nao...さんが投稿したすし 良月(東京/恵比寿)の口コミ詳細

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Delicious Days!~孤高の食べ歩き~

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すし 良月広尾、白金台/寿司

15

  • 夜の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.9
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク -
15回目

2025/10 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をは待たむ

2025.10.

ありつつも君をは待たむ

おそらく年内は最後と思われる広尾にある「すし良月」に再訪。不定期で開催している昼の握りコース、通常のおまかせコース…どちらか選ぶか悩ましい中で、私が選んだのは昼の握りコース。まさにコース名の通り、肴は一切供されずに握りのみで構成されます。

川津えびの出汁♡
まず供されたのは、兵庫県明石産の川津えびをシンプルに昆布出汁と合わせたもの。
ひと口飲むだけで、喉にグッとくるようなアタックがあり、旨味と甘味の濃厚さと鼻から抜ける香りが素晴らしい。

真鯛♡
兵庫県明石産。先程の海老を食べて育ったものだそうで、コリコリとした食感と咀嚼の度に溢れてくる旨味の濃さが知っている真鯛とは段違い。初手から実に美味しい。

間八♡
神奈川県産のものを瞬間漬けにして、間に紫蘇を忍ばせて握られます。間八の身は柔らかく、濃ゆい旨味の中で、紫蘇の仄かな清涼感が駆け抜けていきます。

鰆♡
兵庫県明石から直送の鰆を皮目だけを炭火で炙ってけら握られます。口に入れるとふんわりと炭の香りがし、パリッとした皮に身は柔らかくてとろけるよう。

はりいか♡
関東でいうところの墨烏賊。兵庫県明石産の活け〆したもの。一貫で烏賊一杯という素晴らしいサイズ感で、サクサクと小気味よい食感が映えます。米酢のシャリでより際立つ烏賊の甘味と旨味が素晴らしい。

背トロ♡♡
青森県大間産延縄の190キロ。ガツンとくる旨味に華やかな香りも素晴らしい。食べ終えても続く旨味と甘味の余韻も長く楽しめます。

大トロ♡
産地は不明だそうですが、前岩親方の予想は宮城県塩竈産。大トロらしいコッテリとした旨味があり、濃厚な甘味を感じられつつも後味は爽やか。

小鰭♡♡
熊本県天草から直送のもの。酸味の後にジュワッと溢れる旨味が口の中に溢れ、その後に甘味が広がります。口の中で酸によるリセットというよりかは、旨味の累乗のような小鰭。

毛蟹の蒸し鮨♡
「すし良月」の緩急の真骨頂的なひと皿。蓋を開けると、下に敷かれた大葉の爽やかさがふわりと香ります。シャリの酸味に毛蟹の甘味がビシッと合い、実に美味しい。

赤身漬け♡
先程と同じ青森県大間産。切りつけの1つ1つに刷毛で醤油を塗り、重ね合わせることで旨味を移す独特な漬けを施した赤身。漬けにすることで凝縮した旨味が溢れ、切りつけも厚いので、口の中で感じる鮪感が凄い。

黄肌鮪♡♡
長谷川さんから送られた神奈川県産。黄肌鮪らしくない程よい脂があり、それに寄り添うような旨味が美味しい。

泥障烏賊♡
細かく隠し包丁を入れた身を更に細く切りつけてから握ることで、口の中で飛散して瞬でとろけます。その身から溢れる旨味と甘味が素晴らしい。

縞鯵♡♡
愛媛県産の神経〆。切りつけてから瞬間漬けにすることで、旨味を濃縮しており、口に入れた瞬間に甘味を感じます。あたり葱を上に乗せていないので、より身の旨味と甘味をダイレクトに感じられるのがいい。

赤座海老♡
いただくのは、2回目となる茹でたての赤座海老。鮨店では珍しい種でありつつも、プリッとした身の食感に濃厚な甘味と旨味が美味しい。

はりいかの下足♡
先程のはりいかの下足。間に柚子を入れて、煮つめで。個人的には煮つめという仕立てが刺さり、コリコリとした食感にキリッとした煮つめが美味しい。

黒鯥♡
皮目だけを炭火焼きされた神奈川県産のもの。炭の香りがあり、赤鯥より確りとした身質を楽しめ、身の旨味を味わえます。

新いくら♡
儚くもプチッと弾けるいくらからは出汁の味わいが初めにし、その後に旨味と甘味が口いっぱいに広がります。

蛤の出汁♡
絶妙な濃度に、個人的に好みの温度帯。できることならば、常備したい美味しさ。

赤海胆♡♡
今季最後という北九州・藍島産のもの。初め海苔の香りがふわっと鼻から抜け、赤海胆の旨味と香りが口の中を支配します。単に甘味だけてなく、苦味などの複雑味もあって美味しい。

穴子♡
煮上げた穴子を炭火で炙ってから握られます。口の中でジュワッととろけ、旨味と甘味がどっぱーんと溢れます。

ここから追加の第二幕。

近目金時*♡♡
神奈川県産で、鮨店ではほぼ見かけないであろう魚。長谷川さんが手当てした身はまだ活きているかのような食感があり、咀嚼する毎に旨味と甘味が引き出されてきます。そして、それらは食べ終えても続く綺麗さがあります。

鱚*♡
愛媛県今治産。ふわりとする昆布の味わいに濃縮したような鱚の旨味が美味しい。

白甘鯛*♡♡
ひと口で感じる濃密な旨味と甘味。官能的とも思えられるひと時を感じられます。

九絵*♡
20キロのもの。旨味よりも甘味がグッとくるような九絵で、米酢のシャリでそれがより感じられます。

馬糞海胆*♡
北海道・昆布森産。固体だったのが信じられないほどの口溶けで、瞬で液体へと変わります。そして、海苔の香りが華やぎ、海苔と海胆が一体となった旨味が溢れます。

赤海胆*♡♡
コレも今季最後の愛媛県産。先程のものよりか、濃厚さがあり、ドッシリとした旨味を感じられます。どちらかといえば、コチラの方が好みの味わい。

鰹のハラス*♡♡
鰹らしからぬ脂があり、今回は格子状包丁を入れているので、口溶けが凄い。薫香が華やぐ中で、旨味の爆流が凄まじい。あるならば、絶対に必食の一貫。

黒鴟尾魳*♡♡
バリバリと音を立てて、鱧の骨切りのように切られ、皮目に炭火を当てられます。さっきの骨はどこにいったの?と思うほどに口の中でジュワッととろけ、旨味が溢れます。その旨味は実にクリアであり、魚の姿から想像できないほどに美味しい。

干瓢巻き*♡
鮨店では珍しい熱々な干瓢を使った手巻き。パリッとした海苔の香り、甘辛な干瓢、ビシッとした山葵。コースには決して組み込まれない鮨店の粋。

玉♡
前岩親方の心意気で、デフォルトと握り。帆立を入れてあるそうで、シュワシュワとした食感に旨味が凄い。シャリと絶妙に合います。

甘味
今回は、クイーンルージュ。

デフォルト出汁 + 握り18貫 + 椀物 + 玉の構成の中、更に8貫追加して、全26貫。怒涛のボリュームと食べ疲れない旨味の緩急が素晴らしく、一貫一貫が実に美味しかったです。「すし良月」というと、店主・前岩 和則さんの故郷である和歌山県近辺の食材というイメージがありましたが、長谷川大樹さんの影響で相模湾の食材も多くなりました。今回いただいた「近目金時」や「黒鴟尾魳」など、ちょっと鮨店では見かけない魚と出逢えるようになり、魚の外見からは想像できない綺麗な旨味があって美味しい。今では職人が増えた分、更にできることを増やしてクオリティを高めてらっしゃるそうで、握りコースだけでなく、おまかせコースでも赤酢と米酢の2種のシャリを使い分けてらっしゃいます。まだまだ伸びる「すし良月」、次回の訪問が今から楽しみです。

前岩親方、今回もたくさん食べさせていただき、ありがとうございました!

  • 2025.10. 川津えびの出汁

  • 2025.10. 真鯛

  • 2025.10. 間八

  • 2025.10. 鰆

  • 2025.10. はりいか

  • 2025.10. 背トロ

  • 2025.10. 大トロ

  • 2025.10. 小鰭

  • 2025.10. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2025.10. 赤身漬け

  • 2025.10. 黄肌鮪

  • 2025.10. 泥障烏賊

  • 2025.10. 縞鯵

  • 2025.10. 赤座海老

  • 2025.10. はりいかの下足

  • 2025.10. 黒鯥

  • 2025.10. 新いくら

  • 2025.10. 蛤の出汁

  • 2025.10. 赤海胆

  • 2025.10. 穴子

  • 2025.10. 近目金時

  • 2025.10. 鱚

  • 2025.10. 白甘鯛

  • 2025.10. 九絵

  • 2025.10. 馬糞海胆

  • 2025.10. 赤海胆

  • 2025.10. 鰹のハラス

  • 2025.10. 黒鴟尾魳

  • 2025.10. 干瓢巻き

  • 2025.10. 玉

  • 2025.10. クイーンルージュ

2025/10/29 更新

14回目

2025/05 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ

2025.5.

ありつつも君をば待たむ

ばちこ♡
「時間稼ぎに…」と言って供されたのは、軽く炙った半生のばちこ。カチカチなものとは違い、柔らかく塩味も円やか。

甘鰈♡
真子鰈。パツパツに肥えた鰈は単体でも甘味を感じるほどで、そこに米酢のキリッとした酸が映え、鰈をより甘く感じます。

鰆♡
寝かせてないそうで、味わいにフレッシュ感がありつつ、後味として残る甘味が甘美そのもの。

白甘鯛♡
口の中に濃厚な甘味と旨味が広がり、後味はあっさり。甘味による緩急が素晴らしく映えます。

泥障烏賊♡♡
なんと大きな身を目の前で捌き、肉厚の身に格子状に隠し包丁を入れ、更に細かくして握っています。米酢のシャリが抜群に合い、酸がより泥障烏賊の甘味を引き出すかのよう。

真鯛♡
身はモチモチとし、皮目の旨味と甘味が咀嚼の度に溢れて、香りがふわりと立ち上ります。

鯵♡
肉厚でねっとりとした身からは甘味が溢れ、薬味のアクセントの中で、爽やかな旨味が駆け抜けます。

真名鰹♡♡
皮目を炭火で炙っているので、パリッとした歯応えを感じられ、ねっとりととろける身から溢れる甘味が素晴らしい。

中トロ♡
青森県小泊産。切りつけて、ヒートランプでより温度を上げたもの。口溶けと香りが素晴らしく、旨味ある赤酢のシャリがより鮪の旨味を押し上げています。

大トロ♡
春らしいあっさりとした脂があり、濃厚な甘味が口の中に確りと残ります。

赤身漬け♡
刷毛で出汁醤油を塗って重ね合わせる独特な漬けにすることで旨味がより濃縮し、ベルベットのような舌触りの中、鮪の香りが炸裂します。

はりいか♡♡
墨烏賊。コレも捌き立て。まだ身が活きているのかのようで、サクサクを超えた超サクサク感。「すし良月」、烏賊が尋常なく美味しい。

イバラガニモドキの蒸し鮨♡
蓋を開けると、大葉の香りがふわりと立ち込めます。イバラガニモドキのひとつひとつの繊維が太くて、口の中で感じる存在感が凄い。酸味と甘味が織りなす温度帯による緩急の極みがここにあります。

小鰭♡
キリッとした酸味と咀嚼する度に引き出される小鰭の旨味。それらが口の中で混ざり合い、絶品。

桜鱒♡
切りつけてから漬けに仕立てたもの。繊細な甘味と旨味が映え、食べ終えても残る旨味が美味しい。

赤貝♡♡
宮城県閖上産。剥き立ての赤貝は香りが凄い。咀嚼すると昆布のような味わいがぶわっと広がります。

赤座海老♡
珍しい赤座海老の握り。車海老より香りは弱めですが甘く、旨味は蟹のよう。鮨においては、車海老の方が美味しいかもしれません。

海胆巻き♡♡
熊本県天草産の海胆を細巻きで。この海胆が持つ旨味と苦味が絶妙。この味わいの複雑さこそ、海胆の魅力。

鱒子♡♡
珍しい鱒の介の卵。米粒よりも小さな卵ですが、旨味が確り。

蛤出汁♡♡
濃厚な蛤出汁に海鼠腸を入れるという暴挙にも似た仕立て。コレが素晴らしく美味しい。

穴子の棒鮨♡♡
この時期難しい穴子を玉子で巻いて作った熱々の棒鮨。玉子の甘味と穴子の甘味が累乗するかのような旨味があり、この時期でしか食べられないのが残念になるほどの美味しさ。

鮃昆布〆*♡
白板昆布でガッツリと〆たという鮃。しかしながら、鮃自体も確りと味わえて美味しい。

真羽太*♡♡
口の中での存在感を感じる切りつけ、そして身から溢れる甘味が凄い。

白海老*♡
何匹分の白海老を使っているのだろう?と思うほどにたっぷり。少しクセのある濃縮した甘味が最後のひと搾りの酢橘で、一気に爽やかな甘味に変わります。

甘鰈のえんがわ*♡♡
身も甘いと思いましたが、えんがわは想像以上に甘い。やはり脂が甘い魚は美味しい。

赤貝のヒモ*♡♡
一貫で一個の赤貝を使う仕立てが好きですが、このレベルの赤貝ならば別々の方がより楽しめます。ザクザクとした食感と香りが段違い。実に美味しい。

喉黒*♡♡
皮目だけに炭を当てて、皮と身の間にある脂を引き出す仕立て。炭の香りを纏う身はねっとりと舌に絡みつくかのよう。そして、甘味が口の中に残って存在感を示します。

鶏魚*♡
皮目だけに確りと炭火で炙り、包丁で切りつける度にパリッと音を立てます。それが口の中で香りとなり、食感となり、より鶏魚の旨味を加速させます。

鮃のえんがわ*♡
軽く炭火で炙ることで、えんがわの脂が溶けてトロトロとなって、シャリの上にかかる鮃のソースのよう。

煮蛤*♡
柚子の香りが映える中、柔らかい蛤の旨味がどっぱーんと溢れます。ここまでジューシーな煮蛤にはなかなか出逢えません。

干瓢巻き*♡
コースには決して組み込まれない「すし良月」の隠れた逸品の熱々な干瓢巻き。華やぐ海苔の香り、甘辛な干瓢、そしてビシッと効いた山葵が心地よい。鮨店らしい粋を感じる〆ものだと思います。

玉♡
帆立を入れたシュワシュワ系の玉。ほんのりとした甘味の中に芯のある旨味が光ります。

広尾にある「すし良月」で、不定期開催されている『握りコース』を今回は楽しみました。ネタによって米酢と赤酢のシャリを使い分けて、肴1品+握り19貫+汁物+玉というデフォルトコースの中、更に握り9貫+巻物を追加して、怒涛の32品という昼鮨とは思えないほどの満足度の高さ。食材が揃えづらいGW明けという中で、これだけのものを揃えたという店主・前岩 和則さんの心意気に頭が下がります。私はどちらかと言えば、肴よりも握りの方が好きなので、このようなコース仕立ては実に嬉しい。…ですが、「すし良月」に関していえば、『牡丹海老の炭火焼き』をはじめとする肴も美味しい。昼にするか?夜にするか?「すし良月」に新しい問題が生まれてしまいました。悩ましい。

  • 2025.5. ばちこ

  • 2025.5. 甘鰈

  • 2025.5. 鰆

  • 2025.5. 白甘鯛

  • 2025.5. 泥障烏賊

  • 2025.5. 真鯛

  • 2025.5. 鯵

  • 2025.5. 真名鰹

  • 2025.5. 中トロ

  • 2025.5. 大トロ

  • 2025.5. 赤身漬け

  • 2025.5. はりいか

  • 2025.5. イバラガニモドキの蒸し鮨

  • 2025.5. 小鰭

  • 2025.5. 桜鱒

  • 2025.5. 赤貝

  • 2025.5. 赤座海老

  • 2025.5. 海胆巻き

  • 2025.5. 鱒子

  • 2025.5. 蛤出汁

  • 2025.5. 穴子の棒鮨

  • 2025.5. 鮃昆布〆

  • 2025.5. 真羽太

  • 2025.5. 白海老

  • 2025.5. 甘鰈のえんがわ

  • 2025.5. 赤貝のヒモ

  • 2025.5. 喉黒

  • 2025.5. 鶏魚

  • 2025.5. 鮃のえんがわ

  • 2025.5. 煮蛤

  • 2025.5. 干瓢巻き

  • 2025.5. 玉

  • 2025.5. 玉

2025/05/19 更新

13回目

2025/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ

2025.3.

