、希少部位の『そり』。バリッと焼かれた皮に歯を跳ね返すほどの弾力の肉質は、最旨の肉系部位です。
そぼろ丼♡
見た目は『親子丼』の方が映えるけど、味わい的にこちらの方が今は好み。
鶏スープ
唇に膜が張るくらいの濃度のスープは、上品な味わいです。
今夜も仕込んである全てを出していただきました。久しぶりだからこそ分かる、その美味しさ。やはりこのお店は凄い。
そっと色々と出して下さる池川さんの優しさが沁みる夜でした。ありがとうございました!17700
炭の音が聞こえる。
静かに静かに身を焦がす。
騒つく店内が静まっていく時、炭の息吹が聞こえます。今夜もそんな雰囲気の「鳥しき」で、店主の池川 義輝さんも静かに燃えるその魂に触れさせていただきます。
今夜の献立
せせり♡
珍しくスターターはコレ。『せせり』らしい歯応えは残りながらも、とろけるような感じはさすがの火入れ。
丸はつ♡
はつ=心臓に再び生命を与えるような変わらずの素晴らしい火入れ。
白玉
中はクリームのような感じに仕立てており、ただのうずらが最上に美味しい。
波♡
表面はパリッと焼いて、中心部はモチモチ。他店と比べるならば、この部位が一番分かりやすいと思います。
かっぱ
やげん軟骨を「鳥しき」では、文字遊びでこう呼びます。今夜は肉々しい感じではなく、昔みたいに軟骨っぽい仕立て。変えたのかな?
砂肝
仕上げに胡麻油を塗っているので、焼くと揚げるの中間みたいな感じの砂肝。
かしわ♡
タレは鶏の旨味を逃がさないコーティングのよう。鶏が、鶏が美味しい。
血肝♡
薄皮一枚を残したような血肝(レバー)はクセなど微塵もなく、とろける食感と舌にからみつくような旨味を楽しめます。
食道♡
一口食べた瞬間に震えた。グッとくる旨味ととろける食感は
オクラ
獅子唐よりも断然オクラの方が好き。
はらみ♡♡
先程いただいた『かっぱ』の謎がここで解ける。串の真ん中に(多分)腰の皮を入れて、更にコクを底上げした『はらみ』。濃厚な旨味が凄い。久しぶりに出逢えた!
はつもと♡
内臓特有の甘い香りに誘われるように口にする。ゆっくりと歯が入り、スパンッと切れて、旨味が広がります。
恥骨
腿肉とは明らかに違う食感と旨味。プリンッと弾けて、しっとりとしています。
銀杏
苦味もなく、ホクホクした銀杏。
つくね♡
今回は確りとした仕立てで、時折感じる軟骨のコリコリ感と旨味が素晴らしい。
背肝♡
いつも取っておいてくれる池川さんの優しさに感謝。串を持ちあげただけ滴る脂は、口に入れた時に旨味の暴力となって暴れ出します。
手羽先の先の皮
同じ皮でも『波』とは違い、厚みもあって濃厚。カリカリに焼き上げて、タレで供されます。
ぼん
極濃厚なので、私は大根おろしを乗せて食べています。池川さんのオススメの食べ方よー。
厚揚げ♡
池川さんの『厚揚げ』は、外と内の一体化。表面には焦げがなく、まるで揚げてある部分だけを溶かしているかのよう。
茄子
じっくり油と出汁醤油をたっぷりと吸った『茄子』は、トロトロ。
手羽先♡
バチバチッと音を立てて供されて『手羽先』を食べて驚く。素晴らしい火入れと旨味は、池川さんの魂を感じられます。
ちょうちん♡
久しぶりに唸った。特大の『ちょうちん』は完璧と言わざる得ない素晴らしい味わい。池川さん、いつもありがとうございます♡
椎茸
たかが椎茸、されど椎茸。炭を纏うとここまで美味しい。
そり♡
腿の付け根の部位で、ここ「鳥しき」では最後に供される肉系の最強部分。歯を跳ね返すような弾力と圧倒的な旨味に溺れます。
膝♡
胡麻油の香りと白髪葱の風味を纏う『膝』は、程よい弾力の中に旨味も強くて美味しい。
そぼろ丼(ハーフ)♡
出来立ての鶏そぼろが盛られた『そぼろ丼』は、ちょっとだけ汁だくになっていて、コレが実に美味しい。必ずいただく〆ご飯です。
鶏スープ茶漬け♡
『親子丼』よりも、今はこちらの方が好き。ご飯はあの『焼きおにぎり』を彷彿とする炭火で水分を飛ばしたもので、上品な鶏スープの旨味をたっぷりと吸い込んでいて、実に完成度の高い〆ご飯。
今夜も3時間半。たっぷりと鶏に溺れた夜となりました。11月には延びに延びたNYのお店もついにオープンするそうで、更に京都にも「鳥かど」「鳥おか」に続く3つ目の支店を出されるそうです。ついに関西へと進出ですね。どこに支店を出されても、池川さんは目黒にいらっしゃるそうですが、あと3年後に何か起こるかも?
今夜も池川さんの魂と優しさに触れられた夜でした。ご馳走さま。14450
2019.7.
しとしとと降る雨の中、軒先にある錫の風鈴がチリンチリンと鳴る。引き戸をガラリと開くと、店主の池川 義輝さんが静かに燃えていた。
ここは目黒にある日本一予約の取りづらいと言われている焼鳥店の「鳥しき」。2ヶ月に1度くらいの定期訪問、今夜は珍しく2回転に入れていただいたので、定刻でのスタートです。
今夜の献立
さび
かしわ♡
白玉
砂肝
波
かっぱ
合鴨♡
食道♡
つくね♡
獅子唐
恥骨
トウモロコシ♡
丸はつ♡
手羽先の先の皮
血肝
せせり♡
椎茸
肩
はつもと♡
厚揚げ♡
ぼん
アキレス腱
手羽先
そり
茄子
膝♡
ちょうちん♡
鶏スープ茶漬け♡
そぼろ丼♡
鶏スープ
(何度も書いているので、個別の説明は割愛です)
約4時間半くらい。今夜も「鳥しき」の全てを堪能させていただきました。内臓系の安定した美味しさは言わずもがな、最近になって仕立てが変わったと感じるのは『厚揚げ』。表面に焦げ目を一切付けずに焼き上げて、内と外の一体感のあるように仕上げているようで、モチッとした食感が楽しめます。
今夜もあまり詳しくは言えませんが、池川さんの優しさに触れた夜でした。いつもありがとうございます。
次回は9月。またゆるりと楽しませていただきます。15000
2019.5.
いつもの21時過ぎ。今夜も池川義輝さんの近火の強火の火入れを味わいに目黒の「鳥しき」へ。支店や独立などで、ほぼ毎回スタッフの方々は初見ですが、池川さんがここにいらっしゃる限りはずっと通い続けていたいお店。一昨年くらいまでは、なかなか予約が取れないことも多かったですが、ここ最近は頻繁に取らせていただいているので、嬉しい限りです。今夜もゆるりと楽しませていただきましょう。
今夜の献立
さび
不動のスターター。まずは炭の香りと山葵の鮮烈さを楽しみます。
丸はつ♡
いきなり供された大好きな部位。口に近づけるだけで香る甘い香りは、食べ終えても続くかのよう。今夜も素晴らしい!
かしわ♡
ザクッザクッと音を立てるような食感の中で、タレでコーティングされた鶏の旨味が広がります。
かっぱ
軟骨だけでなく、その周りの肉も付けておるので、かなり濃厚な味わい。
白玉
黄身はまるでクリームのような仕上がり。
食道♡
コッテリとした旨味の中にある内臓の甘味。独特の食感も大好きです。
肩
『かしわ』よりはアッサリとしていますが、プリンっとした弾力があり、後味の甘味も素晴らしい。
銀杏
ホクホク感と仄かな苦味。塩加減も絶妙です。
砂肝
歯を跳ね返すほどの極上のサクサク食感を味わえます。
せせり♡
相変わらずのとろけるような『せせり』。このようなのは、なかなか出逢えません。
獅子唐
辛味がなくて、美味しい。
波♡
カリカリとした表面、モチモチとした中心部。このコントラストが素晴らしい。大根おろしを乗せて食べるのが、私のオススメ。
はつもと♡
広がるのは、内臓の強烈な甘味と香り。希少部位ですが、いつもそっと出していただいてます。池川さんの優しさに感謝。
アキレス腱
最近は、柔らかな軟骨を楽しめる肉系の部位となっています。
厚揚げ♡
久しぶりに驚いた。これは、凄い!焦げの一つもなく、豆腐の甘味が広がるような外と内の一体化がたまらない。
血肝♡
更に美味しさが高まってる…だ…と。とろけ方はいつも通りですが、感じる甘味と旨味が秀逸。
手羽先の先の皮
先程食べたのは首の皮ですが、これは厚みのある手羽先の部位。旨味がとても強い。
つくね♡
かなりよく挽いてあるタイプで、食感はフワフワとしていて、とてもジューシー。
手羽先
大胆に手掴みで食べるからこそ、皮と肉を同時に食べられる部位。骨の周りの肉まで綺麗にいただきます。
膝
旨味の強い『膝』は、胡麻油香る白髪葱と共に。
そり♡
「鳥しき」において、肉系最強部位。ボリュームも凄いですが、大抵は最後の方に供されます。確りとした旨味と食感が素晴らしい。
ちょうちん♡
「鳥しき」のスペシャリテの一つ。味わいもさることながら、卵黄と卵管を別々に火入れしてから合体させる独特の焼き方もポイントです。
茄子
火傷必須のトロトロ茄子。最後の最後まで焼いて下さいました。
そぼろ丼♡
今夜のは、そぼろの汁が多めでご飯とよく絡み、私好みでした。
鶏スープ
濃度は比較的にアッサリとして上品な仕上がりですが、今夜は塩分が絶妙。
鶏スープの茶漬け♡
久しぶりにいただきましたが、変わらずの完成度。ご飯を平らにしてから焼き上げているので、スープの中でもカリッとした食感も楽しめます。
お弁当♡
コレもかなり久しぶりにいただきましたが…。進化している!昔は『ぼん』だったのに『肩』に変わっていて、更に肉々しくなっていました。一緒に添えられているタレと山椒をかけることで、一気に香りが華やぎ、お弁当が蘇るよう。素晴らしい味わいです。
今夜も終了したのが、0:30。途中からは池川さんを独占して、私の為だけに焼いていただきました。いつも遅くまでありがとうございます。
何度となく食べたことのある部位でも、毎回「!」と思うことが多くて驚きます。有名店ということに驕らず、更なる高みを目指す日々の研鑽から生まれる味わいはまだまだ進化が止まりそうにありません。
今夜もありがとうございました。次回も約束された幸せのひと時を楽しみしています。
2019.2.
目黒にある予約困難店としても有名な焼鳥店「鳥しき」。足しげく通うことで、信頼を得たお店の一つです。入店はいつもの2回転目、今夜も鶏を食べ尽くす時間がやってきました。
今夜の献立
さび
鶏が炭の香りを纏う。特に今夜は山葵の香りが鮮烈で美味しい。
肩
凄いボリューム。腿肉に比べたら、ややしっとりとしているはずなのに…このプリッとした食感とこのジューシーさは素晴らしい。
丸はつ♡
是非、3回に分けて食べて欲しい。それそれに違う食感と旨味があり、池川さんの考えられた串打ちが分かるはずです。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、その周りの肉も一緒になっているので、滴るような脂とコリコリとした食感が楽しめます。
砂肝
串の中では火入れのタイミングが難しいという砂肝。いつもながら、心地よいサクサク感です。
波
表面はパリッと、中心部はモチモチとした食感を味わえる部位。
アキレス腱
更に肉々しくなって、軟骨のゼラチン質としっとりとした肉質を味わえる串になりました。
白玉
当初はトロトロの半熟から、今はクリームのような仕上がりになった白玉。
食道♡
一口目に入ると部分にはシャコシャコとした食感を、最後には皮も含めた濃厚な部位を口打ちしています。非常に考えられた一串。
芽キャベツ
焦げもなく、苦味も抑えていて、キャベツの甘味が際立ちます。
背肝♡
ザラリとした舌触りにネットリと溶ける内臓。口に入れる前から感じる内臓系特有の甘い香り。内臓こそ焼鳥の醍醐味だと思います。
かしわ
タレコーティングで鶏の旨味を確りと閉じ込めた極上の美味しさ。
手羽先の先の皮
『波』よりも分厚い皮。今度は脂を落とすように焼くことで、カリカリに。
恥骨
肉系の中では一番しっとりとして柔らかい。軟骨も柔らかく、いいアクセントです。
つくね♡
更に進化?口に入れると、ふわりと溶ける。そして口いっぱいに鶏のジューシーな旨味が広がります。『つくね』でこれほど感動するとは!
銀杏
焼鳥店で供されるので、好きになったもの。ホクホク感が結構好き。
はつもと♡
レバーのような、ハツのような食感がある部位。コレも実に内臓の甘さを非常に感じます。
せせり
中心部は、ほんのりとピンク色になるくらいの火入れ。だからとろけるような『せせり』になります。
厚揚げ♡
ほわんっとした食感があり、炭の熱が真ん中に込められているかのよう。
手羽先
個人的には前半終了を知らせる部位。骨の周りが美味しいので、手づかみで食べましょう。直ぐにお手拭きを交換してくれるのは、いつもながらに素晴らしいホスピタリティ。
ぼん
表面はカリッと仕上げて、噛めば濃厚な旨味が溢れ出します。
椎茸
焼いたのが好きな方も多いはず。溢れる椎茸ジュースは圧巻です。
じゃがバター
小さなじゃがいもを使ったじゃがバター。素晴らしい火入れで、ホクホクです。
ちょうちん♡
大きな卵黄のちょうちん。一口で食べれば、プツンと音を立てるように弾ける卵黄の濃厚な旨味が溢れます。
そり
一羽で2つしか取れない部位なので、この一串で一羽分という贅沢な肉系最強の串です。確りとした弾力があり、旨味も十分。
エリンギ
先程の『椎茸』がジューシーさならば、コレは食感。よく考えられた串打ちなので、コリコリ感がたまらない。
膝♡
菱形の皿で供される部位。『そり』と双璧をなす肉系の部位ですが、こちらの方が旨味とコクがあります。
血肝♡
池川大将が忘れていたので、追加注文。やはり、コレは食べたいよねー。
親子丼(ハーフ)
久しぶりにハーフで2種。まず供されたのは、親子丼。味わいには変わりないですが、やはり作り方が変わったのだろうか?底は白身が固まっており、思うほどにトロトロではなくなった…。
そぼろ丼(ハーフ)♡
最近はこちらの方がお気に入り。シンプルなれど、この塩そぼろは美味しい。
今回も入店から約4時間、途中は凄まじいスピードで提供していただき、ありがとうございました。内臓系は改めて美味しさを再確認し、そして『つくね』は進化したのでしょうか?素晴らしい味わいでした。何年経っても、どんなに有名になっても向上し続ける味わいと変わらない接客とホスピタリティは、流石としか言いようがありません。
次回は5月くらいに頑張って、予約をしたいと思います。今夜もご馳走さまでした。13750
2018.12.
入店は、いつもの21:00。30分もすれば、先にいらした方もいなくなって、次のカウンターの用意もしなくなり、もう
今夜は誰も入れないみたい。ごく稀にこんな夜はあるけど、特に今夜はこの後に何かイベントがあるのかな?と思うほどに客入りがなく、ほぼ貸し切り状態となった「鳥しき」。
高く積み上げた炭が赤く身を焦がしながら、灼熱の息吹をはく。そんな炭の息遣いも聞こえそうな静かな時間の中で、店主の池川 義輝さんが私の為だけに焼いて下さる。今夜はそんな贅沢さを味わいます。
今夜の献立
さび
炭を纏う。鮮烈な山葵の香りと鶏の甘みも感じられます。
かしわ♡
日に日に大きくなっているような気がする『かしわ』。歯を跳ね返すような弾力、噛みしめると溢れる脂、最後には甘みが広がります。
白玉
今ではクリームのような黄身の仕上がり。
かっぱ
周りの肉を絡めて串打ちすることで、攻めの串の1つとなってます。
砂肝
表面は艶めいて、口に入れれば弾むよう。焼き方の難しさは、串の中でもトップクラスです。
かしわ②
今度は山椒の香りをつけて。
波
首の皮。よく動かす部位なので、旨味も強い。『波』というのは、波を打っているので、言葉遊びの名前付け。
背肝♡♡
内臓の甘みが凝縮された部位が炭の香りを纏う。
食道♡
食べ終えた後もずっと口に残っているような存在感。心踊るような食感も好き。
オクラ
獅子唐よりも私は好き。
はらみ
内臓ですが、肉系とも取れるような食感。なかなかのレアな部位です。
アキレス腱
弾力のある肉に、時折感じるゼラチン質。軟骨だけでないので、肉系の部位と言えます。
銀杏
ホクホク感の中にほろ苦さがあり、美味しいと思えるようになったのは、最近かな。
手羽先の皮
先程の『波』よりは分厚く、カリカリとした焼き上がりに仕上げています。
茄子
火傷必須のトロトロ感。ハフハフしながら食べて下さい。
肩♡
神懸かった火入れ。『かしわ』よりもしっとりしているはずなのに、負けないくらいのジューシーさと弾力。素晴らしい!
合鴨♡
ジューシーさが極まりない『合鴨』。未だに山葵の有無の時が謎。
丸はつ♡♡
焼き場の熱をまだ宿していて、噛むことでそれは弾けます。命の塊。
つくね♡
今夜は特に素晴らしい。生の状態から焼かれる為によりジューシーで、肉の甘みを存分に感じられます。
せせり
先程の『波』を剥いだ肉が、この『せせり』。とろけるような食感です。
じゃがバター♡
大きさも、火入れも好み。
膝
菱形の皿で供される肉系の部位。ジューシーさと旨味が強い。
はつもと♡
食感の面白さ、内臓の甘さを味わえる大好きな部位です。
恥骨
『かしわ』『肩』、食べ比べると分かる。肉質の違い。歯が吸い付くようなしっとり感です。
血肝♡
「鳥しき」の名物の1つ。先端にはつを串打ちすることで、特大のレバーを固定しています。口の中でトロリと溶けるレバーは素晴らしいの一言です。
厚揚げ♡
今夜は特に凄い。炭の熱をこの『厚揚げ』にぎゅっと閉じ込めたよう。
そり
今夜はここで肉系のボスが登場です。
椎茸
そこらへんの肉よりもジューシーな椎茸。
ちょうちん
看板的な串ですが…。アレを知ったら…。
ぼん
ポピュラーな部位ですが、あまりここでは見ないかも。『お弁当』には入ってますけどね。
エリンギ
コリコリとした食感を楽しめるような串打ちはさすが。
手羽先
骨の周りの肉まで綺麗に食べる為に、ここは手掴みで。すぐにおしぼりを差し出してくれるホスピタリティも素晴らしい!
スープ茶漬け♡
『親子丼』が有名ですが、これも絶品。中に入れるご飯は炭火でおこげを作り、カリカリとした食感に。具としてささみが入っており、スープの熱で半生状態にしています。
お弁当♡
「鳥しき」の味を家でリフレインできる『お弁当』。レンジで温めてもいいのかもしれませんが、ここはあえてそのままで。うーん、冷たい状態でもやはり美味しい。鶏そぼろの部分はご飯としっかり馴染んでおり、肉の部分はタレを少しかけて食べると、とてもよく合います。
年内最後の「鳥しき」として、悔いのない素晴らしい内容でした。来年の7月頃には、この味を伝える為と弟子が活躍できる新しい場所として、ニューヨークに出店するそうです。そうなると、気になるのは池川大将の動向ですが…どこに出店しても目黒の地からは離れないそうです。安心して、来年以降も「鳥しき」を楽しめますね。
今夜も遅くまでありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします。15450
2018.10.
trr…trr…。
電話をするにしても、受けるにしても「やっと、きたーっ!」と思うお店。目黒にある「鳥しき」に再訪。何百回と電話をかけるという苦行をしたとしても、やはり食べたいと思う「鳥しき」の焼鳥の魅力は、池川大将の火入れでしょう。今夜も大抵いつも座らせていただく席で、全てを堪能します。
今夜の献立
お通し
いつもながらにいい漬かり具合です。
さび
ほんのり火入れされたささみは炭の香りと山葵の鮮烈さを身に纏う。
肩 ♡
腿肉よりもしっとりとしているはずなのに、ブリンっと弾けるような弾力。久しぶりに、ちょっと驚いた。
手羽先の先の皮
『波』とは違い、カリカリに焼かれており、食感の先にある甘みがいい。
白玉
黄身はまるでクリームのような滑らかな舌触り。炭の火入れで、仕上げているのかな。
食道 ♡
食道とは言え、その周辺の部位も串打ちすることで食感と甘さが映えます。素晴らしい串です。
丸はつ ♡
焼き上がりが難しいと感じる部位ですが、温い部分なんて全くありません。ほとばしる脂と旨味がいつまでも熱を帯びています。
つくね
粗く挽かれた肉から溢れる肉汁、時折感じる軟骨のコリコリ感。生から焼くからこそのジューシーさ。
かっぱ
やげん軟骨だけでなく、はらみの部位も一緒にしていることで、この串は更に輝きを増しました。
砂肝
サクサクと心地よく、口の中で跳ね回ります。
銀杏
ホクホクした食感で、甘みと苦みも感じられます。
かしわ ♡
跳ね返すような素晴らしい弾力という食感。噛み締める度に溢れる肉汁。今夜は特に素晴らしい。
血肝 ♡
先端をはつで止めた桃色の特大レバー。口に入れれば、トロリととろけます。
腺胃 ♡
「鳥しき」の中でも、超々レアな部位。ゆっくりと歯が入っていき、その度に肉汁が滴り落ちます。食べ終えても、いつまでも口の中にあるような存在感は随一。
アキレス腱
アキレス腱だけでなく、その周りの肉も一緒にすることで肉々しさも生まれています。
はらみ ♡
最近はあまり出逢えなかった部位。サクッとした食感もあり、クニュっとした食感もあり、想像よりも脂っこくありません。
はつもと ♡
内臓は甘さ。このことを教えてくれる部位。レバーとはつのいいとこ取りのような美味しさがあります。
せせり
何故、ここのはとろけるような仕上がりなのだろう?肉系の部位はそれぞれ違った味わいが顕著に出るので、鶏の奥深さを感じられます。
厚揚げ ♡
表面には焦げもなく、中は激熱。池川大将の火入れは、今夜も神ががっています。
合鴨 ♡
ここまで分厚い合鴨は、なかなか出逢えない。山葵も効かないほどに、濃厚な脂が味わえます。
波 ♡
表面と中心部の食感のコントラストが素晴らしい。
恥骨
肉質は一番きめ細かで、しっとり感の中にもプリンっとした食感もあります。軟骨も柔らか。
手羽先
焼鳥の花形であり、大抵はこの部位が出されるとコースが終了というイメージですが、私の場合はここからボーナスステージに入るみたいな。豪快に手掴みで食べるのが、正解です。
じゃがバター ♡
小さなじゃがいもは、串にピッタリ。もっと大きくても、個人的には嬉しい。
ぼん
表面をカリカリに、中心部はコッテリと。良いところばかりをフューチャーしたような仕上がり。
椎茸
椎茸のジューシーさを閉じ込めた焼き上げ。ありふれた椎茸すらもご馳走です。
茄子
火傷必須のトロトロ加減。
背肝 ♡
そっと出してくれる池川大将の優しさに感謝。見る人が見れば分かる超レアな部位。内臓の甘さを感じるには、この部位が秀逸でしょう。香りすらも甘い。
膝
肉質は腿肉よりもしっとりとしており、味わいが濃い。肉系では唯一、菱型の皿で供される部位です。大抵は最後の方に出されるので、食べてみたい方はリクエストを。
そり
腿の付け根の部位で、「愚か者はそれを残す」という意味のフランス語に由来する部位です。筋肉の塊なので、弾力と食べ応えがあり、皮・脂・肉の三拍子が揃った旨味があります。
そぼろ丼 ♡
白醤油?で炒って作られた鶏そぼろをたっぷりの海苔と一緒に。最近は『親子丼』よりもこちらの方が好き。
鶏スープ
濃度は低めで、味わいも濃くはないので、旨味のみを味わえるスープ。
今夜はいつもより手早く提供して下さり、ありがとうございました。忙しい中で供された『肩』『食道』『丸はつ』『かしわ』は、特に素晴らしい火入れで感動しました。23時に近づく頃からは、炭の息遣いも聞こえるほどに静かになり、滅多に見れないような雰囲気に。唯一心残りがあるとすれば、もし『ちょうちん』があったら、私が知っている限り全ての串(野菜串以外)を食べていたのに…ということかな。それでもかなりレアな部位の数々をそっと出してくれた池川大将の思いやりに大感謝です。
今夜も遅くまでありがとうございました。次回は年末、また宜しくお願いします。12500
2018.8.
入り口にある風鈴が夏らしく風に唄う今夜の「鳥しき」は、某店の店主さんといつもの『食べ尽くし』に挑戦です。
本日の献立
さび
ファーストアタックは、炭と山葵の香りから。
かしわ
味付けはタレですが、噛みしめる度に肉の味わいが口に広げていきます。
つくね
生の状態から焼き上げるので、まずは網の上で表面を焼き固めます。なので、すごくジューシーな仕上がりです。
かっぱ
最近、お気に入りの部位。軟骨だけでなく、その周りの肉も絡めていることで実に美味しい。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ!温いところなど一切なく、サクッとした歯切れを楽しんだ後に広がる内臓の甘み。いつもながら、感動の一串です。
白玉
黄身はやや半熟で、クリーミーな仕上がり。
波
表面はパリッと、中心部はもっちりとした皮。どのお店にもある部位だからこその違いを楽しめます。
砂肝
サクサク食感。焼き上がりの見極めが難しい部位。どうやって池川大将が見極めているかを見ているのも楽しみです。
肩
かしわ(腿肉)よりもしっとりとした部位。噛みしめると、甘さが広がります。
手羽先の先の皮
先程の波(皮)と違って、かなり分厚い。カリカリに焼かれています。
獅子唐
定番の野菜串。実はさほど好きではなかったり…。
合鴨 ♡
鴨好きにはたまらない食べ応えのある合鴨です。山葵が乗る時と乗らない時があるのは、謎。
トウモロコシ ♡
夏の野菜串。醤油の香ばしい香りと味わいがたまりません。
食道 ♡
レアな内臓串。サクッ、クニュといった独特の食感も楽しめ、内臓の甘さが映えます。
銀杏
定番の野菜串。
はつもと ♡
はつとレバーの食感を合わせたような部位で、これほど内臓の甘さを感じられるものはありません。
血肝 ♡
「鳥しき」の看板串の一つ。今夜の火入れも素晴らしかったです。
ちょうちん ♡
バラして焼き上げるという池川大将独自の手法のちょうちん。拘っているからこその美味しさがあります。
ぼん
カリッと焼き上げたぼんじり。私はいつも大根おろしを乗せて食べています。
厚揚げ ♡
表面には焦げなどなく、中身は熱々。神がかった火入れです。
椎茸
定番の野菜串の中では、一番好きかな。
アキレス腱
これも相当レアな部位ですが、最近は意外と出逢えています。かっぱよりも、もっと確りとして食感があります。
手羽先
この部位が供されると、そろそろ終わりかなーと思います。焼鳥の花形の部位で、塩味なので鶏の旨味が存分に味わえます。
膝
肉系の部位の中では、よりジューシー。かなりのボリュームもあります。
そり ♡
腿の付け根のあたり。濃厚な旨味が楽しめる素晴らしい部位です。
そぼろ丼 ♡
最近はハーフにして、2種食べてます。味付け・食感ともに素晴らしい丼です。
親子丼
出汁を楽しむ丼で、もう少し半熟ならば飲めるような感じに。
鶏スープ
濃度は濃厚ではなくて、じんわりと身体に染み渡ります。〆に相応しい味わい。
今夜も約4時間、実に素晴らしいものばかりでした。裏メニュー的な『焼きおにぎり』が7月で無期限停止だそうなので、残念。でも池川大将の鬼気迫る焼きを見ていると、無理もないなと言うのが正直なところ。
いつもいつも遅くまで、本当にありがとうございます。次回は10月、また宜しくお願いします。12550
2018.6.
夜風に吹かれながら、今夜も2回転目の入店となる目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。席につくと、「いつもみたいな感じでよろしいですか?」と聞かれ、勿論と頷くそのいつもみたいな感じとは、「鳥しき」で使用している伊達鶏を丸々一羽味わうような食べ尽くし。今夜は何時間かな?
今夜の献立
さび
挨拶がわりの串は、炭と山葵の香りを纏って供されます。
血肝 ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つ。おそらくは、みんな食べたいはず。
ぼん
余分な脂は落とされ、濃厚な旨味だけを閉じ込められた逸品。
白玉
行き始めた頃よりは半熟ではないけど、やや半熟の白玉。
膝 ♡
菱型のお皿で供される肉系の花形。かぶりついた後、是非とも断面を見てほしい。惚れ惚れするようなロゼ色です。
丸はつ ♡
その名の通り、はつを丸々焼いたものですが、この火入れは素晴らしいの一言です。
かしわ ♡
タレでコーティングされた肉は、噛みしめる度に旨味が溢れてきます。
つくね
軟骨を練りこんだ柔らかい生のつくねなので、初めは網を使って、表面を固めてから本格的に焼いていきます。
食道 ♡
クニュ。コリ。クニュ。楽しい食感と滞空時間の長い味わいの余韻が素晴らしい。
銀杏
かっぱ ♡
黒胡椒の刺激と軟骨の周り濃厚な肉が実に美味しい。最近のお気に入り。
獅子唐
波
他店でも必ずある部位なので、火入れの違いがよく分かると思います。表面はパリッと仕上げ、中心はモチモチとしています。
恥骨
肉はふわりと柔らかく、軟骨の食感が時折感じる珍しい部位。
手羽先の先の皮
波とは違い、タレの味わい。皮は分厚くカリカリに焼かれており、甘さすらも感じます。
砂肝
色の変化が乏しいために、焼き上がりの目安が難しい部位。池川大将は砂肝を焼き台に当てることで、その跳ね返り具合で見極めているようです。
肩
かしわとは違い、しっとり感の中で鶏の旨味が溢れます。
厚揚げ
神懸かった火入れを感じられる厚揚げ。ハフハフしながら、食べて下さい。
合鴨 ♡
厚みもあり、旨味も脂もギュッと閉じ込められた合鴨。これで、冬は真鴨とか焼いてくれたら完璧。
せせり
口の中でとろけるようなせせりは、串を持ち上げるだけで脂が滴ります。
じゃがバター
誰もが大好きじゃがバター。野菜串の中で供されると、嬉しい。
はつもと ♡
はつとレバーのいいとこ取りのような食感で、内臓の甘さを実に感じられる素晴らしい部位。
ペコロス
芯まで確りと火入れされており、甘さも引き出されています。
背肝 ♡
トロトロにとろける舌触りと濃厚な脂と内臓の甘さ。実に美味しい。出会えたならば、ラッキーと言える部位です。
鶏スープ茶漬け ♡
〆ご飯の1つですが、遅くなりそうなのでここで登場。中にあるご飯は香ばしく焼かれたお焦げで、具として鶏刺しも入っており、完成度の高い逸品です。
手羽先
焼鳥の花形的な部位。手づかみで豪快に食べて欲しい。そして、直ぐにおしぼりが供されるホスピタリティはさすがです。
椎茸
茄子
そり ♡
最近はトドメの肉系串として供されることが多くなりました。ここまで届かない方は、是非リクエストを。
エリンギ
焼きおにぎり ♡
表面に鶏油?を塗りながら焼かれることで、バリバリとして食感になり、中はふわりとした焼きおにぎり。兎に角、時間がかかるので食べたい場合には、来店してすぐに注文することが必須です。
鶏スープ
片手で焼きおにぎりを食べ、時折スープを啜る。素晴らしいマリアージュです。
ちょうちん ♡
池川大将も分かっていた〆の逸品。この特殊な焼き方は、必見です。熱いはずなのに、熱くないように見えるのは不思議。
今夜は、たいていは席が空くような23時台でも満席状態だったので、今までで最長の5時間!となりました。でも鶏で満たされた感もあり、大満足な夜です。
池川大将、いつもいつもありがとうございます。また宜しくお願いします。12700
2018.4.
友達に誘われて、初の同月に2回目となる「鳥しき」。本日もラストまでいること間違えなしの21時入店です。
本日の献立
お新香
昔はコレでお酒を飲むのが好きでした。
さび
挨拶がわりの『さび』は、炭の香りと鮮烈な山葵の味わいに絶妙な火入れを楽しめます。
かしわ ♡
噛み締める度に溢れてくる肉汁は、鶏の旨さが際立ちます。
かっぱ ♡
最近、お気に入りの部位。軟骨に絡むように串打ちされている肉は濃厚で美味しい。
食道 ♡
シャコシャコとした独特の食感で、タレでコーティングされた旨さが溢れてきます。
白玉
やや半熟加減の黄身は、ねっとりと舌に絡みます。
ぼん
ちゃんと骨も外されていて、食べやすい。私は大根おろしを乗せていただきます。
はらみ ♡
濃厚な脂と適度な歯応えがあるこってりとしたレアな部位。
肩
軟骨のコリコリ感、プルプルとした肉の食感、濃厚な味わいが『かしわ』との違いを楽しめます。
砂肝
この部位に関しては、食感が命。
手羽先の先の皮
同じ皮でもこれは分厚くて、濃厚。ちょっとカリカリに焼かれているのが美味しい。
せせり
他店で食べる同部位でも、「鳥しき」のはとろけるような食感です。
血肝 ♡
来る度に串の真ん中に刺さっている部位が大きくなっている気がします。クセのないとろける濃厚さは、スペシャリテに相応しい。
アキレス腱
これも最近のは肉も串打ちされているので、バリバリとした食感だけでなく、ジューシーさもあります。
獅子唐
炭の香りを纏うだけでも美味しさが変わります。
銀杏
皮ごと焼いて中まで火が通ったら、皮を剥き、また軽く焼き上げます。
波
表面はカリッと、中はもっちりとした火入れの違いが感じられる部位。
合鴨 ♡
ジューシーな肉に鮮烈な山葵の香りがたまりません。ジビエの季節には、真鴨とかやってくれないかな?
厚揚げ
今夜も池川大将の火入れは、神懸っています。
ペコロス
じっくりと火入れされるペコロスは、甘さが際立ちます。
はつもと ♡
見たことないほどに特大のもの。ハツとレバーのいいとこどりみたいな部位。
手羽先
手で豪快に食べることを推奨します。焼鳥の花形的な部位です。
じゃがバター
食べる時にはバターがじゃがいもに染み込んで最高です。
茄子
ヤケド注意のトロトロ加減。
ちょうちん ♡
今夜も卵黄は特大のものです。大将の拘りを感じる焼き方も必見です。
膝
肉々しい中にも、時折軟骨の食感が忍んでいて食べ応えあります。
そり
肉系の部位の王者とも言える部位で、確りとした肉質に驚くでしょう。
親子丼
〆は親子丼。しかし今夜のは白身が完全に固まってしまっていて、好みではなかったです。
焼きおにぎり ♡
前回から次に来た時には食べようと決めていて、入店してすぐに注文しておきました。脂とタレを交互につけながら、じっくりと焼かれる『焼きおにぎり』は尊いの何ものでもないです。
鶏スープ
『焼きおにぎり』とこのスープを交互に食べながら〆る「鳥しき」も素晴らしい。
今夜も長居させていただきまして、ありがとうございます。やはり、いつ食べても何度食べても美味しいものは美味しかったです。
また宜しくお願い致します。
2018.4.
最近はいつも電車の時間を気にしなくていいように、車で訪れている目黒にある「鳥しき」。ところが当日はまさかの大渋滞!そんな日に限って、予想以上に早く女将さんからお電話をいただき、間に合いそうかな?と思っていたら、今度は通行止め!色々なトラブルにあいながらも、お電話を受けてから1時間後にやっと着いたお店。池川さんに謝罪したら、逆に謝られた。何故だ?
本日の献立
さび
挨拶がわりの串は、鮮烈な山葵の中にある鶏の甘さと火入れの素晴らしさを味わえます。
かしわ ♡
タレですが、その味で誤魔化すわけではなく、旨味を閉じ込めるコーティングのような感じ。鶏が!鶏が美味しい!
