レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2018/09訪問 2018/09/25
久しぶりのヒット、これだから蕎麦屋巡りはやめられない。
小樽市色内、蔵のような外観の店。暖簾をくぐると、カウンターにテーブルが一卓という小さなレイアウト、小奇麗に手入れされている事が印象的だ。ご主人が一人で切り盛り、皆さまのレビューから、道内ではあまり見かけない、全国版なグルメ本の蕎麦特集に出てくるような「田舎蕎麦」にも大いに惹かれたが、まずは基本の蕎麦を。。。という事で、並粉蕎麦をオーダーした。
■もりそば 700円
幌加内産ほろみのりを石臼で挽いた蕎麦粉を使用したという並粉蕎麦。粗挽き系で細かい縮れがあり。キリリと冷たく〆られ、水切り具合も適度、もっちりとしたコシが程よくて心地よい。そして新そば前のこの時期でも、風味甘味が素晴らしい。啜って噛んで、幸せ気分になれる蕎麦。一つ言えば、もう少し繋がっていればより良いかな。
汁(つゆ)は、節出汁が太く主張し、かえしも同様に主張、味醂感もあるが、それら要素が融合したシャープで上品系な中濃中口の味わい。薬味も良好、蕎麦湯は透明な釜湯。
自分の好みにフィットしたので高評価となるが、客観的に判断しても、小樽界隈でも3本の指に入るであろう蕎麦。次回早めに機会を作って、田舎蕎麦も試してみたい。今回はそれを前提とした星評価。
訪問は平日の昼だったが、私の後に、電話予約したという小学生5人組が入店、あれこれ迷いながら「もり」や「大もり」をオーダーしていた。未来の蕎麦っ喰いが背後に現れて、何とも嬉しい気分になり、タイミングを見て会計を済ませ、店を後にした。
2位
2回
2019/09訪問 2019/09/07
…Jhad Pul は晴れた日、夏の青空が良く似合う。
リスペクトするインドカレー。現地系カレーはそのサービスを含め、似たり寄ったりな感じもしなくは無いのだが、ここジャドプールの味わいは一味違う。勿論味の好みは人それぞれだろうが、センスと調理技量は一枚上のように感じる。
初訪問などの場合は、店が勧めるように「南北プレート」等のセット系がマストオーダーだと感じるが、その味わいが自分の味覚に合致した時、次にオススメしたいのは「まかない」から生まれたメニューだ。メニューを見れば解るが、このメニューには様々な制約がある。それが少々鼻に付く方も居るかもしれないが、難しい現代…様々な客が居て、店側もその対応に困り果てる事も事実あるし、その予防策としては仕方ない事なのかも。むしろそれがこの店らしい魅力と私は捉えたい。
■ぶっかけメシ ¥1,300(税込み)
選べるカレーは大好きな「マトンローガンジョシュ」、この店は辛さの選択は無し。迫力のワンプレート、一見ワイルド一辺倒に感じるが、実はお洒落着を上手に気崩したようなまとまりとカッコよさがある。但しネーミングは男性的。敬遠する人も居るのでは。
カレーは選択したものと、ダルカレーのハーフ。具材もお任せであり、基本はその季節のカレーの具材…今回は夏野菜がふんだんだ。
ぶっかけられたマトンカレーは爽やかな辛さとスパイス感、上品な旨味、適度なオイル感のコクがあり、煮込まれたマトンは適度な食感が残り(若干硬パサ)、旨味も十分。おっと、このコリコリ食感は砂肝かな。スパイシーなアクセント。そしてダルカレーは穏やかマイルド、繊細なコクを自分から探しに行くと、まったりとしたその味わいが舌に応えてくれる。十分に火の通った夏野菜との相性も抜群だ。
途中混ぜ混ぜ‥ よく混ぜると更に魅力アップ、炊き上がりの良いバスマティライス(インドの高級香り米)とのハーモニーとリアルなスパイス感がたまらない。
あっと言う間に完食。分量もきっちりとお腹を満たしてくれる感覚だが、大食漢には5割増しの設定もアリ。
店の指示通り?(お願い通り?)サッと食べてサッと退店するスピード感と満足感のコントラストは私の好きな江戸前に共通?いやいや、ここは南インドの風…
やはりこの店、このカレーが私は好きである。ハード面にどこか綻びと言うか隙があるけどね。お洒落だが、やはり何処か男性的なのだ。
