レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2014/09訪問 2014/11/29
【2014/09再訪】
ウィスキー(ニッカ)にかなりハマっています。ドラマ「マッサン」の主題歌が流れてくると
ゾクゾクするくらい(笑) この秋の日の訪問では、冬では見られなかったポットスチル(蒸留釜)
に火を入れる作業を見る事が出来て感動!いつまでも見ていたい気分になりました。
ドラマ効果で、見物客が激増、ウィスキーも一部品薄になる等、ドラマ以前からのニッカファン
としてはちょっと複雑な気分だが、やはりウィスキーシーンが盛り上がって欲しい気持ちは変わらず。
しかし、この日は私がハンドルキーパー・・・当然試飲は出来ませんでした(笑)
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【2014/01再訪】
余市に宿をとり、呑む気満々、徒歩で向かった「ニッカウヰスキー余市蒸留所」。大雪の中での存在感もまた
圧巻であり、その光景は雪国北海道の特徴で化粧したような「強さのオーラ」も身にまとっているよう。
自身二度目となる今回の訪問では、「ガイド(案内)付き」のコースをお願いしてみる事に・・・。
タイミングにより多少待ち時間も発生するが、少人数(二名でも/一人でも?)でも無料案内を受けて
くれるので、初めての方には是非とも「ガイド付」をオススメしたい。ウィスキーの歴史や製造法等、
当然詳しいガイドさんが、親切丁寧に解説しながら施設内を案内してくれる。勿論、解らない事等を質問
しながら、じっくりと工場内を歩く事はとても楽しくて有意義だ。
そして見学者が無料で試飲出来るコーナーもあり、そこでは「鶴」や「余市」等、高価なウィスキー
を(運転者やアルコールNGの方にはリンゴジュースあり)が楽しめる。ストレートで、トゥワイスアップ
(水割り)で、そして強炭酸のサーバーもあるので、流行のハイボール等、各々の楽しみ方で試飲
が可能。勿論、ウィスキーはアルコール度数高めなので、飲み方には気を付けたい(笑)
リアルに稼働する工場郡や設備、そして歴史を感じさせる、今は使われていない創業者の居住施設
、そしてウィスキー造りやニッカの歴史を詳しく知る事が出来る博物館等、ウィスキー好きならずとも
楽しめる仕掛け/展示が多数。そして有料とはなるが、ウィスキー好きにはたまらない、高価な銘柄が
ショットで楽しめるBARもあり、個人的にはそこもオススメ。当日は複数楽しんでみたが・・・
「竹鶴25年 15cc 1,600円」
創業者自身の苗字を冠とした、ニッカを代表する銘柄「竹鶴」。その最高峰「25年」は、市販品のボトルで
購入すれば50,000円はするという高価なボトル。しかし15ccとはいえ、その味わいを確認するには十分な
量だ。長期熟成となれば、どうしても「まったりと重厚な口当たり」となるような気もするが、この銘柄は
言わば「淡麗/上品」。やはり熟成による重量感のあるまろやかさが感じられながらも、ウィスキーの味わい
を構成する各々の要素(甘さや燻煙香)が割と爽やかに絡み合う印象でかなり美味しい。
蒸留所内には「お土産」等を購入出来る直売所もあり、興味のある方ならば半日じっくり居ても楽しめる
コンテンツが満載。駆け出しニッカシンパの私は、何と2日連続でこの「ニッカウヰスキー余市蒸留所」に
通ってしまった。
そして言わば「無骨な職人気質」で「男っぽい」ニッカの考え方/味わいに惚れたんだ。
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二十歳そこそこの若き日は・・・ロックミュージシャンのビデオクリップ等に憧れて、味もたいして
解らずながら、バーボン等をBARでも自宅でもガンガン飲んでいたのだが・・・
やはり翌朝の二日酔いには耐えきれず、いつの日か敬遠気味に・・・そしてようやく年齢的には
ウィスキーやBARにとりあえずは違和感を放たないかな・・・と思えるようになった現在でも、
やはりウィスキーはハイボール止まり。
先日、貴重なウィスキーを頂いた事もあり、最近ちょこちょことウィスキーを楽しんでいます。
「ニッカウヰスキー余市蒸留所」
本格ウィスキーづくりの技術を求めてスコットランドに渡tった竹鶴政孝氏が、サントリーの鳥井氏
と出会い、かねてよりウィスキー造りの理想郷と見込んでいた北海道に蒸留所を設けたのが前身で、
後の英国副首相に「50年前、頭の良い日本青年がやってきて、一本の万年筆とノートで英国の
ドル箱であるウィスキーづくりの秘密を盗んでいった」と言わせたエピソードは有名で、現在も
守られている製法を詳細に記述した「竹鶴ノート」も有名な存在だ。
ウィスキーをザックリとカテゴライズすると・・・
「ピュアモルト」 ・・・複数の蒸留所で造られたウィスキーをブレンダーが調合し、
最良の味わいに仕上げる。
「シングルモルト」 ・・・単一蒸留所で造られたウィスキーで、個性的な味わいのもの
が出来上がる。(ブレンデッド)
上記二種に大別され、尚且つシングルモルトでは、一つの樽で仕上がったものを使用して仕上げ
られたウィスキーを「シングルカスク」と呼ぶのこと。
『シングルカスク 原酒10年』
シングルカスクのウィスキーに手を加えない「原酒」。よってアルコール度数は樽によって不均一
となり、尚且つ樽それぞれによる個性の関係で、同じ味わい、同じ度数が無いというもの。同包の
説明書きにとると、シングルモルト(ブレンデッド)がオーケストラとするならば、この原酒はソロに
例えられる(単一楽器)との事。ふむふむなるほど、個性がより出やすいという事だろうか。