かっぱ
軟骨のコリコリ感もいいですか、間にある肉が好き。
丸はつ ♡
素晴らしい火入れ。大きさが違うなれど、温いところなんて全くありません。食べ終えた後、鼻に抜ける香りまでも美味しい。
砂肝
サクサク♪サックサック♪心地好い嚙み音。
合鴨 ♡
ここまで分厚いと、とてもジューシーで美味しいなぁ。
はつもと ♡
レバーと心臓をつなぐ部位。食べると、きっと驚くでしょう。この内臓の甘さに。
芽キャベツ
旬の野菜。苦味の奥にある甘さがいい。
じゃがバター
野菜の中では鉄板の美味しさ。時間がかかるので、早めの注文がベターです。
食道 ♡
独特の食感と濃厚な脂、そして甘みが口の中で一体となります。内臓は甘いということを教えてくれます。
膝
菱型の皿で供される何ともボリュームのある部位。しっとりとしながらも、ジューシーな旨味が溢れます。
白玉
黄身はやや半熟。昔はもっとトロトロだったけど、最近はこのくらいみたい。
銀杏
もちもちとした食感で、美味しい。
波 ♡
つまり、皮。他店でも絶対にある部位なので、その違いがよく分かるはず。表面はパリッと、中はもっちりとジューシー。私は上に大根おろしを乗せて、いただいています。
ぼん
食べ応えのあるボリュームで、濃厚な旨味と脂が楽しめます。
つくね
この串には、是非とも卓上にある山椒をかけていただきたいです。香りがふわりと華やぎます。
アキレス腱 ♡
出逢えたならば、ラッキー。昔よりも肉々しくなっています。
血肝 ♡
「鳥しき」の名物串。薄皮一枚で形を保っているような感じで、口に入れた瞬間にとろけます。
厚揚げ
火入れの素晴らしさが光る料理。
背肝 ♡
甘さと脂が映えるジューシーさ。グロテスクな見た目ですが、精巣も串打ちされたなかなかレアな部位です。
ちょうちん ♡
「鳥しき」のスペシャリテの1つと言っても過言ではないでしょう。今回も卵黄の大きなものを焼いていだだきました。
手羽先
皮目はパリッと焼かれて、肉はとてもジューシー。豪快にかぶりつくのが1番です。
エリンギ
これも食感を考えて、串打ちしてあるなぁと感心させられる串です。
腺胃
とてもレア部位。こってりとして、どっしりとした濃厚さがあります。「鳥しき」の中で、一二を争うくらいの濃厚さはいつまでと口の中を支配します。
オクラ
結構、ぬるぬるしたものは好きです。
そり
肉系の王者ですね。皮もあるので、実にジューシーで美味しい。
ペコロス
このペコロスは、実に手間がかかる串だと思います。もしも池川さんの焼き場を見れる位置に座っていたならば、是非見て欲しいです。
鶏スープのお茶漬け
何気に初めて食べる〆料理。中に入れられるご飯は平らにして焼かれているので、スープの中でお焦げのような感じになり、これがまた美味しい。『親子丼』の人気に隠れていますが、素晴らしい完成度です。冬場はこれがベストかな。
今日は実に夢のような夜でした。私が昼間に行ったお店の店主が来店してきたり、何故か夜遅くには客入りは数人になったので私も昼間に会った友達を呼んだりして。かなーり遅くまで滞在させていただきました。ありがとうございます。
次回は、6月。また熱き池川さんの姿を見させていただきます。
2018.1.
ここ数ヶ月、日曜日の営業が隔週くらいになってしまったので、日曜日の予約席はよりプラチナ感が増した目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」。今夜も2巡目スタート、オーダーはいつも通り。
入店して、まずは池川大将達に新年の挨拶。座ると、銀座の鮨店の親方もいらして、突然のご挨拶。こういうお店なので、芸能人や著名人も出逢ったことはありますが、お互いに面識のある方は初めてです。
今夜の献立
さび
変わらずに素晴らしい火入れ。山葵の香りも鮮烈です。
かしわ
弾むような弾力の肉の旨味をコーティングするようなタレの存在。挨拶がわりのタレ串は、最高です。
波
表面はパリッと、中心部はムッチリとしたコントラストのある火入れは、素晴らしい。
かっぱ
軟骨のコリコリ食感もいいですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
砂肝
胡麻油香り、黒胡椒のピリリとした刺激の中で、サクサクと心地よく歯切れます。
つくね
卓上には七味・山椒があります。是非、この串には山椒をちょっとかけて食べてみて。山椒の爽やかな香りとタレが凄くよく合いますよ。
食道
滑らかに、ねっとりと、時折シャクシャクとした食感。コッテリとした脂も美味しい。
銀杏
はつもと
内臓系の串の中でも、かなり好き。サクサクと心地よく歯切れ、後味は濃厚な旨味と鶏の甘味。このお店に通う理由の一つは、内臓が美味しいから。原点を思い出させてくれる串です。
白玉
初めて食べる方は、きっと驚く。この半熟さ加減に。
丸はつ
昔は普通の「はつ」があり、この串は知る人ぞ知る裏メニュー的な存在だったのですが。まあこちらの方が人気でしょうね。
アキレス腱
このお店でも、かなりレアな串。昔よりも肉っぽくなって、バリバリとした食感だけではないです。
せせり
最近気に入っている串で、ここの『せせり』はとろけます。
合鴨
鴨好きなので、食べ応えのあるこのボリュームは大好きです♡この季節ならば、合鴨じゃなかったら、なおいいのだけど。
血肝
このお店のスペシャリテ。薄皮で保っているようなトロトロ加減。レバーの概念が変わる串です。
手羽先の皮の先
先程、食べた『波』よりも厚くて、濃厚な脂が特徴的。
背肝
見た目はグロテスクですが、極上のトロトロ感と濃厚な旨味があります。通常だと、なかなか出てこないかも?食べたい時は、大将にリクね。
膝まわり
串でなく、菱皿で供される部位。白髪ねぎは胡麻油が香り、皮のパリッとした食感と食べ応えのある肉とゼラチン質がたまらない。
厚揚げ
表面には焦げはなく、中は温い。焼かれたことが分からないほどに綺麗。池川大将の火入れの素晴らしさ。
ぼん
ここのはちゃんと骨を外しているので、とてもいい。大根おろしを乗せて食べるのが、私流。
そり
腿の希少部位で、肉系の串では最高峰ではないでしょうか。大きいので、一口で食べるには難しいかもですが、口いっぱいの口福を味わえます。
茄子
極上のトロトロ加減。
ペコロス
茄子がトロトロ感ならば、これは極上の甘味。
手羽先
個人的には焼鳥の花形だと思っています。豪快に手で持って、骨の周りの肉を確りと食べ尽くしましょう。
ちょうちん
これも名物の一つで、〆に食べる方も多いでしょう。プツンと音を立てて弾ける卵黄のコクは、口福の始まりです。
椎茸
じゃがバター
野菜の中では、1番好きかな。
肩
『かしわ』よりもしっとりで、上品なジューシーさがあります。
エリンギ
今夜の〆。堪能した〜。
親子丼ハーフ
「鳥しき」の〆ご飯は、5種。1番人気は、やっぱりコレでしょう。出汁の味わいが強く、安定した美味しさ。
そぼろ丼ハーフ
今更気づいたのですが、「ハーフにすれば2種食べれるじゃん!」ってことで、そぼろ丼も。
鶏スープ
じんわりとした鶏の出汁。今夜の味付けは、薄めだったなぁ。
約3時間、今夜も食べた〜。レアな串も取っておいて下さったのかな?私の知る限り、未食串は2種くらい。「鳥しき」の全てを堪能したといっても、過言ではないでしょう。
今夜もご馳走さまでした。今年も宜しくお願い致します。
2017.12.
年末のご挨拶を兼ねて、目黒にある名店「鳥しき」へ再訪。今回も2巡目の時間制限なしなので、いつものように「一通り」のおまかせです。
今夜の献立
お通し
いつものお新香。
さび
いつもの「鳥しき」のスターター。素晴らしい火入れと鮮烈な山葵の香りが鼻をくすぐります。
かしわ
見た目でも美味しい焼鳥と思えるビジュアル。ジューシーでもあり、しっとりとした味わいもあります。
ぼん
久しぶりに食べた「ぼん」。こんなにも食べ応えがあっただろうか。美味しい♡
丸はつ♡
胡麻油と黒胡椒のパンチのある名物的な串。串を持ち上げるだけで、肉汁が滴り落ち、噛み締めれば、その肉汁が溢れ出します。
食道♡
独特の食感と滴る脂が交互に織りなすハーモニーのある串。タレはコーティングという意味がこの串から分かるはず。
銀杏
波
波のように折り重なった皮は炭の香りを纏い、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
つくね
ややしっかりと挽かれた肉は、とてもジューシー。卓上の山椒をかけると、より香りが華やぎます。
はつもと♡
今回のはつもとは、特に素晴らしい。とろけるような食感に、程よい歯ごたえ。タレ味ながらも、肉の味わいがちゃんとする素晴らしい。
オクラ
血肝♡
「鳥しき」の看板串。まずはこれが食べたいと思う方も多いはず。大きく切ったレバーをとろける火入れで仕上げています。
背肝♡
とろりとした食感で、味わいは極濃厚。ちょっと見た目がグロいけど、実に美味しい。
かっぱ
所謂、軟骨。でもこの軟骨に張り付いている肉が美味しい。
手羽先の先の皮
さっき食べた波(皮)よりも厚く、より濃厚。それを表面をパリパリに仕上げて、噛み締めると脂が溢れてきます。
合鴨
食べ応えのある極厚の合鴨。それでも柔らかく、とろけるような肉質。
厚揚げ
神の火入れの宿る料理。
せせり
ここの『せせり』は、何故とろけるような肉質なんだろう。飲み物のような串です。
恥骨
このお店の中では、新しい部位。同じお尻の部位だと『ぼん』がありますが、味わいは真逆。
肩
『恥骨』よりはしっとりしており、鳥でも部位より味わいが異なることを再認識。
ちょうちん
プツンと音を立てて、卵黄のコクが口の中で広がっていく。このお店のスペシャリテの一つ。
じゃがバター
何気に好きなこの串。池川大将の火入れの素晴らしさが分かります。
膝まわり♡
串ではなく、菱型の皿で提供される部位。ジューシーな肉質とゼラチン質のハーモニー。
そり♡
腿の付け根にある部位で、弾力のある肉質と食べ応えのある大きさがたまりません。
エリンギ
茄子
腺胃
このお店でもかなりの希少部位。特に今回のは大きく、むっちりとした歯ごたえと舌にまとわりつくような濃厚な脂が◎。
手羽先
焼鳥の花形とも言える串。皮のパリパリ感と骨の周りのジューシーさが美味しい。
白玉
大将が忘れていた串。最後に出して下さいました。
そぼろ丼
今回の〆は、そぼろ丼。親子丼も美味しいけど、このそぼろもご飯によくあって美味しい。
鷄スープ
最後は熱々のスープ。このスープをそぼろ丼にかけて食べても美味しいかも。
今回も約3時間半と「鳥しき」の味を堪能致しました。途中から隣にいらした方と情報交換などできて、新しい名店の扉も開きそうです。
来年も早々から予約済みですので、今から楽しみです。来年も宜しくお願い致します♡
2017.9.
生温い風が風鈴を鳴らす季節になりました。そんな風鈴の音を聞きに、目黒にある「鳥しき」へ。
今夜も『一通り』で注文です。
今夜の献立
お新香
最近は諸事情でやっていませんが、白ワインと合わせるのが好きです。
鶏そぼろ
あることは、かなり前から知っていたのですが、注文したのは初めて。〆の『鶏そぼろ丼』のお摘みバージョンです。薄めの味付けなので、単体でも美味しい。
さび
挨拶がわりの串は、やはりコレ!
かしわ ♡
タレ味ですが、コーティングのような感じなので、鶏肉本来の味と脂が味わえます。食べ終えた後も余韻が続きます。
線胃 ♡
かなりのレア串。持つだけで、脂が滴り落ちます。シャコ!シャコ!といった食感の後に、ジワリと濃い脂が溢れ出します。
砂肝
シャクシャクした食感がたまらないです。
白玉
食べてみると、分かる。ちょっとしたサプライズの串。
食道 ♡
独特の食感と余韻が続く脂の旨さ。私の好きな部位の一つです。
恥骨 ♡
腿肉よりもしっとり、胸肉よりもジューシー。ゆっくりと味わうべき部位です。
かっぱ
いわゆる軟骨ですが、軟骨の周りに付いている肉が美味しい。
波
表面はカリカリ、内側はモチモチしているので、ずっと噛んでいたくなります。
はつもと ♡
独特の食感を楽しみながら、噛むたびに溢れてくる脂と甘さが秀逸。
アキレス腱 ♡
これもレア串の一つ。確りとした歯応えの中にある肉の味わいが好き。
せせり
他店の同じ部位よりも、柔らかでジューシー。
手羽先の先の皮
先ほど食べた『波』よりもこってりとしていて、弾力があります。
血肝 ♡
「鳥しき」といえば…ってくらいに有名な部位。今夜のは、特別に大きかったです。
獅子唐
他店と比べたことないですが、普通でしょう。
トウモロコシ
夏の「鳥しき」の名物。何気に楽しみだったりします。
丸はつ ♡
最近はメジャーになった部位。はつがお好きならば、是非!
銀杏
さほど好きではなかったですが、このお店で好きになりました。
背肝 ♡
久しぶりに味わえました。独特の食感、滴る脂と甘さが素晴らしい部位です。
合鴨
これも久しぶり。食べ応えのあるボリュームです。
膝まわり♡
確りとした肉質とその周りにあるゼラチン質が楽しめます。ガブッと食べると、その両方が味わえて◎。
手羽先
焼鳥店の中でも最も食べ応えのある部位ではないでしょうか。パリパリの皮とジューシーな肉がたまらないです。
茄子
実は初の串。この茄子、すごい!何度も串の位置を変えながら、じっくりと焼かれた表面は確り、中はトロトロ♡
つくね
ふわりとした柔らかさの中で、時折感じられる軟骨のコリコリ感がいい。
厚揚げ
池川大将の火入れが1番よく分かる串。是非、他店と比べてみて下さい。
そり ♡
肉系が好きならば、必食の串です。
椎茸
絶妙な塩加減と椎茸汁が美味しい。
ぼん
是非、大根おろしを乗っけて食べてみて。実に美味しいですよー。
ちょうちん
〆はコレ!卵黄が大きいのを取っておいてくれたみたいですが、割ってしまったそうなので、今夜は小さめ。
親子丼 ♡
〆のご飯物。卓上にある山椒を少しかけると、香りが華やぎより美味しい。
鶏スープ
鶏がら何羽分なんでしょう。濃厚ながらも、ホッとする味わいは最後にぴったりですね。
今夜も無事に『一通り』、頑張りました。私が知っている部位で供されなかった(今夜はなかった)のは、『肩』『ハラミ』くらいですかねー。池川大将に感謝です。
とりあえず、今年の予約はもうないのですが、12月or1月は行きたいなぁ。
ご馳走様でした。また宜しくお願い致します。
2017.6.
久しぶりの2カ月連続での「鳥しき」。2回転目ですが、今回も時間制限がないので、一度やってみたかったことを決行です。
「nao.さん、いつものような感じでいいですか?」
「今日は食べ尽くしで、お願いします!」
「!…分かりました。堪能して下さい!」
という感じでスタートです。
今夜の献立
さび
肩肉
弾むような肉質で、噛みしめるとジュワリと肉汁が溢れます。
手羽先の皮 ♡
厚みがあり、表面はカリッとして、中はもっちりとしています。
かっぱ
丸はつ ♡♡♡
胡麻油の香りとスパイシーな黒胡椒。はつの弾む肉質は、丸々だからこそダイレクトに味わえます。
食道 ♡♡♡
ねっとりとした食感の中で溢れてくる肉汁は、後後味も美味しい。
白玉
獅子唐
かしわ ♡♡
焼鳥店の看板の串。今回はここで登場です。
砂肝
血肝 ♡♡♡
先端をはつで止めている独特のスタイルは、中心にある特大のレバーをしっかりと固定する為。絶妙な火入れで、とろけます♡
膝肉 ♡♡
串ではなく、別皿で供されます。皮はカリッとして、肉はジューシー。胡麻油をかけられた薬味の葱と一緒に食べれば、更に美味しい。
そり ♡♡
「鳥しき」の正肉の中では、一番なのではないでしょうか。一口では食べれない程に大きく、噛みしめるのが楽しいくらいの弾力があります。
せせり
味付けは極僅かなので、肉汁が甘い。
ちょうちん ♡♡♡
心地よくプツンと口の中で弾ける卵黄は、絶妙な火入れ。
銀杏
手羽先
ダイナミックな串なので、是非手づかみで綺麗に食べきってね。
はつもと ♡♡♡
はつとレバーの中間のような食感に溢れてくる肉汁。
厚揚げ ♡
何気ないメニューですが、これが火入れの素晴らしさを感じられます。
アキレス腱 ♡
「鳥しき」の中でも、かなりのレア串。しっかりとした歯応えで、噛むのが楽しい串です。
じゃがバター
恥骨 ♡
これもレアな串。お尻周りの軟骨で、とても柔らかくしっとりとして美味しい。
ぼん
波
小玉葱
親子丼(小)
出汁を味わう親子丼。〆のご飯物では、ダントツの人気ですね。
鶏スープ
3時間半という長丁場。これでも食べていない串や〆のご飯物はありますが、久しぶりにこのお店を堪能しました。どれだけ有名になっても、当初から変わらないクオリティとホスピタリティは、このお店の一番のウリだと思います。ますます予約困難になっていますが、できる限りずっと通いたい大切なお店の1つです。
今夜もご馳走さまでした。
夜風がまだ少し肌寒い日、今年初となる「鳥しき」へ。今夜は食べ歩きで有名な方と有名店の店主さんのお隣で、いただきました。久しぶりでしたが、池川大将はちゃんと私のことを覚えてらして、少し安心。
本日の献立
さび
挨拶がわりの串。相変わらず、火入れは素晴らしい。
かしわ♡
お店の看板串。ジューシーな肉汁に、適度な歯応えが心地よい。
はつもと♡
シャコシャコした食感の中で溢れる肉汁。
砂肝
そり♡
なんとも食べ応えのある串。パリパリの皮に包まれたモモ肉は、とてもジューシーで噛みしめる度に溢れる肉汁に溺れそうです。
白玉
手羽先の皮♡
通常の皮(波)に比べ、厚くて歯応えも強い。皮がお好きならば、是非この部位を食べていただきたいです。
つくね
手羽先
血肝♡
看板串の1つ。これを食べたい方も多いのではないでしょうか。先端のはつで、大きなレバーを止める串打ちをしてあり、とろける感じがたまりません。
かっぱ
厚揚げ♡
大将の火入れの素晴らしさは、この串が一番分かりやすいと思います。
せせり
よく見かける部位ですが、このお店のは柔らかく、微かな歯応えがあります。
膝♡
これも肉の部位が好きな方は、是非食べていただきたい。肉汁は濃く、食べ応えもあり、素晴らしい部位です。
じゃがバター
何気に好きな串。焼きに時間がかかるので、食べたい方は早めのオーダーがポイントです。
ぼん
最近は大根おろしを乗せて食べるのが、私のスタイルです。
食道♡
脂もあり、食感も楽しめる素晴らしい部位です。
丸はつ♡
定番化してきたレア串。丸々のはつは食べ応えもあり、噛みしめると肉汁がほとばしります。私的には『血肝』『ちょうちん』と共に食べていただきたい串です。
ちょうちん♡
締めはいつも看板串です。プツンと弾けるように口の中で完成する串だと思っています。
いつも電車の兼ね合いで、ゆっくりと出来なかったのですが、車で来たので最後までじっくりと堪能することができました。池川大将の行きつけのお店も教えていただいたので、そのお店にも再訪してみようかと思っています。
次回は来月。またたっぷりと堪能させていただきます♡
2016.12.
ガラリ。
「いらっしゃいま…え?」
(え?今日、予約だったっけ?)と、そんな表情の大将。
「お弁当を」と言うと、
「え?お弁当って、xxさんだったんですか?」
その瞬間、店内の視点を一斉に浴び、大将とちょろっと会話。
最近はめっきり予約が取れなくなってしまった「鳥しき」に、顔を忘れられない程度に行こうと思い、『お弁当』を買いにやってきたわけです。まあ、それ以外の試みもあったのですが…今回は失敗でしたね。
久しぶりに食べる「鳥しき」の『お弁当』の中身は、鶏そぼろ・椎茸・ぼんじり・シシトウ・かしわ・つくね・白玉で、塩味とタレ味で分かれています。お弁当なので、冷めてしまいますが、やはり美味しい。あまり知られていないかもですが、実は串もテイクアウトできるので、予約できない時はこれでもいいかなーって思っています。
来年に正式オープンする2号店の名刺も戴き、是非行ってみようかと。
2016.9.
最近、なかなか予約が取れなくて、もしかしたら今年最後になるかも?の「鳥しき」に再訪。今夜は2回転ながらも、時間制限なしで、池川大将の焼き場を見ながらゆったりと。
本日の献立
お新香
さび
かしわ ♡♡♡
焼鳥店の看板というべき部位。味付けはタレですが、決して濃い味ではなくて、鶏本来の味や脂の甘みを感じられる一串。
白玉
食道 ♡♡
砂肝
波
合鴨 ♡
丸はつ ♡♡
はつもと ♡♡
つくね
血肝 ♡♡♡
膝 ♡
アキレス腱のポン酢和え
ちょうちん ♡♡
ここまでで、3時間。久しぶりにゆっくりと食べれました。「nao.さん、食が細くなったんじゃないですか?」と心配されましたが、「 大将、かなりいただいてます 笑」レアな串を黙っていても出してくれる大将の心遣いに、今夜も感謝です。
そういえば、私の通っている鮨店の親方が食べに来られたらしい。次回、その鮨店に行った時に話してみましょう。
ご馳走様でした。
2016.7.
久しぶりに開店時間からの「鳥しき」。真っ白な暖簾と共にチリンチリンと鳴る風鈴が付けられ、焼鳥店ではあまり感じられない四季を感じさせます。店内には凛とした雰囲気が流れていて、これから忙しくなる焼場の炭が静かに燃え上がり、池川大将の登場を待っています。
本日の献立
お通し
何気なく出されるぬか漬けですが、美味しい。最近は白ワインと合わせています。
さび
スタートはこの串。山葵の洗練さがよく映えます。
血肝
この「鳥しき」の看板とも言うべき部位。先端にはハツを刺し、特大のレバーを止めています。大将の絶妙な火入れがなすプリプリ感は素晴らしい。
食道
シャコシャコした食感で、程よい脂。美味しい。
丸はつ
定番となったレア串。口にすると、一気に脂が溢れます。素晴らしい火入れ。
アキレス腱ポン酢
新メニューなのかな?大将が出してくれました。「鳥しき」の中でも☆☆☆クラスのレア部位で、しっかりとした歯応えが楽しめます。
ぼん
最近は口直しに出される大根おろしを乗せて食べています。オススメの食べ方ですよ。
はらみ
これも☆☆☆クラスのレア部位。ゆっくりと歯が入っていき、最後にシャクとした歯応えが残る。食べ終えた後も残るコッテリ感は、独特。
背肝
ちょっとグロテスクな見た目ですが、脂乗りは別格。ふわりとした食感で、時折プチっと弾けるような食感もあります。
トウモロコシ
夏の定番野菜。夜店で焼いているのとは、全く違う。大将が焼くと、ここまで洗練されるのかと思うほどに美味しい。
ちょうちん
これも「鳥しき」の名物。口の中で弾ける卵黄とそれに絡まる部位は、美味しいの一言。
白玉
持てば分かる。この鶉の卵は半熟なのです。単なる卵でも感動はあります。
はつもと<魂の一串>
これも私が好きな部位。肉の味が分かる絶妙な塩加減。美味しい。
膝
最後は膝周りの肉。かなりのボリュームがあり、しっかりとした脂と肉質は焼鳥という概念を払拭します。
親子丼
某百貨店のイベントで、数万食を売り上げた有名丼。見た目は生っぽいですが、意外とちゃんと火入れされています。
鳥スープ
飲むと唇に膜が張るほどの濃度。塩気はさほどなくて、肌にも良さそうな感じ。
今夜も他を圧倒するほどのスピードで提供していただきました。ありがとうございます。また串の本数は少なめがですが、レア部位ばかりで新しいメニューも食べることができ、満足。また宜しくお願いします。
ご馳走様でした。
2016.4.
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に定期訪問。最近は日曜日の2回転目が多く、まったりとした時間が流れ…なかった‼︎2カ月前の予約なので、先日の催事やテレビの影響はないと思いますが、23時くらいまではずっと満席が続いてました。さすがに池川親方もちょっと疲れていたかな。
本日の献立
・さび
・血肝
・波
・せせり
・かっぱ
・つくね
・砂肝
・丸はつ
・はつもと
・ちょうちん
「鳥しき」ならではの近火の強火で焼き上げ、卵黄の部分は表面が少し固まったくらいで、口に入れればプツンと弾けて絡みます。是非とも食べてもらいたい名物の串と言えます。
・膝
・そり
・厚揚げ
「本日はいつもお出ししている部位がなくて…」と仰っていましたが、私の好きな部位はあって満足です。いつもいつも限られた時間の中で、多くの串を出していただきありがとうございます。
今回は初めて座る場所だったので、親方の右手の爪を生で見たり、帰り際に最近行ったお店のことなどをちょっとお話できて良かったです。
また宜しくお願いします。ご馳走様でした。
2016.1.
新年のご挨拶をする為に予約した「鳥しき」へ再訪。でも今夜は珍しく2回転目で、21時からのスタートです。まずは、冷えた身体を熱燗で温めましょう。新年ということで、お忙しい中、池川親方からお酌していただきました。ありがとうございます♡
今夜の献立
さび
かしわ
丸はつ
やはりこの部位は、欠かせません。
腺胃
鳥の胃袋。歯がジワリと入っていき、シコシコとした食感で、かなり濃厚な味わいです。随分と通ったつもりですが、まだ未食の部位がありました。池川親方曰く、かなりのレア串だそうです。
背肝
ふんわりとし食感の中で、味わうしっかりとした脂とプチっと弾ける精巣は、私の好きな部位です。
白玉
アキレス腱
これもレアな串。前回に引き続き、いただくことができました。
波
食道
血肝
ちょうちん
はつもと
血管特有のシコシコした心地よい食感があり、脂も楽しめます。
そり
正肉が好きならば、食べて欲しい何とも食べ応えのある部位です。
鳥スープ
食後のお楽しみ。透明な中にも、唇に膜が張るくらいのコクがあります。
今夜はちょっと遅くなったので、早めに切り上げました。それでも好きな部位は十分に食べることができたし、親方や女将さんにもご挨拶できたので、満足。親方は、満足してなかったようですが(笑)
次回の予約はまだ取っていませんが、今年も何度でも行きたい大切なお店です。
2015.12.
今年最後の「鳥しき」。いつもの時間で、いつもの席でまったりと。
本日の献立
さび
血肝
皮ポン酢
食道
かしわ
波
アキレス腱
つくね
背肝
はらみ
丸はつ
厚揚げ
はつもと
恥骨
膝肉
ちょうちん
そり
親子丼
今夜はお弁当の注文が多く入っていたようで、提供がかなりスローリーな展開。さほど食べてないうちに、そろそろ帰りの時間が…。その時、ご主人が提供数に納得してなかったようで、「時間、気にしなくていいので」と延長してくれたので、レアな串ばかりいただきました。
中でも久々に食べられた『アキレス腱』や『はらみ』、『恥骨』は美味しかったです。『丸はつ』『背肝』『食道』あたりは、もう私が好きなことをご存知なので、何も言わずとも出していただけます。そういえば、他店では見かける部位がないなぁと思っていたら、実はあるみたいで、次回は食べようと企んでいます。
物腰の柔らかな女将さんとちょっと早い年末のご挨拶をして、吐息舞う夜に帰っていくのです。
次回は新年早々です。
今年もありがとうございました。
2015.9.
いつもの時間、いつもの席、違うのは感じる風の匂いが、だんだん秋めいてきたことかな。そんなことを思いながら、今夜は「鳥しき」。
ご主人に「赤坂のSの親方が、たまには入れて下さいって仰ってましたよ」と言うと、「‼︎ 行かれるのですか?」と驚かれてました。何とも、狭い世界ですね。あの雰囲気の中で、ご主人と会話するのは難しいですが、いつかは話しながら食べてみたいです。
今夜の献立
さび
血肝
食道
背肝
かしわ
白玉
つくね
ししとう
丸はつ
はつもと
合鴨
銀杏
手羽先
玉葱
ちょうちん
膝
そり
今回は、2回転目のお客さんが遅れているので、ゆっくりどうぞとのご厚意に甘え、歴代最高の滞在時間となりました。次回の予約はまだ出来ていないので、もしかしたらこれが今年最後の訪問となるかもしれません。人気店になり、非常に予約が取れなくなっていますが、また必ず再訪します。
ご馳走さまでした。
2015.6.
黒い壁に、印象的な白い暖簾がたなびき、チリンチリンと風鈴の誘いと共に、今夜も「鳥しき」が開店です。予約の名前を告げることもなく、いつもの席へ案内されます。ご主人と女将さんに軽い挨拶を交わして、今夜も堪能致しましょう。
今夜の献立
さび
始まりの串は、やはり皆一緒のようです。
血肝
相変わらず、素晴らしい火入れです。
はつもと
ここら辺から私の内臓系の献立に分岐。
食道
私の好きな部位。ちゃんと入れてくれる。ありがとうございます♡
ちょうちん
いつもは〆なんだけど、今夜は早めに出してくれました。焼きに時間がかかるので、一番最初に焼き始めてくれました。
つくね
食べ応えのあるボリュームで、美味しい。
恥骨
実は今夜の宿題メニュー。未食だった部位です。肉は柔らかくジューシーさとしっとりさを兼ね備えた感じで、かっぱよりも歯応えのある軟骨があります。
膝
小皿で供される肉系の部位。
丸はつ
たまたまなのか、今夜は串でした。丸はつ二個分♡
砂肝
ラストには珍しい部位。多く提供したいというご主人の思いを感じる一串です。
今夜は一時間という最短の時間でしたが、いつも以上のハイペースで供して頂きました。ありがとうございます♡
夏の予約はできなかったので、次回は秋頃。また宜しくお願い致します。
2015.4.
桜咲き、花吹雪が舞い散る肌寒い日、「鳥しき」に再訪。本来なら2カ月前に予約するのが常なのですが、今回は6月分を予約する際に、念のため4月分の予約状況を聞いてみると、ちょっとした隙間があったので、予約させて頂きました。1人客のなせる技です。
今夜の献立。
さび
血肝
かっぱ
食道
白玉
背肝
おくら
かしわ
ぼんじり
丸はつ
膝
そり
ちょうちん
このお店に関しては、たいていのものは食べ尽くしたと思うので、その日に感動した串の写真を載せようと思います。で、今夜の一番と思ったのは、やはり『丸はつ』かな。2つくれたのは謎ですが、嬉しい限りです。内臓系が好きなので、定番の『血肝』『ちょうちん』や希少部位の『食道』や『背肝』が供された時は、心躍りますね。
実は電話の際に「すごい短時間になってしまい、申し訳ないです」と女将さんから言われるほどに短い予約時間だったのですが、後のがキャンセルになったのでしょうか?「ごゆっくり、どうぞ」と言われたので、たっぷりと堪能できました。
次回は5月。またゆっくりできたら、いいなと密かに思っています。
2015.1.
今年の「鳥しき」初めは、めでたくも1月中にでき、新年のご挨拶をご主人らと交わすことができました。いつもは開店同時の入店ばかりだったのですが、今回は21時という初めての時間帯です。焼き場は勿論、忙しいには変わりないですが、お客さんはどこかまったりとしていて、柔らかい空気が漂っている感じ。
今夜の献立。
さび
鳥刺しがない今、その味に近いのは、この串。
血肝
レバー嫌いでも、一度は食べて欲しい串。大きく、食べ応えがあります。
食道
私の好きな部位の一つ。時折感じるシャコシャコ感がたまりません。
白玉
はつもと
私の好きな部位の一つ。心臓の付け根部分なので、くにゅとした歯応えがあります。
つくね
軟骨を練り込んだ逸品。
芽キャベツ
旬の野菜ということで、今夜は皆さんに出されてました。
かしわ
改めて、美味しいと感じた串。プリプリの弾力です。
背肝(腎臓)
久々に出逢えた内臓系最強と思っている串。トロリと、とろけます。
厚揚げ
ご主人の火入れの素晴らしさをダイレクトに感じられるのが、これだと私は思っています。
丸はつ
今夜は2つですよー♡あまり教えたくない部位です。
かっぱ
ここら辺から、肉系。
波
皮といっても、侮るなかれ。
膝
皮目はパリッとしていて、肉の部分はジューシー。食べ応えがあります。
そり
最近は多くのお店で見られるようになりました。腿の付け根部分。肉系最強です。
ちょうちん
今回は卵黄の部分が大きすぎて、外れてしまうとのことで、別皿で提供。やはり〆は、この串です。
もうご主人は、私が内臓系が好きということを知ってらっしゃるのでしょう。レア内臓系ばかりです(笑)しかも遅い時間だからないかもと思っていた『背肝』や『丸はつ』などがあり、今夜は大満足でした。ご主人とちょっとお話しもできたしね。
味と同様に、私の心を掴んで離さないのは、そのホスピタリティー。研鑽していく味と、益々有名になっていく中で、焼鳥店とは思えないほどのホスピタリティーの高さは、本当にすごいことだと思います。
「感動のある焼鳥店」
これからも大切にしていきたいお店です。本年度も宜しくお願い致します。
ごちそうさまでした♡
⑩2014.12.
最近はイタリアンやフレンチの開拓にも手を出しているので、リピート率が益々低くなってきている中で、食べたいと思うのは感動を与えてくれるお店。その一つが目黒にある名店「鳥しき」です。
予約困難な焼鳥店ですが、常連さんで早々と席が埋まるということなく、ひたすら電話をかけ続けるという根気(食欲とも言う)があれば、何とかなるお店です。いつの間か私もすっかり名前で呼んで頂けるくらいになりましたが、予約日には200回以上のリダイヤルをします。やっと繋がって、希望日を言い、名前を言うと「あ、いつもの方ですね?」と言われます。焼鳥店なのだから、いてもおかしくないと思うのですが、未だ一人客に出逢ったことがありません。一人客である私はとても珍しく、変わったものを食べるので、印象的なのだと思います。
今夜の献立
さび
私のレビュータイトルの「ちはやぶる神の火入れ」は、もうここから感じられるはずです。
砂肝
皮のポン酢和え(注文)
今回、「一品料理を食べる」という課題を持っていました。以前は『たたき』などの鳥刺し系があったのですが、現在は提供していません。「じゃあ、今は何があるの?」と思い、聞いてみたところ、現在は2品の一品料理があるそうです。その中の一つが『皮のポン酢和え』。皮の表面をカリッと焼き上げ、薬味を乗せ、ポン酢をかけていただきます。これがなかなか美味しい。薬味の爽やかさとポン酢の酸味が皮とよく合います。
白玉
かっぱ
血肝
今回のは特に大きくて、食べ応えがありました。クセや血腥さなどは微塵もないので、絶対に食べるべき串です。
椎茸
ぼん
かしわ
銀杏
食道
私の好きな部位。適度な脂もあり、食べ応えもあり、とても美味しい。
丸はつ(注文)
久々に出逢えた!名前の通り、はつ(心臓)を丸のまま焼いたもの。1羽につき1つしかない部位なので、希少価値が高く、ホントはあまり存在を教えたくないです。
膝
基本的に私は内臓好きですが、肉の部位の中では好きな部位です。
ジャガバター(注文)
前回食べた『トウモロコシ』が素晴しく美味しかったので、野菜もいいかなと思い、注文。その結果、大正解!ホクホクとした火入れはさすがです。焼き上がるのに時間がかかるので、早めの注文はベター。
厚揚げ
何気に提供されるこの『厚揚げ』、実は「神の火入れ」を一番感じられる逸品だと思っています。
そり
はつもと(注文)
ちょうちん
手羽先
お弁当
今回は〆のご飯を食べなかった理由は、ここにある!実は『お弁当』って初めてなんです。粗めに挽いた鶏そぼろに、椎茸・ぼん・かしわ・つくねを盛った豪華なお弁当。お店で食べるのも勿論いいですが、家で食べる「鳥しき」の味もいいですね。
⑨2014.8.