ありつつも君をば待たむ

広尾にある鮨店「すし良月」で、春の鮨を堪能します。店主・前岩 和則さんが握るL字カウンターには鮨店には珍しくヒートランプがあり、これは「温かな料理は温かい皿に盛る」という修行店での教えなのだそう。

黒鮑♡♡
新潟県佐渡島産の黒鮑を蒸し上げたもの。鮑の肝に和歌山県「堀河屋野村」の白味噌を合わせたものを添えて。いつもは和歌山県「三ツ星醤油」を合わせているそうですが、今夜は白味噌。コレが絶妙な美味しさ。むっちりとした鮑は香り華やぎ、肝ペーストをつけることで旨味が格段に跳ね上がります。

いちご煮♡
鮑の出汁に北海道産の北紫海胆を合わせて。組み合わせを聞いて、既にマズいわけはないのですが、想像を超えて旨味・甘味が全方向に美味しい。

メジマグロ♡
新潟県佐渡島産の神経〆のものを炭火で炙ってタタキ風に。皮目の香ばしい香りの中、舌に吸い付くような舌触りと身のフレッシュ感がありつつ、旨味の暴力が半端ない。

本海松貝♡♡
愛知県産の海松貝を昆布ベースの出汁醤油に軽く潜らせて、酢橘の香りを纏わせたもの。生だと多少クセのある海松貝ですが、そのクセを確りと抑えて極上の甘味のみを味わえます。

本海松貝のワタ♡
先程の本海松貝のワタの部位を炭火焼きしたもの。小気味良いザクザク食感ととろりとした食感が同時に楽しめ、咀嚼する度に広がる甘味が秀逸。

九絵の炙り♡
熊本県天草産から直送の20キロものを炙り、上から鼈の出汁に柑橘の香りを乗せたジュレをかけて。モチモチとした九絵は香ばしさもあり、そのままでも十分に美味しいはずですが、そこに更に鼈の旨味がプラスされます。めちゃ美味しい。

ばちこ♡
半生に干し上げており、旨味が凄すぎ。

牡丹海老の炭火焼き♡♡
極太の牡丹海老に和歌山県「三ツ星醤油」を振りかけて炭火焼きした「すし良月」の肴の顔と呼べるスペシャリテ。表面はプリッとしており、中心部はねっとり感があり、それらが異なる甘味となって同時に味わえます。そして香ばしい醤油と海老の香りが混在し、スペシャリテの名に相応しい味わい。

虎河豚の白子♡
九絵の出汁に虎河豚の白子を浮かべて。白子は純粋無垢といったクリーミーな味わいで、出汁は暴力の何ものでない旨味の強さがあります。

中トロ♡
鮪問屋「結乃花」から仕入れる静岡県下田産160キロ。口に入れた瞬間になくなるほどの口溶けの良さ。旨味が溢れ、後に甘味へと変わり、香りを残します。

大トロ♡
口溶けの良さは中トロ以上。香りは仄かですが、コッテリとした旨味と甘味が素晴らしい。

赤身漬け♡
刷毛で出汁醤油を塗り、重ねて合わせることでお互いの旨味を引き出す独特な漬け。脱水することで、旨味は濃縮しており、グッとくる旨味に食べ終えても続くような華やぐ香りが素晴らしい。

泥障烏賊♡
神奈川県産。さかな人・長谷川 大樹さんが手当てしたもの。身に細かく隠し包丁を入れ、更にそれを細かく切ったものを纏めてから握られます。口の中で、シャリと同時に飛散する泥障烏賊は甘味が凄い。

白甘鯛♡♡
皮目を湯霜にしているそうで、皮と身の間にある旨味と甘味を確りと引き出しているかのようで、激ウマ。

縞鯵♡
長谷川さんが手当てした神奈川県産。まだ身が生きているかのようなサクサク感があり、間に紫蘇を忍ばせているので、濃厚な旨味の中でも後味は爽やか。

鳥貝♡♡
兵庫県淡路・鳥飼漁港の天然ものを軽く出汁醤油に潜らせて。特大乃鳥貝はワタも確りと入っており、身はザクザクとして、海を感じる磯の香りも素晴らしい。

鯵♡
長谷川さん手当ての神奈川県産。コレが鯵?と驚くほどに綺麗な旨味。青魚のクセなどは微塵もなく、ただだだ美味しい。

イバラガニモドキの蒸し鮨♡
長谷川さんが手当てしたイバラガニモドキを使った蒸し鮨。蒸すことでシャリの酸がより立ち、それがイバラガニモドキの旨味と甘味の輪郭を露にしています。「鎌倉北じま」以外で、この蟹に出逢えるとは!

小鰭♡
熊本県天草産。温かいシャリにすることでより酸が立ち、小鰭の酸とも合わさることでより爽やか。

赤貝♡♡
瀬戸内産。格闘家の拳くらいの超特大の剥きたて赤貝。ザクッザクッと小気味良い咀嚼音がする度にどこか昆布のような味わいし、実に美味しい。

桜鱒♡
瞬間漬けにして。口溶けは鮪以上で、口の中でグッと留まる旨味が秀逸。そして、香りと甘味が食べ終えても続く余韻長い味わい。

紫海胆♡♡
福井県小浜産。知っている紫海胆とは一線を画す味わいで、よりビターで複雑味があります。まさにオトナな海胆。

蛤出汁♡♡
海鼠腸を浮かべて。旨味×旨味は暴力でしかない。

穴子棒鮨の玉子巻き♡
穴子が産卵期に入る為に作ったという新作。木の芽香るふわりとした玉子のコクに穴子の旨味を感じられます。

墨烏賊*♡
肉厚の身から極上のサックサク感を味わった後に広がるのは、ねっとりとした旨味。

鰆*♡
コレも長谷川さんのもの。綺麗な旨味が広がり、その旨味は余韻長く続きます。

金目鯛*♡
静岡県伊東産のものを長谷川さんが手当て。旨味がグッときた瞬間に甘味がブワッと広がります。

赤貝のヒモ*♡♡
先程の超特大の赤貝のヒモ。想像以上にバリバリの食感で、磯の香りが素晴らしい。

鶏魚*♡
愛媛県産で、カリスマ漁師・藤本純一さんが手当てしたもの。皮目の香ばしさがはしり、ねっとりとした身からは旨味が溢れます。

煮蛤*♡
千葉県から直送のもの。初めから旨味がドッパーンと感じられ、それがボディブローのように深く長く響きます。

カマトロ*♡♡
握ってから上に炭火を当てて炙り仕立てにするカマトロ。目の前にすると、炙ることで生まれる香りからして、食べる前からもう美味しい。口に入れると、体温で蘇るような脂のコクと甘味を存分に堪能できます。必食の一貫。

玉♡
帆立のすり身を入れたジューシーなシュワシュワ系。シャリを入れた握り仕立ては私のお約束。シャリの酸と塩で引き出される玉子と帆立の甘味が美味しい。

供される料理は温度での緩急、旨味の濃淡での緩急が巧みに使われており、肴から握りまでジェットコースターに乗っているようなワクワク感とドキドキ感が同居する感覚を覚えます。前岩親方の故郷である和歌山県を望郷するような南からの食材…と思いきや、さかな人・長谷川大樹さんから神奈川県の魚を多く取り扱うようになっており、驚くと同時に神奈川の海の偉大さを感じられます。先日開催された超高鮮度の食材を使う「虹吉」での経験が南よりも距離的に近い神奈川県の食材の方が前岩親方のイメージされるものに近かったのかな?という私の勝手な憶測。どの魚もまだ身は活かっており、余分な水分などはなくて旨味のみがギュッと凝縮しているように感じられ、知ってる魚が知らない魚のように美味しい。名店と言われながらも、まだまだ伸びるのか!と驚くべき「すし良月」。次回の来訪が楽しみでなりません。

  • 2025.3. 黒鮑

  • 2025.3. いちご煮

  • 2025.3. メジマグロ

  • 2025.3. 本海松貝

  • 2025.3. 本海松貝のワタ

  • 2025.3. 九絵の炙り

  • 2025.3. ばちこ

  • 2025.3. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2025.3. 虎河豚の白子

  • 2025.3. 中トロ

  • 2025.3. 大トロ

  • 2025.3. 赤身漬け

  • 2025.3. 泥障烏賊

  • 2025.3. 白甘鯛

  • 2025.3. 縞鯵

  • 2025.3. 鳥貝

  • 2025.3. 縞鯵

  • 2025.3. イバラガニモドキの蒸し鮨

  • 2025.3. 小鰭

  • 2025.3. 赤貝

  • 2025.3. 桜鱒

  • 2025.3. 紫海胆

  • 2025.3. 蛤出汁

  • 2025.3. 穴子棒鮨の玉子巻き

  • 2025.3. 墨烏賊

  • 2025.3. 鰆

  • 2025.3. 金目鯛

  • 2025.3. 赤貝のヒモ

  • 2025.3. 鶏魚

  • 2025.3. 煮蛤

  • 2025.3. カマトロ

  • 2025.3. 玉

2025/04/13 更新

12回目

2024/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ

2024.11.

ありつつも君をば待たむ

鱈の白子♡
愛媛県今治産の真鯛から出汁を引き、大粒の鱈の白子を合わせたスターター。
ふわりと柚子の香りが鼻を擽り、真鯛の旨味の強さに圧倒されます。そして、クリーミーな白子の旨味が実に美味しい。

真鯛♡
兵庫県明石産。皮目を湯霜して、身と皮の間の旨味を堪能できる仕立て。
口の中でモチモチと跳ねるような食感があり、噛めば噛むほどに旨味が溢れるので、ずーっと噛んでいたくなるほどの美味しさ。

メジマグロ♡
秋田県産。炭火で皮目だけをパリッと焼き上げており、包丁で切りつける際にザクッと音立てるのが印象的で、腹と背を味わえる仕立て。
皮目のザクザク感は勿論、口の中で食感と香りとなって楽しめ、モチッとした舌触りがベルベットのよう。身の華やかな香りも素晴らしい。

アコヤガイの貝柱♡
愛媛県宇和島産。この「すし良月」のコアとも呼べる愛媛県今治の漁師・藤本 純一さんが海水で手当てされているそうで、それを瞬間的に昆布出汁ベースに漬けにしてから酢橘を纏わせて供されます。
ザクッとした食感が小柱以上あり、香りも強く、何よりも美味しい。まだあまりメジャーなものではないそうですが、これから脚光を浴びる食材だと思います。

鮟肝♡
甘く煮付けた鮟肝の芯の部位だけを使ったひと品。
鮟肝が持つ純粋無垢な味わいがあり、雑味すら全くない素晴らしさ。いつかは巻物で食べたいです。

牡丹海老の炭火焼き♡♡
「すし良月」のシグネチャー料理と呼べる肴。極太の牡丹海老に前岩親方の故郷である和歌山県の「三ツ星醤油」を纏わせて、炭火焼きされます。
とろりととろけるような身は、濃いめの「三ツ星醤油」でより甘味を感じられ、尻尾の部位は炭火で引き出された海老の香りがあって、実に美味しい。

せいこ海胆♡
今が旬の福井県産のせいこ蟹の身や殻から出汁を取り、北海道昆布森産の馬糞海胆を合わせたもの。
出汁はまさにかに、カニ、蟹で、海胆を食べれば極上の甘味。それが合わされば…蟹の香りと旨味を纏う海胆そのもので、この時期ならではの味わい。

血合いぎし♡
青森県大間産160キロの延縄。鮨店にはまず見ないヒートランプで温度を上げられた鮪は香り立ち、口の中で瞬でとろけます。

大トロ♡
瞬間になくなるかと思っていたら、グッと留まるようなとろけ方をし、旨味の滞空時間が実に長い。そして食べ終えても、尚、口の中に存在するような旨味が凄い。

はりいか(墨烏賊)♡♡
朝〆で直前に剥き立ての兵庫県明石産のはりいか。先日の「虹吉」での経験を活かし、東京でも鮮度の良さを全面に出した一貫。
墨烏賊らしいサクサク食感がありつつも、泥障烏賊のようなねっとり感も強く、まだ細胞が活きているのを感じられます。今までとは違う異次元の墨烏賊。

鰆♡
兵庫県明石産。口の中でとろけ方は鮪以上で、とてもゆっくりと溢れる旨味と甘味が素晴らしい。

閂♡
驚くほど、とても大きな細魚。サクサクと小気味良い食感があり、昆布と合わさった爽やかな旨味が駆け抜けいきます。

白甘鯛♡
愛媛県八幡浜産。湯霜仕立てなので、皮目と身の間のゼラチン質が堪能でき、それが甘味と旨味になって口に広がります。

間八♡
愛媛県産の神経〆。間に紫蘇を忍ばせて握られ、脂が濃い中でこの紫蘇がいい仕事をしています。〆て4日目だそうですが、身は柔らかくて、とても甘い。

鬼鯵♡♡
兵庫県明石産の朝〆。脂ノリノリというわけではなく、旨味で食べさせる鯵。身の細胞はまだ活きているかのようで、実に美味しい。

越前蟹の蒸し鮨♡♡
「すし良月」のコース内での温度による緩急の代表格である蒸し鮨は、この時期ならでは越前蟹の雄と雌を使ったもの。
雄の身の上に雌の内子と外子を乗せてあり、下に敷かれた大葉の爽やかな香りと共に身の旨味とプチプチシャリシャリとした内子と外子の食感が映えます。

小鰭♡
熊本県天草産。口にまた甘味が残っているうちに供される小鰭。酸味の後を追いかけるような小鰭の旨味。口の中が幸せでいっぱいになります。

赤身漬け♡
切りつけた赤身に醤油を刷毛で塗り、重ねて合わせることで旨味を移し合うという変わった仕立て。
赤身はベルベットのような滑らかな舌触りで、鮪の香りがぶわっと華やぎます。

鮭児♡♡
珍しい秋鮭の中にいる脂のった若い白鮭。軽く漬けにすることで、旨味を凝縮させています。
コレが鮭?と驚くほどの口溶けと美味しさ。もう一貫食べたかった…

いくら海胆♡♡
いくらで始まり、海胆で終わる。ありそうでない組み合わせの手巻き。
香り高い海苔の旨味にいくらと海胆の異なる甘味が累乗します。

穴子♡
長崎県対馬産。煮上げた穴子を炭火で炙って温度をあげたものを握られます。塩で穴子の旨味が際立ち、よりクリアな穴子の味を楽しめます。

ここから私の第二幕が始まります…

泥障烏賊*♡
新潟県佐渡島産。肉厚の泥障烏賊に隠し包丁を入れて、更に細かく切っており、それが口の中で飛散して甘味が広がります。

鱧*♡♡
骨の間を取ったという見たことない鱧の仕立て。軽く昆布〆の旨味がありつつも、ねっとりとプリプリとした旨味が素晴らしい。新しい鱧の食べ方の扉を開いたような一貫。

鰤*♡
福井県産の神経〆。軽く漬けにしており、旨味の凝縮感が感じられます。生でありつつも、クセなどは微塵もなく、こってりとした旨味が美味しい。

海松貝*♡
本日3貫しかなかった種。サクサクとした食感に独特の甘味と香りが華やぎます。

赤貝*♡
宮城県閖上産。香りが強く、サクサクとした極上の食感。食べ終えても、口の中から立ち上る香りが愛おしい。

宗太鰹*♡
軽くスモークをかけており、その薫香が鼻から抜けます。脂が乗った旨味と香りの暴力でノックアウトされます。

九絵*♡
広く大きく切りつけてから炭で軽く炙ってから握られます。爽やかな酢橘の酸味で際立つ九絵の旨味と香り。

メジマグロのハラス*♡♡
あるならば、絶対に食べたいハラス。メジマグロとは思えないほどの口溶けがあり、肴でいただいたものとは別モノと思えてしまいます。

カマトロ*♡♡
握ってから炭を上から当てる炙り仕立て。瞬でなくなるほどのとろけ具合で驚きます。

玉♡
帆立を入れた玉で、玉子のコクの中に感じる帆立の旨味。シュワッととけ、ジュワッと旨味が溢れます。

広尾駅から天現寺方面に歩くこと10分くらい、今回やってきたのは「すし良月」。店主・前岩 和則さんが握るのは、故郷である和歌山県を望郷するような鮨。愛媛県今治の漁師・藤本 純一さんを中心にほぼ産直で届けられる食材は、一線を画すような美味しさがあります。先日、開催されたその藤本さんが手当てされた超高鮮度な食材を使用したイベント「虹吉」。この体験がこれからの「すし良月」を更なる高みへと押し上げると確信したのは、剥き立ての「はりいか」(墨烏賊)でしょう。お弟子さんもどんどん増えてやれることが多くなったそうで、赤酢と米酢の2種を使う昼限定の握りコースや捌きたての魚を握って供するというのも視野に入れてらっしゃるそうです。まだまだ「すし良月」からは目が離せません。

前岩さん、今回もたくさんありがとうございました。またいつか食べさせて下さい。

今夜出逢ったお酒

仙禽 雪だるま

日日 秋津 山田錦

紀土 無量山 純米吟醸

  • 2024.11. 鱈の白子

  • 2024.11. 真鯛

  • 2024.11. メジマグロ

  • 2024.11. アコヤガイの貝柱

  • 2024.11. 鮟肝

  • 2024.11. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2024.11. せいこ海胆

  • 2004.11. 血合いぎし

  • 2024.11. 大トロ

  • 2024.11. はりいか(墨烏賊)

  • 2024.11. 鰆

  • 2024.11. 閂

  • 2024.11. 白甘鯛

  • 2024.11. 間八

  • 2024.11. 鬼鯵

  • 2024.11. 越前蟹の蒸し鮨

  • 2024.11. 小鰭

  • 2024.11. 赤身漬け

  • 2024.11. 鮭児

  • 2024.11. いくら海胆

  • 2024.11. 穴子

  • 2024.11. 泥障烏賊

  • 2024.11. 鱧

  • 2024.11. 鰤

  • 2024.11. 海松貝

  • 2024.11. 赤貝

  • 2024.11. 宗太鰹

  • 2024.11. 九絵

  • 2024.11. メジマグロのハラス

  • 2024.11. カマトロ

  • 2024.11. 玉

  • 2024.11. 仙禽 雪だるま

  • 2024.11. 日日 秋津 山田錦

  • 2024.11. 紀土 無量山 純米吟醸

2024/12/12 更新

11回目

2024/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ ~すし良月~

2024.8.

