nao...さんが投稿した鎌倉 北じま(神奈川/鎌倉)の口コミ詳細

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Delicious Days!~孤高の食べ歩き~

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鎌倉 北じま鎌倉/日本料理

10

  • 夜の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク -
10回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が紡ぐ愛

2025.10.

食材・料理人・客が紡ぐ愛

やっと秋の訪れを感じられるようになってきた鎌倉。やってきたのは、「鎌倉 北じま」。店主・北嶋 靖憲さんは京都「和久傳」で16年研鑽を積まれた方ですが、このお店で供されるのは京料理ではなく、地産地消的な「鎌倉料理」とも呼べる料理。今夜もじっくりと楽しみます。

寒露 献立

金木犀ソーダ
今夜のウェルカムドリンクは、金木犀の香りを移した炭酸水。

銀杏 鮑 湯葉♡
店の前に立つ銀杏の葉を摘み、それらに隠されて供された先付。ほんのりとした銀杏の餡の苦味の中で、銀杏のもっちり感、鮑のシコシコ感、湯葉のモチモチ感という3つの異なる食感と甘味が楽しめます。

菊花素麺♡
蓋を開けると、目をひくのが美しい菊の花。ふわりと出汁の香りが鼻をくすぐります。出汁はとろみをつけており、上品な出汁の旨味が素麺と絡みついて、美味しい。

間八♡♡
さかな人・長谷川 大樹さんが手当てした神経〆のもの。実に綺麗な味わいであり、脂も上品な甘味を帯びていて美味しい。塩だと甘味の輪郭が、太刀魚の骨の旨味を乗せた自家製骨醤油だと旨味の余韻が楽しめます。

黒鯥♡♡
皮目だけに炭を当てて、皮と身の間の皮下脂肪をジュワッと溶かして仕立てたものに黒皮茸を添えて。間八と同様に長谷川さんが手当てした神経〆のもの。ひと口で感じるどっしりとした濃厚な旨味と甘味があり、余韻が長い。

けんちん汁♡
鎌倉・建長寺に伝わる伝統料理である『けんちん汁』を料理屋が作ったら…をテーマにした椀物。野菜1つ1つを個別に炊いて、吸い地の中で合わせており、根菜の力強い香りと旨味が地味深く美味しい。

子持ち鮎のおかき揚げ♡♡
北嶋さんから手渡されたのは、お腹がパンパンに張った子持ち鮎を半日かけて、ゆっくりと炊いて、春菊を巻いておかき揚げにしたもの。骨など全く感じられない柔らかさでありつつも、鮎の力強い旨味が秋の素晴らしさを教えてくれます。

柿玉♡
柿をくり抜いて作った器の中には、大根・フレッシュ柿・利休麩の酸味を効かせた白和え。3つの食感のハーモニーの中で、ほんのりとした甘味と酸味が心地よい。

黒鴟尾魳の味醂干し♡♡
あまり他店では見かけられない黒鴟尾魳を味醂干しにしたものを炭火で炙って。黒鴟尾魳の旨味に味醂の旨味を累乗させたひと品で、上品で綺麗な味わい。個人的にはご飯があったら、もっと最高。

葉山牛のしゃぶしゃぶ♡
木の子の摺流しを添えて、上から香茸の粉末をかけて。葉山牛の美味しさは別として、この木の子の摺流しが抜群に美味しい。口の中で爆ぜるような香りと旨味があり、素晴らしい力強さ。
ふた皿目は、野菜と共に。しかしながら、最初のインパクトが強すぎて、ちょっと霞む。

漬物
オクラ味噌漬け、白茄子、昆布。個人的には、オクラが刺さる美味しさ。

〆ものは5種類ある中から好きなものを好きな量だけ選ぶことができます。今夜の献立は…

〆ご飯① 尾赤鰘鯵の棒鮨♡
元々のポテンシャルが高いのか、酢〆している尾赤鰘鯵の旨味が凄い。シャリとの一体感はありつつも、存在感が凄すぎます。

〆ご飯② 黄肌鮪の漬け丼♡
漬けにしても黄肌鮪の上品な旨味は活きており、シンプルな仕立てだからこそ本来の美味しさが光ります。

〆ご飯③ ミンククジラのラーメン♡
コレで店も出せるかのような完成度。淡麗系の味わいながらも奥行きのある旨味が実に好み。

〆ご飯④ 梭子魚と蓮根と落花生の炊き込みご飯♡
梭子魚がまるで干物のような凝縮した旨味があり、蓮根のシャリシャリとした食感に落花生の濃厚な旨味がいっぺんに楽しめます。じんわりとした旨味ではなく、ひと口でガツンとくる旨味を感じられる炊き込みご飯。

〆ご飯⑤ 梅と出汁氷の冷やし茶漬け♡
梅の爽やかさと出汁の旨味が柔らかく、淡い。またに真の〆と思える味わい。

甘味
今夜はフレッシュ梨と梨のコンポート。

牛蒡 栗餡♡
牛蒡をくり抜いて、栗餡を入れて、揚げたもの。牛蒡の力強さがありつつも、ほっくりとした栗餡の甘味が美味しい。

お抹茶
最後は北嶋さんが点ててくださるお抹茶。

「鎌倉 北じま」の核の一角を担っている長谷川大樹さんの魚、今夜もバチバチに美味しかったです。供される料理は日本料理の美しさと四季、そして鎌倉を中心とする地元食材への愛が閉じ込められており、食べ手がそれらを愛する。食材・料理人・客との間に弛まない愛を確りと感じられて、何より伺う度に洗練されて美味しくなっているのが印象的。

今夜もありがとうございました!また次回も楽しみにしております。

  • 205.10. 金木犀ソーダ

  • 2025.10. 銀杏 鮑 湯葉

  • 2025.10. 菊花素麺

  • 2025.10. 間八

  • 2025.10. 黒鯥

  • 2025.10. けんちん汁

  • 2025.10. 子持ち鮎のおかき揚げ

  • 2025.10. 柿玉

  • 2025.10. 黒鴟尾魳の味醂干し

  • 2025.10. 葉山牛のしゃぶしゃぶ

  • 2025.10. 香茸

  • 2025.10. オクラ味噌漬け、白茄子、昆布

  • 2025.10. 〆ご飯① 尾赤鰘鯵の棒鮨

  • 2025.10. 〆ご飯② 黄肌鮪の漬け丼

  • 2025.10. 〆ご飯③ ミンククジラのラーメン

  • 2025.10. 〆ご飯④ 梭子魚と蓮根と落花生の炊き込みご飯

  • 2025.10. 〆ご飯⑤ 梅と出汁氷の冷やし茶漬け

  • 2025.10. フレッシュ梨と梨のコンポート

  • 2025.10. 牛蒡 栗餡

  • 2025.10. お抹茶

2025/11/20 更新

9回目

2025/05 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が紡ぐ愛

2025.5.

食材・料理人・客が紡ぐ愛

雨。
出かける際にはあまりいい気分ではないですが、この街に雨は似合う気がします。

鎌倉駅から歩くこと15分ほど。住宅地の中にひっそりと構える「鎌倉 北じま」が現れます。今月は5月なので、入口には邪気祓いの菖蒲を飾っており、忘れがちな美しい季節を感じられます。

黒文字茶
ウェルカムドリンクは、黒文字茶。口の中に一陣の風が吹き込むように爽やか。

水貝の素麺♡
オールドバカラの中には、素麺・トコブシ・トコブシの肝・胡瓜。食べ始めは胡麻の濃厚な旨味の中で、胡瓜のシャリシャリ感とプツンと歯切れる極細素麺の食感、モチモチとしたトコブシの食感が映えます。

太刀魚の酒蒸し♡♡
炊いた鯛の子を添え、魚の出汁餡をかけて。
骨をつけたままで酒蒸しし、その後から骨を外すという技法を使った酒蒸し。食べ終えると、最後の瞬間にグッとする旨味と甘味が異次元な美味しさ。直前に炊いた鯛の子も旨味がドッパーンと溢れ、香りも凄い。

鰆♡
柏葉皿に盛られた鰆はほんのりとした甘味が映え、口の中の体温でゆっくりととろけていく鰆の旨味とその余韻が素晴らしい。

金目鯛♡♡
邪気払いの菖蒲を飾る神奈川県・佐島産の金目鯛。実に旨味が綺麗且つ濃厚。食べ終えてもまだ口の中に残っているような甘味が素晴らしい。

鼈の玉締め椀♡
鳳凰と桐のお椀には、鼈・新玉葱・白木耳。鼈の旨味のみを抽出しており、濃厚と思っていましたが、実に軽やかで新玉葱の甘味も存分に楽しめます。

蛸の天麩羅♡♡
神奈川県・佐島産。柔らかく炊いた蛸を揚げたもので、素晴らしい美味しさ。とても太さがあるにも関わらず、皮はとろりとし、身の部分は柔らかくてジューシー。コレは蛸好きにはたまらない。毎回食べたい!

