DJKumaKumaさんが投稿した美会（東京/六本木）の口コミ詳細

【2025年10月22日 再訪問】

前回訪問したのが2023年11月1日の事なので
2年ぶりの再訪になります。
結論:2年前よりも進化を遂げてより一つのジャンル
として確立されており美会料理という
ものが出来上がっております、そして料理に
合わせたペアリング、それもフランスワインに
拘ったワインもパーフェクトです。

▫️おまかせコース＋ペアリング
¥33,000＋¥14,500=¥47,500（税込）
お料理は2部構成になっております

第1部 斬新さ
1.クンチェーナンプラー出丹海老発酵青マンゴー
2.トムヤンクン鱧淡路産 鱧
3.ポピアトート海鰻
4.フカヒレ気仙沼オップウンセン
5.バッタイ佐渡の黒鮑
6.ミアン・プラー太刀魚小柴産
7.ラープ近江牛＋神戸ビーフキャビア

第2部（タイの伝統的な定食）
サムラップ•アーハン•タイ
タイに古くから伝わる食事スタイル
⑧ 土鍋で炊いた香高いジャスミン米と
ともに多彩な料理を少しずつ味わいます
・トムセープタイハーブ帆立
・ガイヤーンクミンターメリック（朴葉 黒さつま鶏）
・パッパクブン（空芯菜 備長炭）
・ファイディーン
・鱧オースワン
・秋刀魚のブルーカレー

⑨ デザート カノムピアックプーン
タイの伝統的なプリン
できたてアイス パイナップル ジャスミン

▫️ペアリングワイン
1.ジラール・ボネブラン・ド・ブラン（泡）
2.ボルドーソーヴィニヨンブラン
3.ロワールミュスカデ
4.モンラッシュ
5.アルザスリースリング
6.壺で熟成させたシュナンブラン
7.ピノノワール
8.ピノノワール100%ロゼシャンパーニュ
9.甘口モーリー酒精強化ワイン

スタートは
ジラール・ボネのブラン・ド・ブラン①
白葡萄のみで作られるスパークリング
シャープな酸味と心地よい余韻

①クンチェーナンプラー牡丹海老発酵青マンゴー
とろけるような牡丹海老に発酵青マンゴーと梨を合わせた一皿。前菜としては定番ですが斬新
ねっとりと甘い海老の旨味に梨の瑞々しさとハーブの香り、そして発酵マンゴーの酸味とフルーティーな余韻爽やかで香り高い見事な幕開け。

②トムヤムクン 鱧百合根
スパイスの奥に深いコクと旨味、まさに和の椀物のようなトムヤムクン。これほど美味しいものは初めて
辛さは控えめで鱧のふんわりとした食感と百合根のマッシュのほっくり感の雄剛
ボルドーのソーヴィニヨンブラン②
ハーブの香りやほのかな樽のニュアンスが複雑な味わいのトムヤムクンとまさにベストマッチ

③ポピアトート 鰻
鰻をライスペーパーで包み、カリッと香ばしく仕上げた揚げ春巻き。甘酸っぱい薩摩芋と米のソースのが鰻の旨味を引き立てます。
タイのハーブが山椒の代わりになり心地よい清涼感。
ロワールのミュスカデ③の酸とスッキリ感

④気仙沼産フカヒレ オップウンセン
香ばしく揚げたフカヒレに、鶏白湯とすっぽんのとろみのある餡がたっぷり。蒸し春巻き深い味わいの餡が美味しくて味変で黒酢をかけると酸味がよりまして
日本人好みの味わいに
深みが出て素晴らしい！
合わせるのはモンラッシェ！④フカヒレの
極上の旨みとインパクトに負けない香りが
素晴らしい

⑤パッタイ 佐渡の黒鮑
濃厚な肝ソースと桜海老の香ばしさが絡み合うこれは
印象的な逸品！贅沢なすぎる！
黒絶のしなやかな食感と海の香り、肝のコクが見事。
アルザスのリースリング⑤
酸は穏やかでライチのような香りと旨み肝ソースの
深みにとてもよく合う

