nao...さんが投稿した虓(東京/虎ノ門)の口コミ詳細

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Delicious Days!~孤高の食べ歩き~

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虎ノ門/創作料理

2

  • 夜の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク -
2回目

2020/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

美食と哲学

2020.10.

食材を切る瞬間、時が止まった。

そんなふうに思えたのは、「虎ノ門 虓」の佐藤 慶さんが食材と向き合い、包丁を構えた瞬間。静まりかえっているわけでもない店内で、佐藤さんの周りだけ時が止まったかのように感じられました。まさに気合いが込められた料理。今夜も真剣に向き合いたいと思います。

アラの出汁
本日使う魚のアラで取った出汁にお茶のカテキンを混ぜたもの。
まずは魚の旨味がきて、口の中で出汁を回しているとお茶の味わいが感じられます。

黄鯵の揚げ物
兵庫県淡路島産の黄鯵を脂を落としながら揚げたものに、油を殆ど入れないで京都の千鳥酢とお店で使っている卵で作ったタルタルソースと共に。
この黄鯵そのものが驚愕の美味しさ。脂が多いのではなく旨味が強い。そして、このタルタルソースが旨味の底上げをしているかのよう。

葡萄烏賊♡
北九州産の葡萄烏賊を入念に隠し包丁を裏表に入れてからそぎ取りして、裏漉しした筋子をソースとしてかけたもの。
この葡萄烏賊の舌に吸い付くような食感とねっとりととろける感じが未体験な味わい。泥障烏賊ほどは甘くなく、さらりとした甘味があり、そこに筋子のコクのある旨味が加わることで旨味が加速します。

白川♡
愛媛県八幡浜産の白川(白甘鯛)をなんと小柱でポシェ、下に敷かれている春菊は浅蜊でポシェしたもの。
春菊を食べて気づく。何故、同じ浅蜊じゃダメだったのかを。きっと浅蜊だと旨味が強すぎて、折角の白川の旨味が台無しになってしまう。小柱の優しい旨味のベールが包む白川は、確り白川そのものの味わいを残しています。

自家製パンとバター♡
乳清で練り上げた焼き立て自家製パンに生乳から作った自家製バターを挟んだ、まさにバターを味わうかのようなシグネチャー料理。
「もう食べ飽きたでしょう?」と佐藤さんは仰いましたが、毎日食べても食べ飽きない美味しさ。毎日、食べたいなぁ♡

シャモロック
岩手県産の松茸を青森県産シャモロックで巻き、シャモロックの出汁と赤ワインでマリネした後、油かけて続けることで火入れしたもの。
まずは赤ワイン?の酸味がふわりときて、確りとした身質のシャモロックの強い旨味が支配して、最後に小気味よい歯応えの松茸の香りがぶわりとします。

喉黒♡
シャンパンと美濃のお酢で余分な皮下脂肪を落としてから焼き上げた喉黒。
よく鮨店で食べるのも明らかな違いは食感。口の中に入れた途端にとろけてなくなってしまうのではなく、確りと留まって咀嚼できるという新食感。

自家製バケット♡
先程のパンとは違い、水・塩・レモンのみで焼き上げたバケット。熱々のところを自家製バターをたっぷりとつけて食べると美味しさが止まらない。

南京南瓜のディップ
南京南瓜を半分に切り、その中にシャブリ入れて蒸しあげたディップ。ただ甘いだけでなく、キレ味のある甘さで実に美味しい。

蟹コロッケ♡
北海道噴火湾産の毛蟹に黒鮑の肝のコクをプラスしたコロッケ。ソースは三河湾の青混ぜ海苔。
何という旨味の爆弾。毛蟹の甘味に黒鮑の肝の濃密な旨味が重なりあい、そこに海苔の香りがふわりとして、至福のひと時が流れる感じ。

トマトパスタ♡
トマト・水・塩と余計なものは加えずに作られた冷製パスタで、メインの前の口直し。まるでトマトそのものを味わっているかのようなパスタで、トマトの甘味や酸味を確りと感じられます。

蔓草牛の煮込み
日本古来の牛という「蔓草牛」を使い、牛筋で取った出汁に少量のボルドーを加えて煮込んだメイン料理。
肉自体は極限まで煮込まれいるのでトロトロ。しかしながら旨味や甘味は確りとして、肉本来の美味しさを楽しめます。下に敷かれたマッシュポテトと食べると、甘味が更に増して美味しい。

九絵の味噌汁
味噌は香り程度で、浅蜊の出汁の旨味が飲んだ瞬間にグッときます。

焼き鯖と出汁巻玉子♡
今夜の銀シャリのおかずは、焼き鯖と出来立ての出汁巻玉子に自家製紅生姜。出汁巻玉子はほわんっとした甘味の中で出汁の旨味があり、鯖は旨味が迸るよう。ご飯が止まりませんね。

ブイヤベースカレー♡
ブイヤベースにクミンとターメリックを入れたその時だけの味わいのカレー。特に同じ味わいを目指しているわけではないらしく、まさに出汁を味わうカレー。

うれしの茶
香りが強く、コクのある甘味のお茶です。

栗くず餅
出来立ての餡子を練りたてのくず餅で包んだ甘味。くず餅の中には前日に塩水で茹でてから一晩置いた栗をたっぷりと入れられています。
驚くほどに栗感が凄い。餡子の仄かな甘味の中で、栗の味わいと香りが映えます。

カヌレ♡
家に帰っても、今日を反芻することができるお土産の『カヌレ』。いつもながらに素晴らしい!