今回頂いたウィスキーは、蒸留所のアドバイザーも珍しいと言っていたようで、何と度数は62%。
当然ストレートで舌に乗せるように頂くが、やはり濃い。しかし、舌に乗せるとその温度でアルコール
がふわっと揮発すると同時に、ウィスキーの持つ香りが瞬時に広がるような素晴らしさが感じられる
が、やはりシングルカスクならではの角々しさも・・・
もしも(!)蕎麦つゆに例えるならば、このシングルカスク原酒は「江戸前つゆ」。角の丸い熟成型
甘口とは異なり、出汁はしっかりとしながらも、生返し(非加熱醤油)のビリっとした塩分が前面に主張
する男っぽい味わいかな。(余計な解説でしたが)
チェイサー(水)と交互にその味わいをゆっくりと楽しみながら、甘い手造りチョコレートを時より舌に
馴染ませるひと時は最高!そして圧倒的に鼻に抜ける香りは素晴らしい。しかしやはりアルコールは
まわり、程よく〜それ以上に酔うので、のみ方には注意しなければなりません(笑) そして本来王道の
楽しみ方に違反(!)して、少量をロックで飲むと、角かどしさは穏やかとなりつつも香りはやはり
素晴らしく、私のような不慣れでも美味しく楽しめます。但し氷は軟水(純水?コンビニでも売ってる)が
必須でしょう。
こんな歴史を誇る言わば「ウィスキーの聖地」を持つ、「北海道の酒呑み」がウィスキーを楽しまないなんて
勿体無い!・・・と豪語出来るように、これからは楽しんでいこうかな・・・と言いつつ、呑みながらの
レビューなのですが、この原酒・・・やはり美味いです。
2位
1回
2014/02訪問 2014/05/15
【2014/02 道東旅行vol.18】
ぬかびら源泉郷は大正8年に発見された、北海道東部にある温泉地です。
大雪山国立公園の森と糠平湖の湖水に囲まれたぬかびらの環境は、
訪れる人に静かで、豊かな自然を感じさせてくれます。
温泉の泉質は、ナトリウム・塩化物−炭酸水素塩泉(重曹泉)で
肌が滑らかになるだけでなく、飲用することで胃腸病にも効くといわれています。
湯温が50度から60度と高いため、多少加水している施設もありますが、
温泉を循環している宿はありません。
そのため源泉掛け流しの温泉を楽しめる温泉地として、
北海道の温泉好きの方々から高く評価されています。
ぬかびら温泉郷にお泊りいただき、
皆様の旅の想い出の1ページに加えていただければ幸いです。
宿主一同、心からお待ち申し上げております。 【ぬかびら源泉郷旅館組合HPより】
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この旅で出会った数々の思い出の中でも特に印象深かったのはこの宿「中村屋」である。
何が良かったか?と聞かれると、説明が膨大で長くなってしまう(要はまとめられない)
ので、百聞は一見にしかず…説明は簡単に。そしてこれまた膨大な写真とコメントにて
私のレビューとさせて頂きます。
「施設」
代々続く宿を改修しながら「味わい深い個性派」に仕上げている(まだ途中?)な感じ。
元来の部屋や、改修を経て立派になった新部屋どちらも清潔であり、リラックス出来る
雰囲気だ。
「料理」
〈夕食〉
山の幸を中心とし、手作りにこだわってお洒落感をも演出している、例えるなら「田舎風
和洋折衷懐石風」。品数、ボリューム共に十分で、素朴な味わいながらも「これは?」
というワクワク感も与えてくれるレシピ。自家製果実酒と共に楽しい時間を過ごす事が
出来る。
〈朝食〉
バイキングスタイル。地場産素材の佃煮や煮物がずらりと並び、目と心を楽しませて
くれる。和食中心ながらも、自家製焼きたてパンを中心に洋食メニューもあり、
小食派~欲張り派まで、大満足のラインナップ~味わいは素朴系。おっと、呑兵衛には
「ビールミニ缶」も備えられている!珍しい!そして嬉しい!(自分が)。
「温泉」
露天風呂は混浴。割と利用年齢層が高い宿なので、夜の時間であれば上手に混浴を
楽しむ事が出来るのでは?豊富な湯量の源泉掛け流しは心と体をリラックス!
冬季は雪景色も良いね!内湯は二箇所。「木の風呂」「タイルの風呂」と別れ、
時間帯で男女入れ替えとなる。こちらも清潔感があり雰囲気十分。露天同様豊富な
湯量でリラックス出来る。
尚、ぬかびら温泉郷では「温泉パスポート」というサービスを行っており、加盟温泉宿
のお風呂も無料で利用出来る事も魅力の一つだ。
「サービス」
何よりサービスが一生懸命なお宿。スタッフの姿勢、そして随所に散りばめられた
「お客を楽しませる仕掛け」が素晴らしい。洗練さを求める場合や、放っておいて欲しい
ようなスタンスを求める場合には、ややうるさくも感じる人、満足度に欠ける人もいるかも
しれないが、小規模温泉宿を楽しみたい温泉ファンならば、大満足出来るような仕掛けと、
付かず離れずなバランスの良い接客にきっと魅せられるだろう。
周辺には歴史遺産とも言える「タウシュベツ橋梁」を始めとする橋梁郡、そして糠平湖を
中心とした豊かな自然等、見所もいっぱい。十勝エリアで小さな温泉宿を探す場合には
圧倒的にオススメしたい旅館だ。
3位
1回
2014/09訪問 2014/10/29
爽やかな景色は味わい二割増し!?それを差し引いても「圧倒的な旨さ」
この店の概要に関しては下記ウィキペディアからの引用を読んで頂きたい。
一言で言えば「超自分好みのジンギスカン」。マトンの程好い味わい・濃厚な旨み、焼き易いが決して物足りなさを感じない厚みが織り成す口当たり、適度に噛み応えのある柔らかさ・・・そして王道系醤油ベースのタレ・・どれをとっても最高だ!焼き過ぎず、適度に赤身が残る状態で野菜と共に口に頬張ると美味ーい!勿論、サッポロ生ビールもガンガンススムススム!
