6回
2024/09 訪問
秋の灯、一期一会のやさしさに包まれて
場所は非公開。完全紹介制の「懐食庵 なかたけ」。
喧騒を離れた街の一角に、目印も看板もない。
暗証番号を知る人だけが開けることを許される扉。
敷居が高い訳でなく大切な時間を守るための設。
料理が語り、器が微笑み、空間がやさしく心をほどいてくれる。
朝一番、店主は市場に赴きます。
季節の気配をすくい上げるように、今日いちばんの食材に目を光らせる。そうして生まれる料理には、季節がまるごと込められていて、目にも舌にも、そして心にも、美しくやさしい余韻を残してゆくのです。
【本日の御料理】
■先付:紅ズワイ蟹の長芋そうめん 美味出汁仕立て
とろりとした長芋の口あたりに、紅ズワイの旨みがすっと溶け込み、菊花の彩りが秋の訪れを告げます。
■凌ぎ:甚五右衛門芋の唐揚げ キャビア添え
山形の在来芋に、カリッとした香ばしさ。キャビアと穂紫蘇の香りがほんの少しの贅沢を添えて。
■椀物:クエ潮仕立て椀 鮑茸添え
上品な脂を湛えたクエを、潮の香漂う椀に。鮑茸のやさしい歯ざわりとともに、深く静かな一碗。
■お造り:長崎すじ藁焼き・山口天然カンパチ・目鯛薄造り
香ばしい藁焼きに、しっとりと脂の乗った天然カンパチ。目鯛にはあん肝ポン酢と芽ねぎの涼やかな香りが絶妙な調和を見せます。
■焼物:松茸すき焼き 鹿児島和牛と九条葱
濃密な松茸の香りと、和牛のとろける旨み。九条葱が季節の輪郭を引き立てます。
■強肴:長良川天然鰻の白焼き 紫ずきんと唐墨添え
鰻のふっくらとした食感に、唐墨のコクが寄り添う。紫ずきんのほのかな甘みとともに、粋な一皿。
■食事:クエ釜飯 芽ねぎと共に
旨みを炊き込んだ釜飯は、香の物(胡瓜と茗荷の塩昆布和え)とともにやさしく締めくくり。
■水菓子:シャインマスカットの炭酸漬け・ナガノパープル・桃アイス
果実の甘みと爽やかさが口いっぱいに広がり、物語の終章を穏やかに奏でます。
「懐食庵 なかたけ」では、料理は単なる食ではなく、“季節そのもの”として提供されるイメージ。
どこか親しみと人情味がある店主の感性は、まさに天性のもの。料理の技だけでなく、香り、余白、温度までもを計算に入れた献立構成は、日本料理という枠を超えながらも、その根底にある“和の心”を決して失いません。
最後に心に残るのは料理だけでなく、あの笑顔と、また来たくなる空気。扉の奥に広がる、知る人ぞ知るこの世界は、まさに “心がほどける居場所” 。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌よう♪」
2025/05/27 更新
2024/04 訪問
心を満たす懐かしさと心地よさ「懐食庵」
名古屋市内にある日本料理店「懐食庵なかたけ」は、完全紹介制で住所非公開の隠れたお店。
「懐食(かいしょく)」の意味を調べると、『心に抱く食事』を指します。
この言葉は、食事を単なる栄養補給としてではなく、心を満たす大切な行為と捉える日本文化を反映しているのだと思われます。
「懐かしさや心地よさを感じさせる食事」を提供することが、この店の理念に込められているのかもしれません。
「懐食庵なかたけ」では、大将の独創的でオリジナリティあふれるセンスと伝統的な日本料理の技術が融合した、心地よく美味しい料理を毎回楽しむことができます。
【本日の御料理】
