2回
2016/05 訪問
伝説の名店で究極の鮪を堪能する(*´ω`*)
☆レビュー700件目の節目にはこちらをレビューしましょう(^ω^)
日本の鮨の歴史を語る上では避けて通れない「きよ田」さんにお邪魔しました。
ミシュランなどミーハー店とは一線を画す銀座の紹介制の鮨屋であります( ̄^ ̄)ゞ
一通りの薀蓄を述べますと、伝説の鮨職人と語り継がれる藤本繁蔵氏や新津武昭氏が在籍し、ロンドンに場所を移した元3つ星の「あら輝」、「つく田」「吉鮨」など、この店と関係が深かった事をウリにする職人は数知れず。
戦後、日本の発展に尽力した白州次郎(現在ではSoft BankのCMで貶められているという噂ですが…)を始めとした財界人が通い詰めたという逸話もある店です。
そして、この店のウリはなんと言ってもマグロ。マグロ仲卸「石司」の最高質品はこの店に入るという話で、東京最高質、つまり日本での最高質マグロを堪能するためにはこの店に来なければなりません。ちなみに、巷で評判の初音鮨も「石司」ですが、きよ田が優先されるのは間違いないところ。とは言え初音鮨は未訪ですので、確認のため誰か初音鮨に誘って下さいませ(^_^;)
今回、握りや、ツマミで大トロ炙りが登場しましたが、いや〜、こんなトロがあるんですね・・・(。゚ω゚)
脂がきめ細かく、全くしつこくありません。大トロであってもいくらでも食べられそうな感じなんですね。舌の上でサラッと雪の様に溶けます…(*´ω`*)。今まで、トロは脂がきつくて正直好きなタネではなかったのですが、ちょっと考えが変わりました(⌒-⌒; ) 初代から変わらず極上の腹カミのみを仕入れているとのこと。感動モノだったので、調子に乗って炙りをお代わりしてしまいました。
また、この店、マグロばかり取り上げられますが、その他のタネも相当なレベルです。煮アワビは旨味が詰まっていたし、程良く熟成させたシマアジも質良く、ムラサキウニも一級品。
新津氏から代替わりしたものの、どれも仕事は丁寧で、締め鯵は絶妙な締め具合。鯵の旨味を生かす上品な締め具合ながら緩く感じません。潮汁も雑味を感じない洗練された味わいでした。代替わりで落ちたと言う人もいる様ですが、地味ながら間違いのない仕事と感じました。
唯一、酢飯が酢や塩具合は良いもののやや粘りのある炊き具合で、握りが気持ち固めな気がしましたか。
最近の鮨の流行は、口の中でのほどけ方を重視して、古米比率の高いブレンドで、固く炊いての柔らかい握りですから、そういう意味でもクラシックなスタイルを貫いているのかもしれませんね。ツマミもあれこれとやり過ぎない仕事で、タネ質が最大限に生かされておりました。
大トロ炙りをお代わりして、黒龍の「火いら寿」や八海山を心いくまで呑んでのお会計は・・・(。゚ω゚)
敢えて書きません。「さわ田」を軽く凌駕していたとだけ書いておきます。
唯一無二、CPという概念の存在しない店です。
紹介制かつお値段含め、難易度の高い店ですが、鮨通を自認するなら1回は行っておきたい店ですね(^_−)−☆
2016/07/20 更新
【再訪】
ある日、最も恐れていた質問というか、提案が飛び出しました。
「京極さん、きよ田に行かれてますよね?紹介して貰えませんか?」
「えっ!?、いや、店と人の縁は人それぞれで、ミシュラン人気鮨屋に行ってなかったりしますが、きよ田は、ハイ・・・。」
先代の時分は「お代はお気持ちで」という、要は気に入ったら札束、気に入らなかったらお代無しでも良いという無茶振りの名言(?)まで飛び出した店。
この店には自腹でない時にで来る様に心がけているんですが、数々の予約困難店に連れて行って下さっているマイレビ様方の頼みに応えないワケにはいきません。何しろ、紹介制でかつ諭吉が片手で済む事はない店。清水の舞台から飛び降りる覚悟での訪問です(^_^;)
久々の訪問でしたが結論から言うと、いや〜、凄まじい洗練度。ご主人の木村さんは当代随一だと再確認しました。先代の伝説職人の新津氏に押されて木村氏を過小評価する向きもありますがそれは見当違いでしょう。
締めもの、穴子のツメなど、とにかく仕事が上品。マグロが有名ですが、アワビも秀逸で、薄切りなのに旨味がギュッと詰まっていています。海苔や河童巻きの胡瓜までピン食材に驚きました。
そしてシンコの凛とした佇まい!
日本酒も黒龍のしづくや八海山の一般には出回らない物など洗練された味わいの品々。
個人的にはもう少し水分少なめのシャリが好みなんですが、それ以外は文句のつけようもありません。
あと少しで引退されるので重点的に訪問したいと思います( ̄^ ̄)ゞ