野草と泥障烏賊の和え
泥障烏賊を野草のコシアブラ・芹・ミツカドネギと共に胡麻和えに。
肉厚な泥障烏賊のシコシコとした食感に野草達のシャリシャリとした食感のコントラストがあり、甘味と苦味のバランスが絶妙。この鎌倉でしか出逢えない旨味。

稚鮎♡
大きな鎌倉彫の火鉢で焼いたのは、稚鮎。上から塩麹・幽庵・味噌と味わいを変えており、それぞれ稚鮎の旨味を活かすような味わいがあり、美味しい。私の一番の好みは、味噌かな。

石井牛の炊き合わせ
葉山牛から派生したブランド牛「石井牛」のカタサンカクを低温調理し、翡翠茄子と大根おろしを添えて。咀嚼する度に旨味と甘味が溢れ、確りとした肉料理でありつつも、日本料理に落とし込むセンスが素晴らしい。

〆ご飯は5種類の中から好きなものを好きな量だけ食べることができます。ひと口とかでも可能なので、全種類を食べることをお勧めします。私は安定のLLサイズですがw

〆ご飯① 鯵の棒鮨♡♡
シャリの酸でより輪郭を成す鯵の旨味が素晴らしい。恵方巻きのようにかぶりつきたい美味しさ。

〆ご飯② 鰹の漬け丼♡
コレが鰹?と疑うほどに鰹らしさがない鰹。漬けにしているとはいえ、全くクセなどは感じず旨味のみが濃厚。それでいて鰹の香りがふわりと鼻から抜けます。

〆ご飯③ ミンククジラのラーメン♡♡
何故、このラーメンが街にないのだろう?と思うほどに美味しい。スープは確りとした旨味の芯を感じつつも極上のあっさり感。

〆ご飯④ うすい豆ご飯♡
ホクホクとしたうすい豆の甘味の中、上から削りかけたばちこの旨味が映えます。このばちこのアクセントが絶妙に響き、実に美味しい。

〆ご飯⑤ 蓮根雑炊♡
蓮根から出汁を取っているのか、この味わいのお粥ならば、毎日でも食べたい。濃厚な旨味の中でも米の優しい甘味を感じ、中心にある生姜の辛味がいいアクセント。

琵琶と鎌倉ビールのシャンディガフ
エディブルフラワーを飾って。華やかな見た目に確り目なアルコール、口の中をリフレッシュしてくれる味わい。

落とし文♡
「北嶋さんからの恋文です」と供されたのは、梅酒の餡を紫蘇の寒天で包んだもの。先程の水菓子とは違い、「和」の奥ゆかしさを感じられるひと品。

お抹茶
最後は北嶋さん自ら点てて下さるお抹茶。

あの不幸な出来事から完全復活した「鎌倉 北じま」、堪能させていただきました。店主・北嶋 靖憲さんを中心として、様々な職歴を持つ料理人が集まることで生まれる化学反応のような料理をきっちりと日本料理に落とし込んでおり、それが実に美味しい。さかな人・長谷川大樹さんから届けられる海と山の幸は神奈川県・相模湾の食の恵みを感じ、鎌倉という土地ならではの料理はいつ訪れても心打つ美味しさがあります。鎌倉を愛する生産者から届けられる食材を料理人が客へと繋ぎ、そして客がお店を愛する。素晴らしい愛の循環がこのお店には溢れていると思います。今回もご馳走様でした!

  • 2025.5. 黒文字茶

  • 2025.5. 水貝の素麺

  • 2025.5. 太刀魚の酒蒸し

  • 2025.5. 鰆

  • 2025.5. 金目鯛

  • 2025.5. 鼈の玉締め椀

  • 2025.5. 蛸の天麩羅

  • 2025.5. 野草と泥障烏賊の和え

  • 2025.5. 稚鮎

  • 2025.5. 石井牛の炊き合わせ

  • 2025.5. 鯵の棒鮨

  • 2025.5. 鰹の漬け丼

  • 2025.5. ミンククジラのラーメン

  • 2025.5. うすい豆ご飯

  • 2025.5. 蓮根雑炊

  • 2025.5. 琵琶と鎌倉ビールのシャンディガフ

  • 2025.5. 落とし文

  • 2025.5. お抹茶

2025/05/24 更新

8回目

2025/04 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

相模灣の恵み

2025.4.

相模灣の恵み

GWでより一層賑わう駅前に背を向け、歩くこと15分くらいで、観光地から住宅地へと変貌する街、古都・鎌倉。その鎌倉の地から全國へと名を馳せる日本料理店「鎌倉 北じま」に再訪。しかしながら、今回の主役は店主・北嶋 靖憲さんではなく、そこで研鑽を積んでらっしゃる金子 巧さん。

個人的に「鎌倉 北じま」とは北嶋さんを主軸として、色々な若き才能が混ざり合って作り出す日本料理店だと思っています。その一角を擔う金子さんは、元々は蒲田にある老舗名店「初音鮨」の親方。そんな金子さんが「鎌倉 北じま」のバックボーンであるさかな人・長谷川 大樹さんの魚を使い、鮨を握るという貴重な「鮨金子」に參加させていただきました。

蓬茶
ウェルカムドリンクは、蓬茶。口當たりの柔らかい甘味と最後にふわっとする苦味が心地よい。

うつぼ素麺♡
プツンと歯切れが心地よい極細の素麺が泳ぐ出汁は、なんとうつぼ。あの見た目からは想像もできないほどに綺麗な旨味。ひと口目からグッとくるわけではなく、じわじわときて一気に爆ぜるような感じ。

混ぜてください♡
鎌倉「イチリンハナレ」の料理をオマージュしたもの。仕上げに野蒜を漬けた醤油をかけて。神経〆した平政が主役でありつつも、混ぜることで様々な食感とアクセントが口の中で響きあう。なんとも進化したお造り。

翻車魚♡
翻車魚(まんぼう)の身をコトコトと煮付け、胡麻と胡瓜で和えた胡麻和え。「コレが、翻車魚?」と言われなければ分からないほどの美味しさ。まるで鶏のささみに少し食感と脂をプラスしたような感じで、実に美味しい。

えいひれ 鮟鱇 あしたば♡
えいひれは軟骨がありつつも柔らかく、旨味が抜群。特に鮟鱇は口の中で跳ねるようなプリプリとした食感があり、どっぱーんとした旨味の後に殘る甘味が素晴らしい。

たこ♡
バカラのシャトーブリアングラスの中に、たこ・蠶豆・こごみ・獨活・葉山葵を入れ、上から煌めくような昆布出汁ジュレをかけて。淡い味わいの昆布出汁ジュレの中で、心地よい食感が映え、爽やかな風が吹き抜けるような旨味が走ります。

あん饅♡♡
餅の中に鮟鱇の身と腸などを牛出汁で繋いだものを入れ、鮟鱇出汁を貼ったお椀。強い牛出汁が鮟鱇の旨味をグッと引き上げ、鮟鱇出汁がそれを更に押し上げるという力強い旨味のひと品。

長谷川さんの神経〆あおりいいか♡
締めて2日目の泥障烏賊。シャリの酸と塩で、より輝くような泥障烏賊の甘味が素晴らしい。

活魚 鯵♡
活きたまま漁港にきて、競り落とした後に長谷川さんが〆たもの。とても旨味が綺麗で、青魚のクセや香りなどが微塵も感じません。

かみなりいか♡
聞き慣れない烏賊は、墨烏賊の一種だそう。食感は墨烏賊のようにサクサクとした食感があり、舌觸りはねっとりと甘くて泥障烏賊のよう。この烏賊、美味しい。

けいすけさんのオオモンハタ♡
橫須賀・長井港から出ている漁師・仲地 慶祐さんのオオモンハタ。咀嚼すればするほどに旨味と甘味が引き出され、ガツンとくるシャリの酸と塩がそれらをより際立たせています。