●長崎うちわ海老昆布〆、ハスイモ、越前黒もずく、大根花
●愛知無花果胡麻餡、がんそく、海ぶどう
●お刺身
・平政(下関産)・赤貝(三河産)・根室雲丹
※葉山葵、御殿場山葵
・千葉油目薄造り、梅肉醤油、山葵、茗荷、芽ねぎ、マイクロ赤紫蘇、レッドソレル
●牛花山椒鍋、
大分ニード牛、シンタマ、うるい、がんそく、花山椒
●太刀魚一夜干し焼き、天恵菇、グリーンアスパラ、酢橘、酢取り茗荷
●蛤天ぷら、こしあぶら天ぷら
●ご飯
・桜海老と白子筍釜飯、花山椒
●お漬物
・新生姜甘酢漬け、茗荷甘酢漬け、水茄子
●屋久島生搾りたんかんジュース
●甘味
・ブルーベリーアイス、さくらんぼ
長崎うちわ海老昆布〆は、うちわ海老の旨みがギュッと詰まった一品でした。海老の食感と昆布の風味が絶妙で、口の中でふんわりと広がります。ハスイモと越前黒もずくの組み合わせはさっぱりとした口当たり。
愛知無花果胡麻餡は、甘みと風味がバランスよく調和していて、さっぱりとした味わい。がんそくと海ぶどうの食感も楽しいアクセントでした。
お刺身はどれも鮮度が高く、特に平政と赤貝は身がプリプリで、新鮮な海の味を存分に堪能しました。根室雲丹の濃厚な味わいも素晴らしかったです。
千葉油目薄造りは、梅肉醤油と山葵の組み合わせが絶妙で、さっぱりとした中にも深い旨みがありました。茗荷や芽ねぎ、マイクロ赤紫蘇の香りが爽やかさを増してくれ食欲をそそります。
牛花山椒鍋は、大分ニード牛の柔らかさと花山椒の香りがたまりませんでした。シンタマやうるいの食感も楽しい一品。御汁が美味しくて飲み干してしまう出汁の味わい。
太刀魚一夜干し焼きは、香ばしくて身がふっくらとしていて、天恵菇とグリーンアスパラの相性も抜群でした。酢橘と酢取り茗荷がさわやかなアクセントとなっていました。
蛤天ぷらとこしあぶら天ぷらは、サクサクの衣とぷりっとした蛤の身が美味しかったです。
桜海老と白子筍釜飯は、花山椒の風味が広がる中に桜海老と白子の旨みがじんわりと広がります。
甘味のブルーベリーアイスとさくらんぼは、さっぱりとした中にも濃厚な味わい。
最後に、屋久島生搾りたんかんジュースは、爽やかな甘さと酸味が口の中で広がり、
食事を締めくくるのにぴったりでした。
2024/06/19 更新
2023/12 訪問
越前がにで贅沢三昧!「懐食庵なかたけ」納め
名古屋市内で完全紹介制で住所非公開で営む日本料理店「懐食庵なかたけ」
2023年に訪問したレストラン・料理店の中でも印象深いお店のひとつが「懐食庵なかたけ」訪問する度に満足度が高まり、次への期待感が上がっていくお店。
今回は忘年会として予約して2023年「なかたけ納め」をしてきました。今回はこのシーズンならではの豪華・越前がに三昧のフルコースに脳が震える旨さの悦びを堪能してきました。
【本日の御料理】
☆本日の食前酒:出雲富士 手作り純米吟醸
●前菜:カーボロネロ:黒キャベツ(埼玉県産)の白和え
カーボロネロ、菜の花、百合根、キャビアをたらの白子をつなぎとして和えた濃厚な白和え。黒キャベツのシャキシャキ食感、菜の花の苦味と青臭さ、塗り百合根のホッコリした食感に、たらのクリーミさとキャビアの塩味が組み合わさって複雑な奥深い味。
●せいこ蟹
越前かにのタグが付いたせいこ蟹を全て甲羅に詰め、綺麗に並べられた脚の下には、内子と外子、解した蟹身の全てが詰め込まれた贅沢な1杯。食べ終えた甲羅に熱燗を注いで余すとこなくせいこ蟹を堪能。