⑥ミアン・プラー 太刀魚 タイのサラダ
えごまの実をまとい素揚げにした太刀魚と
冬瓜。胡瓜や茗荷の清涼感が重なり爽やかで
奥行きのある味わい。香りと食感、温度の対比が
楽しく食感の茂木
合わせるのは壺で熟成させたシュナンブラン⑥
凝縮した旨みが香ばしさが雪溶けのよう

⑦ラープ 近江牛x神戸ビーフキャビア
近江牛と神戸ビーフを掛け合わせた贅沢なハンバーグのようなラープ。以前よりも繊細さが増しました
出汁の味わいが深くなりました。
粗挽き肉の食感と2種の和牛の旨味、上質なキャビアの控えめな塩味が絶妙。
合わせるのはピノノワール⑦チャーミングなイメージのピノというよりは凝縮した果実感と和牛の旨みに寄り添うとても美味しいピノノワール。

第2部：サムラップ・アーハーン・タイ
後半はタイの伝統的な定食を洗練されたスタイル

⑧土鍋で炊いた香り高いジャスミン米とともに多彩な料理を少しずつ味わえます。
タイに古くから伝わる電動的なスタイル
卵とじのような一品など、日本食に通じるお料理の中にも香辛料の使い方が見事。
特に秋刀魚のグリーンカレーは見事な美味しさ！
土なべで炊いたジャスミン米がとても美味しく
おかわり！
合わせるのはピノノワール100%のロゼシャンパーニユ⑧苺のような可愛らしさもあるシャンパーニュ！
リセットされました

⑨デザート
カノムピアックプーンは、タイの伝統的なプリン。緑色はお茶では無く笹の葉のグリーン。
ココナッツの香りと甘みがさわやか
ジャスミン香るパイナップルアイスも印象的
最後まで香りと食感のバランスが見事でした。
そしてラストには甘口のモーリー 酒精強化ワイン
香り高く甘美的な余韻！デザートにまで
完璧に合わせてきます。
最高の余韻です。

タイ人オーナーと日本料理を研鑽してきた
日本人調理長が人生を賭けた料理

「美味しさ」とは何か。
「新さ」とは何か。
食への探究心を絶やさず
まだ誰も出会ったことのない一皿を紡ぎ続けて
今日があるのだと思う。

日本料理の引き算の美学とタイ料理の足し算の魅力を見事に融合させた唯一無二のレストラン。
美会料理がここにあります。

旬食材を活かしたタイ✕日本料理の共演
美会（ピア）
東京都港区六本木7-3-21 来山ビル 2F
03-6804-2489
@tachinomibeer

■ 定休日
不定休
完全予約制
【2部制の一斉スタートとなります】
1部は17:30～
2部は20:30～

【２０２３年１１月１日 初訪問】

グルメなお友達の紹介で訪問することになりました美会（ビア）さん。
以前から噂には聞いていたのですが、実はタイ料理が苦手な私は避けていたお店です。
今回、パクチーが嫌いな人でもこのお店は絶対に美味しい！というレビューを拝見して
ようやく訪問となりました。

タイ料理やタイ風の味付けの概念が変わった日

以前は銀座にお店を構えていたそうで、２０２２年３月に乃木坂へ移転
コンセプトは「旬食材を活かしたタイ×和食のマリアージュ」とのことですが

食後の感想は和食とタイ料理、つまりは出汁とスパイスのフュージョン
「新しいジャンル」の料理であると思いました。
これは日本人とかインバウンドとか抜きにして、さまざまな人種に向けての料理である
そのように感じました。

◽️本日のメニュー　おまかせコース 26,500 円 (+サービス料)　別途飲み物
　メニュー表に私の名前とそれをタイ語で書かれているというスペシャルなおもてなしに感動！

・毛蟹 あん肝 玉蜀黍(とうもろこし)
・キンキ 蛤 オニテナガエビ 車海老 松茸
・河豚 朝天辣椒 八角 山椒
・フカヒレ タイ薬膳
・黒鮑 オースワン
・鱧 プラーヌンマナオ
・和牛 ナムトック
・マグロ
・カレー 2種 (世界一美味しいカレー/グリーンカレー)
・カノムピアックプーン
・できたてアイス ほうじ茶 ココナッツ

飲み物はペアリング 14,000円 のペアリングではなくて今回はチョイスして
ワインはとっても高級というわけではありませんが、どれもドメーヌから直接買い付けた
数量限定の貴重なワインです。見たこともないワインばかりでした。

・水はガス入り炭酸水
　サンペレグリノ

・シャンパーニュ
　コパン・コーテル　スッキリと飲み口が柔らかい

・白
　シャトー・ドゥ・ラ・フォン・デュ・ルー　狼の噴水　
　柔らかでとても口当たりが良い　まるでノンアルコールの葡萄ジュースのような

・赤
　ヴォルネイ プルミエ・クリュ クロ・デ・ザングレ
　重くない口当たり、軽快な赤ワイン　ウキウキする味

・デーザートワイン
　ジャンマルクラファージュ モーリーグルナ　貴重なワインです。
　甘さがとても上品で食後に最適な余韻を与えてくれます。


◽️お料理について

・毛蟹　あん肝　玉蜀黍（とうもろこし）
国内最高級の余市のあん肝に玉蜀黍のピューレにカニ味噌のジュレと毛ガニを合わせて
甘い素材の味そのものの味でタイのハーブが入ってほんのりタイと和食のコラボ。
控えめにタイのエッセンスをご挨拶代わりに

・トムヤムクン
キンキ　蛤　オニテナガエビ　車海老　松茸
これは豪華なトムヤムクン！こんな美味しいトムヤムクンは初めてです。
松茸の風味！これはタイ料理に和のエッセンスを主張

・河豚　朝天辣椒　八角　山椒
タイ中華風虎河豚の唐揚げタイのスパイスと中華のエッセンスの組み合わせで
辛味と酸味！河豚はジューシーに揚がって骨付きなのでガブリと！

朝天干辣椒（チョウテンガンラージャオ）とは唐辛子なのですが、鷹の爪よりはスッキリとした辛さです
香りが素晴らしいです。

・フカヒレ　タイ薬膳（スペシャリテ）ビア氏のフカヒレを持ったビアポーズも披露！
天日干しのフカヒレはとにかく豪華です。すっぽんの出汁とタイの薬膳スープに鶏白湯を
合わせて餡かけにした物でとにかくフカヒレはトロトロでボリュームがあって美味しいです。
これは長寿になりそうです！
味変で黒酢をタラリとかけると更に旨味が凝縮されます。舌が軽い刺激を受けます。

・黒鮑オースワン
オースワンとはオイスターソースの甘辛い味付けをした牡蠣の卵とじを、
さっと炒めたもやしにかけたタイ料理です。タイ風のオムレツです。
黒アワビと黄韮のオムレツ　鮑と岡山産の黄ニラを合わせております。

台湾の屋台で食べる　カキオムレツからヒントを得たとか。イクラの味も
とても新鮮です。

・鱧ブラーヌンマナオ
ブラーヌンマナオとはタイの魚料理です。
プラー（魚）ヌン（蒸す）マナオ（タイでポピュラーなライムのような柑橘類）という意味で、
蒸した白身魚にライムのソースをかけたものです。
これを鱧とライムで！　通常鱧は梅と合わせますが、これは鱧にライムを合わせた
初めての味わいで感動しました！　酸味と後からパクチーの爽やかな香り

鱧だけでなく、松茸の千切り、そしてパクチーも添えられ、ライム風味で包み込んでいます。
このパクチーもくさみが出ないように一枚一枚処理しているようです。
日本料理なら土瓶蒸しのような組み合わせですが、違和感なくタイ風に仕上げていました。

