レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
17回
2025/10訪問 2025/10/06
秋のメニュー落葉きのこ蕎麦、こちらでは数年ぶりに頂く。
●落葉蕎麦 1,600円
器面にびっしり鮮やかに盛り付けられた具材にテンションが上がる。たっぷりの艶めいた落葉きのこが秋を感じさせる。
落葉蕎麦は冷たいスタイル。店主三浦氏の打つ蕎麦は安定。しっかり逞しいコシにザラついた食感でつゆ絡みも良い。
つゆは優しい塩梅でレンゲで飲める。前回は塩気の角を感じたが今回はジャスト。しっかり辛い大根を崩しながら手繰れば味わいのコントラストを愉しむ事が出来る。
種(具材)、蕎麦、つゆのバランス感に秀でた魅惑の秋メニューである。
心空でも蕎麦前を愉しもう!赤星で1人乾杯笑笑
アテは蕎麦屋の玉子焼き。何となく出汁プルプルのテクスチャーや味わいを想像していたが素朴、かなり素朴。一瞬肩透かしを食らった感があったものの、その素朴さがむしろ良くなっていったから不思議。勿論ビールにも合います。
締めはあらびきそばで。店主三浦さんの蕎麦は高い位置で安定。しっかりとしたコシのある麺線で心地よいザラ付きだからスッキリ濃厚系のつゆが良く絡みます。味香もグッド。
この店で「蕎麦前」を愉しむためにJRで札幌入りした。この店の後に大通りで開催中だった「新そばフェス」に行く予定もねじ込んでいたものの…
「アナゴノテンモリ アラビキソバニヘンコウデ」は私が推奨する合言葉。有難い事に私のレビューを読んで、このオーダーをするために来客される方々も今だ多いらしい。ありがとうございます。
■穴子の天もり 粗挽き蕎麦に変更 1,800円
■日本酒(大) 800円
日本酒を注いでもらい、味わいながら天ぷらの提供を待つ…日本酒に関してはビギナーなので美味しいとしか言えないが、こうして酒を味わいながら料理の提供を待つ時間も至福のひとときだ。
程なくして大好きな「穴子天ぷら」が提供される。ゴボウの天ぷらが常連サービスとの事…それ位は通う者の特権で良しだろう(笑)ありがとう。サックリ揚がった江戸前の穴子天、風味ある軽やかな衣と、旨味のしっかりとした穴子が「もうたまらんっ!やめられん!」…しっかりと満足。
酒と天ぷらが無くなる頃に蕎麦の提供を申し出た…
新そば。この店では随時複数の粉を仕入れて、最良の状態を探るが今年は苦労している様子。但し自身が納得出来る蕎麦を仕上げて提供する様は流石の職人だ。
江戸前の名店である「竹藪」出身で確固たる技量を持ち、訪問を通じてやりとりのあるご主人三浦氏だからこそ述べるが、今年(今回)の新蕎麦は美味しいものの、例年程のクォリティや味わいは感じられなかった。普段ブレの少ない職人だけに、特にそれが印象に残った蕎麦。
このレベルの職人になれば、きっとそれに気付き、しっかりと修正してくる事を願ってのレビューとする。
ほろ酔いで満足… さてと、そばフェスでも覗こうか…それにしても雪虫がスゲーな。
4月で6周年おめでとうございます。侍JAPANの白井コーチシールを記念に頂きました…これはご主人が白井コーチの奥様から直接貰ったものだそうです…レア!
この店がオープンした頃にトムちゃんと円山で(閉店)ステーキを食べた後に「行ってみようぜー」と訪問し、2種の蕎麦をシェアして食べた頃が懐かしい。あれから6年か…
■もりそば 800円
今回はあらびきにあらずスタンダードな設定で。滑らかなけどモッチリとボディ感のある麺線で、派でさは無いがしっかりとじんわりと舌に響いてくる味香は、正に心空のシブイ蕎麦。
蕎麦は打ち手の性格が出ます。寡黙なご主人が打つ蕎麦はご主人そのもの。派手さは無いが、しっかりとした技量とさりげない「理論」があるのです。盛り付けや薬味の美しさもあり、名店「竹やぶ」の流れを汲む札幌屈指のハイレベルな蕎麦。
私提唱の魔法の合言葉「穴子の天もりそばあらびきそばに変更」を実践してくれるお客様もまだまだいらっしゃるようで私としても嬉しく、いつも明るい花番さんもありがとうございます‥癒されます。
目指せ10年!これからも訪問します。
【2022ゆく年くる年蕎麦レビュー大晦日SP】
●お江戸からお蝦夷へ 〜寡黙蕎麦
2022年、全てのレビューの大トリはこちら。札幌圏での年内〆蕎麦に早くから決めていた、言わば2022流れ星的「蕎麦オブザイヤー店」だ。
寡黙なご主人の三浦氏は、お江戸の名店「竹やぶ」でしっかりとした修行経験のある筋金入り職人だ。彼の蕎麦を私なりに表現するなら「安定の高品質」派手さは無いが何処か品があり、日々のブレが少ない。
さて、私が好きなメニューはズバリ今回注文したメニューだ。何度かレビューにて紹介しており、それを読み店を訪れたお客様も結構居るらしいので、私としてはレビュアー冥利に尽きると共に、ある意味でのプレッシャーを感じる。
■あなごの天もりそば(あらびきそばに変更)1,800円
蕎麦はやや粗めのオーソドックスな細切り。もっちりとした麺線で、噛めばジワリと蕎麦本来の味が滲み出る。
つゆはキリリとした返しに上品な出汁感のスッキリ中濃、どこか気品も感じる味わいだ。
穴子天はごま油ブレンドで薄衣がサックリと香ばしく、小さな蕎麦屋としても出来る限り良い穴子を仕入れているというだけあり、旨味がしっかりとある…美味しい。
思い切り持ち上げたが、今回は珍しく蕎麦に切れがあった…再度言うが珍しい。このエラーはまだまだ成長の余地があると言う事にしておこう。ね、和製タイガーウッズのような三浦さん!
