この口コミは、ボナペチーノさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数:4.5
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¥5,000~¥5,999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 4.5
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|雰囲気 4.5
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[ 料理・味4.5
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年間100食:鰻マーケッター訪問記<京都嵐山:廣川>絶賛!西の廣川、東のかぶと
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鰻重
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ヒレ焼き
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肝焼き
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鰻重
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吸い物(キモ入り)
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うざく
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外観
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鯉の洗い
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きれいな店内(1F)
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鰻重の器
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2014/12/06 更新
2014年12月 ランチ訪問
京都には美味しい店がいくつもある。さすが世界に誇る観光都市であり、日本随一の歴史を誇る都だ。その中でも廣川の存在は素晴らしいものがある。
先日、京都を訪れる機会があったので、嵐山まで足をのばして廣川さんを訪れた。時間はあまりなく、世界遺産天竜寺、トロッコ電車、竹林、渡月橋などはスルー。それをスルーして良いほど廣川の魅力はある。
11:30開店なのだが、その時間に行っても入れないことはわかっていたので、10:20に訪問。その段階ですでに待っている人がいた。結局11:20くらいに開店して頂いたのだが、その時点で並んでいる人は30人以上いた。ちなみに食事を終えて12:20くらいに出たのだが、その時点では100人程度の行列が出来ていた。
時間が来て入ると、とてもきれいな店内。外には京都の山と緑があり自然を感じられる。店に入る前も、並んでいることに対して、通りがかる店員さんすべてが気遣いの様子を見せていた。
注文は鰻重定食とヒレ焼き。定食では吸い物か赤出しを選べるが、吸い物にして+100円でキモを入れてもらう。
まず最初に出てきたのが、肝焼きとヒレ焼き。肝焼きは、風味としての苦みはあるが、キモのまったり感が心地良い。ただまったりしているだけでなく、適度な弾力もある。決して大きなキモではないのだが、最高の状態で出して頂いていることが感じられる出来だ。タレは濃すぎず、辛くない。キモのマッタリ感が出すほのかな甘さとの相性が抜群だ。
ヒレ焼きは絶品だ。他の店のヒレ焼きとは違う。ヒレ酒にあるようなヒレで軽く塩がふってある。よくあるヒレ酒のヒレはざっくりした味であることが多いが、このヒレはとても上品だ。ふわっと軽く、香ばしい。いつまでも食べたくなるクセになる味だ。絶妙なのは鰻の風味が残されていること。鰻重を食べ終わるまで、私は少しづつヒレ焼きを楽しんだ。いや、楽しみたかったので、残しておいたのだ。
次に出てきたのは、新鮮な鯉の洗い。おろしたてのわさび、千切りの大根ときゅうりが入っている。味噌につけて食べる。丁寧な仕事で、味が繊細、素材は新鮮そのものだ。正直、あまり期待をしていなかったのだが、これもまた美味だった。