屋内は勿論、天候の良い日は屋外で頂くと更に味わいUP!青空ジンギスカンも最高だね。あまりにも自分好みだったので、興奮気味にレビューしてしまったが、基本のメニューシステムの解説は簡単に解説させて頂く。
◎ジンギスカン一人前(肉・野菜・おにぎり2個セット)1,390円 ※最初はセットでオーダーすること
追加肉(1人前)1,030円
(半人前) 570円
その他(おにぎり・野菜・もやし他)追加メニュー各種、一品物もあり。
ビール中ジョッキ 470円
ビール大ジョッキ 940円
※酒・ソフトドリンク各種あり
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◎食べ飲み放題(2時間)3,750円
◎食べ放題(2時間) 2,800円
※以下ウィキペディアより抜粋引用
ルーツ
タレを後付けで食するジンギスカンのルーツは、旧満州国や樺太などで食されていた野戦料理である。八紘学園の創設者である栗林元二郎は、旧満州より北海道月寒地区に移住する際に、その料理を食していた鍋を持ち帰り、その鍋で羊肉を調理し、食べていた事が発祥とされる。
明治時代より、月寒地区では、農商務省月寒種牛牧場(北海道農業試験場月寒試験地)が設置されるなど、綿羊・牧畜業が盛んであった。第一次世界大戦後、綿羊の需要が減り、不況・食料難の時代に陥った。この不況時代の打開策として、飼育されていた綿羊を食肉用に転用し、これをジンギスカン料理(タレを後付にする方法)として振る舞い、好評となった。多くの反響を得たことにより、「成吉思汗倶楽部」が発足された。後に、この料理手法は、月寒(札幌)式ジンギスカンと呼ばれるようになり、現在でも北海道札幌圏以南・道南地方などで食される。
成吉思汗倶楽部
栗林元二郎は、月寒(札幌)式ジンギスカンの料理方法を広く普及させるため、当クラブの前身である非営利目的の会員制クラブ「成吉思汗倶楽部」を1953年5月30日に設立した。なお、当時の会員メンバーは、札幌市長や地権者・政財界の有力者など大物ぞろいであった。
クラブ会報誌「成吉思汗クラブ報 第1号」(1953年10月5日発行)を配布。会報誌には、食べ方などが紹介記事として掲載されており、羊肉をジンギスカン鍋で焼き、タレにつけ食べると記されてある。その後、会員制クラブは時代の流れと共に解散された。
現在は、八紘学園農場地に「ツキサップじんぎすかんクラブ」を設置し、現在も当時の味と伝統を守り、受け継がれている。
4位
3回
2019/06訪問 2019/11/15
【2018年3月】春に卒業した企業団体の「直来」と称した一泊宴会で参加しました。このお宿の醍醐味は、古いながらも一生懸命なホスピタリティ、素晴らしい景観の露天風呂、柔らかな泉質の温泉、頑張っている料理、それらが上手に連動しているところかな。H地社長、ありがとうございました。OBになるのが悲しい。
所属団体の一年お疲れ様的大宴会です。(すみません、誤字訂正したら、タイムラインに上がってしまいましたー。2017年の利用です‥)
白老町虎杖浜の温泉旅館。全国的に有名な温泉地、登別の影に隠れ、いささか古いイメージもある虎杖浜だが、湧き出る温泉は秀逸であり、太平洋を望む前浜で獲れる豊かな魚介類も豊富、小粒だがビリリと魅力的な宿も多いエリアなのだ。
ホテルいずみは虎杖浜の端、小高い丘に位置する中規模旅館。目の前に広がるオーシャンビューのロケーションが雄大な宿だ。今回は一泊二食付のスタンダードプラン「人気NO1【マル特いずみ◎】温泉&北海道郷土料理<豚すき焼き>プラン♪」(一人7,250円)を利用した(価格は時期により変動すると思われる)。
<施設/客間>
施設は古い。しかし清掃は行き届いた印象であり不満は感じなかった。この宿はオーシャンビューが魅力的なので、出来れば海側の部屋を利用する事を強くオススメする。
<温泉>
素晴らしい。豊富な湯量の源泉掛流しの湯は、ややとろみを感じるナトリウム塩化物泉。成分総計(簡単に言えば温泉の濃さ)も高く、非常に満足出来るもの。特に露天風呂は海を望む絶景であり、心を癒し、そして静かに開放してくれるよう。
<食事>
夕食
スタンダードプランは「豚すき焼き」がメインの和食会席。予めセットされている料理だが、より良い状態で食べられるような工夫が施されており状態が良い。地物食材を多く使用した料理達はどれも安定感に富み、しっとりと美味しく頂けるものが多かった。量も満足。そしてキンキンに冷えたビールが美味い!
