2回
2014/12 訪問
舌で・・そして脳で味わう!~上品で繊細な「大人味」は完成型。
【2014/12/11】評価4.8 ⇒ 3.0にダウン
久しぶりの訪問は開店直後。あれ?その動きや対応、キリッとした昔風な白衣姿で大ファンだったご主人の姿は無く、厨房には、くたびれた黒Tシャツの若い職人さん二名が陣取っている。この店のような超人気店となれば、増員も仕方無い事だし、知名度における「作用反作用の法則」のような、何かが変われば大した確認もせず、すぐに「味が落ちた」と吹聴し回るような、お決まり的アンチにもなりたくは無かったのだが・・・
今回は明らかに残念だったので、いち早くレビューして評価を大幅にダウンさせて頂いた。理由はスープがぬるい事が致命的。そうなれば盛り付け、スープの味わい、麺、バランス感・・全ての要素がダメに感じてくる。煮玉子も以前よりも緩くなっていた。決して美味しく無いとは言わないが、圧倒的に美味しいと感じた過去のラーメンと比較すれば雲泥の差、要は料理の印象が「沈んでネガティブ」なのだ。(出来れば過去の写真と見比べて頂きたい)更にこれは気のせいかもしれないが、今回は数時間後にもやたらと喉が渇く。
たまたまご主人が不在だったのだろうか・・やはり料理は人。店を演出するのも人。今回この状態にはがっかりしてしまった。
ーーーーーーーー
【2012/09】
やはり美味い。そして旨い。
それぞれの味わいが抜き出る事なく、最良の状態でバランスを保っている。
角張らないあっさり味でありつつ、深くじんわりと口の中に広がる味わいは
最高だ。
今回は「名古屋コーチン塩」を。個人的に、よりあっさりを求む日には
「名古屋コーチン塩」を。多少油っ気が欲しい日には普通の「醤油」。
よりコッテリを求める日には「鶏白湯」や「つけ麺」がベストかな。
-------------------------------------------------
【再訪】
つけ麺がかなり好み。
流行の魚粉系とは少し異なり、濃厚で適度な酸味と油感、エッジの効いたシャープな味わいな「つけダレ」と、同じくオリジナリティがあり、味わいのくっきりとした麺との相性は抜群。肉厚のチャーシューにメンマ等の具材も豊富、美味い!
-------------------------------------------------
ラーメン店としては今年一番訪問した店。
一通りメニューを試して一番自分好みだったメニューは「醤油」。適度な油感で穏やかながらも出汁の深い味わいが素晴らしい。味玉を加えて完璧!わがままな希望としては「醤油」を白湯やコーチンに使用されているストレート麺で食べてみたい。
基本的にどのメニューも美味しかったのだが、次に良かったのは「つけ麺」。魚粉系が多い中、ここのスープはオリジナリティがあり、基本的に北海道人が好むパンチ力も充分。
盛りつけや細部に至るまで「繊細さ」を感じるラーメン・・・そして他の店には失礼かも知れないが「露店派生系」のような雑な感じのラーメン店も多い中、ここ菜々兵衛の店主の気配り目配り、そして白衣姿には好感とプロ意識を感じる。総合力でも横綱級の名店と言えるだろう。あれこれどうこう言うよりも一言、「美味しい」。
今年は良いラーメンに出会えました。そしてご馳走様でした。
--------------------------------------------------
【再訪多数】
脳が定期的に呼ばれる味わいと表現したが、「呼ばれなくても勝手に脳が指令を出す味わい」に変わった。短期間にラーメン店へこれほど通ったのは初めてだ。
「醤油」
基本あっさりだがロースト感がある醤油の香ばしさに菜々兵衛特有の鶏スープが一体化し抜群に旨い!麺も白系やや縮れで差別化が図られているようだ。
「つけ麺」
鶏白湯ベースをギュッと濃厚にし、尚且つ魚粉系のアクセント、適度な脂感を加えた濃い味。だがクドさや角々しさは一切感じられずトータルバランスが良い。「練りこみ系やや太麺」とも相性バッチリであり、トータルで「完成度」の高いラーメンは圧巻の一言。これは濃い味派も充分満足出来る味わいだ。そして店主が残ったつけ汁にスープを足してくれるサービスは、私が好きな蕎麦で言えば「蕎麦湯」っぽくて、高感度・満足度が更にアップ。
「塩」
あっさりだが物足りなさを感じない、きちんと旨みのとれたスープに満足。基本あっさりのラーメンメニューのなかでもかなりあっさりの部類。頂いた当時は店主に代わりスタッフの女性が盛り付けをしていたが、写真を見れば解るとおり「やや雑」な印象。パーツは同じなので味わいとしてはそれほど遜色無く頂けたが、逆に言えば店主の技量・こだわりは「盛り付け」にも表れている。皆さんの写真を見ても一目瞭然、「綺麗に仕上げる」というこだわりは簡単なようだが大混雑店では中々難しい。しかし流石ベースのしっかりした「料理人」出身の店主、解り辛い細やかな部分でのこだわり・技術・計算が素晴らしい。