久々に「鳥しき」で一杯。今年はあまり行けなかったのですが、ご主人はちゃんと覚えていて下さり、感謝です。
今夜の献立はこんな感じ。
さび
かしわ
とうもろこし
アキレス腱(稀少)
食道(稀少)
はつもと(稀少)
しいたけ
かっぱ
腎臓(稀少)
膝(稀少)
首の皮(稀少)
つくね
ちょうちん
ソリ(稀少)
血肝
〆は「新チューボーですよ!」で、街の巨匠にも登場していた『とろとろ親子丼』。
あまり私に野菜系は供されないのですが、今回出してくれた『とうもろこし』は、すごく甘くて美味しかったな。べ、別に野菜が嫌いってわけじゃないんだからね(笑)
今夜の献立の中で、1番を挙げるならば『腎臓』かな。内臓好きで、ゴメンナサイ。
ごちそうさまでした。また冬に伺います。
⑧2014.2.
2014年初の「鳥しき」へ。いつも18:00開店と同時に何名かと一緒に入るのですが、今回は5分くらい誰も来ず、一ヶ月遅れの新年の挨拶をちゃんと交わすことができました。いつもの席、いつものお任せでスタート。飲み物だけは気分によって変えますが、最終的にいつも日本酒になります。最近は焼鳥にワインというマリアージュも多くなりましたが、私はやはり日本酒が一番合うような気がします。
本日の献立
かっぱ
かしわ
ソリ(希少)
はつもと(希少)
芽キャベツ
ちょうちん
波
白玉
つくね
食道(希少)
血肝
膝(希少)
ハラミ(希少)
親子丼
今回は、こんな感じになりました。久々にご飯ものが食べたくなったので、いつも定刻ギリギリまで串を食べているのを早めに切り上げて、『親子丼』を注文です。あまり『親子丼』って食べないのですが、ここのは素晴しい火入れで、トロトロ感を味わえ、美味しい。未食の方は、是非。
⑦2013.11.
おそらくは、今年最後の「鳥しき」に再訪。いつもの時間、いつもの席で、今夜も一杯です。でも、今夜はキャンセルがあったそうで、ゆっくりしていいとのご主人の言葉に甘えることに。2ヶ月前の予約なので、意外とキャンセルはあるみたいです。
今夜の献立。
・さび
・肩(希少)
・かっぱ
・波
・アスパラ
・白玉
・椎茸
・ソリ(希少)
・血肝
・膝(希少)
・アキレス腱(希少)
・はつもと(希少)
・丸はつ(希少)
・食道(希少)
・ちょうちん
今夜も美味しく、いただきました。初めて行かれる方は、たいてい『おまかせ』だと思うのですが、食べたい串があれば、ちゃんと言えばご主人が取り入れてくれます。特に希少部位と言われる串は、言わないと提供されないことが多いので、ご注意を。
私のオススメは、肉系ならば『ソリ』、内臓系ならば『丸はつ』『食道』。どの串も大振りで、食べ応えもあって美味しい。そして、絶妙な火入れを楽しむならば、『血肝』や『厚揚げ』。
〆のご飯ものも、『親子丼』などは必食。でも私は、串とお酒で楽しむのが、『鳥しき」では好きなのです。
⑥2013.9.
「鳥しき」に、再訪。いつもの席、いつもの『おまかせ』で、今夜も一杯。顔と名前も覚えて戴き、すっかり常連になってしまいました。ありがたいことです。
今夜の献立。
・さび
・血肝
きっと最初は、この二本が提供されることが、多いはず。基本的に、右側に提供されるのが『塩』で、左側に提供されるのが『タレ』です。最初に提供されるお皿は、そのまま取り皿として使うので、『塩』と『タレ』を間違えないようにしましょう。
・はつもと(稀)
・食道(稀)
ここからは、私のコースに分岐。メニューにはない稀少部位です。
・椎茸
・まるはつ(稀)
椎茸、元はすっごい大きいんです。まるはつは、最近のお気に入りです。
・白玉
・銀杏
きっと誰もが、「おっ!」と驚く白玉。何故かは、ナイショ。
・波
・つくね
つくねは軟骨も練り込んでいるので、ジューシーさとコリコリ感が楽しめます。
・背肝(稀)
・ソリ(稀)
背肝は腎臓のこと。コレも、美味しい。そして、ソリ。コレは腿の付け根の部分または股関節のことで、かなりの食べごたえのある部位。是非、食べてみて。
・肩(稀)
・ちょうちん
肩もメニューにないです。内臓系だけが、稀少部位ではないんですね。串の〆は、ちょうちん。美味しい♡
・親子丼
・鳥スープ
今夜は、久しぶりにごはんものをいただきました。
いつも思うのですが、私だけ提供スピードが違うんです。というのも、私だけ90分という限られた時間で、席を取ってもらっているので、ご主人が気を遣って下さっているのです。そして、メニューにないような部位を食べているので、提供されると同時に、「アレ、何?」といった隣の人からの視線が…^^;
実は、2ヶ月連続で予約取れたので、また来月もお願いしまーす。そろそろ『たたき』が食べたいぞよ♡
⑤2013.7.
新しくオープンした「鳥しき」姉妹店の「ガルス」も気になるところですが、今夜は予約した「鳥しき」へ。ちょっと早めの入店といつもの席は、変わりません。
久しぶりに『たたき』をいただきたかったのですが、季節の関係で、今は自粛しているそうなので、食べられずorz さて、今夜もお任せなのですが、「今日ある希少部位を多めに食べたい」とお願いして、スタートです。
・かしわ
・ぼんじり
・ししとう
・合鴨
絶妙の火入れ。柔らかく、噛むたびに脂が溢れ出す。
・はつもと(稀)
コリコリサクサクの食感。脂も十分。
・食道(稀)
・かっぱ
・血肝
・まるはつ(稀)
名前の通り、心臓を丸まる。サクサクの食感。
・波
・ひざ(稀)
脂はある。が、こってりとした感じではない。程よい食べ応え。
・ソリ(稀)
とても食べ応えがあり、程よい脂に、程よいしっとり感。
・手羽先の先の皮(稀)
厚めの皮で、表面はパリパリ、中はねっとりとした感じ。
・厚揚げ
・ちょうちん
〆はやはりコレでしょ!
という内容になりました。今夜はゆっくりして大丈夫というので、随分と食べることができました。お好みで食べるのもいいけど、お任せの方がワクワクしていいよね。ご主人、今夜もとても美味しかったです。また宜しくお願いします。
④ 2013.5.
今年初の「鳥しき」へ。どうやら名前と顔を覚えて下さったようで、いつもの席でいつものオーダーで、今夜もスタートです。今回は〆のご飯ものは食べない予定でしたので、焼物だけでいただきました。
・かしわ
まずはしっかりとした肉を楽しみます。
・つくね
軟骨も入った粗挽きの塩味のつくね。
・白玉
口に入れて、ビックリの半熟さ。
・かっぱ
肉も残してある軟骨。
・合鴨
おろしたての山葵をつけて。
・エリンギ
実は初の野菜系。
・波
首の皮。パリパリというよりは、ネットリとした感じ。
・砂肝
大きいところが嬉しい部位。
・茄子
熱々のトロトロ食感。
・手羽先
手羽先は、皮の部分と肉の部分が十分に楽しめて好き。
・血肝
火入れの素晴らしさを楽しめる一串。生のようで、生じゃないんです。
・銀杏
・肩の肉
初となる部位。十分な脂と肉々しさが美味しい。
・厚揚げ
何気にこれも火入れの妙が楽しめます。
・食道
食感と脂も楽しめる私のお気に入り部位。
・小玉葱
・さび焼き
最近の〆の串です。
・〆の鳥スープ
今夜はこのような献立。スタート時はまだお客さんもまばらだったので、、かなりのハイペース出され、いつも以上に多くの串を食べることができました。串の一つ一つの完成度も高く、接客もとても丁寧で、より素晴らしいお店に進化していっています。なかなか予約しずらいのが難点ですが、コンセプトの違う支店も近日中にオープンだそうなので、楽しみですね。
次の予約ももうしてあるので、その時は希少部位を多く食べたいと思います。
③
目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」に3ヶ月ぶりの訪問。今回も18時開店と同時に予約で満席となり、焼き場は戦場になります。今回も電話予約の際に注文していたものがあり、それからスタート。あとは「お任せ+稀少部位」といつもと同じ感じにしました。
・血肝刺し
電話で「たたき以外にありますか?」の問いに答えていただいたのが、コレ。完全な生ではなく、かるーく炙り、冷水でしめて出されます。血生臭いということはなく、角のたったレバーは口に入れると、プツンと弾け、とろけます。『血肝』が好きな方なら、絶対に食べるべき逸品。
・かしわ
・ぼん
お尻部分。何気に未食でした。
・はつ
これも未食。さくりと切れ、プルンとした食感。
・はつもと(稀)
・銀杏
・食道(稀)
私のお気に入りの部位。
・砂肝
・かっぱ
軟骨なんですが、さりげなく肉も残していることがニクい。
・合鴨
かなり肉厚であるが、柔らかな火入れを感じれます。
・手羽先
かなり大きく、味つけは塩です。骨の周りの肉はやっぱり美味しい。
・厚揚げ
・ちょうちん
今回の献立はこんな感じでした。たいてい「お任せで」というと、『さび焼』『血肝』と出されるのですが、『刺し系』を最初に注文すると、献立が変わっていくみたいですね。
この「鳥しき」では、特に何時までという時間が決まっていないのですが、私の場合は無理を言って席を用意していただいているので、90分間なのです。そのため串の出方が異常に早く、他のお客さんが1本提供されるのに対して、2〜3本提供されます。「なんで、あの客ばかり」と思っていた方、ゴメンナサイ。
たいていの串は食べたかなと思いますが、私のお気に入りの部位は稀少部位である『食道』。ボリュームもあり、こってり感もありつつ、柔らかい軟骨のようなコリコリ感も味わえます。今回もいただくことができ、満足ww まだ次回の予約はできていませんが、またドラマのような焼鳥を味わいに行きます。
②
6月に感動を覚えた目黒にある焼鳥の「鳥しき」。8月分の予約は取れなかったので、9月に再訪となりました。今回は電話予約時から注文しておいた料理があり、それからスタートです。基本オーダーとしては、いつも通りに「お任せ+希少部位」というかたちで、御主人の池川さんに全てをゆだねました。
では、一気にご紹介!でも前回食べた串は、写真を撮らなかったので、未食のものだけを撮らせてもらいました。
・たたき<左>
電話予約の際にできるならばと言って、用意してもらった料理。絶妙の火入れは脱帽です。
・かしわ
・砂肝<右>
素晴らしく大きく、筋もなくて、純粋にシャコシャコといった歯ごたえが楽しめます。
・はつもと(希少部位)
・波
・食道(希少部位)
・白玉
・銀杏
・椎茸
・血肝
・はらみ(希少部位)<左>
かなりコッテリとした脂の中に、シャコシャコといった食感が楽しい。
・かっぱ
・厚揚げ
・ちょうちん
・さび焼
・親子丼<右>
「鳥しき」の新メニュー。しっかりとした味わいの中、鶏もたっぷりと入っており、ほとんど生のような半熟さではなくて、nao.好み。
nao.が思う「鳥しき」の魅力は、絶妙の火入れと人によって変わる串の出し方。絶妙の火入れを一番感じるのは『血肝』。つまりレバーなのですが、あの特有の味もしなく、ちょっと生っぽさがあるのにもかかわらず、ちゃんと火が通ってるんです。苦手な方も是非食べてもらいたい、なかなか味わえないレバーです。
そして串の出し方。ホントに人によって違う。最初の注文時に「嫌いなものはありますか?」と聞かれるのですが、nao.は(食べられないわけではないのですが)「玉葱」というと、野菜が全く出されない(笑)今回の献立を見ると、結構脂っぽい串が多くて、「最後にコッテリ系は、ちょっとキツいかも」なんて思っていると、最後に出されたのが『さび焼き』。なんて、素晴らしいんでしょう!思わず、拍手したくなるくらいでした。
実はまだまだ食べていないポピュラーな部位や〆のご飯、お土産などもあり、これからも通って食べていきたい大切なお店です。
①
4月某日、18時。電話をかけること104回目にして、やっと繋がり、何とか予約を取ったお店があります。それが念願の初訪問となりました目黒にある焼鳥の名店「鳥しき」です。
実は4年前から知っていて、行こう行こうと思いつつも先延ばしにしていたら、すっかり予約困難な人気店になっており、そんな風になったら、何がなんでも行ってみたくなるというのが心情。っていうわけで、今回の初訪問となりました。
目黒駅のロータリーの裏手にひっそりと佇む店構えは、まるで料亭のような感じ。店内は白木のコの字カウンターに、入り口すぐに焼き場があって、ちょっと強面のご主人の池川義輝さんが笑顔で出迎えてくれます。メニューはアラカルトでも大丈夫ですが、お腹いっぱいになったらストップできる『お任せ』がドキドキがあって楽しそうなので、『お任せ』に『希少部位があれば』というオーダーにしました。待っている間に聞いた店名の由来は「季節感のない焼き鳥に、少しでも四季を感じてもらえたら」ということで、「鳥しき」なのだそうです。
では、一気にご紹介ー(^ ^)
・さび焼
ささみに山葵をのせたもの。ほぼ生に近いが、絶妙に火が通っている。
・血肝
つまりはレバー。特有の血の味はほんのりとするけど、プツンと噛み切れる歯ごたえ。
・白玉
うずらの玉子だが、驚くことにトロトロの半熟。銀座の「○吟」を思い出す。
・銀杏
・波
皮。パリパリとしたイメージだが、ねっとりとした脂を楽しめる。
・食道(希少部位)
やや脂だが、シャコシャコといった歯ごたえが楽しい。
・椎茸
・かっぱ
軟骨。程よく肉もついており、バリバリという歯ごたえ。
・つくね
中に軟骨が入っており、あっさりとしたタレなので、肉も楽しめます。
・腎臓(希少部位)
フワッとした食感で、口に入れると溶ける脂が美味しい。
・はつもと(希少部位)
程よい脂に、血管特有の歯ごたえが美味しい。
・厚揚げ
茗荷やカイワレなどが乗っており、中はほんのりとした熱さで、こんなところまでも絶妙な火入れを感じれます。
・かしわ
モモ肉。フワッとした肉質で、適度な脂で美味しい鶏を感じれます。
・ちょうちん
産卵前の未成熟卵と卵管。見た目はちょっと^^;だが、口の中でプツンと弾ける濃厚な卵黄が素晴らしい。
・鶏そぼろ丼
意外にもあっさりとした味付けで、粗めに挽かれた肉と軟骨のコリコリ感がいい。一緒に出されるスープをかけて、雑炊にしてみたかった。
ご主人が食べるスピードや食べ方を見て、色々と出してくれるので、他のお客さんとはかなり違った構成になりました。しかもnao.は一人なので、かなりのハイペース的な感じ(時間制限もあったので)
素材によって、だし醤油や酒や油を塗り分け、近めの強火で焼かれる全ての串は、ご主人の魂を感じる絶妙の火入れで、食感も素晴らしいですが、感動したのはやはり『希少部位』の数々。出されると「生き物だもの、こういう部位あるよねー」と思い、食べるとその味わいに唸るしかないのです。
そして、驚きは会計にもありました。(ちなみにメニュー板には値段が書いていません)かなりリーズナブル‼予約困難なお店ですが、普段使いが十分できるお店です。予約は鶏の仕入れの関係上、2ヶ月先までしかできないので、1日になったらまた電話と格闘したいと思います。8月は空いてなかったのよ~orz
8位
9回
2019/03訪問 2019/04/09
2019.3.
4月になると、横浜駅裏のグルメエリアの鶴屋町に新たな店舗を構えるという地葉 将人さんの焼鳥を食べに「地葉」へ。地葉さんは新しい横浜店の方へ行かれるそうで、ここ関内店での勇姿は暫く見られないのかな?今回もスペシャルなコースを用意していただきました。ありがとうございます♡
本日の献立
はつ♡
最初はやはり、コレ。地葉さんの名刺がわりの串です。はつは開いてありますが、食感はまるで丸はつのようで、プリプリ感とジューシーさが秀逸です。
もも
毎回毎回、大きくなっているような気がします。タレで鶏の旨味を閉じ込めていて、噛み締める度に溢れます。
厚揚げ♡
表面をカリカリに焼き上げることで生まれる内と外のコントラスト。だからとろけるような厚揚げになります。
うずら
黄身はクリームのような感じ。半熟よりも私は好きです。
鴨
大きな塊の鴨をじっくりと焼き上げて、スライスした後に片面を炙ってから供されます。口の中で溢れる脂の甘みは、やはり鶏とは一味違います。
せせり
よく動かす首の部位だから独特の食感があり、肉汁も滴るよう。
レバー♡
先端をはつで固定してたトロトロなレバー。素晴らしい火入れです。
腰皮♡
炭から炎が上がる。「きっと、アレを焼いているんだね」私の想像は正しかった。一羽から僅かしか取れない超希少な部位。誰もが驚く「コレが鶏なの?」と。
アキレス腱ポン酢
「脂の後だから、さっぱりと」そう言って供された小鉢。しっかりと構成も練られています。
銀杏
この銀杏が美味しいと思い始めれば、大人かもね。
あか
内腿の部位。肉の繊維に対して、どう歯を入れるかによって食感が変わる面白い部位。平行に入れると柔らかく、垂直に入れると食感があります。
脛肉のたたき♡
脛肉は旨味の強いので、たたきは抜群に美味しい。
やげん軟骨
肉と軟骨の食感が口の中で暴れます。
食道♡
みっちりと串打ちされた食道。極濃厚な味わいは内臓の魅力の一つです。
ちょうちん♡
卵黄に独特の火入れをすることで生まれる口の中での一体感。某店を超える味わいです。
鶏のxxxx♡
一切、ナイショの一品料理。私は大好きです。
銀皮♡
砂肝の皮のみを集めて串打ちした超希少部位というか手間のかかる部位。砂肝のサクサク食感をもっと凝縮した感じなので、実に素晴らしい。
賄いごはん♡
先程食べ終えた『鶏のxxxx』の中に、ご飯を入れて。この一品料理の決め手は、何と言ってもこの調味料。辛味と旨味が押し寄せます。
ピーマン
芯の部分をくり抜いて焼かれるピーマン。中に入れられるのは、その人次第かな?
つくね
生から焼き上げるつくねは、とてもジューシー。3つあるので、卓上の薬味をつけて味変を楽しむことがお勧めです。
じゃがバター♡
野菜串の新作。温めたり、蒸したりするけど、こうやって焼く方が焦げ目もついて美味しい。
親鶏のぼんじり♡
「地葉」で食感を楽しめる部分としては、秀逸でしょう。よく知っているぼんじりの味わいに、砂肝の食感を合わせたような感じです。
抱き身♡
いつもの山葵に加えて、今回は胡麻七味も振りかけて。皮のパリパリ感と肉のしっとり感が、クセになります。
鶏の塩煮込み♡
参鶏湯のようなスープにちょっとご飯を入れた一品料理。素晴らしい味わいで、レギュラーメニュー化希望ですww
背肝♡
口に近づけると、内臓の甘い匂いがします。食感はザラリとしていて、とろける。内臓こそ、焼鳥の醍醐味!
砂肝♡
タレ味の砂肝は珍しいですが、タレの甘さと上に塗った柚子胡椒の辛味がとてもよく合います。
茄子
鰹節踊る茄子は、トロトロ。
鶏のリエット
クセなどは微塵もない濃厚なリエット。
皮
表面はパリッと、中心部はモチモチとしていて、名店と呼ばれるお店は『皮』からもう違います。
はつもと♡
いつもはタレ味ですが、今回は塩と胡麻油で。この味わいもいい!次回はタレ味と両方出してもらおうかな。
鶏のピリ辛
意外と辛い。でも美味しい。ご飯が欲しくなる味わい。
手羽先
大きな手羽先を豪快に焼き上げているので、食べる時はこちらも豪快に手掴みです。骨抜きのお店もありますが、やはり手羽先はこの方が美味しいと思います。
椎茸
野菜串の中では、鉄板の美味しさでしょう。椎茸のジュースがたまりません。
そり
カリッと焼き上げられた皮、歯を跳ね返すような弾力の腿肉は、まさに肉系最強部位。
膝軟骨
アキレス腱よりもゼラチン質が多め。食感も楽しい。
手羽元
するりと骨から身が離れる素晴らしい火入れ。確りとした肉の旨味があります。
焼きおにぎり&鶏スープ
左手に焼きおにぎり。右手に鶏スープを持ち、交互に食べる。パリパリとした焼きおにぎりが濃厚な鶏スープによく合います。至高の〆です。
お弁当
「いっぱい入れてやろうと思って」と見せてくれた『お弁当』は、いつもと大きさが違う!
今回の内容は…
鶏そぼろ・炒り卵・ももタレ・鴨・つくね・アキレス腱・せせり・肩・うずら・椎茸・オクラ。
いつもながらに味わいと食感を楽しめるように工夫されています。素晴らしい!
今回は地葉さんがお休みのところを無理言って焼いていただきました。ありがとうございます!
次回は横浜に出来る新しい店舗かな?非常に楽しみです。12000
2019.2.
最近は「食べてみたい!」というリクエストが多くて、1人で行くのが久々となった関内にある焼鳥店「地葉」。焼鳥店にしては大きなハコですが、開店時間と同時にカウンター・個室が全て埋まり、飛び込みの方は全く入れない人気店になりました。気に入っているお店が繁盛することは、実に嬉しい。
笑いながら「今回もバットは別ですよ」と、特別に多めに仕込んでくれた地葉さんに感謝です。さあ、今夜も鶏を食べ尽くそうじゃぁないか!
今夜の献立~nao.スペシャルバージョン~
鴨スープ*
またレベルを上げてきました!スープには甘い鴨の脂が浮かび、温度も高め。美味しい。
はつ♡
地葉さんの名刺的な串。極上のプリプリ感を味わえます。はつの甘さに生姜の爽やかさが口の中を駆け抜けます。
かしわ♡
段々とボリュームアップしてる?跳ね返すような肉の弾力もあり、タレのコーティングによって旨味もぎゅっと閉じ込められています。
厚揚げ♡
表面の水分を抜くように焼き上げているので、外と内のコントラストが生まれて、とろけるような厚揚げに。
うずら
クリームのような黄身はちょっとしたサプライズ。
レバー♡
持つだけでプルプルと震えるようなレバー。薄皮一枚で保っているかのようで、口に入れると弾けます。
長芋*
何気に好きな焼いた長芋。軽く胡椒がかけれていて、スパイシー。
胸皮ポン酢
厚みのある胸の皮を使い、更に食感としてアキレス腱も入ってます。
抱き身*♡
炭の香りがふわりとし、皮はパリッと身はしっとりとしていて、旨味が滴る。香り・食感・味が楽しめます。
鶏のクリームシチュー♡
まさかのシチュー。シチュー量の割には肉の量が凄い。しかもかなり美味しい♡冬には嬉しい一品料理。
食道♡
この一串にどれだけの鶏の食道を使っているのだろう。凄くみっちり串打ちしてあり、一口目は食感。最後はコクと旨味も味わえるような串打ちです。
銀杏
小粒ですが、クールダウンにはちょうどいい。
鴨*♡
この時期は定番となっている鴨。とても素晴らしい火入れです。噛み締めるとしっとりした中に旨味が溢れてきます。実に美味しい。
せせり
心地よい歯応えと滴るような脂の旨味。たまらない!
やげん軟骨
肉も付いていますが。どちらかといえば軟骨のパリパリ感を楽しむ串。
砂肝♡
牛タンを彷彿させる切込みに、柚子胡椒のピリッとした刺激と食感が楽しめます。個人的には地葉さんの第2の名刺代わりの串だと思っています。
皮♡
表面は炭の香りを纏い、パリッと。中心部はモチモチ食感。美味しい焼鳥店は、皮で感動出来ます。
鶏のXXXX*♡
一切、ナイショ。酒のすすむ肴です。
裏賄いご飯*♡
毎回お願いしてる賄いご飯が更に進化!レギュラーメニューにしてもいい美味しさです。
ちょうちん*♡
特にリクエストはしていないのですが、私のスペシャルバージョン。
つくね
やや確りとした食感で、その分旨味が濃い。軟骨のコリコリ感も楽しめます。
鶏のリエット*♡
バケットにたっぷりと乗ったリエットは、焼鳥店とは思えないほどの完成度。
はらみ
歯が肉に入り込む度に溢れる旨味。牛だと肉っぽい感じですが、鶏は確りと内臓と分かる味わい。
背肝♡
ざらりとした舌触りに、ふわりととろけるような食感。内臓の中では、一二を争うくらいに好き。
ピーマン♡
いつもチーズが入っていたので、コレがデフォルトと思っていたら違うそうらしい。そして、今回は更に鶏そぼろが入っていました!食べながら、ピーマンの中に溜まった肉汁を啜りながら、食べます。
腰皮*♡
毎回食べているけど思う。コレは鶏なのか?と。そのくらいに衝撃的。まるでホルモンみたいな食感と味わいです。
あか♡
肉の繊維をどう噛むかによって、食感の変わる鶏の内腿。面白くも大好きな部位です。
茄子
鰹節踊るトロトロな茄子。
銀皮*♡
砂肝の皮の部分だけを集めた手の込んだ串。極上のサクサク感を味わえます。
親鶏のぼんじり*♡
食べた方の誰もが驚く、この味わったことのない食感と旨味。
手羽元*
素晴らしい火入れで骨からスッと肉が離れます。旨味も強くて、美味しい。
はつもと♡
素晴らしい味わい。確りと確認出来る繋ぎ目は香りから甘く、程よい食感に甘さのある旨味が広がっていきます。
鎖骨まわり*
部位的にも胸に近いので、味わいも似ていますが、多少軟骨を感じるかな。
アキレス腱
肉のない純粋なアキレス腱なので、踊るようなゼラチン質と軟骨の食感が楽しめます。
膝
皮のパリパリ、軟骨のコリコリ、旨味の強い肉質。口の中で、この3つが広がります。
喉仏♡
鶏って、こんなにも食感を楽しめるものとは!と驚く部位。きっと誰もが好きなサクサクとした心地よい歯応えです。
そで*♡
肉の旨味に加えて、皮の下にある脂の旨味がたまりません。柚子胡椒の辛味も美味しい。
手羽先の先の皮
味つけは変わって、タレ。分厚い皮の甘みと旨味を味わいます。
トマト
表面にはチーズをかけているので、更に温度は火傷必須な危険なトマトになってます。
手羽先
串を外していいのは、この部位だけでしょう。豪快に手掴みで食べるのが、正解です。確りとじっくりと骨に付いた肉を味わいます。
肩♡
しっとりとしているイメージが壊れる味わい。肉は弾むようにプリッとしていて、実に美味しい。
そり
最後に相応しい肉系最強の部位。塩味で軽くレモンを絞っているので、想像よりは重くありません。
チキンカレー♡
今夜はいつもの〆ではなく、コレ。デフォルトの〆は3種ありますが、個人的に1番好き。仕上げには『ちょうちん』の卵黄を目の前で絞ってくれます。器が変わったせいか、鶏そぼろの量がよく分かりますが、コレは私用?w
鶏スープ♡
濃度も高めで、味わいも確りとしたスープ。今回は海苔とぶぶあられも入ってました。
お弁当♡
家に帰ってからのお楽しみの『お弁当』は事前予約が必須です。毎回、内容を変えてくれるそうで、今回は…前回よりも味が確りとした鶏そぼろ・カレー味の手羽先・椎茸・肩・つくね・アキレス腱・親鶏のぼんじり・うずら。
味は勿論のこと、食感も楽しめるような『お弁当』で美味しい。しかしながら、まだまだ更に進化する予感がビンビンと感じます。
全45種!食べた私が言うのも何ですか、よく用意して下さったと思います。私の周りにも食べたいという方が多いのですが、まずはデフォルトで食べっぷりをアピールすることが大事です。初見では、まず無理なのでご注意を。
地葉さん、いつもありがとうございます。また面倒をかけますが、宜しくお願いします。11000
2019.1.
個人的に2ヶ月に一度くらいの定期訪問で、通常よりも多めに仕込んでいただいて楽しんでいる関内にある焼鳥店「地葉」。最近、仲良くしている食べ歩きの同士らがかなり気に入ったようで、月一でスペシャルコースを堪能するようになりました。
本日の献立~nao.スペシャルコース~
お通し
いつものモヤシとお新香。
鴨スープ*
まずはスープで暖まってくださいと出されたスープ。鴨肉は入っていませんが、確りと感じる鴨の存在。
はつ♡
地葉さんの名刺代わりの串。身はプリプリとしており、噛み締めるとジュワッと溢れてくる旨味が素晴らしい。
もも肉
肉の旨味を閉じ込めるようなコーティングのタレ。火入れも素晴らしい。
うずら
黄身はクリームのような仕上がり。
厚揚げ♡
表面はカリカリに焼き上げることで、より中の絹ごし豆腐の滑らかが際立ち、とろけるような厚揚げです。今回は鰹節をかけられていて、更なる味わいの向上が生まれています。
胸肉のたたき*
伊達鶏の胸肉を山葵と梅肉で味わう冷菜。旨味と甘味がそれぞれの味で引き出されています。
レバー
タレを纏ったレバーはぷるんっとした食感を楽しんだ後に、とろけていきます。
親鶏のぼんじり*♡
誰もが驚くこの食感。親鶏は固いと言いますが、この部位だけはこの固さが心地良い。まるで砂肝のようなサクサク感です。
手羽元の塩麹煮込み
じっくりと煮込まれており、骨からするりと肉が離れます。大根も確りと味が染み込んでいて、実に美味しい。
砂肝♡
少し甘味のあるタレに柚子胡椒の爽やかな刺激がたまりません。包丁の入れ方も焼鳥としては、独特。
合鴨*♡
塊のまま焼くからこそ生まれるこのロゼ色の火入れ。今まで3回食べていますが、着実に美味しくなっています。
鶏のリエット*
クセなどは全くなく、濃厚な旨味だけを残したリエット。焼鳥店のレベルを超えています。
やげん軟骨
軟骨だけでなく周りの肉も刺しているので、食感だけでなくて旨味も味わえます。
トマト*
焼き上がり寸前に上からチーズを削り、濃厚さをプラスしたトマト。口に入れるとプツンと弾けるトマトに、チーズのコクが加わります。地葉さんのアイデアとセンスが詰まった一串。
つくね♡
生から焼き上げるからこそのジューシー感。一串には3つあるので、まずはそのまま。そして、卓上の黒山椒・七味をつけて食べるのがオススメです。
抱き身*
皮目はパリッと、胸肉はしっとりとしており、このコントラストのある2つの食感と旨味の累乗が素晴らしい。
背肝♡
供されたら、まずはこの内臓が持つ甘い香りを感じて欲しい。ザラリとした舌触りに、とろけるような食感。大好きな希少部位です。
ちょうちん♡
卵管と卵黄を別々に焼き上げた後、2つを合体させて供されます。口の中で何の抵抗もなく弾ける卵黄の火入れが実に素晴らしい。
ピーマン♡
全く苦味の感じられない「地葉」のスペシャリテ。食べっぷりがいいと、中にモッツァレラチーズが入っているらしいです。トロトロのチーズは気分があがりますね。
鶏の…*♡
辛味と旨味の塊のような秘密の調味料で和えたササミ。お酒も進むし、ご飯も欲しくなる味わいです。
はつもと♡
繋ぎ目も確りと分かるような串打ち。サクッとした食感と溢れる旨味。内臓こそ、焼鳥の醍醐味!
皮
表面はカリッと、中心部はモチモチとしています。火入れによって、一番美味しさの変わる部位だと思います。
あか♡
内腿の部位。線維に沿って噛むとふわりと柔らかく、逆らって噛むと歯応えが生まれます。食感の変化が面白い。
賄いご飯*♡
先程の辛味と旨味の調味料をご飯に混ぜたもの。実は賄いご飯だそうですが、美味しいからいつも出してもらってます。
茄子
鰹節の旨味と一緒に味わう火傷覚悟のトロトロ加減。
はらみ
濃厚な脂に旨味がたっぷり。適度な食感も楽しい。
食道
適度な食感と濃厚な旨味、そして甘さも感じられる部位。これも大好きな希少部位です。
手羽先
今回は骨付きで、味の変化をつける為にカレーの香りを纏わせています。味に飽きないようにとの地葉さんの心遣いに感謝です。
腰周り*
まるでホルモンのような濃厚で、甘味のある脂。部位的には『ぼんじり』の近くらしいですが、鶏の可能性を感じる一串です。
そりねぎ*♡
「そりだけだと重いから、葱をつけてみました」と出された串。確かにこのアイデアはいいかも。究極とも言える『ねぎま』です。
せせり
滴るような脂があり、とろけるような肉質の焼き上げ。美味しい♡
膝
軟骨も少し付いており、コクのある肉質がたまりません。
手羽先の先の皮
先程の『皮』とは違い、カリカリに焼き上げたもの。皮自体も分厚くて、より濃厚さがあります。
手羽元*
こういう関節部位は火入れが難しいそうですが、骨からするりと肉が離れる素晴らしい火入れです。
銀皮*♡
『砂肝』の皮のところを集めて、串打ちした手間のかかる串。心地良い食感が楽しめます。
喉仏♡
私が知る限りでは、この部位が「地葉」での最高の心地良い食感だと思っています。歯切れの良いサクサク感は、食べていても楽しい。
焼きおにぎり&鶏スープ♡
〆は、やはりコレ。濃度の高いスープに表面をこんがりとカリカリにした焼きおにぎりが、とても美味しい。時間がかかるので、早めの注文がベターです。
アタマのカレー
デフォルトである3種の〆料理の中では、『チキンカレー』が一番好きです。今回もそのルウだけ出していただきました。
お弁当♡
実は『お弁当』もあるということを先日初めて知ったので、予約時に注文しておきました。
内容は焼物として、肩・アキレス腱・せせり・つくね・もも肉のタレ漬け込み焼き・オクラ。そして、タレ味の鶏そぼろと炒り卵がご飯を覆っているかなり豪華なお弁当です。食べ方はそれぞれだと思いますが、全体的に混ぜ込むと様々な食感とタレの味わいが全体にまわって、実に美味しい。某有名店のお弁当を更に改良をした感じで、非常によく考えられていると思います。
今夜も実に素晴らしく、美味しかったです。味わいが完成された部位は勿論美味しいですが、今回出していただいた『そりねぎ』などを味わうと、まだまだ焼鳥はより美味しく出来るはずと努力してらっしゃる地葉さんの熱意が伝わってきます。面倒な私のオーダーを自分の力を高めることが出来るからと仰って下さる、有難いことです。
今夜もありがとうございました!次回も宜しくお願いします。12000
いつもお願いして、仕込みを増やしていただいている関内にある焼鳥店「地葉」。分かっていたことですが、一気に人気になって飛ぶ鳥を落とす勢いです。ネットにアップする私が食べている他の人とはちょっと違う部位をいつも見ている方々から、「ずるい!食べさせて!」というリクエストで、またやってきました。
本日の献立~nao.スペシャル~
お通し
糠漬けと口直しのもやし。
ハツ♡♡
地葉さんの名刺がわりの串。プルプルと震えるような仕上がり。美味しい。
もも肉
とろけるような火入れ。噛み締める度に肉汁が溢れます。
うずら
黄身はまるでクリームのような感じ。
厚揚げ♡♡
表面をバリッと焼くことで、中の絹豆腐の滑らかさがより際立つコントラストがあるとろけるような『厚揚げ』です。
レバー♡
一口目、まずは留めてある『はつ』と一緒に食べるのでプリプリ食感。二口目、特大レバーがとろけます。最後は余韻を残すように。
京鴨*♡♡
塊のまま焼いてから、スライスしたものを片面だけ軽く炙ります。炭の香りを纏うエロい火入れの鴨肉は、実にとろけるような感じ。素晴らしい!