【最後に】
今年一年も蕎麦喰い道を突っ走ってきたつもりですが、他のグルメも色々と楽しんだ無理の無い、充実したグルメ活動だったように思います。
蕎麦職人さんらのムーブメントを通じてより親しくなった場面あり、お会計時にコミュニケーションをとれた楽しさあり、SNSを通じたやりとりあり…職人さんと蕎麦喰いの有意義な綱引き。
そして私のレビューで後追いしてくれる老若男女のレビュアーやインスタグラマーも更に増えました。遊び心で師匠だったり神だったりと呼んでくれて‥食べログでの新弟子はのっちむさん、ソバオ.comさん。古株ならしーしし、ケイポンさん、HIRO's、ちーすけ、ににすけ氏…
来年度も良い意味でプレッシャーに感じながら、責任とプライドを持って蕎麦レビューをしていきますので付いてきて下さいね。そして全門下生の諸君、感想が異なる場合は遠慮なく表現してください。
その感想の葛藤と擦り合わせが道となり、その一歩が蕎麦シーンを盛り上げる道となる…迷わず行けよ…行けば解るさ! …1…2…3…
私は蕎麦が心から大好き ダ―———-ッ(笑)
皆様、良いお年をお迎えください。
店主三浦氏の安定感は増すばかり。札幌でも指折りの職人さんだ。今日は秋を感じたくてフラリ…
■落葉きのこそば(冷) 1,400円
見た目からオーラ全開。秋を実感するたっぷりの落葉きのこ、風味良く厚手の海苔、しっかり辛い大根、アクセントとなる刻み葱、具材を蕎麦色にまとめる削り節…バランス感も良好だ。但し少し葱のカットは雑ね。
冷たいつゆは、ぶっかけとしては割と強めに効かせているので、そのままゴクゴク飲むには角が立つが、一体感と言うよりも具材と蕎麦を味わうには上々。蕎麦は勿論「心空カラー」。細切り繊細なルックスとは裏腹に、密度濃いドッシリ感のある力強さは心空の真骨頂だ。
むむむ…秀逸。最後は蕎麦湯を別途差し出される猪口でそのまま飲みつつ、残った汁を割る…ふふふ、美味いよ。
季節を上手に取り入れるご主人のセンスは、やはり蕎麦喰いの心を惹きつける。
私は職人・三浦氏の存在感とその飄々とした立ち位置が好きだ。
名店「千寿竹やぶ」直系のISMをしっかりと踏襲しつつ、尚進化を遂げるものの‥‥ 決してぶれないクォリティは流石の一言。今後の札幌蕎麦シーンにおいて更に重要な存在になるだろう職人なのだ。
蕎麦は江戸前に少し蝦夷前混じり。
あらびきそばは、決して目立たぬとも、内に秘める闘志と蕎麦の力強さがしっかりと宿る。シャイなご主人同様、背中で語る蕎麦だ。
…美味い。
この日は偶然にも、私のレビューを参考に「穴子天+あらびきそば」を食べに来たという年配御夫婦に挨拶を頂き、何だか恐縮。このようなお客様はチラホラ増えているようで嬉しいものの… 「ありがたいが「忙しい時にはお待たせしてしまう…」とご主人。
…だよな。
でも、穴子天とあらびきそば
…絶品だぜ。
五周年を迎えた彼の蕎麦を知るファンで満席の忙しさの中、飄々と仕事をこなす三浦氏は江戸蕎麦の名店、千寿竹やぶでしっかりと修行した蕎麦職人だ。
彼の打つ、江戸前の基本に沿う蕎麦は何時も安定。まだ40代半ばの年齢ながら、燻銀のような渋みも放ち始めている。そして太白胡麻油をブレンドし揚げる天ぷらも魅力のひとつ。
ふらり立ち寄ったこの日のあらびきそばは東神楽産。手繰った際に感じる、じわりと深い蕎麦の味香りには奥行きと重厚感さえ感じる。キリリと濃い江戸前つゆと合わせて幸せ気分。
「色々な考えはあるが、自分は北海道産の蕎麦粉に拘りたい。北海道の水との親和性も良いでしょうしね」
自信があり凛とした表情でしっかりと答えてくれた。私はそれにも納得。
北海道外からやってきた蕎麦職人が、北海道に拘ってくれる事には嬉しい限り。益々目が離せない存在だ。
年の暮れ、私は例年だと北海道蕎麦リスペクトとして何処かの東家で「蕎麦納め」をしているのだが、今年は仕事の日程もあり趣向を替えて三店舗を定め、大トリは今年大好きなメニューに出会えたこの店に決めた。
28日のお昼は、この店の美味さを知る蕎麦喰い達で満席の盛況ぶりだ。
◆穴子の天もりそば あらびきそばに変更 1,700円
素材にしっかりと拘るご主人オススメの穴子天は盤石の美味しさ。胡麻油フワリの薄衣はサクッと軽やか、穴子はほくほくで旨味充分。塩で良し、旨い天つゆに潜らせても良しで、早くも幸せ気分。
今回は何よりも蕎麦が衝撃的。ご主人も納得の今年度産キタノマシュウの粗挽き蕎麦は逞しい質感で、色味や香りは新そば感を維持しつつ、豊かな熟成感が加わって強い味香。もうヤバい位に美味しくて感動。キリリとした輪郭の江戸前辛口つゆとの相性も抜群。各々の盛り付けもバッチリ。
実 に 素 晴 ら し い !