札幌市は円山エリア、住宅街に店を構えるインドカレー店。例えナビを使用したとしても、一発でこの店にたどり着くのは難しいのではないだろうか。ちなみに私は少し車をバック、その後、区画を一周してようやく発見した。店前に駐車場は三台分有り。一軒家改装系の白い店舗は、どこか期待させるオーラを放っていた。店に入り、案内の男性に二階へと案内された。木と白壁を基調とした空間、インド風な装飾も程々に、シンプルでお洒落感もあり。
皆さまのレビュー通り、この店は、本格派「南インド料理」「北インド料理」を提供する店であり、それぞれのエリア担当の現地人シェフが腕を振るうとの事。事前学習でオーダーは決めていた。南北両方の味わいを楽しめるワンプレート料理。メニューを見ると、夏の今は、夏野菜を使用した季節メニュー。価格も100円増しになっているのだろうか。
◆「南北インドプレート 夏野菜スペシャル2018版」 2,300円(ソフトドリンク付き)
常連客からも最も高い支持を得ていると言う、欲張り豪勢なワンプレート。選択出来る、ライスに合う南インドのカレーはスリニワマトン(超辛口・トマトベース)、ナンに合う北インドのカレーはバンジャブチキン(中辛・リッチな味わいでコク深いカレー)をチョイスした。ちなみにこの店では、辛さは種類で決まっていて、〇番等とは選択出来ない。メニューには「辛さが全てでは無い」と謳っており、それが尚更こだわりとして期待させてくれる。
■「スリニワマトン」
南インドらしいオイリーでサラサラなカレー。慣れない私は少々驚いたが、シャープかつ強い辛さとスパイス感が、パスティマ米(インドでも最高級米で、庶民の日常の食卓には並ばない香り米」※御替わり可に良く合う。マトンは小ぶりな肉片が一個。適度に柔らかく歯応えを残した煮込み具合。
■「バンジャブチキン」
辛さは穏やか、適度にファッティな味わいながら、角々しさは優しい塩梅。適度なペースト状で、フワリ浮き上がりそうな軽い仕上がりのナン(ハーフサイズ)にも良く合う。
■「ダル」(豆のカレー)※御替わり可
インドで毎日のように食べられているという、地味ながら不思議な魅力を持つカレーは、穏やかでマイルド、豆の滋味深いコクもあり、ナン、ライスいづれにも良く合う。
■「チキンビリヤニ」(100g)
パキスタン発祥?インドを代表するご馳走でもある炊き込みご飯。私は初経験だったが、穏やかなるスパイス感とハーブ感で、舌が麻痺気味で刺激的なカレーの合間に食べると、???な味わいに感じるが、よくよく味わうとジワリと美味しい。これ、クセになりそう系。チキンはやや固めなものがゴロンと一個。メニューでもオススメの「ライタ」(スパイスを効かせたヨーグルトと刻み野菜のサラダ、解りやすく言えばヨーグルト感強めな具材の少ないコールスロー的)と合わせて食べても美味しい。ちなみにライタは口直しにもOK。
さてこのプレートの特徴、夏野菜は、「ビンディカマサラ」(オクラのドライカレー)、「カレラポリヤル」(ゴーヤ炒め)、「ベイガンイグル」(ナス炒め)の三種類。そのまま食すると、どれも食感が似ていて、味わいもボンヤリだが、メニュー表での提案がある通り、カレーやライスと共に味わうと、いわゆる変化が感じられて良い。「アチャール」(冬瓜)は、酸っぱ辛いインド風お新香。口直しにどうぞ。「グリーンチャトニ」は、スパイスやミントの葉で作る清涼感のある薬味で日本で言えば山葵的。ビリヤニやライスのアクセント。ソフトドリンクは「ラッシー」を選択。自家製の味わいは適度に甘いがコクもあり、カレーとも良く合っていた。
食後、正直なところ私にはまだまだ経験値が足りない。。。特に南インドカレーやビリヤニに関しては、二度三度以上通った上でようやくこの店、そして本場インドカレーの「本質」が理解出来始めるのだろうと感じ、店を後にしたのだが、それから一週間も経たないうちに、脳が舌がこの店のカレーを欲している。強いこだわりあれども理屈じゃない。。。もしかしたらそれこそがこの店のカレーの本質・魔力なのかもしれない。
3位
1回
2018/03訪問 2018/05/11
札幌市円山エリアにある店。蕎麦関連のSNSで知りました。特に先入観や事前情報を仕入れずに訪問したので、率直な感想をレビューしたいと思います。こじんまりとした小さな店ですが、扉をくぐると、高級感のあるカウンターがあり、割烹和食店のようなオーラが漂いますが、それほど固くなる必要のない和やかな雰囲気でもあります。実際にも割烹でありながらも蕎麦を提供する店なのでしょうか?