手羽先の詰め物*♡
手羽先の骨を抜いて、その中に半熟のうずらを入れた見たことがない焼鳥。地葉さんのセンスが光る一品です。
せせり
滴るような脂があり、口に入れればとろけるよう。
手羽元の辛味噌煮込み*
辛味噌と言っていますが、ほぼ辛くありません。手羽元はするりと骨から身が取れるくらいに柔らかく、大根も味が確りと染みています。
芽キャベツ*
苦味もなく、よい火入れ。
つくね
粗めに挽いた肉に軟骨のコリコリがたまりません。生から焼くからこそ生まれるジューシー感。
脛肉のたたき*
旨味の強いので、味わいも濃くて美味しい。
ちょうちん♡♡
キンカンに独自の火入れをすることで、とても滑らかな舌触りとなっていて、実に美味しい。スペシャリテといっても過言ではない味わい。
背肝♡
食感はフワフワ、舌触りはトロトロ。希少部位ですが、あるならば必ず食べて欲しい部位。
皮
表面はカリッと、中心部はモチモチとしたコントラストが素晴らしい火入れ。
ピーマン♡
「地葉」のスペシャリテの1つ。いつも中にチーズが入っているので、これがデフォルトかと思っていましたが、どうやら違うそうです。チーズが入るかは、あなたの食べっぷり次第。
砂肝♡
砂肝では珍しい?タレ味。ちょっと甘めの味の中で、柚子胡椒のピリリとした辛味が心地よい。
あか
内腿の部位。繊維に対して色々な方向から歯を入れると、異なる食感が楽しめます。
親鶏のぼんじり*♡
身が固い親鶏ですが、ぼんじりはまるで砂肝のようなザクザクとした食感で、脂もさらりとしています。
鶏のxxxx*♡
とある地方の調味料を使って、ささみを和えたもの。この調味料は、実に美味しい。クセになる味わいです。
はらみ
滴るような脂がたまりません。程よい食感も好き。
茄子
絶妙なトロトロ加減。
はつもと♡
繋ぎ目が分かるような丁寧な串打ち。食感もサクサクとしていて美味しい。
胸肉の梅肉和え*
口直しということで、冷菜。これも皮がプルプルで美味しい。
手羽先の先の皮
先程の『皮』よりも分厚くてコッテリとした脂もいい。
抱き身*♡
胸肉のしっとり感と皮のカリッとした焼き目のコントラストが素晴らしい。
肩
程よい歯を跳ね返る食感があり、ジューシーさも十分。薄っらと塗ってある柚子胡椒の風味もいいアクセント。
食道♡
極上のシャクシャクとした食感。内臓特有の甘さも感じます。
アキレス腱
バリバリとした歯応えが心地よい。
そり
肉系の部位としては最高でしょう。確かにコレを捨てる人は、愚か者ですね。
喉仏
シコシコ、サクサク、シャクシャク。食感という面では一番面白い。
椎茸
椎茸は焼くのが一番いい。旨味が素晴らしい。
アタマのカレー
ご飯抜きで、軟骨入りの鶏そぼろを入れたカレールウ。3種ある〆ご飯の中では、このカレーが一番好き。
手羽先の骨抜き
手羽先は新しく骨抜きバージョンになったのかな?
やげん軟骨
軟骨だけでなく、周りの肉も絡めているので食感でなく脂の旨味も味わえます。
焼きおにぎりと鶏スープ♡♡
時間と手間がかかるので、注文は早めに。メニューには載ってませんが、極上の〆だと思います。
約3時間。一緒に行った方々も大絶賛の嵐の中、「お腹はいっぱいだけど、口が欲してる!」と言ってました。隠し包丁・串打ち・焼き・部位による異なる食感と味わいを作り出す地葉さんの細部にまで拘る焼鳥は、まだまだ広がる鶏の可能性を教えてくれます。通えば通うほど、地葉さんの引き出しの多さとセンスの良さを感じるお店です。
今夜も素晴らしい料理をありがとうございました。また来年も宜しくお願いします。9000
2018.11.
家からも近く、予約も取りやすく、その上更に美味しいとなれば、通うのが常でしょう。私にとってそんなお店の1つが関内にある焼鳥店「地葉」です。「里葉亭」「美鶏」を経て、2018年4月に独立された若き焼き師の地葉 将人さんのお店。間違えなく神奈川県を代表する焼鳥店になる一軒です。
今回も私の我儘なリクエストに全力で応えて下さり、地葉さんには感謝しかありません。今回も*は、私だけのコースです。
今夜の献立
黒龍 純吟
最初の一杯は、福井県の黒龍酒造『黒龍 純吟』。
お通し
お新香といつもの箸休めのもやし。
鴨スープ*
焼いた葱は鴨の旨味をぎゅっと吸い、そのスープは見えない鴨に支配されているかのよう。
ハツ ♡
地葉さんの名刺がわりの串。プリプリとした食感にハツの旨味と生姜の爽やかさが駆け抜けていきます。
もも ♡
大ぶりの腿肉。噛みしめる度に溢れる肉汁と旨味。その旨味を逃さないようなタレのコーティングが素晴らしい。
うずら
熱々の白身を噛むと広がるのは、クリームのような黄身。たかがうずら、されどうずら。
レバー ♡
先端をハツで留めている特大のレバーは、クセや臭みなど一切なくトロトロ。
厚揚げ ♡
表面をカリッと焼き上げることで、豆腐の柔らかな食感のコントラストをより際立たせた厚揚げ。食べれば分かる。とろける厚揚げという表現が。
銀杏
ホクホクとした甘味と苦味の銀杏。大人の焼物ですね。
胸皮ポン酢
串で供される首皮よりも脂が強いので、ポン酢仕立てにしたそう。部位の良さを活かす一品料理もここは侮れないのです。
鴨焼き* ♡
スープが出てきたので、あるかな?と思っていた鴨。ロゼ色に輝く身は見るからに美味しそう。そして、食べるとその思いは想像を超えます。とろける身に極上の脂、下に隠れていた葱と共に食べれば、至福です。ちょー美味しい♡
皮
表面をカリカリに中心部はもっちりと。このコントラストこそが命。
特別純米 飛露喜
2杯目はメニュー外から、福島県の廣木酒造本店『特別純米 飛露喜』。
さび
特大のささみ。火入れも素晴らしく、肉の甘みが塩でより引き出され、山葵の香りがいいアクセント。
ちょうちん ♡♡
卵管と卵黄をバラして焼き上げます。特に卵黄を火入れするその独特な焼き方は、炭火で僅かに固まることすらなく、他店を凌駕する味わいです。
喉仏 ♡
シャコシャコとした食感が楽しめ、喉笛と比べてよりやや砂っぽい感じ。食感が面白い部位は大好き。
やげん軟骨
バリバリとした食感にその周りの肉も串打ちしているので、肉々しさも楽しめます。
レバーパテ & 鶏のリエット
レバーパテはクセなどはなくて、ただレバーの濃厚な部分だけを残しています。鶏のリエットも旨味が強烈。
鶏のxxxx* ♡
とある地域の辛味のある調味料で和えた鶏刺し。この調味料は実に好みの味わいで、自宅にも常備するようになりました。鮮烈な辛味と芳醇な香りが鶏を包み込みます。
賄いご飯* ♡
その調味料とそぼろをご飯に混ぜ込んだ賄いご飯。私もこの調味料を炊きたてのご飯に乗せて食べますが、最高に美味しい。今年イチのご飯のお供です。
ピーマン ♡
こんなにもピーマンが美味しいとは感じたことがありません。このお店のスペシャリテのモッツァレラチーズ入りのピーマンです。
背肝 ♡♡
まずその香りでやられます。内臓からこんなにも甘い香りがするものなのでしょうか。舌の上でざらりととろけるその味わいは、実に官能的。
アキレス腱
バリバリとした食感もあり、ゼラチン質もある部位。食感の面白さが楽しめます。
砂肝 ♡
タレに柚子胡椒という素晴らしい組み合わせで供される砂肝は、サクサクで爽やかな辛味が実に美味しい。
銀皮* ♡
砂肝の薄皮の部位だけを集めて串打ちした希少な串。砂肝よりももっと繊細な食感で、後味は濃厚。素晴らしい。
せせり
コロンとしたせせりは持ち上げるだけで滴る脂。それでもさらりとしており、旨味だけが口に残ります。
ペコロス
香るのは、芳醇な甘み。苦味などは微塵もない素晴らしい火入れです。
食道 ♡
濃厚な脂が滴り、シャコシャコとした食感と食べ終えた後の甘みが広がります。
親鶏のぼんじり* ♡
若鶏よりも確りとしたブリンブリンな食感。味は強いけど、固いというイメージのある親鶏ですが、この部位では断然にこちらの方が好み。
手羽先の皮
普通の皮が塩味なのに対して、これはタレ味。分厚い皮質はカリカリに焼かれることで、余分な脂が落ちて旨味が残ります。
腰のあたり* ♡
レモンを絞って供されるホルモンに似た脂のある部位。鶏らしくない全く食べたことのない食感で、鶏の可能性を感じます。
そで*♡
今夜は白髪葱、徐々にクオリティも上がっているそで。白髪葱と柚子胡椒の爽やかが上品なそでを引き立てています。
椎茸
椎茸ジュースが溢れます。何気に椎茸の焼物は大好きです。
特別純米 而今
最後の一杯もメニュー外から、三重県の木屋正酒造『特別純米 而今』。
つくね
生から焼き上げるので、とてもジューシーな仕上がり。卓上にある黒山椒をかけると、香りが華やぎます。
はらみ ♡
甘さのある脂が口に残り、ふっと香って消えます。食べ終えても、滞空時間の長い美味しさが続きます。
はつもと ♡
甘みのあるタレに絡む内臓の甘さがたまりません。レバーとハツを合わせたような食感が心地良く、私の大好きな部位の一つ。
手羽先
焼鳥の中でも花形的な部位で、ここでは塩で焼き上げています。皮目はパリッとして、骨の周辺の肉の旨味は濃くて美味しい。
膝
ゼラチン質も少し付いている膝周りの肉。旨味の濃くて、食べ応えもあります。
そぼろ丼
軟骨も入っている鶏そぼろに、濃厚な卵黄を絡めていただきます。このままでも、確かに美味しい。でもこの中にアレを入れれば…きっと更に美味しいはず。
鶏スープ
濃度が高い鶏スープは、実に美味しい。が、今夜は少ししょっぱいかな。
今夜も鶏で満たされました。特別オーダーでここへ来る時には、朝軽めにして昼を抜いてくるのですが、今夜はさすがに食べきれなかったです。悔しい!
次回は負けないよう頑張りますので、宜しくお願いします。11000
2018.9.
前回の特別オーダーでの「地葉」が非常に良かったので、「私も食べたい」という友達を連れて再訪です。店主の地葉 将人さんに、「またいっぱい仕込んでおいてね」とお願いしていたので、私も負けないように色々と調整してやってきました。
19時、店内は満席状態。SNSや近所のバーでもよい評判を耳にするので、横浜を代表する焼鳥店になるのは間違えありません。今回も*マークは、特別オーダー品です。
今夜の献立(特別オーダー)
お通し
胡瓜と山芋の醤油漬け。あと、いつものもやし。もやしはさすがに量が減ってきました。
ハツ ♡
「地葉」では、このハツが挨拶がわりの串であり、スペシャリテ。素晴らしい火入れで、プリプリ食感とジューシーな脂、生姜の爽やかが映えます。
もも
肉の旨味を閉じ込めるようなタレのコーティング。美味しい!
白玉
クリームのような黄身の仕上がりです。
厚揚げ ♡
とろける厚揚げ。表面をカリカリに焼き上げることで、中の食感のコントラストが生まれています。
トウモロコシ* ♡
甘さが秀逸な白いトウモロコシ。出店しか食べる機会はないと思っていましたが、焼鳥店で出逢うことが多くなっています。
レバー ♡
薄皮一枚で保っているかのような特大レバー。レバー特有のクセなどは一切ありません。
食道 ♡
サクサクとした食感で、肉汁が溢れ出します。
鶏皮ポン酢
箸休めにはちょうどいい爽やかさ。
鳴門金時のそぼろ和え*
冷たいそぼろ餡に絡まる鳴門金時の甘さが凄い。このお店は一品料理の引き出しも多いです。
皮 ♡
表面はカリカリと、中心部はもっちりとした皮。絶対にどのお店でもある部位だからこその違いを感じて欲しいです。
そで*
しっとりした部分もあり、ジューシーな部分もあり、葱との相性も抜群。前回は串のままでしたが、今回はバラして切っていることで、葱と一緒に食べることができます。
ちょうちん ♡
独自の火入れすることで卵黄の表面に出来る僅かな固まりもなく、滑らかに卵黄が弾けます。
はらみ
ジューシーな味わいに、程よい食感。デフォルトの串なれど、最高です。
鶏チャーシュー*
大根おろしと酢橘で、さっぱりとした鶏チャーシュー。皮にはタレの味がしっかりしており、身はしっとり。
銀杏
ホクホクとした仕上がり。
砂肝 ♡
柚子胡椒で食べるタレ味の砂肝。サクサク食感が心地よい。
xxxxxxxx* ♡
辛味のある秘密のモノで和えて供される一品料理。この後引く辛味が非常にお酒を呼びます。きっとご飯にかけても美味しい。
ちょうちん ♡
2回目のちょうちん。1回目とは違い、卵黄は2個になったので、更に濃厚な味わい。
ピーマン
スペシャリテのチーズ入りピーマン。ピーマンの苦味もなくて、嫌いな方でも食べれると思います。
つくね
生で焼き上げるつくねはジューシーで、軟骨のコリコリとした食感が楽しめます。
膝
串ではなく、皿で供される大ぶりな肉系の部位。しっとりと程よい脂もあり、軟骨の部分もあったりします。
賄いご飯* ♡
先程食べた辛味のある秘密のモノが美味しいと言っていたら、賄いで食べているご飯を出してくれました。これが素晴らしい美味しさ。新しいメニューに入れてもいいくらい。
アキレス腱
バリバリとした食感が楽しい部位。なかなかレアだとは思いますが、デフォルト串です。
あか* ♡
内腿の部位。柔らかく、線維に対しての歯の入れ方で食感が変わります。
手羽先の皮
先程の皮と違い、分厚いのでカリカリとした焼き上げ。
背肝* ♡♡
超レアな部位で、私が大好きということを知っていた地葉さんが用意して下さいました。供されると香る内臓の甘さ。なかなか出逢えない部位ですが、内臓好きならば是非食べて欲しい部位です。
椎茸
椎茸の表面に浮かぶ椎茸汁、これが命。
せせり
せせりの食感を残しながらも、とろけるような味わい。
オクラ
皮はちょっと固いので、オクラっぽくはないかな。
茄子
仕上げに鰹節をかけて供されるトロトロの茄子。
手羽先
デフォルトコースでは、この串が最後かと思います。塩味で焼き上げられる手羽先は、豪快に手づかみで食べるのが◎。
鶏スープ ♡
白濁した濃度の高い鶏スープ。非常に好みの味わいです。このスープに浸かりたい(笑)
ハツモト ♡
レバーとハツが好きならば、きっと好きなはず。デフォルト串だと思うので、食べたい時は早めに。
喉笛
まだこのお店でしか食べたことのない部位。シャクシャクっとした食感があり、私は好きです。
そり
腿の付け根の部分なので、1羽で2つしか取れない部位。肉系最強の串だと思います。
手羽元*
手羽先とは違い、タレ味で甘味がある仕上がり。骨の周りの旨味がたまりません。
やげん軟骨
軟骨だけでなく、はらみも一緒に串打ちしているので、濃厚な肉の旨味とコリコリとした軟骨の食感も楽しめます。
鶏飯
ハーフサイズ。鶏スープが好きなので、きっと好きなはずだったのですが。ちょっと目を離した間に、ご飯がスープを吸ってしまい、ちょっと残念。フルサイズでもう一度食べてみよう。
今夜も無事に完食。素晴らしい火入れとアイディアのある料理の数々、さすがです。中でも『厚揚げ』と『ちょうちん』の火入れは、焼鳥を食べ馴染んでいる方も唸る味わいじゃないかと思います。これだけのクオリティーでありながら、当日予約も出来る可能性があるお店は素晴らしい。これからも通いたいお店です。
地葉さん、今夜もありがとうございました。次回も宜しくお願いします。10000
2018.8.
馬車道にある焼鳥店「地葉」に前日予約の17〜19時という時間制限ありで再訪。暖簾をくぐり店内に入ると、地葉さんの「え!」って表情。このお店で、私は要注意人物らしい(笑)
本日の献立
はつ ♡♡
地葉さんの名刺がわり的な串。プリプリ食感と生姜の爽やかさ、そして後味には内臓の甘さが残ります。
せせり
噛み締めると、溢れる肉汁。独特の食感も楽しめます。
うずら
やや半熟な黄身がトロリと。
レバー ♡
薄皮1枚を残しているかのような焼き上げ。クセや臭みなどは、微塵も感じさせません。
厚揚げ ♡♡
表面と中心部のコントラストが秀逸で、とろけるような感じになっています。素晴らしい。
皮
表面はパリッと、中心部はモチモチとしており、地葉さんの火入れの素晴らしさが感じられます。
鶏つくねと豚軟骨の山椒煮込
合間に供される一品料理も侮れません。まだ同じ料理に出逢ったことがないので、懐の深さを感じさせます。
もも肉
皮目をパリッと焼かれて、ジューシーに仕上げた抱き身。
砂肝 ♡
珍しくタレ味の砂肝は、柚子胡椒がとてもいいアクセントになっています。格子状に入れられた切り込みも珍しい。
やげん軟骨
軟骨の周りの肉も一緒に串打ちしているので、食感だけはありません。
ピーマン ♡
「地葉」のスペシャリテの一つ。中に入れられたとろけるモッツァレラチーズがたまりません。ピーマンの苦味もなく、ピーマン嫌いな方も一度は食べてほしい品です。
ちょうちん ♡♡
「きんかん」と「ひも」の部位を別々に焼いてから合体して供される部位。その焼き方はかなり独特で、「きんかん」は湯煎で火入れしています。「きんかん」の表面は滑らかなので、口に入れた瞬間にトロリと流れます。素晴らしい発想の焼き方です。
つくね
生のつくねを焼く直前に串打ちしています。ジューシーで軟骨の食感もよい感じ。卓上にある黒山椒をつけると、香りが華やぎます。
茄子
トロトロに焼き上げた茄子は、鰹節で濃厚な味わいをプラス。
肩
腿肉よりしっとりとしていますが、ジューシー。
あか ♡
希少部位の内腿の部分。とても柔らかく、噛み方で食感も変わります。
アキレス腱
バリバリとした食感を楽しめる部位。
手羽先の皮
先程の皮と違い、これはタレ味。分厚い皮はカリカリに焼かれており、噛み締めるとじゅわりと脂が溢れます。
はつもと ♡♡
炭の香りと共に内臓の甘い香りもする大好きな部位。ほとばしる脂と甘みが素晴らしい。
焼きおにぎり&鶏スープ ♡
忙しい中でも対応した下さった地葉さんに感謝。脂と醤油で焼き固められた焼きおにぎりと濃厚な鶏スープの〆は素晴らしいの一言。デフォルトの〆ご飯といつも悩みます。
店内は終始満席で、同業者の方も来られており、本格的に知名度が高まっています。今、一番応援しているお店なので、実に嬉しい。
今夜も素晴らしい料理の数々を時間いっぱいまで出して下さり、ありがとうございました。地葉さん、また宜しくお願いします。
2018.7.
初訪問から約2ヶ月。事前に言ってくれれば、もっとたくさん仕込んでおきますとの言葉に期待をして、数週間前に予約電話を入れた「地葉」。今年オープンしたばかりの焼鳥店ですが、店主の地葉 将人さんは焼鳥の名店「里葉亭」「美鶏」で研鑽を積んだ若き天才です。
今夜も一番乗り。焼き場では炭が炎を上げて、これからのゲストを待ち構えているよう。あえて、どのくらい用意しているのか?は聞きませんでしたが、どうやら私専用のバットで準備しているらしい…w区別するために*がついているものが、特別に仕込んでいただいた食材です。
今夜の献立(特別オーダー)
新政NO.6
最初の一杯は、秋田県の「新政酒造」の新政の唯一の定番生酒の『NO.6 S-type』です。
お通し
胡瓜の漬物 & 山芋の醤油漬、もやしの和え物
前回いただいた『肉味噌マヨ』を期待していましたが、今回は違いました。山芋好きなので、いいけど。箸休めの『もやしの和え物』の量が増えてるw
ハツ ♡
このお店のスペシャリテ。口の中でちょこんと乗せられた生姜の爽やかさが駆け抜け、プリプリとした食感を楽しんだ後に広がる肉汁と甘味。素晴らしい。
もも ♡
タレは肉の旨味を閉じ込めるコーティング的な感じで、噛みしめる度に溢れる旨味がすごい。
うずら
黄身はやや半熟で、とろりとしています。
レバー ♡
先端をはつで止めている特大のレバー。クセなどは微塵もなくて、舌にまとわりつくようなねっとりとした旨味が広がります。
厚揚げ ♡
この厚揚げ、ヤバい!口の中で豆腐がとろける!
鶏皮ポン酢
串の合間になんらかの一品料理も供されるのが、このお店の特徴の一つ。
食道 ♡
濃厚な脂に、旨味。シャコシャコとした食感も楽しめる大好きな部位。美味しい♡
せせり
せせり独特の食感も残しながらも、とろけるせせり。
雛鳥のぼんじり* ♡
ぼんじりというとこってりとした脂を楽しめる部位。しかし、コレはまるで砂肝のような食感で、あまり脂っぽくない。初めての体験。
ズッキーニ*
旬の食材のトロトロなズッキーニ。一口目はバターで濃厚なアタックを、最後はそのままという変化も楽しめます。
天青
2杯目。神奈川県のお酒を飲もうと思って、神奈川県の「熊澤酒造」の『天青』です。
つくね
軟骨のコリコリとした食感に、ジューシーな肉汁。たまりません。
鶏のなめろう* ♡
半生に仕上げたササミを味噌・葱・大葉・茗荷で和えたもの。コレは、素晴らしいおつまみ。
ちょうちん ♡
タレでコーティングされたちょうちんは、口に入れると旨味爆発!プツンと弾ける濃厚な卵黄が絡まります。ここもかなり変わった焼き方をしています。焼いているうちから、注目してみてね。
皮 ♡
表面はパリッとして、中心部はもっちり。素晴らしい火入れです。
背肝* ♡♡
供されると、炭と共に香る内臓の甘い香り。それは、口の中で本領発揮。舌の上でとろけ、甘味を残して消えていく。最高です。
あか* ♡♡
内腿の部位。人でも内腿は柔らかく、触ったりするの好きな方いるでしょう?鶏も同じ。旨味や甘味を味わえる塩味なので、実に素晴らしい。
はらみ*
噛みしめる度に、濃厚な脂と旨味と甘味が押し寄せます。
ピーマン ♡
このお店のスペシャリテの一つ。中に仕込まれたモッツァレラチーズが溶けて、ピーマン汁と絡みます。火傷必至の美味しさ。
ささみ
すごい大きなささみ。食べ応えもあり、火入れも素晴らしい。
やげん軟骨
軟骨だけでなく、周りの肉も一緒に串打ちしているので、食感だけではないコクのあるやげん軟骨です。
膝 ♡
すごく大きくて、焼鳥の串の領域を超えちゃってるw箸で持つだけで分かるふわふわとした食感。肉の旨味がハンパない!
手羽先の皮
通常の皮よりも分厚くて濃厚。
茄子
いい火入れ。トロトロです。
砂肝 ♡
サクサクとした歯ごたえの中で、確りとしたタレと柚子胡椒の爽やかな辛味が駆け抜けていきます。
隆
最後の一杯は、またまた神奈川県の「川西屋酒造」の『隆』です。神奈川県の地酒は都内ではなかなか飲めませんからねー。
鶏スープ ♡
脂っぽいのが続いているので、リセットってことで。と供されました。生姜がいいアクセント、塩加減も絶妙で濃度も素晴らしい。
アキレス腱
バリバリと食感を楽しめる部位。時折、ゼラチン質があたり、嬉しい。
喉笛
シコシコした食感で、爽やかな甘味もある部位。ここでしか食べたことがありませんが、お気に入り。
ふりそで*
むっちりとした食感としっとりとした食感を同時に楽しめる部位。皮も一緒に挟んでいるので、程よい脂もあって贅沢なネギまです。
腰の辺りの皮* ♡
レモンを絞って供される初めて食べる部位。まるでホルモンのような食感で、持ち上げると、滴る脂。鶏は無限だ!
肩
柚子胡椒の刺激が嬉しい。しっとりしながらもジューシー。
椎茸
表面に溢れる椎茸のジュース。椎茸は美味しい!
鎖骨周りの肉*
胸肉のような食感ですが、もっとジューシー。なかなか出逢うことのない部位。
オクラ
このぬるぬるとした食感が、実は好き。
手羽元*
手羽先とは違う甘味があり、美味しい。仕上げにふりかけていたあるもの。次回は聞いてみよう。
そり
食べ応えのある肉系最強の部位。多分、供されるのは最後の方だと思うので、食べたい方はリクエストを。
ハツモト ♡♡
レバーとはつのいいところ取り的な部位。私の大好きな部位の一つです。
手羽先
ラストは、焼鳥の花形の手羽先。皮目はパリッと炭の香りを纏い、肉はジューシー。塩味なので、肉本来の味も楽しめます。
焼きおにぎり & 鶏スープ ♡
裏メニューかも?醤油と油を塗りながら、焼くこと30分くらい。この鶏スープと一緒に食べれば、至福の〆となります。
約3時間。地葉さんの気合いが感じられる素晴らしい料理と時間でした。ありがとうございます。
さすがに〆のご飯まで食べることができなかったですが、未食の『鶏飯』や『そぼろ丼』は気になるところ。日本酒も裏メニューがあるようで、次回はいただいてみたい。前回よりもお店の雰囲気は街場の焼鳥店とは一線を画しており、洗練されていました。まだまだこのお店は成長途中。これからが実に楽しみな焼鳥店です。
地葉さん、ありがとうございました。とても美味しかったです。また宜しくお願いします。10500。
3月下旬に、横浜にある焼鳥店「美鶏」にいらした地葉 将人さんが独立されると知り、場所も店名も知っていましたが、なかなかネットに上がらずに幻?と思っていた頃、ついに某グルメサイトで見つけたので、早速行ってきました。
前日予約でしたが、1人ということもあり、すんなりと予約できました。「美鶏」よりはずっと駅寄りで、馬車道の入口付近の新しいビルの3階にあります。右下に「地葉」と書かれた真白な暖簾が出されて、ちょっと早めに入れて下さいました。
店内は焼き場を囲うように、20人くらいは座れそうな真新しい白木のカウンターが輝き、個室が2つあるかなり大きなお店で、洗練された空間が広がっています。
焼き物はストップ申告制のお任せスタイルで、だいたい常時20種くらいがあるそうです。予約の際にお願いすれば、鶏の解体もお店でしているので、一羽から少ししか取れない希少部位も用意して対応してくれるそうで、だいたい30種くらいになるみたい。
今夜は食べ尽くしをお願いして、スタートです。
今夜の献立
生野菜 肉味噌マヨ添え
先付として出されたのは、生野菜。さほど好きではありませんが、この肉味噌マヨが美味しい。
もやしの和え物
箸休めとして、大量にくれました。さっぱりとしているので、口の中がリセットされます。これだけでも、お酒が飲めます。
ハツ ♡
おそらくは、このお店のスペシャリテというべき串。生姜がちょこんと乗せられ、口当たりは爽やか。食感はプルプルとして、ジューシー。
もも ♡
タレ味ですが、タレはコーティングのようで肉の味わいがしっかりとします。
うずら
黄身はやや半熟で、表面はプリッと。
厚揚げ ♡
表面はバリッとしており、中は激熱。火傷必須ですが、実に美味しい。
やげん軟骨
黒胡椒がかけられており、スパイシーな仕上がり。軟骨だけでなく、その周りの肉もあるのでジューシー。
茄子
素晴らしい火入れ。表面には焦げもなく、トロトロ。
食道 ♡
タレに黒胡椒を振り、パンチのある味わいに。心地よい食感と滴るような脂がたまりません。
手羽先の皮
普通の皮よりも厚くて、その分濃厚な味わい。
軟骨の梅肉和え
焼き物の合間に出される小さな小鉢。パリパリとした食感が楽しめ、梅肉がとても爽やか。
レバー ♡
先端をはつで止めている極大のレバー。火入れも素晴らしく、薄皮一枚でとどめているかのようなトロトロ加減。
ハツモト ♡
塩なので、内臓の甘さが映えます。レバーとハツのいいとこ取りの美味しさ。
チーズそぼろサンド
箸休め的な一品。パンはパリっとしていますが、チーズそぼろは強調しておらず、次の串を邪魔することはありません。
せせり
適度な食感もあり、滴るような脂の中でとろける味わい。
椎茸
少々、塩が強いかな。
アキレス腱
食感を楽しむ部位。バリバリとした心地よい食感。
つくね
中に軟骨を練りこんだ粗めに挽かれた生つくねを焼いています。肉々しく、美味しい。
砂肝 ♡
久しぶりにタレ味の砂肝を食べました。甘さのあるタレに柚子胡椒の爽やかな刺激が心地よい。
ちょうちん ♡
塩味のちょうちんは初めて。肉質はプリプリとして、濃厚な卵黄が絡まるも後味はサラリとしています。
皮 ♡
コロンとしていて、表面はパリッとして中心部はジューシーでプリプリとしています。
ペコロス
甘みを最大限に引き出されたペコロス。火入れは神懸ってます。
ピーマン ♡
中にはモッツァレラチーズを入れており、甘みのあるピーマンから伸びるチーズが楽しく、美味しい。
膝軟骨
アキレス腱と比べて、柔らかい部分と固い部分が混在しており、食感のコントラストが面白い。
喉笛
初めて食べる部分。サクサクと音を立て、程よい脂もあり、噛み続けることで甘さが広がります。
手羽先
塩味で、焼鳥の花形的なボリュームがあります。皮の表面のパリパリ感とジューシーな肉の旨味が楽しめます。
肩
手羽元の部分。甘みのあるタレに柚子胡椒の刺激は、クセになりそう。
ソリ ♡
表面はパリッとして、肉はとろけるよう。素晴らしい。
チキンカレー
3種ある〆の1つで、サラリとしたカレーに軟骨も入っている鶏そぼろを入れたもの。食べていると、ちょうちんの卵黄を絞って加えてくれます。さほど辛くないので、卓上にある黒山椒を入れると香りと刺激があり、私は好き。
鶏スープ
〆としては、塩分強め。でも輪郭はハッキリとしていて、私は好き。
無事に、全種制覇。どの串も素晴らしい火入れを施されていて、実に美味しい。また鶏をお店で解体していることもあり、鶏の全てを味わい尽くせるような串の種類の多さも素晴らしい。まだ予約はしやすいですが、今年中には神奈川県を代表するお店になると思います。
地葉さん、ご馳走さまでした。次回も宜しくお願いします。8500。
9位
13回
2025/03訪問 2025/04/08
2025.3.
知らない幸福、知る不幸
麗らかな春の日。
四ツ谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」に再訪。店主・北島 素幸さんは日本におけるフランス料理の先駆者のお一人でありつつも、今も尚、現役で厨房に立ってらっしゃるレジェンド。今回も私の人生に確りと刻んでいきます。
マッシュルームスープ & セロリ・パルメザンチーズ・アーモンドのパイ
スープはむせかえるようなマッシュルームの濃厚な味わいの中で、ガツンとくる旨味が嘘のように軽やかな後味。サクサクと小気味良いパイは、香ばしいアーモンドの味わいにパルメザンチーズのコクがプラスされており、美味しい。
新玉葱のタルトフランベ
火を入れることで新玉葱の軽やかな甘味が広がり、クミンのスパイシーな香りが華やぎます。
川俣シャモのパテ・アン・クルート♡
福島県産の「川俣シャモ」・豚ロース肉・フォワグラ・トリュフを使ったパテ・アン・クルート。「北島亭」らしく、どっしりとしたボリュームがあります。旨味は濃厚濃密でありつつも、上からかけられたコンソメゼリーが口の中でジュワッと溶け、更に美味しさが加速します。そして、添えてある酸がビシッと効いたピクルスを食べることで、口の中をリフレッシュできます。
仏産 ホワイトアスパラガスの蛤添え ヴィネガーのバターソース 香葉の香り♡
パクチーの香りの中、大粒の茨城県産の蛤と極太のホワイトアスパラガスが鎮座する春の温菜。塩茹でしただけというホワイトアスパラガスは繊維のザクッとした食感の後にホクホクとしたジューシーさがあり、粒マスタードとヴィネガーソースの軽やかな酸味がよりその甘味を際立たせています。そして、目を引く大きさの蛤は絶妙な火入れで柔らかく、口の中で磯の香りが華やぎます。
鹿児島県産 真鯛のポワレ 春キャベツ添え ジュのソース♡♡
歓喜の悲鳴をあげるような厚みのある真鯛。ソースは春キャベツに魚の出汁と海老の出汁を加えて、バターで整えたジュのもの。カリッと焼かれた真鯛の皮目の食感が素晴らしく、フワッとした身の柔らかさがとても印象的。特に添えていただいた腹の部位が格別な美味しさ。ソースも魚と海老の出汁の骨格が確りとしており、それを全て吸い込んだような春キャベツが単体でも主役クラスに美味しい。
北海道産 黒毛和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース♡
メインは北島シェフ推しの仔羊と迷いつつも、和牛に。昔ほどではありませんが、ドン!としたボリュームがありつつも、スルスルと食べられてしまうのが「北島亭」の魔法。カトラリーを入れる度に肉塊からはジュワッと肉汁が溢れ、それは咀嚼毎に旨味の洪水と化して口の中に溢れます。肉本来の旨味を底上げするような非常に軽いエシャロットバターソースが美味しい。
餡子のアイスクリーム 桜風味♡
「あんこ?」と皆が聞き返す新作?アイス。食べてみると、確かに「餡子だあ」と感じる味わい。ふわりとした桜の風味も春らしい。
デザート① クレーム・ブリュレ♡
パリッと焼かれた表面の下にはバニラ香るカスタードクリーム、私の鉄板デザート。器まで舐めたい美味しさ。
デザート② イチゴのタルト バニラアイス添え♡
香ばしいタルト生地にキチンと整列したイチゴたち。イチゴの甘酸っぱさがよりタルトの甘味を引き出しおり、デザートも手抜きなしに美味しい。
ミニャルディーズ
しっとりとした半生っぽい食感。多くの方は持ち帰りますが、この空間でいただくのがより美味しい。
豪快、且つ、繊細。
昨今の「北島亭」を食べ終えて感じることです。昔ような食べきれないほどの豪快さは感じられませんが、味付けの繊細さは食べる度にどんどん研ぎ澄まされるよう。斉須シェフの「コートドール」の閉店が記憶に新しい中で、「いつかはここも…」と嫌な想像が頭を過りますが、「まだまだウチは続けるみたいです」という言葉で救われます。
いつかは…と思っているうちは、きっと行かないでしょう。まさに行きたいと思った瞬間が行くべき時と感じた、麗らかな春の日。
2024.1.