きんめだい 佐島♡♡
一週間寢かせたものだそうで、身はねっとりと柔らかくて甘い。じっくりと練れており、魚の持つ旨味のポテンシャルを感じれる一貫。

鱧♡
2キロアップの大型の鱧を活きたまま競り落として、長谷川さんが〆たもの。目の前で炭火で炙っていると、滴る脂が淒まじい。上には炙った鱧子を乗せて。ホクホクとした鱧の旨味の中でプチプチとした鱧子の旨味が累乗するかのよう。

きはだまぐろ♡
「初音鮨」を徬彿させる漬けの仕事を施し、脫水して旨味を凝縮させたものを魚體の違いで味わう仕立て。1貫目は旨味がグッときて、そこから立ち上る香りが尋常ではなく、殘る香りも強くて、鮪らしさを感じます。2貫目は香りよりも旨味の方が先行し、かなりあっさりとした味わい。どちらが好みかと聞かれたら、1貫目の方が好きかな。

黒むつ♡
切りつけてから皮目に炭を當てて、香りと脂を引き出しており、口の中でジュワッと溢れる脂の旨味と甘味が実に美味しい。

イバラガニモドキ♡♡
立ち上る蟹の香りが素晴らしく、ジューシーな蟹の旨味が口の中いっぱいに溢れ、シャリの酸と塩でより輪郭を成す蟹の甘味が良い。

うまづらはぎ
上から肝ペーストを乗せて。ガラスのような身に濃厚な肝が格別。微かに殘る肝の臭みが少し鼻に觸るかな。

つみれのお椀♡♡
本日使った魚のつみれをその出汁と共に芹・三葉・蔥・梅肉を合わせて。つみれには少量の山椒を入れており、そのアクセントがこの椀物を締めています。旨味溢れる吸い地は実に素晴らしく、出來るならば持ち帰りたいくらいの美味しさ。

望月くんの出汁巻♡
タレ焼きした鱧を巻いた出汁巻。ジュワッと出汁が溢れる玉子にタレの旨味を乗せた鱧が美味しい。

戸田さんの玉♡
スイーツっぽく焼き上げた玉に長谷川さんが取った苺ジャムを添えて。カステラを徬彿とさせる玉で、鮨店らしくはないですが、美味しい。

蓬♡♡
長谷川さんが取った蓬の香りを楽しむべく、甘酒を入れた求肥を目の前で練り込み、その求肥で餡子を包んだもの。餡子は砂糖ではなく、発酵させることで甘味を出しているそうで、口の中で感じる蓬の香りが実に映えます。

まさに金子さんがやりたいことをギュッと詰めに詰め込んだ內容で、もしもコレが実店舗で存在したのならば、めちゃくちゃ流行る予感しかしない感じ。本格的にいただく金子さんの鮨は、想像以上に所作から味わいまでかなり繊細。魚の味わいが綺麗な長谷川さんの魚によく合っており、米酢がビシッと効いたシャリも美味しい。「蓬に始まり蓬に終わる」という構成內容も粋で、無理に小鰭や穴子などを使わずに相模灣の海と山の幸に徹したのも素晴らしかったです。
私はガツンとした男前な鮨が好みではありますが、金子さんの握る鼻筋が通った綺麗な美人のような鮨も美味しい。できることならば、コレが最後ではなく、季節毎に楽しみたい。そんな鮨店が鎌倉に誕生した瞬間でした。

金子さん、貴重な席をありがとうございました!また是非とも宜しくお願いいたします。

  • 2025.4. 蓬茶

  • 2025.4. うつぼ素麺

  • 2025.4. 混ぜてください

  • 2025.4. 翻車魚

  • 2025.4. えいひれ 鮟鱇 あしたば

  • 2025.4. たこ

  • 2025.4. あん饅

  • 2025.4. 長谷川さんの神経〆あおりいいか

  • 2025.4. 活魚 鯵

  • 2025.4. かみなりいか

  • 2025.4. けいすけさんのオオモンハタ

  • 2025.4. きんめだい 佐島

  • 2025.4. 鱧

  • 2025.4. きはだまぐろ

  • 2025.4. きはだまぐろ

  • 2025.4. 黒むつ

  • 2025.4. イバラガニモドキ

  • 2025.4. うまづらはぎ

  • 2025.4. つみれのお椀

  • 2025.4. 望月くんの出汁巻

  • 2025.4. 戸田さんの玉

  • 2025.4. 蓬

2025/04/28 更新

7回目

2024/09 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2024.9.

食材・料理人・客が紡ぐ愛

6月に起こったあの出来事から3ヶ月。ついに鎌倉にある日本料理店「鎌倉 北じま」が再始動しました。といっても限られたスペースと調理で営業する仮営業というかたちなので、100%の「鎌倉 北じま」ではないかもしれませんが、とても嬉しい。今夜もゆるりと楽しみます。

~秋分~

コンブチャ
お茶を発酵させて作るウエルカムドリンク。

揚げおにぎりのお茶漬け♡
香茸をカラカラになるまで干したものを入れているそうで、蓋を開けた瞬間からもの凄い香りが立ち込めます。おにぎりは焼くのではなく揚げているので、その油が吸い地に溶けて味わいも力強く、ひと口目から美味しいが止まりません。

太刀魚と無花果の天麩羅♡
ナッツ醤油をかけて。軽く食感なれど、太刀魚の旨味がドッパーンと口の中に溢れます。無花果は香りと共にねっとりとした甘味があり、実に日本料理に合う果物だと思います。個別にいただくのも美味しいですが、一緒にいただくとより美味しい。

胡麻笛鯛♡
相模湾の伊東側で獲れたものだそうで、じっくりと練れている旨味が凄く、後味がとても綺麗で甘い。笛鯛と名が付く鯛は、やはり美味しい。

黒鴟尾魳♡♡
皮の方に骨があるそうで、皮側から骨切りしてから炭で皮目を炙ったもの。処理がとても大変な魚だそうで、あまり需要がないそうですが…確り手当てを施されているので、素晴らしい美味しさ。食べ終えると、大根おろしが供されて、口に残る脂も断ち切れて、後味も爽やか。

銀杏のお椀♡
蓋を開けると、お揚げの下に40分かけて練ったという銀杏豆腐があります。モチっとした食感に銀杏の甘味があり、舌を包みこむような柔らかな吸い地の塩加減がこの甘味をより上品にしています。

冷野菜の炊き合わせ♡
天然舞茸・南瓜・小芋・茄子・落花生・おかひじきを甘味をつけた豆腐ソースで。おそらくは野菜だけでも美味しいはず。でもこの豆腐ソースをつけることで、異なる甘味が野菜を包み込むようで、更なる美味しさ。豆腐だけでなく、ヘーゼルナッツも入れてあるので、より濃厚な味わい。

相模鮎♡
2日間かけて番茶で炊いた相模川で獲れた鮎を蔓紫と蓼のソースで。口に入れると、ほろりと崩れる鮎は茶の香りをぶわっと放ち、ほろ苦さと旨味が広がります。蓼ソースの微かな酸味がより全体を締めており、美味しい。

冬瓜♡
蜆出汁で炊いた冬瓜で、「重陽の節句」である邪気払いの菊花を飾って。珍しい蜆出汁というのが、〆の鮨にも繋がる味わいで、新しくも美味しい。

〆はいつものような感じではなく、金子巧さんが握る鮨を楽しみます。

黄肌鮪♡
はじめにシャリの酸味がガツンときて、あっさりとしているのに決して水っぽくない黄肌鮪の旨味がぐわんと溢れます。

鰆♡
鰆を口に入れて思う。シャリの酸味は、この鰆を美味しくいただく為のアクセントだと。舌に絡みつくようなねっとりとした鰆が甘く、旨味が強い。

薄葉剥の柿の葉鮨♡
ガラスのような綺麗な身がとても印象的。皮剥の仲間なので、肝が美味しい。その肝はシャリに混ぜ込んでいるそうで、皮剥の鮨でも新しいアプローチで美味しい。

