ふらんくっ…さんが投稿したます味(東京/曙橋)の口コミ詳細

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ふらんくっ…の徒然食べ日記

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ふらんくっ… (60代前半・男性・東京都) 認証済

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掲載保留ます味曙橋、四谷三丁目、四ツ谷/海鮮、ふぐ、日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2012/01 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

【ます味/曙橋】穴子料理で、ここまで感動するなんて…

【2012年1月6日】

年に3~4回、仲間内で美味しい穴子料理を楽しむイベントがある。
これまで「あな太朗」や「主水」を訪れたが、今回は「ます味」を訪問。
初めての店ということもあり、穴子のコース[8,500円]を予約しておいた。

~穴子のコース(7品/8,500円)~
「肝煮、薄造り、小鍋、白焼、揚物、穴子ご飯、デザート」

連れと曙橋で待ち合わせてお店へと歩くが、これが結構分かりにくい。
|A4出口を右に出たら、すぐ右に見える外苑東通り(高架)の階段を上り…
|通りに出たら右手に歩き、すぐ見える信号付き横断歩道を反対側に渡り…
|右に歩き「ゆび募金」と書かれた自販機が左手に見えたら、そこを左折…
|しばらく歩いて交差点を右折し、さらに歩くと左手に…、お店発見。

時間にすると数分だが、初めての人は迷ってしまうかも。w
さて、時刻は16時55分。17時の予約だったので、店先で待つこと5分。
看板の明かりは灯ってなかったが、階段を下り、暖簾をくぐって店の中へ。

「予約しておいたフランクですが…」
「いらっしゃい。どうぞこちらへ」

この日、最初の客となった我々2人は左手奥の2人掛けテーブルへと通される。
ご主人にコートを預かってもらい、席に着くと、かなりゆったりとしている。
(座ろうと思えば、4人は座れるくらいの広さ)

「お飲み物はどうしましょう」
「ビールがいいのですが…」
「生と瓶、どちらにしますか」
「じゃあ、生でお願いします」

まずはワンドリンクサービスのクーポン券を使用して生ビールを注文。
そして乾杯!(グラスから察するに、銘柄はキリンビールらしい。w)
外は寒かったが店内は暖かいし、落ち着いた雰囲気で飲むビールは最高。
おっ、BGMに流れている曲はユーミンではないか。これはいい気分だ。

しばらくすると、我々の目の前に一品目が運ばれてきた…

と、ここで今回はいつもと違い、最初に結論から言っておきたい。
穴子を知り尽くしたご主人が創る逸品料理の数々は素晴らしかった。
穴子料理を食べて、ここまで感動したのは生まれて初めてのことだ。

…ということで、どんな展開になったか、順を追って見ていこう。
(料理が運ばれると、ご主人自らが丁寧に内容を説明をしてくれる)

■肝煮(八寸)

肝煮、銀杏入りイカのすり身湯葉巻き揚げ、カニ玉子、ミニくわい、
牛肉ゴボウ巻き、明太子入り酢レンコン、鮭の聖護院かぶら酢締め巻き、
そして、トコブシ煮の8種類。見た目も良く、それぞれの味も個性的で良し。
特に肝煮は臭みがまったくなく、甘いコクが口の中に広がって贅沢な逸品。
かわいいミニくわいも、味付けも良く、個人的にとても気に入った。

■薄造り

八寸を食べ終わると、次に出されたのが薄造りと橙ベースのポン酢。
うっすらピンク色の身はピカピカに輝いており、新鮮さが一目で分かる。
とも和え(湯引きした身と肝)と茹でた皮、アサツキも添えられている。

まずは薄造りをそのまま口にする。なんとも上品であっさりした甘さ。
コリコリ感も抜群で、噛むほどに、口いっぱいに幸せな味が広がる…

「薄造りを出す店は多いですが、ここまで美味しいのはうちだけですよ」
ご主人が自信たっぷりに話される。素材もいいが、ご主人の腕前も見事。

「確かに、ここまで美味しい穴子の薄造りは初めてですよ」
私が笑顔で応じると、ご主人も笑顔で話を続ける。

「フグの薄造りあるでしょ。身に水分があると薄く引けないんですよ」
「へぇ、そうなんですか」
「身を一晩寝かせて、余計な水分をなくしてから包丁で引くのがコツです」
「なるほどね…」
「そうしないと身が薄く引けずに“ブツ”になってしまうんですよ」