調理法はフレンチやイタリアンのように旨味と旨味を重ね合わせる掛け算のようですが、口にすると食材の余分なところを削ぎ落とし、良いところを引き出している引き算のような味わい。まさに「佐藤慶」というジャンルの料理だと思います。
「盡」時代から佐藤さんと付き合いがあったわけでもなく、まだまだ出逢って日が浅いですが、強烈に人柄に惹かれます。物腰柔らかく、優しい口調でありながらも、内に秘めた烈火の如き熱い魂のようなものをビシビシと感じられ、畏敬の念すら覚えます。勿論、料理も素晴らしいのですが、どうやら私は「佐藤慶」という料理人に惚れ込んでいるようです。

今夜も感動をありがとうございました!40000

  • 2020.10. アラの出汁

  • 2020.10. 黄鯵の揚げ物

  • 2020.10. 葡萄烏賊

  • 2020.10. 白川

  • 2020.10. 自家製パンとバター

  • 2020.10. シャモロック

  • 2020.10. 喉黒

  • 2020.10. 自家製バケッ

  • 2020.10. 自家製バター

  • 2020.10. 南京南瓜のディップ

  • 2020.10. 蟹コロッケ

  • 2020.10. トマトパスタ

  • 2020.10. 蔓草牛の煮込み

  • 2020.10. 九絵の味噌汁

  • 2020.10. 焼き鯖と出汁巻玉子

  • 2020.10. ブイヤベースカレー

  • 2020.10. うれしの茶

  • 2020.10. 栗くず餅

  • 2020.10. カヌレ

2020/11/17 更新

1回目

2020/07 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

美食と哲学

2020.7.

真摯に食材と向き合うことで、その食材たちが思いに応えるような味わい

「銀座 盡」の時には出逢うことが叶わなかったオーナーシェフ佐藤 慶さん。どういうわけか御縁があって、新しいお店である「虎ノ門 虓」で食べさせていただくのは今回が2回目。1周年を迎えたということで、今まで写真はNGでしたが、解禁と共にSNSにも投稿OKとなったそうです。今までは私のような一見客にも予約を解放していましたが、もうそれはしていないそう。

当日。
店内へと続く階段の前でゲストを出迎えてらしたのは、なんと佐藤さん。相変わらず、優しい物腰に真っ直ぐ見つめる真摯な対応、世が世ならば侍とはこういう方のことを言うのだろうなと思いつつ、店内へ。
湯を沸かす茶釜や竈や焼場もある銅と真鍮が織りなすオープンキッチンは、厳かな空気と共にどこか懐かしさを感じられる…そんな不思議な雰囲気があります。

本日の献立

御出汁
本日使う魚の出汁を白濁するまで焚いて、嬉野茶の茶葉でカテキンを追加した出汁。初めは出汁の香り、次には茶葉の仄かな苦味、最後には旨味が華やぎます。

天然縞鯵の揚げ物♡
バジル・トマト・鮎から作られたソースはそれだけ舐めると、かなり味わいも香りも強い。しかしながら、縞鯵と一緒に食べると先程の強い味わいは嘘のようになくなり、魔法のように一体感を感じられます。

鮑麺♡
浅蜊の出汁で茹で上げた鮑とその出汁に肝を加えてソースとしたものを和えたカッペリーニ。仕上げに広島県産のレモンと黒胡椒をかけてから供されます。鮑の肝を使った料理で、ここまで爽やかに表現できるのか驚く逸品。上に盛られた鮑は旨味と香りもあり、肝を使った出汁は驚くほどに爽やか。

白川の蒸し物♡
愛媛県八幡浜産の白甘鯛(白川)を使ったもの。とてもいい白川だったそうで、ほぼ手を加えずに蛤の出汁のみで蒸し上げたそう。旨味×旨味の激流が凄い!一気に飲み込まれるような感じ。出汁も濃厚なれど、塩気は絶妙。

自家製パンとバター♡♡
一口サイズのパンに切れ込みを入れて、その間に自家製バターをたっぷりと挟んだシグネチャー的なもの。パンはバターから出る乳清で作っているそうで、牛乳の味わいも感じられて兎に角、美味しい。更に今夜は黒トリュフがたっぷりと挟まれていて、香りが素晴らしい♡

