7回
2021/10 訪問
東神楽産新そばです。
ある職人は言った。今年の新そばは大人しいと。
ある職人は言った。それを言い訳にしたくないと。
そしてこちらのご主人はSNSで言った。
良く寝た新そば、今年は滋味深いと。
そう、今年の新そばは、職人の腕の見せ所なのだ。
■もりそば 730円 ランチタイム100円挽 ⇒ 630円
水切り良く、しっかりとした弾力のコシ、蕎麦本来の香りが強めで、手繰れば噛みしめてジワリと広がる淡い甘味の余韻長し。野太くどしっりとした出汁の旨味に、味醂の丸さとマロヤカな返しが良く馴染んだ中辛汁で逞しさ倍増。
…口数少なく、背中で語る蕎麦。
2021/10/30 更新
2021/09 訪問
そば一郎… ふふっ、やるじゃねーかっ。
Instagramで情報発信の季節メニューに惹かれての訪問。今回改めて感じたのは、日々の食事も大事にしている店だと言う事。平均して安価なうえに、平日ランチタイムは全品100円引き。本格蕎麦屋でありながらも季節感があり、しっかりとお腹も満たされるメニューも豊富だ。そしていつもながらの気の籠った爽やかなる接客も癒し度が高い。
■穴子の天婦羅とお蕎麦のセット(冷・温)1,180円 ⇒ 1,080円(平日ランチタイム)
蕎麦は店主の実直な想いが詰め込まれたような、基本に忠実で野太さのあるタイプ。今回は少し滑らかかつ柔らかめに感じたが、この蕎麦には合っており、噛みしめれば蕎麦の旨味が解けるよう。風味甘味に関しては新そば前のこの時期としては上々。
汁も力強い蕎麦を受け止めるべくどっしり。イノシン酸、グルタミン酸…グアニル酸はどうだろう。しっかり抽出された旨味の下支えにスッキリ濃厚な返しとマロヤカな甘味が融合、結果コク深い味わいに纏まる。
穴子天は「メソ」と言われる小ぶりのものを使用、適度に脂が乗りサッパリと味わう事が出来て江戸前では好まれるそう。レモンを絞り岩塩でサクリ…なるほど、煩くなく無いながらも香ばしくフックラ、蕎麦の良い相棒だ。途中、大根おろしと生姜を解いたやや濃いめの天つゆに浸しても「ほぅ…美味いねぇ」
「そば一郎(随所に登場するこの店のゆるキャラ)…やるじゃねーかっ!今回は大満足!また新そばで会おうぜっ」
2021/09/11 更新
2021/05 訪問
次回に期待します。
定期訪問したい注目店のひとつだ。季節系メニューもしっかりと取り入れ、接客も良いので人気店を継続中。
■もりそば 730円 平日ランチタイムは100円引き ⇒ 630円
まずは価格が嬉しい。蕎麦はプリシコでやや固めの食感、つなぎのある蕎麦と言う事が解りやすい風味と喉ごし。但し、つなぎがある事は劣ると言う事では決して無く、喉越しだったり、風味を花開かせたり、その蕎麦粉や狙いに応じて職人が考えるものでもある。
今回蕎麦はこの時期としても風味はあまり感じられず、割合の妙と特性を活かしきれていないように感じたと共に、蕎麦に少し切れが目立った。
汁は昆布を含めどっしり出汁に、ムチっと輪郭のある辛めの返しが強く効く。辛い甘いは別として、蕎麦を上回る存在感は若干独りよがりかも。
蕎麦は基本的には然程変わらずとも今回は肩透かし。こちらの蕎麦は蕎麦粉の力による振れ幅が大きいタイプであり、この時期ならではのハンデもあるとは思うが、かつて存在した十割を含め、自分を唸らせた事もある実力店、もう一度…と常に期待してしまう。
2021/07/06 更新
2019/09 訪問
きたっ!新そばの完成度。
そもそも好きなタイプの蕎麦、毎年期待して新そばを味わう店。タイミング、その日の出来栄え、調理感、全ての要素がシンクロしたのか、今年は素晴らしい「新そば」に出会う事が出来た。
■もりそば 600円(通常700円・平日ランチタイムは100円引き)
例えるならば、内に秘めた情熱ありつつ、寡黙で男らしい蕎麦は背中で語る感じのカッコよさ。凛とした切り口、赤い星白い星が降る断面、固ゆでとは違う、しっかりとしたコシ、そもそも噛みしめて甘い蕎麦に新そばの豊かな風味がフワリと加わって・・・これは美味い。
汁はコク太い出汁感と、まろやかな返しが程よく融合した濃いめ辛口寄りだが、ほのかな甘味も。雑味無い上品さと力強さのハーモニー。出来れば蕎麦を半分程度を限度に浸けて、ズルズル―っと手繰ってみて欲しい。
薬味も注目。葱は割と凡庸だが、しっかり水にさらして良い仕事。また粒感のある山葵はシャープな辛さがバッチリ、これ良いね。蕎麦湯は透明の釜湯が潔い感じ。
平日ランチタイム限定とは言え、このクォリティの手打ち蕎麦が600円で味わえる事はかなりの
ハイコスパ。蕎麦はタイミングで微妙な変化を遂げる繊細な食べ物ではあるが、ビシッとはまれば感激。その位の魅力が感じられた。
2021/05/17 更新
2018/08 訪問
新蕎麦の季節に期待したい新店
札幌市清田区イオンSC近くに今年2018年の4月にオープンした本格派手打ち蕎麦店。元々、蕎麦の良店があった場所で、その後うどん店。。そして改装を経て現在に至る。そば産地新得町で修行したというご主人が切り盛りする。