●ボタン鍋
猪肉、山牛蒡、せせり(仙台産)、下仁田葱。
味噌味ベースの出汁に仄かに醤油を隠し味で入れた上品な味。猪から滲み出る脂も臭みがなく、山牛蒡で味に濃くが加わり、せせりと下仁田葱が爽やかなアクセントとして猪肉と良く合う。
●お造り
・越前がにお刺身
・本鮪中トロ(噴火湾)
・うに
大将自家製の調味料(麹味噌&塩昆布胡椒)で戴く「懐食庵なかたけ」流のお造りの楽しみ方。麹味噌は醤油の源流で、白身系の刺身にはバッチリの組み合わせ。
蟹の刺身に付けると蟹の甘みが倍増する感じに思える。中トロにうにを載せて贅沢に味わうと濃厚なトロの脂とうにのクリーミーさが口中でトルネード。
●越前がに、蟹味噌だし
蟹のガラで出汁を摂り、極上の蟹だしに蟹味噌を加えた濃厚なスープで越前がにをさっとフォンデュした逸品。予め蟹味噌だしで越前がにをしゃぶしゃぶしたものを焼き石スープに漬け込んでいるので蟹味噌の濃厚な出汁がしっかり身に染み入っている。蟹味噌だしが素晴らしく美味しい。
●あんこう唐揚げ
外カリカリに揚げられたあんこうの唐揚げは、オリジナルスパイスを配合した唐揚げ衣に包まれながら中はホクホクに身が柔らかく蒸し揚げ状になった唐揚げ。ふぐ唐揚げに近いが、身の旨みはあんこうの方が濃厚。
●牡蠣、なまこ
低温調理の牡蠣となまこをきゅうり、オリジナルソースで戴くカクテル風。オリジナルソースが牡蠣となまこに非常に良く合う。きゅうりの食感と青臭さもベストな組み合わせ。
●御飯:かにの炊き込みご飯、お味噌汁、香の物
蟹のエキスで炊き上げられた炊き込みご飯に、解した越前かにの身を炊き上がり後に加えて蒸らした絶品ご飯。
1杯目:そのままで蟹の風味を存分に味わう
2杯目:蟹味噌だしの餡を掛けた蟹味噌ご飯
蟹味噌だしが熱々で、蟹の旨みがパンパンに染み入ったお米に蟹味噌がコーティングする絶品ご飯。これはヤバイ!
●水もの:いちご、金柑
今回の蟹三昧は凄すぎた。
使用した越前がにの量が想像を遥かに超え、今まで食べた蟹のコースでは群を抜く贅沢さ。まだまだひょっ子の私には大人の階段を、まだまだ下段しか登っていない証し。
今回偶然隣に座った後常連とも次回の予約でご一緒するご縁もできて「懐食庵なかたけ」の楽しみが更に膨らんでいく。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」
2024/02/13 更新
2023/10 訪問
完全紹介制「懐食庵なかたけ」で愉しむ秋食材を愉しむ秘密の饗宴
完全紹介制で住所&連絡先非公開の日本料理店「懐食庵なかたけ」
前回、ご常連様からお誘い戴き、変態料理人:中武大将の創る料理がとても美味しかったので秋の食材が一番おいしく味わえる10月に予約を入れて楽しみしていた。
「懐食庵なかたけ」は毎回インターフォンの暗証番号が変わるので当日の夕方に連絡が来る。
番号を忘れないようにメモってお店に到着すると先着のお客様が番号をわからなくなったのか替わりに入力して店内へ。
カウンター8席の奥行き広い店内は今日も手入れが行届いてピカピカと光り輝いていた。
【本日の御料理】
☆本日の食前酒:浪の音 純米大吟醸
●前菜:広島牡蠣と平茸 (菊花土佐ジュレ掛け)
広島産牡蠣を低温で火入れ。菊の花、平茸を盛り合わせて土佐酢ジュレを掛けた逸品。重陽の節句を意識して菊花が飾られているのが心憎い演出。
●煮物:白子旨煮
白子を半生状態に旨煮に仕上げた逸品。濃厚な煮汁と白子のクリーミーな風味とのベストなバランス。
●椀もの:岩手松茸椀とクエ
岩手県産の立派な天然松茸とクエをサッと火を通して仕上げた椀物。クエは身がふっくらと炊き上がり、淡白なのに旨味が凝縮された美味しさ。
●お造り
・〆鯖
ピカピカに光る〆鯖は酢〆具合が絶妙で鯖特有の風味が口いっぱいに広がる幸せ。
・ほうぼうの昆布締めとセブルーガキャビア
脂がしっかりのったほうぼうをキャビアの塩気で戴く豪華な食べ方。
大将自家製の調味料(麹味噌&塩昆布胡椒)で戴くと、また味の拡がりが違う。
麹味噌は醤油の源流とも言われる調味料で液体を白身に付けると
溜まり醤油のような濃い味わいでとても白身には合う。
●強肴:里芋饅頭、いくら、木の子、銀杏、法蓮草、銀餡
里芋饅頭には木の子と銀杏が忍ばせられていて、芋の味わいと具材の食感が組合さり食べススムと味が変化いて面白い。いくらは塩で漬け込んだ塩いくらで少しあっさりとした味に感じるが銀餡と合わさるといくらの濃厚さが際立つ。
●焼き物:牛ハツ幽庵焼き、信州椎茸、大黒しめじ、安納芋唐揚げ、銀杏
牛のハツに醤油などをタレを漬け込んでミディアムレアに焼き上げたお肉で口に入れると柚子の薫りがふわっと広がる。付け合わせは安納芋を40分ぐらい低温で唐揚げにして甘さを際立たせ、信州椎茸、大黒しめじ、銀杏が秋の収穫の恵みを感じさせてくれる。
●肴:自家製の熟成からすみ
御飯が炊き上がるまでお酒のお供に自家製のからすみ。塩加減と濃厚な味わいが非常にお酒がススム。
●御飯:岩手松茸ご飯
岩手県産の松茸をふんだんにスライスして炊きあった御飯を蒸らすタイミングで火入れをする炊き込みご飯。お替わり必須の極上の味わいで、一膳目はシャキシャキした松茸の食感と薫りが愉しめる。二膳目以降は松茸に熱が入り、少しシナっとした食感に替わる。旨味がだんだん凝縮されていく感じで何杯でもお替わりしたくなる絶品御飯。
●水もの:麗玉、長野パープル
麗玉は少し大きいサイズの甘さがたっぷり詰まったスモモ。信州で育てられた麗玉は、手のひらからはみ出るくらい大きく、桃のようなサイズ。特徴的なフルーティーな甘さが素晴らしい。
今回は秋の豊穣に感謝したくなる豪華絢爛な食材たちばかり。
高級な食材を中武さんの創意工夫により非常に美味しい仕上がりに昇華させる料理の数々。
とても満足度の高い秋の宴であった。
次回は年末の忘年会の意味を込めて予約。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」
2023/11/20 更新
2023/07 訪問
独自の世界観が広がる秘密の空間で奥深い美食探訪
完全紹介制で住所&連絡先非公開の日本料理店「懐食庵なかたけ」に訪問。
ご常連様から待ち合わせ場所を指定されて集合。少し歩いてお店の前へ、て外観醸し出される雰囲気で料理屋なのだろうと推測されるがどんなお店かは看板もなく解らない。
インターフォンに暗証番号を入力。
解錠されて店内に誘われる感じが秘密の場所にこれた緊張感と期待でソワソワ&ワクワクしてくる。
カウンター8席の奥行き広い店内は手入れが行届いて厳かな雰囲気を感じた。
女将から本日の説明がありドリンクを注文してコースが開始。さあ「懐食庵なかたけ」世界を味わって行こう!