ありつつも君をば待たむ/すし良月

数ヶ月に一度の楽しみである広尾にある「すし良月」。店主・前岩 和則さんの故郷である和歌山県を望郷するような南方の食材を中心に組み立てられる献立は、多くの人の心を掴み、同業者にもファンがたくさんいらっしゃるようです。

黒鮑♡
鮑型の器には巨大な黒鮑。包丁を入れるだけでプルプルと震える黒鮑は、口の中でも歯を跳ね返すほど。食感もさることながら、特筆すべきはその香り。

いちご煮♡
鮑の出汁に熊本県天草産の赤海胆を加えて。海胆だけをいただくと、赤海胆の濃密な甘味と旨味が広がり、海胆が口の中にある内に出汁をいただくと、旨味の波状攻撃にノックアウトです。

鮑の貝柱♡
ここであえて、生の鮑の香りと食感を味わうべく黒鮑の貝柱の部位のみを薄切りにして酢橘をかけて。口の中に広がる磯香りと鮑の旨味が実に清々しい。

鰹♡
宮城県気仙沼産。鰹を炭火で皮目だけを炙ったもの。炙ることで生まれる炭の香りとパリッとした皮目の食感が凄い。まさにコレこそがこの料理の醍醐味であり、とろけるような身とパリッとした皮目のコントラストを楽しめます。

虎河豚♡
兵庫県明石から直送の神経〆された虎河豚の上から鼈の出汁に柑橘を加えたジュレをかけて。冬が旬と思われがちな虎河豚は白子がない分、身は今が美味しく、更に厚切りにしているので、ブリブリとした弾力が凄い。

牡丹海老の炭火焼き♡♡
「すし良月」のシグネチャー料理のひとつ。前岩親方の故郷である和歌山県の「三ツ星醤油」を振りかけて焼き上げたもので、牡丹海老のとろりとした身に「三ツ星醤油」の香りがふわりと口の中で華やぎます。

虎河豚の出汁♡
先程の虎河豚の骨や皮から抽出した出汁。ひと口目からグッとくる旨味があり、飲みすすめていると確りとした虎河豚のゼラチン質も感じられます。

中トロ♡
青森県大間産100キロ。鮨店にはまずないであろうヒートランプで温度をあげた中トロは、この夏の時期でも確りとした脂がありつつも香りが強烈。

大トロ♡
同じ魚体。生の国産鮪しか使わないという前岩親方の矜持をビシバシと感じる一貫で、鮪の香りや甘味が確りと口の中に残ります。

新烏賊♡
新烏賊の儚い食感がとても好き。酢橘と塩が多い中で醤油というのが、香りも感じられてツボる。

新烏賊の下足♡
下足ならではのコリコリとした食感はありますが、新烏賊なのでとても柔らか。

春子鯛♡
黄身酢おぼろで〆られており、仕上げに乗せられる青柚子の香りがふわりと華やぎます。

白甘鯛♡
愛媛県八幡浜産の神経〆られてもの。歯を入れた瞬間に感じる歯応えの後に溢れる甘味と旨味が素晴らしい。

鬼鯵♡
兵庫県明石産の神経〆。鯵らしくない旨味と爽やかさがあり、食べ終えても尚残る旨味が秀逸。

毛蟹の蒸し鮨♡
味の濃淡だけでなく、温度による変化をみせる「すし良月」の真骨頂がここに。下に大葉を敷くことで香りも爽やかで、毛蟹の甘味と旨味が映えます。

新子♡
千葉県船橋産の江戸前のものを2枚付けで。味わい的に新子自体はさほど興味ないのですが、鮨職人の粋を感じるのはこの種が一番かもしれません。

毛蟹の脚のしゃぶしゃぶ♡
毛蟹の脚の部位を鼈の出汁で。毛蟹の甘味と鼈の出汁の濃厚さが暴力的に美味しい。

赤身漬け♡
赤身に刷毛で醤油を塗り、重ね合わせることで旨味を引き出している独特な漬け。赤身の旨味のみをギュッと凝縮させており、残る香りが素晴らしい。

鳥貝♡♡
7月に解禁される京都府宮津産の特選サイズの鳥貝。口に入れると、ぶわっと磯の香りが華やぎ、肉厚な身に歯を入れるとザクザクと小気味よい歯応えを感じます。そして、酢橘の酸で輪郭を成した甘味が素晴らしい。

鳥貝のワタ♡
特大のワタの部位は炭火焼きにして。ワタの旨味の濃厚さが素晴らしく、美味しい。

新いくら♡
腹を割いて、当日に届けられる新いくら。硬水で洗うことで血の香りなどは微塵もありません。ただただ濃厚な旨味があり、プチプチと弾けて旨味は爆ぜます。

車海老♡♡
徳島県産の天然ものを半生に茹でて、裏側のみを熱々の鉄串を押し付けて焼いたもの。生・茹・焼という3段階の旨味を一度に楽しめる仕立てになっており、店内に漂う海老を焼いた時の香りが半端ない。まさにヘンタイとしか言いようのない美味しさ。

赤海胆♡
前岩親方が惚れる福井県若狭湾産のもの。山葵は入れずに塩のみというド直球な一貫。ただ濃厚なだけではなく、そこに甘味や苦味も感じられて複雑。

穴子♡
炭火で炙ることで、蘇るような穴子の旨味。とろりとしているだけなく、香ばしさもあって美味しい。

泥障烏賊*♡
静岡県産の神経〆。細かく隠し包丁入れて、それを更に細かく切ることで、口の中に入れた瞬間に飛散するのがとても特徴的で感じる甘味も段違い。

鱸*♡
和歌山県産の当日朝〆のもの。コリコリとした中に感じる甘味と旨味が美味しい。

琵琶鱒*
皮目だけを炙って、藁の薫香もあり、とろける身の旨味が素晴らしい。

白子*♡♡
和歌山県産。ホカホカの白子をたっぷりと使って手巻きにして、更に追い白子をして供されます。鮨店では初となる種ですが…シャリの塩味で際立つ白子の甘味と旨味が美味しい。

平貝*♡
切りつけてから漬け醤油に数分漬けてから握られます。口に入れると、あの平貝の独特なクセも感じず、ただザクザクとした食感が映えます。

漬け鮪*♡
青森県大間産66キロのものを柵のまま湯霜にして、漬けにしたもの。部位的に赤身ではなく、中トロかな?かなり旨味が凝縮しており、美味しい。

鰹のハラス*♡♡
藁の薫香を纏った鰹のハラスは、言われなければきっと鰹と分からないほどに鰹らしさがありません。必食の一貫です。

馬糞海胆*♡
赤海胆とは違う甘味と香りがあり、どことなく昆布の味わいがする海胆。先程の赤海胆を食べたあとだと、どうしても霞んでしまいますが、コレも勿論美味しい。

玉♡
帆立を使った口の中でジュワッと溶ける玉。いつものように握り仕立てで。

今夜も味わいの濃淡だけでなく、「すし良月」らしさのある温度による緩急も感じられて素晴らしかったです。時期的に新子・新烏賊・新いくらと夏の食材を満喫させていただいた他に、様々な「出汁」に心掴まれました。産地から直送される食材やそれに係る人達に敬意を表するような出汁は、美味しいを通し越して生命の力強さを感じられました。伺う度にこのクオリティの食材を手に入れられる素晴らしさと前岩親方の食材に対するヘンタイぶりに傅きます。

今夜も時間いっぱい楽しませていただき、ありがとうございました。また伺う日を楽しみにしています。

  • 2024.8. 黒鮑

  • 2024.8. いちご煮

  • 2024.8. 鮑の貝柱

  • 2024.8. 鰹

  • 2024.8. 虎河豚

  • 2024.8. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2024.8. 虎河豚の出汁

  • 2024.8. 中トロ

  • 2024.8. 大トロ

  • 2024.8. 新烏賊

  • 2024.8. 新烏賊の下足

  • 2024.8. 春子鯛

  • 2024.8. 白甘鯛

  • 2024.8. 鬼鯵

  • 2024.8. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2024.8. 新子

  • 2024.8. 毛蟹の脚のしゃぶしゃぶ

  • 2024.8. 赤身漬け

  • 2024.8. 鳥貝

  • 2024.8. 鳥貝のワタ

  • 2024.8. 新いくら

  • 2024.8. 車海老

  • 2024.8. 赤海胆

  • 2024.8. 穴子

  • 2024.8. 泥障烏賊

  • 2024.8. 鱸

  • 2024.8. 琵琶鱒

  • 2024.8. 白子

  • 2024.8. 平貝

  • 2024.8. 漬け鮪

  • 2024.8. 鰹のハラス

  • 2024.8. 馬糞海胆

  • 2024.8. 玉

2024/08/19 更新

10回目

2024/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし良月~

2024.4.

ありつつも君をば待たむ/すし良月

虎河豚の白子 真鯛の出汁♡
今シーズン最後という虎河豚の白子を兵庫県明石産の真鯛の出汁と共に。虎河豚の無垢な甘味に真鯛の出汁の力強さがとてもよく合います。身体に染み入るような美味しさ。

真鯛♡
兵庫県明石産。背と腹の部位を盛り合わせで。切りつけの厚みがあり、口の中で跳ねまわるような弾力があり、それを楽しんでいると溢れ出す甘味と旨味が素晴らしい。

メジマグロの炭火焼き♡
新潟県佐渡島産から直送の神経〆のもの。皮目だけを炭火で焼き、その香りがダイレクトに感じられて、食べる前からもう美味しい。炙っているので、口に入れる瞬間に香ばしい香りが鼻から抜け、皮目はパリッとし、身は極上のモチモチ感。その後に爽やかな旨味が駆け抜けます。

本海松貝♡
愛知県産。昆布出汁ベースの醤油で軽く漬けにして、酢橘を纏わせて供されます。爽やかな酢橘の酸味でより海松貝の甘味が引き出されており、特有のクセも抑えられて、旨味のみを楽しめます。

海松貝のワタ♡♡
前岩さんの故郷である和歌山県「三ツ星醤油」をかけて、炭火焼きされた海松貝のワタ。とろりとしたワタは素晴らしい甘味があり、余韻も長くて美味しい。

鮟肝♡
甘く炊き上げた鮟鱇の芯の部分だけを供されます。純粋無垢のような味わいで、鮟肝本来の旨味を楽しめます。

牡丹海老の炭火焼き♡♡
「すし良月」のシグネチャー料理の1つ。表面はプリッとし、中心部はとろりととろけるような牡丹海老は実に甘くて美味しい。

のれそれ 鼈の出汁で♡
力強いですが、意外とあっさりとしている鼈の出汁。その中で泳ぐような穴子の稚魚であるのれそれは、とろけるようでとても印象的。

中トロ♡
握りの初手は宮城県塩竈産の150キロの中トロ。ヒートランプで温度を上げられた中トロは、口の中でゆっくりと香りを出しながらとろけます。その香りも長く続き、いつまでも口の中にあるかのような存在感。

大トロ♡
同じ魚体のもの。春の鮪らしく、脂は軽やかですが旨味が強くて、香りもあって美味しい。

赤身♡
切りつけてから刷毛で出汁醤油を塗り、重ね合わせることで旨味を移し出す独特な漬け。なんとも色っぽい赤身で、口の中で爆ぜるような香りが凄い。

泥障烏賊♡
隠し包丁を入れて、更に細かく切って纏めてから握られます。口の中で一気に飛散して、シャリと混ざり合うような感じで、シャリの酸味でより泥障烏賊の甘味を強く感じられます。

喉黒♡
可愛い織部鍋に入れられているのは、喉黒の手毬鮨。喉黒の旨味とポン酢の爽やかな酸味が実に心地よい。

鶏魚♡
愛媛県産。皮目を軽く炙っており、口の中に入れるとふわりと香ります。身はとろけるようで、甘味が強い。

鳥貝
兵庫県室津産の特大のものを瞬間漬けにして。漬けにすることで旨味と甘味が凝縮するのか、甘味を強く感じられ、食べ終えてふわりと香りが鼻から抜けます。欲を言えば、丸々1個を食べたかった…

馬面剥♡
愛媛県今治産。ガラスのような身はプリプリとし、肝を裏漉しにしたものはクセなど微塵もなくて旨味の塊のよう。

毛蟹の蒸し鮨♡
大葉を下に敷くことで、香りは爽やか。シャリの酸味で引き出されるような毛蟹の甘味と旨味が映えます。

小鰭♡
熊本県天草産。皮目は柔らかく、確りとした酸味があり、後から旨味が駆け抜けます。

赤貝♡♡
愛媛県今治産の超特大の剥きたて。供されると、笑いしか出ない大きさ。ここまで大きいのは初めて。ザクザクとした食感の中で、香りがとても強くて美味しい。

蛤の出汁 海鼠腸を浮かべて♡
コレは旨味の暴力。出汁の濃度や温度も好みで、旨味の中に旨味が存在するかのような味わい。

黒海胆♡♡
長崎県大村産。香りが素晴らしく、複雑な旨味がとても美味しい。嫌な苦味などはなく、濃厚濃密な旨味が凄い。

穴子♡
炭火で煮上がりに戻しており、炭の香りも纏ってより美味しい。口の中でモフッとした後にジュワッととろけます。

真鯛*♡
愛媛県今治産。腹の部位なので脂の甘味があり、シャリの酸と塩でその甘味がより強く感じられます。

白甘鯛*♡
コレも腹の部位で、真鯛よりも甘味がとても強く、濃厚なコクがあります。

赤貝のヒモ*♡♡
なんと2個分を使っており、おまけ的なものではなく、確りと主役の種。ザクザクと小気味よく、本体にも負けないような香りがあって美味しい。

鰆*♡
今季最後の鰆。ねっとりと舌に絡みつくようで、そこに留まってゆっくり溢れ出る旨味と甘味があります。

メジマグロのハラス*♡♡
仄かな薫香を感じ、身は瞬時になくなるような口溶けで、口の中が旨味でいっぱいになります。このお店でハラス系は必食の一貫です。

九絵*♡
とても綺麗な身が印象的で、刷毛で漬けにしてから瞬間炙りにして握られます。炭の香りがふわりとし、ムチムチの身の凝縮した旨味がたまりません。

黒海胆*♡♡
和歌山県那智勝浦産。どことなく柑橘っぽい味わいし、とても海胆らしくない爽やかさ。

黒海胆*♡♡
熊本県天草産。海苔と競るような香りと濃厚な旨味がボディブローのように力強く、美味しい。

玉*♡
フワシュワ系の玉は貝の旨味がジュワッと溢れ、シャリの塩気で際立つ甘味が秀逸。握りバージョンは私使用なので、食べたい方は事前に言わないとダメですよ。

玉♡♡
米・砂糖・ライスミルクで作られた自家製アイス乗せた玉。コレは玉の握りの究極進化系とも言えるひと品で、アイデアが実に素晴らしく、美味しい。

広尾にある鮨店「すし良月」に今年初の再訪。店主・前岩 和則さんが作り出す鮨は旨味の濃淡だけでなく、温度差での緩急もあり、実にドラマチックなコースとなっています。独自のルートで仕入れる食材は南で獲れる魚が殆どで、そのクオリティも群を抜いて素晴らしい。愛媛県今治の漁師・藤本 純一さんが神経〆した魚をはじめ、人との繋がりで得た食材は前岩さんの料理にがっしりとハマり、「これぞ、すし良月」と言える顔のある鮨になっていると思います。今夜もたっぷりと堪能させていただき、ありがとうございました!