知らない幸福、知る不幸/北島亭
「北島亭」を知らないことは、ある意味幸せなのかもしれない。知ってしまえば、その味の虜になってしまうのだから。
下仁田葱のキッシュ♡
ザクザクのパイにトロトロなアパレイユの食感の中で、下仁田葱の香りと甘味が映えます。
牡丹海老のビスク♡
スープに近づくと、香草の香りが鼻を擽り、牡丹海老の香りと旨味が凝縮したスープが実に美味しい。
黒毛和牛のタルタルステーキ♡
口の中で存在感を示す牛肉が体温でゆっくりと溶けていき、旨味が溢れてきます。タルタルステーキにケッパーが入っているので、全くしつこいことはないですが、添えてあるサラダの酸味と苦味で口の中をリフレッシュできるのもポイント。最後の最後まで実に美味しい。
北海道産 真鱈の白子ソテー トマトソース♡
とろりとした真鱈の白子のクリーミーさを軽やかなトマトの酸味とケッパーの確りとした酸味が受け止めており、より白子の甘味が際立ちます。ただ甘いだけはなく、トマトの旨味が加わることで、白子の旨味に奥行きが生まれているかのよう。
ブルガリア産 フォワグラのポワレ シェリービネガーのクリームソース♡
まったりとしたフォワグラの甘味と下に敷かれたトウモロコシのガレットの濃厚な甘味の異なる2種の甘味がシェリービネガーの酸味でより楽しむことができます。ここでも添えてあるサラダの酸味と苦味がいい仕事をしており、光る脇役。
新潟県産 真鴨まるごと1羽のロースト サルミソース♡♡
胸肉とササミ、ハツ・砂肝・レバーの内臓はサルミソースでいただき、手羽や腿肉はカリッと焼いたグリルで。
サルミソースは軽くかけられているくらいで、真鴨の美味しさをどストレートに味わうひと皿。薄い脂の下には深紅の身があり、それがビロードのような滑らかさで実に美味しい。丸々1羽というボリュームですが、するすると口に入っていきます。添えられたりんごの甘味と酸味もよりこの真鴨の美味しさを高めており、このメインを選んで一片の後悔のない味わい。
クレーム・ブリュレ♡
デザートメニューから悩んだ末にいつものやつを。
横には『黒トリュフアイスクリーム』を添えて。このアイスの黒トリュフの香りが凄くて、コレだけでもメインを張れる美味しさ。定番の『クレーム・ブリュレ』は私好みの甘さで好き。
ミニャルディーズ
サブレ・チョコレートクッキー・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココ・あんぽ柿。
四谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」に再訪。店主・北島 素幸さんはフランス料理界の先駆者であり、今も尚、最前線で駆け続けるレジェンドシェフのお一人。数年前よりもメニュー数は随分と減りましたが、供される料理にはひと皿ひと皿に研ぎ澄まされたような美味しさを感じられます。
「質実剛健」そんな言葉が「北島亭」のイメージかもしれませんが、今は「胆大心小」という言葉がピッタリだと思います。大胆でありつつ、繊細な料理はこれからもきっと多くの人の心を掴んでいくでしょう。
今回も素晴らしい時間をありがとうございました。
2023.7.
知らない幸福、知る不幸/北島亭
胡瓜とミントの冷製スープ
シャリシャリとした胡瓜の食感の中、ミントの香りが仄かにして、実に爽やか。
新玉葱のタルトフランベ
千切りされた新玉葱の甘味とクミンのスパイシーな風味が口の中に広がります。
北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのムース♡
生ウニは北海道根室産、上には秋田県産のじゅんさいと穂紫蘇が彩ります。
久しぶりに味わうスペシャリテは確りとしたコンソメのコクの中、ウニの旨味とカリフラワーの濃厚さが混ざり合うことで一体化して完全なる旨味へと昇華します。さすがは不動のスペシャリテ。素晴らしい美味しさと存在感があります。
ハンガリー産 フォワグラのポワレ シェリーヴィネガーのクリームソース♡
ドーン!とトウモロコシのガレットの上に鎮座するフォワグラの圧倒的なボリューム感が素晴らしく、まさにちょうど火が通ったという絶妙さが凄い。フォワグラの旨味と甘味、そしてそれを上回るトウモロコシの甘味が折り重なり、シェリーヴィネガーの酸味がより甘味のハーモニーを口の中で強調させます。
青森県産 あいなめのポワレ クリームソース仕立て♡
皮目にはセロリとクミンを乗せて焼き上げ、添えてあるのばビーツとインゲン。ソースは魚の出汁とクリームとドライトマト。
ふわりとした身に対して、パリッとした皮がとても印象的で、セロリとクミンの風味がより食欲を掻き立てます。ソースを絡めていただくと、旨味の累乗が感じられて美味しい。
オーストラリア産 仔羊背肉の香草パン粉焼き 仔羊の煮込み添え♡♡
カットされた仔羊の背肉の何とも艶やかで惚れそうです。撫でるように切って、口に入れると、羊らしさもありつつも肉汁がドッパーンッと溢れ出します。凄いとしか言いようのない美味しさ。
そして、別皿の『仔羊の煮込み』もまた絶品。確りと煮込まれた仔羊はプルプルと震えるような柔らかさで、トロトロな夏野菜と共に食べれば至福の味わい。
クレーム・ブリュレ♡
迷いましたが、定番のデセールを。ひと匙掬うだけで、たっぷりと入れられたヴァニラビーンズの甘い香りが立ち上ります。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズは、サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココ、どれも手抜きなく作られていて、美味しい。
久しぶりにやってきた四谷の老舗フレンチ「北島亭」。言わずと知れたオーナーシェフの北島 素幸さんが1990年にこの場所にオープンしてから30年以上、この地で移転も改装もせずに今も尚、多くの人の心と胃袋を掴んでいるフレンチレストランです。大石さんが独立されてメニューは減ったものの、その味わいは不変たる王道フレンチであり、圧倒的なボリュームであり、料理の1つ1つがまるで日本刀のような鋭さと美しさがあり、何よりも美味しい。食べ終えた客は皆、笑顔になるのは必然ですが、見送って下さる北島シェフの満面の笑みはまたここに来たいという思いに繋がります。
2022.1.
力強くも繊細に
真冬は非常に好きな食材が多くなって、お店選びも悩んでしまいます。今回はガッツリとフレンチを食べたくなってやってきたのは、四ツ谷にある「北島亭」。日本のフランス料理界のレジェンドの1人である北島 素幸さんのお店です。最近、皿を埋め尽くすほどのボリューム感はそのままに、より素材の旨味を活かす味わいで、更に美味しくなったと密かに話題になっていたので非常に楽しみ。今回もランチ利用で、基本的に3品にしようと思いましたが…
Le menu du jour
下仁田葱のキッシュ♡
サクサクなパイの中で、トロトロのアパレイユとジューシーな下仁田葱の甘味と香りが広がります。
ホワイトマッシュルームのクリームスープ♡
口を近づけると香るマッシュルーム、ファーストアタックはガツンとくるマッシュルームの味わいで、その後にクリームの優しさが広がります。
天草産 ホロホロ鳥のパテアンクルート♡
外側のパイ生地はサクサク、ギュッと旨味が濃縮したホロホロ鳥の味わいの中で、パテ生地には黒トリュフとフォワグラも入っているので、ひと口毎に変わる味わいが魅力的。
北海道産 まだらの白子のパイ包み焼き トリュフ入り♡
「北島亭」の白子と言えば、『白子のムニエルトマトソース』が定番と思っていましたが、見たことのないメニューだったので注文。
供された料理は、なんとパイ包みのスープ仕立て。バター香るパイをサクサクと突き崩すと、ふわりと黒トリュフとスープのいい香りが漂います。フュメドポワソンのクリームスープの中にあるのは、白子・鴨のつくね・百合根・黒トリュフ・三つ葉。鴨のつくねは旨味がたっぷりで、ゴロゴロと入っている白子はとてもクリーミーで、実に美味しい。新しい魅力的な料理です。
ヒゲダラのポワレ 柚子香るブールブランソース♡
供されると柚子の香りが華やぐ皿には、ベーコンと共に焼き上げたヒゲダラを白菜の煮汁を使ったブールブランソースでいただきます。
カトラリーを跳ね返すようなヒゲダラは口の中でもプリプリとした食感で、仄かな塩味と甘味のある白菜、そして苦味のある菜の花でより際立つヒゲダラの旨味が映えます。ブールブランソースですが、全く重くなくて素材本来の味わいを楽しめるような仕立てで、「北島亭」のイメージがガラリと変わるひと皿。
丸ごと一羽 伊達鶏のドゥミドゥイユ風♡
冬の名物料理と知りながらも、初となる伊達鶏を丸ごと一羽味わう『ドゥミドゥイユ』。「半喪服」という意味を持つこの料理は、真っ白に仕上げた素材に黒のトリュフを合わせることから名付けられたそうで、黒トリュフシーズンには食べたい冬のご馳走の1つです。
供された皿の上には、スライスされた黒トリュフと多くの野菜の中に隠れているかのような胸肉があります。口にすると、皮のプルプルとした食感の中で胸肉は超絶にしっっっとり!そして、何よりも驚いたのがソース。超絶濃厚なクリームソースを想像していたのですが、鶏の旨味を全面に出したブイヨンのような感じ。鶏本来の旨味も活かしており、鶏が美味しすぎます!
柚子のグラニテ
口直しのグラニテは、爽やかな柚子。一気にリフレッシュできます。
洋なしの赤ワインのコンポート シナモンアイス添え
真っ赤に染まった洋なしの大人の甘さとシナモン香るアイスが個別に食べても、一緒に食べても美味しい。
ミニャルディーズ
サブレ・ドフィノワ・クロカンオザマンド・ノワドココと定番のミニャルディーズ。店内は勿論、食べきれなかったら持ち帰って自宅でも余韻に浸れます。
久しぶりの「北島亭」。以前に比べると、メニュー数は減りましたが、それでも「どうしよ?アレもコレも食べたい!」と思える悩ましい料理ばかりで選ぶ楽しみがあります。そして想像しえるドッシリとした重厚なフレンチではなく、素材の旨味を研ぎ澄ますような味わいで、実に軽やかで美味しい。クラシック=古めかしいと思われがちですが、歴史に名を残すようなクラシックフレンチの料理はやはり美味しい。それを現代に合うように体現される北島シェフの料理は心打つ美味しさがあり、元気をくれる感じがします。今回もご馳走様でした!
2021.8.
SNSのTLに流れる料理の写真。「そういえば、最近は行けてないな」と思い、ダメ元で予約電話をしてみると空いていたので、早速やってきたのは四ツ谷にある老舗フレンチレストラン「北島亭」です。さほど頻繁にフレンチは食べないので、たまに食べる時は「これぞフレンチ!」という料理が食べたくなり、今も尚この業界を牽引してらっしゃる北島 素幸シェフが作り出す力強く骨太な味わいを求めてしまいます。
今回のメニュー
赤座海老のビスク
まずはアミューズのスープ。舌の上で濃厚な赤座海老の旨味が広がり、後味はクリーミーで驚くほどに軽いです。
仔羊と豚肉のピザ
仔羊と豚肉のミンチを茄子と合わせて、ピザ仕立てにしたもの。トロトロな挽肉が旨味たっぷりで実に美味しく、トマトが爽やかに味を締めています。
アワビと松茸のサラダ仕立て~クミン風味~♡
この時期に食べてみたいと思っていたひと皿。クミンの香りを纏うアワビは柔らかく、対して松茸はギッチリと詰まってモキュモキュと心地よい音を立ててくれます。トレビスを食べると苦味で口の中をリセットでき、無限に食べれてしまうほどに美味しい。食べられて良かったです。
蛤・車海老・帆立・アサリのナージュ仕立て♡
極旨スープの中で泳ぐような蛤と車海老が特に印象的。大きな蛤はとてもぷっくりとして柔らかく、絶妙な火入れが素晴らしい。全体的に甘めの食材をトマトの酸味でグッと締めていて、最後の一滴まで美味しい。
茨城県産あいなめのポワレ 大きなラタトゥイユ添え♡
あいなめの皮目はカリッと心地よい歯応えがあり、身は極上のフワフワ感で咀嚼の度に旨味が溢れます。たっぷりと盛られたラタトゥイユも美味しく、トマトの酸味の中で食べ進める度に旨味の輪郭がハッキリとしてきます。味変でアイオリアソースも添えられており、大ボリュームでもペロリと食べれてしまいます。
A5松坂牛 ランプ肉のステーキ ロッシーニ風♡
今回の肉料理は、久しぶりにロッシーニにしました。A5ランクとはいえ、適度な脂があるランプ肉なので、濃厚なフォワグラと合わせてもさほどクドくなりません。綺麗にロゼ色に焼き上げられたランプ肉はシルキーな口当たりながらも確りと咀嚼できる肉質で、口の中はその肉の旨味で溢れかえります。更に黒トリュフの香り、フォワグラの濃密さが加わることで食べる度に至福の時間が流れ、実に素晴らしい!最近はなかなかロッシーニという仕立ては見ることが少なくなってきましたが、食材×食材が織りなすクラシックで重厚な味わいは実にフレンチらしい。古めかしいかもしれませんが、私は大好きです。
メロン
口直しはスイカではなく、メロンでした。コレも香りが立って、甘くて美味しい。
桃のコンポート 紅茶のジュレ バニラアイス添え
丸ごと1個の桃を想像していましたが、さすがに違いましたwデセールも確りと甘くて美味しい。
ミニャルディーズ
サブレ・ドフィノワ・クロカンザマンド・ノアドココ。いつもながらに最後まで楽しめる「北島亭」らしさが詰まったミニャルディーズだと思います。
久しぶりの「北島亭」を食べ終えて感じることは、「フランス料理をお腹いっぱい食べてもらいたい」という北島シェフの思いは、この大変な時期でも一切変わらないということ。このボリュームだからこその味わいの料理は心掴む美味しさが宿っており、食材が身体に溶け込んで活力になることを実感できます。
元気をくれる
そんな料理たちがこの「北島亭」にはあります。
2020.3.
最近、何故かフレンチが食べたい。これと言って食べたい料理があるわけでもないのですが、フレンチが食べたくなります。その中で気になるお店が一軒あり、2週間前くらいに電話してみると空いているそうなので、やってきました。そのお店は四谷にある「北島亭」。
去年の6月でスーシェフの大石さんが卒業されて約1年の時間が経ち、どうなったのかな?と気になっていたお店です。ホールには今までキッチンにいらした杉村さんと新しく若い女性がいて、キッチンには新しい方がいらっしゃるようです。特に料理のリクエストなどをしていないので、いつものアラカルトメニューから決めます。で、今回は…
今回の献立
牛タンのサラダ仕立て
アミューズは牛タンと根セロリを粒マスタードで和えてサラダ仕立てにしたもの。根セロリの苦味がいいアクセントになっています。
赤座海老のビスク
スープ。舌と喉でも感じられるくらいに素晴らしく濃厚。
根セロリ・フォワグラ・トリュフのマルブレ仕立て♡
名残りの黒トリュフ・根セロリ・フォワグラをコンソメで固めたテリーヌのマルブレ。マルブレ自体は濃厚ですが、添えてある黒トリュフソースとサラダメランジェにかなりの酸味を与えていて、意外にもするりと食べることができます。
ホワイトアスパラガスと生ハムのサラダ
ホワイトアスパラガスを中心に生ハム・甘海老・かき菜を添えた温サラダ。ホワイトアスパラガスの甘味をかき菜の苦味で際立たせたり、甘海老の濃厚な甘味で上乗せしたりして、1皿で色々な味わいを楽しめます。
ヴォロヴァン♡
何故かオンメニューしていた『ヴォロヴァン』。おそらくは今期最後と思われる料理ですが、量が…しかしながら、あの美味しさを今一度!結構悩んだ末に、やはり注文。
赤座海老・帆立・リードヴォー・椎茸・モリーユ茸・マッシュルームが濃厚なクリームソースの中に溺れるように入っており、サクサクのパイがこのクリームソースをたっぷりと吸い込んで、実に美味しい。私がいただいた時に比べてパイの高さはないものの、本当はバターライスが一緒に供されるらしい。間違いなく美味しいですが、コレで終わってしまうのでやめました。
伊賀牛 骨付きリブロースステーキ 赤ワインソース♡
本当はロッシーニを食べようかと思っていたのですがメニューになく、奥から生のリブロースを見せに持ってきてくれたので、「まあ、食べられなかったら持ち帰ろう」という考えで注文です。
「フレンチじゃないみたいですよね」と供されたリブロースステーキは、圧巻のボリュームで笑いすら出てしまう。ナイフで切っても肉汁の一滴も出ずにフワフワとした食感あり、さすがという火入れ。赤ワインベースのソースをかけても、肉の甘味や旨味を確り味わえる仕立てで、後悔のない美味しさ。
西瓜
定番の口直し。
ミックスベリークリームチーズタルト
デセールは数種類あった中から、オススメと書かれたミックスベリークリームチーズタルトを。
ミックスベリーとあったので、もっとてんこ盛りなのかと思いましたが…意外と普通でした。ラズベリーとブルーベリーがタルトに上に乗せられ、フランボワーズのソルベが添えてあります。
プティフール
トドメのプティフール。
最近の「北島亭」は薄味になったと耳にしていましたが、確かにそうかも。酸味や塩気を使って、メインの食材の旨味をより際立たせてような感じでしょうか。メニューの数は2/3くらいになっていますが、それでも「迷う」というアラカルトの醍醐味は堪能できるので素晴らしい。
まさか食べられると思ってなかった『ヴォロヴァン』と無理を承知で注文した『リブロースステーキ』。普通だったら、止められるような注文を受けて下さってありがとうございました。真っ向勝負でガツンとくる料理は私好みで、やはり「北島亭」は好きです。また季節を変えて、伺わせていただきます。
ご馳走さまでした。41760
2019.6.
初夏で卒業される大石 義一シェフに逢う為、四谷の老舗フレンチ「北島亭」へ。勿論、骨太なクラシックフレンチが好みということもありますが、突き詰めるとその料理を作って下さる料理人が好きで通うというお店が増えてきます。このお店もそのうちの一軒です。
最近はどのお店もコース料理が殆どなので、さほど悩むことはないのですが、「北島亭」ではかなり悩みます。数あるメニューの中から自分だけのコースを作るというちょっと嬉しい悩みの時間は、レストランの楽しみの1つだと思います。
実食
アミューズ
熱々のグジェール。チーズのパイです。山積みされたら、バクバクと食べてしまいそうな後引く味わい。
赤肉メロンのスープ
濃密なメロンの甘さが素晴らしく、ふわりとミントとアニスの香りが鼻から抜けます。
北海道産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え♡
久しぶりにいただく「北島亭」のスペシャリテ。涼やかなコンソメゼリーのコク、濃厚な海胆の甘さ、カリフラワー、クリームの甘みの三重奏が口の中で広がります。相変わらず、てんこ盛りの海胆の量に驚く逸品です。
千葉県産 あわびのムニエル 肝バターソース♡♡
「北島亭」で、夏の定番化している鮑を丸ごと1個使った料理。鮑の上には海苔が盛られて香り高く、表面はカリッとしながら中心部はモチモチとした食感のコントラストも楽しい。ソースには肝とバターの他にニンニクも使っているそうで、かなりパンチがあって実に美味しい。鮑が好きな方には、絶対オススメの食べるべき料理です。
ブイヤベース 北島亭風♡
ブイヤベースとは、何なのか?この「北島亭」でいただくといつも思います。世界三大スープ料理と言われていますが、「北島亭」では海鮮が山盛りのサフラン香る魚料理です。具は車海老・太刀魚・甘鯛・子持ち槍烏賊・帆立・蛤・浅蜊とかなり豪華で、それぞれの食材は旨味をスープに抜き取られた抜け殻ではなく、確りと旨味が残っている味わい。添えられている旨味が凝縮したようなスープも勿論、絶品。別皿で供される豆板醤が隠し味のアイオリソースを付ければ、味変も出来て濃厚な旨味に昇天の美味しさ。
三重県 三重牛 A5ランクランプ肉のステーキ フォワグラ添え トリュフソース♡
毎回、豚肉か鶏肉を食べようと思ってはいるものの、大抵は食べちゃうこのロッシーニ。比較的にあっさりとしたランプ肉なので、フォワグラの濃厚さがクドくなくて、よく合います。「北島亭」らしくガツンとくる確りとしたボリュームと味わいで、美味しい。
口直し
今回は、マンゴーにしました。
マンゴープリン
デセール①。「どんだけ、マンゴー好きなの?」と言われそうですが、メニューにあるとは思ってなくて…。「北島亭」のデザートも確りとしたボリュームと甘さがあって、好きです。この『マンゴープリン』の味わいも、かなり濃厚。
パイナップルとクリームチーズのタルト
デセール②。季節の果実として勧められたので、注文。アイスはココナッツのアイスです。
プティフール
トドメの『プティフール』。でも今回は意外と楽勝。
夏の「北島亭」、堪能させていただきました。このお店で食べさせていただけることは、私の人生の宝の1つであることは間違いなく、このお店を通して知り合った方も大切な方ばかりです。お店を卒業される大石さんや藤田さんの今後の活躍も楽しみであると同時に、この「北島亭」がどんな風になって行くのかも実に楽しみでなりません。
大石さん、藤田さん。多くの時間、美味しい料理を食べさせていただき、ありがとうございました。新天地でのご活躍を楽しみにしています!22774
2019.1.
四季を通して提供している料理は、どれも選んでも間違えなく美味しいお店、四谷にあるフレンチの名店「北島亭」へ再訪。今回はどうしても食べたい料理があったので事前にリクエストをして、今までのこのお店での戦歴を踏まえた上で受けていただきました。ハッキリ言って、無謀としか言いようがないw
本日の献立
アミューズ
白魚のフリット。山盛りで食べたいくらいに、軽やか。
スープ
赤座海老のビスク。濃厚で、海老の旨味がぎゅっと凝縮している極旨スープ。
千葉県房州 特大サザエのつぼ焼き ♡
パンで隠したサザエの中には、サザエ・帆立・海老をガーリックバターで焼き上げたものが詰められています。その1つ1つのボリュームも素晴らしく、このガーリックソースが実に魚介によくあって食欲も掻き立てます。またサザエの1番奥にはパンの耳が詰めてあり、これがソースを全て味わうことが出来る名脇役。実に美味しい!
北海道産 真鱈の白子のムニエル トマトソース添え ♡
濃厚な白子のクリーミーな甘味に、トマトソースの爽やかな酸味が絶妙にマッチします。白子は表面をカリッと焼き上げられ、中身は真白で無垢な感じ。トマトソースもその白子の旨味を邪魔するとことなく、軽やかな酸味のアクセントを与えているのみ。
魚介のヴォロヴァン ♡♡
「風で舞う」という意味の『ヴォロヴァン』はその名前の通り、風で舞うような軽いパイのことです。中には海老・帆立・白身のクネルをホワイトクリームソースで仕上げたものが入っています。気温が高いと、このパイが確りと膨らまないので寒い今の時期しか提供しておらず、この料理の存在を知ってから冬には絶対に食べようと決めていた念願の料理です。
パイの側面を崩すと、中から魚介と共にホワイトクリームソースが溢れ出す様はまさしく圧巻。豪華な具材に目がいきますが、特筆すべきはパイ生地です。確りとバターも感じるパイで、今まで味わった中でも最高のサクサク感。濃厚なホワイトクリームソースの中でもこのサクサク感は楽しめ、ソースに負けない力強い味わいです。寒い中で、一生懸命にパイを折って下さった大石シェフに感謝。最高に美味しい!
新潟産 真鴨のロースト ♡♡
「脂がたっぷりの鴨が好きならば、中旬までにおいで」と言われたので、期待していた真鴨。本当に凄かった!脂身は分厚くて、モチモチとして弾力もあり、ルビー色に火入れされた身はシルキーな舌触り。しっとりと舌に吸い付くような感じもあり、素晴らしい味わいです。
一皿目はシンプルな鴨ジュで、二皿目は王道の血を使ったサルミソースで仕上げていただきました。サルミソースも濃厚でありながら、鴨肉自体の味を消し去るような感じでなくて、味わいを累乗させるようなソースです。抜群に美味しい鴨でした。
口直し
いつもの西瓜。最近はシャーベットでいただいています。
苺のタルト ♡
栗とレーズンのタルトが焼き上がったそうなのですが、私はコレが食べたかった!さすがにお腹がいっぱいなので、小さめで。
プティフール
いつものトドメ。殆どの方がお持ち帰りです。
念願の料理は想像を超えるボリュームとそれ以上の美味しさがありました。でもこの『魚介のヴォロヴァン』は、ここ数年作ることがなかったらしい。確かにメニューには載っておらず、知る人ぞ知る冬のスペシャリテな料理みたいなので、これを機に食べてみたいという方が増えればいいなぁ。「コレもいつか食べて欲しい」と大石シェフが勧めて下さった料理は、次の課題料理かな。食べてみたい料理やまた食べたい料理が多すぎて、本当に困る「北島亭」。
今年もまたお世話になります。ご馳走さまでした。34456
2018.11.
最近は予約の際に「〜が食べたい」と言っているのですが、今回は特に思いつかなかったので、ふらりとランチでおひとりさまの四谷「北島亭」。フレンチで通っているお店の1つで、北島 素幸シェフと大石 義一シェフが作り出す「骨太なフレンチ」は、完全にどストライクな料理ばかりで、どれを選んでもハズレなどありません。私的には「行けば、美味しいものがある」という感覚です。
いつもの4品フルポーションのコースで、好きな料理を選ぶプリフィックススタイルは実に楽しいし、そして迷う。で、今回はこんな感じにしてみました。
今回の献立
メヒカリのフリット
アミューズ。メヒカリはフワフワとして、軽い食感で実に美味しい。どのお店でも出されると、とても嬉しいお魚。
赤座海老のビスク
赤座海老の旨味をギュッと濃縮したスープ。料理の始まりとしては、いつも心躍るスープです。
海の幸の宝石箱 ♡♡
まさに宝石箱。鮑の殻に海苔のムースを敷き、鮑・帆立・海老・海胆をてんこ盛りにして、上からコンソメジュレをかけた冷製。なんて罪深き料理なんでしょう。シンプルながらも、素晴らしく美味しい!
仏・ボルドー産セップのソテー ♡
夏に訪れた時に見かけたメニューですが、それはたまたまだったらしく、今年はとても入荷が少なかったらしい。今回もメニュー上では品切れだったのですが、出していただきました。
供されると、その香りがヤバイ!キノコらしい食感もあり、とろけるような食感もあり、パンチのあるニンニクの味わいがとても力強い。
長崎・五島列島産ひげだらのムニエル 春菊のピューレと秋の味覚の添え
ひげだらはムチムチプリプリとして、実に美味しい。ほのかに爽やかな苦味のある春菊のピューレをつけることで、味が引き締まります。肉料理に定評があり有名ではありますが、魚料理も勿論レベルが高いです。実に美味しい。
三重産 三重牛A5ランクランプ肉のステーキ フォワグラトリュフソース ロッシーニ風 ♡♡
前々から「北島亭」で食べてみたかった!今回メニューを見た時から、メインディッシュはコレと決めていました。
想像通りのボリューム、想像通りいや想像を超える美味しさがあり、実に素晴らしい!ナイフを入れると、肉が蘇るようなロゼ色が艶めき、肉・フォワグラ・トリュフが奏でる三重奏は思い出しただけでも喉がなります。見て、食べて、思い出しても素晴らしい料理。
西瓜のソルベ
「北島亭」定番の西瓜。最近はこんな形で出していただいています。
美〜ナスのエクレア
某グルメ雑誌の特集で、大石シェフが徳島県阿波市を訪れた際に出逢った食材の「美〜ナス」という翡翠ナスを使ったデザート。「美〜ナス」はコンポートしてありますが、「ナスなの?」と驚くようなトロトロ感。デセール以外でも食べてみたい食材です。
洋梨のタルト
添えてあるのは、フランスのブランデーの1つであるアルマニャックのアイス。キャラメルのような甘さがあり、美味しい。
アルマニャックのクレームブリュレ
クレームブリュレ好きとしては、「北島亭」のも侮れない美味しさ。
プティフール
今回はメインディッシュにとんでもない量のガルニが付いて来なかったので、比較的に余裕と思って、「何個でもいいよ」という言葉に甘えて、デセールを楽しんだのですが、コレを忘れていた!「コレもどうぞ」と「茹で栗」も!…(笑)
今回のメニューを見て、メインディッシュは即決だったのですが、オードブルに初物の「セイコガニ」や「ズワイガニ」「白子」もあったりと食べたいものが多すぎて、迷いに迷いました。どれを選んでも間違いのない美味しさなのでしょうが、私の選択に間違いはなかったです。素晴らしい料理の数々をありがとうございました。
次回は来年早々。食べたい料理があるので、リクエストをして伺いたいと思います。また宜しくお願いします。ご馳走さまでした。18644
2018.7.
夏になったら、絶対に食べようと思って料理をリクエストしてやってきたのは、四ツ谷にある老舗フレンチの「北島亭」。グランメゾンのような至れり尽くせりのサービスを期待する方には向かないのかも?だけど、このお店にあるのは約束された最高の料理。今回も1人ランチで、4皿フルポーションのコースでお願いしました。
実食
磯つぶ貝のドレッシング和え
この料理を味わうと、「北島亭」にやってきたという気分になります。プルっとした食感がたまらない。本当は山盛りで欲しいくらい…。
胡瓜の冷製スープ
口にすると、一陣の風のようなミントの爽やかな香りと胡瓜の味わいが駆け抜けていきます。夏らしいスープですね。
和歌山県産 あゆのコンフィ きゅうりのソース ♡
表面はカリッと、中心部はふわりとした鮎は独特の苦味も生きていて美味しい。添えられた岩海苔と胡瓜のソースが、非常に爽やかで香り高い。直球で美味しいと思えるフレンチです。
房州産 あわびのムニエル 肝バターソース ♡♡♡
予約時に「丸ごと食べたい!」と伝えておいたので、まずは『鮑』を選ぶという贅沢なひと時が。3つある中で、真ん中の大きさの鮑を選びました。
供されたお皿を見ると、さすがに圧巻のボリューム!火を通しても、このボリュームとこの厚さは凄い!鮑の中心部はナイフを跳ね返すようなむっちりとした食感で、たっぷりとニンニク香る濃厚な肝バターソースをつけて食べれば、昇天しそうな美味しさです。しかも、ほぼ原価という価格は他店ではまずあり得ません。近年、私の中で夏には絶対食べたい料理となっています。
ブイヤベース 北島亭風 ♡
夏のスペシャリテという魚介類の内容は、鯛・太刀魚・ホウボウ・ムール貝・帆立・車海老。上に盛られたトマトやパセリなどでかなり爽やかなてんこ盛りの魚料理となっています。別のカップには魚介類の旨味を凝縮したスープがあり、これが素晴らしく美味しい。魚介類は別々に火入れしているのでしょうか。旨味が抜き取られ、パサパサとした抜け殻のようなものは一切なく、それぞれが確りと生きています。
別皿でアイオリソースとクルトンが供され、魚介類につけて味の変化をつけるもよし。クルトンにつけて、スープと共に食べるもよし。どう食べても間違いのない美味しさです。
おまけで『ホウボウの尻尾のフリット』を貰いました。これも美味しい。
大葉のグラニテ
口直し。爽やか、爽やか。
三重県産 三重牛A5ランク イチボのロースト ♡♡
実は鮑と同様に食べたいと思っていた『牛肉』。「イチボの他にも、赤身のランプ肉もあるよ」と大石シェフから言われたのですが、サシアリアリの『イチボ』にしました。
料理が供される。肉の断面はうっとりとしそうな見るからに、素晴らしい火入れ。噛みしめる度に牛肉の旨味と甘さが広がっていき、肉汁が口の中でほとばしります。一種の美味しさの暴力です。実に素晴らしい!
ですが。これで終わらないのがこの「北島亭」。ガルニで出されたのが、『ウイキョウのグラタン』『ジャガイモのペースト』『ブラックライス』。色々な意味で、悶絶です(笑)
フルーツ
西瓜が定番ですが、マンゴーもあるよとの言葉で、マンゴーに。
デザート
去年から食べたいと思っていた『桃のコンポート』。期待通りに、桃丸ごと一個のボリュームです。下にも桃のシャーベットが敷かれていて、まさに桃尽くし。
ミニャルディーズ
本当にトドメのミニャルディーズ。早めに食べてねと言われたバターサンドが美味しかった〜。
決して抗う事のできない美味しさの激流は食べ手を飲み込み、そして幸福へと誘う。そんなことがこの「北島亭」のフレンチに感じられます。圧倒的な美味とボリューム、そして夢かと思うほどのCP。感動の要素が全て詰まっている素晴らしいお店です。
今冬に食べたい料理を既にリクエスト。でも、まずは秋の食材が私を待っています。
今回もご馳走さまでした。また宜しくお願いします♡24426
2018.1.
まだ雪の名残り、爪痕を残す四谷。1カ月前から予約していた東京フレンチの名店「北島亭」に再訪。さほどフレンチを食べ慣れていないので、モダンフレンチよりも王道のクラシックフレンチの方が好みの為、堅苦しくない雰囲気のこの「北島亭」はお気に入りのお店の1つです。
今回もランチ利用で、10000円の4品フルポーションコースを選択です。予約の際に「ベカスがあったら、食べたいな」とお願いしていたら、取り置きしてくれていたようで、今シーズン2羽目のベカスとなりました。『大山鶏のドゥミドゥイユ』も食べたかったのですが、さすがに止めらました(笑)
.
実食
メヒカリのフリット
アミューズは、あの『つぶ貝』じゃなかった。フワフワのメヒカリはまずそのままで、2口目はレモンを絞っていただきます。添えてあるパセリもちゃんと揚げてあって、美味しい。
マッシュルームのクリームスープ
1口目はマッシュルームの強烈な味わい、そしてクリームの円やかさが続きます。なかなか攻撃的なスープで、美味しい。
仏 ペリゴール産 黒トリュフとフォワグラのテリーヌ 根セロリのマルブレ
名前の通り、マルブレ=大理石のごとく美しいテリーヌ。濃厚であり、ビロードのように滑らかな口当たりで、口の中に入れると瞬時に溶けます。これだけでもパン2、3個は軽くイケちゃいます。
北海道産 真鱈の白子のムニエル トマトソース添え
「北島亭」の冬のスペシャリテ。濃厚で甘みのある白子の表面をカリッと仕上げ、中はトロトロのクリーミー。酸味のあるトマトソースに玉葱の甘みが加わり、この白子にとても良く合います。しかし「北島亭」にしては、普通の量ですね。
北海道産 帆立貝柱のポワレ にんにくバターソース
ボリュームがある料理を出す「北島亭」なので、帆立貝柱もどのくらいの量が出てくるのかと思いましたが、意外と普通?。表面をカリッと焼かれ、濃厚なにんにくバターソースが絶妙に美味しい。帆立も美味しかったですが、添えられているアスパラや椎茸のガルニが印象的に美味しかったです。
スコットランド産 ベガスのロースト サルミソース
ジビエの中でもコレはアラカルトメニュー(+11000円)扱いで、事前に予約が必要らしい。1人なので、丸々一羽をいただきます。ベカスはそんなに大きな鳥ではないので食べられそうですが、食べようと思っていた『ドゥミドゥイユ』は大山鶏を丸々1羽焼くそうなので、「鶏1羽を1人で食べられるのか?」という疑問も湧きます。残したら、お土産に出来るそうですが。
で、ベカス。これぞ「北島亭」という圧巻のボリューム。そして、王道のサルミソースは脳天を揺らすような極濃厚で、あの内臓の風味も活きており、ジビエらしい野生的な味わい。ベカス自体も肉厚で食べ応えもあり、ベカスの醍醐味である内臓はバケットに盛られており、これが素晴らしく美味しかったです。ガルニは、林檎のソテー・栗のピューレ・万願寺とうがらしと口直しにはちょうどいい味わいたち。
口直し
今回は西瓜のシャーベット。上には角切りの西瓜、中には種に見立てたチョコチップ入り。
カルヴァドスのクレーム・ブリュレ りんごのコンポート乗せ
狙っていた『イチゴのタルト』がまだ出来ていないらしく、『みきゃんのプリン』と悩みましたが、コレに。「北島亭」のデセールもクオリティが高くて、なかなか侮れません。ここまで是非辿り着いてほしいです。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズ。これぞ「北島亭」!
メイン前までは余裕と思っていましたが、やはりメインはボリュームがありました。他の席では『黒トリュフとフォワグラのパイ包み焼き』を食べておられる方も多く、来年は狙ってみようかと思っています。
来年の黒トリュフの時期までに何回か再訪すると思うので、その際には牛肉や豚肉の料理を食べてみたいです。できたら『ロッシーニ』などがいいかなーっと。
帰り際に外まで見送って下さった北島シェフ、ありがとうございました。また宜しくお願い致します。
2017.7.
