4回
2020/12 訪問
札幌一辛い汁(つゆ)
札幌一辛い汁(つゆ)の「せいろ」を定期定点観測。
■せいろ 900円
蕎麦は相変わらず出来栄え良し。食べ始めは少しマッティで若干だけ固いかな…と思わせつつ、すぐに弾力系の心地良いコシに変化して手繰りやすい。風味甘味に関してはこちらは主張控えめ。おっと、更に直盛りするスタイルだったっけ?これはあまり好きではないな。
汁、ん??気のせいかな?? 少し主張がより強くなったと感じる。本枯れ系の上品出汁は変わらず、返しの割合が増え、半生返しかな…生の要素であるムチっと感がより主張、ゆえに本来強かった熟成感は少しだけ控えめになった感じ。但し、やはりその強さは変わらずに札幌一番。
2020/12/25 更新
2019/10 訪問
2019 新そば。
久しぶりの訪問。時代は進化成長し、写真撮影にも寛大になってきた世の中でも、こちらは初志貫徹で撮影はNG。やはり雰囲気を重視しているのだろう。店内の調度は、部分部分に高級感と重厚さがありつつも、基本的にはリラックス出来る落ち着き空間。ガラス張りの奥に鎮座する電動石臼機の上には、小さなマスコットが一つ乗っていてホッコリ。
■せいろ 900円
小さな星が降るような極細並粉蕎麦。表面は適度にザラリ、モッチリとした食感で、新そばらしい風味は良好だ。汁は道内屈指の江戸前辛汁。熟成感のある返しに、枯節系の華やかでシャープなコクの融合。出汁感に覆いかぶさるような返しの強さかつ徹底した辛さは塩分の角も立つので、蕎麦を3分の1程度浸けてズルズルーっと手繰るのが賢明だろう。主張強い個性派の汁だが、味わいの力点は、やはり蕎麦の引き立て役なのだ。
薬味も蕎麦には余計とされる事もある長葱は無し。伊豆産山葵と辛味大根の状態良し。私は薬味をほぼ使わないが、もしも気分転換を図りたいならば、味の軽い辛味大根から山葵の順番で、適量を蕎麦に乗せて楽しむと良いだろう。
やはり美味い蕎麦だったが、今回感じたのは水の味わい。水切りが多少緩めであり、水道水の味が少し蕎麦の風味を邪魔していたように思う。そして接客も基本的に明るく親切で丁寧だが、やはり今回も割とマイペースな印象も受けた。一人二人の意見に振り回される必要は無いと思うが、三人四人と続く場合は少し気に留めてみても良いのかも知れない。
2019/10/10 更新
2011/09 訪問
総合力で「横綱級」
【8月再訪】
「手挽き粗挽きそば」が当日はあった。ラッキー!しかし今日もお客は私を含め2組・・・うーん・・・
やはり細切りで、艶のある茶褐色の細かい星が散りばめられたような美しい蕎麦は箸でつかむと崩れそうな繊細さ。しかし心地良いコシが十分で、口の中に広がる風味が秀逸だ。これはなかなかお目にかかれないタイプの蕎麦・・とても美味い。
価格は確かに高いイメージはあるが、蕎麦粉の価格、手間暇・・・そしてこの蕎麦の品質、それらを考慮すれば、平凡なサラリーマンの私でも決して高いとは感じない。そもそも蕎麦には「安い」というイメージが定着している(一昔前は特に)感じがあり、安くても本格的な蕎麦を提供してくれる蕎麦店も増えているのは事実で、私自身も安くて美味い蕎麦の大ファンでもあるのだが・・・
しかしながら「趣味蕎麦」と捉え、価値のあるものにはそれなりの価格がある・・的な考え方が出来る「蕎麦好き」が増えてきて欲しいとも思う。勿論、価値や内容に見合わない価格・蕎麦を扱う店は論外なのだが・・・
--------------------------------------------------------------------
是非行ってみたかった蕎麦店に先日初訪問。
人気店ゆえに混雑覚悟で12時過ぎに伺ってみたが客は私一人・・肩透かしをくらった気分だったが、おそらくラッキー。すぐに席に着けるし、おそらく蕎麦の提供も早いだろうしね。
一番の「売り」であろう「粗挽き~」は当日取り扱いが無いとの事・・残念。ならばと基本の並粉と「かつろさん」のレビューで気になっていた「卵焼き~一口」を注文。
「もり」
蕎麦は細めでやや粗挽き感もあり、キリっと冷たく提供される。赤い星が綺麗な蕎麦はもちっとしてやや強めのコシで風味も良し。つゆはかなり辛口。強さは江戸前としては若干穏やかなレベルかとも思うが、熟成感が主張し、何より「鑢で丁寧に磨いたように」角のとれた味わいは秀逸。
「卵焼き~一口」
私を含めた「蕎麦には卵焼き!派」には大変ありがたい設定。200円という手ごろ価格で注文出来る。一切れ・・といえども大人の男で3~4口という中々満足のカット・・和風あんが掛けられた味わいは甘さやや控えめで汁気(出汁感)もあり美味しい。しかし冷たく提供される事が残念。オペレーション的問題なのかもしれないが、一切れと言えども温かい状態で味わいたかった。これに関しては「チン!」でも良いと思うのだが・・・
当日は「写真撮影お断り」という事を気付かずに撮ってしまい・・・やんわりと店員さん((奥さん(?))に指摘された。しかしその言い方も丁寧なものであり、接客術含め大変感じの良いものだった・・・(店員さん、申し訳ありませんでした・・)
イチオシであろう「粗挽き」を味わえなかった事は残念だったが、是非近いうちに再訪し味わいたい・・そして種ものも早く味わいたい・・・何故かって?
蕎麦が美味かったから。
お洒落な店内、感じの良い接客、そして美味い蕎麦・・・総合力で横綱級の店である。
2019/10/06 更新
新そば訪問。店内は撮影禁止、携帯(スマホ)使用禁止が徹底されているので、協力と言う名目で従いつつ提供を待つ。
新そばのはつらつさは無いものの、やはり新しい息吹を感じる香ばしい香り。手繰ればキリリと冷えてフワリの弾力コシ、噛み締めて出る淡い甘味も上品で良い。
水切りが緩いのは従来からだっただろうか… あれこれ考えるも、良い意味で肩の力が抜けたような蕎麦の出来栄えにはやはり納得。
汁も変わらず札幌最高峰の辛口。良し悪しでは無いがその存在感に賛同。但し、この10年でマイナーチェンジされたか、個性がより分かりやすく前面に出るようになったと思う。しっかりと結んでいた紐を解いたような…
食べ終える頃に追加提供される少量の汁が嬉しい。口に含み感じとり、蕎麦湯で割って更に解いてより美味しく。そしてひょいと辛味大根をつまみながら悦に入るのだ。