5月某日、東京国立博物館で「阿修羅展」を見て来ました。
午前中を拝観にあてようともくろみ、上野に午前8時過ぎに到着してスタンバイ。
土日の混雑を避けるべく平日をねらったのですが、月曜日が休館なので、火曜日に決行。
開館は9時30分なのに、もう10人ほどが行列をなしていました。
しかもその行列は、入館券を持参している人専用の行列でした。
いくら何でも時間が早過ぎるので、公園内を散歩し、入館券を購入しに向かったのですが…
そこにもやはり行列が出来ていました。
博物館前が人でいっぱいになるので、時間前に中(中庭)に入れてくれたのですが、その中
がすでに渋滞していたのです。。。(驚)
想像通り、入口付近は大混雑でした。 中に入ると順路は自由なのですが、どうしても順番
に見たいという心理が働き、入口付近が渋滞するのです。
私も最初のうちは列の後ろをついて歩いていたのですが、どうにもこうにも前に進まないので、
前半を思い切ってカットして、八部衆の展示室からスタートしました。
そして、いよいよ「阿修羅像」との対面です。
実は奈良の興福寺で初対面をすませていましたので、??年振り(笑)の再会だったのです。
しかし今回は、360度、全ての方向から拝観出来るので、様々な表情を確認出来ました。
「阿修羅」は全く変わらずに立っておられるのですが、見る角度によって、実に多様なお姿を
されているように見えるのです。
阿修羅とは、帝釈天と闘った戦闘の神で、敗れて修羅道の主となられた神です。
位置づけとしては、人間より下の修羅道で、常に負け続ける存在という事になっています。
六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)の三番目です。
常に負ける事が運命づけられ、その闘いの場を、修羅場というようになったとの事です。
阿修羅像は、不思議な体をしています。 三面六臂(3つの顔・6つの腕)という異形ながら、
正面の顔は、実に端整にも見えるし、目が人間的(仏像の目は異常に切れ長)なのです。
月並みですが、大変魅力的な顔立ちをされており、それ故に、あれだけ人を惹きつけるのだ…
と思いました。 いつまで見ていても、飽きる事のないお顔…
他にも見るべき展示物は山ほどあり、とても半日では無理なのですが、「阿修羅像」と八部衆
が見られただけでも、充分に価値があったと、満足して博物館を後にしました。
阿修羅展は6月7日まで。 その後7月には九州国立博物館に移動されるとの事。
来年2010年は、奈良・平城遷都1300年目の節目の年です。
この「阿修羅展」も、2000年から2020年までの平城遷都記念の一環の行事との事。
この時期に巡りあえたのは、幸運だったと思います。 感謝!
外に出ると、60分待ちを知らせる表示が!
いきなり現実の世界に引きずり戻された感じ。。。(残念!)
やはり朝から待機したのは無駄ではありませんでした。
それにしても、東京の人の多さには、今さらながら驚かされました。