夏が旬の貝である『鮑』が食べたくて、鮨店に行こうと考えていた時、「いや、待て。あのお店の方ががっつりと食べられる」と思いついて予約したのは、四谷にある「北島亭」です。
まあ、先月も行ったので2カ月連続の訪問となります。大石シェフも私のことを覚えていらして、本日の食材の紹介と共にご挨拶。今回も『4品好きなものフルコース』でオーダーです。
実食
つぶ貝のドレッシング和え
定番のアミューズ。元々、貝が好きなので嬉しいアミューズ。
海老のビスク
ちゃんと海老の味がするビスク。じんわりと美味しい。
イタリア ヴェネト産 うさぎのパテ・アンクルート
大石シェフのオススメ。しっかりとした肉質の部分やねっとりとしたパテの部分が渾然一体となり、美味しい。時間かけて食べることで、パテの温度が上がり、より一体化されます。存在は肉々しいけど、味わいはさらりとしています。
千葉房州産 鮑のムニエル 肝ソース
これが、再訪させた料理です。今回は400グラムくらいのものだそう。変わらずに、美味しい。濃厚な肝ソースに表面はカリッと、中心部はムッチリとした鮑は病みつきになります。
大分豊後水道産 マナガツオのポワレ ういきょうとあさり添え
こちらも大石シェフのオススメ。マナガツオにもしっかりとしたスパイシーな味付けがしてあり、単体でも美味しい。あさりの出汁とういきょうの香りが華やぐ一品。
カナダ ケバック産 鴨胸肉のロースト 青こしょうマスタードディアヴル風
フレンチでこんな量の鴨は、初めて食べました。写真が下手で見えないですが、この奥にも鴨があって、丸々1本なんです。鴨も焼かれているのが分からないんじゃないかな?と思うほどに綺麗なロゼ色で、どこかエロチック。ソースは鴨のフォンにグリーンペッパー、肉と共に食べれば鴨が蘇るようなみずみずしさがあります。ガル二は別皿で、椎茸を食べた瞬間にそれ以上の大きさの茄子が(笑)
マンゴープリン
デザートは、季節のマンゴープリン。このマンゴープリンのはパッションフルーツの酸味が加えられていて、甘味とのバランスが絶妙に美味しい。
他のお客さんが食べていた『桃のコンポート』が丸ごと1個だったのを見て、さすが「北島亭」と思ったのと同時に、あっちにすれば良かったと思ったのは、ナイショです。
ミニャルディーズ
トドメのミニャルディーズの量も変わらずに(笑)
これだけの量を食べて、2万を切る素晴らしいCPは他店ではなかなかありませんね。雰囲気や接客もいい意味でざっくばらんだし、予約も取りやすい。秋から冬にかけてのジビエシーズンが非常に楽しみなお店です。
2017.6.
さほど食べ歩いていませんが、フレンチに興味を持ってから、行きたいと思っていた四谷にある老舗フレンチ「北島亭」へやっと訪問です。日本においてのフレンチの先駆者の1人である北島 素幸さんが1990年に開き、近年の少量多皿のオシャレなフレンチとは一線を画す骨太フレンチを提供しており、味は勿論ですがその量からも話題になるお店です。
メニューは主にプリフィクススタイルなので、1番皿数の多い『5皿好きなものフルコース』にしようかと思ったのですが、友人の「4皿にした方がいい」というアドバイスを受け、今回は『4皿好きなものフルコース』でオーダーです。ワインは、料理に合わせてのデギュスタシオンスタイルです。
実食
ツブ貝のマリネ
このアミューズは、定番なのかな?よく目にしていたので嬉しい。
メロンのスープ
メロン果汁たっぷりのホントにメロン。後味でミントがフワリと香り、爽やかなスープです。
北海道産 生うにのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え
やはりスペシャリティは食べておかないってことで、オーダー。見た目もとてもボリューミーで、他店では見ないほどにたっぷりと生うにが中央に盛られています。口に入れるとスッと溶けるコンソメゼリーは生うにを殺さないような味わいで、一緒に食べて口の中で完成する感じ。
仏ボルドー産 ホワイトアスパラ オレンジ風味 鳥貝 木の芽酢マリネ
極太のホワイトアスパラガスが、なんと2本。1本が女性の指3本分くらいはあろうかという太さ。なるほど、これが「北島亭」かと思った料理。
柔らかい先端部分はアスパラそのものを味わえる味付けで、根元の部分は木の芽酢の味付けで食べられる一つで二度美味しい料理。アスパラはこの時期でもかなり良質だそうで、みずみずしくジューシー。今年は食べ逃していたので、思わぬ収穫。ワインは、アルザスの『ピノ ブラン 2015/ピエール フリック』。
千葉産 鮑のムニエル 肝ソース
私のリクエストの鮑料理。火を入れてこの大きさなので、元は相当な大きさだったと想像できます。それを1人半分(笑)厚みもあり、むっちりとした食感で柔らかい。肝ソースはかなりのインパクトがある味わいで、ニンニクを使っているのかな?さすがは「北島亭」、魚料理も期待を裏切らない。ワインは、フランスブルゴーニュの『ブルゴーニュ ブラン レラヴリー 2011/ピエール ダモワ』。
三重産 A5 リブロースステーキ
大石シェフが取り置きしておいてくれたリブロース。調理前と後を持ってきて下さり、その芯の部分をシェア。ガルニさえも別皿で供され、これだけでも相当な量ですが、名物と化している「おまけね」とその周りの部分も持ってきてくれました(笑)友人は「食べ切れることを前提に出してないよね?」と言うと、「従業員にそれを聞きますか?」と苦笑い。
見た目は生だけど、生じゃない絶妙な火入れで、脂の甘さも感じるシンプルな味付けの中、フワフワとした食感が楽しい。さすがはA5ランクの肉といったところでしょうか。人によっては重いと思うかもしれませんが、私は意外とすんなり(笑)ワインは、アメリカの『ソノマ ジンファンデル オールドヴァイン 2013/レーヴェンスウッド』
イチゴのタルト
選べるデザートは数種類あり、その中から『イチゴのタルト』を。これもこれでもか、盛られたベリー系の果実がたまらない。そして、激甘っ(笑)お店であったら、ビジュアルから絶対に注文するようなタルトです。
ミニャルディーズ
トドメか?トドメなのか?と思わせるほどの量。たいていの方はお持ち帰りなんだそうです。
フランス料理というと「オシャレ」「敷居が高い」などというイメージが湧いてくるかもしれませんが、このお店に関してはいい意味でそういうのがありません。高級な調度品に囲まれ、手を挙げればすぐに対応してくれる洗練されたサービスのお店も素敵ですが、美味しいものを120%お腹いっぱい食べられるフレンチとしては、味的にもCP的にもこのお店は最良。
唯一、不幸なことがあるとすれば、これからフレンチでよほど美味しい料理に出逢わないと、「これだったら、北島亭に行けば良かったなぁ」と、きっと思うことかな。
食べたい料理もまだまだあるので、また伺います。ご馳走様でした。
10位
19回
2024/05訪問 2024/05/18
2024.5.
五感で味わう祈りのようなフレンチ/La Clairière
白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairière」。オーナーシェフ・柴田 秀之さんが掲げてらっしゃる「三つ星を獲りに行く」を実現すべく、今のお店を一旦閉店して、来年3月に表参道での再オープン前ギリギリの訪問です。
食材紹介
仔牛、ホワイトアスパラガス、グリーンアスパラガス、アスパラソバージュ、荒間鶏、淡竹、日向夏、明日葉、稚鮎、モリーユ茸、モミ・クロモジ・スギの新芽、バークシャー種(豚)の自家製ベーコン、桜鱒、黒鮑、春キャベツ、蚕豆、スナップエンドウ、インゲン、朝日米、パッションペッパー。
アミューズ♡
ブーダンノワールのクレープとアスパラソバージュとチコリのキッシュ。
ひと口サイズのフィンガーディッシュで、どちらもこのサイズなのが惜しいくらいの美味しさ。特にアスパラソバージュとチコリのキッシュは上に桜海老とチーズが盛られており、仄かな温度の中で桜海老の香ばしさとチーズのコクが素晴らしい。
稚鮎のヴァリエーション♡♡
3種の新芽とオカヒジキの上で泳ぐような稚鮎がとても美しい。周りにクレソンのクーリーと泡状の南高梅があります。パートフィロを巻かれた稚鮎は食感がカリッと格段に跳ね上がり、クレソンの仄かな苦味に南高梅の酸味、そして稚鮎の旨味が口の中で一体になります。稚鮎という日本の食材をフレンチとして昇華させており、見た目の美しさや味わいの完成度が凄い。
黒鮑と淡竹 肝ソースで♡
黒鮑と淡竹を交互に盛り付け、下には黒鮑の肝で作ったリゾットを敷いて、上には木の芽。
爽やかな木の芽の香りと共に山と海の幸が出逢うひと皿で、むっちりとした黒鮑とサクッとした淡竹の旨味が濃厚な肝ソースの中でも確りと感じられます。下に敷かれた朝日米のリゾットもプチプチと弾けるような食感があり、皿まで舐めたくなる美味しさ。心遣いありがとうございます。
グリーンアスパラガスと桜鱒のミキュイ♡♡
長谷川さんが育ってる北海道「ジェットファーム」産のグリーンアスパラガスを使ったひと皿。柔らかな穂先の部位は焼き上げ、根元の部位は削いてから半生に仕立て、ミキュイした桜鱒とワタ付き日向夏とキャビアと共にサラダ仕立てに。
穂先の部位は強い甘いと青い香りが素晴らしくて、とても印象的。そして驚くべきなのは、サラダ仕立ての味わい。桜鱒の甘味、日向夏の酸味、キャビアの塩味、グリーンアスパラガスの旨味が口の中で巻き起こる美味しさのトルネード。
石鯛♡♡
春キャベツと明日葉の上に石鯛、周りには蚕豆・スナップエンドウ・インゲン、ソースは魚の出汁に白ワインを入れたヴァンブランソース。
スパイシーな下味をつけてある石鯛が旨味と酸味のあるソースの中で、まるで生きているかのよう。初めはソースの味わいで満たされますが、ブリンブリンとした石鯛の身から旨味が最後にドッパーンと溢れます。端にあるのは腹身の部位を細かく砕いた柿の種でフリットにしたもの。コレもまた美味しい。
仔牛♡♡
旨味を逃さずに閉じ込められた仔牛は、パンパンに張っています。添えてあるのはオランデーズソースをかけたホワイトアスパラガス、裏漉しした帆立を入れたモリーユ茸、ジャガイモのピューレ。
かなりのボリュームですが、驚くほどに軽くてスルスルと食べることができます。仔牛はフォンドボーをベースにキノコと生クリームを加えた旨味たっぷりソースで、脂のある部位は更に焼き上げて旨味を引き出しています。あまり味の奥行きがない食材である仔牛を激甘なホワイトアスパラガスや旨味のあるモリーユ茸と合わせることで、皿としての一体感を感じられます。
デセール♡
構成は…カカオ、チョコレートケーキ、フレッシュアメリカンチェリー、グリオッドチェリー、ヘーゼルナッツチップ、スタウトアイス、シャンティ。
ヘーゼルナッツチップのパリパリ感の中で、ジュワッとするアメリカンチェリーのジューシーさが映え、下に敷かれたカカオでブーストしたスタウトアイスのカカオとロースト感が口いっぱいに広がります。今回もパティシエール・野田 美稀さんのヘンタイさが光ります。
ミニャルディーズ
ピーチパイン ノイリーと白バルサミコ酢のジュレ、カヌレ、ギモーブ、ココナッツフィナンシェ。
今回いただいた多くの皿は、海や川の食材に大地の食材という異なるものを掛け合わせて、更にそこへ香りや酸味を乗せることで、料理の奥行きの深さを出しているのがとても印象的でした。モダンフレンチらしく見た目が美しく、クラシックフレンチのように確りとしたボリュームがあり、濃厚でありつつも研ぎ澄まされた塩味、そして何よりもハズレなく美味しい。白金高輪に降り注いだ木漏れ日は、表参道という新しい土地にどんな光を与えてくれるのか、今から楽しみです。
貴重な席をありがとうございました!新店舗も楽しみにしております!
2024.1.
五感で味わう祈りのようなフレンチ/La Clairière
前回の「青首鴨」に引き続き、食材リクエストをさせていただいて再訪したのは、白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairière」。オーナーシェフの柴田 秀之さんの料理に対する熱量は半端なく、皿を通して感じられる食材への敬意や感謝がとても伝わり、何よりも美味しい。今回の食材リクエストは、ジビエの王様である「べキャス」。去年もいただいて感動した料理で、また今年もご縁いただいたことに感謝です。
食材紹介
スコットランド産 べキャス、老鶏 荒間鶏、山形県産 芹、イタリア産 プンタレラ、福岡県産 流川蓮根、北海道長万部産 北寄貝、長崎県産 小長井牡蠣、山口県萩産 天然虎河豚の白子、ペリゴール産 トリュフ、栃木県産 おかトマト、グラニースミスと紅玉、イタリア産 タルティーボ。
アミューズ♡
パテドカンパーニュ & ブーダンノワール
前回もいただいたアミューズ。やはり中でも『ブーダンノワール』は私の琴線に触れる美味しさ。
虎河豚の白子 松葉蟹 芹♡
厨房から漂う蟹の香り…。供されると、松葉蟹のコンソメの香りに包まれます。ひと口で感じる蟹の圧倒的な味わいの濃さ、その中で焼いた虎河豚の白子の甘味と黒トリュフの香り、そして芹の仄かな苦味がよりこの料理の味わいを引き締めています。
小長井牡蠣 北寄貝 タルティーボ・フェンネル♡♡
バターで温めるように火入れされた真牡蠣・帆立・北寄貝・ムール貝を荒間鶏の出汁・貝の出汁・キャビアの白ワインソースで。上にはディルと蜜柑で香りを付けたタルティーボとフェンネルのサラダ。
ひと口で一気に引き込まれるような味わい。様々な貝の食感の中にシャキシャキとしたタルティーボとフェンネルのサラダが食感のコントラストを与えています。香りもディルと蜜柑の爽やかさが映え、食感と味わいには何層にも感じられる深みがあって、食べる度に美味しい!が駆け抜けます。
べキャスのビスク♡♡
中には流川蓮根と舞茸を浮かべてあり、濃厚・濃密なべキャスのビスクの中でも咀嚼すると、蓮根の甘味や舞茸の香りが感じられます。それにしても、このビスクが実に美味しい。去年もいただいて衝撃的でしたが、今年はそれを超える美味しさ。柴田シェフが厳選されたべキャスは内臓や身の状態がとても良いのでしょう。この出逢いに感謝です。
べキャスの内臓♡♡
べキャスの醍醐味である内臓。それをふわりとしたホイップ状のような感じでしてあり、それをパンに乗せたもの。
どこか魚のような感じもしつつ、濃厚な味わいはクセもなくて美味しい。余韻もとても長く、食べ終えても口の中ではまだべキャスの香りと旨味が留まっており、何度でも美味しいを楽しめます。
べキャスのロースト♡♡
べキャスの出汁とアルマニャックのソースがたっぷりとかけられており、艶めく色っぽさ。どこかアンチョビのような感じするのが特徴的なジビエですが…それが全くと感じさせず、ただただ濃厚であり重厚な味わいですが、重たいとは感じさせない軽やかさもあります。べキャスは脂肪も少なくて、肉も薄いはずなのにとても柔らかくてジューシー。特にササミの部位は口に入れた瞬間に溶けるほどの美味しさで、柴田シェフの火入れの妙が感じられます。ジビエは個体差がある食材であるのに、この味わいは素晴らしいとしか言いようがありません。
金柑♡
構成は…金柑コンポート、フレッシュチーズアムース、日本酒ジュレ、フレッシュ金柑、カラマンシーパウダーアイス。
金柑の爽やかな酸味や甘味がフレッシュチーズムースのベールに包まれているようなデザート。芯を感じられるコクの中で、口の中は爽やかになります。
タルトタタン♡♡
紅玉とグラニースミスのタルトタタンは表面にきび糖をまぶしてキャラメリゼ。添えてあるのは、富士山麓の桂と桜の落ち葉のアイスとバニラシャンティクリーム。
サクサクのタルト生地にはフランボワーズを忍ばせており、更なる酸味がより2種の林檎の甘味を引き出しています。そして、驚いたのはミルクで桂と桜の落ち葉を煮出したという落ち葉のアイス。「このシェフに、このパティシエールあり」、そんなことを感じさせる野田美希さんのヘンタイぶりが素晴らしい。
ミニャルディーズ♡
左から苺とマール、カヌレ、ベルガモットタルト、ナッツのフィナンシェ。
最後もフルサイズで食べたいほどの完成度。
少量多皿なフレンチもいいかもしれませんが、ひと皿ひと皿のポーションもボリューミーで、その全てが感動できる味わいの方がいいと思いませんか?まさにそれが柴田シェフの料理であり、「La Clairière」の魅力の1つだと思います。旨味×旨味の重厚感のありつつも、後味は軽やかであり、口の中で余韻長く続く。そんな味わいの料理が今回も多く、ただただ美味しいが全身を駆け巡る感覚で素晴らしかったです。
2023.12.
五感で味わう祈りのようなフレンチ/La Clairière
食材紹介
青柳さんが捕らえた新潟県燕三条産 青首鴨、兵庫県津居山産 松葉蟹、伊ピエモンテ産 白トリュフ、富士山麓の野草。
アミューズ♡
パテドカンパーニュ & ブーダンノワール。
どちらもクラシックな料理ですが、見た目と味わいがここまで研ぎ澄まされているのは凄い。特にブーダンノワールは濃厚な味わいの後、それを追いかけるように広がる洋梨の甘味とピスタチオのコク。長く余韻に浸れるひと品。
青首鴨のグリル♡♡
シンプルに塩だけで味付けた胸肉・手羽元・ささみ。逞しい胸肉と手羽元は咀嚼する毎に溢れ出す旨味は力強く、濃厚。それでいて、ささみはとろけるような味わい。どストレートに美味しい♡
青首鴨のコンソメ♡
新潟に視察に行った際に感じた焼畑の香りを届けたいという思いで、藁で薫香をつけたコンソメ。
グッとくる力強い味わいに、口の中でふわっと広がる香りが鴨の暮らす風景を感じさせます。
白トリュフ 皮剥♡
黒米・皮剥・皮剥の肝・白トリュフからなるひと品。
まずはグラスが供されると、白トリュフの蠱惑的な香りが鼻を擽ります。口にすると、プチプチとした黒米の食感とモチモチとした皮剥の食感のコントラストが楽しめ、肝の濃厚さと白トリュフの香りが口いっぱいに広がります。
蓮根♡
蓮根・舞茸・フォワグラのポワレ・自家製猪のベーコン・揚げ牛蒡、ソースは菊芋と牛蒡のピュレ・黒トリュフソース・エストラゴンビネガー
土の食材という構成で、口の中でザクザクとした蓮根の甘味やジューシーな猪ベーコンのコクなどで自然の力強さを感じられるひと品。それは味わいだけでなく、香りも同様に感じられます。エストラゴンビネガーの酸味で全体的に締めて、甘味の輪郭を成しています。
松葉蟹♡♡
富士山麓で獲れた野草と共に蒸し上げた松葉蟹を解し、蟹味噌・蟹と海老の出汁にミルクを入れて泡立てたソース・蜜柑香るプンタレッラとタルディーボの温かいサラダを盛ったもの。
まずはこの蟹自体がとても美味しい。そこに野草の香りをつけて、ソースで更に蟹の旨味を加えており、口の中での蟹の存在感が凄まじい。単調になりやすい味わいの中で、プンタレッラとタルディーボのサラダの酸味が良いアクセントになっており、蜜柑の爽やかも心地よい。
青首鴨の三重奏①♡♡
まずは胸肉。「鴨南蛮」をイメージされているというひと皿は蕎麦の実と葱が添えてあり、ソースも鴨と葱を使っているそう。余分な脂肪が全くないスパルタンな鴨肉は、カトラリーを入れるだけで旨味が溢れ出します。咀嚼すれば、旨味は力強くて濃厚。ふわりとする蕎麦と葱の香りはどことなく「和」を感じさせ、柴田シェフにしか出せない味わい。
青首鴨の三重奏②♡♡
次の青首鴨はグッとフレンチに寄って、伝統的なサルミソースで。
一般的にバターなどを使って粘度をつけるところ、柴田シェフはソースを湯煎で撹拌しながら粘度をつけてらっしゃるそうで、味わいは濃厚でありつつもとても軽やか。同じ胸肉ですが、極薄切りにすることでとてもシルキーになり、ソースの旨味を存分に味わえます。
青首鴨の三重奏③♡♡
最後は残りの部位である手羽先・腿肉・ささみ・ぼんじり・ハツ・レバーを赤ワインソースで。
やはり感じるのは、この青首鴨の美味しさ。遥か彼方から飛来してきたマッスルな身には余分な脂肪分がない分、その身に流れる血の旨味が素晴らしい。
もみの木のアイスクリーム♡♡
もみの木の香りを移したアイスクリームに林檎のコンポート・フレッシュ林檎、仕上げにもみの木の香りをつけたオリーブオイルをかけて。
「もみの木?」と聞き返してしまうほどに斬新であり、美味しい。口にすると、爽やかなオリーブオイルの奥から確かにもみの木の香りがします。林檎もコンポートの方は大きく、フレッシュのものは細かく賽の目に切られているので、食感の違いも楽しめて、パティシエール・野田 美希さんのセンスを感じます。
ル レクチェ♡
構成は…ル レクチェのパルフェ・フレッシュル レクチェ・キャラメルゼリー・バニラのエスプーマ・ル レクチェの皮のパウダーアイス・柚子と穂紫蘇の
ルレクチェの香りと味わいが存分に楽しめ、相性の良いキャラメルのコクと爽やかな柚子と穂紫蘇の香りが心地よく駆け抜けていきます。
ミニャルディーズ
左からヘーゼルナッツのフィナンシェ、ゆら早生(みかん)と金柑のジンジャーエールジュレ、カヌレ、フロランタン。
約1年ぶりにやってきたのは、白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairière」。今回のお目当てはこの時期にしか食べられないオーナーシェフ・柴田 秀之さんが惚れ込んだ新潟県燕三条産の青首鴨。今季初めて新潟県燕三条の鴨網師・青柳 敏夫さんにお会いしたそうで、そこで得られた畑の香りや力強さなどのインスピレーションを取り入れているコース料理は過去最高に美味しい。この鴨を食べる度に思うのは、「これは血を味わう食材」ということ。甘味のある脂を楽しむ鴨も好きですが、ジビエの季節はこのような味わいが食べたくなります。
久しぶりに柴田シェフの料理を食べさせていただきましたが、ひと皿の料理に込める熱量が凄まじい。皿を通して「美味しい」の先にある食材への情景と感謝を感じられる料理たちは、コース名の「EMOTIONAL STORY」の名前の通り、心震える物語を体験できるものでした。
次回も楽しみにしております。
2023.1.
ひと昔前はジビエにどハマりしていて、シーズンの始まりを告げる雷鳥から鶉・鴨・鳩・熊・鹿などなどを食べてきましたが、最終的に私の中で鴨が一番かな?と思っていました。ジビエの中でも「ジビエの王様」と称される高級食材があります。
べキャス
身よりも内臓や脳味噌が珍重されるジビエで、私も何度か食べる機会がありましたが、内臓から作られるソースはまるでアンチョビのような風味が独特すぎてあまり好きではなく、高額な金額を出してまで食べることはないと思っていた食材です。
とある朝、インスタを眺めていると「べキャス入荷」の投稿があって、何となくDMを送ったのが白金高輪にある「La Clairirere」です。オーナーシェフの柴田 秀之さんの料理は美味しいのは勿論ですが、ひと皿に込められている熱量が凄まじいので、「べキャスはどんな風になるのだろう?」という興味があったのです。
Menu Bécasse
エクレア♡
中にはブータンノアールが入っており、仕上げに例のカンボジア産の非加熱ハチミツをかけて。
口の中でサクリという音を立てて、ハチミツの濃密な甘味とクリームに入れられたカルヴァスの風味が広がり、ゆっくりとブータンノワールの旨味が溢れてきます。
カリフラワーの三重奏♡
下から福島県須賀川産の蕪のムース、藻塩のジュレ、カリフラワーのヴルーテの三層からなるスペシャリテ。まさに旨味の塊で、カリフラワーの甘味も確りとしており、グラスの奥側にある塩を最後に混ぜ合わせることで味わいの輪郭もハッキリとします。
海のサラダ♡
真牡蠣・帆立・筍・ちぢみほうれん草・菜花をソース・シャスールで。
全体的に甘味のある食材の中で、ソースに入れられた粒マスタードの酸味がとてもよく合います。そして、具材にあるトマト・ちぢみほうれん草・菜花が更なる酸味や苦味を与えているので、海鮮の旨味が映えます。
べキャスのビスク♡♡
半身のべキャスを使ったビスク。底にはフォワグラがあり、上にはベーコンの旨味を乗せたミルクの泡とメダル状の黒トリュフ。
超絶に美味しい!少量でも口に入れると、猛烈な香りと旨味が広がり、フォワグラでコクをミルクの泡で旨味を黒トリュフで香りを跳ね上げ、美味しい以外の言葉が見つかりません。
べキャスのロースト/NAUTIS-SAINT-GEORGES LES CHAIGNOIS 1998♡♡
べキャスの下には根セロリのピューレと紫キャベツのマリネ。
べキャスといえば、身よりも内臓が重要視されるジビエ。その内臓はどこか魚のようなアンチョビのような風味が特徴的です。しかしながら、このべキャスにはそれらが強烈には感じず、ただ旨味だけが濃厚且つ綺麗な味わい。身もジューシーで厚みがあり、確りと美味しい。
後から別皿で供された内臓をペースト状にしてパンに乗せたものが非常に美味しく、身よりもコレがメインを張れる美味しさ。久しぶりのべキャスは「ジビエの王様」と称されるのが実感できる素晴らしいひと皿でした。
タルトタタン♡
紅玉とグラニースミスを使ったタルトタタン、年代物のアルマニャックを使ったバニラアイス、キャラメルアイス。
このタルトタタン、実に美味しい。初めは甘味が広がり、後から酸味が追いかけてくるように広がります。添えてあるバニラアイスも確りとアルマニャックの風味が活きていて美味しい。
ミニャルディーズ
あまおうとフルールドビエール、ハチミツカヌレ、紅茶のフィナンシェ、フロランタン。
久しぶりとなるべキャスは非常に美味しかったです。これがジビエの王様たるべキャスの真の力なのか!肉だけならば、個人的には鴨が好きですが、内臓の旨味ならば別格の美味しさ。
コース全体を見ても、付け入る隙すらない完璧な料理の数々。やはり柴田シェフの料理は熱く、とても美味しかったです。
2022.12.
五感で味わう祈りのようなフレンチ/La Clairirere
Menu Bénédiction -祝福-
ブーダンノワール♡
ペースト状にしたブーダンノワールと苺の「とちおとめ」、その上からカカオパウダーをかけて、仕上げにカンボジア産の非加熱の真っ黒な蜂蜜を一滴垂らして。
初め苺の甘酸っぱさが映えますが、その後に蜂蜜の濃密さとブーダンノワールのコクが広がります。時間差で旨味が重なっていくようなイメージ。
タラバガニ♡
供された瞬間に香るのは、最後にかけられた香川県産の「澳オリーブオイル」の鮮烈さ。口にすれば、凝縮されたブイヤベースの旨味がガツンときて、タラバガニの甘味が確りと感じられます。
蓮根♡
キャビア・蓮根餅
蓮根の穴の中に蓮根餅を入れて、からりと揚げたベニエ。キャビアの塩気で蓮根本来の甘味が際立ちます。
蓮根のスープ・黒トリュフ・フォワグラ・白子・セップ茸
先程の蓮根が甘味ならば、コレは食感。食べるのを我慢できないほどの香りの誘惑が素晴らしい。フォワグラと白子からなる山と海の甘味の中で、蓮根のシャリシャリとした小気味良い舌触りを楽しみ、香りの爆弾に脳が震えます。
北海道森町より 熟成ヒグマのコンソメ♡
熟成をかけた身と手の部位からコンソメを引き、ヒグマ・蕪・生雲丹・北寄貝・芹・なめこを合わせたもの。
ヒグマのコンソメは初めていただきましたが、少し酸味があるものの実に美味しい。合わせた食材と共にコンソメを飲むと、甘味・食感・香りがそれぞれにプラスされて、コンソメのまた違った一面が見られます。
荒間鶏♡♡
この「荒間鶏」というのは所謂、老鶏なので身が固い。それを真空調理で13時間ほどかけて柔らかくし、ポロ葱と黒トリュフを合わせて、上に乗せているのは細切りのジャガイモを揚げたもの。ソースはこの老鶏で取り、ベルモット酒とエストラゴンで香りづけ。
この鶏は凄い。ポロ葱の柔らかさとジャガイモのカリカリの食感の中で、鶏の解されていながらも存在感を感じられる弾力がより映えます。旨味が強いながらも身は固くて食べられない食材を時間をかけることで、この料理に昇華しているシェフの情熱が作り上げたスペシャリテだと思います。
オマールブルー♡♡
オマールブルーの爪の部位を海藻バターで温めるように火入れし、下にはオマールブルーの身・ジロール茸・カリフラワー。ソースは赤ワインベースで、仕上げにオマールブルーの内子で作ったソースをかけて。
まず香りから感じられる凄まじい海老感。内子のソースは香りだけでなく、旨味が何倍にもなるようで実に美味しい。爪の部位も大きく食べ応えがあり、口の中で弾けるような食感がたまりません。
タルティーボ
シャリシャリとしたタルティーボの食感の中、サフラン・鰯の薫香・ピスタチオなどの幾重にも重なる香りの連鎖が楽しめるひと品。
キンキのデュクレレ♡♡
北海道網走産のキンキをほうれん草・百合根・シャントレル茸と共にクラシックなデュクレレソースで。
軽い酸味の中で、このキンキが素晴らしく美味しい。身は口に入れると溶けるようで、旨味がジュワッと溢れます。
新潟県燕三条産の青首鴨の四重奏♡♡
①せせり
フォカッチャ・せせり・ささみ・白トリュフ。
蠱惑的な白トリュフの香りの中で感じられるせせりの強い旨味とささみの柔らかさ。食べ終えても尚、感じるのは青首鴨の力強さ。
②胸肉
厚切りにした胸肉・根曲葱・蕎麦の実。
イメージは「鴨南蛮」だそうで、ソースも焼き上げた時のジュと葱で作っており、渡り鳥である青首鴨の力強い旨味が存分に楽しめる仕立てで、一番の好みの味わい。
③サルミソース
残りの胸肉は薄切りにして、内臓を使った伝統的なサルミソースで。
④手羽元・腿肉・ハツ・レバー・砂肝
黒胡椒を効かせたポワヴラードソース。
アヴァンデセール
マンステールのアイス・フルールドビエール・胡桃・八朔。
上にある「マンステール」というチーズのアイスにミルク感があるのに驚くほどに後味は爽やか。フルールドビエールの香りもいい。
デセール♡
洋梨尽くし。左からフレッシュルレクチェ・メレンゲ・洋梨のアイス・ラフランスのコンポート・柚子のソース。
芳醇な香りと甘味のルレクチェに対して、酸味のあるラフランスを柑橘系の柚子や花穂紫蘇と合わせることで、より爽やかな仕上がりになっていて、センスあるひと皿。
茶菓子
左からフロランタン・松兵衛みかんとジン・カヌレ・フィナンシェ。
約一年ぶりとなる白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairirere」に再訪。ジビエでメニューが賑わう中で、この時期にはオーナーシェフの柴田 秀之さんが惚れ込んだ「新潟県燕三条産の青首鴨」を余すところなく使った料理が楽しめ、今回はそれがお目当ての食材です。
料理はおまかせコースであるMenu Bénédiction -祝福-をお願いしたのですが、最初に供されるアミューズからガラリと変わっていてビックリ。「仕事量を増やしても、料理のクオリティを上げる」という柴田シェフのスタンスは、新たなスペシャリテと呼べる『荒間鶏』からも感じられ、元より料理に対して熱い方でしたが、私が行かなかった空白の時間で凄まじい進化を遂げていました。料理の美味しさは勿論ですが、ひと皿に込めた柴田シェフの情熱を感じて欲しいと思えるレストランです。
2022.4.
幻のプリン/La Clairière
白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairière」のパティシエール野田 未稀さんが作るプリンが再販すると聞き、早朝にDMを飛ばして早速購入。
Noda×Puddingで『Nodding』と名付けられたこのプリンは、まるで密度の高いケーキのよう。カトラリーから伝わるどっしりとした重みがあり、それでいて口の中ではバニラとアマレット?の香りが広がって滑らかで美味しい。カラメルソースはちょいビターで、レストランクラスのオトナなプリン。ちなみにもう販売は終了しており、定期的な販売でない為、また是非とも再販することを期待しています。
野田さん、ありがとうございました!またお店でも宜しくお願いします。
2021.11.
4/21にオープン5周年を迎えられたオーナーシェフ・柴田 秀之さんの白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairiere」に再訪。毎年、周年記念を祝うアニバーサリーコースは4〜5月の間に提供してたのですが、去年はちょうどその期間にコロナ禍の影響で営業自粛が重なって、11月に延期になりました。今年はどうなるのだろう?と思っているうちに1年が経ってしまい、あっという間に11月。春よりもこの初冬の時期の方が食材的に使える幅が広がるとのことで、今年もこの11月にアニバーサリーコースを提供することにしたそうです。
5周年アニバーサリーコース
アミューズブーシュ
オランダ産黄色ビーツ・甘海老・サワークリーム・オシェトラキャビア、佐賀県産黒イチジクの燻製・ブリアサバラン・パルマ産生ハム、豚足・セップ茸ムース・グリビッシュソース・セップパウダー、仔牛の腎臓のグリエ。
どれもひと口サイズの可愛らしい料理ですが、そのクオリティは極めて高し。
タラバガニ カリフラワー♡
ソースはレモングラスと甲殻類の2種。まずは花穂と柚子が彩る和テイストの焼いたタラバガニの脚を食べてから、下のフランをいただきます。カリフラワーとタラバガニの異なる2種の甘味に甲殻類の旨味がグッときて、レモングラス爽やかさでクドくならないように締めています。
アーティチョーク アオリイカ ういきょう
コリアンダーの風味の中で、じっくりと煮込まれたアーティチョークのねっとりとした甘味にアオリイカの甘味とフォワグラの旨味が寄り添い、セリとういきょうで味わいにアクセントがあります。春に提供してらした『筍 アオリイカ フォワグラ』のアーティチョークバージョンだそうで、アニバーサリーコースの全ての料理に特別な思いが込められているかのよう。
オマールブルー ジュヴレシャンベルタン♡
仏ブルターニュ産オマールブルーは海藻バターと共に温めた程度の火入れで、生の食感とプリプリ食感の中間のよう。付け合わせはオマール海老の卵と内臓のピカタとカボチャのニョッキ・オマール海老の爪。まずオマール海老にかけられる一級のジュヴレシャンベルタンを使ったソースがめちゃくちゃ美味しい。インパクトの強いソースの味だけではなく、咀嚼していく度にソースの中からオマール海老の甘味が顔を出してきて、確りと主張してきます。またピカタと食べると、オマール海老の味わいはより強いものとなっていき、海老が主役ということを感じさせます。
コンソメドゥーブルド ジェリンヌ ド ラカン♡♡
秋頃から私のSNSを騒つかせていた「ジェリンヌ ド ラカン」を使ったダブルコンソメに、福島県須賀川のカブ名人の蕪を添えて。
コンソメは鶏でしか取らないという柴田シェフの拘りの中、コレは最高の味わいなのでは?濃厚なれど、スッと身体に染み込んでいくようなイメージ。コンソメでこの美味しさ。益々、この鶏が食べたくなります!