■ひやもりそば 800円
ランチタイムでは冷静茶わん蒸しが付くそうです。出汁重視なシャープ味わいの中に、舌で感じるほのかな甘みと旨み、美味しいです。蕎麦は、中細の並粉蕎麦で、どちらかと言えばマッティな食感、風味甘味はそこそこでした。汁はプライドを感じさせられる「出汁命派」鰹の旨みが深く、生返しのようなメリハリのある醤油感との融合感は流石で、江戸前寄りな強みがあります。薬味も多数提案されますので、まずはそのまま蕎麦を手繰り、次はミネラル塩で、そしてつゆ(汁)で、最後は有精卵を汁にザクリ絡めて蕎麦とも絡めて・・・七変化のような味わいを楽しむ事が出来ます。薬味も流石、蕎麦湯は嫌味の無い白濁の釜湯、クッキーと共に。800円でこのパフォーマンスは素晴らしい。蕎麦自体は、有名専門店等と比較すれば、まだまだ伸びしろがあるのでしょう。
出来れば夜にも訪問し、蕎麦前で一杯やりたい隠れ家的店ですね。ってか、もう蕎麦好きの間では超有名店のようです。
4位
2回
2020/10訪問 2020/11/03
【GoTo Eat 対象】当日一人でも対応の「タンドリースペシャルディナーセット」
この日は珍しくアルコール無しでの一人ディナー。折角なのでGoToEat対象店で、当日一人予約出来る店を検索するとこの店がHIT。メニューは一品に限られてくるが、1,000ポイントバックは魅力であり、画像で確認した内容も興味深かったので早速予約して伺った。
尚、駐車場がいっぱいの時は、店横の三井パーキングに停めて、お店で食べログクーポン提示すると200円がバック(駐車場は300円・2020/10現在のサービス)されるので比較的お得だ。
■タンドリースペシャルディナーセット ¥1,600
通常メニューのタンドリーセットにシーケバブ、目玉焼き、プレーンラッシーが追加セットになったバージョンアップメニュー。
こちらの良いところは、一品一品手を抜かずに丁寧に調理・盛り付けされている所。料理人の腕が良いのだろう。チキンカレーはマイルドなコクの後にシャープな辛さが鼻に抜ける。半熟の目玉焼きの下にはキーマカレーが敷かれ、タンドリーやシーケバブ(ちくわも)良い仕上がり。質感あるナンも実に良い。但しラッシーはサラサラで少し甘め…これだけは私の好みからは逸脱していたが、料理全体としては十分満足。
現地人スタッフの対応も良く、こうなるとランチでもまた訪れてみたくなるものだ。
蒸し暑い夏は、やはり辛いものが欲しくなる。ここ「スパイス」もインドカレーでは有名店だ。駐車スペースは工夫して上手に停めたとしても、3~4台分だろうか、難易度は高いが、近くにコインパーキングは有り。
店内は二階がメイン、カウンターにテーブルが5卓ほど、三階もあるようなので収容キャパは広い。店に入ると、お約束のように、コック帽をかぶった体格の良い、現地人のご主人が、気合いの入った「イラシャイマセー!コチラドウゾ」の声を掛けてくれた。メニューを見ていると「キョウハ、キンヨウビナノデ、ビリヤニガ・・・」と説明があり、事前学習でそれに決めていたので、即決オーダーした。
目の前のお客はインド系の女性二人組。何やらご主人と現地語で会話している。うん、何となく異国感が増して雰囲気ラッキー。8月はICEチャイがサービスとの事で、それを味わいながら料理の提供を待った。
■【金曜日限定メニュー】「ハイデラバディチキンビリヤニ」 1,300円
メニュー表では「本場インドでは結婚式などで食される特別なメニューです。インドのお米パスマティと鶏肉をスパイスと共に蒸したとてもヘルシーなインドの郷土料理です。」との事。
程なくして料理が提供、迫力あるルックスだ。さて写真を撮ろう。。。とすると、ご主人が、スプーンでビリヤニを崩し始め「コウシテ〇△※」「ソウシテ△×〇。。。」「コレ二◇□◎シテ。。タベテミテクダサイ」。。。??? 要はビリヤニを崩して、カレーを少し掛け混ぜ、アチャール??のような激辛香辛料を乗せて食べて。。と言う事らしい。ま、逆に臨場感のある写真が撮れそうだから良いか!しかしこの店長、丁寧で、とても愛想が良いのだか、「スミマセン」が口癖。どのお客に対しても「スミマセン」を連呼、何も悪く無いのに(笑)
私としては二度目のビリヤニ体験。決して詳しくは無いので、率直な感想にはなるが、美味しい。そのままでも穏やかスパイシー、埋まっている煮込んだ柔らか骨付きチキンを崩しながら、穏やかな酸味があり、適度な緩さ、決して主張し過ぎないが印象的な旨みの存在するカレーを少し混ぜても良し!シャープな辛さの薬味を乗せてもやはりGOOD、案外悶絶級の味わいかも。但し、数年前の皆さまにおけるビリヤニレビューでは、ビリヤニにカレーはセットされておらず、駆け出しインドカレーファンの私には「もっと本質について知りたい」と言う思いも存在する。
何が本当かは不明だが、以前ジャド プールで頂いたビリヤニ自体は穏やかなもので、それもそれで大変美味しかったのだが、こちらスパイスのビリヤニはしっかり味わい、スパイス風味のおこげ的な部分もあり、例えるなら「解りやすいが逆に難解」な感じだと思う。まるごと入った茹で卵が半熟だったら良いな。。と考えもしたが、これは日本人的発想、この店には馴染まないだろう。サラダは新鮮瑞々しい、ヨーグルトは口直し程度の分量だが、味わいは普通に甘味の無いヨーグルトだった。総合的に言えば、このビリヤニプレート自体は、ボリューム感もあって、お腹も十分満たされた。
案外気に入ったので、次回は三種のカレー他が楽しめる「大先輩セット 1,260円」を試してみたい。この店は、コスパの良い魅力店である事は間違いないだろう。何故かメニューにコロッケがあったり、食事をインスタ等にUPすると、そのコロッケが貰えるサービスがあったり、本格派なのか庶民派なのか。。面白い店でもある。小サフランライスが+50円だったり、痒い所に手が届く的な、細やかなるサービスも、この店の魅力の一つなのだろう。
5位
7回
2022/05訪問 2022/06/07
蕎麦前初体験のお手伝い…蕎麦喰いさんと夕刻の訪問です。
蕎麦前とは、蕎麦を手繰る前に嗜むお酒とつまみの事。江戸の頃は辛口の日本酒に板わさ、卵焼き、蕎麦味噌等を楽しみ、最後に蕎麦を手繰る「粋」がありました。
そして現代では様々なお酒やアテを楽しむ蕎麦前も「粋」です。そう、蕎麦屋で憩う事こそが蕎麦前であり、型にハマって江戸風俗を疑似体験するも良し、居酒屋さんのように利用するも良し… そう、蕎麦を中心とした憩い文化こそが大切なのです。
■クラフトビール2種
■アスパラとキスの天婦羅
■出汁巻き玉子
■日本酒2合
■茹でピーナツ
■キーマカレーの包み揚げ
■手作り道産ザンギ
■〆のお蕎麦(半分)
お互い好きなクラフトビールで乾杯、食べたいものをあれこれ相談しながらオーダーします。旬の天婦羅は勿論美味しい。だし巻きも良く出来ています。キーマカレーの包み揚げマイルドスパイシーかつパリっと油っ気でビールに合う合う!