朝食
重箱スタイルのお膳。シンプルな献立だが内容/質ともに十分満足。道産米を上手に炊き上げた白米を虎杖浜産生たらこで一膳、その後は焼きたらこをお茶漬けにして〆と工夫もいっぱい。安定的で印象深い朝食だった。
<サービス>
決して洗練されたものでは無いが、一生懸命さがヒシヒシと伝わってくるサービス。従業員一丸となって「おもてなし」をするような姿勢は心地よく響いた。
<総評>
「あれこれ欲張らず、出来る事を一所懸命」~基本的には古い宿。今ある環境をどう活かすか…というような意気込みが伝わってくるような宿。泉質は素晴らしく、料理も満足出来るもの。多少施設が古くとも気にならない、温泉好きの大人ならば十分に満足する事が出来るはず。虎杖浜ではオススメの宿だ。
5位
1回
2014/05訪問 2014/08/06
【2014GWの旅 その⑥】
天売島でオススメの宿がある。それがこちら「民宿栄丸」、漁師さんが経営する民宿だ。
<清潔感のある施設>
それほど新しくは無い小さな民宿だが、手入れ~清掃~整理整頓がきちんと施されており、部屋や共同設備(トイレ/洗面等)も清潔なので、女性一人での利用も快適なのではないだろうか。お風呂は大きめのユニットバスを二つ備えているので、宿が混雑している場合でも比較的スムーズに入浴する事が出来るだろう。
<一生懸命で丁寧な漁師風料理>
夕食は魚貝中心で品数豊か。鮮度や種類は時期にもよるだろうが、十分に満足出来る内容だ。味わいは家庭風で割と親しみやすい料理達。個人的には漁師さんっぽい良い意味でのワイルドさがもっと欲しかったかな。朝食もボリューム満点で、やはり家庭っぽさが逆に良い。
夕食、朝食を含めて「一生懸命さと丁寧さ」が伝わってきた。
<宿のシンボル?元気で明るいお母さん>
明るい笑顔と、素朴でアットホームなサービス姿勢が実に良かった。このお母さんの存在一つで宿の魅力がグッと上がっているよう。宿全体に活き活きとした空気が流れるような感じだ。かと言って過剰なサービスに偏る事無く「付かず離れず」のスタンスも心地よい。他のスタッフもお母さんに続け!だろうか、実に一生懸命だ。
翌朝、自転車を借りて散策に向かおうとすると、タイヤの空気が少し足りなかったので「空気入れ」を借りようと、近くで作業していた男性に声をかけたところ、その方は宿のご主人だった。寡黙そうだが親切、漁師さんっぽい雰囲気が良いなあ。そして、帰りのフェリーの時間を勘違いして、散策からギリギリで宿に戻った私達を車に乗せて、多少飛ばし気味で港まで走り、釣り道具や何やらいっぱいの荷物を船内まで息を切らしながらも運んでくれたお母さん、本当にありがとうございました(笑)
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天売島は海鳥/野鳥の楽園。ウトウのナイトウォッチングも幻想的であり、そうでなくとも珍しい鳥達に出会う事が出来る。ハイシーズンになればアザラシに出会える可能性も高い。釣り等も時期と状況にはよるが、ダイナミックな魚とファイトする事も比較的たやすいだろう。北海道における離島の中でも規模が小さい天売島だが、それがゆえの魅力はいっぱい。この島を旅してみようと思った際には是非、この「民宿栄丸」を宿泊候補に入れてみてはいかがだろうか。
6位
1回
2014/03訪問 2014/07/02
深深と雪が降り積もる極寒の大地、幌加内。そして神秘の生命達を寒さから守るように、厚い氷で一面が覆われる朱鞠内湖のほとりにポツリと佇む蕎麦宿が「朱鞠内湖そばの花」だ。
「静かなる大人の空間、そして時間」
一日三組を受け入れる小さな宿。整理整頓が行き届いた大変清潔な空間。全館禁煙であり(外で喫煙可能)空気感がフレッシュだ。明るく開放的なメインフロアに、吹き抜けの2階には客室を数部屋備えている。客室にテレビは無く、しんみりと静かで落ち着いた時間を過ごす事が出来る。
「幌加内蕎麦会席 蕎花の膳」
この宿の醍醐味の一つは、蕎麦三昧の夕食だ。手作りにこだわった蕎麦料理がずらりと並ぶ。基本的には家庭風な味わいだが、しっかりと基本をおさえた惣菜や、創作性に富んだ小料理まで品数、ボリューム共に豊富。一品一品丁寧に仕上げられた印象だ。
蕎麦
何と言ってもの主役であろう蕎麦は、もちろん幌加内産蕎麦粉を使用した手打ちで、小さく盛られて3回に分けて提供される。状態良く蕎麦を手繰る事が出来るようにとの工夫だろう。
幌加内の蕎麦打ち同好会の流れを汲むが、どこか洗練さも感じられる「むっちりもっちり力強い蕎麦」は、セイロの上で踊り出すような躍動感。三たて(挽き立て・打ちたて・茹でたて)の鎧を纏った味わいは、風味甘味共に良好だ。つゆは中濃~やや濃い目。鰹節の風味が前面に香り、コクと旨味が穏やかに主張する。薬味の葱にエグ味があった事は少し残念だったが、トータルでは大満足。蕎麦湯はサラリとした白濁の釜湯だ。
ご主人が尊敬すると言う「高橋名人」も、幌加内新そば祭りの際には宿泊された事があるようなので、こちらの蕎麦は、幌加内蕎麦打ち同好会の流れと、高橋氏のノウハウとの両方が活かされた味わいのようにも感じた。
お酒類は持ち込みも可能だが、瓶ビールや焼酎などは都度オーダーして楽しむ事が出来る。蕎麦焼酎の蕎麦湯割り等も楽しい。
「語らいの時間」
夕食後に一息置いてから、希望者には「果実酒の会」が用意されている。要はご主人との語らいだ。照明を落とし、自家製果実酒を酌み交わしながらの、まったりと落ち着いた蕎麦談義が楽しい。あれこれ蕎麦に関して聞いてみたり、幌加内の町について質問してみる事も良いだろう。
そして天候の良い日には、冬と言えども少しだけ外に出たい。そこには漆黒の闇の中から降り注ぐような星空が待っていてくれる。玄関先には防寒具も用意されているので安心だ。
お風呂
お風呂は小さなユニットバス。しかしながら清潔感満点でありアメニティも充実。リラックスして旅の疲れを癒すことが出来るだろう。
朝食
シンプルな朝食。手作りにこだわった料理はどれも状態良く、特に鍋で炊かれた白飯と、具材豊かでたっぷりの味噌汁が、心とお腹を満たしてくれる。朝の日ざしが降り注ぐ空間で味わう朝食は、何とも心地が良い。私は食後の一服で外へ出た。早春とは言え、ー20℃を下回る、刺すような冷え込みの朝だったが、立ち上る暖房の煙と、心地良い鳥の囀りが、何とも印象的な朝だった。
静かで丁寧なサービス
穏やかなご夫婦の接客は丁寧。付かず離れずのスタンスは、小さな宿では効果的だ。適度のプライベートを保ちながらリラックスしてこの宿での時間を過ごす事が出来る。
「幌加内プライド」
勝手に名付けてしまったが、今回の訪問では「日本一の蕎麦産地 幌加内」の意気込みと取り組みを、色々と聞くことが出来た。名産地に名店無しという言葉があり、幌加内も、もしかしたらそれに当てはまるかも。日本一という冠は、生産量/作付け面積であるのだが、北海道において、そのブランドに頼りながら、粗末な蕎麦を提供する店がとても多い事は事実。そして生産者側も過去には、その名声にあぐらをかいてしまい、微妙な商品を提供していた時期があるのも事実。
但し、その危機感を十分に認識し、町の基幹産業/生命線として、そして町のプライドとして、「幌加内そば」を盛り立てて行こうという動きが活発な事もこれまた事実。この宿や、今回立ち寄った複数の蕎麦屋からは、そのプライドと意気込みを十分に感じ取る事が出来た。やはり幌加内は北海道における「蕎麦の聖地」なのだ。
・・・嗚呼、新蕎麦の季節が今から待ち遠しい。
7位
2回
2017/07訪問 2021/12/11
温根湯温泉(おんねゆおんせん)は、北海道北見市留辺蘂町温根湯温泉にある温泉。国道39号沿いにあり、無加川の清流をはさんで旅館やホテルが立ち並ぶ。「温根湯」の名称は、アイヌ語の「オンネ」(大きな)・「ユ」(お湯)に由来する。(ウィキペディアより)
その温根湯温泉すぐそば、国道39号線沿いにあるレストランが「福寿草」。和洋中折衷の定食系~ご当地グルメ、オホーツク塩やきそばまで、多くのメニューを主に展開する、言わば「地元ご用達系大衆レストラン」だ。
今回はある食事会に招かれての訪問だったので、宴会系メニューはイレギュラーなのかもしれないが、居酒屋的要素もある店なので、要望がある場合等は相談してみると良いかもしれない。
まずはビール他で乾杯!そしてその後に料理達が次々と…内容は…
■前菜(オードブル)
生うに、あわび、うなぎ、からすみ他、高級食材のオンパレード。食の細い方ならばこれだけでお腹一杯?
■殻付牡蠣の蒸し焼き
道東産牡蠣は質が良くて身も立派。美味しい!
■金目鯛塩焼/蟹の天ぷら/帆立ベーコン巻
素材はオホーツク産の一級品。そしてビッグボリューム!
■北海道産和牛ステーキ
程好くレアで旨み満点!美味しいなあ。アスパラ/パプリカ~フライまで、存在感満点の一皿。
■鱧のあんかけ
素材良し。仕上がりはシンプルな安心メニュー。
■生寿司
しっかり一人前。ネタも立派、出来栄えも専門店に勝るとも劣らない。これも中々美味しかった。
■はまぐりのお吸い物
■デザート
トマトをくり貫いた器に、バナナ他のフルーツをマヨクリームで和えるメニュー。昭和的味わいはどこか懐かしい。
上記内容のビッグ(過ぎる)ボリューム!どれも素朴な味わいで美味しかったのだが、やはり食べきる事は出来なかった。よってパックを頂き、詰め合わせて持ち帰ることにした。
とにかく店主さんの「美味しいもの、良いものを、お腹一杯食べてもらいたい!」という意気込みがヒシヒシと伝わってくるような、真心のこもった料理達。「料理は気持ち」という言葉が真っ先に浮かんできたし、そのような味わいがあれば、料理を味わう時間、会話を楽しむ時間がグッと濃くて質の良いものとなる。大変心地の良い時間をありがとうございました。
遠方からはるばる訪ねるという性質の店では無いが、このような店ではきっと普段のメニューも満足出来るものではないだろうか。折を見てレギュラーメニューを気軽に味わってみたい。
8位
1回
2014/03訪問 2014/07/01
朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、北海道幌加内町、雨竜川上流に位置する人造湖であり、レジャーとしてはカヌーやボート、釣りが楽しめ、幻の魚と言われる「イトウ」も稀に釣れる事から、本格派アングラー(釣り師)は勿論、冬場のワカサギ釣りにおけるファミリー層等にも人気の湖だ。
その朱鞠内湖で「冬季ワカサギシーズンの土日のみ楽しめる」という、一軒の蕎麦屋がある。湖のほとり、管理事務所のあるセンターログハウス内のワンスペース、言わば簡易食堂のような雰囲気の店だが、蕎麦はかなりの本格派。地元幌加内で蕎麦農家を営み、蕎麦打ち同好会の蕎麦名人でもある沢田さんが、熱意溢れる蕎麦を打っている。
「もりそば」500円
幌加内町に点在する「同好会系蕎麦屋」特有の、蒸篭の上で踊りだすような力強い蕎麦は「冬そば」と銘打ち、キタワセ種を使用。秋の収穫から数ヶ月経ったこの時期の蕎麦は、程好い熟成感が得られて甘味が増す。更に、雪中で熟成させる手法(寒さらしとは異なる)をとる事で更に味わいが良くなるようだ。
水切りはやや緩め。するするっと手繰り、噛み締めて広がる蕎麦の甘みがやはり心地良くて旨い。つゆはややサラッとして若干甘め、鰹節の風味が前面に効いており、蕎麦との相性は良好。薬味は平凡で、蕎麦湯はさらり透明な釜湯だ。
「ワカサギ天そば(温)」600円
名前通り、朱鞠内湖産のワカサギを使用した天ぷら蕎麦。汁(つゆ)はメリハリの効いた立ち食い風。シャープな鰹出汁の効いた熱い汁に蕎麦が負けておらず、最後まで力強い状態で蕎麦を味わう事が出来る。ワカサギ天も淡白で香ばしく、地場で獲れたてというイメージも良い効果を与えている。
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今回の旅で、蕎麦の名産地幌加内の蕎麦屋を複数軒巡ってみたのだが、「産地に名店無し」と幌加内も言われていた事は、もう過去の話のように感じられた。「幌加内そば」という言葉が浸透したが故に、疑わしき蕎麦粉が出回ったり、割合的にふさわしくない蕎麦や、出来の悪い蕎麦を提供する店が増えた事が、幌加内蕎麦のプレミアム感やブランドイメージの低下を招いてしまっている要因であり、それは事実でもあるのだが、そこに危機感を覚え、自覚とプライドを持ちながら「町ぐるみ」で良い蕎麦作りに努力している姿は素晴らしい。もし幌加内に訪れたならば、是非数件の蕎麦屋を巡ってみて「真の幌加内蕎麦の魅力」を実感してみて頂きたい。
9位
5回
2021/03訪問 2021/03/10
いよいよ今月末をもって69年の歴史に幕を閉じる「東家南19条店」 一度は行っておきたいと言う友を引き連れ最終訪問です。私自身もどうしても食べておきたいメニューがあったので…。
平日のお昼時、閉店を知ってのお客が多いのか普段からなのかは分からないが、次から次へとお客が訪れて満席、待ちが発生する程の盛況ぶりだ。
結論から… やはりこのご主人は仕事が綺麗。天ざるも親子そばも、細かい部分で美しい。
■親子そば 900円
黄身と白身のコントラストとトロトロ加減が絶妙。ワクワクするようなルックスがお見事!但し、蕎麦喰い流れ星、最後までキビシイ事を言わせてもらえば、汁が少し濁っていた事だけは心残り・・・これは汁が少し温かった事が原因だろう。
優しい味わいでありながらも、きちんと主張ある味わいは東家クォリティ。熱い種物は蕎麦がどうしても負けてしまうが、十分に満足出来る親子そば。
私は親子そばもかなりの軒数を経験しているが、クォリティはひいき目無しに上位です。海老天を夢中で美味しそうに食べていた友も満足だったよう。
東家南19条店が、2021年3月末をもってその69年の歴史に幕を下ろす…
南19条店は、東家総本山である釧路「竹老園」で修行を積み、札幌進出の礎を築いた佐藤孫次郎氏の子にあたる博行氏が52年に現在地で操業、その後は子である公昭氏が2代目として腕を振るう。現在の建物は84年に新築したもので、以来どこにも手を掛けていないとの事。電車通りから見える味わい深い建物は、昭和の良き時代を今も感じさせる。
