8回
2019/02 訪問
ゆっくりとした熟成
秩父ウィスキー祭りの帰り道。
1年ぶりにヴァンプラスに寄ります。
前回行った時には、「今度サルディーニャに行くんです。」なんて話しを聞いた。
今回は、「これからは、日本をあちこち周りたいと思ってるんです。」なんて言って、この前行ったという余呉湖の徳山鮓の話しを聞かせてくれた。
まさか森さんと徳山の話で盛り上がるとは思わなかったな。
ワインからスタートした「発酵」を巡る旅として、鮒鮓に目をつけたって事なんだろう。
近況報告がわりに、農口尚彦研究所をオススメしておいた。
いつものように、自然派ワインをいくつか頂く。
相変わらず、森さんのワインの表現は独特で、ああ!正しくそんな感じ!っていうものもあれば、へーそういう表現するんだ?ってものもあるけれど、置いてあるのは総じて明るいお酒なんです。
モルトやコニャックなんかを飲むようになって感じることは、美味しいお酒には醸造酒・蒸留酒を問わずして2つの方向があるという事。
すっごく美味しかった時に、ググッと自分の世界に入り込んで美味しさを噛みしめる孤独になってゆく酒と、気持ちが拡散して「これめっちゃいいんだよ」って思わず誰かに話したくなるような陽気になってゆく酒。
→これ半分は札幌の某バー店主の受け売りね。
ワインであっても、自分の世界に入り込んでしまうような美味もあるのだけれど、ここのワインは陽気な拡散系で、気持ちに寄り添ってくれるような感じがするよ。
飲んだワインの中から気に入ったものの系統を何本か買ってリュックに納め、家路につくことにした。
それにしても、いつ来ても前向きで明るくて気持ちの良い気に満たされている空間。
変わらないようでいて、少しずつ熟成されていく様子がまた、とってもいい感じなんだ。
あの土地に行ったらこのバーでエネルギーチャージする。
みたいな、お気に入りの場所が全国各地にあると、人生は楽しく豊かになると思うんだよね。
そういう意味で、熊谷にこのお店があると思うと、凄くウキウキした気分になる。
このお店がゆっくりゆっくり、でも確実に熟成をしてゆく様子は、頻繁には行けないからこそ、わかる事なのかもしれないな。
またしばらくしたら、その熟成具合を味わいに参りましょう。
2019/03/22 更新
2018/02 訪問
ワインとパンとコーヒーと音楽。大切なものが詰まった、幸せな時間。
秩父ウィスキー祭りの帰りに、ツレと訪問。
しばらく間が空いたので、近況を色々と聴きながら、ご機嫌にワインを飲む。
相変わらず店主のワイン形容は独特で、酸がバシッとかなり強くて、でも甘さもあって、香りの良い白ワインのコトを、フルーツヨーグルトに例えたりする。
それを、あぁ確かにそんなニュアンスがあるね、とか、えーそうかなぁ? なんて言いながら過ごすのは、楽しい時間。
自家製の生ハムがメニューにあったので、それをつまみにもらう。
ふむ、これは燻製はかかっていないけれどシュペックっぽいみっちりした感じだね。
日本で言うなら、巻き鰤か?
旨味がガシッと凝縮されて、穏やかながらしっかり熟成香も出てきている。
ウィスキー祭りで散々飲んで来ているので、本日はワインは軽めにと、コーヒーを入れてもらった。
やはりここのコーヒーは、ワインを邪魔しない良さがある。
コーヒーの後にワインに戻っても、全く平気な美味しさって不思議だよね。
綺麗な酸があって、ロングに長くひく魅力的な香りと厚み。
厚みはあってもグラマラスなタイプではなく、あくまでクリア。
うん、美味しかった。
最後に、来週からイタリアに行くという話をしてくれた。
サルディーニャに行って、お気に入りのワイン生産者の所を訪ね、少し仕事を手伝うと。
その後はレンタカーを借りて、サルディーニャ島内を予定を決めずに回るのだとか。
だから2018年2月25日から3月7日まで、お店はお休み。
8日が帰国日なので、場合によってはお店を開けるタイミングがズレるかも。
通常営業は9日からとの事です。
また、サルディーニャの土産話しを聞きに、寄るコトに致しましょう。
2018/06/24 更新
2017/10 訪問
フィーヌもいいね。
ツレと一緒に、お気に入りのVAN+へ。
いつもソロ活動が多いので、行きつけの店にツレや友人を連れて行く時は、少しだけ緊張する。
自分が気に入っている要素を、ツレも気に入ってくれるだろうか。店主にとって、ツレは良い客だろうか。二つの意味での不安が、その緊張感の所以。
でもその不安は杞憂に終わったようだ。
ツレは存分に、この店を楽しんでいた。
今回良かったのは、泡とピノのロゼ。
基本、ここでのワインの出会いは一期一会。
この前飲んだ、アレが美味しかったからもう一度。なんて言っても、元々生産本数が少ない蔵のものが多いので、まぁまずストックが無いし、あってももう少し熟成をかけて変化も見たいから、お目にかかれないコトが多い。
だからこその楽しさがある。
そして、フィーヌはかなり良かった。
これまで蒸留酒を置かなかった店主が、これならと置いたそのフィーヌは、最初のアタックは柔らかく、軽い渋みを伴ったブドウそのものの香りで、ブドウの皮の裏の1番甘いところのような、後引きな甘みに満ちていた。
とても満足感が高い一杯。
最後のモルゴンは、ブショネだったからと無料で味見させてくれたもの。
地下鉄の湿っぽい香りがして、とてもじゃないが楽しめない。
これまでのワイン飲み暦の中で、これがブショネだ!というものに当たったコトが無いので、こうして経験させて貰えたのは、大変ありがたかった。
店主は10月22日から11月2日まで、フランス・ポルトガルに視察旅行に行かれるとのこと。
戻って来た頃を見計らって、土産話を聴きに参りましょう。
2017/10/10 更新
2017/08 訪問
今夜も寄ってしまった。
たまには、何かおつまみでもと、あれこれ出して貰う。
店主の家の庭に生えているミョウガと、お隣のおウチのきゅうりが特に美味しいピクルスは、千鳥酢を白ワインを煮詰めたもので割ってから、漬け込んでいるのだと聞いた。
チーズは、気になるものだけを盛り合わせて貰った。
スペインの、牛とヤギと羊の乳を混ぜて作ったという粋狂みたいなブルーチーズは、かなり辛口でピリピリ。
これまで食べたブルーチーズの中では、ダントツに辛くて、沢山は食べられないけど、ツマミには良し。
しかしここに来るお客さんは、いろいろなコトを受け入れる好奇心が強い方が多いのだと思う。
自然派ワインばかり置いてあって、ステレオタイプなブドウ品種の味わいでないことも多数。
ガッツリとビオ臭のするものや、極端に酸のたったものもあったり、好みとは違うタイプを勧められるコトもある。
もちろん、好みど真ん中に当たることもあるけれどね。
それでも皆さん、みたらし団子っぽいかな?とか、和食との相性はいいかもね?とか、好みじゃないけど飲み物として力強いね。なんて言いながら新しい出会いを楽しんでいる。
ワインについて話しているのに、スノッブさとは対極にあるような、穏やかで素直で好奇心に満ち溢れた雰囲気が、このお店の魅力ともなっている。
ちなみに、本日の2杯目の白ワインがまさにガツンと極端に酸っぱくて、かつ、酵母の香りがするもの。
そのまま飲んだら、なんじゃこりゃ?