シャイなご主人が打つ粗挽き蕎麦は、江戸前の老舗名店「千寿 竹やぶ」で修行の基礎がしっかり、そして努力とセンスで更に進化していると思われる。そしてこちらの蕎麦はいつもブレが少なく一本筋が通る印象。それは確固たる技量の証とも言えるだろう。
1〜2月の熟成期は断然オススメ。穴子が苦手でなければ是非、流れ星オススメのオーダー「穴子の天もりそば〜あらびきそばに変更で」をお試し頂きたい。
私がお昼の最初客。ご主人と少しだけ蕎麦談義をして、今年も良い締めくくりとなりました。
※尚、蕎麦粉は2種の産地でローテーションしています。
とある蕎麦情報局から「沼田産が良いので是非訪問を」とメッセージが入ったので、ほう…とタイミングを見て訪問。
おっと、この日はキタノマシュウ…ご主人に聞けば、今は常時複数の蕎麦粉を扱い使い分けているとの事。なるほど、それも良い蕎麦を提供するための工夫と言えよう。
■あらびきそば 800円 キタノマシュウ新そば
おおお、この青々しい色味は今年一番だ。テンションが上がる。もっちりとして心地よい弾力のコシ、青さと香ばしさが混在する香り強く、後味には自然な蕎麦本来の甘味がジワリとリフレインする幸せ。
ご主人曰く、今季のキタノマシュウのクォリティには驚いた… それは私も同感であり、合わせて富良野美瑛産にも好印象を持っている。
この日の蕎麦は「存在感が際立つスター蕎麦」…確固たる技量に裏付けされた燻銀の蕎麦に、キラリと光る装飾が加えられたような…そんな特別感が得られた。
カウンター右端のほうに陣取れば、シュワ―っと揚がる軽やかな音が聞こえてワクワクする。そう、今大のお気に入りである穴子天の話。
こちら、東京の老舗名店「竹やぶ」で修行を積んだご主人が黙々と厨房で踊る蕎麦屋。私が思うにブレの少ない店です。勿論蕎麦は繊細なもの…日々若干の変化は付き物ですが、その振れ幅が少ないのは技量、そう修行の賜物なのでしょう。
■穴子の天もりそば 1,600円
9月下旬は黒松内の新そば。青々しさよりも滋味深い蕎麦の味の鮮度と縁取りが特徴。良く繋がり、喉ごしの良さも良好な蕎麦、新そばのインパクトは控えめながら完成度は高いです。
そして蕎麦屋の穴子天! …実はこの日、自分自身の誕生日でしたので、顔見知りとなったご主人にその事を伝えたところ、天ぷらがプチグレードアップしていました。普段は寡黙ですがユーモアセンスとおもてなしの姿勢があるご主人です。
サクリ!ホクホク、ジュワー‥‥
早速齧り付くと、薄衣が軽やかでゴマ油の風味も淡く立つ、穴子の旨味満点の江戸前天婦羅で幸せ気分。これ、これです。そのままで、そして加減と出汁感も良好なおろしたっぷり天つゆで… 顔が自然と綻ぶ美味しさがここにあり。
蝦夷で感じる江戸前気分。
ブレない魅力がここにあります。
道内産新そばの登場だ。思えば2年前は常連さんと店主の会話に聞き耳を立て、学習と称して新そば訪問、そして今回は友人である蕎麦小町さんから勧められて早速。この店は例年新そばが早い。
聞けば、例年だと摩周産新そばを使用しているが今年は遅いらしく、今年は現時点で仕入れられる奈川在来種を採用したとの事。
■穴子の天もりそば(あらびきそばに変更) 1,700円
ストーリー… 淡麗なる香ばしさ静かに薫り、手繰れば奈川在来種らしい後追いの甘味の余韻長し。押せ押せの新そば感は控えめながら、新たる生命感がしっかりと感じられる蕎麦。キリリと濃厚な江戸前汁との共演もまた「雅」。但し今年の北海道産新そばはもしかすると全般的に押しは控えめなのかも。
そして今回は穴子天の上手さに目を丸くする…これは責任もって美味い。箸で切った見た目からオーラあり。素材の味わいが活きる薄衣は軽やかでサクリッ、そしてフックラの身を噛めば、パッと口の中に質の良い旨味の花が咲く。加減の良い天つゆとの相性も最高で、椎茸他の野菜も素材の魅力が活きており美味い。
新そばの魅力に全く劣らない、ご主人自慢の江戸前穴子天の魅力… 蕎麦屋の穴子天としては私的にかなりの上位、これは是非オススメしたい一品だ。もうレベルが違う。
この店は初訪問から好印象。そのブレのないしっかりとした調理感は、名だたる江戸前老舗屋号での修行で得た宝物。私は今後もブレずに突き進む事を願いながら、もっともっとこの店の魅力を感じてみたい。
嗚呼、やっぱり蕎麦って素晴らしい。
花巻蕎麦は江戸時代に考案されたとされる食べ方で、かけそばに浅草海苔をもみ散らした蕎麦だ。
今やそのスタイルも色々だが、私は香り立つ最初の華やかさから徐々に汁に海苔が溶け出して、最後は蕎麦に絡みつき渾然一体となっていく、儚さのストーリーがある花巻が好きだ。その際は蓋が乗っていれば更に粋。
■花まきそば 1,000円
綺麗に咲いた磯の花。ふうわりと立つ香りに心奪われつつも、麺を延ばすまいと急いで箸で手繰る。蕎麦は少し柔らかくなるが大地の味をしっかりと感じる。そして大海原である熱い甘汁は、出汁感穏やかで返しも上品ながら不満を感じさせない絶妙な加減。ゆえに磯の香りや蕎麦の味わいを引き立たせる。そして徐々に溶け出す海苔と絡んだ蕎麦と汁が渾然一体となる幸せ。
しっかりと感じた18分のストーリーと江戸前風情、貴方も如何でしょうか。
嗚呼、やっぱり蕎麦って素晴らしい。
冷たい汁を絡めて手繰る「ぶっかけ」と共に、徐々に市民権を得てきているのは「冷かけ」スタイル。そう、冷たい汁がなみなみに盛られた蕎麦だ。そして見た目も華やかな「すだちそば」は、東京のある店が発祥と言われており、比較的最近のものらしい。しかし良いものは瞬く間に広まるもので、今では多くの店が夏の風物詩として「すだちそば」を提供するようになった。
■すだちそば 1,000円
東京の名店「竹やぶ」で修行したご主人が作る「すだちそば」…まずは華やかな見た目ながら、どっしりと貫禄のあるオーラが満点、これは明らかなるセンス。汁は落ち着いた出汁に優しい返し、ごくごくと飲める加減と冷たさが心地良く、すだちの香りと時々噛んだ時の酸味が爽快だ。そしてより細く感じる蕎麦は、冷や汁と絡むとより甘味が感じやすいのか、くっきりと輪郭のある蕎麦の味わいが印象的だった。
…これはかなり美味しい。そして暑い夏に圧倒的なおすすめ。
うん、蕎麦ってやっぱり最高だ。
雑誌「蕎麦春秋」を読みながら提供を待ちましょう…
