1回
2016/10 訪問
１０月はかますの杉板焼を堪能する（室町和久傳）
【２０１６年１０月５日 初訪問】
京都で一番好きなお店が和久傳さんです。
私が好きなのは料理はもちろんなのですが、その素材への取り組み方
そして、一手間二手間を惜しまずに加える努力
最後に接客です。
いい素材（高い素材）を調理すれば、そこそこ美味しくなるのは普通です。
そこに職人の一流の技や努力が込められてこそ
家庭料理の枠を超えた、職業人としての料理人が取り組んだ仕事が完成します。
和食や会席料理は日本が誇る芸術でもあり、技だと思います。
和久傳さんが好き・・・と言っても これまでは京都駅のお店しか訪問したことがなく
今回初めて室町和久傳さんを訪問しました。
京都駅のお店は若い料理人さんの修行の場でしょうか、たくさんの若い方が
これまたたくさんのお客を相手に対応していて、それはそれなりに楽しいのですが
少々落ち着いて料理に向き合うには向いていないな・・・と思っていました。
今回初めて室町和久傳さんを訪問しましたが、外観は町家風ですが、なかなかモダンな作りで
店内もゆっくり目の時間が流れております。
料理のコースを堪能していたら、なんと時間は９０分は過ぎていたのですが
だれることもなく、落ち着いた時間が流れていきました。
あまり観光客が訪問しないお寺で静かに時間を過ごして、自分の内面に向きあう時間も
こうして一流の仕事を五感で楽しみながら、自分に向き合うのも似ていると思います。
１０月のメインは「かますの杉板焼」です。
杉の香りを焚いて、香りも楽しめます。
鱧や松茸のお椀が美味しいのは当たり前でしょうが、かますといったそれほど高級な魚ではない素材も
旬で脂が乗ったものを杉で香りをつけて提供するといった手間
これが凄いです。
鯖寿しも提供する前に、炭火で焼き目をつけて提供されます。
絶品でないわけがありません。
料理のコースがとても吟味されていて、味に飽きがこないのです。
和久傳という企業の考えかたは素材に料理人も接することから始まるそうです。
なんとお米の稲刈りにも立ち会ったりするそうです。
こだわりのお米は土鍋で焚いてくれるのですが、このお米が美味しくて感動しました。
余った米は塩むすびにしてお土産にもたせてくれます。
お店のマネージャーの女性が素晴らしく、見送りも私の姿が見えなくなるまで
見送っておりました。
高いお寿司屋さんならいくらでもありますし、室町和久傳さんもランチとはいえ
そこそこのお値段はしますが、お値段以上の感動や考えを与えてくださります。
ただ、美味しかったね！！ではなくて
和久傳で過ごした時間が今後の人生に役立つ 少々大げさではありますが
一流の仕事を目の当たりにすると得るものも多いです。
ありがとうございました。
また訪問したいと思います。
2016/10/11 更新
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2019/10/15 更新