あれこれ料理の話をしながら会話を楽しめば、お酒も捗ります。日本酒をクイッと流し込みながら、そろそろ…とお楽しみの蕎麦を注文。
蕎麦はこの店らしい、基本に忠実で武骨なタイプ。力強い弾力のコシと噛んで広がる蕎麦の甘さはこの時期でもキープ、節や昆布出汁にグッと強い返しが融合したつゆに合わせて、少し火照った喉を爽快に通り抜けます。量は少し多めなので、しっかりお腹にたまります。
クイッと飲んで
会話とアテを楽しんで
するり蕎麦を嗜んで
サクッと会計、席を立つ
蕎麦屋に長居は不要でい!
お客さん、粋な江戸っ子だねえっ!
いやいや、我らは蝦夷っ子さっ!
…お後がよろしいようで。
ある職人は言った。今年の新そばは大人しいと。
ある職人は言った。それを言い訳にしたくないと。
そしてこちらのご主人はSNSで言った。
良く寝た新そば、今年は滋味深いと。
そう、今年の新そばは、職人の腕の見せ所なのだ。
■もりそば 730円 ランチタイム100円挽 ⇒ 630円
水切り良く、しっかりとした弾力のコシ、蕎麦本来の香りが強めで、手繰れば噛みしめてジワリと広がる淡い甘味の余韻長し。野太くどしっりとした出汁の旨味に、味醂の丸さとマロヤカな返しが良く馴染んだ中辛汁で逞しさ倍増。
…口数少なく、背中で語る蕎麦。
Instagramで情報発信の季節メニューに惹かれての訪問。今回改めて感じたのは、日々の食事も大事にしている店だと言う事。平均して安価なうえに、平日ランチタイムは全品100円引き。本格蕎麦屋でありながらも季節感があり、しっかりとお腹も満たされるメニューも豊富だ。そしていつもながらの気の籠った爽やかなる接客も癒し度が高い。
■穴子の天婦羅とお蕎麦のセット(冷・温)1,180円 ⇒ 1,080円(平日ランチタイム)
蕎麦は店主の実直な想いが詰め込まれたような、基本に忠実で野太さのあるタイプ。今回は少し滑らかかつ柔らかめに感じたが、この蕎麦には合っており、噛みしめれば蕎麦の旨味が解けるよう。風味甘味に関しては新そば前のこの時期としては上々。
汁も力強い蕎麦を受け止めるべくどっしり。イノシン酸、グルタミン酸…グアニル酸はどうだろう。しっかり抽出された旨味の下支えにスッキリ濃厚な返しとマロヤカな甘味が融合、結果コク深い味わいに纏まる。
穴子天は「メソ」と言われる小ぶりのものを使用、適度に脂が乗りサッパリと味わう事が出来て江戸前では好まれるそう。レモンを絞り岩塩でサクリ…なるほど、煩くなく無いながらも香ばしくフックラ、蕎麦の良い相棒だ。途中、大根おろしと生姜を解いたやや濃いめの天つゆに浸しても「ほぅ…美味いねぇ」
「そば一郎(随所に登場するこの店のゆるキャラ)…やるじゃねーかっ!今回は大満足!また新そばで会おうぜっ」
定期訪問したい注目店のひとつだ。季節系メニューもしっかりと取り入れ、接客も良いので人気店を継続中。
■もりそば 730円 平日ランチタイムは100円引き ⇒ 630円
まずは価格が嬉しい。蕎麦はプリシコでやや固めの食感、つなぎのある蕎麦と言う事が解りやすい風味と喉ごし。但し、つなぎがある事は劣ると言う事では決して無く、喉越しだったり、風味を花開かせたり、その蕎麦粉や狙いに応じて職人が考えるものでもある。
今回蕎麦はこの時期としても風味はあまり感じられず、割合の妙と特性を活かしきれていないように感じたと共に、蕎麦に少し切れが目立った。
汁は昆布を含めどっしり出汁に、ムチっと輪郭のある辛めの返しが強く効く。辛い甘いは別として、蕎麦を上回る存在感は若干独りよがりかも。
蕎麦は基本的には然程変わらずとも今回は肩透かし。こちらの蕎麦は蕎麦粉の力による振れ幅が大きいタイプであり、この時期ならではのハンデもあるとは思うが、かつて存在した十割を含め、自分を唸らせた事もある実力店、もう一度…と常に期待してしまう。
そもそも好きなタイプの蕎麦、毎年期待して新そばを味わう店。タイミング、その日の出来栄え、調理感、全ての要素がシンクロしたのか、今年は素晴らしい「新そば」に出会う事が出来た。
■もりそば 600円(通常700円・平日ランチタイムは100円引き)
例えるならば、内に秘めた情熱ありつつ、寡黙で男らしい蕎麦は背中で語る感じのカッコよさ。凛とした切り口、赤い星白い星が降る断面、固ゆでとは違う、しっかりとしたコシ、そもそも噛みしめて甘い蕎麦に新そばの豊かな風味がフワリと加わって・・・これは美味い。
汁はコク太い出汁感と、まろやかな返しが程よく融合した濃いめ辛口寄りだが、ほのかな甘味も。雑味無い上品さと力強さのハーモニー。出来れば蕎麦を半分程度を限度に浸けて、ズルズル―っと手繰ってみて欲しい。
薬味も注目。葱は割と凡庸だが、しっかり水にさらして良い仕事。また粒感のある山葵はシャープな辛さがバッチリ、これ良いね。蕎麦湯は透明の釜湯が潔い感じ。
平日ランチタイム限定とは言え、このクォリティの手打ち蕎麦が600円で味わえる事はかなりの