次に出てきたのは、うざく。蒲焼きは小さく切られているのに、やわらかくふっくら、ぷるぷるしている。小骨の処理もとても丁寧だ。味は、ふんわり軽く若干の辛みがある。これが酢の味と相まって絶妙。普段、よほど白焼が美味しいとか、ひつまぶしが特徴だということが無い限り、私の基本的な食べ方は、鰻重と肝焼きにしている。その確認を年間100食程度やっているわけだ。うざくやう巻きも時には食べるし、鰻の燻製、鰻のお茶漬け、もちろん白焼きも食べることは多々ある。廣川さんのうざくは美味しい。肝焼きで鰻の滋味を堪能し、鯉の洗いで口だけでなく胃の中までさっぱりするような気持ちになり、うざくで再び鰻モードに入って行く。とても美味しく、次の鰻重への期待を高めてもくれるのだ。
そして鰻重。この日は鹿児島と宮崎の養殖鰻。廣川さんでは天然も時価で出している。天然に関しても、養殖に関しても、産地や出所がはっきりしない鰻は仕入れないのが廣川さんの方針だ。それを聞いただけで、しっかりしていることがわかる。それは食の安全性の問題だけではなく、産地によって変わる鰻の風味を損なわないためでもあろう。
鰻重をいただく。関東風の蒸しだ。蓋を空けた瞬間、香りはそこまで強くはないが、静岡・愛知の鰻と比較すると、身がぎゅっとしている鹿児島・宮崎らしい鰻だ。かつ、身はふっくらしていて箸ですっと切れる。皮の焼き目は若干焦げがある程度だ。御飯はしっとりしつつパラパラさを残し、やや少なめだ。 蒲焼きのタレは軽く辛みがある程度、タレは多くない。 実は鰻の名店でも、素材、焼きなどの調理法、タレ、御飯、量のベストなバランスを欠いている店は少なくない。廣川さんはこの意味で日本一のバランスを誇ると言って良いだろう。最初は少しづつ頂いていた鰻重だが、どうしても一気に食べたくなり、底まで箸を入れ、すくって御飯と蒲焼きを放り込んでみる。食べた後に、他に何も口に入れたくない、まだ食べたいと思える鰻重は久しぶりだ。年間100食食べて、3軒あるかどうかだ。補足になってしまうが、吸い物には三つ葉、しいたけ、ゆず、肝(+100円)が入っている。しいたけの香りと出汁の味がしっかりしている。
廣川さんの料理はすべて丁寧で上質だ。鰻で京都の文化を感じられる。食後も口の中で味を消したくないだけでなく、清々しい気持ちになる。化学調味料を使っている店であればあるほど、食後の口の中には清々しさが残らない。廣川さんの鰻の清々しさは日本一だ。ちなみに、廣川さんには調味料がない。テーブルにもなければ、料理とともにも出されない。その意味は、廣川さんで食事を終えてからこそ、よくわかるだろう。提供された状態がベストバランスだからだ。
最後に廣川さんの素晴らしい部分をもう一つ伝えたい。それはホスピタリティだ。私が食事を頂いた一階には7つのテーブルと1つの座敷席がある。全員座ることが出来れば30人座ることが出来る。しかし、団体客だけではなく一人客もいる。一人客でも順番によって4人席を一人で使えるようにしている。
私は、鰻重定食(上)を頼んだのだが、出すタイミングは私の食べるスピードを見計らっていた。したがって絶妙のタイミングで出してくれる。お茶やお水のチェック、片付けのタイミングも見事だ。席を埋めない、客を急かさない、店の雰囲気は無駄がなく落ち着いている。この点においては、日本のどの鰻屋よりも優れている。
年間100食も食べていても、美味しい鰻を食べると嬉しくなる。ただ、感動するレベルはそうそうない。2、3軒あるかどうかだ。鰻重を食べ終わるころに、あと何口食べられる、あと何口で終わってしまうと思える鰻重はほとんどない。久しぶりにそんな店に出会った。ここ数年間で数百回、鰻屋には行っている。自分なりの評価をすると、トップ10までは特にとても素晴らしい。その中でも3番手以下は入れ替わりもあったが、トップ2はずっと変わらなかった。それが池袋のかぶとさんと小田原の友栄さんだ。そのトップ2の評価を変えようと思う。2013年後半くらいから友栄さんの状況が少しづつ変わってきた。美味しいことに変わりはなく、良い店にも変わりはないのだが、本当に残念だがかつてほどではなくなってきてしまった。初めて行く人は「凄い!」と評価するだろうが、毎年何度も通っており、他の鰻屋にも行っていると、その違いがわかるのだ。今回の廣川さん訪問で、トップは池袋かぶとさん、第二位は廣川さん、第三位は友栄さんに変更する。天竜寺も、竹林も、渡月橋も、トロッコ列車も見ることは出来なかったが、何の悔いもない。