今夜出逢ったお酒

黒龍 純米大吟醸 吟風 2022 酒門

加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 播州山田錦 しぼりたて

田中六五

  • 2024.4. 虎河豚の白子 真鯛の出汁

  • 2024.4. 真鯛

  • 2024.4. メジマグロの炭火焼き

  • 2024.4. 本海松貝

  • 2024.4. 海松貝のワタ

  • 2024.4. 鮟肝

  • 2024.4. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2024.4. のれそれ 鼈の出汁で

  • 2024.4. 中トロ

  • 2024.4. 大トロ

  • 2024.4. 赤身

  • 2024.4. 泥障烏賊

  • 2024.4. 喉黒

  • 2024.4. 鶏魚

  • 2024.4. 鳥貝

  • 2024.4. 馬面剥

  • 2024.4. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2024.4. 小鰭

  • 2024.4. 赤貝

  • 2024.4. 蛤の出汁 海鼠腸を浮かべて

  • 2024.4. 黒海胆

  • 2024.4. 穴子

  • 2024.4. 真鯛

  • 2024.4. 白甘鯛

  • 2024.4. 赤貝のヒモ

  • 2024.4. 鰆

  • 2024.4. メジマグロのハラス

  • 2024.4. 九絵

  • 2024.4. 黒海胆

  • 2024.4. 黒海胆

  • 2024.4. 玉

  • 2024.4. 玉

  • 2024.4. 黒龍 純米大吟醸 吟風 2022 酒門

  • 2024.4. 加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 播州山田錦 しぼりたて

  • 2024.4. 田中六五

2024/04/09 更新

9回目

2023/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2023.11.

ありつつも君をば待たむ/すし 良月

11月4日に4周年を迎えられた広尾にある「すし 良月」に再訪。店主・前岩 和則さんの故郷である和歌山県を中心とした南方で取れた食材を使って作り出される料理は、どれもハズレなく美味しい。スタッフも増えたことで、多くの魚の仕込みもできるようになったそうで、今回もたくさん用意していただきました。

鱈の白子♡
九絵の出汁に浮かべて。純粋無垢な白子の甘味に柚子の香りが映え、力強い九絵出汁の味わいがグッと胃を掴みます。

九絵の炙り♡
熊本県天草産から直送の九絵を炭火で炙ることで、店内にいい香りが漂います。九絵は焼きしゃぶのように仕立てられ、厚く切りつけているので、口の中での存在感が素晴らしく、溢れる旨味が凄い。

鯖鮨♡♡
兵庫県明石産の神経〆の鯖を使った鯖鮨。周りには厚みのある牛皮昆布を巻き、アクセントで木の芽が香ります。まるで生のような鯖の旨味があり、そこに昆布の旨味が合わさり、抜群の美味しさ。

灸鰹♡
和歌山県産。所謂、「スマカツオ」。藁で燻してから炭火で皮を炙ってから切りつけているので、切る際に皮がパリッと音を立てるのが印象的。その皮の食感は口の中でも仄かな薫香と共に音を立て、灸鰹の旨味と甘味が素晴らしい。

鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝の中心部のみを供します。とんでもなく滑らかで、口に入れた瞬間になくなるほど。

牡丹海老の炭火焼き♡♡
前岩親方の故郷である和歌山県の「三ツ星醤油」を振り掛けながら炭火で焼きあげる「すし 良月」のシグネチャー料理。プリッとした食感もありつつとろけるような牡丹海老は醤油の香りを纏い、実に官能的な美味しさ。

蛤出汁と海鼠腸♡♡
この料理は旨味の爆弾。蛤出汁の濃度も濃すぎずに旨味のみを感じられ、更に海鼠腸の香りも感じられます。コレでお酒も飲めるような出汁。

中トロ♡
初手は青森県八戸産の中トロ。鮨店にはまずないヒートランプで温度をあげてから握られます。口の中で一瞬とどまり、香りを感じるとゆっくりととろけていきます。食べ終えても尚、口の中に香る旨味が印象的。

大トロ♡
口溶けは中トロ以上、香りはさほど感じられないながらも強い旨味と甘味はシャリの酸でより際立ちます。

赤身♡
切りつけてから刷毛で醤油を塗り、重ね合わせることで鮪同士で旨味を出し合う仕立て。まず旨味がグッときてから香りが華やぎます。そして、鼻から抜けるその香りは食べ終えても続きます。

はりいか♡
兵庫県明石産の活け〆。言い慣れない烏賊ですが、関東でいう「墨烏賊」。サクサク感がありつつもモッチリ感もあって美味しい。

喉黒の蒸し鮨♡
織部焼の可愛い器に入っているのは、手毬仕立ての喉黒を自家製ポン酢と共に蒸し上げた蒸し鮨。コース内に温かい鮨で緩急をつけるのが、「すし 良月」の真骨頂。

鮃♡♡
朝〆の鮃。感じたことのないほどの歯を跳ね返すほどのモチモチ感で驚きます。そして喉黒の蒸し鮨で口の中にまだ酸が残っているので、より甘味を感じられて美味しい。

鰆♡
神経〆して5日目。食感が鮃との対比になっているかのようで、ねっとりと舌に絡みつくかのような甘味が素晴らしい。

閂♡
見たことないほどに肉厚な細魚。モチモチ感もありつつ、サクッと歯切れの良さもあって美味しい。

鬼鯵♡
兵庫県明石産の神経〆。鯵らしくない鯵で、雑味がない綺麗な味わい。ただ旨味はとても強く、食べ終えて残る甘味が愛しい。

松葉せいこ♡
松葉蟹の雄の身と雌の内子と外子を合わせた蒸し鮨。この時期ならではの仕立てで、シャリの酸味でより蟹の甘味が輪郭を成して美味しい。

小鰭♡
柔らかな酸を感じ、後から旨味が追いかけてくるよう。

煮蛤♡♡
本日完成したという煮蛤で、65℃で低温調理して、ワタの部位だけを100℃でしゃぶしゃぶし、更に100℃の調味液で漬け込んだ3段階火入れを施しているらしい。そんな煮蛤の食感は生っぽいのに確りとした味が染み込んでおり、素晴らしい美味しさ。

馬糞海胆巻き♡
北海道浜中産の馬糞海胆を細巻きにしたもの。コレも海胆と海苔を合わせた1つの答え。海苔のパリッとした食感はなくなってしまいますが、香りの一体感はこちらの方がいい。

穴子♡♡
炭火で両面を炙って香ばしさをつけた穴子は、食べる前からその香りでもう美味しいが確定。塩の仕立てですが、口の中で広がる旨味と香りが素晴らしい。

泥障烏賊*♡
細かく包丁を入れた身を更に細く切ってから握られるので、口溶けが素晴らしく、甘味が凄い。

笛鯛*♡
軽い昆布〆されており、とろける身とそこから溢れる甘味が秀逸。

白皮梶木*♡
舌に絡むような旨味と甘味、そして香りが鼻から抜けます。

縞鯵*♡
本日の14時に到着したばかりという縞鯵は旨味と香りが華やぎ、知ってる縞鯵とは別モノ。

白甘鯛*♡♡
旨味と甘味がトップクラスに美味しく、特に旨味にコクを感じられます。

平宗田鰹*♡♡
「コレが鰹?」と疑うほどにとろけるような身とその旨味が濃くて甘い。

鮃の炙りえんがわ*♡♡
炭の香りを纏い、表面の脂が溶けてより甘味も感じられます。

背トロ*♡♡
香りは中トロ、口溶けは大トロ。背トロは個人的に鮪で一番好きな部位です。

真鯛*♡
皮目の甘味が映え、身の旨味が強くて美味しい。

間八*♡
フレッシュさがありつつも神経〆された身は柔らかく、甘味ある脂もあって美味しい。

歯鰹*♡
先程の平宗田鰹と鰆を足して2で割ったような酸味が少ない味わいで、旨味に関してはこちらの方があるかな。

はりいかの下足*♡
コリコリ食感と旨味があって、煮つめがかけられているのが特に好み。

鰹のハラス*♡♡
食べる度に「本当に鰹?」と驚くほどに鰹らしさがない鰹。口の中で藁の薫香がフワッと香り、強い旨味が溢れます。

蝦夷馬糞海胆*♡
北海道昆布森産。まるでジュースのような海胆で、海苔の香りと昆布のような旨味が口の中で爆ぜます。

カマトロ炙り*♡♡
カマトロの部位を薄く切りつけて、握りにしてから炭を上から近づけて炙ったもの。鮪ということを忘れるほどの肉々しさがあり、香りも味わいも実に美味しい。

玉♡♡
口の中でシュワっととろけて、貝の旨味が広がる玉。シャリの酸でより甘味も感じられます。

握りはデフォルトコースで15種、追加で15種と凄い内容になりました。鮨の花形である鮪も5種ありましたが、赤身で唸る美味しさだったのは鰹でしょうか。宗田鰹や鰹のハラスは「本当に鰹なの?」と疑うほどの美味しさがあり、出逢えたならば必食の一貫だと思います。また個人的に「すし 良月」と言えば、白身と思っているので、白甘鯛や鮃が期待を裏切らない美味しさで幸せでした。ちょうど解禁となった新作の煮蛤も変態的な火入れを施しており、素晴らしい。

訪れる度に安定した美味しさと驚く美味しさを楽しめる「すし 良月」。2024年もまだまだ楽しませていただきたいです。

前岩親方をはじめ、スタッフの方々。遅くまでありがとうございました!また是非宜しくお願い致します!

  • 2023.11. 鱈の白子

  • 2023.11. 九絵の炙り

  • 2023.11. 鯖鮨

  • 2023.11. 灸鰹

  • 2023.11. 鮟肝

  • 2023.11. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2023.11. 蛤出汁と海鼠腸

  • 2023.11. 中トロ

  • 2023.11. 大トロ

  • 2023.11. 赤身

  • 2023.11. はりいか

  • 2023.11. 喉黒の蒸し鮨

  • 2023.11. 鮃

  • 2023.11. 鰆

  • 2023.11. 閂

  • 2023.11. 鬼鯵

  • 2023.11. 松葉せいこ

  • 2023.11. 小鰭

  • 2023.11. 煮蛤

  • 2023.11. 馬糞海胆巻き

  • 2023.11. 穴子

  • 2023.11. 泥障烏賊

  • 2023.11. 笛鯛

  • 2023.11. 白皮梶木

  • 2023.11. 縞鯵

  • 2023.11. 白甘鯛

  • 2023.11. 平宗田鰹

  • 2023.11. 鮃の炙りえんがわ

  • 2023.11. 背トロ

  • 2023.11. 真鯛

  • 2023.11. 間八

  • 2023.11. 歯鰹

  • 2023.11. はりいかの下足

  • 2023.11. 鰹のハラス

  • 2023.11. 蝦夷馬糞海胆

  • 2023.11. カマトロ炙り

  • 2023.11. 玉

  • 2023.11. 玉

2023/12/25 更新

8回目

2023/07 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2023.7.

ありつつも君をば待たむ/すし 良月

黒鮑♡
湯気が立ち上る器の中にあるのは、大きな黒鮑。目の前で切られるだけでも鮑の香りが凄く、口の中に入れるとムチムチとした食感の後に爆ぜる香りが素晴らしい。

いちご煮♡
今いただいた鮑の煮汁に熊本県天草産の赤海胆を加えたもの。
衝撃的に甘く、そして後味にほろ苦さが残る赤海胆が鮑の香りを纏う感じで、いつもながらに美味しい。

黒鮑の貝柱♡
先程の黒鮑の貝柱の部位のみを薄切りにして、酢橘を搾って。
生ならではの鮑の香りがあり、酢橘の酸味で輪郭を成す甘味も秀逸。

白甘鯛♡♡
愛媛県宇和島産。身は昆布〆して、目の前で皮目だけを炭火を炙ってから供されます。
口に入れると、炙られた表面はパリパリと小気味よく、締まった身はモチモチとして旨味が溢れます。

焼き鳥貝♡♡
京都府宮津産。身は軽く炙ってから酢橘、珍しい肝は更に炙ってから供されます。
肉厚でザクザクとした食感があり、溢れる甘味が素晴らしい。そして、驚愕するのは肝。少量でも磯の香りがぶわっと広がり、甘味も素晴らしいのひと言。

黒鮑の肝ポン酢♡
先程の鮑の肝をあえて、生で。爽やかな肝の旨味があり、足りない塩分をポン酢が補っています。

牡丹海老の炭火焼き♡
特大の牡丹海老を前岩親方の故郷である和歌山県産の「三ツ星醤油」を塗って、炭火焼きした「すし 良月」のシグネチャー料理の1つ。
表面は火を通したことで、とろりととろけるような食感になり、中心部はレアなので舌に絡まるような2段階の食感があります。そして、甘味も火を通した部位と生の部位で異なる甘味があり、実に美味しい。

鱧のお椀♡
「心が綺麗な方にだけ見えますw」という鱧のお椀。塩で脱水させた鱧をそのまま骨も一緒に出汁を抽出することで臭みなども取れて、濃度もいい塩梅になるらしい。
味わうと分かる鱧の存在感。ですが、私には鱧の姿は見えなかったですw

中トロ♡
青森県大間産の延縄。口に入れた瞬間にとろけ、シャリと混ざり合って甘味が広がり、食べ終えて尚、口の中にまだあるかのような存在感のある香りが素晴らしい。

大トロ♡
同じ魚体。鮨店でまず他店で見たことがないヒートランプで温度を上げられた大トロの口溶けは更に素晴らしく、香りの代わりに甘味が広がります。

赤身漬け♡
赤身を切りつけてから刷毛で醤油を塗ってから重ねて合わせることで、お互いの旨味を移らせるという独特な漬け。口に入れると、シルクのような口当たりで、爆ぜるような酸味と香りが素晴らしい。

泥障烏賊♡
酢橘と塩で。両面に包丁を入れているので、口の中での解け具合とシャリとの一体感のスピードが凄い。サクサクとした墨烏賊もいいですが、泥障烏賊の甘味が好きです。

喉黒の蒸し鮨♡
喉黒を使った手毬鮨を自家製ポン酢と共に蒸しあげたもの。
ひと口でいただくと、蒸しあげたことで濃密な喉黒の旨味がより溢れ出し、ポン酢の酸味でより甘味も強く感じられます。

笛鯛♡
京都府串本産。瞬で溢れ出る甘味が秀逸で、シャリの塩・酸味でより強く輪郭を成すかのよう。

縞鯵♡
京都府串本産。間に紫蘇を入れる仕立てで、縞鯵の旨味と甘味が映え、最後に紫蘇の爽やかさが駆け抜けていくような感じ。

石垣貝♡♡
丸々一個を握った石垣貝はザクザクとした食感があり、それを楽しんでいると濃密な甘味が溢れ、最後に香りがふわりと鼻から抜けます。

鬼鯵♡
兵庫県明石産。薄く切りつけてから2枚重ねてから握られます。鯵としてはかなり大きく、爽やかなだけでなく、どっしりとした旨味が濃厚。

毛蟹の蒸し鮨♡
大葉の上にシャリと毛蟹を大量に乗せて、蒸しあげたもの。
蓋を取ると、湯気と共に大葉の爽やかな香りが立ち上ります。シャリの酸味が毛蟹の甘味をより引き出しており、美味しい。