ハイコスパ。蕎麦はタイミングで微妙な変化を遂げる繊細な食べ物ではあるが、ビシッとはまれば感激。その位の魅力が感じられた。
初訪問で好印象だったので、新そばを電話にて確認の上、再訪問してみた。前回のレビューで指摘させて頂いた、扉の重さも幾分改善され、「扉が少し重いです」との説明書きが貼ってあった。ご商売に一生懸命で好感が持てる。
相変わらず好みのタイプの蕎麦。但し、今回思ったのは、蕎麦が若干固めな事。ここに好みが分れるのかも知れないし、新そばならではの爽やかなる風味は、もう少し柔らかいほうが、縛りが解けるように香ってくるのかも。タイプ的には蕎麦が熟成する1月頃が、ここの蕎麦の真骨頂だろうか。
札幌市清田区イオンSC近くに今年2018年の4月にオープンした本格派手打ち蕎麦店。元々、蕎麦の良店があった場所で、その後うどん店。。そして改装を経て現在に至る。そば産地新得町で修行したというご主人が切り盛りする。
まずは引き戸がかなり重い。これは至急要改善だ。店内は広く、木を基調とした明るい店内で、カフェのような。。とは異なり、しっかりと蕎麦屋なりのお洒落感や今っぽさがある。メニューや看板に登場するシュールなヘタウマ系キャラ「そば一郎」もマッチしたデザイン感だ。店内は案外広く、テーブル席×3に別室にもテーブル席があるのだが、カウンターが、たった二席。。。レジやタブレット端末を鎮座させる位なら、工夫して、せめて3~4席は欲しいところだ。
蕎麦は、時期により産地を変えた道産石臼挽きに、特注の粗挽き粉をブレンド、外二(蕎麦粉10に対し、つなぎの小麦粉2)の割合で手打ちするとの事。訪問日は特に産地表記は無かったが、蕎麦好きは「どこの産地か」にも興味を持つ人が多いので、本日は〇〇産等、黒板表記でもしてみると楽しいだろう。
メニューは要所を抑えた超精鋭系に、季節ものを一品置く。他には丼物や一品物も少数精鋭型で置くが、夜は居酒屋的メニューも登場するらしく、そちらは店奥のホワイトボードに表記があった。
■「もりそば」 700円
オーソドックスな並粉中細スタイルで星も散る。程よいコシで、若干切れた蕎麦も混じるが、水切り具合も良く優等生系。この時期としては風味甘味の案外良好で、適度にザラリ、粒子粗目も混じり、自分好みの蕎麦だ。
汁(つゆ)は、焼津直送の鰹節と襟裳産日高を昆布使用との事。枯節のような華やかな広がりは無いが、口中、横に広がる鰹出汁の旨味が主張する中濃でやや辛口寄り。出汁の旨味を華やかに効かせた、返し(醤油)薄めの流行系と、しっかりと強い返し(醤油)の江戸前系の中間のような感じだが、個人的にはもう少し深み、又は若干の甘味があると、ここの蕎麦に合ってくると思う。薬味も中々繊細で良好、蕎麦湯は白濁サラリの釜湯。
訪問時は平日13時頃だったが、客は私のみ。土日の様子は不明だが、まだまだ知名度が足りないと言ったところだろうか。但し、新蕎麦直前のこの時期にでも、良い味わいの蕎麦を提供出来るのだから、新蕎麦の時期以降~蕎麦粉が熟成する1月頃にかけて、ご主人の蕎麦粉の見分けと努力によっては、大化けする可能性も感じられる店だ。
6位
1回
2018/08訪問 2018/08/26
こちらミルチは、札幌市において、古くからインドカレーを提供し続けている店との事。改装(時期不明)を経た店内は広く、テーブル席は自然光を採り入れたカフェのよう、カウンター席も備え、装飾も、そこまでインドインドしてはいない。平日の13時過ぎでも次々にお客が入ってくる。。。やはり人気店のようだ。
■マトンカレー 980円+Aセット 500円(サラダ・ラッシーorコーヒー・アイスクリーム付)
カレーは無水カレー風、玉ねぎの旨みとスパイス、そして柔らかく煮込まれて分量も多いマトンと、適度なオイル感が絶妙に融合した「強い旨味」を演出している。私はすぐに気に入った。辛さは三番だったが、この手の本格派インド料理店としては中辛程度かも。
ナンはオイル感控えめなタイプ、パリッとフワリのバランスが良く、黒ゴマはあまり見かけないタイプだが、軽い感じに仕上がっていて、カレーとの相性がとても良い。但し、黒ゴマの必要性は良く解らなかった。
セットのサラダもありきたりな物とは異なり、チープ感無くお洒落スタイル、サービスのジャガイモはやや固いが、塩を振りかけて良い感じ。ラッシーもスタンダードながらコクもあって、カレーの口直しにも良好だ。アイスクリームはスタンダードで可もなく不可も無くと言った感じだろうか。
個性派なオーナーママは、汗をかく私に「どうぞ」と、笑顔でウチワを渡してくれた。現地人スタッフも腕を振るうインド料理店で、決してコスパが良いとは言えないが、日本人的なアットホームさのサービスと、適度なお洒落感・解放感、そして本格派な料理の三位一体さが、長きにわたる人気の秘訣なのかも知れない。
7位
1回
2018/08訪問 2018/09/26