梅味のとろろ汁♡
梅の酸味が良いアクセントになっており、見開く美味しさ。

尾赤鰘の棒鮨♡♡
北嶋さんが惚れ込む尾赤鰘を使った棒鮨。尾赤鰘の甘い脂が酸味のあるシャリに抜群に合い、旨味が深く美味しい。

蛸の太巻♡♡
蛸を炊いた出汁で蛸飯を作り、蛸の天麩羅を巻いた太巻。蛸の旨味を最大限に活かしており、胡瓜の食感と爽やかな酸味が心地よい。

湘南梨と茄子のコンポート
シャリシャリとした強い甘味の湘南梨、とろりとしているのかと思った茄子のコンポートは食感も確りとした酸味のある味わい。

月見団子
周りは黒小豆、月に見立てた団子の中には酸味の柔らかいマイヤーレモン。

玉露
最後は熱めの玉露で旨味を味わいます。

五味を考える。
甘味・苦味・塩味・酸味・旨味の中で、日本料理にあまり感じられないのが「酸味」ではないでしょうか。酸味といっても、決して酸っぱいと感じさせない仄かなアクセントが今回の多くの料理に巧みに使われており、実に美味しかったです。店主・北嶋 靖憲さんという確固たる軸を中心にして作られる料理は、様々なジャンルの経験と技術を得た料理人たちの集合体であり、様々な人を魅了する鎌倉という土地に相応しい「鎌倉料理」だと感じました。

次回は年明け。新たに生まれ変わる「鎌倉北じま」を楽しみにしています


今夜出逢ったお酒

みむろ杉 純米吟醸 雄町 ひやおろし

天青 吟望 秋純米 おりがらみ

山川光男 2024 あき

NOTO 純米大吟醸 2024 応援搾り 無濾過生原酒

  • 2024.9. コンブチャ

  • 2024.9. 揚げおにぎりのお茶漬け

  • 2024.9. 太刀魚と無花果の天麩羅

  • 2024.9. 胡麻笛鯛

  • 2024.9. 黒鴟尾魳

  • 2024.9. 銀杏のお椀

  • 2024.9. 冷野菜の炊き合わせ

  • 2024.9. 相模鮎

  • 2024.9. 冬瓜

  • 2024.9. 黄肌鮪

  • 2024.9. 鰆

  • 2024.9. 薄葉剥の柿の葉鮨

  • 2024.9. 梅味のとろろ汁

  • 2024.9. 尾赤鰘の棒鮨

  • 2024.9. 蛸の太巻

  • 2024.9. 湘南梨と茄子のコンポート

  • 2024.9. 月見団子

  • 2024.9. 玉露

  • 2024.9. みむろ杉 純米吟醸 雄町 ひやおろし

  • 2024.9. 天青 吟望 秋純米 おりがらみ

  • 2024.9. 山川光男 2024 あき

  • 2024.9. NOTO 純米大吟醸 2024 応援搾り 無濾過生原酒

2024/10/08 更新

6回目

2024/06 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2024.6.

食材・料理人・客が繋ぐ愛/鎌倉 北じま

古都・鎌倉にある日本料理店「鎌倉 北じま」に再訪。京都「和久傳」などで研鑽を積まれた店主・北嶋 靖憲さんが2021年に開いたお店で、先日3周年を迎えられました。この時期になると、紫陽花が咲くお店の入口に無病息災を祈願する夏越の祓を象徴する「茅の輪」が作られており、そこを潜ることで店内へと入ります。

立夏

黒文字蒸留水の炭酸割り
黒文字の葉から作った蒸留水を炭酸で割ったウェルカムドリンク。疲れを癒すという黒文字の上品な香りが北嶋さんの心遣いを感じさせます。

鰻の飯蒸し♡
味噌漬けにしてあるという鰻は、皮目をパリッと焼かれており、身のフワフワ感とモチッとした米とのコントラストがあります。味噌のほんのりとした甘味と鰻の旨味があり、上品な味わい。

茄子の素麺♡
白味噌の出汁の中に細く切った茄子があり、上には神奈川県佐島産の蛸を乗せて。
上品な甘味の白味噌の中でも茄子の旨味は確りと感じられて、更に青柚子の爽やかさが駆け抜けていきます。蛸は柔らかく炊いておらず、咀嚼すると蛸の旨味がジュワッと溢れるような仕立て。

大紋羽太♡♡
「つまり」と呼ばれる奇形種だったそうで、だからこそ生きる力がとても強いらしい。この食材に「鎌倉北じま」を支えるお一人である仲買人・長谷川大樹さんの真骨頂を垣間見れます。実際に咀嚼すると、すぐに溢れ出す旨味と甘味がとても濃厚。本来ならば、市場には出ない奇形種にここまでの美味しさが秘められているとは!

金目鯛♡♡
神奈川県三浦産のものを14日間寝かせたもの。口に入れた瞬間に金目鯛の甘味が華やぎ、旨味の余韻が長く続きます。素晴らしい美味しさ。

鯵の一夜干しと冬瓜のお椀♡
鯵は一夜干しにすることで、濃縮したような旨味が溢れます。一皮残したような冬瓜はトロトロ感だけではなく、シャリシャリ感も楽しめ、仄かな酸味と旨味が溢れる熟鮓の出汁は唯一無二の味わい。

夏焼き♡
中に入れているのは、真竹と蛤とバイ貝。春巻の皮の小気味良いサクサク感の中に、シャリシャリとした真竹らしい食感と甘味、そして貝の旨味が映え、最後には真竹の清々しい香りが鼻から抜けます。

水無月豆腐♡
無病息災を祈って神事などで用いられることが多い和菓子を模した料理で、朝取れの枝豆を使っています。あえて残した豆臭さがとても心地よく、氷を模した形も涼やか。

ヤングコーンの天麩羅♡
コーン茶の餡添え。そのままいただくと、ヤングコーンの甘味をダイレクトに感じ、コーン茶の餡をつけると香りが一気に華やぎます。香ばしさと旨味を凝縮したようなヒゲの部位も美味しい。

石井牛のおでん風♡
低温調理を施した神奈川ブランド牛「葉山石井牛」を根セロリの餡と合わせて。蓋を取るとセロリの香りがプンプンとし、味わいはどこか薬膳っぽい。咀嚼する度にグッとくる「葉山石井牛」の濃厚な旨味が素晴らしく、日本料理ではまず使わない根セロリをとてもよく昇華しており、挑戦とセンスを感じるひと皿。

〆ご飯① 太刀魚の棒寿司♡♡
皮目だけに炭を押し付けて、炙りにして。酢飯の酸で輪郭を成す肉厚な太刀魚の旨味と甘味が秀逸。

〆ご飯② ヒレナガカンパチの漬け丼♡
聞き慣れない魚ですが、旨味が濃厚。漬けにしても感じる脂の甘味がとても美味しい。

〆ご飯③ ミンククジララーメン♡♡
淡麗系ラーメンが好きならば、必ず刺さる美味しさ。あっさりとしながらも芯を感じさせる旨味があり、コレだけでも食べに来たいと思える美味しさ。

〆ご飯④ 泥障烏賊と新生姜のご飯♡♡
神経〆した泥障烏賊と新生姜を薪焼きにして、炊き立てご飯に乗せたもの。
かなり細かく切りながらも存在感を示す泥障烏賊がとても甘く、モチモチとした食感も感じられます。上に乗せることで、白米の甘味も感じられてとても美味しい。

〆ご飯⑤ 御難粥
「御難おにぎり」をお粥にアレンジしたもので、この「御難おにぎり」とは鎌倉にある「安国論寺」というお寺にゆかりのある日蓮が難を逃れる前に食べたとされる神奈川県のご当地おにぎりだそう。
沢庵・梅・大徳寺納豆・紫蘇・胡麻が散りばめられ、優しい味わい。

レモンジュレ ゴーヤのムース
上にはゴーヤのワタのシロップ漬け。ゴーヤのムースが確りと苦味を主張しており、全体の味わいを締めています。

薯蕷饅頭
新生姜の蜜煮を挟んで。

お抹茶
最後は北嶋さんが点てて下さるお抹茶でほっこりと。

鎌倉という地の利を活かす地産地消の中で、仲買人・長谷川 大樹さんの存在は大きい。誰もが美味しいと分かるブランド化した高級魚ではなく、今回の『大紋羽太』のようなものにも価値を見出し、その美味しさを伝えることは「鎌倉 北じま」にしかできないことだと思います。料理に関しては、北嶋さん以外に金子 巧さんをはじめとする様々なジャンルのスタッフの食材へのアプローチを感じ、伝統的な日本料理への挑戦とも思えるひと皿を作り出しています。しかしながら、それらは決してイノベーティブのような料理ではなく、確りと日本料理として昇華させているのが毎回のごとく素晴らしい。

ここは京都ではなく、鎌倉。

そんなことを料理をいただきながら感じる「鎌倉料理」だと思います。

追伸
皆さんが無事で良かったです。再開する日を心待ちにしています。

  • 2024.6. 茅の輪

  • 2024.6. 黒文字蒸留水の炭酸割り

  • 2024.6. 鰻の飯蒸し

  • 2024.6. 茄子の素麺

  • 2024.6. 大紋羽太

  • 2024.6. 金目鯛

  • 2024.6. 鯵の一夜干しと冬瓜のお椀

  • 2024.6. 夏焼き

  • 2024.6. 水無月豆腐

  • 2024.6. ヤングコーンの天麩羅

  • 2024.6. 石井牛のおでん風

  • 2024.6. 太刀魚の棒寿司

  • 2024.6. ヒレナガカンパチの漬け丼

  • 2024.6. ミンククジララーメン

  • 2024.6. 泥障烏賊と新生姜のご飯

  • 2024.6. 御難粥

  • 2024.6. レモンジュレ ゴーヤのムース

  • 2024.6. 薯蕷饅頭

  • 2024.6. お抹茶

  • 2024.6. 梔子

2024/06/16 更新

5回目

2024/03 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2024.3.

