10回
2025/05 訪問
古都・姫路で味わう、銀座小十譲りの真心と器の美学
公私で忙しく約4年ぶりの訪問。
姫路の名店「淡流」は、ご夫婦で営まれる日本料理のお店。この日も東京からの客が数人おられ、姫路にありながら、いまや全国的な知名度を得つつあります。
カウンター7席。主人と女将さんの変わらぬ優しいおもてなしに、すぐに心が解きほぐされます。
この日のコースは春の恵みに満ちた構成。最初の一皿、鳥貝と山菜の取り合わせは、海と山の春が一つの器の中で出会ったような美しさ。肉厚の鳥貝のコリコリとした食感と、山菜のほろ苦さのバランスが絶妙でした。
続く穴子の手巻き寿司は、ふわりと柔らかく煮上げられた穴子と、艶やかな酢飯、そしてパリッとした海苔の香ばしさが三位一体となった、贅沢な一口。これだけで杯を進めたくなります。
お椀は鮑。上品な出汁の香りと共に蓋を開けると、柔らかく蒸された鮑と旬の青味が美しく盛られており、見た目にも心奪われます。口にすればその柔らかさと旨味に驚き、椀物の妙をしみじみと味わいます。
お造りは、炙り穴子、平貝、スズキ。穴子は炙ることで香りと旨味が際立ち、平貝は歯ごたえと甘みが印象的。スズキは弾力と透明感のある味わいで、いずれも新鮮さが際立ちます。
焼き物の鰆は皮目がパリッと香ばしく、身はふっくらとジューシー。添えられた香味野菜と山菜の苦味が、春らしい余韻を演出します。白魚の天ぷらはサクッと軽やかで、塩でシンプルにいただくと、淡い甘みが際立ちます。
その後に登場したのは、鯛とコシアブラの一皿。しっとりと火入れされた鯛に、山菜のほろ苦さが加わり、春山の香りをそのまま閉じ込めたような味わい。さらに、軽く湯引きした神戸牛で山菜を巻いた料理は、脂の甘みと山菜の清涼感が一体となり、印象的な余韻を残しました。
ご飯ものは、蛤の土鍋ご飯と白米。蛤ご飯は貝の出汁がご飯一粒一粒に行き渡り、噛むほどに滋味が染み出す絶品。さらに白米も、炊きたての艶と甘みが素晴らしく、つい両方ともお代わりを。付け合わせのお漬物や佃煮もまた上品で、ご飯の味を引き立ててくれました。
〆の甘味はキウイのジュレと、きなこのおはぎ。キウイは酸味と甘さのバランスが良く、さっぱりとした口直しにぴったり。きなこのおはぎは小ぶりながら、もち米の粒感が心地よく、ほっこりとした気持ちで食事を締めくくることができました。
約4年ぶりの再訪でしたが、料理も空間も接客も、研ぎ澄まされているように感じました。
今後も定期的に訪ね続けたいと思います
2025/05/20 更新
2021/03 訪問
兵庫県を代表する日本料理のお店 淡流
3月の訪問です。
開業して2年。姫路駅から徒歩10分ほど幹線道路沿いにお店があります。姫路周辺はもちろん遠くからお客さんが訪れる評判のお店になっています。
生活圏にないので、頻繁に訪問できるわけではありませんが、季節ごとに訪問しています。地元の食材を使った一品はどれも美味しいですし、器にも拘りがあり、料理と一緒にお皿やお椀も楽しみです。
この日も鮑、車海老、穴子など地元食材を楽しめました。兵庫県の中でも姫路が属する播州の地域食材が多いです。それと、兵庫の食材ではありませんが、この日は徳島の阿波牛も美味しかったですね
次回は夏
ごちそう様でした。
2021/09/17 更新
2020/03 訪問
姫路の淡流さん
姫路の淡流さんに3回目の訪問です。
亭主の中江さんは銀座の小十で料理長まで務められた実力者です
高級店は皆無に等しい地域なので、当初は客単価が2万を超えるお店のため、集客に苦しんだ時期もあるようですが、ジワジワと客は増えてます。
ブランドの食材だけではなく、地元生産者の食材を積極的に使って、地域を盛り上げる姿勢も素晴らしいです。
この日も初物のトリ貝から始まって、どの料理も素晴らしかったです。久しぶりに大好物のオコゼのお造りも食べることができました。調味料なしの蛤のお椀も濃厚で美味しかったし、穴子は白飯にのせて、おかわりしちゃいました。
毎回、最後に出てくる和菓子も楽しみです。次回は何が出るかな。ごちそうさまでした!