お、毎度カウンターから眺められる、ご主人が背中を少し丸めながら、笊に蕎麦を伸ばしていく水切り工程が好きだな。
今日は久しぶりに基本の「もり」をオーダー。ん?聞き耳を立てれば、今日の蕎麦は「摩周産」のようだぞ、楽しみだ。
ふふふ、やはり基本に忠実で、歴史背景も背中に背負ったような並粉蕎麦。言わばステレオタイプであり、その範囲の中で個性や表現したい事を蕎麦に注ぐ事は難しいだろうが、しっかりとそれが出来ているのが「心空の蕎麦」なのだろう。
水切り具合良し、これぞコシと言える穏やかな弾力良し、噛みしめて広がる甘味良し。そして汁はムチムチの返し(醤油)で甘さ控えめの北海道的辛口仕様、この汁の完成度にも要注目。
今回のクォリティには脱帽。時期折々で粉の力を蕎麦に纏う事が出来れば、スタンダードな並粉蕎麦のほうが満足度が高いのかも。
基本に忠実の中に光る個性。この感覚は、30年前に食べて感銘を受けた「正直庵」に似ているな。勿論蕎麦は異なるがね。もし言うならば「哀愁すら漂う蕎麦」。
見たところご主人は、職人の世界で言えばまだ若そう。現時点でこの蕎麦があるのなら… 未来の楽しみ、いやいや「札幌の今蕎麦」から目が離せないな。
9月初旬、新そばと思い込み訪問も提供は来週からとの事。粗挽きそばを頂いたのだが、一週間後にどうしても新そばを試して見たくて再訪問、自分自身の勉強の意味をこめて再度同じメニューとした。画像を含めて少々解り辛いが、比較対象レビューとさせて頂く。
■(新そば直前)あらびきそば 800円(税込み)
温度はぬるくホニャリとした食感、水切りはややタイト。その温度に関しては粗挽き蕎麦としてならアリとも言えるが、繋がり重視か、やや平打ち気味は個人的に好みになれない蕎麦。風味甘味も特に感じない…時期が悪かったのだろうか、元々の美味さを知っているだけに今回は肩透かし。
汁はシャープな旨味に生かえし感のある融合感、のちほのかに苦味。濃厚でやや辛口寄り。個人的にはもう少し洗練されると嬉しい。薬味は本格派の蕎麦に対しやや平凡。蕎麦湯は白濁の釜湯だった。
■(新そば)あらびきそば 800円(税込み)
まずは青々しい色が違う。そして何か意図があるのだろうか、微妙な変化ながら、平打ちから少しスタンダード系に変化している。今回の水切りは適度、温度はぬるい、ホニャリとしたコシは心地よいモッチリ感に変化した。蕎麦自体に瑞々しさあり。
なにより「香りがスゴイ!」 蕎麦自体の香りが湯気のように発散する訳では無いが、口に含みズルズル―っと手繰った時に、鼻腔を抜ける香りが素晴らしいのだ。これは正に新そばの醍醐味!是非皆さまにも試して頂きたい。そして噛んで、蕎麦の粗挽き感が口の中で解けて広がる甘味も上々だ。
ちなみに当然ではあるが、汁(つゆ)や薬味、釜湯は前回と同じだった。
こちらは私が勝手に思う、若手注目店。江戸前の流れを汲み、おそらくは研究熱心であろうご主人が
提供する蕎麦は、蕎麦前を含めてハイセンス。但し、ワンオペなので混雑時は料理の提供に時間がかかる事がある。その辺りは今後乗り越えるべき課題だろうか。
新そばもタイプ的には、違いの振れ幅が少ないタイプもあり、優劣は簡単には判断出来ないが、ここの蕎麦はその魅力はキッチリと引き出されていた。
明るく清潔、シンプルだけど今風な空間。お江戸の老舗「千寿竹やぶ」での修行経験があるという、若手ご主人が一人で切り盛りしているオープン間もない本格派蕎麦屋。
メニューは精鋭シンプル派だが、うどんもあり・・・~ん?これは必要なのかな・・?蕎麦前は要所をおさえているね。甘味もあります。期待ワクワク。
「もりそば」 700円
「あらびきそば」 800円
もりそばは、オーソドックスかつ王道を行く並粉蕎麦。プリシコの程よいコシで、風味甘味もさりげなく効く「手打ちの優等生スタイル」。
あらびきそばは最近人気のスタイルで、こちらは「もりそば」同様細め。しっとりとした食感で、何よりも風味、特に甘味が素晴らしい旨い蕎麦。インパクト大です。
つゆは江戸前系辛汁。すっきりメリハリの効いた主張するかえしに、濃厚にとられた穏やか出汁が支える、蕎麦に負けず劣らずの魅力的な味わい。
薬味は、山葵良し、葱は蕎麦や汁と比較すれば要努力かな。方向性は良いが若干雑。蕎麦湯は白濁とろり、粉混ぜかは記憶が飛んでしまった。
うーん、自分好みのスタイルかつ、ポテンシャルの高い蕎麦、そして旨い汁。新店ならではのオペレーションにおける「ぎこちなさ」がとれると、更に魅力が開花するだろう。江戸前派や喉越し重視派、そして種物には「もりそば」を、インパクト重視派や、蕎麦をそれほど食べていない方々には、まずは「あらびきそば」をオススメしたい。蕎麦が更に好きになること必至。
2位
1回
2017/07訪問 2017/09/12
2017年初夏、気が置けない異業種の仲間達との、半年ぶりの再会の場としてネット予約して伺いました。名店がならぶ「ふらりーと」にある小さな店は、和モダン・・というよりは、現代風炉端な雰囲気であり、清潔感のある、趣満点の空間で居心地も充分です。今回はホットペッパークーポン使用で、4000円呑み放題のプランでの利用でした。
結論から言うと参加者みんな大満足。お通し~刺し身から始まっての各種料理、後半は稲庭うどん、デザートで〆。全体のボリューム的にも丁度良い感じでした。柚子を効かせたザンギ等、料理にはオリジナリティもあり、飛び抜けた個性等はありませんでしたが、どの料理もしっかり丁寧な調理で満足出来ました。接客も、素朴居酒屋系ながらも一生懸命、特に不満は感じませんでした。
現在は既にかなりの人気店、インバウンドのお客も多いので、フラリと・・・と言うよりも、電話やネットで予約しての訪問をオススメします。
3位
2回
2017/01訪問 2019/02/24
一度目の訪問で、強く惹かれるものがあったので、師走、ある日の宴会は私が幹事、異業種の若手経営者達を連れて、予約して伺ってみた。今回は総勢10名での利用だったので、二階座敷席に案内された。大広間的な部屋に座卓が並ぶローカルチックな雰囲気。今回は特にコース等は設定せず、各々好みの品をオーダーするスタイルとした。
王道の酢大豆から始まり、定番の卵焼き、キンキの煮つけやホッケ焼き、刺し盛り、切り込み、沖漬け、立ちポン、そして元々の人気かつ「孤独のグルメ」で全国区になった、チャップ焼きやタレご飯、きのこ汁まで。。。