食材・料理人・客が紡ぐ愛/鎌倉 北じま

鎌倉にある日本料理の名店「鎌倉 北じま」に再訪。ここは京都「和久傳」などで研鑽を積まれた店主・北嶋 靖憲さんを中心に鮨職人・金子 巧さんらジャンルを超えたスタッフのチーム力で、さかな人・長谷川 大樹さんが手当てした魚介をはじめとする地元食材を味わえるお店です。

晴明

桜湯
桜花の塩漬けを入れた春らしい縁起物。

鼈の玉締め♡
鼈の出汁の中に明日葉・クレソン・野蒜を入れたもの。鼈は濃厚なれど、かなりあっさりとしており、シャクシャクとした食感と爽やかな苦味が映えます。

泥障烏賊と半生ばちこの手巻き鮨♡
鮨職人・金子巧さんが目の前で握る手巻き鮨。海苔のバリッとした食感の後に、今まで感じたことのないようなねっとり感が広がり、旨味と甘味の暴力が半端ない。

金目鯛のお造り♡
相模湾でも静岡県伊東産。海老を食べていた魚体だそうで、口の中で温めるようにいただくと甲殻類のような香りと旨味が広がります。

赤鯥のお造り♡♡
横須賀・長井港産の神経〆のものを皮目だけを炭で炙って。店内に広がる煙だけでも美味しいが確信できるような感じで、実際に口にすると…とても綺麗で雑味が一切感じられない甘味と旨味が素晴らしい美味しさ。

河豚の白子と自家製お豆腐の摺流し♡♡
名残りの河豚の白子を使った摺流しの中に豆腐を入れて、蕗の薹の素揚げと柚子で作った陳皮を添えて。出汁の骨格は確りとしながら、白子のクリーミーさと甘味があり、それを際立たせる蕗の薹の苦味を確りと活かした味わい。

蕗と独活、蒟蒻と利休麩の白和え♡
上からサチャインチナッツとカシューナッツをかけて。白和えの美味しさは勿論のこと、口の中で奏でる六者六様の食感が面白い。

異次元の鮟鱇の炭火焼き♡♡
さかな人・長谷川 大樹さんが手がけた鮟鱇を炭火焼きにし、鮟肝と奈良漬けを添えて。この鮟肝が凄い。口の中で跳ねるような鮟鱇を咀嚼すると、溢れるのは純粋無垢な旨味と甘味。そこにとても綺麗な味わいの鮟肝が旨味を押し上げ、奈良漬けの風味がとてもいいアクセントになっています。

蛤の天麩羅♡
菜の花を添えて、上から蕗の薹のソースをかけて。蛤の旨味を更に押し上げるような蕗の薹の苦味が心地よく、ザクザクとした食感の中で咀嚼していると更に旨味が溢れてきます。

蓮根餅と春キャベツ♡
鶏スープ仕立てですが、その中でも確りと感じられる春キャベツと蓮根餅の甘味。出汁の使い方が素晴らしく、骨格が確りしながらも旨味のみが素材に寄り添うよう。

石井牛のヒレ 卵黄ソース 土鍋ご飯と共に♡♡
濃厚な卵黄ソースの中でも確りと感じられる石井牛の旨味。それを炊き立ての土鍋ご飯と共に食べられるというご飯好きにはたまらない仕立て。

鰆の漬け丼♡
鰆には軽く薫香をつけており、ふわっと香るほどのアクセントになっています。漬けといっても瞬間漬けのようで、鰆の甘味は確りと味わえます。ご飯も実に美味しい。

太刀魚の玉締め丼♡
カツ丼の太刀魚バージョンという感じの丼で、揚げた太刀魚を後乗せしています。玉締めに出汁は勿論感じますが、玉子本来の味わいも楽しめて美味しい。太刀魚には実山椒が乗せられており、サクッフワッとした食感の後に旨味が広がります。

鮟鱇ラーメン♡
デフォルトの『クジララーメン』に代わり、この時期は鮟鱇。鮟鱇の皮・腸などを使い、出汁の鮟鱇という鮟鱇尽くしのラーメン。毎回思うことですが、「コレだけでもランチできそう」と思えるほどのクオリティと美味しさ。

湘南ゴールド
くり抜いた湘南ゴールドの中にフレッシュ湘南ゴールド・湘南ゴールドゼリー・卵黄・湘南ゴールドのドライフルーツを入れたもの。供されると、爽やかな湘南ゴールドの香りが凄い。卵黄が爽やかの中に濃厚な甘味を与えており、サバイヨンソースのよう。

鶯宿梅
蓮の道明寺に青大豆と梅酒に漬けた梅の餡、青大豆のきな粉で仕立てたうずいす餅。

北嶋さんの料理をいただいて、いつも思うことは…これは京料理でなく、鎌倉料理である。ということ。
北嶋さんだけでなく、全ての料理人には積み重ねた技術があり、そこから生み出される個々の味わいがあります。しかしながら、土地が変われば、食材の味わいも変わるのは常。それらを自分の味に強制するのではなく、自身の味を食材に寄り添うように変えて表現する料理。それがこの「鎌倉 北じま」だと思います。更には様々なジャンルの料理人が関わることで、化学反応の如く、料理ひとつひとつに更なる可能性を感じさせます。料理を通して感じる相模湾をはじめとする海の幸や山の幸の豊富さとその美味しさは、地元・神奈川の誇りです。「鎌倉 北じま」、まだまだこれからが楽しみなお店です。

北嶋さん、金子さん。今夜もたくさんありがとうございました!また次回も楽しみにしています。

今夜出逢ったお酒

NOTO 純米無濾過生原酒

山川光男 2024 はる

而今 純米大吟醸

  • 2024.3. 桜湯

  • 2024.3. 鼈の玉締め

  • 2024.3. 泥障烏賊と半生ばちこの手巻き鮨

  • 2024.3. 金目鯛のお造り

  • 2024.3. 赤鯥のお造り

  • 2024.3. 河豚の白子と自家製お豆腐の摺流し

  • 2024.3. 蕗と独活、蒟蒻と利休麩の白和え

  • 2024.3. 異次元の鮟鱇の炭火焼き

  • 2024.3. 蛤の天麩羅

  • 2024.3. 蓮根餅と春キャベツ

  • 2024.3. 石井牛のヒレ 卵黄ソース 土鍋ご飯と共に

  • 2024.3. 鰆の漬け丼

  • 2024.3. 太刀魚の玉締め丼

  • 2024.3. 鮟鱇ラーメン

  • 2024.3. 湘南ゴールド

  • 2024.3. 鶯宿梅

  • 2024.3. お抹茶

  • 2024.3. NOTO 純米無濾過生原酒

  • 2024.3. 山川光男 2024 はる

  • 2024.3. 而今 純米大吟醸

2024/04/01 更新

4回目

2024/01 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2024.1.

