トスカーナ州の特徴
州都:フェイレンツェ
トスカーナという単語は「エトルリアの」という意味のラテン語が語源。
平野部が少なく、大部分が丘陵地ということもあり、
均質な農作物栽培は難しく、ほとんどが零細農家である。
主産物:オリーブオイル、ワイン、また、豆の生産も多い(トスカーナ人を「豆食い」を呼ぶこともあるほど。)
中世以降フェレンツェを中心にルネッサンス文化が栄華を極めた。
メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスがアンリ2世に嫁いだ際に、
お抱えコックを随伴し同地の食文化を伝承したことが、現在のフランス料理の礎となっている話は人口に膾炙されている。
◆ トスカーナ料理
宮廷料理が残る一方で、前述の通り農家が常食としている農家料理の流れを汲む料理は、
素材本来の味を活かしたものが多く、炭火焼やフリットが中心。
一言でまとめると、簡潔にわかりやすい味
食材としては、
羊乳からつくるペコリーノ・トスカーノも名高く、サルデーニャから羊飼いが移住してきたこともあり、生産高が増加中。
山岳地帯のキノコ、栗、イノシシなども、秋から冬にかけてトスカーナの食を彩る。
<参考文献>
池上俊一(2011)『パスタでたどるイタリア史』、岩波ジュニア新書
柴田書店(2011)『イタリアの地方料理北から南まで 20州280品の料理』、柴田書店