3回
2024/12 訪問
五感まで魅了される「眞善美」の美食哲学
名古屋市東区東桜にある「眞善美」に今年も訪れることができました。
「眞善美」は高岳駅から徒歩約5分という便利な立地にありながら、外観は控えめで、まるで隠れ家のような雰囲気です。店内に足を踏み入れると、洗練されたカウンター席だけの空間が広がり、調度品や照明に至るまで細部にこだわりが感じられます。シェフとの距離感が絶妙で、特別な時間を演出し、訪れる者に忘れがたいひとときを与えてくれます。
川合善行シェフは四川料理を中心に幅広い中華料理の技術を持つ料理人で、全国的に有名な店で修業を積みました。四川料理だけでなく、北京宮廷料理や広東料理などの知識も豊富で、これまでの経験を活かして洗練された中国料理を提供しています。
「予約が取れない名店」として名高いこの中華料理店は、2020年の開業以来、四川料理をベースに中国料理全般にわたる深い知識と独創的なアイデアを融合させた料理で、食通たちを魅了し続けています。
今回も、いつもお世話になっている【大きな大先輩】の貸切会に参加させていただきました。なかなか予約が取れないお店に毎回お誘いいただけるので、感謝の気持ちでいっぱいです。
「眞善美」の料理は、シェフの卓越した技術とセンスが光る一皿ごとに、驚きと感動を与えてくれるのです。
【本日の御料理】
●お口取り ピーカンナッツ
香ばしくローストされたピーカンナッツが、ナッツ本来の自然な甘みと塩味のバランスが絶妙。既にビールが止まりません。
●親鶏出汁の頂湯(りんたん)スープ
親鶏の出汁をベースに、豚スネ肉、金華ハム、干し貝柱が織りなす深みのある味わい。透明感のある黄金色のスープが体を温め、滋養を感じさせます。中国では頂湯は上湯の上を極めた高貴な方々が戴く宮廷料理のスープとの事。、
●伊勢海老とクラゲの冷菜
プリプリの伊勢海老と歯ごたえのあるクラゲがピリ辛のソースと調和。ピーナッツ油の香ばしさと酢橘の酸味がアクセントとなり、後味が爽やかです。
●祖父江町の銀杏の春巻き
春巻きの中には祖父江町産の銀杏がたっぷり。四川青山椒の香りがさらに引き立て、パリッとした食感が心地よい一皿。今回は別の春巻きも数本ご用意されていたので,ラッキーにも通常の豚肉の春巻きもいただきました。
●北京ダック
香ばしく焼き上げられたダックの皮だけをいただく、高級感あふれる食べ方。カリカリに飴色に仕上げられたダックの皮は、甜麺醤の甘みと包み皮の柔らかな甘さと絶妙に絡み合い、贅沢で深みのある味わいが口いっぱいに広がります。
●加藤畜産のプレミアム加藤ポーク焼豚
しっとりとした焼豚が、脂の甘みと豚肉の旨味を存分に堪能させてくれます。粒マスタードが爽やかなアクセントとなり、噛み締めるたびに旨みが広がり、味わい深い一品となっています。
●上海蟹の茶碗蒸し
名古屋コーチンの卵を使用した濃厚な茶碗蒸しに上海蟹の旨味がしみ込んで、贅沢な風味が広がります。
●上海蟹の紹興酒漬け
紹興酒の豊かな香りが蟹の甘さを引き立て、溶けるような食感が絶品です。旬の美味しさを存分に楽しめる一皿で、今年も上海蟹の酔っ払い蟹をいただける幸せを感じました。
●上海蟹の餃子
上海蟹を堪能した後、蟹の味噌と内子を餃子にのせていただきます。肉汁溢れる餃子に、濃厚な上海蟹の風味が包み込まれ、贅沢な味わいが広がります。味噌の深みが全体をまとめ、心地よい満足感が口いっぱいに広がります。
●清炒烏賊
長崎産の剣先烏賊と黄韮の塩炒めは、シンプルながらも素材の旨味が最大限に引き出されています。ネットリとした烏賊とシャキシャキした黄韮の食感の変化が楽しめ、食感の調和が心地よい一品です。XO醤炒めと組み合わせることで、香り高く仕上がり、深みのある味わいが広がります。
●気仙沼のモウカ鮫のフカヒレ
金華豚ともやしとの組み合わせが魅力的で、シンプルなもやしが驚くほど高級な料理へと昇華します。もやしのシャキシャキ感とフカヒレの繊細な食感が絶妙に調和し、フカヒレの旨味がもやしにしみ込むことで、深みと豪華さが融合した一品に仕上がります。さらに、赤酢を加えることで味わいに奥行きが増し、格別の美味しさを楽しむことができます。
●仔豚の丸焼き
外はカリカリ、中はジューシーに焼き上げられた仔豚。蒸しパンや甜麺醤、レモン、クレソンサラダとともに、風味豊かな多彩な味わいが絶妙に調和。
●富田林の海老芋、上海蟹の餡をかけて
ホクホクの海老芋に上海蟹の餡がたっぷり。里芋の甘みと餡の旨味が融合した、まさに絶品の一皿。