食材・料理人・客が繋ぐ愛/鎌倉 北じま

2021年5月に京都「和久傳各店」や「丹」で研鑽を積まれた北嶋 靖憲さんが故郷である鎌倉の地にオープンさせた日本料理店「鎌倉 北じま」に再訪。ここでは北嶋さんが信頼を寄せる「さかな人」長谷川 大樹さんから届けられる食材を使い、「相模湾で獲れた魚介と地野菜で、鎌倉でしか出来ない旬味」の料理が楽しめます。

小寒

梅昆布水
ウェルカムドリンクは縁起の良い昆布を入れた大福茶のよう。旨味と酸味がじんわりと染み渡ります。

お雑煮♡
京都・清水五条にある老舗味噌店「山利商店」の白味噌を使ったお雑煮で、中にはくわい、日の出人参、自家製餅。食べ慣れない白味噌仕立てですが、白味噌の絶妙な甘味と旨味が実に美味しい。

蛸の天麩羅と神馬草♡
神奈川県佐島産の蛸は一度炊いてから揚げているそうで、コレが蛸?と疑うほどの知らない食感。聞き慣れない神馬草の磯の香りが強烈に口の中に広がります。

歯鰹♡
静岡県伊東産。鰹という名前ですが、その味わいは鰹と鰆のハイブリッドのような感じ。ねっとりと歯に吸い付くような身からゆっくり溢れ出す甘味がとても秀逸。

赤鯥 & 泥障烏賊♡
さっきまで泳いでいたという赤鯥と泥障烏賊をお造りで。
赤鯥は皮目だけに炭を押し当てることで、皮と身の間にある脂を溶かし、泥障烏賊は舌に当たる面だけに隠し包丁を入れることでより甘味を感じられます。地元で揚がった魚だからこその鮮度があり、クリアな甘味と旨味が一段と素晴らしい。

異次元鮟鱇のお椀♡♡
雪輪蓮根を浮かべて。「さかな人」長谷川大樹さんが海水の中で神経〆した鮟鱇を使ったお椀。
鮟鱇は箸で割れるような身質ではなく、ガブッとかぶりついても尚、ブリブリとした食感が凄い。そしてその旨味が素晴らしく、まさに異次元の鮟鱇と言わしめる美味しさ。

柚子♡
柚子の皮でイバラガニモドキと河豚白子を包んで。
柚子の皮を箸で割くと柚子の香りがふわりとし、口に入れると柚子の苦味がイバラガニモドキと白子の甘味の輪郭をよりはっきりとさせます。

干し数の子の天麩羅♡♡
10日くらいかけて戻した干し数の子を薄衣で揚げたもの。
「どうぞ」と手渡されるものは丸々一本という贅沢さで、パリパリとした食感に干して生まれた濃縮した旨味がたまらない。

たたき牛蒡と黒人参 & 春菊と蓮根の鮟肝和え♡
中でも白眉なのは、春菊と蓮根の鮟肝和え。鮟肝もとてもクリアな味わいであっさりとしたコクがあり、その中でシャリシャリとした蓮根や春菊のほろ苦さ、黒豆の甘味とも合わさって美味しい。

三浦大根とばちこ♡
京都の聖護院大根と違って甘味が少ない分、ミネラル分豊富な三浦大根をたっぷりの鰹出汁で炊いており、半生のばちこと一緒にいただくと至福の美味しさ。

〆ご飯①イバラガニモドキの炊き込みご飯♡♡
固めに炊かれた米のひと粒ひと粒に蟹の旨味が乗っているようで、それが素晴らしく美味しい。

〆ご飯②真鯵の棒鮨♡♡
真鯵の旨味と甘味がシャリの仄かな酸味でより輪郭を成し、口の中で爆ぜる旨味が最高。鯖よりも脂はないですが、上品な脂と旨味があって感動できる美味しさ。

〆ご飯③ミンク鯨のラーメン♡♡
「このラーメンで店が出せる」と思わせるようなほどに淡麗の極みのようなラーメン。

〆ご飯④鴨の玉締め丼♡♡
トロトロの玉子綴じは玉子やご飯の味わいも楽しめるような出汁の濃さで、実に美味しい。ロゼ色の鴨と山椒の実と共にかき込めば、至福の味わい。

〆ご飯⑤異次元鮟鱇雑炊♡♡
先程の異次元鮟鱇を使った雑炊。ここでもまた鮟鱇の身がブリブリとし、抽出した出汁が最高に美味しい。

くろもじ茶ゼリーとチェリモヤヨーグルトがけ
くろもじ茶の爽やかさとチェリモヤのねっとり感が日本料理の枠を外して出逢った美味しさ。

雲を得るが如く
黒小豆と小松菜を入れた上用菓子。

お抹茶
最後は北嶋さんが点ててくださるお抹茶でほっこりと。

約5ヶ月ぶりの再訪でしたが、更にスタッフが増えており、それが料理にいい影響を与えているかのよう。色々なジャンルの料理人達が刺激し合い生まれる化学反応のようなものを北嶋さんが確りと日本料理として昇華させてらっしゃり、来店の度に美味しさが増していると思います。北嶋さんと長谷川さんを通して感じられる神奈川や相模湾の食材の豊富さとその美味しさは、「鎌倉北じま」をより輝かせるものであり、地元人の誇りです。

今夜もありがとうございました。

今夜出逢ったお酒

黒龍 干支ボトル 辰年

NOTO 純米大吟醸

産土 山田錦

山川光男 2023 ふゆ

  • 2024.1. 梅昆布水

  • 2024.1. お雑煮

  • 2024.1. 蛸の天麩羅と神馬草

  • 2024.1. 歯鰹

  • 2024.1. 赤鯥 & 泥障烏賊

  • 2024.1. 異次元鮟鱇のお椀

  • 2024.1. 柚子

  • 2024.1. 干し数の子

  • 2024.1. 干し数の子の天麩羅

  • 2024.1. たたき牛蒡と黒人参 & 春菊と蓮根の鮟肝和え

  • 2024.1. 三浦大根とばちこ

  • 2024.1. イバラガニモドキの炊き込みご飯

  • 2024.1. 真鯵の棒鮨

  • 2024.1. ミンク鯨のラーメン

  • 2024.1. 鴨の玉締め丼

  • 2024.1. 異次元鮟鱇雑炊

  • 2024.1. くろもじ茶ゼリーとチェリモヤヨーグルトがけ

  • 2024.1. 雲を得るが如く

  • 2024.1. お抹茶

  • 2024.1. 黒龍 干支ボトル 辰年

  • 2024.1. NOTO 純米大吟醸

  • 2024.1. 産土 山田錦

  • 2024.1. 山川光男 2023 ふゆ

2024/01/14 更新

3回目

2023/08 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2023.8.

食材・料理人・客が繋ぐ愛/鎌倉 北じま

処暑

コンブチャ
緑茶を発酵させたもの。暑い夏に一陣の風が吹くような炭酸の爽やかが広がります。

淡雪♡
涼やかな蓮の葉にあるのは、相模湾で獲れたイバラガニモドキの身を卵白で和えたもの。山葵の鮮烈さの中で、口に入れるとまさに淡雪の如くシュワっと溶ける卵白と蟹の確りとした旨味があります。

鬼灯♡
鬼灯のガクを籠に見立てて、中に入れられているのはゴーヤの白和え、鰻の八幡巻、トウモロコシの葛寄せ。
ゴーヤの白和えは仄かに酸味があり、それがより豆腐の甘味やゴーヤの苦味を引き出しています。トウモロコシの葛寄せは粗さがポイントだそうで、ザラリとした舌触りにトウモロコシの甘味と上に乗せられたヒゲの香りが映えます。鰻の八幡巻は咀嚼すると牛蒡の香りがぶわっとして、鰻の旨味がそれを包むかのよう。

九絵と冬瓜のお椀♡
蓋を開けると、青柚子の香りがふわりと鼻を擽ります。葛叩きされた大ぶりな九絵の舌触りはとろりとし、ムチっとした身の旨味が素晴らしく、旨味を全て吸い込んでいるような冬瓜もとろりとして美味しい。吸い地の最後の一滴までゆっくりとした旨味が広がり、身体に細胞に染み込むよう。

鮪♡♡
相模湾で獲れ、神経〆された鮪の大トロと中トロをお勧めの塩と山葵でいただきます。
綺麗な脂と旨味があり、食べ終えても尚、口の中に存在感するようなコッテリとした旨味の濃さがあり、鮨店も驚くほどに美味しい。コレが相模湾で獲れたと思うと神奈川県の凄さを感じます。

黒むつ♡♡
長井漁港で獲れた釣りの黒むつの皮目だけに炭を付けて炙ったもの。
皮目に炭を付けるとジュッという音と共に炭と香ばしい香りが店内を包みます。炙ることで皮と身の間の脂が溶けた黒むつは皿の上でキラキラと煌めき、口に入れると脂の甘味と旨味が爆ぜるよう。口の中に残るグッとくるような甘味がとても美味しい。

葉山石井牛37ヶ月のイチボ♡♡
畜産農家・石井 裕一さんが飼育した葉山牛「石井牛」の飼育37ヶ月もののイチボ肉はグッと噛み締められる肉の食感があり、旨味がジュワッと溢れてきます。添えてあるのは長谷川大樹さんが採ったアカヤマドリダケ。肉とよく合うというこのキノコはとろりとして、そのとろけ方を楽しんでいると香りが爆発的に広がります。

