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子羊の岩塩包み蒸し焼きアップ
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新玉葱のタルト
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生雲丹とニンジンのムースコンソメゼリーよせ
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ホワイトアスパラ オランデーズソース(写真は1/2)
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貝のスープパイ包み
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貝のスープパイ包み中身
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金目鯛のポワレ
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子羊の岩塩包み蒸し焼き
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バケッド
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ビール(中瓶)
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クレームブリュレ
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イチゴのタルト
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<2013/04訪問>
閉店してしまった浅草橋の超名店ビストロシブレットの赤松シェフが昨年オープンしたお店。
三鷹という私にはまるで関係のない土地で躊躇していましたが、やっとこさ訪問出来ました。
カウンター中心だった以前のお店とは異なり小綺麗な20席ほどのカジュアルフレンチ。
注文はほとんどの人が頼んでいるお任せコース。
さらにアラカルトを見て我慢できなくなりホワイトアスパラを追加。
量が多いこちらの店のコース、追加注文する人はかなりまれのようです。
シェフお任せコース5,500円×2 + 追加アスパラ(3,300円)
アミューズ:新玉葱のタルト
オードブル1:生雲丹とニンジンのムースコンソメゼリーよせ
オードブル2:貝のスープのパイ包み
オードブル追加分:ホワイトアスパラ
魚料理:金目鯛のポワレ
肉料理:子羊の岩塩包み蒸し焼き
デセール:イチゴタルト
プティ・フール:カヌレとなんか(→多かった為お持ち帰り)
瓶ビール(750円)
白グラスワイン(630円)×2
赤グラスワイン(630円)×2
アミューズ:新玉葱のタルト
ナンの様な生地に甘い新玉葱スライス、さらに桜海老、カッテージチーズの様なチーズ。
アミューズからどっしり!口の中に桜海老の香りがふわっと広がります。
オードブル1:生雲丹とニンジンのムースコンソメゼリーよせ
鉄板のこちら。私の大大大好きな雲丹にニンジンムースとコンソメ。
やはりとても旨い!冷たい前菜ながら満腹感まで感じるこのボリュームも凄い。
マノアールダスティン五十嵐シェフが作り出したこの料理。
門下生の店はもちろん今じゃそこらじゅうのフレンチ、ビストロで見るようになった。
ダスティンやヒロミチではそれぞれの主張は弱く味付けも極めておしとやか、ウニとニンジンとコンソメが混ざり合って新しい何かに変化する。
ニンジン、コンソメ、雲丹それぞれが混ざる事に意味がある料理。
対してウィルビウスは3つ素材がおのおの主張をする。
ウニの海の香り、食べてすぐニンジンと分かる甘さとフレッシュな香り、濃いめのコンソメ。
それぞれくっきりとした輪郭を保持したまま喉を通過するまで続く。
どちらが優れているというわけでなく、レストラン的かビストロ的かという違いとも言えるかもしれない。
この日は個性の強いニンジンやコンソメにもよりもさらに頭一つミョウバンの香りが出てしまっていた唯一の残念な点。
ただしあくまで高いレベルを求めるからであって、そこいらのビストロで出るものよりは遥かに旨い。
オードブル2:貝のスープのパイ包み
非常に面白いです。
パイ包みと聞いて真っ先にクリーム系のスープを想像していましたが、クリアな塩系。
牡蠣、帆立、ハマグリ、さざえという貝類が大量に入っていて、さらにそこに生海苔。
アッツアツのスープは貝類からしっかりと出汁が出てまさに海の香り。
さらに時々クミンの香りが刺激する。
この時々くるクミンの香りが海の香りに支配された口の中で素晴らしいアクセント。
雲丹とコンソメより、こちらの方がこの店のスペシャリティに相応しいのでは。
オードブル追加分:ホワイトアスパラ
アラカルトを見てたまらず追加注文。
シェアを頼むと、きちんと2皿に分けて出してもらえた。
春といえばホワイトアスパラ。ロワール産。
めちゃめちゃ太めのそれをたっぷりのオランデーズソースで。
このオランデーズソース、なんと桜の香りがする。
欧州の春の野菜ホワイトアスパラに日本の春の香り桜です。
食は楽しいものだと感じさせてくれる一皿。
やや固めに茹でられたアスパラの味は、日本のそれより苦味やアクをやや強く感じる。
けっして悪い意味ではなく味自体が濃く、春の力強さを感じる。
むちゃくちゃ旨しです。
魚料理:金目鯛のポワレ
これ今日イチ。
登場の瞬間テーブルに香りライムの香り。皿に散りばめられた削りライムの皮からみたい。
カリカリに焼かれた皮メにふわっとした金目の身。そしてホタルイカ、菜の花という季節の食材。
お腹も膨らんできた後半にこの爽やかなライムの香りと淡白な白身。
ホワイトソースにも関わらずこれっぽっちもくどさを感じない。
肉料理:子羊の岩塩包み蒸し焼き
最後は子羊!ニュージー産ラムは柔らかく羊の臭みやクセは極めて少ない。
そこいらのビストロやフレンチで出る羊がいかに臭みが強いかを感じさせるさっぱりさ。
岩塩蒸しらしい、しっとりとした優しい塩味が桜色の肉を一層際立たせます。
5500円のコースでこれだけの羊が出せるのは凄いの一言。
つけ合わせの野菜にはやはり春野菜フキ、クレソン。フキの苦味が春を感じる。
極太のごぼうや皮つきのニンニクなども旨い。
デセール:イチゴタルト
でかい。タルト焦げ過ぎ(笑)
プティ・フール
ここのカヌレなにげに旨い。
ホワイトアスパラといい、菜の花、フキ、クレソン。
この時期の野菜や食材は苦味を持つものが非常に多い。
植物は冬の間眠っていて春に芽を出す。
柔らかいその芽は動物や鳥、虫の格好の餌食となりそうだが、一部の植物は苦味を出す事により動物にはあまり食べられない。
芽が自己防衛の為に出す成分が苦味であると。
そして表面が固くなって外的からの危険がなくなると、この苦味は消えていく。
冬の間溜め込んだエネルギーを一気にこの時開放するのです。
春の苦いものを口にしている時、私はいつも思う。植物の若いエネルギーを口に入れていると。
なぜか歳を取るほど苦味のある食べ物が好きになっているのは、若いエネルギーを植物から頂いてるんじゃないかと思っている。
この日はそんな力強い春のエネルギーを沢山もらえた。そんな気分だ。
まさにビストロ的だった以前のシブレットと比較して明らかに進化している。
料理の工夫や上記に書いた様な季節感をきちんと感じる構成が素晴らしい。
限られた原価の素材の中でどうにかして美味しい料理を作ってやろうという気持ちが手に取るように伝わります。
私は素材を大事にする先鋭的な今時フレンチより、こういう工夫を感じるフレンチが大好きです。
ただしあくまでカジュアルレストランとして優れているというわけで、
ここを食べて2~3万するグランメゾンと比べて、素材がどうだこうだ、古典的過ぎるだの言うのは的外れ。
夜で料理6,000円。この条件でいけば"超"がつくほどの一級品です。
雲丹だって魚だって子羊だってとんでもない良い素材ではないはず。
にも関わらずこれほど美味しく頂けるのは赤松シェフのセンスと努力あってこそでしょう。
進化したお店を満喫できました、季節を変えてまた行きたいお店です。
ご馳走様でした。