●麻婆豆腐
麻婆豆腐は、辛さと痺れの絶妙なバランスが特徴の一皿。土鍋で炊き上げられた白ご飯との相性は抜群で、この麻婆豆腐を食べずには帰れないほどの逸品です。
●酸辣湯麺
秋田の三関せりが添えられた酸辣湯麺。ピリ辛と爽やかな酸味が絶妙に絡み、コースの締めにふさわしい味わい。
●杏仁豆腐
デザートの杏仁豆腐は、滑らかな食感と優しい甘さが特徴。口の中に心地よい余韻を残します。
●祁門紅茶
食事の最後を飾る祁門紅茶は、その豊かな香りとほのかな甘みが全体を優雅に締めくくります。
川合シェフの卓越した技術とセンスが光る「眞善美」のコース料理は、一皿ごとに新たな驚きと感動を与えてくれ、訪れるたびにその魅力を再確認させてくれます。名古屋の中華料理シーンを牽引する「眞善美」の洗練された技と深い知識に、今回もまた魅了されました。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌よう♪」
2025/01/12 更新
2022/08 訪問
「眞善美」の魅力は奥深く初体験では測り得ぬ素晴らしさ
名古屋市東区東桜「眞善美」
東海地方の中国料理店で最も人気と実力を兼ね備えたお店として瞬く間に超予約困難店となり訪問する事も難しいと諦めていたレストラン。
【本日のコース】
●くらげと毛蟹・雲丹の冷菜
くらげ(大連産)の甘酢漬け、毛蟹(北海道噴火湾産)、赤利尻雲丹の生姜ソース。夏にピッタリのさっぱりとした前菜。
●とうもろこしの春巻き
とうもろこしを春巻きにしてキャビアを添えた「眞善美」定番料理。とうもろこしの甘み、春巻きの芳ばしさ、キャビアの塩っぱさを愉しむ逸品。
●和牛サーロインと賀茂茄子
黒毛和牛(宮崎産)サーロインを湯引きして、蒸した賀茂茄子と組み合わせた一品。醤油、八角、シナモン、砂糖を煮詰め苦味を引き出したソースに辣油の辛みが四川料理の基本を昇華させた上品ながら力強い味わい。
●上湯スープ
真夏ではハシリとなる松茸の上湯スープ。上品な極上スープに松茸の薫りが充満しながら、シャキシャキとした松茸の食感が非常に美味しい。
●北京ダック(2匹)
「眞善美」の北京ダックは世界一と隣の大先輩が絶賛するほどの洗練された北京ダック。丁寧に余分な脂分を削ぎ落としたパリパリの皮を戴く絶品の北京ダックは名実共に素晴らしい味わい。
●名古屋コーチンの辣子鶏
カリカリに揚げられた名古屋コーチンに唐辛子の薫りを纏わせた辣子鶏。唐辛子は通常は食べないが激辛好きの私は完食。唐辛子の力強い薫りに負けない名古屋コーチンの濃厚な味が非常にインパクトある一品。
●フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
小鍋に分けられて目の前で温めながら仕上げるフカヒレの姿煮。煮込まれるスープの濃厚さとフカヒレのシャクシャク食感が堪らなく美味しい。捻じり寄られたパン「花巻」で姿煮のソースを拭い戴く。この花巻の薫りとパリッと焼き上げられた食感が姿煮と絶妙な組み合わせでよく合う。
●鱧しゃぶ
チキンスープで鱧をさっと湯掻いて薬味と爽やかな調味料で仕上げられた夏らしさを感じる一品。中華包丁で鱧の骨切りをするところから目の前で仕上げられるエンターテイメント性ある料理。旬の鱧を「眞善美」らしい味付けで戴く夏のご馳走様。
●黄韮の焼きそば
黄韮のシャキシャキ感とふかふかの特製麺が干し海老の風味で味付けされてとても美味しい。この麺の食感が堪らなく美味しい。
●麻婆豆腐と土鍋で炊いた白米
四川料理の代表的な料理と言えば麻婆豆腐。四川料理の「眞善美」の麻婆豆腐は刺激の強さと濃厚さが際立った素晴らしい麻婆豆腐。お代わりしたくなる極ウマ仕上げ。
●塩そば
鶏の胸肉ともも肉をじっくり煮込んで抽出する澄んだ極上のスープ。焼きそばに使われた麺と同じ食感のふかふかの麺が組み合わさるシンプルな〆の麺。余計なものを全て削ぎ落とされた洗練された味でスープの美味しさはカラダ中に染み渡り嬉しさを感じる美味しさ。
●デザート(季節のフルーツ)
ピオーネ、シャインマスカット、マンゴー、佐藤錦をマンゴーソースにタピオカを加えたソースと共に戴く。甘酸っぱさが中華料理の口直しとしてさっぱりと全てをリセットしてくれる。マンゴーソースが素晴らしく美味しかった。
全ての料理が洗練されて極上料理の数々。
超予約困難店の理由を今回の訪問で身を持って感じる事が出来たことは非常にありがたい経験。