私と南19条店との出会いは、今から約7年前。当時は「北海道中の著名店全て…まずは札幌市内全ての蕎麦を食べつくしてやる!」と蕎麦に対して挑戦的な姿勢で、とにかく数をこなすべく「5軒ハシゴ」などの食べ方を繰り返していた頃だ。
東家各店に対しても、寿楽以外は「大衆系の良くある蕎麦屋」という認識しか持たず、失礼ながら何も期待せずに暖簾をくぐった。すると物腰柔らかい老いたご主人が迎えてくれたのだが、店内を見渡すと綺麗に整頓され整然とした雰囲気に何かを感じ取った「ここは…」
もりそば…何とも言えない江戸前のオーラを纏った存在感。一口手繰ればその粘りあるコシとザラツキある心地良いのど越しに驚き、汁を口に含めば、出汁感豊かで何より返しが強めのキリリとしたやや辛口の味わいに面食らった。
思えば東家を更に見直すきっかけとなったのがその時であり、今現在私が提唱している「蕎麦屋や蕎麦毎に複数の定規を持ってその魅力を計って欲しい」という概念は、この頃からより具体化したのだと思う。
蕎麦に対して挑戦的だった私はその後、素晴らしき蕎麦や店と出会い、良き蕎麦仲間にも恵まれて…いつしか蕎麦に感謝するようになった。「大好きな蕎麦をもっともっと勉強して、もっともっと楽しみたい。そしてその魅力を皆様に伝えたい」とも思った。蕎麦喰い流れ星としてね…
「実直できちんとした仕事が施された、基本的ながらも技量の光る大衆蕎麦」…これが東家南19条店に思う、私なりの形容詞である。それは蕎麦に散らされた板海苔を見ても解るはずだ。そして暖簾を見て下さい…いつも凛としている。
ある記事でご主人は「学校に通う子供達が大人になって、家族連れで立ち寄ってくれるのが何より嬉しいですね」と語っている。私は昨年の大晦日に訪問したのだが、家族連れや夫婦が蕎麦を手繰り、会計時には「来年もよろしく」と挨拶、厨房はセッセと慌ただしい様子で、古き良き町蕎麦屋の安心感と存在感を目の当たりにしたのだ。外には電車が走り、これぞ山鼻風俗なる光景。
毎年最後の蕎麦は、その歴史に敬意を表して東家の何処かと決めている。特に理由こそないが、昨年、一昨年はここ南19条店だった。今思えば何らかの知らせだったのか…と勝手に思う。
69年間… 良い時もそうでない時もあっただろう。穏やかな日も…荒波をも乗り越えただろう、夫婦二人三脚の大航海は、3月末には堂々と安らぎの港に戻り「引退」という形でピリオドを迎える。
「美味しい蕎麦をご馳走様でした。ホッとする時間をありがとうございました。そして長い間お疲れ様でした」
ーーー終わりに―ーーー
2010年春の食べログデビュー、正確に言うと3000レビューは少し超えています。東家さんへ敬意を表するレビューに、節目記念レビューという「私ごと」を交える事は恐縮するし迷いもしましたが、又と無いタイミングであり、私自身の蕎麦喰い論も見つめ直したく、そうさせて頂きました事をお許しください…。ちなみに5年ほど前、天丼セットとかしわ蕎麦を頂いた時が一番美味しかった…しかし何故かレビューも、撮ったはずの画像も無くなっているのが残念です。私のオススメは、存在感ある朱色セイロで提供される「ざるそば」そして「天ざる」「親子・天とじ」ですね。
ここ数年、歳の〆蕎麦は、北海道が全国に誇る老舗屋号「東家」の何処かにしている。令和二年は大晦日、そして二年連続にて「19条店」への訪問となった。何故ならば、こちらの蕎麦が好きだし、ご主人の雰囲気も好きだからだ。
暖簾をくぐる。ピークタイムを過ぎた時間ながら、驚きの満席だ。流石は大晦日、老若男女が蕎麦を笑顔で手繰り、会計時には「良いお年を」の挨拶が飛び交う…いいなあ!これだよこれ。ホッとする安心感、蕎麦屋の魅力はそこにもあるんだ。
ほう、蕎麦屋が一番輝くであろう大晦日の今日は、ご主人と手伝いの職人さん2名に花番2名と万全の体制だな。
「天ざる」1,400円… キリッと冷や〆され、喉越しスルリ、噛み締めて甘い、東家らしい蕎麦。ここは出来栄えも良し。ん?汁は天ぷら兼用のせいかサラリ甘めの別設定だな。
おっと!海老天が美味い!キュッと詰まった立派なエビ、軽やかな衣…いいわあ。
嗚呼、今日の出来栄えなら、角セイロと猪口で手繰りたい…じゃあ「もり一枚追加で下さい!」そう、今日は2,000円も惜しくない。フフフ、大晦日は大盤振る舞いだ!
うん、もり汁(つゆ)はグッと濃いめ、多少角張るが、出汁と返しのバランス良く、東家としては強い味わい。スルスルーっと一気に手繰る。
ふうーっ、満足満足、幸せ気分。今年は良い年だったなあ。
最後に持論をひとつ。
蕎麦は色々。本格派、大衆派等々… TPOに合わせて服を着替えるように、蕎麦も色々着替えて楽しんで欲しい。
そして複数の定規を忘れずに。蕎麦のタイプに応じて物差しを替えて評価してみると、もっともっと蕎麦が好きになります。
来年はどんな蕎麦に出会えるだろう。
来年は蕎麦を通じて、どんな出会いがあるだろう。
嗚呼、蕎麦が好きで良かった。
以上、蕎麦は友達、流れ星でした。
ごきげんよう!また来年!see you!
毎年お店で頂く「蕎麦納め」は、深い意味こそ無いのだが、北海道におけるその歴史に敬意を払い、東家各店の何処かに決めている。メニューは海老天そば。今年は親父さんの真面目な仕事ぶりが好きな「南19条店」だ。
ガラガラー。あ、いらっしゃいませ!どうぞ・・・
天ぷらそばは海老天ですか?
はい、海老天です。
それにしても親父さん、歳をとったな・・・静かな店内、ジュワーっと天ぷらを揚げる音が心地よく響き、期待がより高まっていく。
■天ぷらそば 900円
やや小ぶりの海老天とピーマンの天ぷらが乗る蕎麦。天ぷらは衣がフワリしっかりと付いたタイプで、いわゆる花が咲くタイプでは無いので熱い汁にも干渉しない・・・これは好みでは無かった。
熱い汁はしっかりとした出汁と、若干甘めな返しとのバランスが秀逸で、啜ればジワリと舌に広がり、喉元を過ぎれば胃袋に温かく響くよう。そして東家特有の白っぽさがありながらも適度にザラついた蕎麦が、熱い汁にもギリギリ負けず、汁との混然一体感を醸し出す。ボリュームもしっかりとしている。
途中、海老天を齧りその滋味に目を細める。そのスタイルこそ好みでは無かったが、やはり蕎麦って美味しい。
令和元年・・・
今年も沢山の蕎麦と仲間に出会えました。
来年はどんな蕎麦と仲間に出会えるだろう。
蕎麦が好きで良かった。
皆様良いお年を・・・
「東家が見せた本気」・・等と書くと、たかだか単なる蕎麦好きが生意気な!とも思われそうだが、私は今回それをハッキリと感じたので、そうタイトル表現させて頂いた。
北海道における蕎麦文化の草分け的存在の同暖簾には、正直なところ「町蕎麦屋」としての定規で測ったとしても、総本山竹老園 東家総本店を含めて、あまり良い印象を持ってはいなかった。唯一、札幌市円山エリアの東家寿楽には、それなりの好感と意気込みを感じてはいたのだが・・・
「東家南19条店」
詳しい系譜は割愛するが、暖簾わけの店であり、カウンターは無くテーブル席のみ、15坪ほどの店内は、古くからの営業でありながらも整然としている。入り口の暖簾と行灯を見れば、店に対する「思い入れ」と「プライド」が感じられるのではないだろうか。しかし雰囲気は「町の大衆蕎麦屋」。そしてどこかに感じる「江戸の老舗町蕎麦」の雰囲気は錯覚だろうか・・・
「もりそば」600円
正方形の蒸籠、伝統の古き良き「町蕎麦スタイル」。一見ありがちな蕎麦に見えたが・・・
キリリと冷たく〆られて提供される蕎麦は、白くて透明感のある美しさ。適度なザラリ感でつゆと良く絡む、喉越しの良い蕎麦だ。コシも間延びすること無く弾力系のコシが穏やかで、きちんと茹でられていた。水切り具合も蕎麦の性質を考慮すれば適正だと思われる。
つゆは本返し(醤油)の熟成感と、やや強めで前面に出た出汁が良く馴染み、東家の系列としては若干濃い目。薬味は大衆チックではあったが、店に似合っており及第点、蕎麦湯は潔く透明な釜湯だった。
意外性があっただけに、評価もやや興奮気味ではあるのだが、この店の蕎麦と放つオーラ(雰囲気)は、江戸(東京)の老舗大衆店に通ずるものがあるように思う。私には「東家さんの本気」をおおいに感じた。
実は今回の訪問、マイレビュアー諸氏の高評価に、期待感と半信半疑な想いを持った上でのものだったのだが、結果として大満足。出来れば御礼とお詫びを申し上げたい。そして、その興奮が本物なのかを見極めるために再度訪問し、やはり「もり」、そして「種物(出来れば天ぷら蕎麦)」を味わって、再度レビューしてみたい。但し、この評価はあくまでも「町の大衆蕎麦」としての評価なので、そのあたりにはご理解頂きたい。
10位
1回
2014/05訪問 2014/07/10
この市場は、どちらかと言えば観光客向け…割と高い値段でそれなりの…等と勝手に想像していたのだが、道民でも満足出来そうな店がチラホラとある。こちら「北のグルメ亭」もその一つだ。但し今回は「キャンペーンイベント」での訪問。
「折込チラシ」を持参すると、海鮮丼やマグロ丼をお徳価格でご提供!という「地元還元型」のキャンペーン。マグロ解体ショー等も行われ、地元の方々に少しでも市場へ足を運んでもらいたいという意気込みがヒシヒシと感じられる良い企画。
「中トログルメ丼」1300円(イベント限定品)
「赤身グルメ丼」 900円(イベント限定品)
食べることに欲張りな私達は二品をオーダーして、刺身は半分こ(笑)という「即席二色丼」にして味わう事に。解体したての黒マグロの肉厚さが圧巻!当然味わいも最高だ。米にこだわるシャリも状態良し、花咲ガニの鉄砲汁も風味豊かで美味しかった。キャンペーン価格とはいえ、この内容と味わいには驚きと大満足の二言(笑)。素晴らしい!
感心したのは商品は勿論だが、イベントを盛り上げようという工夫とサービスが「しっかりと行われていた事」。練りに練った企画をスタッフ一同が一丸となり、きちんと徹底して行うパフォーマンスは素晴らしかった。これは出来そうで中々真似の出来ないものだ。
今回の評価はあくまでもキャンペーンイベントに対するものであり、道民や札幌市民が気軽に普段利用する性質の店では無いのだが、道外からのお客様を連れて行く事は勿論のこと、「安・近・短」的な海鮮三昧での利用も決して悪くは無い。こちら「北のグルメ亭」は色々な意味で「強い店」だ。
今年はダイレクトに「思いつき」です(笑)