【本日の注文】
●薯蕷饅頭温玉射込み(振り柚子)
長芋に温泉卵を仕込んで饅頭にして美味出汁に浸した一品。
長芋の団子にはオシェトラキャビアを添え、ハスイモの茎は食間にシャキシャキした歯触りと美味出汁を吸って旨味を愉しむ箸休め的存在。仕上げに振られた柚子の薫りが一面を爽やかに包み込む。
●塩煎り新銀杏
祖父江産の新銀杏。炒り方が素晴らしくシャクシャクとした噛み心地で今までに食べたことのない塩煎り銀杏に感動。昆布だしで煮込んでから炒ると不思議なこの食感に仕上がるそうだ。これは凄い!
●金ムロアジ(鹿児島産)、白海老昆布〆
薬味に「芽ねぎ 穂紫蘇、マイクロ赤紫蘇、マカ」添え。
金ムロアジはコリコリとした食感が鮮度の良さを物語る。薬味と共に戴くと鼻から抜ける青魚の薫りが堪らなく良い。
「麹味噌」&「塩昆布胡椒」をつけて素材の良さを天然素材のシンプルな調味で戴く。
●冷製野菜焚き合わせ(振り柚子)
旬の食材「鮑柔らか煮、黒皮南京、ミニオクラ、ヤングコーン、つる紫花」が美味出汁で炊き上げられて粗熱取って冷やされた夏全開の逸品。鮑の柔らかさは驚く程!一度煮た鮑を6時間蒸し上げて仕上げる手間暇のかかり方。野菜の焚き合わせも食感がしっかりと残っていながら出汁はじっくり吸い込んでとても美味しい。
● 自家製唐墨大根
炙ったカラスミ、半生カラスミを大根と共に戴く。
香ばしさと大根の水分が混ざり合いバランスの良い塩梅となる。日本酒が進むチビチビおつまみに最高!
● 賀茂茄子田楽 ピーテンドリル
ジュワッと溢れ出す茄子の旨みに濃いめでキリッとして甘さ控えめの田楽味噌が良く合う。味噌のコクと茄子の風味が口の中で融合して薫り高き出会いとなる。
●九頭竜川天然鮎塩焼き(酢橘・酢取り茗荷)
天然の鮎塩焼きはじっくり炭火で炙り頭から齧り付く。鮎塩焼きにベストな組み合わせとして組み合わされた鮎ビールが非常に爽やかでテイスティー。まさに食材と飲み物のマリアージュでベストな組み合わせ。
●三元豚のヒレカツ トリュフ塩
40分の低温調理のヒレカツに仕上げに擦りおろされたトリュフが凄すぎる。塩にトリュフの薫りを纏わせるトリュフ塩はどこ出ても出会うがとんかつのトリュフ塩でこの仕上がりは初体験。豚肉の上質な旨味と脂が擦り下ろしたトリュフと素晴らしくコンビネーション。
●カンパチ竜田揚げとカリカリ梅のご飯(マイクロ青紫蘇)
カンパチを竜田揚げにする事でご飯に染み渡る脂のコーティングが炊き込みご飯をぐっと上質に引き立たせられる。カリカリ梅を混ぜる事で脂っこさを感じさせずに爽やかに戴ける。お代わりOKで異例の4杯お代わりする程の美味しさ。
●宮崎産ライチ
上質な高級ライチは瑞々しくてさっぱりと口中わリセットしてくれる。
総じて抱いた印象は食材への拘りと料理技術の高さ、独創的なアイデア力にインパクトを感じ驚きと感動を覚えた。
寡黙で厳しい面持ちの大将は、恥ずかしがり屋とは裏腹にお茶目な冗談好き。会話も楽しく料理に対する愛情と熱意は語りだすと止まらない。女将さんもお互いの意思疎通が出来るようになるとグッと会話が弾んで明るく楽しいトークになってくる。
ジワジワとお店の素敵さが浸透してきて嵌ってしまう不思議な日本料理店。次回の予約も受け付けてくださったので会員にはなれた模様。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌好う♪」
2023/08/11 更新