2020/03/15 更新
2019/12 訪問
姫路の淡流さん
夏に初訪問して二回目の訪問です。
姫路駅から10分くらい歩いた場所にあります。
幹線道路沿いにありますが、繁華街から少し離れているので、落ち着いています。
半年ぶりの訪問なので、亭主の中江さんにご挨拶して、カウンターに座ります。客層は地元の富裕層が多いと思いますが、新幹線が止まる駅なので、遠くからも来客があるそうです。
料理はおまかせコース 16000円 税サ別
地元の食材をたくさん使って、地域食文化を盛り上げる姿勢は感心します。
この日は香箱蟹、鮑のお椀、車海老とあん肝、白子の茶碗蒸し風など。土鍋ご飯までに10品ほどでしたが、キャビア等の派手な食材ではなく、伝統的な日本の食材で料理が構成されているので、食べ疲れることがなく、どの料理も美味しいです。
土鍋ご飯は新米。この時期は炊き込みご飯もいいけど、白米が一番ですね。プロの炊いた白米は甘くて美味しいです。
最後は季節のデザートの後に和菓子とお茶でしめます。亭主は茶道も勉強されていて、お茶に合わせた和菓子も独学とのことですが、相当にレベルが高いです。
お腹いっぱい今回も大満足でした。
ごちそうさまでした。
2020/01/13 更新
2019/08 訪問
姫路の淡流さん
銀座小十の料理長が地元に戻って姫路にお店を開いた情報を入手して、訪問するタイミングを狙っていました。
今回は関西に用事があり、予約して訪問してみました。
兵庫県の姫路駅から徒歩10分くらいの場所にあります。
お店は幹線道路沿いの入った場所にあり、外装、内装ともに素晴らしいです。
席数はカウンター8席で満席。価格はこの界隈では高めの設定ですが、早くも地元の方から支持されいるようです。
もちろん、内装、料理、サービスを考えると、高いとは思いませんが。
料理は地元播州の食材をふんだんに使った日本料理です。姫路の鮎も美味しかった。緻密にコース料理が構成されていて、どのお皿を本当に美味しいです。
最後の和菓子、お茶まで満喫しました。
生活圏にないので、頻繁には訪問できませんが、季節ごとに訪問したいですね
ごちそうさまでした。
2019/08/18 更新
《再訪》
季節が変わるたびに訪れたいお店です。
亭主は、銀座「小十」での研鑽を経たのち、地元姫路でこの店を構えています。山菜は店主自ら、車で時間をかけて山に入り採ってくる。筍も自分の所有する山で掘り、魚は地元の川に足を運んで漁師と直接やり取りする。料理の源を自分の手で確かめるという意思。そして料理に落とし込む姿勢が他のお店と大きく違うと思います。
この日の献立(7月下旬)
・鮑と夏野菜の冷やし煮浸し
・天然鰻のご飯
・きじはたと金針菜の清まし仕立て
・虎魚と剣先イカのお造り
・天然鮎の塩焼き
・湯引き穴子とトマトの冷やし出汁仕立て
・阿波華牛(あわはなぎゅう)の炭焼き
・玉蜀黍のご飯/白米のご飯
・ご飯のお供
鱸(すずき)のたたき おろしぽん酢がけ
梅干し/昆布の煮付け/海苔の佃煮
・味噌汁
・甘味
メロンと天然梅のシャーベット
きな粉のおはぎ
以下、簡単な説明と合わせて
・鮑と夏野菜の冷やし煮浸し
鮑はじっくり出汁で煮含められ、噛むほどに海の旨味が広がります。夏野菜は地元産の焼き茄子やおくら、出汁と冷たさが身体をすっと癒す清涼感に満ちていました。
・天然鰻のご飯
関西風の堅焼き。蒸さずにじっくりと炭火で焼き上げることで、皮はパリッと、身にはしっかりとした弾力が残ります。表面の焼き目は香ばしく、噛んだ瞬間に鰻の脂と香りが口いっぱいに広がり、炊き立ての白米がよく合います。
・きじはたと金針菜の清まし仕立て
透明感ある吸い地の中で、きじはたの白身の食感と金針菜のほのかな甘みが良い塩梅になっています
・虎魚(おこぜ)と剣先イカのお造り
虎魚は身の強さと旨味、剣先イカは甘みが際立ちました。虎魚はお造りネタで特に好きな魚です。
・天然鮎の塩焼き
地元の川から漁師と直接やり取りして仕入れたという鮎。炭火で丁寧に焼かれ、骨がほろっとほどけ、川魚ならではの香りとしっかりとした身の張りが際立っています。
・湯引き穴子とトマトの冷やし出汁仕立て
穴子は湯引き後に軽く皮目を炙られ、トマトの酸味が冷たい出汁と融合。夏らしい一皿で、爽やかに口を整えてくれます。
・阿波華牛(あわはなぎゅう)の炭焼き
徳島産の上質な赤身と溶ける脂が、炭の香りと調和。噛むほどに旨味が広がります。
・鱸(すずき)のたたき おろしぽん酢がけ
鱸は軽く炙っており、さっぱりとした大根おろしとぽん酢とともに、酸味と甘みのバランスが良い。ご飯のお供として、提供されましたが、単体でも、白米と一緒に食べても美味しい一品
・玉蜀黍(とうもろこし)のご飯
土鍋で炊かれたご飯の中に、甘みの強いとうもろこしの粒がふっくらと混ざり、噛むたびにじゅわっと夏の香りが広がります。とうもろこし本来の自然な甘みが際立つ仕上がり。
・白米のご飯
粒が立ち、甘みと香りがしっかりとあり、梅干し、昆布、海苔の佃煮とあわせると、最高に美味しいです。鱸のたたきとの相性も良かったです。
・メロンと天然梅のシャーベット
メロンの瑞々しさと梅の酸味が瑞々しく調和し、余韻を爽やかに締めくくります。
・きな粉のおはぎ
淡流は和菓子にもこだわっています。甘すぎず、さらりとした口当たりで、満腹でしたが、美味しく頂けました。