白トリュフ♡♡
帆立・鮑・白子・ほうれん草・銀杏・百合根を貝の出汁と黄色ワインの「ヴァンジョーヌ」と卵黄などで作ったソースをかけて焼き上げ、上から今が時期の伊ピエモンテ州・アルバ産白トリュフを削りかけたもの。
まず、白トリュフの量やボリュームがおかしいことにw柴田シェフありがとうございます♡
白トリュフの芳醇な香りの中で、濃厚なソースヴァンジョーヌに負けないくらいに素材ひとつひとつの旨味が素晴らしく、寒くなってきた季節にピッタリな身体と心も温まるような味わい。
リ ダニョー メルゲーズ
聞き慣れない「リ ダニョー」とは仔羊の胸腺肉だそうで、リドヴォーの仔羊バージョンでしょうか。ソースはチョリソーを使っているそうで、ちょっとした辛味のアクセントがありつつ、マリーゴールドの香りを移したクスクスやふわりと柔らかいリーダニョーとその他の部位を使った羊のソーセージ『マルゲーズ』によく合います。あまり日本には馴染んでいないですが、構成されている料理はフランスではポピュラーみたい。寒い冬に食べたい身体がポカポカと温かくなる料理です。
平目 セロリラブ アマンディーヌ♡
ドーバー海峡の5キロアップのヒラメをムニエルに。ソースは焦しバターに根セロリとトリュフのピューレ。
ドーバー海峡と言えば、やはりドーバーソール(舌平目)が有名ですが、5キロ以上のヒラメは別格らしい。まずこの厚みが凄い!カトラリーを跳ね返すような何ともマッチョなヒラメです。口に入れてもその身はブリンブリンで、アーモンドのカリカリとした食感のコントラストも面白く、焦しバターのコクの中でトマトの酸味にシャントレルの旨味も美味しい。
青首鴨♡
メインは数種類から選べたので、ジビエシーズンということもあって仏産の青首鴨をチョイス。この時期はいつも新潟県燕三条産の青首鴨をいただいているのですが、今年はタイミングが合わずに断念…。それでも鴨を食べられることは嬉しい。ふた皿で構成されていて、ひと皿目には胸肉・ササミをソースサルミ、もも肉は塩。ふた皿目はレバー・砂肝・手羽のフリットを菊芋のピューレとソースジュで。
半身というボリュームで鴨を確りと堪能させていただきました。鏡面のように輝くソースサルミに大胆にカットしていただいた鴨肉が実に美味しい。ソースサルミはそんなに好きではないのですが、やはりコレを食べるとフレンチを食べてる!という実感が湧いてきます。
澳オリーブ ローリエ♡
聞いたことのない「澳オリーブオイル」。調べてみると、香川県で澳敬夫さんが営む「オキオリーブ」で作られている純国産オリーブオイルだそうで、すごい存在感のあるオリーブオイルです。ひと舐めしただけでも青々しい香りや爽快感が駆け抜けるかのようで、食用油でなく主役たる味わい。全体的にデセールを見てみると、セロリのシャリシャリとした食感とりんごの甘味がこの「澳オリーブ」を引き立てています。
刹那のモンブラン2021
チョコレート・栗とオレンジのアイス・鬼皮で香りをつけたメレンゲ・液体窒素で凍らせたシャンパンで構成され、ふわりとする栗の香りが印象的な目の前で仕上げられるレストランにしかできないモンブラン。
プティフール
カヌレ・レモンマカロン・フロランタン・ピオーネとトニックウォーターのジュレ。
特筆すべきは、カヌレでしょうか。供された時から「何か甘い香りがする…」と思っていて、その正体がこのカヌレ。コレにはカンボジアで蜂蜜を採取してらっしゃる緒方ポニィさんが手がける「クメールハニー」の蜜蝋を使ったものだそうで、知ってる蜂蜜の味よりもずっと奥行きのある甘味。
約一年ぶりとなってしまった「La Clairiere」ですが…皿の細部からも感じられる柴田シェフの熱量は、アニバーサリーということを差し引いても相変わらず凄かったです。今年は不作という白トリュフをたっぷりと使った『白トリュフ』も素晴らしかったですが、やはり一番印象的だったのは『コンソメドゥーブルドジェリンヌドラカン』でしょうか。元々、この「ジェリンヌドラカン」という食材に興味があったということもありますが、このコンソメを飲んで更に興味が湧きました。
「La Clairiere」で、この鶏を食べる。
次の私の目標です。柴田シェフ、今回も感動をありがとうございました。30030
2020.12.
今年は全くジビエを食べていない!それでもこれだけは食べておかなければと思い、早いうちから予約していたのが白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairiere」です。コロナ禍の中でテイクアウェイやインスタライブなどの映像配信を通して感じられるオーナーシェフの柴田 秀之さんの熱意と誠実さが心響く素敵なお店です。
今回の目的食材は、年内でしか食べることができない柴田シェフが惚れ込む『新潟県燕三条産のコルヴェール』です。更にはコロナ禍でなくなってしまった4月に予定していた『4周年アニバーサリーコース』も兼ねるとなれば、私にとって必食となるのは言うまでもありません。
アミューズブーシュ
ブータンノアールのミニバーガー、焼き栗と削った栗を飾ったパテ・ド・カンパーニュ、ペリゴール産黒トリュフで挟んだフォワグラのテリーヌ。
白眉なのは、やはりフォワグラのテリーヌ。口溶けの良さに酔いしれながら感じる黒トリュフの香りが素晴らしい。
ウニのかき卵♡
トピナンブール(菊芋)・ピエドムートン(カノシタ茸蒲焼を底に入れて、ウニを混ぜたかき卵・生ウニ・オシェトラキャビア。ソースは赤ワインソース。添えてあるのは、ジャガイモのフリット。茹でて冷凍したものを揚げているそうで、食感が面白い。そのままでもかき卵に付けても美味しい。
濃厚なウニの味わいが優しい卵のコクに包まれる中で、トピナンブールとピエドムートンの異なる食感が映えます。
真牡蠣のコトリアード 黒トリュフ風味♡
ハーブとトリュフを纏わせた北海道仙鳳趾産の真牡蠣を使ったブルターニュ地方のクリーム煮をイメージした料理。ソースは味わいも濃度も濃いながらも、この仙鳳趾産の真牡蠣が負けておらずに確りとカキのミルキーな味わいと余韻を楽しめます。素晴らしい美味しさ♡
イワシのクレピネット♡
サクサクのパートブリックで巻いたイワシのクレピネット。口の中でサクッとした食感を奏でると広がるのは、ジャガイモの甘味とイワシの旨味。酸味のあるサラダメランジェとバルサミコとシェリービネガーのソースが更に味わいの輪郭をハッキリさせています。
白子 カブ名人 鴨コンソメ
トリュフの上には確りと焼きあげた白子に福島県須賀川産のカブを合わせたものに、目の前でコンソメを注いで仕上げられます。コンソメの熱でトリュフが香り立ち、瑞々しいカブは甘味と仄かなほろ苦さがあり、白子の甘味ともよく合います。注がれるコンソメも激旨で、時間と共に食材の旨味が溶け込み、更に美味しさを加速させます。
猪のロワイヤルと和栗のニョッキ♡
鏡面のように輝くソースに共にあるのは、島根県産の猪を使ったロワイヤル。上にはフォワグラのポワレとメダル状の黒トリュフ、添えてあるのは和栗のニョッキ。
トランペット茸のピューレを加えたというソースが実に美味しい中で、咀嚼していくと猪の旨味と甘味が確りと表れます。少量ながらも、食べた!という満足感が得られ、濃厚濃密な味わいの余韻に浸れます。
シマフグのムニエル グルノーブル風♡
ナイフが入らないほどにムチムチな山口県萩産のシマフグが実に美味しい。味わいは淡白と思っていたフグですが、旨味の溢れ方が凄い。ソースはバターのパンチがグッときて、フレンチを食べていると実感が湧いてきます。ただ濃厚な味わいだけでなく、レモンの酸味と赤からし水菜のアクセントで飽きることなくいただけます。
新潟県燕三条産 コルヴェールの四重奏♡♡
胸肉のローストとモモ肉のグリエ ペドロヒメネスの黒米添え
分厚い胸肉ともも肉のグリエをシンプルなジュで。添えてあるのはシェリーで炊き上げた黒米と葱。イメージは鴨南蛮という料理です。最高!胸肉は舌に吸い付くような滑らかさがあり、咀嚼すると旨味や甘味が溢れ、ふわっと血の香りもする素晴らしい味わい。グリエされたもも肉は力強い旨味があり、ふわりとする香ばしさが心地よい。
胸肉のソースサルミ
この皿はスライスの仕方を選べるそうで、今回は代表的なエマンセという薄切りにしていただき、たっぷりのソースサルミを味わいます。サルミは香りも素晴らしく、濃厚でありながらも軽やかな印象。旨味だけを抽出したような感じでしょうか。あまり得意ではないのですが、実に美味しい。
手羽元と内臓の藁焼き
ソースは黒胡椒を使ったポワブラード。コレも美味しい♡咀嚼すると、力強い旨味が溢れて、生命を感じられる味わい。
鴨ガラのコンソメ ササミと黒トリュフ
中には黒トリュフも入っており、コンソメの熱で香り立つ中で染み染みと美味しい。
モンドール 里芋 黒トリュフ
今回のひと口チーズは、モンドール。トロトロのモンドールに下には里芋・玉葱・ベーコンがあり、黒トリュフが飾ります。ひと口ながらも、ミルキーなコクが実に美味しい。
鹿児島 喜界島の胡麻油
トンカ豆の香りを付けた泡の中にあるプリンとヴァニラアイス、そして喜界島の胡麻油を使ったというアヴァンデセール。フレンチに胡麻油?とも思いましたが、実に面白い。しかも最後に感じるのではなく、中間に胡麻油の存在を感じられます。
刹那なモンブラン
プティフールはチョコレートと栗のアイスの上に栗の鬼皮で香りを纏わせたメレンゲ、仕上げに液体窒素で凍らせたシャンパンをかけられるレストランにしかできないモンブラン。
栗というよりかは、オレンジのアクセントが実に印象的なデセール。焼き栗の香りとシャンパンの味わいがフランスの冬に誘います。
ミニャルディーズ
洋梨と紅茶のゼリー・フランボワーズとチョコレートのマカロン・カヌレ・フロランタン。
やはり『燕三条産のコルヴェール』がジュ・サルミを含めて抜群に美味しかったです。冬らしい濃厚な味わいの中で、時間差でトリュフの香りや旨味がグッとくる料理が多く、皿の細部にまで宿るような柴田シェフの熱が感じられて、実に素晴らしいひと時を過ごせました。
柴田シェフ、根本さん。今回もありがとうございました!29040
2020.10.
秋の香り、秋の祝福
ジビエも解禁となり、そろそろ食材も面白くなってきた中でやってきたのは白金高輪にある「La Clairirere」。オーナーシェフの柴田 秀之さんの料理に対する真摯な姿勢や来店する度にまるでオートクチュールのような仕立てになる料理が美味しく、通わせていただいてるお店の1つです。
Menu Bénédiction -祝福-
ブリ ローリエ♡
供された瞬間に香る芽吹くローリエの新芽とオリーブオイルの青い香りがとても印象的。その香りの中でマリネされた北海道産の鰤の旨味が迸ります。素晴らしいスターター。
カキのムニエル♡
北海道仙鳳趾産のカキに粉をうってムニエルにしたもの。下にはワイルドライスを使ったカキのバターライスがあり、上にはオカヒジキとウイキョウのサラダが添えてあります。ソースは牛の出汁のジュドブッフ。
何という素晴らしい美味しさ。ミルキーな仙鳳趾産のカキの旨味と甘味が口いっぱいに広がり、コクのある牛の出汁が更に旨味を累乗させているかのよう。今回のこのカキはミネラル分が強く、確りと火を入れた方が良いということで、この料理にしたそうで、この時期の定番料理の『51℃』よりもずっと好み。
フォア ド ヴォー ベアルネーズ
仔牛レバーのソテー。添えてあるのはトマト・金時草・マイクロハーブ・エスドラゴンパウダー。ソースは卵黄と白ワインを使ったベアルネーズソース。
供されると、まずはエスドラゴンの甘く青い香りが鼻を擽ります。そして口にすると、ソースやトマトなどの酸味と金時草のほろ苦さが駆け抜けていき、最後には舌に絡みつくような濃厚なレバーの旨味と甘味が広がります。
ハモ 松茸 コンソメ♡
兵庫県淡路島産の鱧を骨切りした後に柔らかく火入れし、下には針松茸・ムカゴを敷き、上にはマデラ酒で煮詰めた牛蒡・コンソメで焚いた松茸・花穂紫蘇が彩ります。この料理を作る際にフレンチらしく生クリームとバターを使うことを決めていたそうで、ソースはコンソメとクリームに松茸の香りをつけたもの。
柴田シェフがこの料理を完成するまでに9年かかったという傑作。ハモや松茸、フレンチでは使わなくてもいい日本ならではの食材を見事にフレンチへと昇華させています。繊細な松茸の香りと食感がハモのとろけるような身に絶妙に寄り添っていて、実に美味しい♡出逢えて良かったと思える料理です。
スッポンのヴォロヴァン♡
『スッポン』というリクエスト食材を2年越しに叶えていただきました。スッポン・リードヴォー・シャントレルを入れたヴォロヴァンです。
素晴らしい美味しさ!濃密なマデラ酒ソースは香り高く、舌に吸い付くようなスッポンの旨味とリードヴォーのコクがこのソースで更に累乗するような美味しさになります。柴田シェフ、ありがとうございました!また是非とも、メインとしてでも食べたいです。
甘鯛 デュグレレ♡
かなり肉厚な甘鯛をブレゼにした料理。そこにデュグレレソースというクラシックなソースが合わさることで、まさにフレンチを食べているといった感じになります。
デュグレレソースの旨味がとろけるような甘鯛に合わさることで、全体的な旨味が何倍にも高まるようになり、絶品と思える料理。
山口県萩より 黒鮑の岩塩包み♡
まさか、また出逢えるとは!山口県萩産の鮑を身が縮まないように昆布で包み、その上から岩塩を加えたメレンゲで覆って焼き上げたもの。仕上げに海藻バターのボルディエバターで温めるようにして供されます。
鮑の肝ソースがまるで鏡のように美しい緑色に煌めき、ムッチリとした鮑は実に香りもあって美味しい。端にある生胡椒をつけると、また味が締まって味の輪郭がハッキリとします。
牛タンのふた皿♡
まさか、メインで昔にお願いしていた『牛タン』というリクエスト食材に出逢えるとは!ふた皿から成るメインだそうで、まず供されたのは『タン元のグリエ』。タンの中でも一番柔らかい部位を超シンプルな仕立てなして下さったのは、きっと私の好みを熟知されているから。タン元の旨味の中で、添えてある酸味の強いサラダメランジェが良い仕事をして、食べる度に口の中をリセットできます。
そして、メイン中のメインとも言える『牛タンの赤ワイン煮』。添えてあるのはセップ茸・小玉葱・根セロリのピューレ。コレも素晴らしい美味しさ♡極濃密な赤ワインソースの香りが食べる度に心地よく鼻から抜け、まるで自分の舌と同化するかのような牛タンの口溶けが凄い。セップ茸もとろけるような傘の部位とジューシーな軸の部位のコントラストが楽しめて、素晴らしい。柴田シェフに感謝しかありません。
モンドール
今回のチーズ料理は、モンドール。トロトロの部分はラビオリにして、固い表皮はソースにして、上から白トリュフを削っています。濃厚で蠱惑的香りに包まれるようなチーズ料理で、ひと口毎に溜息が漏れる美味しさ。
ホオズキ
食用の黄色ホオズキの甘味の中で、ライムとレモンの一陣の爽やかな風が吹き抜けていくかのような味わい。
モンブラン
下からチョコレート・栗のパルフェ・栗のクリーム・鬼皮の香りをつけたメレンゲ。仕上げに上からシャンパンを液体窒素で凍らせたグラニテを目の前でかけられます。
モンブランの山の雪をイメージしたというこのデセールは美しくもあり、美味しい。栗の甘味というか、香りを活かしているモンブランだと思います。
ミニャルディーズ
今回は次の予定があることを察してくれたのか、お土産という形でいただきました。ありがとうございます。
今回のコースでは特に香りが印象的でした。早秋のローリエの青い香りから始まり、日本の秋を代表する松茸の香り、そして秋の深まりを感じられる栗の香りへと誘われるコース構成は、まさに秋そのもの。またリクエスト食材だったあまり使わない『スッポン』や『牛タン』を確りと作り上げて下さり、ありがとうございました。最高に美味しく、また是非とも食べたい料理です。
今回は来店前からバタバタとしてしまい、申し訳ありませんでした。しかしながら、食べることができて幸せでした。ありがとうございました!また次回も宜しくお願いします。38000
2020.6.
私は祈る。
この料理に関わった全てに。
コロナ禍の影響で通常営業を控えて、テイクアウェイ(テイクアウト)主体になった飲食業界の中で、フレンチ・イタリアンは非常に厳しかったと思います。そんな中でオーナーシェフの柴田 秀之さんはほぼ毎日メニューを変え、テイクアウトの領域を超えるような料理を提供していた白金高輪にある「La Clairiere」が営業再開すると知り、やってきました。
Menu Bénédiction ~祝福~
アミューズブーシュ
ブータンノワール・パテドカンパーニュ(カシス・胡桃)・仏ボルドー産キャビアと黄ビーツ・フォワグラとオーストラリア産黒トリュフサンド。
特筆すべきは、やはり黒トリュフのサンド。素晴らしく蠱惑的な香りが食べる前から香り、食べてる間も香ります。「周りにも料理が多く出ていないアミューズの時だからこそ、この香りを!」という思いの中で供されました。素晴らしい!
京都より 丹後とり貝♡
お皿には貝が1つ。その貝を開けると中には、京都府産丹後とり貝・山口県産アカイカ・茄子・ズッキーニ・牛蒡・フキ・枝豆・スナップエンドウ。その上からブイヤベースをジュレ状にしたものがかけられています。
色々な食感の共演と思っていましたが、これは山と海からの恵みをこの小さな貝に閉じ込めて表現した料理。上は軽く火を入れたとり貝を中心として海の香り、そして食べ進めるにつれて力強い山の香りに変わります。凄いセンス!
鮎のヴァリエーション ささ茶とクレソンのソース
和歌山県産鮎を使った「La Clairiere」の代表的な夏料理。鮎の半身はポワレ、頭とエラなどはフリット、内臓はブータンノワールと一緒にベニエにしています。下には残った鮎の半身を入れた鮎のバターライス、ソースは緑のクレソンと笹茶で作ったものと泡状の南高梅ソースです。
フレンチでここまで鮎のほろ苦さや甘味を表現できるものなのでしょうか。どうしても鮎=日本料理というイメージがありますが、それを一気に払拭してくれます。
ちなみにこの料理はYouTube(https://youtu.be/Ag-SViTixxI)にて、柴田シェフ自らが解説付きで調理工程を見れるのですが…まさに変態ですねw勿論、最大級の褒め言葉としてですが。
アーティチョークとオマールブルー
添えてあるのはフリットとしたアーティチョークとオマールブルーのカスレ。ソースはクレームドゥオマールと後がけのジュドゥオマールで、周りにある赤いのはオマールブルーのコライユ。
初夏の食材のアスパラソヴァージュを使ったひと皿。手前のアスパラソヴァージュから食べ進めることで、まずは主役としてそのままの旨味を味わえます。そして、オマールブルーの濃厚な旨味と濃密な甘味が加わるマリアージュは、主役から引き立て役へとアスパラソヴァージュがガラリと変わり、サクサクとした心地よい食感を与えてくれます。
ジロール茸のオムレツ
ジロール茸のフリカッセ・ベーコン・フォワグラ・オカヒジキにふんわりとしたオムレツを乗せた料理。ソースはベーコンの旨味を効かせた赤ワインソース。
これだけ旨味が濃縮したオムレツがあったでしょうか。ベーコンの旨味が入っている赤ワインソースが絶品で、ベールのように優しい卵の甘味がふわりと全てを包み込むよう。
山口県萩より 黒鮑の岩塩包み♡♡
鮑という単語を聞かなかったので、本日は入荷がなかったのかな?と思っていたら、当然のように特大のものを用意して下さいました。ありがとうございます♡
前回と同様に鮑は昆布と一緒に岩塩包み焼きですが、今回は付け合わせにホワイトアスパラガスが添えてありました。独産のホワイトアスパラガスのブールノアゼットを合わせており、鮑の肝を使ったコライユソースの中でも力強い味わいが映えます。そして、鮑は丸々1個という当たり前となっているボリュームwカトラリーからも感じられるムチっとした弾力感があり、口に入れると香りと旨味が一気に弾けます。毎年出逢う度にこの料理は、美味しくなっていき、より完成度が高まっています。
真河豚の白子のポシェ
メダル状のジャガイモの上に真河豚の白子のポシェを置き、ヴィシソワーズとペリグーソースを合わせています。高さのある器なので、立ち込める香りが素晴らしい。白子の甘味とジャガイモの甘味が累乗するかのようで、実に美味しい。
オコゼ ベアルネーズ グリーンアスパラ♡
山口県萩産のオニオコゼの何という肉厚な身!800gくらいものだそうで、用意して下さった柴田シェフに感謝しかありません。
バーフの効いたベアルネーズソースの酸味がよりこのプリプリなオコゼの旨味を際立たせていて、更に付け合わせている「ジェットファーム」の長谷川さんから届いたというグリーンアスパラガスの力強い香りが素晴らしい。
熊本県産 あか牛のロースト♡
メインは数種類あった中から、この「La Clairiere」ではあまり使わない牛肉があったのでチョイスです。
藁の薫香を纏った牛肉にはソースが別に供されます。それはシンプルな味付けが好みと熟知してらっしゃる柴田シェフの心遣い。ソースも赤ワインを使ったものではなく、ジュを使ったもの。通えば通うほどにオートクチュールのようなコース仕立てになっていく素晴らしいレストランです。
ペコリーノロマーノと空豆
構成はペコリーノチーズ・空豆・チョリソー・クリームチーズ・パセリソース。
クセのあるペコリーノチーズと同じようにクセのある空豆がとても高相性。中に入れられてあるチョリソーの脂がパンチのあるコクを与えています。
木の芽 日向夏
日向夏とオレンジの上には木の芽のグラニテ。
夏の日に爽やかな風が吹くような感じ。
チェリーのクラフティー
アメリカンチェリー・フレッシュキャラメリゼ・チェリービールアイス・クラフティー、それらをトンカ豆のソースが繋ぐデセール。
プティフール
マンゴーと紅茶のゼリー・レモンマカロン・カヌレ・バニラチーズケーキ。
今回のコースを通して、私が感じたのは「海と大地の融合」です。海産物がメイン食材の料理において、大地の食材は単なるガルニではなく、力強くその旨味を主張していたのがとても印象深かったです。このコースの裏テーマが「アスパラガス」だったそうで、ホワイトアスパラガス・アスパラソヴァージュ・グリーンアスパラガスと3種のアスパラガスを使える期間はとても短く、私の訪問時がベストタイミングだったみたい。確かに独産のホワイトアスパラガスの力強さや「ジェットファーム」のグリーンアスパラガスはもう一度食べたいと思うほどの強烈な香りと旨味でした。
テイクアウェイの期間でも生産者の為に食材を回し、日々違う料理を提供していた柴田シェフ。まさにショープレートに刻まれている「一皿一皿に、喜びと感謝を込めて…」を体現している素晴らしいレストランだと思います。
柴田シェフ、根本さん。またこの空間で料理を楽しむことができて、とても幸せでした。素晴らしい料理と貴重なワインをありがとうございました!29040
2020.3.
心の声を拾ってくれるシェフ
とある日、SNSのTLに流れてくる「La Clairiere」の料理の数々。実は既に2ヶ月先の予約をしていたのですが、どうしても早く食べたい欲求が我慢出来ずに、風に揺れる店先の新緑が眩しい日にやってきました。
今回は特に食べたい食材や料理などを柴田 秀之シェフに伝えてなかったのですが…席に着いて、「本日はこんな食材もあります」と見せたれたのが、フランス・リムーザン産の仔牛と大きな黒鮑。黒鮑は予想外でしたが、仔牛はまさに食べたかった食材で、心の声が柴田シェフに届いていたかのような感じを受けました。柴田シェフ、ありがとうございます!
Menu Les Arbres
アミューズブーシュ
小さな3つのアミューズですが、いつものブータンノワールのミニバーガーがない。そのかわりにあったのが、ブータンノワールのクレープ包み。構成はケークオフリュイ・フォワグラ・ブータンノワール・リンゴだそうで、衝撃的に美味しい。残りの2つはカシスとクルミが飾るパテドカンパーニュと煎餅状にしたパルメザンチーズの中にアオリイカのマリネとハーブのサラダを入れたもの。初手から心を掴まれます。
ホワイトアスパラガスの三重奏♡
「出始めとトップシーズンのホワイトアスパラガスを同じように調理していいのか」という柴田シェフの疑問から生まれたホワイトアスパラガスを使ったこの時期のスペシャリテ。下から濃厚な味わいのフランス・ロワール産のホワイトアスパラガスのムース・その茹で汁のジュレ・ホワイトアスパラガスの濃厚なウルーデ。
見た目の美しさだけでなく、形はなくとも確りと感じられるホワイトアスパラガスの香りと旨味は、身体に春の訪れを告げてくれます。
筍 竹皮焼き♡
出汁で焚いた鹿児島県産の筍に竹皮と藁で香りをつけたものと筍のフリットに田ゼリのサラダと塩水海胆のリゾットを添えて、仕上げにブールドエスカルゴをかけたもの。
素晴らしい!ザクザクとした筍の食感が心地よく、筍本来の甘味と塩水海胆の甘味が合わさり、実に美味しい。またリゾットということで、ちょっとした筍ご飯みたいな味わいも楽しめます。
ホタテのポワレとグラタン♡
ムッチリとした甘味の強い芯の部分はポワレにしており、ザクザクと心地よいヒモの部位ととろけるようなコライユはオランデーズソースをかけてオーブンで焼き上げたグラタンに仕上げています。上から刻んだ黒トリュフの香りが逃げないように貝の出汁を吸ったライスペーパーをかけて、最後にシャンパンを効かせたクリームソースをかけられます。
異なる3つの食感と味わいを持つホタテの良さを全て活かして、一皿に纏めた素晴らしいセンスを感じられる料理。ホタテの旨味だけでなく、幾重にも積み重ねられた旨味は累乗するかのようで実に美味しい。
オマールブルーとフォワグラのショッソン♡
オマールブルーとホタテのムースをフォワグラとほうれん草で包み、それをパイで包み焼き上げたもの。横にはスペイン産の酸味が強いシェリービネガーをかけたサラダメランジェを添えて。ソースは酸味のあるブールドトマト。
ソースとサラダの2つの酸味が重要な料理。甘味のある食材をブールドトマトの酸味で味を引き締め、更に酸味の強いサラダで全体的に纏めています。だからこそコースの中盤でもペロリと食べられる軽さがあり、何よりも美味しい。
山口県萩産 虎河豚のムニエルとその白子ポシェとカマのフリット♡
濃厚なジャガイモソースと重厚なキノコと赤ワインソースでいただきます。虎河豚ってもっと淡白な味わいと思っていましたが、プリプリとした身はナイフを入れると旨味が溢れ、更にソースでブーストされた旨味が一気に押し寄せます。プリプリの身とは真逆に、白子のポシェは形がとどまっていたのが不思議なほどにトロトロで、無垢な甘味が口いっぱいに広がります。おまけで添えていただいたカマのフリットも美味しい♡
山口県萩産 黒鮑の岩塩蒸し♡♡
まさか、こんなにも早く出逢えるとは!今回の鮑は450gのもの。鮑を昆布で包んで、卵白を加えた岩塩で包み焼き上げる去年からの仕立てです。ソースは勿論、肝を使ったコライユソース。
去年いただいたものよりも美味しい。生の鮑が持つ磯香り、蒸し鮑のムチッと食感、生の鮑のコリっと食感、そしてとろけるような食感が全てこの一皿で味わえます。濃密な甘味の葉玉葱と生黒胡椒で味わいにアクセントを加え、単調になりがちな味わいも飽きることなくいただけるおすすめの逸品です。
フランス・リムーザン産仔牛のロースト♡♡
「きっと食べたいと思って」と柴田シェフがご用意して下さったのは、骨付きの仔牛。約1キロだそうで、肉だけだと約800gくらいになるらしい。そう、あの日のアラカルトディナーから私はずっとコレが食べたいと思っていました。
周りの客がどよめくようなダイナミックな大きさで、焼き上がりの色を見ていただく分かるようにまるで豚肉のように真白。そしてどこかミルキーで甘味もあり、実にこの量でもペロリと食べられる味わいの軽さが最大の特徴です。骨が付いたカブリの部位は藁の薫香を付けてカリッと焼かれており、実に美味しい♡
牛テールの赤ワイン煮♡
前日にSNSで見た「La Clairiere」では珍しい料理で、コレがメインかな?と思っていたのですが、違ったので食べてみたいなぁと言ったら、ちょっと出していただけました。
赤ワインの濃密な味わいの中で、牛テールは柔らかいけどトロトロという感じでもなく、確りと肉っぽさを残している感じ。上に添えられた空豆の苦味がいいアクセントです。いつかはフルサイズで食べたい!
ブリアサヴァラン トリュフ
一口のフロマージュも用意下さって、私が選んだのはブリアサヴァラン。
手で持つと驚くほどにフワフワで、口にすると黒トリュフの香りがぶわっとして、ミルキーな味わいが広がります。
ヨモギ 文旦
柑橘のエスプーマ・マスカルポーネ・ヨモギのソルベ。爽やかな中にもマスカルポーネのコクがあって、美味しい。
フィナンシェ♡
「フィナンシェです」と供されたのは、花弁のように黒トリュフが飾られ、上には黒トリュフアイスが盛られたデセール。確かに下の土台はフィナンシェですが、コレをそう呼んでしまうのか!柴田シェフのご厚意に感謝です。
プティフール
チョコレートマカロン・アーモンド・カヌレ・林檎と紅茶のジュレ。変わらずに綺麗です。選んだのはお茶は、カプリコーン。
私が訪れた日がちょうど冬から春へメニューが変わる境目だったそうで、春と冬の食材が入り乱れる素晴らしい構成となりました。ショッソンや虎河豚などはもう来週から出さないと仰っていたので、実にいいタイミングの訪問でした。料理は食べている時は勿論ですが、写真を見直してもその美味しさを反芻できるくらいに実に素晴らしい料理の数々でした。
柴田シェフ、ありがとうございました!32670
2019.12.
生命をいただく。
それは皿に宿る新たな生命。
白金高輪にある「La Clairiere」で、オーナーシェフの柴田 秀之さんが惚れ込む新潟県燕三条産の青首鴨をいただくのは、私の冬の恒例イベントの一つ。食べたい食材を伝えて、あとは柴田シェフに身を委ねる。料理の味わいは勿論のこと、ボリュームすらも全て私の好みを把握してらっしゃる信頼できるレストランです。
Menu Les Arbres
アミューズ
ブータンノワールのミニバーガー
パテドカンパーニュ(山栗・カシス)
セルヴェルドカニュ(キオッチャ・バスク産チョリソー・ライム)
中でも鴨や猪などのジビエの脂を入れたというパテドカンパーニュが素晴らしい。カシスの甘酸っぱい味わいが実にいいアクセント。
香箱蟹のフラン♡
蟹の出汁を使ったフラン・蟹の身・内子・外子を盛り、ナメコ・芹・ムカゴを入れて、出汁を更に濃厚したものを泡状にしてかけられています。少量ですが、蟹の味わいが実に濃い。蟹の身の甘さの中に芹のシャリシャリ感、ムカゴのホクホク感、外子の心地よい食感が口の中で躍ります。
ブールドエスカルゴ♡
フレンチでは珍しい海老芋を使った料理。海老芋を米の研ぎ汁で炊き上げて、鴨の出汁を含めて米粉をつけてカリッと揚げたものの上に塩水海胆。そして少量のオランデーズソースとペルノー香るエスカルゴバターのソースでいただきます。
口の中で海老芋がとろけ、そこに塩水海胆も甘味をたたえながら混ざり合う瞬間の一体感が素晴らしい。オランデーズソースのほのかな酸味がこの料理の甘味をより際立たせていて、実に美味しい。
真鱈の白子ムニエル♡
供された瞬間から香る黒トリュフの豊潤な香り。白子のクリーミーな味わいに香り高いセップのボルドレーズが合わさり、トリュフを保存する際に使った米を使ったスービーズソースがその味わいを柔らかく包み込んでいます。
シャポン♡♡
シンプルに網焼きしたシャポンの旨味が素晴らしい。確りとした身質に皮のバリッとした食感が映えます。ソースは私好みのシンプルなジュのスタイルにアルマニャックで香り付け、手前から時計回りに胸肉・腿肉・皮・ササミ、中心部にはドフィーネ地方の伝統的なグラタンのグラタン・ドフィノワがあります。そのままジュで食べれば、シャポン本来の味わいを楽しめ、ドフィノワと一緒に食べればフレンチらしい味わいになるという素晴らしい一皿。
オマール海老
ヴァニラ香る泡状のソースに栗を使ったソースを合わせ、底に敷かれたコラリーヌソースと混ざり合います。蠱惑的なアルバ産の白トリュフの香り、艶やかに火入れされたオマール海老の甘味、濃厚なフォワグラ、異なる仕立てをした栗の甘味と食感が楽しめ、官能的な香りと甘味を味わう一皿。
鮃のクッサン
山口県萩産の5キロの鮃と帆立のムースを合わせてクッサン仕立てにして、下には縮緬キャベツのブレゼ、ソースはシャントレルを加えたヴァンジョーヌソース。
まずは鮃の身の厚さに驚きます。甘味も感じるムチムチとした鮃が実に食べ応えがあり、縮緬キャベツの甘味とコクのあるソースが鮃の旨味を累乗させます。添えられた縁側の部位は柿の種を使ったフリットにして黒七味でアクセント。これも美味しい♡
新潟県燕三条産 青首鴨の四重奏♡♡
まずは鴨南蛮をイメージしたジュでいただく一皿。下には大麦と蕎麦の実が敷かれ、鴨のぼんじりで炊いた葱と蕎麦のフリットで飾っています。実にシルキーで滑らかな鴨はナイフを入れるだけで、その身が蘇るように肉汁が溢れてくる芸術的な火入れ。口に入れれば、長旅をしてきたその逞しい身から力強い旨味が溢れ、最後に脂の甘味を感じられる素晴らしい鴨料理です。
2皿目は、伝統的なフレンチのサルミソース。鏡面のような艶やかなソースは野性味もありながらも上品な味わい。私はどちらかというと、ジュの仕立てが好きなのでサルミは一口サイズになっている柴田シェフの心遣いに感謝です。
3皿目は、手羽や手羽元のグリエにボルドレーズソースを合わせたもの。やはり手羽系は実に旨味が強くて美味しい。
最後の4皿目は、ササミに鴨ガラで抽出したコンソメを入れて。このコンソメが香り高くて、実に素晴らしい味わい。今年も出逢えた喜びを感じる料理です。
マルメロ 生姜のコンポート
西洋花梨のマルメロを使った冷製スープに日本の花梨のゼリーと生姜のコンポートがアクセントとして散りばめられています。前皿の鴨を全て洗い流すかのような非常に爽やかな味わい。
焼きリンゴ プラリネスフレ
フレッシュリンゴ・タルトタタン・ピスタチオアイスにチョコレートが敷かれ、液体窒素で冷やされたマスカルポーネを飾り、更に焼き立てのプラリネスフレを盛り、冷と温を同時にいただけるお店でしか食べられないデセール。
小菓子
数種類から選べるコーヒー・紅茶の中から今回は苺香る『フレーズスペシャル』を選びました。相変わらず美しい盛り付けの小菓子は、カヌレ・オレンジサラダとベルガモットゼリー・モンブラン・アルマニャックとチョコレートのマカロン。
全ての皿に共通して感じるのは、柴田シェフの熱。今回は珍しく厨房より柴田シェフ達の声がよく響いていました。フレンチレストランとしてはあまり宜しくないことなのかもしれませんが、個人的には厨房の熱を感じることができて好きです。
供される料理たちは美が宿り、そこに新しい生命が生まれる。
そんなことを感じられました。
今回は直前に『シャポン』も追加していただき、ありがとうございました。次回は例の食材を楽しみにしています。ご馳走さまでした。25410
2019.8.