桜が街をほのかに染める春の夜。名古屋市内の静かな一角に佇む「懐食庵 なかたけ」を訪れました。
今回は、いつもの食べ友6名に加え、篠島から知人が飛び入りゲストとして参加し、総勢7名での宴となりました。
隠れ家のようなこの店は、完全紹介制の日本料理店。看板を掲げず、住所や電話番号も一切非公開。予約を受けた会員のみが足を運べる、まさに「知る人ぞ知る」一軒。
静けさに包まれた空間で供された料理は、まるで春の息吹を丁寧にすくい上げたかのような一品一品でした。目と舌、そして心をゆっくりと満たしてくれる、まさに旬を感じる献立でした。
【本日の御料理】4月5日
● 蛍烏賊と春野菜のお浸し
春の山海が奏でる贈り物。蛍烏賊のやわらかな食感と凝縮した旨みが、春の野菜たちと見事に調和し、春告げの音色のように口の中で広がります。
● 毛蟹コロッケ、キャビア、毛蟹殻盛り
贅沢な毛蟹をふんだんに使用したクリームコロッケは、香ばしい衣とともに、蟹の深い旨みが口いっぱいに広がります。キャビアの繊細な風味が全体に高貴さを添え、まさに贅沢な一品。
● 筍、独活、帆立の木の芽味噌和え
春の山海の恵みが一皿に集結。シャキシャキとした筍と独活の食感に、帆立のやわらかく上品な甘みが寄り添い、木の芽味噌の香りが春の風景を鮮やかに描き出します。
● 造り
・兵庫の天然鯛 食べ比べ
熟成された鯛の切り口から立ち上る奥深い旨み。特に熟成刺身の濃厚さが印象的で、時間をかけて育まれた味わいを堪能しました。
・長崎 メジ鮪
皮目を香ばしく炙ったメジ鮪は、青海苔醤油と花穂紫蘇、花山葵が彩りを添え、燻香が鼻から抜けるたびに、マグロの風味が立体的に感じられました。
● 銀宝吉野煮、薄い豆
とろりとした葛仕立てが、希少な銀宝の繊細な身を包み込み、その脂身が口の中で溶け出します。春の訪れを感じさせる薄い豆の爽やかな風味が、さらに清涼感を添えてくれる。
● 唐墨とブッラータチーズ
和と洋の見事な交差点。唐墨の塩気と、ブッラータチーズのコクが融合し、意外な親和を見せる一品。
● 近江タン幽庵焼き、地辛子、朝月葱
厚みのある近江牛タンに幽庵地がじんわり染み込み、地辛子と葱が香りと食感を引き立てる。濃密ながらも重さを感じさせないバランスが絶妙。
● 加藤農園フルーツトマト 極黄身酢かけ、プチバジル
甘酸っぱいトマトの完熟感に、黄身酢のまろやかさが絶妙に絡み、プチバジルの爽快な香りが清々しさを演出。
● 泉州水茄子浅漬け
そのみずみずしさはまさに極み。口に入れると、自然な甘みと優しい塩味が静かに広がり、出汁がしっかりと染み込んだ味わいが、深い余韻を残します。
⚫︎富山白エビ釜飯
白エビを素揚げにし、炊き立てのご飯に混ぜて仕上げた季節の釜飯。素揚げした白エビに強めの塩を打ち、白米に油と塩気、そして、海老の殻の香りを詰め込んだおかわり必須の締めご飯
● わらび餅と宮崎マンゴー、黒蜜
春の余韻を感じさせる甘味。目の前で練り上げられたわらび餅は、モチモチとした食感と弾力が心地よく、宮崎マンゴーの甘さが黒蜜と溶け合い、贅沢な余韻を残します。
「懐食庵 なかたけ」。その名の通り、素材、技、そして季節が織り成す豊かな交響曲に身を任せるひとときは、まるで時間がゆっくりと流れるかのような至福の瞬間。
サプライズで誕生日のお祝いもお店がご用意戴き、賑やかな会話の中にもどこか静謐な記憶として心に残る一夜となりました。
ご馳走様でした‼︎‼︎
それではまた次回まで「ご機嫌よう♪」