牡蠣のバター焼き♡
今まで食べた牡蠣料理の中で1番美味しい!牡蠣は葱・自家製バター・シャンパンで焼き上げただけと佐藤シェフは仰いますが…とんでもない美味しさ。牡蠣のミルキーな甘味とバターの香りと甘味が一体となって、口の中に広がります。

自家製バケット♡
水・塩・レモンだけで焼き上げたバケット。先程のパンとはまた違い、焼き立ての小気味良いバリッとした食感が楽しめます。今夜はディップまであって、大好きな自家製バターを楽しめなかった…。と伝えたら、私の為だけにまた焼いて下さいました♡あまりバケットって食べないのですが、永遠に食べ続けられそうな味わい。

トウモロコシとトマトのグラタン
北海道産トウモロコシと京都府大山崎産トマトを使ったグラタン。バケットのディップとして使って下さいとのことですが…単体でも勿論、美味しい。トウモロコシの甘味とトマトの酸味が絶妙なバランス。

豚バラと安納芋
豚骨と牛骨で焚きあげた豚肉を赤ワイン・バルサミコ酢などでマリネしてから焼き上げたもの。ソースは安納芋だそう。安納芋の甘さが勝つのかと思いましたが、溢れ出るのは豚肉の脂の甘味。安納芋は全面に出ることなくコクを底上げしている感じでしょうか。

北海道大樹町の蜆汁
年に一度した漁が許されていない北海道大樹町産の蜆と愛媛県宇和島の水を使った吸い物。グッとくる味わいが柔らかく、そして重い。

横山さんの鰻と出汁巻玉子♡
まさか、ここで出逢えるとは!今季最後の「横山さんの鰻」。炭火で白焼きまで焼き上げてから、皮目と身の脂を落とす為に白バルサミコ酢と甲殻類の出汁を塗って更にパリッと焼かれています。身には綺麗な旨味があり、皮目に塗られた白バルサミコ酢の爽やかな甘味とコクが加わることで、白焼きとはまた一味違った一面が見られます。
「僕よりも全然上手いのでw」と佐藤さんが仰る出汁巻玉子は鮨店で修行してらした竹田さんが作られていて、やはり出汁が美味しいのでしょう。卵を引き立てるような出汁の味わいが実に美味しい。

毛蟹炒飯♡
「皆さん、まだ食べられますか?」の問いに頷く以外の答えはありません。嬉しそうに中華鍋を振って作って下さったのは、毛蟹を使った炒飯。
ご飯は元々加水率を高めに炊いているそうで、仕上がった炒飯はパラパラ系ではなくてしっとり系のもの。供された瞬間から立ち上る香りからもう美味しい♡

カステラ♡
余計な添加物を加えずに小麦粉・ハチミツ・卵で焼き上げたカステラ。上にはブルゴーニュのドメーヌ・ミッシェル・グロの1964年のマールを塗ったメロン。
カステラでこんなにも感動したのは、初めて。「カヌレの次はコレね」と言われているそうですが、出来立てを食べられるレストランだからこその味わいは、真綿のようなエアリー感。

うれしの紅茶
スッキリとしているので、砂糖やミルクなしの方が美味しい。

カヌレ♡
今では銀座でも買うことができますが、佐藤さんから手渡しでいただくお土産のカヌレは特別です。ヴァニラとラム酒の香りで「虎ノ門 虓」の余韻に浸れます。

私が座らせていただいた席からちょうど見えたのは、食材を見据える佐藤さんの後ろ姿。その背中がとてつもなくカッコよく、偉大さを感じました。料理は和食?フレンチ?イタリアン?どれも当てはまらないような「佐藤」というジャンルの料理だと思います。食材たちが佐藤さんの思いに呼応しているかのような料理の数々。予約困難なお店ですが、通い続けたいお店の一つです。

私の世界に感動をありがとうございました!またきっと逢える日を心待ちにしております。40000

  • 2020.7. 御出汁

  • 2020.7. 天然縞鯵の揚げ物

  • 2020.7. 鮑麺

  • 2020.7. 白川の蒸し物

  • 2020.7. 自家製パンとバター

  • 2020.7. 牡蠣のバター焼き

  • 2020.7. 自家製バケット

  • 2020.7. 自家製バター

  • 2020.7. 自家製バケット②

  • 2020.7. トウモロコシとトマトのグラタン

  • 2020.7. 豚バラと安納芋

  • 2020.7. 北海道大樹町の蜆汁

  • 2020.7. 横山さんの鰻と出汁巻玉子

  • 2020.7. 毛蟹炒飯

  • 2020.7. カステラ

  • 2020.7. カステラ

  • 2020.7. うれしの紅茶

  • 2020.7. カヌレ

2020/08/21 更新

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