やはりどれも美味しくて満足。特に、刺身盛り合わせは圧巻。メニューに多い「鰊」の刺身は、同席した札幌で勢いのある水産会社の若旦那も目を丸くしていたので、鮮度と質が良いのだろう。
大人気店故のジレンマか、料理の種類によっては「作りおき」で対応するものも多く、二階広間では、一階の圧倒的雰囲気を味方に付けられない分、期待し過ぎると拍子抜けする方も多いかも知れないが、基本的に手の込んだ、居酒屋としてのセンス溢れる「素材の力を大いに借りた、引き出した、素朴ながらも非日常な料理」を味わいながらの酔い酒は、心と舌を十分満足させるにふさわしいポテンシャルを持っている。
。。。だけれども、この店の圧倒的かつ最大の魅力は「一階カウンター前」。そして「独酌」が一番ハマるタイプの店なのだろう。
「独酌」~ひとりで酒をついで飲むこと。それが究極に似合う居酒屋、それが独酌三四郎だ。昭和21年創業の老舗格。ここでは是非カウンターをおすすめしたい。似合う季節は雪深い真冬。
ねじり鉢巻、どこか郷愁を醸し出す背中が印象的なご主人と、割烹着姿の凛とした女将の二人三脚で織りなす、素朴ながらも一芸のあるような、少数精鋭の料理達、それをさらに美味しくさせるような、木を基調とした民芸調で、古くとも心が優しく包まれるような店内の空気感、店を構成する全ての要素が、程よい相乗効果を織り成し、独酌三四郎という特異空間を創り出している。
■新子焼き 900円
代表するメニューの一つ。炭火でゆっくりじっくりと、柔らかくふっくらと焼き上げられた、焼き目も香ばしい若鶏肉に、甘さは控えめの長年継ぎ足された醤油タレが良く馴染む一品。こちらのタレは、角が丸くて円熟の深い深いコクが、もはや貫録をも感じさせる旨さ。この新子焼きだけを求めて足を運んでも損は無い。
■神の河(麦焼酎)500円
女将おすすめの焼酎。二条大麦100%を原料に使用し単式蒸溜による原酒をホワイトオーク樽に3年以上貯蔵した、琥珀色の長期貯蔵麦焼酎。長期熟成ならではのふくよかな香りとまろやかな味わい。
■お通し(大豆酢漬け)500円
名物料理の一つ。さっぱりとしながらも、噛みしめて味わい深く、じっくり呑むための、舌と心を整えてくれるような一品。
■大根煮
素朴という言葉がピッタリの味わい。薄味で出汁重視。当日の大根は割と固めな仕上がりで、常連さんオススメの一品。
■おかみ手造りにしん漬 550円
■鰊切り込み 500円
おかみ謹製の料理達もこの店の魅力の一つ。鰊を使用したものが多く、どこかホッとしつつも、匙加減にすぐれた塩梅で、酒によくマッチ。
人気ドラマ、「孤独のグルメ」で取り上げられてから、より一層の混雑となり、しみじみ呑む事と、良い店・料理がより一層認知されていく事との、言わばジレンマ状態が継続している同店。決して華やかな料理が並ぶ訳では無く、一品一品の価格もやや高め。但し、どこか心の隙間を埋めてくれるような、ホッとする時間と空間、そして料理があることは確かであり、その至高とも言えるのがこの店である。店の魅力をより一層感じ取るならば、少人数、出来れば一人でのカウンター利用が必須だろう。やはり「独酌」がよく似合う。
4位
1回
2017/08訪問 2017/09/18
厚別区の人気ネパールカレー店。店内はカウンター席やテーブル、小あがりもあり、割と広い。
■ネパールセット 1,050円
チキンベジタブルカレーとマトンカレー、プレーンナン&ライス、サラダのボリューム満点セット。比較的あっさりとされるネパールカレー、インド系はバター等でファッティ、おそらくは日本向けにアレンジされていて、いずれも魅力的だが、こちらのネパールカレーは、あっさりながらも適度に「旨み」を計算して効かせたような、コク深くて具沢山なカレー。ラムは食感を残しつつも柔らかく煮込まれていて、下味を含めてやはり旨味が強い。ただ、それが故に後半やや飽きが来る場合もあるかも知れないが、基本的にとても美味しいラムカレー、ベジタブルも食感豊かでマイルドな旨み、いずれのカレーも実に美味しい。辛さは辛口を選択したが、案外穏やかな感じだ。
オイル感、もっちりふわりのバランス感に優れたプレーンナン、パリパリ感は控えめでアッサリ系、旨味あるカレーとの相性が良い。ナンや炊き上がりパラリのライスを含め、全体のボリューム感もドッシリしているが、カレーの分量も多いので、最後までしっかりと楽しめる。サラダはフレンチドレッシングでスッキリ。
今回頂いた「ネパールセット」は、ボリューム感があり、トータルバランスに優れた、コスパ良好な満足セット。初めての方にもオススメしたい。個人的には、異なるペースト「赤・黄」「赤・緑」「黄・緑」などの組合わせバリエーションも欲しいところだ。尚、人気店のため、昼夕ピークタイムでは、店前数台分の駐車場の混雑度・難易度が高い。
5位
1回
2017/09訪問 2017/09/27
成長著しいニセコエリアにおいて、同じく元気印なのがニセコ高橋牧場。敷地内に新築開店した「マンドリアーノ」はニセコ高橋牧場のチーズ工場に併設されたピザショップである。自社牧場で絞った新鮮な生乳を使ったフレッシュなチーズをのせて焼き上げるアツアツのピザを提供している。開放的な店内は、大きな窓から羊蹄山を望み、木を基調としたシンプルな調度は、やや簡素でチープな印象も否めないが、セルフサービスの店と言うことで割り切って利用するべきだろうか。サービス面もややぎこちない。
■マルゲリータ 980円
注文と同時に生地を練り、窯で焼き上げるスタイル。生地は程よい塩分で適度にサクッと適度にモッチリ。トマトソースは割とフレッシュな感じで軽め、チーズもクセの無いフレッシュなタイプ。バジルの量が少なかった事が悔やまれるが、バランス感もあって、総合的には美味しい満足PIZZA。
今回の初訪問は、ひょんなご縁から、チーズ造りの賢人にお供させて頂いての事だったが、その賢人も、やはりこちらのチーズは美味しいと評価していた。
店は大きなガラス張りのチーズ工場と繋がっているので、チーズ造りの施設・器具や、時間によっては作業風景を見学出来るところも楽しい。
6位
1回
2017/05訪問 2017/05/23
どこかホッとするような、ほのぼのと清潔感のある空気感とサービス、そして肩ひじ張らない「手造り創作料理」。割と女性的な雰囲気であり、女性同士安心して利用出来そうだ。勿論、男性でも気兼ねなく愉しむ事が出来る。