新子♡
2枚付け。初めは酢の味わいがしますが、徐々に新子の旨味が溢れ出しきます。

赤海胆♡♡
福井県小浜産。濃密な甘味の中に複雑な旨味があり、後味はとても綺麗。

穴子巻き♡♡
来店が土用の丑の日近くだったので、穴子の棒鮨を玉子で巻いたもの。玉子のコクと甘味がふんわりと穴子を包んでおり、定番化を望むひと皿。

平鱸(追加)♡
シャリの塩味で押し上げられた旨味が実に濃厚で、後味に残る甘味が愛しいほどに美味しい。

赤海胆(追加)♡♡
愛媛県産。ぶわっと広がる甘味が素晴らしく、口の中に残る甘味さえも余韻長く楽しめます。

鶏魚(追加)♡♡
愛媛県今治産。腹の部位で、咀嚼する度に溢れる甘味が秀逸。

赤海胆(追加)♡♡
和歌山県由良産。どこか爽やかな柑橘系の味がし、後味は複雑な苦味と甘味が映えます。

鯵(追加)♡
熊本県天草産。肉厚なので口の中で主張する存在感があり、爽やかな旨味が駆け抜けていくかのよう。

白海老昆布〆(追加)♡
脱水して旨味が凝縮しており、仕上げに絞った酢橘の爽やかが映えて、その後旨味と甘味が広がります。

目一鯛(追加)♡♡
とろりとした濃厚な甘味があり、白身ということを忘れてしまうほどの美味しさ。

金目鯛♡
皮目の面積が多く、その皮目の甘味がジュワッと溢れます。皮目を炙って脂を出す仕立てが多い中で、香ばしさがない綺麗な仕立ては素晴らしい。

鰹のハラス(追加)♡♡
藁でスモークした鰹のハラス。鰹と言われなければ全く分からないような濃厚な旨味があり、出逢えたならば必食の一貫。

馬糞海胆(追加)♡♡
北海道利尻産。海苔の香りがした後に一気に押し寄せる馬糞海胆の甘味がまるでジュースのように口いっぱいに広がります。

穴子(追加)♡♡
香りと旨味もある穴子は煮つめでよりその旨味を倍加・累乗しており、とろけるだけでなく確りと穴子本来の味わいも感じられて美味しい。

玉♡
帆立を入れた玉は口の中でシュワって溶けるような食感。シャリと共にいただくことで、より甘味を感じられます。

広尾にある「すし 良月」に再訪。店主・前岩 和則さんの故郷である和歌山県を中心にした食材を多く取り入れて、確りと店のコンセプトを感じられる鮨店です。「牡丹海老の炭火焼き」はスペシャリテと呼べる美味しさと顔のある料理であり、コースで供される鮨は味の濃淡だけでなく、温度差による緩急もあるので、まるでドラマを観ているかのような楽しさがあります。そして、今回は多くの白身を出していただき、その美しい身から想像できない力強い旨味と甘味をより多く実感でき、楽しむことができました。

長い時間楽しませていただき、ありがとうございました。また次回も楽しみにしております。

今回出逢ったお酒

廣戸川 特別純米酒

磯自慢 純米大吟醸 40 古家

飛露喜 特別純米

加茂錦 荷札酒 出羽の里 純米大吟醸

高砂 純米大吟醸

九頭龍 氷やし酒

水尾 特別純米酒 金紋錦仕込

寒紅梅 純米吟醸酒 NATSU酒 ペンギンラベル

勝駒 純米吟醸

加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 播州山田錦 生酒

菖蒲渓 生酛 特別純米酒 生

  • 2023.7. 黒鮑

  • 2023.7. いちご煮

  • 2023.7. 黒鮑の貝柱

  • 2023.7. 白甘鯛

  • 2023.7. 焼き鳥貝

  • 2023.7. 黒鮑の肝ポン酢

  • 2023.7. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2023.7. 鱧のお椀

  • 2023.7. 中トロ

  • 2023.7. 大トロ

  • 2023.7. 赤身漬け

  • 2023.7. 泥障烏賊

  • 2023.7. 喉黒の蒸し鮨

  • 2023.7. 笛鯛

  • 2023.7. 縞鯵

  • 2023.7. 石垣貝

  • 2023.7. 鬼鯵

  • 2023.7. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2023.7. 新子

  • 2023.7. 赤海胆

  • 2023.7. 穴子巻き

  • 2023.7. 平鱸

  • 2023.7. 赤海胆

  • 2023.7. 鶏魚

  • 2023.7. 赤海胆

  • 2023.7. 鯵

  • 2023.7. 白海老昆布〆

  • 2023.7. 目一鯛

  • 2023.7. 金目鯛

  • 2023.7. 鰹のハラス

  • 2023.7. 馬糞海胆

  • 2023.7. 穴子

  • 2023.7. 玉

  • 2023.7. 廣戸川 特別純米酒

  • 2023.7. 磯自慢 純米大吟醸 40 古家

  • 2023.7. 飛露喜 特別純米

  • 2023.7. 加茂錦 荷札酒 出羽の里 純米大吟醸

  • 2023.7. 高砂 純米大吟醸

  • 2023.7. 九頭龍 氷やし酒

  • 2023.7. 水尾 特別純米酒 金紋錦仕込

  • 2023.7. 寒紅梅 純米吟醸酒 NATSU酒 ペンギンラベル

  • 2023.7. 勝駒 純米吟醸

  • 2023.7. 加茂錦 荷札酒 純米大吟醸 播州山田錦 生酒

  • 2023.7. 菖蒲渓 生酛 特別純米酒 生

2023/09/02 更新

7回目

2023/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2023.2.

ありつつも君をば待たむ/すし 良月

蒸し鮑♡
山口県産。目の前で切られるのを見ていると、周りに立ち込める鮑の香りが凄い。大きく切りつけられた鮑を口に入れると、プリプリとして実に柔らかい。しかしながらコレは香りを味わうもの。鼻腔を擽る鮑の香りが実に素晴らしい。

いちご煮♡
先程の鮑の出汁と北海道産の北紫海胆を合わせた『いちご煮』。香り立つ鮑の出汁の中で、温度を上げることでより北紫海胆の甘味がより際立ちます。

メジマグロ♡
新潟県佐渡島産。目の前にある炭場に藁を焚べて燻すと、店内に広がる香りからもうヤバい。切り付けると、皮目がバリッと音を立てるのが印象的で、それは口の中でも同じ。背と腹の部位で食べ比べのように盛り付けられており、薫香と甘味の一体感が素晴らしい。

鮟肝♡
甘く炊いた鮟肝の中心部のみを切り、仕上げに上から柚子を削ったもの。
口溶けが素晴らしく、鮟肝本来の旨味が残っており、食べ終えると口の中で香りが立ち込めます。

唐墨♡
唐墨は西京味噌漬けにしており、仕上げに表面を炭火で軽く炙ったもの。
コレは実に美味しい。西京味噌の優しい甘味と香りがあり、そのままでもお酒にも実にいい。

九絵の炭火焼き♡♡
いつもの『牡丹海老の炭火焼き』に代わり、今回は熊本県天草産の32キロの九絵に三ツ星醤油ベースの煮切りをつけて、軽く炭火焼きして柚子を搾りかけたもの。
九絵の新しい食べ方を垣間見れたひと品。炙ることで醤油の香ばしさと九絵の旨味が凝縮しており、咀嚼する度に旨味と甘味が溢れ出ます。

白子♡
鯛の出汁の中に虎河豚の白子を浮かべたもの。
器から立ち上る香りから想像できる濃厚さは味わうと確信に変わり、虎河豚の白子の無垢な味わいがとてもクリーミーで美味しい。

中トロ♡
長崎県産の235キロ。鮨店にはまずないヒートランプで温度を上げているので、シャリとの一体感があり、口の中で華やぐ香りと鮪の旨味が美味しい。

大トロ♡
同様にヒートランプで温度を上げることで、口の中で液体のように溶けます。シャリの塩気で甘味の輪郭がハッキリとし、鮪の甘味が映えます。

赤身漬け♡
柵から切り付けて一つ一つに刷毛で煮切りを塗り、重ねて滲み出る旨味も移した赤身漬け。
旨味が凝縮するというのが実によく分かる味わいで、食べ終えて鼻から抜ける香りまでも美味しい。

泥障烏賊♡♡
三重県産。身に細かく包丁を入れて、更に細く切り、纏めて握ったもの。
口の中でネットリとする口溶けが段違いで、泥障烏賊の甘味が最高に味わえます。

喉黒の蒸し鮨♡
薄く切り付けた喉黒でシャリを巻き、自家製ポン酢を入れて蒸しあげたもの。
「すし 良月」の特徴の1つである温度での緩急の素晴らしさが感じられるひと品で、ポン酢の柔らかな酸味で脂のある喉黒でもクドい感じさせない味わい。

白甘鯛♡
ヒートランプで温度を上げており、口の中で存在感が素晴らしい。食べ終えても尚、口の中に残る白甘鯛の甘味がとても美味しい。

鰆♡
静岡県産。意外と水分を残しており、口の中でジュワッととろけます。あまり感じられない本来の鰆の香りや甘味も確りと楽しめます。

閂♡
宮城県気仙沼産のとてつもない大きさの細魚。爽やかな酢橘の酸味を纏う張りのある身はザクッとした食べ応えあり、旨味が強い。

鱒の介♡
皮目を焼いてから藁で燻したもの。異様なまでの口溶けが凄い。藁の薫香が鼻から抜けたら、もう身は液体に変わっており、飛散するシャリと混ざり合うのが実に素晴らしい。

小鰭
熊本県天草産。半身を開いて、皮目と身が同時に舌に当たるように握られます。
ガツンとくる酸味が心地よく、シャリと混ざり合うことで徐々に小鰭の旨味が引き出されていく感じ。

毛蟹の蒸し鮨♡
蒸篭の中に大葉を敷いて、その上に器を置いて蒸しあげた毛蟹の蒸し鮨。
蓋を開けると、大葉の香りがふわりと爽やか。小鰭の酸味がまだ口の中にある状態でいただく毛蟹はより甘味を感じられて美味しい。

赤貝
山口県産。ザクザクと小気味良い食感があり、捌きたてではないようですが、血の中に漬けたいたそうで、赤貝独特の香りも活きていて美味しい。欲を言えば、ヒモも加えて1個丸々食べたい。

のれそれ 鼈出汁で♡
鼈の出汁にのれそれを入れて。この出汁がまるで、あの有名カップ麺の「どん○衛」のような味わいで面白い。のれそれもこのような仕立てで食べることがないので斬新。

穴子♡
炭火で炙られた穴子は香ばしさを纏い、その香りが店内に漂います。口に入れると、シャリの酸と塩で押し上げられた穴子の甘味と旨味が広がって、実に美味しい。

真鯛(追加)
プリッとした歯応えはありつつも柔らかく、咀嚼していくと真鯛の旨味や甘味がゆっくりと溢れてきます。

ともしげ(髭鯛)(追加)♡
和歌山県串本産。2週間寝かせているそうですが、まだ身には歯を跳ね返すような張りがあり、上品な甘味は真鯛が霞むくらいに美味しい。

金目鯛(追加)♡
軽く昆布〆された金目鯛の旨味にほのかな昆布の旨味が加わり、味わいは累乗・倍加していて美味しい。

メジマグロ漬け(追加)♡
柵のまま湯霜にして漬けられたメジマグロ。身は締まっていながらも咀嚼すると甘味が溢れます。

細魚(追加)
閂と違い、身は柔らか。コレはコレで美味しい。

鰤(追加)♡
和歌山県串本産。クリアな味わいの鰤で、部位も腹なのでとろけて溢れる脂の甘味がいい。

メジマグロのハラス(追加)♡♡
「すし 良月」がよく持っている『〜のハラス』は絶対に食べるべき種。藁で軽くスモークを施しており、融点が低いのか瞬時に溶けて薫香が鼻から抜けます。 

牡丹海老①(追加)♡♡
あの炭火焼きで供される牡丹海老を初の握りで。大きいので半分にして、まずは生で。舌に絡みつくようにとろけ、溢れ出る甘味が凄い。

牡丹海老②(追加)♡♡
残りの半分は炭火で軽く炙って。炭の香りを纏うことで、口溶けはゆっくりとなってより甘味を感じられます。やはり海老は少し火を通した方が好み。

北紫海胆♡♡
長崎県産。塩で味わうので、1つ1つの粒は小さいながらも海胆の甘味や苦味も楽しめて美味しい。

玉♡
鮨店では珍しく帆立を使った玉で、シュワシュワとした口溶けが楽しめます。味わいも帆立がガツンと主張してきます。

今回はあまり間を空かずに訪問できた広尾にある「すし 良月」。店主・前岩 和則さんとソムリエ・成田 大さんを中心に鮨×酒が織りなす真剣勝負が見られる鮨店。しかし今回は成田さんにお酒の量を控えることを伝えたところ、ワイングラスと酒椀という酒器による違いで楽しませていただきました。同じ日本酒でも前回は温度での違い、今回は器での違い。日本の土で作られた酒椀の方が味が柔らかい感じがします。
そして、鮨。味わいと温度による緩急がまるでジェットコースターのように激しくも楽しく、何よりも1つ1つが美味しかったです。特に鮪はヒートランプで温めることで、よりシャリとの境界線をなくして、口の中で瞬時に一体化するのが印象的でした。「用意されている種を全て食べます」と予め伝えていたら、凄い量を用意して下さり、周りの方々と共にコースを2周するような貫数を握って下さいました。鮨×酒のペアリングを楽しむのもいいですが、今回のようにガッツリと鮨を食べるのもやはり楽しい。

前岩親方、成田さん。楽しい時間をありがとうございました!またどうぞ宜しくお願い致します!

今夜出逢えたお酒

みむろ杉 木桶菩提酛

異端教祖株式会社 2018

龍勢 ゆらぎの凪

  • 2023.2. 蒸し鮑

  • 2023.2. いちご煮

  • 2023.2. メジマグロ

  • 2023.2. 鮟肝

  • 2023.2. 唐墨

  • 2023.2. 九絵の炭火焼き

  • 2023.2. 白子

  • 2023.2. 中トロ

  • 2023.2. 大トロ

  • 2023.2. 赤身

  • 2023.2. 泥障烏賊

  • 2023.2. 喉黒の蒸し鮨

  • 2023.2. 白甘鯛

  • 2023.2. 鰆

  • 2023.2. 閂

  • 2023.2. 鱒の介

  • 2023.2. 小鰭

  • 2023.2. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2023.2. 赤貝

  • 2023.2. のれそれ 鼈出汁で

  • 2023.2. 穴子

  • 2023.2. 真鯛

  • 2023.2. ともしげ(髭鯛)

  • 2023.2. 金目鯛

  • 2023.2. メジマグロ漬け

  • 2023.2. 細魚

  • 2023.2. 鰤

  • 2023.2. メジマグロのハラス

  • 2023.2. 牡丹海老(生)

  • 202.2. 牡丹海老(炙り)

  • 2023.2. 北紫海胆

  • 2023.2. 玉

  • 2023.2. みむろ杉 木桶菩提酛

  • 2023.2. 異端教祖株式会社 2018

  • 2023.2. 龍勢 ゆらぎの凪

2023/04/16 更新

6回目

2022/11 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2022.11.
センス×センスが織りなす真剣勝負/すし 良月

蒸し鮑/松の司 純米大吟醸 AOZOLLA50♡
茨城県常磐産。プリプリムチムチと咀嚼するのが楽しいほどの食感があり、鼻から抜ける磯の香りが素晴らしい。

いちご煮/天明 焔 山廃もと 特別純米 二回火入れ♡
北海道昆布森産の馬糞雲丹と先程の蒸し鮑の出汁と合わせた青森県の郷土料理であるいちご煮風に。
鮑の旨味がギュッと濃縮された出汁の仄かな塩味で、馬糞雲丹の甘味の輪郭が映えます。

真鯛/黒龍 大吟醸 龍♡
兵庫県明石産から直送のものを背と腹の部位で。
背はプリプリとし、腹はブリンブリンに歯を跳ね返るほどの弾力にとみ、咀嚼するほどに旨味と甘味が溢れてきます。

鰹/秋鹿 一貫創り 純米吟醸 きもと 無濾過原酒 もへじラベル♡
長崎県壱岐産の迷い鰹。藁と炭の香りが店内を包み、供されます。
皮目がパリッとしており、鉄っぽさよりも旨味の濃度が強くて美味しい。またペアリングする『秋鹿』がどこかスパイシーでとても個性的な味わい。これを鰹に合わせてくる成田さんのセンスが今夜も前岩さんとバチバチとせめぎ合います。

鮟肝/十四代 播州愛山♡
北海道余市産。甘く炊いた鮟肝の中心部だけを切りつけたもの。
ふわりと柚子が香り、クリーミーで無垢な旨味の鮟肝が実に美味しい。ペアリングする『十四代 播州愛山』を飲むと、口の中で甘味が膨らんで爽やかに消えます。

鯖鮨/日置桜 特醸純米酒 無濾過♡♡
鯖の棒鮨を牛皮昆布で巻き、中に木の芽を忍ばせた「すし 良月」のスペシャリテの1つ。
牛皮昆布の甘味、鯖の旨味、木の芽の香りの三位一体の味わいが口の中で爆ぜます。素晴らしい美味しさ。

牡丹海老の炭火焼き/而今 赤磐雄町♡♡
北海道増毛産の牡丹海老を和歌山県産の「三ツ星醤油」をかけて、炭火焼きしたもの。コレも「すし 良月」のシグネチャー料理で、牡丹海老の表面のプリッとした食感の後に身がとろりととろけます。醤油は牡丹海老の甘味を引き出す為の味付けなので、生の牡丹海老よりもずっと甘味を感じられます。