夏の悦
それを感じる為にやってきたのは、白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairirere」。「木漏れ日」という店名の通り、店内には暖かなサービスがあり、オーナーシェフの柴田 秀之さんが作る料理からは真摯な姿勢と情熱を感じることができる素晴らしいお店です。
季節毎の定期訪問で、予め柴田シェフにリクエストしていた食材は『鮑』。去年もいただいていますが、今年は違う調理法だそうで楽しみ。
Menu Les Arbres
ブーダンノワールのミニバーガー/パテドカンパーニュ/セルヴェルドカニュ
定番の一口サイズの3種のアミューズ。中でも『ブーダンノワールのミニバーガー』は、実に美味しい。本当はコレだけでももっと大きく…。
オマールブルー 赤ピーマン シェリー
涼やかな見た目の料理。オマールブルーの甘味と赤ピーマンムースのピーマン本来の苦味や甘味が口の中で合わさり、異なる甘味の味わいは累乗するかのよう。
キスのクレープ ヴァニラ トリュフ
下が見えないくらいに、たっぷりと盛られた黒トリュフにまず驚きます。千葉県竹岡産のキスの上には、ふわりとした「インカのひとみ」というジャガイモのクレープが乗せられています。間にスモークサーモンのアクセントを挟んで感じる甘味は、このジャガイモ。食べていくと、キスの骨から取ったソースに入っているヴァ二ラが香り立ち、トリュフと共に恍惚な香りが楽しめます。
山口県萩産 岩牡蠣のグラチネ♡
凄い。凄い火入れ。目の前に供されると、香りたつのはオランデーズソースの焼ける香り。またこの香りがスプーンを入れる時にもふわりとし、そして食べると口の中で広がるのは岩牡蠣が持つ磯の香り。火を入れた牡蠣の中で、1番の美味しさかも。
仔牛レバー セップ茸
夏は内臓の状態があまり良くないそうで、使わない仔牛レバー。今回はいいものが入荷したそうで、作っていただきました。
仔牛レバーの上に盛られたサマーポルチーニのデュクセル、セップ茸の泡の下にはボルドレーズソースがたっぷりと敷かれています。最初にキノコの香りと味わいがグッときた後に、トロリととろけるレバー。確りとレバーらしい味わいを残しながら、後味は綺麗。
山口県萩産 黒鮑 岩塩包み♡♡
2ヶ月前からリクエストしており、去年もいただいた黒鮑の料理。有難いことに、今回は山口県萩産の600gオーバーのものを用意して下さいました。去年はボルディエバターで温めるような火入れだったのですが、今年はまずメレンゲを混ぜた岩塩で、昆布と一緒に丸ごと包み込んで火入れしてから、ボルディエバターで温めるという調理法だそう。
生の状態から岩塩で包んだ状態、そして取り出すところまで見せていただきました。目の前にすると、圧巻のボリューム。そして、味わいは去年のものを超える美味しさ。ムッチリとした鮑は磯の香りもあり、肝ソースも濃厚でありながらも後味は軽やか。添えてある黒胡椒をつけると、味が引き締まって実に素晴らしい。去年との差は、生の食感が少なくて、よりムッチリとした食感を楽しめることでしょうか。柴田シェフのより美味へと高める向上心には頭が下がります。
ドーバーソール ムニエルグランメール♡
ちょうど腹にかかる部位で、厚みのあるドーバーソールに思わず見惚れます。このお店はカテゴリー的にはモダンフレンチなのでしょうけど、このようなクラシックな料理を出して下さるところが好き。
肉厚でムチムチとしており、食感フェチにはたまらない食感。合わせるソースは、ケッパーの入った焦がしバターソースという仕立てで、実に好みの味わいです。
ブレス産ピジョンのロティ そのジュのソース♡
2週間熟成させたブレス産のピジョン。色々な産地のピジョンがありますが、このブレス産のものはナッティな風味になるそうで、ジビエがない時期によく使われているらしい。本来ならばきっともっと濃厚なサルミソースなどを合わせるところだと思いますが、私の好みに合わせてこのピジョンのジュを使ったソースで仕上げて下さいました。
肉質は締まっていながらも柔らかくてシルキー、噛み締めるとグッと旨味が溢れます。食べながらも鼻から抜けるピジョンの香り、部位によってサクサクプリプリとした異なる食感も楽しめて、実に美味しい。
メロン パスティス
北海道訓子府産の赤肉メロンは、シェフの同級生が作られているメロンだそう。パスティスソルベの爽やかな薬草の風味が、濃厚な甘さの中にちょっとクセのあるメロンとよく合います。
桃のサラダ ヴァニラのスフレ
フレッシュ、ピューレ、皮から作ったゼリーと3種の桃を使ったデザート。更にそこに焼きたてのバニラスフレを目の前で添えて下さいます。冷たいものと温かいものが同時に食べられる素敵なデザート。特にこのスフレが実に美味しい♡
プティフール
紅茶ゼリーとイチジク・フロランタン・レモンマカロン・カヌレ。いつもながらに美しい。
相変わらず、全ての皿にシェフの熱を感じられる料理の数々は美しくもあり、それ以上に美味しい。特に去年と調理法を変えた『鮑』は、まさに柴田シェフの成長と研鑽を直に感じられる料理で、素晴らしかったです。
今回はメインを2種類から選べるという嬉しいサプライズもありつつ、最近ではアラカルトでの営業もされてらっしゃるようです。完璧に組み立てられたコース料理もいいですが、メニューを見て自分で食べたいものを決める時間は悩ましくもあり、非常に楽しそうです。機会があれば、是非ともアラカルト営業の時にも伺いたい。
今回も素晴らしい料理をご馳走さまでした。次回は秋頃、また宜しくお願いします。30888
2019.5.
4/21に3周年を迎えられた白金高輪にある「La Clairiere」に再訪。5/6までこの3周年を記念した特別なコースを提供しており、去年に引き続き、今年もいただくことができました。
去年と大きく変化しているのが、メインが5種類ある中から選ぶスタイルになっていること。このようなスタイルにしたことを柴田シェフは、「メニューを見ながら、ソムリエと相談したりして料理を決める。この時間がフレンチの楽しみの一つ」と仰っていて、確かに座れば料理が出てくるようなスタイルが多い中で、この選択という自由は楽しい。でもどの料理も食べたくて、「これは5回来いってこと?」と他のお客さんが言っていたという話にとても共感できます。
『La Clairiere~3周年記念コース~』
ブーダンノワールのミニバーガー/田舎風パテドカンパーニュ/白花豆のカスレ/セルヴェルドカニュ
御神木だったという千年杉のプレートに乗せられたアミューズ。カスレには豚のテットドコション、カンパーニュにはイベリコ豚を使い、セルヴェルドカニュにはバスク地方のチョリソー、スペシャリテの鹿の血を使ったブーダンノワール。アミューズから柴田シェフの気合を感じる完成度の高い味わい。
グリンピースのムース♡
凄い。身だけでなく、皮や鞘なども使ったグリンピースの全てを味わえる一皿。中にある山菜のうるいのシャクシャクとした食感が楽しく、グリンピースの甘味を奥に潜んでいるレモングラスのジュレが爽やかに洗い流し、最後に鼻から抜けるグリンピースの青い香りも心地よい。センスを感じる料理。
稚鮎 熊笹 南高梅♡
自然の一瞬の美を切り取った躍動感のある盛り付けで、まるで絵画のような宮城県の「はやせ鮎」を使った「LaClairirere」の初夏の定番料理。カリカリに揚げられた稚鮎の苦味が熊笹とクレソンで作ったソース、泡状の南高梅ソースの爽やかさが口の中で一体となります。稚鮎の苦味を味わう繊細な料理で、ここ日本でなければ出来なかったフレンチだと思います。
ウニとういきょうの冷たいスープ
元々はジョエル・ロブションのスペシャリテだそう。底にはウニのフラン、ういきょうの冷たいヴルーテ、渡蟹の出汁から作ったコンソメジュレ、食感でウドが入れられています。爽やかなういきょう風味に渡蟹の旨味、異なる仕立てのウニの濃厚な甘味が素晴らしい。
穴子 水ナス 新牛蒡♡
穴子が持つ土の風味をフューチャーした料理だそうで、水ナス・フォワグラ・穴子の三層を作り、ソースには新牛蒡の香りを移したマデラ酒。穴子のフワフワした食感を邪魔しない柔らかな水ナスと濃厚さを上乗せするようなフォワグラ、一緒に盛られているムカゴのホクホクとした食感も映えます。穴子に合わせる食材が、それぞれ穴子に旨味や食感などを累乗させるようで、まさにこれぞフレンチを食べているという味わい。
ホワイトアスパラガス リヨン風♡
柴田シェフの拘りのある農園から届けられたボルドー産の極々太160gのものを使い、柔らかい穂先部分はシンプルにジューシーさを楽しめる仕立て。そして食べ進めると、リヨン風ということで、内臓と玉葱。「とかちハーブ牛」のハツとレンズ豆と玉葱のソースがホワイトアスパラガスを飾ります。ホワイトアスパラガスと言えば、オランデーズソースで食べるのが一般的かと思いますが…なんという攻めの料理。ホワイトアスパラガスの甘味に内臓の鉄っぽい味わいがとてもよく合います。
オコゼのムニエル ソースアルベール♡
供されると、ふわりと桜の香りがする魚料理。若竹煮のように筍・若芽・春キャベツが敷かれた上にはオコゼのムニエル、ソースは伝統的なソースアルベールを使っています。ムッチリとした食感のオコゼは甘味もあり、そこに旨味の強いソースアルベール。まさに五感で味わえるような魚料理です。
フランスより リムーザン産 仔羊のロースト アーティチョークのバリグール添え♡♡
羊らしさがあるリムーザン産の仔羊。柔らかなロース、火入れを変えてカレーの風味を付けた骨際、カブリの部位はマスタードを塗ってあり、3種の味わいで楽しめます。濃厚な赤ワインのソースはたっぷりとかけられていますが、「きっとあまりかけていない肉本来の味わいが好みかと思って」と、肉にはあまりソースをかけていない状態のものもありました。私の好みを知ってらっしゃる柴田シェフの心遣いに感謝です。
目を奪われるような綺麗なロゼ色、カトラリーで触れるだけで崩れてしまいそうな繊細さ、香りは確かに仔羊。でも明らかに違うジューシーな旨味がこの仔羊にはあります。実に素晴らしい味わいです。
ブラッドオレンジと清見のテリーヌ
モヒートで固めたブラッドオレンジと清見のテリーヌ。爽やかだけでなく、上にあるブラッドオレンジの皮のコンフィチュールの苦味やココナッツのコク、そしてミントの香りも加わり、口直しとしては最上の味わい。
抹茶とトンカ豆
抹茶とトンカ豆の異なるほんのりとした甘味が楽しめます。
イチゴ フロマージュブラン アマレット
食感のプラリネ、紅茶とアマレットのアイス、フロマージュブラン、春菊の新芽が彩ります。ソースは赤ワインとバルサミコ。香り高いアイスとコクのあるフロマージュブランの中で、イチゴの酸味が軽やかに映えます。
ミニャルディーズ
レモンのマカロン・日向夏とエルダーフラワーのゼリー・ナッツのフロランタン・カヌレ。いつもながらに、目を奪われるような綺麗な盛り付け。選べるお茶は、カモミールブレンド。
去年の『2周年記念コース』と比べてみると、アスパラガスやオコゼなど使っている食材に同じものはあれど、明らかに違うのは料理の完成度。目や舌だけでなく、香りや食感のアクセントもとても大切にするように考えられている料理が多くて、五感で味わえる料理だと思いました。味わいを積み重ねていくような料理もあれば、鮎のように一つの食材を引き立てるような料理もあり、3周年記念に相応しい素晴らしい内容でした。
柴田シェフ、今回もありがとうございました。また夏頃に『鮑』をいただきたいと思っています。その際は宜しくお願いします。19008
2018.12.
去年はかなりギリギリにお願いをして食べた柴田シェフが惚れ込んだ『新潟県燕三条の鴨』。今年も素晴らしいのが届いていると聞き、やってきたのは白金高輪にある「La Clairirere」。
先日のミシュランの発表で、見事に*がついたフレンチレストラン。シェフは恵比寿にある「モナリザ」出身の柴田 秀之さん。ご出身のお店の料理を食べたことがないので、どのような料理を作られてきたのかは分かりません。ですが、柴田シェフの料理に対する真摯な姿勢、全ての食材やそれを作られる生産者の方々や料理の向こうにいる私たちに対しての敬意が1つ1つの皿に宿っているような料理が私は好きなのです。
Menu Les Arbres -木々-
アミューズブーシュ
鹿のブータンノワールバーガー・北海道白花豆のカスレ 十勝牛のトリッパ・さがほのか バスク産チョリソー コンテ
遊び心のあるアミューズかもしれませんが、まずここから美味しい。
カリフラワーの四重奏♡
上から濃厚なカリフラワーのヴルーテ・広島産藻塩のゼリー・カリフラワーのムース・茹でたカリフラワーから成るカクテル。
茹でた透明なカリフラワーの食感と3種の調理を施したカリフラワーの味わいに、藻塩の塩気が絶妙なアクセントを加え、見た目も味わいも美しい。
岩手県広田湾より 真牡蠣 51°C
2種のほうれん草を纏った真牡蠣は、鶏の出汁でゆっくりと火入れすることでぷっくりとして、身には生の食感と火入れした味わいを併せ持ちます。ソースは牡蠣の出汁にレモンを加えたもので、別のグラスで供される牡蠣の出汁はよりクリアな味わいを楽しめます。
北海道釧路より 真鱈の白子 春菊 カブ名人♡
福島県須賀川の蕪名人と呼ばれる方の蕪の口当たりは甘く、最後にほろ苦さがふわりと残ります。白子のムニエルはクリーミーで甘く濃厚であり、無垢。春菊のソースが彩りも綺麗で、全体的に味をしめています。
北海道釧路より 海胆と古代米のシェリーヴィネガー風味
供されると、ふわりと黒トリュフの香りが身体を包む「鮨」をイメージしたという一皿。釧路産の海胆はまず焼いてから、上にパルメザンチーズをかけて温めています。モチモチとした古代米とシェリーヴィネガーの酸味の中で濃厚な海胆の甘さが際立ちます。
島根県より 香箱蟹のグラタン モンドールの香り♡
香箱蟹の殻に身と内子・外子を詰めて、マスタードで和えた菜の花、モンドール、オランデーズソースを入れて、泡状にした蟹の出汁をかけたもの。香箱蟹のプチプチとした食感を生かしながらも、マスタードと菜の花のほろ苦さが身の甘さを引き立てます。添えられている蟹でとった上湯のようなスープが絶品。香りからもう凄くて、濃厚でありながらも途轍もなくクリアな味わい。
仔猪の前脚の煮込み マデラ酒風味
マデラ酒の芳香と甘味の中で、柔らかな仔猪とフォワグラがとろけ合い、セップ茸とシャントレル茸がそれぞれの味を重ね合わせて、倍加して累乗させるような料理。
キンキのヴァプール ブール・ド・トマト♡
750gのキンキが入荷したそうで、作っていただいた料理。コニャック・ノイーリー・白ワインを入れたバターとトマトのソースの酸味の中で、たっぷりと脂がのったキンキが軽やかになってふわふわとした食感を楽しみながら、最後にはキンキの甘さが口いっぱいに広がります。
新潟県燕三条より 青首鴨2皿の仕立てで♡♡
「きっと、nao.さんはこちらの方が好みでしょう?」と、鴨のジュ・大麦・蕎麦の実を使った『鴨南蛮』をイメージした料理を多めに作ってくださいました。エロチックな火入れの肉厚の身からは噛みしめるたびに、力強い旨味が溢れ、ふわりと甘い香りが鼻から抜けます。実に美味しい。
2皿目は、クラシカルな血を使ったサルミソースで、胸肉・ササミ・手羽をいただきます。しかしこのサルミソース、去年よりもずっとマイルドな感じ。もっと圧倒するような強烈さがあったと思うのですが…私の為にしてくれたのかな?「こんなに綺麗に食べていただけると、嬉しいです」と褒めていただきました(笑)
洋梨 白ワイン
口直しは、洋梨のグラニテ。
タルトタタン♡
冬のスイーツの代表的な『タルトタタン』を再構築。本来ならばないであろうサクサクとした食感があります。柴田シェフのデセールは、いつも美しくて美味しい。
小菓子
エルダーフラワーと柿・カヌレ・バラとフランボワーズのマカロン・キャラメルとナッツのフロランタン。
クリスマスシーズンらしく、華やかな盛り付け。
今回も実に素晴らしい料理の数々でした。おそらくは顧客データもあるのでしょう。的確に好みの味わいに仕上げていて、食べたい食材を伝えればきっと素晴らしい味わいの料理に出逢えると確信しています。
次回は年明けに入荷するであろうスペシャルなジビエ。来年もまた楽しみにしています。ご馳走さまでした。19602
2018.8.
某日、TLを見ていると目にとまる『鮑』の画。直接シェフに聞いてみると、自分の中では一番という『鮑』の調理法なのだそう。それは気になる!ということで、早速予約を取って再訪したのは白金高輪にあるフレンチレストラン「La Clairirere」です。シェフは、柴田 秀之さん。食材とその食材に関わる全ての方に敬意を払い、真摯に皿に向き合う真面目を絵に描いたような方です。
いつもランチ利用ですが、内容がいつもランチではないというスペシャルなランチコース。基本的には私からは食べたい料理を言って(今回は『鮑』)、後は全て柴田さんにお任せしているので、何皿でどんな構成なのか全く分かりません。
本日の献立
アミューズ
ブータンノアールのミニバーガー・グルヌイユのムニエル・モンサンミッシェル産 ムール貝
特にムール貝は日本酒と白ワインで蒸しており、小ぶりながらも味が濃くて美味しい。グルヌイユ(蛙)も素晴らしい。
大石早生 生ハム ガスパチョクラリフィエ ♡
四層構造になっており、下から赤ピーマンのムース・大石早生(プラム)と生ハムとバジルのサラダ・グレープフルーツとウオッカのソルティードッグ・ガスパチョを濾して作るガスパチョクラリフィエ。知っているガスパチョよりも、ずっと洗練されておりクリアな味わい。その中でプラムの酸味や生海胆の甘味が映えます。
黄色ズッキーニ 石垣貝 アオリイカ オリーブ
温かい前菜。ズッキーニの中心部にはクスクスのタブレ、炙った石垣貝とアオリイカの甘味、オリーブの苦味、ソースピカンテの辛味と一つの皿で4種の刺激を味わえる皿。一つでもバランスを崩すと味わいが狂ってしまう中で、絶妙なハーモニーです。
京都舞鶴より 岩ガキ 51℃
岩牡蠣を51°Cという温度をキープして火入れし、添えてえるのはオカヒジキとジャガイモ。食感は生ですが、味わいは火入れしたものという面白い料理。別のグラスで供される牡蠣の出汁と一緒に味わえば、口の中で牡蠣が蘇るかのような感じになります。
カキ 牛 タルタル ♡♡
先程の岩牡蠣の外套膜を牛のタルタルに混ぜ込んだ料理。これはすごい!フランスでは意外とポピュラーらしいですが、牡蠣にこんな使い方があるとは!柴田シェフのセンスが光ります。
天然ナメコ 枝豆 オマール ♡
底には海胆のフラン、バターでゆっくりと火入れしたオマールブルーに天然のナメコと枝豆を入れた料理。この小さな器に似つかわしくないオマールブルーの存在感。海胆のフランの甘さを上書きするようなオマールブルーの甘さがいつまでも残ります。
ウナギ フォアグラ 水ナス ♡♡
上から水茄子の皮・鰻の白焼き・鰻のマトロート・フォワグラ・水茄子という構造。これは素晴らしく、美味しい。白焼きのパリッとした鰻とじっくりと煮込まれたマトロートの鰻、2種の鰻が織りなす味わいをフォワグラで加速させて、それを確りと水茄子が受け止めています。素晴らしい完成度です。
真ハタのシャスール風 ♡♡
これも素晴らしい!ムニエルされた真ハタはナイフを跳ね返すほどで、口の中でもプリプリとした食感を楽しめます。そして、ソースシャスールが味わいに奥深さを与えていて、魚料理とは思えないほどのアタックを受けます。添えてある季節のキノコや生七味と生セロリのサラダを乗せてあるフリットも絶品。
京都舞鶴より 黒鮑 ボルディエバター ♡♡♡
リクエストしていた丸々1個の黒鮑。なんと、600グラム近い大物を手に入れて下さいました。これをゆっくりとボルディエバターのみで火入れ。
蒸し鮑のようなムッチリとした食感もあれば、生のコリコリとした食感もあり、生と火入れした鮑の良さを全て味わえる料理となっています。
ルーアン鴨 そのジュで ♡♡
そして、肉料理。何種類か候補を立てていただき、その中から選んだのがこの『ルーアン鴨』。フランス北西部のジャンヌダルクの火刑の地としても有名な街であるルーアンの特産品で、生産量の少なさと血を抜かずに屠殺することから体内に血液が留まりうっ血し、他の鴨肉に比べて肉の色合いが鮮やかで、肉質も柔らかい鴨肉です。料理法などは全て柴田シェフにお任せして作っていただき、供されたのがシンプルな仕上がりの皿。「ソース確りよりも、こちらの方が好みかな?と思いまして」と、さすがよくご存知だ。
フォークを刺すだけで溢れて出る肉汁、口に入れればとても濃い味わいが広がります。「ルーアンなら、血を使ったソースだろ!」という声も聞こえてきそうですが、あえてそうしなかった柴田シェフの心遣いに感謝です。私は多分、この皿の方が好き。
ライチ グレープフルーツ 桂花陳酒
口直しのグラニテ。夏らしく、とても爽やか。
ヴァジュランパッション
ココナッツのメレンゲにパッションフルーツのソルベ。魚料理や肉料理はグイグイ攻めてきますが、デゼールはいつも繊細な仕上がり。
ミニャルディーズ
バラとフランボワーズのマカロン・フロランタン・カヌレ・紅茶とイチジクのコンポート。数種類から選ぶことが出来る飲み物は、『サントノーレ』という紅茶。
今回もランチではないランチコースをありがとうございました。特に何も言いませんでしたが、食べたかった『鰻』も出していただき嬉しかったです。そして、あんな大物の『鮑』も手に入れて下さったことは感謝しかありません。いつもいつもありがとうございます。
次回は、コルヴェールとべキャス。今年も楽しみにしております。柴田シェフとスタッフの方々、また宜しくお願いします。ご馳走さまでした。28749
2018.4.
2周年を迎えた白金高輪にあるフレンチ「La Clairirere」が、期間限定で『2周年記念コース』を提供しており、メニュー内容も食べたい料理が多かったので、それに合わせての再訪。同じ時期にイタリア・トスカーナから「神の牛」と言われている『キアニーナ牛』も入荷すると聞き、それも食べたいと予約時に伝えておきました。
『La Clairirere~2周年記念メニュー~』
アミューズ
日本鹿のミニバーガー・鴨のリエット・枇杷とチョリソー。
特に枇杷とチョリソーのマリアージュが素晴らしく、枇杷の甘さとチョリソーの脂が口の中で混じり合う様は身悶えます。
ホワイトアスパラガスの三重奏 ♡
下からホワイトアスパラガスのムース・ジュレ・スープから成るカクテル。ホワイトアスパラガスの香りと味わいがギュッと詰まった美味しさ。食べ終えた後も、鼻から抜ける香りも美味しい。素晴らしい完成度です。
高知県より 『狼桃』の一皿 ♡
原産地のアンデスの土地に近づけることで、虫すらも寄せ付けない逞しさのある『狼桃』というトマト。
お皿の手前には『狼桃』をそのままで味わえるものを。奥にはシェリーヴィネガーなどで調理をしたもの、添えてあるのは『流氷開け毛蟹』とクレソンのソースとクレソンのスプラウト。
毛蟹の甘さとクレソンの苦味に負けない『狼桃』の極濃厚な旨味は驚愕です。トマト大好きなので、山盛りされた『狼桃』に手を出してしまいたくなるほどに美味しいトマトでした。
テットドコション オマールブルー 筍 ♡
豚の頭を余ることなく使った伝統的な料理のテットドコション、オマールブルーは海藻バターでゆっくりと半生に、鹿児島県産の筍、ウイキョウのブレゼをオマールブルーをミキサーにかけて赤ワインを加えたシヴェソースとオマールブルーと生クリームの泡状ソースでいただきます。
口の中で目覚めるようなテットドコションはカリカリとした食感もあり、実に美味しい。特にこのオマールブルーの全てを味わうようなソースは、絶品。ふわりと香る山椒の香りも爽やか。
十勝ハーブ牛レバーのポワレ グリーンアスパラガス シェリーヴィネガーのソース
シンプルにレバーを焼き上げ、グリーンアスパラガスもシンプルに茹で上げたものをグリーンアスパラガスのピューレ・シェリーヴィネガーソース・オランデーズソースでいただきます。
とろりとしたレバーは独特の味わいも残しながらも3種のソースを纏うことで、かなり濃厚な味わいになっています。決して休ませることのないラッシュを食らっているような料理が続きます。
山口県萩より 虎魚のロースト
プリプリとした虎魚のロースト、付け合わせには虎魚の内臓(胃袋)を入れたジャガイモクレープとおかひじきと田ゼリ。ソースは胡椒が効いたポワヴラードソース。甘さと苦みの付け合わせが、この虎魚を更に光らせます。魚料理とは言え、攻めの料理。
イタリア・トスカーナ産 キアニーナ牛(100グラム) ♡
通常コースのメインから限定入荷していたイタリア・トスカーナ産の「神の牛」と称される『キアニーナ牛』に変えていただいた私だけのメイン。100グラムで、8000円というなかなか高価な牛肉です。
まずは小皿にある塩のみで味付けされた『キアニーナ牛』から食べます。ナイフが生き物のようにするりと肉に入っていき、口に入れると、薫香が鼻を擽ります。噛み締めると、溢れ続ける旨味が赤身の素晴らしさを身に刻みつけていくよう。かなりあっさりとしているので、まるで飲めるような感じ。特にカリッと焼かれた脂身がある部分が絶品です。次回は、もっとガッツリといただきたい。ワインはLes Fiefs de Lagrange 2011。
木の芽 エルダーフラワー シトラス
一口で今までの世界が変わるような口直し。
ヌガーグラッセ
既存のヌガーグラッセを再構築。チョコレート・ドライフルーツ・液体窒素で固めた生クリームを使い、温度帯を変えています。
フレジエ
スポンジはバジルオイルを加えて、マジパンで固めたものを彩るように、フレッシュの苺・苺のシャーベット・苺のソースなどの苺で満たされています。
飲み物はいつもはハーブティー系ですが、この苺に合わせてコーヒーを選んだとのことで、それならばコーヒー一択です。
小菓子
盛り付けも夏らしい美しさです。
「2017年に作った料理の中で完成度も高く、特に思い出の深い料理。言わば4番バッターのような料理ばかりをコースにしました」と柴田シェフが仰ってるように、全てがスペシャリテと言ってもいいくらいに美味しい。最初からフルスロットルで、食べ手を休ませることなく畳み込むような料理の数々。やはり、私はクラシックフレンチの方が好みということを再認識させてくれました。
次回の訪問は未定ですが、ジビエシーズンに再訪することは確実です。お忙しい中で、外まで見送りして下さり、ありがとうございました。また宜しくお願いします。
2018.2.
シェフが惚れ込んだ『青首鴨』が食べたい…。ジビエシーズンもそろそろ終わる2月上旬に、前回の訪問時にリクエストした『青首鴨』を食べに「La Clairirere」へ再訪です。
今回もランチ利用ですが、分かっているのは『青首鴨』がメインということだけ。品数もお店にお任せしてお願いしました。
真っ白な店内の全てのテーブルにはカトラリーが並べられ、まだ来ぬゲストを待ち侘びています。席に案内され、今回のコース内容を聞くと、ディナーコースでの用意だそう。後から分かったことですが、どうやらスペシャルコースだったようです。
実食
3つのアミューズブッシュ
日本鹿のブータンノワールのミニバーガー・本州鹿のパテドカンパーニュ・栃木県産スカイベリー。どれも一口サイズながらも、実に美味しい。特に『本州鹿のパテドカンパーニュ』は、最後に本州鹿の香りと甘さが広がり、少量なのが惜しいくらいの美味しさ。
下仁田葱4種のキノコトリュフ
底にある下仁田葱のフランの甘さの中で、トピナンブール(菊芋)の泡ソースとヒラタケ・マイタケ・エリンギ・シャントリルの4種のキノコが織りなす食感のリズムが楽しい。
筍 海胆のリゾット ♡
走りの鹿児島産の筍を使った一皿。海胆リゾットと大阪から取り寄せた湯葉を合わせ、上から生海胆と茹でた筍とグリルした筍を盛り、下にはオマール海老のビスクを敷いた贅沢なリゾット。筍の甘さや食感、生海胆の濃厚さが素晴らしく、美味しい。
真河豚の白子 インカの目覚め ♡
ソースは甘みのあるペリグーソースとインカの目覚めのピューレ。インカの目覚めのコンフィの上にある真河豚の白子は、コンソメスープでじっくりと火入れを施したもの。とろりとクリーミーな白子は、雑味のない純粋な無垢の味わい。主役でありながらも、インカの目覚めのソース的な感じにもなり、ペリグーソースと合わさり美味しさを加速させます。
豚足 リードボー
トロトロの豚足の中にリードボー・海老・キノコのデュクセルを入れて、網脂を巻いてこんがりと焼きあげた料理。ソースは酸味のあるシェリービネガーソースなので、極濃厚な豚足と相性がよく、美味しい。
ドーバーソール 赤ワインソースで
肉厚のドーバーソールの上には、ホタテムースとキノコのデュクセルを盛り、パン粉をつけてカリカリに焼きあげています。下にはちりめんキャベツのブレゼ、ソースは珍しく赤ワインソース。魚のアラと水の代わりにたっぷりの赤ワインを使ったソースは、シェフのお気に入りだそう。ジューシーなドーバーソールに、濃縮した赤ワインソースがよく合います。魚料理なのに、肉料理に匹敵するアタックです。
新潟県燕三条産 青首鴨の四重奏 ♡
今回の私のリクエストに応えていただいたシェフ自慢の燕三条産の青首鴨。半身を4つの異なる仕上げをして、味わいます。
まずは胸肉。添えてあるのは、根曲り葱と蕎麦の実のリゾット。シェフが仰るには、イメージしたのは『鴨南蛮そば』だそうで、日本の鴨にはよく合う味わいなのだそう。
鴨はナイフを跳ね返すほどの弾力がありながらも歯切れは良く、鴨の旨味が凄い。甘さすら感じるほどにジューシー。今回の私の一番!
次も同じく胸肉を使った一皿で、定番のサルミソースで。内臓を入れた極濃縮されたサルミソースは、他店を圧倒するほどに味も香りも凄い。
藁焼きした腿肉は、胡椒の効いたポラヴラードソースで。豪快に手づかみでいただきます。これも実に美味しい。ワイルドな歯ごたえもありながら、鴨の旨味がそれを超えます。
ラストはササミの部位。鴨のガラから摂った滋味溢れるコンソメスープとともに。
イチゴ マスカルポーネ バジル
プチプチとしたバジルシードとマスカルポーネが爽やかなポーランド産イチゴのトゥルカフカと合わさり、口直しとは言えどかなり濃厚。
トリュフのプリン
牛乳で作った泡の下には、トリュフがたっぷりと入れられたプリン。牛乳の泡やトリュフは別として、このプリンは濃厚で美味しい。
オペラ
目の前で温かいチョコレートソースをかけるという演出もあり、味わいは甘みと苦みが異なるチョコレートなので、口に入れて完成するデザート。
コーヒーまたは紅茶、ハーブティ
小菓子
今回もどっしりとした重厚なフレンチで、実に美味しい料理の数々でした。特に『青首鴨の四重奏』の最初に供された料理は、素晴らしいの一言。当初はサルミソースの料理は提供しておらず、このシンプルな料理だけだったとか。来年はサルミソースではなく、この調理法だけでこの鴨はたっぷりと食べたいかも。
これから夏に向けて、あまりフレンチには目を向けてなかったのですが、5〜6月には『鮎』を使った料理を提供するそうで食べてみたい。ともあれジビエを通して、また素晴らしいお店に出逢えたことを感謝です。
また宜しくお願い致します。
2018.1.
現代は便利になり過ぎて、食材への感謝が希薄になりつつあります。どの季節でも食材の後ろには、生命があります。特に、今はジビエシーズン。尚更、生命の煌めきをひしひしと感じます。
ジビエシーズン中に行きたいお店は何軒かチェックしていたのですが、Twitterで信頼できるフーディーの方々が絶賛しており、更にお店のHPを見て、心の琴線に触れたお店。
「La Clairirere」
何かと縁のある白金高輪にあるフレンチレストランで、オーナーシェフは柴田秀之さん。「レストランモナリザ」でシェフを7年間勤めており、満を持しての独立だそう。といっても、私は柴田シェフの料理は食べたことがないので、全くの未知の領域といったところでしょうか。
店内は白を基調としたエレガントな雰囲気で、店名である「クレリエール」= 森林に降り注ぐ陽の光のような柔い照明が照らしています。
実食
日本鹿のミニバーガー
日本鹿の血を使ったブーダンノワールと林檎を挟んだミニサイズのハンバーガー。小さいながらも、確りとブーダンノワールの味がします。ブーダンノワールもですが、ブリオッシュ生地のバンズが美味しい。
カリフラワー 海胆 タラバガニ
カリフラワーのスープ。中には海胆のフラン・タラバガニ・数の子・餅・柚子・柚子の皮が入っています。一口目はタラバガニの甘さ、二口目は海胆のフランの濃厚な旨味、三口目は数の子や餅の食感を楽しみながら、鼻に抜ける柚子の香りが爽やか。
メジナのマリネ
京野菜や新春の野菜である蕗やタラの芽などと共に柑橘系の香りをつけて、芹のソースでいただきます。メジナや野菜の繊細な味を楽しめるようなソースの味付けは素晴らしい。
長崎県小長井産 真牡蠣 51°C
51°Cで半生に火入れいた長崎県小長井産真牡蠣を和牛のクリの部分で巻き、下にちぢみほうれん草を敷いた品。真牡蠣はぷっくりとした絶妙な火入れで、そのまま食べれば真牡蠣らしさを、牛肉と共に食べればそれぞれに足りないものを補っているような料理。真牡蠣の出汁もグラスで供するという演出もいいですね。
キンキ コンソメブイヤベース
皮目をパリッとさせたキンキに、下には鮟鱇の皮と胃袋のトマト煮、軽く炙った天使の海老とアオリイカを敷き、上から極濃厚なブイヤベースをかけて。
非常に美味しい。上に盛り付けられる魚は、人によって違うみたい。隠し味は白味噌らしいこのブイヤベースは、少々塩気が強い気もしますが、食べ終えた後も喉と鼻からその余韻に浸れます。
リエブルロワイヤル
素晴らしい。大きめのポーションで、ねっとりとした身に絡まる濃厚なサルミにも負けないリエブルの香りと味わい。特に香りが力強く残っており、実に美味しい。
熟成パロンブとフォワグラのトゥルトー
中にはパロンブのフィレ、フォワグラのポワレ、ジビエのミンチ。サルミと赤ワインのソースを選べる中で、先程がサルミだったので、今回は赤ワインで。
何気にパロンブは初。そもそもパロンブってあまり聞いたことがなく、調べてみると、ピジョンラミエが雑食なのに対して、このパロンブは主に木の実を食べている美食鳩らしい。ハトは鉄っぽくて、あまり好きではないのですが、パロンブはその鉄っぽさがないという。食べてみると、確かにハト独特の鉄っぽさがなく、肉質はきめ細かでかなり味が濃い。一緒に入っているフォワグラや極濃厚の赤ワインソースにも負けないくらいの味わいです。
セカンドディッシュは、パロンブの腿の部位をポワヴラードソースで。これはストレートにパロンブを味わえます。ジビエらしい筋肉質の確りとした歯ごたえ、そしてハトらしくない味わいはハトの概念を変えてくれました。パロンブはもうシーズンオフなので、次回はトゥルトーではなくローストでも食べてみたい。
口直し
洋梨のコンポート。
デセール
数種あるメニューから2種を選びます。私はクレームブリュレと紅茶のアイスクリームを。普通に美味しい。
ミニャルディーズ
飲み物も数種類から選ぶことができて、コーヒー・紅茶・4種のハーブティーがあります。私はハーブティーのジンジャーティーを。ミニャルディーズも何となくクリスマスチックな盛り付けで、綺麗。
食事を終えると、シェフの柴田さんがご挨拶に来て下さり、シェフの食材に対する真摯な姿勢と思いを教えていただきました。物腰の柔らかく、信頼できるシェフだと思います。なので、シェフの思い入れがあるという『燕三条の鴨』を使った料理を食べてみたくなり、その場で次回の予約を入れてしまいました。
「トラディショナル クラシック アラカルト」というコンセプトを掲げているそうで、料理はどれもソースもたっぷりで、王道のフレンチを感じさせて、実に好みで美味しい。ちょっと通ってみたいフレンチレストランが出来ました。
去年からの常連店に加えて、新店舗の4店が特に感動を与えてくれました。おそらく、今回選ばせて頂いた10店舗はずっと通い続けたいと思っているお店です。