ご主人はフグを調理する腕も持っており、もちろん店でも出している。
ちなみに、ブツとは面白い言い方だが、いわゆるぶつ切りのことか…

「だから、水槽で泳いでいたフグをその場で薄造り…ということは無理。
そういう店では、目の前で取り出したフグを見えない場所にそっと隠して…
寝かしておいたのを調理するんです」と茶目っ気たっぷりに話しを続ける。

今度は私の大好きな橙のポン酢で、ご主人渾身の薄造りを食べてみる。
穴子の旨味に橙の香りがブレンドされ、絶妙の味わいだ。旨い…

この辺で、ビールがなくなったので、日本酒を頼むことに。
ご主人に聞くと、真澄の樽酒や、立山があるとのこと。

「檜のチップを入れて混ぜただけの樽酒が多いですが、これは違います」
「じゃあ、まずは真澄の樽酒をお願いします」

升に入った真澄が運ばれてきた。ぷうんと樽のいい香りが漂う。
貝殻の形をした小皿に盛られた天然塩も付いてる。これは粋な計らいだ。

樽の中でしっかりと寝かせた芳醇な味と香りの真澄をぐいっと一口。
薄造りと塩を交互につまみながら飲む日本酒は、これまた格別。
とも和えを一口。イカに似た味の肝が身に絡まり、これもいい肴。

続いて穴子の皮を一口。微妙な味だがプルプルこりこり、いい歯ごたえ。
皮とアサツキを薄造りで巻いて、ポン酢で頂く。不思議な食感で旨い。
かんずりで作ったと思われる風味豊かな紅葉おろしも添えられている。
試してみたが香りがちょっと強いので、使わない方が良かったかも。

■小鍋

さて、私がもっとも楽しみにしていた料理、小鍋の登場だ。
豆炭入りコンロの上に鉄鍋が乗っており、中身がぐつぐつ煮えている。
鍋にはスープ、穴子、ネギ、ゴボウが入っており、ネギの甘い香りが漂う。
この香り、どことなく懐かしい…、そうだ、駒形どぜうの鍋と似ているぞ。

ご主人によればこのスープ、180匹分の穴子の骨が使われているとのこと。
それが煮こごりになっており、こうして溶かして使うのだとか。
お客には見えない手間を小鍋一つに惜しみなくかける。感動だ…

「味付けは醤油だけです。みりんや砂糖を入れると味が濁りますから」

ご主人の話を聞きながら、熱々の穴子を口に頬張る。
変な調味料が入ってないから、後味が潔く、穴子の旨さを引き立てる。
薄造りとは違い、これでもかというくらい穴子の旨さが口の中に広がる。
もちろん日本酒との相性も最高。濃厚な穴子の味をさらりと流してくれる。

「身を食べ終わったら、鍋を手前に傾けてスープを煮詰めてください」

はて、どういうことだろう。

「そこにご飯を入れて食べたり、白焼きにつけて食べるんです」

なるほど。一緒に付いてきたご飯の小皿はそういうことだったのか。
ご主人に言われた通りスープを煮詰め、固めに炊かれたご飯を入れ…
いい具合にご飯が煮えたので、一口サイズのレンゲで食べてみる。

穴子の骨と醤油だけのあっさりしたスープが濃厚な味わいに変化している。
そこに穴子の味が加わり、熱々ふーふーの旨さでレンゲが止まらない。
ご飯の歯ごたえも適度に残っており、日本酒の肴としては最高だ。

■白焼

そうこうしていると、白焼きが出された。
皿にはネギ、天然塩、わさびが添えられている。

「ネギ塩も日本酒のいいつまみですよ」とご主人。

ネギに塩をまぶして一口。なるほど、ネギの甘さと塩辛さが最高だ。
ネギは水にさらされており、余計な辛味が抜かれているようだ。
次にわさびを一口。言うまでもなく、鮫皮で細かく卸した本わさび。