今回はご縁巡って貸切会へお誘い戴き憧れていた念願の「眞善美」の世界を堪能して来ました。いつもお誘い戴く大きな大先輩に改めて感謝いたします。又、ご一緒させて戴きましたメンバーの方々にも楽しいひと時が過ごせお世話になりました。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」
フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
上湯スープ
麻婆豆腐と土鍋で炊いた白米
北京ダック
上湯スープ
上湯スープ
北京ダック
北京ダック
北京ダック
フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
花巻
花巻き
フカヒレの姿煮 ※花巻き付き
麻婆豆腐と土鍋で炊いた白米
麻婆豆腐と土鍋で炊いた白米
麻婆豆腐と土鍋で炊いた白米
2022/10/02 更新
名古屋・高岳の静かな一角に、そっと佇む階段を上がったその先には、わずか12席の特別なカウンターが広がります。
今年も、尊敬する大先輩にお誘いいただき、超予約困難な名店《眞善美》へ。
美味しいだけで終わらない、料理に込められた“哲学”と“本質”にまた触れることができました。幹事様に、心から感謝を込めて「いつもありがとうございます」
【眞・善・美】これは儒教における三つの理想。
「眞」:素材の声に耳を澄まし、余計な飾りを削ぎ落とした純粋な味わい
「善」:お客様を思いやる心と、料理人としての高い美意識
「美」:器・光・音・香り、五感すべてが調和する空間と料理
シェフ・河合善行氏は、「桃花源」や「四川飯店」で研鑽を積み、伝統に革新を重ねながら、現代中華の頂を描き出した存在感溢れる料理人です。
【本日の御料理」
●一品目:前菜二種
・剣先いか、みょうが、きのこ
透明感のある剣先いかに、みょうがの爽快な香りときのこの旨味が重なり、静かに味覚を目覚めさせる一皿。
・ボタンエビ、クラゲ
とろけるような甘みのボタンエビと、コリコリとしたクラゲの食感が心地よいリズムを生み出す。
●二品目:鱧、雲丹、ネギ、山椒、生姜
繊細な鱧に雲丹の濃厚さが寄り添い、山椒と生姜が味に躍動感を与える。夏の旬を映した、静と動のハーモニー。
●三品目:春巻き(熊本県産・新銀杏)
真夏に収穫される希少な銀杏を、わずかな塩で味付けし、春巻きに。えぐみがなく、木の実の清涼感と栗のような甘みがやさしく広がる。
●四品目:金華ハムと薬膳の蒸しスープ
8時間蒸し上げた琥珀色のスープ。棗、蓮の実、干し貝柱に金華ハムは滋味深く、体の芯からほっと温まる一杯。
●五品目:鮑、肝、香味ソース
肝のコクと香味野菜の香りが、ふくよかな鮑に重なり、奥行きある味わいを創出。
●六品目:和牛ステーキ 中華ソースとナッツ
しっとりレアに焼き上げた和牛。香ばしいナッツと濃厚な中華ソースが調和し、甘さと香りが余韻を引く。
●七品目:フカヒレの白湯煮込み
モウカザメのフカヒレが、澄んだスープの中で静かに揺れる。シャキシャキとした食感と、優しい白湯の深みが寄り添い、心までほどける味わい。
●八品目:レタス炒飯
軽やかな薄味の炒飯に、フカヒレスープをかければ餡掛け風に。レタスのシャキ感とスープのコクが混ざり合い、旨味の波が広がっていく。
●九品目:北京ダック
極薄の皮がパリッと弾ける、看板料理のひと皿。
脂を感じさせない軽やかさと、計算されたバランスに技が光る。
●十品目:オマール海老 二種仕立て
中華香る香ばしい炒めと、クリーミーな海老マヨ。
それぞれの調理法が、オマールの弾ける旨味を多面的に引き出す。
●十一品目:麻婆豆腐と小ライス
舌にじんわりと広がる山椒の痺れ。香りと辛味の余韻が重なり、小ライスと共に頬張れば〆にふさわしい至福。
●十二品目:甘味
杏仁豆腐ではなく、夏らしく蒟蒻ベースのゼリーに季節の果物を添えて。軽やかな甘みと果実の香りが、中華の余韻を静かに閉じてくれる。
骨董品のように美しい器、照明の陰影、静けさすら計算された空間。スタッフの所作は舞のように静かで、凛とした緊張感の中に、あたたかな気配がにじむ。
ただ「美味しい」だけではない。
この空間では、味覚も、五感も、そして感性までもが丁寧に磨かれていく。またこの席に座れる日を心から願って。※他力本願でお願いします。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌よう♪」