2回
2015/07 訪問
“行きつけの店”、冨茂登(ふもと)♪ 【函館の巻2の2】
開髙健の推薦で壽屋(現サントリー)の宣伝部でコピーライターとして活躍し、
直木賞作家としても著名な山口瞳著、「行きつけの店」(注*)で知った店です。
「冨茂登の烏賊の糸造り」というタイトルで執筆されていました。
実は函館に来る機会があったら、
必ず寄りたい店としてピックアップしてありました。
(注*「行きつけの店」の紹介は " Skipio "という方のHPにリンクしました)
店内に入ると広いカウンター席が中央に鎮座します。
昨晩のうちに小上がりの席を予約してあったのですが、
このカウンターを見たら、こちらに腰掛けたくなります!
即、カウンター席に変えていただきました。
生ビールを飲みたいのですが、
サッポロクラシックがありません...
サントリーになってしまいます。
瓶ビールでサッポロクラシックがありました!
(”生”は長年の付き合いのサントリーに押し切られたそうです)
...そりゃそうですな(^^)
さて、アテである、
山口瞳が召し上がっていた「烏賊の糸造り」が出来るかどうか?
...残念ながら、今は扱っていないそうです。
では、おでんを選びます。
変わりネタがあります。
女将のお薦めに従いそれぞれ注文してみました。
「半熟卵」~ これはフォアグラ注入の特別仕立て。
「アボカド」~ 一個を煮ています。
「大はるさめ」~ ほんとに大です!堅くはないけど暖かい冷麺の様です。
「はんぺん」~ これは私の好みで選択。
これも大きい、汁の浸み方が上手です。
そして、連れが気になる一品を選びます。
「根ぼっけ味噌漬」~ ”根ぼっけ”とは普通のほっけとは違うようです...?
「黒ザンギ」~ イカ墨を纏った鶏唐揚げで、初めていただく風味。
「じゅんさい」~ 大沼の見事なジュンサイは今が旬です。
このミニトマトは酢漬けで、一手間かけた逸品です。
やはり、おでんをいただいていると、お酒がすすみますね...
連れが短冊メニューから「するめ酒」を発見してしまいました。
スルメの香る燗酒です。
中に入っているスルメはそのまましゃぶっていただきます。
旨いです♪
その他に「純米三種飲み比べ」を...
岩手県宮古市 辻村勝俊の酒
青森県むつ市 関乃井酒造 純
高知県安田町 土佐鶴
何故か北海道の酒蔵がありません。
東北は判るが土佐が入るとは...
そう言えば、
坂本龍馬の蝦夷開拓史をベイエリアに近い末広町に、
「北海道坂本龍馬記念館」として残されていました。
そういうご縁もあるのでしょうか...!?
女将の話では、
これらの純米酒は酒蔵に赴いて仕入れる事にしたそうです。
この三点、どれも美味い純米酒ですが、
中でも”純”が好みでした(^^)
女将さんと話しながら、
「行きつけの店」で得た予備知識をひけらかすと、
その単行本を出して写真を見せてくれました。
山口瞳と先代の大女将が載っています。
また、背中の壁にかかっている写真は、
サントリーの佐治社長(現会長)とのショットです。
表敬訪問に来たのだろうか?
昔は函館山に近い宝来町で営業していたらしいのですが、
現在、そちらは「料亭 冨茂登」として、ご子息が切り盛りされているとの事。
この五稜郭公園前に移ってから、十数年になるのだそうです。
もともと、宝来町は函館山の“麓”(ふもと)である事から店名としてつけて、
冨茂登なのだそうです。
「こちらはいつまで続けられるか分からないけど、
もう少し頑張ります」と女将さんが仰っていました。
10年、20年と永く続けていて欲しい店です。
今回、函館に二泊し、「TOP5000」に入る店にも伺いましたが、
何か違うな、という感があります。
何故、皆さんは此方のような店を利用しないのか!?
大変不可解に思うのでした...(?_?)
この函館にはこういう居心地の良い、
素敵な店がありますよ♪
瓶ビール(サッポロクラシック)630円
お通し二種
おでんの注文表
半熟卵(フォアグラ入り)
アボカド
はんぺん 220円
太はるさめ
するめ酒650円
根ぼっけみそ漬840円
黒ザンギ680円
純米酒三種飲み比べ950円
じゅんさい(酢漬けのミニトマト添え)
山口瞳著「行きつけの店」の冨茂登、気さくな美人女将
2015'7/4
2015'7/4
2015'7/4
平成27年文月
平成27年文月
小上がり
今は亡き大女将の帯が店を見守っています。
女将・佐治社長・大将
50年以上使われている、おでんの銅鍋。錆一つありません。
2015/08/19 更新
山口瞳の「行きつけの店」です。
おでん、海鮮類、大将の創作的な料理もいろいろ。
昨年、凾館に来ることが叶わず、
今年こそはということで三年ぶりでやってきました。
当然、こちらのカウンター席も確保して訪問しました。
先代の大女将が凾館山の麓にて始めたおでん屋。
その時代から受け継がれた金ピカのおでん鍋に、
当時の趣を残されたカウンター...
そして、何よりも嬉しいのは、
その歴史を守る大将と女将が元気でいらっしゃる。
凾館に訪れた際には必ず立ち寄りたいお店です。