2回
2018/11 訪問
食べたいモノをおナカとおサイフに合わせて。アラカルト割烹、いいねっ!
紅葉シーズン真っ只中の、しかも3連休中の京都。
どこもかしこも、ヒトヒトヒトの群れ〜。
おいしいお昼間呑みでおじゃましました。
もちのろんで、予約です〜。
京都詣の最終日。夜には、新幹線の予約あり。
予定は前倒しがよし、ってんで、開店時間に合わせて、お玄関扉をが〜らがら。
うふふ。いっちばんのり、です!
この時季の京都には北の海からの紅い贈りモノがやってくるんで、
できたら、そのお方をいただきたいなぁと思って、
予約のお電話の際に、お尋ね&リクエストしてました。
お昼間ですが、旅の空の下ですからね。
まずはまずはのハイボールで、午後からの紅葉詣前のエナジーチャージ。
板場に面した長〜いカウンターお席ですから、
大将をはじめ、板さんたちの手際のよいお仕事ぶりが楽しめます。
70歳代かなぁの御大将を筆頭に、脇板の2番手さん、煮方の3番手さん、
追い廻しの小僧がひとり、という正しい板場の構成です。
こういう正しい板場というのも昨今では貴重かも。
件の紅い贈りモノをお尋ねしましたら、活けは1杯単位の売りで、
この日は1キロ以上の大モノだそうでした。
浜茹でなら半分でもだいじょうぶです、とのことでしたが、
それも1キロ以上のを湯がいたモノだそうで、
おサイフはどうにか黙らしても、おナカがOKしないだろうなと断念。
リーズナブルなお値段のコースお料理も何種類かありますが、
アラカルトでお好きにやるのが、なんたって、こちらでの醍醐味です。
ハイボールをぐびりしつつ、お品書きとにらめっこ。
ううう〜、迷いに迷って、クエと寒ぶりのお刺身をチョイス。
こちらのお魚はすべて天然モノだそうです。
1階は、カウンターお席のみのですが、すべてセッティングされてました。
ってことは、ご予約でいっぱいってことですね。
お2階もあるようですし、板場が忙しくなる前に、もう一品・・・。
この時季ならでは。大好きな雲子ぽんもお願いしちゃいました。
っと、奥どなりに若輩カップルさんがお見えになりました。
やっぱし、紅葉目当ての観光お客さまかしらん。
おっ。お通しがきました。
鯛の塩辛で和えた烏賊+もろこ+紅白なます、の3点盛りです。
わわっ。これだけで、1合いけちゃうな。
すかさず、京の地酒の、あれっ、なんだっけか。
忘れてしまいました。すまぬすまぬ。
たしか、なにやらの純米酒。ちめたくて、すっきり、うまかった。
わらのお刺身盛りさん。
クエって、都内ではあんましお馴染みではないので、ちょっと憧れなお魚です。
白い身が美しい。くきくきな歯ごたえ。軽やかだけどじんわりな脂。
固太りな鮟鱇さん、といった風貌ですが、中身はこんなにやさしいんですね。
天然寒ぶりさんの桃色身の、な、な、なんと秘めやかなことったら!
こちらは、甘みたっぷし濃厚な脂。でも、くどさは、なし。
すいすいっと舌の上でとろけます。あ〜。うま!
っと、雲子さんもやってきました。
お出汁の旨味+橙の渋みが利いた、すっきりぽん酢。
ひやっひやにちめたくて、ふるっふるな雲子ちゃんにうっとり。
あ〜。お昼間っから、いいのかしらん。
もうちっと、なんか、食べたいにゃぁ。
お献立をふむふむしてると、大将が、海老芋の磯辺揚げが、うまいよ、と。
ふうむ。海老芋も、京ならではの、ですね。
煮含めて下拵えした海老芋に青海苔を混ぜた衣をまぶして揚げてます。
おおお!ねっとりした海老芋と青海苔の香り豊かなさくっと衣がい〜い感じ。
でも、6個もあって、おナカいっぱいになっちゃったんで、
おトナリさんのおナカをお借りしちゃいました。
気がつけば、カウンターお席、満杯です。
観光客さまだけではなく、ご近所さんもいらしてます。
作り手のカオが見えるって、安心安心。
こういうお店なら、何をいただいても満足できること請けあいます。
昨今は、フレンチ・イタリアンはもちろんのこと、
お寿司やさんも焼き鳥やさんも、お仕着せおまかせのコースオンリー、
ってお店が増えてきて、それが主流になりつつあるよう。
コース料理のよさも、それはそれで、あるとは思うんですがね。
自分の口に入れるモノを、人任せにしてたら、
人生を人任せにしてるのとおんなじ、と考えてしまうのは、
古いニンゲンだからでしょうか・・・。
大げさでしょうか・・・。
我が儘なわらには、お昼間呑み+食べたいモノをあれやこれやできる
とっても素晴らしいお店にめぐり遇えたなと、にんまり。
ごちそうさまでした!