看板ロゴや店内の年季から言っても、長年愛されてきたという事が理解出来る店。インド系の装飾も程々に、言わばインド料理の大衆食堂のようなイメージかな。しかし決して雑然としたイメージではなく、古いながらもしっかり整理清掃されています。
■【ランチ】Aセット 980円
2種のカレーはおまかせ、ナンかライス、チキンティッカ、サラダ、1ドリンクのお得なセット。当日
のカレーはキーマとサグチキン。辛さ3番、ドリンクはラッシー。カレーはどちらもペースト状で固め、キーマは挽肉の旨みとオイリー加減が絶妙で美味しい。但し粘度があるので、ナンにつけて食するのは結構至難、スプーンで乗せたりして工夫した。サグチキンはホウレンソウや生姜の味わいも良く馴染んで同化、柔らかチキンと伴い、マイルドで食べやすくも旨みのあるものだった。辛さ3番は案外優しい辛味かも。ナンはオイリー感少な目、パリっとフワッが混在し、小麦の味わいもする好みのタイプ。付け合わせのアチャールが尖がった超辛さで爽快、チキンティッカはシンプルスタンダード、ラッシーは爽やかなタイプ。サラダはドレッシング共に平凡、カレー類と比べるとやや肩透かし。でもこの内容でこのパフォーマンスならばコスパGOOD!
しっかりと旨みを活かした質感のあるカレーに完成度の高いナン。。。まだまだインドネパール系料理は駆け出しの私なので、現在食べログカテゴリーランキング1位の味わいは、単純に美味しかったとしか表現出来ないが、また行きたいと心に思うという事は、私にとって良い味わいだったのだろう。
8位
3回
2022/01訪問 2022/01/30
青空が映える銀世界にぽつりと佇むスパイスカフェ。薪ストーブの温もりが優しく、落ち着いたウッドのインテリアは見事に手入れされ、訪れた者の心にホッと安らぎを与える。
スタッフのユニフォームひとつも妥協せず雰囲気を演出、そして演出では出せないしっかりと気がこもった接客は、料理を待つ者の気持ちをググッと高めてくれる。
●3種のカレープレート 2,000円
目にも鮮やかな珠玉のジャパニーズインディアなカレープレート。物語の始まりは立ち込める幸せの薫りから。
① 左手からチキンマサラは粘性がありオイリー、王道たるドッシリとしたコクとスパイスの奥行き。
② チキンはサラリと南インド風、シャープな辛さの後にフワリとオリエンタルなスパイスの風が抜けるよう。
③ ベジタブルはトマトペーストタイプ。ピリッとした辛さの縁取り中心にはまったりとした野菜の旨味甘味。
④ ダルカレーは優しいだけにあらず。豆のしっかりとした縁取りあるコクが、脇役では無いと主張する。
スプーンを入れると新雪のようにハラハラと崩れるバスマティライスはふわりとエアリーで、汚れなき純白の高貴な旨味、カレーに抱かれるとその味わいは最高点に達する。
脇を固める色とりどりのアチャール達やライタは、華やかさと酸味のリレー。歯応えでアプローチを変え、口の中をリフレッシュするだけにあらず、混ぜ合わせるとカレー物語第2章のように味わいと口当たりを変化させてくれる。
35分の風になれた時間……
嗚呼、私は久しぶりに感動に出会えた気がする。ありがとう、ありがとう。
風が吹き抜ける田園風景にポツリ佇む古民家カレーカフェ。爽やかなるロケーションと静かなるお洒落空間、そしてしっかりと丁寧なホスピタリティで、大人も安心して利用する事が出来る。
■2種のカレープレート 1580円 チキンカレー&キーマカレー
■2種のカレープレート 1580円 チキンマサラ&海老とココナッツのカレー
こちらのカレーは、インドで学んだ作り方をベースに、日本人好みに合うようにアレンジしたというカレーで、素材は極力地元長沼産を使用している。
まずはカレーやバスマティライスを含め、一品一品、実に丁寧かつクォリティ高く仕上げられている事が印象的であり、今流行の「映え」もしっかりと押さえている。端的に言えば「意識の高いジャパニーズ風インドカレー」
カレーはどれも美味しかったが、知人共々審査した結果、チキンカレーが一番で、サラサラとして適度な旨味とスパイス感がバスマティライスと相性も良い。続いて濃厚なスパイス感のチキンマサラ、これは扱いこそ無いがナンにも合いそう。3番はクリーミイで甘コク深いココナッツが面白い。最後にキーマ、これは名わき役…気分転換に絶好な存在感。
こちらは一人利用や二名での利用が似合いそうだ。長沼にそよぐ風とスパイスのハーモニー…
長沼町、長閑で広大な平野の田園風景が360度広がる中に、ポツリと佇む古民家カフェが、shandi nivas cafe(シャンディ ニヴァース カフェ)である。提供しているフード類はインドカレーを中心とし、ケーキやお菓子類も一部置く。どのメニューも、可能な限りオーガニックや地元産にこだわり、「皆さまの心と体が健やかでいられますように」とメニューで願う。