白子/醸し人 九平次 火と月の間に♡
北海道羅臼産の真鱈の白子を先程の鯛の中骨で取った出汁と合わせて。
白子はまさに純粋無垢な味わいで、雑味のないクリアな旨味のある出汁が素晴らしい。ペアリングする『醸し人 九平次 火と月の間に』を出汁と交互に飲むと、旨味と甘味が口いっぱいに広がって至福の味わい。

中トロ/日高見 弥助(ぬる燗)♡
青森県戸井産。「すし 良月」の店内でも目を引くヒートランプで温度を上げられた中トロは香り高くて、スッととろけます。ペアリングは同じ銘柄で温度を変えて供する成田さんの新しい試み。

大トロ/日高見 弥助(熱燗)♡
岩手県大船渡産。コッテリとした旨味の中で、ペアリングする『日高見 弥助(熱燗)』のキレ味が凄い。大トロの旨味と甘味の余韻がふわりと増幅する中で、スパッとしたキレ味の良さ。温度を変えると感じる日本酒の底力を感じました。

赤身漬け/廣戸川♡
青森県戸井産。切りつけてから刷毛で丁寧に出汁醤油を塗り、重ねて寝かせることで鮪同士の旨味を移し合う独特な漬け。
咀嚼している間は酸味はさほど感じませんが、食べ終わると残る酸味のある香りが心地よい。ペアリングする『廣戸川』を最後に飲むと、酸味の中で甘味が口の中に広がります。

泥障烏賊/伯楽星 特別純米♡
美しく包丁を入れられた泥障烏賊は口の中に入れた瞬間になくなります。残るのはシャリの塩味で際立った甘味のみ。

喉黒の蒸し鮨/白隠正宗 誉富士 生もと純米♡
喉黒を薄く切りつけてからシャリと共に手鞠鮨にして、自家製ポン酢をかけて蒸したもの。
喉黒を使うお店は多いですが、このように酸味を効かせて供してくる鮨店はあまりなく、センスが光る一貫。

白甘鯛/越後鶴亀 純米吟醸 越弌♡
徳島県産。白身とは思えないほどの滴るほどの脂乗りがあり、とろりととろけます。ペアリングする『越後鶴亀 純米吟醸 越弌』のシュワッとした口当たりが白甘鯛の脂をスパッと切るような味わい。

鰆/紗利 五割諸白 純米大吟醸♡
大阪府明石から直送のもの。個体であったことが不思議であるほどの口溶けの良さで、残る仄かな甘味が愛しいほどに美味しい。

閂/雪中梅 純米酒♡
大型の細魚である閂。サクサクと音を立てるほどに身が引き締まっており、酸味の後に甘味も感じられて爽やかな一貫。ペアリングする『雪中梅 純米酒』の独特な後味がよりこの一貫を個性的に輝かせます。

鱒の介/睡龍♡
北海道羅臼産の活け〆のもの。藁で燻製を施しており、口の中で雑味ない味わいが広がります。熟成させた『睡龍』の深い味わいがより鱒の介の旨味を引き出しているかのよう。

越前蟹の蒸し鮨/夜の帝王♡
雄の身の上に雌の内子・外子を乗せた今だけの仕立て。シャリの酸味で際立った越前蟹の旨味や甘味が映え、そこに内子・外子が加わることで食感と共に旨味も格段に増します。

小鰭/日高見 超辛口 純米♡
口の中に越前蟹の甘味が残っているので、より小鰭の甘味を感じられて酸味が心地よい。

雲丹いくら/惣誉 情熱 純米生原酒♡♡
雲丹といくらを半々に巻いた手巻き。しかしながら、この主役は海苔。旨味の強いいくらや雲丹が霞んでしまうほどの海苔の香りと旨味が凄い。

穴子/若松♡
炭火で炙って温度を上げてから握られる穴子は熱々。口の中で瞬時になくなるほどの口溶けの良さで、旨味と甘味が素晴らしい。

九絵/寶劍 超辛口♡
和歌山県串本産。咀嚼の度に甘味が溢れて、ペアリングする『寶劍 超辛口』を飲むと更に旨味が増します。

鰹のハラス♡♡
近頃は迷い鰹の量が少ないそうで、今は丸々一本買っているという鰹。ならば当然、ハラスもあるわけで握っていただきました。もしもこの部位があるならば、必食と言うべき一貫です。旨味・甘味・脂が鰹らしからぬ味わい。

鮑の貝柱♡
珍しい鮑の貝柱の部位。薄く切りつけてから纏めて、酢橘と塩で。
酢橘の爽やかな酸味の後、確りとした歯応えと磯の香りがふわりとします。

焼き鯖鮨♡
こちらも「すし 良月」のシグネチャー料理。先程の鯖鮨とは違い、炭火で表面を炙ることで、焼きおにぎりのような仕立てになっています。さながら、口の中で完成する焼き魚定食という感じ。

玉♡
デフォルトだと肴ですが、今回も握りで。口の中でシュワッと溶ける玉は帆立の旨味がガツンときて、まるで帆立そのものを食べているかのようです。

約1年ぶりとなる広尾にある「すし 良月」に再訪。店主・前岩 和則さんは若いながらも確りと顔のある肴と鮨を作りだし、「L'Effervescence」ご出身のソムリエ・成田 大さんがそれに負けじと日本酒をペアリングさせる。そこにどちらかが合わせるという妥協はなく、若い2人によるまさに真剣勝負を今夜も楽しませていただきました。
旨味の強弱だけでなく、酸味のアクセントを巧みに使い、更には『蒸し鮨』のような温度の緩急もある、まるでジェットコースターのような楽しい仕立て。ペアリングする日本酒も定番のものから個性的なものまであり、更には『中トロ』と『大トロ』で見られた同じ銘柄の温度差による違いを楽しむマリアージュも実に素晴らしかったです。ただ今回は少々飲み過ぎてしまったので、次回からは少し量を減らそうかと思います…。

前岩親方、成田さん。今回もありがとうございました!次回は確りとお腹を空かせて伺います。40000

  • 2022.11. 蒸し鮑

  • 2022.11. 松の司 純米大吟醸 AOZOLLA50

  • 2022.11. いちご煮

  • 2022.11. 天明 焔 山廃もと 特別純米 二回火入れ

  • 2022.11. 真鯛

  • 2022.11. 黒龍 大吟醸 龍

  • 2022.11. 鰹

  • 2022.11. 秋鹿 一貫創り 純米吟醸 きもと 無濾過原酒 もへじラベル

  • 2022.11. 鮟肝

  • 2022.11. 十四代 播州愛山

  • 2022.11. 鯖鮨

  • 2022.11. 日置桜 特醸純米酒 無濾過

  • 2022.11. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2022.11. 而今 赤磐雄町

  • 2022.11. 白子

  • 2022.11. 醸し人 九平次 火と月の間に

  • 2022.11. 中トロ

  • 2022.11. 日高見 弥助(ぬる燗)

  • 2022.11. 大トロ

  • 2022.11. 赤身漬け

  • 2022.11. 廣戸川

  • 2022.11. 泥障烏賊

  • 2022.11. 伯楽星 特別純米

  • 2022.11. 喉黒の蒸し鮨

  • 2022.11. 白隠正宗 誉富士 生もと純米

  • 2022.11. 白甘鯛

  • 2022.11. 越後鶴亀 純米吟醸 越弌

  • 2022.11. 鰆

  • 2022.11. 紗利 五割諸白 純米大吟醸

  • 2022.11. 閂

  • 2022.11. 雪中梅 純米酒

  • 2022.11. 鱒の介

  • 2022.11. 睡龍

  • 2022.11. 越前蟹の蒸し鮨

  • 2022.11. 夜の帝王

  • 2022.11. 小鰭

  • 2022.11. 日高見 超辛口 純米

  • 2022.11. 雲丹いくら

  • 2022.11. 惣誉 情熱 純米生原酒

  • 2022.11. 穴子

  • 2022.11. 若松

  • 2022.11. 九絵

  • 2022.11. 寶劍 超辛口

  • 2022.11. 鰹のハラス

  • 2022.11. 鮑の貝柱

  • 2022.11. 焼き鯖鮨

  • 2022.11. 玉

2022/12/20 更新

5回目

2021/12 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2021.12.
そこにあるのは故郷への愛。そして、2人の男の真剣勝負。

今ではあまり公になっていないようですが、広尾駅から徒歩10分くらいの立地にある「すし 良月」では、肴や握り1つに対してお猪口1杯の日本酒のマリアージュがあります。「数貫に1杯ではダメなのですか?」という素朴な疑問に対して、「それだと、どちらかが合わせることになるのでしません!」と若き店主の前岩 和則さんはキッパリと仰る。

今の時期にある最高の素材を最良の仕立てで作り出す前岩親方に対して、全力で応えてらっしゃるのがソムリエの成田 大さん。ミシュラン***に輝く「L'Effervescence」ご出身なので、一番精通するのはワイン。しかしながら、一切ワインは供せずに日本酒のみでペアリングさせます。まさに男2人による真剣勝負のようなこの感じ。非常に楽しい!

今夜の献立

蒸し鮑/惣誉 特別純米♡
三陸産の蝦夷鮑を蒸したものをその出汁と共に。「すし良月」の定番な肴ですが、むっちりとした食感に香りが立ち込めて、やはり美味しい。

いちご煮/勝駒♡
先程の鮑の出汁に北海道浜中産の天然馬糞雲丹を合わせた『いちご煮』。香りのある出汁の中でも確りとした馬糞雲丹の旨味と甘味が秀逸。

鯛/而今 特別純米 にごり酒♡
兵庫県明石から直送の真鯛を寝かせたものを背と腹の部位で。歯を跳ね返すような弾力があり、咀嚼する度に甘味が溢れます。美味しい♡

迷い鰹/磐城寿 純米(常温)♡
新潟県佐渡島産の神経〆の迷い鰹を藁で炙ったもの。「コレは鰹じゃない!」と思わせるほどの旨味が素晴らしい。

鯖鮨/悦凱陣 丸尾神力 純米無ろ過生 情熱♡
「すし 良月」のスペシャリテの1つである鯖鮨。甘味のある牛皮昆布の旨味と中に忍ばせた木の芽がアクセントで、口の中で鯖の濃密な旨味と甘味が広がります。

唐墨/山形正宗 辛口純米♡
仕上げに西京味噌に漬け込んで、表面を炭火で炙った自家製の唐墨。コレはヤバい美味しさ!お酒がすすんでしまいます。

鮟肝/天美 純米吟醸 生原酒♡
甘く炊いた鮟肝の中心部だけを切って、仕上げに柚子を散らして供されます。雑味がなく、後味がとても綺麗な味わい。

牡丹海老の炭火焼き/紀土 無量山♡
北海道増毛産の牡丹海老を炭火で炙り、和歌山県の三つ星醤油をかけた「すし 良月」のシグニチャー的な肴。炙ったことでより甘味が強く感じられ、表面はとろけるようで中心部はプリプリとした食感。いつもながらに素晴らしい。

白子/醸し人 九平次 火と月の間に 純米吟醸(燗酒)♡
鯛の骨から取った出汁に湯煎した虎河豚の白子を合わせたお椀。溜息が出るほどの出汁の美味しさに純粋無垢な白子の味わいが絶品。

血合いぎし/伯楽星 特別純米♡
青森県大間産167キロ。身が柔らかく、香りが食べ終えても残るほどに強い。

大トロ/寫樂 純米吟醸 播州山田錦 火入れ♡
身は血合いぎしよりも柔らかく、甘味が映えて官能的な味わい。

赤身漬け/廣戸川 特別純米♡
刷毛で醤油を塗って寝かせることで、鮪から滲み出る旨味も逃さぬような漬け方。香りも強いですが、旨味がとても力強い。

赤貝/日高見 超辛口 純米♡
宮城県閖上産。身を剥いた際に出る血に漬けておくことで、香りが確りと感じられます。食感も極上のザクザク感。美味しい!

九絵/白隠正宗 純米酒 生もと 誉富士(燗酒)♡
織部焼きの可愛い器に入れられているのは、和歌山県串本産の九絵を手毬鮨にして自家製ポン酢と共に蒸し上げたもの。温度による緩急も「すし 良月」の醍醐味の1つにであり、酸味と旨味のハーモニーが素晴らしい。

細魚/くどき上手 辛口 純米吟醸♡
閂(かんぬき)と呼ばれる大きな細魚は、食べ応えのある厚みに旨味の強さ。細魚で感動できたのは久しぶり。

白甘鯛/Ohmine 3grain♡
和歌山県串本産。白板昆布で昆布の旨味だけを上手く乗せていて、実に美味しい。

鰆/小左衛門♡
兵庫県明石から直送。脱水も程よく旨味が凝縮して実に濃い味わい。

縞鯵/春霞 純米 赤ラベル
和歌山県串本産のものをあえて神経〆せずにしたものを軽く漬けに。身も柔らかく、旨味もまわっていて美味しい。

焼き鯖鮨/黒牛 純米酒♡
先程の鯖鮨とは違い、今度は切り付けてから表面を炭火焼きすることで、鯖は香ばしい香りと脂が蘇り、シャリは焼きおにぎり状になります。「すし 良月」で絶対に食べたい鮨の1つです。

小鰭/宝剣 超辛口 純米♡
芝海老のおぼろを入れたクラシックなスタイル。酢の酸味とおぼろの甘味のアクセントが、小鰭の旨味をより引き出しています。

鱒の介/田中六五 生♡
北海道羅臼産、船上活け締めのもの。仕上げは皮目を炙って、燻したもの。薫香が鼻から抜けて、口の中で旨味が迸ります。

松葉せいこ/雪男 純米酒(燗酒)♡
今夜の蒸し鮨は、兵庫県追山産の松葉蟹の身と内子と外子を使った贅沢なひと品。下に大葉を敷くことで香りもよく、松葉蟹の甘味とシャリの酸味が華やぎます。

いくら/飛露喜 特別純米♡
今季貴重ないくらをたっぷりと使った手巻き。量が多いので最後に口にする方だけ山葵を当たるようにして、味わいに変化をさせています。

穴子/神亀 手造り 純米酒 辛口(燗酒)♡
口の中に入れた瞬間にとろけ、旨味と甘味が舌に絡みつくかのよう。素晴らしい。

黒龍 純米大吟醸 吟風 2019 酒門
ペアリングが終わったので、追加。

泥障烏賊(追加)♡
新潟県佐渡島産。墨烏賊とは違い、絡むような甘味が映えます。

真鯛(追加)♡
愛媛県今治産の藤本さんの神経〆。先程の刺身とは違い、身は柔らかく旨味と甘味がシャリの塩味で際立ちます。

牡蠣(追加)♡
有名な北海道仙鳳趾産のもの。牡蠣は甘酢で〆ていて、ぷっくりと膨れた身だけを使い、仕上げに酢橘を搾りかける仕立て。異なる2種の酸味でクリーミーな旨味が活きており、牡蠣の香りが鼻から抜けます。

鰹のハラス(追加)♡
先程の迷い鰹のハラスの部位で、もし追加できるならば必食の種だと思います。「コレが鰹?」と思うほどに旨味と甘い脂があり、鮪以上に私は好きです。

真珠貝の貝柱(追加)♡
珍しい真珠貝(アコヤガイ)の貝柱の軍艦巻き。真珠を取り出すこの時期だけしか食べられない種だそうで、小柱よりも詰まった身質でザクザクとして食感で、海苔の香りと相まって実に美味しい。

玉♡
帆立を使った玉は、口の中でシュワッととろけます。今夜も特別に握りスタイルで。

9種の肴・21種の鮨、それに対して25種の日本酒。今夜も素晴らしい真剣勝負を目の当たりにできて、幸せでした。
旨味の濃淡・酸味のアクセント・温度による緩急と「すし 良月」のコースはとてもドラマチックであり、前岩親方の全身全霊がビシッと伝わってきて、そして何よりも美味しい。2021年ももうすぐ終わる中で、このお店との出逢いは間違いなく最高のものであったことは言うまでもありません。来年もまた伺う日が楽しみです。

  • 2021.12. 蒸し鮑

  • 2021.12. 惣誉 特別純米

  • 2021.12. いちご煮

  • 2021.12. 勝駒

  • 2021.12. 鯛

  • 2021.12. 而今 特別純米 にごり酒

  • 2021.12. 迷い鰹

  • 2021.12. 磐城寿 純米(常温)

  • 2021.12. 鯖鮨

  • 2021.12. 悦凱陣 丸尾神力 純米無ろ過生 情熱

  • 2021.12. 唐墨

  • 2021.12. 山形正宗 辛口純米

  • 2021.12. 鮟肝

  • 2021.12. 天美 純米吟醸 生原酒

  • 2021.12. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2021.12. 紀土 無量山

  • 2021.12. 白子

  • 2021.12. 醸し人 九平次 火と月の間に 純米吟醸(燗酒)

  • 2021.12. 血合いぎし

  • 2021.12. 伯楽星 特別純米

  • 2021.12. 大トロ

  • 2021.12. 寫樂 純米吟醸 播州山田錦 火入れ

  • 2021.12. 赤身漬け

  • 2021.112. 廣戸川 特別純米

  • 2021.12. 赤貝

  • 2021.12. 日高見 超辛口 純米

  • 2021.12. 九絵

  • 2021.12. 白隠正宗 純米酒 生もと 誉富士(燗酒)

  • 2021.12. 細魚

  • 2021.12. くどき上手 辛口 純米吟醸

  • 2021.12. 白甘鯛

  • 2021.12. Ohmine 3grain

  • 2021.12. 鰆

  • 2021.12. 小左衛門

  • 2021.12. 縞鯵

  • 2021.12. 春霞 純米 赤ラベル

  • 2021.12. 焼き鯖鮨

  • 2021.12. 黒牛 純米酒

  • 2021.12. 小鰭

  • 2021.12. 宝剣 超辛口 純米

  • 2021.12. 鱒の介

  • 2021.12. 田中六五 生

  • 2021.12. 松葉せいこ

  • 2021.12. 雪男 純米酒(燗酒)

  • 2021.12. いくら

  • 2021.12. 飛露喜 特別純米

  • 2021.12. 穴子

  • 2021.12. 神亀 手造り 純米酒 辛口(燗酒)

  • 2021.12. 黒龍 純米大吟醸 吟風 2019 酒門

  • 2021.12. 泥障烏賊

  • 2021.12. 真鯛

  • 2021.12. 牡蠣

  • 2021.12. 鰹のハラス(追加)

  • 2021.12. 真珠貝の貝柱

  • 2021.12. 玉

2022/01/18 更新

4回目

2021/09 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.3
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2021.9.