冷やし中華
涼やかな器に入れられているのは、全粒粉の麺と胡麻のスープ、そして海老オイルを入れたちょっとエスニックテイストのひと品。胡瓜をいただくだけで身体が冷えるような涼やかさがあり、つるりとした全粒粉の麺が小気味よく喉を通ります。

目梶木の天麩羅♡♡
長谷川 大樹さんが釣り上げた230キロの目梶木を紅花襤褸菊で巻いて揚げたものを甘辛い煮山椒ソースで。
ジュワッとした旨味の目梶木が実に美味しく、甘辛くピリッとした山椒ソースが目梶木の旨味を押し上げています。甘辛という味わいは日本人のDNAを刺激する味わいだと思います。

夏野菜の炊き合わせ♡
夏かぶら・茄子・トマト・鶏胸肉。
隠し味にライムを搾っているという冷たい炊き合わせ。夏に相応しい爽やかな仕立てで、かけられているジュレが醤油の香りと旨味の両方を確りとしており、抜群に美味しい。

鯖の棒鮨♡♡
鯖は〆ているのにまだフレッシュ感が残っており、鯖の旨味がとろけるように口の中に広がります。

キハダマグロの漬け丼♡
キハダマグロはとても綺麗な味わいで、モッチリとした身に香り高さがあって素晴らしい。

鮎素麺♡♡
一夜干しされた鮎と超極細の素麺。まるで鮎が清流の中を泳いでいるかのようにとても美しく、そして美味しい。

太刀魚と新牛蒡の炊き込みご飯♡
器に近づけると新牛蒡の香りがふわりと香り、神経〆された太刀魚の旨味が映えます。

魚卵の塩漬けの冷茶漬け♡
仕上げに出汁氷をかけて。
魚卵のクセなどは微塵もなく、旨味のみを引き出しており、とても美しい味わい。〆の〆として爽やかであり、旨味も確りとしている素晴らしさがあります。

甘酒豆腐とルバーブ♡
モッチリとして、ほんのりと甘く香り立つ甘酒豆腐がとても印象的。

蓮根餅♡
「和久傳」を代表する夏菓子の『西湖』を彷彿とさせる蓮粉に和三盆糖と和三盆糖蜜で練り上げたもの。
瑞々しい美しさにモチっとした食感があり、上品な甘味があります。

お抹茶
最後は一人一人に北嶋さんが点てて下さるお抹茶。

鎌倉にある日本料理店「鎌倉 北じま」に早くも再訪。年内は絶望的と言われていたのですが、運良くキャンセルが出て、伺うことが叶いました。
店主・北嶋 靖憲さんは京都「和久傳」で長年研鑽を積まれ、2021年5月に地元鎌倉で「相模湾で獲れた魚介と地野菜で、鎌倉でしか出来ない旬味」という思いの中で、オープンさせたのがこの「鎌倉北じま」です。絶対的な信頼を寄せる魚仲買人・長谷川 大樹さんから届けられる海と山の幸を中心に近隣の土地から得る食材を見事に京料理として昇華させており、地元・神奈川県の食材の豊富さとその美味しさにいつも驚きます。食材へのアプローチも日本料理だけでなく、新たに加入した金子 巧さんやミシュラン**のフレンチ出身のシェフの力で多角的になって、より美味しさの幅が広がる可能性しか感じられません。

次の予約が取れないので、またいつ楽しめるか分かりませんが、是非とも鎌倉で感じる京料理の四季と神奈川の食材の素晴らしさを体験させて下さい。

今夜出逢ったお酒

古伊万里前 flow

みむろ杉 木桶菩提酛

播州一献 純米吟醸 ののさん

  • 2023.8. コンブチャ

  • 2023.8. 淡雪

  • 2023.8. 鬼灯

  • 2023.8. 九絵と冬瓜のお椀

  • 2023.8. 鮪

  • 2023.8. 黒むつ

  • 2023.8. 葉山石井牛37ヶ月のイチボ

  • 2023.8. 冷やし中華

  • 2023.8. 目梶木の天麩羅

  • 2023.8. 夏野菜の炊き合わせ

  • 2023.8. 鯖の棒鮨

  • 2023.8. キハダマグロの漬け丼

  • 2023.8. 鮎素麺

  • 2023.8. 太刀魚と新牛蒡の炊き込みご飯

  • 2023.8. 魚卵の塩漬けの冷茶漬け

  • 2023.8. 甘酒豆腐とルバーブ

  • 2023.8. 蓮根餅

  • 2023.8. お抹茶

  • 2023.8. 古伊万里前 flow

  • 2023.8. みむろ杉 木桶菩提酛

  • 2023.8. 播州一献 純米吟醸 ののさん

2024/01/14 更新

2回目

2023/06 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2023.6.

食材・料理人・客が紡ぐ愛/鎌倉 北じま

どことなく香る雨の匂いと小鳥の声を聞きながら、店頭の紫陽花彩る茅の輪をくぐり、やってきたのは去年の訪問から10ヶ月ぶりの再訪が叶った「鎌倉 北じま」。京都「和久傳」で研鑽を積まれた店主・北嶋 靖憲さんが2021年5月に故郷である鎌倉にオープンさせたお店です。京都で養われた感性と技術を相模湾で獲れた魚介や地元食材で表現した料理が特徴的で、ここ数年で一気に予約困難となっています。

慈雨~鎌倉で感じる京都~

水出しの玉露
玉露の甘味と香りがあり、爽やか。

梭子魚の味噌漬けのおこわ蒸し♡
「蘇民将来子孫也」と書かれた札を取ると、中には梭子魚とおこわ。ふわりとした梭子魚の旨味と味噌の柔らかな甘味があり、おこわ共に蒸した生姜の甘味が合わさり美味しい。

熟出汁♡
熟鮓の酢飯、茄子、ヤングコーン、相模川産鮎の風干し。
熟鮓の出汁バージョンともいうべき料理で、乳酸発酵の酸味と旨味が一滴一滴に凝縮されているかのようで、この蒸し暑い時期にぴったりの爽やかさ。

東風♡
夏の魚の代表格の東風。プリプリとした食感を楽しんでいると溢れ出す上品な甘味と香りが素晴らしい。

鰭長間八♡
北嶋さんが信頼してらっしゃる仲買人の長谷川 大樹さんの「コレは買っておけ!」という言葉を受けて、仕入れたという魚。知っている間八よりも脂は少ないながらも、雑味のない旨味が濃くて美味しい。

水無月豆腐のお椀♡
上品な吸い地に浮かぶのは、涼やかなじゅんさいと氷に見立てた水無月豆腐。小豆を少量にして、代わりに中にトウモロコシを入れて、より甘味を出しています。

お豆さん♡
約300年前の器に盛られるのは、ホワイトアスパラ・スナップエンドウ・モロッコインゲン・蚕豆・利休麩の白和え。中でもホワイトアスパラには仄かに酸味を含ませており、いいアクセントになっています。

新物のおかきあげ♡
新物は新玉ねぎ、新牛蒡、新小芋。新玉ねぎは山椒油の香りをつけて、新牛蒡は薫香を、新小芋は炊いてとそれぞれに仕事を施しており、サクサクとしたおかき揚げの中に見事な美味しさがあります。

泥障烏賊♡
枡網で獲った大型の泥障烏賊を卵黄ソースをかけて、更にアボカドと枝豆を乗せて。
泥障烏賊と卵黄ソースの異なる2種の甘味、泥障烏賊とアボカドの異なる2種のねっとり感の中で枝豆のプチッとする食感が映えます。

37ヶ月飼育の葉山牛「葉山石井牛」の焼物♡
左側はランプと右側はサーロイン。黒毛和牛とホルスタインの交雑種という「葉山石井牛」は肉そのものの味濃くて、それだけで美味しい。そして、ちょっと甘辛で山椒香るソースが「和」らしくて心に響きます。