白焼きをそのまま一口、わさびで一口、そしてスープに浸して一口…
どれも個性的な味わいだが、確かにスープで食べるとまた格別な味わい。
タレで焼いた蒲焼きとも違った、不思議な美味しさが楽しめる。

この辺で真澄がなくなったので、今度は立山の冷や酒を頼む。
ガラスの徳利と、江戸切り子のグラスが涼しさを醸し出す。
私の大好きな立山の美味しさが、一層引き立つようだ。

気がつくと、BGMがクラシック音楽に変わっている。
穴子を食べながら日本酒をまったり飲むにはいい雰囲気…

■揚物

インゲンの穴子巻き、穴子の湯葉巻き、小ナス、青唐の揚げ物4種盛り。
そこにスダチと天然塩が添えられている。

「小ナスは九州産で、とても甘いですよ」

スダチを搾って揚げ物にかけると、すぐさまいい香りが立ち上る。
小ナスを一口。ご主人が言う通りとても甘い。インゲンもいい香り。
天ぷら職人には及ばないが、他のネタも無難に美味しく仕上がっている。

■穴子ご飯

続いて穴子ご飯、お吸い物、香の物が、ほうじ茶とともにサーブされる。
まずは、穴子ご飯を一口。甘いタレで香ばしく焼かれた穴子が旨い。
そこにしその葉の香りが加わり、まさに香りの二重奏。

「ご飯と穴子をちょっと残して、お茶漬けにしても美味しいですよ」

おっと、時すでに遅し。私はそうする前に、ご飯を完食していた。
連れは言われた通り、ほうじ茶を注いで「美味しい」を連発。しまった…

お椀にはホンシメジと、これまた珍しい石鯛が入っていてなかなかのお味。
聞くのを忘れたが、ダシには穴子の骨も使われているのかもしれない。
香の物は大根と葉っぱ。ちょい甘めだがこれも日本酒に合う一品。

■デザート

最後に、見た目も綺麗でかわいい盛りつけのデザートがサーブされてきた。
イチゴ、オレンジ、アンコが乗った抹茶ゼリー。抹茶の香りがグーな一品だ。
これも、あっという間に完食…っと、ここで時計の針を見ると19時半。
ゆったりとした時の流れの中、あっという間に2時間半が経過していた。

お腹も一杯だし、そろそろ潮時だな、ということで、お勘定を頼む。
運ばれてきた勘定書を見ると、税込み24,495円。(税抜き23,330円)
ちょっと野暮だが、そこから逆算すると日本酒は1杯1,500円強の計算。
高いかな…とも思ったが、料理の質や店の雰囲気に見合っているのかも。

一方、連れは足りないと言ってたが、私には料理の量が多く感じた。
6,500円のコースか、ご飯抜きでも良かったように思う。

最後に、私からご主人にこんな質問を投げてみた。

「そういえば、今日の料理は何匹の穴子が使われているのですか」
「3匹といったところですが、骨は180匹分使われてますからね…」

なるほど。これは微妙な数字だ…っと、うっかり産地を聞きそびれた。
これは次回のお楽しみかな。w

「初めて来られるお客様には穴子のコースを召し上がって頂きたいですが…
今度お越しの際は、違った料理に変更できるので遠慮なく言ってください」

なるほど。わがままが利くのか。それでは次回は穴子ご飯抜きで。w
冗談はともかく、ます味の穴子料理に感動し、大満足で店をあとに。

今度は半年後か一年後か分からないが、是非また再訪してみたい。

  • 生ビールで乾杯

  • 一品目:肝煮(八寸)

  • かわいいミニくわい

  • 二品目:薄造り

  • 真澄の樽酒と盛り塩

  • 三品目:小鍋

  • 小鍋に付いてくるご飯

  • 鍋を傾けてスープを煮詰める

  • 四品目:白焼

  • 煮詰まったスープでご飯と白焼きを…

  • 立山の冷や酒

  • 五品目:揚物

  • 六品目:穴子ご飯

  • 穴子ご飯のアップ

  • ホンシメジと石鯛の吸い物

  • 石鯛(見た目はグロ!?w)

  • 七品目:デザート

  • 箸置き

  • 外観1

  • 外観2

2012/01/07 更新

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