「鶏白湯・醤油」
同じく基本あっさりの白湯に醤油味が加わった味わいなのだが、浮いている脂の極め細やかさから解る通り、丼全体が一体化するような技術で仕上げられたラーメンはやっぱり美味い。
「トッピングの煮玉子」
らしさを感じさせる絶妙味・完成度。濃過ぎず~物足りなさも感じず、固すぎず~柔らか過ぎない・・菜々兵衛のあっさりラーメンにピッタリ合った仕上がり。個人的なわがままを言えば追加ではなくレギュラーでトッピングされて欲しい。
ここであくまでも自分的好み(今まで食べたメニューで)を言うと・・・
醤油>つけ麺≧鶏白湯塩≧コーチン醤油>塩≧鶏白湯醤油・・・といったところ。しかしどれも美味しい事は間違いない。
十代~二十代前半の若者には理解出来ない・理解するにはまだ早い、ある程度の味覚を経験したアラウンドサーティ・・それ以上の世代が心底楽しめる・満足出来るラーメンではないだろうか・・・
---------------------------------------------------------------------
【初訪~2回目】
そもそも半透明系の黄色縮れ麺が好きだ。そして割と解り易い醤油味が好きなんだ・・・ラーメンに対してそんな味覚嗜好を持つ私だが、4月・・大人気店「菜々兵衛」に2回訪問。
「鶏白湯~塩」
白いストレート麺に一言で言えば「上品味」な白湯は解説が難しいような繊細系。舌に脳にガツンとくる味では無いが、味の隙間が無い位にキュッと詰まった旨み成分とも言おうか、スープを構成するそれぞれの要素が複雑に・・そしてキメ細やかに一体化しており、一口・・また一口とスープがすすむ。そして長いメンマの穂先は細かく切れ目が入れられ見た目も美しい。全体的に仕事が綺麗で丁寧な印象で白細麺を含め大変バランスがとれたラーメンだと思う。旨い!
「名古屋コーチンあっさり醤油」
スープ以外は鶏白湯と同じ構成・・・ん?長葱が加えられている。このスープもやはり繊細味で、やはり角の無いまろやかな味わいだが物足りなさは一切感じない。あっさりだがしっかり満足出来る、完成度の高いスープ。どちらかと言うと私的にはこちらの方がが好みであり、やはり仕事が丁寧な印象のラーメン。
全体を通して言える事は「繊細・難解・上品・丁寧」で質の高いラーメン。強いインパクトこそ無いが、一口・・また一口と・・・じっくりと舌で・・・そして脳で・・・考えながら味わう・・・そんなタイプのラーメンだろう。
そして「くせになる味わい」とはまさにこの事。繊細さゆえにパッと思い出される味わいでは無いと思うが、じんわりと、そして何故かまた食べたくなり・・・自分の味覚に問われた質問に「回答」を求めるかのごとく、不思議とついつい通ってしまうような大変魅力的なラーメン店だ。
2014/12/11
名古屋コーチン塩
名古屋コーチン塩
つけ麺(2012/02)
醤油+味玉
醤油
醤油
塩(+煮玉子)
鶏白湯しょうゆ(+煮玉子)
鶏白湯しょうゆ(+煮玉子)アップ
つけ麺
つけ麺(めんアップ)
つけ麺(つけタレアップ)
鶏白湯(塩)
鶏白湯(アップ)
名古屋コーチンあっさり醤油
名古屋コーチンあっさり醤油
名古屋コーチン~アップ
仕事が綺麗
2014/12/11 更新
ご主人が厨房に立たなくなった頃、味わいにブレを感じるようになり足が遠のき早7年、何故かこちらのつけ麺をふと思い出すと、食べたい気持ちが抑えられず急いで訪問だ。
12時到着、平日だが待ち客が3組ほど。まだまだ人気ぶりは健在のようだ。
■つけ麺(200g+煮卵半玉) 選べる麺は熱盛りで
おそらく汁は鶏出汁と煮干し昆布出汁+酸味に背油を浮かせる構成。まったり感と適度な塩分の角で麺に絡みやすく、心地よい酸味の奥に微かな柑橘が現れる。この汁がメリハリ効いて美味いのだ。具材はチャーシューとメンマ。大量仕込みの影響か、かなり柔らかくて少々ダウン。
麺も全粒粉強調に進化。これは味わいこそ強くなったものの、プリプリが強くなりリアリティが低下した印象。
でもやっぱり美味しいつけ麺…とても好みの味わい。但し熱々だったらもっとね。
そう、致命的なのは熱々でなかった事。麺が熱々なので救われたが、冷たい麺ならノックアウトレベル。味わいは大きく変わらないものの、過去画像と比べると海苔の置き方にもやはりセンスの違いも感じられた。
オールドファンとしてはやはり今回も肩透かし。多店舗展開による商売構造の変化における味わいの変遷・工夫は理解したいが、今さらの老婆心ながら、技量は勿論、姿勢を含めた職人の指導が最も大事なのではと思う。
良い料理、味わいは、良い環境と身だしなみ、そして前向きな気持ちから。私がかつてスタッフに言い続けてきた言葉だが、時代は変われど間違いでは無いはずだ。
かつて厨房に立っていたご主人がそうだったように。