三角屋根の古民家をリノベーションした店内は、ダークウッドを基調とし、シンプルながらも要所にお洒落感ある装飾を施しており、静かな音楽の流れる落ち着き空間。カウンター席や二人掛け席もあるので、一人での利用も安心だ。
尚、水と白湯はセルフサービス制となっている。提供するインドカレーは、インドで学んだ作り方をベースに、日本人向けにアレンジしたオリジナルとの事。
■2種のカレープレート 1,500円
・お好きなカレー2種(チキンマサラ/チキン/海老とココナッツ/キーマ/ベジタブル)
・ダルカレー
・炒め物2種
・玉葱のアチャール
・ピクルス
・サラダ
・ライタ(ヨーグルト)
・パパド(豆の煎餅)
・ライス(日本米 or バスマティライス)大盛り無料
私はカレー=チキンマサラ、キーマを選択、ライスはバスマティライス(インドの「香り米」)を選択した。尚、辛さの選択は無く、料理と一緒に添えられるチリパウダーで調整する。
チキンマサラはデフォルトでも中辛以上な爽快な辛さ。やや固め、若干オイリーなペースト感で、旨みは濃くスパイスも効いており、バスマティライスに良く合う。チキンもゴロンと大振りで柔らかい。キーマは、穏やかスパイシーなホロホロ鶏そぼろと言った感じで、ライスと混ぜ、他の具材やカレーを少し浸けたりして美味しい。ダルは結構本場系、あっさりとしてトロトロ、スパイス感も穏やか、まったりとした豆の旨みに癒される。サラダは瑞々しさがあれど平凡な感じで、サウザン系のドレッシング。
ふっくらバスマティライスの皿もお洒落に盛り付けられていて、アチャール(漬物)は、適度に酢辛い。野菜の炒め物二種もお洒落感とオーガニックな雰囲気あり。ライタは申し訳程度な分量、普通のヨーグルトだった。パパドは塩分控えめで食べやすい。
一食として、味わい・ボリューム的にも十分満足。穏やかなる雰囲気と丁寧な接客スタイルは、また来たいと思わせられる、静かなるパワーとオーラを持っていた。
9位
2回
2019/06訪問 2019/06/30
TVで林修先生がドはまりしていると言っていたコルマカレーを食べてみたかったのだが、結論から言うとここ札幌デリーのコルマカレーはそれとは異なるようだった。
■コルマカレー ラム肉 ¥800
北インド・パキスタン地方の家庭の味との事・・・まさにそれ。本場系のダルカレー風。
油とペーストが分離しているのでスプーンでかき混ぜるとトロトロとした滑らか食感に。味わいはややオイリーで玉葱の穏やかなる甘味とまったりとした豆のコクが主張、辛さはほぼ無く、マサラ系のスパイシーさがほんのりと隠れている感じだ。ラム肉は柔らかくキュッとしており旨味も十分。
悪くない味わいだが、また食べたいかと問われれば「NO」。但し「カシミールカレー」の大ファンなので、評価はあまり下げない事にした。
1982(昭和57)年 北海道札幌市に「デリー」開店との事なので、35年以上の歴史を誇る店。いわゆる団塊の世代の開業ラッシュを経て、その世代の飲食店がポツリポツリと閉店していく現在においても、当時は珍しかったインド系カレーにおいて今尚頑張っているのは尊敬に値するのかも。Google検索すると、ここはいわゆる暖簾分け店。公式HPでの歴史観にも迫力がありますね。(レビュー最後部に転載)
狸小路の店はアットホーム。カウンタ―の無い店なので、混雑時は相席が必須です。メニューもシンプル。4種のカレーとトッピングを選ぶのみ。辛さの指定は出来ませんが、卓上のチリパウダーで調整するのでしょう。
■カシミールカレー(ラム) 800円
ライス大盛りサービスとの事でしたが、今回は普通盛りでお願いしました。カレーのサラサラなスタイルは、今で言うシンプルスープカレー。それでもベースの旨みとスパイス感で、しっかりインド系しています。爽快な辛さ、煮込まれ過ぎない野菜類、適度~じっくり煮込まれたラム。。。キュッとレモンを絞った白飯の爽やかさと炊き上がりの良さ(日本米)、心地の良いシンクロ具合です。
時より脳が舌が、思い出して。。。思わず吸い込まれる魅力を持った老舗的安定店ですね。鉛筆手書きのメニューも昭和感たっぷりです。
----------------------------
【以下公式HPより転載】
デリーの創業者、田中敏夫は、富山県の味噌・醤油などを扱う食品会社に生まれ、35歳で佃煮の製造販売を行う田中食品工業を設立しました。しかしながら、時代とともに食文化が変わり佃煮の製造が斜陽産業になったため廃業、7年後に閉鎖することになります。
戦前、創業者は商社マンとしてインド、パキスタン、スリランカに長年駐在し、油や石鹸の原料となるコプラ(椰子の固形油脂分)の国内輸入を行っていました。閉鎖の失意の中、インド駐在時にメイドさんや友人宅で食べていたおいしいカレーを思い出し、「あのインドカレーを日本に紹介しよう」と一念発起した創業者は、佃煮を作っていた料理人と共に、インドから取り寄せたスパイスを使い、当時食べていたカレーを再現するために試作を重ねました。