でもこれがピクルスの酸の方向とどんぴしゃで、ピクルスと合わせた途端に酸味はマイルドになって、酵母の香りも、全く気にならず、旨味にかわっちゃうんだから、不思議。
しのごの言わずに、ありのまま新しい出会いを楽しむのが、ここでの正解かもしれない。
2017/08/25 更新
2017/07 訪問
居心地の良い立ち飲みワイン。
思えば、約一年前。
フラリと立ち寄ったカレー屋のレジ横に、センスの良いポストカードがあって、実店舗の無いワイン屋が月に一度、ワインの試飲販売イベントをやっているコトを知った。
どうやら、カレー屋とコラボでワインイベントなんかもやったことがあるらしい。
自然派ワインに興味があるなら是非行ってみて下さいというカレー屋店主に勧められるがまま、
パン屋の二階で開催されているイベントを訪れ、いくつか試飲して2本くらいのワインを買った。
その時、「熊谷に15時から飲める立ち飲みワインのお店を開こうと思っているんです。お店が出来たら来てくれますか?」と声をかけられ、
「あぁそんなお店があったらいいね。出来たら寄るから連絡して」と、名刺を渡したのを覚えている。
しかし、待てど暮らせど連絡は来なかった。
まさか全て1人で作業して、オープンまで9ヶ月かかるとは…
同好の士が沢山居ると見えて、いつ来ても和やかな会話が繰り広げられている。皆んな待っていたんだねぇ
ワインを1〜2杯飲んで、サクッと帰る。
その引き際も、皆さん見事。
なかなかに良い酒場である。
2017/07/19 更新
2017/07 訪問
このところ通っているVIN+。
本日は、コーヒーを飲みに立ち寄る。
2種類ある豆は、ワインの香りに合うように組み立てられたオリジナルのもの。
九十九里にお店を構える焙煎士の方が、熊谷まで来て、ワイン好きの人が満足するコーヒーを、ワインを飲みつつ考えてくれたのだとか。
来るたびに、新たなストーリーに出会える、引き出しの多い店だ。
焙煎からの時間によって、酸味や香りの出方が変わってくるので、毎朝カッピングして、その日の抽出具合を決める。それが焙煎士からのアドバイスなのだと。
なるほど、このコーヒーは、ワインの香りと一緒になっても、心地よい。
酸味も甘みも苦味もあるけれど、過度になりすぎない素敵なバランス。
何よりずば抜けているのは、圧倒的な厚みのある余韻の長さ。
ああ、これは、美味しい。
ワインを飲まずに、コーヒーだけで満足出来るか、自信が無かったけれど、このコーヒーならば、ワインを飲んだのと同じくらいの満足感がある。
店主いわく、このコーヒーは1杯を数時間かけてゆっくり飲むのも美味しいのだとか。
そんなところも、ワイン的。
たまには、コーヒーだけを飲みに来ることに致しましょう。
2017/07/11 更新
2017/07 訪問
本日は、ワインを買う為に訪問。
2階がワインセラー空間になっていて、気に入ったワインは、ボトルで買って帰ることが出来る。
自然派は型にはまらない生産者も多く、エチケットを見ただけでは全く味が想像出来ないだけに、店主のナビゲート付きで、自然派ワイン探索するのは、安心感があるし、底抜けに楽しい。
2017/07/06 更新
2017/07 訪問
ワインだけではない、余白のある楽しみ。
若き店主が、9ヶ月かけて内装から全て自分で作り上げた、センスにあふれる空間。
自然派ワインとコーヒーとパンとチーズを立ち飲みで。気の利いた音楽が流れる中、隣り合った人と自然に会話が弾む、そんな心地よさを求めて、つい通いたくなるお店。
ワインリストは無く、泡白赤、好みのタイプなどを伝えながら、その日の一杯を決めるためのプレゼンテーションをしてもらうやりとりも、楽し。
情熱とセンスにあふれた店主なれど、決して押し付けがましくないところが、好感が持てる。
15時から飲めるのも良し。
長く続いて欲しい。応援したい店。
2017/07/07 更新
自然派ワイン×立ち飲み×コーヒー×音楽。ワイン伝道師たる店主からは、さまざまなワインエピソードが聞けて楽しいのだけれど、まぁ難しい事なんか抜きにして、美味しいワインをグラスで、こんな風に自然に楽しく飲める空間が、熊谷にあるということの幸せ。
2017/07/19 更新