サカキシンイチロウさんが投稿したぽん多本家(東京/御徒町)の口コミ詳細

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サカキシンイチロウ

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サカキシンイチロウ (60代後半・男性・東京都) 認証済

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ぽん多本家上野広小路、上野御徒町、御徒町/洋食、とんかつ

2

  • 昼の点数:4.5

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 -
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
2回目

2024/01 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気-
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

続く店には続く理由があるのです…。

二度目のお昼に御徒町の「ぽん多本家」。
揚げ物洋食とでもいいますか。お店に入ると脂のおいしい匂いがしてる。
とんかつではなく「カツレツ」と呼ばれるここの名物。
低温でじっくり時間をかけて仕上げた色白のカツ。塩と胡椒の下味だけで豚の持ち味が膨らみ味が整っている。
サクサクのパン粉衣にしっとりジューシーな豚ロース。
揚げているのに油っこさをまるで感じず、蒸し上げたかのような食感。
タンシチューがおいしいのネ。
うつくしき箔押しの洋皿に分厚く大きなタン、どっしりとしたソースが覆う、堂々とした様に惚れ惚れします。
ナイフを当てるとスーッと入り繊維がハラリとほぐれながら透明な肉汁が滲んで光る。
とろける。なのに繊維がずっと残ってタン独特の風味がずっと口の中にいてくれる。付け合わせはジャガイモ、ニンジン、そして椎茸!どれもおいしいオゴチソウ。

いろいろたのんでみんなでわける。
エビコロッケにカキフライ。エビグラタンを揚げたかのようななめらかさ。ぶつ切りのエビがゴロゴロ入ってサックリ揚がったパン粉衣と混じり合う。
カキフライはしっかり揚っているのにみずみずしくて旨みがギュッと凝縮された感じが見事。
青柳の小柱のフライがやってきて、あの小さな柱をこんな形に揚げられるってプロの仕事ってスゴイなぁ…、ってびっくりしちゃう。
穴子のフライの肉厚で風味豊かなことにウットリ。天ぷらよりもフライの方が穴子はうまい!って確信する味。
続く店には続く理由があるんだとしみじみ思う…、オゴチソウ。

2024/01/16 更新

1回目

2016/04 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気-
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

皿まで贅沢な江戸前洋食

野暮用を終えてちょうどお昼にほどよい時間。
とびきりの洋食を食べてやりましょう…、と、「ぽん多本家」にやってくる。

明治38年創業。今のご主人で4代目。
100年以上続く老舗で、日本にはこういうお店が沢山ある。古いからと言って枯れるのでなく、時代をこえてみずみずしくあり続けるお店がたくさんあるというのはすばらしきコト。

この店も大繁盛です。
12時前という時間にはほぼ満席で、いつもは使わぬテーブルを整えてもらってめでたくありつく。
ちなみにココの2階に向かう階段に、キチッとじゅうたんが隅から隅まで敷き詰められてる。つなぎ目のないこの階段のために誂えられたじゅうたんで、こういうところに、老舗ならではの贅沢感じる。

上野御徒町という場所柄もあり、おちついた年齢のお客様が多い中、若い人たちもやってくる。こうして次の時代につながっていく。
いいな…、と思った。とんかつが有名ではあるのだけれど、実はとんかつ屋ではなく洋食屋。とんかつ類はロースカツだけ。だからお箸だけじゃなくナイフフォークが並んだりする。この特別に気持ちがアガる。まずは穴子のフライをもらう。

江戸前の魚を使った料理がココの主役のひとつ。
ホタテの柱のフライであったりエビフライ。
キスやハマグリと、食材の種類だけをみるとまるで天ぷらのよう。
どれも新鮮。活きた素材で、その持ち味を壊さぬようにフライにしたり、バターでソテして仕上げたり。ボクらの隣のお客様が、アワビのバター焼きでビールをのんでぼんやり昼をたのしんでいる。大人なお店でございます。

ちなみに穴子。肉厚、しかもふっくらしていて、パン粉がカサッと口に散らかる。穴子のネットリした食感を引き立て揚がったパン粉の香りも香ばしい。
ウスターソースをかけて食べます。
自家製の胡椒がヒリヒリするソース。キャベツにかけるとそのヒリヒリが直接口にやってくるけど、フライにかけると辛さが油でごまかされ、パン粉衣を甘くておいしくしてくれる。レタスをフレンチドレッシングでドレスさせた付け合せがパリパリ、シャキシャキ、とても上等。

メインを2種類。カツレツ、それからタンシチュー。

ロースの肉の芯の部分だけを使ったカツレツは、脂をほとんど持ってない。
むっちりしていて、サクッと歯切れる。
しかも肉汁ほとばしり出るゴチソウで、さすが時代を超えてお客様に愛される味。
低温の油でじっくり揚げたのでしょう…、色白衣はサクサクで肉はまるで蒸し上げられたような味わい。
油で揚げていながら油を感じぬステキ。ウットリします。

タンシチューはまさに洋食。
分厚いタンに横に包丁をそっと入れ、切り離さぬよう、けれど芯まで熱が入っていくようにする。
そしてじっくり、デミグラスソースでコトコト煮込んでとてもやわらか。
ナイフがついてくるのだけれど、ソーススプーンをそっと押し付け力を入れると、ホロリと崩れる。舌の上でもとろけるようになめらかで、しかも繊維がバッサリ散らかる。
タン独特の香りと旨み。濃厚味のデミソース。
一口食べては目を閉じて、手間と時間と入念に目を閉じ感謝したくなる味。サイドに置かれたしいたけがソースをたっぷり吸い込みトロンとなってるところもまたオゴチソウ。

それにしてもお皿の豪奢でうつくしきこと。
手洗いでしか洗えぬこういう食器を未だに使えるところ。
素晴らしいなぁ…と感心します。

お食事セットが用意されてる。
ご飯に漬物、そして汁。ご飯は固めで口の中でカラコロ転がるような食感。けれどほどよくみずみずしくて、パン粉衣を邪魔せぬおいしさ。

そこにタンシチューをそっと置く。
ソースを垂らして一緒にご飯をパクリと食べると、あぁ、ありがたや。とても上等なハヤシライスのような味わい。
お米の粒のひとつひとつがソースをまとって、口の中を滑るよう。
西洋料理と洋食のただ唯一の違いはおそらく、ご飯のおかずになるかならぬか。だからココの料理はすべて、ただしき洋食というコトでしょう。
タンにたっぷり芥子を置いて、再び食べると芥子の香りが鼻から抜けて、ソースの風味が鮮やかになる。あぁ、旨い。
汁は赤出汁。中にはなめこ。たっぷり山椒が振りかけられてて、油や脂で疲れた鼻をリセットさせて、今日の昼餉の幕を引く。

2020/03/14 更新

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