2018/12/16 更新
はじめておじゃましたのは、昨年の紅葉のころでした。
ちょうど、3連休と相まって、どこもかしこも、ヒトヒトヒトで・・・。
お昼どきのやましたさんもご予約で満席でございました。
今回は、9月半ばの平日のお昼どき。
当日朝のお尋ねでカウンターお席の予約ができました。
お泊り処の地下鉄烏丸線の九条駅から乗車。
烏丸御池駅で東西線に乗り換えて、京都市役所前で下車して、て〜くてく。
この辺りは道幅が広くて、とっても開放感があります。
この日はからりとした秋の風が心地よい、爽やかなアフタヌーンでした。
鴨川の手前、高瀬川の水路沿いにお店はあります。
さやさやと流れる水は透き通ってて、陽射しの下できらきらと美しい。
予約は12時。オンタイムでお玄関扉をが〜らがら。
こんにちは〜。
見習いさんと思しきお若いお方に予約の旨を告げると、
カウンター奥のお席にご案内くださいました。こないだもこの辺りだったかな。
煮焼き揚げ場の煮方さんも、おんなじお方でした。
こないだの満席な賑わいぶりとは打って変わって、
先客さまは、熟年カップル一組さまのみのとっても静かな午餐どきです。
板場奥のガラス戸からのぞく坪庭の緑がさわやかでいい気分。
大将のお姿が見られないので、お尋ねしましたら、
御ネンを考えて予約の少ない日のお昼間はお休みしていただいているんだそう。
お顔が拝見できなくて、ちと残念ではありましたが、なるほど〜、です。
昨年だったか、古希を迎えられたそうですから。
ご無理なさらずいつまでも板場で睨みを利かせていてくださいまし。
さて。まずはまずはのハイボールで喉をうるうる。
ぐびりつつお品書きとにらめっこ。
やましたさんのお品書きは品数がすんごいんです。
お刺身だけでも何種類ものお魚がいるし、それと同じだけの焼き・揚げ・煮、も。
お野菜やお肉なんかも充実度タカシくんで、目移りすることしばし。
京都といったら、鱧+ぐじ、が、わらの定番です。
おおお! 鱧の焼き霜造りというのにピントが合っちゃいましたよ。
まずはまずはで、こちらをば。
しゃっしゃっしゃっしゃっしゃっ。脇板さんが鱧の骨切りをはじめました。
なんとも耳におナカに心地よいアペタイトなサウンドです。
っと、煮方さんが焙烙に炭火を活けて網をセットしました。
骨切りしてひと口大に切り分けた鱧をこの網の上で炙りつついただきます。
昨今では、炙りというとほとんどがガスバーナーでボーっ、ですが、
これは、なんともミヤビで風情がありますですよ。
旅の空の下、ゆるゆると楽しむお昼呑みにぴったんこです。
ハイボールをぐびりきって、京都の地酒をば。
なまえ、忘れちゃった。もちのろんで、冷たいの、です。
お皿に並んだ鱧の身は半透明な象牙色。きらっきらしてます。
これは韓国生まれの鱧さんだそうです。へぇ〜。日本人ではないんですね。
煮方さんのお話によれば、今は、韓国産の鱧は国産の5倍の値なんですってよ。
鱧というと純和風なイメージですが、そうなんですね〜。
そして、今んとこ、最高級なんですって! いんやぁ。びっくりです!
炙り鱧のお伴は、せん切りのみょうがと二杯酢です。
みょうがはお好みで、二杯酢はたっぷりつけるのがおすすめです、って。
ふうん。わら、タレだとかをどぶどぶしちゃうのは、ちと苦手なのけどなぁ・・・。
皮目からささっと炙って取り皿にサーブしてくださいます。
あっつあつのひと切れを、まずはおすすめどおりに、二杯酢をたっぷし。
骨切りしたスキマに絡むようにして・・・。
おおお! 甘さのないスッキリな二杯酢で、たっぷしが大正解!
淡白だけど上品な脂を感じる身を炙った香ばしさにこれ以上ない組み合わせ。
鱧だけでも、みょうがと合わせても、うんま〜いいい!
お酒がすすんですすんで、コマルくん〜。
おっ! お品書きに「松茸」を発見! 時価、となってます。ぶるぶる。
京都でまったけ。勇気をだして、お値段をうかがってみました。
う〜む。おサイフのご機嫌は悪くなりそうだけど、病になるほどではなさそう。
あの〜。まったけを、半分、焼きで、半分、フライでもいいですか?
「もちろん!」
「では、お願いします」
うっひょ〜。頼んじまっただ〜。
で、で、でっかぁ〜い。
切ってるそばから、まったけ特有のセクシーない〜い香りが漂います。
先の鱧を炙った網で、焼き焼きします。熱が加わって香りが倍増!
すだちをちょいと搾って、粗塩をちょいと。
しゃくしゃくとした歯ざわりもまったけ特有です。
そして、フライ。和食屋さんのフライですから、パン粉は極細です。
まったけの持ち味をじゃましないで揚げ油から旨味を守って閉じこめてる感じ。
衣のさくっ+まったけのじゅんわぁの黄金フライです。
頼んでよかった〜。
この日のランチタイムのゲストは、先のカップルさんとわらの3人だけ。
板場のみなさんは、ディナータイムに向けての仕込みに余念なく。
そんな中、脇板さんと煮方さんがつかず離れずでお話相手になってくださって、
とっても幸せなお昼呑みを満喫することができました。
あんまりにもおいしくて、焼きまったけだとか、
写真、撮り忘れたのが、唯一の心残り。
でも。また、行っちゃうんだもんね。
ごちそうさまでした!