〆ご飯①鯖の棒鮨♡
確りとした酢の酸味の中で、鯖の濃い旨味が広がります。棒鮨としても一体感があって、非常に熟れた印象。

〆ご飯②本鮪のづけ丼♡
本鮪は程よい酸味と脂があり、何よりも香りが素晴らしい。

〆ご飯③ミンク鯨のラーメン♡♡
コレだけでも店を出せるのでは?と思うほどに美味しい。淡麗系でありながらも、確りとした芯がある味わい。

〆ご飯④真竹と太刀魚の炊き込みご飯♡
ホクホクとした太刀魚の旨味とシャキシャキッとした真竹の食感が映え、決して濃い味わいではない炊き込みご飯が実に美味しい。

〆ご飯⑤魚卵のお茶漬け♡
目の前で仕上げに出汁を凍らせた出汁氷をかけて。
長谷川さんが手当された様々な魚の魚卵を使っているそうで、変な臭みやクセなどは微塵もなく、旨味のみ。

ミニトマトのコンポート
見た目も涼しげで、味わいも爽やか。旨味の塊であるトマトの魅力がギュッとグラスに詰められでいます。

梔子
甘味は庭に咲いていたという梔子の花と共に。

煌びやかな豪華な食材はないながらも、長谷川 大樹さんが手当てした魚を中心に地元食材が輝く料理という印象が強かったです。老舗有名鮨店やミシュラン**のフレンチシェフも加わったことで、日本料理ながらも鮨とフレンチのアクセントが所々にあり、料理に良い化学反応を生み出しているかのよう。鎌倉という土地で繋がる食材の豊かさ、人との繋がりの大切さ、料理の技術の高さを「鎌倉 北じま」で強く感じられます。欲を言えば、予約困難過ぎて四季の料理がなかなか味わえないのが悲しいところでしょうか。

北嶋さん、ご馳走さまでした。次回も楽しみにしております。

今夜出逢ったお酒

SOOKUU(蒼空) 夏純米 かすみ酒

勝駒 大吟醸

富久長 辛口 純米夏

  • 2023.6. 水出しの玉露

  • 2023.6. 梭子魚の味噌漬けのおこわ蒸し

  • 2023.6. 熟出汁

  • 2023.6. 東風

  • 2023.6. 鰭長間八

  • 2023.6. 水無月豆腐のお椀

  • 2023.6. お豆さん

  • 2023.6. 新物のおかきあげ

  • 2023.6. 泥障烏賊

  • 2023.6. 37ヶ月飼育の葉山牛「葉山石井牛」の焼物

  • 2023.6. 鯖の棒鮨

  • 2023.6. 本鮪のづけ丼

  • 2023.6. ミンク鯨のラーメン

  • 2023.6. 真竹と太刀魚の炊き込みご飯

  • 2023.6. 魚卵のお茶漬け

  • 2023.6. ミニトマトのコンポート

  • 2023.6. 梔子

  • 2023.6. 抹茶

  • 2023.6. SOOKUU(蒼空) 夏純米 かすみ酒

  • 2023.6. 勝駒 大吟醸

  • 2023.6. 富久長 辛口 純米夏

2023/07/26 更新

1回目

2022/08 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

食材・料理人・客が繋ぐ愛

2022.8.

鎌倉駅から歩くこと15分くらい。住宅地のど真ん中に竹と緑に囲まれた中にある古民家。

「鎌倉 北じま」

2021年5月に京都「和久傳各店」や「丹」で研鑽を積まれた北嶋 靖憲さんが故郷である鎌倉の地にオープンさせた今話題の日本料理店です。

今夜の献立

昆布茶
まさかの炭酸割り。

翡翠茄子とイバラガニモドキ
蓮の葉の上には土佐酢のジュレがあり、蓮の葉を持ち上げることで、綺麗に器の中にかかります。土佐酢も柔らかく優しく、トロリと甘い翡翠茄子と力強い蟹の旨味を邪魔しない味わい。

鼈の飯蒸し♡
鼈の旨味だけでなく、確りと米の味も楽しめるような感じ。

笛鯛のお造り♡
高知県産。長谷川さんのお弟子さんが捕ったという極上品。余分な水分はほぼなく、口の中の体温で溶ける脂と旨味が一気に爆ぜます。

茶色丸羽太のお椀♡
九絵の仲間という「茶色丸羽太」はブリブリとした食感で身の甘味が映え、上品な吸い地と青酢橘の酸味でより爽やかで、夏らしいお椀。

色々な瓜の白和え♡
胡瓜、白胡瓜、金糸瓜などを使った白和え。シャクシャクとした小気味良い食感の瓜たちが、豆腐の衣で絶妙に美味しい。中入れられた胡麻や松の実などで、口当たりは優しいながらもかなり濃厚な味わい。

白カジキマグロの炭火焼き♡♡
炭火が入れられた鎌倉彫がカウンターに出され、目の前で炭火焼きされます。添えてあるのはツルムラサキとヤマドリダケで、甘く炊いた実山椒ソースと共に。
柔らかく解けるような白カジキの旨味が強く、実に美味しい。炭火で炙った時に出る脂を実山椒の香りで抑えて、少し甘めのソースが全体のバランスを取っています。

夏野菜のかまくら盛り♡
かまくらに見立てた氷の中には、相模湾産の蛸の柔らか煮・鰹出汁を含ませた赤皮栗南瓜・茗荷・オクラの冷やし煮。
涼を与えてくれる見た目とそれぞれに確りと味が染み込んだ食材が実に美味しい。特に蛸が皮はトロリとしており、身は柔らかくしっとりして心掴みます。

葉山牛のヒレカツ♡
千切り牛蒡を揚げたものを乗せ、周りにある米と塩をプレスした淡雪塩を付けていただきます。
魚のみなのかと思っていたら、まかさの葉山牛。素晴らしく柔らかで、口の中でジュワッと旨味がたっぷり広がります。

〆ご飯は5種あって、好きなものを好きな量だけいただくことができるそうなので、全種を少しずついただきます。

〆①太刀魚の棒鮨♡
目の前で炭火を付けて皮目を炙って供されます。太刀魚は焼物でいただくことが多い中で、この棒鮨は新しい。太刀魚というとフワフワでとろける身のイメージですが、この太刀魚にはその身に確りとした旨味があって美味しい。

〆②キメジマグロ漬け丼♡
鮪の下にはアカモクが入っており、ぬるりとした食感でご飯を一気に掻っ込めます。さっぱりとしたキメジマグロですが、漬けにすることで旨味を凝縮しており、爽やかなれど確りと鮪を食べたと感じられます。

〆③ミンク鯨のラーメン♡♡
ミンク鯨の畝が盛られたラーメンは、驚愕な美味しさ!アタックは濃厚な味わいですが、後味は極限にさっぱり。このラーメンだけでもお店が出せそうな美味しさ。

〆④夏キノコの炊き込みご飯♡
夏キノコのヤマドリダケモドキ・アカヤマドリ・シャカシメジの3種を使った炊き込みご飯。秋のイメージがあるキノコですが、夏でもこれだけの旨味があるものと出逢えるとは。

〆⑤梅と荏胡麻の冷やし茶漬け
さらりと爽やかで、まるで飲み物のよう。でも骨格は確りとしていて、旨味の強さを感じます。

西瓜釜
身をくり抜いた西瓜の中に、西瓜・ブルーベリー・シャインマスカットを入れた西瓜釜。

本蕨餅 & お抹茶
 
北嶋さんの料理から感じるのは「繋ぐ」ということ。国内外の人気店に魚を卸している「さかな人」長谷川大樹さんが丁寧に処理した魚をはじめとする地元・神奈川の食材を料理人である北嶋さんが繋ぎ、それを客である私たちに繋いでくれる。食材・料理人・客の3つが歪みのない愛を描くかのようで、とても素晴らしい理念だと感じ、何よりも地元・神奈川の食材の美味しさに驚愕しました。

また北嶋さんを通して、地元の素晴らしさを感じさせて下さい。ご馳走さまでした。

  • 2022.8. 昆布茶

  • 2022.8. 翡翠茄子とイバラガニモドキ

  • 2022.8. 鼈の飯蒸し

  • 2022.8. 笛鯛のお造り

  • 2022.8. 茶色丸羽太のお椀

  • 2022.8. 色々な瓜の白和え

  • 2022.8. 白カジキマグロの炭火焼き

  • 2022.8. 夏野菜のかまくら盛り

  • 2022.8. 葉山牛のヒレカツ

  • 2022.8. 太刀魚の棒鮨

  • 2022.8. キメジマグロ漬け丼

  • 2022.8. ミンク鯨のラーメン

  • 2022.8. 夏キノコの炊き込みご飯

  • 2022.8. 梅と荏胡麻の冷やし茶漬け

  • 2022.8. 西瓜釜

  • 2022.8. 本蕨餅

  • 2022.8. お抹茶

2022/10/02 更新

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