ついにこの日がやってきました!広尾にある「すし 良月」の昼鮨。当初は5月から始まる予定でしたが、お店の諸事情で5・6月の2か月間で終わってしまった幻の昼鮨がこの9月に2日間だけ復活しました。勿論、握るのは「すし匠まさ」や「茶禅華」などで研鑽を積まれた前岩 和則さん。まだ全然お若いながらも抜群のセンスと鮨に対する熱い情熱がビシビシと感じられる今一番注目している鮨職人です。また前回楽しませていただいた握り一貫毎にペアリングさせる「L'Effervescence」ご出身のソムリエの成田 大さんもこのお店になくてはならないキーパーソンで、前岩親方の創り出す美味しさを更に加速させています。

今回の昼鮨の内容は、握りのみ。夜のおまかせコースは肴と握りがひと繋がりのストーリーを体感するような印象をを受けましたが、初となる握りコースは果たして…。

今回の握り

鱧椀♡
まず供されたのは、兵庫県淡路産神経〆の鱧を身は勿論のこと頭や骨まで使って取った出汁。時間をかけて引き出した確りとした味わいは香りから既に美味しく、見えない圧倒的な存在感があります。

白星笛鯛♡
和歌山県串本産。前回もいただいた南方系の魚の中でも特に美味しい白身魚。プリプリとした食感に濃厚な甘味が実に美味しい。

鰆♡
10日寝かせた兵庫県明石産のものを軽く昆布〆。ほろりと解けるような感じでなくなり、シャリの酸・塩味と混ざり、より旨味の輪郭がハッキリとします。

白加治木♡
今日で22日目。少し熱めのシャリがこの種とよく合い、口の中での一体感がすごい。

小鰭♡
佐賀県産。間に芝海老のおぼろを入れて握るスタイルで、酸味と甘味のバランスが絶妙。

血合いぎし♡
ここからシャリ切りの時間を1時間から30分に変えたもので握られます。まずは青森県大畑産161キロの鮪の血合いぎし。シャリの力強い旨味が鮪にとてもよく合い、香りも立ちます。

大トロ♡
瞬間に溶けるのではなく、ジワジワと溶けていくので味わいの対空時間が長い。じっくりと楽しめる大トロ。

赤身漬け
漬け込むのではなく、刷毛で塗って馴染ませるスタイル。鮪から滲み出した旨味も味わえ、舌に吸い付くような食感があり、これもゆっくりと香りが溢れてくる感じ。

新烏賊
今季最後の新烏賊。身は厚みがあり、サクサク感の中でトロリとした甘味が酢橘の酸で際立ちます。

喉黒の蒸し鮨♡
まさか昼にも供されるとは!新しい織部の土鍋を模した器も可愛い。喉黒の手毬ずしを温かい自家製ポン酢と共にいただきます。軽やかな酸と温度による緩急の変化、「すし良月」の真骨頂だと思います。

白海老
実に濃密。これも酸味の使い方が絶妙にうまい。

白甘鯛♡
とてもよく脱水されていて、濃厚な旨味のみが残っているかのよう。

鯖鮨♡♡
神奈川県松輪産。求肥昆布で巻いた鯖鮨を愛知県三河湾の海苔と共に。海苔の香りが素晴らしく、鯖の旨味と昆布の旨味が渾然となり口の中で爆ぜます。

焼き鯖鮨♡
鯖鮨を炭火で炙って供される「すし良月」のスペシャリテ。魅せ方・香り・味わい共に最高のひと品。

鯵♡
熊本県産の血抜きの鯵。血抜きしているからでしょうか、雑味がなく透明感のある旨味。

カマトロ炙り♡♡
握ってからヒートランプの下で温めてつつ、仕上げに上から炭火で炙る新しいスタイル。コレはヤバい!カマトロの筋の部分を炙ることで旨味を引き出し、口の中で瞬時になくなる口溶けの良さ。

新烏賊の下足♡♡
青柚子・甘タレが織りなすハーモニーが素晴らしい。そして何よりもこの下足の火入れが生っぽさも残しつつ絶妙。

毛蟹の蒸し鮨♡
下に敷いた大葉の香りが心地よく、毛蟹の旨味と甘味を引き出していて美味しい。

鰹ハラス♡♡
大葉の香りから藁の薫香に変わり、それがふわりと鼻から抜けます。言われなければ分からないほどの鰹感がない味わいが実に素晴らしい。

いくら♡
手巻きでたっぷりと。巻物の下の方にだけ山葵を入れることで、ひと口目とふた口目の味わいを変えています。実に考えられた趣向。

穴子♡
炭火で炙ることでトロトロ。穴子自体にも味わいがあり、甘タレと相まって実に官能的な味わい。


今回も握りで。間に入れた芝海老おぼろの甘味とシャリの塩味で帆立の旨味の輪郭がはっきりとして、シュワシュワにとける感覚がたまらない。

甘味
昼鮨には甘味を添えるようで、今回はナガノパープル。

「握りのみで満足させられるように、まだまだ試行錯誤です」
そう仰る前岩親方ですが…とても素晴らしかったです。シャリ切りの時間・蒸し鮨・炭火による温度の緩急や出汁・海苔・大葉・藁・柚子・炭の香りをも楽しめ、握りのみになっても「すし良月」らしさを確りと感じられる顔のある昼鮨でした。

次回の開催予定日は、未定。運良く伺うことができた時には、また気概のある鮨を楽しみにしています。前岩親方、成田さんありがとうございました!17000

今回出逢ったお酒

鳳凰美田 Wine Cell 2020

髙千代 秋あがり

  • 2021.9. 鱧椀

  • 2021.9. 白星笛鯛

  • 2021.9. 鰆

  • 2021.9. 白加治木

  • 2021.9. 小鰭

  • 2021.9. 血合いぎし

  • 2021.9. 大トロ

  • 2021.9. 赤身漬け

  • 2021.9. 新烏賊

  • 2021.9. 喉黒の蒸し鮨

  • 2021.9. 白海老

  • 2021.9. 白甘鯛

  • 2021.9. 鯖鮨

  • 2021.9. 焼き鯖鮨

  • 2021.9. 鯵

  • 2021.9. カマトロ

  • 2021.9. 新烏賊の下足

  • 2021.9. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2021.9. 鰹ハラス

  • 2021.9. いくら

  • 2021.9. 穴子

  • 2021.9. 玉

  • 2021.9. ナガノパープル

  • 2021.9. 鳳凰美田 Wine Cell 2020

  • 2021.9. 髙千代 秋あがり

2021/10/01 更新

3回目

2021/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.3
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2021.7.

冴え渡る温度の妙

4ヶ月の時間が流れて、やっと「すし 良月」に再訪。ここは「すし匠 まさ」「茶禅華」などで研鑽を積まれた前岩 和則さんが20代という若さで開いた鮨店で、低姿勢な接客と人柄の良さ、他店とは一線を画すような味わいだけでなく温度による緩急が心を掴んでやみません。前回の訪問時に初めてお会いした表参道の「L'Effervescence」ご出身のソムリエの成田 大さんが加わったことで、ペアリングという新しい魅力が生まれました。今回はそのペアリングも楽しませていただきます。

今夜の献立

煮鮑/黒龍しずく
福井県小浜産。目の前で切りつけられると、ふわりと立ち込める香り既にから美味しい。もきゅっとした柔らかさで、実に美味しい。

鮑の貝柱の薄造り/みむろ杉 純米大吟醸35 高橋活日命に捧ぐ
生の状態から切り離して、薄造りにしたもの。生ならではの食感と香りが先程の煮鮑とのコントラストを感じられて、実に面白い。

鰹/七本槍 木の環♡
藁で燻してから切る直前に炭火で皮目を炙ったもの。口に入れると、皮目のパリッとした食感と身のモチモチ感が楽しめ、後味に脂の甘味が舌に残ります。

本海松貝/仙禽 かぶとむし♡
出汁醤油に漬けてから、酢橘と青柚子で爽やかに仕上げ、供する前にまな板にビタンっと叩きつけると反り返る本海松貝。1人につき1個と何とも贅沢で、爽やかな柑橘の香りとザクザク食感の楽しんでいると、甘味が引き出されてきます。

本海松貝のワタ/北島 渡船88 生もと純米酒♡
珍しい本海松貝のワタを炭火焼きで。海松貝の良さを余すとこなく味わえるひと皿で、ワタの甘味が実に美味しい。

蛍烏賊の沖漬け/秋鹿 へのへのもへじ 純米吟醸 生原酒
大葉と柚子を入れた醤油で漬けた旬の時期の蛍烏賊。ふわりと柚子が香り、生臭さが残るのかと思いつつも旨味のみが口に残ります。

生ばちこ/悦凱陣 純米酒 無ろ過生 丸尾神力♡
海鼠の卵巣。干してあるのとは違い、ふわりとした上品な香りに旨味が溢れます。実にお酒の進む味わい。

牡丹海老の炭火焼き/伯楽星 残響 純米大吟醸 Super7♡
「すし 良月」のスペシャリテとも言うべき肴。極太の牡丹海老を炭火で炙って、前岩親方の故郷である和歌山県の「三ッ星醤油」を振りかけて仕上げたもの。炙ることで海老の温度が上がっているので、口当たりはトロリとして甘味がより際立っており、プリッと弾けるような食感も楽しめます。生よりも遥かに美味しい。

いちご煮/天武 愛山 純米吟醸♡
北海道利尻産馬糞雲丹を先程の鮑の出汁と合わせた、いちご煮。素材そのものの香りと味が楽しめ、それが実に沁みるように美味しい。

中トロ/高砂 純米大吟醸 松喰鶴♡
新潟県佐渡産の50キロを直で仕入れて、寝かせて20日目だそう。夏らしく爽やかな旨味が駆け抜けて、それを感じると鮪はなくなってしまう口溶け。

大トロ/而今 純米大吟醸 白鶴錦♡
同じ魚体。鮨店には極めて珍しいヒートランプで温度を上げられた大トロは口溶けも素晴らしく、旨味と甘味が格別な一貫。

赤身漬け/廣戸川 特別純米酒♡
魚体変わって、北海道噴火湾産の100キロのもの。広く薄く切りつけてから刷毛で醤油を塗ることで漬けにされており、鮪の旨味が溶け出した醤油も一緒に楽しむことができます。

鳥貝/新政 NO.6 F-type 生原酒
京都府舞鶴産の特大。最初は酢橘の酸味が際立っていて、鳥貝らしさがなくなっていましたが、咀嚼の度に鳥貝の甘味が引き出されてきて楽しめました。

喉黒の蒸し鮨/白隠正宗 純米 誉富士♡
喉黒を手毬鮨にしてから蒸しあげて、自家製ポン酢をかけたもの。鮨店にはないこの温度の変化のよる緩急が「すし良月」の真骨頂だと思っています。喉黒の旨味をひと口で味わえ、温かいポン酢の酸味がより喉黒の甘味を際立たせます。

白烏賊/仙介 純米吟醸 おりがらみ 無濾過生酒原酒♡
非常に細かく包丁を入れているので、口に入れた瞬間に白烏賊が溶けるというよりかは解けるような感じ。甘味もたっぷりと感じられて、実に美味しい。

白甘鯛/澤屋まつもと Kocon♡
30分塩〆してから、軽く昆布を当てて仕上げたもの。実に美味しい♡咀嚼の度に旨味と甘味が溢れてきます。

白星笛鯛/紀戸-KID- 無量山♡
初めていただく種で、南方系最強の魚と呼ばれているらしい。ねっとりとして、旨味と甘味が素晴らしく、口の中での魚の存在感があります。

琵琶鱒/庭のうぐいす 北嶋 山田錦80♡
口溶けは鮪に匹敵するほどで、炙った香りを差し引いても上品な風味が食べ終えても尚残っているよう。

毛蟹の蒸し鮨/いずみ橋 とんぼスパークリング♡
下に大葉を引いていることで、香りがふわりとします。たっぷりと毛蟹が盛られており、食べ応えも抜群。

鯵/日高見 超辛口 純米
鹿児島県出水産。肉厚で食べ応えもあり、爽やかな脂が駆け抜けます。

赤雲丹/醸し人九平次 純米大吟醸 彼の地♡
木箱ではなくよく見るプラスチック容器に入った珍しい福井県小浜産。旨味は濃厚、それでいて後味は実にクリーミー。初めて味わう雲丹の味わい。

穴子/高清水 加温熟成 解脱酒♡
訳あって塩と煮つめの2種。口に入れると、まるで液体のような口溶けの良さ。穴子の旨味の後に甘味を感じられます。

鱧出汁♡
愛媛県今治産の鱧の身も骨も全て使った出汁。素晴らしく濃厚な味わい。

焼き胡麻鯖の棒鮨(追加)♡
表面を炭火で炙った胡麻鯖鮨。まるで焼きおにぎりのような感じがあり、はしりのものとはいえ鯖の旨味が素晴らしい。

白バイ貝(追加)♡
京都府舞鶴産。極上のザクザクと楽しい食感を楽しめ、咀嚼の度に旨味が溢れてきます。

メバチマグロの砂ずり(追加)♡
藁で燻した薫香がふわりと香り、上品な脂の旨味が迸ります。訪問の度にある『〜の砂ずり』は、やはり必食の一貫。

玉♡
帆立の旨味が確りしたシュワシュワ系の玉。私はいつものように握りで。

個人的に鮨店で供される料理は、肴と握りの二部構成と思っています。しかしながら「すし良月」ではそうは感じず、最初に握られる一貫つまり鮪こそがコースの最大の見せ場。温度による緩急もつけながら、素材そのものの味わいを最大限に活かした料理が光ります。そして、今夜一番の驚きは成田さんのペアリング。肴ひと品に対して一杯は想定内でしたが、まさか握り一貫にも一杯とは思ってもみなかったので、驚き。お互いが握りやお酒に寄り添うのではなく、どちらとも全力勝負といった印象。コースペアリングで三合くらいだそうですが、握りに入ってからいいテンポで供されるので、お酒に弱い方はかなり注意が必要です。お酒が強い方は間違いないので、新しい「すし良月」の魅力を堪能して下さい。

前岩親方、成田さん。素晴らしい時間をありがとうございました!次回も今から楽しみです。

  • 2021.7. 煮鮑

  • 2021.7. 黒龍しずく

  • 2021.7. 鮑の貝柱の薄造り

  • 2021.7. みむろ杉 純米大吟醸35 高橋活日命に捧ぐ

  • 2021.7. 鰹

  • 2021.7. 七本槍 木の環

  • 2021.7. 本海松貝

  • 2021.7. 仙禽 かぶとむし

  • 2021.7. 本海松貝のワタ

  • 2021.7. 北島 渡船88 生もと純米酒

  • 2021.7. 蛍烏賊の沖漬け

  • 2021.7. 秋鹿 へのへのもへじ 純米吟醸 生原酒

  • 2021.7. 生ばちこ

  • 2021.7. 悦凱陣 純米酒 無ろ過生 丸尾神力

  • 2021.7. 牡丹海老の炭火焼き

  • 2021.7. 伯楽星 残響 純米大吟醸 Super7

  • 2021.7. いちご煮

  • 2021.7. 天武 愛山 純米吟醸

  • 2021.7. 中トロ

  • 2021.7. 高砂 純米大吟醸 松喰鶴

  • 2021.7. 大トロ

  • 2021.7. 而今 純米大吟醸 白鶴錦

  • 2021.7. 赤身漬け

  • 2021.7. 廣戸川 特別純米酒

  • 2021.7. 鳥貝

  • 2021.7. 新政 NO.6 F-type 生原酒   

  • 2021.7. 喉黒の蒸し鮨

  • 2021.7. 白隠正宗 純米 誉富士

  • 2021.7. 白烏賊

  • 2021.7. 仙介 純米吟醸 おりがらみ 無濾過生酒原酒

  • 2021.7. 白甘鯛

  • 2021.7. 澤屋まつもと Kocon

  • 2021.7. 白星笛鯛

  • 2021.7. 紀戸-KID- 無量山

  • 2021.7. 琵琶鱒

  • 2021.7. 庭のうぐいす 北嶋 山田錦80

  • 2021.7. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2021.7. いずみ橋 とんぼスパークリング

  • 2021.7. 鯵

  • 2021.7. 日高見 超辛口 純米

  • 2021.7. 赤雲丹

  • 2021.7. 醸し人九平次 純米大吟醸 彼の地

  • 2021.7. 穴子

  • 2021.7. 穴子

  • 2021.7. 高清水 加温熟成 解脱酒

  • 2021.7. 鱧出汁

  • 2021.7. 焼き胡麻鯖の棒鮨

  • 2021.7. 白バイ貝

  • 2021.7. メバチマグロの砂ずり

  • 2021.7. 玉

2021/07/24 更新

2回目

2021/02 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.1
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2021.2.