季節の小料理、居酒屋的定番、お店イチオシの創作系・・・今回は、MBmbさんとのハシゴ酒での三件目ともあり、料理は限られた注文に留まったが、中でも「豚キムチ天ぷら」は、サクリと軽い揚げあがり、豚肉のコクとマイルドなキムチに、適度な衣の甘さが絡んで良いハーモニー、バランスのとれた角の無い旨みで、どんどん酒が進みます。昔ながらのオムライスも「優しい家庭味」でありながら、やはりプロの味でもあり、トータルのバランス感が良い。このような安心感のある家庭的オムライスは、意外に外食で探すのは難しいのかも。
予約で伺えば、予約者名で感謝のカードが席にさりげなく置かれたり、解りやすいメニュー表記、女性らしい細やかな気配り等は、一見ありがちなサービスでもあるが、この店はそのサービスであったり、ツールを上手に使いこなし、基本のしっかりした家庭風創作料理との良いシナジーを獲得出来ている所が素晴らしく、禁煙を徹底している事を含め、この総合的な空気感を演出出来る居酒屋はきっと少ないだろう。
「草食気分」・・とでも言おうか、何となくギラギラしたビジネス話や愚痴のようなマイナス話は、この店には似合わない。そのようなシチュエーションは、しみじみ呑める焼き鳥屋さん等に任せて、親しき友や、気の置けない仲間たちと「ほのぼのと、ゆるりゆったり前向きに」利用したい。
7位
2回
2019/09訪問 2019/09/30
既に人気店。予約しなければ入れない事も多い。チラッと覗くと運よく一卓空いてたので入店。本日のハシゴは4軒目、蕎麦前としてはここ2軒目の蕎麦で、しーしし氏を軽く捻り潰すつもりだったが、案外サラッとついてくる・・・むむ、真性の蕎麦っ喰いかつ呑兵衛なのかな。まずはビールで乾杯。お通しのジャガいも出汁バター(勝手に名付け)は、淡くもジャガの味わいが良くバランス感も絶妙。
■倶知安産無農薬枝豆 500円
盛り付け丁寧。豆も味濃くカットも丁寧・・・
■栗とクリームチーズのそば味噌和え 750円
季節感があって見た目も美しい感じ。栗の甘さと味噌の塩気とコク、そこにクリームチーズの酸味と脂肪感のハーモニー。これ日本酒には好パートナー。
■ハモ天ぷら 900円
江戸前っぽくハモでしょう。でもこれは・・・カラリ揚げは良いがフリット気味、シンプルなハモの魅力は感じられない。
■仙禽(栃木)日本酒 850円
店員さんオススメだったと思ったけど、やややっつけ仕事の店員さんのアドバイスは右から左に抜けていたよ。でもすごく忙しそうだったから仕方ないとも言えるかな。
■せいろ 730円
おー!やはり良い仕事。まずはその風味、良いです。汁は強く、雑味無い出汁の深いコクに生返しのようなシャープさ。江戸前系ですが、居酒屋的酔客向けの仕上がりとも言える。これは美味しい。
相変わらずご主人も穏やかで感じ良し。やはりここは実力店であり、本格蕎麦としてのクォリティも十分だ。
すすきのは、とあるビルの階、カウンターにテーブルが数卓、いまや使い古された言葉ではあるが、隠れ家的な空間であり、メニューは、更科と十割並粉の二種の手打ち蕎麦を中心とし、お酒のアテもスタンダード系から創作系まで充実している「蕎麦居酒屋」である。
ハシゴ酒での最終訪問店、酔い舌での記憶で申し訳無いが・・・
「蕎麦」
十割並粉はプリシコな食感、適度にザラリ、若干マッティでぬるめで提供、水切りは適度。更科も適度なザラ感で喉越し良好、更科ならではの甘味も良いが、蕎麦自体の繋がりが緩い。
汁(つゆ)は、やや辛めの流行系で、まったりとした印象。個人的には、よりシャープさ及びキレが欲しいと感じる。旨味を利かせたり。苦味があったりと、まとまりに欠ける印象もあり。薬味は上質で評価出来る。「からすみ」という、言わば変わり種も楽しい手繰り方であり人気との事。お腹を満たしたい場合に良いが、出来ればこの店では、お酒の後にシンプルに蕎麦のみを手繰るほうが「粋」なのかも。
「お通し」「天ぷら」「卵焼き」
当日のお通しとしては、いわゆる雲丹ヤッコは淡白で滑らかな豆腐と濃厚雲丹の味わいは食感のベクトルが同じ方向なので良いシナジー。添えられた蕎麦の実が雰囲気あり。頭も提供される車エビ天は、淡泊でカラリと揚げられて、プリッとした旨味ある身の存在感ながら、あっさりとした衣が天然塩とも良く合い、主張が多くとも、何色にも染まる余白もあり、お酒や蕎麦に最適な存在感。粋で鯔背な江戸前らしい一品。
卵焼きは角張ったスタイル。穏やかプリッと、適度に甘い。主役にもなり得るが、控えめな裏方もこなす、蕎麦の人気パートナー。但しちょっとこじんまりとしているので、この店ならば、もっと先鋭的で個性派な存在感を出しても良いのでは??
酔いどれ初訪問の今回は、接客サービスや雰囲気を含め、十分満足できる時間ではあったのだが、蕎麦や蕎麦前、そして少しチープな印象の手書きメニューに関して、共通に思った事は若干の「隙」。特に蕎麦は評価の割には満足度はやや凡庸。但し、その隙は「伸びしろ」だったり「親しみやすく居心地の良い空気感」だったりと私は捉えたい。今後おそらくは、すすきのの「夜蕎麦」を代表する蕎麦居酒屋として、存在感をより誇示していくだろう。
蕎麦は江戸前等のように、歴史と伝統様式に良い意味で縛られながらも気楽に楽しむスタイルや、より遜った庶民系大衆蕎麦や食事的利用、趣味が高じた探求系蕎麦、更には、現代流行の異端児系に代表されるように、従来とは全く異なる手繰り方等々、様々な楽しみ方が確立されており、それら全てが一つの「蕎麦文化」と例える事が出来そうだが、私が好きな「不易流行」という言葉通り、大事な本質は守りつつも、時代の流行に応じて変化させる考え方もまた大切であると思う。こちら「耳」の蕎麦前スタイルも、言わば不易流行。本格派蕎麦と王道蕎麦前を用意しつつも、現代嗜好に合わせたラインナップを用意している点が、現在の盛況ぶりに反映されているのではなかろうか。
8位
8回
2025/06訪問 2025/07/24
星月夜さんのレビューをみて、味噌にも合いそうだなと訪問。
ねぎトッピングに味玉トッピングも忘れない。ほう、やはりこのくらいの豪快さが良いよね!村中系のこってり味噌にシャキシャキたっぷりのネギが絡んで一体感のある旨味のハーモニーを奏でます。
栄養価もたっぷりで風邪予防!