パクチーをまるで和食で使う酢橘のような使い方で、パクチーの香りが繊細だと感じました

・岡崎牧場純血但馬近江牛51ヶ月ナムトック
ナムトックとは「滝」という意味だそうですが、肉汁が滴り落ちるような料理とのことで
料理としては豚肉を使った、とても辛い料理とのことです。

これを近江牛を使ったステーキハンバーグの焼き加減はミディアムレア粗びきでとっても肉肉しい！
キャビアもてんこ盛りだけど塩味がないからお肉の邪魔にならずとても美味しかたです。
キャビアが嫌みじゃないです！めちゃめちゃ贅沢なハンバーグ！こんなの反則でしょう。

・やま幸マグロ　トリフュがけ（やま幸　北海道延縄で）
トリュフの中にマグロが！そして発酵塩漬けたまごを合わせて
たっぷり削られたトリュフの香りにやま幸のまぐろを！これはややタイ風味に押されて
正直やま幸のまぐろがもったいない気もしました・・・

・ビリニヤニ（特別なサービス）
舞茸と金目鯛と鶏肉の出汁、カレーが仄かに香る最高のビリヤニ
人生で一番美味しかったビリヤニです。
金目鯛の皮目が香ばしく、本当に炊き込みご飯なのかビリヤニなのか
脳内が困惑してしまう感動の料理です！

・カレー2種（世界一美味しいカレー　グリーンカレー）
炊き立てのタイ米を使ったジャスミン米は美会風にアレンジされており
もっちりして一切のパサつきを感じません。
近江牛のホホ肉を使って高級に仕上がってました。
グリーンカレーのお肉は猪だそうで脂身もあり筍のシャキシャキ感も良かったです。
マッサマンカレーは世界一美味しいカレーとの評価（アメリカ人の）ですが
これは本当に美味しかった！

タイの茶器で縁起物の象ポットによりティーサービス
トムヤムクンの器も貴重な磁器で、像が描かれているのですが、女性スタッフにより
日本人と像との出会いとのことで、貴重なお話を聞けました。
１７２９年徳川吉宗が像を見たいとのことで、タイ国から日本に像がやってきて
長崎から江戸まで連れてきたとのことです！その頃から日本はタイとの付き合いがあったのですね。

日本に像がやってきたのは徳川吉宗の希望で

・カノムピアックプーンタイのスィーツ
カノムピアックプーン とはタイ王国における菓子の一種
葛よせで表面にはココナッツフレークが乗ってます。
柔らかいけど程よい弾力があり甘さ控えめです。これはタイと和の融合スイーツ

・出来立てほうじ茶アイス
なめらかでクリーミー ですチョコレートを一歳使っていないのにチョコ風味です
まるで上品なイタリアンジェラートのようです。

最後に
美食家のビアさんの夢を実現したお店とメニューです。
よく考えられていて、そして味見をされて、いかにクリエイティブであるか
昨今はただ単に高級食材を使って合わせた「なんちゃってフュージョンフレンチ」も多いですが
ビアさんの料理は「タイ風」とかいうだけではなく、日本の出汁文化をタイ人が取り入れた
新しいジャンルの料理だという感想です。

それゆえ、タイ料理とかパクチーとかレモングラス苦手！とかいう私のような人が味わって
タイのエッセンスへの概念を変えることができるお店だと思います。
お値段は張りますが、このお店は舌が肥えた美食家も感動するレベルのお店です。

今回、概念が変わったということや初めてパクチーが美味しく感じた！という感動から評価は５点と
させて頂きました。貴重な経験をありがとうございます！


◽️美会（ビア）　〜美食を人生に〜
　東京都港区六本木7-3-21 来山ビル 2F
　03-6804-2489
　
　東京メトロ乃木坂駅徒歩4分
　東京メトロ六本木駅徒歩5分
　乃木坂駅から205m

　なかなか予約ができないお店ですが、食べログからも予約ができます
　ぜひ貴重な体験をしてみてくださいね！