初訪問の11月から3ヶ月の時間が流れて、どう進化したのか楽しみな「すし 良月」へ再訪です。店主は「すし匠まさ」「茶禅華」などで研鑽を積まれた前岩 和則さん。初々しさもありながら誠実も感じられ、これから着実なる進化の可能性をビシビシと感じられる鮨職人です。

店内はこじんまりとしていながらも光り輝くような白木カウンターに8席あり、なんといっても目を引くのは鮨店には珍しい2つのヒートランプ。皿を温めたり、食材を常温に戻したりと巧みに使っており、なかなか目新しい。

今夜の献立

蝦夷鮑♡
三陸産。目の前で切りつけられる時に立ち込める香りからもう素晴らしい。口に入れてからも尚、続くような香りがあり、ムチっとした食感もいい。

いちご煮♡
青森県産ダイセンの紫海胆と先程の鮑の出汁を合わせたもの。青森県の鮑と海胆、この両方を使うにはどんな料理だろう?ということから生まれた料理だそうで、抜群の香りと味わいが楽しめます。

白川の焼霜造り♡
目の前にある炭でサッと皮目を炙ることで脂が溶け、パリッとした食感も映えます。

メジマグロ
藁で燻してから、仕上げに皮目を炭で炙ってから供されます。口の中でとろけて上品な甘味を出し、最後に香りがふわりと鼻から抜けます。

鮟肝
西瓜の奈良漬けを添えて。コントレックス(硬水)で確りとアクを抜いて仕上げたもの。鮟肝自体の味わいを強く残しており、実に美味しい。添えてある奈良漬けは鉄板の相性の良さがあり、美味しさに加速をつけます。

唐墨
自家製の唐墨で、仕上げに西京味噌に漬け込んでいるそう。ねっとり感と甘味もあり、美味しい。

鯖寿司♡
求肥昆布で巻いた鯖寿司は、口に入れた瞬間にとろける衝撃的な味わい。アクセントで木の芽の香りもして、味わい・食感・香りも素晴らしい。

牡丹海老♡
軽く炙っただけなので、表面の軽く火を通した部分と生の部分のとろけ方が変わり、実に美味しい。前岩親方の故郷である和歌山県「三ツ星醤油」の香りがふわりとして、香りもご馳走な逸品。

虎河豚の白子♡
鯛の骨で取った出汁に虎河豚の白子を合わせた椀物。白子はまるでマシュマロのような食感があり、出汁は繊細なものかと思いきや、かなり濃厚な出汁で確りとした味わいがあります。

中トロ♡
山口県仙崎産190キロの血合いぎし。シャリの酸味がふっときて、鮪の旨味が合わさり、最後に香りが駆け抜けていき、余韻も長く続きます。

蛇腹♡
ヒートランプで温度を上げられた鮪は、口の中でとろける以前に手に持った瞬間からとろけるよう。

赤身漬け♡
醤油に漬けるのではなく、刷毛で塗ってから置き台で温度を上げるという変わった仕立て。周りの旨味が溶け出した醤油も一緒に味わって欲しいという前岩親方の思いが込められた漬け。

泥障烏賊♡
格子状に包丁を入れており、身厚な泥障烏賊が口の中で解けるようにとろけます。甘味もあり、ねっとり食感も素晴らしい。

喉黒の蒸し鮨♡
薄切りにした喉黒とシャリを合わせて、自家製ポン酢と共に蒸し上げたもの。喉黒の旨味がグッときて、軽やかな酸味のポン酢がとてもよく合います。

細魚
酢橘の爽やかさが駆け抜けて、細魚の繊細な旨味も味わえます。

真鯛♡
愛媛県今治産のカリスマ漁師の藤本純一さんが仕留めた真鯛。旨味の後に甘味が溢れてきて、白身の王者たる味わい。


仕立ては昆布〆。身は崩れるようなとろけ方で、昆布はふわりと香る程度で食べ終えた後に甘味が続く感じ。

白川♡
塩〆しているので、身はむっちり。旨味と甘味がとても凝縮しており、実に美味しい。

焼き鯖の棒鮨♡♡
鯖の棒鮨の表面を炭で焼いた「すし良月」のスペシャリテ。口の中で完成する焼き魚定食という感じで実によく考えられており、何よりも美味しい。

小鰭
その日の小鰭の状態でおぼろを入れる有無を決めているそうで、今回はおぼろを入れないタイプ。小鰭はとろけるような〆具合で、前回と同じように最後に酸がキリリとします。

越前蟹の蒸し鮨♡
蓋を開けると大葉の香りが鼻を擽り、口にすれば蟹の香りと甘味が広がります。今季最後という越前蟹は素晴らしいものとなりました。

北紫海胆♡
北海道の東沢水産のスペシャル品。ヒートランプで温めるという他店では見られない手法で、温度を上げられた海胆はより甘味を強く感じられます。

穴子♡
炭火で炙って温められた穴子は口に入れた瞬間にとろけます。

メジマグロのハラス(追加)♡♡
燻しているので、口に入れるとふわりと薫香が香り、生姜と葱の薬味と山葵の爽やかの後に濃厚なハラスの旨味が広がります。

北紫海胆(追加)
青森県産のダイセンのもの。ただ甘味だけでなく、苦味もある複雑さがあり、実に好み。

玉♡
帆立を繋ぎにしており、前回よりも物凄くエアリーなトロッシュワッとした玉。今回も握っていただきました。

やはり3ヶ月という短い期間であっても、前岩親方の進化は素晴らしいものがありました。鮨一つ一つがブラッシュアップされており、料理の流れも味わいと温度による緩急が他店では見られない「すし良月」ならではの個性を感じられて素晴らしい。サービス面でも親方のワンオペから女性スタッフと表参道の「L'Effervescence」ご出身のソムリエの方が加わることで安定感を得ています。更には3月にもう1人入る予定だそうで、念願の握りのみのランチコースを視野に入れてらっしゃるようです。是非とも、前岩親方の握りを堪能したい。

前岩親方、今回もありがとうございました!また次回も楽しみにしています!

今夜出逢ったお酒

帰一 しずく 2015 生酛仕込 純米大吟醸

澤屋まつもと 守破離 山田穂RV2015

涅槃龜 橘

飛露喜 純米大吟醸

  • 2021.2. 蝦夷鮑

  • 2021.2. いちご煮

  • 2021.2. 白川の焼霜造り

  • 2021.2. メジマグロ

  • 2021.2. 鮟肝

  • 2021.2. 唐墨

  • 2021.2. 鯖寿司

  • 2021.2. 牡丹海老

  • 2021.2. 虎河豚の白子

  • 2021.2. 中トロ

  • 2021.2. 蛇腹

  • 2021.2. 赤身漬け

  • 2021.2. 泥障烏賊

  • 2021.2. 喉黒の蒸し鮨

  • 2021.2. 細魚

  • 2021.2. 真鯛

  • 2021.2. 鰆

  • 2021.2. 白川

  • 2021.2. 焼き鯖の棒鮨

  • 2021.2. 小鰭

  • 2021.2. 越前蟹の蒸し鮨

  • 2021.2. 北紫海胆

  • 2021.2. 穴子

  • 2021.2. メジマグロのハラス

  • 2021.2. 北紫海胆

  • 2021.2. 玉

  • 2021.2. 帰一 しずく 2015 生酛仕込 純米大吟醸

  • 2021.2. 澤屋まつもと 守破離 山田穂RV2015

  • 2021.2. 涅槃龜 橘

  • 2021.2. 飛露喜 純米大吟醸

2021/03/22 更新

1回目

2020/11 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

ありつつも君をば待たむ~すし 良月~

2020.11.

そこにあるのは味わいの緩急、そして温度の妙

近年、有名店から独立される方の多くはとても若い。完成された円熟の職人よりも、これからの伸び代を感じられる職人の方が期待や応援を込めた注目度が高いのかもしれないです。そんな独立した鮨職人の中で一際若いと言われているのが、前岩 和則さん。「すし匠まさ」「茶禅華」などを経て、ご自身の力のみで2019年11月にオープンさせたのが「すし 良月」です。屋号が祖父のお名前ということは知っていたのですが、「良月」と書いて何であきら?と思っていたら…なんといわゆるギャル文字らしいww行ってみたいなぁと思いつつも、既に予約困難店となっている中で、今回は誘っていただき初訪問となりました。

店内は恵比寿に移転した「鮨心白」の居抜きをベースにしているそうで、こじんまりとしながらもお客との距離感が近く、誠実な前岩親方の人柄を感じられるような造り。また小さいながらも炭場もあり、更に鮨店ではまず見かけられないヒートランプが非常に印象的です。

今夜の献立

鮑♡
水から煮て、更に蒸し上げた鮑が初手という大胆さ。目の前で切られるところから素晴らしい香りが立ち込め、口にするとむっちりとした食感を楽しめます。鼻から抜ける鮑の香りが鮮烈。

鮑の出汁のいちご煮♡
北海道昆布森産の馬糞海胆と共にいちご煮風に。美味しい♡純粋な鮑の出汁が実にグッとくる美味しさで、その中で馬糞海胆の甘味と旨味が映えます。

真鯛
大阪府明石から直送の真鯛。心地よい歯応えを楽しめ、噛む度に旨味と甘味が引き出されていくかのよう。

梭子魚
藁で燻してから炭火で皮目だけを焼き上げたもの。口に近づけると薫香がふわりとして、軽い食感の中で凝縮した旨味が溢れます。

鰹♡
京都府舞鶴産の迷い鰹。薄切りにしてから数十秒漬けにする仕立て。舌に吸い付くビロードのような滑らかさで、薬味の鮮烈さが走り抜けてから旨味が迸ります。薄切りでも十分過ぎる満足感。

本海松貝♡
愛知県三河産。酢橘の香りのみを付けたもの。心地よい酢橘の香りが華やぎ、ザクザクと心地よい咀嚼の度に甘味が溢れてきます。シンプルな仕立てが素晴らしく響きます。

鮟肝♡
硬水で焚き上げてから、煮汁に漬け込んたものを惜しげもなく中心部だけ味わえるようにトリミングします。何だろう?この超絶な滑らかさ。煮汁の味わいではなく、鮟肝本来の味わいが凄い。

牡丹海老♡
前岩親方の故郷である和歌山県の「三ツ星醤油」を振りかけて、炭火で焼き上げたもの。素晴らしい美味しさ♡炭火と海老の香ばしさと醤油の香りが鼻を擽り、口にするねっとり感と甘味が映える未体験の牡丹海老です。

鯛のダブル出汁
先程の鯛で出汁を取り、更に骨を入れて、出汁で出汁を取ったもの。香りと旨味が素晴らしく、余韻が長く続きます。

中トロ
青森県大間産の176キロ。他の鮨店にはまずないヒートランプで常温にした中トロは華やかな香りを放ちながら、スッととろけます。多少シャリの温度は高めかな。

赤身♡
口溶けは中トロにも劣らないほどで、明らかに違うのは鼻から抜ける香りの素晴らしさ。

赤貝♡
愛媛県産。赤貝のぬるりとした滑りも残っており、香りも素晴らしい。

泥障烏賊
極々細かく切りつけることで、ねっとり感と甘味を引き出しており、口溶けもいい。

白甘鯛の蒸し鮨♡
薄切りにした白甘鯛でシャリを巻いて、自家製ポン酢をかけて蒸しあげたもの。心地よい酸味の中で、ふわりとした白甘鯛が美味しい。

細魚
サクッと噛み切ると、酢橘と醤油の香りが鼻から抜けて、余韻として細魚の繊細な旨味が楽しめます。


仕立ては昆布〆。コレはゆっくりと常温に戻しており、昆布の旨味は脱水ほどかな。ほわんっとした甘味が好き。

白加治木
寝かせて15日目だそう。表裏角度を変えて包丁を入れており、繊細な脂の旨味の中で食べ終えてもまだ存在するかのような余韻の長さがあります。

毛蟹の蒸し鮨♡
大葉と共に蒸したもので、毛蟹の甘い香りと爽やかな大葉の香りが食べる前から食欲を刺激します。味わいは確りと毛蟹の旨味を感じられ、実に美味しい♡

小鰭♡
間におぼろを入れるクラシックな仕立て。口当たりはかなりジューシーで、最後にキリリとした酸が駆け抜ける感じ。

鯵♡
熊本県天草産。血抜きしているので、珍しい白い身の鯵。雑味のない無垢な味わい。

いくら海胆巻き♡
ありそうでなかった仕立て。このいくらと海胆はあくまで海苔を楽しむ為のものだと言う。いくらと海胆の旨味の中で、海苔が瞬時に溶けるのはとてもドラマチック。

焼き鯖鮨♡
鯖の棒鮨を炭火で焼くという変わった仕立て。しかしながら、実に美味しい♡炙った面はおこげのようになり、米の香りと食感が楽しい。鯖も炙ることで脂が蘇るよう。面白くも素晴らしいアイデア。

穴子♡
炭火で炙るというよりは温めた感じで、味わいが好み。

迷い鰹のハラス(追加)♡
他に食べていないものは?と聞くと、なんとこの種があったので迷わず追加です。鰹と言われなければ、きっと分からないであろう。この迸るような旨味。素晴らしい♡

玉♡
帆立を入れてあるフワトロ系の玉。食べてみて美味しかったので、握っていただきました。シャリの酸味が玉の甘味を際立たせて、私的には好き。

前岩親方だけのワンオペなので、テンポよく供されない間があれど、誠実且つ真摯な対応なので、とても好感が持てます。味わいの緩急の他に『蒸し鮨』による温度の変化で流れにアクセントを与えており、実に面白い。全体的に「!!」というのはまだないのですが、未来の可能性をビリッと感じられ、今後も前岩親方の進化の過程を見てみたいと思いました。来年からはスタッフも増員し、ランチも視野に入れてらっしゃるそうで、楽しみな鮨店が増えました。

前岩親方、ご馳走さまでした。今後とも宜しくお願い致します。25000

  • 2020.11. 鮑

  • 2020.11. 鮑の出汁のいちご煮

  • 2020.11. 真鯛

  • 2020.11. 梭子魚

  • 2020.11. 鰹

  • 2020.11. 本海松貝

  • 2020.11. 鮟肝

  • 2020.11. 牡丹海老

  • 2020.11. 鯛のダブル出汁

  • 2020.11. 中トロ

  • 2020.11. 赤身

  • 2020.11. 赤貝

  • 2020.11. 泥障烏賊

  • 2020.11. 白甘鯛の蒸し鮨

  • 2020.11. 細魚

  • 2020.11. 鰆

  • 2020.11. 白加治木

  • 2020.11. 毛蟹の蒸し鮨

  • 2020.11. 小鰭

  • 2020.11. 鯵

  • 2020.11. いくら海胆巻き

  • 2020.11. 焼き鯖鮨

  • 2020.11. 穴子

  • 2020.11. 迷い鰹のハラス

  • 2020.11. 玉

2020/12/03 更新

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