まずは引き戸がかなり重い。これは至急要改善だ。店内は広く、木を基調とした明るい店内で、カフェのような。。とは異なり、しっかりと蕎麦屋なりのお洒落感や今っぽさがある。メニューや看板に登場するシュールなヘタウマ系キャラ「そば一郎」もマッチしたデザイン感だ。店内は案外広く、テーブル席×3に別室にもテーブル席があるのだが、カウンターが、たった二席。。。レジやタブレット端末を鎮座させる位なら、工夫して、せめて3~4席は欲しいところだ。
蕎麦は、時期により産地を変えた道産石臼挽きに、特注の粗挽き粉をブレンド、外二(蕎麦粉10に対し、つなぎの小麦粉2)の割合で手打ちするとの事。訪問日は特に産地表記は無かったが、蕎麦好きは「どこの産地か」にも興味を持つ人が多いので、本日は〇〇産等、黒板表記でもしてみると楽しいだろう。
メニューは要所を抑えた超精鋭系に、季節ものを一品置く。他には丼物や一品物も少数精鋭型で置くが、夜は居酒屋的メニューも登場するらしく、そちらは店奥のホワイトボードに表記があった。
■「もりそば」 700円
オーソドックスな並粉中細スタイルで星も散る。程よいコシで、若干切れた蕎麦も混じるが、水切り具合も良く優等生系。この時期としては風味甘味の案外良好で、適度にザラリ、粒子粗目も混じり、自分好みの蕎麦だ。
汁(つゆ)は、焼津直送の鰹節と襟裳産日高を昆布使用との事。枯節のような華やかな広がりは無いが、口中、横に広がる鰹出汁の旨味が主張する中濃でやや辛口寄り。出汁の旨味を華やかに効かせた、返し(醤油)薄めの流行系と、しっかりと強い返し(醤油)の江戸前系の中間のような感じだが、個人的にはもう少し深み、又は若干の甘味があると、ここの蕎麦に合ってくると思う。薬味も中々繊細で良好、蕎麦湯は白濁サラリの釜湯。
訪問時は平日13時頃だったが、客は私のみ。土日の様子は不明だが、まだまだ知名度が足りないと言ったところだろうか。但し、新蕎麦直前のこの時期にでも、良い味わいの蕎麦を提供出来るのだから、新蕎麦の時期以降~蕎麦粉が熟成する1月頃にかけて、ご主人の蕎麦粉の見分けと努力によっては、大化けする可能性も感じられる店だ。
手打ちそば きた戸
2018/08/27
この度は、ご来店頂き誠にありがとうございました。
また、食べログにご投稿も頂きありがとうございます。
さて、今回ご指摘頂きました点に置きまして
早速改善致しましたので、そのご報告をさせて頂きたくご返信いたしました。
>引き戸がかなり重い。これは至急要改善だ。
ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。
翌日の朝、レールの掃除・戸車への油吹付けを行い
以前に比べ引き戸の開け閉めを軽く致しました。
但し、大きな扉を使用している事もあり
今以上軽くするには扉の交換を余儀なくされる為、
現状が精一杯でございます。
>訪問日は特に産地表記は無かったが、、、
失礼いたしました。
現在は玄関の掲示板にそば粉の生産地を表記するように致しました。
因みに現時点のそば粉の産地は音威子府産でございます。
>カウンターが、たった二席。。。
申し訳ございません。
当初はレジ等の配置場所は違う場所に設置予定でしたが
様々なレイアウトの都合上、今に至っている状況です。
こちらに関しましても、全体的なレイアウト変更を含め
最良な空間でお食事して頂けるよう様に変更を検討しております。
以上、末筆ではありますがご報告をさせて頂きます。
この度は、貴重なご意見本当にありがとうございました。
機会がございましたらまたのご来店を心よりお待ちしております。
2019/06/11 更新
蕎麦前初体験のお手伝い…蕎麦喰いさんと夕刻の訪問です。
蕎麦前とは、蕎麦を手繰る前に嗜むお酒とつまみの事。江戸の頃は辛口の日本酒に板わさ、卵焼き、蕎麦味噌等を楽しみ、最後に蕎麦を手繰る「粋」がありました。
そして現代では様々なお酒やアテを楽しむ蕎麦前も「粋」です。そう、蕎麦屋で憩う事こそが蕎麦前であり、型にハマって江戸風俗を疑似体験するも良し、居酒屋さんのように利用するも良し… そう、蕎麦を中心とした憩い文化こそが大切なのです。
■クラフトビール2種
■アスパラとキスの天婦羅
■出汁巻き玉子
■日本酒2合
■茹でピーナツ
■キーマカレーの包み揚げ
■手作り道産ザンギ
■〆のお蕎麦(半分)
お互い好きなクラフトビールで乾杯、食べたいものをあれこれ相談しながらオーダーします。旬の天婦羅は勿論美味しい。だし巻きも良く出来ています。キーマカレーの包み揚げマイルドスパイシーかつパリっと油っ気でビールに合う合う!
あれこれ料理の話をしながら会話を楽しめば、お酒も捗ります。日本酒をクイッと流し込みながら、そろそろ…とお楽しみの蕎麦を注文。
蕎麦はこの店らしい、基本に忠実で武骨なタイプ。力強い弾力のコシと噛んで広がる蕎麦の甘さはこの時期でもキープ、節や昆布出汁にグッと強い返しが融合したつゆに合わせて、少し火照った喉を爽快に通り抜けます。量は少し多めなので、しっかりお腹にたまります。
クイッと飲んで
会話とアテを楽しんで
するり蕎麦を嗜んで
サクッと会計、席を立つ
蕎麦屋に長居は不要でい!
お客さん、粋な江戸っ子だねえっ!
いやいや、我らは蝦夷っ子さっ!
…お後がよろしいようで。