そして、昭和31年、デリーを創業することになります。デリー開店後も、生来の研究熱心さで、インドの料理学校やレストランで、調理を学び続けています。デリーのカレーは、インドの味だけではなく、創業者が和の食品作りに携わっていたことによる技術やアイディアが取り込まれた、唯一無二のオリジナルカレーとして誇れるものとなったのです。
STORY 02
内助の功
しかし、上野店がオープンする1年前の昭和30年、創業者・田中敏夫は結核のため入院し、3年間の療養生活を余儀なくされます。
その間、経営全般については妻・やす代が全てを引き受けました。
療養後、敏夫はさらなるインド・パキスタン料理研究のためインド国立料理学校に入学し、その間すべてを任されたのもやす代でした。店舗の切り盛りとサービス、経営の陣頭指揮まで、この「内助の功」なくして、現在のデリーの存在はありません。
STORY 03
デリーの創業
昭和31年2月28日現上野店所在地において個人営業を開始しました。
当時カレーハウス・デリーと称しカレー粉をまったく使用しないインド現地の民族食、カレー料理を提供する唯一の店として発足しました。
デリーという社名は歴史上、様々な王朝が立ち、イギリスの植民地の中心でもあり、独立後も首都である、デリーという首都名から取りました。
当時の日本人はインドと言っても、デリーという名称くらいしかなじみがなかったので、デリーという名前にすれば、インドのカレー屋だとすぐわかるだろうと考えたからです。社名と同様に、インドの地名から名づけたカレーが多いのもデリーの特徴です。
開店2~3年後からデリーの店の前には、大手商社や銀行からの黒塗りの車が多く止まっていて注目されたり、近くの東大の教授の方々、はたまた落語家さんからも支持されていました。上野店は、今でもデリーファンの聖地として、創業当時そのままの趣で、お客様に愛されています。
STORY 04
デリーの拡大
その後、カレーのみならず、インド・パキスタン料理を提供するレストランとして、六本木、軽井沢、新宿、銀座、船橋とレストランを展開していきました。
また、創業者の強い希望で、デリーのカレーを家庭に運びたいということから、埼玉にてカレーの製造を中心とする工場を設立しました。展開した店舗も製造卸売業拡大により、直営レストランを銀座店と上野店の2店舗に集約しました。
平成19年3月に六本木ミッドタウン店をオープンし、現在はこの3店舗がデリーのレストランです。
ただ、デリー直営のレストランは3店舗ですが、実際には暖簾分けしたレストランが多数あります。
これは、創業者が、デリーで修行したコックが地元で開店すれば、デリーの味が広まると考え、独立開業を支援してきたからです。
デリーと同じメニューを掲げる者はデリーと名乗り、自分の個性をプラスした者はそれ以外の店名で頑張っています。
STORY 05
デリーの今後
創立当初から、インドの味を損なわず、日本の風土、日本人の味覚に合ったカレー、毎日食べても飽きないカレーを提供してきました。
流通技術の発達により、創業当時よりも、より香り高く新鮮で均一感は増していると思います。
今後も、レストランと家庭で召し上がる工場製品を両輪に、創業の精神である「日本とインドの食の架け橋」となるように、より多くの方にデリーの味を知っていただくよう、研鑽していきます。
10位
1回
2018/01訪問 2019/03/16
1年ほど前の訪問。苫小牧市鉄北エリア、旧支笏湖通り沿いにある焼肉店。各種地元イベント参加やSNS発信など、積極的な営業スタイルで頑張っている新鋭店と言えるだろうか。東京の「元祖おとしダレ ウルフ」と言う店で修行したというスタッフも元気かつパワフルに仕事をこなしていた。店内は決して広くは無いが、確か半個室的な席が3卓ほど、個室にも数卓の席を備え、十分な駐車スペースも確保している。
■上牛タン ¥1480
■極上ロース(赤身) ¥1190
■極上ロース(霜降り) ¥1380
■ハラミ ¥980
■上ハラミ ¥1490
■L.Aカルビ ¥890
■上カルビ ¥1480
■サーロイン握り(2貫700円)
■ホルモン \380
その他ナムル、キムチ、冷麺、いろいろ。。。思うがままにオーダーして味わってみたが、どれも従来の焼肉店よりも美味しく、味わいや価格も、大衆店と高級店の間を行く感じかつ、オリジナリティあるメニューやドリンクで奮闘!と言った感じ。レア系なサーロインの握りは勿論美味しく(個人的にはもっとレア希望)、おそらくは和牛上カルビだとは思うが、程よい熟成感で旨味十分、美味しく頬張ることが出来た。価格と味わいが釣り合った。。又は味わいが程々に上回る店、良いですね。
2018年はインドカレーにはまった一年でした。ジャンルは初訪問の店から蕎麦とインドカレーを中心に、強く印象に残った店をランキングしました。