苫小牧で村中系を味わうならば、こちらか朱雀が挙げられる。村中系の真骨頂はやはり味噌なのだろうが、私は基本的に醤油派だ。もちろん気分によっては味噌は勿論、塩も選択するし、どれも大好きな味わいでもある。
こちらのラーメンは、村中系として見るならば、その個性や世界観はしっかりと踏襲しつつも、油の厚みをメリハリを含めて少し穏やかに仕上げているが、方向性としてはしっかりと縁取りとパンチを感じる味わい。具材の火入れやスープの熱量を含めて、ブレが少ないしっかりとした調理技量を持っているようだ。
ランチはしごをしない場合は、ラーメン単体では物足りない事が多く、今回は山わさびごはんを合わせてオーダー。ツーン!と辛くて醤油味の付いた山わさびが爽快。これ、案外ハマるかも。
安定の村中系に、最近覚えたネギトッピング‥‥ 香ばしい黒醤油とネギも相性良し。アリシン効果で風邪予防も期待出来るね。
うん、美味しい。
ラーメン!な気分となれば、意識はもうまっしぐら。今日は久しぶりにコッテリ系の醤油が食べたい… ならば!と選択したのがこちら。純すみ系で札幌からの移転組ラーメン店。
「醤油+煮卵トッピング 920円」
油厚め、出汁しっかりのやや甘め、深くと香ばしい黒醤油系で、以外と塩分抑えめの食べ易さ。ブリブリの麺にホロホロのチャーシュー、たっぷりネギのハーモニー。大好きな煮卵も良い仕事。
うん、食べ易くて安定の美味しさ。今日は寒いからより染みるねえ。
再訪問。店前の他に、道路を挟んだ裏手に6台分ほど?の駐車場の用意があるので、車でのアクセスも容易だ。
■味噌ラーメン + 味玉トッピング
定番の純すみ系、ナイスフレーバー。キッチリと作られたラーメンは完成度高い。味わいはこの系統ならではコッテリだが、意外と食べやすさもあるタイプ。安心安定の味わいなのだ。
Instagramでは、丼一面に盛られた葱トッピングを良く見かける。人気なんだろうな。
札幌から移転してきた人気店に定期訪問。
■醤油+味玉トッピング
うん、安定感のある味わい。適度なパンチと黒醤油のコク深さと油感、若干細めのパツッとした縮れ麵、トロリ煮卵、ホロリチャーシュー、歯応えの角切りチャーシュー、ネギ沢山、メンマ・・・これは定期的に食べたくなる味わいなのだ。
苫小牧ではお気に入りのラーメン店のひとつ。
■味噌ラーメン+味玉トッピング
「食べやすくも濃厚」・・・大きく例えるならば「すみれ」の濃厚かつ、ぶ厚い油感と、「穂高」等、現代型のマイルドすみれ系の中間を行く感じ。この手のラーメンとしては食べやすいが、しっかりとしたパンチと塩分も印象的。そして「すみれ」と異なる点は、シャキッと炒められたモヤシ。味玉のトッピングも味噌が一番合いそう。濃い味派には大抵ハマりそうな味わいだが、パンチ力抜群な「すみれ」を求めたり、現代すみれ系の札幌圏の超人気店らの「ある意味繊細な」ラーメンと単純比較すると、どっちつかずな印象も無きにしも非ずだが、私は好きな味わいだった。
■しおラーメン+味玉トッピング
基本的にしっかりとられた出汁ながらも、後をひかないキレがあり、ゴテゴテの油感も無いので、ややもすれば、他の味わいと比較して荒削りさと物足りなさを感じそう。但し、アッサリという事では無いので、サラッとパンチの効いたラーメンを味わい時には有効かな。
特に予備知識等を持たず、飛び込んでみたラーメン店。もともとは長らく中華料理の店が営業していたところ。店内は広いが、装飾や空間の使い方はシンプルスッキリな感じ。店前に数台分の駐車場があり、尚且つ、建物裏にも駐車スペースがあるので、車でのアクセスは容易だ。
■醤油 770円
後で知ったが、いわゆる村中系のラーメンで、札幌からの移転組との事。移転前の食べログ評価も上々だ。
なるほど、ルックスは踏襲している。黄色ちぢれ麵は、しっかりとした存在感~やや固めで自分好み。スープは油層厚めで穏やかなコクの黒醤油系、野菜昆布系の甘味もベースに良い存在感、油・出汁・タレのバランスが優れた、重すぎず軽すぎずな味わい。チャーシューもホロホロと口の中で解ける柔らかさで、旨み十分。全体的に「しっかりとした調理感・丁寧さ」が出ていて、私好みの一杯だった。
味わいが気に入ったので、村中系の真骨頂とも言われる「味噌」も是非試してみたいと思える店だ。
9位
3回
2023/01訪問 2023/01/12
蕎麦前新年会、二軒目は蔵美庭でしょうと意気揚々に到着するも、この日は夜営業のみ。あらら…
そうだ、お互い辿り着いたらいつも臨時休業のシャッターズだと言う事を忘れていた。
さて何処に…?じゃあお互い大好きな東家、まだ蕎麦前体験の無い丸井今井店に決定だ。
軽く酔い覚ましに徒歩で向かうも、流石はCCC…競歩もメチャ速く、100m走のようでついていけない(ウソかホントかは想像にオマカセ)
こちらかつて西区にあった東家卯門の流れを汲む店。オレンジ色のファサードが粋だし、個人的には更に好感。
まずはラガーで乾杯☆ 蕎麦前はガチなメニューで攻めてみる。
玉子焼き、巻き美しく割と食感はしっかり。甘くないところが蕎麦前向き、蕎麦の前にコケコッコー。
板わさ… あらら、こう来ちゃったのね…少し残念。何だか家庭風と言うか、ひねりが無いと言うか…東家ならもう一工夫とセンスが欲しい。
むむむ… お互い目を合わせて「次だな」てお会計。こちらは買い物ついでの食事利用が正攻法かな。
※点数には様々な想いと期待値が込められています
北海道における江戸前・・・いやいや蝦夷前と言うべきか。歴史感と知名度は屈指の存在の「東家」、こちらはその暖簾分け店だ。東家数多くとも、やはり実力は千差万別であるのだが、こちらはその上位店と言えるだろう。
蕎麦をある程度食べ慣れてくると、どうしても意識は所謂「趣味蕎麦」「本格蕎麦」に傾倒しがちであり、その頃には、こちら東家のような「大衆蕎麦」を低く評価しがちである。しかしながら、蕎麦にはそれぞれのジャンルで輝く魅力や存在感があり、歴史観、雰囲気、調理技量、真面目さ等、様々な評価基準が存在し、こちらの店は、雰囲気、対応力、きちんとした調理が魅力と言えそうだ。
「天ちらしそば」(冷)972円(冷温選べます)
オリジナリティもある名物的メニュー。1000円以下、コスパに優れた価格も魅力店だ。サクリと揚がった小ぶりな海老天がむしろ食べやすくて美味しく、東家らしい弾力ある更科蕎麦とよくマッチする。同じような蕎麦でも、実力は食感やコシに反映され、こちらはしっかりしたコシ塩梅が良い。そして、散らした海苔の風味、そして大衆系ながらも雑味無く、よくまとまった甘口汁とのハーモニー、そう、「一体感」で勝負!な魅力のある一品。天ぷらに強い東家系列でも、このメニューは私的にオススメだ。
店の居心地も江戸前的な「蝦夷前」で落ち着く。買い物ついでの女性一人客も違和感無し。老舗的プライドを持ちつつも、それを前に出さず、しっかりとした接客対応も良し・・・というのは、メニューに関する色々な要求(何々を付ける、抜くなど)にも柔軟かつ爽やかに対応している姿も魅力的だった。
ちょっとほめ過ぎかな(笑) 私の蕎麦評は、ジャンルによる数本の物差しがある事を御理解頂きたい。とりあえず好きな店のひとつであり、やはり東家では、種物が魅力的かつ解りやすいし、オススメしたい。
10位
8回
2023/09訪問 2025/12/05
もう定番のソフトクリーム、今年もソフ活として味わいました。スッキリ濃い牛乳感とコクの余韻、そしてスッと消えていくような切れ味… これ、やっぱり美味しいなあ。夕方でも活気ある雰囲気に、直売の野菜達を眺める事も有意義で楽しいよね。
ランチ後はリクエストあり、今年最後の八紘学園ソフト。思えば三ヶ月前に二人で訪問して以来だ。
直売所でほうれん草と大きいソフトを一個購入、シェアして頂こう。
ん、散歩?オッケー。
晴れた秋空の紅葉並木道、撮影しながらソフトを頬張れば、やっぱり今日も幸せ気分。でも気温は少し寒いね。
ゆっくり歩いて、来年もまた来ようと話していたら、ん?電話… 彼からだな(笑)
もしもし、今八紘学園で散歩中。
パイセン、その辺りはボクの…
笑笑
さあ、クルマに戻ろう。そしてまた来年、初夏の頃に来よう。
ちなみに八紘学園のソフト、11月上旬で今シーズンは終了です。
今季初の大好きな八絋学園ソフト。
快晴で暑い休日、欧風カレーを楽しんだ後に訪問。するとその日はミニソフト(コーンorカップ)のみの提供。混雑を予想し、オペレーション向上と提供数の確保を考慮したか。
今回はミニ(コーン)をシェア食べ。うん、スッキリとして主張ある牛乳感、乳脂肪のコク、甘過ぎずさっぱりとしたキレ、これだよこれ!これぞ八絋学園のソフト。今年も食べられて大満足。
近くを通るとついつい寄ってしまう、魅惑の牧場系ソフト。今シーズンは何回寄れるかな。牧歌的でさりげないシンプルな味わいでありつつも、しっかりとしたコクの満足感が両立する正に牧場系。個人的には適度で後を引かない甘さと強い牛乳感はそのままに、生クリームの乳脂肪感がコンマ1程度アップすると☆4.5なんだけどなあ。なんだかケロッグに程よく甘味が溶けた牛乳を味わっているようなスッキリ感とコクなんだよね。
今年も夏の終わりに伺いました。私が今のところ一番好きなソフトクリーム。ミニサイズがある事もうれしいね。今回はミニサイズにしました。Retty(レッティ)のステッカーが貼られていました。。。頑張ろう食べログ!頑張ろうレビュアー!そして自分。
この高い牛乳感、やっぱり美味い!最高です。
9月3日・・・今日も暑かった。
中央区で昼食の後、どうしても冷たいものが食べたくなり、
ちょっと寄り道。
「八紘学園 農産物直売所」、農業学校が運営する施設だ。
実習成果の発表場と思いきや、店内には近郊農場産の
野菜類も多く並ぶ。しかし自家製ヨーグルトや牛乳等、オリジナ
リティがあり興味が持てる商品も多い。
都会の喧騒の中のオアシス的ポイント、青空と芝生の緑が心を
ほっとさせてくれる。既に人気スポット、平日の今日も次から次へ
とお客が押し寄せる。
「ソフトクリーム(大)」250円
美味い!というか自分好み。乳脂肪感と言うよりも「牛乳感」。
程よい甘味に牛乳の言わばシャープな旨み・風味がダイレクト
に口の中へと広がる。
食べすすめ、ワッフルとクリームをかじると・・・子供の頃に食べた
ケロッグ(シリアル)の牛乳かけのような甘く香ばしい風味が
感じられて楽しい。
スイーツ寄りの計算された加工感のある滑らかで甘いソフトも
勿論美味しいが、こちらのソフトはダイレクトでストレートな牛乳感
が主張する個性的なタイプであり、個人的にはソフトクリームに
おける今年一番の美味しさ。牛乳が好きな人には是非試して頂き
たいソフトクリームだ。
食べログで紹介されなければ、まず食べる事は無かったであろう
このソフト、今回はトドワラさんに感謝です。
皆さまのレビューが更に詳細となり、食べログの精度も上がってきた事もあり、新規訪問店でも満足出来る事が多くなりました。ゆえに10店舗に絞る事や、ランキングする事も難しいので、何となく眺めながら、パッと思いついた印象で店をセレクトしてみました。案外その「何となくな思い付き」も、店の実力に反映されますよね。